説明

光走査装置

【課題】簡便な構造で、かつ、十分な駆動力を得ることが可能な電磁力利用の光装置装置を提供する。
【解決手段】ミラー部10、フレーム部20、及び、ミラー部10をフレーム部20に支持する一対のトーションバー部11などを磁性薄膜で一体的に形成する。そして、外部から印加される交流磁界と主としてミラー部10の磁化成分との電磁力により、トーションバー部を捻り回転軸としてミラー部を往復振動させるための駆動トルクを発生させる。トーションバー部11とフレーム部20との連結部分12は非磁性化又は弱磁性化することでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光などの光ビームを偏向・走査する光走査装置に係り、特に電磁力により、トーションバーをねじり回転軸としてミラー部を往復振動させるタイプの光走査装置、及び、該光走査装置を備えた画像形成装置並びに画像投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光などの光ビームを偏向・走査する光走査装置は、複写機等の画像形成装置、画像投影装置、レーザビームプリンタ、バーコードスキャナ、さらには光通信用光スイッチ部品など、その用途は広範囲にわたっている。
【0003】
この種の光走査装置の一つに、電磁力により、トーションバーを捻り回転軸としてミラー部材を往復振動させるタイプのものがある。従来、このタイプの光走査装置は、ミラー部に別途永久磁石を取り付け、該永久磁石と外部に設けた電磁石との間の電磁力により、トーションバーを捻り回転軸としてミラー部を往復振動させるための駆動トルクを発生させるというものであった(例えば、特許文献1、特許文献2等)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電磁力を用いた光走査装置は、低電圧駆動が容易であり、また、ミラー部材の振動空間から外部へ駆動用配線を引き出す必要がない等の利点を有している。しかしながら、従来のこのタイプの光走査装置は、ミラー部に別途永久磁石を取り付ける必要があるため、構造や製造が複雑である等の問題があった。
【0005】
本発明は、従来に比べて簡便な構造で、製造が容易であり、かつ、十分な駆動力を持つ電磁力を用いた光走査装置、及び、該光走査装置を備えた画像形成装置並びに画像投影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ミラー部、フレーム部、及び、前記ミラー部を前記フレーム部に支持する一対のトーションバー部を有し、前記ミラー部が前記トーションバー部を捻り回転軸として往復振動する光走査装置において、前記ミラー部、前記トーションバー部及び前記フレーム部を磁性薄膜で一体的に形成することを主要な特徴とする。そして、外部から印加される交流磁界と主として前記ミラー部の磁化成分との電磁力により、前記トーションバー部を捻り回転軸として前記ミラー部を往復振動させるための駆動トルクを発生させる。
【0007】
また、本発明は、ミラー部、揺動可能なフレーム部、前記ミラー部を前記フレーム部に支持する一対のトーションバー部、固定ベース部、及び、前記フレーム部を前記トーションバー部と直交する方向に前記固定ベース部に支持する一対のバネ部を有し、前記ミラー部が前記トーションバー部を捻り回転軸として往復振動し、前記フレーム部が前記バネ部を捻り回転軸として往復振動する光走査装置において、前記ミラー部、前記トーションバー部、前記フレーム部、前記バネ部、前記固定ベース部を磁性薄膜で一体的に形成することを特徴とする。この場合、外部から印加される第1の方向の交流磁界と主として前記ミラー部の磁化成分との電磁力により、前記トーションバー部を捻り回転軸として前記ミラー部を往復振動させるための駆動トルクを発生させ、外部から印加される前記第1の方向と直交する第2の方向の交流磁界と主として前記フレーム部の磁化成分との電磁力により、前記バネ部を捻り回転軸として前記フレーム部を往復振動させるための駆動トルクを発生させる。
【0008】
本発明の光走査装置のその他の特徴的構成、及び、本発明の光走査装置を備えた画像形成装置並びに画像投影装置は、後述の実施形態の説明で明らかになる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の光走査装置は、ミラー部、トーションバー部、フレーム部などが磁性薄膜で一体的に形成され、外部からの交流磁界とミラー部等の磁化成分との電磁力によって駆動トルクを発生させる構成であるため、簡便な構造で、製造が容易であり、かつ、十分な駆動力を得ることができる。そして、このような光走査装置を画像形成装置や画像投影装置に用いることで、画像形成装置や画像投影装置の省電力化や小型化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例に係る光走査装置の構成図である。
【図2】本発明の別の実施例に係る光走査装置の構成図である。
【図3】本発明の光走査装置のミラー部の寸法比と相対変位量の関係を説明する図である。
