説明

位相同期回路及びこれを用いた受信機

【課題】フラクショナルスプリアスの発生しない位相同期回路を提供する。
【解決手段】第1の分数及び第2の分数の和で表される比率を基準信号の周波数に乗じて得られる対象信号に周波数及び位相が一致した出力信号を得る位相同期回路において、第1の分数の分母と第2の分数の分母と2との最小公倍数を更に2で除した数と同じ段数の増幅器を環状接続して構成され、最小公倍数と同じ信号数の多相信号が取り出し可能であって多相信号の周波数がデジタル制御信号及びアナログ制御信号によって制御され、多相信号の1つが出力信号として出力される制御発振器120と、出力信号と基準信号との間の周波数差及び位相差をデジタル信号に変換する変換部116と、デジタル信号に基づいて、基準信号の周期毎に、次の周期において基準信号と位相が一致する信号を多相信号から順次選択する信号選択部140とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PLL(Phase Locked Loop)方式の位相同期回路及びこれを用いた受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
位相同期回路は、基準信号の周波数に所望の比率を乗じて得られる対象信号と周波数及び位相が同期(ロック)した出力信号を得るために用いられる。位相同期回路は、一般的にPLL(Phase Locked Loop)として構成される。典型的なPLLは、与えられる制御電圧に応じて発振周波数が制御される電圧制御発振器(VCO)と、基準信号と上記VCOの出力信号との間の位相差を検出するアナログ位相検出器と、上記アナログ位相検出器の出力信号から不要波を除去するアナログフィルタと、上記アナログフィルタの出力信号を増幅して上記制御電圧を生成する増幅器とを含む。
【0003】
また、PLLは前述したアナログ方式に限らず、デジタル方式で構成してもよい。非特許文献1には、VCOと、基準信号及びVCOの出力信号の間の周波数差及び位相差を検出して当該周波数差及び位相差に応じたデジタル検出信号を出力するTDC(Time to Digital Converter)と、上記デジタル検出信号を平滑化するフィルタ処理を行うデジタルフィルタと、上記デジタルフィルタの出力信号を変換してVCOの制御電圧を生成するデジタル−アナログ変換器(DAC)とを含む、デジタル方式のPLLが記載されている。アナログ方式のPLLは外付けのキャパシタを用いて構成されるアナログフィルタを用いるが、デジタル方式のPLLは上記アナログフィルタをオンチップのデジタルフィルタに置き換えることができる。従って、デジタル方式のPLLはアナログ方式のPLLに比べて小面積で構成することができることが知られている。
【0004】
しかしながら、TDCは周波数差及び位相差をデジタル検出信号に変換するため、量子化雑音が発生する。TDCの分解能は有限であるため、ロック(同期)状態であっても、1LSB(Least Significant Bit)に相当する量子化雑音が発生するおそれがある。上記量子化雑音のPLL出力までの伝達関数は低域通過型であり、カットオフ周波数はループ帯域に依存する。一方、VCOで発生する位相雑音のPLL出力までの伝達関数は高域通過型であって、カットオフ周波数はループ帯域に依存する。従って、量子化雑音を除去するためにループ帯域を狭く設定すると、VCOの位相雑音が除去されにくくなる。一方、VCOの位相雑音を除去するためにループ帯域を広く設定すると、量子化雑音が除去されにくくなる。
【0005】
特許文献1には、周波数同期のためのデジタルループと、位相同期のためのアナログループとを備えた2重ループ方式のPLLが記載されている。特許文献1記載のPLLは、デジタルループのループ帯域を狭くすることにより量子化雑音を除去すると共に、アナログループのループ帯域を比較的広くすることによりVCOの位相雑音を除去する。
【特許文献1】特開2004−312726号公報
【非特許文献1】R. Staszewski, "ALL-Digital PLL and Transmitter for Mobile Phones", IEEE J. of Solid-State Circuits Vol. 40, No. 12, DEC 2005.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、対象信号と基準信号との間の周波数比率が整数であれば、分周比が当該周波数比率に一致する整数分周器を用いて比較的容易にPLLを構成できる。しかし、近年の技術的要請を鑑みると、上記周波数比率は整数だけでなく分数にも拡大されることが望ましい。例えば、フラクショナルN−PLLは、可変分周器の分周比(整数)を2値以上の間で切り替えることにより擬似的に分数値の分周比を実現している。
【0007】
フラクショナルN−PLLは、フラクショナルスプリアスと呼ばれる不要波が発生する問題がある。仮に、特許文献1記載の2重ループ方式のPLLとフラクショナルN−PLLとを単に組み合わせたとしても、フラクショナルスプリアスの発生は避けられない。
