光モジュール
【課題】 安定的に高速動作させることができる光モジュールを提供する。
【解決手段】 光モジュールに、送受信用光素子と、前記送受信用光素子を格納したパッケージと、信号用導体パターンとグランド用導体パターンを備え、前記パッケージ内外の電気的な接続を行う多層セラミック基板と、前記パッケージ外に配置され、前記多層セラミック基板の前記信号導体パターンと電気的な接続を行う第2の基板と、前記信号用導体パターンを含む他の導体パターンよりも前記多層セラミック基板のグランド用導体パターンの方が近い位置に、前記セラミック基板の伝搬経路に沿って配置され、前記パッケージを構成する部材の一部に固定される電波吸収体または電波遮蔽体とを備えさせる。
【解決手段】 光モジュールに、送受信用光素子と、前記送受信用光素子を格納したパッケージと、信号用導体パターンとグランド用導体パターンを備え、前記パッケージ内外の電気的な接続を行う多層セラミック基板と、前記パッケージ外に配置され、前記多層セラミック基板の前記信号導体パターンと電気的な接続を行う第2の基板と、前記信号用導体パターンを含む他の導体パターンよりも前記多層セラミック基板のグランド用導体パターンの方が近い位置に、前記セラミック基板の伝搬経路に沿って配置され、前記パッケージを構成する部材の一部に固定される電波吸収体または電波遮蔽体とを備えさせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送に用いられる光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、10Gbps程度の伝送速度を有する光モジュールに使われるパッケージは、セラミック基板を一部に使用し、セラミック基板の表面または内部に電気信号を伝送する構造となっている。セラミック基板の代表的な材質にアルミナやアルミナイトライド等が知られている。これらは、共に、内部及び表面に高精度に伝送線路を形成することが可能であり、100〜200ミクロンΦ程度の細径ビアを設けることも可能である。また誘電損失が0.01以下と、高周波的に低損失な材料も比較的容易に入手できる。
【0003】
このような光モジュールの一例が特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【0004】
特許文献1では、積層セラミック基板の表層または、内層の主平面に、高周波信号、電源、グランド等の伝送路がパターニングされている。セラミック基板は積層されており、ある主平面上のパターンと、他の主平面上のパターンは、ビアによって、接続導通されている。パッケージ外部では、このパターン上に、リードピンが取り付けられている。
【0005】
特許文献2は、パッケージ内部の導体パターンから、外部の導体パターンまで、主にビア導体によって接続されている。
【0006】
高周波信号を、損失無く伝送するためには、伝送路の特性インピーダンスを一定に保つ必要があり、一般的には、50オーム近辺になるように設計されている。したがって、高周波信号を伝送するパターンおよびビアの近傍には、グランドパターンもしくはグランドビアが配置された構造となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−252251公報
【特許文献2】特開2004−235379公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述の特許文献1および2に開示されている光モジュールでは、以下の問題があった。
(1)セラミック積層基板上の、グランド導体パターンは、数十ミクロン以下の薄膜パターンから構成されており、他の主平面に配されたグランド導体とは、数百ミクロン径のビアによって接続される。そのため、グランド自体の電位が揺らぎ、特定の周波数において共振してしまう。
(2)セラミック積層基板は、主平面上には導体パターンを設けることは可能であるが、側面に導体パターンを設けることは困難である。したがって、セラミック積層基板の側部からは、高周波ノイズが放射されやすい。特に、光通信で使われる光モジュールは、特許文献1、2で示された光モジュールと同様に、セラミック積層基板がモジュール外部に表出している。このようなセラミック積層板側部からは、高周波ノイズが放射されやすく、これらのノイズは、光モジュール外に飛び出し、光トランシーバ内に放出されてしまう。
【0009】
上記で示したグランドパターンの共振は、パターンの長さや外縁が、1/2×N×λ(N:整数、λ:波長)となったときに引き起こされると一般的に言われているが、パターンの形状、シグナルパッド、ビアの位置関係にも依存する。従来の光モジュールでは、これら共振周波数は、大体10GHz以上であった。そのため、10Gbps程度の信号伝送では、これらの共振は、特に大きな問題とならなかった。しかしながら、近年、20Gbps、さらには40Gbps程度の伝送速度に対応した光モジュール、及び光トランシーバが必要となってきており、10GHz以上の高周波域においても、光モジュールからの電磁界放射を防ぐ必要性が出てきた。
【0010】
このような電磁界放射は、光トランシーバの安定的な高速動作にとってデメリットとなる。
【0011】
本発明の目的は、安定的に高速動作させることができる光モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願は上記目的を達成する手段を複数含むものである。その一例は、特許請求の範囲に記載された発明である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、安定的に高速動作させることができる光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1の光モジュールの構成を示す断面図である。
【図2】図1の光モジュールのA−A’切断線に沿った断面構造を示す断面図である。
【図3】実施例2の光モジュール構成を示す断面図である。
【図4】図3の光モジュールのB−B’切断面に沿った断面構造を示す断面図である。
【図5】実施例3の光モジュール構成を示す断面図である。
【図6】実施例3の光モジュール構成を示す断面図である。
【図7】実施例4の光モジュール構成を示す断面図である。
【図8】図7の光モジュールのC−C’切断面に沿った断面構造を示す断面図である。
【図9】実施例5の光モジュール構成を示す断面図である。
【図10】図9の光モジュールのD−D’切断面に沿った断面構造を示す断面図である。
【図11】実施例6の光モジュール構造を示す断面図である。
【図12】実施例7の光モジュール構造を示す断面図である。
【図13】実施例8の光モジュール構造を示す断面図である。
【図14】実施例9の光モジュール構成を示す断面図である。
【図15】図14の光モジュールのE−E’切断面に沿った断面構造を示す断面図である。
【図16】実施例10の光モジュール構成を示す断面図である。
【図17】図16の光モジュールのF−F’切断面に沿った断面構造を示す断面図である。
【図18】実施例11の光モジュール構造を示す断面図である。
【図19】実施例11の光モジュール構造を示す断面図である。
【図20】実施例12の光モジュール構成を示す断面図である。
【図21】図20の光モジュールのG−G’切断面に沿った断面構造を示す断面図である。
【図22】実施例13の光モジュール構造を示す断面図である。
【図23】計算による本発明の効果検証用の光モジュールを示す斜視図である。
【図24】本発明の効果を検証した計算結果を含むグラフである。
【図25】本発明の効果を検証した計算結果を含むグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して実施例を詳細に説明するが、本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0016】
本願において開示される光モジュールは、パッケージの一部が多層セラミック基板によって構成されており、さらに多層セラミック基板の内部または表層には信号が伝播する導体パターンや接地導体がパターニングされている。これらの光モジュール用のパッケージは、箱型もしくは同軸型形状をしている。なお、導体パターンとは、セラミック基板上にパターニングされたパターンだけでなく、セラミック基板内のパターン、セラミック基板を貫通するビアやスルーホールも含める。またグランド用導体パターンとは、高周波信号が伝播する導体パターンの、特性インピーダンスを保つように、信号導体パターンに近接して配置される導体パターンのことを指し、グランド導体パターンの面積は、高周波信号が伝播する導体パターンの数十倍以上の広さを持つことが多い。また接地導体とは、必ずしも、パッケージ外部を覆う金属や金属パターン、もしくは、光トランシーバの筐体等と導通が取られている必要は無い。
【0017】
さらに、上記光モジュールでは、多層セラミック基板の導体パターンと、直接または、他の導体を介して、導通がとられる導体パターンを有した第2の基板が取り付けられる。光モジュールとは、この第2の基板、パッケージを含めて指している。
【0018】
さらに、上記光モジュールでは、多層セラミックの信号導体パターンの少なくとも一部に沿って配置された電波吸収体または電波遮蔽体とを有する。
【0019】
このような構成を採用した光モジュールは、セラミック基板のグランド用導体パターンに沿って配置された電波吸収体によって、セラミック基板上のグランドパターンが共振することを防ぎ、電磁ノイズの放射を防ぐことが可能となる。また、電波遮蔽体によって、電磁ノイズを光モジュール近傍より放出することを防ぐことが可能となる。
【0020】
さらに、上記光モジュールでは、電波吸収体や電波遮蔽体がセラミック基板近傍で光モジュールを構成する部材に固定される。そのため、長期使用にわたって、電波吸収体および電波遮蔽体が外れにくいという利点を有する。
【0021】
以上の構造を利用した光モジュールを適用することで、安定的に高速動作する光トランシーバを提供することが可能となる。
【0022】
なお、以下の実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
[実施例1]
図1は、実施例1の光モジュールの構成を示す断面図である。また、便宜的に座標軸を記載し、光信号の入出力方向をZ軸とした。
【0024】
光モジュールを構成するパッケージの基材は、積層されたセラミック基板0106によって構成されており、材質は、アルミナ、アルミナイトライド、LTCC等が一般的に使用される。セラミック基板0106上には光素子0103が搭載されている。光素子0103上と導体パッド0107の電気的結合はワイヤ0104によって成されている。光素子0103は、発光または受光素子であり、受発光する光信号は、フタ0102に固定されたレンズ0101を通過する。セラミック基板0106上には、金属製のフランジ0105が設けられており、その上に、フタ0102が固着される。以上により、光素子103は、湿気等の外気にさらされることが無く、経時劣化が最小に抑えられている。このほか、セラミック基板0106上にはIC、チップコンデンサ、抵抗などの電子素子が搭載されることもある。
【0025】
セラミック基板0106上面の導体パッド0107と裏面の導体パッド0112とはビア0111と内層のパッド0130等によって導通接続されている。
【0026】
フレキシブル基板の基材は、ベースフィルム0124上によって構成されており、代表的な材質としてポリイミドや液晶ポリマーなどが知られている。ベースフィルム0124の厚さは数十ミクロン〜100ミクロン程度が一般的である。ベースフィルム0124上には、グランド用の導体パターン0113や、信号用の導体パターン0116がパターニングされている。このほか、電源、モニタ、制御用の信号、電源等のパターンも、ベースフィルム0124上にパターニングされる。光素子の電源用のリードピン0121は、フレキシブル基板にもうけられたスルーホール0123を貫通し、半田0120によって導体パッド0123に固着されている。ここで、導体パッドとは、特に半田などを固着することを目的とした導体パターンのことであるが、導体パッドと、導体パターンは本質的に同じであり、他実施例でも同様である。さて、信号用のリードピン0118は、スルーホール0119を貫通し、半田0117によって信号用の導体パターン0116に固着される。プリント基板0127は、光トランシーバを構成する部材であり、IC,LSI、抵抗、コンデンサ等の電子素子が搭載される。プリント基板0127には、伝送線路用の導体パターン0129やグランド用の導体パターン0128のほか、電源、制御等のパターンがパターニングされる。導体パターン0129は、半田0126によって、フレキシブル基板上のパッド0114と固着される。
【0027】
図2は、図1の線A−A′を含むXY平面で切った断面図である。セラミック基板0106上には、グランド用の導体パターン0110と、信号用の導体パッド0130、電源、制御用導体パッド0131がパターニングされている。
【0028】
実際に、高周波信号がビア0111や信号用の導体パッド0130を通過すると、ビア0111や導体パッド0130から近接した導体まで電気力線が出来る。この電気力線の影響を抑え、高周波特性を向上させるため、グランド用の導体パターンを信号配線に近接させる。本実施例でも、図2に示すように、高周波信号の導体パッド0130とグランド用導体パターン0110は近接している。
【0029】
ところが、グランド用導体パターン0110も、他のグランド配線(例えば導体パターン0125)とビアによって接続されているため、数GHz以上の高周波では、電位は、必ずしも安定しない。これらの電位揺らぎは、ある特定の周波数で、共振を起こし、ノイズを発生するようになる。この時の放射電磁界は、導体パターン0110の形状、長さ等によるが、グランド用導体パターン0110の外縁に集中する。そこで、他の導体パッド0131よりも、グランド用導体パターン0110の外縁部の一部を、セラミック基板0106の外縁部に近接させ、グランド用導体パターン0110と同じXY平面内に、電波吸収体0109を配置し、接着剤0108によってセラミック基板106によって固定した。つまり、電波吸収体0109は、図2に示すように、図1のA−A’断面内では、セラミック基板0106内のグランド用導体パターン0110に沿って、配置されている。これにより、グランド用導体パターン0110の外縁に集中した電磁界の共振効率を低減させ、共振を大幅に抑制することが出来る。
【0030】
電波吸収体0109の材質は、フェライト、カーボンから構成された固体であり、例えばプラスチックなどの有機材料にフェライト、カーボンを分散させたものも使われる。また、電波吸収体0109は、本実施例のように、接着剤0108によってセラミック基板0106に直接、固着しても良いが、光トランシーバ内の他部材に固定した電波吸収体0109をセラミック基板0106に接触するように配置しても良い。
【0031】
図1に戻って、電波吸収体0109の一部は、グランド用導体パターン0125よりも距離L1だけ、−Z軸方向に出ている。これは、電磁界放射がグランド用導体パターン0125の外縁に集中するため、−Z軸方向に距離L1だけ余分に電波吸収体0109を出すことで、グランド用導体パターン0125の外縁に集中した電磁界の共振効率を低減することが可能となる。すなわち、電波吸収体0109の一部は、グランド導体パターン0125の主平面と同一平面上に位置することで、共振効率を下げることが出来る。
【0032】
このように、本実施例によれば、パッケージの一部にセラミックを使用した光モジュールにおいて、共振による放射電磁界が少なくなるという利点を有した光モジュールを提供することができる。
【0033】
図23に効果を検証するためにシミュレーションのモデルを示し、図25、26に計算結果を示すグラフを示す。
【0034】
図23について説明する。直径5.4mmφ、厚み1mm、の円形セラミック基板2406の表面と裏面に導体パターン2407がパターニングされている。セラミック基板2406の比誘電率は8.5であり、誘電損失は、無視できるほど小さいとした。表裏面の導体パターン2407は、接地導体(グランド)であり、シグナルとは、絶縁されている。シグナルパッド2405は2パッド設けられているが、これは差動シグナルを伝送することを想定している。表面のシグナル、グランド導体パターンおよびパッドは、ビア2408によって裏面のシグナル、グランド導体パターンと接続されている。また表面の導体パターン2407上には、フランジ2401が取り付けられている。フランジ2401は金属でできており、直径6mmφ、厚み0.3mmである。
【0035】
セラミック基板2406裏面のシグナルとグランド導体パッド上には、直径0.2mmφで、長さ1mmのリードピン(図示されず)が取り付けられており、このリードピンは、プリント基板2404上の導体パターン2403と接続されている。プリント基板2404は、比誘電率3.2であり、厚み0.2mm、信号の伝送長2mmである。
【0036】
図24は、電波吸収体2402を配置しなかった場合の、周波数0〜30GHzにおける、シグナルの伝達ロス(Transmission Loss)を示したものである。20GHz周辺に、1dB以上の急峻な伝達ロスが見られる。これは、グランド導体パターン2407が共振することで、エネルギーが外部に放射されたことによっておきたものである。
