説明

動力伝達装置

【課題】径方向サイズの大型化を抑制し、軸方向サイズを小型化することができ、車両への搭載性を向上させることができる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】第1軸3と、第2軸5と、リングギヤ7と、ピニオン9と、リングギヤ7とピニオン9とからなり第1軸3と第2軸5との間で駆動力を方向変換して伝達可能な傘歯車組11と、第1軸3と第2軸5と傘歯車組11とを収容するケーシング13とを備え、ケーシング13が、ケーシング本体15と、カバー体17と、ベアリング支持体19とからなる動力伝達装置1において、リングギヤ7のギヤの背面側に環状の凹部21を形成し、この凹部21の外径側にケーシング本体15とカバー体17との嵌合部23を位置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に適用される動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入出力軸や入出力ギヤなどからなる動力伝達機構を収容するケーシングを有する動力伝達装置としては、入力軸としての中空軸と、出力軸としてのドライブピニオンと、中空軸とドライブピニオンとにそれぞれ設けられ入出力ギヤとしてのベベルギヤと、各部材を収容するトランスファケースとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この動力伝達装置では、トランスファケースが各部材を収容するトランスファケースと、トランスファケースの内部を閉塞するカバーと、ドライブピニオンを支承するベアリングを支持する円筒部材とのように3分割の分割部材からなり、カバーと円筒部材とはトランスファケースに対してボルトなどの固定手段によって固定されている。
【0004】
また、同様な構造の動力伝達装置としては、入力軸としての中空軸と、出力軸としてのドライブシャフトと、中空軸とドライブシャフトとにそれぞれ設けられ入出力ギヤとしてのリングギヤとドライブピニオンと、各部材を収容するトランスファケースとを備えたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
この動力伝達装置においても、トランスファケースが各部材を収容するケース本体と、ケース本体の内部を閉塞するカバー体と、ドライブシャフトを支承するベアリングを支持するベアリング支持体とのように3分割の分割部材からなり、カバー体とベアリング支持体とはケース本体に対してボルトなどの固定手段によって固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−314796号公報
【特許文献2】特開2009−115309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1,2のような動力伝達装置では、トランスファケースの外径側にエンジンなどの駆動源や車体フレームなどの周辺部材が配置されており、周辺部材との干渉を考慮すると、トランスファケースの外径側の張り出しサイズに制約があるため、トランスファケースがそれ以上径方向に張り出さないように、トランスファケースの形状を設定する必要があり、ケース本体とカバー体との嵌合部とリングギヤとの軸方向位置を異ならせて配置せざるを得なかった。
【0008】
しかしながら、ケース本体とカバー体との嵌合部とリングギヤとの軸方向位置を異ならせて配置してしまうと、トランスファケースが軸方向に張り出してしまい、装置の軸方向サイズが大型化してしまい、再び周辺部材との干渉を考慮することになり、動力伝達装置の搭載性が悪化してしまう。加えて、トランスファケースの外径側にはサイズの制約があると共に、車両の駆動トルクの許容値も考慮した形状設定をすると、容易に装置のサイズを小型化することができなかった。
【0009】
そこで、この発明は、径方向サイズの大型化を抑制し、軸方向サイズを小型化することができ、車両への搭載性を向上させることができる動力伝達装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、中空状に形成され軸心に車軸が相対回転可能に挿通される第1軸と、この第1軸の軸心に対して軸心が交差して配置される第2軸と、前記第1軸に一体回転可能に設けられたリングギヤと、前記第2軸に一体回転可能に設けられ前記リングギヤと噛み合うピニオンと、前記リングギヤと前記ピニオンとからなり前記第1軸と前記第2軸との間で駆動力を方向変換して伝達可能な傘歯車組と、前記第1軸と前記第2軸と前記傘歯車組とを収容するケーシングとを備え、前記ケーシングは、前記第1軸の一端側を支持するケーシング本体と、このケーシング本体に嵌合して固定されると共に前記第1軸の他端側を支持するカバー体と、前記ケーシング本体に嵌合して固定されると共に前記第2軸を支持するベアリング支持体とからなる動力伝達装置であって、前記リングギヤのギヤの背面