説明

係合装置のエア抜き構造

【課題】係合時のショックを緩和することが可能な油圧係合装置のエア抜き構造を提供する。
【解決手段】自動変速機200は、ピストン30を作動させるための第一油室60と、第一油室60内に設けられて上記エアを溜めるエア貯留室110とを備える。第一油室60の上側内周面65よりも低い位置に、エアを抜くためのエア排出機構20が接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、係合装置のエア抜き構造に関し、より特定的には、自動変速機における油圧係合装置のエア抜き構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧装置に関する技術が、たとえば特開平5−106733号公報(特許文献1)、実開平6−49829号公報(特許文献2)および特開平10−318203号公報(特許文献3)に開示されている。
【特許文献1】特開平5−106733号公報
【特許文献2】実開平6−49829号公報
【特許文献3】特開平10−318203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
たとえば特許文献1では、自動変速機のブレーキ装置において、作動油室に混入したエアを抜くために、作動油圧通路にボール弁からなるエア抜き手段を設けている。しかしながら、従来の技術では適切なエア抜きによりブレーキ作動を確実に行なうことができるが、ブレーキ作動時の係合ショックがあるという問題があった。
【0004】
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、係合時のショックを緩和することが可能な油圧係合装置のエア抜き構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に従った油圧係合装置のエア抜き構造は、係合要素を作動させるための作動油室と、作動油室内に設けられて常時エアを溜めるエア貯留室とを備える。
【0006】
このように構成された油圧係合装置のエア抜き構造では、作動油室にエア貯留室を設けることで、エア貯留室に貯留されたエアがクッションになり、係合要素の係合ショックを緩和するエアダンパの役割を果たす。その結果、係合時のショックを緩和することができる。
【0007】
好ましくは、作動油室の最上部よりも低い位置に、油圧回路中の作動油に混入したエアを抜くためのエア抜き部が設けられている。
【0008】
この場合、エア抜き部を作動油室の最上部より低い位置に設置することで、作動油室の油面が下がって作動油室内にエアが残存し、エア貯留室を形成することができる。
【0009】
好ましくは、エア抜き部は、エア排出時に開状態となりエアを排出し、作動油の吐出力により閉状態となる開閉弁を含む。
【0010】
この場合、作動油の吐出力により閉状態となるため、エア排出後の作動油の漏れを防ぐことができる。
【0011】
好ましくは、係合要素はピストンを含み、ピストンの最上部よりも低い位置に、ピストンを貫通して作動油室のエアを他の空間に移動させるための連通孔が設けられている。連通孔内に設けられ、エアを作動油室から他の空間へ排出するときには開状態となりエアを排出し、作動油の吐出力により閉状態となる開閉弁を含む。
【発明の効果】
【0012】
この発明に従えば、係合要素が係合するときのショックを緩和することができる油圧係合装置のエア抜き構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態では同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明については繰返さない。また、各々の実施の形態を組合せることが可能であり、実施の形態中で設けられた各要素の個数などは特に限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従った自動変速機の模式図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1に従った自動変速機200は、ケーシング40と、ケーシング40内に設けられた回転部材50とを含む。ケーシング40には摩擦部材41が係合しており、回転部材50には摩擦部材51が係合している。摩擦部材41に向かい合うようにピストン30が配置される。ピストン30はATF(オートマティックトランスミッションフルード)により構成される作動油100で駆動される。作動油100はソレノイド10によってその油圧が制御される。