【0008】
従って、本発明はフラクショナルスプリアスの発生しない位相同期回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る位相同期回路は、第1の分数及び第2の分数の和で表される比率を基準信号の周波数に乗じて得られる対象信号に周波数及び位相が一致した出力信号を得る位相同期回路であって、前記第1の分数の分母と前記第2の分数の分母と2との最小公倍数を更に2で除した数と同じ段数の増幅器を環状接続して構成され、前記最小公倍数と同じ信号数の多相信号が取り出し可能であって前記多相信号の周波数がデジタル制御信号及びアナログ制御信号によって制御され、前記多相信号のいずれか1つが前記出力信号として出力される制御発振器と、前記出力信号と前記基準信号との間の周波数差及び位相差を第1のデジタル信号に変換する変換部と、前記比率を示す第2のデジタル信号から前記第1のデジタル信号を減算し、前記出力信号と前記対象信号との間の周波数差及び位相差を示す第3のデジタル信号を得るデジタル位相周波数検出部と、前記第3のデジタル信号を平滑化して前記デジタル制御信号を生成するフィルタ処理を行うデジタルフィルタと、前記第1のデジタル信号に基づいて、前記基準信号の周期毎に、次の周期において当該基準信号と位相が一致する信号を選択信号として前記多相信号から順次選択する信号選択部と、前記選択信号と前記基準信号との間の位相差を示すアナログ位相差信号を得るアナログ位相検出部と、前記アナログ位相差信号を平滑化して前記アナログ制御信号を生成するフィルタ処理を行うアナログフィルタと、前記第3のデジタル信号に基づき前記出力信号及び前記対象信号の周波数及び位相が一致したことを検出すると、前記アナログ制御信号が前記制御発振器に与えられるように前記アナログ制御信号の信号経路を切り替えるロック検出部とを具備する。
【0010】
本発明の他の態様に係る位相同期回路は、第1の分数及び第2の分数の和で表される比率を基準信号の周波数に乗じて得られる対象信号に周波数及び位相が一致した出力信号を得る位相同期回路であって、前記第1の分数の分母と前記第2の分数の分母と2との最小公倍数を更に2で除した数と同じ段数の増幅器を環状接続して構成され、前記最小公倍数と同じ信号数の多相信号が取り出し可能であって前記多相信号の周波数がデジタル制御信号及びアナログ制御信号によって制御され、前記多相信号のいずれか1つが前記出力信号として出力される制御発振器と、前記出力信号と前記基準信号との間の周波数差及び位相差を第1のデジタル信号に変換する変換部と、前記比率を示す第2のデジタル信号から前記第1のデジタル信号を減算し、前記出力信号と前記対象信号との間の周波数差及び位相差を示す第3のデジタル信号を得るデジタル位相周波数検出部と、前記第3のデジタル信号を平滑化して前記デジタル制御信号を生成するフィルタ処理を行うデジタルフィルタと、前記第1のデジタル信号に基づいて、前記基準信号の周期毎に、次の周期において当該基準信号と位相が一致する信号を第1の選択信号として、当該第1の選択信号よりも位相の進んだ信号を第2の選択信号として、当該第1の選択信号よりも位相の遅れた信号を第3の選択信号として前記多相信号から順次選択する信号選択部と、前記第2の選択信号及び第3の選択信号のいずれか一方と前記基準信号との間の位相差を示す第1のアナログ信号と、前記第2の選択信号及び第3の選択信号のいずれか他方と前記第1の選択信号との間の位相差を示す第2のアナログ信号とを得るアナログ位相検出部と、前記第1のアナログ信号及び前記第2のアナログ信号を平滑化して前記アナログ制御信号を生成するフィルタ処理を行うアナログフィルタと、前記第3のデジタル信号に基づき前記出力信号及び前記対象信号の周波数及び位相が一致したことを検出すると、前記アナログ制御信号が前記制御発振器に与えられるように前記アナログ制御信号の信号経路を切り替えるロック検出部とを具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フラクショナルスプリアスの発生しない位相同期回路を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る位相同期回路は、FCW(Frequency Command Word)生成部111、カウンタ112、デジタル位相周波数検出器113、デジタルフィルタ114、ロック検出器115、TDC116、制御発振器120、アナログ位相検出器131、アナログフィルタ132、スイッチ133及び信号選択部140を有する。
【0013】
FCW生成部111、カウンタ112、デジタル位相周波数検出器113、デジタルフィルタ114、制御発振器120及びTDC116はデジタルループ110を構成する。デジタルループ110は、図1の位相同期回路がロック対象とする対象信号(以下、単にロック対象信号と称する)に対して後述する制御発振器120から出力される第1位相信号11の周波数及び位相をロックさせるためのループである。
【0014】