側には環状の凹部が形成され、この凹部の外径側には前記ケーシング本体と前記カバー体との嵌合部が位置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の動力伝達装置であって、前記嵌合部は、前記凹部の径方向側面と対向して配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の動力伝達装置であって、前記第1軸は前記リングギヤを固定するフランジ部を有し、このフランジ部は前記凹部の底面部側で前記リングギヤと一体に接合されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、前記嵌合部の内径側に前記リングギヤと前記第1軸との接合部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、前記カバー体の側壁には、前記第1軸を支承するベアリングを支持するベアリング支持部の外周部側から前記嵌合部側にかけて傾斜リブが設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、前記ケーシング本体には、前記ケーシング本体と前記カバー体とを固定する複数のボルトを挿入する複数のボルト締結孔が設けられ、隣接する前記ボルト締結孔の間には、前記ベアリング支持体の外形が位置することを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、前記第1軸と前記リングギヤとは、溶接と、ボルトと、圧入と、スプラインとのうち少なくともいずれか1つの固定手段によって一体固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の動力伝達装置は、リングギヤのギヤの背面側に環状の凹部が形成され、この凹部の外径側にケーシング本体とカバー体との嵌合部が位置されているので、ケーシングの径方向サイズを維持したまま、リングギヤの凹部と嵌合部とを径方向にオーバーラップさせて配置させることができる。このため、ケーシングの外径側に制約があっても、ケーシングの軸方向サイズを小型化することができる。
【0018】
従って、ケーシングの径方向サイズを維持したまま、ケーシングの軸方向サイズを小型化することができるので、装置の径方向サイズの大型化を抑制し、装置の軸方向サイズを小型化することができ、様々な車両への搭載性を向上させることができる。
【0019】
請求項2の動力伝達装置は、嵌合部が凹部の径方向側面と対向して配置されているので、嵌合部を凹部内に配置させ、嵌合部とリングギヤとの軸方向位置を径方向にオーバーラップさせて配置させることができ、ケーシングの径方向サイズを維持したまま、ケーシングの軸方向サイズを小型化することができる。
【0020】
請求項3の動力伝達装置は、第1軸がリングギヤを固定するフランジ部を有し、このフランジ部が凹部の底面部側でリングギヤと一体に接合されているので、凹部の底面部側から径方向外側に向けた部分に空間部を形成することができ、ケーシングの径方向サイズを維持したまま、ケーシングの軸方向サイズを小型化することができる。加えて、凹部の外径側に位置する嵌合部の設計の自由度を向上することができる。
【0021】
請求項4の動力伝達装置は、嵌合部の内径側に、リングギヤと第1軸との接合部が設けられているので、嵌合部と接合部とを径方向にオーバーラップさせて配置することができ、ケーシングの径方向サイズを維持したまま、ケーシングの軸方向サイズを小型化することができる。
【0022】
請求項5の動力伝達装置は、カバー体の側壁に第1軸を支承するベアリングを支持するベアリング支持部の外周部側から嵌合部側にかけて傾斜リブが設けられているので、カバー体の剛性を保持してカバー体のベアリング支持部の外径側を維持したまま、さらにケーシングの肉厚を極力薄くすることができ、ケーシングの軸方向サイズを小型化することができる。
【0023】
請求項6の動力伝達装置は、隣接するボルト締結孔の間にベアリング支持体の外形が位置するので、ベアリング支持体の外形とボルト締結孔とが互いに干渉することがなく、ケーシング本体に対してボルト締結孔を確保すべく、カバー体が軸方向外側に張り出すのを抑制することができる。よって、凹部と嵌合部との配置関係を適切に維持させて、ケーシングの軸方向サイズを小型化することができる。
【0024】
請求項7の動力伝達装置は、第1軸とリングギヤとが溶接と、ボルトと、圧入と、スプラインとのうち少なくともいずれか1つの固定手段によって一体固定されている。これらは、本発明の固定手段の具体的形態を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】車両の動力系を示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る動力伝達装置のケーシングの斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る動力伝達装置のケーシングの下面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
