説明

半導体チップのピックアップ装置及び半導体チップの製造方法

【課題】 半導体チップにAu膜を形成すると、半導体チップとウエハシートとの粘着力が高まり、ウエハシートを剥離し難くなる。
【解決手段】 保持機構が、相互に分離された複数の半導体チップが表面に貼付されたウエハシートを保持する。吸着ステージが、保持機構に保持されたウエハシートの背面に対向するように配置され、少なくとも、第1の方向に隣り合う2つの半導体チップに対応する領域に対向し、該ウエハシートに対向する対向面に凹凸が設けられている。保持機構に保持されたウエハシートの背面に、対向面の凸部の頂部を接触させた状態で、排気装置が、該対向面と該ウエハシートとの間の空間を減圧する。対向面に、第1の方向に並んだ2つの半導体チップのうち一方に重なる第1の領域と、他方に重なる第2の領域とが画定されており、第2の領域内の凸部の頂部は、第1の領域内の凸部の頂部を第1の方向に並進移動させても重ならないように分布している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハシートから半導体チップをピックアップする装置、及び半導体チップの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面に集積回路が形成されたウエハを粘着性のウエハシートに貼り付けた状態で、個々の半導体チップに分離することによって、半導体素子が得られる。半導体チップが貼付されたウエハシートを、複数の突起が形成されたステージに載置して吸引することにより、半導体チップの一部の領域において、ウエハシートを半導体チップから剥離させることができる。
【0003】
また、ウエハシートに貼付された半導体チップの中央部近傍を、ウエハシートの背面から突き上げることにより、半導体チップの端部近傍において、ウエハシートを半導体チップから剥離させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−335405号公報
【特許文献2】特開2002−164305号公報
【特許文献3】特開平10−189690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、半導体素子の高密度実装が進み、また半導体素子が高性能になるに従い、半導体素子に高い放熱特性が要求されるようになってきた。半導体チップを薄型化することにより、放熱特性を改善することができる。半導体チップが薄くなると、その機械的強度が低下する。このため、ウエハシートの背面から半導体チップを突き上げたときに、半導体チップが、割れやひび等の損傷を受けやすくなる。
【0006】
また、放熱特性をより高めるために、半導体チップの背面にAu膜をスパッタリング等により形成する場合がある。半導体チップにAu膜を形成すると、半導体チップとウエハシートとの粘着力が高まり、ウエハシートを剥離し難くなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によると、
相互に分離された複数の半導体チップが表面に貼付されたウエハシートを保持する保持機構と、
前記保持機構に保持されたウエハシートの背面に対向するように配置され、少なくとも、第1の方向に隣り合う2つの半導体チップに対応する領域に対向し、該ウエハシートに対向する対向面に凹凸が設けられている吸着ステージと、
前記保持機構に保持されたウエハシートの背面に、前記対向面の凸部の頂部を接触させた状態で、該対向面と該ウエハシートとの間の空間を減圧する排気装置と
を有し、
前記対向面に、前記第1の方向に並んだ2つの半導体チップのうち一方に重なる第1の領域と、他方に重なる第2の領域とが画定されており、前記第2の領域内の凸部の頂部は、前記第1の領域内の凸部の頂部を前記第1の方向に並進移動させても重ならないように分布していることを特徴とする半導体チップのピックアップ装置が提供される。
【0008】
本発明の他の観点によると、
相互に分離された複数の半導体チップが表面に貼付されたウエハシートから、前記半導体チップをピックアップする半導体チップの製造方法であって、
前記ウエハシートの背面のうち、少なくとも1つの前記半導体チップに対応するチップ領域の一部の領域である吸着領域に吸着ステージを接触させ、該吸着ステージを接触させた状態で前記ウエハシートと前記吸着ステージとの間の空間を減圧し、
次いで、前記ウエハシートの背面のうち、前記チップ領域内であって、かつ前記吸着領域とは異なる領域に、前記吸着ステージを接触させ、該吸着ステージを接触させた状態で前記ウエハシートと前記吸着ステージとの間の空間を減圧し、
次いで、前記チップ領域に対応する前記半導体チップを、前記ウエハシートからピックアップする
ことを特徴とする半導体チップの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
ウエハシートと吸着ステージとの間の空間を減圧することにより、ウエハシートを半導体チップから剥離させることができる。剥離させる工程を2回行うことにより、半導体チップのより広い領域において、ウエハシートを半導体チップから剥離させることができる。これにより、ピックアップが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1による半導体素子の製造方法に用いられるピックアップ装置の概略断面図である。