【0015】
回転部材50は回転軸52を中心に回転する。回転部材50には複数個の摩擦部材51が係合しており、摩擦部材51は回転部材50とともに回転する。摩擦部材51は円板状であり、複数の摩擦部材51が互いに厚み方向に距離を隔てて配置される。
【0016】
ケーシング40に係合する摩擦部材41は円板状であり、回転部材50に係合する摩擦部材51に対向し、かつ複数の摩擦部材51の間に配置される。摩擦部材41,51は作動油100に浸されており、作動油100により潤滑および冷却が行なわれる。図1で示す状態では、各々の摩擦部材41,51の間に隙間が生じている。ケーシング40は回転していない。そのため、摩擦部材41は回転しない。図1で示す状態では、摩擦部材41は回転部材50側の摩擦部材51との間に隙間が生じているため、回転部材50はケーシング40と無関係に回転することができる。摩擦部材41が摩擦部材51と当接すれば回転部材50の回転が摩擦部材51および摩擦部材41を通じてケーシング40へ伝わる。ケーシング40は回転しないため、回転部材50の回転が減速され、摩擦部材51と摩擦部材41の係合力が強くなって回転部材50の回転力に打ち勝った場合には、回転部材50の回転が停止する。
【0017】
なおこの実施の形態では、ケーシング40が回転しないブレーキを想定しているが、ケーシング40が回転部材50と別に回転する構成を採用してもよい。この場合、湿式多板型のクラッチが構成され、摩擦部材41と摩擦部材51とが接触した場合には、回転部材50はケーシング40とともに回転する。摩擦部材41が摩擦部材51と当接していない場合には、回転部材50はケーシング40とは別に回転する。
【0018】
ピストン30は摩擦部材41に向かい合って配置されている。ピストン30はピストン30に最も近い位置の摩擦部材41を回転部材50に向かう方向に押圧することが可能である。摩擦部材41が摩擦部材51に近づく方向に押圧すれば、摩擦部材41と摩擦部材51との間の当接力が強まり、さらには摩擦部材41が摩擦部材51と密着する。これにより、回転部材50の回転がケーシング40に伝えられ、ケーシング40が回転しない場合には、回転部材50も回転しない。ケーシング40が回転する場合には、ケーシング40は回転部材50とともに回転する。
【0019】
ピストン30は柱状であり、その外周面にシール部材31が設けられる。シール部材31は作動油100の漏れを防止する。ピストン30は互いに対向するように配置される第一主表面32および第二主表面33を有する。第二主表面33は摩擦部材41側に配置される。第一主表面32側が第一油室60であり、第二主表面33側が第二油室61である。第一油室60および第二油室61の各々には作動油100が溜められている。第一油室60は、上側内周面65と、上側内周面65と対向する下側内周面66と、上側内周面65と下側内周面66とを結ぶ側面67等により構成されている。上側内周面65、下側内周面66および側面67は曲面であってもよく、曲面ではない平面であってもよい。上側内周面65、下側内周面66および側面67により構成される第一油室60は円筒状であってもよく、または円筒ではない他の筒状であってもよい。第一油室60内をピストン30が摺動するため、第一油室60の内径は一定とされる。
【0020】
第一油室60には係合油路12により係合のための油圧が供給される。係合油路12は、この実施の形態では下側内周面66に接続されているが、この構成には限られず、係合油路12が上側内周面65または側面67に接続されていてもよい。係合油路12内には、圧力が加えられた作動油100が供給され、高圧の作動油100が係合油路12を通じて第一油室60へ供給されると、第一油室60の圧力が第二油室61よりも高まる。これにより、ピストン30が摩擦部材41を押圧し、摩擦部材41と摩擦部材51とが当接する。
【0021】
係合油路12から第一油室60に油圧が供給されなくなると、第一油室60の圧力が第二油室61の作動油の圧力よりも小さくなる。これにより、ピストン30は摩擦部材41から遠ざかる方向に移動する。その結果、摩擦部材41は摩擦部材51と当接せず、回転部材50はケーシング40とは無関係に回転することが可能となる。
【0022】
