半導体チップ搭載用基板及びその製造方法

【課題】微細配線を形成する場合であっても、ブリッジの発生を低減でき、しかも優れたワイヤボンディング性及びはんだ接続信頼性を得ることが可能な半導体チップ搭載用基板の製造方法及びこれにより得られる半導体チップ搭載用基板を提供することを目的とする。
【解決手段】セミアディティブ法で銅回路を形成する工程において、電解めっきレジストを形成し、電解銅めっきにより銅回路を形成した後に、無電解ニッケルめっき皮膜を形成し、銅回路の上部のみに銅の拡散を抑制するためのバリヤ皮膜である無電解ニッケルめっき皮膜を形成する。次いで、電解めっきレジストを剥離し、導体回路となるべき部分以外の銅をエッチング除去し、ソルダーレジストパターンを形成し、電解ニッケルめっき皮膜が上部に形成された銅回路に、無電解パラジウムめっき皮膜を形成しさらに無電解金めっき皮膜を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップ搭載用基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコン、携帯電話、無線基地局、光通信装置、サーバ及びルータ等の電子機器において、大小問わず、機器の小型化、軽量化、高性能化及び高機能化が進んでいる。また、CPU、DSP及び各種メモリ等のLSIの高速化並びに高機能化とともに、SoC(System on a chip)やSiP(System In Package)等の高密度実装技術の開発も行われている。
【0003】
このため、半導体チップ搭載用基板やマザーボードには、ビルドアップ方式の多層配線基板が使用されるようになっている。また、パッケージの多ピン狭ピッチ化といった実装技術の進歩により、半導体チップ搭載用基板は、QFP(Quad Flat Package)からBGA(Ball Grid Array)/CSP(Chip Size
Package)実装へと進化している。
【0004】
半導体チップ搭載用基板と半導体チップとの接続には、例えば、金ワイヤボンディングが用いられる。また、半導体チップと接続された半導体チップ搭載用基板は、はんだボールによって配線板(マザーボード)と接続される。そのため、半導体チップ搭載用基板は、通常、半導体チップ又は配線板に接続するための接続端子をそれぞれ有している。これらの接続端子には、金ワイヤ又ははんだとの良好な金属接合を確保するために、金めっきが施されることが多い。
【0005】
従来、接続端子に金めっきを施す方法としては、電解金めっきが広く適用されてきた。しかし、最近では、半導体チップ搭載用基板の小型化による配線の高密度化に伴って、接続端子の表面に電解金めっきを施すための配線を確保することが困難になりつつある。そこで、接続端子への金めっき方法として、電解めっきをするためのリード線が不要である無電解金めっき(置換金めっきや還元金めっき)のプロセスが注目され始めている。例えば、下記非特許文献1に記載されているように、端子部分の銅箔表面に、無電解ニッケルめっき皮膜/無電解金めっき皮膜を形成することが知られている。
【0006】
しかしながら、非特許文献2に記載されている通り、無電解ニッケルめっき/無電解金めっきの方法では、電解ニッケルめっき/電解金めっきの方法と比較して、はんだ接続信頼性や熱処理後のワイヤボンディング性が低下することが知られている。
【0007】
また、配線に無電解ニッケルめっきを行うと、「ブリッジ」と呼ばれる、配線間に無電解ニッケルめっき皮膜が析出する現象が発生し、これにより短絡不良が引き起こされる場合がある。このブリッジを抑制するためには、例えば、特許文献1、2に示すようなブリッジを抑制するための前処理液及び前処理方法が提案されている。また、特許文献3に示すように、ブリッジを抑制するための無電解めっき用触媒液も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−241853号公報
【特許文献2】特許第3387507号公報
【特許文献3】特開平11−124680号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「サーキットテクノロジ」、社団法人エレクトロニクス実装学会、1993年、Vol.8、No.5、P368〜372
【非特許文献2】「表面技術」、表面技術協会、2006年、Vol.57、No.9、P616〜621
【非特許文献3】「第20回エレクトロニクス実装学術講演大会論文集」、23B−07、2006年
【非特許文献4】「ROHM and Hassホームページ」、[online]、インターネット〈URL:http://www.rohmhaas.com/electronicmaterials/CBT/vol1/papers/EffectsofConductor.pdf〉
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、近年では、セミアディティブ法等の配線形成方法の利用によって、パターン間の間隔が50μmを下回るような超微細パターン、例えば、配線幅/配線間隔(以下、「L/S」と略す。)=35μm/35μmという微細配線を有する製品が量産化され始めている。
【0011】
このような超微細パターンを有する基板において、銅からなる回路に無電解ニッケルめっきを施した後、その上に無電解金めっきを施して接続端子を形成する従来技術としては、例えば、次のような方法が知られている。
【0012】
すなわち、銅箔付き樹脂を用いたセミアディティブ法を、
(1)内層回路を表面に有する内層板の上下に、銅箔付き樹脂をラミネートする工程、
(2)銅箔付き樹脂にインタースティシャルバイアホール(IVH)を設け、銅箔上およびIVH内部に無電解銅めっき層を形成する工程、
(3)無電解銅めっき層上における導体回路を形成すべき箇所を除いて電解めっきレジストを形成する工程、
(4)導体回路を形成すべき箇所に、電解銅めっきにより銅回路を形成する工程、
(5)電解めっきレジストを剥離する工程、
(6)エッチング液を用いて、導体回路を形成すべき部分以外の部分の上記銅箔及び無電解銅めっき層をエッチングにより除去する工程、
(7)導体回路の形成された基板の表面にソルダーレジストパターンを形成する工程、
(8)導体回路上に無電解ニッケルめっき皮膜を形成する工程、及び、
(9)前記導体回路の最表面に、さらに無電解金めっき皮膜を形成する工程、により実施することが知られている。すなわち、銅からなる導体回路上の特定部位に、無電解ニッケルめっき(工程(8))/無電解金めっき(工程(9))を行い、これによって接続端子を形成する。
【0013】
前述の通り、半導体チップ搭載用基板の小型化による配線の高密度化に伴って、接続端子部分を、従来の電解ニッケル/電解金めっき方法に代えて、リード線不要な無電解めっき技術を用いることが必須となりつつある。そのため、上記のようなセミアディティブ法でも無電解ニッケルめっき/無電解金めっきが適用されている。
【0014】
しかしながら、本発明者らが検討を行った結果、L/S=35μm/35μm程度の微細配線上に、無電解ニッケルめっき液を用いて無電解ニッケルめっきを施す場合、導体間の絶縁信頼性を充分に確保することが困難であることが判明した。すなわち、上述した特許文献1〜3に記載の前処理液や前処理方法、無電解めっき用触媒液等のブリッジを低減する手法を適用しても、微細配線とした場合には、導体間の基材上に無電解ニッケルめっきが析出し易いため、充分な効果が得られないことが判明した。また、このような微細配線とした場合、無電解ニッケルめっき/無電解金めっきを適用すると、電解ニッケルめっき/電解金めっきを適用した場合と比較して、ワイヤボンディング性とはんだ接続信頼性とが著しく低くなることも判明した。
【0015】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、微細配線を形成する場合であっても、ブリッジの発生を低減でき、しかも優れたワイヤボンディング性及びはんだ接続信頼性を得ることが可能な半導体チップ搭載用基板の製造方法及びこれにより得られる半導体チップ搭載用基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、パターン間の間隔が50μmを下回るような超微細パターン(例えば、L/S=35μm/35μm程度の微細配線)において、無電解ニッケルめっきの「ブリッジ」を生じさせない方法について鋭意検討した結果、セミアディティブ法で銅回路を形成する工程において、電解めっきレジストを形成し、電解銅めっきにより銅回路を形成した後に、無電解ニッケルめっき皮膜を形成し、銅回路の上部のみに銅の拡散を抑制するためのバリヤ皮膜である無電解ニッケルめっき皮膜を形成することで、銅回路の側面に無電解ニッケルめっき皮膜を形成する工程をなくし、「ブリッジ」の発生を抑制できることを見出した。
次いで、電解めっきレジストを剥離し、導体回路となるべき部分以外の銅をエッチング除去し、ソルダーレジストパターンを形成し、電解ニッケルめっき皮膜が上部に形成された銅回路に、無電解パラジウムめっき皮膜を形成しさらに無電解金めっき皮膜を形成する。
【0017】
従来の電解ニッケル/電解金めっき方法では、電解めっきをするためのリード線が必要であったため、半導体チップ搭載用基板の小型化・高密度化は限界があるのに対し、本発明の方法であれば、ニッケル、パラジウム、金めっきを無電解めっきで行うため、電解めっきをするためのリード線が不要であり、独立端子にもめっきが可能であるため、半導体チップ搭載用基板の小型化・高密度化に対応することが可能である。
【0018】
すなわち、本発明は、以下に関するものである。
1. 内層回路を表面に有する内層板と、前記内層回路と一部で接続するように絶縁層を隔てて前記内層板上に設けられた第1の銅層と、を有する積層体における前記第1の銅層上に、導体回路となるべき部分を除いてレジストを形成するレジスト形成工程と、前記第1の銅層上の前記導体回路となるべき部分に、電解銅めっきにより第2の銅層を形成して、前記第1の銅層及び前記第2の銅層からなる前記導体回路を得る導体回路形成工程と、前記導体回路上の少なくとも一部に、無電解ニッケルめっきによりニッケル層を形成するニッケル層形成工程と、前記レジストを除去するレジスト除去工程と、前記レジストに覆われていた部分の前記第1の銅層をエッチングにより除去するエッチング工程と、前記ニッケル層が形成された前記導体回路上の少なくとも一部に、コバルト、パラジウム、白金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなる金属層を、無電解めっき又は電解めっきにより形成する金属層形成工程と前記金属層が形成された前記導体回路上の少なくとも一部に、無電解金めっきにより金層を形成する金層形成工程と、を有する半導体チップ搭載用基板の製造方法。
