位置合わせ確認マーク、印刷物、位置合わせ検査方法
【課題】 目視あるいは外観検査機で位置ずれの確認が容易にできる位置合わせ確認マーク、印刷物、位置合わせ検査方法を提供する。
【解決手段】 透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じる。
【解決手段】 透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目視あるいは外観検査機で位置ずれの確認が容易にできる位置合わせ確認マーク、印刷物、位置合わせ検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や家電のデザイン性向上の要求により、これらの筐体形状はより複雑になってきている。筐体に加飾する方法として、転写材などの加飾シートを利用した成形同時加飾法がある。
【0003】
成形同時加飾法とは、基体シート上に、剥離層、図柄層、接着層などからなる転写層を形成した加飾シートを成形金型内に挟み込み、金型内に溶融樹脂を射出し、冷却して樹脂成形品を得るのと同時に成形品表面に加飾シートを接着した後、基体シートを剥離して、被転写物面に転写層を転移して装飾を行う方法である。成形同時加飾法は、印刷法によって直接図柄を形成することが困難な形状の成形品であっても図柄を形成することができるという特長を有する。
【0004】
このような加飾シートは、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの透明な基体シート上に塗布されたいくつものインキ層から構成されており、デザイン性向上の要求から色品質の向上、さらには柄同士の位置精度に関してはますます高い精度が要求されるようになってきた。
【0005】
この柄の位置精度の確認方法については、1色ごとに位置ずれを確認するためのパターンを印刷し、この位置合わせ確認マークを用いて柄間の位置ずれ量を目視あるいは外観検査機で確認する必要があった。
【0006】
位置合わせ確認マークとしては、2本の直線を十字形状などに配置したいわゆるトンボや、四角形の枠形状に構成した線状のパターンと四角形のベタパターンとが、位置ずれの許容量の間隙をおいて配置して構成したものなどがある(たとえば、特許文献1〜2参照)。
【特許文献1】特開2002−361843号公報
【特許文献2】特開2003−341016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、トンボは、直線によって構成されたものであるため、印刷に使用するインキの色によっては高速で移動する位置合わせ確認マークを目視では確認しにくく、許容量以上のずれを見逃してしまうことが多いという問題点があった。
【0008】
また、枠状の四角形とベタ状の四角形とを用いた場合、透過光を通してこの間隙量を確認することにより位置ずれ状態を確認していたが、印刷に使用するインキの色によっては高速で移動する位置合わせ確認マークを目視では確認しにくく、許容量以上のずれを見逃してしまうことが多いという問題点があった。
【0009】
さらに、加飾シートが長尺のロール状であって高速で巻き出し巻き取りして検査する場合に、これらの位置合わせ確認マークは、いずれも、2つの柄形状を画像処理技術によって認識させて位置ずれがあるかどうかを検出する光学式の外観検査装置を用いようとしても、必要とする位置ずれ検出精度を得ることが難しいという問題点があった。
【0010】
したがって、本発明は、上記のような欠点を解消し、目視あるいは外観検査機で位置ずれの確認が容易にできる位置合わせ確認マーク、印刷物、位置合わせ検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の位置合わせ確認マーク、印刷物、位置合わせ検査方法は、上記の目的を達成するために、つぎのように構成した。
【0012】
すなわち、本発明の第1態様の位置合わせ確認マークは、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるように構成した。
【0013】
また、第2態様として、位置合わせ確認マークは、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、内側基準パターンの外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部を有する柄からなる外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの窓部を覆うように重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの窓部が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるように構成することもできる。
【0014】
また、上記発明の第3態様として、第1〜2態様の位置合わせ確認マークは、内側基準パターンおよび外側基準パターンの少なくとも一方が、印刷層または金属薄膜層からなるように構成することもできる。
【0015】
また、上記発明の第4態様として、第1〜3態様の位置合わせ確認マークは、内側基準パターンが、円形または多角形形状であるように構成することもできる。
【0016】
また、本発明の第5態様の印刷物は、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるものであるように構成した。
【0017】
また、第6態様として、印刷物は、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、内側基準パターンの外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部を有する柄からなる外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの窓部を覆うように重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの窓部が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるものであるように構成することもできる。
【0018】
また、上記発明の第7態様として、第5〜6態様の印刷物は、内側基準パターンおよび外側基準パターンの少なくとも一方が、印刷層または金属薄膜層からなるように構成することもできる。
【0019】
また、上記発明の第8態様として、第5〜7態様の印刷物は、内側基準パターンが、円形または多角形形状であるように構成することもできる。
【0020】
また、上記発明の第9態様として、第5〜8態様の印刷物は、複数の位置合わせ確認マークが形成されるように構成することもできる。
【0021】
また、本発明の第10態様の位置合わせ検査方法は、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとを、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複するように形成し、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生したときに、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに生じる基体シートの露出部分の有無を検出するように構成した。