係合油路12の油圧はソレノイド10により制御されている。すなわち、ソレノイド10は、係合圧供給油路11、係合油路12およびドレイン油路13に接続されている。係合圧供給油路11はオイルポンプから高圧の作動油の供給を受ける。ソレノイド10は電磁弁であり、係合圧供給油路11と係合油路12とを接続または切断することができる。ソレノイド10が係合圧供給油路11と係合油路12とを接続すると、係合圧供給油路11の高圧の作動油が係合油路12へ送られる。これにより、高圧の作動油100が第一油室60に流れ込む。これとは逆に、ソレノイド10がドレイン油路13と係合油路12とを接続した場合には、チェックボール150の作用により、係合油路12および第一油室60内の作動油100が保持される。このような状態で第二油室61の圧力が高まるとドレイン油路13に設けられたチェックボール150で保持できる油圧よりも高い油圧が第二油室61に加えられて第一油室60の作動油100が係合油路12およびドレイン油路13およびチェックボール150を介してオイルパンへ排出される。
【0023】
第一油室60には排出口24が設けられており、第一油室60に溜まった作動油100の一部分が排出口24を経由してエア排出機構20へ導かれる。エア排出機構20はタンク29と、タンク29内に収納されたチェックボール22とを含む。排出口24にはエア排出路21が接続されている。係合油路12から第一油室60に作動油100が供給されて第一油室60内の油圧が高くなれば、第一油室60中の作動油100の油面が上昇する。そして、第一油室60内の作動油100の油面が排出口24にまで達した場合には、作動油100はエア排出路21を経由してエア排出機構20へ導かれる。エア排出機構20内のチェックボール22の比重はエアよりも大きく、かつ作動油100よりも小さい。そのため、タンク29に作動油100が導かれると、作動油上にチェックボール22が浮く。チェックボール22の位置が高まってタンク29のエア排出口27を防いだ状態となればエア排出機構20からは作動油100が排出されない。
【0024】
この実施の形態では、油圧装置として自動変速機200を示しているが、これに限られず、油圧を利用して何らかの要素の係合を行なうような装置に本発明を適用することが可能である。たとえば、湿式多板クラッチを用いた作動制限装置に本発明を適用することが可能である。
【0025】
図2から図5は、エア排出機構の動作を説明するための図である。図2を参照して、エア排出路21からエアがエア排出機構20に供給されない場合には、チェックボール22は最も低い位置に位置している。この場合、チェックボール22がエア排出路21を封止しているため、たとえばエア排出口27からエア排出路21へ向かってエアが流れ込まず、エアのさらなる流入を防止することができる。
【0026】
図3を参照して、エア排出路21からエアが矢印101で示す方向に流れると、チェックボール22はエアに押されて図2よりも少し高い位置に位置する。これにより、エア排出路21から供給されたエアがエア排出機構20を経由してエア排出口27から排出される。
【0027】
図4を参照して、図3で示す状態からさらに作動油100がエア排出路21を経由してエア排出機構20へ供給されるようになると、タンク29内に作動油100が溜まる。作動油100の比重はチェックボール22よりも大きいため、チェックボール22は作動油100に浮く。これにより、作動油100の油面とともにチェックボール22の位置も上昇する。
【0028】
図5を参照して、図4で示す状態からさらにエア排出路21を経由してエア排出機構20へ作動油100が供給されれば、チェックボール22が最も高い位置に位置して、チェックボール22がエア排出口27を塞ぐ。これにより、エア排出口27から外部へ作動油100が漏れることを防止できる。また、このようにエア排出口27をチェックボール22が塞いでいる状態では、エア排出口27からタンク29内へのエアの混入も防止することができる。
【0029】
図6は、第一油室に高圧が加わった状態の自動変速機の模式図である。図6を参照して、第一油室60に高圧が印加された場合には、第一油室60の油面は上昇する。しかしながら、第一油室60内の作動油100の油面が上側内周面65へ到達することはない。作動油100の油面は排出口24近傍で止まる。これは、作動油100が高圧となったとしても、作動油100の油面が上側内周面65に達することはない。上側内周面65と作動油100の油面との間にはエア貯留室110が設けられ、エア貯留室110には常にエアが充満している。第一油室60の油圧が第二油室61の油圧よりも高くなれば、第一油室60内の作動油100がピストン30を押し、第一油室60の体積が大きくなる。すなわち、ピストン30が第二油室61側へスライドする。