まず、図1を用いて本発明の実施の形態に係る動力伝達装置が適用される車両の動力系の一例について説明する。なお、ここでは、第1実施形態に係る動力伝達装置1を適用した動力系とするが、他の実施形態に係る動力伝達装置も第1実施形態の動力伝達装置1と同様に適用することができる。
【0027】
図1に示すように、車両の動力系は、エンジン401や電動モータ403などの駆動源と、変速機構としてのプラネタリーギヤ式のトランスミッション405と、前輪側の左右輪の差動を許容するフロントデフ407と、前車軸409,411と、前輪413,415と、動力伝達装置1と、プロペラシャフト417と、前輪側から後輪側へ伝達される駆動力を制御可能に断続するカップリング419と、後輪側の左右輪の差動を許容するリヤデフ421と、後車軸423,425と、後輪427,429などから構成されている。なお、トランスミッション405の近傍には、変速用及び駆動用としての電動モータ431がトランスミッション405と連結して配置されている。
【0028】
駆動源の駆動力はトランスミッション405からフロントデフ407のデフケース433を介してピニオン435に伝達され、一対のサイドギヤ437,439に連結された出力軸443,445、等速駆動ジョイント447,449、前車軸409,411、等速駆動ジョイント451,453から前輪413,415に配分されると共に、デフケース433と連結した第1軸3に分岐されて動力伝達装置1に伝達される。
【0029】
この動力伝達装置1に伝達された駆動力は、出力軸445が軸心側を貫通する第1軸3と一体回転するリングギヤ7と第2軸5と一体回転するピニオン9とからなる傘歯車組11を介して第1軸3側から第2軸5側に出力され、プロペラシャフト417を介してカップリング419に伝達される。このカップリング419に伝達された駆動力は、カップリング419が接続されるとリヤデフ421に伝達され、後車軸423,425から後輪427,429に配分されて前後輪駆動の四輪駆動状態になる。また、カップリング419の接続が解除されると、車両は前輪駆動の二輪駆動状態になる。以下、動力伝達装置について説明する。
【0030】
図2〜図8を用いて本発明の実施の形態に係る動力伝達装置について説明する。
【0031】
(第1実施形態)
図2〜図5を用いて第1実施形態について説明する。
【0032】
本実施の形態に係る動力伝達装置1は、中空状に形成され軸心に出力軸445(図1参照)が相対回転可能に挿通される第1軸3と、この第1軸3の軸心に対して軸心が交差して配置される第2軸5と、第1軸3に一体回転可能に設けられたリングギヤ7と、第2軸5に一体回転可能に設けられリングギヤ7と噛み合うピニオン9と、リングギヤ7とピニオン9とからなり第1軸3と第2軸5との間で駆動力を方向変換して伝達可能な傘歯車組11と、第1軸3と第2軸5と傘歯車組11とを収容するケーシング13とを備えている。
【0033】
また、ケーシング13は、第1軸3の一端側を支持するケーシング本体15と、このケーシング本体15に嵌合して固定されると共に第1軸3の他端側を支持するカバー体17と、ケーシング本体15に嵌合して固定されると共に第2軸5を支持するベアリング支持体19とからなる。
【0034】
そして、リングギヤ7のギヤ部の背面側の環状の基肉部8には環状の凹部21が形成され、この凹部21の外径側にはケーシング本体15とカバー体17との嵌合部23が位置されている。
【0035】
また、嵌合部23は、凹部21の径方向側面25(基肉部8の背面)と対向して配置されている。
【0036】
さらに、第1軸3はリングギヤ7を固定するフランジ部27を有し、このフランジ部27は凹部21の底面部29側でリングギヤ7と一体に接合されている。
【0037】
また、嵌合部23の内径側には、リングギヤ7と第1軸3のフランジ部27との接合部30,32(軸方向の接合部30と径方向の接合部32)が設けられている。
【0038】
さらに、カバー体17の側壁31には、第1軸3を支承するベアリング33を支持するベアリング支持部35の外周部側から嵌合部23側にかけて傾斜リブが設けられている。
【0039】
また、ケーシング本体15には、ケーシング本体15とカバー体17とを固定する複数のボルト37を挿入する複数のボルト締結孔39が設けられ、隣接するボルト締結孔39の間には、ベアリング支持体19の外形43が位置する。
【0040】
さらに、第1軸3とリングギヤ7とは、溶接接合によって一体固定されて接合部30をなしている。
【0041】