2. エッチング工程後、金層形成工程前に、ニッケル層が形成された導体回路の少なくとも一部が露出するように、表面にソルダーレジストを形成するソルダーレジスト形成工程を有する、項1記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
3. レジスト形成工程において、内層板上に、樹脂を主成分とする絶縁層と銅箔とが積層された樹脂付き銅箔を、前記絶縁層が前記内層板側に向くようにして積層し、前記内層板上に積層された前記樹脂付き銅箔に、内層回路の一部が露出するようにバイアホールを形成し、前記銅箔及び前記バイアホール内を覆うように無電解銅めっきにより銅めっき層を形成して、前記銅箔及び前記銅めっき層からなり前記内層回路と一部で接続する第1の銅層を有する積層体を得た後、前記積層体における前記第1の銅層上に、導体回路となるべき部分を除いてレジストを形成する、項1又は2記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
4. 樹脂付き銅箔における銅箔の厚みが、5μm以下であることを特徴とする項3記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
5. レジスト形成工程において、内層回路を表面に有する内層板上に、導電性を有しないフィルムを積層して絶縁層を形成し、前記内層板上に積層された前記絶縁層に、前記内層回路の一部が露出するようにバイアホールを形成し、前記絶縁層及び前記バイアホール内を覆うように無電解銅めっきにより銅めっき層を形成して、前記銅めっき層からなり前記内層回路と一部で接続する第1の銅層を有する積層体を得た後、前記積層体における前記第1の銅層上に、導体回路となるべき部分を除いてレジストを形成する、請求項1又は2記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
6. 導体回路形成工程後、ニッケル層形成工程前に、導体回路の一部が露出するようにしてレジスト及び前記導体回路を覆う上部レジストを更に形成する上部レジスト形成工程を有し、前記ニッケル層形成工程において、前記上部レジストから露出した部分の前記導体回路上にニッケル層を形成し、レジスト除去工程において、前記レジスト及び前記上部レジストの両方を除去する、項1〜5のいずれか一項に記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
7. 金属層形成工程において、無電解パラジウムめっきによりパラジウム層を形成する、項1〜6のいずれか一項に記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
8. パラジウム層形成工程において、パラジウム層を、置換パラジウムめっきを行った後、還元型のパラジウムめっきを行うことにより形成する、項7記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
9. 金層形成工程において、無電解金めっきを、還元剤を含む無電解金めっき液を用いて行い、前記還元剤として、酸化により水素ガスを発生しないものを用いる、項1〜8のいずれか一項に記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
10. 導体回路の少なくとも一部が、はんだ接続用端子又はワイヤボンディング用端子である、項1〜9のいずれか一項に記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
11. 項1〜10のいずれか一項に記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法により得られる、半導体チップ搭載用基板。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、微細配線を形成する場合であっても、ブリッジの発生を低減でき、しかも優れたワイヤボンディング性及びはんだ接続信頼性を得ることが可能な、半導体チップ搭載用基板の製造方法を提供することが可能となる。
また、本発明によれば、導体回路には、無電解金めっきにより金層を形成することができることから、電解めっきを行う場合のようなリード線を用いる必要がなく、微細配線を形成しても独立端子となるべき部分に良好に金めっきを行うことができる。そのため、本発明の製造方法は、半導体チップ搭載用基板の更なる小型化・高密度化にも対応することができる。
さらに、本発明によれば、ブリッジの発生が低減されており、しかも優れたワイヤボンディング性及びはんだ接続信頼性を有する半導体チップ搭載用基板を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態に係る半導体チップ搭載用基板の製造方法を模式的に示す工程図である。
【図2】第1実施形態に係る半導体チップ搭載用基板の金属層形成工程を行った場合における、金層形成後の導体回路の部分の断面構成を拡大して示す模式図である。
【図3】第2実施形態に係る半導体チップ搭載用基板の製造方法を模式的に示す工程図である。
【図4】第2実施形態に係る半導体チップ搭載用基板の金属層形成工程を行った場合における、金層形成後の導体回路の部分の断面構成を拡大して示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、半導体チップ搭載用基板の製造方法の好適な第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る半導体チップ搭載用基板の製造方法を模式的に示す工程図である。本実施形態は、内層板に対し、銅箔付き樹脂を用いて外層回路の形成を行うセミアディティブ法による半導体チップ搭載用基板の製造方法の例である。
【0022】
本実施形態においては、まず、図1(a)に示すように、内層板1を準備する。内層板1は、内層用基板100と、その表面に設けられた内層回路102と、内層用基板100を貫通するように形成され、両表面の内層回路102同士を電気的に接続する内層用ビア104とを備えている。かかる内層板1における各構成としては、回路基板に適用される公知の構成を特に制限なく適用することができる。
【0023】
内層板1の形成方法としては、例えば、次のような方法が適用できる。まず、内層用基板100の両表面に、銅箔を積層した後、この銅箔の不要な箇所をエッチングにより除去することにより内層回路102を形成する方法(サブトラクト法)や、内層用基板100の両表面の必要な箇所にのみ、無電解銅めっきにより銅からなる内層回路102を形成する方法(アディティブ法)が挙げられる。また、内層用基板100の表面上、又はその表面に更に形成した所定の層(ビルドアップ層)上に、薄い金属層(シード層)を形成し、さらに電解銅めっきにより内層回路102に対応した所望のパターンを形成した後、このパターンを形成しなかった部分の薄い金属層をエッチングで除去することによって、内層回路102を形成する方法(セミアディティブ法)等も挙げられる。
【0024】
次に、図1(b)に示すように、内層板1の両表面上に、樹脂を主成分とする絶縁層21と銅箔22とが積層された樹脂付き銅箔2を、その絶縁層21が内層板1側に向くようにして積層する(図1(b))。樹脂付き銅箔2の積層は、例えば、内層板1に対してラミネート又はプレスすることによって行うことができる。例えば、一般的な真空プレス機を適用することができる。この際、加熱・加圧の条件は、層間絶縁樹脂である絶縁層21の構成材料の特性にあった条件が好ましい。例えば、温度150℃〜250℃、圧力1MPa〜5MPaとすることができる。本実施形態では、このような樹脂付き銅箔2における銅箔22がシード層として機能し、これにより後述する銅めっき層3や第2の銅層5の形成を行うことが可能となる。なお、積層される前の樹脂付き銅箔2の絶縁層21は、Bステージ状態である。
【0025】
樹脂付き銅箔2における銅箔22は、その厚みが5μm以下であると好ましく、3μm以下であるとより好ましい。また、銅箔の厚みを5μm以下にすることで、後述するエッチングを容易に行うことが可能となり、微細配線を形成することが容易となる。
【0026】
銅箔22としては、ピーラブルタイプ又はエッチャブルタイプのものを使用することが好ましい。銅箔22がピーラブルタイプの場合、キャリアを引き剥がすことで、またエッチャブルタイプの場合、キャリアをエッチングすることで、所望の厚みを有する銅箔とすることができる。例えば、ピーラブルタイプの場合、キャリアとの剥離層となる金属酸化物又は有機物層を、エッチングなどで除去することで、キャリアを引き剥がすことができる。また、エッチャブルタイプにおいて、金属箔を銅箔、キャリアをアルミニウム箔とした場合、アルカリ溶液を用いることで、キャリアのみをエッチングすることができる。銅箔22は、給電層として機能する範囲で薄ければ薄いほど微細配線形成に適することから、そのような厚みとするために、更にエッチングを行って厚みを低減することができる。その場合、ピーラブルタイプの場合、離型層の除去と同時にエッチングを行うと効率的で好ましい。
【0027】
絶縁層21を構成する樹脂は、絶縁性を有する樹脂であり、そのような樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂やそれらの混合樹脂を適用できる。なかでも、熱硬化性を有する有機絶縁材料が好ましい。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、シクロペンタジエンから合成した樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含む樹脂、芳香族ニトリルから合成した樹脂、3量化芳香族ジシアナミド樹脂、トリアリルトリメタリレートを含む樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、縮合多環芳香族を含む熱硬化性樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、液晶ポリマ等が挙げられる。なお、絶縁層21には、必要に応じてシリカフィラー等の無機充填剤等を配合してもよく、また、ガラスクロス等を含むプリプレグを用いてもよい。
