説明

半導体発光素子の検査方法

【課題】 光送信モジュールに実装する前の段階において半導体発光素子を選別可能な半導体発光素子の検査方法を提供する。
【解決手段】サンプル素子の光出力値を測定すると共にサンプルモジュールの光出力値を測定する。それら測定値に基づいて光ファイバF1と半導体レーザ素子3との結合効率の最大値と最小値とを決定する。対象素子の電流光出力特性を取得する。結合効率の最小値に基づいて、対象素子が実装された光送信モジュール100の光出力値が第1の光出力値となる対象素子の第2の光出力値を求める。対象素子の光出力値が第2の光出力値となる第1の駆動電流を求める。結合効率の最大値に基づいて、対象素子が実装された光送信モジュール100の光出力値が第3の光出力値となる対象素子の第4の光出力値を求める。対象素子の光出力値が第4の光出力値となる第2の駆動電流を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光送信モジュールに実装され前記光送信モジュールの光ファイバに光学的に結合される半導体発光素子の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体発光素子が実装された光送信モジュールとして、半導体レーザ光ファイバ結合装置が記載されている。この半導体レーザ光ファイバ結合装置は、半導体発光素子としての半導体レーザと、光ファイバを内蔵したフェルールとを備えている。また、この半導体レーザ光ファイバ結合装置は、半導体レーザとフェルールとの間において順に配置された第1及び第2の球レンズを備えている。第1の球レンズは、半導体レーザからのレーザ光を平行光とする。第2の球レンズは、第1の球レンズにおいて平行光とされたレーザ光を、フェルールに内蔵された光ファイバの端面に集光する。したがって、半導体レーザは、第1及び第2の球レンズを介して、フェルールに内蔵された光ファイバに光学的に結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−149510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した半導体レーザ光ファイバ結合装置といった光送信モジュールにおいては、一般に、半導体レーザといった半導体発光素子と光ファイバとの間の結合効率にバラつきが生じる。このため、半導体発光素子の検査段階において、光送信モジュールに要求される光出力値が得られると見込まれる半導体発光素子を良品として選別しても、その良品を光送信モジュールに実装した際に、結合効率のバラつきに起因して、光送信モジュールに要求される光出力値が得られない場合がある。そのような場合には、光送信モジュール全体を不良品として処理する必要が生じる。
【0005】
結合効率のバラつきは、上述した半導体レーザ光ファイバ結合装置を例にとると、半導体レーザ、第1及び第2の球レンズ、及び光ファイバの位置ずれや、半導体レーザにおける閾値電流、発光効率、及びファーフィールドパターン等の特性バラつきや、第1及び第2の球レンズの特性のバラつき等の種々の要因が複合的に組み合わされた結果として生じる。このため、従来では、光送信モジュールに実装する前の段階において、すなわち、半導体発光素子の検査段階において、結合効率のバラつきを予め見越して、光送信モジュールに要求される品質を満たすように半導体発光素子を選別することが困難であった。
【0006】
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、光送信モジュールに実装する前の段階において半導体発光素子を選別可能な半導体発光素子の検査方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の半導体発光素子の検査方法は、光送信モジュールに実装され光送信モジュールの光ファイバに光学的に結合される半導体発光素子の検査方法であって、サンプルとしての半導体発光素子であるサンプル素子を複数用意すると共に、該複数のサンプル素子の光出力値を測定する工程と、サンプル素子が実装された光送信モジュールであるサンプルモジュールの光出力値を測定する工程と、サンプル素子の光出力値とサンプルモジュールの光出力値とに基づいて、半導体発光素子と光ファイバとの結合効率の最大値と最小値とを決定する工程と、検査対象としての半導体発光素子である対象素子の第1の温度における駆動電流と光出力値との関係を示す第1の電流光出力特性を取得する工程と、結合効率の最小値に基づいて、光送信モジュールの光出力値が第1の光出力値となるような対象素子の第2の光出力値を求める工程と、第1の電流光出力特性に基づき、対象素子の光出力値が第2の光出力値となるような第1の駆動電流を求める工程と、結合効率の最大値に基づいて、光送信モジュールの光出力値が第3の光出力値となるような対象素子の第4の光出力値を求める工程と、第1の電流光出力特性に基づき、対象素子の光出力値が第4の光出力値となるような第2の駆動電流を求める工程と、第1の駆動電流と第2の駆動電流とが予め設定された所定の範囲内であるか否かを判定する工程と、を備え、光送信モジュールの第1の光出力値は、光送信モジュールを変調駆動して生成される光信号においてハイレベルを与える光出力値であり、光送信モジュールの第3の光出力値は、光送信モジュールを変調駆動して生成される光信号においてローレベルを与える光出力値である、ことを特徴とする。
