説明

人物の位置及び方位特定システム

【課題】ビル内や地下街などのGPSが利用できない環境で、人物の位置及び方位を精度良く特定することができる人物の位置及び方位特定システムを提供すること。
【解決手段】 歩行者の履物のつま先側と踵側、又は床面の一方に、被識別手段を、他方に識別手段を設け、前記履物の踵側の被識別手段を検出した位置とつま先側の被識別手段を検出した位置から、つま先側と踵側の位置を特定し、踵側に対してつま先側に体が向いていることを利用して前記履物を装着した人物の正確な位置と向いている方向を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者などの人物の現在位置と歩行方位を特定するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ビルの中や地下街など、GPS(Global Positioning System)が利用できない環境で、人物の位置を検出する手段として無線LAN(IEEE802.11b)やRFIDタグ(Radio Frequency Identification)を利用した、例えば下記の非特許文献や特許文献に示される技術が知られている。
【非特許文献1】近畿総合通信局、「地下街ナビゲーションシステムに関する調査研究結果の概要」、[online]、平成16年4月15日、近畿総合通信局、[平成17年8月22日検索]、インターネット<URL:http://www.ktab.go.jp/new/16/0415-2.PDF>
【非特許文献2】椎尾一郎、「RFIDを利用したユーザ位置検出システム」、情報処理学会研究報告 00−HI−88、2000年5月12日、p.45−50
【特許文献1】特開平07−056990号公報
【特許文献2】特開2005−32205号公報
【0003】
非特許文献1に記載のものは、無線LANの基地局を天井裏にアクセスポイント(AP)として複数設置し、人物側はIEEE802.11bに対応した携帯情報端末を用い、アクセスポイントのセルによる位置を検出するシステムである。
RFIDを利用した位置検出の方法には主に次の2つの方法が知られている。
第1の方法は、対象とする領域に複数のリーダ・ライタを分布配置し、RFIDを携帯した人物が移動するに従って、そのリーダ・ライタ群の検出結果からその位置を求めるものである。
第2の方法は、対象とする領域に複数のRFIDタグを分布配置(例えば埋設)し、人物がリーダ・ライタを携帯してその近傍のRFIDタグを読取ることにより、その位置を知るというものである。
第1の方法の例としては、特許文献1の方法がある。この方法は、サッカーフィールドを縦横に等分して各格子点にリーダ・ライタを埋め込み、サッカーボールに取り付けられたRFIDタグがどのリーダ・ライタで読取られるかによりサッカーボールの位置を検出するものである。
また、特許文献2の方法では、歩行者の靴にRFIDタグを設け、路面に設けたRFIDタグリーダにて位置を検出するものである。
第2の方法の例としては、非特許文献2の方法がある。この方法では、RFIDタグを床面に埋め、移動体(車や人)がリーダ・ライタを携帯して、各RFIDタグを検知することによってその位置を知るものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に記載のものは、アクセスポイントのセルを利用して位置を検出するため、利用する人物の大まかな位置の特定しか出来ないという問題がある。
また、非特許文献2、特許文献1及び特許文献2に記載のものは、物体や人物が向いている方位を検出することが出来ない問題がある。
【0005】
本発明の目的は、ビル内や地下街などのGPSが利用できない環境で、人物の位置及び方位を精度良く特定することができる人物の位置及び方位特定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、人物が歩行する歩行面に配置された複数の被識別手段と、人物が装着して歩行する履物内に設けた制御装置及びつま先側と踵側に設けた前記被識別手段から位置情報を読取る読取り手段とから構成される人物の現在位置及び方位を特定するシステムであって、
前記制御装置が、
前記履物内のつま先側と踵側に設けた読取り手段によって読取った歩行面の前記被識別手段の位置情報に基づき、前記履物の踵の位置とつま先の位置を特定し、さらに前記履物の踵の位置とつま先の位置情報に基づいて前記履物を装着した人物が向いている方位と現在位置を特定する手段を備えることを特徴とする。
また、人物が装着して歩行する履物内に設けた制御装置及びつま先側と踵側に設けた被識別手段と、人物が歩行する歩行面に配置され、前記履物内に設けた被識別手段の識別情報を読取る複数の読取り手段とから構成される人物の現在位置及び方位を特定するシステムであって、
