説明

位置情報検出システム

【課題】 費用や工数をかけずに無線機の消費電力をできる限り低減できるようにしつつ、被監視者の位置を適切に特定できるようにする。
【解決手段】 被監視者に無線機30を携行させ、施設内に無線機30と通信する通信装置20を設置する。選択された無線機30の無線機情報を含む第一の問い合わせ信号を無線機30へ送信する。無線機30の無線機情報およびその無線機30を携行している被監視者が徘徊していると認識するエリアに設置されている通信装置20の通信装置情報を含む第二の問い合わせ信号を無線機30へ定期的に送信する。無線機30は、自装置宛の第一の問い合わせ信号または自装置宛の第二の問い合わせ信号を受信すると応答信号を送信する。応答信号を送信した無線機30および応答信号を受信した通信装置20の設置位置から、無線機30を携行している被監視者の氏名およびその被監視者の位置を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院や介護施設などで患者や被介護者が携行する無線機の位置を検出するための位置情報検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院や介護施設(以下、施設とする)では、患者や被介護者(以下、被監視者とする)が自分の部屋を離れて徘徊することがあった。被監視者が徘徊した場合、被監視者の周囲の状況によっては、被監視者の身に危険が生じてしまうことがあった。そこで、施設に居る被監視者が徘徊していることを監視者が監視するために、医療従事者や介護者(以下、監視者とする)が被監視者の位置を把握する必要があった。
【0003】
ところで、検出対象となる子機の位置を検出する位置情報検出システムが知られている(例えば、特許文献1など)。特許文献1に記載の位置情報検出システムは、所定の集団に属する者(例えば、生徒など)により携行され、検出対象となる子機と、生徒を管理する代表者(例えば、教師など)により携行され、複数個の指向性アンテナを有し、子機の位置を検出する親機とを備えている。教師が位置を特定したい生徒を選択すると、親機は、生徒が携行する子機の識別情報を含む問い合わせ信号を指向性アンテナを使用して所定の周期で送信する。子機は、親機から送信された問い合わせ信号を受信すると、問い合わせ信号に含まれる識別情報を取得し、取得した識別情報と自装置に記憶されている識別情報とが一致した場合に、親機に対して応答信号を送信する。また、親機は、子機から送信された応答信号を指向性アンテナを使用して受信し、受信したアンテナの受信レベルに基づいて子機の位置を特定して、特定した子機の位置を画面などに表示している。これにより、親機を携行している教師は、表示された画面を見るだけで子機を携行している生徒の位置を把握することができる。
【0004】
ところで、特許文献1に記載の技術において、親機が問い合わせ信号を送信する周期が長い場合に、その間に子機を携行している生徒が移動すると考えられる。その場合、画面に表示されている子機の位置と実際の子機の位置との間に誤差が生じ、子機の位置を特定することの精度が低くなってしまうという問題があった。そこで、子機の位置を特定することの精度を高めるには、親機が問い合わせ信号を送信する周期を短くする必要がある。しかしながら、子機の動力源として電池などが使用されているため、親機と子機の間で行われる送受信の周期が短くなればなるほど、子機の位置を特定することの精度を高めることができるものの、電池の消耗が早くなってしまうという問題があった。
【0005】
一方、位置情報通信機が特定のエリアに位置する場合に位置情報データを送信しないようにする技術が知られている(例えば、特許文献2など)。特許文献2に記載の位置情報通信機では、歩行者が携行している歩行者用携帯端末、歩行者用携帯端末と通信する車載端末、特定のエリア(例えば、公園や幼稚園などの敷地)の隅に設置される無線装置を備えている。車載端末は、歩行者用携帯端末に対して周期的に問い合わせを行う。この問い合わせを受けた歩行者用携帯端末は、自装置が特定のエリアに位置していれば、位置情報を送信せず、自装置が特定のエリアに位置していなければ、位置情報を送信している。これにより、公園や幼稚園の敷地などの安全なエリアに歩行者が居る場合には、車載端末に対して位置情報を送信しなくなるので、位置情報通信機に対して必要最小限の通信を図ることができる。ここで、歩行者用携帯端末は、無線装置から送信された電波を受信している場合に、自装置が特定のエリアに位置していると判断し、無線装置から送信された電波を受信していない場合に、自装置が特定のエリアに位置していないと判断している。
【0006】
ところで、特許文献2に記載の技術を施設に適用すると、歩行者用携帯端末を携行している被監視者が施設内の特定のエリア(例えば、被監視者が使用する自分の部屋)に居ない場合には、歩行者用携帯端末は、問い合わせを受けると自装置の位置情報を送信する。一方、歩行者用携帯端末を携行している被監視者が施設内の特定のエリアに居る場合には、歩行者用携帯端末は、特定のエリアの隅に設置される無線装置から送信される電波を受信しているため、問い合わせを受けても自装置の位置情報を送信しない。これにより、被監視者が自分の部屋などの徘徊と認識されない安全なエリアに居れば、その被監視者が携行している歩行者用携帯端末から位置情報が送信されないため、歩行者用携帯端末の消費電力を低減することができる。しかしながら、上述の技術では、位置情報を送信させないようにするための電波を送信する設備を設置しなければならず、また、徘徊と認識されない安全なエリアは被監視者毎に異なるため、この設備を被監視者毎に設置しなければならず、この設備を設置するための費用や工数がかかってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−333414号公報
