説明

内燃機関の制御装置及び制御方法

【課題】高圧ポンプの非駆動時に高圧燃料通路が低圧燃料通路と連通されて高圧燃料通路における燃料圧力が低下しているときに高圧燃料通路内の燃料圧力を精度良く求めることのできる内燃機関の制御装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】内燃機関は、低圧燃料通路から導入される燃料を高圧ポンプにより昇圧するとともに高圧燃料通路を通じて圧送して燃料噴射弁に供給する。また、高圧ポンプの非駆動時には高圧燃料通路と低圧燃料通路とが連通状態とされる。電子制御装置は、高圧センサにより検出される高圧燃料通路内の燃料圧力に基づき燃料噴射制御を行なう。また、低圧燃料通路内の燃料圧力を検出する低圧センサを備えている。そして、高圧ポンプの非駆動時には高圧センサの出力値Vhを低圧センサの出力値Vlに基づき補正して高圧燃料通路内の燃料圧力とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低圧燃料通路から導入される燃料を高圧ポンプにより昇圧するとともに高圧燃料通路を通じて圧送して燃料噴射弁に供給する内燃機関の制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筒内噴射式の内燃機関では、燃料タンク内に貯留されている燃料が低圧ポンプであるフィードポンプにより吸引されてフィード圧(例えば数百kPa程度)まで加圧され、低圧燃料通路を介して高圧ポンプに圧送される。そして、高圧ポンプにより更に加圧された燃料は高圧燃料通路を介して燃料噴射弁に供給され、例えば10Mpa程度の燃料圧力にて燃料噴射弁から気筒内に直接噴射される。また、こうした内燃機関の制御装置では、高圧燃料通路に燃料圧力を検出する高圧センサを設け、この高圧センサの出力値に基づいて燃料噴射制御を行なっている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
こうした内燃機関において、アイドル運転時や燃料噴射が一時的に停止される燃料カット時のように機関運転に伴って生じる騒音が小さいときに高圧ポンプが駆動されていると、高圧ポンプの駆動音や高圧の燃料を噴射する燃料噴射弁の駆動音が他の騒音に比べて相対的に大きくなる。そのため、こうした騒音の変動が運転者に対して違和感を与えるおそれがある。
【0004】
そこで、アイドル運転時や燃料カット時に高圧ポンプの駆動を停止することが考えられる。この場合、高圧ポンプの駆動音が生じなくなるとともに、高圧の燃料を噴射する燃料噴射弁の駆動音が生じなくなる。そのため、機関運転状態が変化してアイドル運転状態や燃料カット状態となっても、他の騒音に対して上記駆動音が相対的に大きくなることを抑制することができ、運転者に対して違和感を与えることを抑制することができるといった効果が期待できる。
【0005】
ちなみに、高圧ポンプの駆動が停止された場合には、フィードポンプから圧送された低圧の燃料がそのまま燃料噴射弁から噴射されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009―235957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、高圧ポンプが駆動されていないときには、低圧燃料通路からの燃料が高圧ポンプにより昇圧されることなく高圧燃料通路に導入される。すなわち、高圧燃料通路における燃料圧力がフィード圧(例えば数百kPa)となる。
【0008】
ここで、高圧燃料通路内の燃料圧力は機関運転中において最大で例えば10MPa程度とされる。そのため、高圧センサとしては、余裕をもって最大燃料圧力も高い20MPa程度まで検出可能なものが用いられている。また、こうした高圧センサでは、その検出精度が通常、最大検出圧力(この場合、20MPa)の数%程度とされている。そのため、仮に高圧センサの検出精度を1%とした場合には、0.2MPa(=200kPa)よりも小さい幅では高圧燃料通路内の燃料圧力を精度良く把握することができない。
【0009】
これらのことから、高圧燃料通路内の燃料圧力がフィード圧まで低下しているときには、高圧センサの出力値から実際の燃料圧力を精度良く把握することができない。その結果、燃料噴射制御を緻密に行なうことができず、機関運転が不安定となるといった問題が生じる。
