説明

入力位置設定装置

【課題】目的位置の設定変更入力の煩わしさをなくし、フリックのかけすぎにも対応でき、再設定が容易なこと。
【解決手段】目的位置設定部91で設定されたディスプレイ3に表示された画像上の目的位置Gを基点としてフリック指示方向を検出する。目的位置設定部91に設定された目的位置Gの属性及びフリック指示検出部92で検出されたフリック指示の速度内容に基づき、関連性検索部93で同じ属性の持つ関連性のある地点を検索し、関連性検索部93によって目的位置Gに代わる同じ属性の持つ関連性のある地点を系列表示部94によって、目的位置設定部91で設定した目的位置Gを開始点としてフリック指示の速度内容に従って複数表示する。そして、設定部97によって、系列表示部94により表示されている同じ属性の持つ関連性のある地点を目的位置設定部Gの目的位置に代えて目的位置Gとして設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、パソコン等に関するもので、特に、目的位置を入力した後、その目的位置を簡単に変更容易な入力位置設定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置としては、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)衛星を利用し、自己の位置や移動速度をリアルタイムに求めている。この種のナビゲーション装置は、自動車等の移動体または携帯用として普及している。
このナビゲーション装置の形態としては、電子化された地図データに基づいてモニタ上に地図を表示し、その地図上で自己の位置を示している。また、利用者が出発地、目的位置、経由地等を指定することによって、その設定されたルートに基づいて走行を案内する機能を有している。
【0003】
この種のナビゲーション装置として、特許文献1、特許文献2の技術がある。
特許文献1は、所望の地点を目的位置として設定し、該目的位置までの誘導経路を探索すると共に、カーソル位置の移動に対応させて地図画像をスクロール表示するナビゲーション装置において、前記カーソル位置の移動を指示する指示部と、該指示部のカーソル位置移動指示によりカーソル位置が誘導経路近傍に移動したか否かを判定する判定部と、該判定部によりカーソル位置が誘導経路近傍に移動したと判定されたとき、該誘導経路に沿ってスクロール制御すると共に、該誘導経路上の交差点に近付くにつれてスクロール速度を遅くするスクロール制御部を備え、誘導経路を確認する場合、誘導経路の形状に沿ってフリック操作を行うことなく誘導経路に沿ってスクロールするナビゲーション装置を提供することができる公知の技術である。
【0004】
また、特許文献2は、本出願人の先願であり、ディスプレイ上で目的位置を設定されるが、前記ディスプレイに表示された地図上の目的位置を基点としてフリック指示されると、そのフリック指示方向の検出により、当初設定された目的位置の属性及び前記フリック指示検出部のフリック指示の情報を基に、その目的位置の属性を持つ関連性のある場所を検索する。前記関連性検索部によって前記目的位置に代わる行き先変更する候補地を検索し、検索した特定の候補地を選択表示する。そして、前記候補地表示部により表示されている候補地を前記目的位置設定部の目的位置に代えて目的位置として設定し、現在地から目的位置(候補地)の間のルートを探索すると共に、前記探索されたルートに従ってルート案内または目的位置の施設情報等を案内するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−22470
【特許文献2】特願2009−82594
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、特許文献1の技術は、誘導経路を確認する場合、ユーザが誘導経路の形状に沿ってフリック操作を行なわなくても、自動的に誘導経路に沿ってスクロールする装置に関するものである。
また、特許文献2の技術は、ディスプレイ上で目的位置を設定されるが、前記ディスプレイに表示された地図上の目的位置を基点としてフリック指示されると、そのフリック指示方向の検出により、当初設定された目的位置の属性及び前記フリック指示検出部のフリック指示の情報を基に、その目的位置の属性を持つ関連性のある場所を検索する。前記関連性検索部によって前記目的位置に代わる行き先変更する候補地を検索し、検索した特定の候補地を選択表示する。前記候補地表示部により表示されている候補地を前記目的位置設定部の目的位置に代えて目的位置として設定し、現在地から目的位置(候補地)の間のルートを探索すると共に、前記探索されたルートに従ってルート案内する。
【0007】
ところが、例えば、特許文献1及び特許文献2は、ディスプレイに表示された地図上の目的位置を基点としてフリック指示されると、そのフリック指示方向の検出により、当初設定された目的位置の属性及び前記フリック指示検出部のフリック指示の情報を基に、その目的位置の属性を持つ関連性のある場所を検索するが、フリックの指示の程度が分からず、目的地を通過して新たな地点を表示するために予期しない他の位置となり、目的地を設定するまでに時間がかかりすぎてしまう可能性がある。
【0008】
そこで、本発明は、目的位置の設定変更入力の煩わしさをなくし、フリックのかけすぎにも対応でき、再設定が容易な入力位置設定装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明にかかる入力位置設定装置は、目的位置設定部によりディスプレイ上で目的位置を設定すると、フリック指示検出部で前記設定された前記ディスプレイに表示された画像上の目的位置を基点としてフリック指示の速度内容(距離内容)を検出する。系列表示部は、前記目的位置設定部に設定された目的位置の属性及び前記フリック指示検出部で検出されたフリック指示の速度内容に基づき、同じ属性の持つ関連性のある地点を関連性検索部で検索し、前記関連性検索部によって前記目的位置に代わる前記同じ属性の持つ関連性のある地点を前記フリック指示の速度内容に従って複数表示する。同時に、前記関連性検索部によって前記目的位置に代わる前記同じ属性の持つ関連性のある地点を画像表示する。前記系列表示部により表示されている前記同じ属性の持つ関連性のある地点を前記目的位置設定部の目的位置に代えて目的位置として設定するものである。
なお、ここで目的位置とは、最終目的地点に限定されるものではなく、経由地も目的位置の1つとして扱うものである。
ここで、上記目的位置設定部は、ディスプレイ上で目的位置を設定するもので、地図上で目的位置を設定してもよいし、高速道路のインターチェンジ、鉄道の駅、施設等の名称、住所、メモリ地点、電話番号等の入力でもよい。何れにせよ、画像上の特定の目的位置が設定できればよい。
また、上記フリック指示検出部は、ディスプレイに表示された地図上の目的地等の目的位置を始点としてフリック指示の速度内容による摺動方向及び摺動移動距離を検出するものである。指、ペン等のフリック動作を含むものである。ドラッグやジョイスティック等方向キー等に適用可能なものである。
そして、上記関連性検索部は、前記目的位置設定部に設定された目的位置の属性及び前記フリック指示検出部のフリック指示の速度内容から、その属性の持つ関連性のある場所、例えば、電車線路であれば次の隣接駅、その次の駅等の駅の選択を行い、高速道路であれば、隣接するインターチェンジ、その次のインターチェンジ等もその属性の範囲内で検索する。また、フリック指示の反対方向の位置も検出する。
更に、上記系列表示部は、前記関連性検索部によって前記目的位置に代わる行き先変更した前記同じ属性の持つ関連性のある地点を検索し、検索した複数の特定の候補を最初の目的位置から順次表示するもので、設定するまでは同じ属性の持つ関連性のある地点であり、特定の推定の候補であることを色彩、マーク、点滅等で表示することもできる。この候補地等の候補は、フリック指示した位置及びフリックで移動した位置の両者を表示するのが望ましい。また、フリックで特定した位置の前後を重点的に表示してもよい。
なお、この表示を行う表示部を設けた場合には、前記関連性検索部によって前記目的位置に代わる同じ属性の持つ関連性のある地点を前記フリック指示の速度内容に従って検索し、検索した候補をディスプレイに画像表示するもので、高速道路で例えると、名古屋IC(インターチェンジ)で上り線側にフリックをかけると、フリックの程度によって「名古屋IC」から、「東名三好IC」、「豊田IC」、「岡崎IC」の順で名称を表示する。
加えて、上記設定部は、前記目的位置設定部の目的位置に代えて前記同じ属性の持つ関連性のある地点を目的位置として設定するもので、例えば、ナビゲーション装置で例示すると、次の、目的位置設定部の目的位置として設定することになる。
