説明

光周波数発生器を用いた絶対距離測定方法及びシステム

【課題】光周波数発生器を用いた絶対距離測定方法及びシステム。
【解決手段】(a)光周波数発生器100を用いて、安定化した異なる複数の波長λを生成するステップと、(b)周波数走査干渉計200を用いて、測定する距離の初期推定値を取得するステップと、(c)取得した初期推定値の不確度の範囲を分析するステップと、(d)多波長干渉計によって各波長λに対する干渉信号を解析して、各波長λに対する小数部εを測定するステップと、(e)初期推定値の不確度の範囲内で、各波長λに対する整数部mを決定するステップと、(f)上記異なる複数の波長λに対するそれぞれの小数部ε及び整数部mを用いて、測定する距離の絶対距離Lを測定するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光周波数発生器を用いた絶対距離測定方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
絶対距離測定は、測定面を移動させることなく所望の距離を一度に測定する方法である。現在広く使われている干渉原理を利用している測長器は、測定面の移動によって生じる干渉パターンの位相変化を連続して積分し、該測定面の初期位置と最終位置との間の相対変位を測定する。
【0003】
この方法は、光源の波長をルーラー(ruler )として用いているため、高い測定不確度を有する長さ標準にも対応可能な測定法であり、位相の変化が測定面の変位を意味するので、複雑な計算処理を必要とすることなしに高速に測定が可能であるという長所を有している。
【0004】
しかしながら、位相不確かさの問題によって、距離を測定する際に必ず測定面を所望の分だけ移動させることが必要であるとともに、位相変化を連続して積分するので、測定過程において信号に含まれている幾つかの誤り成分も累積されてしまうという短所を有している。
【0005】
そのため、既存の干渉計の幾つかの長所を生かしながら絶対距離を測定することができる測定器の必要性が提起されてきており、それに対する研究開発も活発に行われてきている。
【0006】
干渉原理を用いた絶対距離測定には、同じ距離を二つ以上の幾つかの光波長を用いて測定する多波長干渉計と、光周波数を一定の広さ及び周期で走査して測長する周波数走査干渉計とをはじめとした幾つかの方法が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このうち、多波長干渉計は、高い測定不確度を有する距離を測定可能であるとともに、光の短波長を用いる光干渉計の長所をよく生かすことができる絶対距離測定法の一つである。ところが、測定する距離を一定の範囲内に推定しなければならないという短所があり、このためゲージブロック測定などの測定する長さの初期予測が可能な特定な分野のみで使われている。
【0008】
また、従来の絶対距離干渉法は、光源の安定性の問題、アルゴリズムの問題などの技術的な問題によって、相対変位測定法で得ることができる水準の測定確度を有していないという問題があった。
【0009】
本発明は上記の問題に鑑みて成されたものであって、その目的は、周波数走査干渉計の原理を適用した多波長干渉計において既存の波長の安定度及び精度で制限された測定領域を拡張すると共に、既存の相対変位測定において光干渉計が有する高い測定確度特性を維持しながら絶対距離を測定することができる、光周波数発生器を用いた絶対距離測定方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の一側面による光周波数発生器を用いた絶対距離測定方法は、(a)前記光周波数発生器を用いて、安定化した異なる複数の波長を生成するステップと、(b)周波数走査干渉計を用いて、測定する距離の初期推定値を取得するステップと、(c)前記取得した初期推定値の不確度の範囲を分析するステップと、(d)多波長干渉計の原理によって、各波長に対する干渉信号を解析して該各波長に対する小数部を測定するステップと、(e)前記初期推定値の不確度の範囲内において前記各波長に対する整数部を決定するステップと、(f)前記異なる複数の波長に対するそれぞれの小数部と整数部とを用いて、測定する距離の絶対距離を測定するステップとを含む。
【0011】
前記ステップ(a)は、(a1)外部共振器レーザダイオード(ECLD)から発生した単波長のレーザとフェムト秒レーザの光コム(多波長のレーザパルス)との周波数干渉によって、うなり周波数(beat frequency)を発生するステップと、(a2)前記うなり周波数を所定の基準周波数に同期させるための電気制御信号を位相ロック回路(PLL)により生成して、該電気制御信号を前記外部共振器レーザダイオードに供給するステップと、(a3)前記外部共振器レーザダイオードにより、前記位相ロック回路(PLL)から供給された電気的制御信号に応じて安定化した波長を生成するステップとを含む。
【0012】
前記ステップ(a)は、(a1)フェムト秒レーザの光コムから単一周波数成分を抽出するステップと、(a2)前記抽出された単一周波数成分を有する光をレーザダイオードに与えるステップと、(a3)前記抽出された単一周波数成分を前記レーザダイオードで増幅して、安定化した周波数の波長を生成するステップとを含む。
【0013】