【特許文献2】特開2005−293136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、費用や工数をかけずに無線機の消費電力をできる限り低減できるようにしつつ、被監視者の位置を適切に特定することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の位置情報検出システムでは、被監視者に無線機を携行させ、施設内の所定の場所に無線機と通信する通信装置をそれぞれ設置する。無線機の位置を特定するための管理装置は、各通信装置の場所情報を記憶しており、被監視者が徘徊していると認識するエリアに設置されている通信装置の情報を無線機毎に記憶しておく。通信装置では、設置されているエリアに係わらず、管理装置で選択された無線機の無線機情報を含む第一の問い合わせ信号を送信する。一方、被監視者が徘徊していると認識するエリアに設置されている通信装置では、対象の無線機の無線機情報を含む第二の問い合わせ信号を定期的に送信する。無線機は、自装置の無線機情報を含む第一の問い合わせ信号および自装置の無線機情報を含む第二の問い合わせ信号の少なくとも一方を受信した場合に応答信号を送信する。そして、管理装置は、応答信号を受信した通信装置の位置により無線機の位置を特定するようにしている。
【発明の効果】
【0010】
上記のように構成した本発明では、管理装置で無線機が選択された際には、その無線機を携行する被監視者が居る何れのエリアに設置されている通信装置からも、その被監視者が携行している無線機の無線機情報が含まれる第一の問い合わせ信号が送信されるので、その無線機から応答信号が送信される。また、被監視者が徘徊していると認識されるエリアに設置されている通信装置から定期的に送信される第二の問い合わせ信号には、その被監視者が携行している無線機の無線機情報が含まれているので、その無線機から応答信号が送信される。これにより、無線機が応答信号を送信するか否かの判定が第一の問い合わせ信号および第二の問い合わせ信号に含まれる無線機情報に基づいて実行されるので、無線機に対して応答させないようにするための電波を送信する設備が不要となる。また、安全なエリアは被監視者の部屋などの徘徊と認識されないエリアであることから、被監視者は安全なエリアに居る時間が長いと考えられる。これにより、無線機が応答信号を送信しない時間が長くなる。従って、費用や工数をかけずに無線機の消費電力をできる限り低減することができる。
【0011】
また、監視者が被監視者の位置を特定するために、その被監視者が携行する無線機を選択すると、その無線機の無線機情報が含まれる第一の問い合わせ信号が全ての通信装置から送信され、その無線機から近くに位置する通信装置へ応答信号が送信されるので、応答信号を受信した通信装置の位置から、被監視者の位置が必要に応じて特定される。これにより、監視者は、被監視者がどこに居ても、その被監視者の位置を必要に応じて把握することができる。また、被監視者が安全なエリアではない徘徊と認識されるエリアに居る場合には、そのエリアに設置されている通信装置から被監視者が携行している無線機の無線機情報に含まれる第二の問い合わせ信号が定期的に送信され、その無線機から近くに位置する通信装置へ応答信号が送信されるので、応答信号を受信した通信装置の位置から、被監視者の位置が定期的に特定される。これにより、監視者は、徘徊と認識されるエリアに居る被監視者の位置を常に把握することができる。従って、監視者は、被監視者の位置を適切に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態による位置情報検出システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による位置情報検出システムを適用した施設における各構成要素の設置例を示す説明図である。
【図3】本実施形態による位置情報検出システムの管理装置の記憶部の記憶内容例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態による位置情報検出システムの構成例を示すブロック図を図1に示す。同図に示すように、本実施形態による位置情報検出システムは、管理装置10、通信装置20、無線機30を備えて構成されている。
【0014】
また、管理装置10は、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、信号生成部15、インターフェース(以下、I/Fとする)部(特許請求の範囲の入出力部に該当する)16を備えて構成されている。また、通信装置20は、通信装置用制御部21、通信装置用インターフェース(以下、I/Fとする)部22を備えて構成されている。また、無線機30は、無線機用制御部31、無線機用インターフェース(以下、I/Fとする)部32を備えて構成されている。
【0015】
図1において、管理装置10はパソコンなどである。また、管理装置10は、監視者の居る部屋(例えば、スタッフルームなど)に設置されており、被監視者が徘徊していると認識するエリアを設定したり、被監視者の位置を特定したりするためのものである。ここで、管理装置10には、複数の通信装置20が伝送線を介して接続されている。
【0016】
通信装置20は、管理装置10と無線機30との間の通信を中継するアクセスポイントなどである。ここで、通信装置20は、施設内の所定の複数の場所(例えば、被監視者が使用する部屋など)に設置されており、通信装置20のそれぞれには、自装置を識別するための通信装置情報(例えば、通信装置番号など)が割り振られている。