【0028】
次に、図1(c)に示すように、内層板1に積層された樹脂付き銅箔2の所定の部位に、樹脂付き銅箔2を貫通して内層板1に達する貫通孔(ビア穴)を形成する。これによりインタースティシャルバイアホール(IVH)10を形成して、内層回路102の一部を露出させる。貫通孔は、例えば、紫外線波長のレーザ光を直接照射して穴加工を行うことで形成することができる。紫外波長のレーザとしては、UV−YAGレーザの第3高調波(波長355nm)を用いると、比較的高いエネルギーが得られ、加工速度を早くできることから好ましい。
【0029】
また、IVH10の形成においては、レーザエネルギー分布を調整し、ビア穴の断面形状をテーパ形状にすると、穴内のめっき付き性が向上するため好ましい。さらに、ビア穴径が50μm以下であると、加工速度が速くなるため好ましい。また、ビア穴のアスペクト比(ビア穴高さ/ビア穴の底の直径)は1以下であると、信頼性を確保する観点から好ましいため、IVH10の形成に際しては、このような絶縁層21の厚みとビア穴径との関係となるよう設計することが好ましい。なお、ビア穴内には、スミアが発生していることがあるため、ビア穴の形成後には、過マンガン酸塩、クロム酸塩、過マンガン酸等を用いた洗浄を行うことにより、スミアの除去を行うことが好ましい。
【0030】
次に、図1(d)に示すように、樹脂付き銅箔2が積層された内層板1の全表面を覆うように、無電解銅めっきにより銅めっき層3を形成する。これにより、内層板1と、内層板1の内層回路102と一部で接続するように絶縁層21を隔てて設けられた銅箔22及び銅めっき層3からなる第1の銅層31とを有する積層体が得られる。この積層体では、銅箔22の表面及びIVH10内が連続的に第1の銅層31によって覆われた状態となるため、絶縁層21の表面上に形成された銅箔22と内層回路102との電気的な接続が可能となる。
【0031】
銅めっき層3は、一般的な配線板の形成に用いられる無電解銅めっき方法を用いて形成すれば良く、めっきすべき部位に、無電解銅めっきの核となる触媒を付与しておき、これに無電解銅めっき層を薄付けすることで形成することができる。触媒としては、貴金属イオンやパラジウムコロイドを用いることができ、特にパラジウムは樹脂への密着性が高いことから好ましい。無電解銅めっきには、硫酸銅、錯化剤、ホルマリン、水酸化ナトリウムを主成分とする、一般的な配線板の形成に用いられる無電解銅めっき液を用いることができる。
【0032】
銅めっき層3の厚みとしては、IVH10部のへの給電が可能となるような厚みがあれば良く、0.1〜1μmであると好ましい。銅めっき層3が0.1μmより薄いと、IVH10内部の内層回路102を構成する銅と、樹脂付き銅箔2における銅箔22との間の給電が十分に得られない恐れがある。一方、1μmより厚いと、後述する導体回路となるべき部分以外の銅をエッチングにより除去するエッチング工程において、エッチングをしなければならない銅の厚みが増えるため、回路形成性が低下して微細配線の形成が困難になるおそれがある。銅めっき層3の厚みが0.1〜1μmであることで、内層回路102と銅箔22との給電が十分に得られ、しかも、エッチング工程におけるエッチングが容易となって良好な回路形成性が得られるようになる。
【0033】
次に、図1(e)に示すように、第1の銅層31上の所望の位置に、電解めっきレジストであるレジスト4を形成する(レジスト形成工程)。このレジスト4を形成する部位は、第1の銅層31における導体回路となるべき部分(IVH10を含む)を除く部分である。レジスト4は、後述する材料を用いた公知のレジスト形成方法を適用することによって形成することが可能である。なお、導体回路となるべき部分には、位置合わせに用いる位置合わせ用のパターン等も含む。
【0034】
レジスト4の厚さは、その後めっきする導体の合計の厚さと同程度か、それよりも厚くすることが好適である。レジスト4は、樹脂から構成されるものであると好ましい。樹脂から構成されるレジストとしては、PMER P−LA900PM(東京応化株式会社製、商品名)のような液状レジストや、HW−425(日立化成工業株式会社、商品名)、RY−3025(日立化成工業株式会社、商品名)等のドライフィルムのレジストがある。
【0035】
次に、図1(f)に示すように、第1の銅層31の表面上に、電解銅めっきにより第2の銅層5を形成し、第1の銅層31と第2の銅層5とが積層された導体回路51を得る(導体回路形成工程)。この工程においては、電解銅めっきにより、レジスト4が形成されていない部分にのみ第2の銅層5が形成される。したがって、第2の銅層5は、第1の銅層31上の導体回路51となるべき部分に形成されることになる。
【0036】
第2の銅層5の形成領域は、上記のようにレジスト4によって決定される。そのため、電解銅めっきは、第1の銅層31のいずれかの部分にリード線を取り付けて行えばよく、配線を高密度化する場合であっても十分に対応可能である。電解銅めっきは、半導体チップ搭載用基板の製造において使用される公知の硫酸銅電解めっきやピロリン酸電解めっきを用いて行うことができる。
【0037】
第2の銅層5の厚さは、導体回路として使用できる程度の厚さであればよく、目的とするスペースにもよるものの、1〜30μmの範囲であると好ましく、3〜25μmの範囲であるとより好ましく、3〜20μmの範囲であると更に好ましい。
【0038】
次に、図1(g)に示すように、第2の銅層5の表面上に、更に無電解ニッケルめっきによりニッケル層6を形成する(ニッケル層形成工程)。この工程でも、無電解ニッケルめっきにより、レジスト4が形成されていない部分にのみニッケル層6が形成される。したがって、ニッケル層6は、導体回路51上の全領域に形成されることになる。
【0039】
無電解ニッケルめっき皮膜の純度は80質量%以上であることが好ましい。無電解ニッケルめっき皮膜の膜厚が0.6〜8μmであることが好ましく、0.8〜5μmであることがより好ましく、1〜3μmであることが更に好ましい。無電解ニッケルめっき皮膜の膜厚が0.6μ以上とすることで、はんだ接続後に高温放置を行った際に接続信頼性を得られやすくなり、8μm以下とすることで、良好な高周波特性が得られやすい。
【0040】
無電解ニッケルめっき皮膜の純度が80質量%以上であることで、求められる接続信頼性向上の効果が得られやすい。
【0041】
一般的に無電解ニッケルめっきは、80℃以上の高温浴が使用されるケースが多く、電解めっきレジストおよび第二の電解めっきレジストをアタックしやすいため、60〜80℃程度の温度の浴を使用することが好ましい。
【0042】
このようなニッケル層形成工程に続いて、図1(h)に示すように、電解めっきレジストであるレジスト4を除去する(レジスト除去工程)。これにより、レジスト4に覆われていた部分の第1の銅層31(銅めっき層3)が露出する。レジスト4の除去は、アルカリ性剥離液、硫酸、又はその他の市販のレジスト剥離液を用いて、レジスト4を剥離すること等により行うことができる。
【0043】
それから、図1(i)に示すように、レジスト4に覆われていた部分の第1の銅層31(銅箔22及び銅めっき層3)をエッチングにより除去する(エッチング工程)。これにより、導体回路51となるべき部分以外の銅(第1の銅層31)が全て除去され、第1の銅層31及び第2の銅層5からなる導体回路51の表面をニッケル層6が覆う回路パターンが形成される。
【0044】
エッチングは、レジスト4を除去した後の基板を、エッチング液に浸漬することにより行うことができる。エッチング液としては、ハロゲン以外の酸及び過酸化水素を主成分とし、主成分に加えて溶媒、添加剤からなる溶液を適用することができる。この溶媒としては、コスト、取り扱い性、安全性の面から水が好ましく用いられ、水にはアルコール等が添加されていても構わない。また、添加剤としては過酸化水素の安定剤等が挙げられる。さらに、ハロゲン以外の酸としては、硫酸、硝酸等が挙げられ、好ましくは硫酸が用いられる。このようなエッチング液を用いてエッチングを行う場合、設計通りのトップ幅、ボトム幅等を有する回路パターンを得るためには、銅めっき層3のエッチング速度が銅箔22のエッチング速度の80%以下となるように調整することが好ましい。
【0045】
また、ハロゲン以外の酸として硫酸を用いる場合、エッチング液の主成分の濃度として、10〜300g/Lの硫酸および10〜200g/Lの過酸化水素水を用いることが好ましい。このような濃度以下では、エッチング速度が遅くなるため、作業性が悪くなる傾向にある。また、この濃度以上では、エッチング速度が速くなり過ぎ、エッチング量のコントロールが難しくなるおそれがある。
【0046】
第1の銅層31のエッチング速度は、1〜15μm/分となるようにコントロールすることが、良好な作業性を得る観点から好ましい。また、結晶構造の差異によるエッチング速度の差は、エッチング液の温度に依存することから、エッチングの際には、エッチング液の温度は20〜50℃とすることが好ましく、20〜40℃とすることがより好ましい。さらに、エッチング時間は、所望の導体パターン幅が形成されるような時間を適宜求めて適用すればよいが、作業性やエッチングの均一性等を良好にする観点からは、10秒〜10分の範囲とすることが好ましい。
【0047】
エッチング工程後には、図1(j)に示すように、後述する金層形成工程を実施する前に、ニッケル層6が形成された導体回路51の少なくとも一部が露出するように、表面にソルダーレジスト7を形成するソルダーレジスト形成工程を行うことが好ましい。ソルダーレジスト7は、例えば、ニッケル層6が形成された導体回路51(回路パターン)のうちのワイヤボンディング用端子やはんだ接続用端子となるべき部分以外を覆うように形成することができる。このようなソルダーレジスト7を金層形成工程前に形成することによって、所望の位置にのみ金層9を形成することが可能となり、無電解金めっきの際に導体回路を保護することができるほか、コストの低減も図ることが可能となる。