【0010】
請求項2の発明にかかる入力位置設定装置の前記関連性検索部は、電車線路、高速道路、スライドショー等の何れか1以上としたものである。
ここで、上記関連性検索部は、電車線路、高速道路等のナビゲーション機能、スライドショー等の画像処理を行うパソコン機能の何らかの画像に連続的な繋がりがあればよい。他にユーザのニーズに応じて顧客リスト等で設定してもよい。
【0011】
請求項3の発明にかかる入力位置設定装置の次回以降の目的位置を基点としてフリック指示の速度内容を検出する前記フリック指示検出部は、前記系列表示部の表示からフリックの入力を可能としたものである。
ここで、上記フリック指示検出部は、前記系列表示部の表示からのフリックの入力を可能とするものである。
【0012】
請求項4の発明にかかる入力位置設定装置の前記系列表示部の表示は、前記目的位置設定部で設定した目的位置よりも、フリックに対して1または2前の位置から前記関連性検索部によって前記目的位置に代わる前記同じ属性の持つ関連性のある地点を入力するものである。
ここで、上記系列表示部は、フリック方向に前記同じ属性の持つ関連性のある地点を表示するだけでなく、フリックの反対位置からも同じ属性の持つ関連性のある地点を選択し、それを表示するものである。また、例えば、表示部が8個表示できる場合には、1個をフリックした目的位置、フリックによって選択された同じ属性の持つ関連性のある地点を残余の中心位置として、他をフリックによって選択された位置を中心として選択することもできる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明にかかる入力位置設定装置は、ディスプレイ上で目的位置を設定する目的位置設定部で設定された前記ディスプレイに表示された画像上の目的位置を基点としてフリック指示の速度内容を検出する。前記目的位置設定部に設定された目的位置の属性及び前記フリック指示検出部で検出されたフリック指示の速度内容に基づき、関連性検索部で同じ属性の持つ関連性のある地点を検索し、前記関連性検索部によって前記目的位置に代わる前記同じ属性の持つ関連性のある地点を系列表示部によって、前記目的位置設定部で設定した目的位置を開始点として前記フリック指示の速度内容に従って複数表示する。同時に、前記関連性検索部によって前記目的位置に代わる前記同じ属性の持つ関連性のある地点を前記フリック指示に従って検索した候補を中心に画像表示する。そして、設定部によって、前記同じ属性の持つ関連性のある地点を前記目的位置設定部の目的位置に代えて目的位置として設定する。
したがって、目的位置を設定した後に、当該目的位置以外の場所または別な位置を選択する必要が生じた場合には、当初設定した目的位置からフリック指示の速度内容のみで、当初設定した目的位置の属性を持つ関連性のある場所を検索するから、再入力することなく、候補地が表示され、道路工事等による通行止め、交通渋滞等を回避した目的位置に変更が容易になる。故に、再入力によってナビゲーション装置を動作させなくとも、当初目的位置として設定した目的位置の属性によって候補を選択するので、目的位置の設定変更の入力の煩わしさをなくし、再設定が容易な装置となる。また、1度変更した後に、再度の変更を行っても煩わしさがなく、操作者が指またはペンで操作するタイミングが僅かであり、目的位置修正のための時間的ロスが少なくてすむ。また、フリック距離が長い場合でも、同一属性の箇所を始点から順に示すことにより、フリックのかけすぎにもその間の箇所を表示することにより、目的位置の設定が容易になる。更に、所定のフリック速度範囲を、任意の距離毎に対応させ、存在する施設を表示することもできる。
【0014】
請求項2の発明にかかる入力位置設定装置の前記関連性検索部は、電車線路、高速道路、スライドショー等の何れか1以上としたものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、頻繁に使用しなくても、その使い方及び機能を理解しやすく、必要なときに使用しやすい。
【0015】
請求項3の発明にかかる入力位置設定装置の次回以降の目的位置を基点としてフリック指示の速度内容を検出する前記フリック指示検出部は、前記系列表示部の表示からフリック指示の速度内容の入力を可能としたものであるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、前記系列表示部の表示からフリック指示の速度内容の入力を可能としたものでは、表示された配列方向にのみフリックすればよいから、フリックの入力方向の誤差がなくなる。
【0016】
請求項4の発明にかかる入力位置設定装置の次回以降の目的位置を基点としてフリック指示方向を検出する前記系列表示部の表示は、前記目的位置設定部で設定した目的位置よりも、フリックに対して1または2前の位置から前記関連性検索部によって前記目的位置に代わる同じ属性の持つ関連性のある地点を入力したものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、表示された配列方向から今までのフリックしてきた経路が確認できるから、特に、ナビゲーション装置に使用するとフリック方向の間違いに気付くことができるから、間違いのない検索が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明の入力位置設定装置をナビゲーション装置に使用した実施の形態にかかる一部機能表現を含む全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置のメインメニュー画面の説明図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置の目的地設定画面の説明図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置の「目的位置設定プログラム」のフローチャートである。
【図5】図5は本発明の実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置の「地図検索ルーチン」でコールする「候補地検索ルーチン」の前半のフローチャートである。
【図6】図6は本発明の実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置の「地図検索ルーチン」でコールする「候補地検索ルーチン」の後半のフローチャートである。
【図7】図7は本発明の実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置のコース案内画面の事例の説明図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置のコース案内画面と候補表示エリアの事例の説明図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置のディスプレイの動作画面と候補表示エリアを示す事例1の説明図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置のディスプレイの動作画面と候補表示エリアを示す事例2の説明図である。
【図11】図11は本発明の実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置のディスプレイの動作画面と候補表示エリアを示す事例3の説明図である。
【図12】図12は本発明の実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置のディスプレイの動作画面と候補表示エリアを示す事例4の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0019】
図1の実施の形態にかかる入力位置設定装置としてのナビゲーション装置のブロック図において、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うマイクロプロセッサからなる演算・制御部1と、操作者からの操作を受け付けるエンジンの駆動を行うイグニッションスイッチ21を含む各種キー入力、音声入力、タッチスイッチ等の操作部2と、操作者に対して操作情報、地図等の情報を表示する液晶、EL等からなるディスプレイ3と、ルート案内、交通規制情報、渋滞情報の案内に関する音声ガイダンスを行うスピーカ4と、更に、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)に至るまでの距離等を検出することが可能となるように各種センサからなる自車の現在位置を検出する現在地検出部7と、道路交通情報通信システムセンター(VICS(登録商標):Vehicle Information and Communication System)62等の情報センタとの間でネットワーク61を介して通信を行う通信部6、各種のデータが記録され、書込み、読み出しが可能な記憶容量が大きいハードディスクからなるナビ情報処理部8と、ナビゲーション機能による目的位置、経由地、登録地の設定によってルート探索される目的位置入力部9等から構成されている。なお、本実施の形態のディスプレイ3は、操作部2としてのタッチスイッチを兼ねるものである。
