光学式位置検出装置および入力機能付き表示システム
【課題】広い範囲にわたって対象物体の三次元的な位置を光学的に検出することのできる光学式位置検出装置、および入力機能付き表示システムを提供すること。
【解決手段】光学式位置検出装置10において、光源部12が検出光L2をXY面に沿って放射状に出射した際、第1受光部13は、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射された検出光L2を受光し、第1受光部13での受光強度に基づいて対象物体ObのXY座標データを検出する。第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置には第2受光部14が設けられ、かかる第2受光部14も、対象物体Obで反射された検出光L2を受光する。その際、第1受光部13での受光強度と、第2受光部14での受光強度との差や比等の比較結果は、対象物体ObのZ軸方向の位置によって変化するので、かかる比較結果に基づいて対象物体ObのZ軸方向の位置を検出する。
【解決手段】光学式位置検出装置10において、光源部12が検出光L2をXY面に沿って放射状に出射した際、第1受光部13は、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射された検出光L2を受光し、第1受光部13での受光強度に基づいて対象物体ObのXY座標データを検出する。第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置には第2受光部14が設けられ、かかる第2受光部14も、対象物体Obで反射された検出光L2を受光する。その際、第1受光部13での受光強度と、第2受光部14での受光強度との差や比等の比較結果は、対象物体ObのZ軸方向の位置によって変化するので、かかる比較結果に基づいて対象物体ObのZ軸方向の位置を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置、および当該光学式位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、点光源からなる複数の光源部および受光部を互いに離間した位置に設け、複数の光源部の各々から透光部材を介して対象物体に向けて検出光を出射した際に、対象物体で反射した検出光が透光部材を透過して受光部で検出されるものが提案されている(特許文献1参照)。かかる光学式位置検出装置では、光源から対象物体を経て受光部に至る距離によって受光部での受光強度が変化することを利用して対象物体の位置を検出する。
【0003】
また、点光源からなる複数の光源部の各々から出射された検出光を、導光板を介して出射することにより、導光板に対する一方面側に導光板の面内方向で強度が変化する光強度分布を形成し、かかる光強度分布が形成された空間に位置する対象物体で反射した検出光を受光部で検出する方式の光学式位置検出装置も提案されている(特許文献2、3参照)。かかる光学式位置検出装置では、対象物体の位置によって対象物体での反射光量が変化することを利用して導光板の面内方向での対象物体の位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534554号公報
【特許文献2】特開2010−127671号公報
【特許文献3】特開2009−295318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2、3に記載の光学式位置検出装置では、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭いという問題点がある。すなわち、特許文献1に記載の光学式位置検出装置では、点光源から出射された検出光を利用するため、検出光の出射角度範囲自体が狭く、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭い。また、特許文献2、3に記載の光学式位置検出装置では、対象物体の位置を検出可能な空間を拡張するには導光板を大型化する必要があり、かかる大型の導光板を用いると、検出光が導光板内部を伝播する際の減衰が大きい。このため、広い範囲にわたって所定の光強度分布を十分な強度レベルをもって形成することが困難であり、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭い。
【0006】
また、特許文献1に記載の光学式位置検出装置において対象物体の三次元的な位置を検出しようとすると、点光源からなる複数の光源部を三次元的に配置することになるが、この場合、光源部から出射される検出光の出射角度範囲自体が狭いため、対象物体の位置を検出可能な範囲が極端に狭くなってしまう。また、特許文献2、3に記載の光学式位置検出装置において対象物体の三次元的な位置を検出しようとすると、導光板に対する法線方向で変化する強度分布を形成する必要があり、かかる強度分布を大型の導光板で形成するのは困難である。それ故、対象物体の位置を検出可能な範囲が極端に狭い。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、広い範囲にわたって対象物体の三次元的な位置を光学的に検出することのできる光学式位置検出装置、およびかかる光学式位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る光学式位置検出装置は、第1方向、該第1方向に直交する第2方向、および前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向のうち、前記第1方向および前記第2方向より規定される仮想面に沿うように検出光を放射状に出射する光源部と、該光源部から前記検出光が出射される検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第1受光部と、該第1受光部に対して前記第3方向において離間し、前記検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第2受光部と、少なくとも前記第1受光部での受光強度に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との比較結果に基づいて前記第3方向における前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有していることを特徴とする。
【0009】
なお、本発明において、「少なくとも前記第1受光部での受光強度に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し」とは、前記第1受光部での受光強度に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出する構成の他、前記第1受光部での受光強度および前記第2受光部での受光強度の和に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出する構成を含む意味である。
【0010】
本発明に係る光学式位置検出装置において、光源部は、第1方向および第2方向より規定される仮想面に沿うように検出光を放射状に出射し、第1受光部は、光源部からの検出光出射空間(検出対象空間)に位置する対象物体で反射した検出光を受光する。従って、位置検出部は、第1受光部での受光強度に基づいて第1方向および第2方向における対象物体の位置を検出することができる。その際、光源部から放射状に出射される検出光を利用するため、検出対象空間全体に十分な強度で検出光を出射することができる。それ故、本発明によれば、検出対象空間が広い。また、本発明に係る光学式位置検出装置では、第1受光部に対して第3方向で離間する位置に第2受光部が設けられ、かかる第2受光部も、光源部からの検出光出射空間に位置する対象物体で反射した検出光を受光する。その際、第1受光部での受光強度と、第2受光部での受光強度との差や比等の比較結果は、対象物体の第3方向の位置によって変化する。従って、位置検出部は、第1受光部での受光強度と第2受光部での受光強度との比較結果を利用すれば、広い検出対象空間全体にわたって、第3方向における対象物体の位置を検出することができる。
【0011】
本発明において、前記位置検出部は、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との比較結果として、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との差に基づいて、前記第3方向における前記対象物体の位置を検出する構成を採用することができる。第1受光部での受光強度と第2受光部での受光強度との比較結果として、第1受光部での受光強度と第2受光部での受光強度との差を用いる構成であれば、回路構成等の簡素化を図ることができる。
【0012】
本発明において、前記光源部では、第1期間中、前記検出光の出射強度が当該検出光の出射角度範囲の一方側から他方側に向かって減少し、第2期間中、前記検出光の出射強度が当該検出光の出射角度範囲の他方側から一方側に向かって減少し、前記位置検出部は、前記第1期間における前記第1受光部の受光強度と前記第2期間における前記第1受光部の受光強度との比較結果に基づいて、前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置として、前記光源部に対する前記対象物体の角度位置を検出する構成を採用することができる。かかる構成によれば、広い空間にわたって光強度分布を形成することができるので、検出対象空間が広い。
【0013】
本発明において、前記位置検出部は、前記第1期間における前記第1受光部の受光強度と前記第2期間における前記第1受光部の受光強度との比較結果において、前記第1期間における前記第1受光部の受光強度と前記第2期間における前記第1受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1期間における前記光源部に対する第1駆動電流値と前記第2期間における前記光源部に対する第2駆動電流値との比較結果に基づいて、前記対象物体の位置を検出する構成を採用することができる。
【0014】
本発明において、前記光源部として、第1光源部と、該第1光源部に対して前記第1方向で離間する位置に設けられた第2光源部と、を備えていることが好ましい。かかる構成によれば、第1光源部に対する対象物体の角度位置と、第2光源部に対する対象物体の角度位置との交点に相当する位置から、第1方向における位置および第2方向における位置として、対象物体の二次元座標データ(第1方向における座標データおよび第2方向における座標データ)を得ることができる。
【0015】
本発明において、前記第1受光部および前記第2受光部は、前記第1方向において前記第1光源部と前記第2光源部との間に設けられている構成を採用することができる。かかる構成によれば、光源部(第1光源部および第2光源部)、第1受光部および第2受光部を全て共通のハウジング内に収容するのが容易である。
【0016】
この場合、前記第1受光部と前記第2受光部は、前記第3方向において重なる位置に設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、第1受光部での受光強度と第2受光部での受光強度との比較結果は、対象物体の第3方向における位置のみの影響を受け、対象物体の第1方向および第2方向における位置の影響を受けにくいという利点がある。
【0017】
本発明において、前記第1受光部は、前記第1光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置、および前記第2光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置の各々に設けられている構成を採用することができる。かかる構成によれば、第1光源部を第1受光部とともにユニット化とし、第2光源部についても第1受光部とともにユニット化するのに都合がよい。
【0018】
この場合、前記第2受光部は、前記第1方向において前記第1光源部と前記第2光源部との間に設けられている構成を採用することができる。かかる構成によれば、光源部(第1光源部および第2光源部)、第1受光部および第2受光部を全て共通のハウジング内に収容するのが容易である。
【0019】
また、前記第2受光部は、前記第1光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置および前記第2光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置の各々に設けられている構成を採用することができる。かかる構成によれば、第1受光部と第2受光部は2対設けられることになるので、第1受光部での受光強度と第2受光部での受光強度との比較結果を2つ得ることができるので、第3方向における対象物体の位置検出精度高めることができる。また、第1受光部と第2受光部とは第3方向で重なることになるので、第1受光部での受光強度と第2受光部での受光強度との比較結果は、対象物体の第3方向における位置のみの影響を受け、対象物体の第1方向および第2方向における位置の影響を受けにくいという利点がある。
【0020】
本発明に係る光学式位置検出装置は、入力機能付き表示システム等、各種のシステムに利用することができる。例えば、画像が表示される表示装置と、該表示装置に対して前記画像が表示される側の対象物体の位置を検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記表示装置により表示される画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。また、画像が表示される表示装置と、該表示装置に対して前記画像が表示される側の対象物体の位置を検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記表示装置により表示される画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。さらに、また、他のシステムとしては、電子ペーパーに対する入力システムや、入力機能付きウインドウシステムや、入力機能付きアミューズメントシステムに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を側方からみたときの説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置に用いた光源部の説明図である。
【図4】図3に示す光源部の主要部の構成を示す説明図である。
【図5】図4に示す光源部の詳細構成を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において対象物体の角度位置を検出する原理を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において対象物体のXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において対象物体のZ座標データを検出する原理を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置に用いた光源部の説明図である。
【図12】図11に示す光源部の主要部の構成を示す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態4に係る光学式位置検出装置に用いた光源部の説明図である。
【図15】図14に示す光源部の主要部の構成を示す説明図である。
【図16】本発明の実施の形態5に係る光学式位置検出装置に用いた光源部の説明図である。
【図17】図16に示す光源部の詳細構成を模式的に示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態6に係る光学式位置検出装置に用いた光源部の説明図である。
【図19】本発明を適用した位置検出システムの具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。
【図20】本発明を適用した位置検出システムの具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する方向をX軸方向(第1方向)およびY軸方向(第2方向)とし、X軸方向およびY軸方向に交差する方向をZ軸方向(第3方向)とする。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側、Z軸方向の一方側をZ1側とし、他方側をZ2側として表してある。
【0023】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、光学式位置検出装置を検出光出射空間側の斜め方向からみたときの説明図、および光学式位置検出装置を正面からみたときの説明図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を側方からみたときの説明図である。
【0024】
図1および図2において、本形態の位置検出システム1は、対象物体Obの位置を検出する光学式位置検出装置10を有しており、かかる光学式位置検出装置10は、X軸方向およびY軸方向により規定される仮想のXY平面(仮想面)に沿うように放射状に出射した検出光L2を利用して、対象物体Obの位置を検出する。本形態において、位置検出システム1は、XY平面に沿って広がる視認面41をZ軸方向の一方側Z1に備えた視認面構成部材40を有しており、光学式位置検出装置10は、視認面41に沿って検出光L2を出射し、視認面構成部材40に対して視認面41側(Z軸方向の一方側Z1)に位置する対象物体Obの位置を検出する。従って、位置検出システム1の検出対象空間10Rは、光学式位置検出装置10において検出光L2が出射される検出光出射空間である。かかる位置検出システム1は、光学式位置検出装置10によって、後述する電子黒板等の入力機能付き表示システムや入力機能付き投射型表示システム等として用いることができる。
【0025】
本形態の位置検出システム1において、光学式位置検出装置10は、視認面41(XY平面)に沿って検出光L2を放射状に出射する光源部12(線状光源部)と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する第1受光部13とを備えている。
【0026】
本形態においては、光源部12として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)が用いられており、第1光源部12Aと第2光源部12Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。後述するように、光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、LED(発光ダイオード)からなる光源を備えており、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2(検出光L2a、L2b)を放射状に出射する。
【0027】
第1受光部13は、X軸方向において2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)の間に配置されており、本形態において、第1受光部13は、X軸方向において2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)の中間位置に配置されている。また、第1受光部13は、Y軸方向において第1光源部12Aおよび第2光源部12Bと同一位置にあり、Z軸方向においても、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bと同一位置にある。
【0028】
また、光学式位置検出装置10は、第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置に第2受光部14を有しており、本形態において、第2受光部14は、第1受光部13に対してZ軸方向の一方側Z1に配置されている。かかる第2受光部14も、第1受光部13と同様、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する。本形態において、第2受光部14は、第2受光部14に対してZ軸方向で重なる位置に配置されている。従って、第1受光部13および第2受光部14は、X軸方向において2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)の中間位置に配置されている。
【0029】
第1受光部13および第2受光部14は各々、受光素子として、フォトダイオードやフォトトランジスター等を備えており、本形態において、第1受光部13および第2受光部14は赤外域に感度ピークを備えたフォトダイオードを備えている。
【0030】
このように構成した光学式位置検出装置10において、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)、第1受光部13および第2受光部14は、検出対象空間10Rに向く面が透光部になっている共通のハウジング16に収容されており、ハウジング16は、視認面構成部材40よりZ軸方向の一方側Z1に突出した位置にある。また、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は異なる期間において動作する。従って、第1光源部12Aから検出光L2aが出射された際、第1受光部13および第2受光部14は、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2a(反射光L3)を受光する。かかる動作とは異なる期間において、第2光源部12Bから検出光L2bが出射された際、第1受光部13Bおよび第2受光部14は、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2b(反射光L3)を受光する。
