半導体レーザモジュール
【課題】故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールを提供すること。
【解決手段】保持部固定剤と半導体レーザ素子の間に配置される壁部材の孔の直径をD、半導体レーザ素子と壁部材との間隔をL、半導体レーザ素子の活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおいてピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角をφ、光ファイバの楔形状の先端部の開き角度をθ、光ファイバの直径をd、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔をzとすると、tan(φ/2)>tan(θ/2)/[1+(2z/d)tan(θ/2)]>D/(2L)が成り立つことを特徴とする。
【解決手段】保持部固定剤と半導体レーザ素子の間に配置される壁部材の孔の直径をD、半導体レーザ素子と壁部材との間隔をL、半導体レーザ素子の活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおいてピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角をφ、光ファイバの楔形状の先端部の開き角度をθ、光ファイバの直径をd、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔をzとすると、tan(φ/2)>tan(θ/2)/[1+(2z/d)tan(θ/2)]>D/(2L)が成り立つことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信分野、加工や溶接などの産業分野、および医療分野などで使用される半導体レーザモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、光ファイバからレーザ光を出力する半導体レーザモジュールの製造工程において、金属メッキなどの金属被覆が施され、先端部が楔形状に加工された光ファイバを、基板上の所定の位置に固定された半導体レーザ素子に所定の間隔で対向して配置し、半導体レーザ素子の活性層から出射するレーザ光が最大の結合効率で光ファイバに結合するように光ファイバを調芯した後、YAGレーザや電熱ヒーターによって金錫半田などの固定剤を溶融して、光ファイバ保持手段上に光ファイバを固定する方法が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
一方、半導体レーザモジュールの製造工程において、金属被覆が施され、先端部が楔形状に加工された光ファイバを、金属フェルールなどの光ファイバ保持手段に金錫半田などの固定剤を用いて挿通固定し、金属フェルールを挟持部材により挟持して光ファイバを調芯した後、基板上にYAGレーザなどで金属フェルールを溶接して固定する方法も知られている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−183445号公報
【特許文献2】特開2002−333554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、半導体レーザ素子からの出射光を楔形状の先端部を有する光ファイバに結合しようとする場合、出射光を光ファイバに100%結合することはできず、光ファイバに結合しない非結合光が必ず発生する。この非結合光の大部分は、光ファイバの周囲を前方に進行し、光ファイバを光ファイバ保持手段に固定している半田剤や接着剤などの固定剤(保持部固定剤)に照射される。
【0006】
特に、レーザ加工の分野や医療分野で使用される半導体レーザモジュールは、半導体レーザ素子からの出射光の強度が非常に大きいので、発生する非結合光の強度も大きくなる。例えば半導体レーザ素子からの出射光の光ファイバへの結合効率が80%の場合、光ファイバからの光出力として5Wを得ようとすると、1.2W程度の非結合光が発生していることになる。このように非結合光の強度が大きくなると、半田剤も溶融させる可能性がある。また、固定剤として接着剤を用いる場合は、さらに低い非結合光の強度でも接着剤が溶融、もしくは劣化する可能性がある。
【0007】
このように固定剤が溶融もしくは劣化すると、固定剤の成分が飛散し半導体レーザ素子の光出射端面に付着し、付着した飛散成分が光吸収を起こして発熱し、光出射端面が損傷して半導体レーザモジュールの故障を引き起こす可能性があるという課題がある。また、結合効率が最大の位置で固定されていた光ファイバはその位置からずれてしまうため、結合ロスが増大し、半導体レーザモジュールの信頼性の低下や故障の可能性があるという課題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る半導体レーザモジュールは、活性層を有する半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子に対向して配置され前記活性層に垂直方向での断面が楔形状である先端部を有する光ファイバと、保持部固定剤により前記光ファイバを固定して保持する光ファイバ保持手段と、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバ保持手段とを固定する基板と、前記光ファイバを挿通する孔を有し前記保持部固定剤と前記半導体レーザ素子の間に配置される壁部材と、を備え、前記壁部材の孔の直径をD、前記半導体レーザ素子と前記壁部材との間隔をL、前記半導体レーザ素子の前記活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおいてピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角をφ、前記光ファイバの先端部の開き角度をθ、前記光ファイバの直径をd、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバの先端部との間隔をzとすると、tan(φ/2)>tan(θ/2)/[1+(2z/d)tan(θ/2)]>D/(2L)が成り立つことを特徴とする。
【0010】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記壁部材は、該壁部材の孔に充填された孔部固定剤により前記光ファイバに固定されていることを特徴とする。
【0011】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記壁部材は、前記光ファイバ保持手段の前記半導体レーザ素子側に固定されていることを特徴とする。
【0012】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記壁部材は、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバ保持手段の間において前記基板に固定されていることを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記壁部材は、前記光ファイバ保持手段の一部に形成されていることを特徴とする。
【0014】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記光ファイバ保持手段は、該光ファイバ保持手段を挟持する挟持手段を介して前記基板に固定されていることを特徴とする。
【0015】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記挟持手段は、基部と、該基部に立設され前記光ファイバ保持手段を挟持する2つの起立壁と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記挟持手段は、前記光ファイバ保持手段を配置する溝部の両側に凹部を有する基部と、前記凹部に嵌め込まれ前記光ファイバ保持手段を挟持する挟持部材と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、前記の不等式が成り立つことにより、壁部材によって非結合光が光ファイバ保持部において光ファイバを固定する保持部固定剤に到達するのを防止できるので、保持部固定剤が溶融や劣化することによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールを実現できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、図面を参照して本発明に係る半導体レーザモジュールの実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1に係る半導体レーザモジュールについて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。図2は、図1に示す半導体レーザモジュールのX1−X1線断面図である。
【0020】
まず、本実施の形態1に係る半導体レーザモジュール100の構成について説明する。図1および2に示すように、半導体レーザモジュール100は、活性層を有する半導体レーザ素子101と、光ファイバ102と、円板状の壁部材103と、保持部固定剤104と、ヒートシンク105と、サブマウント106と、ブロック状の光ファイバ保持手段107と、基板108と、パッケージ109と、蓋110とを備える。
【0021】
光ファイバ102は金属被覆が施され、先端部が半導体レーザ素子101に対向して配置されている。光ファイバ保持手段107は保持部固定剤104により光ファイバ102を半導体レーザ素子101の活性層と位置合わせした状態で固定して保持する。基板108は光ファイバ保持手段107を固定するとともに、ヒートシンク105とサブマウント106とを介して半導体レーザ素子101も固定する。壁部材103は光ファイバ102の直径とほぼ同じ直径の孔103aを有する。光ファイバ102は孔103aに互いに中心がほぼ一致するように挿通される。また、壁部材103は保持部固定剤104と半導体レーザ素子101の間に配置され、孔103aの内壁と光ファイバ102との隙間に充填された孔部固定剤113により光ファイバ102に固定されている。また、パッケージ109の光ファイバ挿入口は挿入部固定剤111により封止されている。
【0022】
図3は、光ファイバ102の半導体レーザ素子101に対向して配置される先端部を模式的に表した断面図である。図3においては、半導体レーザ素子101の活性層に垂直方向での断面を示す。図3に示すように、光ファイバ102は、直径105μmのコア102aと外径125μmのクラッド102bを有し、NAが0.15もしくは0.22のマルチモード光ファイバであり、先端部102cが楔形状に加工されたものである。先端部102cの開き角度は110°であり、球面状に研磨された先端半径Rは7μmである。
