説明

光スイッチ装置の製造方法

【課題】 良品歩留まりの高い状態で可動する微細なミラーを備えた光スイッチ装置が製造できるようにする。
【解決手段】 ミラー基板100のミラー105が形成された表面に、粘着力が変化する粘着層を備えたマウントフィルム(第1粘着フィルム)106を貼り付けて保護した状態で、ミラー基板100を切断分割してミラーチップ109を形成し、マウントフィルム106の粘着層の粘着力を低下させてからミラーチップ109を取り外す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチングを利用する通信,計測,ディスプレイ等に使用する光スイッチ装置に用いられる光スイッチ装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜形成技術やフォトリソグラフィ技術を基本にしてエッチングすることなどで立体的に微細加工を行うマイクロマシン技術を利用して作製された、光スイッチ装置がある(非特許文献1参照)。この光スイッチ装置は、固定構造体である電極と可動反射構造体であるミラーとを有している。可動反射構造体であるミラーは、支持体と可動部材とを有し、可動部材が、トーションバネなどのバネ部材によって支持部材に接続されている。このように構成された光スイッチは、固定構造体である電極と可動反射構造体であるミラーとの間に働く引力、あるいは反発力によってミラーが姿勢を変えることで光路を切りかえるスイッチング動作を行う。
【0003】
このような光スイッチ装置の製造方法のなかで、ミラーチップと電極チップを接合させる方法が提案されている(非特許文献2参照)。この実装方法について、図3を用いて説明する。
まず、図3(a)に示すように、埋め込み絶縁層301を備えたSOI(Silicon on Insulator)基板を用い、可動するミラー302を備えたミラー基板303を作製する。ミラー302は、埋め込み絶縁層301の下の単結晶シリコンからなるSOI層304を微細加工して形成される。
【0004】
図3(a)のミラー302の平面図を図3(b)に示す。ミラー302は直径500μm程度の円形をしており、一対のミラー連結部305により可動枠306に連結している。また、可動枠306は、一対の連結部307により周囲のSOI層304に連結している。ミラー連結部305,連結部307は、トーションバースプリングなど、ねじりを受けて弾性変形する棒状や板状のバネ部材である。このようなバネ部材により連結することで、例えば、ミラー302は、一対のミラー連結部305を通る回動軸を中心に回動する。
【0005】
このミラー302を駆動するためには、所定距離離間してミラー302に対向配置する電極を設けることになるが、このために、以降に説明するように、ミラー基板303を切り出してミラーチップを形成し、これに電極が形成された電極チップを接合する。
ウエハ作製工程の最終工程を経た後、ミラー基板303は、まず、フィルム貼り付け装置に搬送され、図3(c)に示すように、ミラー基板303のシリコン基板層308にマウントフィルム309が貼り付けられる。
【0006】
マウントフィルム309に貼り付けられたミラー基板303は、ダイシング装置にてダイシングされて分割され、1個のミラーを備えたミラーチップ310とされる。個々のミラーチップ310に分割した後、マウントフィルム309からいずれかのミラーチップ310を取り外す(図3(d))。
この後、フリップチップボンダーなどにより、図3(e)に示すように、予め用意してある電極チップ311の接合層312に、ミラーチップ310のSOI層304を当接させ、熱圧着することで、これらを接合する。
【0007】
この結果、所定距離離間してミラー302に対向配置する電極313を備えた光スイッチ装置が得られる。なお、電極チップ311は、電極313を備えた電極基板を作製し、これを、ミラーチップと同様にダイシングにより分割して電極チップ311とすればよい。また、接合層312は、例えばAuなどの金属層である。
【0008】
【非特許文献1】Y.−A. Peter et al., ”Optical MEMS for adaptive optics applications,” electrochemical Society Proceedings Volume 2002−4,pp.361−367
【非特許文献2】「低電圧動作を特徴とした3次元型光スイッチ用2軸櫛歯駆動型MEMSミラーアレイ」、壷井修 他8名著、2002年電子情報通信学会通信ソサエティ大会、B−12−3,p.443
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、光スイッチ装置は、回動する微細なミラー構造を備えており、機械的強度が低く脆弱である。このため、チップに切り出すときの切断に伴う振動や、切断時の冷却に用いられる水流などにより、ミラーの部分が破壊するという問題がある。例えば、図3に示すミラー連結部305や連結部307などの、特に機械的強度の低い部分が破損しやすい。