【図2】(2A)は、実施例1で用いられるピックアップ装置の吸着ステージの平面図であり、(2B)及び(2C)は、それぞれ(2A)の一点鎖線2B−2Bにおける断面図及び2C−2Cにおける断面図である。
【図3】実施例1による半導体素子の製造方法のフローチャートである。
【図4−1】(4Aa)及び(4Ab)は、それぞれ実施例1による半導体素子の製造方法の途中段階における半導体チップ及び吸着ステージ部分の断面図及び平面図である。
【図4−2】(4Ba)及び(4Bb)は、それぞれ実施例1による半導体素子の製造方法の途中段階における半導体チップ及び吸着ステージ部分の断面図及び平面図である。
【図4−3】(4C)及び(4D)は、実施例1による半導体素子の製造方法の途中段階における半導体チップ及び吸着ステージ部分の断面図である。
【図4−4】(4Ea)及び(4Eb)は、それぞれ実施例1による半導体素子の製造方法の途中段階における半導体チップ及び吸着ステージ部分の断面図及び平面図である。
【図4−5】(4Fa)及び(4Fb)は、それぞれ実施例1による半導体素子の製造方法の途中段階における半導体チップ及び吸着ステージ部分の断面図及び平面図である。
【図4−6】(4G)〜(4I)は、実施例1による半導体素子の製造方法の途中段階における半導体チップ及び吸着ステージ部分の断面図である。
【図4−7】(4J)〜(4L)は、実施例1による半導体素子の製造方法の途中段階における半導体チップ及び吸着ステージ部分の断面図である。
【図5】実施例2によるピックアップ装置の吸着ステージの平面図である。
【図6】実施例2による半導体素子の製造方法のフローチャートである。
【図7−1】(7Aa)及び(7Ab)は、それぞれ実施例2による半導体素子の製造方法の途中段階における半導体チップ及び吸着ステージ部分の断面図及び平面図である。
【図7−2】(7Ba)及び(7Bb)は、それぞれ実施例2による半導体素子の製造方法の途中段階における半導体チップ及び吸着ステージ部分の断面図及び平面図である。
【図8】実施例2によるピックアップ装置を用いてピックアップする順番を示すウエハの平面図である。
【図9】実施例3によるピックアップ装置の吸着ステージの平面図である。
【図10】(10A)及び(10B)は、実施例3による半導体素子の製造方法の途中段階における半導体チップ及び吸着ステージ部分の平面図である。
【図11】実施例4によるピックアップ装置の吸着ステージの平面図である。
【図12】実施例4によるピックアップ装置を用いてピックアップする順番を示すウエハの平面図である。
【図13】実施例5によるピックアップ装置の吸着ステージの平面図である。
【図14】(14A)及び(14B)は、それぞれ実施例6及びその変形例によるピックアップ装置の吸着ステージの対向面の平面図である。
【図15】(15A)及び(15B)は、実施例7によるピックアップ装置の吸着ステージの平面図である。
【図16】(16A)及び(16B)は、実施例7によるピックアップ装置の突き上げブロックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照しながら、実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
図1に、実施例1によるピックアップ装置の概略断面図を示す。複数の半導体チップ22が貼付されたウエハシート20が、保持機構31等により保持され、吸着ステージ30と吸着コレット32との間に位置する。ウエハシート20の一方の表面は粘着性を有する粘着面であり、この粘着面に、複数の半導体チップ22が貼付されている。ウエハシート20に貼付された半導体チップ22同士は、相互に分離されている。ウエハシート20は、その外周(保持機構31の外側)においてウエハフレーム21に支持されている。
【0013】
保持機構31がウエハシート20を押さえる位置は、ウエハフレーム21よりも内側である。保持機構31は、ウエハシート20をウエハシート20の下側から押さえ、ウエハフレーム21は、ウエハシート20をウエハシート20の上側から押さえる。すなわち、保持機構31が、ウエハフレーム21よりもやや内側において、ウエハシート20を支持する。このように、ウエハシート20が保持機構31及びウエハフレーム21によって支持された状態で、ウエハフレーム21に荷重が印加され、ウエハフレーム21が図1の矢印方向に移動する。その結果、ウエハシート20が中央から外周に向かって引き伸ばされる。ウエハシート20の背面には、吸着ステージ30が位置し、吸着ステージ30は、ウエハシート20を挟んでウエハシート20の表面に貼付された半導体チップ22と対向する。また、図1に示すように、ウエハシート20及び半導体チップ22を挟んで吸着ステージ30と対向する位置に、吸着コレット32が配置される。
【0014】