【0031】
(光源部12の具体的構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10に用いた光源部12の説明図である。図4は、図3に示す光源部12の主要部の構成を示す説明図である。図5は、図4に示す光源部12の詳細構成を模式的に示す説明図であり、第1点灯動作時(第1期間)に検出光L2が出射される様子を示す説明図、および第2点灯動作時(第2期間)に検出光L2が出射される様子を示す説明図である。
【0032】
図3に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bは各々、Z軸方向からみたときに扇形形状あるいは半円形状を有する光源支持部材150を有している。かかる光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151および第2光源支持部材152は各々、扇形形状あるいは半円形状の鍔部156a、156bを備えている。鍔部156a、156bにより挟まれた部分は、第1光源部12Aから検出光L2が出射される出射部になっており、鍔部156a、156bは、Z軸方向における検出光L2の出射範囲を制限している。第1光源部12Aにおいて、光源支持部材150の中心角は概ね180°であり、第1光源部12Aは、概ね180°の角度範囲にわたって形成されている。第1光源部12Aは、検出光L2の出射部として、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている。
【0033】
図4に示すように、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる光源120、および円弧状のライトガイドLGを備えている。第2光源部12Bも、第1光源部12Aと同様、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる光源120、および円弧状のライトガイドLGを備えている。
【0034】
より具体的には、図5(a)に示すように、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126は、光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第1光源121を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第1光源121は、ライトガイドLGの一方の端部LG1に配置されている。また、第1光源モジュール126は、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。図5(b)に示すように、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第2光源122を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第2光源122は、ライトガイドLGの他方の端部LG2に配置されている。また、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。なお、ライトガイドLGの外周面LG3および内周面LG4のうちの少なくとも一方には、ライトガイドLGからの検出光L2の出射効率を調整するための加工が施されており、かかる加工手法としては、例えば反射ドットを印刷する方式や、スタンパーやインジェクションにより凹凸を付す成型方式や、溝加工方式を採用することができる。第2光源部12Bも、第1光源部12Aと同様な構成を有していため、説明を省略する。
【0035】
(位置検出部等の構成)
図6は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図である。本形態の光学式位置検出装置10において、図1〜図5等を参照して説明した第1光源部12A、第2光源部12B、第1受光部13および第2受光部14は、図5に示す制御用IC70に電気的に接続されており、制御用IC70は制御部61を備えた制御装置60に電気的接続されている。制御用IC70は、基準クロック、A相基準パルス、B相基準パルス、タイミング制御パルス、同期クロック等を生成する複数の回路、A相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75a、およびB相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75bを有している。また、制御用IC70は、パルス発生器75aおよびパルス発生器75bが生成した駆動パルスを第1光源部12Aの第1光源121、第1光源部12Aの第2光源122、第2光源部12Bの第1光源121、および第2光源部12Bの第2光源122の何れに印加するかを制御するスイッチ部76を有しており、パルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76は光源駆動部51を構成している。
【0036】
また、制御用IC70は、第1受光部13での検出結果を増幅する増幅部等を備えた第1受光量測定部73と、第1受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第1光源部12Aの光源120(第1光源121および第2光源122)、および第2光源部12Bの光源120(第1光源121および第2光源122)に供給する駆動パルスの駆動電流値(第1駆動電流値)を調整する調整量算出部74とを備えている。かかる第1受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。
【0037】
また、制御用IC70は、第2受光部14での検出結果を増幅する増幅部等を備えた第2受光量測定部77と、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度とを比較する受光強度比較部78とを備えている。かかる第2受光量測定部77および受光強度比較部78も、位置検出部50の一部の機能を担っている。本形態において、受光強度比較部78は、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果として、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との差を検出する。
【0038】
制御装置60は、第1受光量測定部73、調整量算出部74、第2受光量測定部77および受光強度比較部78とともに位置検出部50を構成する座標データ取得部55を有している。従って、位置検出部50は、制御用IC70の第1受光量測定部73、調整量算出部74、第2受光量測定部77および受光強度比較部78と、制御装置60(パーソナルコンピューター)の座標データ取得部55とによって構成されている。
【0039】
ここで、座標データ取得部55は、対象物体ObのXY座標を取得するXY座標データ取得部556と、対象物体ObのZ座標を取得するZ座標データ取得部552と、XY座標データ取得部556で取得されたXY座標、およびZ座標データ取得部552で取得されたZ座標データに基づいて対象物体ObのXYZ座標を取得するXYZ座標データ取得部554とを備えている。また、XY座標データ取得部556は、第1光源部12Aに対する駆動結果に基づいて、第1光源部12Aの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第1角度位置検出部557と、第2光源部12Bに対する駆動結果に基づいて、第2光源部12Bの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第2角度位置検出部558とを有している。また、XY座標データ取得部556は、第1角度位置検出部557で得られた対象物体Obの角度位置と、第2角度位置検出部558で得られた対象物体Obの角度位置とに基づいて対象物体ObのXY座標データを確定するXY座標データ確定部559を備えている。Z座標データ取得部552は、XY座標データ取得部556で取得されたXY座標データと、受光強度比較部78で得られた第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果(第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との差)との関係により特定される対象物体ObのZ座標データが記憶された記憶部552aを有している。かかるZ座標データ取得部552は、XY座標データ取得部556で取得されたXY座標データと、受光強度比較部78で得られた第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果とが得られた際、記憶部552aに記憶されている内容をルックアップテーブルとして利用して対象物体ObのZ座標データを取得する。
【0040】
なお、本形態では、第1光源部12Aに対する駆動、および第2光源部12Bに対する駆動等を1つの制御用IC70で行ったが、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bを各々別の制御用ICで駆動してもよい。
【0041】
(XY座標データ検出原理)
図5に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、図6を参照して説明した光源駆動部51は、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、検出光L2の出射強度が検出光L2の出射角度範囲の一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作と、検出光L2の出射強度が検出光L2の出射角度範囲の他方側から一方側に向かって減少する第2点灯動作とを行わせる。
【0042】
より具体的には、光源駆動部51は、第1光源部12Aに対して、第1点灯動作時(第1期間)には、第1光源モジュール126の第1光源121を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2を出射させる。その際、第2光源122は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第1光強度分布LID1が形成される。かかる第1光強度分布LID1は、図5(a)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0043】
また、光源駆動部51は、第1光源部12Aに対して、第2点灯動作時(第2期間)には、第2光源モジュール127の第2光源122を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2を出射させる。その際、第1光源121は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第2光強度分布LID2が形成される。かかる第2光強度分布LID2は、図5(b)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0044】
なお、第2光源部12Bにおいて、第1光源モジュール126の第1光源121が点灯した第1点灯動作時(第1期間)、および第2光源モジュール127の第2光源122が点灯した第2点灯動作時(第2期間)にも、第1光源部12Aと同様、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2が形成される。従って、後述するように、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を利用すれば、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの中心PEの距離DS(図8参照)が固定であるので、対象物体ObのXY座標データを検出することができる。
【0045】
(対象物体Obの角度位置の検出)
図7は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において対象物体Obの角度位置を検出する原理を示す説明図であり、図7(a)、(b)は光強度分布の説明図、および対象物体が存在する位置情報(方位情報)を取得する方法の説明図である。図8は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において対象物体ObのXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【0046】
本形態では、第1光源部12Aの第1光源モジュール126において、第1光強度分布LID1を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図7(a)に線E1で示す直線関係にある。また、第1光源部12Aの第2光源モジュール127において、第2光強度分布LID2を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図7(a)に線E2で示す直線関係にある。ここで、図7(b)および図8に示すように、第1光源部12Aの中心PE(第1光源モジュール126の中心/検出光L2の放射中心位置)からみて角度θの方向に対象物体Obが存在するとする。この場合、第1光強度分布LID1を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTaとなる。これに対して、第2光強度分布LID2を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTbとなる。従って、第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13での受光強度と、第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Bでの受光強度とを比較して、強度INTa、INTbの関係を求めれば、図7(b)および図8に示すように、第1光源部12Aの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1/角度位置)を求めることができる。
【0047】
かかる原理を利用して、対象物体Obの角度位置(角度θ1)を検出するにあたって、本形態では、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126によって第1光強度分布LID1を形成した第1動作時(第1期間)における第1受光部13での受光強度と、第2光源モジュール127によって第2光強度分布LID2を形成した第2動作時(第2期間)における第1受光部13での受光強度とが等しくなるように、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値を調整する。ここで、第1光源部12Aからの検出光L2の出射強度は、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値に比例する。従って、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値を調整した後の第1駆動電流値と第2駆動電流値との比や差や、あるいは駆動電流値を調整した際の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。
【0048】
より具体的には、まず、図6に示す制御用IC70の光源駆動部51は、第1期間では第1点灯動作として第1光源121を点灯させて第1光強度分布LID1を形成した後、第2期間では第2点灯動作として第2光源122を点灯させて第2光強度分布LID2を形成する。この際、第1光源121に対する第1駆動電流値と、第2光源122に対する第2駆動電流値とは等しいので、第1光強度分布LID1と第2光強度分布LID2とは強度変化の向きは逆向きであるが、強度レベルは同一である。
【0049】
そして、図6に示す位置検出部50の調整量算出部74は、第1点灯動作時の第1受光部13の受光強度INTaと、第2点灯動作時の第1受光部13の受光強度INTbとを比較する。その結果、受光強度INTa、INTbが一致している場合、対象物体Obが位置する方向の角度θは、図7(b)に示すθ=0°の位置となる。これに対して、受光強度INTa、INTbが相違している場合、調整量算出部74は、第1点灯動作時の第1受光部13の受光強度INTaと、第2点灯動作時の第1受光部13の受光強度INTbとが等しくなるように、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値を調整する。そして、再度、第1点灯動作と第2点灯動作とを行った際に、第1点灯動作時の第1受光部13の受光強度INTaと、第2点灯動作時の第1受光部13の受光強度INTbとが等しければ、図6に示す第1角度位置検出部557は、かかる調整を行った後の第1光源121および第2光源122に対する駆動電流の比や差、あるいは駆動電流の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求める。
【0050】
かかる動作を第2光源部12Bにおいても行えば、図6に示す第2角度位置検出部558は、第2光源部12Bの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ2/角度位置)を求めることができる。従って、図6に示すXY座標データ確定部559は、第1角度位置検出部557で検出した角度位置(角度θ1の方向)と、第2角度位置検出部558で検出した角度位置(角度θ2の方向)の交点に相当する位置を対象物体Obが位置するXY座標データとして取得する。
【0051】
(Z座標データ検出原理)
図9は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において対象物体ObのZ座標データを検出する原理を示す説明図であり、図9(a)、(b)、(c)は、対象物体Obが視認面構成部材40に接している状態での反射光L3の説明図、対象物体Obが視認面構成部材40から離間している状態での反射光L3の説明図、およびZ座標データと受光部での受光強度差との関係を示す説明図である。
【0052】
本形態では、図9を参照して以下に説明するように、XY座標データの検出動作を利用して、対象物体ObのZ座標データを検出する。例えば、第1光源部12Aにおいて、第1光源121を第2光源122と等しい駆動電流値で駆動した際の第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果を利用して、対象物体ObのZ座標データを検出する。より具体的には、第1光源部12Aを駆動した際、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)のうち、実線で示す反射光L3eは第1受光部13で検出され、点線で示す反射光L3fは第2受光部14で検出される。その際、第1光源部12Aは、視認面41に沿う方向に中心光軸を向けているとともに、第1光源121から出射される検出光L2は、Z軸方向において発散する光である。このため、第1光源121から出射される検出光L2には視認面41に対して斜め方向に進行する光成分が含まれている。従って、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)のうち、第1受光部13に向かう反射光L3(反射光L3e)の強度と、第2受光部14に向かう反射光L3(反射光L3f)の強度とが相違する。その結果、第1受光部13で検出される反射光L3(反射光L3e)の受光強度と、第2受光部14で検出される反射光L3(反射光L3f)の受光強度とは相違する。
【0053】
ここで、第1受光部13で検出される反射光L3(反射光L3e)の受光強度と、第2受光部14で検出される反射光L3(反射光L3f)の受光強度との差や比は、図9(a)に示すように、対象物体Obが視認面構成部材40に接している状態と、図9(b)に示すように、対象物体Obが視認面構成部材40から離間している状態とで相違する。すなわち、対象物体ObのXY座標データが同一であっても、対象物体ObのZ軸方向における位置が相違すれば、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度Dとの差や比が相違する。例えば、図9(c)に示すように、第1受光部13での受光強度D13と第2受光部14での受光強度D14との差(ΔD)は、対象物体ObのZ軸方向における位置によって単調変化する。なお、図9(c)に示す関係(対象物体ObのZ軸方向における位置と差(ΔD)との関係)は、対象物体ObのX軸方向における位置およびY軸方向における位置によって変動するが、いずれの場合でも、図9(c)に示す関係と同様な関係を有している。
【0054】
そこで、本形態では、図6を参照して説明したZ座標データ取得部552において、記憶部552aには、XY座標データ取得部556で取得されたXY座標データ、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との差、および対象物体ObのZ座標データとの関係を示すデータが記憶されている。従って、Z座標データ取得部552は、XY座標データ取得部556で取得されたXY座標データと、受光強度比較部78で得られた第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との差とが得られた際、記憶部552aに記憶されている内容をルックアップテーブルとして利用して対象物体ObのZ座標データを取得することができる。それ故、XYZ座標データ取得部554は、XY座標データ取得部556で取得されたXY座標、およびZ座標データ取得部552で取得されたZ座標データに基づいて対象物体ObのXYZ座標を取得することができる。