前記制御装置が、
前記履物内のつま先側と踵側の前記被識別手段の識別情報を読取った前記歩行面の識別手段の位置情報に基づき、前記履物の踵の位置とつま先の位置を特定し、さらに前記履物の踵の位置とつま先の位置情報に基づいて前記履物を装着した人物が向いている方位と現在位置を特定する手段を備えることを特徴とする。
また、前記制御装置は、前記履物が歩行面に着地したことを検出する着地センサの着地検出出力を受けたことを契機にして人物の現在位置及び方位の特定処理を行うことを特徴とする。
また、前記履物を装着した人物と目的地の位置情報を関連付けて記憶する手段と、前記制御装置が特定した人物の位置及び方位に基づき、前記目的地へ向かうための経路又は方位を案内するメッセージを前記人物が携帯する携帯情報端末に送信する案内装置をさらに備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る履物または履物装着具は、人物の位置及び方位を特定するシステムに用いる履物または履物装着具であって、つま先側と踵側に、歩行面に配置された複数の被識別手段の位置信号を読取る読取り手段を備えることを特徴とする。
また、人物の位置及び方位を特定するシステムに用いる履物または履物装着具であって、つま先側と踵側に、歩行面に配置された複数の読取り手段によって識別情報が読取られる被識別手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、歩行者の履物のつま先側と踵側の位置を検出することで、踵側に対してつま先側に体が向いていることを利用して体の向きを検出するようにしたので、歩行者の正確な位置を精度良く特定し、かつ体の向きによって歩行者が向いている方位を特定することが可能となる。これにより、歩行者自身を基準にした目的方位の案内サービスが可能になる等、直感的に判りやすい情報提供サービスが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施する場合の一形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係る人物の位置及び方位を特定する方法の基本的な概念図である。
図2は、本発明に係る人物の位置及び方位特定システムの一実施形態を示しており、
床にRFIDタグを設置し、履物にタグリーダを装着したシステム構成例である。
図3は、本発明に係る人物の位置及び方位特定システムの一実施形態を示しており、
床にタグリーダを設置し、履物にRFIDタグを装着したシステム構成例である。
図4は、本発明に係る人物の位置及び方位特定システムの一実施形態を示しており、
タグリーダを制御する制御装置の最低限必要な機能ブロック図である。
図5は、図2のシステム構成における制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0010】
図1に示す実施形態においては、床のある領域を一定間隔で等分し、各交点にRFIDタグ101(黒丸点で図示)を配置する。102A、102Bはそれぞれ右足と左足の履物を示し、103A、103B、103C、103Dは履物の踵側とつま先側に装着したタグリーダを示す。各タグリーダにより、近傍のRFIDタグ101を読取ることで、例えば非特許文献2に記載されているような公知の技術により、つま先側と踵側の位置情報を得る。
そして、各位置情報から、例えば右足のベクトル104を求めることで、体の方位を求め、この方位を人物が向いている現在方位として特定する。あるいは、一般に、人物のつま先側は踵側に比べて開いている事から、左足のベクトル105を求め、ベクトル104とベクトル105の合成ベクトル106を求め、合成ベクトル106の方位を人物が向いている現在方位として特定する。または、両足の方位の中間方位を人物が向いている現在方位として特定する。
なお、本実施の形態においては、ベクトル104の向きを右足の向きと、RFIDタグ101の向きを左足の向きと、それぞれ擬制しており、RFIDタグ101の配置間隔が広いと、ベクトル104,105の向きと真の足の向きとの誤差が大きくなるため、RFIDタグ101の配置間隔は、足の大きさより充分狭いこと(例えば10cm以下)が望ましい。
【0011】
図1の例では、平面を用いているが、各RFIDタグ101と高度情報を関連付けることは容易であり、3次元座標系における位置及び方位を特定する事を排除するものではない。例えば傾斜面の傾斜度であったり、例えばフロアの階数を同時に求めることも容易である。また、RFIDタグの場合、同時に複数のタグから情報を得ることが可能であるので、これを利用し、例えばつま先側のタグリーダで2つ以上のRFIDタグを読取った場合は、その中間などに位置を補正することも容易である。