ウエハシート20の面に平行な面をxy面とし、ウエハシート20の粘着面の法線方向をz軸とするxyz直交座標系を定義する。半導体チップ22は、x方向及びy方向をそれぞれ行方向及び列方向とする行列状に配置されている。吸着ステージ30は、xyz直交座標系のz軸方向に移動可能である。吸着ステージ30は、ウエハシート20に近づけた状態で、ウエハシート20を吸着することができる。吸着ステージ30がウエハシート20から離れると、保持機構31がウエハシート20を、x方向及びy方向に移動させることができる。吸着コレット32は、半導体チップ22を吸着してウエハシート20からピックアップし、半導体チップ22を吸着した状態で、半導体チップ22をリードフレームやマウント基板まで移送する。
【0015】
図2Aに、吸着ステージ30の平面図を示す。ウエハシート20を下側から押し上げる対向部材36が、その外周に設けられた円筒状のステージ枠35の内側に配置されている。対向部材36は、図1に示したウエハシート20の背面に対向するように配置されている。ウエハシート20の面のうち、ウエハシート20に対向する面(以下、対向面という。)に凹凸が形成されている。ここで、凹凸とは、例えば、図2Bに示すように、相互に合同の正四角錘形状の凸部36Bが、x方向及びy方向を行方向及び列方向とする行列状に隈なく配置されたものである。この正四角錘の各々の頂点が、凸部36Bの頂部となる。凹凸が形成された正方形の領域(凸部36Bが分布する領域)は、図1に示した1つの半導体チップ22の大きさとほぼ等しい。
【0016】
正四角錘の底面の一辺の長さをaとする。すなわち、これらの凸部の頂部は、x方向及びy方向に、ピッチaで配列する。
【0017】
凹凸が形成された正方形の領域の各辺よりもやや外側に、各辺に沿って開口37が形成されている。凹凸が形成された領域内に、複数の貫通孔38が形成されている。貫通孔38は、凸部36Bの頂部以外の領域に配置される。例えば、正四角錘の底面の角の位置に配置される。図2Aに示した例では、5つの貫通孔38が形成されている。このうち4つの貫通孔38が、正方形の各頂点に対応する位置に配置され、残りの1つの貫通孔38は、この正方形の中心に配置されている。貫通孔38内に、それぞれ突き上げピン41が挿入されている。
【0018】
図2B及び図2Cに、それぞれ図2Aの一点鎖線2B−2Bにおける断面図、及び2C−2Cにおける断面図を示す。ステージ枠35の一方の端部(図2Bにおいて上端)が、対向部材36で閉じられている。図2Aを参照して説明したように、対向部材36の対向面36Aに凹凸が形成されている。図2Bに示した断面では、凸部36Bの断面は三角形である。凸部36Bの頂部と、ステージ枠35の端部とは、ほぼ同じ高さになるような位置関係を有する。
【0019】
ステージ枠35内に突き上げユニット40Aが装着されている。突き上げユニット40Aの上に、突き上げブロック40Bが配置されている。突き上げブロック40Bに突き上げピン41が取り付けられている。突き上げピン41は、貫通孔38内を貫通し、その先端が対向部材36の対向面36Aから外側に突出している。突き上げユニット40A及び突き上げブロック40Bはステージ枠35に対して軸方向に移動可能である。これにより、対向面36Aから突き上げピン41が突出する量を変化させることができる。
【0020】
突き上げユニット40A内に、ガスが流通する流路43が形成されている。流路43に真空ポンプ等の吸引装置45が接続されている。吸引装置45を動作させると、突き上げユニット40Aと対向部材36との間の空間が減圧される。ステージ枠35の先端及び凸部36Bの頂部を、図1に示したウエハシート20に接触させて、吸引装置45を動作させると、対向面36Aとウエハシート20との間の空間が、開口37及び流路43を介して減圧され、ウエハシート20が吸着ステージ30に吸引される。
【0021】
図3、図4Aa〜図4Lを参照して、半導体チップのピックアップ方法について説明する。
【0022】
図3に、実施例1による半導体チップのピックアップ方法のフローチャートを示す。まず、図1に示した保持機構31を駆動して、剥離対象の半導体チップ22を、吸着ステージ30と重なる位置に移動させる(ステップSA1)。
【0023】
図4Aaに示すように、吸着ステージ30をウエハシート22に近づけ、凸部36Bの頂部Tをウエハシート20の背面に接触させる(ステップSA2)。このとき、突き上げピン41の先端は、頂部Tよりも低い位置に保持されている。半導体チップ22の中心Cは、対向面36Aの凹凸が形成された領域の中心Cからx方向に、ピッチaの1/2だけずれている。この状態で、図1に示した排気装置45を動作させ、ウエハシート20を吸引する(ステップSA3)。これにより、凸部36Bの頂部Tで支えられていない領域のウエハシート20が半導体チップ22から剥離される。
【0024】
図4Abに、図4Aaに示した状態の平面図を示す。図4Abの一点鎖線4Aa−4Aaにおける断面図が図4Aaに相当する。凸部36Bの頂部Tの近傍の領域では、ウエハシート20と半導体チップ22との接着が維持されている。半導体チップ22とウエハシート20との接着が維持されている領域を、接着領域25と呼ぶこととする。その他の領域では、ウエハシート20が半導体チップ22から剥離されている。ウエハシート20が半導体チップ22から剥離されている領域を、剥離領域26ということとする。
【0025】