アナログ位相検出器131、アナログフィルタ132、スイッチ133、制御発振器120、信号選択部140はアナログループ130を構成する。アナログループ130は、デジタルループ110の作用によって達成されたロック状態を維持させると共に、デジタルループ110によって発生する量子化雑音及び制御発振器120の位相雑音を広帯域に亘って除去するためのループであって、望ましくはデジタルループ110よりも広いループ帯域が設定される。
【0015】
即ち、図1の位相同期回路は、狭帯域のデジタルループ110及び広帯域のアナログループ120を組み合わせることによって、量子化雑音及び制御発振器120で発生する位相雑音を広帯域に亘って除去する。
【0016】
FCW生成部111は、基準信号10に対するロック対象信号の周波数比率を指定するためのデジタルコードであるFCWをカウンタ112に入力する。即ち、ロック対象信号の周波数は、基準信号10の周波数に上記FCWを乗じて得られる値に等しい。FCWは人為的または自動的に定められる。FCWは、整数部分だけでなく小数部分を含むことがある。
【0017】
カウンタ112は、基準信号10をクロック信号として利用し、FCW生成部111から出力されるFCWをカウントする。カウンタ112は、カウント値をデジタル位相周波数検出器113に入力する。
【0018】
デジタル位相周波数検出器113は、後述するTDC116から入力されるデジタル信号をカウンタ112からのカウント値より減算し、ロック対象信号と第1位相信号11との間の周波数差及び位相差を示すデジタル検出信号をデジタルフィルタ114及びロック検出器116に入力する。
【0019】
デジタルフィルタ114は、デジタル位相周波数検出器113を平滑化するフィルタ処理を行ってデジタル制御信号を生成する。デジタルフィルタ114の周波数特性は、デジタルループ110のループ帯域及びロックアップ時間、制御発振器120の位相雑音特性等に影響するので、適宜設定されることが望ましい。デジタルフィルタ114は、デジタル制御信号を後述する制御発振器120のデジタル制御端子に与える。
【0020】
制御発振器120は、複数段の増幅器を環状接続して構成されるいわゆるリングオシレータである。図1では、説明の簡単化のために制御発振器120は増幅器121、増幅器122、増幅器123及び増幅器124の計4段の増幅器を環状接続して構成されているが、制御発振器120を構成する増幅器の段数はこれに限られるものでない。制御発振器120は、デジタル制御端子とアナログ制御端子とを有する。制御発振器120の発振周波数(即ち、第1位相信号11の周波数)は、デジタル制御端子に与えられるデジタル制御信号とアナログ制御端子に与えられるアナログ制御信号との組み合わせによって制御される。制御発振器120は増幅器の段数に応じた信号数の多相信号を取り出し可能であって、当該多相信号の周波数は共通(即ち、制御発振器120の発振周波数)である。図1の例であれば、制御発振器120は8相信号を取り出し可能であって、第1位相信号11,第2位相信号12,…,第8位相信号18が取り出される。尚、図1において、第1位相信号11,第2位相信号12,…,第8位相信号18は、位相が遅れている順に便宜的に番号を割り振って区別されている。また、第1位相信号11は、第2位相信号12に比べて位相がπ/4[rad]進んでおり、第8位相信号18に比べて位相が7π/4[rad]進んでいる。即ち、iを7以下の整数とすると、第i位相信号と第(i+1)位相信号との間の位相差は一定(=2π/8[rad]=π/4[rad])である。制御発振器120から取り出された第1位相信号11,…,第8位相信号18はいずれも信号選択部140に入力される。また、第1位相信号11はTDC116にも入力され、更に図1の位相同期回路の出力信号として出力される。
【0021】
制御発振器120を構成する増幅器の段数は、FCW生成部111が生成するFCWの分解能によって決まる。仮に、次の数式(1)に示すように、FCWが2つ正の分数の和で表されるとする。
【数1】

【0022】
数式(1)において、Lは0以上の整数、J、K及びMは自然数を表す。また、一例として、L、J及びKが固定値で、Mが可変値であってもよい。このとき、制御発振器120を構成する増幅器の段数は、J及びKの最小公倍数LCM{J,K}が奇数であればLCM{J,K}×I(Iは任意の自然数を表す)、上記最小公倍数LCM{J,K}が偶数であればLCM{J,K}×I/2となる。換言すれば、上記段数はJ、K及び2の最小公倍数を更に2で除した数を約数に含む。そして、制御発振器120からは上記最小公倍数を約数に含む信号数の多相信号を取り出す必要がある。
【0023】
従って、制御発振器120を構成する増幅器の段数を最小化する場合(即ち、I=1)、少なくとも段数×2の多相信号を取り出す必要がある。増幅器が平衡型差動増幅器であれば、各段の出力信号を単に取り出すことにより段数×2の多相信号を取り出すことができる。また、増幅器が単相増幅器またはシングルエンド型差動増幅器であれば各段の出力信号を取り出して更に2分岐させて、一方はそのまま取り出し、他方はインバータを介して取り出すことにより段数×2の多相信号を取り出すことができる。
