半導体装置およびその製造方法
【課題】ボンディング衝撃による不具合を改善するとともに、フェールセーフ的な構造とすることにより、能動回路上ボンディングパッドへ直接ボンディングワイヤを接続できる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】第1の配線2で結線され層間絶縁層3で被覆した能動回路1にあって、前記能動回路1が機能するよう第1の接続孔4を介して接続された第2の配線5と平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁6がボンディング接続領域に設け保護膜7で被覆し、第2接続孔8を介して前記能動回路1と電気的に接続された厚い電極9を衝撃吸収梁6上に位置するよう設け、厚い電極9へボンディング接続を行うために、衝撃吸収梁6の上方において、保護樹脂層10が開口されてなる半導体装置とする。
【解決手段】第1の配線2で結線され層間絶縁層3で被覆した能動回路1にあって、前記能動回路1が機能するよう第1の接続孔4を介して接続された第2の配線5と平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁6がボンディング接続領域に設け保護膜7で被覆し、第2接続孔8を介して前記能動回路1と電気的に接続された厚い電極9を衝撃吸収梁6上に位置するよう設け、厚い電極9へボンディング接続を行うために、衝撃吸収梁6の上方において、保護樹脂層10が開口されてなる半導体装置とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には集積回路半導体装置におけるワイヤボンディング接続に関し、特に、前記半導体装置の能動回路領域上でのワイヤボンディング接続を可能とする前記能動回路領域上に配置されたボンディングパッドおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の集積回路半導体装置は、能動回路領域の周辺部に配置されたボンディングパッドを有する。これらのボンディングパッドは、ボールボンディング接続またはスティッチボンディング接続のいずれかを可能とするように十分な大きさでなければならない。従ってボンディングパッドのため半導体装置が大きくなるという問題があった。
【0003】
(第1の従来技術)
このボンディングパッドのため半導体装置が大きくなるという問題を改善するために、図37に示す特許文献1に開示された技術が提案されている。この特許文献1のものによれば、能動回路上にポリイミド層を介してボンディングパッドを形成するとともに接続孔によりボンディングパッドと能動回路とを電気的に接続した後、ボンディングパッドにワイヤをボンディングするというものであり、この結果として、能動回路領域の周辺部に配置されたボンディングパッドを削減できるというものである。
【0004】
上記した特許文献1に示す能動回路上ボンディングパッドでは、ワイヤをボンディングする際のボンディング衝撃をボンディングパッド下層のポリイミド層により吸収・緩和する構造であるが、図37に示すようにボンディングパッドと下部の能動回路とを電気的に接続する接続部にもボンディング衝撃が作用し、この接続部での接続不良が発生するという問題があった。
【0005】
(第2の従来技術)
ボンディングパッドのため半導体装置が大きくなるという基本的な問題の改善に加え、ボンディング衝撃によりボンディングパッドと能動回路との接続部での接続不良が発生するという特許文献1の不具合を改善するために、図38に示すような特許文献2に開示された技術が提案されている。
【0006】
この特許文献2の技術によれば、能動回路上に実質的に中断箇所を持たない無機材料からなるパシベーション材料層を形成した後、能動回路上にボンディングパッドを形成し、ワイヤをボンディングする領域から離れた箇所に形成された接続孔を介して能動回路とボンディングパッドとを電気的に接続するというものである。
【0007】
この特許文献2の技術による能動回路上ボンディングパッドでは、能動回路との接続孔はボンディング領域から離れておりボンディングパッドの一部を延長した接続配線により能動回路と接続するためボンディング衝撃により接続部での接続不良が発生するという問題は改善できる。
【0008】
しかし、ボンディングパッドおよび接続配線ともに露出した構造となるため特許文献2の半導体装置をモールド樹脂により実装した場合、前記接続部を含む接続配線の耐環境信頼性において問題があった。
【0009】
加えて、ボンディング衝撃を金属材料からなるボンディングパッドと無機材料からなるパシベーション材料層とで吸収・緩和する構造であるため、能動回路の配線段差が大きく急峻な場合にはボンディング衝撃によりパシベーション材料層にクラックが発生する。
【0010】
また、半導体装置の使用時の環境温度変化が大きい場合、ボンディング衝撃により発生したクラックが伸展しボンディングパッドと能動回路の配線が短絡するという問題点があった。加えて、ボンディング衝撃によるパシベーション材料層のクラックに起因する経時劣化現象が検出できないという問題点があった。
【特許文献1】特開平6−204277号公報
【特許文献2】特表2002−532882号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ボンディングパッドのため半導体装置が大きくなるという問題を改善する能動回路上ボンディングパッドにおいて、能動回路とボンディングパッドと電気的に接続する接続孔にボンディング衝撃が作用する場合にはボンディング衝撃により接合部に不良が発生するという問題がある。
【0012】
また、接続孔をボンディング領域から離して形成しボンディングパッドの一部を延長した接続配線で接続する構造においてボンディングパッドとともに接続配線が露出する構造の場合には耐環境信頼性が劣化するという問題がある。
【0013】
加えて、配線段差が大きく急峻な能動回路上に無機材料による絶縁層を介してボンディングパッドを形成した構造ではボンディング衝撃により前記絶縁層にクラックが発生し初期不良もしくは信頼性不良が発生するという問題点がある。
【0014】
本発明は、ボンディング衝撃による能動回路とボンディングパッドとの接合部不良および能動回路とボンディングパッドとの間の絶縁層不良の発生を抑止するとともに、ボンディング衝撃に対しフェールセーフ的な構造でありボンディング衝撃に起因する不良を検出可能とした能動回路上ボンディングパッドを有する半導体装置およびその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による半導体装置においては、半導体装置の能動回路上に絶縁膜を介して平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成し、能動回路を保護する保護膜を介して衝撃吸収梁上に保護膜に設けた接続孔により能動回路と接続された厚い電極を形成し、厚い電極にボンディング接続時に必要な領域のみ開口した保護樹脂層で半導体装置を被覆する構造であり、前記衝撃吸収梁を被覆する保護膜の表面段差以上に前記の厚い電極の厚さを設定することにより、ボンディング面方向の超音波振動に起因するボンディング衝撃を主として厚い電極で吸収・緩和することが可能となるとともに、下層へ伝播した衝撃により前記保護膜にクラックが発生した場合においても前記衝撃吸収梁によりその後のクラックの伸展を抑止することができ能動回路との短絡が発生しないフェールセーフ構造である。