【0055】
なお、上記の説明では、第1光源部12Aを利用して対象物体ObのZ座標データを取得したが、第2光源部12B、あるいは第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの双方を利用して対象物体ObのZ座標データを取得してもよい。
【0056】
(Z座標データの利用例)
ここで、Z座標データは、対象物体Obの傾き等の影響により、XY座標に比して検出精度が低い場合がある。この場合、XYZ座標データ取得部554は、Z座標データに基づいて、対象物体ObのZ軸方向の位置を2つの範囲として確定してもよい。
【0057】
例えば、XYZ座標データ取得部554は、対象物体ObのZ座標データがある範囲である場合には、図9(b)に示すように、対象物体ObのZ軸方向の位置として、視認面構成部材40から離間している位置と判定し、対象物体ObのZ座標データが別の範囲である場合には、図9(a)に示すように、対象物体ObのZ軸方向の位置として、視認面構成部材40に接している位置と判定してもよい。
【0058】
このような利用例によれば、位置検出システム1を入力装置として利用する場合、対象物体Obが視認面構成部材40から離間しているときには対象物体ObのXY座標データを入力予定位置として判定し、対象物体ObのZ軸方向の位置が視認面構成部材40に接する位置となった時点で、対象物体ObのXY座標データ(入力位置)が確定したと判定することができる。
【0059】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10では、光源部12が検出光L2をXY面に沿って放射状に出射した際、第1受光部13は、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射された検出光L2(反射光L3)を受光し、位置検出部50は、第1受光部13での受光強度に基づいて対象物体ObのXY座標データを検出する。かかる構成によれば、光源部12から放射状に出射される検出光L2を利用するため、検出対象空間10R全体に十分な強度で検出光を出射することができる。それ故、本形態によれば、検出対象空間10Rが広い。
【0060】
また、本形態の光学式位置検出装置10では、第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置に第2受光部14が設けられ、かかる第2受光部14も、光源部12からの検出光出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射された検出光L2(反射光L3)を受光する。その際、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との差(比較結果)は、対象物体ObのZ軸方向の位置によって変化する。従って、位置検出部50は、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果に基づいて対象物体ObのZ軸方向の位置を検出することができ、かかる構成によれば、広い検出対象空間10R全体にわたって、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出することができる。
【0061】
また、本形態においては、光源部12として、第1光源部12Aと、第1光源部12Aに対してX軸方向で離間する位置に設けられた第2光源部12Bとを備えている。従って、第1光源部12Aに対する対象物体Obの角度位置(θ1)と、第2光源部12Bに対する対象物体Obの角度位置(θ1)との交点に相当する位置から、X軸方向における位置およびY軸方向における位置として、対象物体のXY座標データを得ることができる。
【0062】
また、第1受光部13および第2受光部14は、X軸方向において第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に設けられているため、光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)、第1受光部13および第2受光部14を全て共通のハウジング16内に収容するのが容易である。
【0063】
また、第1受光部13と第2受光部14は、Z軸方向において重なる位置に設けられているため、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果は、対象物体ObのZ軸方向における位置のみの影響を受け、対象物体ObのX軸方向およびY軸方向における位置の影響を受けにくいという利点がある。
【0064】
[実施の形態2]
図10は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の主要部を模式的に示す説明図であり、図10(a)、(b)は、光学式位置検出装置10を検出光出射空間側の斜め方向からみたときの説明図、および光学式位置検出装置10を正面からみたときの説明図である。図11は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10に用いた光源部12の説明図である。図12は、図11に示す光源部12の主要部の構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0065】
図10に示す位置検出システム1においても、実施の形態1と同様、光学式位置検出装置10は、視認面41(XY平面)に沿って検出光L2を放射状に出射する光源部12(線状光源部/第1光源部12Aおよび第2光源部12B)と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する第1受光部13とを備えている。また、光学式位置検出装置10は、実施の形態1と同様、第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置に配置された第2受光部14を有しており、かかる第2受光部14も、第1受光部13と同様、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する。本形態においても、実施の形態1と同様、第2受光部14は、X軸方向において第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間のうち、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの中間位置に配置されている。
【0066】
本形態においては、第1受光部13として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く2つの受光部(第1受光部13A、13B)を有している。また、2つの第1受光部13(第1受光部13A、13B)のうち、第1受光部13Aは、第1光源部12Aから放射状に出射される検出光L2(検出光L2a)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Aと第1光源部12Aとは第1受発光ユニット15Aとして一体化されている。また、第1受光部13Bは、第2光源部12Bから放射状に出射される検出光L2(検出光L2b)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Bと第2光源部12Bとは第2受発光ユニット15Bとして一体化されている。このように構成された第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、第2受光部14とともに共通のハウジング16内に収容されている。
【0067】
第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、視認面構成部材40よりZ軸方向の一方側Z1に突出した位置にある。また、第1受発光ユニット15Aと第2受発光ユニット15Bとは異なるタイミングで動作する。より具体的には、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aから検出光L2aが出射された際、第1受光部13Aは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2a(反射光L3)を受光する。かかる動作とは異なる期間において、第2受発光ユニット15Bにおいて、第2光源部12Bから検出光L2bが出射された際、第1受光部13Bは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2b(反射光L3)を受光する。
【0068】
図11および図12に示すように、第1受発光ユニット15Aは、Z軸方向からみたときに扇形形状あるいは半円形状を有する光源支持部材150を有している。かかる光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151および第2光源支持部材152は各々、扇形形状あるいは半円形状の鍔部156a、156bを備えている。鍔部156a、156bにより挟まれた部分は、第1光源部12Aから検出光L2が出射される出射部になっており、鍔部156a、156bは、Z軸方向における検出光L2の出射範囲を制限している。
【0069】
また、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aは、検出光L2の出射部として、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている。第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥にフォトダイオードを備えた第1受光部13Aが配置されている。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有していため、説明を省略する。
【0070】
このように構成した光学式位置検出装置10においても、実施の形態1と同様、第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置に第2受光部14が設けられているため、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果に基づいて、広い検出対象空間10R全体にわたって、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出することができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0071】
また、本形態において、光源部12は、検出光L2を放射状に出射する線状光源部であり、第1受光部13は、検出光L2の放射中心位置(中心PE)に配置されている。このため、第1光源部12Aを第1受光部13Aとともにユニット化とし、第2光源部12Bについても第1受光部13Bとともにユニット化するのに都合がよい。また、第1受光部13は、検出光L2の放射中心位置(中心PE)に配置されているため、第1光源部12Aから検出光L2(検出光L2a)が出射された際、対象物体Obで反射した検出光L2aを第1受光部13Aで効率よく検出することができ、第2光源部12Bから検出光L2(検出光L2b)が出射された際、対象物体Obで反射した検出光L2bを第1受光部13Bで効率よく検出することができる。
【0072】
[実施の形態3]
図13は、本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置10の主要部を模式的に示す説明図であり、図13(a)、(b)は、光学式位置検出装置10を検出光出射空間側の斜め方向からみたときの説明図、および光学式位置検出装置10を正面からみたときの説明図である。
【0073】
図13に示す位置検出システム1においても、実施の形態1と同様、光学式位置検出装置10は、視認面41(XY平面)に沿って検出光L2を放射状に出射する光源部12(線状光源部/第1光源部12Aおよび第2光源部12B)と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する第1受光部13とを備えている。また、光学式位置検出装置10は、実施の形態1と同様、第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置に配置された第2受光部14を有しており、かかる第2受光部14も、第1受光部13と同様、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する。また、本形態でも、実施の形態2と同様、第1受光部13として、2つの第1受光部13(第1受光部13A、13B)が用いられている。第1受光部13Aは、第1光源部12Aから放射状に出射される検出光L2(検出光L2a)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Aと第1光源部12Aとは第1受発光ユニット15Aとして一体化されている。第1受光部13Bは、第2光源部12Bから放射状に出射される検出光L2(検出光L2b)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Bと第2光源部12Bとは第2受発光ユニット15Bとして一体化されている。
【0074】
本形態では、第2受光部14についても、2つの第2受光部14(第2受光部14A、14B)が用いられている。第2受光部14Aは、第1光源部12Aから放射状に出射される検出光L2(検出光L2a)の放射中心位置に配置された第1受光部13Aに対してZ軸方向で重なる位置に配置されており、第1受光部13A、第2受光部14Aおよび第1光源部12Aは第1受発光ユニット15Aとして一体化されている。第2受光部14Bは、第2光源部12Bから放射状に出射される検出光L2(検出光L2b)の放射中心位置に配置された第1受光部13Bに対してZ軸方向で重なる位置に配置されており、第1受光部13B、第2受光部14Bおよび第2光源部12Bは第2受発光ユニット15Bとして一体化されている。このように構成された第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、共通のハウジング16内に収容されている。
【0075】
このように構成した光学式位置検出装置10においても、実施の形態1、2と同様、第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置に第2受光部14が設けられているため、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果に基づいて、広い検出対象空間10R全体にわたって、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出することができる。
【0076】
また、第1受光部13A、13Bに対してZ軸方向で重なる位置の各々に第2受光部14A、14Bが配置されている。このため、第1光源部12Aを点灯させた際の第1受光部13Aでの受光強度と第2受光部14Aでの受光強度との差、および第2光源部12Bを点灯させた際の第1受光部13Bでの受光強度と第2受光部14Bでの受光強度との差の双方を用いて、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出することができる。また、第1受光部13Aと第2受光部14Aは、Z軸方向において重なる位置に設けられ、第1受光部13Bと第2受光部14Bは、Z軸方向において重なる位置に設けられている。このため、第1受光部13Aでの受光強度と第2受光部14Aでの受光強度との比較結果は、対象物体ObのZ軸方向における位置のみの影響を受け、対象物体ObのX軸方向およびY軸方向における位置の影響を受けにくい。また、第1受光部13Bでの受光強度と第2受光部14Bでの受光強度との比較結果は、対象物体ObのZ軸方向における位置のみの影響を受け、対象物体ObのX軸方向およびY軸方向における位置の影響を受けにくい。それ故、対象物体ObのZ軸方向の位置を比較的高い精度で検出することができる。
【0077】
また、本形態において、光源部12は、検出光L2を放射状に出射する線状光源部であり、第1受光部13は、検出光L2の放射中心位置(中心PE)に配置されている。また、第1受光部13A、13Bに対してZ軸方向で重なる位置の各々に第2受光部14A、14Bが配置されている。このため、第1光源部12Aを第1受光部13Aおよび第2受光部14Aとともにユニット化とし、第2光源部12Bについても第1受光部13Bおよび第2受光部14Bとともにユニット化するのに都合がよい。
【0078】
[実施の形態4]
図14は、本発明の実施の形態4に係る光学式位置検出装置10に用いた光源部12の説明図である。図15は、図14に示す光源部の主要部の構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0079】
実施の形態1〜3では、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている構成であったが、図14および図15に示すように、本形態では、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、1つの光源モジュールからなる。すなわち、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、1つのライトガイドLGの一方の端部LG1および他方の端部LG2の各々に光源120(第1光源121および第2光源122)が配置されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0080】
かかる構成でも、第1点灯動作時(第1期間)に第1光源121が点灯すると、図5(a)および図7(a)に示す第1光強度分布LID1を形成することができ、第2点灯動作時(第2期間)に第2光源122が点灯すると、図5(b)および図7(a)に示す第2光強度分布LID2を形成することができる。
【0081】
なお、図14および図15には、実施の形態2で説明したように、光源部12と第1受光部13とによって受発光ユニットが構成され、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に第2受光部14が配置されている例が示されている。かかる構成の場合、光源部12の放射中心に第1受光部13を設けると、第1受光部13への検出光L2の入射が光源部12によって妨げられることになる。従って、このような場合、光源部12の放射中心位置に対してZ軸方向に重なる位置に第1受光部13を設ければよい。
【0082】
また、図14および図15に示す構成の光源部12は、実施の形態3のように、第1受光部13に対してZ軸方向で重なる位置(光源部12の放射中心位置に対してZ軸方向で重なる位置)に第2受光部14が配置されている場合や、実施の形態1のように、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に第1受光部13および第2受光部14が配置されている場合に採用してもよい。
【0083】
[実施の形態5]
図16は、本発明の実施の形態5に係る光学式位置検出装置10に用いた光源部12の説明図である。図17は、図16に示す光源部12の詳細構成を模式的に示す説明図であり、第1点灯動作時(第1期間)に検出光L2が出射される様子を示す説明図、および第2点灯動作時(第2期間)に検出光L2が出射される様子を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0084】
実施の形態1〜4では、光源部12にライトガイドLGを用いたが、本形態では、ライトガイドを用いずに、実施の形態1と同様な原理で対象物体ObのXY座標を検出する。より具体的には、図16に示すように、本形態の光学式位置検出装置10の光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、複数の光源120(第1光源121および第2光源122)が実装された帯状のフレキシブル基板180と、長さ方向(円周方向)で湾曲した形状をもって延在する凸曲面155を備えた扇形形状あるいは半円形状の光源支持部材150とを備えている。本形態において、凸曲面155は、その長さ方向(円周方向)で円弧形状に湾曲した形状を有している。
【0085】
本形態においては、フレキシブル基板180として、帯状の第1フレキシブル基板181と、第1フレキシブル基板181に対して幅方向(Z軸方向)で並列する帯状の第2フレキシブル基板182とが用いられている。第1フレキシブル基板181には、その長さ方向に、複数の光源120として、複数の第1光源121が実装されており、第2フレキシブル基板182には、その長さ方向に、複数の光源120として、複数の第2光源122が実装されている。光源120はいずれも、LEDが用いられている。
【0086】
また、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とはZ軸方向で互いに対称な構成を有している。第1光源支持部材151は、凸曲面155の上半部を構成する円弧状の凸曲面155aと、凸曲面155aにおいて第2光源支持部材152が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155aから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156aとを備えており、凸曲面155aに第1フレキシブル基板181が重ねて配置されている。第2光源支持部材152は、凸曲面155の下半部を構成する円弧状の凸曲面155bと、凸曲面155bにおいて第1光源支持部材151が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155bから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156bとを備えており、凸曲面155bに第2フレキシブル基板182が重ねて配置されている。ここで、第1フレキシブル基板181と第2フレキシブル基板182とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥にフォトダイオードを備えた第1受光部13が配置されている。