【0023】
半導体レーザ素子101は、GaAs系の材料からなり、活性層における発光部の幅が100μm、レーザ発振波長が915〜980nmの横マルチモードレーザダイオードである。出射光の光半導体レーザ素子101の活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンは図4に示すようにほぼガウス型の形状を有しており、半値幅で約33°であり、ピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角は約70°である。一方、水平方向のファーフィールドパターンは半値幅で約10°である。
【0024】
保持部固定剤104、孔部固定剤113、挿入部固定剤111は、半田や接着剤である。半田の具体例は、金錫半田(AuSn)、錫鉛半田(PbSn)、錫銀銅半田(SnAgCu)などである。接着剤の具体例は、エポキシ系、アクリル系、UV硬化樹脂系などの接着剤である。
【0025】
ヒートシンク105、サブマウント106、基板108は、半導体レーザ素子101から発生する熱を放熱するために、熱伝導率が高い材質で構成されている。熱伝導率が高い材質の具体例は、銅−タングステン合金(CuW)、ダイヤモンド、窒化アルミ(AlN)などである。
【0026】
光ファイバ保持手段107は、半導体レーザ素子101の活性層と位置合わせした状態で光ファイバ102を保持部固定剤104で固定するためのブロック状の部品である。光ファイバ保持手段107の材質の具体例は、AlNやAl2O3などのセラミックスや、Fe−Ni−Co合金、ステンレス(SUS)などの金属である。
【0027】
つぎに、半導体レーザモジュール100の動作について説明する。半導体レーザ素子101は、活性層の端面からレーザ光を出射する。出射光は半導体レーザ素子101に対向して配置された光ファイバ102の楔形状の先端部102cと80%程度の結合効率で結合し、光ファイバ102のもう一端からは所望の強度の光が出力する。このとき光ファイバと結合しない非結合光が存在する。この非結合光は光ファイバ102の周囲を前方に進行するが、壁部材103によって遮断される。その結果、非結合光が保持部固定剤104に到達することが防止できる。
【0028】
また、壁部材103の孔103aには孔部固定剤113が充填されているが、半導体レーザ素子101、光ファイバ102、壁部材103について以下の不等式が成り立つことにより、非結合光が孔部固定剤113に到達することも防止できる。
【0029】
すなわち、図5に示すように、壁部材103の孔103aの直径をD、半導体レーザ素子101と壁部材103との間隔をL、半導体レーザ101の活性層101aに垂直方向でのファーフィールドパターンにおいてピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角をφ、光ファイバ102の先端部の開き角度をθ、光ファイバ102の直径をd、半導体レーザ素子101と光ファイバ102の先端部との間隔をzとすると、式(1)が成り立つ。
【0030】
tan(φ/2)>tan(θ/2)/[1+(2z/d)tan(θ/2)]>D/(2L) ・・・ (1)
【0031】
その結果、半導体レーザ素子101の活性層101aの端面から見た場合に孔103aは光ファイバ102の陰に隠れるので、非結合光が孔部固定剤113に到達することが防止される。したがって、孔部固定剤113が溶融、劣化することがなく、固定剤の成分が飛散し半導体レーザ素子の光出射端面に付着して半導体レーザモジュールの故障を引き起こすことを防止できる。また、なんらかの原因で孔部固定剤113に隙間が発生したとしても、その隙間から非結合光が保持部固定剤104に到達するということも防止できる。
【0032】
なお、壁部材103は、半導体レーザ素子101からの出射光を透過や吸収しない、反射率が高い材質で形成される。壁部材103の吸収係数が高いと、壁部材103が非結合光を吸収して温度が上昇してしまい、壁部材103を光ファイバ102に固定している孔部固定剤113を溶融もしくは劣化させる可能性がある。壁部材の材質の具体例は、アルミニウム(Al)、SUS、あるいは銅(Cu)などの金属である。また、壁部材103は、反射率が低い樹脂材料で形成した後に表面に反射率の高い金(Au)や銀(Ag)のメッキを施して反射率を高めたものや、Al、SUS、Cuなどで形成した後に表面にAuやAgのメッキを施したものでもよい。
【0033】
つぎに、本発明の実施の形態1に係る半導体レーザモジュール100の製造工程のうち主要なものについて説明する。まず、サブマウント106上にヒートシンク105を介して半導体レーザ素子101をAuSnなどの半田剤で固定し、その後、これを基板108上の所定の位置に半田剤で固定する。
【0034】
つぎに、基板108上の所定の位置に光ファイバ保持手段107を半田剤で固定する。このとき光ファイバ保持手段107を固定する位置は、光ファイバ保持手段107と半導体レーザ素子101の間に壁部材103が配置されることを考慮して決定する。
【0035】
一方、光ファイバ102を壁部材103の孔103aに挿通し、孔103aに孔部固定剤113を充填し、壁部材103を光ファイバ102に固定する。このときの先端からの固定位置(L−z)は、半導体レーザモジュールの製造が完了した後にD,L,φ,θ,d,z間に式(1)の関係が成り立つように決定する。
【0036】
しかる後、光ファイバ102の楔形状の先端部102cを半導体レーザ素子101の活性層101aの端面に対向して配置し、半導体レーザ素子101を駆動して活性層の端面からレーザ光を出射させて、光ファイバ102のもう一端から出力する光の強度をモニタしながら、光ファイバ102を半導体レーザ素子101に対して前後、左右、上下並びに光ファイバ102の中心軸周りに動かして調芯を行う。そして、モニタした光出力強度が最大となる位置、すなわち半導体レーザ素子101からの出射光の光ファイバ102への結合効率が最大となる位置において、光ファイバ保持手段107上に保持部固定剤104を供給し、光ファイバ102を光ファイバ保持手段107上に固定する。保持部固定剤104が半田剤である場合にはYAGレーザの照射により保持部固定剤104を溶融して固定する。
【0037】
なお、保持部固定剤104を溶融する際に、溶融温度が高すぎると保持部固定剤104の成分が飛散する可能性があるが、本実施の形態1では、保持部固定剤104と半導体レーザ素子101の間に壁部材103が配置され、かつ孔103aが固定剤により充填されていることにより飛散成分の半導体レーザ素子101への到達を防止できるので、飛散成分が半導体レーザ素子101の光出射端面に付着して故障を引き起こすことを防止できる。
【0038】
以上説明したように、本実施の形態1に係る半導体レーザモジュール100は、壁部材103によって非結合光が保持部固定剤104や孔部固定剤113に到達するのを防止できるので、これらの固定剤が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0039】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態2に係る半導体レーザモジュールは、実施の形態1に係る半導体レーザモジュールとは、壁部材が光ファイバ保持手段の半導体レーザ素子側に固定されているなどの点で異なる。壁部材の孔の直径D、半導体レーザ素子と壁部材との間隔L、半導体レーザの活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおけるピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角φ、光ファイバの先端部の開き角度θ、光ファイバ1の直径d、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔zについて、式(1)が成り立つ点は、実施の形態1と同じである。
【0040】
図6は、本実施の形態2に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。図7は、図6に示す半導体レーザモジュールのX2−X2線断面図である。
【0041】
図6および7に示すように、本実施の形態2に係る半導体レーザモジュール200は、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール100と同様に、活性層を有する半導体レーザ素子201と、光ファイバ202と、光ファイバ202を挿通する孔203aを有する円板状の壁部材203と、保持部固定剤204と、ヒートシンク205と、サブマウント206と、光ファイバ保持手段207と、基板208と、パッケージ209と、蓋210とを備える。
【0042】
半導体レーザモジュール200においては、壁部材203が光ファイバ保持手段207の半導体レーザ素子201側に固定されている。また、孔203aは固定剤で充填されていない。このため、図7においては、孔203aの内壁と光ファイバ202との隙間から保持部固定剤204が見える。
【0043】
半導体レーザモジュール100の場合と同様に、半導体レーザ素子201からの出射光は光ファイバ202の楔形状の先端部と80%程度の結合効率で結合するが、光ファイバと結合する光の周辺には非結合光が存在する。この非結合光は光ファイバ202の周囲を前方に進行するが、壁部材203によって遮断される。その結果、非結合光が保持部固定剤204に到達することが防止できる。
【0044】
壁部材203の孔203aの内壁と光ファイバ202との間には隙間があるが、半導体レーザ素子201、光ファイバ202、壁部材203について前述の式(1)が成り立っている。その結果、半導体レーザ素子201の活性層の端面から見た場合に孔203aは光ファイバ202の陰に隠れるので、非結合光が孔103aの内壁と光ファイバ202との隙間から保持部固定剤204に到達して保持部固定剤204を溶融するということが防止できる。
【0045】
半導体レーザモジュール200の製造工程においては、あらかじめ光ファイバ保持手段207の半導体レーザ素子201側に壁部材203を孔203aが半導体レーザ素子201の活性層と同じ高さとなるように固定しておく。つぎに、基板208上の所定の位置に光ファイバ保持手段207を半田剤で固定する。このときの固定位置は、半導体レーザモジュールの製造が完了した後に式(1)の関係が成り立つように式(1)中の各パラメータを考慮して決定する。その後、壁部材203の孔203aに光ファイバ202を挿通し、調芯を行う。半導体レーザモジュール100の場合とは異なり光ファイバ202には壁部材203が固定されていないので、調芯が一層容易となる。