図2〜図5に示すように、第1軸3は、中空状に形成され、ベアリング45,33を介してケーシング13のケーシング本体15及びカバー体17に回転可能に支持されている。また、第1軸3の軸方向一端部の外周には、スプライン形状の連結部47が形成されている。この連結部47には、フロントデフ407のデフケース433(図1参照)が一体回転可能に連結され、第1軸3に駆動力が入力される。また、第1軸3の内周側には、第1軸3と相対回転可能にフロントデフ407のサイドギヤ439(図1参照)と前車軸411(図1参照)とを連結する出力軸445(図1参照)が挿通される。この第1軸3に入力された駆動力は、第2軸5に出力される。
【0042】
第2軸5は、軸心が第1軸3の軸心に対して交差する方向、詳細には直交する方向に配置され、ベアリング49を介してケーシング13のベアリング支持体19に回転可能に支持されている。この第2軸5の軸方向一端部の外周には、スプライン形状の連結部51が形成され、出力部材53が第2軸5と一体回転可能に連結されている。
【0043】
出力部材53は、中空状に形成され、内周側に第2軸5が挿通されて連結部51を介して第2軸5と一体回転可能に連結されている。また、出力部材53は、第2軸5の端部にねじ締結されたナット55と当接することによって、第2軸5に対する軸方向位置が固定されている。この出力部材53は、プロペラシャフト417(図1参照)側に連結され、第1軸3から伝達された駆動力をプロペラシャフト417側に出力する。
【0044】
このような第1軸3側から第2軸5側への駆動力の伝達は、第1軸3と第2軸5とにそれぞれ設けられたリングギヤ7とピニオン9とからなる傘歯車組11によってなされている。
【0045】
リングギヤ7は、環状に形成され、第1軸3の外周に形成されたフランジ部27に溶接部57を介して一体回転可能に固着接合されている。また、第1軸3の外周面上にはリングギヤ7の基肉部8及び凹部21の位置で、リングギヤ7の内周面が圧入支持されており、接合部32をなしている。よって、嵌合部23の内径側には、接合部30が少なくとも位置するように設定されている。よって、嵌合部23と接合部30とは径方向のオーバーラップ関係をなしているが、接合部32も嵌合部23との配置関係において、径方向のオーバーラップ関係をなすように設定されてもよい。
【0046】
また、リングギヤ7のギヤ部及び基肉部8の背面側には、断面L字状の環状の凹部21が形成されている。この凹部21の底面部29側でフランジ部27と溶接部57を介してリングギヤ7が第1軸3と一体回転可能に固定されている。このリングギヤ7は、ピニオン9と噛み合い傘歯車組11を構成している。
【0047】
ピニオン9は、第2軸5の軸方向他端部に第2軸5と連続する一部材として形成されている。このピニオン9は、リングギヤ7と噛み合い、リングギヤ7側からの駆動力が第2軸5に入力される。この傘歯車組11は、第1軸3側からの駆動力を方向変換して第2軸5側へ伝達させる。
【0048】
このような第1軸3と第2軸5と傘歯車組11とは、ケーシング13に収容され、このケーシング13は、ケーシング本体15と、カバー体17と、ベアリング支持体19とからなる。
【0049】
ケーシング本体15は、第1軸3、第2軸5、傘歯車組11などの収容部材を収容する収容空間が形成されている。このケーシング本体15の一側には、トランスミッション405のトランスミッションケース441(図1参照)に組付けられる組付部59が設けられ、複数のボルト締結孔61にボルトを締結することにより固定される。なお、図2に示されたボルト締結孔61には、ケーシング13側からトランスミッション405側へボルトを挿通して締結される構成であり、図5に示されるボルト締結孔61には、トランスミッション405側からボルトを挿通して締結される構成である。この組付部59には、ケーシング13の内部空間と外部空間とを区画するシール手段としてのOリング63が配置されている。また、ケーシング本体15の他側には、カバー体17が嵌合される嵌合部23が設けられている。なお、リングギヤ7のギヤと軸方向に対向する位置には、ケーシング13内部の圧力を調整するブリーザ(不図示)を保護するバッフルプレート65がボルト67によって固定されている。
【0050】
カバー体17は、ケーシング本体15の他側を閉塞するように蓋状に形成され、ケーシング本体15に対して嵌合部23で嵌合され、複数のボルト37によって固定される。また、嵌合部23は、リングギヤ7の凹部21及び接合部30の外径側に位置され、凹部21の径方向側面25と対向して配置されている。すなわち、嵌合部23とリングギヤ7との軸方向位置は、フランジ部27を軸方向に超え、径方向にオーバーラップして配置されており、嵌合部23と接合部30との軸方向位置も、径方向にオーバーラップして配置されている。また、嵌合部23には、ケーシング13の内部空間と外部空間とを区画するシール手段としてのOリング69が配置されており、シール手段としてのOリング69とリングギヤ7との軸方向位置も径方向にオーバーラップしている。また、カバー体17の側壁31には、ベアリング33を支持するベアリング支持部35の外周部側から嵌合部23側にかけて傾斜リブが設けられている。また、カバー体17を固定する複数のボルト37は、ケーシング本体15とカバー体17とにそれぞれ設けられた複数のボルト締結孔39,41に挿入されている。この複数のボルト締結孔39のうち隣接するボルト締結孔40の間には、ベアリング支持体19の嵌合部71の外形43が位置されている。なお、ここでは、ベアリング支持体19の外形43としてケーシング本体15の外周側を指し示しているが、このケーシング本体15の内周側にベアリング支持体19の外形43が位置するため、ケーシング本体15の外周側を指し示すものとする。
