説明

低コヒーレンス干渉法を使用する光センサ

本発明は、低コヒーレンス干渉法に基づくタンデム干渉計光センサシステムによって物理量を測定するための方法とシステムとを提供する。本システムは、光システムとセンシング干渉計と偏光読み出し干渉計とを備える。本発明は、単一の複屈折楔を備える偏光干渉計を提供する。本発明はまた、分散補償型光センサシステムに備えている。本発明はまた、xカット方位を有するLi35結晶内に軌道を備える温度に高感度である干渉計を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量を測定するための、低コヒーレンス干渉法(LCI)に基づく光センサに関する。特に本発明は、偏光読み出し干渉計を有するタンデム干渉計装置に基づくLCIベースの光センサに関する。
【0002】
(関連出願に対するクロスリファレンス)
本出願は、明細書が引例によってここに組み込まれている、2004年9月20日に出願された米国仮特許出願第60/610,950号の合衆国法典35編第120条の下で優先権を請求する。
【背景技術】
【0003】
干渉計は、干渉計経路長差の測定量誘導変化によって物理量を測定するための極めて精確な光学測定ツールとして知られている。狭帯域光源を使用すると、光源のコヒーレンス長は一般に、干渉計の経路長差より大きいので、測定は測定用途を厳しく制限する可能性のある干渉縞の周期的性質のせいで2π位相不明確性を蒙る。この2π位相不明確性問題は、短いコヒーレンス長を有する光源を使用することによって避けられる。この場合、干渉図形の縞は、経路長差領域に狭く局所化されるので、経路長差の変化は干渉図形の縞ピークまたはエンベロープ(包絡線)ピークを捜し当てることによって2π不明確性なしで決定されうる。このタイプの干渉法は、白色光または低コヒーレンス干渉法(LCI)として知られている。
【0004】
低コヒーレンス干渉法に基づく光学系は、標準的測定ツールとなっている光干渉トモグラフィー(断層放射線写真法)(OCT)および低コヒーレンス・プロフィロメトリー(断面輪郭測定法)(LCP)といった商業的用途において広く研究され、成功裏に開発されてきた。人は、テスト面と基準面との間に干渉計を形成することによって、またある範囲の値を通してこれらの間の経路長差を走査することによって、OCTを使用して2次元断面画像情報を、またはLCPを使用して表面奥行き情報を取得する。これらの光学的測定システムは大抵、研究室タイプまたは環境条件が心配の少ない同様の用途に向けられている。
【0005】
LCIに基づく、そして工業的用途および他の非研究室タイプの用途に向けられる光センシング(感知)システムも、商業的製品として現れてきたが、これらはまだ標準的測定ツールではなく、ほんの二、三の商業的供給業者が存在するだけである。これらのタイプの用途のためには、測定システムのセンシング部は信号調整部または信号読み出し部からかなり離されなくてはならないことが必要とされる。この場合、LCIに基づく光センサは通常、1本の光ファイバに接続された2個の干渉計:すなわち1)測定される物理量に当てられるセンシング(感知)干渉計と、2)センシング干渉計の経路長差の測定量誘導変化を測定するために使用される読み出し干渉計と、を必要とする。このいわゆるタンデム干渉計装置は一般に、単一干渉計構成のものより複雑である。
【0006】
工業的用途および他の非研究室タイプの用途に向けられた光センサは、厳しい環境条件に曝されそうである。したがってセンシング干渉計は一つのタイプの測定量に高感度であって、他の測定量のスプリアス(偽)効果を制限するように設計されなくてはならないことが重要である。またこれは、経路長差と測定量との間に一定の、理想的には直線的関係をもたらさなくてはならない。同じ仕方で読み出し干渉計は、極めて安定でなくてはならず、すなわちその内部的較正は、長期間に亘って有効でなければならない。これはまた、温度、振動などといった環境要因への最小の依存性を有する一定の読みを与えなくてはならない。経済的制約に加えてこれらの工業的「持たなくてはならない」要件は、研究室で開発された多くの光センシング技術が工業的センサおよび他の非研究室的市場への到達を妨げていた。
【0007】
物理量を測定するための多数の光センサが既に提案されてきている。1979年2月のCetasの米国特許第4,140,393号と1986年7月のTaniuchiの米国特許第4,598,996号は、温度を測定するためのセンシング要素として2ビーム干渉計構成における異なる複屈折結晶の使用を開示している。これらは、偏光センシング干渉計を形成するためにLiTaO3、LiNbO3、BaTiO3およびSrxBa1-xNb26といった結晶を使用しており、またこれらは、結晶複屈折の温度誘導変化によって正弦曲線(サインカーブ)的に変化する干渉計の出力において光強度を測定している。これらの光センシングシステムは、 狭帯域の光源に基づいているので、これらの測定技法は、2π位相不明確性を蒙り、したがって限定された測定範囲を与える。
【0008】
1993年10月のEmo等の米国特許第5,255,068号は、温度を測定するためのCetasおよびTanaiuchiと同様の結晶とセンシング干渉計装置を使用するが、彼等の光センシングシステムは彼らが使用する光源の低コヒーレンス特性から利益を受ける。しかしながら結晶の温度依存性複屈折にしたがって変調された光源スペクトルは、干渉計より低い光スループットを有すると知られている分散分光計を使用して記録される。結果として得られる信号は時間または空間領域よりむしろ周波数または波長領域で得られるので、彼らは分散分光計を使用するコストと複雑さは言うまでもなく、時間のかかりうる個別フーリエ変換信号処理方式を使用する。更に上記の結晶は、フーリエ変換信号処理方式の精度を大きく低下させうる結晶の複屈折の強い周波数依存性を有することが知られている。
【0009】
また本技術では、LCIベース構成の読み出し干渉計としてマイケルソン(Michelson)干渉計の使用を説明している1984年9月5〜7日のOFS’84で発行さた「High-accuracy position-sensing with fiber-coupled white-light interferometers」(ファイバ連結白色光干渉計による高精度位置センシング)と題するBosselmannとUlrichによる文書が知られている。マイケルソン干渉計の経路長差は、その二つのミラーの一つを変位させることによって走査され、干渉図形の縞は単一の光検出器を使用して干渉計の出力において記録される。干渉図形上の縞ピークの位置は、可動ミラーの異なる走査位置において取られた測定値から決定される。その可動光学部品のせいで、高い精度で可動ミラーの位置を測定しなくてはならないという問題は言うまでもなく、機械的安定性がこのシステムの弱点である。
【0010】
1995年2月のBelleville等の米国特許第5,392,117号と、1994年9月のGraindorge等の米国特許第5,349,439号と、1997年、OSA Technical Digest Series, Vol.16で発行された「Absolute Fiber-Optic Linear Position and Displacement Sensor」(絶対光ファイバ線形位置・変位センサ)と題するDuplain等による文書は、センシング干渉計の経路長差の測定のためにフィゾー(Fizeau)干渉計の使用を説明している。彼らのLCIベースの光センシングシステムは、直線状の光検出器アレイを使用するフィゾー読み出し干渉計の出力において干渉図形の縞を記録することと、干渉図形上の縞ピーク位置を突き止めることからなっている。フィゾー干渉計は可動部品を持たないが、極めて複雑な薄膜堆積方法の使用、または厳しい厚さ許容誤差、光学的整列配置、材料安定性および光学的品質を有する光学部品製造・組立て方法の使用を必要とするので、空気分離型楔(くさび)または中実光学楔で作られる。更にフィゾー干渉計は、低い技巧で製造できるがなお、LCI構成で使用されるときに縞の可視性が一般に2ビーム干渉計の可視性より低い多ビーム干渉計に留まる。
【0011】
Lequimeに発行された米国特許第4,814,604号と米国特許第4,867,565号、ならびに1987年のSPIE Proceedings,Vol.798において発行された「Fiber-Optic White-Light birefringent temperature sensor」(光ファイバ白色光複屈折温度センサ)と題するMarillerとLequimeによる文書は、CetasおよびTaniuchiの特許に開示された構成に類似した偏光センシング干渉計を含むLCIベースの光センシング装置の使用を開示している。彼らのLCIベースの光センシングシステムは、直線状光検出器アレイまたは単一の光検出器を使用する偏光読み出し干渉計の出力において縞パターンを記録することからなる。彼らの偏光読み出し干渉計は、二つの偏光器間に配置された異なる複屈折要素のやや複雑なアセンブリである。複屈折要素は少なくとも、ウォラストン(Wollaston)プリズムまたは修正ウォラストンプリズムを形成するために、ある面に沿って互いに接着された2個の基本複屈折プリズムを有する結晶プレートを備える。これらの複屈折要素は、バビネ(Babinet)補償板とソレイユ(Soleil)補償板の異形式で取り付けられる。これらのタイプの構成は、複雑なアセンブリ装置を作り出し、重大な欠点から被害を受ける。その最も単純な構成では、縞の局所化の平面はウォラストンプリズムの内部にあり、ウォラストンプリズムの射出面に傾いている。この状況は、縞の画像を光検出器の表面に形成するために修正光学系を必要とする。しかしながら局所化平面の傾きは、光検出器の表面に残留焦点合わせ誤差を作り出し、したがって光源が高度の空間コヒーレンスを持たなければ、縞コントラストの減少を招く。この状況を避けるためにLequimeは、第2のウォラストンプリズムと色消し半波長板とを使用することによって、しかし装置の複雑さを増加させるという犠牲を払って、これらの構成のある幾つかの修正を提案している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