【0046】
本実施の形態2に係る半導体レーザモジュール200は、壁部材203によって非結合光が保持部固定剤204に到達するのを防止できるので、保持部固定剤204が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0047】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態3に係る半導体レーザモジュールは、実施の形態2に係る半導体レーザモジュールとは、壁部材が半導体レーザ素子と光ファイバ保持手段の間において基板に固定されているなどの点で異なる。壁部材の孔の直径D、半導体レーザ素子と壁部材との間隔L、半導体レーザの活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおけるピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角φ、光ファイバの先端部の開き角度θ、光ファイバ1の直径d、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔zについて、式(1)が成り立つ点は、実施の形態1と同じである。
【0048】
図8は、本実施の形態3に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。図9は、図8に示す半導体レーザモジュールのX3−X3線断面図である。図8および9に示すように、本実施の形態3に係る半導体レーザモジュール300は、壁部材303が半導体レーザ素子301と光ファイバ保持手段307の間において基板308に固定されている。
【0049】
本実施の形態3に係る半導体レーザモジュール300も、壁部材303によって非結合光が保持部固定剤304に到達するのを防止できるので、保持部固定剤304が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0050】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態4に係る半導体レーザモジュールは、実施の形態2に係る半導体レーザモジュールとは壁部材が光ファイバ保持手段の半導体レーザ素子側に固定されているなどの点で同様であるが、光ファイバ保持手段が該光ファイバ保持手段を挟持する挟持手段を介して基板に固定されているなどの点で異なる。壁部材の孔の直径D、半導体レーザ素子と壁部材との間隔L、半導体レーザの活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおけるピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角φ、光ファイバの先端部の開き角度θ、光ファイバ1の直径d、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔zについて、式(1)が成り立つ点は、実施の形態1と同じである。
【0051】
図10は、本実施の形態4に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。なお、説明のため、保持部固定剤404、光ファイバ保持手段407、挟持手段412は側面図で示す。図11は、図10に示す半導体レーザモジュールのX4−X4線断面図である。図10および11に示すように、本実施の形態4に係る半導体レーザモジュール400は、半導体レーザモジュール200とは異なり、ブロック状の光ファイバ保持手段407が光ファイバ保持手段407を挟持する挟持手段412を介して基板408に固定されている。この挟持手段412は、基部412aと、基部412aに立設され光ファイバ保持手段407を挟持する2つの起立壁412b、412cとを有する部品である。起立壁412b、412cは光ファイバ保持手段407を溶接部414において固定する。
【0052】
半導体レーザモジュール400の製造工程においては、基板408上の所定の位置に挟持手段412を基部412aにおいて半田剤で、あるいはYAGレーザ溶接などを用いて固定する。
【0053】
一方、あらかじめ、光ファイバ保持手段407に壁部材403を固定しておく。また、光ファイバ402を壁部材403の孔403aに挿通し、保持部固定剤404により光ファイバ保持手段407に固定しておく。このように調芯の前にあらかじめ光ファイバ402を保持部固定剤404により光ファイバ保持手段407に固定しておくので、後の工程で調芯をしてから保持部固定剤404を光ファイバ402の固定のために溶融しなくてもよい。したがって、製造工程における保持部固定剤404の溶融による成分の飛散はない。なお、このときの壁部材403および光ファイバ402の固定位置は、半導体レーザモジュールの製造が完了した後に式(1)の関係が成り立つように式(1)中の各パラメータを考慮して決定する。
【0054】
つぎに、壁部材403および光ファイバ402を固定した光ファイバ保持手段407を挟持手段412の起立壁412bと起立壁412cの間に配置し、光ファイバ保持手段407を前後方向(図10の左右方向)又は上下方向(図10、11の上下方向)に、また、光ファイバ保持手段407を挟持手段412ごと左右方向(図11の左右方向)に動かして光ファイバ402の調芯を行う。そして、半導体レーザ素子401からの出射光の光ファイバ402への結合効率が最大となる位置において、光ファイバ保持手段407を挟持手段412の起立壁412b、412cにYAGレーザ溶接し、挟持手段412を基板408にYAGレーザにより溶接固定する。光ファイバ保持手段407や挟持手段412の材質は、YAGレーザ溶接ができる材質であり、具体的にはFe−Ni−Co合金、SUSなどの金属である。
【0055】
本実施の形態4に係る半導体レーザモジュール400も、壁部材403によって非結合光が保持部固定剤404に到達するのを防止できるので、保持部固定剤404が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0056】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態5に係る半導体レーザモジュールは、実施の形態4に係る半導体レーザモジュールとは光ファイバ保持手段が挟持手段を介して基板に固定されているなどの点で同様であるが、光ファイバ保持手段が金属フェルールであるなどの点で異なる。壁部材の孔の直径D、半導体レーザ素子と壁部材との間隔L、半導体レーザの活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおけるピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角φ、光ファイバの先端部の開き角度θ、光ファイバ1の直径d、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔zについて、式(1)が成り立つ点は、実施の形態1と同じである。
【0057】
図12は、本実施の形態5に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。なお、説明のため、保持部固定剤504、光ファイバ保持手段507、挟持手段512は側面図で示す。また、点線で囲まれた部分の一部断面拡大図も同時に示す。この一部断面拡大図においては光ファイバ保持手段507の断面を符号507aで示している。図13は、図12に示す半導体レーザモジュールのX5−X5線断面図である。図12および13に示すように、本実施の形態5に係る半導体レーザモジュール500は、半導体レーザモジュール400とは異なり、中心軸に光ファイバ502の直径とほぼ同じの直径の孔を有する円筒状の金属フェルールである光ファイバ保持手段507が挟持手段512を介して基板508に固定されている。また、壁部材503は孔部固定剤513により孔503aに挿通する光ファイバ502へ固定されている。挟持手段512は、挟持手段412と同様の構成を有する部品である。光ファイバ保持手段507や挟持手段512の材質は、YAGレーザ溶接ができる材質であり、具体的にはFe−Ni−Co合金、SUSなどの金属である。
【0058】
半導体レーザモジュール500の製造工程においては、あらかじめ図12中の一部断面拡大図において示すように、光ファイバ502を光ファイバ保持手段507の孔に挿通し、保持部固定剤504により光ファイバ保持手段507に固定しておく。つぎに、光ファイバ502を壁部材503の孔503aに挿通し、孔503aに孔部固定剤513を充填し、壁部材503を光ファイバ保持手段507に固定しておく。
【0059】
このように調芯の前にあらかじめ光ファイバ502を保持部固定剤504により光ファイバ保持手段507に固定しておくので、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール100と同様に、製造工程において保持部固定剤504の溶融による成分の飛散はない。なお、このときの壁部材503および光ファイバ502の固定位置は、半導体レーザモジュールの製造が完了した後に式(1)の関係が成り立つように式(1)中の各パラメータを考慮して決定する。
【0060】
本実施の形態5に係る半導体レーザモジュール500も、壁部材503によって非結合光が保持部固定剤504や孔部固定剤513に到達するのを防止できるので、これらの固定剤が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0061】
なお、図12に示すように、本実施の形態5においては光ファイバ保持手段507と壁部材503とを別個に固定している。しかし、本実施の形態5の変形例として、図14に示すように光ファイバ保持手段507と壁部材503とを保持部固定剤504により一緒に固定してもよい。すなわち、保持部固定剤504は孔部固定剤の役割も果たしている。この場合、製造工程においては、光ファイバ502を光ファイバ保持手段507に挿通し、光ファイバ502を壁部材503の孔503aに挿通し、保持部固定剤504により光ファイバ保持手段507に光ファイバ502と壁部材503とを一緒に固定するので、製造工程が簡略化される。また、壁部材503が直接的に保持部固定剤504を介して光ファイバ保持手段507に支持されているので、調芯が一層容易となる。