【0010】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高圧ポンプの非駆動時に高圧燃料通路が低圧燃料通路と連通されて高圧燃料通路における燃料圧力が低下しているときに高圧燃料通路内の燃料圧力を精度良く求めることのできる内燃機関の制御装置及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、低圧燃料通路から導入される燃料を高圧ポンプにより昇圧するとともに高圧燃料通路を通じて圧送して燃料噴射弁に供給する一方、前記高圧ポンプの非駆動時には前記高圧燃料通路と前記低圧燃料通路とが連通状態とされる内燃機関に適用され、高圧センサにより検出される前記高圧燃料通路内の燃料圧力に基づき燃料噴射制御を行なう制御装置において、前記低圧燃料通路内の燃料圧力を検出する低圧センサを備え、前記高圧ポンプの非駆動時には前記高圧センサの出力値を前記低圧センサの出力値に基づき補正することをその要旨としている。
【0012】
高圧ポンプが駆動されていないときには、高圧燃料通路と低圧燃料通路とが連通状態とされ、低圧燃料通路からの燃料が高圧ポンプにより昇圧されることなく高圧燃料通路に導入される。このとき、上記構成によれば、燃料噴射制御に際して、高圧センサの出力値が低圧センサの出力値に基づき補正されて高圧燃料通路内の燃料圧力とされる。すなわち、低圧燃料通路内の燃料圧力を高圧燃料通路内の燃料圧力とみなすことができるほど高圧燃料通路内の燃料圧力が低下しており、高圧燃料通路内の燃料圧力を求める上で低圧センサの出力値の精度が高圧センサの出力値の精度よりも良いときには、低圧センサの出力値に基づき高圧センサの出力値が補正される。従って、高圧ポンプの非駆動時に高圧燃料通路が低圧燃料通路と連通されて高圧燃料通路における燃料圧力が低下しているときに高圧燃料通路内の燃料圧力を精度良く求めることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記高圧センサの出力値の所定期間における変動幅が所定値以下となった後に、前記低圧センサの出力値に基づく補正を行なうことをその要旨としている。
【0014】
高圧ポンプの駆動が停止された直後においては高圧燃料通路内の燃料圧力は十分に低下しておらず、低圧燃料通路内の燃料圧力よりも高い。このため、高圧燃料通路内の燃料圧力と低圧燃料通路内の燃料圧力との乖離が大きいときに低圧センサの出力値に基づき高圧センサの出力値を補正すると、高圧燃料通路内の燃料圧力を精度良く求めることができないおそれがある。
【0015】
この点、上記構成によれば、高圧燃料通路内の燃料圧力の変動が安定して高圧センサの出力値の所定期間における変動幅が所定値以下となった後、すなわち低圧燃料通路内の燃料圧力を高圧燃料通路内の燃料圧力とみなすことができる程度まで高圧燃料通路内の燃料圧力が低下した後に、低圧センサの出力値に基づき高圧センサの出力値の補正が行なわれる。このため、高圧燃料通路内の燃料圧力を精度良く求めることができないといった上記問題の発生を好適に抑制することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項3に記載の発明によるように、前記高圧センサの出力値の前記所定期間における変動幅が前記所定値以下であるときの前記低圧センサの出力値と前記高圧センサの出力値との乖離度合に基づき前記高圧センサの出力値を補正するといった態様をもって具体化することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記高圧ポンプの駆動が停止されてからの経過時間が所定時間以上となった後に、前記低圧センサの出力値に基づく補正を行なうことをその要旨としている。
【0018】
高圧ポンプの圧送が停止された直後においては高圧燃料通路内の燃料圧力は十分に低下しておらず、低圧燃料通路内の燃料圧力よりも高い。このため、高圧燃料通路内の燃料圧力と低圧燃料通路内の燃料圧力との乖離が大きいときに低圧センサの出力値に基づき高圧センサの出力値を補正すると、高圧燃料通路内の燃料圧力を精度良く求めることができないおそれがある。
【0019】
この点、上記構成によれば、高圧ポンプによる燃料の圧送が停止されてからの経過時間が所定時間以上となった後、すなわち低圧燃料通路内の燃料圧力を高圧燃料通路内の燃料圧力とみなすことができる程度まで高圧燃料通路内の燃料圧力が低下した後に、低圧センサの出力値に基づき高圧センサの出力値の補正が行なわれる。このため、高圧燃料通路内の燃料圧力を精度良く求めることができないといった上記問題の発生を好適に抑制することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項5に記載の発明によるように、前記高圧ポンプの駆動が停止されてからの経過時間が前記所定時間以上となったときの前記低圧センサの出力値と前記高圧センサの出力値との乖離度合に基づき前記高圧センサの出力値を補正するといった態様をもって具体化することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、前記低圧センサは、前記低圧燃料通路に設けられて燃料の吐出量を変更可能な低圧可変ポンプから吐出される燃料の圧力を検出してなることをその要旨としている。
