説明

動力伝達装置

【課題】回転子巻線と蓄電装置との間で電力変換を行う電力変換装置の大型化及びコスト高を招くことなく、回転子間の電磁気結合により作用するトルクを制御する。
【解決手段】ロータ巻線30と蓄電装置42との間で電力変換を行う電力変換装置は、ダイオードD31〜D36によりロータ巻線30に発生した交流電力を整流する整流器93と、ロータ巻線30をリアクトルとして利用してダイオードD31〜D36により整流される電力を電圧変換する発電用DC−DCコンバータ94とを含み、ロータ巻線30側から蓄電装置42側への電力変換を行い、発電用DC−DCコンバータ94で電圧変換された直流電力と蓄電装置42からの直流電力とのいずれかがモータ用インバータ40で交流に変換されてステータ巻線20へ供給可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達装置に関し、特に、原動機からの動力を回転子同士の電磁気結合を利用して負荷へ伝達することで負荷を駆動することが可能であり、さらに、固定子巻線への電力供給によっても負荷を駆動することが可能な動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の動力伝達装置の関連技術が下記特許文献1〜3に開示されている。特許文献1による動力伝達装置は、巻線が配設されエンジンに機械的に連結された第1ロータと、第1ロータの巻線と電磁気的に結合する磁石が配設され駆動軸に機械的に連結された第2ロータと、第2ロータの磁石と電磁気的に結合する巻線が配設されたステータと、第1ロータの巻線と電気的に接続されたスリップリングと、スリップリングと電気的に接触するブラシと、バッテリーとステータの巻線との間で電力を授受可能に制御する第1インバータと、スリップリング及びブラシを介してバッテリーと第1ロータの巻線との間で電力を授受可能に制御する第2インバータと、を備える。特許文献1においては、第1ロータに伝達されたエンジンからの動力は、第1ロータの巻線と第2ロータの磁石との電磁気結合によって第2ロータに伝達されるため、エンジンの動力により駆動軸を駆動することができる。さらに、第2インバータを介してバッテリーと第1ロータの巻線との間で電力の授受が可能になるため、第2インバータにより第1ロータの巻線の電力を制御することで、駆動軸の回転速度を制御することができる。その場合において、第1ロータの回転速度が第2ロータの回転速度よりも高いときは、第1ロータの巻線の発電電力が第2インバータを介してバッテリー側へ供給され、第1ロータの回転速度が第2ロータの回転速度よりも低いときは、バッテリーの電力が第2インバータを介して第1ロータの巻線に供給される。さらに、ステータの巻線と第2ロータの磁石との電磁気結合によって、バッテリー側から第1インバータを介してステータの巻線に供給された電力を用いて第2ロータに動力を発生させて駆動軸を駆動することができるため、第1インバータによりステータの巻線への電力供給を制御することで、駆動軸に伝達されるトルクを制御することができる。
【0003】
また、特許文献2,3による動力伝達装置においては、第1ロータの巻線とバッテリーとの間で電力変換を行う電力変換装置に、スリップリング及びブラシにより取り出された第1ロータの巻線からの交流電力を整流する整流器と、整流器で整流された直流電力を電圧変換して出力するDC−DCコンバータとが設けられており、DC−DCコンバータで電圧変換された直流電力が第1インバータで交流に変換されてからステータの巻線へ供給可能である。特許文献2,3においては、DC−DCコンバータでの電圧変換比を制御することで、第1ロータの巻線に流れる交流電流を制御することができ、第1ロータと第2ロータとの間に作用するトルクを制御することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3543500号公報
【特許文献2】特開2009−73472号公報
【特許文献3】特開2009−274536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
DC−DCコンバータで電圧変換を行うためには、スイッチング素子のスイッチング動作により、リアクトルにおける電磁エネルギーの貯蔵・放出を繰り返して行う必要があるので、DC−DCコンバータ内にリアクトルを設置する必要がある。特許文献2,3においても、DC−DCコンバータでの電圧変換比を制御することで第1ロータと第2ロータとの間に作用するトルクを制御するためには、DC−DCコンバータ内にリアクトルを設置する必要がある。その結果、電力変換装置の構成が大型化し、コスト低減も困難となる。
【0006】