【0087】
このように構成した光学式位置検出装置10において、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの位置を検出するには、第1フレキシブル基板181に実装されている複数の第1光源121と、第2フレキシブル基板182に実装されている複数の第2光源122とを異なる期間において点灯させるとともに、複数の第1光源121の各々に供給する駆動電流を各々相違させ、複数の第2光源122の各々に供給する駆動電流を各々相違させる。そして、複数の第1光源121を全て点灯させ、複数の第2光源122を全て消灯させる第1点灯動作(第1期間)では、図17(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する側から他方側の端部181eが位置する側に向かって第1光源121の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布LID1では、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部181eが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0088】
これに対して、複数の第2光源122を全て点灯させ、複数の第1光源121を全て消灯させる第2点灯動作(第2期間)では、図17(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、第2フレキシブル基板182の長さ方向の一方側の端部182fが位置する側から他方側の端部182eが位置する側に向かって第2光源122の出射強度を増大させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布LID2では、第2フレキシブル基板182の長さ方向の他方側の端部182eが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部182fが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0089】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。その際、複数の第1光源121に供給する駆動電流の和(第1駆動電流値)、および複数の第2光源122に供給する駆動電流の和(第2駆動電流値)に基づいて対象物体Obの角度位置を検出すればよい。なお、複数の光源120の出射強度を変えるにあたっては、抵抗素子等により、駆動電流を光源120毎に変えればよい。かかる実施の形態によれば、光源部12から離間した位置に対しても十分な強度をもって検出光を出射することができるという利点がある。
【0090】
なお、図16および図17には、実施の形態2で説明したように、光源部12と第1受光部13とによって受発光ユニットが構成され、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に第2受光部14が配置されている例が示されている。但し、図16および図17に示す構成の光源部12は、実施の形態3のように、第1受光部13に対してZ軸方向で重なる位置(光源部12の放射中心位置に対してZ軸方向で重なる位置)に第2受光部14が配置されている場合や、実施の形態1のように、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に第1受光部13および第2受光部14が配置されている場合に採用してもよい。
【0091】
[実施の形態6]
図18は、本発明の実施の形態6に係る光学式位置検出装置10に用いた光源部12の説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1、5と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0092】
実施の形態5では、第1点灯動作では第1光源121を点灯させ、第2点灯動作では第2光源122を点灯させたが、本形態では、図18に示すように、1系統の光源120のみが用いられている。かかる構成でも、第1点灯動作時と第2点灯動作時において光源120に供給する駆動電流を変えれば、実施の形態1、2と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標データ)を検出することができる。すなわち、第1点灯動作(第1期間)では、図17(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、フレキシブル基板180の長さ方向の一方側の端部が位置する側から他方側の端部が位置する側に向かって光源120の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布LID1では、フレキシブル基板180の長さ方向の一方側の端部が位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部が位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。また、第2点灯動作(第2期間)では、図17(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、フレキシブル基板180の長さ方向の他方側の端部が位置する側から一方側の端部が位置する側に向かって光源120の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布LID2では、フレキシブル基板180の長さ方向の他方側の端部が位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部が位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0093】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1、5と同様な原理で対象物体ObのXY座標データを検出することができる。その際、第1点灯動作における光源120への駆動電流の和(第1駆動電流値)、および第2点灯動作における光源120への駆動電流の和(第1駆動電流値)に基づいて対象物体Obの角度位置を検出すればよい。
【0094】
なお、図18には、実施の形態2で説明したように、光源部12と第1受光部13とによって受発光ユニットが構成され、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に第2受光部14が配置されている例が示されている。かかる構成の場合、光源部12の放射中心に第1受光部13を設けると、第1受光部13への検出光L2の入射が光源部12によって妨げられることになる。従って、光源部12の放射中心位置に対してZ軸方向に重なる位置に第1受光部13を設ければよい。
【0095】
また、図18に示す構成の光源部12は、実施の形態3のように、第1受光部13に対してZ軸方向で重なる位置(光源部12の放射中心位置に対してZ軸方向で重なる位置)に第2受光部14が配置されている場合や、実施の形態1のように、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に第1受光部13および第2受光部14が配置されている場合に採用してもよい。
【0096】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、2つの光源部12を用いたが、1つの光源部12を用いて対象物体ObのXY面内における位置を検出してもよい。
【0097】
上記実施の形態では、第1受光部13での受光強度に基づいて対象物体ObのXY座標データを検出したが、第1受光部13での受光強度および第2受光部14での受光強度の和に基づいて対象物体ObのXY座標データを検出してもよい。
【0098】
上記実施の形態では、第1点灯動作時の第1受光部13での受光強度と第2点灯動作時の第1受光部13での受光強度とを直接、比較したが、検出対象空間10Rを介さずに第1受光部13に入射する参照光を出射する参照用光源を設けてもよい。かかる構成の場合、第1点灯動作時には、第1受光部13での受光強度と第1受光部13での参照光の受光強度とを比較し、第2点灯動作時にも、第1受光部13での受光強度と第1受光部13での参照光の受光強度とを比較する。従って、参照光の受光強度を基準に、第1点灯動作時の第1受光部13での受光強度と第2点灯動作時の第1受光部13での受光強度とを間接的に比較することができる。より具体的には、例えば、第1点灯動作時における第1受光部13の検出光L2(反射光L3)の受光強度と第1受光部13の参照光の受光強度との差を、第1点灯動作時における第1受光部13の受光強度として処理し、第2点灯動作時における第1受光部13の検出光L2(反射光L3)の受光強度と第1受光部13の参照光の受光強度との差を、第2点灯動作時における第1受光部13の受光強度として処理する。かかる構成によれば、外光等の影響を、参照光を受光した際の強度によって相殺することができるという利点がある。
【0099】
[位置検出システムの構成例]
(位置検出システム1の具体例1)
図19は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。なお、本形態の入力機能付き表示システムにおいて、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図18を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示しそれらの説明を省略する。
【0100】
上記実施の形態に係る位置検出システム1において、図19に示すように、視認面構成部材40として表示装置110を用い、かかる表示装置110に、図1〜図18を参照して説明した光学式位置検出装置10を設ければ、電子黒板やデジタルサイネージ等といった入力機能付き表示システム100として用いることができる。ここで、表示装置110は、直視型表示装置や、視認面構成部材40をスクリーンとする背面型投射型表示装置である。
【0101】
かかる入力機能付き表示システム100において、光学式位置検出装置10は、表示面110a(視認面41)に沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を検出する。このため、表示装置110で表示された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0102】
(位置検出システム1の具体例2)
図20を参照して、視認面構成部材40としてスクリーンを用い、位置機能付き投射型表示システムを構成した例を説明する。図20は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。なお、本形態の位置機能付き投射型表示システムにおいて、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図18を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示しそれらの説明を省略する。
【0103】
図20に示す入力機能付き投射型表示システム200(入力機能付き表示システム)では、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)からスクリーン80(視認面構成部材40)に画像が投射される。かかる入力機能付き投射型表示システム200において、画像投射装置250は、筐体240に設けられた投射レンズ系210からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。ここで、画像投射装置250は、Y軸方向に対してわずかに傾いた方向から画像表示光Piをスクリーン80に向けて投射する。従って、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面80aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0104】
かかる入力機能付き投射型表示システム200において、光学式位置検出装置10は、画像投射装置250に付加されて一体に構成されている。このため、光学式位置検出装置10は、投射レンズ系210とは異なる箇所から、スクリーン面80aに沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した反射光L3を検出する。このため、スクリーン80に投射された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0105】
なお、光学式位置検出装置10とスクリーン80とを一体化させれば、入力機能付きスクリーン装置を構成することができる。
【0106】
(位置検出システム1の他の具体例)
本発明において、視認面構成部材40は、展示品を覆う透光部材である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、透光部材において展示品が配置される側とは反対側で展示品が視認される面である。かかる構成によれば、入力機能付きウインドウシステム等として構成することができる。
【0107】
また、視認面構成部材40は、移動する遊技用媒体を支持する基盤である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、基盤において基盤と遊技用媒体との相対位置が視認される側の面である。かかる構成によれば、パチンコ台やコインゲーム等のアミューズメント機器を入力機能付きアミューズメントシステム等として構成することができる。
【符号の説明】
【0108】
1・・位置検出システム、10・・光学式位置検出装置、10R・・検出対象空間、12・・光源部、12A・・第1光源部、12B・・・第2光源部、13、13A、13B・・第1受光部、14、14A、14B・・第2受光部、40・・視認面構成部材、41・・視認面、50・・位置検出部、100・・入力機能付き表示システム、120・・光源、121・・第1光源、122・・第2光源、200・・・・入力機能付き投射型表示システム、250・・画像投射装置、Ob・・対象物体
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置、および当該光学式位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、点光源からなる複数の光源部および受光部を互いに離間した位置に設け、複数の光源部の各々から透光部材を介して対象物体に向けて検出光を出射した際に、対象物体で反射した検出光が透光部材を透過して受光部で検出されるものが提案されている(特許文献1参照)。かかる光学式位置検出装置では、光源から対象物体を経て受光部に至る距離によって受光部での受光強度が変化することを利用して対象物体の位置を検出する。
【0003】
また、点光源からなる複数の光源部の各々から出射された検出光を、導光板を介して出射することにより、導光板に対する一方面側に導光板の面内方向で強度が変化する光強度分布を形成し、かかる光強度分布が形成された空間に位置する対象物体で反射した検出光を受光部で検出する方式の光学式位置検出装置も提案されている(特許文献2、3参照)。かかる光学式位置検出装置では、対象物体の位置によって対象物体での反射光量が変化することを利用して導光板の面内方向での対象物体の位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534554号公報
【特許文献2】特開2010−127671号公報
【特許文献3】特開2009−295318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2、3に記載の光学式位置検出装置では、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭いという問題点がある。すなわち、特許文献1に記載の光学式位置検出装置では、点光源から出射された検出光を利用するため、検出光の出射角度範囲自体が狭く、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭い。また、特許文献2、3に記載の光学式位置検出装置では、対象物体の位置を検出可能な空間を拡張するには導光板を大型化する必要があり、かかる大型の導光板を用いると、検出光が導光板内部を伝播する際の減衰が大きい。このため、広い範囲にわたって所定の光強度分布を十分な強度レベルをもって形成することが困難であり、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭い。
【0006】
また、特許文献1に記載の光学式位置検出装置において対象物体の三次元的な位置を検出しようとすると、点光源からなる複数の光源部を三次元的に配置することになるが、この場合、光源部から出射される検出光の出射角度範囲自体が狭いため、対象物体の位置を検出可能な範囲が極端に狭くなってしまう。また、特許文献2、3に記載の光学式位置検出装置において対象物体の三次元的な位置を検出しようとすると、導光板に対する法線方向で変化する強度分布を形成する必要があり、かかる強度分布を大型の導光板で形成するのは困難である。それ故、対象物体の位置を検出可能な範囲が極端に狭い。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、広い範囲にわたって対象物体の三次元的な位置を光学的に検出することのできる光学式位置検出装置、およびかかる光学式位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る光学式位置検出装置は、第1方向、該第1方向に直交する第2方向、および前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向のうち、前記第1方向および前記第2方向より規定される仮想面に沿うように検出光を放射状に出射する光源部と、該光源部から前記検出光が出射される検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第1受光部と、該第1受光部に対して前記第3方向において離間し、前記検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第2受光部と、少なくとも前記第1受光部での受光強度に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との比較結果に基づいて前記第3方向における前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有していることを特徴とする。
【0009】
なお、本発明において、「少なくとも前記第1受光部での受光強度に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し」とは、前記第1受光部での受光強度に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出する構成の他、前記第1受光部での受光強度および前記第2受光部での受光強度の和に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出する構成を含む意味である。
【0010】
本発明に係る光学式位置検出装置において、光源部は、第1方向および第2方向より規定される仮想面に沿うように検出光を放射状に出射し、第1受光部は、光源部からの検出光出射空間(検出対象空間)に位置する対象物体で反射した検出光を受光する。従って、位置検出部は、第1受光部での受光強度に基づいて第1方向および第2方向における対象物体の位置を検出することができる。その際、光源部から放射状に出射される検出光を利用するため、検出対象空間全体に十分な強度で検出光を出射することができる。それ故、本発明によれば、検出対象空間が広い。また、本発明に係る光学式位置検出装置では、第1受光部に対して第3方向で離間する位置に第2受光部が設けられ、かかる第2受光部も、光源部からの検出光出射空間に位置する対象物体で反射した検出光を受光する。その際、第1受光部での受光強度と、第2受光部での受光強度との差や比等の比較結果は、対象物体の第3方向の位置によって変化する。従って、位置検出部は、第1受光部での受光強度と第2受光部での受光強度との比較結果を利用すれば、広い検出対象空間全体にわたって、第3方向における対象物体の位置を検出することができる。
【0011】
本発明において、前記位置検出部は、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との比較結果として、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との差に基づいて、前記第3方向における前記対象物体の位置を検出する構成を採用することができる。第1受光部での受光強度と第2受光部での受光強度との比較結果として、第1受光部での受光強度と第2受光部での受光強度との差を用いる構成であれば、回路構成等の簡素化を図ることができる。
【0012】