【0024】
TDC116は、基準信号10をクロック信号として利用し、基準信号10と第1位相信号11との間の周波数差及び位相差を示すデジタル信号を生成する。TDC116は、例えば非特許文献1に示すような、インバータ遅延に基づいて位相差を検出する構成でよい。TDC116は、上記周波数差及び位相差を示すデジタル信号を信号選択部140及びデジタル位相周波数検出部113に入力する。TDC116が出力するデジタル信号は、例えばいわゆる温度計コード(thermometer code)である。
【0025】
ロック検出器115は、デジタル位相周波数検出器113からのデジタル検出信号に基づいてロック状態の検出を行う。例えば、ロック検出器115は、上記デジタル検出信号の値が0であればロック状態を検出する。ロック検出器115は、ロック状態を検出するとスイッチ133をONにしてアナログ制御信号の信号経路を確保し、アナログループ130を能動状態に移行させる。
【0026】
信号選択部140は、基準信号10をクロック信号として利用し、制御発振器120からの多相信号(図1における第1位相信号11,…,第8位相信号18)のうちいずれか1つをTDC116からのデジタル信号に基づき選択して、第1選択信号21としてアナログ位相検出器131に入力する。ここで、上記第1選択信号は、基準信号10の次の周期において当該基準信号10と位相が一致する(即ち、立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジが一致する)信号である。
【0027】
アナログ位相検出器131は、信号選択部140からの第1選択信号21と基準信号10との間の位相差を検出し、アナログ位相差信号としてアナログフィルタ132に入力する。アナログ位相検出器131の具体的構成は特に言及しないが、前述したように第1選択信号21及び基準信号10の位相は一致しているので、XORゲートを利用した簡易な構成でよい。
【0028】
アナログフィルタ132は、アナログ位相検出器131からのアナログ位相差信号を平滑化するフィルタ処理を行って、上記アナログ制御信号を生成する。アナログフィルタ132と制御発振器120のアナログ制御端子との間にはスイッチ133が設けられている。スイッチ133は、前述したようにロック検出器115によってON/OFF制御される。即ち、デジタルループ110の作用によって第1位相信号11がロック対象信号にロックしていれば、上記アナログ制御信号はスイッチ133を介して制御発振器120のアナログ制御端子に与えられる。
【0029】
以下、信号選択部140を詳しく説明する。
信号選択部140は、符号化器141及びセレクタ150を有する。符号化器141は、基準信号10をクロック信号として利用し、TDC116からのデジタル信号に基づきセレクタ150を制御するための選択制御信号を生成する。ここで、選択制御信号は、基準信号10の次の周期において当該基準信号10と位相が一致する信号を指定するための信号である。そして、セレクタ150は、符号化器141からの選択制御信号に従って、第1選択信号21を選択し、アナログ位相検出器131に入力する。
【0030】
信号選択部140は、例えば図3に示すように構成される。図3において、セレクタ150は、ANDゲート151,…,158と、ORゲート161,…,164,171とを有する。ANDゲート151,…,158には第1位相信号11,…,第8位相信号18が夫々入力されている。このとき、選択制御信号は、ANDゲート151,…,158に夫々1ビットずつ入力される計8ビットの信号である。符号化器141は、TDC116からのデジタル信号(例えば温度計コード)に基づき、第1選択信号21として指定すべき信号が入力されているANDゲートに対応するビットを「1」とし、それ以外のANDゲートに対応するビットを「0」とする選択制御信号(バブルコード)を生成する。そして、ORゲート161,…,164,171によって8つのANDゲート151,…,158の出力信号の論理和が演算され、上記選択制御信号によって指定された1つの信号が第1選択信号21として出力される。
【0031】
基準信号10の周波数が1MHz(周期=1/1[μsec])であって、FCWが(8/1+1/8)であるとする。このとき、ロック対象信号の周波数は65/8MHz(周期=8/65[μsec])である。また、制御発振器120の最小時間分解能は、出力信号の周期(=ロック対象信号の周期)を多相信号の信号数で除して得られる1/65[μsec]である。即ち、基準信号10の1周期は、上記最小時間分解能の65個分に相当する。従って、図2に示すように、ある時点において基準信号10の立ち上がりエッジと第1位相信号11の立ち上がりエッジとが一致していれば、基準信号10の次の立ち上がりエッジと第2位相信号12の立ち上がりエッジとが一致する。以降も同様に、基準信号10の立ち上がりエッジと、第1位相信号11,…,第8位相信号18のいずれかの立ち上がりエッジとが一致する。即ち、信号選択部140は、基準信号10と位相の一致する第1選択信号21を常に選択可能である。