これらのセンシング干渉計において(および恐らく、読み出し干渉計において)使用される結晶の高い複屈折分散のせいで、干渉図形はひどく歪まされる可能性があり、したがってエンベロープピークまたは縞ピークの局所化を損なう可能性がある。彼らは、この問題を克服するために二つの解を提案している。一つの解は、センシング干渉計の複屈折材料と同じ複屈折材料で作られた彼らの読み出し干渉計を持つことからなる。このような解は、環境的影響に対する読み出し干渉計の敏感さを増加させそうであり、したがって工業ベースの用途には望ましくない。提案されたもう一つの解は、分散効果が無視できる、より狭いスペクトルを有する光源使用することであるが、この解はエンベロープピークまたは縞ピークの局所化の精度を低下させる縞の経路長差領域を拡大するという犠牲を招く。
【0013】
本発明は、温度、圧力、歪み、変位といった、しかしこれらに限定されない物理量を測定するための、タンデム干渉計装置を使用する低コヒーレンス干渉法に基づく、工業的および他の用途に向けられた単純で丈夫な光センサシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、
・測定される物理量に高感度である経路長差を有するセンシング干渉計と、
・フィラメント光源またはLED光源といった、しかしこれらに限定されない光源であって、センシング干渉計の経路長差より短いコヒーレンス長を有する光源と、
・ある方向に沿って空間的に散布された経路長差変化を有する、2ビーム干渉計構成に基づく静的偏光読み出し干渉計であって、好ましくは、複屈折の低い周波数依存性を持ち、また複屈折の低い温度依存性を持つ複屈折結晶で作られた楔と、非偏光を二つの直交する直線状偏光成分に分解する、複屈折楔の前に置かれた直線状偏光器と、二つの直交する直線状偏光成分が干渉できるように複屈折楔の出力において透過光のこれら二つの直交する直線状偏光成分を再結合する偏光器の偏光軸に平行または垂直に向けられた偏光軸を有する、複屈折楔の背後に置かれた直線状分析器と、を備えた静的偏光読み出し干渉計と、
・1セットの光ファイバ、およびセンシング干渉計を読み出し干渉計と光源とに接続する光結合器と、
・読み出し干渉計の出力における空間的に散布された干渉図形を記録するための、直線状CCDフォトダイオードアレイといった、しかしこれに限定されない光検出器アレイと、
・センシング干渉計からの透過光束または反射光束を読み出し干渉計を介して光検出器装置の表面に供給するための焦点合わせ光学系と、
・1)光検出器アレイからの干渉図形信号をサンプリングすることと、2)雑音抑制および信号修正と、3)干渉図形のエンベロープピーク位置または縞ピーク位置を決定することと、4)エンベロープ位置または縞位置をセンシング干渉計の経路長差に、したがって測定値に変換することと、のための信号処理ユニットと、を備える光センサシステムを提供する。
【0015】
本発明はまた、単一の光検出器を有する走査型偏光読み出し干渉計を提供する。
【0016】
本発明はまた、読み出し干渉計の複屈折楔の複屈折分散と同様の複屈折分散を有する感温度性複屈折材料で作られた温度センシング干渉計を提供する。
【0017】
本発明はまた、物理量を測定するための、低コヒーレンス干渉法に基づくタンデム干渉計光センサシステムを提供する。本システムは、コヒーレンス長によって特徴付けられる光強度を生成する光システムを備える。本システムはまた、コヒーレンス長より長いセンサ経路長差を有するセンシング干渉計であって、光強度を受け取って、センサ経路長差が物理量の変化によって修正可能であるセンサ経路長差の関数としてセンサ光信号を生成するためのセンシング干渉計を備える。本システムはまた、読み出し経路長差を持ち、2ビーム干渉計構成に基づいており、センサ光信号を受け取って、出力位置において読み出し経路長差の関数として読み出し光信号を生成する偏光読み出し干渉計であって、センサ光信号を二つの直線状の直交する偏光成分に分解するための入力偏光器と、これらの偏光成分が異なる速度で伝播する複屈折楔と、この楔中の伝播の後にこれらの偏光成分を再結合するための出力偏光器と、入力偏光器と複屈折楔と出力偏光器とを介して受信したセンサ光信号を出力位置に向かって中継し、それによって読み出し経路長差の関数として読み出し光信号を与えるための焦点合わせ光学装置と、を備える偏光読み出し干渉計を備える。
【0018】
好ましくは、タンデム干渉計光センサシステムのセンサ経路長差は、第1の複屈折材料に軌道を備えており、複屈折楔は第2の複屈折材料で作られ、第1、第2の複屈折材料は類似の分散特性を持っており、それによって分散補償型光センサシステムを与えている。
【0019】
好ましくは、偏光読み出し干渉計の読み出し経路長差は、読み出し軸の関数として空間的に変化する読み出し経路長差を備えており、読み出し光信号は読み出し軸に沿って空間的に散布された信号を備えており、検出位置は読み出し軸に沿って空間的に散布され、それによって検出位置で散布された干渉図形を与える。
【0020】
好ましくは、タンデム干渉計光センサシステムは更に、散布された干渉図形を受け取って、読み出し経路長差の関数として対応する光検出器信号を生成するための、検出位置に配置された直線状の光検出器アレイを備える。本システムはまた更に、光検出器信号から物理量を決定し、それによって物理量の測定のための静的光センサシステムに前述の散布された干渉図形と直線状光検出器アレイとを与えるための信号処理ユニットを備える。
【0021】
好ましくは、タンデム干渉計光センサシステムは、時間の関数として読み出し軸に沿って複屈折楔の位置を走査することによって読み出し経路長差が時間の関数として変化させられる走査型干渉計でありうる。本システムは更に、走査された読み出し光信号を受け取って対応する光検出器信号を生成するための、検出器位置に配置された単一の光検出器を備えうる。
【0022】
本発明はまた物理量を測定するための、低コヒーレンス干渉法に基づく方法を提供する。本方法は、コヒーレンス長によって特徴付けられる光強度を生成するための光システムを設けるステップを備える。本方法はまた、物理量の変化によって修正されるような、物理量に高感度であって、コヒーレンス長より長いセンサ経路長差を有するセンシング干渉計を設けるステップを備える。本方法はまた、読み出し経路長差を持ち、2ビーム干渉計構成に基づく偏光読み出し干渉計であって、光を二つの直線状の直交する偏光成分に分解するための入力偏光器と、これらの偏光成分が異なる速度で伝播する複屈折楔と、この楔中の伝播の後にこれらの偏光成分を再結合するための出力偏光器と、焦点合わせ光学装置と、を備える偏光読み出し干渉計を設けるステップを備える。本方法はまた、検出位置に光検出器を設けるステップを備える。本方法はまた、センサ光信号をセンサ経路長差の関数として生成するセンシング干渉計に光システムからの光強度を中継するステップを備える。本方法はまた、入力偏光器と複屈折楔と出力偏光器とを経由したセンサ光信号を、焦点合わせ光学装置を使用して出力位置に向かって中継し、検出位置においてこれらの偏光成分の再結合によって読み出し経路長差の関数として読み出し光信号を生成するステップを備える。本方法はまた、光検出器によって読み出し光信号を検出し、読み出し経路長差の関数として対応する光検出器信号を生成するステップを備える。最後に本方法は、読み出し経路長差の関数として光検出器信号を分析することによって物理量を決定するステップを備える。
【0023】
好ましくは、本方法は更に、センサ経路長差を物理量にリンクする較正データベースを設けるステップを備える。
【0024】
本発明はまた、温度に高感度であるセンシング干渉計であって、xカット方位とLi35結晶内に軌道を備えた経路長差とを有するLi35結晶を備え、それによって経路長差は温度の変化によって修正されるような温度に高感度であって、それによって感温度性干渉計を与えるセンシング干渉計を提供する。
【0025】
本発明はまた、入力光を受けたときに出力光を与えるための、経路長差を有する偏光干渉計を提供する。本偏光干渉計は、入力光を二つの直線状の直交する偏光成分に分解するための入力偏光器を備える。本偏光干渉計はまた、これらの偏光成分が異なる速度で伝播している単一の複屈折楔を備える。本偏光干渉計はまた、楔内の伝播の後に偏光成分を再結合するための出力偏光器と、入力偏光器と単一の複屈折楔と出力偏光器とを経由して入力光を出力位置に向かって中継するための焦点合わせ装置と、を備えており、それによって本干渉計は、入力光を受け取ったときに出力位置において経路長差の関数として出力信号を与える。
【0026】
好ましくは、この単一の複屈折楔は、MgF2結晶を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明が直ちに理解されうるために本発明の実施形態は、付属図面において例として図示されている。
【0028】
本発明の更なる詳細とその利点は、下記に含まれた詳細説明から明らかであろう。
【0029】
実施形態の下記の説明では付属図面への参照は、本発明が実施されうる例の説明の手段として行われる。開示された本発明の範囲から逸脱せずに他の実施形態も実施可能であることは理解されるであろう。
【0030】
タンデム干渉計光センサ装置に関して、反射性および透過性構成である二つの基本構成が存在する。図1に示す反射性構成の光センサは、反射モードで使用されるセンシング干渉計であって、測定される物理量に高感度である経路長差を有するセンシング干渉計10を備える。好ましくは、この干渉計は、2ビーム26干渉計、または低い技巧のファブリ・ペロー干渉計といったこのタイプの干渉計の十分な近似物である。1セットの光ファイバ17と光結合器18は、センシング干渉計10を光源11と読み出し干渉計12とに接続する。光源によって放射された光22は、光結合器18と光ファイバ17によってセンシング干渉計10に送られる。2ビームに等しい損失を有し、センシング干渉計の入力において高度の空間コヒーレンスを持つ静的な光フィールドを有する2ビーム振幅分割センシング干渉計10を想定すると、センシング干渉計の出力におけるパワースペクトル密度Is(ν)は、スペクトル干渉法則にしたがってスペクトル的に変調され、下記の方程式によって与えられる:
【数1】