本発明において、前記光源部では、第1期間中、前記検出光の出射強度が当該検出光の出射角度範囲の一方側から他方側に向かって減少し、第2期間中、前記検出光の出射強度が当該検出光の出射角度範囲の他方側から一方側に向かって減少し、前記位置検出部は、前記第1期間における前記第1受光部の受光強度と前記第2期間における前記第1受光部の受光強度との比較結果に基づいて、前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置として、前記光源部に対する前記対象物体の角度位置を検出する構成を採用することができる。かかる構成によれば、広い空間にわたって光強度分布を形成することができるので、検出対象空間が広い。
【0013】
本発明において、前記位置検出部は、前記第1期間における前記第1受光部の受光強度と前記第2期間における前記第1受光部の受光強度との比較結果において、前記第1期間における前記第1受光部の受光強度と前記第2期間における前記第1受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1期間における前記光源部に対する第1駆動電流値と前記第2期間における前記光源部に対する第2駆動電流値との比較結果に基づいて、前記対象物体の位置を検出する構成を採用することができる。
【0014】
本発明において、前記光源部として、第1光源部と、該第1光源部に対して前記第1方向で離間する位置に設けられた第2光源部と、を備えていることが好ましい。かかる構成によれば、第1光源部に対する対象物体の角度位置と、第2光源部に対する対象物体の角度位置との交点に相当する位置から、第1方向における位置および第2方向における位置として、対象物体の二次元座標データ(第1方向における座標データおよび第2方向における座標データ)を得ることができる。
【0015】
本発明において、前記第1受光部および前記第2受光部は、前記第1方向において前記第1光源部と前記第2光源部との間に設けられている構成を採用することができる。かかる構成によれば、光源部(第1光源部および第2光源部)、第1受光部および第2受光部を全て共通のハウジング内に収容するのが容易である。
【0016】
この場合、前記第1受光部と前記第2受光部は、前記第3方向において重なる位置に設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、第1受光部での受光強度と第2受光部での受光強度との比較結果は、対象物体の第3方向における位置のみの影響を受け、対象物体の第1方向および第2方向における位置の影響を受けにくいという利点がある。
【0017】
本発明において、前記第1受光部は、前記第1光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置、および前記第2光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置の各々に設けられている構成を採用することができる。かかる構成によれば、第1光源部を第1受光部とともにユニット化とし、第2光源部についても第1受光部とともにユニット化するのに都合がよい。
【0018】
この場合、前記第2受光部は、前記第1方向において前記第1光源部と前記第2光源部との間に設けられている構成を採用することができる。かかる構成によれば、光源部(第1光源部および第2光源部)、第1受光部および第2受光部を全て共通のハウジング内に収容するのが容易である。
【0019】
また、前記第2受光部は、前記第1光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置および前記第2光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置の各々に設けられている構成を採用することができる。かかる構成によれば、第1受光部と第2受光部は2対設けられることになるので、第1受光部での受光強度と第2受光部での受光強度との比較結果を2つ得ることができるので、第3方向における対象物体の位置検出精度高めることができる。また、第1受光部と第2受光部とは第3方向で重なることになるので、第1受光部での受光強度と第2受光部での受光強度との比較結果は、対象物体の第3方向における位置のみの影響を受け、対象物体の第1方向および第2方向における位置の影響を受けにくいという利点がある。
【0020】
本発明に係る光学式位置検出装置は、入力機能付き表示システム等、各種のシステムに利用することができる。例えば、画像が表示される表示装置と、該表示装置に対して前記画像が表示される側の対象物体の位置を検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記表示装置により表示される画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。また、画像が表示される表示装置と、該表示装置に対して前記画像が表示される側の対象物体の位置を検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記表示装置により表示される画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。さらに、また、他のシステムとしては、電子ペーパーに対する入力システムや、入力機能付きウインドウシステムや、入力機能付きアミューズメントシステムに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を側方からみたときの説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置に用いた光源部の説明図である。
【図4】図3に示す光源部の主要部の構成を示す説明図である。
【図5】図4に示す光源部の詳細構成を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において対象物体の角度位置を検出する原理を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において対象物体のXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において対象物体のZ座標データを検出する原理を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置に用いた光源部の説明図である。
【図12】図11に示す光源部の主要部の構成を示す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態4に係る光学式位置検出装置に用いた光源部の説明図である。
【図15】図14に示す光源部の主要部の構成を示す説明図である。
【図16】本発明の実施の形態5に係る光学式位置検出装置に用いた光源部の説明図である。
【図17】図16に示す光源部の詳細構成を模式的に示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態6に係る光学式位置検出装置に用いた光源部の説明図である。
【図19】本発明を適用した位置検出システムの具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。
【図20】本発明を適用した位置検出システムの具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する方向をX軸方向(第1方向)およびY軸方向(第2方向)とし、X軸方向およびY軸方向に交差する方向をZ軸方向(第3方向)とする。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側、Z軸方向の一方側をZ1側とし、他方側をZ2側として表してある。
【0023】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、光学式位置検出装置を検出光出射空間側の斜め方向からみたときの説明図、および光学式位置検出装置を正面からみたときの説明図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を側方からみたときの説明図である。
【0024】
図1および図2において、本形態の位置検出システム1は、対象物体Obの位置を検出する光学式位置検出装置10を有しており、かかる光学式位置検出装置10は、X軸方向およびY軸方向により規定される仮想のXY平面(仮想面)に沿うように放射状に出射した検出光L2を利用して、対象物体Obの位置を検出する。本形態において、位置検出システム1は、XY平面に沿って広がる視認面41をZ軸方向の一方側Z1に備えた視認面構成部材40を有しており、光学式位置検出装置10は、視認面41に沿って検出光L2を出射し、視認面構成部材40に対して視認面41側(Z軸方向の一方側Z1)に位置する対象物体Obの位置を検出する。従って、位置検出システム1の検出対象空間10Rは、光学式位置検出装置10において検出光L2が出射される検出光出射空間である。かかる位置検出システム1は、光学式位置検出装置10によって、後述する電子黒板等の入力機能付き表示システムや入力機能付き投射型表示システム等として用いることができる。
【0025】
本形態の位置検出システム1において、光学式位置検出装置10は、視認面41(XY平面)に沿って検出光L2を放射状に出射する光源部12(線状光源部)と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する第1受光部13とを備えている。
【0026】
本形態においては、光源部12として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)が用いられており、第1光源部12Aと第2光源部12Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。後述するように、光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、LED(発光ダイオード)からなる光源を備えており、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2(検出光L2a、L2b)を放射状に出射する。
【0027】
第1受光部13は、X軸方向において2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)の間に配置されており、本形態において、第1受光部13は、X軸方向において2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)の中間位置に配置されている。また、第1受光部13は、Y軸方向において第1光源部12Aおよび第2光源部12Bと同一位置にあり、Z軸方向においても、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bと同一位置にある。
【0028】
また、光学式位置検出装置10は、第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置に第2受光部14を有しており、本形態において、第2受光部14は、第1受光部13に対してZ軸方向の一方側Z1に配置されている。かかる第2受光部14も、第1受光部13と同様、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する。本形態において、第2受光部14は、第2受光部14に対してZ軸方向で重なる位置に配置されている。従って、第1受光部13および第2受光部14は、X軸方向において2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)の中間位置に配置されている。
【0029】
第1受光部13および第2受光部14は各々、受光素子として、フォトダイオードやフォトトランジスター等を備えており、本形態において、第1受光部13および第2受光部14は赤外域に感度ピークを備えたフォトダイオードを備えている。
【0030】
このように構成した光学式位置検出装置10において、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)、第1受光部13および第2受光部14は、検出対象空間10Rに向く面が透光部になっている共通のハウジング16に収容されており、ハウジング16は、視認面構成部材40よりZ軸方向の一方側Z1に突出した位置にある。また、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は異なる期間において動作する。従って、第1光源部12Aから検出光L2aが出射された際、第1受光部13および第2受光部14は、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2a(反射光L3)を受光する。かかる動作とは異なる期間において、第2光源部12Bから検出光L2bが出射された際、第1受光部13Bおよび第2受光部14は、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2b(反射光L3)を受光する。
【0031】
(光源部12の具体的構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10に用いた光源部12の説明図である。図4は、図3に示す光源部12の主要部の構成を示す説明図である。図5は、図4に示す光源部12の詳細構成を模式的に示す説明図であり、第1点灯動作時(第1期間)に検出光L2が出射される様子を示す説明図、および第2点灯動作時(第2期間)に検出光L2が出射される様子を示す説明図である。
【0032】
図3に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bは各々、Z軸方向からみたときに扇形形状あるいは半円形状を有する光源支持部材150を有している。かかる光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151および第2光源支持部材152は各々、扇形形状あるいは半円形状の鍔部156a、156bを備えている。鍔部156a、156bにより挟まれた部分は、第1光源部12Aから検出光L2が出射される出射部になっており、鍔部156a、156bは、Z軸方向における検出光L2の出射範囲を制限している。第1光源部12Aにおいて、光源支持部材150の中心角は概ね180°であり、第1光源部12Aは、概ね180°の角度範囲にわたって形成されている。第1光源部12Aは、検出光L2の出射部として、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている。
【0033】
図4に示すように、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる光源120、および円弧状のライトガイドLGを備えている。第2光源部12Bも、第1光源部12Aと同様、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる光源120、および円弧状のライトガイドLGを備えている。
【0034】
より具体的には、図5(a)に示すように、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126は、光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第1光源121を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第1光源121は、ライトガイドLGの一方の端部LG1に配置されている。また、第1光源モジュール126は、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。図5(b)に示すように、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第2光源122を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第2光源122は、ライトガイドLGの他方の端部LG2に配置されている。また、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。なお、ライトガイドLGの外周面LG3および内周面LG4のうちの少なくとも一方には、ライトガイドLGからの検出光L2の出射効率を調整するための加工が施されており、かかる加工手法としては、例えば反射ドットを印刷する方式や、スタンパーやインジェクションにより凹凸を付す成型方式や、溝加工方式を採用することができる。第2光源部12Bも、第1光源部12Aと同様な構成を有していため、説明を省略する。
【0035】
(位置検出部等の構成)
図6は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図である。本形態の光学式位置検出装置10において、図1〜図5等を参照して説明した第1光源部12A、第2光源部12B、第1受光部13および第2受光部14は、図5に示す制御用IC70に電気的に接続されており、制御用IC70は制御部61を備えた制御装置60に電気的接続されている。制御用IC70は、基準クロック、A相基準パルス、B相基準パルス、タイミング制御パルス、同期クロック等を生成する複数の回路、A相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75a、およびB相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75bを有している。また、制御用IC70は、パルス発生器75aおよびパルス発生器75bが生成した駆動パルスを第1光源部12Aの第1光源121、第1光源部12Aの第2光源122、第2光源部12Bの第1光源121、および第2光源部12Bの第2光源122の何れに印加するかを制御するスイッチ部76を有しており、パルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76は光源駆動部51を構成している。
【0036】
また、制御用IC70は、第1受光部13での検出結果を増幅する増幅部等を備えた第1受光量測定部73と、第1受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第1光源部12Aの光源120(第1光源121および第2光源122)、および第2光源部12Bの光源120(第1光源121および第2光源122)に供給する駆動パルスの駆動電流値(第1駆動電流値)を調整する調整量算出部74とを備えている。かかる第1受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。
【0037】
また、制御用IC70は、第2受光部14での検出結果を増幅する増幅部等を備えた第2受光量測定部77と、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度とを比較する受光強度比較部78とを備えている。かかる第2受光量測定部77および受光強度比較部78も、位置検出部50の一部の機能を担っている。本形態において、受光強度比較部78は、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果として、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との差を検出する。
【0038】
制御装置60は、第1受光量測定部73、調整量算出部74、第2受光量測定部77および受光強度比較部78とともに位置検出部50を構成する座標データ取得部55を有している。従って、位置検出部50は、制御用IC70の第1受光量測定部73、調整量算出部74、第2受光量測定部77および受光強度比較部78と、制御装置60(パーソナルコンピューター)の座標データ取得部55とによって構成されている。
【0039】
ここで、座標データ取得部55は、対象物体ObのXY座標を取得するXY座標データ取得部556と、対象物体ObのZ座標を取得するZ座標データ取得部552と、XY座標データ取得部556で取得されたXY座標、およびZ座標データ取得部552で取得されたZ座標データに基づいて対象物体ObのXYZ座標を取得するXYZ座標データ取得部554とを備えている。また、XY座標データ取得部556は、第1光源部12Aに対する駆動結果に基づいて、第1光源部12Aの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第1角度位置検出部557と、第2光源部12Bに対する駆動結果に基づいて、第2光源部12Bの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第2角度位置検出部558とを有している。また、XY座標データ取得部556は、第1角度位置検出部557で得られた対象物体Obの角度位置と、第2角度位置検出部558で得られた対象物体Obの角度位置とに基づいて対象物体ObのXY座標データを確定するXY座標データ確定部559を備えている。Z座標データ取得部552は、XY座標データ取得部556で取得されたXY座標データと、受光強度比較部78で得られた第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果(第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との差)との関係により特定される対象物体ObのZ座標データが記憶された記憶部552aを有している。かかるZ座標データ取得部552は、XY座標データ取得部556で取得されたXY座標データと、受光強度比較部78で得られた第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果とが得られた際、記憶部552aに記憶されている内容をルックアップテーブルとして利用して対象物体ObのZ座標データを取得する。
【0040】
