説明

光学素子の製造方法及び減圧乾燥装置

【課題】減圧乾燥を用いた光学素子の製造方法において、基板面内での膜厚ムラ(ばらつき)を抑制するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】給気口10と排気口11を具備した減圧乾燥装置において、基板1を支持するステージ3上部に、基板1に対する角度を変更可能な変速板12を取り付ける。この装置により、基板1上の流速分布が、排気口11に近づくにしたがって大きくなる分布となり、この結果、基板1上部の溶媒蒸気濃度を場所によらず、かつ時間によらず一定とすることができる。このため、乾燥状態が基板1全面にわたって同一となるため、膜厚ムラの少ない光学素子を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光層を備えたフルカラー表示のエレクトロルミネッセンス素子などの光学素子の製造過程において、基板上に塗布された液体を乾燥させて機能膜を得るための光学素子の製造方法及び減圧乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、映像機器やパーソナルコンピュータ、携帯端末のディスプレイとして、有機エレクトロルミネッセンス光学素子を用いたデバイスの実用化が進みつつあり、最近では大型ディスプレイの研究開発が行われている。
【0003】
ディスプレイデバイスとして使用される光学素子は、ガラス板上に配置された隔壁で区切られた画素領域(セル)へ形成される。ディスプレイに求められる重要な機能の一つとして、輝度ムラや色ムラのない高画質がある。これは画素領域内に形成される画素(機能膜)の厚さと密接な関係があり、画素厚さにばらつきがあると品質低下の原因となる。
【0004】
例えば、画素厚さのばらつきの一つに面内ムラと呼ばれるものがある。ディスプレイのパネル面上には多数のセルが存在する。セル内に形成された画素のセル内における平均厚さが均一でない場合には、画素の厚さによって輝度や色に変化が生じるため、パネル面上において部分的に明るすぎるところ、暗いところ、色が異なるところが出るといった現象が発生する。これらのような不良を防ぐため、各セルの平均膜厚は均一になることが求められる。
【0005】
光学素子は、原体となる材料を有機溶媒に溶解して作成したインクを基板上に塗布し、減圧下で溶媒を乾燥させて機能膜を形成するという方法で製造されるが、機能膜の形状はインクを構成する溶媒の蒸発速度に大きく影響され、また、蒸発速度は基板上の溶媒蒸気濃度に依存し、さらに蒸気濃度は、減圧乾燥下における基板上の気体の流れに影響する。そのため、減圧乾燥方法が非常に重要となり、基板の直上面において、炉内気体の流速が周囲に比べて極端に大きく、または極端に小さくなるような特異点を発生させないことが必要となる。
【0006】
従来の減圧方法としては、例えば特許文献1のように、基板周辺に排気口を幾何学的に対称となる位置に配置することで、排気中の流速分布を一様にすることをねらったものがある。図6及び図7は、特許文献1に記載された従来の減圧乾燥装置を示す図である。
【0007】
図6において、チャンバ2は、基板1を収容して気密に閉鎖可能な処理室であり、基板1を保持するステージ3を備えた矩形の載置台4と、矩形状の開口を有する蓋体5とで構成されている。載置台4には、図7に示すように、ステージ3の周囲に基板1の縁部に沿って延びるスリット形状の開口を有する複数の排気口6a〜6dが設けられている。
【0008】
図7は排気口について説明された図である。
【0009】
四角形上のステージ3の周囲には、図7(a)に示すように、各辺のそれぞれに対向する位置に排気口6a〜6dが配置されている。排気口6aには、図7(b)に示すようにスリット形状の開口部7aが形成されている。開口部7aは、ステージ3に保持されている基板1の表面位置よりも低い位置に、基板1の縁部に沿って延びるように形成されている。排気口6b〜6dについても、開口部7aと同様の開口部がそれぞれに形成されている。各排気口6a〜6bには、それぞれ図6に示す排気管8が接続されており、排気管8を介して、吸引ポンプ9により吸引されることにより、チャンバ2内の雰囲気が排除される。