本発明は、回転子巻線と蓄電装置との間で電力変換を行う電力変換装置の大型化及びコスト高を招くことなく、回転子間の電磁気結合により作用するトルクを制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る動力伝達装置は、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明に係る動力伝達装置は、交流電流が流れることで回転磁界を発生可能な回転子巻線が配設された第1回転子と、交流電流が流れることで回転磁界を発生可能な固定子巻線が配設された固定子と、第1回転子に対し相対回転可能な第2回転子であって、回転子巻線で発生した回転磁界が作用するのに応じて第1回転子との間にトルクが作用し、固定子巻線で発生した回転磁界が作用するのに応じて固定子との間にトルクが作用する第2回転子と、回転子巻線と蓄電装置との間で電力変換を行う電力変換装置と、を備え、第1及び第2回転子の一方に原動機からの動力が伝達され、第1及び第2回転子の他方から負荷へ動力が伝達される動力伝達装置であって、電力変換装置は、回転子巻線に接続された整流素子により回転子巻線に発生した交流電力を整流する整流器と、スイッチング素子のスイッチング動作によりリアクトルに一時的に蓄積されるエネルギーを利用して整流素子により整流される電力を電圧変換して出力するDC−DCコンバータであって、回転子巻線をリアクトルとして利用して整流素子により整流される電力を電圧変換するDC−DCコンバータと、を含み、回転子巻線側から蓄電装置側への電力変換を行い、DC−DCコンバータで電圧変換された直流電力と蓄電装置からの直流電力とのいずれかがインバータで交流に変換されて固定子巻線へ供給可能であることを要旨とする。
【0009】
本発明の一態様では、電力変換装置は、蓄電装置側から回転子巻線側への電力変換を行わないことが好適である。
【0010】
本発明の一態様では、回転子巻線は3相巻線であり、整流器は、回転子巻線の各相毎に対応して互いに並列に設けられた複数の整流アームであって、その各々が直列接続された1対の整流素子を含む複数の整流アームを有し、回転子巻線の各相が、対応する整流アームの整流素子間の中点に接続されており、DC−DCコンバータは、3相の回転子巻線のうち、電圧の最も高い回転子巻線と電圧の最も低い回転子巻線とをリアクトルとして利用して整流素子により整流される電力を電圧変換することが好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、DC−DCコンバータ内にリアクトルを設置することなく、DC−DCコンバータで電圧変換を行うことができ、第1回転子と第2回転子との間にトルクを作用させることができる。その結果、回転子巻線と蓄電装置との間で電力変換を行う電力変換装置の大型化及びコスト高を招くことなく、第1回転子と第2回転子との間に作用するトルクを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る動力伝達装置を備えるハイブリッド駆動装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る動力伝達装置にて用いられる電力変換装置の概略構成を示す図である。
【図5】入力側ロータ28、出力側ロータ18、及びステータ16の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
【0014】
図1〜4は、本発明の実施形態に係る動力伝達装置を備えるハイブリッド駆動装置の構成の概略を示す図であり、図1は全体構成の概略を示し、図2は回転電機10及び電力変換装置の構成の概略を示し、図3は回転電機10の構成の概略を示し、図4は電力変換装置の構成の概略を示す。本実施形態に係るハイブリッド駆動装置は、動力(機械的動力)を発生可能な原動機として設けられたエンジン(内燃機関)36と、エンジン36と車輪38との間に設けられ、変速比の変更が可能な変速機(機械式変速機)44と、エンジン36と変速機44との間に設けられた回転電機10と、を備える。なお、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置については、例えば車両を駆動するための動力出力装置として用いることができる。
【0015】
回転電機10は、図示しないステータケースに固定されたステータ16と、ステータ16に対し相対回転可能な第1ロータ28と、ロータ回転軸と直交する径方向においてステータ16及び第1ロータ28と所定の空隙を空けて対向し、ステータ16及び第1ロータ28に対し相対回転可能な第2ロータ18と、を有する。ステータ16は、第1ロータ28より径方向外側の位置に第1ロータ28と間隔を空けて配置されており、第2ロータ18は、径方向においてステータ16と第1ロータ28との間の位置に配置されている。つまり、第1ロータ28は第2ロータ18より径方向内側の位置で第2ロータ18と対向配置されており、ステータ16は第2ロータ18より径方向外側の位置で第2ロータ18と対向配置されている。第1ロータ28は回転電機10の入力軸34と機械的に連結され、入力軸34はエンジン36と機械的に連結されていることで、入力軸34(第1ロータ28)にはエンジン36からの動力が伝達される。一方、第2ロータ18は回転電機10の出力軸24と機械的に連結されており、出力軸24は変速機44を介して車輪38に機械的に連結されていることで、車輪38には出力軸24(第2ロータ18)からの動力が変速機44で変速されてから伝達される。なお、以下の実施形態1〜4の説明では、第1ロータ28を入力側ロータとし、第2ロータ18を出力側ロータとする。