【0037】
一方、図25は、電波吸収体2402を配置した場合の、シグナルの伝達ロスを示したものである。0〜30GHzまで、大きな伝達ロスが見られない。すなわち、外部への電磁エネルギー放射の原因となる、導体パターン2407における共振が抑制されているのがわかる。
【0038】
このように、本実施例によれば、安定的に高速動作する光モジュールを構成することができる。
【0039】
なお、図1、図2、図23、図24及び図25の符号は次の構成を示している。0101はレンズ、0102はフタ、0103は光素子、0104はワイヤ、0105はフランジ、0106はセラミック基板、0107は導体パッド、0108は接着剤、0109は電波吸収体、0110は導体パターン、0111はビア、0112は導体パッド、0113はグランドパターン、0114は導体パッド、0115はスルーホール、0116は導体パターン、0117は半田、0118はリードピン、0119はスルーホール、0120は半田、0121はリードピン、0122はスルーホール、0123は導体パッド、0124はベースフィルム、0125は導体パターン、0126は半田、0127はプリント基板、0128はグランドパターン、0129は導体パターン、0130は導体パッド、0131は導体パッド、2401はフランジ、2402は電波吸収体、2403は導体パターン、2404はプリント基板、2405はシグナルパッド、2406はセラミック基板、2407は導体パターン、2408はビアである。
【0040】
[実施例2]
図3は、実施例2の光モジュールの構成を示す断面図である。図4は、図3に示す光モジュールを線B−B´を含むXY平面で切った断面である。積層したセラミック基板0305の裏面にはグランドの導体パターン0306、光素子0303電源用の導体パッド0318、グランドの導体パターン0320、0322、信号用の導体パターン0321がパターニングされている。なお、導体パッド0318、0321上には、リードピン0312が固定されている。一方、フレキシブル基板を構成するベースフィルム0309上には、導体パターン0308、0319などがパターニングされている。電波吸収体0307は、パッケージを構成する積層したセラミック基板0305と、フレキシブル基板を構成するベースフィルム0309に挟まれている。更に、電波吸収体0307に孔0323を設け、孔の中にリードピン0312を通すことで、電波吸収体0307は、光モジュールを長期的に使用している際に、光モジュールから外れてしまうことがないという利点を有している。
【0041】
セラミック基板0305上のグランド導体パターン0306と、ベースフィルム0308上のグランド導体パターン0308は、共に電位が揺らぎ易く、特定周波数で共振を起こしやすい。本光モジュールでは、電波吸収体0307が導体パターン0306、0308に近接さらには接触することで、共振を抑制する効果を有する。
【0042】
さらに、一般的に共振電磁界は、グランド導体パターンの外縁に局在し易い性質があるため、電波吸収体0307の一部は、導体パターン0308よりもY軸方向に距離L2だけ伸びて配置し、導体パターン0305よりもY軸方向に距離L3だけ伸びて配置することで、共振を抑制する効果が、より大きくなる。すなわち、導体パターン0308主平面(XY平面)の端部から法線方向(Z軸方向)に吸収体0307は位置することで、共振抑制に利点を有する。
なお、図3及び図4の符号は次の構成を示している。0301はレンズ、0302はフタ、0303は光素子、0304はフランジ、0305はセラミック基板、0306は導体パターン、0307は電波吸収体、0308は導体パターン、0309はベースフィルム、0310は導体パッド、0311は半田、0312はリードピン、0313はスルーホール、0314は伝送路パターン、0315はグランドパターン、0316はスルーホール、0317は導体パッド、0318は導体パッド、0319は導体パターン、0320は導体パターン、0321は導体パッド、0322は導体パターン、0323は孔である。
【0043】
[実施例3]
図5及び図6は、実施例3の光モジュールの構成を示す断面図である。
図5では、電波吸収体0503が接着剤0502によって、フタ0501やフランジ0508に取り付けられている。一方、図6では、電波吸収体0503が接着剤0502によって、ベースフィルム0507に取り付けられている。セラミック基板0518内にはグランドを成す導体パターン0505が有り、導体パターン0505の主平面は、XY平面と平行である。導体パターン0505主平面と同一XY平面上には、電波吸収体0503がある。これにより、グランド導体パターン0506の外縁に局在した共振電磁界の共振効率が低下しやすいという利点がある。
【0044】
このように、電波吸収体0503は、必ずしもセラミック基板0518に取り付けられている必要は無く、光トランシーバ内の他部材に取り付けられていても良い。但し、電波吸収体0503は、光トランシーバ内において、セラミック基板0518内のグランド導体パターン0506に近接していることが重要であり、特に、セラミック基板0518に触れるように配されるのが最適である。そのため、電波吸収体の取り付け精度、加工精度は数百ミクロン程度あることを考慮すると、本実施例で示すように、光モジュールの一部材に直接取り付けられているほうがよい。
【0045】
なお、図5及び図6の符号は次の構成を示している。0501はフタ、0502は接着剤、0503は電波吸収体、0504はビア、0505は導体パターン、0506は導体パッド、0507はベースフィルム、0508はフランジ、0509は導体パターン、0510はビア、0511は導体パターン、0512は半田、0513はリードピン、0514は導体パッド、0515は導体パッド、0516は導体パターン、0517は導体パターン、0518はセラミック基板である。
【0046】
[実施例4]
図7及び図8は、実施例4の光モジュールの構成を示す断面図である。図7において、XY平面と平行を成す平面C−C´における光モジュール断面を示した図が図8である。広い導体パターン0706は接地導体として使われことが一般的であり、面積の狭いパッド0728は、信号、電源等に使われる。接地用の導体パターン0706の外縁には共振電磁界が発生しやすい。そこで、電波吸収体0707は、接地用の導体パターン0706と同じXY平面内の側部に位置し、共振電磁界の共振効率を低下するように配置されている。電波吸収体0707は、コの字状を成すように切り欠き部が形成されており、特に、開口がセラミック基板0708の外径よりも小さくなっている。そのため、電波吸収体0707は、セラミック基板0708に近接あるいは接触し、XY軸方向に抜け落ちることが無く、安定して位置すること出来るという利点を有している。
【0047】
図7に戻って、フランジ0705が電波吸収体0707内径よりも距離L5だけ飛び出した構造となっている。またフレキシブル基板を構成するベースフィルム0712も電波吸収体0707内径よりL6だけ飛び出した構造となっている。すなわち、電波吸収体0707の多層セラミック基板0708に近接している面以外の側部は、光モジュールを構成する部材(ここではベースフィルム0712とフランジ0705)が近接している。そのため、電波吸収体0707はZ軸方向の自由度が制限されており、セラミック基板0708の側方向に位置させることが可能である。そのため、電波吸収体0707は、Z軸方向に抜け落ちることが無いという利点を有している。
【0048】
ところで、この電波吸収体0707の固定に際して、光モジュールのパッケージを構成する部材(ここではフランジ0705)と、光モジュールのパッケージを構成していない部材(ここではベースフィルム0712)で挟み込んだ構造としたことには、大きな利点がある。それは、例え、電波吸収体0707のZ軸方向の幅にばらつきがあっても、ベースフィルム0712とリードピン0709のZ軸方向の固定位置を変えることで、電波吸収体0707はがたつき少なく固定できるという利点がある。さらに、ベースフィルム0712は、可撓性に富んだフレキシブル基板の一材質である。したがって、リードピン0709を半田0711で固定した時に、電波吸収体0707に対し、ベースフィルム0712が押圧を持った状態で固定させることが可能となる。すなわち、電波吸収体0707は、より一層がたつきが少なく、固定されるというメリットを有する。また、長時間の使用により電波吸収体0707が膨張しても、膨張による圧力によって、ベースフィルム0712がたわむことで、半田0711等が破断されることを防ぐという機能を有している。
この電波吸収体0707の固定法は、材質が、電波遮蔽体であっても適用可能である。
【0049】
一方、ベースフィルム0712上には、カバーフィルム0726が接着されている。これは導体パターン0727が腐食することを防ぐためのものである。カバーフィルム0726は普通、せいぜい100ミクロン以下である。したがって、電波吸収体0707が導体パターン0727に直接接触することは無いが、電波吸収体0707は導体パターン0727に十分近接することが可能であり、導体パターン0727の電位を揺らがす不用な電磁界を吸収減衰することが可能である。すなわち、電波吸収体0707は、カバーフィルム0726に接触するように配置されている方が好ましい。
【0050】
なお、図7及び図8の符号は次の構成を示している。0701はレンズ、0702はフタ、0703は光素子、0704はワイヤ、0705はフランジ、0706は導体パターン、0707は電波吸収体、0708はセラミック基板、0709はリードピン、0710は導体パッド、0711は半田、0712はベースフィルム、0713はリードピン、0714はスルーホール、0715は導体パターン、0716は導体パッド、0717はビア、0718は導体パッド、0719は導体パターン、0720はスルーホール、0721は導体パッド、0722は半田、0723はプリント基板、0724は導体パターン、0725はカバーフィルム、0726はカバーフィルム、0727は導体パターン、0728はリードピンである。
【0051】
[実施例5]
図9及び図10は、実施例5の光モジュールの構成を示す断面図である。図9において、XY平面と平行を成す平面D−D´における光モジュール断面を示した図が図10である。
【0052】
金属枠0804は中空を成した枠となっており、中空部にセラミック基板0816が位置する。金属枠0804は、フランジ0803とベースフィルム0806に挟まれている。そのため、金属枠0804は、ほぼXYZ軸方向の自由度が制限されており、安定固定される。なおフランジ0803は、セラミック基板0816上の導体パターンに導通固定されている。そして、リードピン0811、0813が、半田0810によって、導体パッド0809、0812に接着されることで、ベースフィルム0806の位置は固定される。無論、本実施例で示した金属枠0804の固定方法は、電波吸収体の場合においても適用できる。
【0053】
接地された導体パターン0821の主平面は、XY平面内にあり、同一のXY平面内に金属枠0804が位置する。これにより、接地された導体パターン0821上の共振電磁界が放射されても、金属枠0804によって遮蔽されるという利点がある。
【0054】
ところで、フランジ0803は金属で出来ており、金属枠0804と接触導通している。更に、ベースフィルム0806上には接地された導体パターン0805が、金属枠0804と接触導通している。これにより、例えば、接地された導体パターン0821や0808が共振を起こし、電磁界放射を起こしても、セラミック基板0816側部から放射される電磁界の大分は、金属枠0804、フランジ0803、導体パターン0805によって遮蔽され、光モジュール外側には、放射しづらいという利点がある。
【0055】
ところで、金属枠0804は、セラミック基板0816上の接地された導体パターン0808と導通が取られるように、形状等が加工されていても良く、その場合、導体パターン0805は無くても、セラミック基板0816側部からの電磁界遮蔽を少なくすることができる。
【0056】
なお、図9及び図10の符号は次の構成を示している。0801はフタ、0802はレンズ、0803はフランジ、0804は金属枠、0805は導体パターン、0806はベースフィルム、0807は導体パッド、0808は導体パターン、0809は導体パッド、0810は半田、0811はリードピン、0812は導体パッド、0813はリードピン、0814はスルーホール、0815は導体パッド、0816はセラミック基板、0817は導体パッド、0818は導体パッド、0819はワイヤ、0820は光素子、0821は導体パッド、0822はスルーホールである。
【0057】
[実施例6]
図11は、実施例6の光モジュールの構成を示す断面図である。セラミック基板1104内には高速信号が伝送されるビア1109や導体パッド1117が配置されている。また、図示されていないが、光デバイスの電源、バイアス用のビアや導体パッドなども配置されている。高速信号用の導体パッド1112上には、リードピン1101が接続されている。そしてリードピン1101は、半田1105によって、プリント基板1107上に配された伝送線路用の導体パターン1106に導通固定されている。
【0058】
以上により、電波吸収体1102の一部は、フランジ1103とプリント基板1107に挟まれて位置しており、電波吸収体1102がセラミック基板1104側部に固定されている。このように、電波吸収体1102は、光モジュールを構成する一部の部材と、外部の部材によって挟まれることで、固定されていれば、電波吸収体1102の安定した固定は可能である。ただし、この場合、パッケージを構成する部材と外部部材の位置関係が互いに固定される必要があり、たとえば、本実施例では、リードピン1101と導体パターン1106が半田1105によって固着されることで、実現されている。
【0059】
ビア1109や導体パッド1117に、高速信号が伝送されると、接地された導体パターン1111が共振電磁界を放射することがある。しかし、導体パターン1111の主平面と同一のXY平面内に、近接して電波吸収体1102が位置しており、共振効率を抑制し、導体パターン1111からの電磁界放射を抑制するという効果がある。電波吸収体はセラミック基板1104と近接している方がよく、特に、互いに一部が接触しているほうがよい。
【0060】
なお、図11の符号は次の構成を示している。1101はリードピン、1102は電波吸収体、1103はフランジ、1104はセラミック基板、1105は半田、1106は導体パターン、1107はプリント基板、1108は導体パターン、1109はビア、1110は導体パッド、1111は導体パッド、1112は導体パターン、1113はワイヤ、1114は光素子、1115はフタ、1116はレンズ、1117は導体パッドである。
[実施例7]
図12は、実施例7の光モジュールの構成を示す断面図である。セラミック基板1217内には接地された導体バターン1203、1204が配置されている。セラミック基板1217内のビア1218や導体パッド1219は、電源やバイアス用であり、ビア1221や導体パッド1220は、高速信号伝送用である。高速信号がビア1221や導体パッド1220を通るようになると、セラミック基板1217に配置された、接地導体パターン1203、1204に、共振電磁界が発生しやすくなるという問題がしばしば起きる。しかしながら、導体パターン1203、1204の主平面を含むXY平面上には、電波吸収体1205が位置しており、共振効率を低減する効果がある。
【0061】
この電波吸収体1205の一部は、フランジ1202とベースフィルム1206にZ軸方向から挟まれている。これにより電波吸収体1205は、セラミック基板1217の側部で固定されることが可能となる。
【0062】
なお、図12の符号は次の構成を示している。1201はフタ、1202はフランジ、1203は導体パターン、1204は導体パターン、1205は電波吸収体、1206はベースフィルム、1207は導体パッド、1208は半田、1209はリードピン、1210は導体パターン、1211はリードピン、1212は半田、1213は導体パターン、1214はスルーホール、1215は導体パターン、1216は導体パターン、1217はセラミック基板、1218はビア、1219は導体パッド、1220は導体パターン、1221はビアである。
[実施例8]
図13は、実施例8の光モジュール構成を示す断面図である。電波吸収体1304には、孔1325が空けられており、かつその孔の中をリードピン1308が配置されている。さらに、リードピン1308はベースフィルムにあけられたスルーホール1326を貫通し、半田1309を使って、導体パッド1307に固着されている。以上により、電波吸収体1304は、ベースフィルム1305とセラミック基板1319に挟まれて、安定して固定されることが可能である。
【0063】
本実施例では、導体パターン1302や1303の主平面はあるXY平面に含まれる。これらの主平面を含む同じXY平面上には、電波吸収体1304の一部が近接して位置している。また、導体パターン1303では、主平面の法線方向(Z軸負方向)にも電波吸収体1304が位置する。そのため、導体パターン1302、1303の外縁に電磁界が局在しても、これらの電磁界は、電波吸収体1304に効率的に吸収される。そのため、導体パターン1302、1303外縁からの共振電磁界発生が抑制されている。