【0010】
この構造で、基板1の各辺から均一な排気速度で排気を行うことにより、基板表面における乾燥速度を同一に保つことができ、局所的な気泡の発生や局所的な溶液の盛り上がり等の発生を防止し、形成される膜の厚さを均一にすることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−156613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記従来の構成では、排気口6a〜6dの位置関係が対称であるため、同一速度で排気を行うと、基板中央部では速度が0になる。基板から蒸発してチャンバ内に出てくる溶媒蒸気は排気口へ向かう流れに乗って移動するが、基板中央部では速度が0であるために移動が行われない。そのため、基板上で溶媒蒸気の濃度分布に差が発生する。乾燥後に形成される膜形状は溶媒の蒸発速度に影響を受け、さらに蒸発速度は基板上の溶媒蒸気濃度に依存するので、基板中央とそれ以外の部分で形成される膜形状に差が発生する、という課題を有している。
【0013】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、減圧乾燥中の基板上面の溶媒蒸気濃度を一様に保つことが可能な、光学素子の製造方法及び減圧乾燥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の光学素子の製造方法及び減圧乾燥装置は、基板を保持するステージ上に整流板を有し、基板上の流速分布を、排気口へ近づくにしたがって増加させながら真空排気を行う。本構成によって、真空排気中の基板上の溶媒蒸気濃度を常に一定に保ち、乾燥後に形成される機能膜形状の均一性を確保することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明の減圧乾燥装置によれば、基板上の膜厚が均一な光学素子を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1に(係る)減圧乾燥装置を示す図
【図2】溶媒蒸気の濃度分布変化を示す模式図
【図3】溶媒蒸気の濃度分布変化を示す模式図
【図4】数値解析で検討した構造図
【図5】数値計算で得られた基板上部の流速分布図
【図6】特許文献1に記載された従来の減圧乾燥装置の構成を示す図
【図7】特許文献1に記載された従来の減圧乾燥装置の排気口の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1(a)は、本発明の実施の形態における減圧乾燥装置の構成図である。図1(a)において、図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0019】
図1(a)において、チャンバー2は給気口10と排気口11を有する。チャンバー2は内部に、基板1を保持するステージ3、変速板12を有する。ステージ3上において、基板1はダミー治具13によって固定保持される。変速板12は、排気口に近い側の端部12aについては位置は固定されており、給気口に近い側の端部12bについては、12aを支点として、12aよりも高い位置の範囲で自由に回転でき、所望の位置で固定できる構造である。なお、図1(b)に示した寸法(単位:mm)は、後述の図4で示した計算に使用した寸法であり、所定の効果が得られるものであればこれに限定されない。
【0020】
ダミー治具13は、後述するように、基板上の流速分布が端部で急激に増加もしくは減少することを抑制するために取り付けるものであり、基板と同等の厚さおよび幅を有し、長さ方向は基板長さの5%以上の長さを有する板である。
【0021】
図2及び図3は、本発明の実施の形態1による効果について、基板断面図を用いて、基板上の溶媒蒸気濃度変化を模式的に示している。基板1上には、隔壁14によってセル15が形成されている。各セルには等量のインク16が塗布される。インクは、光学素子の材料となる原体が有機溶媒に溶解してできたものである。
【0022】