また、上記の目的を達成するために、本発明の他の側面による光周波数発生器を用いた絶対距離測定システムは、安定化した異なる複数の波長を生成し、該異なる複数の波長のうち第1の波長(λ)から第2の波長(λ)までの連続的な周波数走査を行うことが可能な光周波数発生モジュールと、前記光周波数発生モジュールから出射された前記異なる複数の波長の各々に対する小数部を測定し、前記第1の波長(λ)から第2の波長(λ)までの連続的な周波数走査による両波長間の位相差(Δφ)を測定するための干渉計モジュールとを含む。
【0014】
前記光周波数発生モジュールは、単波長のレーザを発生するための外部共振器レーザダイオードと、光コム(多波長のレーザパルス)を発生するためのフェムト秒レーザと、前記外部共振器レーザダイオードから発生した単波長のレーザと前記フェムト秒レーザの光コムとの周波数干渉によって生成されたうなり周波数を測定するためのアバランシェ・フォトダイオードと、前記アバランシェ・フォトダイオードで測定された前記うなり周波数を所定の基準周波数に同期させるための電気制御信号を生成し、該電気制御信号を前記外部共振器レーザダイオードに出力する位相ロック回路部とを含み、前記外部共振器レーザダイオードは、前記位相ロック回路部から出力された電気制御信号に応じて、安定化した周波数の波長を生成して、該波長を有する光を前記干渉計モジュールに出射する。
【0015】
前記光周波数発生モジュールは、多波長のレーザパルスとして光コムを生成するためのフェムト秒レーザと、前記フェムト秒レーザの光コムから単一周波数成分を抽出するための光周波数取出部と、前記光周波数取出部から抽出された前記単一周波数成分を有する光を増幅して安定化した周波数の波長を生成して、該波長を有する光を前記干渉計モジュールに出射する光周波数増幅部とを含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、周波数標準に遡及して所望の波長を自動で得ることのできる光周波数発生器を用いて、複数の波長を生成し、絶対距離測定だけでなく空気中の測定において最も問題になる空気屈折率補償を行うことが可能となり、精密長さ測定に広く適用することができる。また安定な波長及び周波数を必要とする分光学、生命工学での測定、断層測定、厚さ測定、標準測定など多様な分野への応用が可能である。
【0017】
また、本発明は、現在広く使われている相対変位干渉法はもちろん、測定面の動きなしに一回の測定で距離を得ることができる絶対距離干渉法への適用も可能で、連続して測定面を移動させずとも、高い測定分解能を要する半導体及びLCD装備のような大型超精密機器の位置決め、航空機、宇宙船及び超大型船舶の組立及び位置選定、大型橋のような建築構造物の建設及び宇宙で人工衛星間の位置決めなどの作業にも広く適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳記する。本明細書に記載された実施の形態と図面に示されている構成は、本発明の好適な一実施の形態に過ぎず、本発明の技術的思想を全て包含するものではない。本出願時点においてこれらに代わることができる多様な均等物や変形例があり得る。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態による、光周波数発生器を用いて絶対距離を測定するための干渉計の光学構成を示す図面であり、図2は、図1の光周波数発生モジュールで安定化した光周波数を生成する一例を示す図面である。
【0020】
図1に示すように、本発明は概して、光周波数発生モジュール100と干渉計モジュール200とを含む。
外部波長可変光源ベースの光周波数発生モジュール100は、外部共振器レーザダイオード(ECLD)101と、フェムト秒レーザ102と、偏光ビーム分割器(PBS)103と、偏光子(P)104と、光フィルタ105と、アバランシェ・フォトダイオード(APD3)106と、位相ロック回路(PLL)107とを含む。
【0021】
外部共振器レーザダイオード(ECLD)101は、単波長のレーザを発生し、波長の可変範囲は765〜781nmである。
また、外部共振器レーザダイオード(ECLD)101は、位相ロック回路(PLL)107から伝送される電気的制御信号に応じて、安定化した周波数の波長を生成して干渉計モジュール200へと出射する。
【0022】
フェムト秒レーザ102は、多波長のレーザパルスを発生する。
偏光ビーム分割器(PBS)103は、外部共振器レーザダイオード(ECLD)101から入射する単波長レーザとフェムト秒レーザ102から入射する多波長レーザとを偏光方向に応じて透過または反射させる。この時、フェムト秒レーザ102と外部共振器レーザダイオード101との周波数干渉によって、うなり周波数が生成される。
【0023】
偏光子(P)104は、偏光ビーム分割器(PBS)103で発生した干渉を検証するために、偏光ビーム分割器(PBS)103で反射されたレーザと透過するレーザとから直線偏光を取出す。
【0024】
光フィルタ105は、偏光子(P)104から取出されて入射する直線偏光を一定波長帯域で選択的に透過させる。
アバランシェ・フォトダイオード(APD3)106は、光フィルタ105で選択的に透過された直線偏光を用いて、偏光ビーム分割器(PBS)103でのフェムト秒レーザ102の光コム(optical comb)と外部共振器レーザダイオード101との周波数干渉によって生成されたうなり周波数を測定する。
【0025】
位相ロック回路(PLL)107は、アバランシェ・フォトダイオード(APD3)106から得られたうなり周波数を所定の基準周波数に同期させて外部共振器レーザダイオード(ECLD)101を安定化させるための電気制御信号を出力する。