【0030】
すなわち、実施の形態1に従った油圧係合装置のエア抜き構造は、係合要素としてのピストン30を作動させるための作動油室としての第一油室60と、第一油室60内に設けられて常時エアを溜めるエア貯留室110とを備える。第一油室60の最上部である上側内周面65よりも低い位置に、油圧回路の作動油100に混入したエアを抜くためのエア抜き部としてのエア排出機構20が接続される。エア排出機構20は、エア排出時に開状態となりエアを排出し、作動油100の吐出力により閉状態となる開閉弁としてのチェックボール22とを含む。
【0031】
一般的には、自動変速機などの油圧係合装置において、油室内にエアが混入することは変速制御上好ましくない。しかし、非回転の係合装置部位においては、一旦エアが入り込むと抜けにくい。この実施の形態では、油室およびピストン部位に浮力を利用したチェックボール22のチェック弁エア排出孔を設けてエアの排出と係合圧漏れによるトルク容量の低減の回避を実現している。さらに、第一油室60内のエアの量を一定量に制御することでエアダンパ効果としてエアを積極的に利用している。
【0032】
第一油室60のエアの混入を回避するために、工場出荷時にサービスホールからの吸引によるエアの排出、エア混入を前提とした変速制御の適合などを従来行なっていた。また、油室にピンホールを開けて、エアの排出を行なうこともあり、油圧も漏れる状態で安定させている。このような対策は、ロバスト性やトルク容量の点でロバスト性に欠けたり、性能低下が避けられないという問題があった。本発明では、作動油100より比重が低く、作動油100に浮くチェックボール22を用い、エアを通しかつ作動油100の漏れを防ぎ、さらにはエアダンパ効果を発揮して係合時のショックを緩和することが可能な構成を提供している。
【0033】
また、本発明では、有段自動変速装置(オートマティックトランスミッション)、無段自動変速装置(CVT)または油圧シリンダなどに適用することが可能である。
【0034】
(実施の形態2)
図7は、この発明の実施の形態2に従った自動変速機の断面図である。図7を参照して、この発明の実施の形態2に従った自動変速機200では、ピストン30内に連通路39が設けられ、連通路39内にチェックボール22が収納されている点で、実施の形態1に従った自動変速機200と異なる。
【0035】
連通路39内には凸部34,35が設けられており、連通路39からチェックボール22が外れることを防止している。チェックボール22は連通路39内を移動可能であり、図7で示すように、第一油室60の作動油100の油面が低い場合にあっては、チェックボール22は最も下側に位置して凸部35と接触している。チェックボール22が凸部35と接触している状態では、第二油室61の圧力が第一油室60の圧力よりも高くても、第一油室60に第二油室61内の作動油が混入することを防止している。すなわち、チェックボール22が凸部35と当接している状態では、第二油室61から第一油室60へのエアおよび作動油の流入を防止することができる。これにより、第二油室61内の圧力が第一油室60の圧力よりも高ければピストン30は第二油室61から第一油室60へ向かって移動する。
【0036】
ピストン30には、実施の形態1で示したように湿式多板の摩擦係合装置が接続されており、ピストン30の変位により、2つの当接摩擦部材の接続および切断が行なわれる。
【0037】
第一油室60の上部には常時エアを溜めるためのエア貯留室110が設けられている。エア貯留室110が存在することで、急激な油圧の変化を抑制し、いわゆる係合時の係合ショックを緩和する働きがある。この実施の形態2では、ピストン30にエア排出機構20を設けている。
【0038】