【0031】
ここでνは光の周波数であり、τsとδs(δs=cτs)はそれぞれ、測定量の大きさMの関数として変化するセンシング干渉計10の相対的時間遅延と経路長差であり、cは真空中の光の速度であり、Iin(ν)はセンシング干渉計10の入力23における光束のパワースペクトル密度であり、Ksとθsはセンシング干渉計のタイプとその構成(反射または透過モード)に依存する定数である。
【0032】
センシング干渉計10の出力における光は、同じ光ファイバ17によって集められて読み出し干渉計12に送られる。光ファイバ17を出た光束24は、焦点合わせ光学系20を使用して読み出し干渉計12内に供給される。読み出し干渉計12は、ある方向に沿って空間的に散布された経路長差変化を有する、2ビーム干渉計構成に基づく静的偏光干渉計であって、一実施形態では複屈折の低い周波数依存性と複屈折の低い温度依存性とを持つ複屈折結晶で作られた単一の楔13と、非偏光を二つの直交する直線状の偏光成分に分解する、複屈折楔13の前に置かれた直線状偏光器15と、二つの直交する直線状偏光成分が干渉できるように複屈折楔13の出力において透過光のこれら二つの直交する直線状偏光成分を再結合する偏光器15の偏光軸に平行または垂直に向けられた偏光軸を有する、複屈折楔13の背後に置かれた直線状分析器16と、を備えた静的偏光読み出し干渉計である。光ビーム25は、読み出し干渉計を通り抜けて光検出器装置19の表面に到達する。信号処理ユニット21は、光検出器装置19によって測定された光強度分布から取得された干渉図形を分析して干渉図形のエンベロープピーク位置または縞ピーク位置を決定し、この位置をセンシング干渉計10の経路長差に、したがって測定量値に変換する。
【0033】
図2は、光センサ透過性構成を表す。これは、透過モードで使用され、測定される物理量に高感度である経路長差を持つセンシング干渉計10を備える。一実施形態ではこの干渉計は、2ビーム26干渉計、または低い技巧のファブリ・ペロー干渉計といったこのタイプの干渉計の十分な近似物である。1セットの光ファイバ17は、センシング干渉計10を光源11と読み出し干渉計12とに接続する。方程式(1)は、このタイプの構成に関しても成り立つ。反射性および透過性構成の異なる変形版が存在するが、これらは本技術に精通する人々には明らかであるので、ここでは与えられない。
【0034】
読み出し干渉計12の焦点合わせ光学系の一実施形態は、図3Aおよび図3Bに示されている。焦点合わせ光学系20は、単一の円柱レンズ20Aまたは円柱ミラー20Bで作られた簡単なアナモフィック画像形成システムである。これは、光検出器アレイの表面に、しかし垂直方向にだけ(図のy方向)光ファイバの射出面27の画像を投影する。この他の方向においては、光ビームは光ファイバを出る光ビームの発散を利用することによってアレイの長さに亘って広げられる。互いに近い、しかし入力光ファイバ(図3A、3Bには明示的に示されていない)からは更に離れた複屈折楔13と直線状分析器16と光検出器装置19とを持つことが好適である。この条件下で、また複屈折楔の角度を小さな値(これは引き続いて論じられるであろう)に限定することによって光検出器表面における、また複屈折楔の複屈折による光ビームの分割は、極めて小さく維持され、縞の可視性を余り大きくは減らさない。この構成のもう一つの利点は、読み出し干渉計12の入力における光ビームのサイズが複屈折楔13からの距離と比較して幾分小さいので入力光ビームが、少なくともx方向において点光源の十分な近似として見られうることである。縞が点光源によって局所化されず、したがって縞の可視性が楔の複屈折効果によって影響されないことは干渉の理論からよく知られている。本技術に精通する人々にとって、読み出し干渉計12に使用されうる、ここで説明された二つとは異なる複数の異なるアナモフィック画像形成システムが存在することは明らかである。
【0035】
図4は、読み出し干渉計12の一実施形態の図を示す。理解の容易さのために楔は、その第1の表面がx−y平面に平行であって、そのエッジが図のy軸に平行であるように方位合わせされる。楔32の厚さd(x)は、x軸上の位置の線形関数として下記のように変化する:
【数2】