【0051】
さらに、各実施形態ともに、ベアリング支持体19の外形43は、ベアリングのアウタレースの外形を示しているが、他にとり得る構成として、ベアリングのアウタレースを支持する筒状のベアリング支持体を別部材として設け、ケーシング本体に対してこの別部材のベアリング支持体を嵌合固定する嵌合部の外形を、本発明の「外形」と規定することもできる。
【0052】
ベアリング支持体19は、上述した外形43がケーシング本体15の第2軸5が配置されている側でケーシング本体15に対して嵌合部71で嵌合して固定されており、ベアリング49のアウタレースとして機能している。このベアリング49は、ベアリング支持体19としてのアウタレースと、インナレースと、一対のボールとからなるダブルアンギュラタイプのベアリングとなっている。また、ベアリング49のインナレースとピニオン9との軸方向間には、傘歯車組11の噛み合いを調整するシム73が設けられている。また、ベアリング49の軸方向端部にはシール75が配置され、出力部材53の外周にはシール75のリップ部と当接してケーシング13内部への粉塵や泥水などの浸入を防止するダストカバー77が配置されている。また、ベアリング支持体19の端部には、フランジ部79が設けられており、ベアリング支持体19が嵌合部71で複数のボルト81を介してケーシング本体15のボルト締結孔82に固定されている。
【0053】
このような各部材を収容するケーシング13には、ケーシング13の内部と外部とを区画する複数のシール手段が配置されている。詳細には、Oリング63,69、シール75、ダストカバー77に加えて、ケーシング本体15と第1軸3の軸方向両端側との間にはシール83,85が配置されている。また、第1軸3と車軸との間にはシール87が配置されている。
【0054】
ここで、シール83は、背合わせに配置された2つのシール部材からなり、それぞれトランスミッション405側の潤滑油とケーシング13の内部に封入された潤滑油とを区画している。このシール83は、ケーシング本体15のトランスミッションケース441との組付部59よりもケーシング13の内部側に位置されている。このため、シール83の径方向サイズが組付部59に対して影響を与えることがなく、組付部59の径方向及び軸方向の寸法など、設計の自由度を向上させることができる。なお、シール83は、ケーシング本体15にカバー体17を組付ける前に、嵌合部23側の開口から挿入されて組付けられる。また、シール83は、2つの部材が隣接して配置されているが、ケーシング13の内部に封入された潤滑油を区画する部材のみをケーシング本体15と第1軸3との間に配置させればよく、この場合には、トランスミッション405側の潤滑油を区画する部材をトランスミッション405側に配置させればよい。
【0055】
また、2つのシール間の外周側には、ケーシング本体15から外部の大気側に向けて、気抜き孔84が設けられ、各シールの摺動部における軸方向両側の空間に生じる変動圧力を緩和し、シール性を向上させている。
【0056】
また、ケーシング本体15のベアリング支持体19との嵌合部71の近傍には、ケーシング13の内部にギヤの噛み合い部や摺動部などを潤滑・冷却させる潤滑油を封入させるフィラー孔89が設けられ、このフィラー孔89はフィラープラグ91によって閉塞されている。このフィラー孔89が設けられた部分のケーシング本体15の嵌合部71には、油溝93が設けられている。
【0057】
油溝93は、ケーシング本体15のベアリング支持体19との嵌合部71の内周面に旋盤による切削加工などによって形成されている。この油溝93は、リングギヤ7とピニオン9との回転によって掻き上げられた潤滑油が導入され易いように断面三日月状で軸方向に所定長さを有するトンネル形状に設定されている。また、油溝93は、フィラー孔89と連通されて設けられており、フィラー孔89から潤滑油を導入することよって、より潤滑油が油溝93に導入され易くされている。また、ベアリング支持体19には、油溝93と連通する複数の油孔95が設けられており、第2軸5を支承するベアリング49や第2軸5側の摺動部を確実に潤滑することができる。このように油溝93や油孔95を設けることにより、簡易な構成で確実に摺動部に対して潤滑油を供給することができる。
【0058】