【0062】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態6に係る半導体レーザモジュールは、実施の形態5に係る半導体レーザモジュールとは光ファイバ保持手段が金属フェルールであるなどの点で同様であるが、壁部材が光ファイバ保持手段の一部に形成されているなどの点で異なる。壁部材の孔の直径D、半導体レーザ素子と壁部材との間隔L、半導体レーザの活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおけるピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角φ、光ファイバの先端部の開き角度θ、光ファイバ1の直径d、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔zについて、式(1)が成り立つ点は、実施の形態1と同じである。
【0063】
図15は、本実施の形態6に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。なお、説明のため、保持部固定剤604、光ファイバ保持手段607、壁部材607a、挟持手段612は側面図で示す。図16は、図15に示す半導体レーザモジュールのX6−X6線断面図である。図15および16に示すように、本実施の形態6に係る半導体レーザモジュール600は、半導体レーザモジュール500とは異なり、壁部材607aが金属フェルールである光ファイバ保持手段607の一部に形成されている。この壁部材607aは、光ファイバ保持手段607の一部に中心軸の孔よりも深い位置まで溝を刻設することで形成できるので、壁部材を別途用意する必要がない。また、保持部固定部材604は、刻設した溝の内部に供給される。
【0064】
半導体レーザモジュール600の製造工程においては、調芯の前にあらかじめ光ファイバ602を光ファイバ保持手段607および壁部材607aの孔に挿通し、保持部固定剤604により光ファイバ保持手段607に固定しておく。したがって、半導体レーザモジュール500と同様に、製造工程において保持部固定剤604の溶融による成分の飛散はない。
【0065】
本実施の形態6に係る半導体レーザモジュール600も、壁部材607aによって非結合光が保持部固定剤604に到達するのを防止できるので、保持部固定剤604が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0066】
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態7に係る半導体レーザモジュールは、実施の形態5に係る半導体レーザモジュールとは光ファイバ保持手段が金属フェルールであるなどの点で同様であるが、光ファイバ保持手段を挟持する挟持手段が異なる。壁部材の孔の直径D、半導体レーザ素子と壁部材との間隔L、半導体レーザの活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおけるピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角φ、光ファイバの先端部の開き角度θ、光ファイバ1の直径d、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔zについて、式(1)が成り立つ点は、実施の形態1と同じである。
【0067】
図17は、本実施の形態7に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。なお、説明のため、保持部固定剤704、光ファイバ保持手段707、挟持手段712は側面図で示す。図18は、図17に示す半導体レーザモジュールの挟持手段を模式的に表した斜視図である。図17および18に示すように、本実施の形態7に係る半導体レーザモジュール700においては、金属フェルールである光ファイバ保持手段707を挟持する挟持手段712が、光ファイバ保持手段707を配置する溝部712bの両側に凹部712cを有する基部712aと、凹部712cに嵌め込まれ光ファイバ保持手段707を挟持する挟持部材712dとを有する部品である。
【0068】
半導体レーザモジュール700の製造工程においては、光ファイバ702を光ファイバ保持手段707に挿通し保持部固定剤704により固定し、壁部材703を固定した後、光ファイバ保持手段707を挟持手段712の基部712aの溝部712bに配置するとともに、凹部712cに挟持部材712dを嵌め込む。挟持部材712dは凹部712cに嵌め込んだ状態で光ファイバ保持手段707の長手方向と直角の方向に移動させることができる。そして、光ファイバ保持手段707を前後、左右、上下に動かして光ファイバ702の調芯を行った後、挟持部材712dを移動させて光ファイバ保持手段707を両側から挟持して、光ファイバ保持手段707と挟持部材712d、および挟持部材712dと基部712aをYAGレーザ溶接により溶接部714において溶接する。このような挟持手段712を用いれば、光ファイバ保持手段707を動かして調芯を行うための隙間を十分に確保でき、調芯後は光ファイバ保持手段707を確実に挟持することができる。挟持手段712の材質は、YAGレーザ溶接ができる材質であり、具体的にはFe−Ni−Co合金、SUSなどの金属である。
【0069】
本実施の形態7に係る半導体レーザモジュール700も、壁部材703によって非結合光が保持部固定剤704や孔部固定剤713に到達するのを防止できるので、これらの固定剤が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0070】
なお、上記実施の形態において、壁部材の形状は円形に限らず、非結合光の遮断効果を高めるなどのために適宜変更してもよい。また、上記実施の形態2〜4において、光ファイバの調芯後に壁部材の孔に固定剤を充填し、光ファイバをより確実に固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態1に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図2】図1に示す半導体レーザモジュールのX1−X1線断面図である。
【図3】光ファイバの半導体レーザ素子に対向して配置される先端部を模式的に表した断面図である。
【図4】半導体レーザ素子の活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンを示す図である。
【図5】半導体レーザ素子、光ファイバ、壁部材の関係を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図7】図6に示す半導体レーザモジュールのX2−X2線断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図9】図8に示す半導体レーザモジュールのX3−X3線断面図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図11】図10に示す半導体レーザモジュールのX4−X4線断面図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図13】図12に示す半導体レーザモジュールのX5−X5線断面図である。
【図14】本発明の実施の形態5の変形例を説明する図である。
【図15】本発明の実施の形態6に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図16】図15に示す半導体レーザモジュールのX6−X6線断面図である。
【図17】本発明の実施の形態7に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図18】図17に示す半導体レーザモジュールの挟持手段を模式的に表した斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
100〜700 半導体レーザモジュール
101〜701 半導体レーザ素子
101a 活性層
102〜702 光ファイバ
102a コア
102b クラッド
102c 先端部
103〜703、607a 壁部材
103a〜503a 孔
104〜704 保持部固定剤
105〜705 ヒートシンク
106〜706 サブマウント
107〜707 光ファイバ保持手段
108〜708 基板
109〜709 パッケージ
110〜710 蓋
111〜711 挿入部固定剤
113〜713 孔部固定剤
412〜712、 挟持手段
412a〜712a 基部
412b〜612b、412c〜612c 起立壁
414〜714 溶接部
712b 溝部
712c 凹部
712d 挟持部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信分野、加工や溶接などの産業分野、および医療分野などで使用される半導体レーザモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、光ファイバからレーザ光を出力する半導体レーザモジュールの製造工程において、金属メッキなどの金属被覆が施され、先端部が楔形状に加工された光ファイバを、基板上の所定の位置に固定された半導体レーザ素子に所定の間隔で対向して配置し、半導体レーザ素子の活性層から出射するレーザ光が最大の結合効率で光ファイバに結合するように光ファイバを調芯した後、YAGレーザや電熱ヒーターによって金錫半田などの固定剤を溶融して、光ファイバ保持手段上に光ファイバを固定する方法が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
一方、半導体レーザモジュールの製造工程において、金属被覆が施され、先端部が楔形状に加工された光ファイバを、金属フェルールなどの光ファイバ保持手段に金錫半田などの固定剤を用いて挿通固定し、金属フェルールを挟持部材により挟持して光ファイバを調芯した後、基板上にYAGレーザなどで金属フェルールを溶接して固定する方法も知られている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−183445号公報
【特許文献2】特開2002−333554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、半導体レーザ素子からの出射光を楔形状の先端部を有する光ファイバに結合しようとする場合、出射光を光ファイバに100%結合することはできず、光ファイバに結合しない非結合光が必ず発生する。この非結合光の大部分は、光ファイバの周囲を前方に進行し、光ファイバを光ファイバ保持手段に固定している半田剤や接着剤などの固定剤(保持部固定剤)に照射される。
【0006】