【0016】
また前記衝撃吸収梁に形成する開口部の平面形状を円形もしくは多角形にすることにより、ボンディング衝撃に対する指向性を無くすことができ能動回路上でのボンディングパッドの配置位置自由度を向上できる。
【0017】
加えてボンディング接続に必要な領域のみ開口した保護樹脂層で半導体装置を被覆する構造であるため、実装後の半導体装置においてボンディングパッドと能動回路を接続する接続配線に起因する耐環境信頼性の劣化現象を抑止できる。
【0018】
本発明の別の半導体装置においては、半導体装置の能動回路上に絶縁膜を介して平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成し、能動回路を保護する保護膜を介して衝撃吸収梁上に厚いパッド電極を形成し、厚いパッド電極を被服しその一部を延長し保護膜に設けた接続孔により能動回路と接続するよう被覆金属配線層を形成し、厚いパッド電極へのボンディング接続時に必要な領域のみ開口した保護樹脂層で半導体装置を被覆する構造である。
【0019】
厚いパッド電極を被覆金属配線層より機械的強度の高い金属材料で形成するとともにその厚さを前記衝撃吸収梁上に形成した前記保護膜の表面段差以上に設定することにより、ボンディング面方向の超音波振動に起因するボンディング衝撃を主として前記被覆金属配線層を変形させることで吸収・緩和するとともに、下層へ伝播するボンディング衝撃を機械的強度の高い厚いパッド電極で分散することによりボンディング衝撃による能動回路への影響を従来構造より低減できる。
【0020】
加えて、ボンディング衝撃により前記保護膜にクラックが発生した場合においても前記衝撃吸収梁によりクラックの伸展を抑止し能動回路との短絡を発生させないフェールセーフ構造である。
【0021】
また、前記衝撃吸収梁に形成する開口部の平面形状を円形もしくは多角形にすることにより、ボンディング衝撃に対する指向性を無くすことができ能動回路上でのボンディングパッドの配置位置自由度を向上できる。
【0022】
更に、前記厚いパッドと能動回路との接続部は保護樹脂層で保護されているため実装後の耐環境信頼性の劣化を抑止できる。
【0023】
また本発明の更に別の半導体装置においては、半導体装置の能動回路上に絶縁膜を介して平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成し、能動回路を保護する保護膜を形成したのち衝撃吸収梁の近傍に接続孔を形成し、衝撃吸収梁と接続孔を被覆するよう厚いパッド電極を形成し厚いパッド電極と能動回路とを電気的に接続する。
【0024】
また衝撃吸収梁は、その一部を延長し保護膜に設けた別の接続孔により最上層配線層と接続される。厚いパッド電極を被覆金属配線層により被服した後、厚いパッド電極へのボンディング接続時に必要な領域のみ開口した保護樹脂層で半導体装置を被覆する構造である。
【0025】
厚いパッド電極を被覆金属配線層より機械的強度の高い金属材料で形成するとともにその厚さを前記衝撃吸収梁上に形成した前記保護膜の表面段差以上に設定することにより、ボンディング面方向の超音波振動に起因するボンディング衝撃を主として前記被覆金属配線層を変形させることで吸収・緩和することが可能となるとともに、下層へ伝播するボンディング衝撃を機械的強度の高い厚いパッド電極で分散することができボンディング衝撃による能動回路への影響を従来構造より低減できる。
【0026】
加えて、衝撃により前記保護膜にクラックが発生した場合においても前記衝撃吸収梁によりクラックの伸展を抑止することができ能動回路との短絡を発生させないフェールセーフ構造であり、最上層配線を介して厚いパッド電極と衝撃吸収梁間の漏洩電流を測定することにより前記のクラック発生を検出することができるという自己診断機能を有する。
【0027】
また、前記衝撃吸収梁に形成する開口部の平面形状を円形もしくは多角形にすることにより、ボンディング衝撃に対する指向性を無くすことができ能動回路上のボンディングパッドの配置位置自由度を向上できる。
【0028】
更に、前記厚いパッドと能動回路との接続部は保護樹脂層で保護されているため実装後の耐環境信頼性の劣化を抑止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(第1の実施形態)
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明に係る能動回路上に配置されたボンディングパッド部の第1の実施例を示す模式的な平面図である。また、図2は図1中A−A´線で示す部分の模式的な断面図である。
【0030】
第1の実施例は、図2に示すように第1の配線2で結線された能動回路1を被覆した層間絶縁層3の上面に、能動回路1が機能するよう第1の接続孔4を介して接続された第2の配線5と、平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁6がボンディング接続領域に設ける。
【0031】
第2の配線5と衝撃吸収梁6を設けた前記能動回路1を保護膜7により被覆し、図1に示すように保護膜7上に衝撃吸収梁6を被覆しその一部が保護膜7に設けられた第2接続孔8を介して能動回路1と電気的に接続されるよう厚い電極9を設け、ワイヤ11をボンディングする際に必要な領域のみ開口した保護樹脂層10により表面を保護した構造である。
【0032】
第1の実施例において、衝撃吸収梁6を被覆する保護膜7の表面段差以上の膜厚に厚い電極9の膜厚を設定することが望ましい。
【0033】
この膜厚に設定された厚い電極9にワイヤをボンディング接続する際、図2に示すように接続部の最下面は衝撃吸収梁6を被覆する保護膜7の最上面と同じかまたは高い位置となりボンディング衝撃の主要因である超音波振動の作用面は前記保護膜7の最上面より高くなるため、ボンディング衝撃は前記厚い電極9により吸収・緩和される。
【0034】
このボンディング衝撃の吸収・緩和性とボンディング接続性を両立するために、前記厚い電極9の材質としてはアルミ,アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、またはこれらのうちの2以上のものの積層膜が望ましい。
【0035】
更に厚い電極9より下層に伝播したボンディング衝撃によって保護膜7にクラックが発生したとしても、クラックを発生させた後の過剰な衝撃は複数の開口を持つ網目状の前記衝撃吸収梁6を機械的に変形させることにより吸収される。
【0036】
これによりクラックの伸展を抑止できる。加えて、衝撃吸収梁6は前記能動回路1と電気的に絶縁されているため、保護膜7に発生したクラックを介して前記の厚い電極9と衝撃吸収梁6が電気的に短絡しても能動回路1に誤動作は発生しない。
【0037】
加えて、第1の実施形態による能動回路上ボンディングパッドの配置に関し、能動回路1の表面段差状態の依存性またボンディング接続時に印加される超音波振動の方向依存性を無くすために、前記衝撃吸収梁6の開口形状は図3に示す円形もしくは図4に示す多角形が望ましい。
【0038】
また機械的変形によるボンディング衝撃性を向上と製造過程の複雑さ低減を両立させるために、衝撃吸収梁6は前記の第2の配線5と同一材料でありアルミまたはアルミ合金を主材料とすることが望ましい。
【0039】