【0022】
また、第11態様として、位置合わせ検査方法は、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、内側基準パターンの外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部を有する柄からなる外側基準パターンとを、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの窓部を覆うように重複して形成し、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生したときに、内側基準パターンによって外側基準パターンの窓部が隠蔽されずに生じる基体シートの露出部分の有無を検出するように構成することもできる。
【0023】
また、上記発明の第12態様として、第10〜11態様の位置合わせ検査方法は、基体シートの裏面に光源を配置するように構成することもできる。
【0024】
また、上記発明の第13態様として、第10〜12態様の位置合わせ検査方法は、複数の位置合わせ確認マークに関して同時に基体シートの露出部分の有無を検出するように構成することもできる。
【0025】
また、上記発明の第14態様として、第10〜13態様の位置合わせ検査方法は、基体シートの露出部分の有無を、目視あるいは光学外観検査装置で検出するように構成することもできる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の位置合わせ確認マークは、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるように構成したので、目視あるいは外観検査機で位置ずれの確認が容易にできるものである。
【0027】
本発明の印刷物は、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるものであるように構成したので、目視あるいは外観検査機で位置ずれの確認が容易にできるものである。
【0028】
本発明の位置合わせ検査方法は、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとを、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複するように形成し、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生したときに、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに生じる基体シートの露出部分の有無を検出するように構成したので、目視あるいは外観検査機で位置ずれの確認が容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0030】
図1は、本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。図2は、本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。図3は、本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。図4は、本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。図5は、本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。図6は、本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。図7は、本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。図8は、本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。図9は、本発明の位置合わせ確認マークを構成する内側基準パターンを示す平面図である。図10は、本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。図11は、本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。図12は、本発明の位置合わせ検査方法を示す斜視図である。
【0031】
図中、1は位置合わせ確認マーク、2は基体シート、3は内側基準パターン、4は外側基準パターン、5は窓部、6は基体シート露出部分、7は印刷物、8は光源、9はセンサである。なお、各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。
【0032】
本発明の実施態様にかかる位置合わせ確認マーク1は、透明な基体シート2上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターン3と、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターン3の外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターン3の外形形状よりも大きい外側基準パターン4とが、内側基準パターン3の外周縁が外側基準パターン4の枠部に重複して形成され、内側基準パターン3と外側基準パターン4との間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターン3によって外側基準パターン4の枠部内側が隠蔽されずに基体シート2の露出部分6が生じるように構成されている(図1〜8参照)。
【0033】
基体シート2の材質としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シートなど、透明性を有するものを使用することができる。
【0034】
内側基準パターン3は、基体シート2上に形成する図柄等のパターンと同時に、通常は印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法を用いるとよい。
【0035】
また、内側基準パターン3は、金属薄膜層からなるものであってもよい。金属薄膜層は、図柄等として金属光沢を表現するためのパターンであるため位置合わせが印刷層と同様に必要となるものであり、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成することができる。表現したい金属光沢に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用するとよい。金属薄膜層を部分的に形成する場合、たとえば、金属薄膜層を必要としない部分に溶剤可溶性樹脂層を形成した後、その上に全面的に金属薄膜を形成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹脂層と共に不要な金属薄膜を除去する方法がある。この場合によく用いる溶剤は、水または水溶液である。また、全面的に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜を残しておきたい部分にレジスト層を形成し、酸またはアルカリでエッチングを行う方法がある。
【0036】