【0032】
また、数式(1)においてMを可変値としても信号選択部140は基準信号10と位相の一致する第1選択信号21を常に選択可能である。例えば、基準信号10の周波数が1MHz(周期=1/1[μsec])であって、FCWが(16/3+M/5)であるとする。このとき、前述したように、制御発振器120を構成する増幅器の段数は15でよく、多相信号の信号数は30でよい。また、ロック対象信号の周波数は(80+3M)/15MHz(周期=15/(80+3M)[μsec])である。また、制御発振器120の最小時間分解能は、出力信号の周期(=ロック対象信号の周期)を多相信号の信号数で除して得られる1/(160+6M)[μsec]である。例えば、M=1とすれば、上記最小時間分解能は1/166[μsec]となるので、基準信号10の1周期は当該最小時間分解能の166個分に相当する。制御発振器120の出力信号(=ロック対象信号)の1周期は上記最小時間分解能の30個(=多相信号の信号数)分に相当するので、信号選択部140は上記最小時間分解能16個(=166mod30)分ずつ位相シフトするように第1位相信号21を順次選択すればよい。また、Mを一般化すれば、信号選択部140は上記最小時間分解能{(160+M)mod30}個分ずつ位相シフトするように第1位相信号21を順次選択すればよい。
【0033】
信号選択部140が、第1位相信号21として順次選択する位相信号の位相シフト量stepは、次の数式(2)によって導出できる。
【数2】

【0034】
1stepは、2πをJ、K及び2の最小公倍数で除して得られる位相[rad]である。即ち、図1の例であれば、1stepは、π/4[rad]である。仮にMが変化したとしても、信号選択部140は、上記stepを再計算するだけで適切な第1選択信号21を選択し続けることができる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態に係る位相同期回路は、デジタルループの作用によってロック対象信号へのロックを達成した後に、制御発振器より取り出した多相信号から基準信号と位相の一致する信号を順次選択してアナログループ内の位相検出器に与え、ロック状態を維持している。従って、本実施形態に係る位相同期回路によれば、基準信号に対するロック対象信号の周波数比率が分数値であったとしても、フラクショナルスプリアスが発生せず、更に、広帯域に亘って量子化雑音及び発振器の位相雑音を除去可能である。
【0036】
(第2の実施形態)
図4に示すように、本発明の第2の実施形態に係る位相同期回路は、上記図1に示す位相同期回路において、アナログループ130をアナログループ230に置き換えている。以下の説明では、図4において図1と同一部分には同一符号を付して示し、異なる部分を中心に述べる。
【0037】
アナログループ230は、アナログ位相検出部231、アナログフィルタ232、スイッチ233p、スイッチ233m、制御発振器220及び信号選択部240で構成される。
【0038】
制御発振器220は、前述した制御発振器120におけるアナログ制御端子をアナログ差動制御端子に置き換えて構成される。制御発振器220は、デジタル制御端子に入力されるデジタル制御信号と、アナログ差動制御端子に入力されるアナログ差動制御信号との組み合わせに応じて発振周波数が制御され、多相信号(第1位相信号11,…,第8位相信号18)を夫々出力する。
【0039】
信号選択部240は、セレクタ250及び符号化器141を有する。セレクタ250は、符号化器141から入力される選択制御信号に従って第1選択信号21を選択する。また、セレクタ250は、第1選択信号21よりも一定量位相の進んだ第2選択信号22と、第1選択信号21よりも一定量位相の遅れた第3選択信号23とを更に選択する。ここで、第1選択信号21及び第2選択信号22の間の位相差と、第1選択信号21及び第3選択信号23の間の位相差とは等しいことが望ましい。また、上記位相差は後述するアナログ位相検出部231のデッドゾーン幅に比べて大きいことが望ましい。デッドゾーン(不感帯)とは、PLLに通常含まれる位相検出器または位相周波数検出器が検出可能な最小の位相差のことである。デッドゾーンは、位相検出器または位相周波数検出器内部における論理遅延によって発生し、PLL全体の位相雑音特性の劣化の原因となる。信号選択部240は、第1選択信号21、第2選択信号22及び第3選択信号23をアナログ位相検出部231に入力する。
【0040】
アナログ位相検出部231は、信号選択部240からの第1選択信号21、第2選択信号22及び第3選択信号23と、基準信号生成部100からの基準信号10とを用いてUP信号及びDOWN信号を生成する。具体的には、アナログ位相検出部231は、基準信号10及び第3選択信号23の間の位相差を示すUP信号と、第1選択信号21及び第2選択信号22の間の位相差を示すDOWN信号とを生成する。
【0041】