また、図1において、RFIDタグとタグリーダを逆に配置しても、前記説明のように位置及び方位の特定が可能である。
【0012】
図2の実施形態のシステム構成図において、履物201のつま先側と踵側にタグリーダ202A及び202Bを設け、さらに履物201が床に着地した事を感知する着地センサ204を設け、これらは制御装置203に接続する。床205にRFIDタグを206A、206B,206Cのように複数埋設する。各RFIDタグ206A〜206Cの固有のIDと位置情報を関連付けて、データベース210に登録しておく。又は、各RFIDタグに、それぞれの埋設位置の情報を記憶させておく。位置情報は、例えば、ある基準点に対する相対座標でもよいし、例えば、緯度、経度のような座標でもよい。
床面にRFIDタグを設置する場合、自ら電波を送信するアクティブタグを使用することで、履物側のタグリーダ側から電磁波による電力供給が不要となり、履物側の消費電力を低減することが出来る。
【0013】
人物が歩行している場合、履物201が空中を移動する期間と、着地している期間を繰り返しており、被識別手段である各RFIDタグを正確に識別するためには履物201が着地している期間を知ることが好ましいため、着地センサ204を設けている。歩行により履物201が空中を移動している間は、RFIDタグ206A〜206Cの読取りを行わないようにし、着地している間にRFIDタグ206A〜206Cを読取ることで位置特定の精度を上げることができる。また、ある位置の1つのRFIDタグ上を履物201が通過する際に、つま先側と踵側のタグリーダ202A,202Bで、同じRFIDタグを読取ってしまうことを防止することができる。
【0014】
図2の例では、着地センサ204が着地した事を検出すると、制御装置203は、タグリーダ202A,202BによるRFIDタグ検出を開始する。この例では、タグリーダ202AでRFIDタグ206Aを読取り、得られたRFIDタグの固有ID(αとする)を制御装置203に送信する。
同様に、タグリーダ202BでRFIDタグ206Cの固有のID情報(βとする)を読取り、これを制御装置203に送信する。
【0015】
制御装置203は、履物201を装着した人物が携帯する携帯情報端末207と通信し、αをつま先側、βを踵側の固有ID情報として送信する。制御装置203と携帯情報端末207間の通信方法は、有線通信でも良いが、無線通信が好ましい。
携帯情報端末207は、無線通信により、基地局208を通じて情報処理サーバ209と通信し、α、βを送信する。情報処理サーバ209は、α、βに対する位置情報を、データベース210から検索し、踵側に対してつま先側に体が向いていることを利用し方位を特定し、応答データを作成し、携帯情報端末207に現在の方位を応答メッセージする。
携帯情報端末207を携帯した人物は、応答メッセージによって自分自身が向いている現在方位を知ることができる。
【0016】
なお、応答メッセージは、音声のみ、または方位を示す文字、あるいは音声と文字の組み合わせで構成する。望ましくは、データベース210に格納された道路の地図情報により、例えば「現在位置は横浜駅前バス付近の並木通りです。横浜駅方向を向いています。」といった音声と表示情報で構成する。この応答メッセージは、情報処理サーバ209が作成する。
【0017】
なお、RFIDタグ自体に位置情報を格納した場合には、制御装置203が現在位置と方位を特定し、その特定結果を携帯情報端末207に送信する。この場合、道路情報を歩行者に通知するサービスを行う場合には、制御装置203が特定した現在位置と方位を携帯情報端末207から情報処理サーバ209に送信し、情報処理サーバ209によって例えば「現在位置は横浜駅前バス付近です。横浜駅方向を向いています。」といった音声と表示情報から成る応答メッセージを携帯情報端末207返信させるように構成することができる。
【0018】
なお、制御装置203と携帯情報端末207は、互いにデータを送受する場合、他人の位置情報や応答メッセージを受信しないように、送信元を識別するIDをヘッダ情報に付加して送信し、このヘッダ情報の中の送信元が受信側とペアになる送信元であった場合にのみ、ヘッダ情報に続く位置情報などを取り込んで処理する。これにより、多くの歩行者が接近して歩行していたとしても、それぞれの歩行者の現在位置や方位を正確に特定し、歩行者に通知することができる。
【0019】
次に、床にタグリーダを設置し、履物にRFIDタグを装着した図3の実施形態においては、履物301のつま先側と踵側にRFIDタグ302A及び302Bを装着する。
各RFIDタグ302A,302Bには、右足、左足、つま先側、踵側を示す識別情報を記録しておく。また、床303に、履物301が床に着地した事を検出する着地センサ304と、タグリーダを305A、305B,305Cのように複数埋設し、制御装置306に接続する。