特に、レーザ加工の分野や医療分野で使用される半導体レーザモジュールは、半導体レーザ素子からの出射光の強度が非常に大きいので、発生する非結合光の強度も大きくなる。例えば半導体レーザ素子からの出射光の光ファイバへの結合効率が80%の場合、光ファイバからの光出力として5Wを得ようとすると、1.2W程度の非結合光が発生していることになる。このように非結合光の強度が大きくなると、半田剤も溶融させる可能性がある。また、固定剤として接着剤を用いる場合は、さらに低い非結合光の強度でも接着剤が溶融、もしくは劣化する可能性がある。
【0007】
このように固定剤が溶融もしくは劣化すると、固定剤の成分が飛散し半導体レーザ素子の光出射端面に付着し、付着した飛散成分が光吸収を起こして発熱し、光出射端面が損傷して半導体レーザモジュールの故障を引き起こす可能性があるという課題がある。また、結合効率が最大の位置で固定されていた光ファイバはその位置からずれてしまうため、結合ロスが増大し、半導体レーザモジュールの信頼性の低下や故障の可能性があるという課題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る半導体レーザモジュールは、活性層を有する半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子に対向して配置され前記活性層に垂直方向での断面が楔形状である先端部を有する光ファイバと、保持部固定剤により前記光ファイバを固定して保持する光ファイバ保持手段と、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバ保持手段とを固定する基板と、前記光ファイバを挿通する孔を有し前記保持部固定剤と前記半導体レーザ素子の間に配置される壁部材と、を備え、前記壁部材の孔の直径をD、前記半導体レーザ素子と前記壁部材との間隔をL、前記半導体レーザ素子の前記活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおいてピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角をφ、前記光ファイバの先端部の開き角度をθ、前記光ファイバの直径をd、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバの先端部との間隔をzとすると、tan(φ/2)>tan(θ/2)/[1+(2z/d)tan(θ/2)]>D/(2L)が成り立つことを特徴とする。
【0010】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記壁部材は、該壁部材の孔に充填された孔部固定剤により前記光ファイバに固定されていることを特徴とする。
【0011】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記壁部材は、前記光ファイバ保持手段の前記半導体レーザ素子側に固定されていることを特徴とする。
【0012】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記壁部材は、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバ保持手段の間において前記基板に固定されていることを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記壁部材は、前記光ファイバ保持手段の一部に形成されていることを特徴とする。
【0014】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記光ファイバ保持手段は、該光ファイバ保持手段を挟持する挟持手段を介して前記基板に固定されていることを特徴とする。
【0015】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記挟持手段は、基部と、該基部に立設され前記光ファイバ保持手段を挟持する2つの起立壁と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、この発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記挟持手段は、前記光ファイバ保持手段を配置する溝部の両側に凹部を有する基部と、前記凹部に嵌め込まれ前記光ファイバ保持手段を挟持する挟持部材と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、前記の不等式が成り立つことにより、壁部材によって非結合光が光ファイバ保持部において光ファイバを固定する保持部固定剤に到達するのを防止できるので、保持部固定剤が溶融や劣化することによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールを実現できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、図面を参照して本発明に係る半導体レーザモジュールの実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1に係る半導体レーザモジュールについて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。図2は、図1に示す半導体レーザモジュールのX1−X1線断面図である。
【0020】
まず、本実施の形態1に係る半導体レーザモジュール100の構成について説明する。図1および2に示すように、半導体レーザモジュール100は、活性層を有する半導体レーザ素子101と、光ファイバ102と、円板状の壁部材103と、保持部固定剤104と、ヒートシンク105と、サブマウント106と、ブロック状の光ファイバ保持手段107と、基板108と、パッケージ109と、蓋110とを備える。
【0021】
光ファイバ102は金属被覆が施され、先端部が半導体レーザ素子101に対向して配置されている。光ファイバ保持手段107は保持部固定剤104により光ファイバ102を半導体レーザ素子101の活性層と位置合わせした状態で固定して保持する。基板108は光ファイバ保持手段107を固定するとともに、ヒートシンク105とサブマウント106とを介して半導体レーザ素子101も固定する。壁部材103は光ファイバ102の直径とほぼ同じ直径の孔103aを有する。光ファイバ102は孔103aに互いに中心がほぼ一致するように挿通される。また、壁部材103は保持部固定剤104と半導体レーザ素子101の間に配置され、孔103aの内壁と光ファイバ102との隙間に充填された孔部固定剤113により光ファイバ102に固定されている。また、パッケージ109の光ファイバ挿入口は挿入部固定剤111により封止されている。
【0022】
図3は、光ファイバ102の半導体レーザ素子101に対向して配置される先端部を模式的に表した断面図である。図3においては、半導体レーザ素子101の活性層に垂直方向での断面を示す。図3に示すように、光ファイバ102は、直径105μmのコア102aと外径125μmのクラッド102bを有し、NAが0.15もしくは0.22のマルチモード光ファイバであり、先端部102cが楔形状に加工されたものである。先端部102cの開き角度は110°であり、球面状に研磨された先端半径Rは7μmである。
【0023】
半導体レーザ素子101は、GaAs系の材料からなり、活性層における発光部の幅が100μm、レーザ発振波長が915〜980nmの横マルチモードレーザダイオードである。出射光の光半導体レーザ素子101の活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンは図4に示すようにほぼガウス型の形状を有しており、半値幅で約33°であり、ピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角は約70°である。一方、水平方向のファーフィールドパターンは半値幅で約10°である。
【0024】
保持部固定剤104、孔部固定剤113、挿入部固定剤111は、半田や接着剤である。半田の具体例は、金錫半田(AuSn)、錫鉛半田(PbSn)、錫銀銅半田(SnAgCu)などである。接着剤の具体例は、エポキシ系、アクリル系、UV硬化樹脂系などの接着剤である。
【0025】
ヒートシンク105、サブマウント106、基板108は、半導体レーザ素子101から発生する熱を放熱するために、熱伝導率が高い材質で構成されている。熱伝導率が高い材質の具体例は、銅−タングステン合金(CuW)、ダイヤモンド、窒化アルミ(AlN)などである。
【0026】
光ファイバ保持手段107は、半導体レーザ素子101の活性層と位置合わせした状態で光ファイバ102を保持部固定剤104で固定するためのブロック状の部品である。光ファイバ保持手段107の材質の具体例は、AlNやAl2O3などのセラミックスや、Fe−Ni−Co合金、ステンレス(SUS)などの金属である。
【0027】
つぎに、半導体レーザモジュール100の動作について説明する。半導体レーザ素子101は、活性層の端面からレーザ光を出射する。出射光は半導体レーザ素子101に対向して配置された光ファイバ102の楔形状の先端部102cと80%程度の結合効率で結合し、光ファイバ102のもう一端からは所望の強度の光が出力する。このとき光ファイバと結合しない非結合光が存在する。この非結合光は光ファイバ102の周囲を前方に進行するが、壁部材103によって遮断される。その結果、非結合光が保持部固定剤104に到達することが防止できる。
【0028】
また、壁部材103の孔103aには孔部固定剤113が充填されているが、半導体レーザ素子101、光ファイバ102、壁部材103について以下の不等式が成り立つことにより、非結合光が孔部固定剤113に到達することも防止できる。
【0029】
すなわち、図5に示すように、壁部材103の孔103aの直径をD、半導体レーザ素子101と壁部材103との間隔をL、半導体レーザ101の活性層101aに垂直方向でのファーフィールドパターンにおいてピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角をφ、光ファイバ102の先端部の開き角度をθ、光ファイバ102の直径をd、半導体レーザ素子101と光ファイバ102の先端部との間隔をzとすると、式(1)が成り立つ。
【0030】
tan(φ/2)>tan(θ/2)/[1+(2z/d)tan(θ/2)]>D/(2L) ・・・ (1)
【0031】
その結果、半導体レーザ素子101の活性層101aの端面から見た場合に孔103aは光ファイバ102の陰に隠れるので、非結合光が孔部固定剤113に到達することが防止される。したがって、孔部固定剤113が溶融、劣化することがなく、固定剤の成分が飛散し半導体レーザ素子の光出射端面に付着して半導体レーザモジュールの故障を引き起こすことを防止できる。また、なんらかの原因で孔部固定剤113に隙間が発生したとしても、その隙間から非結合光が保持部固定剤104に到達するということも防止できる。