【0064】
電波吸収体1304は、セラミック基板1319に接触しているときが、もっとも効率よく共振電磁界の発生を抑制することができる。
【0065】
また、ベースフィルム1305上には、導体パターン1306や1310が配置されているが、これらと電波吸収体は1304は近接ないし接触する。そのため、導体パターン1306、1310上のノイズなども効率よく吸収することができるという利点を有している。
【0066】
なお、図13の符号は次の構成を示している。1301はフタ、1302は導体パターン、1303は導体パターン、1304は電波吸収体、1305はベースフィルム、1306は導体パターン、1307は導体パッド、1308はリードピン、1309は半田、1310は導体パターン、1311は導体パターン、1312は導体パターン、1313は導体パターン、1314はスルーホール、1315は導体パッド、1316は導体パターン、1317は導体パッド、1318はビア、1319はセラミック基板、1320はフランジ、1321はワイヤ、1322は光素子、1323は孔、1324はリードピン、1325は孔、1326はスルーホール、1327はスルーホールである。
【0067】
[実施例9]
図14,15は、実施例9の光モジュール構成を示す断面図である。図14に示された光モジュールは、ボックス型のパッケージ1502となっており、しばしばセラミック多層基板か金属によって構成されている。図14では、金属パッケージ1502である。パッケージ1502には、透光性基板1501が取り付けられており、パッケージ内部に搭載した光素子1503と外部ファイバは、光結合することが可能となる。透光性基板1501の光透過率は、使用目的によって異なるが、20%以上が一般的である。レンズホルダ1508に取り付けられたレンズ1507は光素子1503と、光モジュール外部に配されたファイバの光結合を助ける役割を負う。図14では、光素子1503は、台座1509の上に搭載されているが、用途によって、セラミック基板の上に搭載され、場合によっては、更にペルチェ素子の上に搭載されることもある。図14で示された光モジュールは、IC1505がパッケージ1502内に配されているが、用途によっては、外部のプリント基板等に置かれる場合もある。本実施例では、IC1505は、中継基板1510上に搭載されている。中継基板1510は、セラミック基板等によって構成されているが、上面に伝送線路パターンがパターニングされている(図14に記載せず)。光素子1503、IC1505、セラミック基板1511上の導体パターン1506と、中継基板1510上の電極パッドは、ワイヤ1504によって接続されている。セラミック1511上には、導体パターン1506がメタライズされており、パッケージ1502内部と外部を電気的に接続している。また、導体パターン1512は接地されている。導体パターン1506は、高周波伝送線路の場合、50オーム系など、ある特定の特性インピーダンスを有するように設計されている。導体パターン1506上には、リードピン1518が接続されており、更にリードピン1518は半田1519によって、ベースフィルム1521上の導体パターン1520に導通固定されている。導体パターン1517は、接地導体であり、伝送線路用の導体パターン1520は、50オーム程度の特性インピーダンスを有した高周波伝送線路となっている。無論、用途によって特性インピーダンスは変えることは可能であるが、その場合、前後に接続する伝送路の特性インピーダンスとおおむね同程度となるように設計される。伝送線路1520はスルーホール1522によって導体パッド1516と導通がなされている。導体パッド1516や伝送線路1520の一部は、光トランシーバ内のプリント基板上の導体パターンと導通固着がなされる。
【0068】
さて、導体パターン1506に高周波信号が流れると、セラミック基板1511にパターニングされた接地用の導体パターン1512の電位が揺らぎ、導体パターン1512が共振条件を満たしたときに、導体パターン1512の外縁に共振電磁界が発生し、光モジュールの外部に放出される。このような共振電磁界放射は、しばしば、光トランシーバの誤動作等を引き起こす。そのため、本実施例では、電波吸収体1513が接着剤1514によって、導体パターン1512に接着されている。特に、本実施例では、L7の長さ分、電波吸収体1513が導体パターン1514よりも、−Z軸方向に伸びて配置されている。このような場合、導体パターン1512の外縁に発生した共振電磁界を、電波吸収体1513が効率よく吸収するという利点がある。
【0069】
図15は、図14において、線E−E’を含むXY平面で切った断面図である。セラミック基板1511上には、高周波信号伝送用の導体パターン1520に隣接して、接地用の導体パターン1526がパターニングされている。導体パターン1526は、ビア1525によって、導体パターン1527、1512と導通がなされている。導体パターン1524は、光素子1503やIC1505などの電源、バイアス用である。電波吸収体1513は導体パターン1512に発生する共振電磁界を、効率よく吸収するために、接着剤1514によって導体パターン1512上に接着固定されている。特に、電波吸収体1513は、導体パターン1512の外端よりも、X軸方向にL8の長さだけ長く配置されている。これは、導体パターン1512の外縁に発生しやすい共振電磁界を、効率よく吸収できるという利点を有している。
【0070】
また、電波吸収体1528はセラミック基板1511側面に接着剤1514によって固着されている。これは、内部の接地された導体パターン1527に発生する共振電磁界を効率よく吸収することができるという利点がある。また、電波吸収体1528は、距離L9だけ長く、導体パターン1512よりも−Y軸方向に配置されている。これにより導体パターン1512の外縁に発生しやすい共振電磁界を、効率よく吸収できるという利点を有している。
【0071】
なお、図14及び図15の符号は次の構成を示している。1501は透光性基板、1502はパッケージ、1503は光素子、1504はワイヤ、1505はIC、1506は導体パターン、1507はレンズ、1508はレンズホルダ、1509は台座、1510は中継基板、1511はセラミック基板、1512は導体パターン、1513は電波吸収体、1514は接着剤、1515はスルーホール、1516は導体パッド、1517は導体パターン、1518はリードピン、1519は半田、1520は導体パターン、1521はベースフィルム、1522はスルーホール、1523は導体パッド、1524は導体パターン、1525はビア、1526は導体パターン、1527は導体パターンである。
[実施例10]
図16,17は、実施例10の光モジュール構成を示す断面図である。図16に示された光モジュールは、ボックス型のパッケージ1704によって構成されている。パッケージ1704内には、光素子1706が搭載されている。図16では、パッケージ1704内にICなどが記載されていないが、これは、光素子1706の使用方法によるものである。たとえば、光素子1706が発光素子である場合、光素子1706を駆動するICは、しばしば、光トランシーバ内のプリント基板上に搭載されることが多い。プリント基板上の導体パッドは、導体パッド1722と半田によって接続されることが多い。光素子1706上の導体パッド(図16に記載されず)、セラミック基板1703上の導体パッド(図16に記載されず)、セラミック基板1710上の導体パターン1709は、ワイヤ1707によって接続導通がなされている。
【0072】
セラミック基板1712上の導体パターン1709には、リードピン1717が導通固着されている。さらにリードピン1717は、ベースフィルムに設けられたスルーホール1718を貫通し、半田1716によって導体パターン1718の一部と導通固着される。
【0073】
電波吸収体1712の一部は、ベースフィルム1714とパッケージ1704に、Z軸方向が挟まれており、電波吸収体1712は、安定的に、セラミック基板1710に近接ないし接触して固定される。このように、電波吸収体1712は、その一部が、パッケージ1704、セラミック基板1710、ベースフィルム1714のうち2つの部材によってZ軸方向が挟まれれば、安定して、固定されることが可能となる。
【0074】
なお、導体パターン1711は、接地導体となっており、電波吸収体1712と近接もしくは接触している。これにより、接地導体パターンの電位が揺ぎ、共振電磁界が発生することを防ぐことが可能となっている。
【0075】
図16において、線F−F′を含むXY平面における断面図を図17に示す。セラミック基板1710には、信号伝送用の導体パターン1709とリードピンの他、接地導体用の導体パターン1724、1711、リードピン1723、ビア1727が配されている。更に、光素子1706用のバイアス、コントロール用の電源等を供給するために、導体パターン1725とリードピン1726が配されている。
【0076】
電波吸収体1712は、内部に空孔が設けられ、そこにセラミック基板1710の一部が位置している。また空孔には、凹部1728が設けられており、これは、電波吸収体によって、信号用の導体パターン1709を通る高周波信号が減衰してしまうことを防いでいる。電波吸収体1712は、セラミック基板1710上の導体パターン1711の一部と接触するように配置されている。
これは、導体パターン1709に高周波信号が流れると、接地導体パターン1711の電位が揺らぎ、更には、特定の周波数近傍にて共振を引き起こし、共振電磁界を放射しやすくなる。しかし、接地された導体パターン1711に、電波吸収体1712が接触近接して配置されることで、電波吸収体1712が電波を吸収し、これらの共振効率を低減させるという効果がある。
【0077】
ところで、電波吸収体1712は、リードピン1725にも接触している。また場合によっては、導体パターン1726にも接触することもある。これは、導体パターン1726やリードピン1725に乗ったノイズを吸収し、バイアスや電源の電位が揺らぐことを防ぐという効果がある。
【0078】
図16に戻って、電波吸収体1712は、金属でできたパッケージ1704と、ベースフィルム1714上の導体パターン1713と接触もしくは、近接している。これにより、パッケージ1704、導体パターン1713上にのったノイズや、共振電磁界放射が起きることを抑制することができる。
【0079】
以上のように、一部がセラミック基板で構成された光モジュールでは、電波吸収体を、光モジュールのパッケージ、セラミック基板、外部の伝送線路基板(フレキシブル基板)の一部で挟み込み、配置することは、電波吸収体を安定して配置固定するのみならず、高周波ノイズを効率的に防ぐという利点も有している。
【0080】
なお、図16及び図17の符号は次の構成を示している。1701は透光性基板、1702はレンズ、1703はセラミック基板、1704はパッケージ、1705はレンズホルダ、1706は光素子、1707はワイヤ、1708は台座、1709は導体パターン、1710はセラミック基板、1711は導体パターン、1712は電波吸収体、1713は導体パターン、1714はベースフィルム、1715は導体パッド、1716は半田、1717はリードピン、1718はスルーホール、1719は導体パターン、1720は導体パターン、1721はスルーホール、1722は導体パッド、1723はリードピン、1724は導体パターン、1725はリードピン、1726は導体パターン、1727はビア、1728は凹部である。
[実施例11]
図18、図19は、実施例11の光モジュール構成を示す断面図である。どちらも、光モジュールのパッケージから突出しているセラミック基板の断面図を示している。
【0081】
図18から説明する。セラミック基板上には、導体パターン1906は高周波伝送用であり、信号伝播方向はおおよそZ軸方向である。導体パターン1904、1911は、接地導体用である。導体パターン1908は、電源、モニタ用のである。導体パターン1906に高周波信号が伝播すると、接地用の導体パターン1904や1911の電位に揺らぎが生じる。ある特定の周波数において、これらの揺らぎは共振を起こし、共振電磁界として外部に放射されることがある。共振が起きる場合、導体パターンの外縁に共振電磁界は局在しやすい。そこで、図18では、導体パターン1911の外縁に触れるように、電波吸収体1902が配置されていることがわかる。更に、電波吸収体1902は、リードピン1903の上方から触れており、接地導体で起きる共振を低減させている。また、電波吸収体1902は、電源、モニタ用のリードピン1907にも触れているが、これは、電源、モニタ伝送路に乗るノイズを防ぐという利点がある。図18では示していないが、電波吸収体1902は、リードピン1903、1907だけでなく、導体パターン1904、1908に触れる形状をなしていてもよい。
【0082】
図18では、導体パターン1906から多層セラミック基板1909のY軸正方向には、電波吸収体1902が配置されていない。これは、信号である高周波信号が電波吸収体1902に吸収されるのを防ぐためである。
【0083】
さて、図18では、電波吸収体1902の外側に、金属枠1901が、セラミック基板1909と電波吸収体1902を囲むように配置されている。これは、電波吸収体1902で防ぎきれない放射電磁界が、光モジュール近傍から飛び出すのを防ぐ効果がある。無論、金属枠1901は、光モジュールのパッケージ、セラミック基板、外部の伝送線路基板(フレキシブル基板)で挟み込み、配置されても良く、金属枠1901を安定して配置固定することが可能となる。
【0084】
図19の説明をする。金属枠1909には空孔が設けられており、この空孔に多層セラミック基板1909が位置している。すなわち、セラミックの多層セラミック基板1909は、金属枠1901によって囲まれている。これは、セラミック基板上の導体パターン1904、1906、1908、1911から放射される電磁界を遮蔽する効果をもたらしている。なお、金属枠1901は、接地導体となっており、リードピン1903、導体パターン1911に接触導通できる形状となっている。これにより、リードピン1903、導体パターン1911の電位揺らぎを最小にすることが可能となっている。金属枠1901は、リードピン1903のみならず、導体パターン1904と接触導通できる形状と成っていてもよい。
【0085】
なお、図18及び図19の符号は次の構成を示している。1901は金属枠、1902は電波吸収体、1903はリードピン、1904は導体パターン、1905はリードピン、1906は導体パターン、1907はリードピン、1908は導体パターン、1909はセラミック基板、1910はビア、1911は導体パターンである。
[実施例12]
図20は、実施例12の光モジュール構成を示す断面図である。パッケージ2121は、金属材質のパッケージであり、湿気などに弱い光素子2119を気密封止するために、光信号が通る部分は、無機材質で出来た透光性基板2122、電気信号が通る部分は、セラミック基板2115で構成されている。セラミック基板2115は多層で出来ており、層の間には、導体パターン2116がパターニングされている。またパッケージ2121外部の導体パターン2116上には、リードピン2111が固着されている。セラミック基板2115裏面側の導体パターン2112にはリードピン2126が固着されている。ベースフィルム2109を基材とするフレキシブル基板上には、導体パターン2110、2102、2113、導体パッド2108、2107等がパターニングされている。また、絶縁体であるベースフィルム2109の表裏を結ぶ伝送路として、スルーホール2104等が配置されている。リードピン2105と導体パッド2107は、半田2106によって固定されている。また、リードピン2126と導体パターン2102も、半田2103によって固定されている。以上のようにして、ベースフィルム2109と、パッケージ2121、セラミック基板2115の相対的位置は固定されるのである。
【0086】
さて、電波吸収体2114は、中空の孔が設けられており、この孔の内側に、セラミック基板2115の一部が位置している。そして、電波吸収体の一部は、そのZ軸方向が、パッケージ2121、ベースフィルム2109によって挟まれている。以上により、電波吸収体2114は、セラミック基板2115近傍で固定される。
【0087】
図21は、図20を線G−G’を含むXY平面で切った断面図である。セラミック基板2115上面には、信号伝送用の導体パターン2116、接地用の導体パターン2130がパターニングされており、セラミック基板2115裏面側には、接地用の導体パターン2112と、電源や制御用の導体パターン2127がパターニングされている。そして、各導体パターン上には、リードピン2105、2126、2128、2131が固着されている。そして、電波吸収体2114は、接地用のリードピン2131、2126、電源・制御用のリードピン2128と直接接触しており、電位の揺らぎによって発生した、不要電磁界を吸収する効率を最大限にしている。無論、電波吸収体2114は、接地用の導体パターン2130、電源・制御用の導体パターン2127と接触するような形状となっていてもよい。さて、電波吸収体2114には凹部が設けられており、電波吸収体2114とリードピン2105が離間するような構成となっている。これは、電波吸収体が信号を吸収してしまうことを防ぐという効果を有している。