【0008】
この検査方法においては、まず、半導体発光素子と光送信モジュールとのサンプリングを行う。すなわち、まず、サンプルとしての半導体発光素子であるサンプル素子の光出力値を測定すると共に、そのサンプル素子が実装された光送信モジュールであるサンプルモジュールの光出力値を測定する。そして、それらの光出力値の測定値に基づいて、光送信モジュールの光ファイバと半導体発光素子との結合効率の最大値と最小値とを決定する。その一方で、検査対象の半導体発光素子である対象素子の第1の電流光出力特性を取得する。また、結合効率の最小値に基づいて、光送信モジュールの光出力値が光信号のハイレベル(1レベル)を与える第1の光出力値となるような対象素子の第2の光出力値を求める。さらに、対象素子の光出力値が第2の光出力値となるような第1の駆動電流を求める。その一方で、結合効率の最大値に基づいて、光送信モジュールの光出力値が光信号のローレベル(0レベル)を与える第3の光出力値となるような対象素子の第4の光出力値を求める。そして、対象素子の光出力値が第4の光出力値となるような第2の駆動電流を求める。これにより、光送信モジュールにおいて要求される光出力値(すなわち、光信号のローレベル及びハイレベルのそれぞれを与える光出力値)を実現するために必要な対象素子の駆動電流の範囲を、第1駆動電流と第2駆動電流との間の範囲として得られる。したがって、その駆動電流の範囲が予め設定された所定の範囲であるか否かを判定することにより、光送信モジュールに要求される品質を満足する半導体発光素子(対象素子)を選別することが可能となる。このように、この検査方法によれば、光送信モジュールに実装する前の段階において半導体発光素子の選別を行うことが可能となる。
【0009】
ここで、例えば分布帰還型半導体レーザにおいては、所定の範囲で駆動電流を変化させたときに、その変化に伴って発振波長が変動することが知られている。特に、分布帰還型半導体レーザの中には、その発振波長が、特定の駆動電流において通常の変動率を超えて大きく変動する所謂波長飛び(モードホップ)が生じるものがある。光信号の生成のために必要な駆動電流の範囲において波長飛びが生じると、光信号の伝送エラーの原因となる。したがって、光信号の生成のために必要な駆動電流の範囲において波長飛びが生じないものを、光送信モジュールに実装する前の段階において選別することが望ましい。
【0010】
そのような要望を実現するために、本発明の半導体発光素子の検査方法は、半導体発光素子は、分布帰還型半導体レーザであると共に、第1の温度において、対象素子の第1の駆動電流における第1の発振波長を測定する工程と、第1の温度において、対象素子の第2の駆動電流における第2の発振波長を測定する工程と、第1の駆動電流と第2の駆動電流との間において波長飛びが生じない半導体発光素子の駆動電流を、第1の温度において第1の駆動電流から第2の駆動電流まで変化させたときの発振波長の第1の変動分を見積もる工程と、第1の変動分と、第1の発振波長と第2の発振波長との差分とを比較する工程と、をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
この検査方法においては、上述したように、第1の駆動電流と第2の駆動電流とを求める。その後、第1の温度において、対象素子の第1の駆動電流における第1の発振波長を測定すると共に、対象素子の第2の駆動電流における第2の発振波長を測定する。その一方で、第1の駆動電流と第2の駆動電流との間において波長飛びが生じない半導体発光素子の発振波長の駆動電流依存性に基づいて、第1の温度において半導体発光素子の駆動電流を第1の駆動電流から第2の駆動電流まで変化させたときの半導体発光素子の発振波長の変動分を見積もる。そして、見積もった変動分と、第1の発振波長と第2の発振波長との差分とを比較する。例えば、対象素子が、第1の駆動電流と第2の駆動電流との間の範囲おいて波長飛びが生じないものである場合には、見積もられた変動分と、第1の発振波長と第2の発振波長との差分とが概ね等しくなる。その一方で、対象素子が、第1の駆動電流と第2の駆動電流との間の範囲おいて波長飛びが生じるものである場合には、見積もられた変動分に比べて、第1の発振波長と第2の発振波長との差分の方が大きくなる。したがって、上記比較の結果により、第1の温度において、光信号の生成のために必要な駆動電流の範囲(第1の駆動電流と第2の駆動電流との間の範囲)において波長飛びが生じない対象素子を、すなわち光送信モジュールに要求される品質を満足する対象素子を、光送信モジュールに実装する前の段階において選別することが可能となる。
【0012】
ここで、分布帰還型半導体レーザにおいては、所定の範囲で温度を変化させたときにも、その変化に伴って発振波長が変動することが知られている。特に、分布帰還型半導体レーザの中には、特定の温度において波長飛びが生じるものがある。したがって、所定の温度範囲において、光信号の生成に必要な駆動電流の範囲で波長飛びが生じないものを予め選別することが望ましい。