【0020】
マイクロプロセッサからなる演算・制御部1は、全体の制御を行う演算及び制御を行うCPU11、及びCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用すると共に、ルートが探索されたときのルートデータや交通規制情報が存在するリンクID等が記憶されるRAM12、制御用プログラムの他、渋滞回避ルートへの変更をユーザに案内するルート変更案内処理プログラム等が記憶されたROM13、ROM13から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ14等の内部記憶装置や、タイマ15等を備え、RAM12、ROM13、フラッシュメモリ14等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用され、演算及び制御を行うCPU11は、MPU等の演算機能を有するものの使用が可能である。
【0021】
ROM13には、各種のプログラムが記憶され、RAM12に各種のデータが記憶されるようになっており、また、プログラム、データ等を外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリ14に書き込む。更に、メモリーカード等を交換することによってプログラム、データ等を更新することができる。
そして、自車の現在位置を検出する現在地検出部7は、GPSセンサ71、地磁気センサ72、距離センサ73、ステアリングセンサ74、方位検出部としてのジャイロセンサ75、高度計76、更に、自車の走行速度及び走行距離を検出する車速センサ77等からなる。
【0022】
なお、本実施の形態のナビゲーション装置は、ネットワーク61を介して道路交通情報通信システムセンター62から警察等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や、交通規制情報等の道路交通情報を所定時間毎に受信することが可能に構成されている。また、この道路交通情報は、例えば、道路の渋滞等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。該詳細情報としては、道路渋滞情報の場合、後述のVICSリンクID、渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等であり、交通規制情報の場合、後述のVICSリンクID、道路工事、建築工事等の継続期間、通行止め、片側交互通行、車線規制等の交通規制の種類、交通規制の時間帯等である。
また、ネットワーク61としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
【0023】
更に、各構成要素について図1に基づいて具体的に説明する。
演算・制御部1には、操作部2、ディスプレイ3、スピーカ4、通信部6の各周辺装置が電気的に接続されている。操作部2は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的位置を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際等に操作され、各種キー等の複数の操作スイッチから構成される。そして、演算・制御部1は、操作部2の各スイッチの操作により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。イグニッションスイッチ21はエンジンの始動及び停止を行うものである。
なお、操作部2としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。更に、ディスプレイ3の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0024】
ディスプレイ3には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的位置までの探索ルート、探索ルートに沿った案内情報、後述のルート変更案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
なお、ディスプレイ3の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、EL等を使用し、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することもできる。
【0025】
スピーカ4は、演算・制御部1からの指示に基づいて、探索ルートに沿った走行を案内する音声ガイダンスや、探索ルートのルート変更を案内する音声案内を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「目的位置を変更します。」、「候補地を表示します、選択しますか。」や「目的位置として○○駅が選択されました。」等がある。特に、本実施の形態においては、操作順序等もメッセージを出力する。
なお、スピーカ4より出力される音声としては、合成された音声の他に、各種効果音、予めICメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0026】
更にまた、通信部6は、情報センタ、例えば、道路交通情報通信システムセンター62等から送信された渋滞情報、交通規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る道路交通情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するビーコンレシーバである。また、通信部6は、ネットワーク61としてLAN、WAN、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系において通信を可能とするネットワーク機器である。更に、通信部6は道路交通情報通信システムセンター62からの情報の他に、ニュース、天気予報等の情報から成るFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信するFM受信機を備える。なお、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0027】
GPSセンサ71は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在位置及び現在時刻を検出する。地磁気センサ72は、地磁気を測定することによって自車方位を検出する。距離センサ73は、道路上の所定位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ73としては、例えば、自車の車輪の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するが、車速センサ77の出力を積分して距離を検出してもよい。
【0028】
また、ステアリングセンサ74は自車の操舵角を検出するものである。ここで、ステアリングセンサ74としては、例えば、ステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
そして、ジャイロセンサ75は自車の旋回角を検出するものである。ここで、ジャイロセンサ75としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ75によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0029】
また、ナビ情報処理部8及び目的位置入力部9は、本実施の形態ではハードディスクを使用した場合で説明する。本実施の形態においては、ナビ情報処理部8、目的位置入力部9としてハードディスクが使用されているが、ハードディスクの他に、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置の一部として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、ICカード等を外部記憶装置の一部として使用することもできる。
【0030】