例えば、図5に示すように、UP信号は基準信号10及び第3選択信号23の間の立ち上がりエッジの時間差を示すパルスであって、DOWN信号は第1選択信号21及び第2選択信号の間の立ち上がりエッジの時間差を示すパルスである。第1位相信号11の位相がロック対象信号の位相にロックしていれば、第1選択信号21及び基準信号10の位相も同期している。従って、ロック状態においてUP信号及びDOWN信号のパルス幅は等しい。ここで、温度変動や雑音などの外乱によって第1位相信号11の位相がロック対象信号の位相からずれ始めると、DOWN信号のパルス幅は変化しないもののUP信号のパルス幅が変化する。そして、アナログループ230における負帰還の作用によって、上記第1位相信号11の位相のずれが縮小するように(換言すれば、UP信号のパルス幅がDOWN信号のパルス幅に近づくように)、アナログフィルタ232によってアナログ差動制御信号が順次生成され、制御発振器220が制御される。
【0042】
尚、アナログフィルタ232と制御発振器220との間にはスイッチ233p及びスイッチ233mが設けられており、前述したスイッチ133と同様にロック検出器115が位相ロックを検出している期間においてONとなって、そうでない期間においてOFFである。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る位相同期回路におけるアナログ位相検出部は、第1選択信号及び基準信号の間の位相差を検出するのでなく、第1選択信号及び第2選択信号の間の位相差と基準信号及び第3選択信号の間の位相差とを検出している。従って、本実施形態に係る位相同期回路によれば、第1選択信号及び基準信号の間の位相差がアナログ位相検出部のデッドゾーン幅よりも小さい場合にも、ロック対象信号に対する第1位相信号の位相ロックを維持できる(即ち、位相雑音特性が良好である)。尚、第2選択信号及び第3選択信号を入れ替えてもよい。また、立ち上がりエッジの時間差でなく、立ち下がりエッジの時間差をUP信号及びDOWN信号としてもよい。
【0044】
(第3の実施形態)
図6に示すように、本発明の第3の実施形態に係る位相同期回路は、上記図4に示す位相同期回路において、アナログループ230をアナログループ330に置き換えている。以下の説明では、図6において図4と同一部分には同一符号を付して示し、異なる部分を中心に述べる。
【0045】
アナログループ330は、アナログ位相検出部231、アナログフィルタ232、増幅器334、スイッチ233p、スイッチ233m、制御発振器220及び信号選択部240で構成される。即ち、アナログループ330は、前述した図4のアナログループ230においてアナログフィルタ232とスイッチ233p及びスイッチ233mとの間に増幅器334を更に設けて構成される。
【0046】
増幅器334は、反転入力端子、非反転入力端子、反転出力端子及び非反転出力端子を有する平衡型差動増幅器である。アナログフィルタ232から入力される差動信号の信号レベルを増幅して得られる差動信号を差動制御信号としてスイッチ233p及びスイッチ233mを介して制御発振器220のアナログ制御端子に与える。
【0047】
増幅器334が制御発振器220に与えられる差動制御信号の信号レベルを増幅しているので、アナログループ330のループ帯域は前述したアナログループ230のループ帯域に比べて広くなる。また、増幅器334として平衡型増幅器を用いることにより、アナログループ330の同相ノイズに対する感度を抑圧する効果も得られる。尚、増幅器334を単相増幅器またはシングルエンド型の差動増幅器に置き換えたとしても、ループ帯域を広くすることは可能である。
【0048】
以上説明したように、本実施形態に係る位相同期回路は、前述した第2の実施形態に係る位相同期回路において、差動制御信号の信号レベルを増幅するための平衡型差動増幅器を更に設けている。従って、本実施形態に係る位相同期回路によれば、前述した第2の実施形態に係る位相同期回路に比べて、アナログループのループ帯域を広くし、かつ、同相ノイズに対する感度を抑圧できる。
【0049】
(第4の実施形態)
図7に示すように、本発明の第4の実施形態に係る受信機は、アンテナ400、デュプレクサ401、低雑音増幅器(LNA)402、ローカル発振器403、移相器404、デジタル信号処理部405、ミキサ411、LPF412、自動利得制御回路(AGC)413、アナログ−デジタル変換器(ADC)414、ミキサ421、LPF422、ADC424及びクロック生成回路430を有する。
【0050】
アンテナ400は、無線(RF)信号を受信し、当該RF信号をデュプレクサ401に入力する。デュプレクサ401は、上記RF信号から不要波を除去し、LNA402に入力する。LNA402は、デュプレクサ401からのRF信号の信号レベルを増幅して、ミキサ411及びミキサ421に入力する。
【0051】
ローカル発振器403は、上記RF信号をダウンコンバートするためのローカル信号を生成し、ミキサ411及び移相器404に供給する。移相器404は、ローカル発振器403からのローカル信号を90度(π/2[rad])位相シフトさせ、ミキサ421に入力する。