図8は、第一油室に高圧が加わった状態の自動変速機の模式図である。図8を参照して、第一油室60の作動油100の圧力が第二油室61の作動油の圧力よりも高くなれば、第一油室60の体積が膨張し、第一油室60から第二油室61に向かってピストン30が移動する。これとともに、第一油室60に溜められた作動油100の油面が上昇する。油面の上昇に伴い、作動油100よりも比重に小さいチェックボール22は作動油100に浮き、作動油100が連通路39に入り込むにつれて作動油100によりチェックボール22が持上げられる。作動油100の油面が凸部34に達する頃には、作動油100に持上げられたチェックボール22が凸部34と接触する。これにより、凸部34とチェックボール22により連通路39が塞がれる。また、第一油室60の上側内周面65近傍にはエアが残存し、エア貯留室110が形成される。そのため、第一油室60内の作動油100の圧力が急激に上昇しても、エア貯留室110が縮小することでこの油圧の急激な変動を吸収する。そのため、第一油室60の油圧の変化がダイレクトにピストン30に伝わることを防止でき、係合時のショックを緩和することができる。
【0039】
すなわち、この発明の実施の形態2に従った自動変速機200では、ピストン30の最上部よりも低い位置に、ピストン30を貫通して第一油室60のエアを第二油室61に移動させるための連通路39が設けられている。開閉弁としてのチェックボール22は、連通路39内に設けられ、エアを第一油室60から第二油室61へ排出するときには図7で示す開状態となり、エアを排出する。作動油100の吐出力によりチェックボール22は図8で示すように閉状態となる。
【0040】
このように構成された実施の形態2に従った自動変速機200でも、実施の形態1に従った自動変速機200と同様の効果がある。
【0041】
(実施の形態3)
図9は、この発明の実施の形態3に従った自動変速機の模式図である。図9を参照して、この発明の実施の形態3に従った自動変速機200では、第一油室60の上側内周面65に排出口24が設けられている点で、実施の形態1に従った自動変速機200と異なる。上側内周面65に設けられた排出口24はエア排出路21に接続され、上側内周面65からエアが排出される。
【0042】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施の形態1に従ったエア抜き構造を有する自動変速機の模式図である。
【図2】エア排出機構の動作を説明するための図である。
【図3】エア排出機構の動作を説明するための図である。
【図4】エア排出機構の動作を説明するための図である。
【図5】エア排出機構の動作を説明するための図である。
【図6】第一油室に高圧が加わった状態の自動変速機の模式図である。
【図7】この発明の実施の形態2に従った自動変速機の断面図である。
【図8】第一油室に高圧が加わった状態の自動変速機の模式図である。
【図9】この発明の実施の形態3に従った自動変速機の模式図である。
【符号の説明】
【0044】
10 ソレノイド、11 係合圧供給油路、12 係合油路、20 エア排出機構、21 エア排出路、22 チェックボール、24 排出口、27 エア排出孔、29 タンク、30 ピストン、31 シール部材、32 第一主表面、33 第二主表面、34,35 凸部、39 連通孔、40 ケーシング、41,51 摩擦部材、50 回転部材、60 第一油室、61 第二油室、65 上側内周面、66 下側内周面、67 側面、100 作動油、110 エア貯留室。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
係合要素を作動させるための作動油室と、
前記作動油室内に設けられて常時エアを溜めるエア貯留室とを備えた、油圧係合装置のエア抜き構造。
【請求項2】
前記作動油室の最上部よりも低い位置に、油圧回路中の作動油に混入したエアを抜くためのエア抜き部が設けられている、油圧係合装置のエア抜き構造。
【請求項3】
前記エア抜き部は、エア排出時に開状態となりエアを排出し、作動油の吐出力により閉状態となる開閉弁を含む、請求項2に記載の係合装置のエア抜き構造。
【請求項4】
前記係合要素はピストンを含み、
前記ピストンの最上部よりも低い位置に、前記ピストンを貫通して前記作動油室のエアを他の空間に移動させるための連通孔が設けられており、
前記連通孔内に設けられ、エアを前記作動油室から他の空間へ排出するときには開状態となりエアを排出し、作動油の吐出力により閉状態となる開閉弁を含む、請求項1に記載の係合装置のエア抜き構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−327620(P2007−327620A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161008(P2006−161008)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】