ナビ情報処理部8の交通情報DB81には、道路交通情報通信システムセンター62から受信した渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報から作成した渋滞情報82が格納されている。また、この交通情報DB81には、道路交通情報通信システムセンター62から受信した交通規制のある道路工事、建築工事等による交通規制情報等に関する道路交通情報から作成した交通規制情報83が格納されている。
道路交通情報通信システムセンター62から受信した各道路交通情報には、種別情報、位置、渋滞区間の距離、渋滞度等の情報と共に、VICSリンクIDが含まれる。VICSリンクIDは、道路を所定の交差点毎に分割して規格化された走行案内用リンクとしてのVICSリンクに付与された識別番号である。なお、前記道路交通情報には、各VICSリンクにおける始点及び終点の座標、始点から終点までの距離等の情報も含まれている。
【0031】
なお、地図情報DB84に記憶される道路とVICSリンクとは同一ではない。即ち、一般的には、道路(リンク)の方がVICSリンクよりも細分化されている。そこで、交通情報DB81には、各道路に識別番号として付与されるリンクIDとVICSリンクIDとの間の変換テーブル(対照表)を有し、VICSリンクIDに基づいて、対応するリンクIDを特定することができるようになっている。そのため、本実施の形態のナビゲーション装置は、道路交通情報通信システムセンター62からVICSリンクIDを受信すると、該VICSリンクIDに基づいて渋滞情報等の道路交通情報を表示すべき道路の区間を特定することができる。そして、道路交通情報通信システムセンター62から受信した現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて渋滞情報82として格納される。また、道路交通情報通信システムセンター62から受信した交通規制情報83等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて交通規制情報83として格納される。
【0032】
また、地図情報DB84には、本実施の形態のナビゲーション装置の走行案内やルート探索に使用されるナビ地図情報85が格納されている。ここで、ナビ地図情報85には、ルート案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、ディスプレイ3に地図31(図7以降参照)を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路に関するリンクデータ、ルートを探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。そして、地図情報DB84の内容は、地図情報配信センタから通信部6を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0033】
本実施の形態の目的位置入力部9は、目的位置設定部91、フリック指示検出部92、関連性検索部93、系列表示部94、候補表示部95、画像変更設定部96、設定部97から構成されている。
まず、目的位置設定部91は、ディスプレイ3上で目的位置(本実施の形態では操作する前の時点の位置にGマークのカーソルを付す)を設定するものである。ナビゲーション装置であれば、目的位置Gとしての入力手段としては、ディスプレイ3上で目的地を設定するものであればよく、地図上で目的地を直接に設定してもよいし、施設名称、住所、メモリ地点、電話番号等の入力でもよい。何れにせよ、画像上に現れた位置にカーソルGを合わせ、目的位置Gを特定するものである。
なお、目的位置設定部91は、目的位置を入力した後、その目的位置Gを修正する機能とみることもできる。例えば、現在地から目標となる目的位置を施設で検索したが、正確には、そこから更にルートを探索し、前記探索されたルートに従ってルート案内する目的位置設定機能とみることもできる。
【0034】
また、フリック指示検出部92は、目的位置設定部91で設定されたディスプレイ3に表示された目的位置Gを基点としてフリック指示の内容、即ち、フリックの方向及びフリックの速度、フリックの距離を判断するものである。具体的には、ディスプレイ3の前面に設けたタッチパネル、タブレット等と、指またはライトペン、スタイラスペン等を使用して、デジタル機器の画面操作を行うフリック指示の利用により、画面上の特定の1点を指定してから、そのまま任意の方向にはじくことにより、その方向性の情報を得るものである。本実施の形態では、目的位置Gの属性を求めて、少なくとも素早くはじく方向及び好ましくはその反対方向の共通する属性を検索するものである。
なお、フリック指示に関し、指やペンを画面上の特定点から別の位置の点まで動かすドラッグアンドドロップは、ドロップ地点を特定するものでないことからその違いが認識されるが、本発明を実施する場合のフリック指示は、フリック動作、ドラッグアンドドロップの使用が可能である。また、ジョイスティック等方向キーの使用も可能である。
また、フリック指示検出部92は、目的位置設定部91で設定されたディスプレイ3に表示された目的位置を基点としてフリック指示の速度内容を検出するものであるが、通常、フリック指示の速度は、フリックによる距離と同等の値となるので、本発明を実施する場合には、両者は基本的に同一として扱うこととする。
【0035】
関連性検索部93は、目的位置としてのGマークを付した場所が特定の駅のとき、私鉄、JR、第三セクタ等の正確な電車線路名の属性の関連性、東名高速道路、名古屋高速道路、東海北陸自動車道等の高速道路の正式な道路名の属性の関連性、チェーン店のスーパー名または駐車場付きのスーパー等のスーパーの関連性、所定のチェーン店のコンビニの関連性、自己の所有するカードが使用できるガソリンスタンド、市役所の支所等の関連性から、目的位置Gとして変更する候補を提示するものである。その際に、操作者が行うフリック動作から、その方向性の情報、操作速度の情報から操作者の目的位置Gの変更意図を推定するものである。
特に、ここで関連性とは、特定された駅名、高速道路のIC(インターチェンジ)、サービスエリア(SA)、国道等の道路名、スーパー、コンビ二等の共通の名称、それらの名称に格納された属性及び設定された条件によって関係付けられ、同じ属性の持つ関連性のある地点として特定される。
【0036】
また、関連性検索部93は、目的位置Gとして入力した情報からその属性の共通性、関連性情報として特定されている情報であるかの判断、及びフリック動作の始点及びその摺動(はじかれた)方向によって、操作者が修正しようとする目的位置G(または経由地)の候補を特定し、同じ属性の持つ関連性のある地点である推定の候補地を選択するものである。
例えば、目的位置Gが特定の駅であったり、特定のインターチェンジであると、当該電車線路または当該高速道路に沿ってフリックしたとき、フリック指示の摺動方向によって上りまたは下り線の隣接する現在の駅を含む複数の駅または現在のインターチェンジを含む隣接するインターチェンジを候補地として選択するものである。また、高速道路のサービスエリアからのフリック動作方向であるとき、隣接する高速道路のサービスエリアを候補地として表示する。
即ち、関連性検索部93は、目的位置Gとして入力した情報からその属性を参照し、また、関連性情報として特定されている情報に基づき、フリック指示の基点(始点)及びその摺動方向によって、操作者が修正しようとする目的位置または経由地の候補を推定し、候補地を選択するものである。
【0037】
系列表示部94は、ディスプレイ3の一部に設けられた図8に示す候補表示エリア40であり、目的位置Gのフリック指示に基づき、同じ属性の持つ関連性のある検索した地点を表すものである。フリックに応じて抽出した候補地を地図31上またはディスプレイ3の一部に設けられた候補表示エリア40上に表示し、それを特定のアイコンで、また、表示された名称で候補地を訴えるものである。特に、系列表示部94の表示は、目的位置設定部91で設定した目的位置Gよりも、フリックに対して1箇所前または2箇所前の位置から目的位置Gを含めて関連性検索部93によって検索された目的位置Gに代わる同じ属性の持つ関連性のある地点である推定の候補位置を表示するものである。
【0038】
即ち、系列表示部94の表示は、目的位置設定部91に設定された目的位置Gの属性及びフリック指示検出部92で検出されたフリック指示に基づき、同じ属性の持つ関連性のある地点をフリック方向の反対方向にまで検索し、その結果を表示するものである。しかし、本発明を実施する場合、系列表示部94の表示速度を上げるには、目的位置設定部91に設定された位置のみを始点として表示することにより、自己の設定位置Gからフリックの速度に合わせた候補地を順次列挙すればよい。