【0013】
そのために、本発明の半導体発光素子の検査方法は、第1の温度と異なる第2の温度における対象素子の駆動電流と光出力値との関係を示す第2の電流光出力特性を取得する工程と、第2の電流光出力特性に基づき、対象素子の光出力値が第2の光出力値となるような第3の駆動電流を求める工程と、第2の電流光出力特性に基づき、対象素子の光出力値が第4の光出力値となるような第4の駆動電流を求める工程と、第2の温度において、対象素子の第3の駆動電流における第3の発振波長を測定する工程と、第2の温度において、対象素子の第4の駆動電流における第4の発振波長を測定する工程と、第3の駆動電流と第4の駆動電流との間において波長飛びが生じない半導体発光素子の発振波長の駆動電流を、第2の温度において第3の駆動電流から第4の駆動電流まで変化させたときの発振波長の第2の変動分を求める工程と、第2の変動分と、第3の発振波長と第4の発振波長との差分とを比較する工程と、をさらに備えるものとすることができる。
【0014】
この検査方法においては、第1の温度と異なる第2の温度において、対象素子の光出力値が第2の光出力値となるような第3の駆動電流を求めると共に、対象素子の光出力値が第4の光出力値となるような第4の駆動電流を求める。さらに、対象素子の第3の駆動電流における第3の発振波長を測定すると共に、対象素子の第4の駆動電流における第4の発振波長を測定する。そして、第3の駆動電流と第4の駆動電流との間において波長飛びが生じない半導体発光素子の発振波長の第2の温度における変動分と、第3の発振波長と第4の発振波長との差分とを比較する。この比較により、第2の温度において、光信号の生成のために必要な駆動電流の範囲(第3の駆動電流と第4の駆動電流との間の範囲)において波長飛びが生じない対象素子を選別することが可能となる。このように、第1の温度と第2の温度とのそれぞれにおいて波長飛びが生じるか否かを判別することにより、第1の温度と第2の温度との間の温度範囲において波長飛びが生じないものを、光送信モジュールに実装する前の段階において選別することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、光送信モジュールに実装する前の段階において半導体発光素子を選別可能な半導体発光素子の検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る方法により製造される光送信モジュールの一例を示す断面図である。
【図2】本実施形態に係る方法により製造される光送信モジュールの一例を示す断面図である。
【図3】本実施形態に係る方法の主要な工程を示すフローチャートである。
【図4】図3に示された半導体レーザ素子の検査方法の主要な工程を示すフローチャートである。
【図5】サンプル素子の光出力値の測定値とサンプルモジュールの光出力値の測定値との一例を示すグラフである。
【図6】結合効率の度数分布の一例を示すグラフである。
【図7】半導体レーザ素子の発振波長の駆動電流依存性の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の半導体発光素子の検査方法に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一部分には同一の符号を付する。
【0018】
以下では、本発明の半導体発光素子の検査方法の一実施形態を含む光送信モジュールを製造する方法について説明する。図1は、本実施形態に係る方法により製造される光送信モジュールの一例としてのピグテイル型の光送信モジュールの断面図である。図1に示されるように、光送信モジュール100は、パッケージ2を備えている。
【0019】
パッケージ2は、平板状のステム2aと、ステム2aに立設された円管状のキャップ2bとからなる。パッケージ2には、半導体レーザ素子3が収容されている。半導体レーザ素子3は、ステム2aとキャップ2bとで画成される内部空間に配置されている。より具体的には、半導体レーザ素子3は、ステム2aの略中央部に立設されたサブマウント4に固定されている。後述する半導体レーザ素子3の検査では、このパッケージ2の状態において半導体レーザ素子3の光出力値を測定する。
【0020】
パッケージ2には、例えばフォトダイオードといった受光素子5が収容されている。受光素子5は、サブマウント6を介してステム2aに固定されている。受光素子5は、半導体レーザ素子3から発振されたレーザ光をモニタするために用いられる。パッケージ2のステム2aには、複数のステムピン7が挿設されている。ステムピン7は、例えば、半導体レーザ素子3に駆動電流を供給するために用いることができる。
【0021】
パッケージ2のキャップ2bには、半導体レーザ素子3に対向する位置に開口部が設けられている。その開口部には、レンズ8が嵌め合わされている。レンズ8は、半導体レーザ素子3から発振されたレーザ光を、後述する光ファイバF1の端面に集光する。パッケージ2のステム2aの外周部には、円管状のスリーブ9の一端が接続されている。スリーブ9の他端には、ホルダ10が接続されている。
【0022】