なお、本形態では、第1光源部12Aに対する駆動、および第2光源部12Bに対する駆動等を1つの制御用IC70で行ったが、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bを各々別の制御用ICで駆動してもよい。
【0041】
(XY座標データ検出原理)
図5に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、図6を参照して説明した光源駆動部51は、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、検出光L2の出射強度が検出光L2の出射角度範囲の一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作と、検出光L2の出射強度が検出光L2の出射角度範囲の他方側から一方側に向かって減少する第2点灯動作とを行わせる。
【0042】
より具体的には、光源駆動部51は、第1光源部12Aに対して、第1点灯動作時(第1期間)には、第1光源モジュール126の第1光源121を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2を出射させる。その際、第2光源122は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第1光強度分布LID1が形成される。かかる第1光強度分布LID1は、図5(a)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0043】
また、光源駆動部51は、第1光源部12Aに対して、第2点灯動作時(第2期間)には、第2光源モジュール127の第2光源122を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2を出射させる。その際、第1光源121は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第2光強度分布LID2が形成される。かかる第2光強度分布LID2は、図5(b)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0044】
なお、第2光源部12Bにおいて、第1光源モジュール126の第1光源121が点灯した第1点灯動作時(第1期間)、および第2光源モジュール127の第2光源122が点灯した第2点灯動作時(第2期間)にも、第1光源部12Aと同様、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2が形成される。従って、後述するように、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を利用すれば、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの中心PEの距離DS(図8参照)が固定であるので、対象物体ObのXY座標データを検出することができる。
【0045】
(対象物体Obの角度位置の検出)
図7は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において対象物体Obの角度位置を検出する原理を示す説明図であり、図7(a)、(b)は光強度分布の説明図、および対象物体が存在する位置情報(方位情報)を取得する方法の説明図である。図8は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において対象物体ObのXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【0046】
本形態では、第1光源部12Aの第1光源モジュール126において、第1光強度分布LID1を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図7(a)に線E1で示す直線関係にある。また、第1光源部12Aの第2光源モジュール127において、第2光強度分布LID2を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図7(a)に線E2で示す直線関係にある。ここで、図7(b)および図8に示すように、第1光源部12Aの中心PE(第1光源モジュール126の中心/検出光L2の放射中心位置)からみて角度θの方向に対象物体Obが存在するとする。この場合、第1光強度分布LID1を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTaとなる。これに対して、第2光強度分布LID2を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTbとなる。従って、第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13での受光強度と、第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Bでの受光強度とを比較して、強度INTa、INTbの関係を求めれば、図7(b)および図8に示すように、第1光源部12Aの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1/角度位置)を求めることができる。
【0047】
かかる原理を利用して、対象物体Obの角度位置(角度θ1)を検出するにあたって、本形態では、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126によって第1光強度分布LID1を形成した第1動作時(第1期間)における第1受光部13での受光強度と、第2光源モジュール127によって第2光強度分布LID2を形成した第2動作時(第2期間)における第1受光部13での受光強度とが等しくなるように、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値を調整する。ここで、第1光源部12Aからの検出光L2の出射強度は、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値に比例する。従って、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値を調整した後の第1駆動電流値と第2駆動電流値との比や差や、あるいは駆動電流値を調整した際の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。
【0048】
より具体的には、まず、図6に示す制御用IC70の光源駆動部51は、第1期間では第1点灯動作として第1光源121を点灯させて第1光強度分布LID1を形成した後、第2期間では第2点灯動作として第2光源122を点灯させて第2光強度分布LID2を形成する。この際、第1光源121に対する第1駆動電流値と、第2光源122に対する第2駆動電流値とは等しいので、第1光強度分布LID1と第2光強度分布LID2とは強度変化の向きは逆向きであるが、強度レベルは同一である。
【0049】
そして、図6に示す位置検出部50の調整量算出部74は、第1点灯動作時の第1受光部13の受光強度INTaと、第2点灯動作時の第1受光部13の受光強度INTbとを比較する。その結果、受光強度INTa、INTbが一致している場合、対象物体Obが位置する方向の角度θは、図7(b)に示すθ=0°の位置となる。これに対して、受光強度INTa、INTbが相違している場合、調整量算出部74は、第1点灯動作時の第1受光部13の受光強度INTaと、第2点灯動作時の第1受光部13の受光強度INTbとが等しくなるように、第1光源121に対する第1駆動電流値、および第2光源122に対する第2駆動電流値を調整する。そして、再度、第1点灯動作と第2点灯動作とを行った際に、第1点灯動作時の第1受光部13の受光強度INTaと、第2点灯動作時の第1受光部13の受光強度INTbとが等しければ、図6に示す第1角度位置検出部557は、かかる調整を行った後の第1光源121および第2光源122に対する駆動電流の比や差、あるいは駆動電流の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求める。
【0050】
かかる動作を第2光源部12Bにおいても行えば、図6に示す第2角度位置検出部558は、第2光源部12Bの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ2/角度位置)を求めることができる。従って、図6に示すXY座標データ確定部559は、第1角度位置検出部557で検出した角度位置(角度θ1の方向)と、第2角度位置検出部558で検出した角度位置(角度θ2の方向)の交点に相当する位置を対象物体Obが位置するXY座標データとして取得する。
【0051】
(Z座標データ検出原理)
図9は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において対象物体ObのZ座標データを検出する原理を示す説明図であり、図9(a)、(b)、(c)は、対象物体Obが視認面構成部材40に接している状態での反射光L3の説明図、対象物体Obが視認面構成部材40から離間している状態での反射光L3の説明図、およびZ座標データと受光部での受光強度差との関係を示す説明図である。
【0052】
本形態では、図9を参照して以下に説明するように、XY座標データの検出動作を利用して、対象物体ObのZ座標データを検出する。例えば、第1光源部12Aにおいて、第1光源121を第2光源122と等しい駆動電流値で駆動した際の第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果を利用して、対象物体ObのZ座標データを検出する。より具体的には、第1光源部12Aを駆動した際、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)のうち、実線で示す反射光L3eは第1受光部13で検出され、点線で示す反射光L3fは第2受光部14で検出される。その際、第1光源部12Aは、視認面41に沿う方向に中心光軸を向けているとともに、第1光源121から出射される検出光L2は、Z軸方向において発散する光である。このため、第1光源121から出射される検出光L2には視認面41に対して斜め方向に進行する光成分が含まれている。従って、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)のうち、第1受光部13に向かう反射光L3(反射光L3e)の強度と、第2受光部14に向かう反射光L3(反射光L3f)の強度とが相違する。その結果、第1受光部13で検出される反射光L3(反射光L3e)の受光強度と、第2受光部14で検出される反射光L3(反射光L3f)の受光強度とは相違する。
【0053】
ここで、第1受光部13で検出される反射光L3(反射光L3e)の受光強度と、第2受光部14で検出される反射光L3(反射光L3f)の受光強度との差や比は、図9(a)に示すように、対象物体Obが視認面構成部材40に接している状態と、図9(b)に示すように、対象物体Obが視認面構成部材40から離間している状態とで相違する。すなわち、対象物体ObのXY座標データが同一であっても、対象物体ObのZ軸方向における位置が相違すれば、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度Dとの差や比が相違する。例えば、図9(c)に示すように、第1受光部13での受光強度D13と第2受光部14での受光強度D14との差(ΔD)は、対象物体ObのZ軸方向における位置によって単調変化する。なお、図9(c)に示す関係(対象物体ObのZ軸方向における位置と差(ΔD)との関係)は、対象物体ObのX軸方向における位置およびY軸方向における位置によって変動するが、いずれの場合でも、図9(c)に示す関係と同様な関係を有している。
【0054】
そこで、本形態では、図6を参照して説明したZ座標データ取得部552において、記憶部552aには、XY座標データ取得部556で取得されたXY座標データ、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との差、および対象物体ObのZ座標データとの関係を示すデータが記憶されている。従って、Z座標データ取得部552は、XY座標データ取得部556で取得されたXY座標データと、受光強度比較部78で得られた第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との差とが得られた際、記憶部552aに記憶されている内容をルックアップテーブルとして利用して対象物体ObのZ座標データを取得することができる。それ故、XYZ座標データ取得部554は、XY座標データ取得部556で取得されたXY座標、およびZ座標データ取得部552で取得されたZ座標データに基づいて対象物体ObのXYZ座標を取得することができる。
【0055】
なお、上記の説明では、第1光源部12Aを利用して対象物体ObのZ座標データを取得したが、第2光源部12B、あるいは第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの双方を利用して対象物体ObのZ座標データを取得してもよい。
【0056】
(Z座標データの利用例)
ここで、Z座標データは、対象物体Obの傾き等の影響により、XY座標に比して検出精度が低い場合がある。この場合、XYZ座標データ取得部554は、Z座標データに基づいて、対象物体ObのZ軸方向の位置を2つの範囲として確定してもよい。
【0057】
例えば、XYZ座標データ取得部554は、対象物体ObのZ座標データがある範囲である場合には、図9(b)に示すように、対象物体ObのZ軸方向の位置として、視認面構成部材40から離間している位置と判定し、対象物体ObのZ座標データが別の範囲である場合には、図9(a)に示すように、対象物体ObのZ軸方向の位置として、視認面構成部材40に接している位置と判定してもよい。
【0058】
このような利用例によれば、位置検出システム1を入力装置として利用する場合、対象物体Obが視認面構成部材40から離間しているときには対象物体ObのXY座標データを入力予定位置として判定し、対象物体ObのZ軸方向の位置が視認面構成部材40に接する位置となった時点で、対象物体ObのXY座標データ(入力位置)が確定したと判定することができる。
【0059】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10では、光源部12が検出光L2をXY面に沿って放射状に出射した際、第1受光部13は、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射された検出光L2(反射光L3)を受光し、位置検出部50は、第1受光部13での受光強度に基づいて対象物体ObのXY座標データを検出する。かかる構成によれば、光源部12から放射状に出射される検出光L2を利用するため、検出対象空間10R全体に十分な強度で検出光を出射することができる。それ故、本形態によれば、検出対象空間10Rが広い。
【0060】
また、本形態の光学式位置検出装置10では、第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置に第2受光部14が設けられ、かかる第2受光部14も、光源部12からの検出光出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射された検出光L2(反射光L3)を受光する。その際、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との差(比較結果)は、対象物体ObのZ軸方向の位置によって変化する。従って、位置検出部50は、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果に基づいて対象物体ObのZ軸方向の位置を検出することができ、かかる構成によれば、広い検出対象空間10R全体にわたって、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出することができる。
【0061】
また、本形態においては、光源部12として、第1光源部12Aと、第1光源部12Aに対してX軸方向で離間する位置に設けられた第2光源部12Bとを備えている。従って、第1光源部12Aに対する対象物体Obの角度位置(θ1)と、第2光源部12Bに対する対象物体Obの角度位置(θ1)との交点に相当する位置から、X軸方向における位置およびY軸方向における位置として、対象物体のXY座標データを得ることができる。
【0062】
また、第1受光部13および第2受光部14は、X軸方向において第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に設けられているため、光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)、第1受光部13および第2受光部14を全て共通のハウジング16内に収容するのが容易である。
【0063】
また、第1受光部13と第2受光部14は、Z軸方向において重なる位置に設けられているため、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果は、対象物体ObのZ軸方向における位置のみの影響を受け、対象物体ObのX軸方向およびY軸方向における位置の影響を受けにくいという利点がある。
【0064】
[実施の形態2]
図10は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の主要部を模式的に示す説明図であり、図10(a)、(b)は、光学式位置検出装置10を検出光出射空間側の斜め方向からみたときの説明図、および光学式位置検出装置10を正面からみたときの説明図である。図11は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10に用いた光源部12の説明図である。図12は、図11に示す光源部12の主要部の構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0065】
図10に示す位置検出システム1においても、実施の形態1と同様、光学式位置検出装置10は、視認面41(XY平面)に沿って検出光L2を放射状に出射する光源部12(線状光源部/第1光源部12Aおよび第2光源部12B)と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する第1受光部13とを備えている。また、光学式位置検出装置10は、実施の形態1と同様、第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置に配置された第2受光部14を有しており、かかる第2受光部14も、第1受光部13と同様、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する。本形態においても、実施の形態1と同様、第2受光部14は、X軸方向において第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間のうち、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの中間位置に配置されている。
【0066】
本形態においては、第1受光部13として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く2つの受光部(第1受光部13A、13B)を有している。また、2つの第1受光部13(第1受光部13A、13B)のうち、第1受光部13Aは、第1光源部12Aから放射状に出射される検出光L2(検出光L2a)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Aと第1光源部12Aとは第1受発光ユニット15Aとして一体化されている。また、第1受光部13Bは、第2光源部12Bから放射状に出射される検出光L2(検出光L2b)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Bと第2光源部12Bとは第2受発光ユニット15Bとして一体化されている。このように構成された第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、第2受光部14とともに共通のハウジング16内に収容されている。
【0067】
第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、視認面構成部材40よりZ軸方向の一方側Z1に突出した位置にある。また、第1受発光ユニット15Aと第2受発光ユニット15Bとは異なるタイミングで動作する。より具体的には、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aから検出光L2aが出射された際、第1受光部13Aは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2a(反射光L3)を受光する。かかる動作とは異なる期間において、第2受発光ユニット15Bにおいて、第2光源部12Bから検出光L2bが出射された際、第1受光部13Bは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2b(反射光L3)を受光する。
【0068】
図11および図12に示すように、第1受発光ユニット15Aは、Z軸方向からみたときに扇形形状あるいは半円形状を有する光源支持部材150を有している。かかる光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151および第2光源支持部材152は各々、扇形形状あるいは半円形状の鍔部156a、156bを備えている。鍔部156a、156bにより挟まれた部分は、第1光源部12Aから検出光L2が出射される出射部になっており、鍔部156a、156bは、Z軸方向における検出光L2の出射範囲を制限している。
