説明

作業車両搭載用のエンジン装置

【課題】排気ガス浄化装置31を、エンジン5の近傍に効率よくコンパクトに配置できるようにする。
【解決手段】本願発明に係るエンジン装置は、キャビン10を区画するロプスフレーム11を走行機体2上に備えている車両1に搭載されるものであり、キャビン10下方のボンネット9内に位置するエンジン5と、エンジン5からの排気ガスを浄化処理する排気ガス浄化装置31とを備える。排気ガス浄化装置31はキャビン10の後方に配置する。排気ガス浄化装置31の外周はカバー体30にて覆う。カバー体30と、排気ガス浄化装置31から突出してカバー体30を貫通するテールパイプ33とを、ロプスフレーム11にて支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、例えばフォークリフト、バックホウ又はトラクタのような作業車両に用いられるエンジン装置に係り、より詳しくは、走行機体上におけるエンジンや排気ガス浄化装置等の配置構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、ディーゼルエンジンに関する高次の排ガス規制が適用されるのに伴い、ディーゼルエンジンが搭載される農作業機や建設機械等に、排気ガス中の大気汚染物質を浄化処理する排気ガス浄化装置を搭載することが要望されつつある。排気ガス浄化装置としては例えばDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)が知られている(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−145430号公報
【特許文献2】特開2003−27922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、排気ガス浄化装置の一例であるDPFでは、経年使用にて排気ガス中の粒子状物質がスートフィルタに堆積するので、ディーゼルエンジンの駆動時に粒子状物質を燃焼除去してスートフィルタを再生させている。よく知られているように、スートフィルタ再生動作は、排気ガス温度が所定温度(例えば300℃程度)以上で起こるから、DPFを通過する排気ガス温度は所定温度以上であることが望ましい。このため、従来から、DPFを排気ガス温度が高い位置、すなわち、ディーゼルエンジンの近傍に配置したいという要請がある。
【0005】
一方、ディーゼルエンジンの搭載スペースは搭載対象の作業車両(建設機械や農作業機等)によって様々だが、近年は、軽量化・コンパクト化の要請で、搭載スペースに制約がある(狭小である)ことが多い。このため、ディーゼルエンジンの近傍にDPFを配置するに当たっては、DPFをできるだけコンパクトにレイアウトする必要がある。
【0006】
本願発明は、上記の現状に鑑みてなされたものであり、排気ガス浄化装置をエンジンの近傍に効率よくコンパクトに配置できるようにすることを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、走行機体上に操縦座席を備え、前記操縦座席下方のボンネット内にエンジンを配置している作業車両に搭載されるエンジン装置であって、前記エンジンからの排気ガスを浄化処理する排気ガス浄化装置を備えており、前記排気ガス浄化装置は前記操縦座席の後方で且つ前記ボンネットの上方に配置されると共に、前記排気ガス浄化装置の外周がカバー体にて覆われているというものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載した作業車両搭載用のエンジン装置において、前記カバー体は、防振支持用のダンパー部材を介して、前記走行機体の後部に弾性的に支持されているというものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載した作業車両搭載用のエンジン装置において、前記カバー体は、前記操縦座席の後方で且つ前記ボンネットの上方に延びるフレームに支持されているというものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちいずれかに記載した作業車両搭載用のエンジン装置において、前記カバー体の周壁は内壁と外壁との間に間隔を空けた二重壁構造になっているというものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜4のうちいずれかに記載した作業車両搭載用のエンジン装置において、前記カバー体の周壁は断熱層を有する断熱構造になっているというものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によると、前記エンジンを囲う前記ボンネット外に前記排気ガス浄化装置が位置するから、前記ボンネット内におけるエンジン搭載スペースについての制約が減ることになる。従って、前記エンジン及び前記排気ガス浄化装置のレイアウトの自由度、ひいては、設計上の自由度が向上し、前記ボンネット内に余裕をもって前記エンジンを搭載できる。また、前述の通り、前記排気ガス浄化装置が前記ボンネット外に位置するから、前記ボンネット内におけるエンジン搭載スペースを更に切り詰めることが可能になり、前記走行機体のコンパクト化に寄与できる。その上、前記排気ガス浄化装置は前記カバー体によって覆われているため、風雨等に起因しての前記排気ガス浄化装置の温度低下を抑制でき、前記排気ガス浄化装置を高温(適正温度)に維持し易いという効果を奏する。