このような動力伝達装置1の動力伝達は、デフケース433からの駆動力が第1軸3を介してリングギヤ7に伝達され、リングギヤ7とピニオン9とからなる傘歯車組11によって方向変換される。そして、ピニオン9に伝達された駆動力が第2軸5を介して出力部材53に伝達され、プロペラシャフト417側に出力される。
【0059】
このような動力伝達装置1では、リングギヤ7のギヤ部の背面側の環状の基肉部8に環状の凹部21が形成され、この凹部21の外径側にケーシング本体15とカバー体17との嵌合部23が位置されているので、ケーシング13の径方向サイズを維持したまま、リングギヤ7と嵌合部23とを径方向にオーバーラップさせて配置させることができる。このため、ケーシング13の外径側に制約があっても、ケーシング13の軸方向サイズを小型化することができる。
【0060】
従って、ケーシング13の径方向サイズを維持したまま、ケーシング13の軸方向サイズを小型化することができるので、装置の径方向サイズの大型化を抑制し、装置の軸方向サイズを小型化することができ、様々な車両へ本発明の動力伝達装置を搭載することができる。その上、装置の軸方向サイズを小型化することで、出力軸445と車軸441との等速駆動ジョイント449(図1参照)の軸方向配置スペースの許容範囲を広げることができ、周辺部材との干渉がなく、動力伝達装置周辺の過密な搭載レイアウトの配置自由度を大幅に向上させることができる。
【0061】
また、嵌合部23が凹部21の径方向側面25と対向して配置されているので、嵌合部23を凹部21内に配置させ、嵌合部23とリングギヤ7との軸方向位置を径方向にオーバーラップさせて配置させることができ、ケーシング13の径方向サイズを維持したまま、ケーシング13の軸方向サイズを小型化することができる。
【0062】
さらに、第1軸3がリングギヤ7を固定するフランジ部27を有し、このフランジ部27が凹部21の底面部29側でリングギヤ7と一体に接合されているので、凹部21の底面部29側から径方向外側に向けた部分に空間部を形成することができ、ケーシング13の径方向サイズを維持したまま、ケーシング13の軸方向サイズを小型化することができる。加えて、凹部21の外径側に位置する嵌合部23の設計の自由度を向上することができる。
【0063】
また、嵌合部23の内径側に、リングギヤ7と第1軸3との接合部30が設けられているので、嵌合部23と接合部30とを径方向にオーバーラップさせて配置することができ、ケーシング13の径方向サイズを維持したまま、ケーシング13の軸方向サイズを小型化することができる。
【0064】
さらに、カバー体17の側壁31に第1軸3を支承するベアリング33を支持するベアリング支持部35の外周部側から嵌合部23側にかけて傾斜リブが設けられているので、カバー体17の剛性を保持してカバー体17のベアリング支持部35の外径側を小型化することができ、さらにケーシング13を小型化することができる。
【0065】
さらに、隣接するボルト締結孔39の間にベアリング支持体19の外形43が位置するので、ベアリング支持体19の外形43とボルト締結孔39とが互いに干渉することがなく、ベアリング支持体19やボルト締結孔39の設定を変更させずにケーシング13の軸方向サイズを小型化することができる。
【0066】
また、第1軸3とリングギヤ7とが溶接(溶接部57)によって一体固定されているので、簡易な固定手段によって第1軸3とリングギヤ7とを一体固定することができ、第1軸3とリングギヤ7との一体構造を簡易化することができる。
【0067】
(第2実施形態)
図6を用いて第2実施形態について説明する。
【0068】
本実施の形態に係る動力伝達装置101は、第1軸3とリングギヤ7とは、ボルト103によって一体固定されている。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して説明を省略するが、第1実施形態と同一の構成であるので、構成及び機能説明は第1実施形態を参照するものとし省略するが、得られる効果は同一である。
【0069】
図6に示すように、リングギヤ7の基肉部8は、第1軸3のフランジ部105にボルト103によって第1軸3と一体回転可能に固定されている。また、基肉部8の背面側の径方向壁面とフランジ部105の径方向壁面との間は、ボルト103での締結による軸方向の接合部30をなす。また、基肉部8の内周面と第1軸3の外周面との間は、径方向の接合部32をなす。このリングギヤ7のギヤ部の背面側の基肉部8には、断面L字状の環状の凹部107が形成されている。この凹部107の外径側には、フランジ部105の外周部を軸方向内側(軸方向にリングギヤ7方向)に超え、ケーシング本体15とカバー体17との嵌合部23が位置され、嵌合部23は凹部107の径方向側面109と対向して配置されている。このため、第1軸3とリングギヤ7とがボルト103によって一体固定されている場合においても、嵌合部23とリングギヤ7との軸方向位置を径方向にオーバーラップして配置させることができる。
【0070】