【0048】
ソルダーレジスト7としては、熱硬化型や紫外線硬化型の樹脂のものが使用でき、なかでも、レジスト形状を精度良く加工することができる紫外線硬化型のものが好ましい。例えば、エポキシ系、ポリイミド系、エポキシアクリレート系、フルオレン系の樹脂材料を用いることができる。ソルダーレジストのパターン形成は、ワニス状の材料であれば印刷で行うことも可能であるが、より精度を高める観点から、感光性のソルダーレジスト、カバーレイフィルム、フィルム状レジストを用い、これらを用いた公知のパターン形成方法を適用して行うことがより好ましい。
【0049】
その後、図1(k)に示すように、ニッケル層6が形成された導体回路(回路パターン)のうち、ソルダーレジスト7を形成しなかった部分に対し、コバルト、パラジウム、白金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属から選ばれる金属層8を形成する。これにより、ニッケル層6が形成された導体回路の上面及び側面を覆うように金属層8が形成される。なお、コバルト、パラジウム、白金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属から選ばれる金属層8には、コバルト、パラジウム、白金の他に不純物を含有する場合も含まれる。例えば、無電解パラジウムめっきによりパラジウムの金属層を形成した場合に、還元剤由来のリンを含有し、パラジウム−リン合金となる場合等がある。
【0050】
なお、ニッケル層形成工程後、レジスト除去工程の前にこのような金属層形成工程を行う場合こともできる(図示せず。)。この場合、レジスト4によって導体回路となるべき部分のみに金属層8が形成される。したがって、導体回路上のニッケル層6の上面に金属層8が形成される。
【0051】
金属層8としてコバルト、パラジウム、白金からなる層を形成すると、ニッケル層6と金層9との間にこれらの金属層8が形成され、ニッケル層6中のニッケルが金層9に拡散することを防止できる。そのため、良好なワイヤボンディング性が得られ易くなる傾向にある。なお、ニッケル層6の上面にのみ金属層8が形成された場合も、ワイヤボンディングする上面へのニッケルの拡散が防止できることから同等の効果が得られる。なかでも、パラジウムが特に好ましい。金属層8としてパラジウムを用いる場合、めっき液の安定性が高いため、ニッケルの拡散を抑える効果が良好であり、ワイヤボンディング性を更に高めることができる。また、金層9上ではんだ接続を行った場合、パラジウムが微量含まれることによって、はんだ接続信頼性が向上する場合もある。
【0052】
パラジウムからなる金属層8(パラジウム層)を形成する場合、パラジウム層は、無電解パラジウムめっきにより形成することが好ましい。無電解パラジウムめっきとして、置換パラジウムめっきや還元剤を用いる還元型パラジウムめっきが適用できる。無電解パラジウムめっきによるパラジウム層の形成方法としては、特に、置換パラジウムめっきを行った後、還元型パラジウムめっきを行う方法が好ましい。これは、電解ニッケルめっきにより形成したニッケル層6上では、そのままでは無電解パラジウムめっき反応が起こりづらい傾向にあるためである。あらかじめ置換パラジウムめっきでパラジウムを置換析出させておき、その後に還元型パラジウムめっきによりパラジウム層を析出させることで、良好にパラジウム層を形成することができる。
【0053】
パラジウム層の厚みは、0.03〜0.5μmであると好ましく、0.01〜0.3μmであるとより好ましく、0.03〜0.2μmであると更に好ましい。パラジウム層の厚みが0.5μmを超えると、パラジウム層の形成による効果がそれ以上は向上せず、経済的でない傾向にある。一方、0.03μmよりも薄いと、パラジウム層が析出していない部分が含まれ易く、パラジウム層を形成することによる接続信頼性の向上効果が十分に得られなくなるおそれがある。
【0054】
無電解パラジウムめっきに用いるめっき液のパラジウムの供給源としては、特に限定されないが、塩化パラジウム、塩化パラジウムナトリウム、塩化パラジウムアンモニウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、酸化パラジウム等のパラジウム化合物等が挙げられる。具体的には、酸性塩化パラジウム「PdCl/HCl」、硝酸テトラアンミンパラジウム「Pd(NH(NO」、ジニトロジアンミンパラジウム「Pd(NH(NO」、ジシアノジアンミンパラジウム「Pd(CN)(NH」、ジクロロテトラアンミンパラジウム「Pd(NHCl」、スルファミン酸パラジウム「Pd(NHSO」、硫酸ジアンミンパラジウム「Pd(NHSO」、シュウ酸テトラアンミンパラジウム「Pd(NH」、硫酸パラジウム「PdSO」等を適用することができる。また、めっき液に添加する緩衝剤等についても特に限定されない。
【0055】
無電解パラジウムめっきにより形成されるパラジウム層は、パラジウムの純度が90質量%以上であると好ましく、99質量%以上であるとより好ましく、100質量%に近いと特に好ましい。パラジウムの純度が90質量%未満であると、その形成時にニッケル層6上への析出が起こりづらくなり、ワイヤボンディング性やはんだ接続信頼性が低下する場合がある。
【0056】
無電解パラジウムめっきに用いる還元剤に、ギ酸化合物を使用すると、得られるパラジウム層の純度が99質量%以上になり易くなり、均一な析出は可能となる。また、還元剤に次亜リン酸や亜リン酸等のリン含有化合物や、ホウ素含有化合物を使用する場合は、得られるパラジウム層がパラジウム−リン合金やパラジウム−ホウ素合金になるため、その場合は、パラジウムの純度が90質量%以上となるように還元剤の濃度、pH、浴温などを調節することが好ましい。
【0057】
また、パラジウム層は、必ずしも無電解パラジウムめっきにより形成しなくてもよく、電解パラジウムめっきにより形成することもできる。その場合、電解パラジウムに用いる電解パラジウムめっき液のパラジウムの供給源としては、特に限定されず、塩化パラジウム、塩化パラジウムナトリウム、塩化パラジウムアンモニウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、酸化パラジウム等のパラジウム化合物を適用できる。具体的には、酸性塩化パラジウム(PdCl/HCl)、硫酸テトラアンミンパラジウム(Pd(NHSO)、硝酸パラジウムナトリウム塩(Pd(NO/HSO)、ジニトロジアンミンパラジウム(Pd(NH(NO)、ジシアノジアンミンパラジウム(Pd(CN)(NH)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(Pd(NHCl)、スルファミン酸パラジウム(Pd(NHSO)、硫酸ジアンミンパラジウム(Pd(NHSO)、シュウ酸テトラアンミンパラジウム(Pd(NH)、硫酸パラジウム(PdSO)などが例示できる。また、電解パラジウムめっき液に含有させる緩衝剤等についても特に限定されず、公知の電解パラジウムめっき液に含まれるものを適用することが可能である。
【0058】
その後、図1(l)に示すように、金属層8が形成された部分に無電解金めっきにより金層9を形成する(金層形成工程)。これにより、ニッケル層6が形成された導体回路51の上面及び側面を覆うように金層9が形成され、この部分が、ワイヤボンディング用端子やはんだ接続用端子等の接続端子として好適に機能できるようになる。
【0059】
金層9は、例えば、置換・還元金めっきを行うか、或いは、置換金めっきを行った後に還元型金めっきを行う無電解金めっきなどによって形成することができる。また、金層9を形成する箇所が独立端子となる前に電解金めっきを行っておき、その後、還元型の無電解金めっきを行うことにより形成することもできる。無電解金めっきは、本発明による効果が得られる限り、どちらの手法を用いて行ってもよいが、置換金めっきを行った後に還元型金めっきを行う方法は、下層の金属との良好な密着性が得られる観点から好ましく、また置換・還元金めっきを行う方法は、めっきの際に下層の金属を溶出させ難く、良好な金層9を形成できる傾向にある。
【0060】
置換金めっき後、還元型金めっきを行う場合、具体的には、HGS―100(日立化成工業株式会社製、商品名)のような置換金めっき液により、0.01〜0.1μm程度の金めっき下地皮膜(置換金めっき皮膜)を形成した後、その上に、HGS―2000(日立化成工業株式会社製、商品名)のような還元型の無電解金めっき液により、0.1〜1μm程度の金めっき仕上げ層(還元型金めっき皮膜)を形成する方法が挙げられる。ただし、無電解金めっきの手法はこれに限定されず、通常行われる金めっきに適した方法であれば制限なく適用できる。
【0061】
図2は、第1実施形態における金層9形成後の導体回路の部分の断面構成を拡大して示す模式図である。ここでは、金層9を形成するための無電解金めっきを、上記のような置換金めっき後、還元型金めっきを行うことにより実施した場合の例を示す。図2に示すように、この部分では、内層板1(図示せず)の表面に形成された絶縁層24上に、銅箔22、銅めっき層3、第2の銅層5及びニッケル層6がこの順に積層され、これらの積層構造の上面及び側面を覆うように、金属層8と置換金めっき皮膜91及び還元型金めっき皮膜92からなる金層9が形成されている。
【0062】
置換金めっき皮膜91は、金属層8が形成された面に形成することができる。置換金めっきに用いるめっき液には、シアン化合物を含むものと含まないものがあるが、いずれのめっき液でも使用できる。なかでも、シアン化合物を含むものが好ましい。この理由としては、導体回路51を構成している銅における置換金めっきの均一性は、シアンを含むめっき液を用いた方が、シアンを含まないものを用いた場合と比較して良好であることが挙げられる。このようなシアンを含むめっき液で置換金めっきを行った後に、後述するような還元型金めっきを行うと、金層9が均一に成長し易い傾向にある。
【0063】
還元型金めっき皮膜92は、置換金めっき皮膜91に更に金皮膜を形成することができる。そのため、置換金めっきに続いて還元型金めっきを行うことで、厚い金層9を形成することが可能となる。還元型金めっきに用いるめっき液は、還元剤を含むことで、自己触媒的に金層を形成できる。このめっき液にも、シアン化合物を含むものと含まないものがあるが、いずれのめっき液でも使用できる。