内側基準パターン3は、一定面積の外形形状を有するように塗り潰されたベタ柄からなるものであり、たとえば、円形(図9(a)参照)、正方形(図9(b)参照)、長方形(図9(c)参照)、菱形(図9(d)参照)、八角形(図9(e)参照)などの形状に形成するとよい。
【0037】
外側基準パターン4は、基体シート2上に形成する図柄等のパターンと同時に、通常は印刷層として形成する。外側基準パターン4は、内側基準パターン3に対して位置合わせがされているかどうかを確認するために形成するものであるから、内側基準パターン3とは異なる印刷版によって形成されることになる。また、内側基準パターン3は、金属薄膜層からなるものであってもよい。
【0038】
外側基準パターン4は、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターン3の外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターン3の外形形状よりも大きい形状で形成する(図1〜2参照)。枠部の内周縁形状は、対応させる内側基準パターン3の外形形状が円形であれば円形に、四角形などの多角形であれば多角形に形成する。枠部の外形形状は、対応させる内側基準パターン3の外形形状が円形であれば円形に、四角形などの多角形であれば多角形に形成する。
【0039】
また、外側基準パターン4は、内側基準パターン3の外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部5を有する形状とし、外側基準パターン4の外形を特に限定せず任意に形成するようにしてもよい(図5〜6参照)。たとえば、窓部5形状に対応する一定幅に形成するとよい。また、透明な基体シート2が長尺のものであり、複数の図柄等のパターンを連続して形成する場合、外形基準パターンの外形を基体シート2の長手方向に平行な帯状に形成することもできる。このような形状であると、位置ずれが生じた場合の基体シート2の露出部分6の確認がより容易にできるようになる。
【0040】
内側基準パターン3と外側基準パターン4は、外側基準パターン4が枠形状である場合、内側基準パターン3の外周縁が外側基準パターン4の枠部に重複するように形成する(図1〜2参照)。内側基準パターン3と外側基準パターン4の重複は、位置ずれの許容量の幅とする。通常、位置ずれの許容量は、上下左右のどの方向においても一定であるため、たとえば位置ずれの許容量が±0.5mmであれば、内側基準パターン3と外側基準パターン4の位置ずれが全くない場合において、上下左右のすべての方向において0.5mmの幅で重複するように、内側基準パターン3と外側基準パターン4を形成する。すなわち、外側基準パターン4の枠部は、幅1.0mmであって、内側基準パターン3の外形形状よりも0.5mmの幅で小さい内周縁形状と0.5mmの幅で大きい外周縁形状を有するように形成することになる。また、位置ずれの許容量が特定方向において異なる場合は、各方向の位置ずれの許容量に応じて重複量が異なるように内側基準パターン3と外側基準パターン4を形成するとよい。
【0041】
また、外側基準パターン4の形状を特に限定しない場合、内側基準パターン3の外周縁が外側基準パターン4の窓部5を覆うように重複して形成する(図5〜6参照)。内側基準パターン3と外側基準パターン4の重複は、位置ずれの許容量の幅とする。たとえば位置ずれの許容量が、上下左右のどの方向においても±0.5mmである場合、内側基準パターン3と外側基準パターン4の位置ずれが全くない場合において、上下左右のすべての方向において0.5mmの幅で重複するように、内側基準パターン3と外側基準パターン4を形成する。すなわち、外側基準パターン4の窓部5は、内側基準パターン3の外形形状よりも0.5mmの幅で小さい形状に形成することになる。また、位置ずれの許容量が特定方向において異なる場合は、各方向の位置ずれの許容量に応じて重複量が異なるように内側基準パターン3と外側基準パターン4を形成するとよい。
【0042】
なお、内側基準パターン3と外側基準パターン4とは、どちらを先に基体シート2上に形成してもよい。
【0043】
このようにして内側基準パターン3と外側基準パターン4とを形成して位置合わせ確認マーク1とすると、位置ずれが許容量以内である場合は、内側基準パターン3と外側基準パターン4とが互いに重なり合うため、位置合わせ確認マーク1全体としては、基体シート2が露出する領域がないため比較的暗く認識されることになる。
【0044】
また、内側基準パターン3と外側基準パターン4との位置関係において、当初設定した許容量を超えた位置ずれが発生すると、外側基準パターン4の中央、すなわち枠部の内側あるいは窓部5において、内側基準パターン3によって覆われない領域6が生じる(図3〜4、7〜8参照)。したがって、位置ずれによって基体シート2の露出部分6が生じることになり、位置合わせ確認マーク1全体としては、パターンの欠損部分が生じて明部が認識できるようになるため、位置ずれの認識が容易かつ確実にできることとなる。
【0045】
位置ずれの有無を確認するには、加飾シートの背面に光源8を配置すると、より認識が容易になる(図12参照)。位置ずれが生じていない場合は、内側基準パターン3と外側基準パターン4とが重複しているため、位置合わせ確認マーク1全体としては、比較的暗く認識される。位置ずれが生じている場合は、基体シート2の露出部分6が生じるため、基体シート2背面から照射された光が基体シート2の露出部分6を透過して明るくなるために、位置ずれの確認が容易にできるようになる。
【0046】
位置ずれの有無の判断を外観検査機によって機械的に行う場合、位置合わせ確認マーク1の明るさを光学的に検出するようにすればよい(図12参照)。すなわち、被検査物となる加飾シートの背面に配置した光源8からの光の透過光の有無およびその量によりセンサ9により検出するアルゴリズムとするとよい。したがって、従来の位置ずれ検出のためのアルゴリズムは、位置合わせ確認マーク1の形状自体を画像処理技術によって認識することにより位置ずれ量を確認するのが通常であったが、本発明においてはこのような複雑な装置と演算処理を必要としないため、検出精度と検出処理速度は非常に優れたものとなる。
【0047】
また、内側基準パターン3と外側基準パターン4とからなる位置合わせ確認マーク1は、基体シート2上に形成するパターンの数(印刷に使用する版の数)によって、複数形成してもよい(図10〜11参照)。位置合わせ確認マーク1を複数形成する際、基体シート2上に最初に形成するパターンの版(第1色目の版)によって、複数の内側基準パターン3または外側基準パターン4を形成し、次に形成するパターンの版(第2色目の版)によって、複数の内側基準パターン3または外側基準パターン4の1つに対応する外側基準パターン4または内側基準パターン3を形成し、順次、さらに形成するパターンの版(第3色目以降版)によってそれぞれ対応する外側基準パターン4または内側基準パターン3を形成するとよい。このようにすることにより、最初に形成するパターン(第1色目)に対してその他のパターン(第2色目以降)がそれぞれ位置合わせされているかどうかを確認することができる。
【実施例】
【0048】
厚さ35μmのPETフィルム上に、グラビア印刷機を用いて、インキを重ね刷りした熱転写加飾シートを製造するにあたり、位置合わせ精度が必要な黒インキと黄インキの柄を従来の位置合わせ確認マークと、本発明の位置合わせ確認マークとで比較した。
【0049】