【0022】
低圧燃料通路に低圧可変ポンプが設けられる内燃機関にあっては、該ポンプから吐出される燃料の圧力を検出するために低圧センサが設けられている。このため、こうした構成を備える内燃機関によれば、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明を適用する上で、既存の低圧センサを流用すればよく、高圧燃料通路内の燃料圧力を精度良く求めるためだけに低圧センサを新たに追加しなくともよい。
【0023】
請求項7に記載の発明は、低圧燃料通路から導入される燃料を高圧ポンプにより昇圧するとともに高圧燃料通路を通じて圧送して燃料噴射弁に供給する一方、前記高圧ポンプの非駆動時には前記高圧燃料通路と前記低圧燃料通路とが連通状態とされる内燃機関に適用され、高圧センサにより検出される前記高圧燃料通路内の燃料圧力に基づき燃料噴射制御を行なう方法において、前記高圧ポンプの非駆動時には前記高圧センサの出力値を前記低圧燃料通路内の燃料圧力を検出する低圧センサの出力値に基づき補正することをその要旨としている。
【0024】
同構成によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に準じた作用効果を奏することができる。すなわち、高圧ポンプの非駆動時に高圧燃料通路が低圧燃料通路と連通されて高圧燃料通路における燃料圧力が低下しているときに高圧燃料通路内の燃料圧力を精度良く求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置について、燃料供給システムの概略構成を示す概略図。
【図2】同実施形態における高圧センサ及び低圧センサの検出可能な燃料圧力の範囲とその検出精度との関係を示すグラフ。
【図3】同実施形態における高圧センサの出力値補正処理について、その処理手順を示すフローチャート。
【図4】同実施形態の作用を説明するためのタイミングチャートであって、高圧センサの出力値の推移と、低圧センサの出力値の推移を併せ示すタイミングチャート。
【図5】同実施形態の作用を説明するためのグラフであって、高圧燃料通路内の燃料圧力と各圧力センサ(低圧センサ、高圧センサ)の出力値を用いた場合の燃料流量におけるずれ量の割合との関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図1〜図5を参照して、本発明に係る内燃機関の制御装置及び制御方法を車両に搭載される筒内噴射式の内燃機関(以下、内燃機関1)の制御装置及び制御方法として具体化した一実施形態について詳細に説明する。
【0027】
図1に、本実施形態の内燃機関における燃料供給システムの概略構成を示す。
図1に示すように、内燃機関1の燃料供給システムでは、燃料タンク2内に電動式のフィードポンプ3が配置されており、このフィードポンプ3には低圧燃料供給管4が接続されている。フィードポンプ3により燃料タンク2内に貯留されている燃料が吸引されるとともに所定のフィード圧PF(例えば、数百kPa)まで加圧されて低圧燃料供給管4へ圧送される。このフィードポンプ3は燃料の吐出量を変更可能なポンプとされている。
【0028】
低圧燃料供給管4の途中にはリターン管5が分岐接続されている。このリターン管5の途中には調圧弁6が設けられており、低圧燃料供給管4内の燃料圧力が上記フィード圧PF以上になると調圧弁6が開弁する。これにより、フィードポンプ3から吐出された燃料の一部がリターン管5を介して燃料タンク2に燃料が戻され、低圧燃料供給管4内の燃料の圧力がフィード圧PFに維持される。
【0029】
一方、低圧燃料供給管4の下流側には高圧ポンプ11が接続されている。
高圧ポンプ11の内部には、上記低圧燃料供給管4の下流側に接続される吸入通路12、この吸入通路12の下流側に接続されるシリンダ13、及びシリンダ13の下流側に接続される吐出通路14が形成されている。
【0030】
シリンダ13の上流側の端部(図1において上側端部)には低圧燃料を吸入する吸入口21が形成されている。また、シリンダ13の側面には(図1において右側面)には燃料を吐出する吐出口22が形成されている。このシリンダ13内にはプランジャ15が往復動可能に設けられている。また、シリンダ13の内壁とプランジャ15の頂面とにより圧力室16が区画されている。尚、上記吐出口22は圧力室16に連通している。