各タグリーダ305A、305B,305Cには固有IDを付与し、前記固有IDと位置情報を関連付けてデータベース308に登録しておく。位置情報は、例えば、ある基準点に対する相対座標でもよいし、緯度、経度のような座標でもよい。
【0020】
図3の例では、制御装置306は、着地センサ304により、履物301が床に接したことを検出したら、タグリーダ305A、305B,305CでのRFID検出を開始する。
この例では、タグリーダ305AでRFIDタグ302Aの前記識別情報を読取り、情報処理サーバ307に前記識別情報とタグリーダの固有IDを送信する。情報処理サーバ307は、前記タグリーダ305Aの固有IDをキーとしてデータベース308を検索することで位置情報を特定し、さらにRFIDタグから得た識別情報により、前記位置情報がつま先側か、踵側かを特定する。
【0021】
同様に、タグリーダ305Cから踵の位置を特定し、情報処理サーバ307は、踵側に対してつま先側に体が向いていることを利用し、人物の位置と方位を特定する。
また、図3の例において、各RFIDタグ302A,302Bには、固有IDが備わっているので、これらRFIDタグの固有IDと右足、左足、つま先側、踵側などを示す識別情報を関連付けて、データベース306に登録しても良い。
履物301を装着した歩行者は、携帯情報端末310で、無線通信により、基地局309を経由して情報処理サーバ307と通信し、自分の位置と方位情報を得ることが出来る。
この実施形態のように、履物301にRFIDタグを設置する場合、電源を必要としないパッシブタグを使用することで、電池交換などメンテナンスが不要になるという利点がある。
【0022】
図2及び図3の情報処理サーバ209や307は、前記特定した位置と方位情報を用いて、携帯情報端末等で使用するデータを作成する。
例えば、特定した方位を上にした地図に位置情報を示すアイコンを重ねた画像データなどである。さらに、例えば、履物を装着した人物の目的地を選択する画面を用意し、予め目的を選択させ、前記人物を特定するIDと前記目的地を示す位置情報を関連付けてデータベースに登録しておけば、前記特定した位置と方位情報と、前記目的地の位置情報から、目的地への案内情報を作成できる。例えば、「目的地は右方向○メートル」といった案内が可能になる。
さらに、第3者が利用するためのデータを作成し、履物を履いた人物が何処でどの方向を向いているかを知ることも出来る。
【0023】
次に制御装置について詳しく説明する。
図4は、図2に示すシステム構成における制御装置203の最低限必要な機能ブロック図である。制御装置203は、制御部401、着地検出センサインターフェース402、タグリーダインターフェース403、記憶部404、通信インターフェース405で構成される。
制御部401は、制御装置203の全体の制御を行う。着地検出センサインターフェース402には、圧力センサなどの着地センサ204からの出力が接続され、履物が着地したことを検出する。タグリーダインターフェース402には、複数のタグリーダが接続され、タグリーダと通信を行い、RFIDタグから情報を受け取る。
記憶部404は、制御部401で動作するプログラムを格納する静的領域と、制御部401が動作する為のワークエリアなどの動的領域を含む。通信インターフェース405は、外部と通信する為のインターフェースであり、通信相手に合わせた通信モジュールが接続され、例えば近距離無線通信を行う為の無線通信モジュールや、LANで通信を行う為のLANモジュールなどを接続し、タグリーダより得られたデータを携帯情報端末207や情報処理サーバ209に送信する。
【0024】
次に制御装置203の動作を説明する。
制御部401は、着地検出センサインターフェース402で、履物が着地した事を検出すると、タグリーダインターフェースを通じてタグリーダにRFIDタグの検出開始を指示する。一定時間内に、つま先側と踵側のRFIDの識別情報が得られた場合は、それを通信インターフェースにより、外部機器に送信する。
【0025】
図5は、制御装置203が定常的にどのような処理を行うかを示したフローチャートである。この図は処理を説明するための最低限のものであり、この他の、例えば初期化処理や発明に重要ではないエラー処理などは省略している。
まず、着地センサインターフェースから入力があるまで待機する(ステップ501)。
接地センサ204から入力が有ったら、タグリーダインターフェース403に読取り開始を指示する(ステップ502)。
次に、読取りエラーなどで一定時間内にRFIDタグを読めなかったときのために、読取りタイマをスタートする(ステップ503)。