インク塗布後に溶媒が蒸発、乾燥することでセル内に光学素子の膜(機能膜)が形成されるが、膜の形状はインク中の溶媒蒸発速度に大きな影響を受ける。さらに蒸発速度は、セル上の溶媒蒸気濃度に依存する。どのセルにおいても均一な膜を得るためには、各セル上の蒸気濃度を一様にすることが求められるが、減圧乾燥中はチャンバー内に、したがって基板上(セル上)にも流速が発生し、その分布によってセル上の蒸気濃度は異なる。
【0023】
以下に図2及び図3に示した模式図を用いて、基板上の流速分布とセル上の蒸気濃度の関係について述べる。図2及び図3の中で、1は基板、14は基板上に等間隔に形成された隔壁、15は隔壁14によって領域分割された画素セル(単位構造)、16は画素セル15に滴下された、(乾燥途中の)インクを示す。インク16上方の波形破線は溶媒の蒸発を、基板上方にある右向きの矢印は、基板上での気流の向きを表し、矢印の長さで流速の大きさを示している。なお、ここでは図の左側に給気口、右側に排気口があり、左から右への流速が発生しているとした。また、インク16の上方にある○印は溶媒蒸気を模式的に示している。白い丸印がセル上部に存在する蒸気、塗色の●印は時間の経過とともにインク16から蒸発して新たに発生した蒸気、点線の○印は基板上の気流によって下流側へ移動する蒸気、そして斜線塗りの○印は気流によって上流側のセルから流入した蒸気を表す。
【0024】
図2(a)は、局所的に流速が大きな場所が存在する場合である。この図では連続する5つのセル15a〜15eがあり、15c以外のセル上の流速が同じで、15cのみが大きいとしている。初期状態の蒸気濃度分布が一様であるとする。時間とともに各セル上の蒸気濃度は変化する。つまり、蒸発によって新たに発生した塗色●印と、上流側のセルから移動してきた斜線塗りの○印の分増加し、下流側へ移動した点線○印の分減少する。ここで、図2(a)のように、ある時間経過したときに塗色●印が一つ増加、斜線塗り○印が一つ増加し、流速が等しいセル15a、15b、15d、15eでは点線○印が一つ減少、流速が大きなセル15cでは点線○印が二つ減少するものとする。
【0025】
15a、15b、15eのセルでは、増加分が2つ、減少分が1つで合計1増加することになる。しかし、流速の大きなセル15cでは、塗色●印が1つ、斜線塗り○印が1つで合計2つ増加するが、点線○印の減少分が2つで合計すると増減がゼロとなる。また、セル15dでは、塗色●印が1つ、斜線塗り○印が2つで合計3つ増加するのに対し、点線○印の減少が1つだけなので、合計2つ増加することになる。したがって、セル15c、15dの蒸気濃度が他のセルと異なってくる。
【0026】
ここでは簡単のために、ある時間内に塗り色●印が一つ発生、斜線塗り○印が一つ増加(=点線○印が一つ減少)としたが、塗り色●印と斜線塗り○印の比率が異なる場合でも同様である。
【0027】
同様のことが、図2(b)の、局所的に流速が小さな場所が存在する場合にも当てはまる。図2(b)において、連続した5つのセル15f〜15kにおいて、セル15h上の流速のみが局所的に小さく、他の4セルでは同等であるとする。前述と同様の考え方より、この場合は15f、15g、15kで蒸気濃度は同じであるが、流速の小さなセル15hで濃度が大きく、その一つ下流側のセル15jで濃度が小さくなる。
【0028】
よって、蒸気濃度を一定にするためには、図3(c)のように、どのセル上においても流速を等しくすればよいことは容易に想像できる。図3(c)は、単位時間あたりに塗色●印と斜線○印が一つずつ増加し、点線○印が一つ減少する場合を示している。この場合は印が一つずつ増えていくことになるが、4つのセル15m〜15qの濃度差は発生しない。各セルにおいては、斜線塗り○印が増えた分、点線○印が減り、気流による収支は打ち消されるので、塗色●印分だけ濃度が増えていくことになる。これは、図2(a)や図2(b)と同様、塗色●印と斜線塗り○印の増え方が異なる場合でも成り立つ。
【0029】
しかし、図3(c)のように流速が一定の場合、セル上の蒸気濃度は、インク16からの蒸発により増え続けることになる。蒸気濃度が大きくなるとインク16からの蒸発が少なくなるので、時間とともに蒸発速度は小さくなる。この場合、均一な膜形状を得るための適切な蒸発速度範囲から外れたり、或いは、乾燥終了までに時間を要し、製造タクト上の問題となる可能性がある。
【0030】