【0017】
無線機30は、施設内に居る被監視者によって常に携行されるものである。ここで、無線機30は、各被監視者によってそれぞれ携行されているので、施設では複数の無線機30が使用される。また、無線機30のそれぞれには、自装置を識別するための無線機情報が割り振られている。また、無線機30が施設内に設置されている通信装置20と無線通信可能な距離に近づいた際に、無線機30は、通信装置20との間で通信することができる。
【0018】
図2は、本実施形態による位置情報検出システムを適用した施設における各構成要素の設置例を示す図である。同図に示すように、施設は、部屋R1、R2、R3、スタッフルームS、エレベータE、複数のエリアに分割されている廊下H1、H2を内部に設けている。ここで、部屋R1は、被監視者が居る部屋であり廊下H1に面している。また、部屋R1に対して廊下H1を挟んだ向かい側には、エレベータEが設けられている。また、図2中のエレベータEの右隣には、スタッフルームSが設けられている。また、図2中の部屋R1の右隣には、別の被監視者が居る部屋R2が設けられている。また、部屋R2は廊下H2に面しており、部屋R2に対して廊下H2を挟んだ向かい側には、さらに別の被監視者が居る部屋R3が設けられている。
【0019】
また、部屋R1、R2、R3内、スタッフルームS内、エレベータE内および廊下H1、H2には、通信装置20(20a〜20g)が一台ずつ設置されている。ここで、一台の通信装置20のみが無線機30との間で同時に通信することができるように通信装置20の送受信範囲が調整されている。これにより、無線機30と通信した通信装置20が一台に限定される。
【0020】
次に、このように設置した管理装置10、通信装置20、無線機30の各構成要素を説明する。制御部11は、管理装置10の各構成要素を後述するように制御する。記憶部12は、メモリなどの記憶装置などにより構成されている。また、記憶部12は、通信装置20を識別するための通信装置情報およびその通信装置20が設置されている場所を示す場所情報を関連付けて記憶する。また、記憶部12は、被監視者が携行している無線機30の無線機情報およびその無線機30を携行している被監視者が徘徊していると認識するエリアに該当する場所を示す場所情報に関連付けて記憶されている通信装置情報を関連付けて記憶する。また、記憶部12は、被監視者氏名を示す被監視者氏名情報およびその被監視者が携行している無線機30を識別するための無線機情報を関連付けて記憶する。
【0021】
記憶部12は、図3(a)に示すように、通信装置20を示す通信装置番号などの通信装置情報を格納する通信装置番号領域121、その通信装置20が設置されている場所を示す場所情報を格納する設置場所領域122を記憶している。通信装置番号領域121には通信装置番号として、例えば「20a」などの情報が格納されている。設置場所領域122には設置場所として、例えば「R1」などの情報が格納されている。ここで、監視者などは、通信装置情報および設置場所情報を図示しない入力部にて入力して記憶部12に記憶させることで、通信装置10の通信装置番号およびその通信装置10が設置されている場所を登録することができる。
【0022】
また、記憶部12は、図3(b)に示すように、被監視者が携行している無線機30を示す無線機番号などの無線機情報を格納する無線機番号領域123、その無線機30を携行している被監視者が徘徊していると認識するエリアに該当する場所に設置されている通信装置20の通信装置番号などの通信装置情報を格納する通信装置番号領域124を記憶している。無線機番号領域123には無線機番号として、例えば「30a」などの情報が格納されている。通信装置番号領域124には通信装置情報として、例えば「20b、20c、20e、20g」などの情報が格納されている。ここで、監視者などは、無線機情報および通信装置情報を図示しない入力部にて入力して記憶部12に記憶させることで、無線機30を携行している被監視者が徘徊していると認識するエリアに該当する場所に設置されている通信装置20を無線機30毎に登録することができる。
【0023】
また、記憶部12は、図3(c)に示すように、被監視者の氏名を示す被監視者氏名情報を格納する被監視者氏名領域125、その被監視者が携行している無線機30を示す無線機情報を格納する無線機番号領域126を記憶している。被監視者氏名領域125には被監視者の氏名として、例えば「山田太郎」などの情報が格納されている。無線機番号領域126には無線機番号として、例えば「30a」などの情報が格納されている。
【0024】
このように、図3(a)〜図3(c)に示す記憶部12に記憶されている情報から以下の内容が得られる。すなわち、被監視者である山田太郎は、無線機番号30aの無線機30を携行している。また、無線機番号30aの無線機30に対して被監視者が徘徊していると認識するエリアに該当する場所に設置されている通信装置20は、部屋R2に設置されている通信装置番号20bの通信装置20、部屋R3に設置されている通信装置番号20cの通信装置20、エレベータEに設置されている通信装置番号20eの通信装置20、廊下H2に設置されている通信装置番号20gの通信装置20である。このことから、被監視者である山田太郎が徘徊していると認識するエリアは、部屋R2、部屋R3、エレベータE、廊下H3である。
【0025】