また、嵌合部23の内径側に、軸方向の接合部30及び径方向の接合部32を共に配置させているので、嵌合部23と接合部30,32とを径方向にオーバーラップさせ、ケーシング13の径方向サイズを維持したまま、軸方向サイズも小型化することができる。
【0071】
このような動力伝達装置101では、第1軸3とリングギヤ7とがボルト103によって一体固定されているので、簡易な固定手段によって第1軸3とリングギヤ7とを一体固定することができ、第1軸3とリングギヤ7との一体構造を簡易化することができる。
【0072】
(第3実施形態)
図7を用いて第3実施形態について説明する。
【0073】
本実施の形態に係る動力伝達装置201は、第1軸3とリングギヤ7とは、圧入によって一体固定されている。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して説明を省略するが、第1実施形態と同一の構成であるので、構成及び機能説明は第1実施形態を参照するものとし省略するが、得られる効果は同一である。
【0074】
図7に示すように、リングギヤ7は、第1軸3の外周とリングギヤ7の内周との間に形成された圧入部203に圧入することによって第1軸3と一体回転可能に固定されている。この圧入部203は、径方向の接合部32をなし、第1軸3のフランジ部205の径方向壁面とリングギヤ7の基肉部8の内径側の径方向壁面との間は、互いの軸方向位置を位置決めする位置決め部、すなわち軸方向の接合部30となっており、リングギヤ7を軸方向に挟んでフランジ部205の反対側にはスナップリングなどの固定部材207が第1軸3に固定されリングギヤ7の軸方向位置を固定している。このリングギヤ7のギヤ部の背面側の基肉部8には、断面L字状の環状の凹部209が形成されている。この凹部209の外径側にはケーシング本体15とカバー体17との嵌合部23が位置され、嵌合部23は凹部209の径方向側面211と対向して配置されている。このため、第1軸3とリングギヤ7とが圧入部203によって一体固定されている場合においても、嵌合部23とリングギヤ7との軸方向位置を径方向にオーバーラップして配置させることができる。
【0075】
また、嵌合部23の内径側には、軸方向の接合部30と径方向の接合部32とを共に配置させているので、嵌合部23と接合部30,32とを径方向にオーバーラップさせ、ケーシング13の径方向サイズを維持したまま、軸方向サイズも小型化することができる。
【0076】
このような動力伝達装置201では、第1軸3とリングギヤ7とが圧入(圧入部203)によって一体固定されているので、簡易な固定手段によって第1軸3とリングギヤ7とを一体固定することができ、第1軸3とリングギヤ7との一体構造を簡易化することができる。
【0077】
(第4実施形態)
図8を用いて第4実施形態について説明する。
【0078】
本実施の形態に係る動力伝達装置301は、第1軸3とリングギヤ7とは、スプラインによって一体固定されている。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して説明を省略するが、第1実施形態と同一の構成であるので、構成及び機能説明は第1実施形態を参照するものとし省略するが、得られる効果は同一である。
【0079】
図8に示すように、リングギヤ7は、第1軸3の外周とリングギヤ7の内周との間に形成されたスプライン連結部303にスプライン連結することによって第1軸3と一体回転可能に固定されている。このスプライン連結部303は径方向の接合部32をなし、第1軸3のフランジ部305の径方向壁面とリングギヤ7の基肉部8の内径側の径方向壁面との間は、互いに軸方向位置を位置決めする位置決め部、すなわち軸方向の接合部30となっており、リングギヤ7を軸方向に挟んでフランジ部305の反対側にはスナップリングなどの固定部材307が第1軸3に固定されリングギヤ7の軸方向位置を固定している。このリングギヤ7のギヤ部の背面側の基肉部8には、断面L字状の環状の凹部309が形成されている。この凹部309の外径側にはケーシング本体15とカバー体17との嵌合部23が位置され、嵌合部23は凹部309の径方向側面311と対向して配置されている。このため、第1軸3とリングギヤ7とがスプライン連結部303によって一体固定されている場合においても、嵌合部23とリングギヤ7との軸方向位置を径方向にオーバーラップして配置させることができる。
【0080】
また、嵌合部23の内径側には、軸方向の接合部30と径方向の接合部32とを共に配置させているので、嵌合部23と接合部30,32とを径方向にオーバーラップさせ、ケーシング13の径方向サイズを維持したまま、軸方向サイズも小型化することができる。
【0081】
このような動力伝達装置301では、第1軸3とリングギヤ7とがスプライン(スプライン連結部303)によって一体固定されているので、簡易な固定手段によって第1軸3とリングギヤ7とを一体固定することができ、第1軸3とリングギヤ7との一体構造を簡易化することができる。
【0082】