【0031】
シリンダ13内には、吸入口21を開閉するスピル弁20の弁体23が収容されている。この弁体23はニードル23aを介してシリンダ13の軸線方向に沿って移動可能に設けられている。スピル弁20は、所謂、ノーマルオープン型の弁であり、ばね25の付勢力により吸入口21を開放する方向に常時付勢されている。そして、ソレノイド24への通電によりスピル弁20は吸入口21を閉塞する方向に吸引される。
【0032】
ソレノイド24に通電されていないときには、弁体23はばね25の付勢力により吸入口21から離間する方向(図1において下方向)に付勢され、吸入口21が開放状態とされる。一方、ソレノイド24に通電されているときには、弁体23はソレノイド24により吸入口21に近接する方向(図1において上方向)に吸引され、吸入口21が閉塞状態とされる。こうしたソレノイド24の通電制御は電子制御装置40により行なわれる。
【0033】
プランジャ15は内燃機関1のクランクシャフト(図示略)の回転により駆動される。具体的には、クランクシャフトの回転により吸気カムシャフト31が回転駆動され、この吸気カムシャフト31に固設されたカム32の回転に伴ってプランジャ15が往復動する。尚、プランジャ15の下方にはリフタ17が設けられており、このリフタ17はばね18の付勢力によってカム32のカム面に当接した状態に維持されている。
【0034】
高圧ポンプ11では、プランジャ15が下降して圧力室16の容積が増大するときにソレノイド24への通電を停止して吸入口21を開放させることで、低圧燃料供給管4及び吸入通路12からの低圧燃料が圧力室16内に吸入される。
【0035】
また、プランジャ15が上昇して圧力室16の容積が減少するときにソレノイド24へ通電して吸入口21を閉塞させることで、圧力室16内の燃料が加圧されて吐出口22から吐出通路14に吐出される。また、ソレノイド24への通電期間、すなわち吸入口21が閉塞されている期間を調節することにより、燃料の吸入量が調節される。
【0036】
吐出通路14の途中には吐出弁19が設けられている。圧力室16側から吐出弁19に対して作用する燃料の圧力が所定の吐出圧以上となると吐出弁19が開弁する。これにより、燃料噴射弁9側への燃料の圧送が許容される。
【0037】
また、吐出通路14には、吐出弁19を迂回するようにリリーフ通路26が形成されており、このリリーフ通路26の途中にはオリフィス部27が設けられている。
吐出通路14の下流側には高圧燃料供給管7が接続されており、この高圧燃料供給管7の下流側にはデリバリパイプ8が接続されている。デリバリパイプ8には、各気筒内に燃料を噴射供給するための燃料噴射弁9が接続されている。燃料噴射弁9の駆動制御は電子制御装置40により行なわれる。
【0038】
こうした内燃機関1の各種制御は電子制御装置40により行なわれる。電子制御装置40は、各種制御に係る演算処理を実施する中央演算処理装置(CPU)、各種制御用のプログラムやデータが記憶された読み出し専用メモリ(ROM)、演算処理の結果等を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えて構成されている。そして、電子制御装置40は、各種センサの検出信号を読み込み、各種演算処理を実行し、その結果に基づいて内燃機関1を統括的に制御する。
【0039】
各種センサとしては、機関回転速度を検出する機関回転速度センサ、吸入空気量を検出する吸入空気量センサ、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ、冷却水温を検出する水温センサ等が設けられている。また、内燃機関1への始動指令及び停止指令を切り替えるイグニッションスイッチ等が設けられている。
【0040】
また、低圧燃料供給管4においてリターン管5との接続部よりも下流側の燃料圧力(以下、低圧燃料通路内の燃料圧力Pl)を検出する低圧センサ51が設けられている。また、デリバリパイプ8内の燃料圧力(以下、高圧燃料通路内の燃料圧力Ph)を検出する高圧センサ52が設けられている。
【0041】
ここで、低圧燃料通路内の燃料圧力Plは機関運転中に最大で数百kPa程度となるため、本実施形態では、余裕をもってこの最大燃料圧力よりも高い1MPaまで検出可能な低圧センサ51を用いている。
【0042】
一方、高圧燃料通路内の燃料圧力Phは機関運転中に最大で10Mpa程度となるため、本実施形態では、余裕をもってこの最大燃料圧力よりも高い20MPaまで検出可能な高圧センサ52を用いている。
【0043】