【0052】
ミキサ411は、LNA402からのRF信号と、ローカル発振器403からのローカル信号との乗算を行って、I信号を生成する。また、ミキサ421は、上記RF信号と、移相器404において位相シフトされたローカル信号との乗算を行って、Q信号を生成する。
【0053】
ミキサ411で生成されたI信号及びミキサ421で生成されたQ信号は、LPF412及びLPF422によって低周波成分が抽出され、AGC413及びAGC423によって信号レベルを調整される。ADC414及びADC424は、クロック生成回路430によって生成されるサンプリングクロックに応じて上記I信号及びQ信号をサンプリングしてデジタル値に変換し、デジタル信号処理部405に入力する。クロック生成回路430は、前述した第1乃至第3の実施形態のいずれかに係る位相同期回路で構成されている。
【0054】
デジタル信号処理部405は、例えばDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)で構成され、上記ADC414及びADC424からのデジタルI信号及びQ信号を更に処理し、送信されたデータの復号/再生を行う。
【0055】
以上説明したように、本実施形態に係る受信機では、I信号及びQ信号をA/D変換するADCのサンプリングクロックを生成するクロック生成回路を、前述した第1乃至第3の実施形態のいずれかに係る位相同期回路を用いて構成している。従って、本実施形態に係る受信機によれば、従来に比べて小面積かつ低消費電力なクロック生成回路によって、高精度かつ低ジッタなサンプリングクロックを生成できる。
【0056】
尚、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、各実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第1の実施形態に係る位相同期回路を示すブロック図。
【図2】図1の位相同期回路における基準信号及び多相信号のタイミングチャートの一例を示す図。
【図3】図1の信号選択部の一例を示すブロック図。
【図4】第2の実施形態に係る位相同期回路を示すブロック図。
【図5】図4の位相同期回路における各種信号のタイミングチャートの一例を示す図。
【図6】第3の実施形態に係る位相同期回路を示すブロック図。
【図7】第4の実施形態に係る受信機を示すブロック図。
【符号の説明】
【0058】
10・・・基準信号
11,…,18・・・位相信号
21,…,23・・・選択信号
100・・・基準信号生成部
110・・・デジタルループ
111・・・FCW生成部
112・・・カウンタ
113・・・デジタル位相周波数検出器
114・・・デジタルフィルタ
115・・・ロック検出器
116・・・TDC
120・・・制御発振器
121,…,124・・・増幅器
130・・・アナログループ
131・・・アナログ位相検出器
132・・・アナログフィルタ
133・・・スイッチ
140・・・信号選択部
141・・・符号化器
150・・・選択部
151,…,158・・・ANDゲート
161,…,164,171・・・ORゲート
220・・・制御発振器
221,…,224・・・増幅器
230・・・アナログループ
231・・・アナログ位相検出部
232・・・アナログフィルタ
233p,233m・・・スイッチ
240・・・信号選択部
250・・・選択部
330・・・アナログループ
334・・・増幅器
400・・・アンテナ
401・・・デュプレクサ
402・・・LNA
403・・・ローカル発振器
404・・・移相器
405・・・デジタル信号処理部
411・・・ミキサ
412・・・LPF
413・・・AGC
414・・・ADC
421・・・ミキサ
422・・・LPF
423・・・AGC
424・・・ADC
430・・・クロック生成回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の分数及び第2の分数の和で表される比率を基準信号の周波数に乗じて得られる対象信号に周波数及び位相が一致した出力信号を得る位相同期回路であって、
前記第1の分数の分母と前記第2の分数の分母と2との最小公倍数を更に2で除した数と同じ段数の増幅器を環状接続して構成され、前記最小公倍数と同じ信号数の多相信号が取り出し可能であって前記多相信号の周波数がデジタル制御信号及びアナログ制御信号によって制御され、前記多相信号のいずれか1つが前記出力信号として出力される制御発振器と、
前記出力信号と前記基準信号との間の周波数差及び位相差を第1のデジタル信号に変換する変換部と、
前記比率を示す第2のデジタル信号から前記第1のデジタル信号を減算し、前記出力信号と前記対象信号との間の周波数差及び位相差を示す第3のデジタル信号を得るデジタル位相周波数検出部と、
前記第3のデジタル信号を平滑化して前記デジタル制御信号を生成するフィルタ処理を行うデジタルフィルタと、