【0010】
また、ミラーの部分を破壊せずに光スイッチ装置を製造できたとしても、可動部の破壊を防ぐために、光スイッチ装置のチップのハンドリングなどには、細心の注意が必要となる。
さらに、従来の製造方法では、ミラーの光を反射する面が露出した状態で行われるため、チップに分割するダイシングの際、微細なウエハの削り粉が連結部の隙間などを通ってミラー面に付着し、また実装までの保管時やハンドリング時にダストが付着し、光の反射率が低下するという問題を起こす。
【0011】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、良品歩留まりの高い状態で可動する微細なミラーを備えた光スイッチ装置が製造できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る光スイッチ装置の製造方法は、SOI層と埋め込み絶縁層とシリコン基板層とが積層されたSOI基板が加工されて構成されたミラー基板であって、前記SOI基板の主表面である前記SOI層に、回動する複数のミラー構造体が配列されて形成され、前記ミラー構造体が形成された領域に対応する前記SOI基板の裏面の前記シリコン基板層の一部が除去されて開口が設けられ、かつ前記ミラー構造体に接する前記埋め込み絶縁層が除去されて、前記ミラー構造体のミラー反射面が前記開口内に露出するように構成されたミラー基板に対し、前記ミラー基板の前記SOI層側の面である主表面に粘着力が変化する粘着層を備えた第1粘着フィルムを貼り付けて、前記ミラー構造体を前記ミラー反射面の反対側の面で固定する第1の工程と、前記第1の工程の後で前記ミラー基板の前記シリコン基板層側の面である裏面に、前記開口を覆いかつ前記ミラー構造体の前記ミラー反射面には接しないように第2粘着フィルムを貼り付ける第2の工程と、前記第2の工程の後で前記第2粘着フィルム側より切り込みを入れることで前記ミラー基板を複数のミラーチップに分割する第3の工程と、前記第3の工程の後で前記第1粘着フィルムの粘着層の粘着力を低下させる第4の工程と、前記第4の工程の後で前記第1粘着フィルムの粘着層の粘着力が低下した状態で、前記第1粘着フィルムより前記ミラーチップを取り外す第5の工程と、前記第5の工程の後で電極が設けられた電極チップを用意してこの電極チップに前記ミラーチップを接合する第6の工程と、前記第6の工程の後で前記電極チップに接合した前記ミラーチップより第2粘着フィルムを剥離する第7の工程とを備えたものである。
この製造方法によれば、ミラー基板を分割してミラーチップにするときに、回動するミラーの部分が、この周囲の部分とともに第1粘着フィルムに貼り付いて固定された状態となっている。
【0013】
上記、光スイッチ装置の製造方法において、第1粘着フィルムとして、紫外線の照射により粘着層の粘着力が低下する紫外線硬化性粘着フィルムを用い、第4の工程では、第1粘着フィルムに紫外線を照射して粘着層の粘着力を低下させるようにしてもよい。
【0014】
また、第1粘着フィルムとして、所定の温度以上とすることで粘着層の状態が変化して粘着力が低下する感温性粘着フィルムを用い、第4の工程では、第1粘着フィルムを所定の温度以上とすることで粘着層の粘着力を低下させるようにしてもよい。
また、第1粘着フィルムとして、所定の温度以下とすることで粘着層の状態が変化して粘着力が低下する感温性粘着フィルムを用い、第4の工程では、第1粘着フィルムを所定の温度以下とすることで粘着層の粘着力を低下させるようにしてもよい。
【0015】
上記、光スイッチ装置の製造方法において、第2粘着フィルムとして、紫外線の照射により粘着層の粘着力が低下する紫外線硬化性粘着フィルムを用い、第7の工程では、第2粘着フィルムに紫外線を照射してから第2粘着フィルムを剥離するようにしてもよい。
また、第2粘着フィルムとして、所定の温度以上または温度以下とすることで粘着層の状態が変化して粘着力が低下する感温性粘着フィルムを用い、第7の工程では、第2粘着フィルムを所定の温度以上または温度以下としてから第2粘着フィルムを剥離するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明では、ミラー基板のミラーが形成された表面に粘着力が変化する粘着層を備えた第1粘着フィルムを貼り付けて保護した状態で、ミラー基板を切断分割してミラーチップを形成し、粘着層の粘着力を低下させてからミラーチップを取り外すようにした。この結果、本発明によれば、ミラーチップに分割する際の、様々な状況よりミラーの部分を保護することが可能となり、良品歩留まりの高い状態で可動する微細なミラーを備えた光スイッチ装置が製造できるようになるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1,2は、本実施の形態における光スイッチ装置の製造方法例を示す工程図である。まず、図1(a)に示すように、SOI基板101の埋め込み絶縁層102が形成されている側(主表面)より、公知のフォトリソグラフィ技術と、例えばDEEP RIEなどのエッチングによって溝103aを形成することで、埋め込み絶縁層102の上の単結晶シリコン層103にミラーおよび可動枠の形状を形成する。