【0013】
請求項2の発明によると、前記カバー体が、防振支持用のダンパー部材を介して、前記走行機体の後部に弾性的に支持されるから、前記エンジンや前記走行機体からの振動は、前記ダンパー部材にて確実に吸収緩衝され、前記カバー体ひいては前記排気ガス浄化装置に伝わり難くなる。このため、振動等による繰り返し疲れ(金属疲労)にて、前記カバー体や前記排気ガス浄化装置、及びこれらに関連する固定部材が損傷するのを抑制でき、その耐久性を向上できる。
【0014】
請求項3の発明によると、前記カバー体は、前記操縦座席の後方で且つ前記ボンネットの上方に延びるフレームに支持されているから、作業車両の高剛性部材である前記フレームを利用して、前記排気ガス浄化装置を含む前記カバー体を強固且つ安定的に支持でき、振動等による前記カバー体の損傷を抑制できる。
【0015】
請求項4の発明によると、前記カバー体の周壁は内壁と外壁との間に間隔を空けた二重壁構造になっているから、風雨等に起因しての前記排気ガス浄化装置の温度低下を確実に抑制でき、前記排気ガス浄化装置を高温(適正温度)に維持し易いという効果を奏する。
【0016】
請求項5の発明によると、前記カバー体の周壁は断熱層を有する断熱構造になっているから、この点でも、風雨等に起因した前記排気ガス浄化装置の温度低下の防止効果が向上することになり、前記排気ガス浄化装置のヒートバランスの適正化に貢献する(前記排気ガス浄化装置を高温(適正温度)に維持し易い)。また、断熱構造の存在によって、前記操縦座席の周辺が高温にならず、快適に作業を行えるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】フォークリフトカーの左側面図である。
【図2】フォークリフトカーの平面図である。
【図3】ディーゼルエンジンの左側面図である。
【図4】ディーゼルエンジンの右側面図である。
【図5】ディーゼルエンジンの平面図である。
【図6】DPFの配置状態を示すカバー体の側面断面図である。
【図7】DPFの側面断面図である。
【図8】ダンパー部材を示すカバー体の拡大側面断面図である。
【図9】カバー体の別例を示す側面断面図である。
【図10】DPFの配置態様の別例を示すフォークリフトカーの左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
【0019】
(1).フォークリフトカーの概要
まず、図1及び図2を参照しながら、本願発明のエンジン装置が搭載された作業車両の一例であるフォークリフトカーの全体構造について説明する。
【0020】
図1及び図2に示すように、フォークリフトカー1は、左右一対の前輪3及び後輪4を有する走行機体2を備えている。走行機体2には、動力源としてのディーゼルエンジン5と、当該ディーゼルエンジン5からの動力を適宜変速して前後四輪3,4に伝達するミッションケース6とが搭載されている。ディーゼルエンジン5の駆動にて前後四輪3,4を回転駆動させることにより、フォークリフトカー1が前後進走行することになる。
【0021】
ディーゼルエンジン5及びミッションケース6はボンネットとしてのキャビンカバー体9にて上方から覆われている。キャビンカバー体9上には、操縦部としてのキャビン10を区画するロプスフレーム11が立設されている。図1及び図2から明らかなように、ディーゼルエンジン5及びミッションケース6は、ロプスフレーム11にて区画されたキャビン10の下方に位置することになる。実施形態のロプスフレーム11は、左右一対で側面視く字状の前部フレーム12、各前部フレーム12の後端部とキャビンカバー体9の左右後部とをつなぐ後部縦フレーム13、並びに、左右両前部フレーム12の上部間をつなぐ天フレーム枠14にて構成されている。
【0022】
キャビン10内には、オペレータが着座する操縦座席16、左右の前輪3を舵取り操作するための操縦ハンドル17、並びに、ディーゼルエンジン5や後述する作業部20に対する操作手段としてのレバー及びスイッチ(図示省略)等が配置されている。操縦座席16はキャビンカバー体9の上面前部側に配置されている。操縦ハンドル17は、操縦座席16の前方に設けられた操縦コラム18上に取り付けられている。
【0023】
走行機体2の前部側には、荷役作業用のフォーク21を有する作業部20が設けられている。フォーク21は作業部20の構成要素であるマスト22に昇降可能に装着されている。走行機体2のうち後部縦フレーム13より後方側は、リヤカバー体23にて覆われている。リヤカバー体23の下方には、作業部20との重量バランスを取るためのカウンタウェイト24が設けられている。フォーク21を昇降動させて、荷物を積んだパレット(図示省略)をフォーク21上に載置した状態で、走行機体2を前後進移動させることにより、パレットの運搬等の荷役作業が実行される。