【0016】
入力側ロータ28は、ロータコア(第1回転子鉄心)52と、ロータコア52にその周方向に沿って配設された複数相(例えば3相)の第1巻線30と、を含む。複数相の第1巻線30に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、第1巻線30は、ロータ周方向に回転する回転磁界を発生することができる。
【0017】
ステータ16は、ステータコア(固定子鉄心)51と、ステータコア51にその周方向に沿って配設された複数相(例えば3相)の第2巻線20と、を含む。複数相の第2巻線20に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、第2巻線20は、ステータ周方向に回転する回転磁界を発生することができる。なお、以下の実施形態1〜4の説明では、第1巻線30をロータ巻線とし、第2巻線20をステータ巻線とする。
【0018】
出力側ロータ18は、ロータコア(第2回転子鉄心)53と、ロータコア53にその周方向に沿って配設され界磁束を発生する永久磁石32,33と、を含む。永久磁石32は、ロータコア53の外周部にステータ16(ステータコア51)と対向して配設されており、永久磁石33は、ロータコア53の内周部に入力側ロータ28(ロータコア52)と対向して配設されている。ここでは、永久磁石32,33を一体化することも可能である。
【0019】
入力側ロータ28、出力側ロータ18、及びステータ16のより詳細な構成例を図5に示す。図5に示す例では、入力側ロータ28、出力側ロータ18、及びステータ16が同心円状に配置されている。ステータ16のステータコア51には、径方向内側へ(出力側ロータ18へ向けて)突出した複数のティース51aがステータ周方向に沿って間隔をおいて配列されており、各ステータ巻線20がこれらのティース51aに巻回されていることで、磁極が構成される。入力側ロータ28のロータコア52には、径方向外側へ(出力側ロータ18へ向けて)突出した複数のティース52aがロータ周方向に沿って間隔をおいて配列されており、各ロータ巻線30がこれらのティース52aに巻回されていることで、磁極が構成される。ステータ16のティース51aと出力側ロータ18の永久磁石32とが出力側ロータ18の回転中心軸(入力側ロータ28の回転中心軸と一致する)に直交する径方向に対向配置されており、入力側ロータ28のティース52aと出力側ロータ18の永久磁石33とがこの径方向に対向配置されている。ステータ巻線20の巻回軸及びロータ巻線30の巻回軸は、この径方向(入力側ロータ28と出力側ロータ18が対向する方向)に一致している。永久磁石32,33はロータ周方向に間隔をおいて配列されており、さらに、永久磁石32はロータコア53内にV字状に埋設されている。ただし、永久磁石32,33については、出力側ロータ18の表面(外周面または内周面)に露出していてもよいし、出力側ロータ18内(ロータコア53内)に埋設されていてもよい。
【0020】
クラッチ48は、その係合/解放により、入力軸34(入力側ロータ28)と出力軸24(出力側ロータ18)との機械的係合及びその解除を選択的に行うことが可能である。クラッチ48を係合させて、入力側ロータ28と出力側ロータ18とを機械的に係合させることで、入力側ロータ28と出力側ロータ18とが一体となって等しい回転速度で回転する。一方、クラッチ48を解放して、入力側ロータ28と出力側ロータ18との機械的係合を解除することで、入力側ロータ28と出力側ロータ18との回転速度差が許容される。ここでのクラッチ48は、例えば油圧や電磁力を利用してその係合/解放を切り替えることが可能であり、さらに、クラッチ48に供給する油圧力や電磁力を調整することで、クラッチ48の締結力を調整することもできる。
【0021】
直流電源として設けられた充放電可能な蓄電装置42は、例えば二次電池により構成することができ、電気エネルギーを蓄える。モータ用インバータ40は、蓄電装置42(直流電源)の正側ラインPLと負側ラインSLとの間で互いに並列接続され、ステータ巻線20の各相20U,20V,20W毎に対応して設けられた複数(図4では3本)のスイッチングアーム72,74,76を備える。スイッチングアーム72は、正側ラインPLと負側ラインSLとの間で互いに直列接続された1対のインバータ用スイッチング素子S21,S22と、インバータ用スイッチング素子S21,S22のそれぞれと逆並列接続された1対のダイオード(整流素子)D21,D22とを含む。同様に、スイッチングアーム74は、正側ラインPLと負側ラインSLとの間で互いに直列接続された1対のインバータ用スイッチング素子S23,S24と、インバータ用スイッチング素子S23,S24のそれぞれと逆並列接続された1対のダイオードD23,D24とを含み、スイッチングアーム76は、正側ラインPLと負側ラインSLとの間で互いに直列接続された1対のインバータ用スイッチング素子S25,S26と、インバータ用スイッチング素子S25,S26のそれぞれと逆並列接続された1対のダイオードD25,D26とを含む。3相のステータ巻線20U,20V,20Wは、Y(スター)結線されており、各スイッチングアーム72,74,76の中点とそれぞれ接続されている。モータ用インバータ40は、インバータ用スイッチング素子S21〜S26のオンオフを繰り返すスイッチング動作により、蓄電装置42からの直流電力を3相交流に変換してステータ巻線20U,20V,20Wへ供給することが可能である。さらに、モータ用インバータ40は、ステータ巻線20U,20V,20Wの3相交流電力を直流に変換して蓄電装置42に回収する方向の変換も可能である。