また、候補表示部95は、関連性検索部93によって目的位置Gに代わる同じ属性の持つ関連性のある地点である推定の候補をフリック指示に従って検索した候補を中心に画像表示するものであり、ナビゲーション装置の場合には、地図31に示すことになる。同時に、ディスプレイ3の一部に設けられた候補表示エリア40にも示すことになる。
【0039】
画像変更設定部96は、選択した候補地を地図31及び候補表示エリア40上に表示するとき、選択した候補地を地図31上に表示するため、ディスプレイ3で表現できないとき、フリックまたは地図の縮小(縮尺を小さく)することによって、それを表示するものである。例えば、現在表示している地図31から上下方向または左右方向に僅か外れているとき、フリックによって地図の縮尺を変更することなく表示される。本実施の形態の「僅か」とは、3〜5cm以下を意味する。勿論、技術的には、数値に制限されるものでなく、実現可能である。この画像変更設定部96は、候補地を表示する地図31がディスプレイ3上の位置にないとき、候補地をディスプレイ3上の地図の位置に導くためにフリックまたは画面の縮小を行うものである。
【0040】
また、それ以上に離れているときには、地図31が25m距離表示(1/2500)の設定の場合には、50m距離表示(1/5000)に縮尺変更し、また、50m距離表示(1/5000)の設定の場合には、100m距離表示(1/1万)に縮尺変更し、100m距離表示(1/1万)の設定の場合には、500m距離表示(1/5万)に縮尺変更し、同様に、500m距離表示(1/5万)の設定の場合には、1Km距離表示(1/16万)に1段階から2段階の縮尺変更するように制御される。
勿論、推定の候補地が設定位置として選択されたとき、再度、地図の縮尺をフリック動作の前の縮尺に戻すこともできる。
この画像変更設定部96は、候補地をディスプレイ3上の画像、即ち、ナビゲーション装置では地図31及び候補表示エリア40の位置に導くためにフリックまたは画面の縮小を行ったとき、フリック指示時の画面の縮尺を記憶しておき、それを現在地の表示と候補地の目的位置または経由地の設定によって画面の縮尺を元に戻し、現在地の表示に戻す機能を付加することができる。
【0041】
設定部97は、ディスプレイ3の一部に設けられた候補表示エリア40の系列表示部94に表示されたフリックに応じて抽出した候補地から、特定の目的地を選択するものであり、地図31または候補表示エリア40上から候補地を選択し、それを目的地設定キーによって選択することによりなされる。
【0042】
次に、このように構成された本実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置の制御について、ディスプレイ3の画面表示の図2及び図3と共に説明する。
図2は、車両のメインプログラムの実行によってディスプレイ3にメインメニュー画面が表示される。このメインメニュー画面から目的地設定30のメニューを選択することにより、図3に示す目的地設定画面が表示される。ここで地図検索33のキーのメニューを選択すると、「地図検索」のプログラムが実行される。
【0043】
図4は目的地設定30の地図検索33のキー入力で選択された目的位置入力部9が有する目的位置設定プログラムがコールされる。
ステップS1で目的位置Gの入力を待ち、ステップS1で目的位置Gの入力があるとステップS2でそれが設定される。ステップS3でその目的位置及び必要に応じて設定される経由地と現在地からルートが探索され、探索されたルートが複数あれば、ステップS4でそこから特定の探索コースが設定される。また、ステップS5で現在地の位置的変化を判断し、ステップS6で選択された探索コースに従ってルート案内する。ステップS1乃至ステップS6のルーチンは公知のナビゲーションの機能である。
【0044】
ステップS7で目的位置G(または経由地)を基点とするフリック動作があったか否かをフリック指示検出部92で判断し、フリック動作がないときには、ステップS5乃至ステップS7のルーチンを繰り返し実行する。なお、ここで、目的位置Gは現在地を用いているが、カーソルの移動で別の位置を目的位置Gと設定してもよい。
ステップS7で目的位置Gを基点とするフリック動作がない場合には、ステップS5乃至ステップS7のルーチンを目的位置Gに到達するまで繰り返し実行する。ステップS7で目的位置Gを基点とするフリック動作があった場合には、ステップS8でフリック動作の方向性及び距離を算出する速度を判断する。フリック動作の方向性とは、例えば、指やペンでタッチスイッチに接触させて移動する方向が地図上の何れの方向にあるかを判断するものである。
【0045】
ステップS9で目的位置Gまたは経由地の属性は関連性情報として指定されているかを判断する。例えば、本実施の形態では、電車線路、高速道路、スーパー、コンビニ、ガソリンスタンド、役所の支所等であれば、関連性情報有りとして、ステップS10で「候補地検索ルーチン」をコールする。しかし、関連性情報有りと判断されないときには、ステップS5からステップS9のルーチンの処理に留まる。
【0046】
ステップS10で「候補地検索ルーチン」が実行されると、ステップS11で候補地が現在表示している目的位置Gとして示している地図31の画面に表現できるか否かを判断し、表現できないときには、ステップS12で地図の縮尺を変更し、1段階または2段階、地図31を縮小する。なお、このとき、ディスプレイ3の地図から3〜5cm脱していることが分かれば、フリックで画面上の地図31表示とすることもできる。なお、この間にも、ディスプレイ3の一部に設けられた候補表示エリア40上に候補地が表示されている。
そして、ステップS13で目的位置となる候補地を表示する。この候補地の表示は、候補表示エリア40にフリック動作があった基点の目的位置Gを含み、フリック方向の反対方向に1箇所または2箇所の候補地を入れ、残余は、フリック方向の候補地を距離に応じて表示する。この表示は、略図として地図的に配置するのが望ましい。
この候補地の表示は、所定の候補地として定められたアイコンで示してもよいし、図8の候補表示エリア40に示すように、直接地図情報を使用し概念的な地図に基づき名称を表示してもよい。次に、ステップS14でフリック方向の候補地を距離に応じて地図31上にアイコン表示する。
【0047】
ステップS15で所定の候補地を目的位置Gの修正として使用する修正目的位置Gとして使用すると判断されると、例えば、図8の例では、「安城」を押圧し、続いて目的地設定キー35を押圧したとき、ステップS15で所定の候補地を目的位置Gの修正として使用する修正目的位置Gとして使用すると判断され、ステップS16でステップS2において設定された目的位置Gを候補地「安城駅」に変更し、ステップS3でその変更された候補地を目的位置Gルート探索を行い、それ以降のルーチンの処理に入る。
なお、図8の候補表示エリア40からも分るように、所定の候補地を目的位置Gの修正として使用する場合に、現在の駅の表示を行うと上り線と下り線の間違いがあれば、それがはっきりとする。
ステップS15で表示された所定の推定目的候補地を目的位置Gの修正として使用する修正目的位置として選択しない場合、ステップS17でキャンセルであるか否かをキーエリア34のキャンセルキー37の押圧で判断し、キャンセルのとき、ステップS5からのルーチンに戻る。また、キャンセルしない場合には、ステップS11からのルーチンの処理を行う。
【0048】
次に、ステップS10で「候補地検索ルーチン」がコールされると、図5の候補地検索プログラムが実行される。
まず、ステップS21でフリックの基点が図7に示すように駅(岡崎駅)であるか判断する。この判断は、ステップS2で設定した目的位置Gまたは経由地を利用してその属性で判断してもよいし、地図上の目的位置Gから読み込んでもよい。次に、ステップS22でそのフリックが線路に沿った(色抜き矢印の)フリックであるか判断する。線路に沿ったフリックが確認されると、ステップS23でそのフリック操作の方向及び速度に応じて、図8の候補表示エリア40に示すように、フリックの基点の駅名を中心に駅名表示を行う。フリックの基点の駅名とは、フリックした目的位置Gの駅であり、少なくとも、フリックした目的位置Gの駅を含めてフリック方向に幾つかの駅名を表示する。フリック方向に対しては、その速度に応じて幾つかの駅名を表示する。そして、フリック方向の反対方向には、1箇所または2箇所の駅名を表示する。特に、候補地の位置が明確になるように、反対方向も示すと、操作者の求めている位置が明確になる。したがって、フリックした目的位置Gの駅を中心にして、フリック方向と反フリック方向に同数の駅名を表示することもできる。しかし、一般には、フリック方向に多く表示するのが望ましい。