これらの問題を考えると、蒸気濃度は時間が経過しても一定であることが望ましいと言える。これを解決する手段として図3(d)のような方法が考えられる。図3(d)では、連続する4つのセル15r〜15uに対して、上流側の15rから下流側の15uへ行くにしたがって大きくなる流速を与えている。
【0031】
ある時間内で、セル15rにおいて、蒸発による塗色●印が一つ増える間に上流のセルから斜線○印が一つ入り込むとする。このとき、セル15r上の流速により、点線○印2つが下流のセル15sへ移動すれば、セル15rにおける濃度分布は時間が経っても変化しない。一方、セル15sにおいては、セル15rから入る2つの斜線○印と、蒸発による1つの●印、合計3つが増加するが、セル15s上の流速をセル15r上のそれよりも大きくすることで、点線○印3つが下流のセル15tへ移動する。セル15tにおいても同様に、セル15sよりも大きな流速により、セル15sからの斜線○印と蒸発による塗色●印の増加分を過不足なく下流のセル15uへ移動させれば、時間による蒸発濃度変化は生じない。
【0032】
したがって、図3(d)の方法により、場所によらず、時間によらず、基板上の蒸気濃度を一定に保つことができ、均一な膜を得ることができると考えられる。
【0033】
さらに具体的には、図2及び図3の塗色●印に相当する蒸発によって発生する蒸気量は、溶媒の蒸発速度によって決まるので、セル上気流分布の速度勾配は、溶媒による最適範囲が存在する。
【0034】
次に、図3(d)のように、基板上での流速を下流へいくにしたがって大きくする方法について、流体解析によって具体的に検討した。
【0035】
本解析で使用したモデルの具体寸法は図1(b)に示すとおりである。2次元モデルを使用しており、したがって、基板、変速板、チャンバーの幅は同一としている。給気口10および排気口11はチャンバーの側面に、ステージ3を挟んで互いに逆側となるように設けられている。高さ方向については、図1(b)に示すモデルでは高さ150mmのチャンバー2の中央部に設けられているが、この位置に限定されるものではなく、高さ方向の中心がステージ3と変速板12の間にあることが望ましい。
【0036】
また、給気口10および排気口11の断面形状については、図1(b)に示すモデルにおいては2次元を仮定しているためにスリット形状となるが、3次元的に考える場合にはこれに限定されるものではなく、ステージ3と給気口10あるいはステージ3と排気口11の距離が大きく、幅方向の流速分布の一様性が保たれるのであれば、円形、或いは、アスペクト比の小さな(=正方形に近い)矩形等、任意の形状をとることができる。
【0037】
解析には、アンシス・ジャパン株式会社製の汎用流体解析ソフトFLUENTを使用した。図4は計算の具体条件を示した模式図、図5は計算により得られた基板上の流速分布を示しており、(a)〜(d)の記号は図4、図5でそれぞれ対応しており、例えば図5(a)は図4(a)の条件で計算した結果を示している。(a)はθ=4°とし、ダミー治具13がない場合、(b)は(a)に対して基板前後にダミー治具13をつけた場合、(c)はθ=1°にした場合、(d)は参照として、(a)から変速板12を除いた場合である。
【0038】
図5において、横軸は基板の上流側の端部からの位置を、縦軸は各位置における、基板より1mm上での流速を示している。(a)〜(d)のいずれの場合においても、上流から下流へ向かうにしたがって流速が増加する分布となっている。
【0039】
(a)のようにダミー治具がない場合、基板端部を除く中央部では、流速は距離の1次関数に近い分布となっているが、上流側の端部では流速が急激に減少し、下流側の端部では逆に急激に増加する分布が見られる。
【0040】
これに対し、変速板12の角度は(a)と同じで、基板の横にダミー治具13を設置した(b)の場合、端部の急激な流速変化は消え、基板全面にわたって相関の高い1次関数に近い分布となっている。
【0041】
(a)(b)では変速板12の角度を基板に対して4°としたが、これを1°にした(c)の場合、(b)と同様に基板全面にわたって1次関数を保っているが、(b)に比べると傾きは小さくなっている。
【0042】