【0022】
スリップリング95は、入力側ロータ28と機械的に連結されており、ロータ巻線30の各相及びブラシ96とそれぞれ電気的に接続されている。スリップリング95は、回転が固定されたブラシ96に対し摺動しながら(ブラシ96との電気的接続を維持しながら)、入力側ロータ28とともに回転する。ブラシ96は、整流器93と電気的に接続されており、ブラシ96からの電力は整流器93へ供給される。このスリップリング95及びブラシ96により、入力側ロータ28のロータ巻線30の電力(交流電力)を取り出すための電力伝達部を構成することができ、取り出された交流電力は整流器93へ供給される。
【0023】
整流器93は、正側ラインPLと負側ラインSLとの間で互いに並列接続され、ロータ巻線30の各相30U,30V,30W毎に対応して設けられた複数(図4では3本)の整流アーム62,64,66を備える。整流アーム62は、正側ラインPLと負側ラインSLとの間で互いに直列接続された1対のダイオード(整流素子)D31,D32を含む。同様に、整流アーム64は、正側ラインPLと負側ラインSLとの間で互いに直列接続された1対のダイオードD33,D34を含み、整流アーム66は、正側ラインPLと負側ラインSLとの間で互いに直列接続された1対のダイオードD35,D36を含む。3相のロータ巻線30U,30V,30Wは、Y(スター)結線されている。ロータ巻線30Uは、スリップリング95及びブラシ96を介して、対応する整流アーム62のダイオードD31,D32間の中点と接続されていることで、ダイオードD31,D32と接続されている。同様に、ロータ巻線30Vは、スリップリング95及びブラシ96を介して、対応する整流アーム64のダイオードD33,D34間の中点と接続されていることで、ダイオードD33,D34と接続されており、ロータ巻線30Wは、スリップリング95及びブラシ96を介して、対応する整流アーム66のダイオードD35,D36間の中点と接続されていることで、ダイオードD35,D36と接続されている。整流器93は、スリップリング95及びブラシ96により取り出されたロータ巻線30U,30V,30Wの3相交流電力をダイオード(整流素子)D31〜D36により整流して直流に変換することが可能である。
【0024】
発電用DC−DCコンバータ94は、正側ラインPLと負側ラインSLとの間で整流アーム62,64,66と並列接続されたコンバータ用スイッチング素子S1と、正側ラインPLに設けられ、アノード側がコンバータ用スイッチング素子S1の一端に接続されるとともにカソード側が蓄電装置42の一端(正側端子)に接続されたダイオードD1と、を備える昇圧コンバータにより構成されている。発電用DC−DCコンバータ94は、コンバータ用スイッチング素子S1のオンオフを繰り返すスイッチング動作により、整流器93(ダイオードD11〜D16)で整流された直流電力を電圧変換(昇圧)して出力することが可能である。発電用DC−DCコンバータ94で電圧変換(昇圧)された直流電力は、モータ用インバータ40で交流に変換されてからステータ巻線20U,20V,20Wへ供給可能である。つまり、モータ用インバータ40は、発電用DC−DCコンバータ94で電圧変換された直流電力と蓄電装置42からの直流電力とのいずれか(少なくとも一方)をインバータ用スイッチング素子S21〜S26のスイッチング動作により交流に変換してステータ巻線20U,20V,20Wへ供給することが可能である。そのため、ロータ巻線30U,30V,30Wとステータ巻線20U,20V,20Wとの間で電力変換を行うことが可能である。また、発電用DC−DCコンバータ94で電圧変換された直流電力を蓄電装置42に回収することも可能である。このように、整流器93及び発電用DC−DCコンバータ94を含んで、ロータ巻線30U,30V,30Wと蓄電装置42との間で電力変換を行う電力変換装置が構成される。ここでの整流器93は、スリップリング95側(ロータ巻線30U,30V,30W側)から発電用DC−DCコンバータ94側への一方向のみの電力変換を行い、発電用DC−DCコンバータ94は、整流器93側から蓄電装置42側(あるいはモータ用インバータ40側)への一方向のみの電力変換を行う。そのため、電力変換装置は、ロータ巻線30U,30V,30W側から蓄電装置42側(あるいはモータ用インバータ40側)への一方向のみの電力変換を行い、蓄電装置42側(あるいはモータ用インバータ40側)からロータ巻線30U,30V,30W側への電力変換を行わない。
【0025】