【0088】
なお、図20及び図21の符号は次の構成を示している。2101はスルーホール、2102は導体パターン、2103は半田、2104はスルーホール、2105はリードピン、2106は半田、2107は導体パッド、2108は導体パッド、2109はベースフィルム、2110は導体パターン、2111はリードピン、2112は導体パターン、2113は導体パターン、2114は電波吸収体、2115はセラミック基板、2116は導体パターン、2117はセラミック基板、2118は台座、2119は光素子、2120はレンズホルダ、2121はパッケージ、2122は透光性基板、2123はレンズ、2124はIC、2125はワイヤ、2126はリードピン、2127は導体パターン、2128はリードピン、2129はビア、2130は導体パターン、2131はリードピン、2132は凹部である。
[実施例13]
図22は、実施例13の光モジュールを内包した光トランシーバの断面図である。光トランシーバは、筐体2332の中に、セラミック基板2308やベースフィルム2310によって構成される光モジュール、ICパッケージ2320やコネクタ2330を搭載したプリント基板2317などを内包して構成される。
【0089】
本実施例では、光モジュールは同軸型の例が示されている。電波吸収体2309は、光モジュール基材の一部をなすフランジ2307と、ベーフィルム2310によってZ軸方向が挟まれて固定されている。これにより、セラミック基板2308側部より放射される電磁界を吸収し、共振等を防ぎ、光モジュールの安定動作に寄与するとともに、光トランシーバの筐体内2332に、ノイズが放出されるのを防ぐ役割を担っている。
【0090】
フレキシブル基板を構成するベースフィルム2310上には、導体パターン2313、2314がパターニングされており、半田2315によってプリント基板2317上の導体パターン2316に固着されている。プリント基板2317は多層基板で出来ており、内層にも導体パターン2318等がパターニングされている。各層の導体パターンは、ビア2319、2324や、スルーホールなどによって接続導通されている。電気のコネクタ2330は、光トランシーバと、伝送装置内のボード間の電気インタフェースをなしている。電気のコネクタ形状や仕様は様々であるが、本実施例では、電気コネクタ2330にスルーホール2331を有しており、メス型のコネクタとなっている。本実施例にしめした光トランシーバを伝送装置に搭載する場合、伝送装置内のボード上には、オスの電気コネクタを搭載する必要がある。スルーホール2331は、導体パッド2328と導通がとられており、半田2327によって、導体パッド2326に固定されている。
【0091】
なお、図22の符号は次の構成を示している。2301はファイバ、2302はスリーブ、2303はホルダ、2304はレンズ、2305はフタ、2306は光素子、2307はフランジ、2308はセラミック基板、2309は電波吸収体、2310はベースフィルム、2311は半田、2312はリードピン、2313は導体パターン、2314は導体パターン、2315は半田、2316は導体パターン、2317はプリント基板、2318は導体パターン、2319はビア、2320はICパッケージ、2321は放熱ゲル、2322は半田、2323は導体パターン、2324はビア、2325はビア、2326は導体パッド、2327は半田、2328は導体パッド、2329はビア、2330はコネクタ、2331はスルーホール、2332は筐体である。
【符号の説明】
【0092】
0101…レンズ、0102…フタ、0103…光素子、0104…ワイヤ、0105…フランジ、0106…セラミック基板、0107…導体パッド、0108…接着剤、0109…電波吸収体、0110…導体パターン、0111…ビア、0112…導体パッド、0113…グランドパターン、0114…導体パッド、0115…スルーホール、0116…導体パターン、0117…半田、0118…リードピン、0119…スルーホール、0120…半田、0121…リードピン、0122…スルーホール、0123…導体パッド、0124…ベースフィルム、0125…導体パターン、0126…半田、0127…プリント基板、0128…グランドパターン、0129…導体パターン、0130…導体パッド、0131…導体パッド、0301…レンズ、0302…フタ、0303…光素子、0304…フランジ、0305…セラミック基板、0306…導体パターン、0307…電波吸収体、0308…導体パターン、0309…ベースフィルム、0310…導体パッド、0311…半田、0312…リードピン、0313…スルーホール、0314…伝送路パターン、0315…グランドパターン、0316…スルーホール、0317…導体パッド、0318…導体パッド、0319…導体パターン、0320…導体パターン、0321…導体パッド、0322…導体パターン、0323…孔、0501…フタ、0502…接着剤、0503…電波吸収体、0504…ビア、0505…導体パターン、0506…導体パッド、0507…ベースフィルム、0508…フランジ、0509…導体パターン、0510…ビア、0511…導体パターン、0512…半田、0513…リードピン、0514…導体パッド、0515…導体パッド、0516…導体パターン、0517…導体パターン、0518…セラミック基板、0701…レンズ、0702…フタ、0703…光素子、0704…ワイヤ、0705…フランジ、0706…導体パターン、0707…電波吸収体、0708…セラミック基板、0709…リードピン、0710…導体パッド、0711…半田、0712…ベースフィルム、0713…リードピン、0714…スルーホール、0715…導体パターン、0716…導体パッド、0717…ビア、0718…導体パッド、0719…導体パターン、0720…スルーホール、0721…導体パッド、0722…半田、0723…プリント基板、0724…導体パターン、0725…カバーフィルム、0726…カバーフィルム、0727…導体パターン、0728…リードピン、0801…フタ、0802…レンズ、0803…フランジ、0804…金属枠、0805…導体パターン、0806…ベースフィルム、0807…導体パッド、0808…導体パターン、0809…導体パッド、0810…半田、0811…リードピン、0812…導体パッド、0813…リードピン、0814…スルーホール、0815…導体パッド、0816…セラミック基板、0817…導体パッド、0818…導体パッド、0819…ワイヤ、0820…光素子、0821…導体パッド、0822…スルーホール、1101…リードピン、1102…電波吸収体、1103…フランジ、1104…セラミック基板、1105…半田、1106…導体パターン、1107…プリント基板、1108…導体パターン、1109…ビア、1110…導体パッド、1111…導体パッド、1112…導体パターン、1113…ワイヤ、1114…光素子、1115…フタ、1116…レンズ、1117…導体パッド、1201…フタ、1202…フランジ、1203…導体パターン、1204…導体パターン、1205…電波吸収体、1206…ベースフィルム、1207…導体パッド、1208…半田、1209…リードピン、1210…導体パターン、1211…リードピン、1212…半田、1213…導体パターン、1214…スルーホール、1215…導体パターン、1216…導体パターン、1217…セラミック基板、1218…ビア、1219…導体パッド、1220…導体パターン、1221…ビア、1301…フタ、1302…導体パターン、1303…導体パターン、1304…電波吸収体、1305…ベースフィルム、1306…導体パターン、1307…導体パッド、1308…リードピン、1309…半田、1310…導体パターン、1311…導体パターン、1312…導体パターン、1313…導体パターン、1314…スルーホール、1315…導体パッド、1316…導体パターン、1317…導体パッド、1318…ビア、1319…セラミック基板、1320…フランジ、1321…ワイヤ、1322…光素子、1323…孔、1324…リードピン、1325…孔、1326…スルーホール、1327…スルーホール、1501…透光性基板、1502…パッケージ、1503…光素子、1504…ワイヤ、1505…IC、1506…導体パターン、1507…レンズ、1508…レンズホルダ、1509…台座、1510…中継基板、1511…セラミック基板、1512…導体パターン、1513…電波吸収体、1514…接着剤、1515…スルーホール、1516…導体パッド、1517…導体パターン、1518…リードピン、1519…半田、1520…導体パターン、1521…ベースフィルム、1522…スルーホール、1523…導体パッド、1524…導体パターン、1525…ビア、1526…導体パターン、1527…導体パターン、1701…透光性基板、1702…レンズ、1703…セラミック基板、1704…パッケージ、1705…レンズホルダ、1706…光素子、1707…ワイヤ、1708…台座、1709…導体パターン、1710…セラミック基板、1711…導体パターン、1712…電波吸収体、1713…導体パターン、1714…ベースフィルム、1715…導体パッド、1716…半田、1717…リードピン、1718…スルーホール、1719…導体パターン、1720…導体パターン、1721…スルーホール、1722…導体パッド、1723…リードピン、1724…導体パターン、1725…リードピン、1726…導体パターン、1727…ビア、1728…凹部、1901…金属枠、1902…電波吸収体、1903…リードピン、1904…導体パターン、1905…リードピン、1906…導体パターン、1907…リードピン、1908…導体パターン、1909…セラミック基板、1910…ビア、1911…導体パターン、2101…スルーホール、2102…導体パターン、2103…半田、2104…スルーホール、2105…リードピン、2106…半田、2107…導体パッド、2108…導体パッド、2109…ベースフィルム、2110…導体パターン、2111…リードピン、2112…導体パターン、2113…導体パターン、2114…電波吸収体、2115…セラミック基板、2116…導体パターン、2117…セラミック基板、2118…台座、2119…光素子、2120…レンズホルダ、2121…パッケージ、2122…透光性基板、2123…レンズ、2124…IC、2125…ワイヤ、2126…リードピン、2127…導体パターン、2128…リードピン、2129…ビア、2130…導体パターン、2131…リードピン、2132…凹部、2301…ファイバ、2302…スリーブ、2303…ホルダ、2304…レンズ、2305…フタ、2306…光素子、2307…フランジ、2308…セラミック基板、2309…電波吸収体、2310…ベースフィルム、2311…半田、2312…リードピン、2313…導体パターン、2314…導体パターン、2315…半田、2316…導体パターン、2317…プリント基板、2318…導体パターン、2319…ビア、2320…ICパッケージ、2321…放熱ゲル、2322…半田、2323…導体パターン、2324…ビア、2325…ビア、2326…導体パッド、2327…半田、2328…導体パッド、2329…ビア、2330…コネクタ、2331…スルーホール、2332…筐体、2401…フランジ、2402…電波吸収体、2403…導体パターン、2404…プリント基板、2405…シグナルパッド、2406…セラミック基板、2407…導体パターン、2408…ビア
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送に用いられる光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、10Gbps程度の伝送速度を有する光モジュールに使われるパッケージは、セラミック基板を一部に使用し、セラミック基板の表面または内部に電気信号を伝送する構造となっている。セラミック基板の代表的な材質にアルミナやアルミナイトライド等が知られている。これらは、共に、内部及び表面に高精度に伝送線路を形成することが可能であり、100〜200ミクロンΦ程度の細径ビアを設けることも可能である。また誘電損失が0.01以下と、高周波的に低損失な材料も比較的容易に入手できる。
【0003】
このような光モジュールの一例が特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【0004】
特許文献1では、積層セラミック基板の表層または、内層の主平面に、高周波信号、電源、グランド等の伝送路がパターニングされている。セラミック基板は積層されており、ある主平面上のパターンと、他の主平面上のパターンは、ビアによって、接続導通されている。パッケージ外部では、このパターン上に、リードピンが取り付けられている。
【0005】
特許文献2は、パッケージ内部の導体パターンから、外部の導体パターンまで、主にビア導体によって接続されている。
【0006】
高周波信号を、損失無く伝送するためには、伝送路の特性インピーダンスを一定に保つ必要があり、一般的には、50オーム近辺になるように設計されている。したがって、高周波信号を伝送するパターンおよびビアの近傍には、グランドパターンもしくはグランドビアが配置された構造となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−252251公報
【特許文献2】特開2004−235379公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述の特許文献1および2に開示されている光モジュールでは、以下の問題があった。
(1)セラミック積層基板上の、グランド導体パターンは、数十ミクロン以下の薄膜パターンから構成されており、他の主平面に配されたグランド導体とは、数百ミクロン径のビアによって接続される。そのため、グランド自体の電位が揺らぎ、特定の周波数において共振してしまう。
(2)セラミック積層基板は、主平面上には導体パターンを設けることは可能であるが、側面に導体パターンを設けることは困難である。したがって、セラミック積層基板の側部からは、高周波ノイズが放射されやすい。特に、光通信で使われる光モジュールは、特許文献1、2で示された光モジュールと同様に、セラミック積層基板がモジュール外部に表出している。このようなセラミック積層板側部からは、高周波ノイズが放射されやすく、これらのノイズは、光モジュール外に飛び出し、光トランシーバ内に放出されてしまう。
【0009】
上記で示したグランドパターンの共振は、パターンの長さや外縁が、1/2×N×λ(N:整数、λ:波長)となったときに引き起こされると一般的に言われているが、パターンの形状、シグナルパッド、ビアの位置関係にも依存する。従来の光モジュールでは、これら共振周波数は、大体10GHz以上であった。そのため、10Gbps程度の信号伝送では、これらの共振は、特に大きな問題とならなかった。しかしながら、近年、20Gbps、さらには40Gbps程度の伝送速度に対応した光モジュール、及び光トランシーバが必要となってきており、10GHz以上の高周波域においても、光モジュールからの電磁界放射を防ぐ必要性が出てきた。
【0010】
このような電磁界放射は、光トランシーバの安定的な高速動作にとってデメリットとなる。
【0011】
本発明の目的は、安定的に高速動作させることができる光モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願は上記目的を達成する手段を複数含むものである。その一例は、特許請求の範囲に記載された発明である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、安定的に高速動作させることができる光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1の光モジュールの構成を示す断面図である。
【図2】図1の光モジュールのA−A’切断線に沿った断面構造を示す断面図である。
【図3】実施例2の光モジュール構成を示す断面図である。
【図4】図3の光モジュールのB−B’切断面に沿った断面構造を示す断面図である。
【図5】実施例3の光モジュール構成を示す断面図である。
【図6】実施例3の光モジュール構成を示す断面図である。
【図7】実施例4の光モジュール構成を示す断面図である。
【図8】図7の光モジュールのC−C’切断面に沿った断面構造を示す断面図である。
【図9】実施例5の光モジュール構成を示す断面図である。
【図10】図9の光モジュールのD−D’切断面に沿った断面構造を示す断面図である。
【図11】実施例6の光モジュール構造を示す断面図である。
【図12】実施例7の光モジュール構造を示す断面図である。
【図13】実施例8の光モジュール構造を示す断面図である。
【図14】実施例9の光モジュール構成を示す断面図である。
【図15】図14の光モジュールのE−E’切断面に沿った断面構造を示す断面図である。