【0026】
即ち、偏光ビーム分割器(PBS)103におけるフェムト秒レーザ102の光コムと外部共振器レーザダイオード101との周波数干渉によって生成されたうなり周波数を測定することによって、外部共振器レーザダイオード(ECLD)から出射される光の周波数fcwが分かる。これについて、添付の図2を参照してより具体的に説明する。
【0027】
図2に示すように、フェムト秒レーザ102の光コムから出射される多波長レーザと外部共振器レーザダイオード(ECLD)101から出射される単波長レーザとが一致すると周波数干渉が発生し、うなり周波数を測定することができる。
【0028】
フェムト秒レーザ102から出射される安定したフェムト秒レーザの周波数コムでi番目の周波数成分は、下記の[数1]のように表すことができる。また[数2]から、外部共振器レーザダイオード(ECLD)から出射される光の周波数fcwが分かる。
【0029】
【数1】

ここで、
:i番目の周波数成分
i:整数
:パルス繰返し周期
:搬送波オフセット周波数(CEO周波数)
【0030】
【数2】

cw:外部共振器レーザダイオード(ECLD)から出射される光の周波数
:うなり周波数
このように、外部共振器レーザダイオード(ECLD)から出射される光の周波数fcwは、i番目の周波数成分fにうなり周波数fを合算することで求められる。
【0031】
この時、外部共振器レーザダイオード(ECLD)から出射される光の周波数fcwはチューニング周波数範囲内の不安定な周波数である。位相ロック回路(PLL)107でうなり周波数(f)を所定の基準周波数に同期させるための電気制御信号が外部共振器レーザダイオード(ECLD)101に伝送されると、外部共振器レーザダイオード(ECLD)から安定した周波数fcwを有する光が出射される。
【0032】
干渉計モジュール200は、コリメータレンズ201と、第1の偏光ビーム分割器(PBS1)202と、音響光学変調器(AOM)203と、第1のミラー(M1)204と、第2のミラー(M2)205と、ビーム分割器(BS)206と、第1の偏光子207と、第1のアバランシェ・フォトダイオード(APD1)208と、第2の偏光ビーム分割器(PBS2)209と、第1の1/4波長板(QWP1)210と、ターゲットミラー211と、第2の1/4波長板(QWP2)212と、レトロリフレクタ213と、第2の偏光子214と、第2のアバランシェ・フォトダイオード(APD2)215とを含む。
【0033】
コリメータレンズ201は光周波数発生モジュール100の外部共振器レーザダイオード(ECLD)101から出射されて光ファイバを介して伝達される、高い安定度の光をコリメートする。
【0034】
第1の偏光ビーム分割器(PBS1)202は、コリメータレンズ201でコリメートされた光を偏光によって透過光と反射光とに分ける。
音響光学変調器(AOM)203は、第1の偏光ビーム分割器(PBS1)202からの反射光の周波数を無線周波数帯域の変調周波数f分だけ遷移させる。
【0035】
第1のミラー(M1)204は、音響光学変調器(AOM)203の無線周波数帯域の変調周波数f分だけ周波数遷移された光を反射させる。
第2のミラー(M2)205は、第1のミラー204で反射された光を反射させ、ビーム分割器(BS)206に出射する。
【0036】
ビーム分割器(BS)206は、第1の偏光ビーム分割器(PBS1)202で分割された透過光と第2のミラー205で反射された光とを入射して、その混合光を分割して2方向に出射する。
【0037】
第1の偏光子207は、ビーム分割器(BS)206で混合された一成分の光を第1のアバランシェ・フォトダイオード(APD1)208に出射する。
第1のアバランシェ・フォトダイオード(APD1)208は、第1の偏光子207から入射した一成分の光を干渉させ、音響光学変調器(AOM)203の変調周波数成分を有する干渉信号を生成する。
【0038】
第2の偏光ビーム分割器(PBS2)209は、ビーム分割器(BS)206から入射する他の成分の光を偏光によって反射光と透過光とに分けて、該反射光はレトロリフレクタ213に出射し、該透過光はターゲットミラー211に出射する。
【0039】
ここで、コリメートされた光が上記第1の偏光ビーム分割器(PBS1)202で反射光と透過光とに分割されたように、レトロリフレクタ213に出射される反射成分の光は、音響光学変調器(AOM)203の無線周波数帯域の変調周波数(fb)分だけ周波数遷移が行われた光であり、ターゲットミラー211に出射される透過成分の光は元の周波数を有する光である。
【0040】
また、第2の偏光ビーム分割器(PBS2)209は、ターゲットミラー211から反射して戻る光を第1の1/4波長板(QWP1)210を介して入射し、レトロリフレクタ213から反射して戻る光を第2の1/4波長板(QWP2)212を介して入射し、該入射した2つの光を第2の偏光子214に出射する。
【0041】
第1の1/4波長板(QWP1)210は、第2の偏光ビーム分割器(PBS2)209から入射する透過成分の光をターゲットミラー211に出射し、該ターゲットミラー211から反射して戻る光(偏光)を90度回転させて、第2の偏光ビーム分割器(PBS2)209に出射する。
【0042】
ターゲットミラー211は、第1の1/4波長板(QWP1)210を介して入射する透過成分の光を反射させて、第1の1/4波長板(QWP1)210に出射する。