従来の位置合わせ確認マークは、四角形の枠形状パターンを黒インキで、四角形のベタパターンを黄インキでそれぞれ形成し、両パターンの間隙が0.5mmとなるようにした。本発明の位置合わせ確認マークは、四角形の枠形状の外側基準パターンを黒インキで、四角形の内側基準パターンを黄インキでそれぞれ形成し、両パターンが0.5mm重複するようにした。また、従来の位置合わせ確認マークと本発明の位置合わせ確認マークとを形成した被検査体となる各印刷物において、位置ずれが生じている箇所をそれぞれ100箇所ずつあるようにした。
【0050】
これらの印刷物を用い、速度20m/分において検査した場合、検査員の目視により従来の位置合わせ確認マークを確認したところ、70個確認することができた。これに対し、本発明の位置合わせ確認マークを検査員の目視により確認したところ85個確認することができ、21%の検出精度向上が図れた。また、本発明の位置合わせ確認マークを背面に配置した光源からの光の透過光の有無により認識する外観検査機によると97個確認でき、39%の検出精度向上が図れた。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、情報関連機器、家電機器、建材、自動車関連などの三次元形状を有する部品等に使用される加飾シートなどのにおいて好適に用いることができ、産業上有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。
【図2】本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。
【図3】本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。
【図4】本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。
【図5】本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。
【図6】本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。
【図7】本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。
【図8】本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。
【図9】本発明の位置合わせ確認マークを構成する内側基準パターンを示す平面図である。
【図10】本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。
【図11】本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。
【図12】本発明の位置合わせ検査方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 位置合わせ確認マーク
2 基体シート
3 内側基準パターン
4 外側基準パターン
5 窓部
6 基体シート露出部分
7 印刷物
8 光源
9 センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、目視あるいは外観検査機で位置ずれの確認が容易にできる位置合わせ確認マーク、印刷物、位置合わせ検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や家電のデザイン性向上の要求により、これらの筐体形状はより複雑になってきている。筐体に加飾する方法として、転写材などの加飾シートを利用した成形同時加飾法がある。
【0003】
成形同時加飾法とは、基体シート上に、剥離層、図柄層、接着層などからなる転写層を形成した加飾シートを成形金型内に挟み込み、金型内に溶融樹脂を射出し、冷却して樹脂成形品を得るのと同時に成形品表面に加飾シートを接着した後、基体シートを剥離して、被転写物面に転写層を転移して装飾を行う方法である。成形同時加飾法は、印刷法によって直接図柄を形成することが困難な形状の成形品であっても図柄を形成することができるという特長を有する。
【0004】
このような加飾シートは、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの透明な基体シート上に塗布されたいくつものインキ層から構成されており、デザイン性向上の要求から色品質の向上、さらには柄同士の位置精度に関してはますます高い精度が要求されるようになってきた。
【0005】
この柄の位置精度の確認方法については、1色ごとに位置ずれを確認するためのパターンを印刷し、この位置合わせ確認マークを用いて柄間の位置ずれ量を目視あるいは外観検査機で確認する必要があった。
【0006】
位置合わせ確認マークとしては、2本の直線を十字形状などに配置したいわゆるトンボや、四角形の枠形状に構成した線状のパターンと四角形のベタパターンとが、位置ずれの許容量の間隙をおいて配置して構成したものなどがある(たとえば、特許文献1〜2参照)。
【特許文献1】特開2002−361843号公報
【特許文献2】特開2003−341016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、トンボは、直線によって構成されたものであるため、印刷に使用するインキの色によっては高速で移動する位置合わせ確認マークを目視では確認しにくく、許容量以上のずれを見逃してしまうことが多いという問題点があった。
【0008】
また、枠状の四角形とベタ状の四角形とを用いた場合、透過光を通してこの間隙量を確認することにより位置ずれ状態を確認していたが、印刷に使用するインキの色によっては高速で移動する位置合わせ確認マークを目視では確認しにくく、許容量以上のずれを見逃してしまうことが多いという問題点があった。
【0009】
さらに、加飾シートが長尺のロール状であって高速で巻き出し巻き取りして検査する場合に、これらの位置合わせ確認マークは、いずれも、2つの柄形状を画像処理技術によって認識させて位置ずれがあるかどうかを検出する光学式の外観検査装置を用いようとしても、必要とする位置ずれ検出精度を得ることが難しいという問題点があった。
【0010】
したがって、本発明は、上記のような欠点を解消し、目視あるいは外観検査機で位置ずれの確認が容易にできる位置合わせ確認マーク、印刷物、位置合わせ検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の位置合わせ確認マーク、印刷物、位置合わせ検査方法は、上記の目的を達成するために、つぎのように構成した。
【0012】
すなわち、本発明の第1態様の位置合わせ確認マークは、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるように構成した。
【0013】
また、第2態様として、位置合わせ確認マークは、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、内側基準パターンの外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部を有する柄からなる外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの窓部を覆うように重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの窓部が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるように構成することもできる。