【0036】
ここでWは楔角33であり、d0は位置x=0における楔の厚さである。楔13は、光学的異方性を示す結晶で作られる。すなわち結晶を通る光の速度は、伝播方向と振動方向とに依存する。一実施形態では楔の結晶は、楔35の前面に平行な、その主要断面の一つを有しており、楔13のエッジ31に垂直な主要断面の主要振動軸14の一つを有する。このような方位によって主要振動軸、したがって複屈折結晶の主要屈折率は、図4のx、y、z軸に対応する。楔13は、好ましくは、主要屈折率ne、noを有する一軸結晶で作られる。一般性を失わずに、x、y方向の屈折率は、nx≡neおよびny=nz≡noとして任意に選択されるので、結晶の複屈折性はB≡(ne−no)=(nx−ny)となる。
【0037】
直線状偏光器15は、好ましくは、図のx軸に対応する上記の主要振動軸に関して角度P=±45度に向けられたその透過軸30を有する。直線状分析器16は、好ましくは、その方位角がA=PまたはA=P±90度であるように、偏光器15の透過軸30に平行または垂直に向けられた透過軸34を有する。
【0038】
センシング干渉計10から受け取られた光束24は、読み出し干渉計12に送られ、x軸に関して角度Pで直線的に偏光される。いったん複屈折楔の前面に入ると直線的な偏光は、屈折率neおよびnoの差に起因して異なる位相速度で伝播するxおよびyの直交する偏光成分に分解する。正常な入射光だけを考えると、経路長差δr、したがって楔の裏面における二つの直交するx、y成分間の相対的時間遅延τrは下記の方程式によって与えられる:
【数3】

【0039】
この式は、位置xに対するδr(およびτr)の直線的依存性を示す。人は、光学的製造許容誤差における固有の限界値による楔の厚さ誤差Δdが与えられれば、対応する相対的経路長差の誤差ΔδはBΔdに等しいがフィゾー干渉計の経路長差誤差は2Δdに等しいということを認めるであろう。実際には、経路長差誤差の許容可能限度が与えられれば複屈折楔に関して賦課された厚さの許容誤差限度は、フィゾー干渉計の楔の厚さ許容誤差限度の約2桁である。したがって複屈折楔は、フィゾー楔より遥かに製造し易い。複屈折楔角の製造許容誤差をフィゾー楔の製造許容誤差と比較すれば、同じことが真実である。
【0040】
図5は、複屈折楔に関するもう一つの実施形態を示す。好ましくは、楔13と同じ結晶材料で作られた、厚さ61hの複屈折プレート60は、複屈折楔13の前またな後に配置される。この複屈折プレート60は、読み出し干渉計の経路長差動作範囲の中間点を上げる、または下げるために使用される。このプレートの結晶は、その3本の主要振動軸62のうちのプレートの表面に平行な2本の軸を持つように方位付けされる。プレート60が一軸結晶で作られる場合には、前に定義されたようにそのx、y主要振動軸はプレートの表面に平行であり、その平面におけるそれらの方位は、二つの位置に:一つは同じ方位に、もう一つは複屈折楔13の結晶主要振動軸に関して交差する方位に調整されうる。プレート60と楔13が同じ一軸結晶で作られる場合には、読み出し干渉計の経路長差は下記になる:
【数4】

