説明

内燃機関の制御装置

【課題】直噴エンジンの運転条件を吸入空気量の抑制により回避しながら、安定した制御を実施することを前提として、運転者のドライバビリティを損なうことがない内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、吸入空気量を調整するスロットル弁と、該調整された吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、内燃機関の吸気温度を検出する温度検出手段と、を備えた筒内噴射式の内燃機関の制御装置であって、少なくとも吸気温度に基づいて吸入される空気の密度を算出する空気密度算出手段と、空気密度に基づいて最大目標吸入空気量を算出する最大目標吸入空気量算出手段と、全開時のアクセル開度に対するアクセル開度の比率を算出するアクセル開度比率算出手段と、最大目標吸入空気量にアクセル開度比率を乗じて目標吸入空気量を算出する手段と、吸入空気量が目標吸入空気量となるようにスロットル弁を制御するスロットル弁制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒内に直接燃料を噴射する筒内噴射式の内燃機関(エンジン)の制御装置に係り、特に、低温環境下等においても、好適に内燃機関を制御することができる内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、筒内にガソリンなどの燃料を直接噴射する筒内噴射ガソリンエンジン(以下、直噴エンジンという)は、公知のエンジンである。この直噴エンジンは、エンジン仕様や直噴エンジンが使用される環境などから提示される要求値に基づいて、直噴エンジンを構成する各部品の設計値が決定される。前記要求値を確実に充足するためには、この設計値はより大きいほうが望ましいが、現実的には、製造上または構造上などの制約があり、上限値と下限値が定められている。
【0003】
たとえば、燃料の噴射を噴射することを目的とした燃料噴射弁や、吸入空気量の計測を目的とした空気流量計(以下、エアフローセンサという)などは、要求値として、最大流量と最小流量が存在する。最良の形態としては、これらの装置またはそれを構成する部品に対して、いかなる場合であっても、最大流量と最小流量との双方の要求値を満足させる特性を持たせることであるが、必ずしも双方の要求値を満足させることができるものではない。特にこれらの装置は、制約としての最大流量を大きくすると最小流量も大きくなるという特性を持ち、逆に最小流量を小さくすると最大流量も小さくなるという特性を持つ。このように、これらの最大流量と最小流量とは所謂トレードオフの関係性がある。同様に高圧燃料ポンプも、フリクションと燃料吐出量がトレードオフの関係性がある。
【0004】
このような背景からエンジンを構成する部品の設計値は、安定した動作保証を含めた最大値(エアフローセンサは空気量、燃料噴射弁又は高圧燃料ポンプは燃料流量)が設けられている。また、直噴エンジンに限らず、一般的な内燃機関の燃料流量は前記吸入空気量と空燃比により決定されることが知られている。つまり、これらの部品には、部品の保証を含めた設計上の最大吸入空気量(以下、最大吸入空気量)が存在すると言え、設計上の上限値は、前記最大吸入空気量からある一定の余裕を持った値となる。
【0005】
しかしながら、今後の傾向として直噴エンジンは更に高出力化されることが予想され、前記最大吸入空気量と設計上の最大値の間に存在する余裕分が少なくなる。そのため、空気密度が上昇する低温時などの環境下では、前記最大吸入空気量を超える使用条件も有り得るため、直噴エンジンを構成する部品の安定した動作保証が困難になることが懸念される。
【0006】
このような点を鑑みて、例えば、内燃機関に吸入される空気密度に応じて、最大吸入空気量を修正し、該最大吸入空気量を超えないように、吸入空気量を操作する内燃機関の制御装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この内燃機関の制御装置によれば、空気密度に応じて最大吸入空気量を修正するので、たとえ低温時に、吸入される空気の密度が高い場合であっても、この空気密度に応じた吸入空気量の空気を内燃機関に吸入することができる。
【特許文献1】特開平10−47114号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の制御装置で制御を行った場合には、確かに、吸入される空気密度に応じて最大吸入空気量の抑制を行えるが、運転者は加速などの意思によりアクセルペダルを踏み続けても、目標吸入空気量以上の前記吸入空気量は望めないため、エンジン出力が頭打ちとなり、これに伴った失速感が課題として生じ、ドライバビリティの問題が残ることが予想される。
【0008】