また層間絶縁膜3は、衝撃吸収梁6と能動回路1との絶縁性に加え平坦性を確保するためシリコン酸化膜を主体とする膜が望ましく、保護膜7はボンディング衝撃に対する耐量を高めるため層間絶縁膜3より機械強度の高いシリコン窒化膜が望ましい。前記保護樹脂層10は段差被覆性に優れ機械強度が高くかつ、耐熱性・耐湿性の高いポリイミド樹脂膜が望ましい。
【0040】
(第2の実施形態)
図5は、本発明に係る能動回路上に配置されたボンディングパッド部の第2の実施例を示す模式的な断面図である。
【0041】
第2の実施形態は、図5に示すように第1の実施例と同様に第1の配線32で結線された能動回路31を被覆した層間絶縁層33の上面に、能動回路31が機能するよう第2の配線35と、平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁36がボンディング接続領域に設ける。
【0042】
第2の配線35と衝撃吸収梁36を設けた前記能動回路31は段差を緩和する処置を施した第2の層間絶縁層37と保護膜38により被覆し、保護膜38上に前記衝撃吸収梁36を被覆しその一部が第2の接続孔39を介して能動回路31と電気的に接続されるよう厚い電極40を設け、ボンディング接続時に必要な領域のみ開口した保護樹脂層41により表面を保護する構造である。
【0043】
第2の実施例において、衝撃吸収梁36を被覆する保護膜38の表面段差以上の膜厚に厚い電極40の膜厚を設定することが望ましい。また前記第2の層間絶縁層37の段差緩和処置は、衝撃吸収梁36上厚い電極40の表面窪み部のテーパー角(図5中θと記載した角度)が45°以上になるような段差緩和処置であることが望ましい。
【0044】
この構造によれば、ワイヤをボンディング接続する際の接続部の最下面は衝撃吸収梁36を被覆する保護膜38の最上面と同じかまたは高い位置となりボンディング衝撃の主要因である超音波振動の作用面は前記保護膜38の最上面より高くなるとともに衝撃の鉛直方向成分より平面方向成分が大きくなり、厚い電極40によるボンディング衝撃の吸収・緩和がより効率的なものとなる。
【0045】
厚い電極40の材質としては、第1の実施例と同様にアルミ,アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、またはこれらのうちの2以上のものの積層膜が望ましい。
【0046】
また第2の実施例においても、第1の実施例と同様に前記厚い電極40より下層に伝播したボンディング衝撃により前記保護膜38にクラックが発生したとしても、クラックを発生させた後の過剰な衝撃は複数の開口を持つ網目状の前記衝撃吸収梁36を機械的に変形させることにより吸収され、クラックの伸展は抑止される。
【0047】
加えて衝撃吸収梁36は前記能動回路31と電気的に絶縁されているため、保護膜38および第2の層間絶縁層37に発生したクラックを介して前記の厚い電極40と衝撃吸収梁36が電気的に短絡しても能動回路31に誤動作は発生しない。
【0048】
(※以下、段落番号は提案書の番号とずれます)
また第2の実施例においても、能動回路31の表面段差状態の依存性またボンディング接続時の超音波振動の方向依存性を無くすために、前記衝撃吸収梁36の開口形状は図3に示す円形もしくは図4に示す多角形が望ましく、また機械的変形によるボンディング衝撃性を向上と製造過程の複雑さ低減を両立させるために、衝撃吸収梁36は前記の第2の配線35と同一材料でありアルミまたはアルミ合金を主材料とすることが望ましい。
【0049】
前記第2の層間絶縁膜37は段差緩和処置を実施したシリコン酸化膜を主体とする膜が望ましく、層間絶縁膜33,保護膜37および保護樹脂層41は、第1の実施例と同様に、それぞれシリコン酸化膜を主体とする膜,シリコン窒化膜,ポリイミド樹脂膜が望ましい。
【0050】
(第3の実施形態)
本発明に係る第3の実施例の能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な断面図を図6に示す。
【0051】
第3の実施例は、図6に示すように第1の実施例と同様に第1の配線52で結線された能動回路51を被覆した層間絶縁層53の上面に、能動回路51が機能するよう第1の接続孔54を介して接続された第2の配線55と平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁56を配し、保護膜57により被覆する。
【0052】
衝撃吸収梁56上方に保護膜57を介して厚いパッド電極59が設けその上面と全側面を被覆金属配線層60により被覆する。被覆金属配線層60の一部を延長した配線により第2接続孔58を介して厚いパッド電極59と前記能動回路51とを電気的に接続し、ワイヤ62をボンディングする際に必要な領域のみ開口した保護樹脂層61により表面を保護した構造である。
【0053】
第3の実施例の厚いパッド電極59において、衝撃吸収梁56を被覆する保護膜57の表面段差以上の膜厚に厚いパッド電極59の膜厚を設定することが望ましい。また厚いパッド電極59の材質としては被覆する被覆金属配線層60より機械的強度が高い材料が望ましく、アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,タングステン,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、またはこれらのうちの2以上のものの積層膜が望ましい。
【0054】
また前記被覆金属配線層60は、主たる構成材料として厚いパッド電極59の構成材料より機械的強度の低い材料でありワイヤボンディング時の接合強度を確保可能な材料が望ましく、アルミ,アルミ合金,金のいずれかかまたは、上層がアルミまたはアルミ合金いずれかであり下層がチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成された2層積層膜が望ましい。
【0055】
厚いパッド電極59と被覆金属配線層60をこれらの材料により構成することにより、ワイヤボンディング時の衝撃は主に被覆金属配線層60の変形により吸収・緩和されるとともに、過剰な衝撃の下層への伝播は機械的強度の高い厚いパッド電極59により分散されるため下層への影響を低減できる。
【0056】
また第3の実施例では、前記の厚いパッド電極59と能動回路51とは厚いパッド電極59を被覆する被覆金属配線層60の一部により第2の接続孔58を介して接続されているため接続部の配線被覆段差を低くできるため、図6に示すように保護樹脂層61による接続部の被覆が十分なものとなり接合部の高信頼性化が図れる。
【0057】
加えて層間絶縁層53, 衝撃吸収梁56および保護樹脂層61は、その機能および望ましい材料は第1の実施例または第2の実施例と同じであるためその記載を省略する。
【0058】
また保護膜57は第1の実施例に記載の保護膜7と同じかもしくは第2の実施例に記載の第2の層間絶縁層37および保護膜38と同じ膜による2層積層膜で構成されていることが望ましい。
【0059】
(第4の実施形態)
本発明に係る第4の実施例の能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な断面図を図7に示すとともに図7中のB部の詳細図を図8に示す。
【0060】