図4Baに示すように、吸着ステージ30による吸引を停止させる(ステップSA4)。これにより、ウエハシート20は、その弾性により平坦な状態に戻る。ただし、図4Bbに示すように、吸引時に一旦剥離した剥離領域26においては、ウエハシート20が半導体チップ22に再接着されることはなく、剥離された状態が維持される。
【0026】
図4Cに示すように、吸着ステージ30をz方向に移動させて、ウエハシート20から離す(ステップSA5)。
【0027】
図4Dに示すように、ウエハシート20をx方向にピッチaの1/2だけ移動させることにより、平面視において、半導体チップ22の中心Cを、対向面36Aの凹凸が形成された領域の中心Cに一致させる(ステップSA6)。
【0028】
図4Eaに示すように、吸着ステージ30を上昇させて、凸部36Bの頂部Tをウエハシート20の背面に接触させる(ステップSA7)。
【0029】
図4Ebに、図4Eaの状態の平面図を示す。頂部Tが、接着領域25からx方向にずれており、頂部Tは、剥離領域26においてウエハシート20に接触する。すなわち、1回目の吸引時に、頂部Tに接触していた領域とは異なる領域に、頂部Tが接触する。また、1回目の吸引時に頂部Tに接触していた領域には、頂部Tが接触しない。
【0030】
図4Faに示すように、吸着ステージ30による吸引を開始する(ステップSA8)。2回目の吸引により、ウエハシート20のうち、1回目の吸引時に剥離しなかった接着領域25(図4Eb)において、ウエハシート20が半導体チップ22から剥離される。図4Fbに示すように、半導体チップ22のほぼ全域において、ウエハシート20が半導体チップ22から剥離される。
【0031】
図4Gに示すように、突き上げユニット40A及び突き上げブロック40Bを上昇させ、突き上げピン41を、凸部36Bの頂部Tよりも高い位置まで突出させる(ステップSA9)。これにより、半導体チップ22がウエハシート20から持ち上げられる。
【0032】
図4Hに示すように、吸着コレット32を吸着ステージ30に対向する位置まで移動させ、吸着コレット32の先端を半導体チップ22に接触させる(ステップSA10)。吸着コレット32による吸引を開始し、半導体チップ22を吸着コレット32に吸着させる(ステップSA11)。
【0033】
図4Iに示すように、吸着ステージ30による吸引を停止させる(ステップSA12)。ウエハシート20は、その弾性により、複数の突き上げピン41で突き上げられた領域のみがやや盛り上がった状態になる。
【0034】
図4Jに示すように、吸着コレット32を上昇させることにより、半導体チップ22をウエハシート20からピックアップする(ステップSA13)。
【0035】
図4Kに示すように、突き上げユニット40A、突き上げブロック40B及び突き上げピン41を下降させる(ステップSA14)。これにより、ウエハシート20がほぼ平坦な状態に戻る。
【0036】
図4Lに示すように、吸着ステージ30を下降させ、ウエハシート20から離す(ステップSA15)。
【0037】
ウエハシート20から良品の半導体チップがすべてピックアップされたか否かを判定する(ステップSA16)。良品の半導体チップがすべてピックアップされた場合には、処理を終了する。良品の半導体チップが残っている場合には、ステップSA1に戻り、次に取り上げるべき半導体チップ22aが吸着ステージ30と重なるまで、ウエハシート20を移動させる。その後の工程は、図4Aa及び図4Ab以降の工程と共通である。
【0038】
上記実施例1では、図4Aa及び図4Abに示した1回目の吸引、及び図4Fa及び図4Fbに示した2回目の吸引で、半導体チップ22のほぼ全域において、ウエハシート20が半導体チップ22から剥離されている。このため、半導体チップ22を突き上げる際(図4G)に、半導体チップ22の割れ等の損傷の発生が防止される。さらに、半導体チップ22をピックアップする際(図4J)に、半導体チップ22がウエハシート20上に残ることなく、半導体チップ22をウエハシート20から再現性よくピックアップすることができる。
【0039】
実施例1では、1回目の吸引時(図4Aa、図4Ab)に吸着ステージ30に接触していた領域の全域が、2回目の吸引時(図4Ea、図4Eb)に、吸着ステージ30に接触していない。他の例として、1回目の吸引時に吸着ステージ30に接触していた領域の少なくとも一部分が、2回目の吸引時に、吸着ステージ30に接触せず、他の部分が吸着ステージ30に接触していてもよい。この場合には、1回目の吸引時と2回目の吸引時との両方で吸着ステージ30に接触していた領域においては、ウエハシート20が半導体チップ22から剥離されない。ただし、1回のみ吸引を行う場合に比べて、より広い領域でウエハシート20を剥離させることができる。
【実施例2】
【0040】
図5に、実施例2によるピックアップ装置の吸着ステージ30の平面図を示す。以下、図2Aに示した実施例1の吸着ステージ30との相違点に着目して説明し、同一の構成については説明を省略する。
【0041】