【0069】
また、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aは、検出光L2の出射部として、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている。第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥にフォトダイオードを備えた第1受光部13Aが配置されている。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有していため、説明を省略する。
【0070】
このように構成した光学式位置検出装置10においても、実施の形態1と同様、第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置に第2受光部14が設けられているため、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果に基づいて、広い検出対象空間10R全体にわたって、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出することができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0071】
また、本形態において、光源部12は、検出光L2を放射状に出射する線状光源部であり、第1受光部13は、検出光L2の放射中心位置(中心PE)に配置されている。このため、第1光源部12Aを第1受光部13Aとともにユニット化とし、第2光源部12Bについても第1受光部13Bとともにユニット化するのに都合がよい。また、第1受光部13は、検出光L2の放射中心位置(中心PE)に配置されているため、第1光源部12Aから検出光L2(検出光L2a)が出射された際、対象物体Obで反射した検出光L2aを第1受光部13Aで効率よく検出することができ、第2光源部12Bから検出光L2(検出光L2b)が出射された際、対象物体Obで反射した検出光L2bを第1受光部13Bで効率よく検出することができる。
【0072】
[実施の形態3]
図13は、本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置10の主要部を模式的に示す説明図であり、図13(a)、(b)は、光学式位置検出装置10を検出光出射空間側の斜め方向からみたときの説明図、および光学式位置検出装置10を正面からみたときの説明図である。
【0073】
図13に示す位置検出システム1においても、実施の形態1と同様、光学式位置検出装置10は、視認面41(XY平面)に沿って検出光L2を放射状に出射する光源部12(線状光源部/第1光源部12Aおよび第2光源部12B)と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する第1受光部13とを備えている。また、光学式位置検出装置10は、実施の形態1と同様、第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置に配置された第2受光部14を有しており、かかる第2受光部14も、第1受光部13と同様、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する。また、本形態でも、実施の形態2と同様、第1受光部13として、2つの第1受光部13(第1受光部13A、13B)が用いられている。第1受光部13Aは、第1光源部12Aから放射状に出射される検出光L2(検出光L2a)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Aと第1光源部12Aとは第1受発光ユニット15Aとして一体化されている。第1受光部13Bは、第2光源部12Bから放射状に出射される検出光L2(検出光L2b)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Bと第2光源部12Bとは第2受発光ユニット15Bとして一体化されている。
【0074】
本形態では、第2受光部14についても、2つの第2受光部14(第2受光部14A、14B)が用いられている。第2受光部14Aは、第1光源部12Aから放射状に出射される検出光L2(検出光L2a)の放射中心位置に配置された第1受光部13Aに対してZ軸方向で重なる位置に配置されており、第1受光部13A、第2受光部14Aおよび第1光源部12Aは第1受発光ユニット15Aとして一体化されている。第2受光部14Bは、第2光源部12Bから放射状に出射される検出光L2(検出光L2b)の放射中心位置に配置された第1受光部13Bに対してZ軸方向で重なる位置に配置されており、第1受光部13B、第2受光部14Bおよび第2光源部12Bは第2受発光ユニット15Bとして一体化されている。このように構成された第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、共通のハウジング16内に収容されている。
【0075】
このように構成した光学式位置検出装置10においても、実施の形態1、2と同様、第1受光部13に対してZ軸方向で離間する位置に第2受光部14が設けられているため、第1受光部13での受光強度と第2受光部14での受光強度との比較結果に基づいて、広い検出対象空間10R全体にわたって、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出することができる。
【0076】
また、第1受光部13A、13Bに対してZ軸方向で重なる位置の各々に第2受光部14A、14Bが配置されている。このため、第1光源部12Aを点灯させた際の第1受光部13Aでの受光強度と第2受光部14Aでの受光強度との差、および第2光源部12Bを点灯させた際の第1受光部13Bでの受光強度と第2受光部14Bでの受光強度との差の双方を用いて、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出することができる。また、第1受光部13Aと第2受光部14Aは、Z軸方向において重なる位置に設けられ、第1受光部13Bと第2受光部14Bは、Z軸方向において重なる位置に設けられている。このため、第1受光部13Aでの受光強度と第2受光部14Aでの受光強度との比較結果は、対象物体ObのZ軸方向における位置のみの影響を受け、対象物体ObのX軸方向およびY軸方向における位置の影響を受けにくい。また、第1受光部13Bでの受光強度と第2受光部14Bでの受光強度との比較結果は、対象物体ObのZ軸方向における位置のみの影響を受け、対象物体ObのX軸方向およびY軸方向における位置の影響を受けにくい。それ故、対象物体ObのZ軸方向の位置を比較的高い精度で検出することができる。
【0077】
また、本形態において、光源部12は、検出光L2を放射状に出射する線状光源部であり、第1受光部13は、検出光L2の放射中心位置(中心PE)に配置されている。また、第1受光部13A、13Bに対してZ軸方向で重なる位置の各々に第2受光部14A、14Bが配置されている。このため、第1光源部12Aを第1受光部13Aおよび第2受光部14Aとともにユニット化とし、第2光源部12Bについても第1受光部13Bおよび第2受光部14Bとともにユニット化するのに都合がよい。
【0078】
[実施の形態4]
図14は、本発明の実施の形態4に係る光学式位置検出装置10に用いた光源部12の説明図である。図15は、図14に示す光源部の主要部の構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0079】
実施の形態1〜3では、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている構成であったが、図14および図15に示すように、本形態では、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、1つの光源モジュールからなる。すなわち、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、1つのライトガイドLGの一方の端部LG1および他方の端部LG2の各々に光源120(第1光源121および第2光源122)が配置されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0080】
かかる構成でも、第1点灯動作時(第1期間)に第1光源121が点灯すると、図5(a)および図7(a)に示す第1光強度分布LID1を形成することができ、第2点灯動作時(第2期間)に第2光源122が点灯すると、図5(b)および図7(a)に示す第2光強度分布LID2を形成することができる。
【0081】
なお、図14および図15には、実施の形態2で説明したように、光源部12と第1受光部13とによって受発光ユニットが構成され、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に第2受光部14が配置されている例が示されている。かかる構成の場合、光源部12の放射中心に第1受光部13を設けると、第1受光部13への検出光L2の入射が光源部12によって妨げられることになる。従って、このような場合、光源部12の放射中心位置に対してZ軸方向に重なる位置に第1受光部13を設ければよい。
【0082】
また、図14および図15に示す構成の光源部12は、実施の形態3のように、第1受光部13に対してZ軸方向で重なる位置(光源部12の放射中心位置に対してZ軸方向で重なる位置)に第2受光部14が配置されている場合や、実施の形態1のように、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に第1受光部13および第2受光部14が配置されている場合に採用してもよい。
【0083】
[実施の形態5]
図16は、本発明の実施の形態5に係る光学式位置検出装置10に用いた光源部12の説明図である。図17は、図16に示す光源部12の詳細構成を模式的に示す説明図であり、第1点灯動作時(第1期間)に検出光L2が出射される様子を示す説明図、および第2点灯動作時(第2期間)に検出光L2が出射される様子を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0084】
実施の形態1〜4では、光源部12にライトガイドLGを用いたが、本形態では、ライトガイドを用いずに、実施の形態1と同様な原理で対象物体ObのXY座標を検出する。より具体的には、図16に示すように、本形態の光学式位置検出装置10の光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、複数の光源120(第1光源121および第2光源122)が実装された帯状のフレキシブル基板180と、長さ方向(円周方向)で湾曲した形状をもって延在する凸曲面155を備えた扇形形状あるいは半円形状の光源支持部材150とを備えている。本形態において、凸曲面155は、その長さ方向(円周方向)で円弧形状に湾曲した形状を有している。
【0085】
本形態においては、フレキシブル基板180として、帯状の第1フレキシブル基板181と、第1フレキシブル基板181に対して幅方向(Z軸方向)で並列する帯状の第2フレキシブル基板182とが用いられている。第1フレキシブル基板181には、その長さ方向に、複数の光源120として、複数の第1光源121が実装されており、第2フレキシブル基板182には、その長さ方向に、複数の光源120として、複数の第2光源122が実装されている。光源120はいずれも、LEDが用いられている。
【0086】
また、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とはZ軸方向で互いに対称な構成を有している。第1光源支持部材151は、凸曲面155の上半部を構成する円弧状の凸曲面155aと、凸曲面155aにおいて第2光源支持部材152が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155aから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156aとを備えており、凸曲面155aに第1フレキシブル基板181が重ねて配置されている。第2光源支持部材152は、凸曲面155の下半部を構成する円弧状の凸曲面155bと、凸曲面155bにおいて第1光源支持部材151が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155bから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156bとを備えており、凸曲面155bに第2フレキシブル基板182が重ねて配置されている。ここで、第1フレキシブル基板181と第2フレキシブル基板182とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥にフォトダイオードを備えた第1受光部13が配置されている。
【0087】
このように構成した光学式位置検出装置10において、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの位置を検出するには、第1フレキシブル基板181に実装されている複数の第1光源121と、第2フレキシブル基板182に実装されている複数の第2光源122とを異なる期間において点灯させるとともに、複数の第1光源121の各々に供給する駆動電流を各々相違させ、複数の第2光源122の各々に供給する駆動電流を各々相違させる。そして、複数の第1光源121を全て点灯させ、複数の第2光源122を全て消灯させる第1点灯動作(第1期間)では、図17(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する側から他方側の端部181eが位置する側に向かって第1光源121の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布LID1では、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部181eが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0088】
これに対して、複数の第2光源122を全て点灯させ、複数の第1光源121を全て消灯させる第2点灯動作(第2期間)では、図17(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、第2フレキシブル基板182の長さ方向の一方側の端部182fが位置する側から他方側の端部182eが位置する側に向かって第2光源122の出射強度を増大させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布LID2では、第2フレキシブル基板182の長さ方向の他方側の端部182eが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部182fが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0089】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。その際、複数の第1光源121に供給する駆動電流の和(第1駆動電流値)、および複数の第2光源122に供給する駆動電流の和(第2駆動電流値)に基づいて対象物体Obの角度位置を検出すればよい。なお、複数の光源120の出射強度を変えるにあたっては、抵抗素子等により、駆動電流を光源120毎に変えればよい。かかる実施の形態によれば、光源部12から離間した位置に対しても十分な強度をもって検出光を出射することができるという利点がある。
【0090】
なお、図16および図17には、実施の形態2で説明したように、光源部12と第1受光部13とによって受発光ユニットが構成され、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に第2受光部14が配置されている例が示されている。但し、図16および図17に示す構成の光源部12は、実施の形態3のように、第1受光部13に対してZ軸方向で重なる位置(光源部12の放射中心位置に対してZ軸方向で重なる位置)に第2受光部14が配置されている場合や、実施の形態1のように、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に第1受光部13および第2受光部14が配置されている場合に採用してもよい。
【0091】
[実施の形態6]
図18は、本発明の実施の形態6に係る光学式位置検出装置10に用いた光源部12の説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1、5と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0092】
実施の形態5では、第1点灯動作では第1光源121を点灯させ、第2点灯動作では第2光源122を点灯させたが、本形態では、図18に示すように、1系統の光源120のみが用いられている。かかる構成でも、第1点灯動作時と第2点灯動作時において光源120に供給する駆動電流を変えれば、実施の形態1、2と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標データ)を検出することができる。すなわち、第1点灯動作(第1期間)では、図17(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、フレキシブル基板180の長さ方向の一方側の端部が位置する側から他方側の端部が位置する側に向かって光源120の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布LID1では、フレキシブル基板180の長さ方向の一方側の端部が位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部が位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。また、第2点灯動作(第2期間)では、図17(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、フレキシブル基板180の長さ方向の他方側の端部が位置する側から一方側の端部が位置する側に向かって光源120の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布LID2では、フレキシブル基板180の長さ方向の他方側の端部が位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部が位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0093】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1、5と同様な原理で対象物体ObのXY座標データを検出することができる。その際、第1点灯動作における光源120への駆動電流の和(第1駆動電流値)、および第2点灯動作における光源120への駆動電流の和(第1駆動電流値)に基づいて対象物体Obの角度位置を検出すればよい。
【0094】
なお、図18には、実施の形態2で説明したように、光源部12と第1受光部13とによって受発光ユニットが構成され、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に第2受光部14が配置されている例が示されている。かかる構成の場合、光源部12の放射中心に第1受光部13を設けると、第1受光部13への検出光L2の入射が光源部12によって妨げられることになる。従って、光源部12の放射中心位置に対してZ軸方向に重なる位置に第1受光部13を設ければよい。
【0095】
また、図18に示す構成の光源部12は、実施の形態3のように、第1受光部13に対してZ軸方向で重なる位置(光源部12の放射中心位置に対してZ軸方向で重なる位置)に第2受光部14が配置されている場合や、実施の形態1のように、第1光源部12Aと第2光源部12Bとの間に第1受光部13および第2受光部14が配置されている場合に採用してもよい。
【0096】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、2つの光源部12を用いたが、1つの光源部12を用いて対象物体ObのXY面内における位置を検出してもよい。
【0097】
上記実施の形態では、第1受光部13での受光強度に基づいて対象物体ObのXY座標データを検出したが、第1受光部13での受光強度および第2受光部14での受光強度の和に基づいて対象物体ObのXY座標データを検出してもよい。
【0098】
上記実施の形態では、第1点灯動作時の第1受光部13での受光強度と第2点灯動作時の第1受光部13での受光強度とを直接、比較したが、検出対象空間10Rを介さずに第1受光部13に入射する参照光を出射する参照用光源を設けてもよい。かかる構成の場合、第1点灯動作時には、第1受光部13での受光強度と第1受光部13での参照光の受光強度とを比較し、第2点灯動作時にも、第1受光部13での受光強度と第1受光部13での参照光の受光強度とを比較する。従って、参照光の受光強度を基準に、第1点灯動作時の第1受光部13での受光強度と第2点灯動作時の第1受光部13での受光強度とを間接的に比較することができる。より具体的には、例えば、第1点灯動作時における第1受光部13の検出光L2(反射光L3)の受光強度と第1受光部13の参照光の受光強度との差を、第1点灯動作時における第1受光部13の受光強度として処理し、第2点灯動作時における第1受光部13の検出光L2(反射光L3)の受光強度と第1受光部13の参照光の受光強度との差を、第2点灯動作時における第1受光部13の受光強度として処理する。かかる構成によれば、外光等の影響を、参照光を受光した際の強度によって相殺することができるという利点がある。