第4の実施例は、図7に示すように第1の実施例と同様に第1の配線72で結線された能動回路71を被覆した層間絶縁層73の上面に、能動回路71が機能するよう第1の接続孔74を介して接続された第2の配線75と平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁76を配し、保護膜77により被覆する。衝撃吸収梁76上に密着強化金属層79とシード電極層80を介して厚いパッド電極81を設けその上面と全側面を被覆金属配線層82により被覆する。
【0061】
厚いパッド電極81は密着強化金属層79,シード電極層80および被覆金属配線層82の一部を延長した配線により第2の接続孔78を介して能動回路71は電気的に接続され、ワイヤ84をボンディングする際に必要な領域のみ開口した保護樹脂層83により表面を保護した構造である。
【0062】
第4の実施例において、密着強化金属層79は保護膜77との密着性の高い金属薄膜が望ましく、チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかかまたはこれらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることが望ましい。
【0063】
厚いパッド電極81はシード電極層80と同一材質でありシード電極層80を形成時の種として用いるメッキ法により形成される金属膜が望ましく、材質としては電気抵抗が低く機械強度の高い銅が望ましい。またその膜厚については、第3の実施例に記載の厚いパッド電極59と同じ要件を満たすことが望ましい。
【0064】
ボンディング衝撃の吸収・緩和に対する被覆金属配線層82で被覆した厚いパッド電極81の機能は第3の実施例と同様でありその詳細は省略するが、第4の実施例においては、前記密着強化金属層79を介して保護膜77上に厚いパッド電極81を設けるため、ボンディング時の超音波衝撃によるせん断力に対する厚いパッド電極81の付着耐量が向上し信頼性の高いボンディングパッドを得ることが出来る。
【0065】
また厚いパッド電極81と前記能動回路71を接続する配線も、図8に示すように密着強化金属層79,シード電極層80および被覆金属配線層82の積層構造により構成されるため、厚いパッド電極81に対する接続性および保護膜77に対する密着性が高く、信頼性の高い接続配線を得ることができる。
【0066】
加えて層間絶縁層73, 衝撃吸収梁76および保護樹脂層83は、その機能および望ましい材料は第1の実施例または第2の実施例と同じであるためその記載を省略する。
【0067】
また保護膜77は第1の実施例に記載の保護膜7と同じかもしくは、第2の実施例に記載の第2の層間絶縁層37および保護膜38と同じ膜による2層積層膜が望ましい。
【0068】
(第5の実施形態)
本発明に係る第5の実施例の能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な断面図を図9に示すとともに図9中のC部の拡大断面例を図10に示す。
【0069】
第5の実施例は、図9に示すように第1の実施例と同様に第1の配線72で結線された能動回路71を被覆した層間絶縁層73の上面に、能動回路71が機能するよう第1の接続孔74を介して接続された第2の配線75と平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁76を配し、保護膜77により被覆する。衝撃吸収梁76上に密着強化金属層79と介して厚いパッド電極81を設け、厚いパッド電極81の上面と全側面を被覆金属配線層82により被覆する。
【0070】
また厚いパッド電極81は密着強化金属層79と被覆金属配線層82との一部を延長し積層した配線,第2の接続孔78,第2の配線75および第1の接続孔74を経由して能動回路71と電気的に接続し、ワイヤ84をボンディングする際に必要な領域のみ開口した保護樹脂層83により表面を保護した構造である。
【0071】
第5の実施例においては、厚いパッド電極81は上面および全側面を被覆金属配線層82により底面を密着強化金属層79により完全に封止される。厚いパッド電極81を形成する際にシード電極層80を用いる場合においても図10に示すように厚いパッド電極81に加えシード電極層80も密着強化金属層79と被覆金属配線層82により完全に封止される。
【0072】
また第2の接続孔78を介して能動回路71と厚いパッド電極81を接続する接続配線は密着強化金属層79と被覆金属配線層82との積層により形成するため、電気抵抗またはその製造工程上の簡便さを優先させ厚いパッド電極81の構成材料として材質面で耐湿性にやや劣る材料を用いた場合においても、耐環境性を劣化させることなく信頼性の高いボンディングパッドおよび接続配線を得ることができる。
【0073】
第5の実施例による能動回路上ボンディングパッドにおいても、ボンディング接続時の衝撃に対する吸収・緩和機能およびに耐せん断性については第4の実施例と同様であり、密着強化金属層79,シード電極層80,厚いパッド電極81および被覆金属配線層82それぞれの機能および望ましい材料は第4の実施例と同じであるためその詳細は省略する。加えて、層間絶縁層73, 衝撃吸収梁76,保護膜77および保護樹脂層83についても第4の実施例と同じであるためその詳細は省略する。
【0074】
(第6の実施形態)
図11は、本発明に係る能動回路上に配置されたボンディングパッド部の第6の実施例を示す模式的な平面図である。また、図12は第6の実施例を示す模式的な平面図11のD−D´での断面図である。
【0075】
第6の実施例は、図12に示すように第1の実施例と同様に第1の配線92で結線された能動回路91を被覆した層間絶縁層93の上面に、能動回路91が機能するよう第1の接続孔94を介して接続された第2の配線95と平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁96と配し保護膜97により被覆する。
【0076】
衝撃吸収梁96の近傍にボンディングパッドと能動回路91を電気的に接続する第2の接続孔98を設けた後、衝撃吸収梁96と第2の接続孔98を被覆するよう厚いパッド電極99を設け、ワイヤ101をボンディングする際に必要な領域のみ開口した保護樹脂層100により表面を保護した構造である。
【0077】
図11および図12に示すように第6の実施例においては、厚いパッド電極91は衝撃吸収梁96の近傍に設けた第2の接続孔98を介して能動回路91と電気的に接続するため、接続配線が不要となり能動回路上ボンディングパッド構造において更に省面積効果を高めることができる。
【0078】
加えて厚いパッド電極91へワイヤ101をボンディング接続する際にはボンディングボールの接続面が衝撃吸収梁96上のみに形成されるよう第2の接続孔98を配置することにより、第1の実施例で記載したように衝撃吸収梁96によりボンディング衝撃の伝搬を抑止するフェールセーフ構造であるため、厚いパッド電極91直下の第2の接続孔98においてボンディング衝撃による接続不具合は発生しない。
【0079】
衝撃吸収梁96において、その機能は前述のように第1の実施例と同じであり望ましい材質も同じであるため、その詳細は省略する。同様に、層間絶縁層93および保護樹脂層100それぞれの機能および望ましい材料も第1の実施例と同じであるためその詳細は省略する。
【0080】
また厚いパッド電極91は、第3の実施例から第5の実施例に記載の構造および材質が望ましい。加えて保護膜97については、前述の理由により第1の実施例に記載の保護膜7と同じかもしくは第2の実施例に記載の第2の層間絶縁層37および保護膜38と同じ膜による2層積層膜で構成されていることが望ましい。