本発明は、このような考えに基づくものであり、直噴エンジンの運転条件を吸入空気量の抑制により回避しながら、最大吸入空気量を超えない安定した制御を実現することを前提として、運転者のドライバビリティを損なうことがない内燃機関の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明に係る内燃機関の制御装置は、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、吸入空気量を調整するスロットル弁と、前記吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、内燃機関の吸気温度を検出する温度検出手段と、を備えた筒内噴射式の内燃機関の制御装置であって、前記制御装置は、少なくとも前記吸気温度に基づいて吸入される空気の密度を算出する空気密度算出手段と、前記空気密度に基づいて最大目標吸入空気量を算出する最大目標吸入空気量算出手段と、全開時のアクセル開度に対する前記アクセル開度の比率を算出するアクセル開度比率算出手段と、前記最大目標吸入空気量に前記アクセル開度比率を乗じて目標吸入空気量を算出する手段と、前記吸入空気量が前記目標吸入空気量となるように前記スロットル弁を制御するスロットル弁制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記スロットル弁制御手段が、前記アクセル開度が全開時に、前記吸入空気量が前記最大目標吸入空気量に収束するように、前記スロットル弁を制御することがより好ましい。
【0011】
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記アクセル開度が全開時に、前記吸入空気量が前記最大目標吸入空気量に収束するように、吸気弁のリフト量を調整するリフト量調整手段をさらに備えることがより好ましい。
【0012】
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記アクセル開度が全開時に、前記吸入空気量が前記最大目標吸入空気量に収束するように、吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整手段をさらに備えることがより好ましい。
【0013】
また、本発明に係る内燃機関の制御装置の内燃機関は、少なくとも前記吸入空気量を強制的に過給する過給装置を備えることがより好ましい。
【0014】
別の態様として本発明に係る内燃機関の制御装置は、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、吸入空気量を調整するスロットル弁と、該スロットル弁のスロットル開度を検出するスロットル開度検出センサと、内燃機関の吸気温度を検出する温度検出手段と、を備えた筒内噴射式の内燃機関の制御装置であって、前記制御装置は、少なくとも前記吸気温度に基づいて吸入される空気の密度を算出する空気密度算出手段と、前記空気密度に基づいて最大目標スロットル開度を算出する最大目標スロットル開度算出手段と、全開時のアクセル開度に対する前記アクセル開度の比率を算出するアクセル開度比率算出手段と、前記最大目標スロットル開度に前記アクセル開度比率を乗じて目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度手段と、前記スロットル開度が前記目標スロットル開度となるように前記スロットル弁を制御するスロットル弁制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記スロットル弁制御手段は、前記アクセル開度が全開時に、前記スロットル開度が前記最大目標スロットル開度に収束するように、前記スロットル弁を制御することがより好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、空気密度が上昇する環境下では、前記吸入空気量が増えることでエンジン出力も増加する傾向となるが、この出力増加分を抑制することで、高出力化された直噴エンジンを構成する部品(特に燃料噴射弁、空気流量計、高圧燃料ポンプ)の安定した動作を得ることができるばかりでなく、直噴エンジンの運転条件を吸入空気量の抑制により回避しながら、安定した制御を実施することを前提として、運転者のドライバビリティを損なうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明に係る内燃機関の制御装置を2つの実施形態に基づいて説明する。
【0018】
図1は第一実施形態に係る制御装置により制御される内燃機関の模式的概念図である。
【0019】
図1に示すように、本発明は、多気筒の筒内噴射式のエンジン1であり、図1はその1つの気筒を説明するための図である。また、図2は、図1に示すエンジンを制御する制御装置の内部構成とそれの入出力信号を示すブロック図である。
【0020】
エンジン(内燃機関)1は、吸気経路102から、エアフィルタ(図示せず)を経由し、燃焼室111へ大気中の空気が吸入されるようになっている。吸気経路102内には、吸入空気量を計測するエアフローセンサ(吸入空気量検出手段)103や吸入空気量の調整を行う電制スロットル弁(電制スロットル)104が設けられている。
【0021】