【0041】
上記の方程式は、厚さhの複屈折プレートを加えることが異なる楔を使用する必要なしに、経路長差動作範囲の中間点を上げる、または下げるための単純な手段を提供する。複屈折プレート60は、複屈折楔13に直接結合されうるか、あるいは容易に取り外され、または変えられることができるように複屈折楔13から分離されうる。
【0042】
楔の複屈折結晶の選択は、極めて重要であって、結晶の3つの性質:すなわち複屈折の大きさ、複屈折の分散または周波数依存性および結晶特性の温度依存性の最適な組合せに基づいている。センシングの用途に適した経路長差の範囲を考えると、結晶の複屈折性Bは十分に大きくなくてはならず、そうでなければ複屈折楔は大きな楔角を有する分厚い部品になるであろう。他方、複屈折の分散は干渉図形を大きく歪ませる可能性があるので、小さいままに留まらなくてはならない。この歪みは主として、複屈折の2次波長微分係数∂2B/∂λ2の大きさに依存する。楔の経路長差の温度依存性∂δr/∂Tも同様に小さくなければならないことは明らかである。方程式(3)は、∂δr/∂Tが複屈折の温度依存性∂B/∂Tと楔の厚さの温度依存性∂d/∂Tとに依存することを示している。われわれは、下記のように経路長差の温度依存性に関して正規化された温度係数χを定義することができる:
【数5】

【0043】
ここでαは図4のx−y平面に垂直な方向の結晶の熱膨張係数(1/d ∂d/∂T)である。われわれは、フッ化マグネシウム(MgF2)と水晶(SiO2)が好適な結晶であり、前者が好適な結晶であることを見出した。表1は、比較のために従来技術で使用されてきたニオブ酸リチウム(LiNbO3)結晶の特性と共にこれら二つの結晶の主要な特性(室温で、800nm波長領域における)を与えている。
【表1】

【0044】
LiNbO3は、MgF2およびSiO2より高い複屈折性を持っているが、その複屈折の温度および波長依存性はやや高く、したがってこの結晶で設計された読み出し干渉計は大きな欠点を持つことになるであろう。(LiB35(xカット)結晶は次のセクションで論じられる)。
【0045】
実際に大部分の用途に適している約40,000nmの経路長差範囲を有する、25mm長さの光検出器アレイを使用するMgF2複屈折楔13で作られた読み出し干渉計を考えると、われわれは約7度の楔角をうる。このような角度は、複屈折楔13の出力において複屈折によるやや小さな光ビーム分割(4マイクロメータ未満の)を作り出し、したがって干渉縞の可視性を大きくは減らさない。
【0046】
光源のコヒーレンス長がセンシング干渉計12の経路長差より遥かに短いと仮定して、前述の点光源近似によれば、光強度分布Ir(δr)対経路長差δrを表す読み出し干渉計の出力において光検出器アレイによって記録された干渉パターン(干渉図形とも呼ばれる)は、静的光フィールドに関する一般的干渉法則から誘導される下記の公式によって表されうる(L.Mandel and E.Wolf,Optical coherence and quantum optics(光コヒーレンスと量子光学),Cambridge University Press,1995,pp.159−170を参照のこと):
【数6】

【0047】
ここでγ11は読み出し干渉計における光振動の自己コヒーレンスの複素度数であり、γ12は読み出しおよびセンシング干渉計における光振動の相互コヒーレンスの複素度数であり、Re{}は複素量γの実数部を示し、Ioは今後定義される有効光源の全強度である。Ks、Krおよびθs、θrはそれぞれセンシングおよび読み出し干渉計構成に依存する定数である。γに関する下記の一般形式の使用によると:
【数7】

【0048】
ここでν0は有効光源の平均周波数であり、||は複素係数を表し、arg{}は複素値γの複素引数を表し、干渉図形は下記の形式に表されうる:
【数8】

【0049】
方程式(8)は、読み出し干渉計12の出力における干渉図形の縞が振幅変調された縞信号の和であることを示している。これら二つの縞信号は、周波数ν0のコサインキャリアと位相関数αとエンベロープ関数|γ|とを有する。エンベロープ関数はしばしば、干渉図形の縞可視性の尺度である可視性エンベロープ関数またはコヒーレンスエンベロープ関数と呼ばれる。
【0050】
ウィーナー・ヒンチン(Wiener−Khintchine)の定理によれば、われわれは下記を有する:
【数9】

【0051】
ここで
【数10】

【0052】
上式は、有効光源の正規化されたパワースペクトル密度であり、また
【数11】

【0053】
上式は、有効光源の全強度である。後者は、光検出器感度の波長依存性と光センサ構成要素の透過損失および反射損失の波長依存性とを含む光源の有効スペクトル密度Ieff(ν)によって定義される。方程式(9)は、自己コヒーレンスの複素度数γ11または相互コヒーレンスの複素度数γ12と有効光源の正規化されたパワースペクトル密度P(ν)とがフーリエ変換ペアを形成することを示している。したがって干渉縞のエンベロープと位相は光源のスペクトルに依存する。実際にわれわれは、αと|γ|がコサインキャリアと比較して経路長差のゆっくり変化する関数であることを観測している。もしP(ν)が下記によって与えられるガウス形であると仮定されれば:
【数12】