【0081】
(第7の実施形態)
図13は、本発明に係る能動回路上に配置されたボンディングパッド部の第7の実施例を示す模式的な平面図である。また、図14は第7の実施例を示す模式的な平面図13のE−E´での断面図であり、図15は図14中のF部の拡大断面例を示す。
【0082】
第7の実施例は、図13および14に示すように第1の実施例と同様に第1の配線112で結線された能動回路111を被覆した層間絶縁層113の上面に、能動回路111が機能するよう第1の接続孔114を介して接続された第2の配線115と平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁116と配し保護膜117により被覆する。衝撃吸収梁116の近傍にボンディングパッドと能動回路111を電気的に接続する第2の接続孔118を設けた後、密着強化金属層119と介して衝撃吸収梁116と第2の接続孔118を被覆するよう厚いパッド電極121を設け、厚いパッド電極121の上面と全側面を被覆金属配線層122により被覆する。
【0083】
また衝撃吸収梁116はその一部を延長し第3の接続孔127を介して最上層配線126に電気的に接続し、ワイヤ84をボンディングする際に必要な領域のみ開口した保護樹脂層124により表面を保護した構造である。
【0084】
第7の実施例は、衝撃吸収梁116は第3の接続孔127を介して最上層配線126に接続されているため、ボンディング衝撃により衝撃吸収梁116を被覆している保護膜117にクラックが発生しボンディング接続時に厚いパッド電極121と衝撃吸収梁116とが短絡した場合または実使用時の環境変化による前記クラックが経時的に伸展しパッド電極121と衝撃吸収梁116とが短絡した場合に厚いパッド電極121と衝撃吸収梁116との間の漏洩電流を計測することにより前期クラックの有無を検出することができる。
【0085】
すなわち、第7の実施例による半導体装置は、第6の実施例と同様に衝撃吸収梁116の近傍に設けた第2の接続孔118を介して厚いパッド電極121と能動回路111とを電気的に接続するため接続配線が不要となり省面積効果を高めることができることに加え、ボンディング衝撃による不良および使用環境下における経時劣化によるボンディング部の不良を検出できる自己診断機能を持つ半導体装置である。
【0086】
また厚いパッド電極121は、第5の実施例と同様に上面および全側面を被覆金属配線層122により底面を密着強化金属層119により完全に封止される。厚いパッド電極121を形成する際にシード電極層120を用いる場合においても図15に示すように厚いパッド電極121に加えシード電極層120も密着強化金属層119と被覆金属配線層122により完全に封止される。
【0087】
また最上層配線126は、密着強化金属層119と同一材質で形成された最上層配線密着層129と被覆金属配線層122と同一構造同一材質で形成された最上層配線被覆層129の積層により構成されることが望ましい。
【0088】
加えて第7の実施例も、衝撃吸収梁116を有するためボンディング衝撃の伝搬を抑止するフェールセーフ構造の半導体装置であり、構造および材質は第1の実施例と同じであり望ましい材質も同じであるため、その詳細は省略する。同様に、層間絶縁層93および保護樹脂層100それぞれの機能および望ましい材料も第1の実施例と同じであるためその詳細は省略する。
【0089】
また前述のように、密着強化金属層119, シード電極層120,厚いパッド電極121およびは、被覆金属配線層122それぞれの機能および望ましい材料も第5の実施例と同じであるためその詳細は省略する。
【0090】
加えて保護膜124については、前述の理由により第1の実施例に記載の保護膜7と同じかもしくは第2の実施例に記載の第2の層間絶縁層37および保護膜38と同じ膜による2層積層膜で構成されていることが望ましい。
【0091】
(第1の実施方法)
本発明による第1の実施例と第2の実施例の製造方法について、第1の実施例を例に図16から図20を参照しつつ第1の実施方法を説明する。
【0092】
図16に示すように、機能するよう第1の配線302で結線した能動回路301を層間絶縁膜303で被覆し第1の接続孔304を形成した後、第1の金属膜305を成膜する。この際、層間絶縁膜304は段差緩和処置を実施したシリコン酸化膜を主体とする膜が望ましく、第1の金属膜305はアルミまたはアルミ合金を主材料とすることが望ましい。
【0093】
その後、図17に示すように、マスク材を用いて第1の金属膜305を加工し第2の配線306と衝撃吸収梁307を形成する。この際、衝撃吸収梁307は複数の開口を持ちその開口形状が円形または多角形となるよう加工する。
【0094】
図18に示すように保護膜308で能動回路301を被覆した後、第2の接続孔309を形成し、保護膜308上に衝撃吸収梁307を被覆するとともに第2の接続孔309を介して能動回路301と電気的に接続されるよう厚い電極310を設ける(図19参照)。その後、図20に示すように保護樹脂層311で被覆し厚い電極310にボンディングする際に必要な領域のみ開口する。
【0095】
この際、保護膜308はシリコン窒化膜もしくは第2の実施例で記載した平坦化処理を実施したシリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を形成した積層膜が望ましく、厚い電極310は膜厚を衝撃吸収梁307上の保護膜308における表面段差以上の膜厚に設定しその材質としてアルミ,アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、またはこれらのうちの2以上のものの積層膜が望ましい。
【0096】
また保護樹脂層311は段差被覆性に優れ機械強度が高くかつ、耐熱性・耐湿性の高いポリイミド樹脂膜が望ましい。
【0097】
(第2の実施方法)
本発明による第3の実施例と第7の実施例の製造方法について、第7の実施例を例に図21から図29を参照しつつ第2の実施方法を説明する。
【0098】
機能するよう第1の配線502で結線した能動回路501を層間絶縁膜503で被覆し、第1の接続孔504を形成した後第1の金属膜505を成膜する(図21参照)。この際、層間絶縁膜504は段差緩和処置を実施したシリコン酸化膜を主体とする膜が望ましく、第1の金属膜505はアルミまたはアルミ合金を主材料とすることが望ましい。
【0099】
その後、図22に示すように、マスク材を用いて第1の金属膜505を加工し第2の配線506と衝撃吸収梁507を形成する。この際、衝撃吸収梁507は複数の開口を持ちその開口形状が円形または多角形となるよう加工する。
【0100】
図23に示すように保護膜508で能動回路501を被覆した後、第3の接続孔509を形成し密着強化膜510を形成する(図24参照)。同時にその後形成する厚いパッド電極と前記能動回路501とを電気的に接続するための接続孔を衝撃吸収梁507の近傍に形成する。
【0101】