第2の1/4波長板(QWP2)212は、第2の偏光ビーム分割器(PBS2)209から入射する反射成分の光をレトロリフレクタ213に出射し、該レトロリフレクタ213から反射して戻る光(偏光)を90度回転させて、第2の1/4波長板(QWP2)209に出射する。
【0043】
レトロリフレクタ213は、第2の1/4波長板(QWP2)212を介して入射する反射成分の光を反射させ、第2の1/4波長板(QWP2)212に出射する。第2の偏光子214は、第2の偏光ビーム分割器(PBS2)209から出射される透過成分の光と反射成分の光とを入射して,第2のアバランシェ・フォトダイオード(APD2)215に出射する。
【0044】
第2のアバランシェ・フォトダイオード(APD2)215は,第2の偏光子214から出射される透過成分の光と反射成分の光とを入射して、干渉信号を生成する。
結局、第1のアバランシェ・フォトダイオード(APD1)208で生成された干渉信号と第2のアバランシェ・フォトダイオード(APD2)215で生成された干渉信号との間の位相差を位相測定器で測定して、外部共振器レーザダイオード(ECLD)から出射される安定化した波長に対する小数部を求めることができるようになる。
【0045】
図3は、本発明の他の実施の形態による光周波数発生モジュールの光学構成を示す図面であり、図4は、図3の光周波数発生モジュールで安定化した光周波数を生成する一例を示す図面である。
【0046】
図3に示すように、本発明の光周波数取出ベースの光周波数発生モジュール300は,フェムト秒レーザ301と、レーザダイオード(LD)302と、第1のミラー(M1)303と、第2のミラー(M2)304と、第1の回折格子(DG1)305と、レンズ(L)306と、単一モード光ファイバー(SMF)307と、可変ファブリペロー干渉計(SFPI)308と、第1のビーム分割器(BS1)309と、第1のアバランシェ・フォトダイオード(APD1)310と、第1の半波長板(HWP1)311と、光遮断器312と、第2のビーム分割器(BS2)313と、音響光学変調器(AOM)314と、第2の半波長板(HWP2)315と、偏光ビーム分割器(PBS)316と、第3のミラー(M3)317と、偏光子(P)318と、第2の回折格子(DG2)319と、第2のアバランシェ・フォトダイオード(APD2)320と、第3のビーム分割器(BS3)321と、第4のビーム分割器(BS4)322と、波長測定器323と、光スペクトル分析器(OSA)324とを含む。
【0047】
フェムト秒レーザ301は,様々な周波数モード(周波数成分)を有するレーザパルスを発生する。
レーザダイオード(LD)302は、単独で使われれば、単波長のレーザを発生し、外部から注入同期レンジ(injection locking range)内の周波数を有する光を与えられると、該与えられた光を増幅して出力する。
【0048】
第1のミラー(M1)303は、フェムト秒レーザ301の光を反射させ、第1の回折格子(DG1)305に向けて出射する。
第1の回折格子(DG1)305は、フェムト秒レーザ301の様々な周波数モードの光を回折させ、波長によって異なる角度に1次回折光を出射する。この時、0次回折光は波長によって分離されない状態で第3のミラー(M3)317に出射される。
【0049】
第2のミラー(M2)304は、第1の回折格子(DG1)305から分光された1次回折光を反射させて、レンズ(L)306に向けて出射する。
レンズ(L)306は、第1の回折格子(DG1)305で波長によって分光され、第2のミラー(M2)304で反射された光のうち一定の波長帯域の光のみを取出して、単一モード光ファイバ(SMF)307に入射させる。
【0050】
単一モード光ファイバ(SMF)307は、レンズで取出された一定の波長帯域の光を伝送及びコリメートして、可変ファブリペロー干渉計(SFPI)308に出射する。
可変ファブリペロー干渉計(SFPI)308は、単一モード光ファイバ(SMF)307から伝送された光のうちから所望の帯域のみを微細に選択して、一つの周波数成分のみを取出して通過させる。この時、不所望の周波数成分の光量も一部残って通過し得る。
【0051】
第1のビーム分割器(BS1)309は、可変ファブリペロー干渉計(SFPI)308から入射した光を分割して、第1のアバランシェ・フォトダイオード(APD1)310及び第1の半波長板(HWP1)311の2つの方向に出射する。
【0052】
第1のアバランシェ・フォトダイオード(APD1)310は、可変ファブリペロー干渉計(SFPI)308を通過して第1のビーム分割器(BS1)309で反射された光量を測定する。これは、所望の一つの周波数成分を通過させるための可変ファブリペロー干渉計(SFPI)308の制御信号として使われる。
【0053】
第1のビーム分割器(BS1)309を透過した光は、第1の半波長板(HWP1)311を通過し、光遮断器312で反射されてレーザダイオード(LD)302に向かって伝送するように、偏光方向が調節される。
【0054】
光遮断器312は、レーザダイオード(LD)302から出力されて第2のビーム分割器(BS2)313の方向に進行する光は透過させ、その逆方向である第2のビーム分割器(BS2)313からレーザダイオード(LD)302の方向には光が進行できないようにする役割を果たす。また、第1の半波長板(HWP1)311の方から入射した光は、光遮断器312で反射されてレーザダイオード(LD)302に伝送される。
【0055】