光送信モジュール100は、光ファイバF1を保持したフェルール11を備えている。フェルール11は、ホルダ10に挿通されている。光ファイバF1には、半導体レーザ素子3から発振されレンズ8で集光されたレーザ光が入射する。つまり、光送信モジュール100においては、半導体レーザ素子3は、レンズ8を介して光ファイバF1に光学的に結合されている。レンズ8及び光ファイバF1は、半導体レーザ素子3の光軸に沿って調芯されている。半導体レーザ素子3から発振されたレーザ光は、光ファイバF1によって光送信モジュール100の外部に導かれる。
【0023】
図2は、本実施形態に係る方法により製造される光送信モジュールの一例としてのレセプタクル型の光送信モジュールの断面図である。図2に示されるように、光送信モジュール200は、上述したパッケージ2を備えている。パッケージ2のステム2aの外周部には、スリーブ9の一端が接続されている。スリーブ9の他端には、ホルダ12が接続されている。
【0024】
光送信モジュール200は、短尺の光ファイバF2を保持したフェルール13を備えている。フェルール13は、ホルダ12に挿通されており、ホルダ12の先端部に配置されている。光ファイバF2には、半導体レーザ素子3から発振されレンズ8で集光されたレーザ光が入射する。つまり、光送信モジュール200においては、半導体レーザ素子3は、レンズ8を介して光ファイバF2に光学的に結合されている。レンズ8及び光ファイバF2は、半導体レーザ素子3の光軸に沿って調芯されている。半導体レーザ素子3から発振されたレーザ光は、光ファイバF2及びその光ファイバF2に接続される光ファイバ(不図示)によって光送信モジュール200の外部に導かれる。
【0025】
このようにして構成される光送信モジュール100及び光送信モジュール200においては、半導体レーザ素子3、レンズ8、及び光ファイバF1,F2の位置ずれや、半導体レーザ素子3における閾値電流、発光効率、及びファーフィールドパターン等の特性バラつきや、レンズ8の特性のバラつき等の種々の要因が複合的に組み合わされた結果として、半導体レーザ素子3と光ファイバF1,F2との間の光学的な結合効率にバラつきが生じることがある。以下に説明する方法においては、そのような結合効率のバラつきを考慮して半導体レーザ素子3の選別を行う。
【0026】
また、上述したように、分布帰還型半導体レーザの中には、その発振波長が、特定の駆動電流及び温度において通常の変動率を超えて大きく変動する所謂波長飛びが生じるものがある。なお、ここでの分布帰還型半導体レーザの波長飛びは、特定の駆動電流及び温度において、その発振波長がストップバンドを超えて長波長側にシフトすることを示す。光信号の生成のために必要な駆動電流の範囲、或いは所定の温度範囲においてそのような波長飛びが生じると、光信号の伝送エラーの原因となる。したがって、以下に説明する方法においては、そのような波長飛びを考慮して半導体レーザ素子3の選別を行う。なお、以下では、光送信モジュールとして主に光送信モジュール100を例にとり説明を続ける。
【0027】
図3は、本実施形態に係る光送信モジュールを製造する方法の主要な工程を示すフローチャートである。図3に示されるように、この方法においては、まず、半導体レーザ素子3の検査を行う(工程S1)。この半導体レーザ素子3の検査方法について詳細に説明する。図4は、半導体レーザ素子の検査方法の主要な工程を示すフローチャートである。
【0028】
図4に示されるように、この検査方法においては、まず、サンプル素子の光出力値を測定する(工程S101)。より具体的には、この工程S101においては、まず、サンプル素子を複数用意する。ここでのサンプル素子とは、検査対象としての半導体レーザ素子3と同一の構成を有する半導体レーザ素子である。そして、用意したサンプル素子のそれぞれの光出力値を測定する。この光出力値の測定は、上述したように、パッケージ2の状態において行われる。この光出力値の測定は、例えば、測定室の温度=25℃、サンプル素子の駆動電流=閾値電流+20mA、といった測定条件のもとで行うことができる。
【0029】
続いて、サンプルモジュールの光出力値を測定する(工程S102)。より具体的には、この工程S102においては、まず、サンプルモジュールをサンプル素子と同数用意する。ここでのサンプルモジュールとは、例えば光送信モジュール100と同様の構成を有するモジュールであって、上記の工程S101において光出力値の測定に供されたサンプル素子が実装されたモジュールである。この光出力値の測定も、例えば、工程S101の測定条件と同一の測定条件のもとで行うことができる。
【0030】
このように、工程S101でサンプル素子の光出力値を測定すると共に、工程S102でサンプル素子を実装したサンプルモジュールの光出力値を測定して、互いに対応するサンプル素子とサンプルモジュールの光出力値の測定値を互いに関連付けてプロットすれば、例えば図5に示されるようなグラフを得ることができる。また、互いに対応するサンプル素子とサンプルモジュールの光出力値の測定値に基づいて、そのサンプル素子とサンプルモジュールの光ファイバF1との光学的な結合効率を見積もることができる。各サンプル素子及びサンプルモジュールについて結合効率を見積もれば、例えば図6のグラフに示されるように、結合効率の度数分布を得ることができる。