発電用DC−DCコンバータ94のスイッチング動作の際には、コンバータ用スイッチング素子S1のスイッチング周波数をロータ巻線30U,30V,30Wの3相交流電力の周波数よりも高くすることで、3相のロータ巻線30U,30V,30Wがエネルギーを一時的に蓄積するリアクトルとして機能する。そのため、発電用DC−DCコンバータ94にリアクトルを別途設ける必要がなくなる。例えば、整流アーム62,64,66の中点の電圧のうち、ロータ巻線30Uに接続された整流アーム62の中点の電圧が最も高く、ロータ巻線30Vに接続された整流アーム64の中点の電圧が最も低い場合は、ロータ巻線30U,30Vをリアクトルとして利用することができる。その場合において、コンバータ用スイッチング素子S1をオンすると、ロータ巻線30U,30Vにエネルギーが一時的に蓄積され、この状態でコンバータ用スイッチング素子S1をオンからオフすると、ロータ巻線30U,30Vに蓄積されたエネルギーがダイオードD1を介して蓄電装置42やモータ用インバータ40へ供給される。その際に、蓄電装置42やモータ用インバータ40への供給電圧(発電用DC−DCコンバータ94の出力電圧)については、整流器93の出力電圧(発電用DC−DCコンバータ94の入力電圧)よりも高くすることができる。また、整流アーム62,64,66の中点の電圧のうち、ロータ巻線30Vに接続された整流アーム64の中点の電圧が最も高く、ロータ巻線30Wに接続された整流アーム66の中点の電圧が最も低い場合は、ロータ巻線30V,30Wをリアクトルとして利用することができる。このように、リアクトルとして機能するロータ巻線30U,30V,30Wが各整流アーム62,64,66の中点の電圧(各ロータ巻線30U,30V,30Wの電圧)に応じて順次切り替わり、発電用DC−DCコンバータ94は、ロータ巻線30U,30V,30Wのうち、電圧の最も高いロータ巻線と電圧の最も低いロータ巻線とをリアクトルとして利用して、整流器93で整流された直流電力を電圧変換(昇圧)することができる。そのため、通常のDC−DCコンバータでは、整流器93からの直流電流に応じてエネルギーを一時的に蓄積可能なリアクトルが設置され、リアクトルの一端が整流器93(ダイオードD31,D33,D35のカソード側)に接続され、リアクトルの他端がダイオードD1のアノード側及びコンバータ用スイッチング素子S1の一端に接続されるが、本実施形態の発電用DC−DCコンバータ94では、このリアクトルが設置されていない。なお、発電用DC−DCコンバータ94の出力側には、蓄電装置42と並列に平滑コンデンサが設けられていてもよい。また、発電用DC−DCコンバータ94の構成は、図4に示す構成に限られるものではなく、他の構成を用いることも可能であり、さらに、昇圧コンバータの代わりに降圧コンバータや昇降圧コンバータを設けることも可能である。
【0026】
電子制御ユニット50は、モータ用インバータ40のインバータ用スイッチング素子S21〜S26のスイッチング動作を制御することで、ステータ巻線20U,20V,20Wに流れる交流電流を制御する。そして、電子制御ユニット50は、発電用DC−DCコンバータ94のコンバータ用スイッチング素子S1をスイッチング動作するときのデューティ比を制御することで、発電用DC−DCコンバータ94での電圧変換比を制御して、ロータ巻線30U,30V,30Wに流れる交流電流を制御する。さらに、電子制御ユニット50は、エンジン36の運転状態の制御、及び変速機44の変速比の制御も行う。さらに、電子制御ユニット50は、クラッチ48の係合/解放を切り替えることで、入力側ロータ28と出力側ロータ18との機械的係合/その解除を切り替える制御も行う。
【0027】
モータ用インバータ40のスイッチング動作により複数相のステータ巻線20に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、ステータ巻線20は、ステータ周方向に回転する回転磁界を発生する。そして、ステータ巻線20で発生した回転磁界と永久磁石32で発生した界磁束との電磁気相互作用(吸引及び反発作用)により、出力側ロータ18にトルク(磁石トルク)を作用させることができ、出力側ロータ18を回転駆動することができる。つまり、ステータ巻線20には、出力側ロータ18に動力(機械的動力)を発生させるための交流電力が供給され、モータ用インバータ40のスイッチング動作により、蓄電装置42(あるいは発電用DC−DCコンバータ94)からステータ巻線20に供給された電力を出力側ロータ18の動力に変換することができる。さらに、モータ用インバータ40は、ステータ巻線20の各相に流れる交流電流を直流に変換して、電気エネルギーを蓄電装置42に回収する方向の変換も可能である。その場合は、出力側ロータ18の動力がステータ巻線20の電力に変換されて蓄電装置42に回収される。このように、ステータ16のステータ巻線20と出力側ロータ18の永久磁石32とが電磁気的に結合されていることで、ステータ巻線20で発生する回転磁界を出力側ロータ18に作用させて、ステータ16と出力側ロータ18との間にトルク(磁石トルク)を作用させることができる。さらに、例えば図5に示すように、永久磁石32間に突極部として磁性体(強磁性体)がステータ16(ティース51a)と対向して配置されている例や、永久磁石32が出力側ロータ18内(ロータコア53内)に埋設されている例では、ステータ16の発生する回転磁界が出力側ロータ18に作用するのに応じて、磁石トルクに加えてリラクタンストルクもステータ16と出力側ロータ18との間に作用する。そして、インバータ40は双方向の電力変換が可能であり、蓄電装置42はステータ巻線20に対して電力の送受が可能である。