表示部13は、ディスプレイなどにより構成されており、後述する処理により特定された無線機30を携行している被監視者の位置を表示したり、位置を特定する被監視者(無線機30)の候補を表示したりするためのものである。操作部14は、マウスやキーボードなどにより構成されており、位置を特定する無線機30を選択するために監視者により操作されるものである。
【0026】
信号生成部15は、操作部14によって選択された無線機30の無線機情報を含む第一の問い合わせ信号を生成するとともに、記憶部12を参照し、関連付けて記憶されている無線機情報および通信装置情報を含む第二の問い合わせ信号を生成する。ここで、第一の問い合わせ信号とは、監視者が位置を特定する無線機30を選択した際に送信される信号であり、自装置の無線機情報を送信するか否かを判定する処理を無線機30にて実行させるための信号である。また、第二の問い合わせ信号とは、無線機30へ定期的に送信される信号であり、自装置の無線機情報を送信するか否かを判定する処理を無線機30にて実行させるための信号である。また、第二の問い合わせ信号は、信号生成部15によって定期的に生成される。
【0027】
I/F部16は、各通信装置20の通信装置用I/F部22を接続しており、信号生成部15にて生成した第一の問い合わせ信号および第二の問い合わせ信号を通信装置20へ出力するとともに、通信装置20から出力された応答信号を入力する。
【0028】
制御部11は、無線機30を携行している被監視者の位置の特定を開始する操作(以下、開始操作とする)が行われたか否かを判定する。開始操作が行われたと制御部11にて判断した場合に、制御部11は、記憶部12を参照し、無線機30を携行している全ての被監視者の被監視者情報を取得して、取得した被監視者情報を位置を特定する被監視者の候補として表示部13に表示させる。監視者は、表示部13に表示された候補を見て、位置を特定したい被監視者の被監視者情報を操作部14にて選択する。制御部11は、被監視者情報が操作部14にて選択されたか否かを判定する。操作部14にて被監視者情報が選択されたと制御部11にて判断した場合に、制御部11は、記憶部12を参照し、選択された被監視者情報に関連付けて記憶されている無線機情報を取得する。また、信号生成部15は、制御部11にて取得した無線機情報を含む第一の問い合わせ信号を生成する。そして、I/F部16は、信号生成部15にて生成した第一の問い合わせ信号を通信装置20へ出力する。
【0029】
また、制御部11は、記憶部12を参照し、各無線機情報について、通信装置情報が関連付けて記憶されているか否かを判定する。各無線機情報について、通信装置情報が関連付けて記憶されている場合に、制御部11は、無線機情報に関連付けて記憶されている通信装置情報を記憶部12から取得する。また、信号生成部15は、制御部11にて取得した無線機情報および通信装置情報を含む第二の問い合わせ信号を生成する。そして、I/F部16は、信号生成部15にて生成した第二の問い合わせ信号を通信装置20へ出力する。ここで、第二の問い合わせ信号は、信号生成部15によって定期的に生成されるので、I/F部16によって通信装置20へ定期的に出力される。
【0030】
また、制御部11は、I/F部16が通信装置20から出力された応答信号を入力したか否かを判定する。ここで、応答信号とは、第一の問い合わせ信号または第二の問い合わせ信号に対して無線機30および通信装置20から送信される信号である。第一の問い合わせ信号または第二の問い合わせ信号を受信した無線機30は、自装置の無線機情報を含む応答信号を通信装置20へ送信し、この応答信号を受信した通信装置20は、自装置の通信装置情報を付加して管理装置10へ送信する。応答信号を入力したと制御部11にて判断した場合に、制御部11は、記憶部12を参照し、応答信号に含まれる通信装置情報に関連付けて記憶されている場所情報を取得するとともに、応答信号に含まれる無線機情報に関連付けて記憶されている被監視者情報を取得する。そして、制御部11は、取得した場所情報および被監視者情報から、被監視者の氏名およびその被監視者の位置を表示部13に表示させる。ここで、制御部11は、図2に示すような施設の構成図上に被監視者の氏名を表示部13に表示させるようにしても良いし、被監視者の氏名およびその被監視者の位置を文字にて表示部13に表示させるようにしても良い。
【0031】
通信装置用制御部21は、通信装置20の各構成要素を後述するように制御する。通信装置用I/F部22は、管理装置10のI/F部16を接続しており、管理装置10から出力された第一の問い合わせ信号および第二の問い合わせ信号を入力するとともに、応答信号を管理装置10へ出力する。また、通信装置用I/F部22は、第一の問い合わせ信号および第二の問い合わせ信号を無線機30へ送信する。また、通信装置用I/F部22は、無線機30が通信装置20に無線通信可能な距離に近づいた際に、無線機30の無線機用I/F部32を接続する。ここで、無線機30は、一台の通信装置20のみが受信できる範囲に応答信号を送信する。
【0032】