【0024】
詳細は後述するが、ディーゼルエンジン5は、フライホイールハウジング46が前側に冷却ファン48が後ろ側に位置する姿勢で、走行機体2に搭載されている。また、ディーゼルエンジン5は、機関脚体58を介して走行機体2のマウントシャーシ7に防振支持されている。ミッションケース6は、ディーゼルエンジン5におけるフライホイールハウジング46の前面側に連結されている。ディーゼルエンジン5からフライホイールハウジング46内のフライホイール47を経由した動力は、ミッションケース6にて適宜変速され、前輪3及び後輪4やフォーク21の油圧駆動源に伝達されることになる。
【0025】
キャビンカバー体9内の後部には、エンジン冷却水を冷やすためのラジエータ25が冷却ファン48に相対向するように配置されている。冷却ファン48の回転駆動にてラジエータ25に外気を吹き付けることにより、ラジエータ25が空冷される。
【0026】
キャビン10の後方にあるリヤカバー体23上には、中空箱状のカバー体30がロプスフレーム11を構成する後部縦フレーム13に沿って上下に延びる縦長の姿勢で配置されている。カバー体30の内部には、排気ガス処理装置の一例である筒状のディーゼルパティキュレートフィルタ31(以下、DPFという)が設けられている。このため、DPF31は風雨に晒される機外に位置しているものの、その周囲がカバー体30にて覆われて保護されているため、DPF31自体が直接的に風雨に晒されるおそれはない。
【0027】
DPF31は、後部縦フレーム13に沿って上下に延びる縦長の姿勢でカバー体30内に配置されている。DPF31の排気ガス取入れ側は、リヤカバー体23の上面を貫通する排気中継管32を介して、ディーゼルエンジン5の排気マニホールド43(詳細は後述する)に連通接続されている。DPF31の排気ガス排出側にはテールパイプ33(排気パイプといってもよい)の始端側が連通接続されている。
【0028】
テールパイプ33のうちカバー体30の天蓋103(詳細は後述する)近傍の部分は前向きに湾曲させている。テールパイプ33の前半部はカバー体30の天蓋103に沿って前向きに延長していて、一方の後部縦フレーム13(実施形態では右後部縦フレーム13)の近傍で上向きに折り曲げられている。テールパイプ33の後半部は前記一方の後部縦フレーム13に沿って上方に延長させている。テールパイプ33の終端側はキャビン10から離れる後方に向けて折り曲げられて延長させている。テールパイプ33の終端部には排気口34が開口している。このため、排気ガスにてキャビン10が汚れるのを低減できる。
【0029】
テールパイプ33は、ロプスフレーム11を構成する一方の後部縦フレーム13の上部に固定されている。実施形態では、テールパイプ33の後半部が右後部縦フレーム13に沿って延びており、当該後半部が複数の控え金具35にて右後部縦フレーム13の上部に固定支持されている。ディーゼルエンジン5の各気筒から排気マニホールド43に排出された排気ガスは、DPF31内を下から上に流通して浄化処理されたのち、テールパイプ33の排気口34からキャビン10の後方に放出される。
【0030】
(2).ディーゼルエンジンの吸排気構造
次に、主として図3〜図5を参照しながら、ディーゼルエンジン5の吸排気構造について説明する。
【0031】
図3及び図5に示すように、ディーゼルエンジン5におけるシリンダヘッド41の左側面側に吸気マニホールド42が配置されている。シリンダヘッド41の右側面側に排気マニホールド43が配置されている。シリンダヘッド41は、エンジン出力軸44(クランク軸)及びピストン(図示省略)を有するシリンダブロック45上に搭載されている。シリンダブロック45の前後両側面からエンジン出力軸44の前後先端部をそれぞれ突出させている。
【0032】
図3〜図5に示すように、シリンダブロック45の前側面にフライホイールハウジング46が固着されている。フライホイールハウジング46内にはフライホイール47が配置されている。エンジン出力軸44の前端側にフライホイール47を軸支させている。フライホイール47を介してディーゼルエンジン5の動力が取り出される。シリンダブロック45の後側面には冷却ファン48が設けられている。エンジン出力軸44の後端側からVベルト49を介して冷却ファン48に回転力を伝達するように構成されている。
【0033】
シリンダブロック45の下面にはオイルパン50が配置されている。オイルパン50内には潤滑油が貯留されている。オイルパン50内の潤滑油は、シリンダブロック45内に設けられたオイルポンプ(図示省略)にて吸引され、シリンダブロック45の左側面に配置されたオイルクーラ51並びにオイルフィルタ52を介して、ディーゼルエンジン5の各潤滑部に供給される。各潤滑部に供給された潤滑油は、その後オイルパン50に戻される。オイルポンプはエンジン出力軸44の回転にて駆動するように構成されている。オイルクーラ51は冷却水にて潤滑油を冷却するためのものである。シリンダブロック45の左側面に、オイルクーラ51を介してオイルフィルタ52が取り付けられている。