即ち、光遮断器312は、フェムト秒レーザ301から所望の周波数成分のみが選択された光を、レーザダイオード(LD)302に与えて該周波数成分の増幅が発生するようにし、レーザダイオード(LD)302で増幅された光は第2のビーム分割器(BS2)313の方に通過させることによって、距離測定干渉計及び特性測定/制御に用いられるようにする。
【0056】
レーザダイオード(LD)302は、取出された周波数成分の光量を増幅すると共に、可変ファブリペロー干渉計(SFPI)308で残留した不所望の周波数成分の光量を完璧に除去する役割を果たす。
【0057】
第2のビーム分割器(BS2)313は、レーザダイオード(LD)302から出射して光遮断器312を通過したレーザを分割し、音響光学変調器(AOM)314と第3のビーム分割器(BS3)321との2つの方向に出射する。
【0058】
音響光学変調器(AOM)314は、フェムト秒レーザ301から取出及び増幅された周波数成分の安定度及び精度を測定/評価するために取出及び増幅された周波数成分を、一定の周波数(fAOM)分だけ遷移させるのに使われる。該周波数遷移された光は、第2の半波長板(HWP2)315に出射される。
【0059】
第2の半波長板(HWP2)315は、音響光学変調器(AOM)314から入射した光の偏光方向を調節し、偏光ビーム分割器(PBS)316で反射されて偏光子(P)318に向かう光の光量を調節する。
【0060】
第2の半波長板(HWP2)315から入射した光は、偏光ビーム分割器(PBS)316で第3のミラー(M3)317から入射した光と合わせられて、偏光子(P)318に出射される。
【0061】
この時、第2の半波長板(HWP2)315から入射した光は、フェムト秒レーザ301から選択及び増幅された周波数成分から一定の周波数(fAOM)分だけ遷移された光周波数を有し、第3のミラー(M3)317から入射したフェムト秒レーザ301自体の光と干渉するようになる。これらの間のうなり周波数を第2のアバランシェ・フォトダイオード(APD2)320で測定することにより、取出された周波数成分の安定度を評価する。
【0062】
偏光子(P)318は、偏光ビーム分割器(PBS)316で発生した干渉うなり周波数を確認するために、偏光ビーム分割器(PBS)316で反射される取出された単色のレーザ光と、透過する様々な周波数成分を有する光コムとから直線偏光を取出す。
【0063】
第2のアバランシェ・フォトダイオード(APD2)320で測定されたうなり周波数は、無線スペクトル分析器あるいは周波数計数器に与えられ、光周波数取出ベースの光周波数発生器の線幅(line width)、安定度、精度及びサイドモード抑圧比(SMSR)を確認するのに用いられ、また、制御が安定的に保持しているか否かに対する判別とレーザダイオード(LD)302の温度及び電流値の制御とにも用いられる。
【0064】
第3のビーム分割器(BS3)321は、第2のビーム分割器(BS2)313から入射したレーザ光を分割して、図1中の干渉計モジュール200及び第4のビーム分割器(BS4)322の2つの方向に出射する。
【0065】
第4のビーム分割器(BS4)322は、第3のビーム分割器(BS3)321から入射したレーザ光を分割して、波長測定器323及び光スペクトル分析器(OSA)324の2つの方向に出射する。
【0066】
波長測定器323によって、第4のビーム分割器(BS4)322から入射したレーザ光の光周波数の精度及び安定度を評価及び確認することができる。
光スペクトル分析器(OSA)324は、第4のビーム分割器(BS4)322から入射したレーザ光の光周波数の線幅、精度、安定度及びサイドモード抑圧比(SMSR)を評価及び確認することができる。
【0067】
即ち、光周波数取出ベースの光周波数発生器は、ファブリペロー周波数モード取出部(SFPI)308によって所望の周波数成分のみを取出した後、レーザダイオード(LD)302を用いて取出された周波数成分の光量のみを選択的に増幅する。この時、出射される光の光周波数は、光コムから取出された周波数成分の光周波数に対応する。これについて、添付の図4を参照しながら具体的に説明する。
【0068】
図4のように、フェムト秒レーザ301から出射されるレーザパルスは、等間隔の多くの周波数モード(周波数成分)を有し、レンズ(L)306を通過して一部の波長帯域のみが選択的に抽出され、ファブリペロー周波数モード取出部(SFPI)308を通過して、選択したいとする一つの周波数成分のみが抽出される。この時、不所望の周波数成分の光量が一部抽出されるようになるが、これはレーザダイオード(LD)302に与えられて増幅される過程で完全に除去される。取出された周波数成分をレーザダイオード(LD)302に与えることによって、50dB以上に該当する高水準の光増幅が可能である。
【0069】
フェムト秒レーザ301から出射される安定化したフェムト秒レーザの光コムでi番目の周波数成分は上記[数1]のように表すことができ、選択的に取出したいとする光周波数成分がi番目の周波数成分の場合には、増幅後の光周波数も[数1]によって正確に記述される。
【0070】
この時、フェムト秒レーザ301の周波数成分が与えられない場合に該当するレーザダイオード(LD)302から出射される光の周波数は、可変周波数範囲内の不安定な周波数であり、フェムト秒レーザ301の周波数成分が安定してレーザダイオード(LD)302に与えられると、この時点からレーザダイオード(LD)302から出射される光の周波数は、[数1]のように安定化した周波数を有するようになる。
【0071】