【0014】
また、上記発明の第3態様として、第1〜2態様の位置合わせ確認マークは、内側基準パターンおよび外側基準パターンの少なくとも一方が、印刷層または金属薄膜層からなるように構成することもできる。
【0015】
また、上記発明の第4態様として、第1〜3態様の位置合わせ確認マークは、内側基準パターンが、円形または多角形形状であるように構成することもできる。
【0016】
また、本発明の第5態様の印刷物は、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるものであるように構成した。
【0017】
また、第6態様として、印刷物は、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、内側基準パターンの外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部を有する柄からなる外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの窓部を覆うように重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの窓部が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるものであるように構成することもできる。
【0018】
また、上記発明の第7態様として、第5〜6態様の印刷物は、内側基準パターンおよび外側基準パターンの少なくとも一方が、印刷層または金属薄膜層からなるように構成することもできる。
【0019】
また、上記発明の第8態様として、第5〜7態様の印刷物は、内側基準パターンが、円形または多角形形状であるように構成することもできる。
【0020】
また、上記発明の第9態様として、第5〜8態様の印刷物は、複数の位置合わせ確認マークが形成されるように構成することもできる。
【0021】
また、本発明の第10態様の位置合わせ検査方法は、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとを、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複するように形成し、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生したときに、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに生じる基体シートの露出部分の有無を検出するように構成した。
【0022】
また、第11態様として、位置合わせ検査方法は、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、内側基準パターンの外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部を有する柄からなる外側基準パターンとを、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの窓部を覆うように重複して形成し、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生したときに、内側基準パターンによって外側基準パターンの窓部が隠蔽されずに生じる基体シートの露出部分の有無を検出するように構成することもできる。
【0023】
また、上記発明の第12態様として、第10〜11態様の位置合わせ検査方法は、基体シートの裏面に光源を配置するように構成することもできる。
【0024】
また、上記発明の第13態様として、第10〜12態様の位置合わせ検査方法は、複数の位置合わせ確認マークに関して同時に基体シートの露出部分の有無を検出するように構成することもできる。
【0025】
また、上記発明の第14態様として、第10〜13態様の位置合わせ検査方法は、基体シートの露出部分の有無を、目視あるいは光学外観検査装置で検出するように構成することもできる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の位置合わせ確認マークは、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるように構成したので、目視あるいは外観検査機で位置ずれの確認が容易にできるものである。
【0027】
本発明の印刷物は、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるものであるように構成したので、目視あるいは外観検査機で位置ずれの確認が容易にできるものである。
【0028】
本発明の位置合わせ検査方法は、透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとを、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複するように形成し、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生したときに、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに生じる基体シートの露出部分の有無を検出するように構成したので、目視あるいは外観検査機で位置ずれの確認が容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0030】
図1は、本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。図2は、本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。図3は、本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。図4は、本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。図5は、本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。図6は、本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。図7は、本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。図8は、本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。図9は、本発明の位置合わせ確認マークを構成する内側基準パターンを示す平面図である。図10は、本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。図11は、本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。図12は、本発明の位置合わせ検査方法を示す斜視図である。
【0031】
図中、1は位置合わせ確認マーク、2は基体シート、3は内側基準パターン、4は外側基準パターン、5は窓部、6は基体シート露出部分、7は印刷物、8は光源、9はセンサである。なお、各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。
【0032】