【図4】本発明の光走査装置のミラー部とトーンションバー部の体積比と相対変位量の関係を説明する図である。
【図5】本発明の更に別の実施例に係る光走査装置の構成図である。
【図6】本発明の更に別の実施例に係る光走査装置の構成図である。
【図7】本発明の更に別の実施例に係る光走査装置の構成図である。
【図8】本発明の光走査装置を備えた画像処理装置の概略構成図である。
【図9】本発明の光走査装置を備えた画像投影装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳述する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の第1の実施例に係る光走査装置の構成図で、(a)は平面図、(b)は(a)のA−B線断面図を示している。図1において、10はミラー部で、表面にミラー面が形成されている。該ミラー部10は、一対のトーションバー部11によりフレーム部20に支持されている。なお、トーションバー部11は、フレーム部20との連結部分が幅及び厚さともに少し削られてバネ部(連結バネ部)12を形成している。
【0013】
このような構成において、ミラー部10、トーションバー部11、連結バネ部12、及びフレーム部20を磁性薄板で一体的に形成するようにする。磁性薄板には、フェライト系ステンレス鋼板(磁性ステンレス)、3%珪素鋼板、6%珪素鋼板、Co50Fe50、Co75Fe25などのCoFe合金板等、半硬質磁性体の金属磁性薄板を使用する。なお、磁性特性が半硬質磁性であれば、磁性アモルファス薄板の使用も可能である。アモルファス材としてはFeCoBの組成を有するものなどが適する。
【0014】
半硬質磁性体は、磁気特性が硬磁性(永久磁石)でも軟磁性でもなく中間的保磁力を持つものを云い、一般に保磁力Hcの大きさが略800〜1600A/m(10〜200e)のものが半硬質磁性体と呼ばれている。半硬質磁性体の長所は着磁、脱磁が可能で、変形による磁気特性劣化が少なく、また、高角形比に優れ磁化急峻性を有していることである。ここでは、励磁時には磁化が強まるが、励磁が終わっても、残留磁化が十分残るものを半硬質磁性体と称し、BH曲線の角型性は問わないとする。
【0015】
半硬質磁性体の金属磁性薄膜等をリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)、化学エッチング等で加工して、フレーム部20、ミラー部10、トーションバー部11、連結バネ部12を適宜形成する。なお、同一素材で形成可能であれば、各部を分けて形成することでもよい。
【0016】
図1では省略したが、フレーム部20の外側には、交流磁界を発生させるための励磁部が設けられる。励磁部は、よく知られた電磁石形状でもよいし、薄膜コイル、プリントコイルなど、それぞれ空芯型でもよく、また、軟磁性体(パーマロイ、フェライト、珪素鋼等)のコア(鉄心)を持つことでもよい。
【0017】
励磁部により、連結バネ部12を含むトーションバー部11のバネ定数とミラー部10の質量とで概ね決定される振動系の共振周波数の近傍の周波数の交流磁界を発生させることで、主にミラー部10の磁化成分と該交流磁界との電磁力によって、トーションバー部11を捻り回転軸としてミラー部10を往復振動させる駆動トルクが発生し、ミラー部10がトーション部11を回転軸として往復共振振動する。
【0018】
図1の光走査装置は、ミラー部10、トーションバー部11、連結バネ部12、フレーム部20が磁性薄板で一体的に形成させる構成であるため、製造が容易で低コスト化が可能であり、かつ、簡便な構造でありながら、十分な駆動力を得ることができる。
【0019】
ここで、磁性薄板は、半硬質磁性体であればよく、一般にその素材は問わないが、特に磁性ステンレス(フェライト系)あるいは非磁性ステンレスに金属加工をしたものを用いた場合、ステンレスは容易に取得できる素材であるため、さらに低コスト化が可能である。また、ステンレスは耐蝕性や長期の磁化安定剤などすぐれた特長を有しており、磁化状態の点で有利であり、寄生共振などが発生しにくい構成とすることができる。
【0020】
なお、連結バネ部12の部分は、局所的に熱処理等を施して非磁性化又は弱磁性化とすることでもよい。この場合、より寄生共振などが発生しにくくなる。
【実施例2】
【0021】
図2は、本発明の第2の実施例に係る光走査装置の構成図で、(a)は平面図、(b)は(a)のC部の拡大図を示している。図2において、ミラー部10、トーションバー部12、及びフレーム部20を磁性薄板で一体的に形成することは、図1の第1の実施例と同様である。図1との相違は、トーションバー部11とフレーム部20との連結部分(C部)を直線状のバネ部とはせずに、13に示すように曲がりを持たせた構成のバネ部(連結バネ部)としたことである。
【0022】
図2の構成によれば、バネ定数の設定の自由度が増し、ミラー部10の共振周波数の決定範囲を広くとれる利点がある。また、曲がりをもたせることでバネ部13の厚さをトーションバー部12と同じにすることでもよく、製造コスト上も有利となる。