【0031】
そのようにして得られる結合効率の分布に基づいて、すなわち、サンプル素子の光出力値とサンプルモジュールの光出力値とに基づいて、半導体レーザ素子3と光ファイバF1との結合効率の最大値と最小値とを決定する(工程S103)。この工程S103においては、例えば、結合効率の最大値を−1.0dB程度、結合効率の最小値を−2.6dB程度と決定することができる。
【0032】
その一方で、この検査方法における検査対象としての半導体レーザ素子3である対象素子の第1の温度における駆動電流と光出力値との関係を示す第1の電流光出力特性を取得する(工程S104)。この工程S104においては、パッケージ2の状態において、対象素子の駆動電流を変動させながら受光素子5により対象素子の光出力値をモニタすることにより、対象素子の第1の電流光出力特性を取得することができる。第1の温度は、例えば、室温25℃程度とすることができる。
【0033】
続いて、工程S103で決定した結合効率の最小値に基づいて、対象素子を実装した光送信モジュール100の光出力値が第1の光出力値となるような対象素子の第2の光出力値を求める(工程S105)。ここで、光送信モジュール100の第1の光出力値は、例えば、光送信モジュール100を変調駆動して生成される光信号においてハイレベル(1レベル)を与える光出力値(例えば3.85mW)である。
【0034】
つまり、この工程S105では、対象素子と光ファイバF1との結合損失が最も大きい場合(結合効率が最小である場合)において、光送信モジュール100として要求される最も高い光出力値を実現するために必要な対象素子の光出力値を第2の光出力値として算出する。対象素子の第2の光出力値P2は、光送信モジュール100の第1の光出力値をP1とし、結合効率の最小値の絶対値をα1とすると、例えば、
P2=P1/α1
として算出することができる。
【0035】
続いて、工程S104で取得した第1の電流光出力特性に基づいて、工程S105で求めた対象素子の第2の光出力値を出力するために必要な対象素子の第1の駆動電流を求める(工程S106)。これにより、光送信モジュール100で光信号を生成すべく第1の温度で対象素子を駆動する上で要求される最も高い駆動電流が算出されることとなる。
【0036】
続いて、工程S103で決定した結合効率の最大値に基づいて、対象素子を実装した光送信モジュール100の光出力値が第3の光出力値となるような対象素子の第4の光出力値を求める(工程S107)。ここで、光送信モジュール100の第3の光出力値は、例えば、光送信モジュール100を変調駆動して生成される光信号においてローレベル(0レベル)を与える光出力値(例えば0.15mW)である。
【0037】
つまり、この工程S107では、対象素子と光ファイバF1との結合損失が最も少ない場合(結合効率が最大である場合)において、光送信モジュール100として要求される最も低い光出力値を実現するために必要な対象素子の光出力値を第4の光出力値として算出する。対象素子の第4の光出力値P4は、光送信モジュール100の第3の光出力値をP3とし、結合効率の最大値の絶対値をα2とすると、例えば、
P4=P3/α2
として算出することができる。光信号における消光比が10dBである場合には、
P4=P1×0.1/α2
として算出することができる。
【0038】
続いて、工程S104で取得した第1の電流光出力特性に基づいて、工程S107で求めた対象素子の第4の光出力値を出力するために必要な対象素子の第2の駆動電流を求める(工程S108)。これにより、光送信モジュール100で光信号を生成すべく第1の温度で対象素子を駆動する上で要求される最も低い駆動電流が算出されることとなる。つまり、以上の工程において、光送信モジュール100において光信号のローレベル及びハイレベルのそれぞれを与える光出力値を第1の温度で実現するために必要な対象素子の駆動電流の範囲が、第1の駆動電流と第2の駆動電流との間の範囲として得られる。
【0039】
続いて、第1の温度において、対象素子の第1の駆動電流における第1の発振波長を測定する(工程S109)。また、第1の温度において、対象素子の第2の駆動電流における第2の発振波長を測定する(工程S110)。これにより、第1の温度において、第1の駆動電流で対象素子を駆動させたときの発振波長(第1の発振波長)と、第2の駆動電流で対象素子を駆動させたときの発振波長(第2の発振波長)との差分を求めることが可能となる。
【0040】
続いて、第1の駆動電流と第2の駆動電流との間の電流範囲で波長飛びが生じない半導体レーザ素子3の発振波長の駆動電流依存性に基づいて、第1の温度においてその半導体レーザ素子3の駆動電流を第1の駆動電流から第2の駆動電流まで変化させてときのその半導体レーザ素子3の発振波長の第1の変動分を求める(工程S111)。図7を参照して説明すると、この工程S111では、第2の駆動電流(図中のA点)と第1の駆動電流(図中のB点)との間の電流範囲において波長飛びが生じない半導体レーザ素子3の発振波長の駆動電流依存性(図中の1点鎖線で示されるもの)に基づいて、その駆動電流を第1の駆動電流から第2の駆動電流まで変化させたときの発振波長の変動分△λ0を求める。
【0041】