【図16】実施例10の光モジュール構成を示す断面図である。
【図17】図16の光モジュールのF−F’切断面に沿った断面構造を示す断面図である。
【図18】実施例11の光モジュール構造を示す断面図である。
【図19】実施例11の光モジュール構造を示す断面図である。
【図20】実施例12の光モジュール構成を示す断面図である。
【図21】図20の光モジュールのG−G’切断面に沿った断面構造を示す断面図である。
【図22】実施例13の光モジュール構造を示す断面図である。
【図23】計算による本発明の効果検証用の光モジュールを示す斜視図である。
【図24】本発明の効果を検証した計算結果を含むグラフである。
【図25】本発明の効果を検証した計算結果を含むグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して実施例を詳細に説明するが、本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0016】
本願において開示される光モジュールは、パッケージの一部が多層セラミック基板によって構成されており、さらに多層セラミック基板の内部または表層には信号が伝播する導体パターンや接地導体がパターニングされている。これらの光モジュール用のパッケージは、箱型もしくは同軸型形状をしている。なお、導体パターンとは、セラミック基板上にパターニングされたパターンだけでなく、セラミック基板内のパターン、セラミック基板を貫通するビアやスルーホールも含める。またグランド用導体パターンとは、高周波信号が伝播する導体パターンの、特性インピーダンスを保つように、信号導体パターンに近接して配置される導体パターンのことを指し、グランド導体パターンの面積は、高周波信号が伝播する導体パターンの数十倍以上の広さを持つことが多い。また接地導体とは、必ずしも、パッケージ外部を覆う金属や金属パターン、もしくは、光トランシーバの筐体等と導通が取られている必要は無い。
【0017】
さらに、上記光モジュールでは、多層セラミック基板の導体パターンと、直接または、他の導体を介して、導通がとられる導体パターンを有した第2の基板が取り付けられる。光モジュールとは、この第2の基板、パッケージを含めて指している。
【0018】
さらに、上記光モジュールでは、多層セラミックの信号導体パターンの少なくとも一部に沿って配置された電波吸収体または電波遮蔽体とを有する。
【0019】
このような構成を採用した光モジュールは、セラミック基板のグランド用導体パターンに沿って配置された電波吸収体によって、セラミック基板上のグランドパターンが共振することを防ぎ、電磁ノイズの放射を防ぐことが可能となる。また、電波遮蔽体によって、電磁ノイズを光モジュール近傍より放出することを防ぐことが可能となる。
【0020】
さらに、上記光モジュールでは、電波吸収体や電波遮蔽体がセラミック基板近傍で光モジュールを構成する部材に固定される。そのため、長期使用にわたって、電波吸収体および電波遮蔽体が外れにくいという利点を有する。
【0021】
以上の構造を利用した光モジュールを適用することで、安定的に高速動作する光トランシーバを提供することが可能となる。
【0022】
なお、以下の実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
[実施例1]
図1は、実施例1の光モジュールの構成を示す断面図である。また、便宜的に座標軸を記載し、光信号の入出力方向をZ軸とした。
【0024】
光モジュールを構成するパッケージの基材は、積層されたセラミック基板0106によって構成されており、材質は、アルミナ、アルミナイトライド、LTCC等が一般的に使用される。セラミック基板0106上には光素子0103が搭載されている。光素子0103上と導体パッド0107の電気的結合はワイヤ0104によって成されている。光素子0103は、発光または受光素子であり、受発光する光信号は、フタ0102に固定されたレンズ0101を通過する。セラミック基板0106上には、金属製のフランジ0105が設けられており、その上に、フタ0102が固着される。以上により、光素子103は、湿気等の外気にさらされることが無く、経時劣化が最小に抑えられている。このほか、セラミック基板0106上にはIC、チップコンデンサ、抵抗などの電子素子が搭載されることもある。
【0025】
セラミック基板0106上面の導体パッド0107と裏面の導体パッド0112とはビア0111と内層のパッド0130等によって導通接続されている。
【0026】
フレキシブル基板の基材は、ベースフィルム0124上によって構成されており、代表的な材質としてポリイミドや液晶ポリマーなどが知られている。ベースフィルム0124の厚さは数十ミクロン〜100ミクロン程度が一般的である。ベースフィルム0124上には、グランド用の導体パターン0113や、信号用の導体パターン0116がパターニングされている。このほか、電源、モニタ、制御用の信号、電源等のパターンも、ベースフィルム0124上にパターニングされる。光素子の電源用のリードピン0121は、フレキシブル基板にもうけられたスルーホール0123を貫通し、半田0120によって導体パッド0123に固着されている。ここで、導体パッドとは、特に半田などを固着することを目的とした導体パターンのことであるが、導体パッドと、導体パターンは本質的に同じであり、他実施例でも同様である。さて、信号用のリードピン0118は、スルーホール0119を貫通し、半田0117によって信号用の導体パターン0116に固着される。プリント基板0127は、光トランシーバを構成する部材であり、IC,LSI、抵抗、コンデンサ等の電子素子が搭載される。プリント基板0127には、伝送線路用の導体パターン0129やグランド用の導体パターン0128のほか、電源、制御等のパターンがパターニングされる。導体パターン0129は、半田0126によって、フレキシブル基板上のパッド0114と固着される。
【0027】
図2は、図1の線A−A′を含むXY平面で切った断面図である。セラミック基板0106上には、グランド用の導体パターン0110と、信号用の導体パッド0130、電源、制御用導体パッド0131がパターニングされている。
【0028】
実際に、高周波信号がビア0111や信号用の導体パッド0130を通過すると、ビア0111や導体パッド0130から近接した導体まで電気力線が出来る。この電気力線の影響を抑え、高周波特性を向上させるため、グランド用の導体パターンを信号配線に近接させる。本実施例でも、図2に示すように、高周波信号の導体パッド0130とグランド用導体パターン0110は近接している。
【0029】
ところが、グランド用導体パターン0110も、他のグランド配線(例えば導体パターン0125)とビアによって接続されているため、数GHz以上の高周波では、電位は、必ずしも安定しない。これらの電位揺らぎは、ある特定の周波数で、共振を起こし、ノイズを発生するようになる。この時の放射電磁界は、導体パターン0110の形状、長さ等によるが、グランド用導体パターン0110の外縁に集中する。そこで、他の導体パッド0131よりも、グランド用導体パターン0110の外縁部の一部を、セラミック基板0106の外縁部に近接させ、グランド用導体パターン0110と同じXY平面内に、電波吸収体0109を配置し、接着剤0108によってセラミック基板106によって固定した。つまり、電波吸収体0109は、図2に示すように、図1のA−A’断面内では、セラミック基板0106内のグランド用導体パターン0110に沿って、配置されている。これにより、グランド用導体パターン0110の外縁に集中した電磁界の共振効率を低減させ、共振を大幅に抑制することが出来る。
【0030】
電波吸収体0109の材質は、フェライト、カーボンから構成された固体であり、例えばプラスチックなどの有機材料にフェライト、カーボンを分散させたものも使われる。また、電波吸収体0109は、本実施例のように、接着剤0108によってセラミック基板0106に直接、固着しても良いが、光トランシーバ内の他部材に固定した電波吸収体0109をセラミック基板0106に接触するように配置しても良い。
【0031】
図1に戻って、電波吸収体0109の一部は、グランド用導体パターン0125よりも距離L1だけ、−Z軸方向に出ている。これは、電磁界放射がグランド用導体パターン0125の外縁に集中するため、−Z軸方向に距離L1だけ余分に電波吸収体0109を出すことで、グランド用導体パターン0125の外縁に集中した電磁界の共振効率を低減することが可能となる。すなわち、電波吸収体0109の一部は、グランド導体パターン0125の主平面と同一平面上に位置することで、共振効率を下げることが出来る。
【0032】
このように、本実施例によれば、パッケージの一部にセラミックを使用した光モジュールにおいて、共振による放射電磁界が少なくなるという利点を有した光モジュールを提供することができる。
【0033】
図23に効果を検証するためにシミュレーションのモデルを示し、図25、26に計算結果を示すグラフを示す。
【0034】
図23について説明する。直径5.4mmφ、厚み1mm、の円形セラミック基板2406の表面と裏面に導体パターン2407がパターニングされている。セラミック基板2406の比誘電率は8.5であり、誘電損失は、無視できるほど小さいとした。表裏面の導体パターン2407は、接地導体(グランド)であり、シグナルとは、絶縁されている。シグナルパッド2405は2パッド設けられているが、これは差動シグナルを伝送することを想定している。表面のシグナル、グランド導体パターンおよびパッドは、ビア2408によって裏面のシグナル、グランド導体パターンと接続されている。また表面の導体パターン2407上には、フランジ2401が取り付けられている。フランジ2401は金属でできており、直径6mmφ、厚み0.3mmである。
【0035】
セラミック基板2406裏面のシグナルとグランド導体パッド上には、直径0.2mmφで、長さ1mmのリードピン(図示されず)が取り付けられており、このリードピンは、プリント基板2404上の導体パターン2403と接続されている。プリント基板2404は、比誘電率3.2であり、厚み0.2mm、信号の伝送長2mmである。
【0036】
図24は、電波吸収体2402を配置しなかった場合の、周波数0〜30GHzにおける、シグナルの伝達ロス(Transmission Loss)を示したものである。20GHz周辺に、1dB以上の急峻な伝達ロスが見られる。これは、グランド導体パターン2407が共振することで、エネルギーが外部に放射されたことによっておきたものである。
【0037】
一方、図25は、電波吸収体2402を配置した場合の、シグナルの伝達ロスを示したものである。0〜30GHzまで、大きな伝達ロスが見られない。すなわち、外部への電磁エネルギー放射の原因となる、導体パターン2407における共振が抑制されているのがわかる。
【0038】
このように、本実施例によれば、安定的に高速動作する光モジュールを構成することができる。
【0039】
なお、図1、図2、図23、図24及び図25の符号は次の構成を示している。0101はレンズ、0102はフタ、0103は光素子、0104はワイヤ、0105はフランジ、0106はセラミック基板、0107は導体パッド、0108は接着剤、0109は電波吸収体、0110は導体パターン、0111はビア、0112は導体パッド、0113はグランドパターン、0114は導体パッド、0115はスルーホール、0116は導体パターン、0117は半田、0118はリードピン、0119はスルーホール、0120は半田、0121はリードピン、0122はスルーホール、0123は導体パッド、0124はベースフィルム、0125は導体パターン、0126は半田、0127はプリント基板、0128はグランドパターン、0129は導体パターン、0130は導体パッド、0131は導体パッド、2401はフランジ、2402は電波吸収体、2403は導体パターン、2404はプリント基板、2405はシグナルパッド、2406はセラミック基板、2407は導体パターン、2408はビアである。
【0040】
[実施例2]
図3は、実施例2の光モジュールの構成を示す断面図である。図4は、図3に示す光モジュールを線B−B´を含むXY平面で切った断面である。積層したセラミック基板0305の裏面にはグランドの導体パターン0306、光素子0303電源用の導体パッド0318、グランドの導体パターン0320、0322、信号用の導体パターン0321がパターニングされている。なお、導体パッド0318、0321上には、リードピン0312が固定されている。一方、フレキシブル基板を構成するベースフィルム0309上には、導体パターン0308、0319などがパターニングされている。電波吸収体0307は、パッケージを構成する積層したセラミック基板0305と、フレキシブル基板を構成するベースフィルム0309に挟まれている。更に、電波吸収体0307に孔0323を設け、孔の中にリードピン0312を通すことで、電波吸収体0307は、光モジュールを長期的に使用している際に、光モジュールから外れてしまうことがないという利点を有している。
【0041】
セラミック基板0305上のグランド導体パターン0306と、ベースフィルム0308上のグランド導体パターン0308は、共に電位が揺らぎ易く、特定周波数で共振を起こしやすい。本光モジュールでは、電波吸収体0307が導体パターン0306、0308に近接さらには接触することで、共振を抑制する効果を有する。
【0042】
さらに、一般的に共振電磁界は、グランド導体パターンの外縁に局在し易い性質があるため、電波吸収体0307の一部は、導体パターン0308よりもY軸方向に距離L2だけ伸びて配置し、導体パターン0305よりもY軸方向に距離L3だけ伸びて配置することで、共振を抑制する効果が、より大きくなる。すなわち、導体パターン0308主平面(XY平面)の端部から法線方向(Z軸方向)に吸収体0307は位置することで、共振抑制に利点を有する。
なお、図3及び図4の符号は次の構成を示している。0301はレンズ、0302はフタ、0303は光素子、0304はフランジ、0305はセラミック基板、0306は導体パターン、0307は電波吸収体、0308は導体パターン、0309はベースフィルム、0310は導体パッド、0311は半田、0312はリードピン、0313はスルーホール、0314は伝送路パターン、0315はグランドパターン、0316はスルーホール、0317は導体パッド、0318は導体パッド、0319は導体パターン、0320は導体パターン、0321は導体パッド、0322は導体パターン、0323は孔である。
【0043】
[実施例3]
図5及び図6は、実施例3の光モジュールの構成を示す断面図である。
図5では、電波吸収体0503が接着剤0502によって、フタ0501やフランジ0508に取り付けられている。一方、図6では、電波吸収体0503が接着剤0502によって、ベースフィルム0507に取り付けられている。セラミック基板0518内にはグランドを成す導体パターン0505が有り、導体パターン0505の主平面は、XY平面と平行である。導体パターン0505主平面と同一XY平面上には、電波吸収体0503がある。これにより、グランド導体パターン0506の外縁に局在した共振電磁界の共振効率が低下しやすいという利点がある。
【0044】
このように、電波吸収体0503は、必ずしもセラミック基板0518に取り付けられている必要は無く、光トランシーバ内の他部材に取り付けられていても良い。但し、電波吸収体0503は、光トランシーバ内において、セラミック基板0518内のグランド導体パターン0506に近接していることが重要であり、特に、セラミック基板0518に触れるように配されるのが最適である。そのため、電波吸収体の取り付け精度、加工精度は数百ミクロン程度あることを考慮すると、本実施例で示すように、光モジュールの一部材に直接取り付けられているほうがよい。
【0045】
なお、図5及び図6の符号は次の構成を示している。0501はフタ、0502は接着剤、0503は電波吸収体、0504はビア、0505は導体パターン、0506は導体パッド、0507はベースフィルム、0508はフランジ、0509は導体パターン、0510はビア、0511は導体パターン、0512は半田、0513はリードピン、0514は導体パッド、0515は導体パッド、0516は導体パターン、0517は導体パターン、0518はセラミック基板である。
【0046】
[実施例4]
図7及び図8は、実施例4の光モジュールの構成を示す断面図である。図7において、XY平面と平行を成す平面C−C´における光モジュール断面を示した図が図8である。広い導体パターン0706は接地導体として使われことが一般的であり、面積の狭いパッド0728は、信号、電源等に使われる。接地用の導体パターン0706の外縁には共振電磁界が発生しやすい。そこで、電波吸収体0707は、接地用の導体パターン0706と同じXY平面内の側部に位置し、共振電磁界の共振効率を低下するように配置されている。電波吸収体0707は、コの字状を成すように切り欠き部が形成されており、特に、開口がセラミック基板0708の外径よりも小さくなっている。そのため、電波吸収体0707は、セラミック基板0708に近接あるいは接触し、XY軸方向に抜け落ちることが無く、安定して位置すること出来るという利点を有している。