この際、保護膜508はシリコン窒化膜もしくは第2の実施例で記載した平坦化処理を実施したシリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を形成した積層膜が望ましい。また密着強化膜510は保護膜508との密着性の高い金属薄膜が望ましくチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、またはこれらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることが望ましい。
【0102】
次に、図25に示すように厚い金属膜511を形成しフォトリソグラフィ技術によりマスク材512を衝撃吸収梁507と前記の能動回路501と電気的に接続するための接続孔を被覆するよう形成する。この際厚い金属膜511は、その膜厚を衝撃吸収梁507上の保護膜508の表面段差以上の膜厚となるよう設定し、その材質として電気抵抗が低く機械強度の高い銅が望ましい。
【0103】
その後マスク材512を用いて厚い金属膜511をエッチングし厚いパッド電極513を形成する。(図26参照)。この際のエッチングは能動回路501にダメージを与えない湿式エッチングが望ましい。
【0104】
次に図27に示すように、被覆金属膜514を成膜したのちフォトリソグラフィ技術により厚いパッド電極513を被覆するとともに少なくとも第3の接続孔509を介して衝撃吸収梁507と電気的に接続する配線ができるようマスク材515を形成する。この際被覆金属膜514は、上層がワイヤボンディング時の接合強度を確保可能なアルミまたはアルミ合金いずれかであり、下層が上層金属と厚いパッド電極との反応を抑止できるチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成された2層積層膜が望ましい。また厚いパッド電極513を被覆するマスク材は、平面的大きさを厚いパッド電極513の大きさより大きくなるよう設定する。
【0105】
その後マスク材515を用いて被覆金属膜514と密着強化膜510とを連続してエッチング除去し、厚いパッド電極513を封止するよう密着強化金属層516および被覆金属配線層517を形成するとともに、最上層配線を形成する最上層配線密着強化層518と最上層配線被覆層519を形成する(図28参照)。この際のエッチング除去も能動回路501にダメージを与えない湿式エッチングが望ましい。
【0106】
最後に、図29に示すように保護樹脂層520で被覆し厚いパッド電極513にボンディングする際に必要な領域のみ開口する。保護樹脂層520の材質としては、段差被覆性に優れ機械強度が高くかつ耐熱性・耐湿性の高いポリイミド樹脂膜が望ましい。
【0107】
(第3の実施方法)
本発明による第4の実施例と第7の実施例に対する別の製造方法について、第7の実施例を例に図30から図36を参照しつつ第3の実施方法を説明する。
【0108】
図30に示すように、第2の実施方法と同様な製造方法により第2の配線506と衝撃吸収梁507を形成した後能動回路501を保護膜508で被覆する。更に第2の実施方法と同様に第3の接続孔509と密着強化膜510を形成した後、密着強化膜510にシード金属層601を成膜する(図31参照)。
【0109】
次に図32に示すように、フォトリソグラフィ技術により形成したマスク材602を用いシード金属層601を電極として電気メッキ法により厚いパッド電極603を形成する。シード金属層601と厚いパッド電極603の材質としては電気抵抗が低く機械強度の高い銅が望ましく、加えて厚いパッド電極603の膜厚は衝撃吸収梁507上の保護膜508の表面段差以上の膜厚となるよう設定することが望ましい。
【0110】
マスク材602を除去した後、湿式エッチング法か厚いパッド電極603の形成時の電気メッキとは逆のバイアスを印加した電気分解かまたは両者の複合処理により厚いパッド電極603下部以外の領域のシード金属層601を除去する(図33参照)。
【0111】
その後、図34に示すように、被覆金属膜604を成膜した後フォトリソグラフィ技術により厚いパッド電極603を被覆するとともに少なくとも第3の接続孔509を介して衝撃吸収梁507と電気的に接続する配線ができるようマスク材605を形成する。
【0112】
この際被覆金属膜604は、上層がワイヤボンディング時の接合強度を確保可能なアルミまたはアルミ合金いずれかであり、下層が上層金属と厚いパッド電極との反応を抑止できるチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成された2層積層膜が望ましく前記密着強化膜510と同一構造・材料であることが望ましい。また厚いパッド電極603を被覆するマスク材は、平面的大きさを厚いパッド電極603の大きさより大きくなるよう設定する。
【0113】
次に、マスク材605を用いて被覆金属膜604と密着強化膜510とを連続してエッチング除去し、厚い電極603を封止するよう密着強化金属層605および被覆金属配線層606を形成するとともに、最上層配線を形成する最上層配線密着強化層607と最上層配線被覆層608を形成する(図35参照)。この際のエッチング除去も能動回路501にダメージを与えない湿式エッチングが望ましい。
【0114】
最後に、図36に示すように保護樹脂層609で被覆し厚いパッド電極603にボンディングする際に必要な領域のみ開口する。保護樹脂層609の材質としては、段差被覆性に優れ機械強度が高くかつ耐熱性・耐湿性の高いポリイミド樹脂膜が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の第1の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な平面図である。
【図2】図1中、A−A´線で切断した部分の模式的な断面図である。
【図3】衝撃吸収梁の開口形状を示す第1の模式的な平面図である。
【図4】衝撃吸収梁の開口形状を示す第2の模式的な平面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な断面図である。
【図8】図7中、Bで示す部分の構造の一例を示す模式的な断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な略断面図である。
【図10】図9中、Cで示す部分の構造の一例を示す模式的な断面図である。
【図11】本発明の第6の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な平面図である。
【図12】図11中、D−D´線で切断した部分の模式的な断面図である。
【図13】本発明の第7の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な平面図である。
【図14】図13中、E−E´線で切断した部分の模式的な断面図である。
【図15】図14中、Fで示す部分の構造の一例を示す模式的な断面図である。
【図16】本発明の第1および第2の実施例に係る第1の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その1)である。
【図17】本発明の第1および第2の実施例に係る第1の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その2)である。
【図18】本発明の第1および第2の実施例に係る第1の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その3)である。