ステップS22でフリックが線路に沿ったフリックでないと判断されたとき、ステップS24で通常のスクロールの指示と解して、スクロールを行う。
【0049】
また、ステップS25でフリックの基点が高速道路のインターチェンジ(IC)か判断する。次に、ステップS26でそのフリックが高速道路に沿ったフリックであるか判断する。高速道路に沿ったフリックが確認されると、ステップS27でそのフリック操作の方向及び速度に応じて、フリックの基点のインターチェンジ名を中心にインターチェンジ名表示を行う。フリックの基点のインターチェンジ名とは、フリックした目的位置Gのインターチェンジであり、少なくとも、フリックした目的位置Gのインターチェンジを含めてフリック方向に幾つかのインターチェンジ名を表示する。フリック方向に対しては、その方向及び速度に応じて幾つかのインターチェンジ名を表示する。そして、フリック方向に反対方向には、1箇所または2箇所のインターチェンジ名を表示する。特に、候補地の位置が明確になるように、反対方向も示すと、操作者の求めている位置が明確になる。したがって、フリックした目的位置Gのインターチェンジを中心にして、フリック方向と反フリック方向に同数のインターチェンジ名を表示することもできる。しかし、一般には、フリック方向に多く表示するのが望ましい。
ステップS26でフリックが高速道路に沿ったフリックでないと判断されたとき、ステップS28で通常のスクロールの指示と解して、スクロールを行う。
【0050】
また、ステップS29でフリックの基点がインターチェンジ、サービスエリア以外の高速道路上か判断する。次に、ステップS30でそのフリックが高速道路に沿ったフリックであるか判断する。高速道路に沿ったフリックが確認されると、ステップS31でそのフリック操作の方向及び速度に応じて、フリックの基点に近い通過したインターチェンジ名またはサービスエリア名を中心にインターチェンジ名及びサービスエリア(SA)の表示を行う。フリック方向に対しては、その方向及び速度に応じて幾つかのインターチェンジ名及びサービスエリアを表示する。そして、フリック方向に反対方向には、1箇所または2箇所のインターチェンジ名及びサービスエリア名を表示する。特に、候補地の位置が明確になるように、反対方向も示すと、操作者の求めている位置が明確になる。したがって、フリックした目的位置Gのインターチェンジ名またはサービスエリア名を中心にして、フリック方向と反フリック方向に同数のインターチェンジ名及びサービスエリア名を表示することもできる。しかし、一般には、フリック方向に多く表示するのが望ましい。
ステップS30でフリックが高速道路に沿ったフリックでないと判断されたとき、ステップS32で通常のスクロールの指示と解して、スクロールを行う。
【0051】
そして、ステップS33でフリックの基点がサービスエリア(SA)か判断する。次に、ステップS34でそのフリックが高速道路に沿ったフリックであるか判断する。高速道路に沿ったフリックが確認されると、ステップS35でそのフリック操作の速度に応じて、フリックの基点のサービスエリア名を中心に複数のサービスエリア(SA)の表示を行う。フリックの基点のサービスエリア名とは、フリックした目的位置Gのサービスエリア名であり、少なくとも、フリックした目的位置Gのサービスエリア名を含めてフリック方向に幾つかのサービスエリア名を表示する。フリック方向に対しては、その速度に応じて幾つかのサービスエリアを表示する。しかし、フリック方向に反対方向には、1または2箇所のサービスエリア名を表示する。特に、候補地の位置が明確になるように、反対方向も示すと、操作者の求めている位置が明確になる。したがって、フリックした目的位置Gのサービスエリア名を中心にして、フリック方向と反フリック方向に同数のサービスエリア名を表示することもできる。しかし、一般には、フリック方向に多く表示するのが望ましい。
ステップS34でフリックが高速道路に沿ったフリックでないと判断されたとき、ステップS36で通常のスクロールの指示と解して、スクロールを行う。
【0052】
更に、ステップS37でフリックの基点がスーパーであるか判断する。次に、ステップS38でそのフリックが国道、県道等の道路に沿ったフリックであるか判断する。国道に沿ったフリックが確認されると、ステップS39でそのフリック操作の方向及び速度に応じて、フリックの基点のスーパー名を中心に複数のスーパー名の表示を行う。フリックの基点のスーパー名とは、フリックした目的位置Gのスーパー名であり、少なくとも、フリックした目的位置Gのスーパー名を含めてフリック方向に幾つかのスーパー名を表示する。フリック方向に対しては、その方向及び速度に応じて幾つかのスーパー名を表示する。しかし、フリック方向に反対方向には、1箇所または2箇所のスーパー名を表示する。特に、候補地の位置が明確になるように、反対方向も示すと、操作者の求めている位置が明確になる。したがって、フリックした目的位置Gのスーパー名を中心にして、フリック方向と反フリック方向に同数のスーパー名を表示することもできる。しかし、一般には、フリック方向に多く表示するのが望ましい。
ステップS38でフリックが国道、県道等の道路に沿ったフリックでないと判断されたとき、ステップS40で通常のスクロールの指示と解して、スクロールを行う。
【0053】
このように、ステップS37乃至ステップS40のルーチンと同様のルーチンでコンビニ、ガソリンスタンド、役所の支所等も処理することができる。基本的動作が同じであるので、その説明を省略する。
特に、スーパー、コンビニ、ガソリンスタンドは、スーパー、コンビニ、ガソリンスタンドとしての目的位置に限らず、特定のチェーン点として登録する場合があり、ユーザによってそれらは初期設定される。
なお、本実施の形態では、フリック操作の方向及び速度を基準としたが、フリックの速度はフリックの距離にほぼ等しいので、本発明を実施する場合のフリックの速度には、フリックの距離という意味も含むものである。
【0054】
[他の実施の形態]
上記実施の形態の説明では、系列表示部94としては、ディスプレイ3の一部に設けられた図8に示す候補表示エリア40であり、そこには、フリックをかけた地点を表示することを説明した。しかし、フリックの情報によって表示内容を変更することもできる。
例えば、図9に示すように、浜名湖サービスエリアから強いフリック(操作速度が速く、操作距離が長い)を行うと、目的地の候補地として上郷サービスエリアが表示されたとする。このとき、候補表示エリア40は通常であれば、ディスプレイ画面(a)となるが、強いフリックであれば、その目的地が正確に出せる確率が少ないと仮定して、敢えて、上郷サービスエリアを越える範囲のサービスエリアを表示するディスプレイ画面(b)とすることもできる。
【0055】
また、例えば、図10に示すように、浜名湖サービスエリアから弱いフリック(操作速度が遅く、操作距離が短い)を行うと、そのフリック自体に乗数をかけて使用することもできる。また、フリック速度とその距離を別々に表現することもできる。通常では、目的地の候補地として新城パーキングエリアが表示されたとする。このとき、候補表示エリア40は、その経路を表示する場合のディスプレイ画面(a)である。また、フリック自体に乗数をかけて使用した場合、目的地の候補地を中心に赤塚パーキングエリアを付近を詳細に表示するディスプレイ画面(b)とすることもできる。
【0056】
上記実施の形態の説明では、高速道路での説明であるが、新幹線で扱うと次のようになる。例えば、図11に示すように、新横浜駅から強いフリック(操作速度が速く、操作距離が長い)を行うと、目的地の候補地として名古屋駅が表示されたとする。このとき、候補表示エリア40は通常であれば、ディスプレイ画面(b)のように、名古屋駅、京都駅、新大阪駅の表示となるが、強いフリックであれば、その目的地が正確に出せる確率が少ないと仮定して、敢えて、名古屋を越える岡山駅、小倉駅を表示するディスプレイ画面(a)とすることもできる。
また、フリック速度によって、任意の距離毎に存在する施設を表示することもできる。例えば、フリック速度が遅い場合には、基点が新幹線の「のぞみ」停車駅であっても、任意の距離内にあれば、新幹線の「のぞみ」が停車しない駅の「ひかり」、「こだま」の停車駅を表示することができる。具体的には、フリック速度が速いと約50km毎にある駅(高速道路の場合にはインターチェンジ名またはサービスエリア等)、フリック速度が遅いと約10km毎にある駅(高速道路の場合にはインターチェンジ名またはサービスエリア等)の表示とすることができる。
【0057】