本発明の実施態様にかかる位置合わせ確認マーク1は、透明な基体シート2上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターン3と、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターン3の外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターン3の外形形状よりも大きい外側基準パターン4とが、内側基準パターン3の外周縁が外側基準パターン4の枠部に重複して形成され、内側基準パターン3と外側基準パターン4との間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターン3によって外側基準パターン4の枠部内側が隠蔽されずに基体シート2の露出部分6が生じるように構成されている(図1〜8参照)。
【0033】
基体シート2の材質としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シートなど、透明性を有するものを使用することができる。
【0034】
内側基準パターン3は、基体シート2上に形成する図柄等のパターンと同時に、通常は印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法を用いるとよい。
【0035】
また、内側基準パターン3は、金属薄膜層からなるものであってもよい。金属薄膜層は、図柄等として金属光沢を表現するためのパターンであるため位置合わせが印刷層と同様に必要となるものであり、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成することができる。表現したい金属光沢に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用するとよい。金属薄膜層を部分的に形成する場合、たとえば、金属薄膜層を必要としない部分に溶剤可溶性樹脂層を形成した後、その上に全面的に金属薄膜を形成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹脂層と共に不要な金属薄膜を除去する方法がある。この場合によく用いる溶剤は、水または水溶液である。また、全面的に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜を残しておきたい部分にレジスト層を形成し、酸またはアルカリでエッチングを行う方法がある。
【0036】
内側基準パターン3は、一定面積の外形形状を有するように塗り潰されたベタ柄からなるものであり、たとえば、円形(図9(a)参照)、正方形(図9(b)参照)、長方形(図9(c)参照)、菱形(図9(d)参照)、八角形(図9(e)参照)などの形状に形成するとよい。
【0037】
外側基準パターン4は、基体シート2上に形成する図柄等のパターンと同時に、通常は印刷層として形成する。外側基準パターン4は、内側基準パターン3に対して位置合わせがされているかどうかを確認するために形成するものであるから、内側基準パターン3とは異なる印刷版によって形成されることになる。また、内側基準パターン3は、金属薄膜層からなるものであってもよい。
【0038】
外側基準パターン4は、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターン3の外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターン3の外形形状よりも大きい形状で形成する(図1〜2参照)。枠部の内周縁形状は、対応させる内側基準パターン3の外形形状が円形であれば円形に、四角形などの多角形であれば多角形に形成する。枠部の外形形状は、対応させる内側基準パターン3の外形形状が円形であれば円形に、四角形などの多角形であれば多角形に形成する。
【0039】
また、外側基準パターン4は、内側基準パターン3の外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部5を有する形状とし、外側基準パターン4の外形を特に限定せず任意に形成するようにしてもよい(図5〜6参照)。たとえば、窓部5形状に対応する一定幅に形成するとよい。また、透明な基体シート2が長尺のものであり、複数の図柄等のパターンを連続して形成する場合、外形基準パターンの外形を基体シート2の長手方向に平行な帯状に形成することもできる。このような形状であると、位置ずれが生じた場合の基体シート2の露出部分6の確認がより容易にできるようになる。
【0040】
内側基準パターン3と外側基準パターン4は、外側基準パターン4が枠形状である場合、内側基準パターン3の外周縁が外側基準パターン4の枠部に重複するように形成する(図1〜2参照)。内側基準パターン3と外側基準パターン4の重複は、位置ずれの許容量の幅とする。通常、位置ずれの許容量は、上下左右のどの方向においても一定であるため、たとえば位置ずれの許容量が±0.5mmであれば、内側基準パターン3と外側基準パターン4の位置ずれが全くない場合において、上下左右のすべての方向において0.5mmの幅で重複するように、内側基準パターン3と外側基準パターン4を形成する。すなわち、外側基準パターン4の枠部は、幅1.0mmであって、内側基準パターン3の外形形状よりも0.5mmの幅で小さい内周縁形状と0.5mmの幅で大きい外周縁形状を有するように形成することになる。また、位置ずれの許容量が特定方向において異なる場合は、各方向の位置ずれの許容量に応じて重複量が異なるように内側基準パターン3と外側基準パターン4を形成するとよい。
【0041】
また、外側基準パターン4の形状を特に限定しない場合、内側基準パターン3の外周縁が外側基準パターン4の窓部5を覆うように重複して形成する(図5〜6参照)。内側基準パターン3と外側基準パターン4の重複は、位置ずれの許容量の幅とする。たとえば位置ずれの許容量が、上下左右のどの方向においても±0.5mmである場合、内側基準パターン3と外側基準パターン4の位置ずれが全くない場合において、上下左右のすべての方向において0.5mmの幅で重複するように、内側基準パターン3と外側基準パターン4を形成する。すなわち、外側基準パターン4の窓部5は、内側基準パターン3の外形形状よりも0.5mmの幅で小さい形状に形成することになる。また、位置ずれの許容量が特定方向において異なる場合は、各方向の位置ずれの許容量に応じて重複量が異なるように内側基準パターン3と外側基準パターン4を形成するとよい。
【0042】
なお、内側基準パターン3と外側基準パターン4とは、どちらを先に基体シート2上に形成してもよい。
【0043】
このようにして内側基準パターン3と外側基準パターン4とを形成して位置合わせ確認マーク1とすると、位置ずれが許容量以内である場合は、内側基準パターン3と外側基準パターン4とが互いに重なり合うため、位置合わせ確認マーク1全体としては、基体シート2が露出する領域がないため比較的暗く認識されることになる。
【0044】
また、内側基準パターン3と外側基準パターン4との位置関係において、当初設定した許容量を超えた位置ずれが発生すると、外側基準パターン4の中央、すなわち枠部の内側あるいは窓部5において、内側基準パターン3によって覆われない領域6が生じる(図3〜4、7〜8参照)。したがって、位置ずれによって基体シート2の露出部分6が生じることになり、位置合わせ確認マーク1全体としては、パターンの欠損部分が生じて明部が認識できるようになるため、位置ずれの認識が容易かつ確実にできることとなる。