【0034】
シリンダブロック45の左側面のうちオイルフィルタ52の上方(吸気マニホールド42の下方)には、シリンダブロック45内の燃焼室内に燃料を供給するための燃料噴射ポンプ53が取り付けられている。詳細は省略するが、燃料噴射ポンプ53は、燃料噴射量を調整するための電子ガバナと燃料フィードポンプとを備えている。燃料フィードポンプの駆動にて、燃料タンク内の燃料が燃料フィルタ54を介して燃料噴射ポンプ53に送り込まれる。
【0035】
シリンダブロック45の後面上部には冷却水ポンプ55が配置されている。冷却水ポンプ55は、エンジン出力軸44の回転にて冷却ファン48と共に駆動するように構成されている。キャビンカバー体9内の後部に配置されたラジエータ25内の冷却水が、冷却水ポンプ55の上部に設けられたサーモスタットケース56を介して、冷却水ポンプ55に供給される。そして、冷却水ポンプ55の駆動にて、冷却水がシリンダヘッド41及びシリンダブロック45に形成された水冷ジャケット(図示省略)に供給され、ディーゼルエンジン5を冷却する。ディーゼルエンジン5の冷却に寄与した冷却水はラジエータ25に戻される。
【0036】
シリンダブロック45の左右両側面とフライホイールハウジング46の左右両側面とには、機関脚取付け部57がそれぞれ設けられている。各機関脚取付け部57には、防振ゴムを有する機関脚体58がボルト締結されている。ディーゼルエンジン5は、各機関脚体58を介して、走行機体2のマウントシャーシ7に防振支持されている。
【0037】
吸気マニホールド42の入口部は、当該吸気マニホールド42の略中央部から上向きに突出している。そして、吸気マニホールド42の入口部は、後述するEGR装置60のコレクタ61を介してエアクリーナ(図示省略)に連結されている。エアクリーナに吸い込まれた新気(外部空気)は、当該エアクリーナにて除塵・浄化されたのち、コレクタ61を介して吸気マニホールド42に送られ、そして、ディーゼルエンジン5の各気筒に供給される。
【0038】
図3〜図5に示すように、EGR装置60(排気ガス再循環装置)は、ディーゼルエンジン5の排気ガスの一部(排気マニホールド43からのEGRガス)と新気(エアクリーナからの外部空気)とを混合させて吸気マニホールド42に供給するコレクタ(EGR本体ケース)61と、エアクリーナにコレクタ61を連通させる吸気スロットル部材62と、排気マニホールド43にEGRクーラ63を介して接続される還流管路としての再循環排気ガス管(図示省略)と、再循環排気ガス管にコレクタ61を連通させるEGRバルブ部材64とを備えている。
【0039】
すなわち、吸気マニホールド42と新気導入用の吸気スロットル部材62とがコレクタ61を介して接続されている。そして、コレクタ61には、排気マニホールド43から延びる再循環排気ガス管の出口側が連通している。吸気スロットル部材62は、コレクタ61の長手方向の一端部にボルト締結されている。コレクタ61のうち吸気スロットル部材62と反対側の部位に形成された下向きの開口端部が、吸気マニホールド42の入口部に着脱可能にボルト締結されている。
【0040】
再循環排気ガス管の出口側は、EGRバルブ部材64を介してコレクタ61に連結されている。EGRバルブ部材64は、その内部にあるEGRバルブ(図示省略)の開度を調節することにより、コレクタ61へのEGRガスの供給量を調節するものである。EGRバルブ部材64の外周面から斜め下向きに突出した開口端部がコレクタ61の長手中途部に連結されている。再循環排気ガス管の入口側は、EGRクーラ63を介して排気マニホールド43に連結されている。
【0041】
上記の構成により、エアクリーナから吸気スロットル部材62を介してコレクタ61内に新気(外部空気)を供給する一方、排気マニホールド43からEGRバルブ部材64を介してコレクタ61内にEGRガスを供給する。エアクリーナからの新気と、排気マニホールド43からのEGRガスとが、コレクタ61内で混合された後、コレクタ61内の混合ガスが吸気マニホールド42に供給される。すなわち、ディーゼルエンジン5から排気マニホールド43に排出された排気ガスの一部が、吸気マニホールド42からディーゼルエンジン5に還流されることによって、高負荷運転時の最高燃焼温度が低下し、ディーゼルエンジン5からのNOx(窒素酸化物)の排出量が低減されることになる。
【0042】
排気マニホールド43の出口部は、当該排気マニホールド43の略中央部から上向きに突出している。そして、排気マニホールド43の出口部が、リヤカバー体23の上面を貫通する排気中継管32を介して、カバー体30内にあるDPF31の排気ガス取入れ側に連結されている。排気マニホールド43の出口部から排気中継管32を介してDPF31内に移動した排気ガスは、DPF31にて浄化処理されたのち、DPF31の排気ガス排出側からテールパイプ33に移動して、最終的に排気口34からキャビン10の後方に放出される。
【0043】
なお、排気中継管32の全長(排気ガス移動方向の長さ)は、排気マニホールド43の出口部とDPF31の排気ガス取入れ側との間の距離ができるだけ短くなるように極力短く設定するのが好ましい。