【0023】
なお、本実施例においても、連結バネ部13の部分は、局所的に熱処理等を施して非磁性化または弱磁性化としてもよい。この場合、同様に寄生共振などがより発生しにくくなる。
【実施例3】
【0024】
図1や図2において、ミラー部10、トーションバー部11、連結バネ部12(13)、フレーム部20を磁性薄板で一体に形成した場合、磁性薄板であるミラー部10は、その形状異方性(楕円、方形等)によって磁化の状態が異なり、その結果、可動部としてのミラー部10の相対変位量が変化する。
【0025】
図3は、ミラー部10の形状を楕円、方形、あるいはこれらに類似させた場合に、その寸法比(長径/短径、長手/短手)と相対変位量との関係を示したものである。図3より、ミラー部10の寸法比は、略1,2〜1000が望ましい範囲で、略2〜1000が最適な範囲であることが分かる。
【0026】
本実施例は、図1や図2の構成の光走査装置において、ミラー部10の寸法比(長径/短径、長手/短手)を略2〜1000あるいは10〜1000の範囲とするものである。これにより、ミラー部10の寸法比の設計自由度と所望角度振幅の両方を満足させることが可能になる。
【実施例4】
【0027】
図1や図2において、同様に、ミラー部10、シーションバー部11、連結部バネ12(13)、フレーム部20を磁性薄板で一体に形成した場合、トーションバー部20とミラー部10の体積比による磁化成分の比率によっても、可動部であるミラー部10の相対変位量が変化する。
【0028】
図4は、トーションバー部20とミラー部10の体積比(トーションバー部の体積/ミラー部の体積)と、ミラー部10の相対変位量の関係を示したものである。図4より、トーションバー部20とミラー部10の体積比は、略2〜1000が望ましい範囲で、略10〜1000が最適な範囲であることが分かる。
【0029】
本実施例は、図1や図2の構成の光走査装置において、トーションバー部20とミラー部10の体積比を略2〜1000あるいは10〜1000の範囲とするものである。これにより、トーションバー部20とミラー部10の体積比の設計自由度と、可動部であるミラー部10の所望角度振幅との両方を満足させることが可能になる。
【実施例5】
【0030】
図1や図2の光走査装置は、いずれも1軸方向に光を偏向・走査する構成であったが、本実施例は2軸方向に光を偏向・走査する構成に拡張したものである。図5に、2軸駆動に拡張した場合の光走査装置の構成例を示す。
【0031】
図5において、表面にミラー面が形成されているミラー部100は、一対のトーションバー部101、一対の連結バネ部102により揺動可能なフレーム部110に支持されている。一方、揺動可能なフレーム部110は、トーションバー部101と直交してミラー部100の中心の延長線上に設けられた一対のバネ部112により固定ベース部120に支持されている。固定ベース部120の周囲には、x方向励磁用の磁極130と巻線131、及び、y方向励磁用の磁極140と巻線141がそれぞれ配置されている。
【0032】
ミラー部100、トーションバー部101、連結バネ部102、フレーム部110、バネ部112、固定ベース部120は、磁性薄板で一体的に形成するようにする。磁性薄板には、先に述べたように半硬質磁性体の金属磁性薄板等を使用する。なお、連結バネ部102、バネ部112の部分は、局所的に熱処理等を施して非磁化又は弱磁性化とすることでもよい。
【0033】
このような構成により、電極130と巻線131でx方向の交流磁界を発生させ、電極140と巻線141でy方向の交流磁界を発生される。この時、電極130と巻線131によるx方向の交流磁界と主としてフレーム部110の磁化成分との電磁力によって、フレーム部110がバネ部112を捻り回転軸として往復振動し、その結果としてミラー部100がy軸周りに往復振動する。また、電極140と巻線141によるy方向の交流磁界と主としてミラー部100の磁化成分との電磁力によって、ミラー部100がトーションバー部101を捻り回転軸としてx軸周りに往復振動する。
【0034】
図6及び図7は、2軸駆動の光走査装置の他の構成例を示したものである。なお、図6及び図7では励磁部は省略してある。
【0035】
図6は、揺動可能なフレーム部110と固定ベース部120とを連結するバネ部を、113に示すように、曲がりを持たせた構成としたことである。これ以外の構成は図5と同様である。また、動作も図5と同様である。
【0036】
図7は、ミラー部100とトーションバー部101を、それぞれバネ部114,115によって固定ベース120に直接支持させる構成としたものである。バネ部114,115はそれぞれ曲がりをもつ構成とする。更に、該バネ部114,115は熱処理により非磁性化することでもよい。図7によれば、より簡単な構成で2軸駆動が可能となる。
【0037】