【0032】
なお、壁部材103は、半導体レーザ素子101からの出射光を透過や吸収しない、反射率が高い材質で形成される。壁部材103の吸収係数が高いと、壁部材103が非結合光を吸収して温度が上昇してしまい、壁部材103を光ファイバ102に固定している孔部固定剤113を溶融もしくは劣化させる可能性がある。壁部材の材質の具体例は、アルミニウム(Al)、SUS、あるいは銅(Cu)などの金属である。また、壁部材103は、反射率が低い樹脂材料で形成した後に表面に反射率の高い金(Au)や銀(Ag)のメッキを施して反射率を高めたものや、Al、SUS、Cuなどで形成した後に表面にAuやAgのメッキを施したものでもよい。
【0033】
つぎに、本発明の実施の形態1に係る半導体レーザモジュール100の製造工程のうち主要なものについて説明する。まず、サブマウント106上にヒートシンク105を介して半導体レーザ素子101をAuSnなどの半田剤で固定し、その後、これを基板108上の所定の位置に半田剤で固定する。
【0034】
つぎに、基板108上の所定の位置に光ファイバ保持手段107を半田剤で固定する。このとき光ファイバ保持手段107を固定する位置は、光ファイバ保持手段107と半導体レーザ素子101の間に壁部材103が配置されることを考慮して決定する。
【0035】
一方、光ファイバ102を壁部材103の孔103aに挿通し、孔103aに孔部固定剤113を充填し、壁部材103を光ファイバ102に固定する。このときの先端からの固定位置(L−z)は、半導体レーザモジュールの製造が完了した後にD,L,φ,θ,d,z間に式(1)の関係が成り立つように決定する。
【0036】
しかる後、光ファイバ102の楔形状の先端部102cを半導体レーザ素子101の活性層101aの端面に対向して配置し、半導体レーザ素子101を駆動して活性層の端面からレーザ光を出射させて、光ファイバ102のもう一端から出力する光の強度をモニタしながら、光ファイバ102を半導体レーザ素子101に対して前後、左右、上下並びに光ファイバ102の中心軸周りに動かして調芯を行う。そして、モニタした光出力強度が最大となる位置、すなわち半導体レーザ素子101からの出射光の光ファイバ102への結合効率が最大となる位置において、光ファイバ保持手段107上に保持部固定剤104を供給し、光ファイバ102を光ファイバ保持手段107上に固定する。保持部固定剤104が半田剤である場合にはYAGレーザの照射により保持部固定剤104を溶融して固定する。
【0037】
なお、保持部固定剤104を溶融する際に、溶融温度が高すぎると保持部固定剤104の成分が飛散する可能性があるが、本実施の形態1では、保持部固定剤104と半導体レーザ素子101の間に壁部材103が配置され、かつ孔103aが固定剤により充填されていることにより飛散成分の半導体レーザ素子101への到達を防止できるので、飛散成分が半導体レーザ素子101の光出射端面に付着して故障を引き起こすことを防止できる。
【0038】
以上説明したように、本実施の形態1に係る半導体レーザモジュール100は、壁部材103によって非結合光が保持部固定剤104や孔部固定剤113に到達するのを防止できるので、これらの固定剤が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0039】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態2に係る半導体レーザモジュールは、実施の形態1に係る半導体レーザモジュールとは、壁部材が光ファイバ保持手段の半導体レーザ素子側に固定されているなどの点で異なる。壁部材の孔の直径D、半導体レーザ素子と壁部材との間隔L、半導体レーザの活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおけるピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角φ、光ファイバの先端部の開き角度θ、光ファイバ1の直径d、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔zについて、式(1)が成り立つ点は、実施の形態1と同じである。
【0040】
図6は、本実施の形態2に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。図7は、図6に示す半導体レーザモジュールのX2−X2線断面図である。
【0041】
図6および7に示すように、本実施の形態2に係る半導体レーザモジュール200は、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール100と同様に、活性層を有する半導体レーザ素子201と、光ファイバ202と、光ファイバ202を挿通する孔203aを有する円板状の壁部材203と、保持部固定剤204と、ヒートシンク205と、サブマウント206と、光ファイバ保持手段207と、基板208と、パッケージ209と、蓋210とを備える。
【0042】
半導体レーザモジュール200においては、壁部材203が光ファイバ保持手段207の半導体レーザ素子201側に固定されている。また、孔203aは固定剤で充填されていない。このため、図7においては、孔203aの内壁と光ファイバ202との隙間から保持部固定剤204が見える。
【0043】
半導体レーザモジュール100の場合と同様に、半導体レーザ素子201からの出射光は光ファイバ202の楔形状の先端部と80%程度の結合効率で結合するが、光ファイバと結合する光の周辺には非結合光が存在する。この非結合光は光ファイバ202の周囲を前方に進行するが、壁部材203によって遮断される。その結果、非結合光が保持部固定剤204に到達することが防止できる。
【0044】
壁部材203の孔203aの内壁と光ファイバ202との間には隙間があるが、半導体レーザ素子201、光ファイバ202、壁部材203について前述の式(1)が成り立っている。その結果、半導体レーザ素子201の活性層の端面から見た場合に孔203aは光ファイバ202の陰に隠れるので、非結合光が孔103aの内壁と光ファイバ202との隙間から保持部固定剤204に到達して保持部固定剤204を溶融するということが防止できる。
【0045】
半導体レーザモジュール200の製造工程においては、あらかじめ光ファイバ保持手段207の半導体レーザ素子201側に壁部材203を孔203aが半導体レーザ素子201の活性層と同じ高さとなるように固定しておく。つぎに、基板208上の所定の位置に光ファイバ保持手段207を半田剤で固定する。このときの固定位置は、半導体レーザモジュールの製造が完了した後に式(1)の関係が成り立つように式(1)中の各パラメータを考慮して決定する。その後、壁部材203の孔203aに光ファイバ202を挿通し、調芯を行う。半導体レーザモジュール100の場合とは異なり光ファイバ202には壁部材203が固定されていないので、調芯が一層容易となる。
【0046】
本実施の形態2に係る半導体レーザモジュール200は、壁部材203によって非結合光が保持部固定剤204に到達するのを防止できるので、保持部固定剤204が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0047】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態3に係る半導体レーザモジュールは、実施の形態2に係る半導体レーザモジュールとは、壁部材が半導体レーザ素子と光ファイバ保持手段の間において基板に固定されているなどの点で異なる。壁部材の孔の直径D、半導体レーザ素子と壁部材との間隔L、半導体レーザの活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおけるピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角φ、光ファイバの先端部の開き角度θ、光ファイバ1の直径d、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔zについて、式(1)が成り立つ点は、実施の形態1と同じである。
【0048】
図8は、本実施の形態3に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。図9は、図8に示す半導体レーザモジュールのX3−X3線断面図である。図8および9に示すように、本実施の形態3に係る半導体レーザモジュール300は、壁部材303が半導体レーザ素子301と光ファイバ保持手段307の間において基板308に固定されている。
【0049】
本実施の形態3に係る半導体レーザモジュール300も、壁部材303によって非結合光が保持部固定剤304に到達するのを防止できるので、保持部固定剤304が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0050】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態4に係る半導体レーザモジュールは、実施の形態2に係る半導体レーザモジュールとは壁部材が光ファイバ保持手段の半導体レーザ素子側に固定されているなどの点で同様であるが、光ファイバ保持手段が該光ファイバ保持手段を挟持する挟持手段を介して基板に固定されているなどの点で異なる。壁部材の孔の直径D、半導体レーザ素子と壁部材との間隔L、半導体レーザの活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおけるピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角φ、光ファイバの先端部の開き角度θ、光ファイバ1の直径d、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔zについて、式(1)が成り立つ点は、実施の形態1と同じである。
【0051】
図10は、本実施の形態4に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。なお、説明のため、保持部固定剤404、光ファイバ保持手段407、挟持手段412は側面図で示す。図11は、図10に示す半導体レーザモジュールのX4−X4線断面図である。図10および11に示すように、本実施の形態4に係る半導体レーザモジュール400は、半導体レーザモジュール200とは異なり、ブロック状の光ファイバ保持手段407が光ファイバ保持手段407を挟持する挟持手段412を介して基板408に固定されている。この挟持手段412は、基部412aと、基部412aに立設され光ファイバ保持手段407を挟持する2つの起立壁412b、412cとを有する部品である。起立壁412b、412cは光ファイバ保持手段407を溶接部414において固定する。