レーザダイオード(LD)302から出射される増幅光は、図1の干渉計モジュール200に入射し、レーザダイオード(LD)302から出射される安定化した周波数の波長に対する小数部を求めることができるようになる。
【0072】
また、所望の周波数を生成するために、[数1]のパルス繰返し周期(fr)をフェムト秒レーザの共振器長さを変化させつつ調節することによって、周波数成分間の周波数をも生成することができる。併せて、出力端に周波数遷移の可能な光学装置であるAOMなどを用いても同様な効果を得ることができる。
【0073】
次に、多波長干渉計と周波数走査干渉計とを用いて絶対距離を測定する方法について、図5及び図6を参照して説明する。まず、多波長干渉計及び周波数走査干渉計の原理について簡略に説明する。
【0074】
多波長干渉計(MWI)は二つあるいはそれ以上の十分に定義され安定化した多数の波長を用いて、位相不確かさの問題を克服する。下記の[数3]は、多波長干渉計の原理を用いて絶対距離(L)を異なるN個の波長で測定した時を表す。
【0075】
【数3】

ここで、
λ:i(i=1、2、…、N)番目の波長
:i番目の波長(λ)を用いた測定時の整数部
ε:i番目の波長(λ)を用いた測定時の小数部
この時、小数部εは干渉計での干渉信号を解析して直接測定可能であるが、整数部mは位相不確かさの問題で直接得ることが出来ない。
【0076】
[数3]においては、絶対距離(L)と各波長における整数部(m、i=1、2、…、N)までのN+1個の未知数が存在する。未知数の個数が式の個数より一つ多いので、全域に対して唯一の解を求めることはできないが、初期に測定したいとする絶対距離(L)を十分に小さな範囲内で推定することで、合致法(exact fraction method)によって分析的に絶対距離(L)を求めることができる。
【0077】
絶対距離(L)を求めるために、まず測定したいとする絶対距離の初期推定値を求めて、解の範囲を限定する。初期推定によって得た予測範囲内において各々の波長で測定した小数部(ε)と理論的に有する小数部との差が特定の許容誤り(d)より小さい距離の解(L)を求めれば、絶対距離(L)を測定することができる。これは下記の[数4]のように示される。
【0078】
【数4】

ここで、E(X)は、Xの小数部を取る関数である。
【0079】
この方法は特定の範囲内で一致する解を見出す方式であるので、複数の解が同時に条件を満たすことができ、唯一の解を得ることができるように、初期推定を十分に小さな不確度に行わなければならない。合致法で得ることができる解の間の間隔は、測定に用いた波長と小数部の許容誤りとによって決定される。
【0080】
所望の光周波数を正確に生成することができる光周波数発生器を多波長干渉計に導入すれば、解間の間隔を最大にする波長を適宜選定して生成することができ、多波長干渉計の測定領域を拡張することができる。
【0081】
また、連続的な波長の走査が可能になるので、後述の周波数走査干渉計の原理を用いて絶対距離を測定するに十分に小さな不確度にて、測定距離の初期推定値を同時に獲得することができる。
【0082】
周波数走査干渉計は、特定の波長λからλに連続して波長を走査しつつ干渉パターンの流れを計数し、位相不確かさの問題なしに絶対距離を測定する原理として、干渉計の基準面と測定面との間の距離(L)は、波長走査を行いつつ獲得される位相差(Δφ)を用いて、下記の[数5]のように示すことができる。
【0083】
【数5】

λ:合成波の波長
Δφ:位相差
ΔN:整数部
Δε:小数部
ここで、位相差(Δφ)の整数部(ΔN)は、波長掃引を行う間に流れる干渉パターンを計数して得ることができ、小数部(Δε)は、初期波長(λ)及び終り波長(λ)での干渉パターンを解析して得られた各々の小数部であるεとεとの差(ε−ε)によって求めることができる。合成波(λ)は、初期波長(λ)及び終り波長(λ)によって決定され、下記の[数6]のように表される。
【0084】
【数6】

図5は、本発明の光周波数発生器を用いた絶対距離測定方法を示す図面であり、図6は、絶対距離測定のための波長変調の一例を示す図面である。
【0085】
図5に示すように、前述の光周波数発生器を用いて安定化した異なる4個の波長780.2070nm(λ)、780.2037nm(λ)、779.9535nm(λ)、770.2043nm(λ)を生成する(S10)。この時、生成された異なる4個の波長は、真空中の波長である。
【0086】
異なる4個の波長を、空気中の波長で補正すべきか否かが判断される(S20)。
空気中の波長で補正しない場合、前述の周波数走査干渉計の原理を用いて測定したいとする距離の初期推定値を得る(S40)。この時、測定したいとする距離は、1.2mの固定光経路に対する絶対距離を測定することと仮定する。
【0087】
初期推定値獲得過程に対して詳察すれば、まず各波長での干渉パターンを解析して各波長(λ、λ、λ、λ)に対する小数部(ε、ε、ε、ε)を測定する。この時、測定された小数部の値は図4に示すように、ε=0.5817、ε=0.5123、ε=0.4688、ε=0.6578である。
【0088】
このように各波長に対する小数部を測定した後、図6でのように、1番目の波長(λ)から2番目の波長(λ)まで連続して周波数を走査して、両波長間の位相差(Δφ)を測定する。
【0089】
この時、位相差(Δφ)の整数部(ΔN)は、1番目の波長(λ)から2番目の波長(λ)までに波長掃引を行う間に流れる干渉パターンを計数して得ることができ、図6の小数部測定位相から分かるように、計数された干渉パターンは13個で、整数部(ΔN)は13になる。