【0045】
位置ずれの有無を確認するには、加飾シートの背面に光源8を配置すると、より認識が容易になる(図12参照)。位置ずれが生じていない場合は、内側基準パターン3と外側基準パターン4とが重複しているため、位置合わせ確認マーク1全体としては、比較的暗く認識される。位置ずれが生じている場合は、基体シート2の露出部分6が生じるため、基体シート2背面から照射された光が基体シート2の露出部分6を透過して明るくなるために、位置ずれの確認が容易にできるようになる。
【0046】
位置ずれの有無の判断を外観検査機によって機械的に行う場合、位置合わせ確認マーク1の明るさを光学的に検出するようにすればよい(図12参照)。すなわち、被検査物となる加飾シートの背面に配置した光源8からの光の透過光の有無およびその量によりセンサ9により検出するアルゴリズムとするとよい。したがって、従来の位置ずれ検出のためのアルゴリズムは、位置合わせ確認マーク1の形状自体を画像処理技術によって認識することにより位置ずれ量を確認するのが通常であったが、本発明においてはこのような複雑な装置と演算処理を必要としないため、検出精度と検出処理速度は非常に優れたものとなる。
【0047】
また、内側基準パターン3と外側基準パターン4とからなる位置合わせ確認マーク1は、基体シート2上に形成するパターンの数(印刷に使用する版の数)によって、複数形成してもよい(図10〜11参照)。位置合わせ確認マーク1を複数形成する際、基体シート2上に最初に形成するパターンの版(第1色目の版)によって、複数の内側基準パターン3または外側基準パターン4を形成し、次に形成するパターンの版(第2色目の版)によって、複数の内側基準パターン3または外側基準パターン4の1つに対応する外側基準パターン4または内側基準パターン3を形成し、順次、さらに形成するパターンの版(第3色目以降版)によってそれぞれ対応する外側基準パターン4または内側基準パターン3を形成するとよい。このようにすることにより、最初に形成するパターン(第1色目)に対してその他のパターン(第2色目以降)がそれぞれ位置合わせされているかどうかを確認することができる。
【実施例】
【0048】
厚さ35μmのPETフィルム上に、グラビア印刷機を用いて、インキを重ね刷りした熱転写加飾シートを製造するにあたり、位置合わせ精度が必要な黒インキと黄インキの柄を従来の位置合わせ確認マークと、本発明の位置合わせ確認マークとで比較した。
【0049】
従来の位置合わせ確認マークは、四角形の枠形状パターンを黒インキで、四角形のベタパターンを黄インキでそれぞれ形成し、両パターンの間隙が0.5mmとなるようにした。本発明の位置合わせ確認マークは、四角形の枠形状の外側基準パターンを黒インキで、四角形の内側基準パターンを黄インキでそれぞれ形成し、両パターンが0.5mm重複するようにした。また、従来の位置合わせ確認マークと本発明の位置合わせ確認マークとを形成した被検査体となる各印刷物において、位置ずれが生じている箇所をそれぞれ100箇所ずつあるようにした。
【0050】
これらの印刷物を用い、速度20m/分において検査した場合、検査員の目視により従来の位置合わせ確認マークを確認したところ、70個確認することができた。これに対し、本発明の位置合わせ確認マークを検査員の目視により確認したところ85個確認することができ、21%の検出精度向上が図れた。また、本発明の位置合わせ確認マークを背面に配置した光源からの光の透過光の有無により認識する外観検査機によると97個確認でき、39%の検出精度向上が図れた。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、情報関連機器、家電機器、建材、自動車関連などの三次元形状を有する部品等に使用される加飾シートなどのにおいて好適に用いることができ、産業上有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。
【図2】本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。
【図3】本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。
【図4】本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。
【図5】本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。
【図6】本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。
【図7】本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。
【図8】本発明の位置合わせ確認マークを示す断面図である。
【図9】本発明の位置合わせ確認マークを構成する内側基準パターンを示す平面図である。
【図10】本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。
【図11】本発明の位置合わせ確認マークを示す平面図である。
【図12】本発明の位置合わせ検査方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 位置合わせ確認マーク
2 基体シート
3 内側基準パターン
4 外側基準パターン
5 窓部
6 基体シート露出部分
7 印刷物
8 光源
9 センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるように構成したことを特徴とする位置合わせ確認マーク。
【請求項2】
透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、内側基準パターンの外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部を有する柄からなる外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの窓部を覆うように重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの窓部が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるように構成したことを特徴とする位置合わせ確認マーク。
【請求項3】
内側基準パターンおよび外側基準パターンの少なくとも一方が、印刷層または金属薄膜層からなる請求項1〜2のいずれかに記載の位置合わせ確認マーク。
【請求項4】
内側基準パターンが、円形または多角形形状である請求項1〜3のいずれかに記載の位置合わせ確認マーク。
【請求項5】
透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるものであることを特徴とする印刷物。
【請求項6】
透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、内側基準パターンの外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部を有する柄からなる外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの窓部を覆うように重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの窓部が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるものであることを特徴とする印刷物。