【0064】
還元型金めっきに用いるめっき液の還元剤としては、酸化により水素ガスが発生しないものが好ましい。ここで、水素ガスが発生しない、もしくは発生しにくい還元剤としては、アスコルビン酸、尿素系化合物、フェニル系化合物等が挙げられる。なお、水素ガスが発生する還元剤としては、ホスフィン酸塩、ヒドラジンがある。このような還元剤を含む金めっき液は、60〜80℃程度の温度で使用可能なものが好ましい。
【0065】
一方、置換・還元金めっきは、置換金めっきと還元型金めっき反応を同一の液で行うものであり、置換金めっきと同様に、金属層8が形成された面に金層9を形成できる。このようなめっき液には、シアン化合物を含むものと含まないものがあり、いずれのめっき液でも使用することができる。また、置換・還元金めっきを行った後に、金層の厚膜化のために更に無電解金めっきを行うこともできる。
【0066】
このようにして形成される金層9は、99質量%以上の純度の金からなることが好ましい。金層9の金の純度が99質量%未満であると、この部分を端子として適用する際に接続の信頼性が低下する場合がある。接続信頼性をより高める観点からは、金層の純度は、99.5質量%以上であることがより好ましい。
【0067】
また、金層9の厚さは、0.005〜3μmとすることが好ましく、0.03〜1μmとすることがより好ましく、0.1μm〜0.5μmとすることが更に好ましい。金層9の厚さを0.005μm以上とすることで、この部分を端子とした際にワイヤボンディングを行うことが容易となる傾向にある。一方、3μmを超えても、それ以上効果が大きく向上しないため、経済的な観点からも3μm以下とすることが好ましい。
【0068】
以上の工程により、内層板1の両面に、絶縁層21を隔てて外層回路である導体回路51が形成され、更にこの導体回路51の必要部分に、ニッケル層6及び金層9が形成された構成を有する半導体チップ搭載用基板が得られる。このような半導体チップ搭載用基板は、ニッケル層6、金属層8及び金層9が形成された導体回路の部分がワイヤボンディング用端子やはんだ接続用端子として機能することができ、この部分でチップ部品等との接続を行うことが可能である。
【0069】
[第2実施形態]
次に、半導体チップ搭載用基板の製造方法の好適な第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係る半導体チップ搭載用基板の製造方法を模式的に示す工程図である。本実施形態は、内層板に対し、ビルドアップフィルムを積層した後に銅めっき層を形成する工程を含む、セミアディティブ法による半導体チップ搭載用基板の製造方法の例である。
【0070】
本実施形態においては、まず、図3(a)に示すように、内層板1を準備する。この内層板1は、上述した第1実施形態と同様にして準備することができる。次に、図3(b)に示すように、内層板1の両表面上に、ビルドアップフィルムをラミネート又はプレスすることにより積層して、絶縁層23を形成する。このビルドアップフィルムは、導電性を有しないフィルムであり、絶縁性を有する樹脂材料等から構成される。このような樹脂材料としては、上述した樹脂付き銅箔2における樹脂を主成分とする絶縁層21と同様の構成材料を適用でき、シリカフィラーなどの無機充填剤等が配合されていてもよい。なお、積層前のビルドアップフィルムはBステージ状態である。
【0071】
次に、図3(c)に示すように、内層板1に積層された絶縁層23の所定の部位に、絶縁層23を貫通して内層板1に達する貫通孔(ビア穴)を形成することでIVH10を形成し、内層回路102の一部を露出させる。この貫通孔の形成も、第1実施形態における樹脂付き銅箔2に対する貫通孔の形成と同様にして行うことができる。
【0072】
次いで、図3(d)に示すように、絶縁層23が積層された内層板1の全表面を覆うように、無電解銅めっきにより銅めっき層3を形成する。これにより、内層板1と、内層板1の内層回路102と一部で接続するように絶縁層23を隔てて設けられた銅めっき層3のみからなる第1の銅層31を備える積層体が得られる。この積層体では、銅めっき層3がIVH10の内部にまで連続的に形成されるため、絶縁層23の表面上に形成された銅めっき層3(第1の銅層31)と内層回路102との電気的な接続が可能となる。
【0073】
このような積層体を形成した後には、いずれも第1実施形態と同様にして、レジスト形成工程、導体回路形成工程、ニッケル層形成工程、レジスト除去工程、エッチング工程、ソルダーレジスト形成工程、金属層形成工程、及び金層形成工程を順次実施する(図3(e)〜(l)。)
【0074】
図4は、第2実施形態における金層9形成後の導体回路の部分の断面構成を拡大して示す模式図である。ここでは、金層9を形成するための無電解金めっきを、上記のような置換金めっき後、還元型金めっきを行うことにより実施した場合の例を示す。図4に示すように、この部分では、内層板1(図示せず)の表面に形成された絶縁層24上に、銅めっき層3、第2の銅層5及びニッケル層6がこの順に積層され、これらの積層構造の上面及び側面を覆うように、金属層8と置換金めっき皮膜91及び還元型金めっき皮膜92からなる金層9が形成されている。
【0075】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述したような本発明の製造方法によれば、微細配線を形成する場合であっても、ブリッジの発生を低減でき、しかも優れたワイヤボンディング性及びはんだ接続信頼性を得ることが可能な半導体チップ搭載用基板が得られるようになる。本発明者によりこれらの効果が得られる要因は、必ずしも明らかではないが、以下のようなものであると推測される。
【0076】
(ブリッジ)
まず、従来、無電解ニッケルめっきによってブリッジが発生し易かった要因としては、(1)配線間のエッチング残渣、(2)無電解銅めっきにより銅配線を形成した際に、配線間に残った無電解銅めっき用のパラジウム触媒残渣、(3)無電解ニッケルめっきを行う前の置換パラジウムめっき処理によるパラジウム触媒残渣、(4)無電解めっきにおける還元剤として一般的に使用されている次亜リン酸の酸化により発生する水素ガス、等が複合的に作用していると考えられる。
【0077】
すなわち、微細配線化が進み、配線と配線との間の水素ガス濃度が高くなると、配線と配線の間の無電解ニッケルめっき反応の活性が高くなるため、上述したような(1)〜(3)の残渣に無電解ニッケルめっきが析出し易くなり、これがブリッジの要因となる。また、(1)〜(3)のような残渣がない場合であっても、無電解ニッケルめっきの際、配線と配線との間の水素ガス濃度が高くなることにより、この部分でニッケルの還元が生じ、直接無電解ニッケルめっきによる合金層が析出してしまい、これがブリッジとなる場合がある。
【0078】
さらに、無電解ニッケルめっきにより配線の側面に形成されるニッケル皮膜は、水素ガス濃度の高まりによって配線の側面のめっきの活性が上がることで、配線の上面の無電解ニッケルめっき皮膜よりも厚い形状となり易い。特に、配線間の距離が狭いほど、この傾向は強くなるため、これもブリッジが発生し易くなる要因となる。
【0079】
ここで、従来のブリッジを抑制するための前処理液や前処理方法、或いは無電解めっき用触媒では、無電解ニッケルめっき処理後のブリッジの発生を抑制できない要因を、本発明者らは次のように考えている。
【0080】
すなわち、従来の前処理液、前処理方法や無電解めっき用触媒液は、上述した(1)のエッチング残渣や(2)のパラジウム触媒残渣などを不活性化するもの、または(3)のパラジウム触媒残渣の量を低減するものであると考えられる。しかし、ブリッジが発生する原因としては、上記のような(4)の水素ガスも考えられるが、上記従来の前処理液、前処理方法や無電解めっき用触媒液では、かかる水素ガスが配線間の樹脂表面に吸着し、これが無電解ニッケルめっきによるダイレクトな合金層を析出させることを抑制するような効果が得られないため、ブリッジの発生を充分に抑制できないと考える。
【0081】
なお、通常は、銅回路に無電解金めっきを行っても「ブリッジ」の発生はほとんど起こらない。無電解ニッケルめっきでは、還元剤として一般的に次亜リン酸が使用されるが、その酸化に伴って水素ガスが発生することから、これにより配線近傍でのめっき液の活性が高まり、その結果、エッチング残渣や無電解銅めっき用のパラジウム触媒残渣、或いは直接的なニッケルの析出が生じやすくなる。
【0082】
これに対し、無電解金めっきには、還元剤として次亜リン酸等の酸化により水素ガスが発生するものが使用されるケースが少なく、アスコルビン酸、尿素系化合物、フェニル系化合物等が多く使用されることから、無電解金めっき中に水素ガスの発生がほとんど起こらず、したがって「ブリッジ」が発生しないと考えられる。
【0083】
また、無電解ニッケルめっき液は80〜95℃の高温で使用されることから、析出速度が速く、例えば0.2〜0.3μm/分の析出速度となるのに対し、無電解金めっき液は、60〜80℃程度の温度で使用されることから、0.005〜0.03μm/分の析出速度となり、水素ガスが発生したとしても活性が低いものとなる。このような析出速度の違いによる活性の違いも、「ブリッジ」の発生の有無を左右する要因となると考えられる。
【0084】
これに対し、本発明では、銅からなる導体回路に対し、レジストが存在した状態で無電解ニッケルめっきを行い、レジストを除去した後、無電解金めっきを行っている。つまり、導体回路に対しては無電解ニッケルめっきを行っているため、上述した(1)〜(4)のような事項はいずれもブリッジを発生させる要因となり難くなる。さらに、導体回路以外の部分にはレジストが存在した状態であるため、これによってもブリッジの発生が大幅に抑制される。
【0085】
(はんだ接続信頼性)
従来のように銅回路上に無電解ニッケル/無電解金めっきを施す場合、上述した非特許文献2に記載のように、無電解ニッケルめっき層が、置換金めっき反応によって溶解し、脆弱層が形成されることがある。この脆弱層は、一般的に適用される無電解ニッケルは、無電解ニッケル−リン合金めっきであり、その後の置換金めっき反応ではニッケルのみが溶出し易いため、リンが濃縮されて溶解し残ることにより形成さされると考えられる。そして、このような脆弱層の形成によって、はんだ接続信頼性が低下する。