また、内燃機関1の搭載される車両には、アクセル操作量を検出するアクセルセンサ、ブレーキ操作量を検出するブレーキセンサ、車両の走行速度である車速を検出する車速センサ等が設けられている。そして、これらの各種センサは電子制御装置40に電気的に接続されている。
【0044】
電子制御装置40は、基本的には高圧センサ52の出力値Vhから高圧燃料通路内の燃料圧力Phを把握するとともに、該燃料圧力Phに基づき燃料噴射制御を行なっている。すなわち、燃料噴射弁9の開弁時間が一定であれば、高圧燃料通路内の燃料圧力Phが高いほど燃料噴射弁9から実際に噴射される燃料量は多くなる。このため、設定された燃料噴射量が噴射されるように、高圧燃料通路内の燃料圧力Phが高いときほど燃料噴射弁9の開弁時間が短く設定される。
【0045】
こうした内燃機関1において、アイドル運転時や燃料噴射が一時的に停止される燃料カット時のように機関運転に伴って生じる騒音が小さいときに高圧ポンプ11が駆動されていると、高圧ポンプ11の駆動音や高圧の燃料を噴射する燃料噴射弁9の駆動音が他の騒音に比べて相対的に大きくなる。そのため、こうした騒音の変動が運転者に対して違和感を与えるおそれがある。
【0046】
そこで、本実施形態では、アイドル運転時及び燃料カット時に高圧ポンプ11の駆動を停止するとともに、高圧ポンプ11の駆動停止時においてはフィードポンプ3から圧送された低圧(フィード圧PF)の燃料をそのまま燃料噴射弁9から噴射するようにしている。
【0047】
具体的には、ソレノイド24への通電が停止され、吸入口21が常時開放状態とされることで高圧ポンプ11による燃料の圧送が停止される。また、吐出通路14(高圧燃料通路)と吸入通路12(低圧燃料通路)とが連通状態とされる。こうした状態において、高圧燃料供給管7内の燃料がリリーフ通路26に形成されたオリフィス部27を通じて流出するようになり、高圧燃料通路内の燃料圧力Phは次第に低下するようになる。こうした状態において、フィードポンプ3からの燃料が高圧ポンプ11の吸入口21を通過してそのまま高圧燃料通路(高圧燃料供給管7、デリバリパイプ8)を通じて燃料噴射弁9に供給されるようになる。
【0048】
ところで、高圧ポンプ11が駆動されていないときには、低圧燃料通路からの燃料が高圧ポンプ11により昇圧されることなく高圧燃料通路に導入される。すなわち、高圧燃料通路内の燃料圧力Phがフィード圧PF(数百kPa)となる。
【0049】
ここで、図2に示すように、高圧センサ52の検出精度は最大検出圧力(本実施形態では20MPa)の1%とされている。そのため、高圧センサ52の出力値Vhからでは0.2MPa(=200kPa)よりも小さい幅では高圧燃料通路内の燃料圧力Phを精度良く把握することができない。
【0050】
これらのことから、高圧燃料通路内の燃料圧力Phがフィード圧PFまで低下しているときには、高圧センサ52の出力値Vhから実際の燃料圧力Phを精度良く把握することができないといった不都合が生じる。
【0051】
そこで、本実施形態では、こうした不都合を解消すべく、高圧ポンプ11の非駆動時には高圧センサ52の出力値Vhを低圧センサ51の出力値Vlに基づき補正して高圧燃料通路内の燃料圧力Phとしている。
【0052】
次に、図3を参照して、本実施形態における高圧センサの出力値補正処理について説明する。尚、図3は、この処理の手順を示すフローチャートである。また、このフローチャートに示す一連の処理は、内燃機関1の運転中において電子制御装置40により所定期間毎に繰り返し実行される。
【0053】
図3に示すように、この一連の処理では、まず、ステップS1において、内燃機関1がアイドル運転中であるか否か、或いは燃料カット制御が実行されているか否かを判断する。ここで、アイドル運転中ではなく、燃料カット中でもない場合には(ステップS1:「NO」)、高圧ポンプ11の駆動を停止するタイミングではないとして、この一連の処理を一旦終了する。
【0054】
一方、アイドル運転中である、或いは燃料カット中である場合には(ステップS1:「YES」)、次に、ステップS2に進み、高圧ポンプ11の駆動を停止する。そして、次に、高圧センサ52の出力値Vhが安定しているか否かを判断する。ここでは、高圧センサ52の出力値Vhの所定期間Δtにおける変動幅ΔVhが所定値A以下になることをもって高圧センサ52の出力値Vhが安定したと判断するようにしている。尚、所定期間Δt及び所定値Aは実験やシミュレーションを通じて予め設定されている。
【0055】
ステップS3において、高圧燃料通路内の燃料圧力Phが未だ低下の途中であり、高圧センサ52の出力値Vhが安定していないと判断した場合には(ステップS3:「NO」)、高圧センサ52の出力値Vhを補正するタイミングではないとして、この一連の処理を一旦終了する。