【0047】
図7に戻って、フランジ0705が電波吸収体0707内径よりも距離L5だけ飛び出した構造となっている。またフレキシブル基板を構成するベースフィルム0712も電波吸収体0707内径よりL6だけ飛び出した構造となっている。すなわち、電波吸収体0707の多層セラミック基板0708に近接している面以外の側部は、光モジュールを構成する部材(ここではベースフィルム0712とフランジ0705)が近接している。そのため、電波吸収体0707はZ軸方向の自由度が制限されており、セラミック基板0708の側方向に位置させることが可能である。そのため、電波吸収体0707は、Z軸方向に抜け落ちることが無いという利点を有している。
【0048】
ところで、この電波吸収体0707の固定に際して、光モジュールのパッケージを構成する部材(ここではフランジ0705)と、光モジュールのパッケージを構成していない部材(ここではベースフィルム0712)で挟み込んだ構造としたことには、大きな利点がある。それは、例え、電波吸収体0707のZ軸方向の幅にばらつきがあっても、ベースフィルム0712とリードピン0709のZ軸方向の固定位置を変えることで、電波吸収体0707はがたつき少なく固定できるという利点がある。さらに、ベースフィルム0712は、可撓性に富んだフレキシブル基板の一材質である。したがって、リードピン0709を半田0711で固定した時に、電波吸収体0707に対し、ベースフィルム0712が押圧を持った状態で固定させることが可能となる。すなわち、電波吸収体0707は、より一層がたつきが少なく、固定されるというメリットを有する。また、長時間の使用により電波吸収体0707が膨張しても、膨張による圧力によって、ベースフィルム0712がたわむことで、半田0711等が破断されることを防ぐという機能を有している。
この電波吸収体0707の固定法は、材質が、電波遮蔽体であっても適用可能である。
【0049】
一方、ベースフィルム0712上には、カバーフィルム0726が接着されている。これは導体パターン0727が腐食することを防ぐためのものである。カバーフィルム0726は普通、せいぜい100ミクロン以下である。したがって、電波吸収体0707が導体パターン0727に直接接触することは無いが、電波吸収体0707は導体パターン0727に十分近接することが可能であり、導体パターン0727の電位を揺らがす不用な電磁界を吸収減衰することが可能である。すなわち、電波吸収体0707は、カバーフィルム0726に接触するように配置されている方が好ましい。
【0050】
なお、図7及び図8の符号は次の構成を示している。0701はレンズ、0702はフタ、0703は光素子、0704はワイヤ、0705はフランジ、0706は導体パターン、0707は電波吸収体、0708はセラミック基板、0709はリードピン、0710は導体パッド、0711は半田、0712はベースフィルム、0713はリードピン、0714はスルーホール、0715は導体パターン、0716は導体パッド、0717はビア、0718は導体パッド、0719は導体パターン、0720はスルーホール、0721は導体パッド、0722は半田、0723はプリント基板、0724は導体パターン、0725はカバーフィルム、0726はカバーフィルム、0727は導体パターン、0728はリードピンである。
【0051】
[実施例5]
図9及び図10は、実施例5の光モジュールの構成を示す断面図である。図9において、XY平面と平行を成す平面D−D´における光モジュール断面を示した図が図10である。
【0052】
金属枠0804は中空を成した枠となっており、中空部にセラミック基板0816が位置する。金属枠0804は、フランジ0803とベースフィルム0806に挟まれている。そのため、金属枠0804は、ほぼXYZ軸方向の自由度が制限されており、安定固定される。なおフランジ0803は、セラミック基板0816上の導体パターンに導通固定されている。そして、リードピン0811、0813が、半田0810によって、導体パッド0809、0812に接着されることで、ベースフィルム0806の位置は固定される。無論、本実施例で示した金属枠0804の固定方法は、電波吸収体の場合においても適用できる。
【0053】
接地された導体パターン0821の主平面は、XY平面内にあり、同一のXY平面内に金属枠0804が位置する。これにより、接地された導体パターン0821上の共振電磁界が放射されても、金属枠0804によって遮蔽されるという利点がある。
【0054】
ところで、フランジ0803は金属で出来ており、金属枠0804と接触導通している。更に、ベースフィルム0806上には接地された導体パターン0805が、金属枠0804と接触導通している。これにより、例えば、接地された導体パターン0821や0808が共振を起こし、電磁界放射を起こしても、セラミック基板0816側部から放射される電磁界の大分は、金属枠0804、フランジ0803、導体パターン0805によって遮蔽され、光モジュール外側には、放射しづらいという利点がある。
【0055】
ところで、金属枠0804は、セラミック基板0816上の接地された導体パターン0808と導通が取られるように、形状等が加工されていても良く、その場合、導体パターン0805は無くても、セラミック基板0816側部からの電磁界遮蔽を少なくすることができる。
【0056】
なお、図9及び図10の符号は次の構成を示している。0801はフタ、0802はレンズ、0803はフランジ、0804は金属枠、0805は導体パターン、0806はベースフィルム、0807は導体パッド、0808は導体パターン、0809は導体パッド、0810は半田、0811はリードピン、0812は導体パッド、0813はリードピン、0814はスルーホール、0815は導体パッド、0816はセラミック基板、0817は導体パッド、0818は導体パッド、0819はワイヤ、0820は光素子、0821は導体パッド、0822はスルーホールである。
【0057】
[実施例6]
図11は、実施例6の光モジュールの構成を示す断面図である。セラミック基板1104内には高速信号が伝送されるビア1109や導体パッド1117が配置されている。また、図示されていないが、光デバイスの電源、バイアス用のビアや導体パッドなども配置されている。高速信号用の導体パッド1112上には、リードピン1101が接続されている。そしてリードピン1101は、半田1105によって、プリント基板1107上に配された伝送線路用の導体パターン1106に導通固定されている。
【0058】
以上により、電波吸収体1102の一部は、フランジ1103とプリント基板1107に挟まれて位置しており、電波吸収体1102がセラミック基板1104側部に固定されている。このように、電波吸収体1102は、光モジュールを構成する一部の部材と、外部の部材によって挟まれることで、固定されていれば、電波吸収体1102の安定した固定は可能である。ただし、この場合、パッケージを構成する部材と外部部材の位置関係が互いに固定される必要があり、たとえば、本実施例では、リードピン1101と導体パターン1106が半田1105によって固着されることで、実現されている。
【0059】
ビア1109や導体パッド1117に、高速信号が伝送されると、接地された導体パターン1111が共振電磁界を放射することがある。しかし、導体パターン1111の主平面と同一のXY平面内に、近接して電波吸収体1102が位置しており、共振効率を抑制し、導体パターン1111からの電磁界放射を抑制するという効果がある。電波吸収体はセラミック基板1104と近接している方がよく、特に、互いに一部が接触しているほうがよい。
【0060】
なお、図11の符号は次の構成を示している。1101はリードピン、1102は電波吸収体、1103はフランジ、1104はセラミック基板、1105は半田、1106は導体パターン、1107はプリント基板、1108は導体パターン、1109はビア、1110は導体パッド、1111は導体パッド、1112は導体パターン、1113はワイヤ、1114は光素子、1115はフタ、1116はレンズ、1117は導体パッドである。
[実施例7]
図12は、実施例7の光モジュールの構成を示す断面図である。セラミック基板1217内には接地された導体バターン1203、1204が配置されている。セラミック基板1217内のビア1218や導体パッド1219は、電源やバイアス用であり、ビア1221や導体パッド1220は、高速信号伝送用である。高速信号がビア1221や導体パッド1220を通るようになると、セラミック基板1217に配置された、接地導体パターン1203、1204に、共振電磁界が発生しやすくなるという問題がしばしば起きる。しかしながら、導体パターン1203、1204の主平面を含むXY平面上には、電波吸収体1205が位置しており、共振効率を低減する効果がある。
【0061】
この電波吸収体1205の一部は、フランジ1202とベースフィルム1206にZ軸方向から挟まれている。これにより電波吸収体1205は、セラミック基板1217の側部で固定されることが可能となる。
【0062】
なお、図12の符号は次の構成を示している。1201はフタ、1202はフランジ、1203は導体パターン、1204は導体パターン、1205は電波吸収体、1206はベースフィルム、1207は導体パッド、1208は半田、1209はリードピン、1210は導体パターン、1211はリードピン、1212は半田、1213は導体パターン、1214はスルーホール、1215は導体パターン、1216は導体パターン、1217はセラミック基板、1218はビア、1219は導体パッド、1220は導体パターン、1221はビアである。
[実施例8]
図13は、実施例8の光モジュール構成を示す断面図である。電波吸収体1304には、孔1325が空けられており、かつその孔の中をリードピン1308が配置されている。さらに、リードピン1308はベースフィルムにあけられたスルーホール1326を貫通し、半田1309を使って、導体パッド1307に固着されている。以上により、電波吸収体1304は、ベースフィルム1305とセラミック基板1319に挟まれて、安定して固定されることが可能である。
【0063】
本実施例では、導体パターン1302や1303の主平面はあるXY平面に含まれる。これらの主平面を含む同じXY平面上には、電波吸収体1304の一部が近接して位置している。また、導体パターン1303では、主平面の法線方向(Z軸負方向)にも電波吸収体1304が位置する。そのため、導体パターン1302、1303の外縁に電磁界が局在しても、これらの電磁界は、電波吸収体1304に効率的に吸収される。そのため、導体パターン1302、1303外縁からの共振電磁界発生が抑制されている。
【0064】
電波吸収体1304は、セラミック基板1319に接触しているときが、もっとも効率よく共振電磁界の発生を抑制することができる。
【0065】
また、ベースフィルム1305上には、導体パターン1306や1310が配置されているが、これらと電波吸収体は1304は近接ないし接触する。そのため、導体パターン1306、1310上のノイズなども効率よく吸収することができるという利点を有している。
【0066】
なお、図13の符号は次の構成を示している。1301はフタ、1302は導体パターン、1303は導体パターン、1304は電波吸収体、1305はベースフィルム、1306は導体パターン、1307は導体パッド、1308はリードピン、1309は半田、1310は導体パターン、1311は導体パターン、1312は導体パターン、1313は導体パターン、1314はスルーホール、1315は導体パッド、1316は導体パターン、1317は導体パッド、1318はビア、1319はセラミック基板、1320はフランジ、1321はワイヤ、1322は光素子、1323は孔、1324はリードピン、1325は孔、1326はスルーホール、1327はスルーホールである。
【0067】
[実施例9]
図14,15は、実施例9の光モジュール構成を示す断面図である。図14に示された光モジュールは、ボックス型のパッケージ1502となっており、しばしばセラミック多層基板か金属によって構成されている。図14では、金属パッケージ1502である。パッケージ1502には、透光性基板1501が取り付けられており、パッケージ内部に搭載した光素子1503と外部ファイバは、光結合することが可能となる。透光性基板1501の光透過率は、使用目的によって異なるが、20%以上が一般的である。レンズホルダ1508に取り付けられたレンズ1507は光素子1503と、光モジュール外部に配されたファイバの光結合を助ける役割を負う。図14では、光素子1503は、台座1509の上に搭載されているが、用途によって、セラミック基板の上に搭載され、場合によっては、更にペルチェ素子の上に搭載されることもある。図14で示された光モジュールは、IC1505がパッケージ1502内に配されているが、用途によっては、外部のプリント基板等に置かれる場合もある。本実施例では、IC1505は、中継基板1510上に搭載されている。中継基板1510は、セラミック基板等によって構成されているが、上面に伝送線路パターンがパターニングされている(図14に記載せず)。光素子1503、IC1505、セラミック基板1511上の導体パターン1506と、中継基板1510上の電極パッドは、ワイヤ1504によって接続されている。セラミック1511上には、導体パターン1506がメタライズされており、パッケージ1502内部と外部を電気的に接続している。また、導体パターン1512は接地されている。導体パターン1506は、高周波伝送線路の場合、50オーム系など、ある特定の特性インピーダンスを有するように設計されている。導体パターン1506上には、リードピン1518が接続されており、更にリードピン1518は半田1519によって、ベースフィルム1521上の導体パターン1520に導通固定されている。導体パターン1517は、接地導体であり、伝送線路用の導体パターン1520は、50オーム程度の特性インピーダンスを有した高周波伝送線路となっている。無論、用途によって特性インピーダンスは変えることは可能であるが、その場合、前後に接続する伝送路の特性インピーダンスとおおむね同程度となるように設計される。伝送線路1520はスルーホール1522によって導体パッド1516と導通がなされている。導体パッド1516や伝送線路1520の一部は、光トランシーバ内のプリント基板上の導体パターンと導通固着がなされる。
【0068】
さて、導体パターン1506に高周波信号が流れると、セラミック基板1511にパターニングされた接地用の導体パターン1512の電位が揺らぎ、導体パターン1512が共振条件を満たしたときに、導体パターン1512の外縁に共振電磁界が発生し、光モジュールの外部に放出される。このような共振電磁界放射は、しばしば、光トランシーバの誤動作等を引き起こす。そのため、本実施例では、電波吸収体1513が接着剤1514によって、導体パターン1512に接着されている。特に、本実施例では、L7の長さ分、電波吸収体1513が導体パターン1514よりも、−Z軸方向に伸びて配置されている。このような場合、導体パターン1512の外縁に発生した共振電磁界を、電波吸収体1513が効率よく吸収するという利点がある。
【0069】
図15は、図14において、線E−E’を含むXY平面で切った断面図である。セラミック基板1511上には、高周波信号伝送用の導体パターン1520に隣接して、接地用の導体パターン1526がパターニングされている。導体パターン1526は、ビア1525によって、導体パターン1527、1512と導通がなされている。導体パターン1524は、光素子1503やIC1505などの電源、バイアス用である。電波吸収体1513は導体パターン1512に発生する共振電磁界を、効率よく吸収するために、接着剤1514によって導体パターン1512上に接着固定されている。特に、電波吸収体1513は、導体パターン1512の外端よりも、X軸方向にL8の長さだけ長く配置されている。これは、導体パターン1512の外縁に発生しやすい共振電磁界を、効率よく吸収できるという利点を有している。
【0070】
また、電波吸収体1528はセラミック基板1511側面に接着剤1514によって固着されている。これは、内部の接地された導体パターン1527に発生する共振電磁界を効率よく吸収することができるという利点がある。また、電波吸収体1528は、距離L9だけ長く、導体パターン1512よりも−Y軸方向に配置されている。これにより導体パターン1512の外縁に発生しやすい共振電磁界を、効率よく吸収できるという利点を有している。
【0071】
なお、図14及び図15の符号は次の構成を示している。1501は透光性基板、1502はパッケージ、1503は光素子、1504はワイヤ、1505はIC、1506は導体パターン、1507はレンズ、1508はレンズホルダ、1509は台座、1510は中継基板、1511はセラミック基板、1512は導体パターン、1513は電波吸収体、1514は接着剤、1515はスルーホール、1516は導体パッド、1517は導体パターン、1518はリードピン、1519は半田、1520は導体パターン、1521はベースフィルム、1522はスルーホール、1523は導体パッド、1524は導体パターン、1525はビア、1526は導体パターン、1527は導体パターンである。