ここで、外部からx方向の交流磁界を与えることで、該交流磁界と主としてトーションバー部101の磁化成分との電磁力によって、ミラー部100がバネ部114を捻り回転軸としてy軸周りに往復振動する。また、外部からy方向の交流磁界を与えることで、該交流磁界と主としてミラー部100の磁化成分との電磁力によって、ミラー部100がトーションバー部101を捻り回転軸としてx軸周りに往復振動する。
【実施例6】
【0038】
本実施例は、図1や図2の1軸駆動の光走査装置を実装した画像形成装置を提供するものである。
【0039】
図8に本実施例の画像形成装置の概略構成図を示す。図8において、レーザ素子1011からの記録信号によって変調されたレーザ光は、コリメータレンズ系1012を経た後、光偏向器1013により偏向・走査される。この光偏向器1013として、図1や図2の構成の走査装置が用いられる。光偏向器1013で偏向・走査されたレーザ光は、その後、第一レンズ1014aと第二レンズ1014b、反射ミラー1014cからなる走査光学系1014を経て感光ドラム1015の表面上に照射される。
【0040】
図8では省略されているが、感光ドラム1015の周囲には、帯電部、現像部、転写部、定着部、クリーニング部などが配置されている。感光ドラム1015は所定方向に回転駆動され、帯電部によって表面が帯電され、記録信号で変調された光ビームが照射されることにより、静電潜像が形成される。該静電潜像は現像部でトナー像に顕像化され、該トナー像は転写部で別途供送されてくる記録紙に転写され、定着部で定着される。一方、転写部を通過した感光ドラム1015の表面は、クリーニング部で残留トナーが除去される。
【0041】
なお、感光体ドラム1015に代えてベルト状の感光体を用いる構成も可能である。また、トナー像を記録紙以外の転写媒体に一旦転写し、この転写媒体からトナー像を記録紙に転写して定着させる構成とすることも可能である。
【0042】
ここで、光偏向器1013は、図1や図2の光走査装置を採用することで、従来の回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が極めて小さくなり、画像形成装置の省電力化に有利である。さらに、回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、発熱量もわずかであるため、小型化が容易であり、したがって画像形成装置の小型化に有利である。
【実施例7】
【0043】
本実施例は、図5乃至図7の2軸駆動の光走査装置を実装した画像投影装置を提供するものである。
【0044】
図9は、本実施例の画像投影装置の制御系も含めた概略構成図を示す。なお、図9では、3波長のレーザ光源や集光レンズは一つにまとめて示し、また、ミラー、ハーフミラー、合成プリズムは省略してある。
【0045】
画像情報に応じて画像生成部2011で画像信号を生成し、この画像信号が変調器2012を介して光源駆動回路2013に送られると共に、スキャナ駆動回路2014に画像同期信号が送られる。スキャナ駆動回路2014は、画像同期信号に応じて駆動信号を光偏向器2006に与える。この光偏向器2006として、図5乃至図7の光走査装置が用いられる。駆動信号によって、光偏向器2006のミラー部100は、直交した2つの方向に所定角度(例えば10deg程度)の振幅で共振振動し、入射したレーザ光が二次元偏向走査される。一方、レーザ光源2001から出射されるレーザ光は、光源駆動回路2013により、光偏向器2006の二次元偏向走査のタイミングに合わせて強度変調されており、これによって、投影面2007に二次元の画像情報が投影される。強度変調はパルス幅を変調してもよいし、振幅を変調してもよい。変調器2012は画像信号をパルス幅変調あるいは振幅変調し、この変調された信号を光源駆動回路2013によりレーザ光源2001を駆動できる電流に変調してレーザ光源2001を駆動する。
【0046】
ここで、光偏向器2006には、ポリゴンミラーなどの回転走査ミラーを使用することもできるが、先の図5乃至図7の構成の光走査装置を採用することで、回転走査ミラーに比べ駆動のための消費電力が小さくなり、画像投影装置の省電力に有利である。さらに、回転走査ミラーに比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、発熱量もわずかであるため、小型化が容易であり、したがって、画像投影装置の小型化に有利である。
【符号の説明】
【0047】
10 ミラー部
11 トーションバー部
12,13 バネ部
20 フレーム部
100 ミラー部
101 トーションバー部
102,112,113,114,115 バネ部
110 フレーム部
120 ベース部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】特開平9−191626号公報
【特許文献2】特開2009−69676号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミラー部、フレーム部、及び、前記ミラー部を前記フレーム部に支持する一対のトーションバー部を有し、前記ミラー部が前記トーションバー部を捻り回転軸として往復振動する光走査装置であって、