通信装置用制御部21は、通信装置用I/F部22が管理装置10から出力された第一の問い合わせ信号または第二の問い合わせ信号を入力したか否かを判定する。ここで、通信装置用制御部21は、管理装置10から出力された信号に通信装置情報が含まれているか否かによって第一の問い合わせ信号と第二の問い合わせ信号とを区別している。第一の問い合わせ信号を入力した(換言すると、管理装置10から出力された信号に通信装置情報が含まれていない)と通信装置用制御部21にて判断した場合に、通信装置用I/F部22は、第一の問い合わせ信号を無線機30へ送信する。また、第二の問い合わせ信号を入力した(換言すると、管理装置10から出力された信号に通信装置情報が含まれている)と通信装置用制御部21にて判断した場合に、通信装置用制御部21は、第二の問い合わせ信号に自装置の通信装置情報が含まれているか否かを判定する。第二の問い合わせ信号に自装置の通信装置情報が含まれていないと通信装置用制御部21にて判断した場合に、通信装置用制御部21は、入力した第二の問い合わせ信号が自装置宛の信号ではないと判断し、その第二の問い合わせ信号を無線機30へ送信しない。一方、第二の問い合わせ信号に自装置の通信装置情報が含まれていると通信装置用制御部21にて判断した場合に、通信装置用制御部21は、入力した第二の問い合わせ信号が自装置宛の信号であると判断し、その第二の問い合わせ信号を無線機30へ送信する。
【0033】
また、通信装置用制御部21は、通信装置用I/F部22が無線機30から送信された応答信号を受信したか否かを判定する。応答信号を受信したと通信装置用制御部21にて判断した場合に、通信装置用制御部21は、受信した応答信号に自装置の通信装置情報を付加する。そして、通信装置用I/F部22は、通信装置用制御部21にて通信装置情報が付加された応答信号を管理装置10へ出力する。
【0034】
無線機用制御部31は、無線機30の各構成要素を後述するように制御する。無線機用I/F部32は、無線機30が通信装置20に無線通信可能な距離に近づいた際に、通信装置20の通信装置用I/F部22を接続し、通信装置20から送信された第一の問い合わせ信号および第二の問い合わせ信号を受信するとともに、通信装置20へ応答信号を送信する。
【0035】
無線機用制御部31は、無線機用I/F部32が通信装置20から送信された第一の問い合わせ信号および第二の問い合わせ信号の少なくとも一方を受信したか否かを判定する。第一の問い合わせ信号および第二の問い合わせ信号の少なくとも一方を受信したと無線機用制御部31にて判断した場合に、無線機用制御部31は、受信した信号に自装置の無線機情報が含まれているか否かを判定する。受信した信号に自装置の無線機情報が含まれていると無線機用制御部31にて判断した場合に、無線機用制御部31は、受信した信号が自装置宛の信号であると判断し、自装置の無線機情報を含む応答信号を生成する。そして、無線機用I/F部32は、無線機用制御部31にて生成した応答信号を通信装置20へ送信する。一方、第一の問い合わせ信号に自装置の無線機情報が含まれていないと無線機用制御部31にて判断した場合に、無線機用制御部31は、受信した第一の問い合わせ信号が自装置宛のものではないと判断し、応答信号を生成する処理を実行しない。
【0036】
ここで、本実施形態による位置情報検出システムにおいて、図2および図3に示す例に基づいて、被監視者の位置を特定する処理を説明する。また、この例では、通信装置番号20aの通信装置20は部屋R1に設置されている。また、通信装置番号20bの通信装置20は部屋R2に設置されている。また、通信装置番号20cの通信装置20は部屋R3に設置されている。また、通信装置番号20dの通信装置20はスタッフルームSに設置されている。また、通信装置番号20eの通信装置20はエレベータEに設置されている。また、通信装置番号20fの通信装置20は廊下H1に設置されている。また、通信装置番号20gの通信装置20は廊下H2に設置されている。
【0037】
また、無線機番号30aの無線機30を携行している被監視者が徘徊していると認識するエリアは、R2、R3、E、H2である。また、無線機番号30bの無線機30を携行している被監視者が徘徊していると認識するエリアは、R1、R3、S、E、H1、H2である。また、被監視者の山田太郎は、無線機番号30aの無線機30を携行している。また、被監視者の田中次郎は、無線機番号30bの無線機30を携行している。また、この例では、山田太郎および田中次郎が徘徊していると認識しないエリアに居る際に、監視者が山田太郎の位置を特定する操作のみを行ったものとする。
【0038】
まず、管理装置10の制御部11は、記憶部12を参照し、各無線機情報(30a、30b)について、通信装置情報が関連付けて記憶されているか否かを判定する。制御部11は、無線機情報(30a)について、関連付けて記憶されている通信装置情報(20b、20c、20e、20g)を記憶部12から取得する。また、信号生成部15は、制御部11にて取得した無線機情報(30a)および通信装置情報(20b、20c、20e、20g)を含む第二の問い合わせ信号を定期的に生成する。
【0039】
同様に、制御部11は、無線機情報(30b)について、関連付けて記憶されている通信装置情報(20a、20c、20d、20e、20f、20g)を記憶部12から取得する。また、信号生成部15は、制御部11にて取得した無線機情報(30b)および通信装置情報(20a、20c、20d、20e、20f、20g)を含む第二の問い合わせ信号を定期的に生成する。そして、I/F部16は、信号生成部15にて生成した第二の問い合わせ信号を通信装置20へ出力する。
【0040】
無線機番号30aの無線機30を携行している山田太郎が部屋R1に居ると、その無線機30の無線機用I/F部32は、部屋R1に設置されている通信装置20aから送信された第二の問い合わせ信号(無線機情報:30b)を受信する。その無線機30の無線機用制御部31は、通信装置20aから送信された第二の問い合わせ信号(無線機情報:30b)に自装置の無線機情報(30a)が含まれていないと判断して応答信号を生成しない。
【0041】