実施例1では、対向面36Aのうち凹凸が形成された領域が、半導体チップ22とほぼ同じ大きさであった。実施例2では、凹凸が形成された領域が、x方向に並ぶ2つの半導体チップ22とほぼ重なる大きさとされている。凹凸が形成された領域のうち第1の領域50が、一方の半導体チップと重なり、第2の領域51が、他方の半導体チップと重なる。第1の領域50内の凸部の頂部Tをx方向に並進移動すると、第2の領域51内の凸部の頂部Tに一致する。貫通孔38及び突き上げピン41は、第2の領域51内にのみ配置され、第1の領域50内には配置されていない。
【0042】
次に、図6、図7Aa〜図7Bbを参照して、実施例2によるピックアップ装置を用いたピックアップ方法について説明する。
【0043】
図6に、実施例2によるピックアップ装置を用いたピックアップ方法のフローチャートを示す。
【0044】
図7Aaに示すように、ピックアップすべき半導体チップ22が、吸着ステージ30の第1の領域50と重なるように、ウエハシート20を移動させる(ステップSB1)。このとき、半導体チップ22の中心Cは、第1の領域50の中心Cから、頂部Tのピッチaの1/2だけ+x方向または−x方向にずれている。中心Cは、x方向に隣り合う2つの頂部Tの中央に位置する。凸部36Bの頂部T及びTをウエハシート20に接触させた状態で、吸着ステージ30により吸引を行う(ステップSB2、SB3)。
【0045】
図7Abに示すように、頂部Tを含む接着領域25内ではウエハシート20が半導体チップ22に接着されたままであり、接着領域25以外の剥離領域26において、ウエハシート20が半導体チップ22から剥離される。図7Abの一点鎖線7Aa−7Aaにおける断面図が図7Aaに相当する。その後、吸着ステージ30による吸引を停止し(ステップSB4〜SB6))、半導体チップ22が第2の領域51と重なるように、ウエハシート20をx方向に移動させる。
【0046】
図7Baに示すように、半導体チップ22の中心Cが、第2の領域51の中心Cに一致した時点で、ウエハシート20の移動を停止させる(ステップSB6)。中心Cは、x方向に隣り合う2つの頂部T2の中央に位置する。ステップSB6における移動距離は、1チップ分+ピッチaの1/2または1チップ分−ピッチaの1/2である。半導体ウエハ22の隣(後方)に配置されている半導体ウエハ22aが第1の領域50と重なる。後方の半導体ウエハ22aの中心Cは、第1の領域50の中心Cと一致する。この状態で、吸着ステージ30を上昇させて(ステップSB7)、ウエハシート20を吸引する(ステップSB8)。
【0047】
図7Bbに示すように、半導体チップ22内の領域では、x方向に隣り合う接着領域25の間の剥離領域26において、頂部Tがウエハシート20に接触する。図7Bbの一点鎖線7Ba−7Baにおける断面図が図7Baに相当する。吸引を行うと、半導体チップ22内の接着領域25において、ウエハシート20が半導体チップ22から剥離される。後方の半導体チップ22a内においては、頂部Tを含む接着領域25a内でウエハシート20が半導体チップ22aに接着されたままであり、それ以外の剥離領域26aでは、ウエハシート20が半導体チップ22aから剥離される。
【0048】
その後、実施例1と同様に、突き上げピン41による半導体チップ22の突き上げ(ステップSB9)、吸着コレットによる半導体チップ22のピックアップを行う(ステップSB10〜SB15)。半導体チップ22のほぼ全域において、ウエハシート20が半導体チップ22から剥離されているため、半導体チップ22をウエハシート20から容易にピックアップすることができる。
【0049】
ウエハシート20から良品の半導体チップがすべてピックアップされたか否かを判定する(ステップSB16)。良品の半導体チップがすべてピックアップされた場合には、処理を終了する。良品の半導体チップが残っている場合には、ステップSB6に戻り、後方の半導体チップ22aを第2の領域51と重ねた後、ウエハシート20の吸引、半導体チップ22aの突き上げ及びピックアップを行う。このとき、半導体チップ22aの中心Cを、第2の領域51の中心Cから、ピッチaの1/2だけx方向にずらして配置する。これにより、半導体チップ22aのほぼ全域において、ウエハシート20を半導体チップ22aから剥離させることができる。
【0050】
実施例2では、図7Ba及び図7Bbに示した状態で、半導体チップ22に対して2回目の吸引を行うと同時に、後方の半導体チップ22aに対して1回目の吸引が行われる。このため、実施例1の方法に比べて、1枚のウエハのすべての半導体チップをウエハシートからピックアップする時間を短縮することができる。
【0051】
図8に、ウエハ53内の複数の半導体チップ22の取り上げの順番の一例を示す。複数の半導体チップ22が行列状に配列している。まず、最下行の右端の半導体チップ22から左に向かってピックアップを進める。左端の半導体チップ22のピックアップが終了すると、1行上の右端の半導体チップ22から左に向かってピックアップを進める。
【0052】
ピックアップが行われている半導体チップ22が吸着ステージ30の第2の領域51と重なっているとき、その左隣の半導体チップ22が、第1の領域50と重なっている。このように、1つの行内においては、右端から左端に向かって一方向に半導体チップ22のピックアップが進められる。
【実施例3】
【0053】
図9に、実施例3によるピックアップ装置の吸着ステージの平面図を示す。以下、図5に示した吸着ステージ30との相違点に着目して説明し、共通部分については説明を省略する。