【0028】
また、入力側ロータ28が出力側ロータ18に対し相対回転して入力側ロータ28(ロータ巻線30)と出力側ロータ18(永久磁石33)との間に回転差が生じるのに伴ってロータ巻線30に誘導起電力が発生し、この誘導起電力に起因してロータ巻線30に誘導電流が流れることで回転磁界が生じる。そして、ロータ巻線30の誘導電流により生じる回転磁界と永久磁石33の界磁束との電磁気相互作用によっても、出力側ロータ18にトルクを作用させることができ、出力側ロータ18を回転駆動することができる。このように、入力側ロータ28のロータ巻線30と出力側ロータ18の永久磁石33とが電磁気的に結合されていることで、ロータ巻線30で発生する回転磁界が出力側ロータ18に作用するのに応じて、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間にトルク(磁石トルク)が作用する。そのため、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間で動力(機械的動力)を伝達することができ、電磁カップリング機能を実現することができる。
【0029】
ロータ巻線30の誘導電流により入力側ロータ28と出力側ロータ18との間にトルク(電磁カップリングトルク)を発生させる際には、電子制御ユニット50は、発電用DC−DCコンバータ94の出力電圧が蓄電装置42の電圧よりも高くなるように発電用DC−DCコンバータ94での電圧変換比(昇圧比)を制御する。これによって、発電用DC−DCコンバータ94から蓄電装置42とモータ用インバータ40間の配線へ電流が流れ、ロータ巻線30に誘導電流が流れるため、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間に電磁カップリングトルクが作用する。その際には、電子制御ユニット50は、発電用DC−DCコンバータ94での電圧変換比の制御によりロータ巻線30に流れる交流電流を制御することで、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間に作用する電磁カップリングトルクを制御することができる(特許文献2,3も参照されたい)。一方、電子制御ユニット50は、モータ用インバータ40のスイッチング動作を行わない状態で発電用DC−DCコンバータ94の出力電圧が蓄電装置42の電圧よりも低くなるように発電用DC−DCコンバータ94での電圧変換比を制御することで、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間に回転差が生じてもロータ巻線30に誘導電流が流れなくなり、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間に電磁カップリングトルクは作用しなくなる。また、発電用DC−DCコンバータ94のコンバータ用スイッチング素子S1をオフ状態に維持して発電用DC−DCコンバータ94による電圧変換(昇圧)を停止させることによっても、ロータ巻線30に誘導電流が流れなくなり、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間に電磁カップリングトルクは作用しなくなる。
【0030】
次に、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置の動作、特に、車輪38を回転駆動する場合の動作について説明する。
【0031】
エンジン36が動力を発生している場合は、エンジン36の動力が入力側ロータ28に伝達され、入力側ロータ28が回転駆動する。入力側ロータ28の回転速度が出力側ロータ18の回転速度より高くなると、ロータ巻線30に誘導起電力が発生する。電子制御ユニット50は、発電用DC−DCコンバータ94の出力電圧が蓄電装置42の電圧よりも高くなるように発電用DC−DCコンバータ94での電圧変換比を制御することで、ロータ巻線30に誘導電流が流れ、この誘導電流と永久磁石33の界磁束との電磁気相互作用により出力側ロータ18にトルクが作用して出力側ロータ18が回転駆動する。このように、入力側ロータ28に伝達されたエンジン36からの動力は、入力側ロータ28のロータ巻線30と出力側ロータ18の永久磁石33との電磁気結合によって、出力側ロータ18へ伝達される。出力側ロータ18に伝達された動力は、変速機44で変速されてから車輪38へ伝達されることで、車両の駆動等、負荷の駆動に用いられる。したがって、エンジン36の動力を用いて車輪38を回転駆動することができる。さらに、入力側ロータ28と出力側ロータ18との回転差を許容することができるため、車輪38の回転が停止してもエンジン36がストールすることはなく、回転電機10を発進装置として機能させることができる。そのため、摩擦クラッチやトルクコンバータ等の発進装置を別に設ける必要がなくなる。さらに、蓄電装置42からステータ巻線20への電力供給を行うことなく、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間で動力伝達を行うことができるため、蓄電装置42の蓄電量が少ない場合や極低温時等においても、エンジン36からの動力を車輪38へ伝達することができる。