さらに、山田太郎が部屋R1から廊下H1へ移動すると、その無線機30の無線機用I/F部32は、廊下H1に設置されている通信装置20fから送信された第二の問い合わせ信号(無線機情報:30b)を受信する。その無線機30の無線機用制御部31は、通信装置20fから送信された第二の問い合わせ信号(無線機情報:30b)に自装置の無線機情報(30a)が含まれていないと判断し応答信号を生成しない。
【0042】
この状態で、監視者が管理装置10の操作部14にて位置を特定する被監視者の被監視者情報(山田太郎)を選択すると、制御部11は記憶部12を参照し、選択された被監視者情報に関連付けて記憶されている無線機情報(30a)を取得し、信号生成部15は制御部11にて取得した無線機情報(30a)含む第一の問い合わせ信号を生成する。そして、I/F部16は、信号生成部15にて生成した第一の問い合わせ信号を全ての通信装置20a〜20gへ出力する。
【0043】
通信装置20a〜20gの通信装置20の通信装置用I/F部22は、管理装置10から出力された第一の問い合わせ信号を入力すると、第一の問い合わせ信号を無線機30へ送信する。
【0044】
無線機番号30aの無線機30の無線機用I/F部32は、廊下H1に設置されている通信装置20fから送信された第一の問い合わせ信号(無線機情報:30a)を受信する。その無線機30の無線機用制御部31は、第一の問い合わせ信号(無線機情報:30a)に自装置の無線機情報(30a)が含まれていると判断し、自装置の無線機情報(30a)を含む応答信号を生成する。そして、無線機用I/F部32は、無線機用制御部31にて生成した応答信号を通信装置20へ送信する。
【0045】
廊下H1に設置されている通信装置20fの通信装置用制御部21は、通信装置用I/F部22が応答信号を受信すると、受信した応答信号に自装置の通信装置情報(20f)を付加する。通信装置用I/F部22は、通信装置用制御部21にて通信装置情報が付加された応答信号(無線機情報:30a、通信装置情報:20f)を管理装置10へ出力する。
【0046】
管理装置10の制御部11は、I/F部16が通信装置20fから出力された応答信号を(無線機情報:30a、通信装置情報:20f)を入力すると、記憶部12を参照し、応答信号に含まれる通信装置情報(20f)に関連付けて記憶されている場所情報(H1)を取得するとともに、応答信号に含まれている無線機情報(30a)に関連付けて記憶されている被監視者情報(山田太郎)を取得する。そして、制御部11は、取得した場所情報(H1)および被監視者情報(山田太郎)から、無線機番号30aの無線機30を携行している山田太郎が廊下H1に位置することを表示部13に表示させる。
【0047】
一方、山田太郎が廊下H1からエレベータEに移動すると、その無線機30の無線機用I/F部32は、エレベータEに設置されている通信装置20eから送信された第二の問い合わせ信号(無線機情報:30a、30b)を受信する。その無線機30の無線機用制御部31は、第二の問い合わせ信号(無線機情報:30a、30b)に自装置の無線機情報(30a)が含まれていると判断し、自装置の無線機情報(30a)を含む応答信号を生成する。そして、無線機用I/F部32は、無線機用制御部31にて生成した応答信号を通信装置20へ送信する。
【0048】
エレベータEに設置されている通信装置20eの通信装置用制御部21は、通信装置用I/F部22が応答信号を受信すると、受信した応答信号に自装置の通信装置情報(20e)を付加する。通信装置用I/F部22は、通信装置用制御部21にて通信装置情報が付加された応答信号(無線機情報:30a、通信装置情報:20e)を管理装置10へ出力する。
【0049】
管理装置10の制御部11は、I/F部16が通信装置20eから出力された応答信号を(無線機情報:30a、通信装置情報:20e)を入力すると、記憶部12を参照し、応答信号に含まれる通信装置情報(20e)に関連付けて記憶されている場所情報(E)を取得するとともに、応答信号に含まれている無線機情報(30a)に関連付けて記憶されている被監視者情報(山田太郎)を取得する。そして、制御部11は、取得した場所情報(E)および被監視者情報(山田太郎)から、無線機番号30aの無線機30を携行している山田太郎がエレベータEに位置することを表示部13に表示させる。
【0050】
一方、無線機番号30bの無線機30を携行している田中次郎が部屋R2に居ると、その無線機30の無線機用I/F部32は、部屋R2に設置されている通信装置20bから送信された第二の問い合わせ信号を受信する。その無線機30の無線機用制御部31は、第二の問い合わせ信号(30a)に自装置の無線機情報(30b)が含まれていないと判断して応答信号を生成しない。
【0051】
この状態で、前述のように監視者が管理装置10の操作部14にて位置を特定する被監視者の被監視者情報(山田太郎)を選択すると、通信装置20a〜20gは、管理装置10から出力された第一の問い合わせ信号(無線機情報:30a)を無線機30へ送信する。
【0052】
無線機番号30bの無線機30の無線機用I/F部32は、部屋R2に設置されている通信装置20bから送信された第一の問い合わせ信号(無線機情報:30a)を受信する。その無線機30の無線機用制御部31は、第一の問い合わせ信号(無線機情報:30a)に自装置の無線機情報(30b)が含まれていないと判断して応答信号を生成しない。
【0053】
さらに、田中次郎が部屋R2から廊下H2に移動すると、その無線機30の無線機用I/F部32は、廊下H2に設置されている通信装置20gから送信された第二の問い合わせ信号(無線機情報:30a、30b)を受信する。その無線機30の無線機用制御部31は、第二の問い合わせ信号(無線機情報:30a、30b)に自装置の無線機情報(30b)が含まれていると判断し、自装置の無線機情報(30b)を含む応答信号を生成する。そして、無線機用I/F部32は、無線機用制御部31にて生成した応答信号を通信装置20へ送信する。