【0018】
このとき、ミラーの反射率を向上させるために、ミラーの表面にAuなどの金属膜を形成する場合もある。なお、DEEP RIEは、例えばシリコンをドライエッチングするときに、SFとCのガスを交互に導入し、エッチングと側壁保護膜形成とを繰り返すことにより、アスペクト比が50にもなる溝または穴を、毎分数μmのエッチング速度で形成する技術である。
【0019】
つぎに、図1(b)に示すように、SOI基板101の裏面にミラーの形成領域が開口したレジストパターン120を形成し、水酸化カリウム水溶液などのエッチング液を用いてSOI基板101の裏面より選択的にシリコンをエッチングする。このエッチングでは、埋め込み絶縁層102をエッチングストッパ層として用い、ミラーの形成領域に対応するSOI基板101の裏面に開口部を形成する。次いで、埋め込み絶縁層102の開口部に露出している領域を、フッ酸を用いて選択的に除去する。
【0020】
この後、レジストパターン120を除去し、図1(c)に示すように、SOI基板101に埋め込み絶縁層102を介して支持された単結晶シリコン層103に、回動可能な複数のミラー105が形成されたミラー基板100を得る。なお、図1には示していないが、各々のミラー105の外側には、可動枠が形成されている。ここで、図1では、複数のミラー103がマトリクス状に形成されたミラー基板100の一部の断面を、模式的に示している。
【0021】
以上のようにすることで、ミラー基板100を形成した後、図1(d)に示すように、ミラー105が形成された単結晶シリコン層103の表面に、マウントフィルム(第1粘着フィルム)106を貼り付ける。マウントフィルム106は、紫外線硬化性粘着フィルムである。紫外線硬化性粘着フィルムは、紫外線照射により粘着層を形成する粘着剤に硬化収縮が起こり、この応力で粘着層の粘着性が低下する粘着フィルムである。なお、図1(d)以降では、ミラー基板100を180°回転して示している。
【0022】
つぎに、図1(e)に示すように、SOI基板101の開口部が形成されている面にも、マウントフィルム(第2粘着フィルム)107を貼り付ける。マウントフィルム107は、紫外線硬化性粘着フィルムである必要はない。マウントフィルム106、マウントフィルム107の貼り付は、ローラ108を用い、ミラー基板100基板の一方から他方に向けてローラ108を転がして圧着すればよい。
【0023】
以上のことにより、マウントフィルム106およびマウントフィルム107を貼り付けた後、マウントフィルム107の側より、例えばダイヤモンドブレードを用いて切り込みを入れることで、ミラー基板100を切断して分割する。例えば、図2(a)に示すように、仮想線Aに沿って切断することで、ミラーチップ109に分割する。これによって、ミラー基板100は、1mm角の領域に1個のミラー105を備えた複数のミラーチップ109に分割される。
【0024】
この切断において、ミラー105はマウントフィルム106により固定されるため、切断などにおける外部からの振動や衝撃によりミラー105が欠損することが抑制されるようになる。
また、マウントフィルム107によって保護されているので、切断時に切削粉がミラー105の部分に付着してミラー105の回動動作が阻止され、また劣化するなどのことがない。また、切断時の水流が、ミラー105に直接あたることもない。
【0025】
以上のことにより、ミラーチップ109を形成した後、マウントフィルム106に紫外線を照射し、ミラー105とマウントフィルム106間の密着力(粘着力)を減少させる。これによって、ミラー105を破壊するような力を受けることなく、ミラーチップ109は、マウントフィルム106からピックアップすることが可能となる。
【0026】
一方、つぎのようにすることで、電極チップを形成する。まず、シリコン基板をシリコン窒化膜あるいはシリコン酸化膜からなる所定のマスクパターンをマスクとし、選択的にエッチングすることで、複数の凹部構造を形成する。次いで、これら凹部構造の上に蒸着法などにより金属膜を形成し、この金属膜を公知の超深度露光を用いたフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とによりパターニングし、各々の凹部の底部に電極部を形成する。