【0054】
図5に示した実施例2では、第2の領域51内の頂部Tと、第1の領域50内の頂部Tとは、y方向に関して同一の位置に配置されていた。実施例3では、第2の領域51内の頂部Tが、第1の領域50内の頂部Tに対して、y方向にずれて配置されている。ずれ量は、例えばピッチaの1/2である。
【0055】
図10Aに、半導体チップ22に対して1回目の吸引を行うときの平面図を示す。半導体チップ22が第1の領域50と重なる。両者の中心は一致している。この状態で吸引を行う。半導体チップ22内では、頂部Tを含む接着領域25内で、ウエハシート20が半導体チップ22に接着したままになり、それ以外の剥離領域26では、ウエハシート20が半導体チップ22から剥離される。
【0056】
図10Bに、半導体チップ22に対して2回目の吸引を行うときの平面図を示す。半導体チップ22が第2の領域51と重なっている。半導体チップ22内では、y方向に隣り合う2つの接着領域25の間に頂部Tが配置される。この状態で吸引を行うと、接着領域25において、ウエハシート20が半導体チップ22から剥離される。後方の半導体チップ22aが第1の領域50と重なり、1回目の吸引が行われる。
【0057】
実施例3では、半導体チップ22を第1の領域50から第2の領域51まで移動させるときに、x方向の移動距離が目標値からずれても、接着領域25が頂部Tと重なることはない。このため、半導体チップ22の全域で、安定して、ウエハシート20を半導体チップ22から剥離することができる。
【0058】
なお、第1の領域50内の頂部Tを、半導体チップ22のx方向の配列周期に等しい距離だけ並進移動させたとき、第2の領域51内の頂部Tと重ならないように、頂部T及びTを配置してもよい。第1の領域50内の頂部Tを、半導体チップ22のx方向の配列周期に等しい距離だけ並進移動させたときの頂部Tの位置に対して、第2の領域51内の頂部Tがx方向にずれている場合には、実施例3の場合に比べて、半導体チップ22のx方向への移動距離に高い精度が求められる。
【実施例4】
【0059】
図11に、実施例4によるピックアップ装置の吸着ステージの平面図を示す。以下、図9に示した実施例3の吸着ステージ30との相違点に着目して説明し、共通部分については説明を省略する。
【0060】
実施例3では、対向面36Aに第1の領域50と第2の領域51とが設けられていた。実施例4では、さらに第3の領域52が設けられている。図1に示したx方向に並ぶ3つの半導体チップ22のうち、左端の半導体チップ22を第1の領域50に重ね、中央の半導体チップ22を第2の領域51に重ねたとき、右端の半導体チップ22が第3の領域52に重なる。
【0061】
第3の領域52内の頂部Tの位置は、y方向に関して、第2の領域51内の頂部Tの位置からずれている。一例として、第3の領域52内の頂部Tの位置は、y方向に関して、第1の領域50内の頂部Tの位置に一致する。第3の領域52内には、突き上げピン41が配置されていない。
【0062】
1つの半導体チップ22に着目すると、実施例3では、第1の領域50内で1回目の吸引が行われ、第2の領域51内で2回目の吸引及びピックアップが行われた。実施例4では、第3の領域52内で1回目の吸引を行い、第2の領域51内で2回目の吸引及びピックアップを行うことも可能である。
【0063】
図12に、ウエハ53内の複数の半導体チップ22のピックアップの順番の一例を示す。複数の半導体チップ22が行列状に配列している。1つの行内の右端から左端に向かってピックアップを進める場合には、第1の領域50内で1回目の吸引を行い、第2の領域51内で2回目の吸引とピックアップを行う。左端から右端に向かってピックアップを進める場合には、第3の領域52内で1回目の吸引を行い、第2の領域51内で2回目の吸引とピックアップを行う。
【0064】
このように、1つの行の右端から左端に向かう処理、及び左端から右端に向かう処理のいずれの処理も可能である。このため、実施例3に比べて、1枚のウエハ53のピックアップ時間を短縮することができる。
【実施例5】
【0065】
図13に、実施例5によるピックアップ装置の吸着ステージの平面図を示す。以下、図9に示した実施例3の吸着ステージ30との相違点に着目して説明し、共通部分については説明を省略する。
【0066】
実施例3では、対向面36Aに第1の領域50と第2の領域51とが設けられていた。実施例5では、さらに第4の領域53が設けられている。図1に示したx方向に並ぶ3つの半導体チップ22のうち、中央の半導体チップ22を第1の領域50に重ね、右端の半導体チップ22を第2の領域51に重ねたとき、左端の半導体チップ22が第4の領域53に重なる。
【0067】
y方向に関して、第4の領域53内の頂部Tの位置(y座標)は、第1の領域50内の頂部T及び第2の領域51内の頂部Tのいずれの位置(y座標)とも一致しない。例えば、第2の領域51内の頂部Tのy座標は、第1の領域50内の頂部Tをy軸の正の向きにピッチaの1/3だけずらした位置に一致する。第4の領域53内の頂部Tのy座標は、第1の領域50内の頂部Tをy軸の負の向きにピッチaの1/3だけずらした位置に一致する。第4の領域53内には、突き上げピン41が配置されていない。