【0090】
小数部(Δε)は、1番目の波長(λ)及び2番目の波長(λ)での干渉パターンを解析して得られた各々の小数部であるεとεとの差によって求めることができる。
合成波の波長(λ)は、1番目の波長(λ)及び2番目の波長(λ)を用いて上記[数6]によって計算された値の184.461nmである。
【0091】
すなわち、周波数走査干渉計の原理を用いて得た絶対距離(L)の初期推定値は、1195.206nmである。
このように獲得した絶対距離の初期推定値によって絶対距離の解の存在する範囲を限定しなければならないので、獲得された初期推定値の不確度を分析(S50)する過程を経て100m以下の距離をこのような条件で測定する時、初期推定値の不確度は259μm以下である。
【0092】
前述の多波長干渉計の原理によって各波長に対する干渉信号を解析して異なる4個の波長に対する各々の小数部を測定する(S60)。この時、測定される各波長に対する小数部(ε、ε、ε、ε)の値は、上記周波数走査干渉計の原理を用いて獲得した小数部の値と等しい。
【0093】
異なる4個の波長に対する各々の整数部(m、m、m、m)を決定する(S70)。この時、多波長干渉計の原理によって異なる4個の波長の関係によって測定される唯一の絶対距離の解は、各波長の小数部許容誤りが0.013以下の時、絶対距離の初期推定値の±259μm内の範囲内に存在しなければならない。
【0094】
この範囲内において、各波長に対する整数部(m)は、m=3064834、m=3064847、m=3065830、m=3104637になる。
このように異なる4個の波長(λ、λ、λ、λ)に対する小数部(ε、ε、ε、ε)及び整数部(m、m、m、m)が決定されれば、多波長干渉計で絶対距離を測定するべく、[数3]によって各波長に対する絶対距離(L)を測定する(S80)。
【0095】
異なる4個の波長(λ、λ、λ、λ)に対する絶対距離(Absolute Distance: L)は、下記の[表1]の通りである。
【0096】
【表1】

前述の過程によって、1.2mの固定光経路を測定して唯一の絶対距離の解を得ることができ、測定不確度は20nm以下となる。
【0097】
また、1.2mの固定光経路に対して獲得した各波長の絶対距離は、各波長の小数部許容誤りが0.013以下の時、絶対距離の初期推定値の±259μm内の範囲内に存在するので、多波長干渉計の原理で数メーター水準の広い領域で絶対距離の測定が可能である。
【0098】
使用者が、異なる4個の波長を空気中の波長で補正するか否かを判断する過程(S20)にて、空気中の波長で補正したいとする場合には、まず、温度、湿度、圧力、CO濃度などの環境変数を測定して空気屈折率を計算する。該計算された各波長の空気屈折率は、[表1]に示されている。
【0099】
計算された各波長の空気屈折率で真空中の各波長が分割されると、その波長が空気中の波長で補正される(S30)。該補正された空気中の波長は、[表1]に示されている。
空気中の波長で補正された異なる4個の波長に対する絶対距離を測定する方法は、前述のステップS40〜S80と同一である。
【0100】
このように、本発明では周波数走査干渉計によって獲得した絶対距離値を多波長干渉計の初期推定値として用いることによって、測定距離の初期予測なしでも異なる複数の波長を用いて多波長干渉計の原理で絶対距離の測定が可能になる。
【0101】
上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の一実施の形態による光周波数発生器を用いて絶対距離を測定するための干渉計の光学構成を示す図面である。
【図2】図1の光周波数発生モジュールで安定化した光周波数を生成する一例を示す図面である。
【図3】本発明の他の実施の形態による光周波数発生モジュールの光学構成を示す図面である。
【図4】図3の光周波数発生モジュールで安定化した光周波数を生成する一例を示す図面である。
【図5】本発明の光周波数発生器を用いた絶対距離測定方法を示す図面である。
【図6】絶対距離測定のための波長変調の一例を示す図面である。
【符号の説明】
【0103】
100、300 光周波数発生モジュール
101 外部共振器レーザダイオード(ECLD)
102、301 フェムト秒レーザ
103 偏光ビーム分割器(PBS)
104 偏光子(P)
105 光フィルタ
106 アバランシェ・フォトダイオード(APD3)
107 位相ロック回路(PLL)
302 レーザダイオード(LD)
303 第1のミラー(M1)
304 第2のミラー(M2)
305 第1の回折格子(DG1)
306 レンズ(L)
307 単一モード光ファイバー(SMF)
308 可変ファブリペロー干渉計(SFPI)
309 第1のビーム分割器(BS1)
310 第1のアバランシェ・フォトダイオード(APD1)
311 第1の半波長板(HWP1)
312 光遮断器
313 第2のビーム分割器(BS2)
314 音響光学変調器(AOM)
315 第2の半波長板(HWP2)
316 偏光ビーム分割器(PBS)
317 第3のミラー(M3)
318 偏光子(P)
319 第2の回折格子(DG2)
320 第2のアバランシェ・フォトダイオード(APD2)
321 第3のビーム分割器(BS3)
322 第4のビーム分割器(BS4)
323 波長測定器
324 光スペクトル分析器(OSA)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光周波数発生器を用いた絶対距離測定方法であって、