【0086】
これに対し、本発明においては、ソルダーレジストを形成した後に、上面に無電解ニッケルめっきされた銅配線に無電解パラジウムめっきを行うことで、その後の置換金めっき反応においても、無電解ニッケル−リン合金めっき中のニッケルの溶出が抑制されるため、脆弱層が形成され難い。このため、良好なはんだ接続信頼性を得られると考える。
【0087】
(ワイヤボンディング性)
従来の無電解ニッケル/無電解金めっきの場合、上述した非特許文献2に記載のように、熱処理にともなってワイヤボンディング性が著しく低下することが示されている。このようにワイヤボンディング性が低下する理由としては、金めっき皮膜の粒界を無電解ニッケル皮膜からのニッケルが拡散し、これにより金めっき皮膜の表面にニッケルが移行し、この表面でニッケル酸化物を形成することが考えられる。そして、このように生じたニッケル酸化物が、金ワイヤと金めっき皮膜との接着を妨害し、ワイヤボンディング性の低下を招いていると考えられる。
【0088】
これに対し、本発明においては、ソルダーレジストを形成した後に、上面に無電解ニッケルめっきされた銅配線に無電解パラジウムめっきを行うことで、銅配線上面のニッケルが金表面に拡散することを防ぐとともに、銅配線側面の銅の拡散を抑制し、熱処理後においても良好なワイヤボンディング性を得られると考える。
【0089】
(高周波特性)
非特許文献3のように、銅配線の両サイドの無電解ニッケルめっき皮膜が、伝送損失に大きな影響を与えることが知られているが、本発明では銅配線の両サイドに無電解ニッケルめっきを析出させるとことがないため、従来の無電解ニッケル/無電解金めっきと比較して、高周波特性に優れる。また、電解ニッケルめっきを配線上部に形成することも可能であるが、非特許文献4のように、電解ニッケルめっきよりも無電解ニッケルめっきの方が表皮抵抗は低く、高周波化に有利である。さらに、電解ニッケルめっき皮膜は純Niであるのに対し、無電解ニッケルめっきは一般的にリンを含有しているために電解ニッケルめっき皮膜よりもバリヤ性に優れ、はんだ接続信頼性に優れることが予想される。非特許文献4のように、ニッケルめっきが厚くなると、高周波特性が低下してくることから、電解ニッケルめっきよりも厚みを薄くできる無電解ニッケルめっきの方がより高周波化に対応することができると考える。
【0090】
以上、本発明に係る半導体チップ搭載用基板及びその製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。
【0091】
例えば、上記の実施形態では、第2の銅層5(導体回路)の全ての領域上に無電解ニッケルめっきによりニッケル層6を形成したが、ニッケル層6は、第2の銅層5上の所定の位置に部分的に形成するようにしてもよい。具体的には、第2の銅層5を形成した後に、当該銅層3上のニッケル層6を形成する部分を除いてレジスト(上部レジスト)を形成し、ニッケル層形成工程において、この上部レジストが形成されていない第2の銅層5上にのみニッケル層6を形成することができる。この場合、導体回路(第2の銅層5)上のはんだ接続用端子やワイヤボンディング用端子としない領域は、ニッケル層6によって覆われることがなく、上部に形成されるソルダーレジスト7と直接接するようになる。そして、ソルダーレジスト7は、ニッケルよりも銅に対する密着性が高い場合が多いため、上記構成とすることによってソルダーレジスト7の密着性を高め、信頼性を更に向上させることが可能となる。
【0092】
また、上述した実施形態では、内層板の両表面上に外層導体回路を形成させる例を説明したが、必ずしもこれに限定されず、例えば内層板の一方の表面側のみ外層導体回路を形成するようにしてもよい。さらに、上記で得られた半導体チップ搭載用基板を更に内層板として用い、同様の工程を繰り返すことで、複数層の外装導体回路を備える多層板としてもよい。
【実施例】
【0093】
(実施例1)
(半導体チップ搭載用基板の製造)
(1a)内層板の準備
まず、図1(a)に示すように、絶縁基材に厚さ18μmの銅箔を両面に貼り合わせた、厚さ0.2mmのガラス布基材エポキシ銅張積層板であるMCL−E−679(日立化成工業株式会社製、商品名)を準備し、その不要な箇所の銅箔をエッチングにより除去し、スルーホールを形成して、表面に内層回路102が形成された内層板(内層板1)を得た。
【0094】
(1b)樹脂付き銅箔の積層
図1(b)に示すように、内層板1の両面に、3μmの厚みの銅箔22に接着剤(絶縁層21)を塗布したMCF−7000LX(日立化成工業株式会社製、商品名)を、170℃、30kgf/cm(2.9MPa)の条件で60分間加熱加圧してラミネートした。
【0095】
(1c)IVHの形成
図1(c)に示すように、炭酸ガスインパクトレーザー穴あけ機L−500(住友重機械工業株式会社製、商品名)により、銅箔22上から直径80μmの非貫通孔であるIVH10をあけた。さらに、IVH10形成後の基板を過マンガン酸カリウム65g/Lと水酸化ナトリウム40g/Lの混合水溶液に、液温70℃で20分間浸漬し、孔内のスミアの除去を行った。
【0096】
(1d)無電解銅めっき
図1(d)に示すように、(1c)の工程後の基板を、パラジウム溶液であるHS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)に25℃で15分間浸漬して、銅箔22表面に触媒を付与した。その後、CUST−201(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用して、液温25℃、30分の条件で無電解銅めっきを行った。これにより銅箔22上及びIVH10内の表面に厚さ0.3μmの無電解銅めっき層(銅めっき層3)を形成した。
【0097】
(1e)電解めっきレジストの形成
図1(e)に示すように、ドライフィルムフォトレジストであるRY−3025(日立化成工業株式会社製、商品名)を、無電解銅めっき層の表面にラミネートし、電解銅めっきを行うべき箇所をマスクするフォトマスクを介してフォトレジストに紫外線を露光した後、現像して、電解めっきレジスト(レジスト4)を形成した。
【0098】
(1f)電解銅めっき
図1(f)に示すように、硫酸銅浴を用い、液温25℃、電流密度1.0A/dmの条件で、銅めっき層3上に電解銅めっきを20μmほどの厚さが得られるように行い、回路導体幅/回路導体間隔(L/S)=35/35μmのパターン形状を有する第2の銅層5を形成した。また、かかるパターン形状を形成した面と反対側の面には、はんだボール接続用のランド径600μmのパッドが形成されるように、電解銅めっき皮膜(第2の銅層5)を形成した。
(1g)無電解ニッケルめっき
図1(g)に示すように、無電解ニッケルめっき液であるICP−ニコロンKZ(奥野製薬工業株式会社、商品名)へ、70℃において8分間浸漬させ、無電解ニッケルめっき皮膜を1μm析出させた。
【0099】
(1h)電解めっきレジストの剥離
図1(h)に示すように、レジスト剥離液であるHTO(ニチゴー・モートン株式会社製、商品名)を用いて、電解めっきレジストの除去を行った。
【0100】
(1i)エッチング
図1(i)に示すように、主成分として硫酸20g/L、過酸化水素10g/Lの組成のエッチング液を用いて、電解めっきレジストで覆われていた部分の銅(銅箔22及び銅めっき層3)をエッチングにより除去した。
【0101】
(1j)ソルダーレジストの形成
図1(j)に示すように、エッチング後の基板の上側の表面に、感光性のソルダーレジスト「PSR−4000 AUS5」(太陽インキ製造株式会社製、商品名)をロールコータにより塗布し、硬化後の厚みが40μmとなるようにした。続いて、露光・現像をすることにより、導体回路上の所望の場所に開口部を有するソルダーレジスト7を形成した。また、下側の表面には、はんだボール接続用のパッドを形成するために、ランド径600μmの銅パッドの上部に、500μmの開口径をもったソルダーレジスト7を形成した。
【0102】
(1k)無電解パラジウムめっき
図1(k)に示すように、無電解パラジウムめっき液であるAPP(石原薬品株式会社製、商品名)に、50℃で6分間浸漬し、無電解パラジウムめっき皮膜を0.1μm析出させた。
【0103】
(1l)無電解金めっき
ソルダーレジスト7形成後の基板を、置換金めっき液であるHGS−100(日立化成工業株式会社、商品名)に、85℃で2分間浸漬させ、更に1分間水洗した。次いで、還元型金めっき液であるHGS−2000(日立化成工業株式会社製、商品名)に、70℃で45分間浸漬させ、更に5分間水洗して、無電解金めっき皮膜を形成した。置換金めっき及び還元型金めっきによって得られた無電解金めっき皮膜の膜厚の合計は0.5μmであった。なお、本実施例及び以下の実施例や比較例においては、ニッケル層、パラジウム層及び金層の膜厚は、蛍光X線膜厚計SFT9500(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、商品名)を用いて測定した。
【0104】
このようにして、図1(l)に示すような、上下面に金層9で覆われた端子部分を有する半導体チップ搭載用基板を得た。この半導体チップ搭載用基板においては、上側の端子部分がワイヤボンディング接続用の端子に該当し、下側の端子部分がはんだ接続用の端子に該当する。半導体チップ搭載用基板は、これらの端子をそれぞれ1000個有している(以下の実施例、比較例も同様)。
【0105】
(特性評価)
(1)微細配線形成性
上記で得られた半導体チップ搭載用基板について、下記の基準により無電解金めっき後の微細配線形成性を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0106】
A:ブリッジが形成されておらず、端子部分にめっき皮膜が良好に形成されており、回路導体間隔が25μm以上である。
B:端子部分の外周に部分的にめっきがはみ出して析出しており、回路導体間隔が20μm以上、25μm未満である。
C:端子部分の外周に部分的にめっきがはみ出して析出しており、回路導体間隔が15μm以上、20μm未満である。
D:端子部分の外周に部分的にめっきがはみ出して析出しており、回路導体間隔が5μm以上、15μm未満である。