【請求項7】
内側基準パターンおよび外側基準パターンの少なくとも一方が、印刷層または金属薄膜層からなる請求項5〜6のいずれかに記載の印刷物。
【請求項8】
内側基準パターンが、円形または多角形形状である請求項5〜7のいずれかに記載の印刷物。
【請求項9】
複数の位置合わせ確認マークが形成された請求項5〜8のいずれかに記載の印刷物。
【請求項10】
透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとを、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複するように形成し、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生したときに、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに生じる基体シートの露出部分の有無を検出することを特徴とする位置合わせ検査方法。
【請求項11】
透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、内側基準パターンの外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部を有する柄からなる外側基準パターンとを、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの窓部を覆うように重複して形成し、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生したときに、内側基準パターンによって外側基準パターンの窓部が隠蔽されずに生じる基体シートの露出部分の有無を検出することを特徴とする位置合わせ検査方法。
【請求項12】
基体シートの裏面に光源を配置する請求項10〜11のいずれかに記載の位置合わせ検査方法。
【請求項13】
複数の位置合わせ確認マークに関して同時に基体シートの露出部分の有無を検出する請求項10〜12のいずれかに記載の位置合わせ検査方法。
【請求項14】
基体シートの露出部分の有無を、目視あるいは光学外観検査装置で検出する請求項10〜13のいずれかに記載の位置合わせ検査方法。
【請求項1】
透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるように構成したことを特徴とする位置合わせ確認マーク。
【請求項2】
透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、内側基準パターンの外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部を有する柄からなる外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの窓部を覆うように重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの窓部が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるように構成したことを特徴とする位置合わせ確認マーク。
【請求項3】
内側基準パターンおよび外側基準パターンの少なくとも一方が、印刷層または金属薄膜層からなる請求項1〜2のいずれかに記載の位置合わせ確認マーク。
【請求項4】
内側基準パターンが、円形または多角形形状である請求項1〜3のいずれかに記載の位置合わせ確認マーク。
【請求項5】
透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるものであることを特徴とする印刷物。
【請求項6】
透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、内側基準パターンの外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部を有する柄からなる外側基準パターンとが、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの窓部を覆うように重複して形成され、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生すると、内側基準パターンによって外側基準パターンの窓部が隠蔽されずに基体シートの露出部分が生じるものであることを特徴とする印刷物。
【請求項7】
内側基準パターンおよび外側基準パターンの少なくとも一方が、印刷層または金属薄膜層からなる請求項5〜6のいずれかに記載の印刷物。
【請求項8】
内側基準パターンが、円形または多角形形状である請求項5〜7のいずれかに記載の印刷物。
【請求項9】
複数の位置合わせ確認マークが形成された請求項5〜8のいずれかに記載の印刷物。
【請求項10】
透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、位置ずれ許容量の幅を備える枠形状であって枠部の内周縁が内側基準パターンの外形形状よりも小さく枠部の外周縁が内側基準パターンの外形形状よりも大きい外側基準パターンとを、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの枠部に重複するように形成し、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生したときに、内側基準パターンによって外側基準パターンの枠部内側が隠蔽されずに生じる基体シートの露出部分の有無を検出することを特徴とする位置合わせ検査方法。
【請求項11】
透明な基体シート上に、一定面積の外形形状を有するベタ柄からなる内側基準パターンと、内側基準パターンの外形形状よりも位置ずれ許容量の幅だけ小さい形状の窓部を有する柄からなる外側基準パターンとを、内側基準パターンの外周縁が外側基準パターンの窓部を覆うように重複して形成し、内側基準パターンと外側基準パターンとの間に許容量を超えた位置ずれが発生したときに、内側基準パターンによって外側基準パターンの窓部が隠蔽されずに生じる基体シートの露出部分の有無を検出することを特徴とする位置合わせ検査方法。
【請求項12】
基体シートの裏面に光源を配置する請求項10〜11のいずれかに記載の位置合わせ検査方法。
【請求項13】
複数の位置合わせ確認マークに関して同時に基体シートの露出部分の有無を検出する請求項10〜12のいずれかに記載の位置合わせ検査方法。
【請求項14】
基体シートの露出部分の有無を、目視あるいは光学外観検査装置で検出する請求項10〜13のいずれかに記載の位置合わせ検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−218717(P2006−218717A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33945(P2005−33945)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】
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