一定時間経っても、つま先側と踵側のRFIDタグが読めなかった場合は(ステップ504)、タグリーダインターフェースに読取り終了を指示し(ステップ505)、処理の先頭に戻る。
つま先側と踵側のRFIDタグを読めた場合は(ステップ506)、通信インターフェースにて外部機器へ読取ったRFIDタグのデータを携帯情報端末207宛に送信する(ステップ507)。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明における人物の位置及び方位を特定する方法の基本的な概念図である。
【図2】本発明に係る人物の位置及び方位特定システムの一実施形態を示し、床にRFIDタグを設置し、履物にタグリーダを装着したシステム構成例である。
【図3】本発明に係る人物の位置及び方位特定システムの一実施形態を示し、床にタグリーダを設置し、履物にRFIDタグを装着したシステム構成例である。
【図4】本発明に係る人物の位置及び方位特定システムの一実施形態を示し、タグリーダを制御する制御装置の最低限必要な機能ブロック図である。
【図5】図2のシステム構成における制御装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0027】
101 RFIDタグ
102A 履物の右足
102B 履物の左足
103A 右足の踵側のタグリーダ
103B 右足のつま先側のタグリーダ
103C 左足の踵側のタグリーダ
103D 左足のつま先側のタグリーダ
104 右足の向きを表すベクトル
105 左足の向きを表すベクトル
106 両足の合成ベクトル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物が歩行する歩行面に配置された複数の被識別手段と、人物が装着して歩行する履物内に設けた制御装置及びつま先側と踵側に設けた前記被識別手段から位置情報を読取る読取り手段とから構成される人物の現在位置及び方位を特定するシステムであって、
前記制御装置が、
前記履物内のつま先側と踵側に設けた読取り手段によって読取った歩行面の前記被識別手段の位置情報に基づき、前記履物の踵の位置とつま先の位置を特定し、さらに前記履物の踵の位置とつま先の位置情報に基づいて前記履物を装着した人物が向いている方位と現在位置を特定する手段を備えることを特徴とする人物の位置及び方位特定システム。
【請求項2】
人物が装着して歩行する履物内に設けた制御装置及びつま先側と踵側に設けた被識別手段と、人物が歩行する歩行面に配置され、前記履物内に設けた被識別手段の識別情報を読取る複数の読取り手段とから構成される人物の現在位置及び方位を特定するシステムであって、
前記制御装置が、
前記履物内のつま先側と踵側の前記被識別手段の識別情報を読取った前記歩行面の識別手段の位置情報に基づき、前記履物の踵の位置とつま先の位置を特定し、さらに前記履物の踵の位置とつま先の位置情報に基づいて前記履物を装着した人物が向いている方位と現在位置を特定する手段を備えることを特徴とする人物の位置及び方位特定システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記履物が歩行面に着地したことを検出する着地センサの着地検出出力を受けたことを契機にして人物の現在位置及び方位の特定処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の人物の位置及び方位特定システム。
【請求項4】
前記履物を装着した人物と目的地の位置情報を関連付けて記憶する手段と、前記制御装置が特定した人物の位置及び方位に基づき、前記目的地へ向かうための経路又は方位を案内するメッセージを前記人物が携帯する携帯情報端末に送信する案内装置をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の人物の位置及び方位特定システム。
【請求項5】
人物の位置及び方位を特定するシステムに用いる履物または履物装着具であって、つま先側と踵側に、歩行面に配置された複数の被識別手段の位置信号を読取る読取り手段を備えることを特徴とする履物または履物装着具。
【請求項6】
人物の位置及び方位を特定するシステムに用いる履物または履物装着具であって、つま先側と踵側に、歩行面に配置された複数の読取り手段によって識別情報が読取られる被識別手段を備えることを特徴とする履物または履物装着具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−163343(P2007−163343A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−361614(P2005−361614)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】