【0052】
半導体レーザモジュール400の製造工程においては、基板408上の所定の位置に挟持手段412を基部412aにおいて半田剤で、あるいはYAGレーザ溶接などを用いて固定する。
【0053】
一方、あらかじめ、光ファイバ保持手段407に壁部材403を固定しておく。また、光ファイバ402を壁部材403の孔403aに挿通し、保持部固定剤404により光ファイバ保持手段407に固定しておく。このように調芯の前にあらかじめ光ファイバ402を保持部固定剤404により光ファイバ保持手段407に固定しておくので、後の工程で調芯をしてから保持部固定剤404を光ファイバ402の固定のために溶融しなくてもよい。したがって、製造工程における保持部固定剤404の溶融による成分の飛散はない。なお、このときの壁部材403および光ファイバ402の固定位置は、半導体レーザモジュールの製造が完了した後に式(1)の関係が成り立つように式(1)中の各パラメータを考慮して決定する。
【0054】
つぎに、壁部材403および光ファイバ402を固定した光ファイバ保持手段407を挟持手段412の起立壁412bと起立壁412cの間に配置し、光ファイバ保持手段407を前後方向(図10の左右方向)又は上下方向(図10、11の上下方向)に、また、光ファイバ保持手段407を挟持手段412ごと左右方向(図11の左右方向)に動かして光ファイバ402の調芯を行う。そして、半導体レーザ素子401からの出射光の光ファイバ402への結合効率が最大となる位置において、光ファイバ保持手段407を挟持手段412の起立壁412b、412cにYAGレーザ溶接し、挟持手段412を基板408にYAGレーザにより溶接固定する。光ファイバ保持手段407や挟持手段412の材質は、YAGレーザ溶接ができる材質であり、具体的にはFe−Ni−Co合金、SUSなどの金属である。
【0055】
本実施の形態4に係る半導体レーザモジュール400も、壁部材403によって非結合光が保持部固定剤404に到達するのを防止できるので、保持部固定剤404が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0056】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態5に係る半導体レーザモジュールは、実施の形態4に係る半導体レーザモジュールとは光ファイバ保持手段が挟持手段を介して基板に固定されているなどの点で同様であるが、光ファイバ保持手段が金属フェルールであるなどの点で異なる。壁部材の孔の直径D、半導体レーザ素子と壁部材との間隔L、半導体レーザの活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおけるピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角φ、光ファイバの先端部の開き角度θ、光ファイバ1の直径d、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔zについて、式(1)が成り立つ点は、実施の形態1と同じである。
【0057】
図12は、本実施の形態5に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。なお、説明のため、保持部固定剤504、光ファイバ保持手段507、挟持手段512は側面図で示す。また、点線で囲まれた部分の一部断面拡大図も同時に示す。この一部断面拡大図においては光ファイバ保持手段507の断面を符号507aで示している。図13は、図12に示す半導体レーザモジュールのX5−X5線断面図である。図12および13に示すように、本実施の形態5に係る半導体レーザモジュール500は、半導体レーザモジュール400とは異なり、中心軸に光ファイバ502の直径とほぼ同じの直径の孔を有する円筒状の金属フェルールである光ファイバ保持手段507が挟持手段512を介して基板508に固定されている。また、壁部材503は孔部固定剤513により孔503aに挿通する光ファイバ502へ固定されている。挟持手段512は、挟持手段412と同様の構成を有する部品である。光ファイバ保持手段507や挟持手段512の材質は、YAGレーザ溶接ができる材質であり、具体的にはFe−Ni−Co合金、SUSなどの金属である。
【0058】
半導体レーザモジュール500の製造工程においては、あらかじめ図12中の一部断面拡大図において示すように、光ファイバ502を光ファイバ保持手段507の孔に挿通し、保持部固定剤504により光ファイバ保持手段507に固定しておく。つぎに、光ファイバ502を壁部材503の孔503aに挿通し、孔503aに孔部固定剤513を充填し、壁部材503を光ファイバ保持手段507に固定しておく。
【0059】
このように調芯の前にあらかじめ光ファイバ502を保持部固定剤504により光ファイバ保持手段507に固定しておくので、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール100と同様に、製造工程において保持部固定剤504の溶融による成分の飛散はない。なお、このときの壁部材503および光ファイバ502の固定位置は、半導体レーザモジュールの製造が完了した後に式(1)の関係が成り立つように式(1)中の各パラメータを考慮して決定する。
【0060】
本実施の形態5に係る半導体レーザモジュール500も、壁部材503によって非結合光が保持部固定剤504や孔部固定剤513に到達するのを防止できるので、これらの固定剤が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0061】
なお、図12に示すように、本実施の形態5においては光ファイバ保持手段507と壁部材503とを別個に固定している。しかし、本実施の形態5の変形例として、図14に示すように光ファイバ保持手段507と壁部材503とを保持部固定剤504により一緒に固定してもよい。すなわち、保持部固定剤504は孔部固定剤の役割も果たしている。この場合、製造工程においては、光ファイバ502を光ファイバ保持手段507に挿通し、光ファイバ502を壁部材503の孔503aに挿通し、保持部固定剤504により光ファイバ保持手段507に光ファイバ502と壁部材503とを一緒に固定するので、製造工程が簡略化される。また、壁部材503が直接的に保持部固定剤504を介して光ファイバ保持手段507に支持されているので、調芯が一層容易となる。
【0062】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態6に係る半導体レーザモジュールは、実施の形態5に係る半導体レーザモジュールとは光ファイバ保持手段が金属フェルールであるなどの点で同様であるが、壁部材が光ファイバ保持手段の一部に形成されているなどの点で異なる。壁部材の孔の直径D、半導体レーザ素子と壁部材との間隔L、半導体レーザの活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおけるピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角φ、光ファイバの先端部の開き角度θ、光ファイバ1の直径d、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔zについて、式(1)が成り立つ点は、実施の形態1と同じである。
【0063】
図15は、本実施の形態6に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。なお、説明のため、保持部固定剤604、光ファイバ保持手段607、壁部材607a、挟持手段612は側面図で示す。図16は、図15に示す半導体レーザモジュールのX6−X6線断面図である。図15および16に示すように、本実施の形態6に係る半導体レーザモジュール600は、半導体レーザモジュール500とは異なり、壁部材607aが金属フェルールである光ファイバ保持手段607の一部に形成されている。この壁部材607aは、光ファイバ保持手段607の一部に中心軸の孔よりも深い位置まで溝を刻設することで形成できるので、壁部材を別途用意する必要がない。また、保持部固定部材604は、刻設した溝の内部に供給される。
【0064】
半導体レーザモジュール600の製造工程においては、調芯の前にあらかじめ光ファイバ602を光ファイバ保持手段607および壁部材607aの孔に挿通し、保持部固定剤604により光ファイバ保持手段607に固定しておく。したがって、半導体レーザモジュール500と同様に、製造工程において保持部固定剤604の溶融による成分の飛散はない。
【0065】
本実施の形態6に係る半導体レーザモジュール600も、壁部材607aによって非結合光が保持部固定剤604に到達するのを防止できるので、保持部固定剤604が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0066】
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態7に係る半導体レーザモジュールは、実施の形態5に係る半導体レーザモジュールとは光ファイバ保持手段が金属フェルールであるなどの点で同様であるが、光ファイバ保持手段を挟持する挟持手段が異なる。壁部材の孔の直径D、半導体レーザ素子と壁部材との間隔L、半導体レーザの活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおけるピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角φ、光ファイバの先端部の開き角度θ、光ファイバ1の直径d、半導体レーザ素子と光ファイバの先端部との間隔zについて、式(1)が成り立つ点は、実施の形態1と同じである。
【0067】
図17は、本実施の形態7に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。なお、説明のため、保持部固定剤704、光ファイバ保持手段707、挟持手段712は側面図で示す。図18は、図17に示す半導体レーザモジュールの挟持手段を模式的に表した斜視図である。図17および18に示すように、本実施の形態7に係る半導体レーザモジュール700においては、金属フェルールである光ファイバ保持手段707を挟持する挟持手段712が、光ファイバ保持手段707を配置する溝部712bの両側に凹部712cを有する基部712aと、凹部712cに嵌め込まれ光ファイバ保持手段707を挟持する挟持部材712dとを有する部品である。
【0068】