【0054】
ここでΔνは半最大値全幅帯域幅であって、方程式(8)は分析的に評価されることが可能であって、下記を与える:
【数13】

【0055】
図6は、ガウス形パワースペクトル密度を有する有効光源を持つ読み出し干渉計12の出力において得られる典型的な干渉図形を示す。実線カーブ70は測定された縞を表すが、破線カーブ71は、明らかに直接観察可能な信号ではない縞のエンベロープを表す。干渉図形は、二つの縞パケットを:すなわち読み出し干渉計の経路長差がゼロに等しい位置74でピークになる、今後はゼロ縞パケット72と名づけられる第1の縞パケットと、読み出し干渉計12の経路長差がセンシング干渉計10の経路長差に等しい、すなわちδr=δsである位置75でピークになる、今後は測定量縞パケット73と名づけられる第2の縞パケットと、を示す。下記の分析に関しては、測定量縞パケットがセンシング用途のための関心の縞パケットであるので、測定量縞パケットだけが維持されるであろう。正規化されたパワースペクトル密度P(ν)は実数関数であるので、フーリエ変換特性を有する方程式(7)と(9)は、エンベロープ関数|γ12|がδr=δsに関して対称であって、α12(0)がゼロに等しいことを示す。したがって縞はエンベロープによって中心に置かれるので、この縞パケットの縞ピークの位置76またはエンベロープピークの位置77のいずれかはセンシング干渉計の経路長差の不明確でない値、したがって測定量の値を与える。しかしながら縞関数と比較してエンベロープは経路長差のゆっくり変化する関数であり、したがって縞ピークの位置決めは一般に、エンベロープピーク方法より高感度の検出方法である。
【0056】
図7は、読み出し干渉計12のためのもう一つの実施形態を示す。走査機構90は、光ビーム93に交差する方向に複屈折楔13を動かす。楔13がビーム93の前で変位させられながら、光強度は単一の光検出器92によって記録される。適当な焦点合わせ光学系91を使用すると、楔位置における光ビーム93の横サイズ94は十分に小さくできるので、読み出し干渉計12の経路長差はビームのサイズの上で大きくは変化しない。この走査型偏光読み出し干渉計12によって、干渉図形は空間領域よりむしろ時間領域において形成される。機械的走査は高い時間解像度を与えないので、このような走査型干渉計は一般に、静的または準静的測定用途に限定される。しかしながらこれは、他を含めてより高い光スループットと、光検出が光ファイバ通信で使用される1300nmまたは1550nm波長領域付近で設計されうるという明確な利点を持っており、これらのスペクトル領域における光ファイバの低い吸収と複屈折材料の低い分散とから利益を受ける。1300nmまたは1550nm波長領域の光検出器アレイは工業的用途に関して費用効果の高い光センサ解を作り出すためにはなお価格的に高すぎることが知られている。他方、光ファイバ通信産業のために開発された光源と光学部品に加えて単一検出器は、比較的低コストで直ちに利用可能である。よく知られた走査型のマイケルソン干渉計に関するもう一つの比較的利点は、この走査型偏光読み出し干渉計12は方程式(3)から理解できるように高精度の走査機構を必要としないことである。
【0057】
戻って図4を参照すると光検出器アレイ19は、このアレイの各ピクセルまたはフォトダイオードが既知のx位置の値に対応するように、x軸に平行な方向に配置される。読み出し干渉計の経路長差δrは、x軸上の1セットのx位置の値に関して較正される。較正は、よく知られた分光測光伝送技法または走査可能基準干渉計といった、しかしこれらに限定されない種々の方法を使用して行われうる。光検出器アレイからの電気信号は、調整可能な読み出し速度で取得される。アレイの各走査は、方程式(8)の最後の項によって与えられるような空間的に散布された測定量干渉図形信号を表す電気信号を与える。この電気信号は、干渉図形信号の縞ピークのx位置またはエンベロープピークのx位置を捜し求める信号処理ユニット21によってディジタルにサンプリングされる。いったんこのx位置が決定されると、信号処理ユニット21は読み出し干渉計較正データを使用することによって、読み出し干渉計12の対応する経路長差を、したがってセンシング干渉計10の経路長差を計算する。この後にこの値は、センシング干渉計の較正データを使用して測定量値に変換される。図7の走査型偏光読み出し干渉計12設計のために同様の手法が適用されうることは明らかであり、したがって下記の論議は、静的干渉計設計に限定されるであろう。
【0058】
信号処理ユニットの最も重要な仕事の一つは、光検出器アレイ19から受け取られた測定量干渉図形信号の縞ピークのx位置またはエンベロープピークのx位置を正確に引き出すことである。如何なる静的干渉計にも固有の一定パターンの雑音は、適切な基準線修正によってサンプリングされた干渉図形信号から除去される。一定パターンの雑音は主として、光学部品、特に複屈折楔13の清潔さによって、また光検出器アレイ19の個別フォトダイオードの不均一な感度によって決定される。それからこのような基準線修正信号は、基準線修正信号内の残留人為構造物と動的雑音とを減らすために空間領域または周波数領域においてディジタルにフィルタリングされる。基準線修正信号のゼロおよび低周波数成分も除去される。今後、修正済み干渉図形信号Icorrと呼ばれる残留信号は、干渉図形の振動成分を表しており、したがってわれわれは、下記を持っている:
【数14】

【0059】
そのDC成分のより少ない図6の測定量縞パケット73信号を表すこの信号は、縞ピークのx位置の値またはエンベロープピーク値のx位置の値を抽出するために更に処理されなくてはならない。最初に縞ピークを探し当てるために単純なピーク発見探索ルーチンが実行される。それから縞ピーク位置を正確に決定するために縞ピークの周りで多項式最小二乗適合法が実行される。この方法は、実行が極めて簡単であるという利点を有しており、信号処理ユニットからの大きなコンピューティングパワーを必要としない。
【0060】
理論上ではエンベロープピーク方式は縞ピーク方式より低い解像度を与えるが、縞ピークの代わりにエンベロープピークを探し当てることは、ある幾つかの条件においては有利でありうる。この目的のためにエンベロープ関数は修正済み干渉図形信号から抽出されなくてはならず、また通信信号に精通する人々は、修正済み干渉図形信号の特徴と振幅変調された通信信号に見られる特徴との間の類似点を認識できる。したがってエンベロープ検出によるよく知られた振幅復調技法は、ディジタル信号処理方式によって容易に実施されうる。測定量縞パケットのエンベロープピークを探し当てるための手段を提供することは、本発明の一つの目的である。最初にエンベロープ関数は、例えば空間領域または周波数領域においてヒルベルト変換方式または二乗低域濾波(スクェアリング・ローパスフィルタリング:squaring, low-pass filtering)方式を使用して修正済み干渉図形信号から抽出される。それからエンベロープピーク位置を正確に決定するためにエンベロープピークの周りで、多項式最小二乗適合法が実行される。このようなディジタル信号処理方式は、干渉図形信号がナイキスト速度以上でサンプリングされることを必要とする。現今では、事実上この要件が容易に満たされるように、高密度光検出器アレイが一般に使用されている。
【0061】
センシング(および/または読み出し)干渉計が分散性媒体を含むときには、経路長差はもはや周波数に関して一定ではない。高次の分散は、干渉図形エンベロープの大きな非対称拡大と、縞可視性の減少と、エンベロープ、縞間の更なる位相偏移と、を生じさせる可能性がある。もし適切に修正されなければこれらのスプリアス(偽)効果は、縞ピークまたはエンベロープピーク検出方法の精度を著しく低下させうる。従来技術ではセンシング干渉計10と同じ材料で作られた読み出し干渉計12を使用することが提案されてきた。しかしながらわれわれが前に述べたように、この構成は望ましくない。遥かに良好な構成は、センシング干渉計の分散項と同様の分散項(すなわち線形で高次の分散項)を有するがその測定量感度を持たない複屈折材料を使用することである。偏光センシングおよび読み出し干渉計の場合には、同様の分散を有する複屈折結晶の複数のペアが存在するがこれらの結晶の一つは低い測定量感度を有する。したがって読み出しおよびセンシング干渉計の分散特性に基づく分散補償方法を提供することは、本発明の一つの目的である。例えば読み出し干渉計のMgF2結晶は、三ホウ酸リチウム(LiB35)結晶とペアにされうる。この二軸結晶は、偏光温度センシング干渉計として使用されうる。その温度係数は、従来技術においてこの目的のために使用される他の結晶と極めてよく似ている。複屈折結晶の主要屈折率に関する取り決めnz>ny>nxによって、xカット方位のLiB35結晶の複屈折は、(すなわちy、z主要振動軸は結晶プレートの表面に平行である)したがってB≡(nz−ny)である。このような方位によりこの結晶の複屈折分散項は、MgF2結晶の複屈折分散項に類似している。これは、これら二つの結晶間の複屈折分散項の差のカーブをプロットすることによって最もよく認められる。図8は、MgF2(Br)とLiB35のxカット(Bs)結晶ペアについての関心の周波数範囲における正規化された差分複屈折分散ΔBを示す。ΔBは次のように定義される:
【数15】