【0099】
[位置検出システムの構成例]
(位置検出システム1の具体例1)
図19は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。なお、本形態の入力機能付き表示システムにおいて、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図18を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示しそれらの説明を省略する。
【0100】
上記実施の形態に係る位置検出システム1において、図19に示すように、視認面構成部材40として表示装置110を用い、かかる表示装置110に、図1〜図18を参照して説明した光学式位置検出装置10を設ければ、電子黒板やデジタルサイネージ等といった入力機能付き表示システム100として用いることができる。ここで、表示装置110は、直視型表示装置や、視認面構成部材40をスクリーンとする背面型投射型表示装置である。
【0101】
かかる入力機能付き表示システム100において、光学式位置検出装置10は、表示面110a(視認面41)に沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を検出する。このため、表示装置110で表示された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0102】
(位置検出システム1の具体例2)
図20を参照して、視認面構成部材40としてスクリーンを用い、位置機能付き投射型表示システムを構成した例を説明する。図20は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。なお、本形態の位置機能付き投射型表示システムにおいて、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図18を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示しそれらの説明を省略する。
【0103】
図20に示す入力機能付き投射型表示システム200(入力機能付き表示システム)では、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)からスクリーン80(視認面構成部材40)に画像が投射される。かかる入力機能付き投射型表示システム200において、画像投射装置250は、筐体240に設けられた投射レンズ系210からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。ここで、画像投射装置250は、Y軸方向に対してわずかに傾いた方向から画像表示光Piをスクリーン80に向けて投射する。従って、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面80aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0104】
かかる入力機能付き投射型表示システム200において、光学式位置検出装置10は、画像投射装置250に付加されて一体に構成されている。このため、光学式位置検出装置10は、投射レンズ系210とは異なる箇所から、スクリーン面80aに沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した反射光L3を検出する。このため、スクリーン80に投射された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0105】
なお、光学式位置検出装置10とスクリーン80とを一体化させれば、入力機能付きスクリーン装置を構成することができる。
【0106】
(位置検出システム1の他の具体例)
本発明において、視認面構成部材40は、展示品を覆う透光部材である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、透光部材において展示品が配置される側とは反対側で展示品が視認される面である。かかる構成によれば、入力機能付きウインドウシステム等として構成することができる。
【0107】
また、視認面構成部材40は、移動する遊技用媒体を支持する基盤である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、基盤において基盤と遊技用媒体との相対位置が視認される側の面である。かかる構成によれば、パチンコ台やコインゲーム等のアミューズメント機器を入力機能付きアミューズメントシステム等として構成することができる。
【符号の説明】
【0108】
1・・位置検出システム、10・・光学式位置検出装置、10R・・検出対象空間、12・・光源部、12A・・第1光源部、12B・・・第2光源部、13、13A、13B・・第1受光部、14、14A、14B・・第2受光部、40・・視認面構成部材、41・・視認面、50・・位置検出部、100・・入力機能付き表示システム、120・・光源、121・・第1光源、122・・第2光源、200・・・・入力機能付き投射型表示システム、250・・画像投射装置、Ob・・対象物体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向、該第1方向に直交する第2方向、および前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向のうち、前記第1方向および前記第2方向より規定される仮想面に沿うように検出光を放射状に出射する光源部と、
該光源部から前記検出光が出射される検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第1受光部と、
該第1受光部に対して前記第3方向において離間し、前記検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第2受光部と、
少なくとも前記第1受光部での受光強度に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との比較結果に基づいて前記第3方向における前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有していることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記位置検出部は、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との比較結果として、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との差に基づいて、前記第3方向における前記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記光源部では、第1期間中、前記検出光の出射強度が当該検出光の出射角度範囲の一方側から他方側に向かって減少し、第2期間中、前記検出光の出射強度が当該検出光の出射角度範囲の他方側から一方側に向かって減少し、
前記位置検出部は、前記第1期間における前記第1受光部の受光強度と前記第2期間における前記第1受光部の受光強度との比較結果に基づいて、前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置として、前記光源部に対する前記対象物体の角度位置を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記位置検出部は、前記第1期間における前記第1受光部の受光強度と前記第2期間における前記第1受光部の受光強度との比較結果において、前記第1期間における前記第1受光部の受光強度と前記第2期間における前記第1受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1期間における前記光源部に対する第1駆動電流値と前記第2期間における前記光源部に対する第2駆動電流値との比較結果に基づいて、前記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項3に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記光源部として、第1光源部と、該第1光源部に対して前記第1方向で離間する位置に設けられた第2光源部と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記第1受光部および前記第2受光部は、前記第1方向において前記第1光源部と前記第2光源部との間に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
前記第1受光部と前記第2受光部は、前記第3方向において重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の光学式位置検出装置。
【請求項8】
前記第1受光部は、前記第1光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置、および前記第2光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置の各々に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の光学式位置検出装置。
【請求項9】
前記第2受光部は、前記第1方向において前記第1光源部と前記第2光源部との間に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の光学式位置検出装置。
【請求項10】
前記第2受光部は、前記第1光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置および前記第2光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置の各々に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の光学式位置検出装置。
【請求項11】
画像が表示される表示装置と、該表示装置に対して前記画像が表示される側の対象物体の位置を検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記表示装置により表示される画像が切り換えられる入力機能付き表示システムであって、
前記光学式位置検出装置は、第1方向、該第1方向に直交する第2方向、および前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向のうち、前記第1方向および前記第2方向より規定される仮想面に沿うように検出光を放射状に出射する光源部と、該光源部から前記検出光が出射される検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第1受光部と、該第1受光部に対して前記第3方向に離間した位置に設けられ、前記検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第2受光部と、前記第1受光部での受光強度に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との比較結果に基づいて前記第3方向における前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有していることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項12】
画像を投射する画像投射装置と、該画像投射装置に対して前記画像が投射される側に位置する対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像投射装置により投射される前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムであって、
前記光学式位置検出装置は、第1方向、該第1方向に直交する第2方向、および前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向のうち、前記第1方向および前記第2方向より規定される仮想面に沿うように検出光を放射状に出射する光源部と、該光源部から前記検出光が出射される検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第1受光部と、該第1受光部に対して前記第3方向に離間した位置に設けられ、前記検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第2受光部と、前記第1受光部での受光強度に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との比較結果に基づいて前記第3方向における前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有していることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項1】
第1方向、該第1方向に直交する第2方向、および前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向のうち、前記第1方向および前記第2方向より規定される仮想面に沿うように検出光を放射状に出射する光源部と、
該光源部から前記検出光が出射される検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第1受光部と、
該第1受光部に対して前記第3方向において離間し、前記検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第2受光部と、
少なくとも前記第1受光部での受光強度に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との比較結果に基づいて前記第3方向における前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有していることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記位置検出部は、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との比較結果として、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との差に基づいて、前記第3方向における前記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記光源部では、第1期間中、前記検出光の出射強度が当該検出光の出射角度範囲の一方側から他方側に向かって減少し、第2期間中、前記検出光の出射強度が当該検出光の出射角度範囲の他方側から一方側に向かって減少し、
前記位置検出部は、前記第1期間における前記第1受光部の受光強度と前記第2期間における前記第1受光部の受光強度との比較結果に基づいて、前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置として、前記光源部に対する前記対象物体の角度位置を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記位置検出部は、前記第1期間における前記第1受光部の受光強度と前記第2期間における前記第1受光部の受光強度との比較結果において、前記第1期間における前記第1受光部の受光強度と前記第2期間における前記第1受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1期間における前記光源部に対する第1駆動電流値と前記第2期間における前記光源部に対する第2駆動電流値との比較結果に基づいて、前記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項3に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記光源部として、第1光源部と、該第1光源部に対して前記第1方向で離間する位置に設けられた第2光源部と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記第1受光部および前記第2受光部は、前記第1方向において前記第1光源部と前記第2光源部との間に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
前記第1受光部と前記第2受光部は、前記第3方向において重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の光学式位置検出装置。
【請求項8】
前記第1受光部は、前記第1光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置、および前記第2光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置の各々に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の光学式位置検出装置。
【請求項9】
前記第2受光部は、前記第1方向において前記第1光源部と前記第2光源部との間に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の光学式位置検出装置。
【請求項10】
前記第2受光部は、前記第1光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置および前記第2光源部における前記検出光の放射中心位置に対して前記第3方向で重なる位置の各々に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の光学式位置検出装置。
【請求項11】
画像が表示される表示装置と、該表示装置に対して前記画像が表示される側の対象物体の位置を検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記表示装置により表示される画像が切り換えられる入力機能付き表示システムであって、
前記光学式位置検出装置は、第1方向、該第1方向に直交する第2方向、および前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向のうち、前記第1方向および前記第2方向より規定される仮想面に沿うように検出光を放射状に出射する光源部と、該光源部から前記検出光が出射される検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第1受光部と、該第1受光部に対して前記第3方向に離間した位置に設けられ、前記検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第2受光部と、前記第1受光部での受光強度に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との比較結果に基づいて前記第3方向における前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有していることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項12】
画像を投射する画像投射装置と、該画像投射装置に対して前記画像が投射される側に位置する対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像投射装置により投射される前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムであって、
前記光学式位置検出装置は、第1方向、該第1方向に直交する第2方向、および前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向のうち、前記第1方向および前記第2方向より規定される仮想面に沿うように検出光を放射状に出射する光源部と、該光源部から前記検出光が出射される検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第1受光部と、該第1受光部に対して前記第3方向に離間した位置に設けられ、前記検出光出射空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する第2受光部と、前記第1受光部での受光強度に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し、前記第1受光部での受光強度と前記第2受光部での受光強度との比較結果に基づいて前記第3方向における前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有していることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
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【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−194127(P2012−194127A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59791(P2011−59791)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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