そして、例えば、図12に示すように、新横浜駅から弱いフリック(操作速度が遅く、操作距離が短い)を行うと、そのフリック自体に乗数をかけて使用することもできる。また、フリック速度とその距離を別々に表現することもできる。フリック自体に乗数をかけて使用した場合、目的地の候補地として熱海駅が表示されたとする。このとき、候補表示エリア40は、その経路を表示する場合、新横浜駅、熱海駅、静岡駅、浜松駅と間引きし、ディスプレイ画面(a)のように表示することができる。また、通常のように、目的地の候補地を中心に表現する場合には、目的地の候補地として小田原駅が表示されたとする。このとき、候補表示エリア40は、その経路を表示する場合、新横浜駅、小田原駅、熱海駅、三島駅と「こだま」が停車する駅名をディスプレイ画面(b)のように表示することができる。勿論、のぞみが停車する駅の表示とすることもできる。
【0058】
[実施の形態のまとめ]
上記実施の形態の入力位置設定装置は、ディスプレイ3上で目的地等の目的位置を設定するステップS7からなる目的位置設定部91と、目的位置設定部91で設定されたディスプレイ3に表示された目的位置Gを基点としてフリック指示を検出するステップS8及びステップS9からなるフリック指示検出部92と、目的位置設定部91に設定された目的位置Gの属性及びフリック指示検出部92で検出されたフリック指示に基づき、同じ属性の持つ関連性のある地点を検索するステップS10からなる関連性検索部93と、目的位置設定部91で設定した目的位置Gを含み、関連性検索部93によって目的位置Gに代わる同じ属性の持つ関連性のある地点をフリック指示に従って候補表示エリア40で複数表示するステップS13からなる系列表示部94と、関連性検索部93によって目的位置Gに代わる推定の候補をフリック指示に従って検索した候補を中心に画像表示するステップS14からなる候補表示部95と、系列表示部94により表示されている同じ属性の持つ関連性のある地点の候補位置Gを目的位置設定部91の目的位置に代えて目的位置Gとして設定する設定部97とを具備するものである。
【0059】
上記構成によって、ディスプレイ3上で目的位置Gを設定する目的位置設定部91で設定されたディスプレイ3に表示された画像上の目的位置Gを基点としてフリック指示方向を検出する。目的位置設定部91に設定された目的位置Gの属性及び前記フリック指示検出部92で検出されたフリック指示に基づき、関連性検索部93で同じ属性の持つ関連性のある地点を検索し、関連性検索部93によって目的位置Gに代わる同じ属性の持つ関連性のある地点である推定の候補を系列表示部94によって、目的位置設定部91で設定した目的位置Gを開始点としてフリック指示に従って複数表示する。同時に、関連性検索部93によって目的位置Gに代わる推定の候補を候補表示部95によってフリック指示に従って検索した候補を中心に画像表示する。そして、設定部97によって、系列表示部94により表示されている同じ属性の持つ関連性のある地点を推定の候補として、目的位置設定部Gの目的位置に代えて目的位置Gとして設定する。
【0060】
したがって、目的位置Gを設定した後に、当該目的位置G以外の場所または別な位置を選択する必要が生じた場合には、当初設定した目的位置Gからフリック指示のみで、当初設定した目的位置Gの属性を持つ関連性のある場所を検索するから、再入力することなく、候補地が表示され、道路工事等による通行止め、交通渋滞等を回避した目的位置に変更が容易になる。故に、再入力によってナビゲーション装置を動作させなくとも、当初目的位置として設定した目的位置の属性によって候補を選択するので、目的位置の設定変更の入力の煩わしさをなくし、再設定が容易な装置となる。また、1度変更した後に、再度の変更を行っても煩わしさがなく、操作者が指またはペンで操作するタイミングが僅かであり、目的位置修正のための時間的ロスが少なくてすむ。また、フリックの距離が長い場合でも、同一属性の箇所を始点から順に示すことにより、フリックのかけすぎにもその間の箇所を表示することにより、目的位置の設定が容易になる。
【0061】
本実施の形態の入力位置設定装置は、特に、ナビゲーション装置に使用する実施の形態では、更に、フリックをかけた目的位置を表示する地図31がディスプレイ3上の位置にないとき、その候補地をディスプレイ3上の地図31の位置に導くためにスクロールまたは画面の縮小を行う画像変更設定部96を具備する構成とすることができる。
また、画像変更設定部96は、候補をディスプレイ3上の地図31の位置に導くためにスクロールまたは画面の縮小を行ったとき、候補の設定によって画面の縮尺をフリックを行う前の縮尺に戻し、現在位置の表示に戻すことが望ましい。
【0062】
本実施の形態の入力位置設定装置の関連性検索部93は、電車線路、高速道路、スライドショー等の何れか1以上としたものである。特に、関連性検索部93は、電車線路、高速道路、スライドショー等の何れか1以上としたものであるから、頻繁に使用しなくても、その使い方及び機能を理解しやすく、必要なときに使用しやすい。
【0063】
本実施の形態の入力位置設定装置の次回以降の目的位置Gを基点としてフリック指示方向を検出するフリック指示検出部92は、候補表示部95及び/または系列表示部94の表示からフリックの入力を可能とすることができる。
次回以降の目的位置Gを基点としてフリック指示方向を検出するフリック指示検出部92は、候補表示部95及び/または系列表示部94の表示からフリックの入力を可能としたものであるから、候補表示部95の表示から入力するものでは、従来から使用しているフリックであり、間違いのないフリックが可能となる。また、系列表示部94の表示からフリックの入力を可能としたものでは、表示された配列方向にのみフリックすればよいから、フリックの入力方向の誤差がなくなる。
【0064】
本実施の形態の入力位置設定装置の系列表示部94の表示は、目的位置設定部91で設定した目的位置Gよりも、フリックに対して1箇所前または2箇所前の中心位置から関連性検索部93によって目的位置Gに代わる同じ属性の持つ関連性のある地点としての推定の候補位置を入力するものである。しかし、本発明を実施する場合には、次回以降の目的位置Gを基点としてフリック指示方向を検出する系列表示部94の表示は、目的位置設定部91で設定した目的位置Gよりも、フリックに対して1箇所または2箇所前の位置から関連性検索部93によって目的位置Gに代わる推定の候補位置を入力したものであればよく、表示された配列方向から今までのフリックしてきた経路が確認できるから、特に、ナビゲーション装置に使用するとフリック方向の間違いに気付くことができるから、間違いのない検索が可能となる。
【0065】
ところで、目的位置設定部91は、新規な目的位置Gとして説明したが、それを現在位置32とすることもできる。また、現在位置32のみを目的位置Gとすることもできる。特に、目的位置Gを現在位置32とすると、その取り扱いが簡単となる。
また、フリック指示検出部92は、本実施の形態では、指の接触で検出しているが、フリックが検出できるものであればよい。
そして、関連性検索部93は、ナビゲーションとしての電車線路、高速道路の属性に限定されるものではなく、パソコンのスライドショー、パワーポイントのように画像を出力する特定のファイルであれば、実施可能である。したがって、本発明を実施するものは、ナビゲーション装置に限定されるものではなく、画像を出力する電子機器に使用できる。
【0066】
系列表示部94は、候補表示エリア40を用いて表現するものであるが、少なくとも、地図31等の画像を出力する画面に、他の画面を重ね合わせ、その重ね合わせた画面に複数の候補が表示できるものであればよい。但し、そこには、フリック指示した目的位置Gを含むものであり、候補地の数によっては、間引くことができるし、例えば、新幹線等の場合のように、のぞみ、ひかり、こだまの停車駅のように、他のパラメータで選択することもできる。
【0067】
本実施の形態の候補表示部95は、目的位置Gに代わる推定の候補をフリック指示に従って検索した候補を画像表示するものであり、通常のナビゲーション機能を持たせたものであり、フリックかけたときに直感で移動距離が短いことを読み取るものである。
また、画像変更設定部96は地図31及び/または候補表示エリア40の拡大・縮小を行うものであり、本発明を実施する場合には、必ずしも必要とするものではないが、ナビゲーション装置等に使用する場合には、利便性が高い。
そして、設定部97は、候補表示エリア40の情報を取り込む説明をなしたが、地図31に示している候補地が明示されているから、実質的に地図31から選択することと違いはない。即ち、設定部97は、候補表示エリア40または地図31の何れで候補地を選択してもよい。しかし、候補表示エリア40の情報を取り込む場合には、細かい操作が不要となる。
【0068】