【0027】
最後に、これらをダイシングにより分割することで、図2(c)に示すように、凹部内に電極202を備えた電極チップ201が形成できる。電極チップ201の電極202は、ミラーチップ109と接合された状態では、ミラー105と所定距離離れた対向配置される。なお、電極チップ201の、ミラーチップ109との当接部分には、金属膜203が設けられている。また、電極チップ201は、図示されていないパッケージにダイボンディングされている。
【0028】
以上に説明したことにより、ミラーチップ109および電極チップ201を用意したら、図2(d)に示すように、ミラーチップ109の単結晶シリコン層103の表面と、電極チップ201の金属膜203の表面とを熱圧着し、これらを接合する。これらの接合には、例えばフリップチップボンダーを用いればよい。また、ミラーチップ109と電極チップ201とを接合した後、電極202に接続している図示していないパッドと外部接続端子とをワイヤボンディングなどにより接続する。外部接続端子のいずれかは、金属膜203を介してミラーチップ109に電気的に接続している。
【0029】
最後に、マウントフィルム107を剥離することで、図2(e)に示すように、電極チップ201にミラーチップ109が接続した光スイッチ装置を得る。この光スイッチ装置では、例えば、ミラー105をグランド(接地)電位に固定し、電極202に駆動電位を印加し、ミラー105と電極202との間に静電力を生じさせ、この静電力によって、ミラー105に回転モーメントを発生させることで、ミラー105の回動動作を行う。
【0030】
以上に説明した本実施の形態によれば、まず、ミラー基板をミラーチップに分割する際には、ミラー基板の両面に紫外線硬化性粘着フィルムを貼り付けて保護するようにした。この結果、ミラーチップに分割する際に、ミラーの部分に損傷を与えることなく、ミラーチップを形成することが可能となる。
【0031】
また、ミラーが形成されている面に貼り付けられたフィルムは、紫外線を照射することで粘着力を低下させることができる。従って、紫外線を照射して粘着力を低下させておくことで、分割したミラーチップを容易にピックアップすることが可能となり、この段階においても、ミラーに損傷を与えることがない。
また、ミラーチップの裏面側には、ミラーチップに分割する際に同時に分割した紫外線硬化性粘着フィルムが貼り付けられているので、ミラーチップと電極チップとを接合する際のハンドリングが容易になる。
【0032】
ところで、以上の実施の形態では、ミラーが接触するマウントフィルムとして紫外線硬化性粘着フィルムを用いたが、ミラーチップとマウントフィルムとの密着力(粘着力)を調整できるものであればこれに限るものではない。例えば、ミラーが接触するマウントフィルムとして、温度を100℃以上にあげることで、粘着剤の結晶状態が変化して粘着力が低下するような感温性粘着フィルムを用いてもよい。あるいは、温度を例えば−20℃以下にすることで、粘着剤の結晶状態が変化して粘着力が低下するようなタイプの感温性粘着フィルムでもよい。さらにまた、温度を100℃以上に上げることで、粘着剤の微粒子が膨張して粘着力が低下するようなタイプの感温性粘着フィルムでも良い。
【0033】
さらに、本実施の形態では、粘着力を変化させることができるマウントフィルムをミラーに接触する面にのみ用いたが、ミラーが形成されていない面にも同様なフィルムを用いても良いのは言うまでもない。例えば、マウントフィルム107に、紫外線硬化性粘着フィルムを用い、紫外線を照射してから、ミラーチップより剥離するようにしても良い。同様に、マウントフィルム107に、感温性粘着フィルムを用い、所定の温度以上もしくは温度以下とした状態で、ミラーチップより剥離するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態における製造方法例を説明するための工程図である。
【図2】図1に続く、本発明の実施の形態における製造方法例を説明するための工程図である。
【図3】従来の製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
【0035】
100…ミラー基板、101…SOI基板、102…埋め込み絶縁層、103…単結晶シリコン層、103a…溝、105…ミラー、106…マウントフィルム(第1粘着フィルム)、107…マウントフィルム(第2粘着フィルム)、108…ローラ、109…ミラーチップ、201…電極チップ、202…電極、203…金属膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SOI層と埋め込み絶縁層とシリコン基板層とが積層されたSOI基板が加工されて構成されたミラー基板であって、前記SOI基板の主表面である前記SOI層に、回動する複数のミラー構造体が配列されて形成され、前記ミラー構造体が形成された領域に対応する前記SOI基板の裏面の前記シリコン基板層の一部が除去されて開口が設けられ、かつ前記ミラー構造体に接する前記埋め込み絶縁層が除去されて、前記ミラー構造体のミラー反射面が前記開口内に露出するように構成されたミラー基板に対し、前記ミラー基板の前記SOI層側の面である主表面に粘着力が変化する粘着層を備えた第1粘着フィルムを貼り付けて、前記ミラー構造体を前記ミラー反射面の反対側の面で固定する第1の工程と、