[実施例10]
図16,17は、実施例10の光モジュール構成を示す断面図である。図16に示された光モジュールは、ボックス型のパッケージ1704によって構成されている。パッケージ1704内には、光素子1706が搭載されている。図16では、パッケージ1704内にICなどが記載されていないが、これは、光素子1706の使用方法によるものである。たとえば、光素子1706が発光素子である場合、光素子1706を駆動するICは、しばしば、光トランシーバ内のプリント基板上に搭載されることが多い。プリント基板上の導体パッドは、導体パッド1722と半田によって接続されることが多い。光素子1706上の導体パッド(図16に記載されず)、セラミック基板1703上の導体パッド(図16に記載されず)、セラミック基板1710上の導体パターン1709は、ワイヤ1707によって接続導通がなされている。
【0072】
セラミック基板1712上の導体パターン1709には、リードピン1717が導通固着されている。さらにリードピン1717は、ベースフィルムに設けられたスルーホール1718を貫通し、半田1716によって導体パターン1718の一部と導通固着される。
【0073】
電波吸収体1712の一部は、ベースフィルム1714とパッケージ1704に、Z軸方向が挟まれており、電波吸収体1712は、安定的に、セラミック基板1710に近接ないし接触して固定される。このように、電波吸収体1712は、その一部が、パッケージ1704、セラミック基板1710、ベースフィルム1714のうち2つの部材によってZ軸方向が挟まれれば、安定して、固定されることが可能となる。
【0074】
なお、導体パターン1711は、接地導体となっており、電波吸収体1712と近接もしくは接触している。これにより、接地導体パターンの電位が揺ぎ、共振電磁界が発生することを防ぐことが可能となっている。
【0075】
図16において、線F−F′を含むXY平面における断面図を図17に示す。セラミック基板1710には、信号伝送用の導体パターン1709とリードピンの他、接地導体用の導体パターン1724、1711、リードピン1723、ビア1727が配されている。更に、光素子1706用のバイアス、コントロール用の電源等を供給するために、導体パターン1725とリードピン1726が配されている。
【0076】
電波吸収体1712は、内部に空孔が設けられ、そこにセラミック基板1710の一部が位置している。また空孔には、凹部1728が設けられており、これは、電波吸収体によって、信号用の導体パターン1709を通る高周波信号が減衰してしまうことを防いでいる。電波吸収体1712は、セラミック基板1710上の導体パターン1711の一部と接触するように配置されている。
これは、導体パターン1709に高周波信号が流れると、接地導体パターン1711の電位が揺らぎ、更には、特定の周波数近傍にて共振を引き起こし、共振電磁界を放射しやすくなる。しかし、接地された導体パターン1711に、電波吸収体1712が接触近接して配置されることで、電波吸収体1712が電波を吸収し、これらの共振効率を低減させるという効果がある。
【0077】
ところで、電波吸収体1712は、リードピン1725にも接触している。また場合によっては、導体パターン1726にも接触することもある。これは、導体パターン1726やリードピン1725に乗ったノイズを吸収し、バイアスや電源の電位が揺らぐことを防ぐという効果がある。
【0078】
図16に戻って、電波吸収体1712は、金属でできたパッケージ1704と、ベースフィルム1714上の導体パターン1713と接触もしくは、近接している。これにより、パッケージ1704、導体パターン1713上にのったノイズや、共振電磁界放射が起きることを抑制することができる。
【0079】
以上のように、一部がセラミック基板で構成された光モジュールでは、電波吸収体を、光モジュールのパッケージ、セラミック基板、外部の伝送線路基板(フレキシブル基板)の一部で挟み込み、配置することは、電波吸収体を安定して配置固定するのみならず、高周波ノイズを効率的に防ぐという利点も有している。
【0080】
なお、図16及び図17の符号は次の構成を示している。1701は透光性基板、1702はレンズ、1703はセラミック基板、1704はパッケージ、1705はレンズホルダ、1706は光素子、1707はワイヤ、1708は台座、1709は導体パターン、1710はセラミック基板、1711は導体パターン、1712は電波吸収体、1713は導体パターン、1714はベースフィルム、1715は導体パッド、1716は半田、1717はリードピン、1718はスルーホール、1719は導体パターン、1720は導体パターン、1721はスルーホール、1722は導体パッド、1723はリードピン、1724は導体パターン、1725はリードピン、1726は導体パターン、1727はビア、1728は凹部である。
[実施例11]
図18、図19は、実施例11の光モジュール構成を示す断面図である。どちらも、光モジュールのパッケージから突出しているセラミック基板の断面図を示している。
【0081】
図18から説明する。セラミック基板上には、導体パターン1906は高周波伝送用であり、信号伝播方向はおおよそZ軸方向である。導体パターン1904、1911は、接地導体用である。導体パターン1908は、電源、モニタ用のである。導体パターン1906に高周波信号が伝播すると、接地用の導体パターン1904や1911の電位に揺らぎが生じる。ある特定の周波数において、これらの揺らぎは共振を起こし、共振電磁界として外部に放射されることがある。共振が起きる場合、導体パターンの外縁に共振電磁界は局在しやすい。そこで、図18では、導体パターン1911の外縁に触れるように、電波吸収体1902が配置されていることがわかる。更に、電波吸収体1902は、リードピン1903の上方から触れており、接地導体で起きる共振を低減させている。また、電波吸収体1902は、電源、モニタ用のリードピン1907にも触れているが、これは、電源、モニタ伝送路に乗るノイズを防ぐという利点がある。図18では示していないが、電波吸収体1902は、リードピン1903、1907だけでなく、導体パターン1904、1908に触れる形状をなしていてもよい。
【0082】
図18では、導体パターン1906から多層セラミック基板1909のY軸正方向には、電波吸収体1902が配置されていない。これは、信号である高周波信号が電波吸収体1902に吸収されるのを防ぐためである。
【0083】
さて、図18では、電波吸収体1902の外側に、金属枠1901が、セラミック基板1909と電波吸収体1902を囲むように配置されている。これは、電波吸収体1902で防ぎきれない放射電磁界が、光モジュール近傍から飛び出すのを防ぐ効果がある。無論、金属枠1901は、光モジュールのパッケージ、セラミック基板、外部の伝送線路基板(フレキシブル基板)で挟み込み、配置されても良く、金属枠1901を安定して配置固定することが可能となる。
【0084】
図19の説明をする。金属枠1909には空孔が設けられており、この空孔に多層セラミック基板1909が位置している。すなわち、セラミックの多層セラミック基板1909は、金属枠1901によって囲まれている。これは、セラミック基板上の導体パターン1904、1906、1908、1911から放射される電磁界を遮蔽する効果をもたらしている。なお、金属枠1901は、接地導体となっており、リードピン1903、導体パターン1911に接触導通できる形状となっている。これにより、リードピン1903、導体パターン1911の電位揺らぎを最小にすることが可能となっている。金属枠1901は、リードピン1903のみならず、導体パターン1904と接触導通できる形状と成っていてもよい。
【0085】
なお、図18及び図19の符号は次の構成を示している。1901は金属枠、1902は電波吸収体、1903はリードピン、1904は導体パターン、1905はリードピン、1906は導体パターン、1907はリードピン、1908は導体パターン、1909はセラミック基板、1910はビア、1911は導体パターンである。
[実施例12]
図20は、実施例12の光モジュール構成を示す断面図である。パッケージ2121は、金属材質のパッケージであり、湿気などに弱い光素子2119を気密封止するために、光信号が通る部分は、無機材質で出来た透光性基板2122、電気信号が通る部分は、セラミック基板2115で構成されている。セラミック基板2115は多層で出来ており、層の間には、導体パターン2116がパターニングされている。またパッケージ2121外部の導体パターン2116上には、リードピン2111が固着されている。セラミック基板2115裏面側の導体パターン2112にはリードピン2126が固着されている。ベースフィルム2109を基材とするフレキシブル基板上には、導体パターン2110、2102、2113、導体パッド2108、2107等がパターニングされている。また、絶縁体であるベースフィルム2109の表裏を結ぶ伝送路として、スルーホール2104等が配置されている。リードピン2105と導体パッド2107は、半田2106によって固定されている。また、リードピン2126と導体パターン2102も、半田2103によって固定されている。以上のようにして、ベースフィルム2109と、パッケージ2121、セラミック基板2115の相対的位置は固定されるのである。
【0086】
さて、電波吸収体2114は、中空の孔が設けられており、この孔の内側に、セラミック基板2115の一部が位置している。そして、電波吸収体の一部は、そのZ軸方向が、パッケージ2121、ベースフィルム2109によって挟まれている。以上により、電波吸収体2114は、セラミック基板2115近傍で固定される。
【0087】
図21は、図20を線G−G’を含むXY平面で切った断面図である。セラミック基板2115上面には、信号伝送用の導体パターン2116、接地用の導体パターン2130がパターニングされており、セラミック基板2115裏面側には、接地用の導体パターン2112と、電源や制御用の導体パターン2127がパターニングされている。そして、各導体パターン上には、リードピン2105、2126、2128、2131が固着されている。そして、電波吸収体2114は、接地用のリードピン2131、2126、電源・制御用のリードピン2128と直接接触しており、電位の揺らぎによって発生した、不要電磁界を吸収する効率を最大限にしている。無論、電波吸収体2114は、接地用の導体パターン2130、電源・制御用の導体パターン2127と接触するような形状となっていてもよい。さて、電波吸収体2114には凹部が設けられており、電波吸収体2114とリードピン2105が離間するような構成となっている。これは、電波吸収体が信号を吸収してしまうことを防ぐという効果を有している。
【0088】
なお、図20及び図21の符号は次の構成を示している。2101はスルーホール、2102は導体パターン、2103は半田、2104はスルーホール、2105はリードピン、2106は半田、2107は導体パッド、2108は導体パッド、2109はベースフィルム、2110は導体パターン、2111はリードピン、2112は導体パターン、2113は導体パターン、2114は電波吸収体、2115はセラミック基板、2116は導体パターン、2117はセラミック基板、2118は台座、2119は光素子、2120はレンズホルダ、2121はパッケージ、2122は透光性基板、2123はレンズ、2124はIC、2125はワイヤ、2126はリードピン、2127は導体パターン、2128はリードピン、2129はビア、2130は導体パターン、2131はリードピン、2132は凹部である。
[実施例13]
図22は、実施例13の光モジュールを内包した光トランシーバの断面図である。光トランシーバは、筐体2332の中に、セラミック基板2308やベースフィルム2310によって構成される光モジュール、ICパッケージ2320やコネクタ2330を搭載したプリント基板2317などを内包して構成される。
【0089】
本実施例では、光モジュールは同軸型の例が示されている。電波吸収体2309は、光モジュール基材の一部をなすフランジ2307と、ベーフィルム2310によってZ軸方向が挟まれて固定されている。これにより、セラミック基板2308側部より放射される電磁界を吸収し、共振等を防ぎ、光モジュールの安定動作に寄与するとともに、光トランシーバの筐体内2332に、ノイズが放出されるのを防ぐ役割を担っている。
【0090】
フレキシブル基板を構成するベースフィルム2310上には、導体パターン2313、2314がパターニングされており、半田2315によってプリント基板2317上の導体パターン2316に固着されている。プリント基板2317は多層基板で出来ており、内層にも導体パターン2318等がパターニングされている。各層の導体パターンは、ビア2319、2324や、スルーホールなどによって接続導通されている。電気のコネクタ2330は、光トランシーバと、伝送装置内のボード間の電気インタフェースをなしている。電気のコネクタ形状や仕様は様々であるが、本実施例では、電気コネクタ2330にスルーホール2331を有しており、メス型のコネクタとなっている。本実施例にしめした光トランシーバを伝送装置に搭載する場合、伝送装置内のボード上には、オスの電気コネクタを搭載する必要がある。スルーホール2331は、導体パッド2328と導通がとられており、半田2327によって、導体パッド2326に固定されている。
【0091】
なお、図22の符号は次の構成を示している。2301はファイバ、2302はスリーブ、2303はホルダ、2304はレンズ、2305はフタ、2306は光素子、2307はフランジ、2308はセラミック基板、2309は電波吸収体、2310はベースフィルム、2311は半田、2312はリードピン、2313は導体パターン、2314は導体パターン、2315は半田、2316は導体パターン、2317はプリント基板、2318は導体パターン、2319はビア、2320はICパッケージ、2321は放熱ゲル、2322は半田、2323は導体パターン、2324はビア、2325はビア、2326は導体パッド、2327は半田、2328は導体パッド、2329はビア、2330はコネクタ、2331はスルーホール、2332は筐体である。
【符号の説明】
【0092】
0101…レンズ、0102…フタ、0103…光素子、0104…ワイヤ、0105…フランジ、0106…セラミック基板、0107…導体パッド、0108…接着剤、0109…電波吸収体、0110…導体パターン、0111…ビア、0112…導体パッド、0113…グランドパターン、0114…導体パッド、0115…スルーホール、0116…導体パターン、0117…半田、0118…リードピン、0119…スルーホール、0120…半田、0121…リードピン、0122…スルーホール、0123…導体パッド、0124…ベースフィルム、0125…導体パターン、0126…半田、0127…プリント基板、0128…グランドパターン、0129…導体パターン、0130…導体パッド、0131…導体パッド、0301…レンズ、0302…フタ、0303…光素子、0304…フランジ、0305…セラミック基板、0306…導体パターン、0307…電波吸収体、0308…導体パターン、0309…ベースフィルム、0310…導体パッド、0311…半田、0312…リードピン、0313…スルーホール、0314…伝送路パターン、0315…グランドパターン、0316…スルーホール、0317…導体パッド、0318…導体パッド、0319…導体パターン、0320…導体パターン、0321…導体パッド、0322…導体パターン、0323…孔、0501…フタ、0502…接着剤、0503…電波吸収体、0504…ビア、0505…導体パターン、0506…導体パッド、0507…ベースフィルム、0508…フランジ、0509…導体パターン、0510…ビア、0511…導体パターン、0512…半田、0513…リードピン、0514…導体パッド、0515…導体パッド、0516…導体パターン、0517…導体パターン、0518…セラミック基板、0701…レンズ、0702…フタ、0703…光素子、0704…ワイヤ、0705…フランジ、0706…導体パターン、0707…電波吸収体、0708…セラミック基板、0709…リードピン、0710…導体パッド、0711…半田、0712…ベースフィルム、0713…リードピン、0714…スルーホール、0715…導体パターン、0716…導体パッド、0717…ビア、0718…導体パッド、0719…導体パターン、0720…スルーホール、0721…導体パッド、0722…半田、0723…プリント基板、0724…導体パターン、0725…カバーフィルム、0726…カバーフィルム、0727…導体パターン、0728…リードピン、0801…フタ、0802…レンズ、0803…フランジ、0804…金属枠、0805…導体パターン、0806…ベースフィルム、0807…導体パッド、0808…導体パターン、0809…導体パッド、0810…半田、0811…リードピン、0812…導体パッド、0813…リードピン、0814…スルーホール、0815…導体パッド、0816…セラミック基板、0817…導体パッド、0818…導体パッド、0819…ワイヤ、0820…光素子、0821…導体パッド、0822