続いて、工程S111で求めた第1の温度における半導体レーザ素子3の発振波長の第1の変動分と、工程S109で測定した第1の発振波長とS110で測定した第2の発振波長との差分と、を比較する(工程S112)。このとき、図7に示されるように、例えば、対象素子が、第1の駆動電流(図中のB点)と第2の駆動電流(図中のA点)との間の電流範囲において波長飛びが生じるものである場合には、第1の発振波長(図中のE点)と第2の発振波長(図中のD点)との差分△λ1が、波長飛びが生じない半導体レーザ素子3の変動分△λ0よりも大きくなる。したがって、この工程S112での比較により、対象素子が、第1の温度において、第1の駆動電流と第2の駆動電流との間の電流範囲で波長飛びが生じるものであるか否かを判定することができる。この比較においては、例えば、変動分△λ0と差分△λ1との差が2nm以上であるときに、対象素子が第1の駆動電流と第2の駆動電流との間において波長飛びが生じるものであると判定することができる。
【0042】
続いて、第1の温度と異なる第2の温度における対象素子の駆動電流と光出力値との関係を示す第2の電流光出力特性を取得する(工程S113)。第2の温度は、例えば、85℃程度とすることができる。
【0043】
続いて、工程S113で取得した第2の電流光出力特性に基づいて、工程S105で求めた第2の光出力値を出力するために必要な対象素子の第3の駆動電流を求める(工程S114)。これにより、光送信モジュール100で光信号を生成すべく第2の温度で対象素子を駆動する上で要求される最も高い駆動電流が算出されることとなる。
【0044】
続いて、工程S113で取得した第2の電流光出力特性に基づいて、工程S107で求めた第4の光出力値を出力するために必要な対象素子の第4の駆動電流を求める(工程S115)。これにより、光送信モジュール100で光信号を生成すべく第2の温度で対象素子を駆動する上で要求される最も低い駆動電流が算出されることとなる。つまり、以上の工程において、光送信モジュール100において光信号のローレベル及びハイレベルのそれぞれを与える光出力値を第2の温度で実現するために必要な対象素子の駆動電流の範囲が、第3の駆動電流と第4の駆動電流との間の範囲として得られる。
【0045】
続いて、第2の温度において、対象素子の第3の駆動電流における第3の発振波長を測定する(工程S116)。また、第2の温度において、対象素子の第4の駆動電流における第4の発振波長を測定する(工程S117)。これにより、第2の温度において、第3の駆動電流で対象素子を駆動させたときの発振波長(第3の発振波長)と、第4の駆動電流で対象素子を駆動させたときの発振波長(第4の発振波長)との差分を求めることが可能となる。
【0046】
続いて、工程S111と同様にして、第3の駆動電流と第4の駆動電流との間で波長飛びが生じない半導体レーザ素子3の発振波長の駆動電流依存性に基づいて、第2の温度においてその半導体レーザ素子3の駆動電流を第3の駆動電流から第4の駆動電流まで変化させてときの半導体レーザ素子3の発振波長の第2の変動分を求める(工程S118)。
【0047】
そして、工程S118で求めた第2の温度における半導体レーザ素子3の発振波長の第2の変動分と、工程S116で測定した第3の発振波長とS117で測定した第4の発振波長との差分と、を比較する(工程S119)。この工程S119での比較により、対象素子が、第2の温度において、第3の駆動電流と第4の駆動電流との間の電流範囲で波長飛びが生じるものであるか否かを判定することができる。
【0048】
本実施形態に係る光送信モジュールを製造する方法においては、以上のようにして半導体レーザ素子(対象素子)の検査を行う。そして、この検査の後に、図3に示されるように、検査対象とされた半導体レーザ素子3の選別を行う(工程S2)
【0049】
この工程S2では、例えば、上記の工程S106で求めた第1の駆動電流と、工程S108で求めた第2の駆動電流と、上記の工程S114で求めた第3の駆動電流と、上記の工程S115で求めた第4の駆動電流とが、予め設定された所定の範囲(例えば5mA〜35mA)内であるか否かを判定する。その判定の結果、第1の駆動電流と第2の駆動電流と第3の駆動電流と第4の駆動電流とが所定の範囲内である半導体レーザ素子3を、良品として選別することができる。或いは、この工程S2では、上記の工程S112及び工程S119での比較により、第1の温度と第2の温度との間の温度範囲、及び、光送信モジュール100の光出力値が第1の光出力値と第3の光出力値との間となる駆動電流範囲において、波長飛びが生じない半導体レーザ素子3を、良品として選別することができる。さらには、それらの両方を満たすものを良品として選別することができる。
【0050】