【0032】
さらに、エンジン36からの動力を利用してロータ巻線30に発生した交流電力は、スリップリング95及びブラシ96を介して取り出される。取り出された交流電力は整流器93で直流に整流され、整流された直流電力は発電用DC−DCコンバータ94で電圧変換される。そして、発電用DC−DCコンバータ94からの直流電力がモータ用インバータ40で交流に変換されてからステータ巻線20に供給されることで、ステータ16に回転磁界が形成される。このステータ16の回転磁界と出力側ロータ18の永久磁石32の界磁束との電磁気相互作用によっても、出力側ロータ18にトルクが作用する。これによって、出力側ロータ18のトルクを増幅させるトルク増幅機能を実現することができる。また、発電用DC−DCコンバータ94からの直流電力を蓄電装置42に回収することも可能である。
【0033】
さらに、蓄電装置42からステータ巻線20へ電力供給するようにモータ用インバータ40のスイッチング動作を制御することで、エンジン36の動力を用いて車輪38を回転駆動するとともに、ステータ巻線20への供給電力を用いて発生させた出力側ロータ18の動力により車輪38の回転駆動をアシストすることができる。また、負荷の減速運転時には、電子制御ユニット50は、ステータ巻線20から蓄電装置42へ電力回収するようにモータ用インバータ40のスイッチング動作を制御することで、負荷の動力をステータ巻線20と永久磁石32との電磁気結合によってステータ巻線20の電力に変換して蓄電装置42に回収することができる。
【0034】
また、車速(車輪38の回転速度)がある一定速度以上となり、(出力側ロータ18の回転速度)>(入力側ロータ28の回転速度)が成立する場合には、クラッチ48を係合して入力側ロータ28と出力側ロータ18とを機械的に連結することで、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間のすべりに伴ってロータ巻線30に誘導電流が流れることで生じるジュール損失を抑えることができる。また、クラッチ48を係合する場合は、クラッチ48の締結力を調整することで、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間で伝達されるトルクを制限することができる。したがって、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間で衝撃トルクの伝達を抑制することができる。
【0035】
また、エンジン36の動力を用いずに回転電機10の動力を用いて負荷を駆動する(車輪38を回転駆動する)EV(Electric Vehicle)走行を行う場合は、電子制御ユニット50は、モータ用インバータ40のスイッチング動作を制御することで、負荷の駆動制御を行う。例えば、電子制御ユニット50は、蓄電装置42からの直流電力を交流に変換してステータ巻線20へ供給するように、モータ用インバータ40のスイッチング動作を制御することで、ステータ巻線20への供給電力をステータ巻線20と永久磁石32との電磁気結合によって出力側ロータ18の動力に変換し、車輪38を回転駆動する。このように、エンジン36が動力を発生していなくても、ステータ巻線20への電力供給により車輪38を回転駆動することができる。
【0036】
本実施形態では、エンジン36の動力を用いて車輪38を回転駆動する場合に、発電用DC−DCコンバータ94での電圧変換比(コンバータ用スイッチング素子S1をスイッチング動作するときのデューティ比)の制御によりロータ巻線30に流れる交流電流を制御することで、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間に作用する電磁カップリングトルクを制御することが可能となる。発電用DC−DCコンバータ94での電圧変換比を制御することで入力側ロータ28と出力側ロータ18との間に作用する電磁カップリングトルクを制御するためには、コンバータ用スイッチング素子S1のスイッチング動作により、リアクトルにおける電磁エネルギーの貯蔵・放出を繰り返して行う必要がある。これに対して本実施形態では、発電用DC−DCコンバータ94がロータ巻線30のインダクタンスをリアクトルとして利用して電圧変換を行うことで、発電用DC−DCコンバータ94内にリアクトルを別途設置することなく、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間に電磁カップリングトルクを作用させることができる。その結果、ロータ巻線30と蓄電装置42との間で電力変換を行う電力変換装置の大型化及びコスト高を招くことなく、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間に作用する電磁カップリングトルクを制御することができる。