【0054】
廊下H2に設置されている通信装置20gの通信装置用制御部21は、通信装置用I/F部22が応答信号を受信すると、受信した応答信号に自装置の通信装置情報(20g)を付加する。通信装置用I/F部22は、通信装置用制御部21にて通信装置情報が付加された応答信号(無線機情報:30b、通信装置情報:20g)を管理装置10へ出力する。
【0055】
管理装置10の制御部11は、I/F部16が通信装置20gから出力された応答信号を(無線機情報:30b、通信装置情報:20g)を入力すると、記憶部12を参照し、応答信号に含まれる通信装置情報(20g)に関連付けて記憶されている場所情報(H2)を取得するとともに、応答信号に含まれている無線機情報(30b)に関連付けて記憶されている被監視者情報(田中次郎)を取得する。そして、制御部11は、取得した場所情報(H2)および被監視者情報(田中次郎)から、無線機番号30bの無線機30を携行している田中次郎が廊下H2に位置することを表示部13に表示させる。
【0056】
また、田中次郎が廊下H2から廊下H1に移動すると、その無線機30の無線機用I/F部32は、廊下H1に設置されている通信装置20fから送信された第二の問い合わせ信号(無線機情報:30b)を受信する。その無線機30の無線機用制御部31は、第二の問い合わせ信号(無線機情報:30b)に自装置の無線機情報(30b)が含まれていると判断し、自装置の無線機情報(30b)を含む応答信号を生成する。そして、無線機用I/F部32は、無線機用制御部31にて生成した応答信号を通信装置20へ送信する。
【0057】
廊下H1に設置されている通信装置20fの通信装置用制御部21は、通信装置用I/F部22が応答信号を受信すると、受信した応答信号に自装置の通信装置情報(20f)を付加する。通信装置用I/F部22は、通信装置用制御部21にて通信装置情報が付加された応答信号(無線機情報:30b、通信装置情報:20f)を管理装置10へ出力する。
【0058】
管理装置10の制御部11は、I/F部16が通信装置20gから出力された応答信号を(無線機情報:30b、通信装置情報:20f)を入力すると、記憶部12を参照し、応答信号に含まれる通信装置情報(20f)に関連付けて記憶されている場所情報(H1)を取得するとともに、応答信号に含まれている無線機情報(30b)に関連付けて記憶されている被監視者情報(田中次郎)を取得する。そして、制御部11は、取得した場所情報(H1)および被監視者情報(田中次郎)から、無線機番号30bの無線機30を携行している田中次郎が廊下H1に位置することを表示部13に表示させる。
【0059】
以上、詳しく説明したように、本実施形態の位置情報検出システムでは、被監視者に無線機30を携行させ、施設内の所定の場所に無線機30と通信する通信装置20をそれぞれ設置する。また、管理装置10は、通信装置20を識別するための通信装置情報およびその通信装置20が設置されている場所を示す場所情報を関連付けて記憶部12に予め記憶しておくとともに、被監視者が徘徊していると認識するエリアに設置されている通信装置20の通信装置情報を無線機30毎に記憶部12に予め記憶しておく。位置を特定するために被監視者が選択されると被監視者が携行している無線機30の無線機情報を含む第一の問い合わせ信号が無線機30へ送信され、関連付けて記憶部12に記憶されている無線機情報および通信装置情報を含む第二の問い合わせ信号が定期的に無線機30へ送信される。無線機30は、自装置の無線機情報を含む第一の問い合わせ信号または自装置の無線機情報を含む第二の問い合わせ信号を受信した場合に、自装置の無線機情報を含む応答信号を生成して通信装置20へ送信する。応答信号を受信した通信装置20は、自装置の通信装置情報を付加した応答信号を管理装置10へ出力する。そして、応答信号を入力した管理装置10は、記憶部12を参照し、応答信号に含まれる通信装置情報に関連付けて記憶されている場所情報を取得するとともに、応答信号に含まれる無線機情報に関連付けて記憶されている被監視者情報を取得して、無線機30を携行している被監視者の氏名およびその被監視者の位置を表示部13に表示させている。
【0060】
これにより、無線機30が応答信号を送信するか否かの判定が第一の問い合わせ信号および第二の問い合わせ信号に含まれる無線機情報に基づいて実行されるので、無線機30に対して応答させないようにするための電波を送信する設備が不要となる。また、安全なエリアは被監視者の部屋などの徘徊と認識されないエリアであることから、被監視者は安全なエリアに居る時間が長いと考えられる。このことから、無線機30が応答信号を送信しない時間が長くなる。従って、費用や工数をかけずに無線機30の消費電力をできる限り低減することができる。
【0061】
また、監視者が被監視者の位置を特定するために、その被監視者が携行する無線機30を選択すると、その無線機30の無線機情報が含まれる第一の問い合わせ信号が全ての通信装置20から送信され、その無線機30から近くに位置する通信装置20へ応答信号が送信されるので、応答信号を受信した通信装置20の位置から、被監視者の位置が必要に応じて特定される。このことから、監視者は、被監視者がどこに居ても、その被監視者の位置を必要に応じて把握することができる。また、被監視者が安全なエリアではない徘徊と認識されるエリアに居る場合には、そのエリアに設置されている通信装置20から被監視者が携行している無線機30の無線機情報に含まれる第二の問い合わせ信号が定期的に送信され、その無線機30から近くに位置する通信装置20へ応答信号が送信されるので、応答信号を受信した通信装置20の位置から、被監視者の位置が定期的に特定される。このことから、監視者は、徘徊と認識されるエリアに居る被監視者の位置を常に把握することができる。従って、監視者は、被監視者の位置を適切に特定することができる。