【0044】
(3).カバー体及びDPFの詳細構造
次に、主として図6〜図8を参照しながら、カバー体30及びDPF31の詳細構造について説明する。
【0045】
図6に示すように、キャビン10後方のリヤカバー体23上に配置されたカバー体30は中空箱状のものである。実施形態のカバー体30は右後部縦フレーム13に寄せて上下縦長の姿勢で配置されている(図2及び図6参照)。カバー体30は、底壁101と、当該底壁101に立設された筒状の側周壁102と、側周壁103の上端開口を開閉可能に塞ぐ天蓋103とにより構成されている。
【0046】
図6に詳細に示すように、底壁101及び側周壁102(周壁)は、内壁101a(102a)及び外壁101b(102b)の間に間隔を空けた二重壁構造になっている。各壁101a,101b,102a,102bは耐熱金属材料製のものであり、これら各壁101a,101b,102a,102b同士は溶接等にて固定されている。内壁101a(102a)及び外壁101b(102b)の間には、断熱層104(105)が介挿されている。換言すると、底壁101及び側周壁102(周壁)は二重壁構造で且つ断熱構造になっている。
【0047】
天蓋103も耐熱金属材料製のものであり、例えばねじ込み等によって側周壁102の上端に取り外し可能に取り付けられている。天蓋103の内部頂面には、側周壁102の上端開口に上方から嵌まり込む中栓部106が設けられている。中栓部106は中空状に形成されている。中栓部106の凹所内にも断熱層107が介挿されている。なお、断熱層104,105,107を構成する断熱材料は、例えばグラスウールのような無機系素材や、発泡スチロールのような有機系素材など、様々なものを使用できる。
【0048】
図6及び図8に示すように、カバー体30は、防振支持用の複数のダンパー部材66,67を介して走行機体2の後部及びロプスフレーム11に弾性的に支持されている。実施形態では、カバー体30の底壁101(底外壁101b)が複数の底ダンパー部材66を介してリヤカバー体23の上面に弾性的に支持されている。側周壁102(側周外壁102b)が複数の側周ダンパー部材67を介して右後部縦フレーム13に弾性的に支持されている。
【0049】
すなわち、カバー体30の底壁101(底外壁101b)には、各底ダンパー部材66を構成する支持ステイ113の基端側(上端側)が溶接固定されている。縦支持ステイ113の先端側(下端側)に設けられた平板部114に、軟質弾性材製の防振ゴム115の一端面が接着固定されている。防振ゴム115の他端面には接着固定された固定板116はリヤカバー体23の上面にボルト締結されている。
【0050】
一方、カバー体の側周壁102(側周外壁102b)には、各側周ダンパー部材67を構成する横支持ステイ123の基端側(後端側)がボルト締結されている。横支持ステイ123の先端側(前端側)に設けられた平板部124に、軟質弾性材製の防振ゴム125の一端面が接着固定されている。防振ゴム125の他端面に接着固定された固定板116は右後部縦フレーム13に溶接固定されている。
【0051】
底ダンパー部材66及び側周ダンパー部材67にて弾性的に支持されたカバー体30内に、DPF31が上下縦長の姿勢で収容されている。DPF31は、排気ガス中の粒子状物質(煤、パティキュレート)を物理的に捕集するためのものである。実施形態のDPF31は、二酸化窒素(NO)を生成する白金等のディーゼル酸化触媒72と、捕集した粒子状物質を連続的に酸化除去するハニカム構造のスートフィルタ73と、ディーゼル酸化触媒72及びスートフィルタ73を排気ガス移動方向に直列に並べた状態で収容するケース体としてのDPFケーシング74とを備えている。DPFケーシング74は耐熱金属材料製であり、縦長筒状に形成されている。DPFケーシング74内には、ディーゼル酸化触媒72が下側に、スートフィルタ73が上側になるように上下に並べて配置されている。ディーゼルエンジン5からの排気ガスはDPFケーシング74内を下から上に流通するように構成されている。換言すると、DPF31内での排気ガス移動方向は下から上方向になっている。
【0052】
DPF31においては、ディーゼル酸化触媒72にて、排気ガス中の一酸化窒素(NO)を不安定な二酸化窒素に酸化させ、二酸化窒素が一酸化窒素に戻る際に放出する酸素(O)を用いて粒子状物質を酸化除去するように構成されている。このようなディーゼル酸化触媒72の酸化作用を利用することによって、ディーゼルエンジン5駆動中のスートフィルタ73再生が可能になっている。また、DPF31によって、排気ガス中の粒子状物質の除去に加えて、排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)も低減される。
【0053】
DPFケーシング74は、下部ケース76、中央ケース75及び上部ケース77の3つに分割して構成されている。ディーゼル酸化触媒72は、その外周側にマット状のセラミックファイバー製断熱材78を被せた状態で、下部ケース76内に落下不能に収容されている。スートフィルタ73は、その外周側にマット状のセラミックファイバー製断熱材79を被せた状態で、上部ケース77内に落下不能に収容されている。