そして、これらの機器は、図2に示すように、コントロールユニット(制御装置)20に接続されており、コントロールユニット20は、エアフローセンサ103から得た情報から前述の吸入空気量の算出を行い、これに基づいて電制スロットル104の位置制御を行う。
【0022】
一方、エンジン1は、燃料タンク(図示せず)から汲上げを行うリフトポンプ(図示せず)により高圧燃料ポンプ119へ送られる燃料が、高圧燃料ポンプ119によって昇圧された後、ギャラリー120を介して燃料噴射弁122で燃焼室111内へ直接噴射されるように構成されている。
【0023】
そして、これら機器も、図2に示すように、コントロールユニット20に接続されており、コントロールユニット20は、予め設定された前述の吸入空気量と燃料の割合(以下、空燃比)とエアフローセンサ103から得た前述の吸入空気量から、適正な燃料噴射量を決定する。ギャラリー120にはその他にギャラリー内の燃料圧を計測する燃料圧センサ121が備えられており、コントロールユニット20によって適正な燃料圧になるよう高圧燃料ポンプの制御が行われる。
【0024】
このようにして、燃焼室111内に吸入された空気と燃料噴射弁122から噴射された燃料は、燃焼室111内で燃焼し易い混合気となる。コントロールユニット20は適正な点火タイミングを算出し、点火信号を点火コイル123へ出力する。
【0025】
点火コイル123内には銅線の巻数が異なる一次コイルと二次コイルが存在し、点火信号に基づき一次コイルへ電圧(電流)の充填と遮断を行う。一次コイルに電圧が印加された際、電磁誘導により二次コイルにも銅線の巻数比に応じた電圧が発生する。この二次コイルに発生した高電圧を点火プラグ124へ印加し、混合気を着火させる。
【0026】
混合気は燃焼室111で燃焼した後、排気経路125内に排出ガスとして排出される。更に排気経路125には、触媒127が備えられており、触媒127によって浄化された排出ガスは再び大気に開放される。
【0027】
触媒127には、浄化能力を最大源に引き出せる空燃比が存在するため、コントロールユニット20は、触媒127の上流に配置された空燃比センサ126からの前述した空燃比情報に基づき、空燃比の目標値の間で所謂フィードバック制御を行っている。
【0028】
燃焼室111内の燃焼により生じる燃焼室111内の圧力によって、ピストン112は下方向へ押し下がる力が働き、この力はコネクティングロッド113を介しクランクシャフト(図示なし)へ伝えられ、回転運動へ変換される。これがエンジン1の出力となる。
【0029】
クランクシャフト(図示なし)には、回転運動が滑らかに行われるようフライホイール114が備えられており、フライホイール114の外周部に設けられているエッジをクランク角センサ115が検知する。一方、クランクシャフト(図示なし)の回転力はベルトやチェーンなどによってエンジン本体101上部のカムシャフト116a,116bに伝達される。このように、クランクシャフト(図示なし)に同期してカムシャフト116a,116bが回転する。クランクシャフト二回転に対し、カムシャフト116a,116bは一回転する設計となっている。
【0030】
カムシャフト116a,116bは、エンジンのレイアウトによって備わる位置や本数が異なるが、本図では、カムシャフト116a,116bがエンジン本体101上部に備わり、吸気・排気に個別のカムシャフト116a,116bが備わる所謂ダブルオーバーヘッドカム式(DOHC)の直噴エンジンを表している。カムシャフト116a,116b上のカム形状に基づき、吸気弁109もしくは排気弁110の移動特性は決定される。クランクシャフト同様にカムシャフトの回転についても、コントロールユニットはカム角センサ117a,117bによって検出を行う。
【0031】
尚、本図では省略するが、吸気弁109もしくは排気弁110の移動特性がカム形状に依存せず、モータなどにより断続的または連続的に移動特性を変化させることができる可変動弁についても、本発明は有効である。また、排出ガスが燃焼室111から排気経路125へ押し出される圧力を利用した装置(吸入空気量を強制的に過給する過給装置)としてターボチャージャや、クランクシャフト(図示なし)と専用のシャフトを機械的に連結し、クランクシャフトの回転力を利用したスーパーチャージャ等の少なくとも1つ以上の装置を備えた直噴エンジンについても有効である。
【0032】
次に、図2に示すようにコントロールユニット20についての詳細を説明する。主要部はCPU203、EP−ROM202、RAM204とA/D変換器を含むI/O LSI205等から構成される。クランクシャフトの回転角度検出センサ(クランク角センサ)115、カム角センサ117a,117bなどから、コントロールユニット20はエンジン回転数の算出、点火タイミングの算出などを行う。
【0033】
コントロールユニット20は、運転者が操作するアクセルペダル(図示なし)の開度を検出するアクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)206の位置情報から、制御信号を出力して、電制スロットル104の制御を行う。そして、コントロールユニット20は、電制スロットル104の開度を検出するスロットル開度センサ105により、電制スロットル104の位置を把握し、スロットル開度センサ105の検出信号に基づいて、電制スロットル104の開度の補正が行うことができる。これにより、電制スロットル104の精密な制御が可能となる。