そして、工程S2で良品と選別された半導体レーザ素子3を光送信モジュール100,200として実装・組み立てしたうえで(工程S3)、その光送信モジュール100,200の評価を行う(工程S4)。光送信モジュール100,200の評価としては、例えば、光送信モジュール100,200を高調波信号で変調して伝送エラーが無いかを、25℃及び85℃で評価することができる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る光送信モジュールを製造する方法は、光送信モジュール100に実装され光送信モジュール100の光ファイバF1に光学的に結合される半導体レーザ素子3の検査方法を含む。その半導体レーザ素子3の検査方法では、まず、半導体レーザ素子3と光送信モジュール100とのサンプリングを行う。すなわち、まず、サンプルとしての半導体レーザ素子3であるサンプル素子の光出力値を測定すると共に、そのサンプル素子が実装された光送信モジュール100であるサンプルモジュールの光出力値を測定する。そして、それらの光出力値の測定値に基づいて、光送信モジュール100の光ファイバF1と半導体レーザ素子3との結合効率の最大値と最小値とを決定する。
【0052】
その一方で、検査対象の半導体レーザ素子3である対象素子の電流光出力特性を取得する。また、結合効率の最小値に基づいて、対象素子が実装された光送信モジュール100の光出力値が、光信号のハイレベル(1レベル)を与える第1の光出力値となるような対象素子の第2の光出力値を求める。さらに、対象素子の光出力値が第2の光出力値となるような第1の駆動電流を求める。その一方で、結合効率の最大値に基づいて、対象素子が実装された光送信モジュール100の光出力値が、光信号のローレベル(0レベル)を与える第3の光出力値となるような対象素子の第4の光出力値を求める。そして、対象素子の光出力値が第4の光出力値となるような第2の駆動電流を求める。
【0053】
これにより、光送信モジュール100において要求される光出力値(すなわち、光信号のローレベル及びハイレベルのそれぞれを与える光出力値)を実現するために必要な対象素子の駆動電流の範囲を、第1駆動電流と第2駆動電流との間の範囲として得ることができる。したがって、その駆動電流の範囲が予め設定された所定の範囲であるか否かを判定することにより、光送信モジュールとして要求される品質を満足する半導体レーザ素子3(対象素子)を選別することができる。このように、この検査方法によれば、光送信モジュール100に実装する前の段階において半導体レーザ素子3の選別を行うことができる。
【0054】
また、半導体レーザ素子3の検査方法は、第1の駆動電流と第2の駆動電流とを求めた後に、第1の温度において、対象素子の第1の駆動電流における第1の発振波長を測定すると共に、対象素子の第2の駆動電流における第2の発振波長を測定する。その一方で、第1の駆動電流と第2の駆動電流との間において波長飛びが生じない半導体レーザ素子3の駆動電流を、第1の温度において第1の駆動電流から第2の駆動電流まで変化させたときの半導体レーザ素子3の発振波長の変動分(例えば図7の△λ0)を見積もる。そして、見積もった変動分と、第1の発振波長と第2の発振波長との差分(例えば図7の△λ1)とを比較する。
【0055】
例えば、対象素子が、第1の駆動電流と第2の駆動電流との間の範囲おいて波長飛びが生じないものである場合には、見積もられた変動分と、第1の発振波長と第2の発振波長との差分とが概ね等しくなる。その一方で、対象素子が、第1の駆動電流と第2の駆動電流との間の範囲おいて波長飛びが生じるものである場合には、見積もられた変動分に比べて、第1の発振波長と第2の発振波長との差分の方が大きくなる。したがって、上記比較の結果により、第1の温度において、光信号の生成のために必要な駆動電流の範囲(第1の駆動電流と第2の駆動電流との間の範囲)において波長飛びが生じない対象素子を、すなわち光送信モジュール100に要求される品質を満足する対象素子を、光送信モジュール100に実装する前の段階において選別することができる。
【0056】
さらに、半導体レーザ素子3の検査方法は、第1の温度と異なる第2の温度において、対象素子の第2の電流光出力特性を取得する。その第2の電流光出力特性に基づいて、対象素子の光出力値が第2の光出力値となるような第3の駆動電流、及び、対象素子の光出力値が第4の光出力値となるような第4の駆動電流を求める。さらに、対象素子の第3の駆動電流における第3の発振波長を測定すると共に、対象素子の第4の駆動電流における第4の発振波長を測定する。そして、第3の駆動電流と第4の駆動電流との間において波長飛びが生じない半導体レーザ素子3の発振波長の第2の温度における変動分と、第3の発振波長と第4の発振波長との差分とを比較する。この比較により、第2の温度において、光信号の生成のために必要な駆動電流の範囲(第3の駆動電流と第4の駆動電流との間の範囲)において波長飛びが生じない対象素子を選別することができる。このように、第1の温度と第2の温度とのそれぞれにおいて波長飛びが生じるか否かを判別することにより、第1の温度と第2の温度との間の温度範囲において波長飛びが生じないものを、光送信モジュールに実装する前の段階において選別することができる。
【0057】
このように、本実施形態に係る光送信モジュールを製造する方法によれば、半導体レーザ素子3を光送信モジュール100に実装する前の段階において、光送信モジュール100において要求される品質を満足する半導体レーザ素子3を選別することができるので、光送信モジュール100の不良品が生じることを抑制することができる。
【0058】