【0054】
DPFケーシング74内におけるディーゼル酸化触媒72とスートフィルタ73との間、すなわち中央ケース75内には、粒子状物質捕集部としての椀状板80が落下不能に収容されている。実施形態のDPF31は、ディーゼル酸化触媒72を下側にスートフィルタ73を上側に配置した縦置き構造であるため、スートフィルタ73にある程度粒子状物質が堆積すると、堆積した粒子状物質の一部は自重にてスートフィルタ73から落下する。そこで、ディーゼル酸化触媒72とスートフィルタ73との間にある椀状板80にて、スートフィルタ73からこぼれ落ちた粒子状物質を受け止めて貯留し、ディーゼル酸化触媒72の上面に落下するのを抑制している。
【0055】
椀状板80の中央には排気ガスを流通させる流通開口81が形成されている。流通開口81の外周部分は、椀状板80の平板部82から上向きに湾曲膨出した返し部83になっている。当該返し部83の存在により、椀状板80上に溜まった粒子状物質が流通開口81からディーゼル酸化触媒72上に落ち難くなっている。
【0056】
DPFケーシング74の外周におけるディーゼル酸化触媒72とスートフィルタ73との間、すなわち中央ケース75の外周には、椀状板80に臨む清掃用開口部84が形成されている。清掃用開口部84は通常、中央ケース75の外周面に沿ってスライド可能な湾曲板状の扉体85にて開閉可能に塞がれている。
【0057】
DPFケーシング74のうち少なくともスートフィルタ73を収容する上部ケース77は、DPFケーシング74の他の部分(下部ケース76及び中央ケース75)から分離可能に構成されている。実施形態では、下部ケース76の上端部に溶接固定された排出側フランジ86と、中央ケース75の下端部に溶接固定された触媒側フランジ87とが、ボルト90及びナット91にて着脱可能に締結されている。また、中央ケース75の上端部に溶接固定されたフィルタ側フランジ88と、上部ケース77の上端部に溶接固定された取入れ側フランジ89とが、ボルト92及びナット93にて着脱可能に締結されている。
【0058】
図6及び図8に示すように、DPF31は、防振支持用の複数のDPF用ダンパー部材130を介してカバー体30に弾性的に支持されている。実施形態では、下部ケース76の外周面のうちDPFケーシング74の縦軸心線A(図6参照)を挟んで対称な位置に、下部取付けブラケット131がそれぞれ外向きに突設されている。各下部取付けブラケット131に、DPF用ダンパー部材130が互いに縦軸心線Aを挟んで対称状に位置した状態で取り付けられている。また、上部ケース77の外周面のうち縦軸心線Aを挟んで対称な位置に、上部取付けブラケット132がそれぞれ外向きに突設されている。各上部取付けブラケット132にも、ダンパー部材130が互いに縦軸心線Aを挟んで対称状に位置した状態で取り付けられている。
【0059】
すなわち、各取付けブラケット131,132には、支持ステイ133の基端側がボルト締結されている。支持ステイ133の先端側に設けられた平板部134に、軟質弾性材製の防振ゴム135の一端面が接着固定されている。防振ゴム135の他端面には、側周内壁102aの内面に密着する固定板136が接着固定されている。固定板136は、側周壁102(側周外壁102b)の外側からねじ込まれる止めねじ137にて着脱可能に固定支持されている。
【0060】
図6及び図7に示すように、下部ケース76の下部側は下窄まりの漏斗状に形成された下窄まり部76aになっている。下窄まり部76aから更に下向きに延びる取入れ管部76bは、カバー体30の底板30aを貫通した状態で、当該底板30aに着脱可能に固定されている。取入れ管部76bのうち底壁101(底外壁101b)から下向きに突出した部分は、リヤカバー体23から上向きに突出した排気中継管32の排気ガス排出側に差し込み装着されている。
【0061】
一方、上部ケース77の上部側は上窄まりの漏斗状に形成された上窄まり部77aになっている。上窄まり部77aから更に上向きに延びる排出管部77bは、カバー体30の天蓋103及び中栓部105を貫通している。排出管部77bのうち天蓋103から上向きに突出した部分は、下向きに開口したテールパイプ33の始端側に差し込み装着されている。
【0062】
従って、DPF用ダンパー部材130に対する止めねじ137を外した上で、テールパイプ33の始端側を上部ケース77の排出管部77bから引き抜いて、カバー体30の天蓋103を取り外したのち、下部ケース76の取入れ管部76bとカバー体30の底壁101との連結を解除してから、DPF31ごとカバー体30から引き上げるようにして下部ケース76の取入れ管部76bを排気中継管32の排気ガス排出側から引き抜くことによって、実施形態のDPF31はカバー体30内から取り出すことが可能になっている。なお、図示は省略するが、上部ケース77のうちスートフィルタ73より排気ガス移動下流側又はテールパイプ33の中途部には、排気音を減衰(消音)するための消音部材が設けられている。