(d)は変速板12がない場合の流速分布を示しているが、(a)や(b)に比べても傾きは大きくなっている。
【0043】
(a)の場合、端部近傍で流速分布の急激な増加あるいは減少がみられる。これは、図2(a)や(b)に示した理由により、端部において蒸気濃度が周囲と異なる点を発生させる原因となるため、適切ではない。これに対し、(b)や(c)では端部においても中央部と同等の1次関数形を保っていることから、ダミー治具を設けることは大きな効果がある。
【0044】
(b)と(c)を比べると、1次関数を保ちながらも傾きが異なり、θが大きいほど傾きが大きくなることから、θの値によって流速分布の傾きを任意に選ぶことができる。
【0045】
また、(d)に示すように、変速板12がない場合でも流速分布を所望に近い形にすることは可能である。しかし、インクに使用する溶媒によって蒸発速度は異なり、図3(d)に示した溶媒蒸気分布を実現するためには、溶媒に依存する適切な流速分布が存在するはずである。しかしながら、図3(d)では流速の傾きを変えることはできない。したがって、角度が可変の変速板12をもつ本発明の構造が有効である。
【0046】
かかる構成によれば、変速板12の角度を変更、及び、排気量と給気量の比率を変更することにより、減圧乾燥中における基板上の流速を下流側で大きくする分布を得ることができ、乾燥後に形成される光学素子膜厚の面内ムラを抑制することができる。
【0047】
なお、変速板12については長方形に限定されず、上記の効果が得られるのであれば、図4(e)に示すような折れ曲がりを有する板や、図4(f)に示すような円弧(曲面)を有する板でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の光学素子の製造方法及び減圧乾燥装置は、カラーテレビ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、カーナビゲーションなどのほか、有機半導体等、構造の均一性を要求される電子デバイスにも適用できる。
【符号の説明】
【0049】
1 基板
2 チャンバー
3 ステージ
4 載置台
5 蓋体
6 排気口
7 排気口開口部
8 排気管
9 吸引ポンプ
10 給気口
11 排気口
12 変速板
13 ダミー治具
14 隔壁
15 画素セル
16 光学素子材料を含むインク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子の材料となる原体に有機溶媒を溶解してなるインクが塗布された基板をチャンバー内で乾燥させる光学素子の製造方法であって、
前記基板と対向して配置された変速板を、前記チャンバーに設けられた排気口に近づくにつれて大きくなるように前記基板の表面に対して傾斜させ、
減圧乾燥中の前記基板の上方の流速分布を変化させながら、前記基板を乾燥させること
を特徴とする光学素子の製造方法。
【請求項2】
給気口と排気口が設けられたチャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、かつ、基板を載置するステージと、
前記ステージのうち前記基板の載置面と対向し、かつ、前記載置面と空間を輸して配置された変速板と、を備える減圧乾燥装置において、
前記給気口は前記ステージの前記基板の載置面の表面と平行に、かつ、前記チャンバーの一端に設けられると共に、前記排気口は前記給気口に対向し、かつ、前記チャンバーの他端に設けられ、前記変速板は前記ステージの前記基板の載置面との間で傾斜角を有してなることを特徴とする減圧乾燥装置。
【請求項3】
前記変速板は、前記給気口側の開口が前記排気口側の開口よりも大きい、請求項2記載の減圧乾燥装置。
【請求項4】
前記変速板は、前記ステージ全面を覆うように配置される、請求項2又は3に記載の減圧乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−282735(P2010−282735A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132808(P2009−132808)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】