なお、本発明の実施の形態に係る動力伝達装置では、入力ギヤとしてのリングギヤがデフケースから直接駆動力が入力される第1軸に設けられているが、変速機構などの機構を介して駆動力が入力される入力軸に設けられてもよく、入力ギヤが設けられる機構はどのような動力機構であってもよい。
【0083】
また、第1軸を入力側とし、第2軸を出力側としているが、これに限らず、第1軸を出力側とし、第2軸を入力側とするなど、第1軸と第2軸との入出力の関係は互いに動力を伝達可能な関係であればどのような形態であってもよい。
【0084】
さらに、第1軸にフランジ部を設けてリングギヤと第1軸とを一体固定しているが、例えば、リングギヤの内周と第1軸の外周との間を溶接するなど、第1軸に対するリングギヤの軸方向位置が確実に固定できる構造の場合にはフランジ部を設ける必要はない。
【0085】
また、凹部の形状については、断面がL字状でなくとも、嵌合部が径方向にオーバーラップ可能な形状であればよく、例えば、直線や曲線の傾斜形状など、種々の形状を採用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1,101,201,301…動力伝達装置
3…第1軸
5…第2軸
7…リングギヤ
9…ピニオン
11…傘歯車組
13…ケーシング
15…ケーシング本体
17…カバー体
19…ベアリング支持体
21,107,209,309…凹部
23…嵌合部
25,109,211,311…径方向側面
27,105,205,305…フランジ部
29…底面部
31…側壁
33…ベアリング
35…ベアリング支持部
37…ボルト
39…ボルト締結孔
43…外形
103…ボルト(固定手段)
203…圧入部(固定手段)
303…スプライン連結部(固定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状に形成され軸心に車軸が相対回転可能に挿通される第1軸と、この第1軸の軸心に対して軸心が交差して配置される第2軸と、前記第1軸に一体回転可能に設けられたリングギヤと、前記第2軸に一体回転可能に設けられ前記リングギヤと噛み合うピニオンと、前記リングギヤと前記ピニオンとからなり前記第1軸と前記第2軸との間で駆動力を方向変換して伝達可能な傘歯車組と、前記第1軸と前記第2軸と前記傘歯車組とを収容するケーシングとを備え、前記ケーシングは、前記第1軸の一端側を支持するケーシング本体と、このケーシング本体に嵌合して固定されると共に前記第1軸の他端側を支持するカバー体と、前記ケーシング本体に嵌合して固定されると共に前記第2軸を支持するベアリング支持体とからなる動力伝達装置であって、
前記リングギヤのギヤの背面側には環状の凹部が形成され、この凹部の外径側には前記ケーシング本体と前記カバー体との嵌合部が位置されていることを特徴とする動力伝達装置。
【請求項2】
請求項1記載の動力伝達装置であって、
前記嵌合部は、前記凹部の径方向側面と対向して配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の動力伝達装置であって、
前記第1軸は前記リングギヤを固定するフランジ部を有し、このフランジ部は前記凹部の底面部側で前記リングギヤと一体に接合されていることを特徴とする動力伝達装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
前記嵌合部の内径側に前記リングギヤと前記第1軸との接合部が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
前記カバー体の側壁には、前記第1軸を支承するベアリングを支持するベアリング支持部の外周部側から前記嵌合部側にかけて傾斜リブが設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
前記ケーシング本体には、前記ケーシング本体と前記カバー体とを固定する複数のボルトを挿入する複数のボルト締結孔が設けられ、隣接する前記ボルト締結孔の間には、前記ベアリング支持体の外形が位置することを特徴とする動力伝達装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
前記第1軸と前記リングギヤとは、溶接と、ボルトと、圧入と、スプラインとのうち少なくともいずれか1つの固定手段によって一体固定されていることを特徴とする動力伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−149513(P2011−149513A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12375(P2010−12375)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000225050)GKNドライブラインジャパン株式会社 (409)
【Fターム(参考)】