以上の実施形態は、本発明に係る半導体発光素子の検査方法の一実施形態を説明したものであり、本発明に係る半導体発光素子の検査方法は、上述した本実施形態に係る方法に限定されない。本発明に係る半導体発光素子の検査方法は、各請求項の要旨を変更しない範囲において、本実施形態に係る方法を任意に変更したものとすることができる。
【0059】
例えば、上述した半導体レーザ素子3の検査方法は、工程S108と工程S109との間において、第1の駆動電流と第2の駆動電流とが予め設定された所定の範囲内であるか否かを判定する工程を備えることができる。この場合には、半導体レーザ素子3の検査方法における工程S109以降の工程を、第1の駆動電流と第2の駆動電流とが予め設定された所定の範囲内である対象素子のみに対して行うことができる。
【符号の説明】
【0060】
3…半導体レーザ素子(半導体発光素子)、100,200…光送信モジュール、F1,F2…光ファイバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光送信モジュールに実装され前記光送信モジュールの光ファイバに光学的に結合される半導体発光素子の検査方法であって、
サンプルとしての前記半導体発光素子であるサンプル素子を複数用意すると共に、該複数のサンプル素子の光出力値を測定する工程と、
前記サンプル素子が実装された前記光送信モジュールであるサンプルモジュールの光出力値を測定する工程と、
前記サンプル素子の光出力値と前記サンプルモジュールの光出力値とに基づいて、前記半導体発光素子と前記光ファイバとの結合効率の最大値と最小値とを決定する工程と、
検査対象としての前記半導体発光素子である対象素子の第1の温度における駆動電流と光出力値との関係を示す第1の電流光出力特性を取得する工程と、
前記結合効率の最小値に基づいて、前記光送信モジュールの光出力値が第1の光出力値となるような前記対象素子の第2の光出力値を求める工程と、
前記第1の電流光出力特性に基づき、前記対象素子の光出力値が前記第2の光出力値となるような第1の駆動電流を求める工程と、
前記結合効率の最大値に基づき、前記光送信モジュールの光出力値が第3の光出力値となるような前記対象素子の第4の光出力値を求める工程と、
前記第1の電流光出力特性に基づき、前記対象素子の光出力値が前記第4の光出力値となるような第2の駆動電流を求める工程と、
前記第1の駆動電流と前記第2の駆動電流とが予め設定された所定の範囲内であるか否かを判定する工程と、を備え、
前記光送信モジュールの前記第1の光出力値は、前記光送信モジュールを変調駆動して生成される光信号においてハイレベルを与える光出力値であり、
前記光送信モジュールの前記第3の光出力値は、前記光送信モジュールを変調駆動して生成される光信号においてローレベルを与える光出力値である、
ことを特徴とする半導体発光素子の検査方法。
【請求項2】
前記半導体発光素子は、分布帰還型半導体レーザであって、
前記第1の温度において、前記対象素子の前記第1の駆動電流における第1の発振波長を測定する工程と、
前記第1の温度において、前記対象素子の前記第2の駆動電流における第2の発振波長を測定する工程と、
前記第1の駆動電流と前記第2の駆動電流との間において波長飛びが生じない前記半導体発光素子の駆動電流を、前記第1の温度において前記第1の駆動電流から前記第2の駆動電流まで変化させたときの発振波長の第1の変動分を見積もる工程と、
前記第1の変動分と、前記第1の発振波長と前記第2の発振波長との差分とを比較する工程と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子の検査方法。
【請求項3】
前記第1の温度と異なる第2の温度における前記対象素子の駆動電流と光出力値との関係を示す第2の電流光出力特性を取得する工程と、
前記第2の電流光出力特性に基づき、前記対象素子の光出力値が前記第2の光出力値となるような第3の駆動電流を求める工程と、
前記第2の電流光出力特性に基づき、前記対象素子の光出力値が前記第4の光出力値となるような第4の駆動電流を求める工程と、
前記第2の温度において、前記対象素子の前記第3の駆動電流における第3の発振波長を測定する工程と、
前記第2の温度において、前記対象素子の前記第4の駆動電流における第4の発振波長を測定する工程と、
前記第3の駆動電流と前記第4の駆動電流との間において波長飛びが生じない前記半導体発光素子の発振波長の駆動電流を、前記第2の温度において前記第3の駆動電流から前記第4の駆動電流まで変化させたときの発振波長の第2の変動分を求める工程と、
前記第2の変動分と、前記第3の発振波長と前記第4の発振波長との差分とを比較する工程と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の半導体発光素子の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−16733(P2013−16733A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150072(P2011−150072)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】