【0062】
ここでB(ν)は読み出し(下付き文字r)およびセンシング(下付き文字s)干渉計の周波数依存複屈折関数を表す。関心の周波数範囲に亘ってΔBは0.5%未満だけ変化することが見られうる。このような小さな変化は、干渉図形信号に対して如何なる有意な変化も生じさせない。
【0063】
図9は、MgF2結晶楔で作られた偏光読み出し干渉計とLiB35、xカット結晶プレートで作られた偏光センシング干渉計とによって得られた測定量干渉図形信号カーブ(カーブ(a))を示す。カーブ(b)は、同じ読み出し干渉計によって、しかし従来技術で使用されるLiNbO3結晶によって得られる測定量干渉図形信号カーブである。図9には、LiB35、xカット結晶の縞ピークはエンベロープピークの位置とほぼ同じ位置に留まるが、センシング干渉計の経路長差は変化することが示されていない。他方、LiNbO3結晶では縞はエンベロープ内で動くように見えるが、センシング干渉計の経路長差は変化する。この場合、エンベロープがより広いことと、コントラストがより低いことも見られうる。LiB35、xカット結晶がより良好な選択であることは明らかである。LiB35、xカット結晶に基づく偏光温度センシング干渉計を提供することは、本発明のもう一つの目的である。MarillerおよびLequime文書に記載された構成といったこの干渉計の種々の反射性および透過性構成が作られることが可能であって、これらは本技術に精通する人々にとって明らかであるので、ここでは説明されない。
【0064】
本発明はその特定の実施形態を介して上記に説明されてきたが、ここに定義されたような本発明の精神と性質から逸脱することなく、本発明は修正可能である。したがって本発明の範囲は、付属の請求項の範囲によってのみ、限定されるように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】一実施形態による、反射モードで動作するセンシング干渉計を有する光センサの模式図である。
【図2】図1の実施形態による、透過モードで動作するセンシング干渉計を有する光センサの模式図である。
【図3A】円柱レンズを有する図1または図2の光センサの読み出し干渉計の模式図である。
【図3B】円柱ミラーを有する図1または図2の光センサの読み出し干渉計の模式図である。
【図4】図1または図2の光センサの読み出し干渉計の部分模式図である。
【図5】代替実施形態による読み出し干渉計の部分模式図である。
【図6】ガウス形パワースペクトル密度を有する有効光源で使用されるときの、図1または図2の光センサの出力で得られた干渉図形である。
【図7】もう一つの実施形態による読み出し干渉計の模式図である。
【図8】本発明の一実施形態による光センサの正規化された差分複屈折分散カーブのグラフである。
【図9】カーブ(a)は、本発明の一実施形態によるMgF2結晶楔で作られた偏光読み出し干渉計とLiB35、xカット結晶プレートで作られた偏光センシング干渉計とによって得られた干渉図形である。カーブ(b)は、本発明の一実施形態によるMgF2結晶楔で作られた偏光読み出し干渉計とLiNbO3結晶に基づく偏光センシング干渉計とによって得られた干渉図形のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を測定するための、低コヒーレンス干渉法に基づくタンデム干渉計光センサシステムであって、
コヒーレンス長によって特徴付けられる光強度を発生させる光システムと、
前記光強度を受け取ってセンサ経路長差の関数としてのセンサ光信号を発生させるための、前記コヒーレンス長より長い前記センサ経路長差を有するセンシング干渉計であって、前記センサ経路長差は前記物理量の変化によって変更可能であるセンシング干渉計と、
読み出し経路長差を有し、2ビーム干渉計構成に基づいており、センサ光信号を受信し、出力位置において前記読み出し経路長差の関数として読み出し光信号を発生させる偏光読み出し干渉計であって、前記センサ光信号を二つの直線状の直交する偏光成分に分解するための入力偏光器と、複屈折楔(くさび)であってこの中を前記偏光成分が異なる速度で伝播する複屈折楔と、前記楔中の伝播の後に前記偏光成分を再結合するための出力偏光器と、前記入力偏光器と前記複屈折楔と前記出力偏光器とを経由して前記受け取られたセンサ光信号を前記出力位置に向かって中継し、それによって前記読み出し経路長差の関数として前記読み出し光信号を与えるための焦点合わせ光学装置と、を含む偏光読み出し干渉計と、
を具備することを特徴とするタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項2】
前記センサ経路長差は第1の複屈折材料内に軌道を備えており、前記複屈折楔は第2の複屈折材料で作られており、また前記第1、第2の複屈折材料は類似の分散特性を有し、それによって分散補償型光センサシステムを与える、請求項1に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項3】
前記第1の複屈折材料は、xカット方位を有するLi35を備えており、前記第2の複屈折材料はMg2を備えている、請求項2に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項4】
前記偏光読み出し干渉計の前記読み出し経路長差は、読み出し軸の関数として空間的に変化する読み出し経路長差を備える、請求項1に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項5】
前記読み出し光信号は、前記読み出し軸に沿って空間的に散布された信号を備えており、前記検出位置は前記読み出し軸に沿って空間的に散布されており、それによって検出位置において散布された干渉図形を与える、請求項4に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項6】
前記焦点合わせ光学装置は前記読み出し軸に沿って前記散布された干渉図形を焦点合わせするための円柱レンズと円柱ミラーのうちの一つを備える、請求項5に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項7】
前記センシング干渉計から前記偏光読み出し干渉計に前記センサ光信号を中継するための光ファイバをさらに備える、請求項5に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項8】
前記光システムから前記センシング干渉計に前記光強度を中継するための光ファイバをさらに備える、請求項7に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項9】
前記センサ経路長差は第1の複屈折材料内に軌道を備えており、前記複屈折楔は第2の複屈折材料で作られており、また前記第1、第2の複屈折材料は類似の分散特性を有し、それによって分散補償型光センサシステムを与える、請求項5に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項10】
前記第1の複屈折材料は、xカット方位を有するLi35を備えており、前記第2の複屈折材料はMg2を備えている、請求項9に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項11】
前記散布された干渉図形を受け取って読み出し経路長差の関数として対応する光検出器信号を発生させるための、前記検出位置に配置された光検出器アレイを更に備える、請求項5に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項12】
光検出器信号から物理量を決定し、それによって前記物理量の測定のための静的光センサシステムを与えるための信号処理ユニットを更に備える、請求項11に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項13】
前記信号処理ユニットは、散布された干渉図形の最大値を決定し、それによってこの最大値に対応する読み出し経路長差から前記物理量を取得するための埋め込み型ソフトウエアを備える、請求項12に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項14】
前記埋め込み型ソフトウエアは、前記物理量の一連の値とそれらの対応するセンサ経路長差との間の関係が記憶されている較正データベースを備える、請求項13に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項15】
前記センサ経路長差は第1の複屈折材料内に軌道を備えており、前記複屈折楔は第2の複屈折材料で作られており、また前記第1、第2の複屈折材料は類似の分散特性を有し、それによって分散補償型静止光センサシステムを与える、請求項14に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項16】
前記第1の複屈折材料は、xカット方位を有するLi35を備えており、前記第2の複屈折材料はMg2を備えている、請求項15に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項17】