【0056】
一方、高圧センサ52の出力値Vhが安定していると判断した場合には(ステップS3:「YES」)、次に、ステップS4に進み、低圧センサ51の出力値Vlに基づき高圧センサ52の出力値Vhを補正する。すなわち、高圧センサ52の出力値Vhの所定期間Δtにおける変動幅ΔVhが所定値A以下になった後の高圧センサ52の出力値Vhの平均値と低圧センサ51の出力値Vlの平均値との偏差ΔV(=Vhave−Vlave)に基づき高圧センサ52の出力値Vh、すなわち高圧燃料通路内の燃料圧力Phを補正する。そして、このようにして高圧燃料通路内の燃料圧力Phの補正が行なわれると、この一連の処理を一旦終了する。
【0057】
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態の作用について説明する。
図4に示すように、タイミングt1において高圧ポンプ11の駆動が停止され、高圧燃料通路と低圧燃料通路とが連通状態とされると、高圧燃料通路内の燃料圧力Phは低下するようになる。また、低圧燃料通路からの燃料が高圧ポンプ11により昇圧されることなく高圧燃料通路に導入されるようになるため、高圧燃料通路内の燃料圧力Phはフィード圧PF近くまで低下することとなる。
【0058】
ここで、実線にて示すように、タイミングt1以降において、高圧燃料通路内の燃料圧力Phの低下に伴って高圧センサ52の出力値Vhが低下するようになる。
タイミングt2において高圧センサ52の出力値Vhの変動幅ΔVhが所定値A以下となり、この状態が所定期間Δtにわたりタイミングt3まで継続すると、タイミングt2からタイミングt3までの高圧センサ52の出力値Vhの平均値V2(=Vhave)が算出される。また、タイミングt2からタイミングt3までの低圧センサ51の出力値Vlの平均値V3(=Vlave)が算出される。そして、タイミングt4以降においては、高圧センサ52の出力値Vhの平均値V2から低圧センサ51の出力値Vlの平均値V3を減じて得られる偏差ΔV(=V2−V3)を高圧センサ52の出力値Vhから減じることにより高圧センサ52の出力値Vhが補正される。ちなみに、図4の例では、結果的に、高圧センサ52の出力値Vhに対して上記偏差の絶対値|ΔV|が加算されることとなる。
【0059】
ところで、高圧ポンプ11の駆動が停止された直後においては高圧燃料通路内の燃料圧力Phは十分に低下しておらず、低圧燃料通路内の燃料圧力Plよりも高い。このため、高圧燃料通路内の燃料圧力Phと低圧燃料通路内の燃料圧力Plとの乖離が大きいときに低圧センサ51の出力値Vlに基づき高圧燃料通路内の燃料圧力Phを補正すると、高圧燃料通路内の燃料圧力Phを精度良く求めることができない。
【0060】
そこで、本実施形態では、高圧センサ52の出力値Vhの所定期間Δtにおける変動幅ΔVhが所定値A以下となって高圧燃料通路内の燃料圧力Phが安定した後に、低圧センサ51の出力値Vlに基づき高圧燃料通路内の燃料圧力Phの補正が行なわれる。すなわち、当該補正は、低圧燃料通路内の燃料圧力Plを高圧燃料通路内の燃料圧力Phとみなすことができる程度に高圧燃料通路内の燃料圧力Phが低下した後に行なわれる。
【0061】
このように、本実施形態によれば、燃料噴射制御に際して、高圧センサ52の出力値Vhが低圧センサ51の出力値Vlに基づき補正されて高圧燃料通路内の燃料圧力Phとされる。
【0062】
ここで、図2に示すように、低圧センサ51の検出精度は高圧センサ52の検出精度と同様にして最大検出圧力(本実施形態では1MPa)の1%とされている。このため、低圧センサ51によれば、0.01MPa(=10kPa)の幅で低圧燃料供給管4内の燃料圧力を精度良く把握することができる。従って、高圧センサ52の出力値Vhのみから高圧燃料通路内の燃料圧力Phを求める場合に比べて、これを精度良く求めることができる。
【0063】
図5に、高圧燃料通路内の燃料圧力Phと、各圧力センサ(低圧センサ51、高圧センサ52)の出力値を用いた場合の燃料流量におけるずれ量の割合との関係を示す。
図5に示すように、高圧センサ52の出力値Vhのみ或いは低圧センサ51の出力値Vlのみによって高圧燃料通路内の燃料圧力を把握する場合、燃料流量におけるずれ量の割合は、高圧燃料通路内の燃料圧力Phの平方根の逆数に比例することが周知である。すなわち、高圧センサ52の出力値Vhのみ或いは低圧センサ51の出力値Vlのみによって把握される高圧燃料通路内の燃料圧力Phが小さくなるほど燃料流量におけるずれ量の割合は急激に大きくなる。
【0064】