【0034】
さらに、コントロールユニット20は、エアフローセンサ103によって、現在の前述した吸入空気量を得た後エンジン回転数などと合わせて、総合的に適正な燃料噴射時間を算出し燃料噴射弁122へパルス信号を送る。燃料噴射弁122は、パルス信号に基づいて燃料噴射弁122内のニードルを開閉することで、燃料噴射を行う。点火系については、コントロールユニット20が、エンジンの運転条件などによって異なる最適な点火タイミングに合わせ、点火信号を点火コイル123へ出力する。この点火信号により、点火コイル123から点火プラグ124に高電圧が印加され、点火プラグ124で、燃料(混合気)は着火される。また、温度センサ(温度検出手段)は、内燃機関の吸気温度または外気温度を検出する装置であり、後述する吸入される空気の密度を算出するためのものである。また、同様に、圧力センサは、外部圧力(例えば、大気圧)を検出するための装置であり、後述する吸入される空気の密度を算出するために用いてもよい。
【0035】
図3は、空気密度変化率と気温の関係をグラフにした図で、縦軸は空気密度の増減比率を、横軸は気温を示している。図3に示すように、空気密度曲線から、気温が低くなるほど空気密度が高くなることが分かる。因みに図示はしていないが、外気圧などの条件によっても、空気密度の変化は生じる(気圧が高いと空気密度も高くなる)。
【0036】
図4は、気温の変化に伴う空気密度による、直噴エンジンの運転状態を説明するための図である。例えば、区間Aにおいて、運転者の操作によりアクセルペダルが踏込まれると、アクセル開度センサ206からのアクセル開度信号に基づいて、コントロールユニット20は、アクセルペダルの位置情報を入手する。
【0037】
このアクセルペダルの位置情報(アクセル開度信号)に基づいて、コントロールユニット20は、電制スロットル104の開度(スロットル開度)を、開方向に制御する。これにより、吸入空気量が増加する。
【0038】
しかし、図3に示すように、空気密度の性質から気温(ここでは吸気温)によってその増加特性は変化する。図4において、標準気温時(25℃)の吸入空気量を破線で、低温時の吸入空気量を実線で示しているが、図からも明らかなように、低温時の場合(実線)、標準気温時(破線)に比べ、区間Aにおける増加に対する傾きが急になり、スロットル開度が全開時の区間Bにおいても、前述の吸入空気量は増加する。この特性は吸気温が低ければ低いほど、増加する傾きは急になり、全開時の前述した吸入空気量も増加する。このような点を鑑みて、本実施形態は、以下のように構成されている。
【0039】
まず、本実施形態の前提となる制御を以下に示す。図5は、本実施形態の前提となる制御フローチャートであり、図6は、図5の制御を行った場合のタイミングチャートを示している。まず、S501で、コントロールユニット20は、最大目標吸入空気量を算出する。この最大目標吸入空気量は、後述する目標吸入空気量の最大値であり、標準状態(例えば25℃)において要求される標準最大目標吸入空気量に対して、空気密度を乗じて算出する。具体的には、外気温度を測定する温度センサにより、外気温度や吸気温度を検出し、この検出した温度に対応する空気密度を、例えば、図3に示すようなグラフまたはテーブルを用いて算出する。このような空気密度と標準状態で検出した標準最大目標吸入空気量から最大目標吸入空気量を算出し、S502に進む。
【0040】
次に、S502で、エアフローセンサ103により計測された吸入空気量の検出信号に基づいて、吸入空気量を算出(吸入空気量を検出)して、S503に進む。S503では、最大目標吸入空気量と現在の検出した吸入空気量を比較する。このとき、現在の吸入空気量が最大目標吸入空気量以上であると判断した場合、S504へ進む。
【0041】
S504では、吸入空気量が最大目標吸入空気量に収束するように、電制スロットル104のスロットル開度を制御する。これにより、実際の吸入空気量は、最大目標吸入空気量近傍へ抑制される。
【0042】
上記制御方法を図6に示すタイミングチャートを用いて説明する。まず、運転者の操作により前述のアクセル開度が開くと(601)、コントロールユニット20は、アクセル開度に基づき、所定のスロットル開度となるようにスロットル弁の弁体が所定の位置へ移動する。吸入空気量はそのときの吸気温によって、増加特性が異なるが、本図では標準気温(25℃)と低温時の吸入空気量を図示している(標準気温時は604,低温時は605)。
【0043】