E:端子部分の外周に部分的にめっきがはみ出して析出しており、回路導体間隔が5μm未満である。
【0107】
(2)ワイヤボンディング性
上記で得られた半導体チップ搭載用基板について、下記の基準により接続端子のワイヤボンディング性(ワイヤボンディング接続性)を評価した。
【0108】
すなわち、実施例1に対応する複数の半導体チップ搭載用基板に対し、150℃で3、10、50、100及び200時間の熱処理をそれぞれ実施し、各熱処理時間が経過した時点でワイヤボンディングを行った。ワイヤボンディングは、ワイヤ径28μmの金ワイヤを用い、1000箇所のワイヤボンディング接続用の端子の全てで行った。ワイヤボンディング装置としては、UTC200−Super2(株式会社新川製、商品名)を用い、ボンディング温度(ヒートブロック温度):165℃、ボンド荷重:70gf、超音波出力:90PLS、超音波時間:25msの条件とした。
すなわち、実施例1に対応する複数の半導体チップ搭載用基板に対し、150℃で3、10、50、100及び200時間の熱処理をそれぞれ実施し、各熱処理時間が経過した時点でワイヤボンディングを行った。ワイヤボンディングは、ワイヤ径28μmの金ワイヤを用い、1000箇所のワイヤボンディング接続用の端子の全てで行った。ワイヤボンディング装置としては、UTC200−Super2(株式会社新川製、商品名)を用い、ボンディング温度(ヒートブロック温度):165℃、ボンド荷重:70gf、超音波出力:90PLS、超音波時間:25msの条件とした。
【0109】
(3)はんだ接続信頼性
上記で得られた半導体チップ搭載用基板について、下記の基準により接続端子のはんだ接続信頼性を評価した。
すなわち、半導体チップ搭載用基板における1000箇所のはんだ接続端子に、φ0.76mmのSn−3.0Ag−0.5Cuはんだボールを、リフロー炉で接続させた後(ピーク温度252℃)、耐衝撃性ハイスピードボンドテスター 4000HS(デイジ社製 商品名)を用いて、約200mm/秒の条件ではんだボールのシェア(剪断)試験を行った(放置時間0h)。また、はんだボールをリフローにより接続させた半導体チップ搭載用基板を複数準備し、それぞれ150℃で100、300、1000時間放置した後、これらについても同様にしてはんだボールのシェア(剪断)試験を行った。
【0110】
はんだ接続信頼性の評価基準は以下のとおりであり、かかる基準に基づいて、端子毎に評価を行った。得られた結果を表1に示す。
A:1000箇所全てのはんだ用接続端子においてはんだボール内での剪断による破壊が認められた。
B:はんだボール内での剪断による破壊以外のモードによる破壊が1箇所以上10個所以下で認められた。
C:はんだボール内での剪断による破壊以外のモードによる破壊が11箇所以上100個所以下で認められた。
D:はんだボール内での剪断による破壊以外のモードによる破壊が101個所以上で認められた。
【0111】
(実施例2)
(半導体チップ搭載用基板の製造)
(2a)内層板の準備
まず、図3(a)に示すように、絶縁基材に厚さ18μmの銅箔を両面に貼り合わせた、厚さ0.2mmのガラス布基材エポキシ銅張積層板であるMCL−E−679(日立化成工業株式会社製、商品名)を準備し、その不要な箇所の銅箔をエッチングにより除去し、スルーホールを形成して、表面に内層回路が形成された内層板(内層板1)を得た。
【0112】
(2b)樹脂層の積層
図3(b)に示すように、内層板の両面に、熱硬化性絶縁樹脂フィルムABF−45H(味の素ファインテクノ株式会社製、商品名)を、170℃、30kgf/cm(2.9MPa)の条件で60分間加熱加圧してラミネートした。
【0113】
(2c)IVHの形成
図3(c)に示すように、炭酸ガスインパクトレーザー穴あけ機L−500(住友重機械工業株式会社製、商品名)により、ビルドアップフィルム上から直径80μmの非貫通孔であるIVH10をあけた。さらに、IVH10形成後の基板を過マンガン酸カリウム65g/Lと水酸化ナトリウム40g/Lの混合水溶液に、液温70℃で20分間浸漬し、孔内のスミアの除去を行った。
【0114】
(2d)無電解銅めっき
図3(d)に示すように、(2c)の工程後の基板を、パラジウム溶液であるHS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)に25℃で15分間浸漬して、銅箔表面に触媒を付与した。その後、CUST−201(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用して、液温25℃、30分の条件で無電解銅めっきを行った。これにより銅箔上及びIVH内の表面に厚さ0.3μmの無電解銅めっき層(銅めっき層3)を形成した。
【0115】
(2e)電解めっきレジストの形成
図3(e)に示すように、ドライフィルムフォトレジストであるRY−3025(日立化成工業株式会社製、商品名)を、無電解銅めっき層の表面にラミネートし、電解銅めっきを行うべき箇所をマスクするフォトマスクを介してフォトレジストに紫外線を露光した後、現像して、電解めっきレジスト(レジスト4)を形成した。
【0116】
(2f)電解銅めっき
図3(f)に示すように、硫酸銅浴を用い、液温25℃、電流密度1.0A/dmの条件で、銅めっき層3上に電解銅めっきを20μmほどの厚さが得られるように行い、回路導体幅/回路導体間隔(L/S)=35/35μmのパターン形状を有する第2の銅層5を形成した。また、かかるパターン形状を形成した面と反対側の面には、はんだボール接続用のランド径600μmのパッドが形成されるように、電解銅めっき皮膜(第2の銅層5)を形成した。
【0117】
(2g)無電解ニッケルめっき
図3(g)に示すように、無電解ニッケルめっき液であるICP−ニコロンKZ(奥野製薬工業株式会社、商品名)へ、70℃において8分間浸漬させ、無電解ニッケルめっき皮膜を1μm析出させた。
[工程1g:無電解ニッケルめっき工程]
図3(g)に示すように、無電解ニッケルめっき液であるICP−ニコロンKZ(奥野製薬工業株式会社、商品名)へ、70℃において8分間浸漬させ、無電解ニッケルめっき皮膜を1μm析出させた。
【0118】
(2h)電解めっきレジストの剥離
図3(h)に示すように、レジスト剥離液であるHTO(ニチゴー・モートン株式会社製、商品名)を用いて、電解めっきレジストの除去を行った。
【0119】
(2i)エッチング
図3(i)に示すように、主成分として硫酸20g/L、過酸化水素10g/Lの組成のエッチング液を用いて、電解めっきレジストで覆われていた部分の銅をエッチングにより除去した。
【0120】
(2j)ソルダーレジストの形成
図3(j)に示すように、エッチング後の基板の上側の表面に、感光性のソルダーレジスト「PSR−4000 AUS5」(太陽インキ製造株式会社製、商品名)をロールコータにより塗布し、硬化後の厚みが40μmとなるようにした。続いて、露光・現像をすることにより、導体回路上の所望の場所に開口部を有するソルダーレジスト7を形成した。また、下側の表面には、はんだボール接続用のパッドを形成するために、ランド径600μmの銅パッドの上部に、500μmの開口径をもったソルダーレジスト7を形成した。
【0121】
(2k)無電解パラジウムめっき
図3(k)に示すように、無電解パラジウムめっき液であるAPP(石原薬品株式会社製、商品名)に、50℃で6分間浸漬し、無電解パラジウムめっき皮膜を0.1μm析出させた。
(2l)無電解金めっき
ソルダーレジスト7形成後の基板を、置換金めっき液であるHGS−100(日立化成工業株式会社、商品名)に、85℃で2分間浸漬させ、更に1分間水洗した。次いで、還元型金めっき液であるHGS−2000(日立化成工業株式会社製、商品名)に、70℃で45分間浸漬させ、更に5分間水洗して、無電解金めっき皮膜を形成した。置換金めっき及び還元型金めっきによって得られた無電解金めっき皮膜の膜厚の合計は0.5μmであった。
【0122】
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様に、微細配線形成性、ワイヤボンディング接続信頼性およびはんだ接続信頼性について評価した。得られた結果を表1に示す。
【0123】
[比較例1]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1における(1a)〜(1f)の工程を行った後、(1g)(無電解ニッケルめっき)の工程を行わずに、(1h)〜(1j)の工程を行った。
【0124】
次に、ソルダーレジスト形成後の基板を、めっき活性化処理液であるSA−100(日立化成工業株式会社製、商品名)に、25℃で5分間、浸漬処理し、1分間水洗した後、無電解ニッケルめっき液であるニッケルPS−100(日立化成工業株式会社製、商品名)に、85℃で12分間、浸漬処理して、1分間水洗した。これにより、第2の銅層上に3μmの無電解ニッケルめっき皮膜を形成した。
【0125】
その後、無電解ニッケルめっき皮膜形成後の基板を、置換金めっき液であるHGS−100(日立化成工業株式会社製、商品名)に、85℃で10分間、浸漬処理し、1分間水洗した後、還元型金めっき液であるHGS−2000(日立化成工業株式会社製、商品名)に、70℃で45分間浸漬させ、5分間水洗した。これにより、半導体チップ搭載用基板を得た。置換金めっき及び還元型金めっきによって得られた金層の膜厚の合計は0.5μmであった。
【0126】
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様に、微細配線形成性、ワイヤボンディング接続信頼性およびはんだ接続信頼性について評価した。得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1における(1a)〜(1f)の工程を行った後、(1g)(電解ニッケルめっき)の工程を行わずに、(1h)〜(1j)の工程を行った。
【0127】
続いて、ソルダーレジスト7形成後の基板を、めっき活性化処理液である下記組成の置換パラジウムめっき液に、5分間浸漬した後、水洗及び乾燥して、第2の銅層上に置換パラジウムめっき皮膜を形成した。
置換パラジウムめっき液の組成
塩化パラジウム(パラジウム)として :100mg/L
塩化アンモニウム :10g/L
pH :2(塩酸により調整)
【0128】