(a)前記光周波数発生器を用いて、安定化した異なる複数の波長を生成するステップと、
(b)周波数走査干渉計を用いて、測定する距離の初期推定値を取得するステップと、
(c)前記取得した初期推定値の不確度の範囲を分析するステップと、
(d)前記複数の波長の各々に対する干渉信号を解析して、該各波長に対する小数部を測定するステップと、
(e)前記初期推定値の不確度の範囲内で、前記各波長に対する整数部を決定するステップと、
(f)前記異なる複数の波長に対するそれぞれの小数部と整数部とを用いて、測定する距離の絶対距離を測定するステップと
を含む、光周波数発生器を用いた絶対距離測定方法。
【請求項2】
前記ステップ(a)は、
(a1)外部共振器レーザダイオード(ECLD)から発生した単波長のレーザとフェムト秒レーザの光コムとの周波数干渉により、うなり周波数を発生させるステップと、
(a2)前記うなり周波数を所定の基準周波数に同期させるための電気制御信号を位相ロック回路(PLL)により生成して、該電気制御信号を前記外部共振器レーザダイオードに供給するステップと、
(a3)前記外部共振器レーザダイオードにより、前記位相ロック回路(PLL)から供給された電気制御信号に応じて安定化した波長を生成するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の光周波数発生器を用いた絶対距離測定方法。
【請求項3】
前記ステップ(a)は、
(a1)フェムト秒レーザの光コムから単一周波数成分を抽出するステップと、
(a2)前記抽出された単一周波数成分をレーザダイオードに与えるステップと、
(a3)前記抽出された単一周波数成分を前記レーザダイオードで増幅して、安定化した周波数の波長を生成するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の光周波数発生器を用いた絶対距離測定方法。
【請求項4】
光周波数発生器を用いた絶対距離測定システムであって、
安定化した異なる複数の波長を生成し、該異なる複数の波長のうち第1の波長(λ)から第2の波長(λ)までの連続的な周波数走査を行う光周波数発生モジュールと、
前記光周波数発生モジュールから出射された前記異なる複数の波長の各々に対する小数部を測定し、前記第1の波長(λ)から第2の波長(λ)までの連続的な周波数走査による両波長間の位相差(Δφ)を測定するための干渉計モジュールと
を含む、光周波数発生器を用いた絶対距離測定システム。
【請求項5】
前記光周波数発生モジュールは、
単波長のレーザを生成する外部共振器レーザダイオード(ECLD)と、
光コムを生成するフェムト秒レーザと、
前記外部共振器レーザダイオードから生成された単波長のレーザと前記フェムト秒レーザから生成された光コムとの周波数干渉によって生成されたうなり周波数を測定するためのアバランシェ・フォトダイオードと、
前記アバランシェ・フォトダイオードで測定されたうなり周波数を所定の基準周波数に同期させるための電気制御信号を生成して、該電気制御信号を前記外部共振器レーザダイオードに出力する位相ロック回路部と
を含み、
前記外部共振器レーザダイオードは、前記位相ロック回路部から出力された電気制御信号に応じて、安定化した周波数の波長を生成し、該波長を有する光を前記干渉計モジュールに出射することを特徴とする請求項4に記載の光周波数発生器を用いた絶対距離測定システム。
【請求項6】
前記光周波数発生モジュールは、
多波長のレーザパルスとして光コムを生成するフェムト秒レーザと、
前記フェムト秒レーザの光コムから単一周波数成分を抽出する光周波数取出部と、
前記光周波数取出部から抽出された前記単一周波数成分を有する光を増幅することによって、安定化した周波数の波長を生成して、該波長を有する光を前記干渉計モジュールに出射する光周波数増幅部と
を含むことを特徴とする請求項4に記載の光周波数発生器を用いた絶対距離測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−198477(P2009−198477A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121298(P2008−121298)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り (1)発行者名:韓国精密工学会 刊行物名:ASPEN 2007 発行年月日:2007年11月6日 (2)発行者名:韓国精密工学会 刊行物名:2007年度秋季学術大会論文集 発行年月日:2007年11月8日 (3)掲載年月日:2008年1月3日 掲載アドレス:http://www.opticsexpress.org/issue.cfm http://www.opticsinfobase.org/abstract.cfm?URI=oe−16−1−258 http://www.opticsinfobase.org/DirectPDFAccess/38C631B1−BDB9−137E−CCC80F35158E4CFB_148678.pdf?da=1&id=148678&seq=0&CFID=5942501&CFTOKEN=33717953
【出願人】(596071752)コリア アドバンスト インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー (60)
【Fターム(参考)】