【0068】
実施例5では、1つの半導体チップに着目すると、第4の領域53内で1回目の吸引を行い、第1の領域50内で2回目の吸引を行い、第2の領域51内で3回目の吸引とピックアップを行う。このように、1枚の半導体チップ22に対して3回の吸引を行うことにより、ウエハシート20の粘着力が強い場合でも、半導体チップ22のピックアップを安定して行うことができる。
【実施例6】
【0069】
図14Aに、実施例6によるピックアップ装置の吸着ステージの対向面の平面図を示す。実施例1〜実施例5では、対向面36Aに形成された凸部の頂部が点状であった。実施例6では、凸部の頂部が直線状である。すなわち、凸部は尾根状である。
【0070】
第1の領域50及び第2の領域51内に、それぞれx方向に延在する直線状の複数の頂部R及びRが、y方向にピッチaで配列している。第2の領域51内の頂部Rのy方向の位置は、第1の領域50内の頂部Rのy方向の位置から、ピッチaの1/2だけずれている。このため、図9に示した実施例3のピックアップ装置と同じ効果が得られる。
【0071】
図14Bに、実施例6の変形例によるピックアップ装置に用いられる吸着装置の対向面の平面図を示す。図14Bに示した例では、第1の領域50内の頂部R及び第2の領域51内の頂部Rが、同心円状に配置されている。頂部Rが描く同心円の各々の半径は、頂部Rが描く同心円のいずれの半径とも一致しない。例えば、半径の増分がaの同心円のうち奇数番目の円周で、第1の領域50内の頂部Rを構成し、偶数番目の円周で、第2の領域51内の頂部Rを構成する。
【0072】
頂部Rの間に谷部Vが形成されており、頂部Rの間に谷部Vが形成されている。頂部R及び頂部Rには、それぞれ切れ目D及びDが設けられている。切れ目D、Dは、対向面に吸着されたウエハシートと、谷部V、Vとの間の空間が、外部から遮断されて密閉されてしまうことを防止する。
【0073】
第1の領域50内の同心円の中心と、第2の領域51内の同心円の中心は、y方向に関して同じ位置に配置され、x方向の間隔は、図1に示した半導体チップ22のx方向のピッチに等しい。半導体チップ22に対して第1の領域50内で1回目の吸引を行い、第2の領域51内で2回目の吸引を行うと、頂部RとRとは、ウエハシート20に、異なる位置で接触する。このため、半導体チップ22のほぼ全域において、ウエハシート20を半導体チップ22から剥離させることができる。
【実施例7】
【0074】
図15Aに、実施例7によるピックアップ装置に用いられる吸着ステージの平面図を示す。以下、図9に示した実施例3によるピックアップ装置の吸着ステージとの相違点に着目して説明し、共通部分については説明を省略する。
【0075】
実施例7では、第2の領域内に、貫通孔38の他に、複数の貫通孔38Aが形成されている。貫通孔38内に、突き上げピン41が挿入されている。
【0076】
図16Aに、突き上げブロック40B及び突き上げピン41の斜視図を示す。この突き上げピン41が、図15Aに示した貫通孔38を通過して、対向面36Aの上に突出する。
【0077】
図16Bに、もう1つの突き上げブロック40Ba及び突き上げピン41aの斜視図を示す。突き上げブロック40Bと、もう1つの突き上げブロック40Baとは、相互に交換可能に、突き上げユニット40Aに装着される。
【0078】
図15Aは、突き上げブロック40Bを吸着ステージ30に装着した状態を示している。図15Bに、もう1つの突き上げブロック40Baを装着した状態を示している。図15Bの状態では、貫通孔38内に突き上げピン41が挿入されず、その代わりに、貫通孔38A内に突き上げピン41aが挿入される。
【0079】
図15Bに示すように、半導体チップ22よりも小さな半導体チップ22Sを第2の領域51に重ねたとき、最外周の突き上げピン41aを結ぶ直線で囲まれた多角形(図15Bの例では正方形)が、半導体チップ22Sに内包される。図15Aに示した最外周の突き上げピン41aを結ぶ直線で囲まれた多角形(図15Aの例では正方形)は、図15Bに示した小さな半導体チップ22Sよりも大きく、大きな半導体チップ22よりも小さい。
【0080】
大きな半導体チップ22のピックアップを行う場合には、図16Aに示した突き上げブロック40Bを突き上げユニット40Aの上に配置して、吸着ステージ30に装着する。小さな半導体チップ22Sのピックアップを行う場合には、図16Bに示した突き上げブロック40Baを突き上げユニット40Aの上に配置して、吸着ステージ30に装着する。このように、2種類の突き上げブロック40B、40Baが準備され、2種類の突き上げブロック40B、40Baの突き上げピン41、41aの位置に対応する貫通孔38、38Aが形成されている。これにより、1つの吸着ステージ30で、チップサイズの異なる半導体チップのピックアップを行うことが可能になる。
【0081】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【符号の説明】
【0082】
20 ウエハシート
21 ウエハフレーム
22 半導体チップ
25 接着領域
26 剥離領域
30 吸着ステージ
31 保持機構
32 吸着コレット
35 ステージ枠
36 対向部材
36A 対向面