【0063】
(4).まとめ
上記の記載並びに図1、図2及び図6から明らかなように、本願発明に係るエンジン装置は、キャビン10を区画するロプスフレーム11を走行機体2上に備えている作業車両1に搭載されるものであり、キャビン10下方のボンネット9内に位置するエンジン5と、エンジン5からの排気ガスを浄化処理する排気ガス浄化装置31とを備えている。排気ガス浄化装置31はキャビン10の後方に配置されており、排気ガス浄化装置31の外周はカバー体30にて覆われている。そして、カバー体30と、排気ガス浄化装置31から突出してカバー体30を貫通するテールパイプ33とがロプスフレーム11にて支持されている。
【0064】
このように構成すると、エンジン5を囲うボンネット9外に排気ガス浄化装置31が位置するから、ボンネット9内におけるエンジン5搭載スペースについての制約が減ることになる。従って、エンジン及び排気ガス浄化装置のレイアウトの自由度、ひいては、設計上の自由度が向上し、ボンネット9内に余裕をもってエンジン5を搭載できる。また、前述の通り、排気ガス浄化装置31がボンネット9外に位置するから、ボンネット9内におけるエンジン5搭載スペースを更に切り詰めることが可能になり、走行機体1のコンパクト化に寄与できる。
【0065】
しかも、キャビン10下方のボンネット9内にエンジン5が位置し、排気ガス浄化装置31がロプスフレーム11(後部縦フレーム13)に支持された状態でキャビン10後方に位置するから、エンジン5の排気系(排気マニホールド43)に排気ガス浄化装置31を至近距離で連通させることが可能になる。従って、エンジン5からの排気ガスをあまり温度低下させずに排気ガス浄化装置31に供給することにより、排気ガス浄化装置31を適正温度に維持し易く、排気ガス浄化装置31の浄化性能を向上できる。その上、排気ガス浄化装置31は風雨に晒される機外に位置しているものの、その周囲がカバー体30にて覆われて保護されているため、排気ガス浄化装置31自体が直接的に風雨に晒されるおそれはなく、風雨等に起因しての排気ガス浄化装置31の温度低下も抑制できる。
【0066】
更に、カバー体30とテールパイプ33とをロプスフレーム11にて支持するから、作業車両1の高剛性部材であるロプスフレーム11を利用して、排気ガス浄化装置31を含むカバー体30及びテールパイプ33を強固且つ安定的に支持でき、振動等によるカバー体30及びテールパイプ33の損傷を抑制できる。これに加えて、走行機体2後部の低い位置からロプスフレーム11の上部にまで、テールパイプ33を延ばして支持することを簡単に行える。なお、浄化性能を向上できることから、ディーゼル酸化触媒72やスートフィルタ73のサイズも小さくでき、排気ガス浄化装置31自体の小型化・コンパクト化を図れる。
【0067】
上記の記載並びに図6から明らかなように、カバー体30の周壁101,102は内壁101a,102aと外壁101b,102bとの間に間隔を空けた二重壁構造になっているから、風雨等に起因しての排気ガス浄化装置31の温度低下をより一層抑制でき、排気ガス浄化装置31を高温(適正温度)に維持し易い。
【0068】
上記の記載並びに図6から明らかなように、カバー体30の周壁101,102は断熱層104,105を有する断熱構造になっているから、この点でも、風雨等に起因した排気ガス浄化装置31の温度低下の防止効果が向上することになり、排気ガス浄化装置31のヒートバランスの適正化に貢献する(排気ガス浄化装置31を高温(適正温度)に維持し易い)。
【0069】
上記の記載並びに図6及び図8に示すように、カバー体30は、防振支持用のダンパー部材66,67を介して走行機体2の後部及びロプスフレーム11に弾性的に支持されているから、エンジン5や走行機体2からの振動は、ダンパー部材66,67にて確実に吸収緩衝され、カバー体30ひいては排気ガス浄化装置31に伝わり難くなる。このため、振動等による繰り返し疲れ(金属疲労)にて、カバー体30や排気ガス浄化装置31、及びこれらに関連する固定部材が損傷するのを抑制でき、その耐久性を向上できる。特に実施形態では、排気ガス浄化装置31も、防振支持用のダンパー部材130を介してカバー体30に弾性的に支持されているから、排気ガス浄化装置の振動に対する耐久性が格段に高まるという利点がある。
【0070】
上記の記載並びに図6及び図7から明らかなように、本願発明に係る排気ガス浄化装置31は、エンジン5からの排気ガス中の粒子状物質を浄化処理する酸化触媒72及びスートフィルタ73と、酸化触媒72及びスートフィルタ73を収容するケース体74とを備えているものである。ケース体74内には、酸化触媒72が下側に、スートフィルタ73が上側になるように上下に並べて配置されており、エンジン5からの排気ガスは、ケース体74内を下から上に流通するように構成されている。そして、ケース体74内における酸化触媒72とスートフィルタ73との間には、スートフィルタ73からこぼれた粒子状物質を貯留する粒子状物質捕集部80が設けられている。
【0071】