【図19】本発明の第1および第2の実施例に係る第1の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その4)である。
【図20】本発明の第1および第2の実施例に係る第1の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その5)である。
【図21】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その1)である。
【図22】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その2)である。
【図23】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その3)である。
【図24】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その4)である。
【図25】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その5)である。
【図26】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その6)である。
【図27】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その7)である。
【図28】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その8)である。
【図29】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その9)である。
【図30】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その1)である。
【図31】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その2)である。
【図32】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その3)である。
【図33】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その4)である。
【図34】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その5)である。
【図35】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その6)である。
【図36】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その7)である。
【図37】第1の従来技術によるボンディングパッドの断面を示す図
【図38】第2の従来技術によるボンディングパッドの断面を示す図
【符号の説明】
【0116】
図面中、1,31,51,71,91,111,301,501は能動回路、2,32,52,72,92,112,302,502は第1の配線、3,33,53,73,93,113,303,503は層間絶縁層、4,34,54,74,94,114,304,504は第1の接続孔、5,35,55,75,95,115,306,506は第2の配線、6,36,56,76,96,116,307,507は衝撃吸収梁、7,38,57,77,97,117,308,508は保護膜、8,39,58,78,98,118,309,509は第2の接続孔、9,40,310は厚い電極、10,41,61,83,100,124,311,520,609は保護樹脂層、11,62,84,101,125,312,521,610はボンディングワイヤ、21は円形の開口部を持つ衝撃吸収梁、22は多角形の開口部を持つ衝撃吸収梁,37は第2の層間絶縁層、59,81,99,121,513,603は厚いパッド電極、60,82,122,516,606は被覆金属配線層、79,119,515,605は密着強化金属層、80,120,601はシート゛金属層、123はボンディングパット領域、126は最上層配線、127,509は第3の接続孔、128,518,607は最上層配線密着強化層、129,519,608は最上層配線被覆層、201は能動回路、202は下部金属層、203はレベル間酸化物層、204は導体、205は上部金属層、206は保護膜、207は接続孔、208はポリイミド層、209はボンディングパッド、210は導電性ワイヤ、211は樹脂形成化合物、221は半導体本体、222は第1の金属層、223は絶縁層、224は第2の金属層、225はパシベーション材料層、226は接続領域、227はワイヤボンディング領域、228はワイヤ、305,505は第1の金属膜、510は密着強化金属膜,511は厚い金属膜、512,515,602はマスク材、514,604は被覆金属膜である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には集積回路半導体装置におけるワイヤボンディング接続に関し、特に、前記半導体装置の能動回路領域上でのワイヤボンディング接続を可能とする前記能動回路領域上に配置されたボンディングパッドおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の集積回路半導体装置は、能動回路領域の周辺部に配置されたボンディングパッドを有する。これらのボンディングパッドは、ボールボンディング接続またはスティッチボンディング接続のいずれかを可能とするように十分な大きさでなければならない。従ってボンディングパッドのため半導体装置が大きくなるという問題があった。
【0003】
(第1の従来技術)
このボンディングパッドのため半導体装置が大きくなるという問題を改善するために、図37に示す特許文献1に開示された技術が提案されている。この特許文献1のものによれば、能動回路上にポリイミド層を介してボンディングパッドを形成するとともに接続孔によりボンディングパッドと能動回路とを電気的に接続した後、ボンディングパッドにワイヤをボンディングするというものであり、この結果として、能動回路領域の周辺部に配置されたボンディングパッドを削減できるというものである。
【0004】
上記した特許文献1に示す能動回路上ボンディングパッドでは、ワイヤをボンディングする際のボンディング衝撃をボンディングパッド下層のポリイミド層により吸収・緩和する構造であるが、図37に示すようにボンディングパッドと下部の能動回路とを電気的に接続する接続部にもボンディング衝撃が作用し、この接続部での接続不良が発生するという問題があった。
【0005】
(第2の従来技術)
ボンディングパッドのため半導体装置が大きくなるという基本的な問題の改善に加え、ボンディング衝撃によりボンディングパッドと能動回路との接続部での接続不良が発生するという特許文献1の不具合を改善するために、図38に示すような特許文献2に開示された技術が提案されている。
【0006】
この特許文献2の技術によれば、能動回路上に実質的に中断箇所を持たない無機材料からなるパシベーション材料層を形成した後、能動回路上にボンディングパッドを形成し、ワイヤをボンディングする領域から離れた箇所に形成された接続孔を介して能動回路とボンディングパッドとを電気的に接続するというものである。
【0007】