ここでは、アクセル開度が最終的に全開となるため、本来はコントロールユニット20がスロットル開度も全開位置へ移動するように制御を行う(602)。しかし、吸入空気量(605)には、内燃機関の設計値として定められた、最大吸入空気量(607)が存在するため、低温時の前述した吸入空気量(605)が最大目標吸入空気量(608)を超えたとコントロールユニット20が判断した場合、スロットル開度がこれ以上開かないように、コントロールユニット20は電制スロットル弁の制御を行う。更に、オーバーシュートもしくはアンダーシュートを吸収し、最終的に最大目標吸入空気量へ吸入空気量を収束させる。これにより吸入空気量は最大目標吸入空気量近傍に抑制される(606)。尚、最大目標吸入空気量(608)と最大吸入空気量(607)の間には余裕が設けられているため、最大吸入空気量(607)を吸入空気量(606)が超えることはない。
【0044】
さらに上記制御例では、今回は前述の目標吸入空気量に基づく制御例の説明を行ったが、目標吸入空気量から所定の演算を行い、電子制御スロットル装置を制御する場合は目標スロットル開度を制御してもよい。また、吸気弁の移動特性を変化させることができる可変動弁を内燃機関が備えている場合には、前述の制御として、この可変動弁である吸気弁のリフト量、または、吸気弁及び排気弁の前述したバルブタイミングを制御してもよい。また、内燃機関が、ターボチャージャ又はスーパーチャージャなどの前述の吸入空気量を強制的に過給し、エンジン出力を向上させる装置を備えている場合には、前述の制御として、この装置の過給圧を制御してもよい。また、吸入空気量を抑制する手段の目標値と吸入空気量を抑制する各手段の使用割合または使用条件などを算出し、吸入空気量を抑制する各手段を同時または段階的に使用しても良い。
【0045】
これにより、本発明の課題である直噴エンジンを構成する部品の動作保証が可能となり、前述の最大吸入空気量を超えない使用条件を確保することができる。しかし、この前提条件の制御のみでは、吸入空気量の抑制は行えるが、運転者は加速など意思によりアクセルペダルを踏み続けても、前述の目標吸入空気量以上の前述した吸入空気量は望めないため、エンジン出力が頭打ちとなり、これに伴った失速感が課題として生じ、ドライバビリティの問題が残るおそれがある。そこで、第一実施形態に係る制御装置は、この制御を前提として、さらにその制御に改良を加えたものである。
【0046】
図7は、本実施形態に係る制御フローチャートである。まず、S701で、コントロールユニット20は、吸気温度、外気圧力、外気温度等の周辺環境に基づいて、内燃機関に吸入される空気の密度を算出する。この算出にあたっては、例えば、図3に示す吸気温度と空気密度の関係を示したグラフや、これらの関係を示したテーブルを用いて算出してもよく、吸気温度、吸気圧力に基づいて状態方程式を利用して空気密度を算出してもよい。
【0047】
次に、S702で、空気密度に基づいて最大目標吸入空気量を算出する。具体的には、まず、標準状態(25℃)時にスロットル開度が全開時において、吸入すべき標準最大目標吸入空気量を予め設定する。この標準最大目標吸入空気量は、最大吸入空気量を超えない量の値である。そして、この標準最大目標吸入空気量に対して、空気密度に関する係数(例えば空気密度の逆数)を乗じて最大目標吸入空気量を算出する。尚、標準最大目標空気量と最大目標吸入空気量については、エンジン回転数の変動による吸入空気量の増減に対し影響を受けない様、1行程分相当の単位とした方が、望ましい。
【0048】
次に、S703で、アクセル開度比率を算出する。アクセル開度比率は、アクセル開度センサが検出した電圧値(以下、アクセル開度検出値)を用いて、「(アクセル開度検出値−アクセル全閉時の電圧値)÷(アクセル全開時の電圧値−アクセル全閉時の電圧値)」により算出することができる。このアクセル開度比率は、全開時のアクセル開度に対する検出したアクセル開度の比率に相当する。尚、ここに記述したアクセル全開時の電圧値及びアクセル全閉時の電圧値は、予め設定しておいても良く、コントロールユニット20が学習した値であってもよく、どちらを用いても良い。
【0049】
次に、S704では、目標となる目標吸入空気量を算出するが、S703で算出したアクセル開度比率と、S702で算出した最大目標吸入空気量に基づき、「アクセル開度比率×最大目標吸入空気量」の式で求められる。
【0050】
次に、S705では、エアフローセンサにより検出した吸入空気量が、S704で算出した目標吸入空気量になるように、スロットル開度の制御を行う。ここで、アクセル開度が一定となった場合、または、アクセル開度を開き続けて、目標吸入空気量が最大目標吸入空気量近傍または最大目標吸入空気量に一致した場合、検出された吸入空気量が最大吸入空気量を超えないように制御する。
【0051】
具体的には、本実施形態では、最大吸入空気量を超えないように、最大吸入空気量よりも小さい値となる最大目標吸入空気量を設定(算出)しており、吸入空気量が最大目標吸入空気量に収束するように電制スロットル弁の開度のフィードバック制御などを行う。これにより、最大目標吸入空気量近傍において吸入空気量の増減による吸入空気量の変動を吸収すると共に、吸入空気量が最大吸入空気量を越えないようにすることができる。
【0052】
図8は、図7の制御内容に関するタイミングチャートである。改良前の制御方法における低温時のスロットル開度(802)は、アクセル開度(801)に基づき、図示の如き変化特性となる。この制御による目標吸入空気量(808)は、図8に示す変化特性の線となり、最大吸入空気量(空気密度の変化を考慮した最大吸入空気量(805))を超えてしまう。