36B 凸部
37 開口
38、38A 貫通孔
40A 突き上げユニット
40B、40Ba 突き上げブロック
41、41a 突き上げピン
43 流路
45 排気装置
50 対向面内の第1の領域
51 対向面内の第2の領域
52 対向面内の第3の領域
53 対向面内の第4の領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に分離された複数の半導体チップが表面に貼付されたウエハシートを保持する保持機構と、
前記保持機構に保持されたウエハシートの背面に対向するように配置され、少なくとも、第1の方向に隣り合う2つの半導体チップに対応する領域に対向し、該ウエハシートに対向する対向面に凹凸が設けられている吸着ステージと、
前記保持機構に保持されたウエハシートの背面に、前記対向面の凸部の頂部を接触させた状態で、該対向面と該ウエハシートとの間の空間を減圧する排気装置と
を有し、
前記対向面に、前記第1の方向に並んだ2つの半導体チップのうち一方に重なる第1の領域と、他方に重なる第2の領域とが画定されており、前記第2の領域内の凸部の頂部は、前記第1の領域内の凸部の頂部を前記第1の方向に並進移動させても重ならないように分布していることを特徴とする半導体チップのピックアップ装置。
【請求項2】
前記第1の方向と直交する方向に関して、前記第1の領域内の凸部の頂部の位置には、前記第2の領域内の凸部の頂部が配置されていないことを特徴とする請求項1に記載の半導体チップのピックアップ装置。
【請求項3】
前記吸着ステージの前記対向面は、前記第1の方向に並ぶ3つの半導体チップに対応する領域に対向し、
前記第1の方向に並んだ3つの半導体チップのうち、一方の端の半導体チップを前記第1の領域に重ね、中央の半導体チップを前記第2の領域に重ねたとき、他方の端の半導体チップに重なる第3の領域が前記対向面に画定されており、
前記第2の領域内の凸部の頂部は、前記第3の領域内の凸部の頂部を前記第1の方向に並進移動させても重ならないように分布していることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体チップのピックアップ装置。
【請求項4】
前記ステージの前記対向面は、前記第1の方向に並ぶ3つの半導体チップに対応する領域に対向し、
前記第1の方向に並んだ3つの半導体チップのうち、一方の端の半導体チップを前記第2の領域に重ね、中央の半導体チップを前記第1の領域に重ねたとき、他方の端の半導体チップに重なる第4の領域が前記対向面に画定されており、
前記第2の領域内の凸部の頂部は、前記第4の領域内の凸部の頂部を前記第1の方向に並進移動させても重ならないように分布していることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体チップのピックアップ装置。
【請求項5】
前記吸着ステージは、さらに、
前記第2の領域に重なっている半導体チップを、前記対向面から遠ざける突き上げる突き上げピンが貫通する複数の貫通孔と、
前記貫通孔を貫通する突き上げピンが設けられ、相互に交換可能に装着される第1及び第2の突き上げブロックを含み、
前記第2の領域よりも小さな第1の大きさの半導体チップを前記第2の領域に重ねたとき、前記第1の突き上げブロックに設けられた最外周の突き上げピンを結ぶ直線で囲まれた多角形は、前記第1の大きさの半導体チップに内包され、前記第2の突き上げブロックに設けられた最外周の突き上げピンを結ぶ直線で囲まれた多角形は、前記第1の大きさの半導体チップよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体チップのピックアップ装置。
【請求項6】
相互に分離された複数の半導体チップが表面に貼付されたウエハシートから、前記半導体チップをピックアップする半導体チップの製造方法であって、
前記ウエハシートの背面のうち、少なくとも1つの前記半導体チップに対応するチップ領域の一部の領域である吸着領域に吸着ステージを接触させ、該吸着ステージを接触させた状態で前記ウエハシートと前記吸着ステージとの間の空間を減圧し、
次いで、前記ウエハシートの背面のうち、前記チップ領域内であって、かつ前記吸着領域とは異なる領域に、前記吸着ステージを接触させ、該吸着ステージを接触させた状態で前記ウエハシートと前記吸着ステージとの間の空間を減圧し、
次いで、前記チップ領域に対応する前記半導体チップを、前記ウエハシートからピックアップする
ことを特徴とする半導体チップの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図4−6】
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【図4−7】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−129821(P2011−129821A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289240(P2009−289240)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】