前記偏光読み出し干渉計は走査型偏光読み出し干渉計を備えており、それによって前記読み出し経路長差はしたがって、前記走査された読み出し経路長差によって変化する前記検出位置において走査された読み出し光信号を与えるために走査される、請求項1に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項18】
前記センサ経路長差は第1の複屈折材料内に軌道を備えており、前記複屈折楔は第2の複屈折材料で作られており、また前記第1、第2の複屈折材料は類似の分散特性を有し、それによって分散補償型光センサシステムを与える、請求項17に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項19】
前記第1の複屈折材料は、xカット方位を有するLi35を備えており、前記第2の複屈折材料はMg2を備えている、請求項18に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項20】
前記複屈折楔を走査するための変位手段を更に備える、請求項17に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項21】
前記光センサシステムは前記走査された読み出し光信号を受け取って対応する光検出器信号を発生させるための、検出位置に配置された単一の光検出器を更に含んでおり、前記光検出器信号は前記走査された読み出し経路長差に対応して変化する信号である、請求項20に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項22】
前記焦点合わせ光学装置は前記単一光検出器上に前記走査された読み出し光信号を焦点合わせするためのレンズとミラーのうちの一つを備える、請求項21に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項23】
前記センシング干渉計から前記偏光読み出し干渉計に前記センサ光信号を中継するための光ファイバを更に備える、請求項21に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項24】
前記光システムから前記センシング干渉計に前記光強度を中継するための光ファイバを更に備える、請求項23に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項25】
変化する光検出器信号から物理量を決定し、それによって前記物理量の測定のための走査型光センサシステムを与えるための信号処理ユニットを更に備える、請求項21に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項26】
前記信号処理ユニットは、光検出器信号の変化の最大値を決定し、それによってこの最大値に対応する読み出し経路長差から前記物理量を取得するための埋め込み型ソフトウエアを備える、請求項25に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項27】
前記埋め込み型ソフトウエアは、前記物理量の一連の値とそれらの対応するセンサ経路長差との間の関係が記憶されている較正データベースを備える、請求項26に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項28】
前記センサ経路長差は第1の複屈折材料内に軌道を備えており、前記複屈折楔は第2の複屈折材料で作られており、また前記第1、第2の複屈折材料は類似の分散特性を有し、それによって分散補償型光センサシステムを与える、請求項27に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項29】
前記第1の複屈折材料は、xカット方位を有するLi35を備えており、前記第2の複屈折材料はMg2を備えている、請求項2に記載のタンデム干渉計光センサシステム。
【請求項30】
物理量を測定するための、低コヒーレンス干渉法に基づく方法であって、
コヒーレンス長によって特徴付けられる光強度を発生させるための光システムを設けるステップと、
前記物理量の変化によって変更されるように該物理量に高感度であって前記コヒーレンス長より長いセンサ経路長差を有するセンシング干渉計を設けるステップと、
読み出し経路長差を有し2ビーム干渉計構成に基づく偏光読み出し干渉計であって、光を二つの直線状の直交する偏光成分に分解するための入力偏光器と、複屈折楔であってこの中を前記偏光成分が異なる速度で伝播する複屈折楔と、前記楔中の伝播の後に前記偏光成分を再結合するための出力偏光器と、焦点合わせ光学装置と、を含む偏光読み出し干渉計を設けるステップと、
検出位置に光検出器を設けるステップと、
前記光システムから、センサ経路長差の関数としてセンサ光信号を発生させるセンシング干渉計に光強度を中継するステップと、
前記焦点合わせ光学装置を使用して前記入力偏光器と前記複屈折楔と前記出力偏光器とを経由して前記出力位置に向かって前記センサ光信号を中継し、前記検出位置において前記偏光成分の再結合によって前記読み出し経路長差の関数として読み出し光信号を発生させるステップと、
前記光検出器によって前記読み出し光信号を検出して、前記読み出し経路長差の関数として対応する光検出器信号を発生させるステップと、
前記読み出し経路長差の関数として光検出器信号を分析することによって前記物理量を決定するステップと、を含む方法。
【請求項31】
前記センサ経路長差を前記物理量にリンクする較正データベースを設けるステップを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
センシング干渉計を設ける前記ステップは、前記センサ経路長差において第1の複屈折材料内に軌道を設けるステップを含み、偏光読み出し干渉計を設ける前記ステップは第2の複屈折材料で作られた複屈折楔を設けるステップを含み、また前記第1、第2の複屈折材料が類似の分散特性を有し、それによって分散補償型光センサシステムを与えるように前記第1、第2の複屈折材料を選択するステップを更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記センサ光信号を中継する前記ステップは、読み出し光信号として空間的に散布された干渉図形を作り出すように複屈折楔に沿って前記センサ光信号を散布するステップを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
温度に高感度である干渉計であって、
xカット方位を有するLi35結晶と、
前記Li35結晶内に軌道を備えており、それによって温度の変化によって修正されるように温度に高感度であって、それによって感温度性干渉計を与える経路長差と、を備える干渉計。
【請求項35】
入力光を受けたときに出力信号を与えるための、経路長差を有する偏光干渉計であって、
前記入力光を二つの直線状の直交する偏光成分に分解するための入力偏光器と、
単一の複屈折楔であってこの中を前記偏光成分が異なる速度で伝播する単一の複屈折楔と、
前記楔内の伝播の後に前記偏光成分を再結合するための出力偏光器と、
前記入力偏光器と前記単一複屈折楔と前記出力偏光器とを経由して出力位置に向かって前記入力光を中継するための焦点合わせ光学装置と、
を具備し、
それによって、前記干渉計は前記入力光を受けたときに出力位置において前記経路長差の関数として前記出力信号を与える、ことを特徴とする偏光干渉計。
【請求項36】
前記単一の複屈折楔はMg2結晶を備える、請求項35に記載の偏光干渉計。
【請求項37】
前記経路長差は読み出し軸の関数として空間的に変化する経路長差を備えており、前記出力信号は前記読み出し軸に沿って空間的に散布された信号を備えており、更に前記出力位置は前記読み出し軸に沿って空間的に散布されており、それによって出力位置において散布された干渉図形を与える、請求項36に記載の偏光干渉計。
【請求項38】
前記入力光に関して前記単一の複屈折楔を走査し、それによって経路長差を走査し、したがって前記走査された経路長差によって変化する前記検出位置において走査された出力信号を与えるための手段を更に備える、請求項36に記載の偏光干渉計。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−513741(P2008−513741A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531550(P2007−531550)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001349
【国際公開番号】WO2006/032128
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(507090579)オプセンス インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】