このように構成すると、排気ガス浄化装置31が酸化触媒72を下側にスートフィルタ73を上側に配置した縦置き構造になるため、スートフィルタ73にある程度粒子状物質が堆積すると、堆積した粒子状物質の一部は自重にてスートフィルタ73から落下することになる。このため、スートフィルタ73が目詰まりし難くなる。また、酸化触媒72とスートフィルタ73との間にある粒子状物質捕集部80にて、スートフィルタ73からこぼれ落ちた粒子状物質を受け止めて貯留するから、酸化触媒72の上面に粒子状物質が落ち難くなり、粒子状物質の堆積に起因する酸化触媒72の機能低下を抑制できる。
【0072】
上記の記載並びに図6及び図7から明らかなように、ケース体74の外周のうち酸化触媒72とスートフィルタ73との間には、粒子状物質捕集部80に臨む開口部84が形成されていると共に、開口部84を開閉可能に塞ぐ扉体85が設けられているから、扉体85を開けた状態で排気ガス浄化装置31の排気ガス移動下流側(例えばテールパイプ33側)から空気を強制的に送り込めば(エアブロー洗浄)、スートフィルタ73に溜まった粒子状物質を下方に吹き飛ばして、粒子状物質捕集部80にて受け止めながらケース体74の開口部84に案内し、開口部からケース体74外に排出できることになる。このため、排気ガス浄化装置31を作業車両1に取り付けたままであってもスートフィルタ73を洗浄でき、メンテナンス作業性がよい。
【0073】
上記の記載並びに図6及び図7から明らかなように、ケース体74のうち少なくともスートフィルタ73を収容する部分は、ケース体74の他の部分から分離可能に構成されているから、ケース体74のうち少なくともスートフィルタ73を収容する部分を取り外して、スートフィルタ73の清掃・交換を簡単に行える。従って、排気ガス浄化装置31(スートフィルタ73)に対するメンテナンス作業性がより一層向上する。
【0074】
(5).その他
なお、本願発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、様々な態様に具体化できる。例えば排気ガス浄化装置31及びこれを収容するカバー体30は、前述の実施形態のような縦置き構造に限らず、図9の別例に示すように、リヤカバー体上に横向きに寝かせて搭載した横置き構造でもよい。但し、前述の実施形態のような縦置き構造の方が平面視におけるリヤカバー体23上での排気ガス浄化装置31の占有面積をコンパクトにでき、邪魔になり難いという利点がある。また、図10の別例に示すように、底壁101及び側周壁102(周壁)の内壁101a(102a)を省略し、外壁101b(102b)の内面側に断熱層104,105を張り付けた構造を採用しても差し支えない。更に、本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 フォークリフトカー
2 走行機体
5 ディーゼルエンジン
9 ボンネットとしてのキャビンカバー体
10 キャビン
11 ロプスフレーム
13 後部縦フレーム
16 操縦座席
17 操縦ハンドル
26 断熱部材としての断熱壁
30 カバー体
31 排気ガス浄化装置としてのDPF
33 テールパイプ
66 底ダンパー部材
67 側周ダンパー部材
72 ディーゼル酸化触媒
73 スートフィルタ
74 ケース体としてのDPFケーシング
80 粒子状物質捕集部としての椀状板
84 清掃用開口部
85 扉体
101 底壁
102 側周壁
103 天蓋
104,105,107 断熱層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体上に操縦座席を備え、前記操縦座席下方のボンネット内にエンジンを配置している作業車両に搭載されるエンジン装置であって、
前記エンジンからの排気ガスを浄化処理する排気ガス浄化装置を備えており、前記排気ガス浄化装置は前記操縦座席の後方で且つ前記ボンネットの上方に配置されると共に、前記排気ガス浄化装置の外周がカバー体にて覆われている、
作業車両搭載用のエンジン装置。
【請求項2】
前記カバー体は、防振支持用のダンパー部材を介して、前記走行機体の後部に弾性的に支持されている、
請求項1に記載した作業車両搭載用のエンジン装置。
【請求項3】
前記カバー体は、前記操縦座席の後方で且つ前記ボンネットの上方に延びるフレームに支持されている、
請求項1又は2に記載した作業車両搭載用のエンジン装置。
【請求項4】
前記カバー体の周壁は内壁と外壁との間に間隔を空けた二重壁構造になっている、
請求項1〜3のうちいずれかに記載した作業車両搭載用のエンジン装置。
【請求項5】
前記カバー体の周壁は断熱層を有する断熱構造になっている、
請求項1〜4のうちいずれかに記載した作業車両搭載用のエンジン装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−215118(P2010−215118A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64634(P2009−64634)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】