このように、目的位置Gを設定した後に、当該目的位置または経由地以外の場所を選択する必要が生じた場合には、当初設定した目的位置Gまたは経由地からフリック動作のみで、当初設定した目的位置Gまたは経由地の属性を持つ関連性のある場所を検索するから、再入力することなく、候補地が表示され、道路工事等による通行止め、交通渋滞等を回避した目的位置または経由地に変更が容易になる。故に、再入力によってナビゲーション装置を動作させなくとも、当初の目的位置Gまたは経由地として設定した目的位置Gまたは経由地の属性によって候補地を選択するので、目的位置Gまたは経由地の設定変更の入力の煩わしさをなくし、再設定が容易な装置となる。
【0069】
上記実施の形態の入力位置設定装置の候補表示部95は、候補地を表示する地図31がディスプレイ3上の位置にないとき、地図31の縮小を行うステップS11及びステップS12からなる画像変更設定部96を有するものである。したがって、候補地を地図表示する場合に、操作者が画面の縮小を行わなくとも、地図31に応じて画面が変更されるから、操作の手間が省ける。
勿論、上記実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置の候補表示部95は、画像変更設定部96として候補地を表示する地図31がディスプレイ3上の位置に在るかないかを判断していたが、画面の縮小の外に、スクロールで対応することができる。特にディスプレイ3から数cm離れている場合には、スクロールで対応すると違和感のない地図表示となる。ここにおいても、操作者がスクロールまたは画面の縮小を行わなくとも、地図に応じて画面が変更されるから、操作の手間が省ける。即ち、画像変更設定部96は、候補地を表示する地図31がディスプレイ3上の位置にないとき、候補地をディスプレイ3上の地図の位置に導くためにスクロールまたは画面の縮小を行うものである。
なお、この間、ディスプレイ3の一部に設けられた候補表示エリア40には、地図31の拡大縮小に左右されることなく、候補地を表示することができる。
【0070】
上記実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置の関連性検索部93は、電車線路、高速道路、スーパー、コンビニ、ガソリンスタンド、役所の支所等の何れか1以上としたものであるから、特定の目的位置に設定しても、そこに到着する場合に通常の時間よりも多くの時間を要し、その目的位置または経由地に到着が困難なときでも、代替目的位置または経由地が必要になるから、目的位置または経由地の変更によって容易に対応が可能となる。勿論、関連性検索部93は、電車線路、高速道路、スーパー、コンビニ、ガソリンスタンド、役所の支所等の何れか1以上とするものであり、他の関連性情報を設定してもよい。また、ユーザが顧客情報として設定してもよい。
【0071】
上記実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置の関連性検索部93の電車線路、高速道路は、フリック動作方向に従って当該電車線路または当該高速道路に隣接する駅または隣接するインターチェンジを推定する候補地として選択表示するものであるから、地図の感覚で選択することができ、その操作の方法が人間工学的に人の感覚と合致し、間違いがなく、操作の覚えもよくなる。
【0072】
上記実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置の関連性検索部93の電車線路は、線路に沿ってのフリック動作方向であり、その操作速度が速いとき、隣接する電車線路の最寄りの快速以上の停車駅を候補地として選択表示するものであるから、フリック動作方向の情報のみでなく、その速度の情報も加えて、フリック動作の情報量を多くすることができる。
そして、上記実施の形態の入力位置設定装置としてのナビゲーション装置の関連性検索部93のスーパー、コンビニ、ガソリンスタンド、役所の支所は、現在地の道路に近いフリック動作方向に従って当該道路の隣接するスーパー、コンビニ、ガソリンスタンド、役所の支所の何れかとするものであるから、日常生活で目的位置に行けなくなった場合には、代替地を選択し、複雑な修正処理をすることなく、目的位置を変更することができる。
このとき、現在走行している道路を基準として道路に沿ったスーパー、コンビニ、ガソリンスタンド、役所の支所の何れかの選択とすることもできる。また、コンビニの場合には、ローソン、セブンイレブン(何れも商標)等の所定のチェーン店として関係性を表現してもよい。勿論、スーパー、コンビニ、ガソリンスタンドも同様である。
【0073】
上記実施の形態では、前記目的位置設定部91で設定された前記ディスプレイ3に表示された目的位置を基点としてフリック指示の内容を検出するフリック指示検出部92は、フリック指示の方向及び速度としたものであるが、特に、方向情報には同じ属性の持つ関連性のある地点を検索する情報に使用し、速度情報は同じ属性の持つ関連性のある地点を検索する距離情報の長短、例えば、新幹線の場合には、高速走行で停車する駅であるか否かの判断情報等を検討するものである。
【0074】
更に、上記実施の形態では、フリック指示を行うのに際し、フリック回数またはフリック方向を取り入れていないが、本発明を実施する場合には、それらを取り入れることができる。例えば、フリック回数が1回または2回の速い動作の場合には、同じ属性の持つ関連性のある地点を検索する距離情報を長距離とし、1回の後に遅い速度の場合には、同じ属性の持つ関連性のある地点を検索する距離情報を短距離とすることができる。また、フリック方向が逆転したり、方向が変化した場合には、同じ属性の持つ関連性のある地点を検索する距離情報を短距離とすることができる。
【0075】
なお、上記実施の形態では、目的位置設定部91で設定した目的位置Gを開始点としてフリック指示に従って表示し、同時に、関連性検索部93によって目的位置Gに代わる同じ属性の持つ関連性のある地点である推定の候補を候補表示部95によってフリック指示に従って検索した候補を中心に画像表示する事例で説明したが、本発明を実施する場合には、候補表示部95を省略し、同じ属性の持つ関連性のある地点を地図31にインターポーズで候補表示部95で表示する図形と同じ図形を透明の特定色の表示とすることもでき、候補表示部95は必ずしも設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 演算・制御部
3 ディスプレイ
7 現在地検出部
8 ナビ情報処理部
9 目的位置入力部
31 地図
40 候補表示エリア
91 目的位置設定部
92 フリック指示検出部
93 関連性検索部
94 系列表示部
95 候補表示部
96 画像変更設定部
97 設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ上で目的位置を設定する目的位置設定部と、
前記目的位置設定部で設定された前記ディスプレイに表示された目的位置を基点としてフリック指示の速度内容を検出するフリック指示検出部と、
前記目的位置設定部に設定された目的位置の属性及び前記フリック指示検出部で検出されたフリック指示の速度内容に基づき、同じ属性の持つ関連性のある地点を検索する関連性検索部と、
前記目的位置設定部で設定した目的位置を含み、前記同じ属性の持つ関連性のある地点を前記フリック指示の速度内容に従って複数表示する系列表示部と、
前記系列表示部で表示されている前記同じ属性の持つ関連性のある地点を前記目的位置設定部の目的位置に代えて目的位置として設定する設定部と
を具備することを特徴とする入力位置設定装置。
【請求項2】
前記関連性検索部は、電車線路、高速道路、スライドショー等の何れか1以上としたことを特徴とする請求項1に記載の入力位置設定装置。
【請求項3】
次回以降の目的位置を基点としてフリック指示の速度内容を検出する前記フリック指示検出部は、前記系列表示部の表示からフリックの入力を可能としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の入力位置設定装置。
【請求項4】
前記系列表示部の表示は、前記目的位置設定部で設定した目的位置よりも、フリックに対して1箇所前または2箇所前の位置から前記関連性検索部によって前記目的位置に代わる前記同じ属性の持つ関連性のある地点を入力したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の入力位置設定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−80828(P2011−80828A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232320(P2009−232320)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】