前記ミラー部、前記トーションバー部及び前記フレーム部が磁性薄膜で一体的に形成され、
外部から印加される交流磁界と主として前記ミラー部の磁化成分との電磁力により、前記トーションバー部を捻り回転軸として前記ミラー部を往復振動させるための駆動トルクを発生させることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記トーションバー部と前記フレーム部との連結部分は曲がりを持ったバネ部で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記ミラー部の寸法比(長径/短径、長手/短手)が略1.2〜1000あるいは2〜1000の範囲であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の光走査装置。
【請求項4】
前記ミラー部と前記トーションバー部の体積比(トーションバー部の体積/ミラー部の体積)が略2〜1000あるいは10〜1000の範囲であることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の光走査装置。
【請求項5】
前記磁性薄膜には半硬質磁性材料が使用されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項6】
前記半硬質磁性材料はフェライト系磁性ステンレスであることを特徴とする請求項5に記載の光走査装置。
【請求項7】
前記トーションバー部と前記フレーム部との連結部分は非磁性化又は弱磁性化されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項8】
ミラー部、揺動可能なフレーム部、前記ミラー部を前記フレーム部に支持する一対のトーションバー部、固定ベース部、及び、前記フレーム部を前記トーションバー部と直交する方向に前記固定ベース部に支持する一対のバネ部を有し、
前記ミラー部が前記トーションバー部を捻り回転軸として往復振動し、前記フレーム部が前記バネ部を捻り回転軸として往復振動する光走査装置であって、
前記ミラー部、前記トーションバー部、前記フレーム部、前記バネ部、前記固定ベース部が磁性薄膜で一体的に形成され、
外部から印加される第1の方向の交流磁界と主として前記ミラー部の磁化成分との電磁力により、前記トーションバー部を捻り回転軸として前記ミラー部を往復振動させるための駆動トルクを発生させ、
外部から印加される前記第1の方向と直交する第2の方向の交流磁界と主として前記フレーム部の磁化成分との電磁力により、前記バネ部を捻り回転軸として前記フレーム部を往復振動させるための駆動トルクを発生させることを特徴とする光走査装置。
【請求項9】
ミラー部、固定フレーム部、前記ミラー部を前記固定フレーム部に支持する一対のトーションバー部、前記トーションバー部と前記固定フレーム部とを連結する一対の第1のバネ部、及び、前記ミラー部を前記トーションバー部と直交する方向に前記固定ベース部に支持する一対の第2のバネ部を有し、
前記ミラー部が前記トーションバー部と前記第2のバネ部をそれぞれ捻り回転軸として往復振動する光走査装置であって、
前記ミラー部、前記トーションバー部、前記固定ベース部、前記第1及び第2のバネ部が磁性薄膜で一体的に形成され、
外部から印加される第1の方向の交流磁界と主として前記ミラー部の磁化成分との電磁力により、前記トーションバー部を捻り回転軸として前記ミラー部を往復振動させるための駆動トルクを発生させ、
外部から印加される前記第1の方向と直交する第2の方向の交流磁界と主として前記トーションバー部の磁化成分との電磁力により、前記バネ部を捻り回転軸として同じく前記ミラー部を往復振動させるための駆動トルクを発生させることを特徴とする光走査装置。
【請求項10】
光源と、前記光源からの光ビームを偏向・走査させる請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光走査装置と、前記光ビームの走査により潜像を形成する感光体と、前記潜像をトナーで顕像化する現像手段と、トナー像を記録紙に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
光源と、前記光源からの光ビームを画像信号に応じて変調する変調器と、前記光ビームを略平行光とするコリメート光学系と、前記略平行光とされた光ビームを偏向して投影面に投射する請求項8もしくは9記載の光走査装置とを有することを特徴とする画像投影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−37563(P2012−37563A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174528(P2010−174528)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】