【0037】
なお、発電用DC−DCコンバータ94内にリアクトルが別途設置され、リアクトルの一端が整流器93(ダイオードD31,D33,D35のカソード側)に接続され、リアクトルの他端がダイオードD1のアノード側及びコンバータ用スイッチング素子S1の一端に接続されている場合は、コンバータ用スイッチング素子S1のスイッチング動作により、ロータ巻線30及び発電用DC−DCコンバータ94内のリアクトルの両方において電磁エネルギーの貯蔵・放出が繰り返される。その場合は、コンバータ用スイッチング素子S1のスイッチング動作時に、ロータ巻線30と発電用DC−DCコンバータ94内のリアクトルとの間に配置された整流器93のダイオードD31〜D36に過大電圧が印加される虞が生じる。これに対して本実施形態では、発電用DC−DCコンバータ94内にリアクトルが別途設置されていないため、コンバータ用スイッチング素子S1のスイッチング動作時に、整流器93のダイオードD31〜D36に過大電圧が印加されるのを防止することができる。
【0038】
本実施形態では、回転電機10の入力軸34と出力軸24とを入れ替えることもできる。すなわち、第2ロータ18がエンジン36に機械的に連結され、第1ロータ28が変速機44を介して車輪38に機械的に連結されていてもよい。この場合は、エンジン36からの動力が第2ロータ18に伝達され、第1ロータ28からの動力が変速機44で変速されて車輪38に伝達されるため、第2ロータ18が入力側ロータとなり、第1ロータ28が出力側ロータとなる。その場合でも、発電用DC−DCコンバータ94における電圧変換比を制御することで、第2ロータ18と第1ロータ28との間に作用するトルク(電磁カップリングトルク)を制御することができる。
【0039】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
10 回転電機、16 ステータ、18 第2ロータ(出力側ロータ)、20 ステータ巻線、24 出力軸、28 第1ロータ(入力側ロータ)、30 ロータ巻線、32,33 永久磁石、34 入力軸、36 エンジン、38 車輪、40 モータ用インバータ、42 蓄電装置、44 変速機、48 クラッチ、50 電子制御ユニット、93 整流器、94 発電用DC−DCコンバータ、95 スリップリング、96 ブラシ、D1,D21〜D26,D31〜D36 ダイオード、S1 コンバータ用スイッチング素子、S21〜S26 インバータ用スイッチング素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電流が流れることで回転磁界を発生可能な回転子巻線が配設された第1回転子と、
交流電流が流れることで回転磁界を発生可能な固定子巻線が配設された固定子と、
第1回転子に対し相対回転可能な第2回転子であって、回転子巻線で発生した回転磁界が作用するのに応じて第1回転子との間にトルクが作用し、固定子巻線で発生した回転磁界が作用するのに応じて固定子との間にトルクが作用する第2回転子と、
回転子巻線と蓄電装置との間で電力変換を行う電力変換装置と、
を備え、
第1及び第2回転子の一方に原動機からの動力が伝達され、第1及び第2回転子の他方から負荷へ動力が伝達される動力伝達装置であって、
電力変換装置は、
回転子巻線に接続された整流素子により回転子巻線に発生した交流電力を整流する整流器と、
スイッチング素子のスイッチング動作によりリアクトルに一時的に蓄積されるエネルギーを利用して整流素子により整流される電力を電圧変換して出力するDC−DCコンバータであって、回転子巻線をリアクトルとして利用して整流素子により整流される電力を電圧変換するDC−DCコンバータと、
を含み、回転子巻線側から蓄電装置側への電力変換を行い、
DC−DCコンバータで電圧変換された直流電力と蓄電装置からの直流電力とのいずれかがインバータで交流に変換されて固定子巻線へ供給可能である、動力伝達装置。
【請求項2】
請求項1に記載の動力伝達装置であって、
電力変換装置は、蓄電装置側から回転子巻線側への電力変換を行わない、動力伝達装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の動力伝達装置であって、
回転子巻線は3相巻線であり、
整流器は、回転子巻線の各相毎に対応して互いに並列に設けられた複数の整流アームであって、その各々が直列接続された1対の整流素子を含む複数の整流アームを有し、
回転子巻線の各相が、対応する整流アームの整流素子間の中点に接続されており、
DC−DCコンバータは、3相の回転子巻線のうち、電圧の最も高い回転子巻線と電圧の最も低い回転子巻線とをリアクトルとして利用して整流素子により整流される電力を電圧変換する、動力伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−194967(P2011−194967A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62294(P2010−62294)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】