前記第1の工程の後で前記ミラー基板の前記シリコン基板層側の面である裏面に、前記開口を覆いかつ前記ミラー構造体の前記ミラー反射面には接しないように第2粘着フィルムを貼り付ける第2の工程と、
前記第2の工程の後で前記第2粘着フィルム側より切り込みを入れることで前記ミラー基板を複数のミラーチップに分割する第3の工程と、
前記第3の工程の後で前記第1粘着フィルムの粘着層の粘着力を低下させる第4の工程と、
前記第4の工程の後で前記第1粘着フィルムの粘着層の粘着力が低下した状態で、前記第1粘着フィルムより前記ミラーチップを取り外す第5の工程と、
前記第5の工程の後で電極が設けられた電極チップを用意してこの電極チップに前記ミラーチップを接合する第6の工程と、
前記第6の工程の後で前記電極チップに接合した前記ミラーチップより第2粘着フィルムを剥離する第7の工程と
を備えたことを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の光スイッチ装置の製造方法において、
前記第1粘着フィルムは、紫外線の照射により前記粘着層の粘着力が低下する紫外線硬化性粘着フィルムであり、
前記第4の工程では、前記第1粘着フィルムに紫外線を照射して前記粘着層の粘着力を低下させる
ことを特徴とした光スイッチ装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の光スイッチ装置の製造方法において、
前記第1粘着フィルムは、所定の温度以上とすることで前記粘着層の状態が変化して粘着力が低下する感温性粘着フィルムであり、
前記第4の工程では、前記第1粘着フィルムを所定の温度以上とすることで前記粘着層の粘着力を低下させる
ことを特徴とした光スイッチ装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1記載の光スイッチ装置の製造方法において、
前記第1粘着フィルムは、所定の温度以下とすることで前記粘着層の状態が変化して粘着力が低下する感温性粘着フィルムであり、
前記第4の工程では、前記第1粘着フィルムを所定の温度以下とすることで前記粘着層の粘着力を低下させる
ことを特徴とした光スイッチ装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の光スイッチ装置の製造方法において、
前記第2粘着フィルムは、紫外線の照射により粘着層の粘着力が低下する紫外線硬化性粘着フィルムであり、
前記第7の工程では、前記第2粘着フィルムに紫外線を照射してから前記第2粘着フィルムを剥離する
ことを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の光スイッチ装置の製造方法において、
前記第2粘着フィルムは、所定の温度以上とすることで前記粘着層の状態が変化して粘着力が低下する感温性粘着フィルムであり、
前記第7の工程では、前記第2粘着フィルムを所定の温度以上としてから前記第2粘着フィルムを剥離する
ことを特徴とした光スイッチ装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の光スイッチ装置の製造方法において、
前記第2粘着フィルムは、所定の温度以下とすることで前記粘着層の状態が変化して粘着力が低下する感温性粘着フィルムであり、
前記第7の工程では、前記第2粘着フィルムを所定の温度以下としてから前記第2粘着フィルムを剥離する
ことを特徴とした光スイッチ装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−287276(P2008−287276A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−175217(P2008−175217)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【分割の表示】特願2003−129881(P2003−129881)の分割
【原出願日】平成15年5月8日(2003.5.8)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(591093494)株式会社ミスズ工業 (58)
【Fターム(参考)】