【0053】
そこで、上述した最大吸入空気量を超えないよう制御した場合には、吸入空気量の変化特性は、最大目標吸入空気量(806)まで、図8の目標吸入空気量(808)に沿う形で、吸入空気量は上昇するが、アクセル開度が全開となるまでに、吸入空気量が最大目標吸入空気量(806)に達してしまい、ドライバのアクセルの踏込み量と一致しない区間が生じることになる。
【0054】
これに対し、図8に示すように、S702のステップで算出した最大目標吸入空気量(806)と、S703で算出したアクセル開度比率に基づき目標吸入空気量を設定し、検出された吸入空気量が、目標吸入空気量となるように、電制スロットル弁のスロットル開度を制御している。これは、前述のアクセル開度の全閉値から全開値までの範囲を100%として、ドライバのアクセルペダルの踏込み量を比率として算出し、この比率を制御すべき目標吸入空気量に反映したものである。
【0055】
つまり、空気密度の変化を考慮して算出された最大目標吸入空気量に対する目標吸入空気量の比率は、実稼動の範囲におけるアクセル開度の比率と等しくなる。例えば、前述のアクセル開度の比率が50%(全閉から全開までの範囲内における50%の位置)である場合には、目標吸入空気量も、同様に最大目標吸入空気量に対して50%となる。
【0056】
これにより、吸入空気量(807)は、従来の低温時の吸入空気量(808)より緩やかな増加特性を持つ特性線(809)となる。ここで、アクセル開度が一定となった場合、または、アクセル開度が開き続けて目標吸入空気量が最大目標吸入空気量の近傍または、予め設定した最大目標吸入空気量を超えた場合に、検出された吸入空気量が最大吸入空気量(805)を超えないように、かつ、吸入空気量が最大目標吸入空気量(806)に収束するように電制スロットル弁の開度を制御する。これにより、最大目標吸入空気量近傍において、吸入空気量の増減による吸入空気量の変動を吸収することができる。
【0057】
このようにして、ドライバビリティの問題を克服することできると共に、直噴エンジンを構成する部品の設計値に基づく前述の最大吸入空気量を超える使用を回避することができる。
【0058】
さらに、本実施形態において、アクセル開度が全開時に、吸入空気量が最大目標吸入空気量に収束するように、吸気弁のリフト量を調整してもよく、アクセル開度が全開時に、吸入空気量が前述の最大目標吸入空気量に収束するように、吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを調整してもよい。また、吸入空気量を制御する手段の目標値と吸入空気量の各制御手段の使用割合や使用条件を算出し、前述の吸入空気量を抑制しても良い。このようにして、最大目標吸入空気量に達したときの吸入空気量の収束性をより高めることができる。さらに、ターボチャージャ又はスーパーチャージャなどの前述した吸入空気量を強制的に過給し、エンジン出力を向上させる装置に対して、このような制御方法はより効果的である。
【0059】
図9は、第二実施形態に係る制御装置のフローチャートであり、図10は、図9の制御内容に関するタイミングチャートである。第二実施形態は、第一実施形態に比べて、目標吸入空気量の代わりに直接的にスロットル開度を制御した点が相違する。
【0060】
まず、S901で、コントロールユニット20は、吸気温度、外気圧力、外気温度等の周辺環境に基づいて、内燃機関に吸入される空気の密度を算出する。この方法は、第一実施形態の同様の方法である。
【0061】
次に、S902で、空気密度に基づいて最大目標スロットル開度を算出する。この最大目標スロットル開度の算出方法の一例として、S901で空気密度を算出した後、予め設定されたスロットル開度に基づく基本吸入空気量(標準状態の吸入空気量)と空気密度を乗算し、この乗算した吸入空気量が予め設定された最大吸入空気量を超えないような最大のスロットル開度を最大目標スロットル開度とする。この最大目標スロットル開度は、最大吸入空気量(前述したような、予め設定された設計上の許容される最大の吸入空気量)に対応する最大スロットル開度を予め設けておき、この最大スロットル開度を越えないスロットル開度としてもよい。
【0062】
次に、S903で、アクセル開度比率を算出する。アクセル開度比率は、アクセル開度センサが検出した電圧値(以下、アクセル開度検出値)を用いて、「(アクセル開度検出値の電圧(アクセル開度センサにより検出されたときの電圧値)−アクセル全閉時の電圧値)÷(アクセル全開時の電圧値−アクセル全閉時の電圧値)」により算出することができる。このアクセル開度比率は、全開時のアクセル開度に対する検出したアクセル開度の比率に相当する。尚、ここに記述したアクセル全開時の電圧値及びアクセル全閉時の電圧値は、予め設定しておいても良く、コントロールユニット20が学習した値であっても良く、どちらを用いても良い。
【0063】