本実施形態では、高圧ポンプ11の駆動が停止され、高圧燃料通路内の燃料圧力Phが低下して1MPa以下となったとき、低圧センサ51の出力値Vlに基づき補正された高圧センサ52の出力値Vhから高圧燃料通路内の燃料圧力Phを把握するようにしている。このため、燃料流量におけるずれ量の割合が図5に斜線にて示す範囲内に収まるようになる。従って、高圧ポンプ11の駆動を停止した後においても燃料流量におけるずれ量の割合が20%以下に抑えられることで、燃料噴射制御が緻密に行なわれることとなる。
【0065】
一方、高圧センサ52の出力値Vhのみに基づいて高圧燃料通路内の燃料圧力Phを把握する場合には、燃料圧力Phが5MPa以下になると、燃料流量におけるずれ量の割合が20%以上となる。そのため、高圧ポンプ11の駆動を停止した後においては燃料噴射制御が緻密に行われなくなり、機関運転が不安定なものとなるおそれがある。
【0066】
尚、フィードポンプ3が本発明に係る低圧ポンプに相当し、低圧燃料供給管4及び吸入通路12が本発明に係る低圧燃料通路に相当し、高圧燃料供給管7、デリバリパイプ8、吐出通路14が本発明に係る高圧燃料通路に相当する。
【0067】
以上説明した本実施形態に係る内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(1)低圧燃料通路内の燃料圧力Plを検出する低圧センサ51を備え、高圧ポンプ11の非駆動時には高圧センサ52の出力値Vhを低圧センサ51の出力値Vlに基づき補正するようにした。従って、高圧ポンプ11の非駆動時に高圧燃料通路が低圧燃料通路と連通されて高圧燃料通路における燃料圧力が低下しているときに高圧燃料通路内の燃料圧力Phを精度良く求めることができる。また、高圧燃料通路内の燃料圧力Phを精度良く把握することができるため、高圧ポンプ11の駆動を停止した後においても燃料噴射制御を緻密に行なうことができ、機関運転が不安定となることを抑制することができる。
【0068】
(2)高圧センサ52の出力値Vhの変動幅ΔVhが所定値A以下となった後に、低圧センサ51の出力値Vlに基づく補正を行なうようにした。そして、高圧センサ52の出力値Vhの所定期間Δtにおける変動幅ΔVhが所定値A以下であるときの低圧センサ51の出力値Vlと高圧センサ52の出力値Vhとの偏差ΔV(=Vh−Vl)に基づき高圧センサ52の出力値Vhを補正するようにした。こうした構成によれば、高圧燃料通路内の燃料圧力Phが安定して高圧センサ52の出力値Vhの変動幅ΔVhが所定値A以下となった後に、低圧センサ51の出力値Vlに基づき高圧燃料通路内の燃料圧力Phの補正が行なわれる。すなわち、当該補正は、低圧燃料通路内の燃料圧力Plを高圧燃料通路内の燃料圧力Phとみなすことができる程度に高圧燃料通路内の燃料圧力Phが低下した後に行なわれる。このため、高圧燃料通路内の燃料圧力Phを精度良く求めることができる。
【0069】
(3)低圧センサ51は、低圧燃料通路に設けられて燃料の吐出量を変更可能なフィードポンプ3から吐出される燃料の圧力を検出するものとした。こうした構成によれば、高圧燃料通路内の燃料圧力Phを精度良く求めるためだけに低圧センサ51を新たに追加するのではなく、既存の低圧センサ51を流用することができる。
【0070】
(4)アイドル運転時及び燃料カット時に高圧ポンプ11の駆動を停止するようにした。こうした構成によれば、高圧ポンプ11の駆動音が生じなくなるとともに、高圧の燃料を噴射する燃料噴射弁9の駆動音が生じなくなる。そのため、機関運転状態が変化してアイドル運転状態や燃料カット状態となっても、他の騒音に対して上記駆動音が相対的に大きくなることを抑制することができ、運転者に対して違和感を与えることを抑制することができる。
【0071】
尚、本発明に係る内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
【0072】
・上記実施形態では、高圧センサ52の出力値Vhの所定期間Δtにおける変動幅ΔVhが所定値A以下であるときの低圧センサ51の出力値Vlと高圧センサ52の出力値Vhとの偏差ΔV(=Vh−Vl)に基づき高圧燃料通路内の燃料圧力Phを補正するようにした。しかしながら、本発明における補正の態様はこのようにそれぞれの平均値を用いるものに限定されるものではなく、それぞれの代表値を用いるもの等、これを任意の態様に変更することができる。
【0073】