次に、置換パラジウムめっき液による処理後の基板を、下記組成の処理液に浸漬した後、水洗及び乾燥した。
【0129】
次に、置換パラジウムめっき液による処理後の基板を、下記組成の処理液に浸漬した後、水洗及び乾燥した。
処理液の組成
チオ硫酸カリウム :50g/L
pH調整剤 :クエン酸ナトリウム
pH :6
【0130】
それから、上記処理後の基板を、無電解ニッケルめっき液であるICP−ニコロンKZ(奥野製薬工業株式会社、商品名)に、70℃で8分間、浸漬処理した後、1分間水洗した。これにより、パラジウムめっき皮膜上に、1μmの無電解ニッケルめっき皮膜を形成した。続いて、この基板を置換金めっき液であるHGS−100(日立化成工業株式会社製、商品名)に、85℃で10分間、浸漬処理し、1分間水洗した後、還元型金めっき液であるHGS−2000(日立化成工業株式会社製、商品名)に、70℃で45分間浸漬させ、5分間水洗した。これにより、半導体チップ搭載用基板を得た。置換金めっき及び還元型金めっきによって得られた金層の膜厚の合計は0.5μmであった。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様に、微細配線形成性、ワイヤボンディング接続信頼性およびはんだ接続信頼性について評価した。得られた結果を表1に示す。
【0131】
[比較例3]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1における(1a)〜(1f)の工程を行った後、(1g)(無電解ニッケルめっき)の工程を行わずに、(1h)〜(1j)の工程を行った。
【0132】
続いて、めっき活性化処理液である下記組成の置換パラジウムめっき液に、5分間浸漬後、水洗、乾燥して、第2の銅層上に置換パラジウムめっき皮膜を形成した。
置換パラジウムめっき液の組成
塩酸(35%) :70ml/L
塩化パラジウム(パラジウム)として :50mg/L
次亜リン酸 :100mg/L
酸性度 :約0.8N(規定)
【0133】
次に、置換パラジウムめっき液による処理後の基板を、無電解ニッケルめっき液であるICP−ニコロンKZ(奥野製薬工業株式会社、商品名に、70℃で8分間、浸漬処理し、1分間水洗した。これにより、パラジウムめっき皮膜上に、1μmの無電解ニッケルめっき皮膜を形成した。続いて、この基板を、置換金めっき液であるHGS−100(日立化成工業株式会社製、商品名)に、85℃で10分間浸漬処理し、1分間水洗した後、還元型金めっき液であるHGS−2000(日立化成工業株式会社製、商品名)に、70℃において45分間浸漬させ、5分間水洗した。これにより、半導体チップ搭載用基板を得た。置換金めっき及び還元型金めっきによって得られた金層の膜厚の合計は0.5μmであった。
【0134】
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様に、微細配線形成性、ワイヤボンディング接続信頼性およびはんだ接続信頼性について評価した。得られた結果を表1に示す。
[比較例4]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
(1g)の工程において、光沢剤(一次光沢剤)を含有する下記組成の電解ニッケルめっき液を用いて、液温55℃、電流密度1.5A/dmの条件で、第2の銅層上に電解ニッケルめっきを1μmほどの厚さが得られるように行い、第2の銅層上にニッケル層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして半導体チップ搭載用基板を得た。電解ニッケルめっき液の組成
硫酸ニッケル : 240g/L
塩化ニッケル : 45g/L
ホウ酸 : 30g/L
界面活性剤 : 3ml/L
(日本高純度化学株式会社製、商品名:ピット防止剤♯62)
サッカリン(光沢剤) : 2g/L
pH : 4
【0135】
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様に、微細配線形成性、ワイヤボンディング接続信頼性およびはんだ接続信頼性について評価した。得られた結果を表1に示す。
【0136】
【表1】

【符号の説明】
【0137】
1…内層板、100…内層用基板、102…内層回路、104…内層用ビア、2…樹脂付き銅箔、21…絶縁層、22…銅箔、23…絶縁層(ビルドアップフィルム)、24…絶縁層、3…銅めっき層(無電解銅めっき皮膜)、31…第1の銅層、4…レジスト、5…第2の銅層(電解銅めっき皮膜)、51…導体回路、6…ニッケル層(無電解ニッケルめっき皮膜)、7…ソルダーレジスト、8…金属層(無電解パラジウムめっき皮膜)、9…金層(無電解金めっき皮膜)、91…置換金めっき皮膜、92…還元型金めっき皮膜、10…インタースティシャルバイアホール(IVH)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内層回路を表面に有する内層板と、前記内層回路と一部で接続するように絶縁層を隔てて前記内層板上に設けられた第1の銅層と、を有する積層体における前記第1の銅層上に、導体回路となるべき部分を除いてレジストを形成するレジスト形成工程と、
前記第1の銅層上の前記導体回路となるべき部分に、電解銅めっきにより第2の銅層を形成して、前記第1の銅層及び前記第2の銅層からなる前記導体回路を得る導体回路形成工程と、
前記導体回路上の少なくとも一部に、無電解ニッケルめっきによりニッケル層を形成するニッケル層形成工程と、
前記レジストを除去するレジスト除去工程と、
前記レジストに覆われていた部分の前記第1の銅層をエッチングにより除去するエッチング工程と、
前記ニッケル層が形成された前記導体回路上の少なくとも一部に、コバルト、パラジウム、白金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなる金属層を、無電解めっき又は電解めっきにより形成する金属層形成工程と
前記金属層が形成された前記導体回路上の少なくとも一部に、無電解金めっきにより金層を形成する金層形成工程と、
を有する半導体チップ搭載用基板の製造方法。
【請求項2】
エッチング工程後、金層形成工程前に、ニッケル層が形成された導体回路の少なくとも一部が露出するように、表面にソルダーレジストを形成するソルダーレジスト形成工程を有する、請求項1記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
【請求項3】
レジスト形成工程において、
内層板上に、樹脂を主成分とする絶縁層と銅箔とが積層された樹脂付き銅箔を、前記絶縁層が前記内層板側に向くようにして積層し、
前記内層板上に積層された前記樹脂付き銅箔に、内層回路の一部が露出するようにバイアホールを形成し、
前記銅箔及び前記バイアホール内を覆うように無電解銅めっきにより銅めっき層を形成して、前記銅箔及び前記銅めっき層からなり前記内層回路と一部で接続する第1の銅層を有する積層体を得た後、
前記積層体における前記第1の銅層上に、導体回路となるべき部分を除いてレジストを形成する、請求項1又は2記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
【請求項4】
樹脂付き銅箔における銅箔の厚みが、5μm以下であることを特徴とする請求項3記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
【請求項5】
レジスト形成工程において、
内層回路を表面に有する内層板上に、導電性を有しないフィルムを積層して絶縁層を形成し、
前記内層板上に積層された前記絶縁層に、前記内層回路の一部が露出するようにバイアホールを形成し、
前記絶縁層及び前記バイアホール内を覆うように無電解銅めっきにより銅めっき層を形成して、前記銅めっき層からなり前記内層回路と一部で接続する第1の銅層を有する積層体を得た後、
前記積層体における前記第1の銅層上に、導体回路となるべき部分を除いてレジストを形成する、請求項1又は2記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
【請求項6】
導体回路形成工程後、ニッケル層形成工程前に、導体回路の一部が露出するようにしてレジスト及び前記導体回路を覆う上部レジストを更に形成する上部レジスト形成工程を有し、
前記ニッケル層形成工程において、前記上部レジストから露出した部分の前記導体回路上にニッケル層を形成し、
レジスト除去工程において、前記レジスト及び前記上部レジストの両方を除去する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
【請求項7】
金属層形成工程において、無電解パラジウムめっきによりパラジウム層を形成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
【請求項8】
パラジウム層形成工程において、パラジウム層を、置換パラジウムめっきを行った後、還元型のパラジウムめっきを行うことにより形成する、請求項7記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
【請求項9】
金層形成工程において、無電解金めっきを、還元剤を含む無電解金めっき液を用いて行い、前記還元剤として、酸化により水素ガスを発生しないものを用いる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
【請求項10】
導体回路の少なくとも一部が、はんだ接続用端子又はワイヤボンディング用端子である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の半導体チップ搭載用基板の製造方法により得られる、半導体チップ搭載用基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−93359(P2013−93359A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232803(P2011−232803)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000004455)日立化成株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】