次に、S904では、目標スロットル開度を算出するが、これはS903で算出したアクセル開度比率と、スロットル開度センサの電圧値(S902で算出した最大目標スロットル開度に相当するセンサの電圧値を含む)と、に基づき、「アクセル比率×(最大目標スロットル開度の電圧値−スロットル全閉時の電圧値)+スロットル全閉時の電圧値」の式で求められる。尚、ここに記述したスロットル全開時の電圧値及びスロットル全閉時の電圧値は、予め設定しておいても良く、コントロールユニット20が学習した値であっても良く、どちらを用いても良い。
【0064】
次に、S905では、スロットル開度センサにより検出したスロットル開度が、S904で求めた目標スロットル開度になるように、スロットル開度の制御を行う。ここで、アクセル開度が一定となった場合、または、アクセル開度が開き続けて、目標スロットル開度が最大目標スロットル開度近傍または、これに一致した場合、スロットル開度のオーバーシュートもしくはアンダーシュートを吸収し、最終的に最大目標スロットル開度または、最大目標スロットル開度近傍へスロットル開度を収束させる。具体的には、アクセル開度が全開時に、スロットル開度が最大目標スロットル開度に収束するように、電制スロットル弁のフィードバック制御を行う。これにより、最大目標吸入空気量近傍において吸入空気量の増減による吸入空気量の変動を吸収すると共に、吸入空気量が最大吸入空気量を越えないようにすることができる。
【0065】
図10は、図9の制御内容に関するタイミングチャートである。改良前の制御方法における低温時のスロットル開度(1002)は、既に述べた場合と同様に、アクセル開度(1001)に基づき、図示の如き変化特性となる。この制御による目標吸入空気量(1008)は、図8に示す変化特性の線となり、最大吸入空気量(空気密度の変化を考慮した最大吸入空気量(1005))を超えてしまう。
【0066】
そこで、上述した最大吸入空気量を超えないような制御した場合には、吸入空気量の変化特性は、最大目標吸入空気量(1006)まで、図10の目標吸入空気量(1008)に沿う形で、吸入空気量は上昇するが、アクセル開度が全開となるまでに、吸入空気量が最大目標吸入空気量(1006)に達してしまい、ドライバのアクセルの踏込み量と一致しない区間が生じることになる。
【0067】
これに対し、図10に示すように、S902のステップで算出した最大目標スロットル開度(1003)と、S903で算出したアクセル開度比率に基づいて、検出されたスロットル開度が目標スロットル開度となるように、電制スロットル弁のスロットル開度を制御している。これは、前述のアクセル開度の全閉値から全開値までの範囲を100%として、ドライバのアクセルペダルの踏込み量を比率として算出し、この比率を目標スロットル開度に反映したものである。
【0068】
つまり、空気密度の変化を考慮して算出された最大目標スロットル開度に対する目標スロットル開度の比率は、実稼動の範囲におけるアクセル開度の比率と等しくなる。例えば、前述のアクセル開度の比率が50%(全閉から全開までの範囲内における50%の位置)である場合には、目標スロットル開度も、同様に最大目標スロットル開度に対して50%となる。
【0069】
これにより、吸入空気量(1007)は、従来の低温時の吸入空気量(1008)より緩やかな増加特性を持つ特性線となる。ここで、アクセル開度が一定となった場合、または、アクセル開度が開き続けて目標スロットル開度が最大目標スロットル開度の近傍となった場合に、検出されたスロットル開度が最大目標スロットル開度(1003)を超えないように、かつ、目標スロットル開度が最大目標スロットル開度(1003)に収束するように電制スロットル弁のスロットル開度を制御する。これにより、オーバーシュート及びアンダーシュートを吸収し、最終的に最大スロットル開度近傍に電制スロットル弁の開度を制御することができる。
【0070】
このようにして、ドライバビリティの問題を克服することできると共に、直噴エンジンを構成する部品の設計値に基づく前述した最大吸入空気量を超える使用を回避することができる。
【0071】
さらに、本実施形態において、アクセル開度が全開時に、吸入空気量が最大目標吸入空気量に収束するように、吸気弁のリフト量を調整してもよく、アクセル開度が全開時に、吸入空気量が前述の最大目標吸入空気量に収束するように、吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを調整してもよい。また、吸入空気量を制御する手段の目標値と吸入空気量の各制御手段の使用割合や使用条件を算出し、前述の吸入空気量を抑制しても良い。このようにして、最大目標吸入空気量に達したときの吸入空気量の収束性をより高めることができる。さらに、ターボチャージャ又はスーパーチャージャなどの前述した吸入空気量を強制的に過給し、エンジン出力を向上させる装置に対して、このような制御方法はより効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第一実施形態に係る直噴エンジンの全体構成図。
【図2】図1に示す直噴エンジンとコントロールユニット(ECU)の関係を示す構成図。