半導体レーザモジュール700の製造工程においては、光ファイバ702を光ファイバ保持手段707に挿通し保持部固定剤704により固定し、壁部材703を固定した後、光ファイバ保持手段707を挟持手段712の基部712aの溝部712bに配置するとともに、凹部712cに挟持部材712dを嵌め込む。挟持部材712dは凹部712cに嵌め込んだ状態で光ファイバ保持手段707の長手方向と直角の方向に移動させることができる。そして、光ファイバ保持手段707を前後、左右、上下に動かして光ファイバ702の調芯を行った後、挟持部材712dを移動させて光ファイバ保持手段707を両側から挟持して、光ファイバ保持手段707と挟持部材712d、および挟持部材712dと基部712aをYAGレーザ溶接により溶接部714において溶接する。このような挟持手段712を用いれば、光ファイバ保持手段707を動かして調芯を行うための隙間を十分に確保でき、調芯後は光ファイバ保持手段707を確実に挟持することができる。挟持手段712の材質は、YAGレーザ溶接ができる材質であり、具体的にはFe−Ni−Co合金、SUSなどの金属である。
【0069】
本実施の形態7に係る半導体レーザモジュール700も、壁部材703によって非結合光が保持部固定剤704や孔部固定剤713に到達するのを防止できるので、これらの固定剤が溶融したり劣化したりすることによる故障や信頼性の低下を防止できる半導体レーザモジュールとなる。
【0070】
なお、上記実施の形態において、壁部材の形状は円形に限らず、非結合光の遮断効果を高めるなどのために適宜変更してもよい。また、上記実施の形態2〜4において、光ファイバの調芯後に壁部材の孔に固定剤を充填し、光ファイバをより確実に固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態1に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図2】図1に示す半導体レーザモジュールのX1−X1線断面図である。
【図3】光ファイバの半導体レーザ素子に対向して配置される先端部を模式的に表した断面図である。
【図4】半導体レーザ素子の活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンを示す図である。
【図5】半導体レーザ素子、光ファイバ、壁部材の関係を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図7】図6に示す半導体レーザモジュールのX2−X2線断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図9】図8に示す半導体レーザモジュールのX3−X3線断面図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図11】図10に示す半導体レーザモジュールのX4−X4線断面図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図13】図12に示す半導体レーザモジュールのX5−X5線断面図である。
【図14】本発明の実施の形態5の変形例を説明する図である。
【図15】本発明の実施の形態6に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図16】図15に示す半導体レーザモジュールのX6−X6線断面図である。
【図17】本発明の実施の形態7に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した縦断側面図である。
【図18】図17に示す半導体レーザモジュールの挟持手段を模式的に表した斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
100〜700 半導体レーザモジュール
101〜701 半導体レーザ素子
101a 活性層
102〜702 光ファイバ
102a コア
102b クラッド
102c 先端部
103〜703、607a 壁部材
103a〜503a 孔
104〜704 保持部固定剤
105〜705 ヒートシンク
106〜706 サブマウント
107〜707 光ファイバ保持手段
108〜708 基板
109〜709 パッケージ
110〜710 蓋
111〜711 挿入部固定剤
113〜713 孔部固定剤
412〜712、 挟持手段
412a〜712a 基部
412b〜612b、412c〜612c 起立壁
414〜714 溶接部
712b 溝部
712c 凹部
712d 挟持部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性層を有する半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子に対向して配置され前記活性層に垂直方向での断面が楔形状である先端部を有する光ファイバと、
保持部固定剤により前記光ファイバを固定して保持する光ファイバ保持手段と、
前記半導体レーザ素子と前記光ファイバ保持手段とを固定する基板と、
前記光ファイバを挿通する孔を有し前記保持部固定剤と前記半導体レーザ素子の間に配置される壁部材と、
を備え、前記壁部材の孔の直径をD、前記半導体レーザ素子と前記壁部材との間隔をL、前記半導体レーザ素子の前記活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおいてピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角をφ、前記光ファイバの先端部の開き角度をθ、前記光ファイバの直径をd、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバの先端部との間隔をzとすると、
tan(φ/2)>tan(θ/2)/[1+(2z/d)tan(θ/2)]>D/(2L)
が成り立つことを特徴とする半導体レーザモジュール。
【請求項2】
前記壁部材は、該壁部材の孔に充填された孔部固定剤により前記光ファイバに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュール。
【請求項3】
前記壁部材は、前記光ファイバ保持手段の前記半導体レーザ素子側に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュール。
【請求項4】
前記壁部材は、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバ保持手段の間において前記基板に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュール。
【請求項5】
前記壁部材は、前記光ファイバ保持手段の一部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュール。
【請求項6】
前記光ファイバ保持手段は、該光ファイバ保持手段を挟持する挟持手段を介して前記基板に固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
【請求項7】
前記挟持手段は、基部と、該基部に立設され前記光ファイバ保持手段を挟持する2つの起立壁と、を有することを特徴とする請求項6に記載の半導体レーザモジュール。
【請求項8】
前記挟持手段は、前記光ファイバ保持手段を配置する溝部の両側に凹部を有する基部と、前記凹部に嵌め込まれ前記光ファイバ保持手段を挟持する挟持部材と、を有することを特徴とする請求項6に記載の半導体レーザモジュール。
【請求項1】
活性層を有する半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子に対向して配置され前記活性層に垂直方向での断面が楔形状である先端部を有する光ファイバと、
保持部固定剤により前記光ファイバを固定して保持する光ファイバ保持手段と、
前記半導体レーザ素子と前記光ファイバ保持手段とを固定する基板と、
前記光ファイバを挿通する孔を有し前記保持部固定剤と前記半導体レーザ素子の間に配置される壁部材と、
を備え、前記壁部材の孔の直径をD、前記半導体レーザ素子と前記壁部材との間隔をL、前記半導体レーザ素子の前記活性層に垂直方向でのファーフィールドパターンにおいてピーク強度の1/e2の強度となるビーム広がり角をφ、前記光ファイバの先端部の開き角度をθ、前記光ファイバの直径をd、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバの先端部との間隔をzとすると、
tan(φ/2)>tan(θ/2)/[1+(2z/d)tan(θ/2)]>D/(2L)
が成り立つことを特徴とする半導体レーザモジュール。
【請求項2】
前記壁部材は、該壁部材の孔に充填された孔部固定剤により前記光ファイバに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュール。
【請求項3】
前記壁部材は、前記光ファイバ保持手段の前記半導体レーザ素子側に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュール。
【請求項4】
前記壁部材は、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバ保持手段の間において前記基板に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュール。
【請求項5】
前記壁部材は、前記光ファイバ保持手段の一部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュール。
【請求項6】
前記光ファイバ保持手段は、該光ファイバ保持手段を挟持する挟持手段を介して前記基板に固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
【請求項7】
前記挟持手段は、基部と、該基部に立設され前記光ファイバ保持手段を挟持する2つの起立壁と、を有することを特徴とする請求項6に記載の半導体レーザモジュール。
【請求項8】
前記挟持手段は、前記光ファイバ保持手段を配置する溝部の両側に凹部を有する基部と、前記凹部に嵌め込まれ前記光ファイバ保持手段を挟持する挟持部材と、を有することを特徴とする請求項6に記載の半導体レーザモジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−256665(P2007−256665A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81464(P2006−81464)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]