前記第1のデジタル信号に基づいて、前記基準信号の周期毎に、次の周期において当該基準信号と位相が一致する信号を選択信号として前記多相信号から順次選択する信号選択部と、
前記選択信号と前記基準信号との間の位相差を示すアナログ位相差信号を得るアナログ位相検出部と、
前記アナログ位相差信号を平滑化して前記アナログ制御信号を生成するフィルタ処理を行うアナログフィルタと、
前記第3のデジタル信号に基づき前記出力信号及び前記対象信号の周波数及び位相が一致したことを検出すると、前記アナログ制御信号が前記制御発振器に与えられるように前記アナログ制御信号の信号経路を切り替えるロック検出部と
を具備することを特徴とする位相同期回路。
【請求項2】
前記デジタル位相周波数検出部、前記デジタルフィルタ、前記制御発振器及び前記変換部は、第1のループ帯域を有する第1のループを形成し、
前記アナログ位相検出部、前記アナログフィルタ、前記制御発振器及び前記選択部は、前記第1のループ帯域よりも広い第2のループ帯域を有する第2のループを形成することを特徴とする請求項1記載の位相同期回路。
【請求項3】
前記増幅器は、単相増幅器であることを特徴とする請求項1記載の位相同期回路。
【請求項4】
前記増幅器は、差動増幅器であることを特徴とする請求項1記載の位相同期回路。
【請求項5】
前記アナログ制御信号の信号レベルを増幅してから前記制御発振器に与える増幅器を更に具備することを特徴とする請求項1記載の位相同期回路。
【請求項6】
第1の分数及び第2の分数の和で表される比率を基準信号の周波数に乗じて得られる対象信号に周波数及び位相が一致した出力信号を得る位相同期回路であって、
前記第1の分数の分母と前記第2の分数の分母と2との最小公倍数を更に2で除した数と同じ段数の増幅器を環状接続して構成され、前記最小公倍数と同じ信号数の多相信号が取り出し可能であって前記多相信号の周波数がデジタル制御信号及びアナログ制御信号によって制御され、前記多相信号のいずれか1つが前記出力信号として出力される制御発振器と、
前記出力信号と前記基準信号との間の周波数差及び位相差を第1のデジタル信号に変換する変換部と、
前記比率を示す第2のデジタル信号から前記第1のデジタル信号を減算し、前記出力信号と前記対象信号との間の周波数差及び位相差を示す第3のデジタル信号を得るデジタル位相周波数検出部と、
前記第3のデジタル信号を平滑化して前記デジタル制御信号を生成するフィルタ処理を行うデジタルフィルタと、
前記第1のデジタル信号に基づいて、前記基準信号の周期毎に、次の周期において当該基準信号と位相が一致する信号を第1の選択信号として、当該第1の選択信号よりも位相の進んだ信号を第2の選択信号として、当該第1の選択信号よりも位相の遅れた信号を第3の選択信号として前記多相信号から順次選択する信号選択部と、
前記第2の選択信号及び第3の選択信号のいずれか一方と前記基準信号との間の位相差を示す第1のアナログ信号と、前記第2の選択信号及び第3の選択信号のいずれか他方と前記第1の選択信号との間の位相差を示す第2のアナログ信号とを得るアナログ位相検出部と、
前記第1のアナログ信号及び前記第2のアナログ信号を平滑化して前記アナログ制御信号を生成するフィルタ処理を行うアナログフィルタと、
前記第3のデジタル信号に基づき前記出力信号及び前記対象信号の周波数及び位相が一致したことを検出すると、前記アナログ制御信号が前記制御発振器に与えられるように前記アナログ制御信号の信号経路を切り替えるロック検出部と
を具備することを特徴とする位相同期回路。
【請求項7】
前記デジタル位相周波数検出部、前記デジタルフィルタ、前記制御発振器及び前記変換部は、第1のループ帯域を有する第1のループを形成し、
前記アナログ位相検出部、前記アナログフィルタ、前記制御発振器及び前記選択部は、前記第1のループ帯域よりも広い第2のループ帯域を有する第2のループを形成することを特徴とする請求項6記載の位相同期回路。
【請求項8】
前記アナログ制御信号は差動信号であることを特徴とする請求項6記載の位相同期回路。
【請求項9】
前記増幅器は、単相増幅器であることを特徴とする請求項6記載の位相同期回路。
【請求項10】
前記増幅器は、差動増幅器であることを特徴とする請求項6記載の位相同期回路。
【請求項11】
前記アナログ制御信号の信号レベルを増幅してから前記制御発振器に与える増幅器を更に具備することを特徴とする請求項6記載の位相同期回路。
【請求項12】
請求項1記載の位相同期回路を含み、前記出力信号をクロック信号として生成するクロック生成部と、
前記クロック信号に従ってサンプリングを行うアナログ−デジタル変換器とを具備することを特徴とする受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−183285(P2010−183285A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24104(P2009−24104)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】