【図3】温度と空気密度曲線の変化の関係を説明するための図。
【図4】温度変化に伴う吸入空気量の変化を説明するための図。
【図5】第一実施形態の制御装置の前提となる制御を説明するためのフローチャート。
【図6】図5に示す制御をした場合のタイミングチャート。
【図7】第一実施形態の制御装置の制御を説明するためのフローチャート。
【図8】図7に示す制御をした場合のタイミングチャート。
【図9】第二実施形態の制御装置の制御を説明するためのフローチャート。
【図10】図9に示す制御をした場合のタイミングチャート。
【符号の説明】
【0073】
101…エンジン本体
102…吸気経路
103…エアフローセンサ
104…電制スロットル
105…スロットル開度センサ
106…コレクタ
107…TGV(タンブルジェネレーテッドバルブ)
108…仕切り板
109…吸気弁
110…排気弁
111…燃焼室
112…ピストン
113…コネクティングロッド
114…フライホイール
115…クランク角センサ
116a…カムシャフト(吸気カム)
116b…カムシャフト(排気カム)
117a,117b…カム角センサ
118…燃料経路
119…高圧燃料ポンプ
120…ギャラリー
121…燃料圧センサ
122…燃料噴射弁(インジェクタ)
123…点火コイル
124…点火プラグ
125…排気経路
126…空燃比センサ
127…触媒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、吸入空気量を調整するスロットル弁と、前記吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、内燃機関の吸気温度を検出する温度検出手段と、を備えた筒内噴射式の内燃機関の制御装置であって、
前記制御装置は、少なくとも前記吸気温度に基づいて吸入される空気の密度を算出する空気密度算出手段と、前記空気密度に基づいて最大目標吸入空気量を算出する最大目標吸入空気量算出手段と、全開時のアクセル開度に対する前記アクセル開度の比率を算出するアクセル開度比率算出手段と、前記最大目標吸入空気量に前記アクセル開度比率を乗じて目標吸入空気量を算出する手段と、前記吸入空気量が前記目標吸入空気量となるように前記スロットル弁を制御するスロットル弁制御手段と、を備えることを特徴とする筒内噴射式の内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記スロットル弁制御手段は、前記アクセル開度が全開時に、前記吸入空気量が前記最大目標吸入空気量に収束するように、前記スロットル弁を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記アクセル開度が全開時に、前記吸入空気量が前記最大目標吸入空気量に収束するように、吸気弁のリフト量を調整するリフト量調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記アクセル開度が全開時に、前記吸入空気量が前記最大目標吸入空気量に収束するように、吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項5】
前記内燃機関は、少なくとも前記吸入空気量を強制的に過給する過給装置を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
【請求項6】
アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、吸入空気量を調整するスロットル弁と、該スロットル弁のスロットル開度を検出するスロットル開度検出センサと、内燃機関の吸気温度を検出する温度検出手段と、を備えた筒内噴射式の内燃機関の制御装置であって、
前記制御装置は、少なくとも前記吸気温度に基づいて吸入される空気の密度を算出する空気密度算出手段と、前記空気密度に基づいて最大目標スロットル開度を算出する最大目標スロットル開度算出手段と、全開時のアクセル開度に対する前記アクセル開度の比率を算出するアクセル開度比率算出手段と、前記最大目標スロットル開度に前記アクセル開度比率を乗じて目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度手段と、前記スロットル開度が前記目標スロットル開度となるように前記スロットル弁を制御するスロットル弁制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項7】
前記スロットル弁制御手段は、前記アクセル開度が全開時に、前記スロットル開度が前記最大目標スロットル開度に収束するように、前記スロットル弁を制御することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−31699(P2010−31699A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192782(P2008−192782)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】