…スルーホール、1101…リードピン、1102…電波吸収体、1103…フランジ、1104…セラミック基板、1105…半田、1106…導体パターン、1107…プリント基板、1108…導体パターン、1109…ビア、1110…導体パッド、1111…導体パッド、1112…導体パターン、1113…ワイヤ、1114…光素子、1115…フタ、1116…レンズ、1117…導体パッド、1201…フタ、1202…フランジ、1203…導体パターン、1204…導体パターン、1205…電波吸収体、1206…ベースフィルム、1207…導体パッド、1208…半田、1209…リードピン、1210…導体パターン、1211…リードピン、1212…半田、1213…導体パターン、1214…スルーホール、1215…導体パターン、1216…導体パターン、1217…セラミック基板、1218…ビア、1219…導体パッド、1220…導体パターン、1221…ビア、1301…フタ、1302…導体パターン、1303…導体パターン、1304…電波吸収体、1305…ベースフィルム、1306…導体パターン、1307…導体パッド、1308…リードピン、1309…半田、1310…導体パターン、1311…導体パターン、1312…導体パターン、1313…導体パターン、1314…スルーホール、1315…導体パッド、1316…導体パターン、1317…導体パッド、1318…ビア、1319…セラミック基板、1320…フランジ、1321…ワイヤ、1322…光素子、1323…孔、1324…リードピン、1325…孔、1326…スルーホール、1327…スルーホール、1501…透光性基板、1502…パッケージ、1503…光素子、1504…ワイヤ、1505…IC、1506…導体パターン、1507…レンズ、1508…レンズホルダ、1509…台座、1510…中継基板、1511…セラミック基板、1512…導体パターン、1513…電波吸収体、1514…接着剤、1515…スルーホール、1516…導体パッド、1517…導体パターン、1518…リードピン、1519…半田、1520…導体パターン、1521…ベースフィルム、1522…スルーホール、1523…導体パッド、1524…導体パターン、1525…ビア、1526…導体パターン、1527…導体パターン、1701…透光性基板、1702…レンズ、1703…セラミック基板、1704…パッケージ、1705…レンズホルダ、1706…光素子、1707…ワイヤ、1708…台座、1709…導体パターン、1710…セラミック基板、1711…導体パターン、1712…電波吸収体、1713…導体パターン、1714…ベースフィルム、1715…導体パッド、1716…半田、1717…リードピン、1718…スルーホール、1719…導体パターン、1720…導体パターン、1721…スルーホール、1722…導体パッド、1723…リードピン、1724…導体パターン、1725…リードピン、1726…導体パターン、1727…ビア、1728…凹部、1901…金属枠、1902…電波吸収体、1903…リードピン、1904…導体パターン、1905…リードピン、1906…導体パターン、1907…リードピン、1908…導体パターン、1909…セラミック基板、1910…ビア、1911…導体パターン、2101…スルーホール、2102…導体パターン、2103…半田、2104…スルーホール、2105…リードピン、2106…半田、2107…導体パッド、2108…導体パッド、2109…ベースフィルム、2110…導体パターン、2111…リードピン、2112…導体パターン、2113…導体パターン、2114…電波吸収体、2115…セラミック基板、2116…導体パターン、2117…セラミック基板、2118…台座、2119…光素子、2120…レンズホルダ、2121…パッケージ、2122…透光性基板、2123…レンズ、2124…IC、2125…ワイヤ、2126…リードピン、2127…導体パターン、2128…リードピン、2129…ビア、2130…導体パターン、2131…リードピン、2132…凹部、2301…ファイバ、2302…スリーブ、2303…ホルダ、2304…レンズ、2305…フタ、2306…光素子、2307…フランジ、2308…セラミック基板、2309…電波吸収体、2310…ベースフィルム、2311…半田、2312…リードピン、2313…導体パターン、2314…導体パターン、2315…半田、2316…導体パターン、2317…プリント基板、2318…導体パターン、2319…ビア、2320…ICパッケージ、2321…放熱ゲル、2322…半田、2323…導体パターン、2324…ビア、2325…ビア、2326…導体パッド、2327…半田、2328…導体パッド、2329…ビア、2330…コネクタ、2331…スルーホール、2332…筐体、2401…フランジ、2402…電波吸収体、2403…導体パターン、2404…プリント基板、2405…シグナルパッド、2406…セラミック基板、2407…導体パターン、2408…ビア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送受信用光素子と、
前記送受信用光素子を格納したパッケージと、
信号用導体パターンとグランド用導体パターンを備え、前記パッケージ内外の電気的な接続を行う多層セラミック基板と、
前記パッケージ外に配置され、前記多層セラミック基板の前記信号導体パターンと電気的な接続を行う第2の基板と、
前記信号用導体パターンを含む他の導体パターンよりも前記多層セラミック基板のグランド用導体パターンの方が近い位置に、前記セラミック基板の伝搬経路に沿って配置され、前記パッケージを構成する部材の一部に固定される電波吸収体または電波遮蔽体とを有することを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記電波吸収体および前記電波遮蔽体が、前記多層セラミック基板と接していることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項3】
前記電波吸収体の材質は、フェライト及びカーボンから構成された第1の固体、前記フェライト及びカーボンを有機材料に混ぜた第2の固体、金属から構成された第3の固体、または有機材料に金属を混ぜた第4の固体のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項4】
電波吸収体または電波遮蔽体は、接着剤を介して固定されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項5】
前記電波吸収体又は前記電波遮蔽体は、前記多層セラミック基板のグランド導体パターンの主平面と同一平面上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項6】
前記多層セラミック基板のグランド用導体パターンの上方向には、電波吸収体が配置されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項7】
前記光モジュールを構成する部材の一部が、前記電波吸収体または前記電波遮蔽体の多層セラミック基板に近接する面以外の側部に位置し近接して配置されることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項8】
前記光モジュールを構成する部材の一部が、前記電波吸収体、または前記電波遮蔽体の側部に位置し、対向する2方向から、前記電波吸収体、または前記電波遮蔽体に近接して配置されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項9】
前記電波吸収体または前記電波遮蔽体の側部に、前記第2の基板が位置することを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項10】
前記電波吸収体、または前記電波遮蔽体は筒の円弧の一部が欠けたC字状になっており、前記C字状内側に前記多層セラミック基板の一部が配置されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項11】
前記多層セラミック基板の表層にある信号用の導体パターンの上方以外に、前記電波吸収体または前記電波遮蔽体が配置されていることを特徴とする請求項10記載の光モジュール。
【請求項12】
前記電波吸収体または前記電波遮蔽体は空孔を備えた筒状であり、
前記空孔内に前記多層セラミック基板の一部が配置されることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項13】
前記空孔には凹部が設けられており、
前記多層セラミック基板表層の信号用導体パターンの法線方向上方には、前記凹部が位置していることを特徴とする請求項12記載の光モジュール。
【請求項14】
前記電波吸収体または前記電波遮蔽体が、前記多層セラミック基板の表層または裏面にあるグランド用導体パターンに接触して配置されているか、前記グランド用導体パターンと導通固着がとられた導体に接触して配置していることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項15】
前記電波吸収体または前記電波遮蔽体が、前記多層セラミック基板の表層または裏面にある信号用導体パターン以外の導体パターンに接触して配置しているか、前記信号用導体パターン以外の導体パターンと導通固着がとられた別の導体に接触して配置していることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項16】
前記電波吸収体または前記電波遮蔽体が、
前記第2の基板上の導体パターンの一部に接触して配置されているか、
前記第2の基板上の導体パターンの上方にコーティングされた有機カバー層の上方に配置接触されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項17】
前記セラミック基板の信号用導体パターンの信号伝播方向に沿って、前記第2の基板が前記多層セラミック基板に固定されていることを特徴とする請求項8記載の光モジュール。
【請求項18】
前記多層セラミック基板上にはリードピンが設けられ、
前記第2の基板にはスルーホールまたは孔が設けられ、
前記スルーホールまたは孔に前記リードピンが挿され、前記リードピンと前記第2の基板上の導体パターンの一部が半田によって固着されることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項19】
前記第2の基板は、フレキシブル基板によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項1】
送受信用光素子と、
前記送受信用光素子を格納したパッケージと、
信号用導体パターンとグランド用導体パターンを備え、前記パッケージ内外の電気的な接続を行う多層セラミック基板と、
前記パッケージ外に配置され、前記多層セラミック基板の前記信号導体パターンと電気的な接続を行う第2の基板と、
前記信号用導体パターンを含む他の導体パターンよりも前記多層セラミック基板のグランド用導体パターンの方が近い位置に、前記セラミック基板の伝搬経路に沿って配置され、前記パッケージを構成する部材の一部に固定される電波吸収体または電波遮蔽体とを有することを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記電波吸収体および前記電波遮蔽体が、前記多層セラミック基板と接していることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項3】
前記電波吸収体の材質は、フェライト及びカーボンから構成された第1の固体、前記フェライト及びカーボンを有機材料に混ぜた第2の固体、金属から構成された第3の固体、または有機材料に金属を混ぜた第4の固体のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項4】
電波吸収体または電波遮蔽体は、接着剤を介して固定されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項5】
前記電波吸収体又は前記電波遮蔽体は、前記多層セラミック基板のグランド導体パターンの主平面と同一平面上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項6】
前記多層セラミック基板のグランド用導体パターンの上方向には、電波吸収体が配置されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項7】
前記光モジュールを構成する部材の一部が、前記電波吸収体または前記電波遮蔽体の多層セラミック基板に近接する面以外の側部に位置し近接して配置されることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項8】
前記光モジュールを構成する部材の一部が、前記電波吸収体、または前記電波遮蔽体の側部に位置し、対向する2方向から、前記電波吸収体、または前記電波遮蔽体に近接して配置されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項9】
前記電波吸収体または前記電波遮蔽体の側部に、前記第2の基板が位置することを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項10】
前記電波吸収体、または前記電波遮蔽体は筒の円弧の一部が欠けたC字状になっており、前記C字状内側に前記多層セラミック基板の一部が配置されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項11】
前記多層セラミック基板の表層にある信号用の導体パターンの上方以外に、前記電波吸収体または前記電波遮蔽体が配置されていることを特徴とする請求項10記載の光モジュール。
【請求項12】
前記電波吸収体または前記電波遮蔽体は空孔を備えた筒状であり、
前記空孔内に前記多層セラミック基板の一部が配置されることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項13】
前記空孔には凹部が設けられており、
前記多層セラミック基板表層の信号用導体パターンの法線方向上方には、前記凹部が位置していることを特徴とする請求項12記載の光モジュール。
【請求項14】
前記電波吸収体または前記電波遮蔽体が、前記多層セラミック基板の表層または裏面にあるグランド用導体パターンに接触して配置されているか、前記グランド用導体パターンと導通固着がとられた導体に接触して配置していることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項15】
前記電波吸収体または前記電波遮蔽体が、前記多層セラミック基板の表層または裏面にある信号用導体パターン以外の導体パターンに接触して配置しているか、前記信号用導体パターン以外の導体パターンと導通固着がとられた別の導体に接触して配置していることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項16】
前記電波吸収体または前記電波遮蔽体が、
前記第2の基板上の導体パターンの一部に接触して配置されているか、
前記第2の基板上の導体パターンの上方にコーティングされた有機カバー層の上方に配置接触されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項17】
前記セラミック基板の信号用導体パターンの信号伝播方向に沿って、前記第2の基板が前記多層セラミック基板に固定されていることを特徴とする請求項8記載の光モジュール。
【請求項18】
前記多層セラミック基板上にはリードピンが設けられ、
前記第2の基板にはスルーホールまたは孔が設けられ、
前記スルーホールまたは孔に前記リードピンが挿され、前記リードピンと前記第2の基板上の導体パターンの一部が半田によって固着されることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項19】
前記第2の基板は、フレキシブル基板によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
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【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−155091(P2011−155091A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14990(P2010−14990)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(301005371)日本オプネクスト株式会社 (311)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(301005371)日本オプネクスト株式会社 (311)
【Fターム(参考)】
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