・上記実施形態では、高圧ポンプ11の非駆動時において高圧センサ52の出力値Vhの変動幅ΔVhが所定値A以下となることをもって高圧燃料通路内の燃料圧力Phの変動が安定したものと判断するとともに、低圧センサ51の出力値Vlに基づき高圧燃料通路内の燃料圧力Phを補正するようにした。これに代えて、高圧ポンプ11の駆動が停止されてからの経過時間が所定時間以上となることをもって高圧燃料通路内の燃料圧力Phの変動が安定したものと判断するようにしてもよい。この場合であっても、上記実施形態の作用効果(2)に準じた作用効果を奏することができる。ちなみに、ここでの所定時間としては実験やシミュレーションを通じて予め設定された値が用いられる。またこの場合には、高圧ポンプ11の駆動が停止されてからの経過時間が所定時間以上となったときの低圧センサ51の出力値Vlと高圧センサ52の出力値Vhとの乖離度合に基づき高圧燃料通路内の燃料圧力を補正するといった態様が好ましい。
【符号の説明】
【0074】
1…内燃機関、2…燃料タンク、3…フィードポンプ(低圧ポンプ)、4…低圧燃料供給管(低圧燃料通路)、5…リターン管、6…調圧弁、7…高圧燃料供給管(高圧燃料通路)、8…デリバリパイプ(高圧燃料通路)、9…燃料噴射弁、11…高圧ポンプ、12…吸入通路(低圧燃料通路)、13…シリンダ、14…吐出通路(高圧燃料通路)、15…プランジャ、16…圧力室、17…リフタ、18…ばね、19…吐出弁、20…スピル弁、21…吸入口、22…吐出口、23…弁体、23a…ニードル、24…ソレノイド、25…ばね、26…リリーフ通路、27…オリフィス部、31…吸気カムシャフト、32…カム、40…電子制御装置。51…低圧センサ、52…高圧センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低圧燃料通路から導入される燃料を高圧ポンプにより昇圧するとともに高圧燃料通路を通じて圧送して燃料噴射弁に供給する一方、前記高圧ポンプの非駆動時には前記高圧燃料通路と前記低圧燃料通路とが連通状態とされる内燃機関に適用され、高圧センサにより検出される前記高圧燃料通路内の燃料圧力に基づき燃料噴射制御を行なう制御装置において、
前記低圧燃料通路内の燃料圧力を検出する低圧センサを備え、
前記高圧ポンプの非駆動時には前記高圧センサの出力値を前記低圧センサの出力値に基づき補正する
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
前記高圧センサの出力値の所定期間における変動幅が所定値以下となった後に、前記低圧センサの出力値に基づく補正を行なう
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、
前記高圧センサの出力値の前記所定期間における変動幅が前記所定値以下であるときの前記低圧センサの出力値と前記高圧センサの出力値との乖離度合に基づき前記高圧センサの出力値を補正する
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
前記高圧ポンプの駆動が停止されてからの経過時間が所定時間以上となった後に、前記低圧センサの出力値に基づく補正を行なう
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の内燃機関の制御装置において、
前記高圧ポンプの駆動が停止されてからの経過時間が前記所定時間以上となったときの前記低圧センサの出力値と前記高圧センサの出力値との乖離度合に基づき前記高圧センサの出力値を補正する
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
前記低圧センサは、前記低圧燃料通路に設けられて燃料の吐出量を変更可能な低圧可変ポンプから吐出される燃料の圧力を検出してなる
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項7】
低圧燃料通路から導入される燃料を高圧ポンプにより昇圧するとともに高圧燃料通路を通じて圧送して燃料噴射弁に供給する一方、前記高圧ポンプの非駆動時には前記高圧燃料通路と前記低圧燃料通路とが連通状態とされる内燃機関に適用され、高圧センサにより検出される前記高圧燃料通路内の燃料圧力に基づき燃料噴射制御を行なう方法において、
前記高圧ポンプの非駆動時には前記高圧センサの出力値を前記低圧燃料通路内の燃料圧力を検出する低圧センサの出力値に基づき補正する
ことを特徴とする内燃機関の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−15026(P2013−15026A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146361(P2011−146361)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】