【0062】
なお、前述した実施形態では、一台の通信装置20のみが無線機30から送信された応答信号を受信することで、管理装置10は、応答信号を受信した通信装置20から無線機30の位置を特定しているが、これに限定されない。例えば、複数の通信装置20が無線機30から送信された応答信号を受信し、管理装置10が応答信号を受信した通信装置20の受信レベルに基づいて無線機30の位置を特定するようにしても良い。
【0063】
また、前述した実施形態では、位置を特定する被監視者として、一人の被監視者の被監視者情報を操作部14にて選択しているが、これに限定されない。例えば、位置を特定する被監視者として、複数人の被監視者の被監視者情報を操作部14にて同時に選択するようにしても良い。
【0064】
また、前述した実施形態では、表示部13は、応答信号を送信した無線機30を携行している被監視者の氏名を表示しているが、これに限定されない。例えば、表示部13は、応答信号を受信した無線機30の無線機番号を表示するようにしても良い。
【0065】
また、前述した実施形態では、位置を特定する被監視者の被監視者情報を操作部14にて選択しているが、これに限定されない。例えば、位置を特定する無線機30の無線機情報を操作部14にて選択するようにしても良い。
【0066】
その他、位置情報検出システムの構成、処理手順、内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除するようにしても良い。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせるようにしても良い。
【符号の説明】
【0067】
10 管理装置
11 制御部
12 記憶部
121、124 通信装置番号領域
122 設置場所領域
123、126 無線機番号領域
125 被監視者氏名領域
13 表示部
14 操作部
15 信号生成部
15 インターフェース(I/F)部
20(20a〜20g) 通信装置
21 通信装置用制御部
22 通信装置用インターフェース(I/F)部
30 無線機
31 無線機用制御部
32 無線機用インターフェース(I/F)部
R1、R2、R3 部屋
S スタッフルーム
E エレベータ
H1、H2 廊下

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内における監視対象の被監視者によりそれぞれ携行され、自装置を識別するための無線機情報を記憶する無線機と、前記施設内の所定の場所にそれぞれ設置され、前記無線機と通信する通信装置と、前記無線機の位置を特定する管理装置とを有する位置情報検出システムであって、
前記管理装置は、
前記通信装置を識別するための通信装置情報および前記通信装置が設置されている場所を示す場所情報を関連付けて記憶するとともに、前記場所情報によって特定される場所を前記被監視者が徘徊していると認識するエリアとする前記被監視者が携行する無線機の無線機情報を前記場所情報に関連付けて記憶されている前記通信装置情報に関連付けて記憶する記憶部と、
前記無線機を選択するために操作される操作部と、
前記操作部が選択された場合に、前記操作部によって選択された無線機の無線機情報を含む第一の問い合わせ信号を生成するとともに、前記記憶部を参照して、前記無線機情報を関連付けて記憶されている前記通信装置情報が存在する場合に、関連付けて記憶されている前記無線機情報および前記通信装置情報を含む第二の問い合わせ信号を生成する信号生成部と、
前記信号生成部にて生成された前記第一の問い合わせ信号および前記第二の問い合わせ信号を前記通信装置へ出力するとともに、前記第一の問い合わせ信号および第二の問い合わせ信号に対する応答信号を入力する入出力部と、
前記入出力部が前記応答信号を入力した場合に、前記記憶部を参照して、前記応答信号に含まれる通信装置情報に関連付けて記憶されている前記場所情報を取得し、前記無線機の位置を特定する制御部とを備え、
前記通信装置は、
前記管理装置から出力された前記第一の問い合わせ信号を入力した場合に前記第一の問い合わせ信号を送信し、前記管理装置から出力された前記第二の問い合わせ信号を入力した場合に前記第二の問い合わせ信号に自装置の通信装置情報が含まれているときに前記第二の問い合わせ信号を送信するとともに、前記無線機から送信された前記応答信号を受信した場合に自装置の通信装置情報を付加して前記管理装置へ出力する通信装置用制御部を備え、
前記無線機は、
前記通信装置から送信された前記第一の問い合わせ信号および第二の問い合わせ信号の少なくとも一方を受信した場合に、自装置の無線機情報が含まれているときに、自装置の無線機情報を含む応答信号を生成して送信する無線機用制御部を備えることを特徴とする位置情報検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−76203(P2011−76203A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224523(P2009−224523)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(591253593)株式会社ケアコム (493)
【Fターム(参考)】