この特許文献2の技術による能動回路上ボンディングパッドでは、能動回路との接続孔はボンディング領域から離れておりボンディングパッドの一部を延長した接続配線により能動回路と接続するためボンディング衝撃により接続部での接続不良が発生するという問題は改善できる。
【0008】
しかし、ボンディングパッドおよび接続配線ともに露出した構造となるため特許文献2の半導体装置をモールド樹脂により実装した場合、前記接続部を含む接続配線の耐環境信頼性において問題があった。
【0009】
加えて、ボンディング衝撃を金属材料からなるボンディングパッドと無機材料からなるパシベーション材料層とで吸収・緩和する構造であるため、能動回路の配線段差が大きく急峻な場合にはボンディング衝撃によりパシベーション材料層にクラックが発生する。
【0010】
また、半導体装置の使用時の環境温度変化が大きい場合、ボンディング衝撃により発生したクラックが伸展しボンディングパッドと能動回路の配線が短絡するという問題点があった。加えて、ボンディング衝撃によるパシベーション材料層のクラックに起因する経時劣化現象が検出できないという問題点があった。
【特許文献1】特開平6−204277号公報
【特許文献2】特表2002−532882号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ボンディングパッドのため半導体装置が大きくなるという問題を改善する能動回路上ボンディングパッドにおいて、能動回路とボンディングパッドと電気的に接続する接続孔にボンディング衝撃が作用する場合にはボンディング衝撃により接合部に不良が発生するという問題がある。
【0012】
また、接続孔をボンディング領域から離して形成しボンディングパッドの一部を延長した接続配線で接続する構造においてボンディングパッドとともに接続配線が露出する構造の場合には耐環境信頼性が劣化するという問題がある。
【0013】
加えて、配線段差が大きく急峻な能動回路上に無機材料による絶縁層を介してボンディングパッドを形成した構造ではボンディング衝撃により前記絶縁層にクラックが発生し初期不良もしくは信頼性不良が発生するという問題点がある。
【0014】
本発明は、ボンディング衝撃による能動回路とボンディングパッドとの接合部不良および能動回路とボンディングパッドとの間の絶縁層不良の発生を抑止するとともに、ボンディング衝撃に対しフェールセーフ的な構造でありボンディング衝撃に起因する不良を検出可能とした能動回路上ボンディングパッドを有する半導体装置およびその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による半導体装置においては、半導体装置の能動回路上に絶縁膜を介して平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成し、能動回路を保護する保護膜を介して衝撃吸収梁上に保護膜に設けた接続孔により能動回路と接続された厚い電極を形成し、厚い電極にボンディング接続時に必要な領域のみ開口した保護樹脂層で半導体装置を被覆する構造であり、前記衝撃吸収梁を被覆する保護膜の表面段差以上に前記の厚い電極の厚さを設定することにより、ボンディング面方向の超音波振動に起因するボンディング衝撃を主として厚い電極で吸収・緩和することが可能となるとともに、下層へ伝播した衝撃により前記保護膜にクラックが発生した場合においても前記衝撃吸収梁によりその後のクラックの伸展を抑止することができ能動回路との短絡が発生しないフェールセーフ構造である。
【0016】
また前記衝撃吸収梁に形成する開口部の平面形状を円形もしくは多角形にすることにより、ボンディング衝撃に対する指向性を無くすことができ能動回路上でのボンディングパッドの配置位置自由度を向上できる。
【0017】
加えてボンディング接続に必要な領域のみ開口した保護樹脂層で半導体装置を被覆する構造であるため、実装後の半導体装置においてボンディングパッドと能動回路を接続する接続配線に起因する耐環境信頼性の劣化現象を抑止できる。
【0018】
本発明の別の半導体装置においては、半導体装置の能動回路上に絶縁膜を介して平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成し、能動回路を保護する保護膜を介して衝撃吸収梁上に厚いパッド電極を形成し、厚いパッド電極を被服しその一部を延長し保護膜に設けた接続孔により能動回路と接続するよう被覆金属配線層を形成し、厚いパッド電極へのボンディング接続時に必要な領域のみ開口した保護樹脂層で半導体装置を被覆する構造である。
【0019】
厚いパッド電極を被覆金属配線層より機械的強度の高い金属材料で形成するとともにその厚さを前記衝撃吸収梁上に形成した前記保護膜の表面段差以上に設定することにより、ボンディング面方向の超音波振動に起因するボンディング衝撃を主として前記被覆金属配線層を変形させることで吸収・緩和するとともに、下層へ伝播するボンディング衝撃を機械的強度の高い厚いパッド電極で分散することによりボンディング衝撃による能動回路への影響を従来構造より低減できる。
【0020】
加えて、ボンディング衝撃により前記保護膜にクラックが発生した場合においても前記衝撃吸収梁によりクラックの伸展を抑止し能動回路との短絡を発生させないフェールセーフ構造である。
【0021】
また、前記衝撃吸収梁に形成する開口部の平面形状を円形もしくは多角形にすることにより、ボンディング衝撃に対する指向性を無くすことができ能動回路上でのボンディングパッドの配置位置自由度を向上できる。
【0022】
更に、前記厚いパッドと能動回路との接続部は保護樹脂層で保護されているため実装後の耐環境信頼性の劣化を抑止できる。
【0023】
また本発明の更に別の半導体装置においては、半導体装置の能動回路上に絶縁膜を介して平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成し、能動回路を保護する保護膜を形成したのち衝撃吸収梁の近傍に接続孔を形成し、衝撃吸収梁と接続孔を被覆するよう厚いパッド電極を形成し厚いパッド電極と能動回路とを電気的に接続する。
【0024】
また衝撃吸収梁は、その一部を延長し保護膜に設けた別の接続孔により最上層配線層と接続される。厚いパッド電極を被覆金属配線層により被服した後、厚いパッド電極へのボンディング接続時に必要な領域のみ開口した保護樹脂層で半導体装置を被覆する構造である。
【0025】
厚いパッド電極を被覆金属配線層より機械的強度の高い金属材料で形成するとともにその厚さを前記衝撃吸収梁上に形成した前記保護膜の表面段差以上に設定することにより、ボンディング面方向の超音波振動に起因するボンディング衝撃を主として前記被覆金属配線層を変形させることで吸収・緩和することが可能となるとともに、下層へ伝播するボンディング衝撃を機械的強度の高い厚いパッド電極で分散することができボンディング衝撃による能動回路への影響を従来構造より低減できる。
【0026】
加えて、衝撃により前記保護膜にクラックが発生した場合においても前記衝撃吸収梁によりクラックの伸展を抑止することができ能動回路との短絡を発生させないフェールセーフ構造であり、最上層配線を介して厚いパッド電極と衝撃吸収梁間の漏洩電流を測定することにより前記のクラック発生を検出することができるという自己診断機能を有する。
【0027】
また、前記衝撃吸収梁に形成する開口部の平面形状を円形もしくは多角形にすることにより、ボンディング衝撃に対する指向性を無くすことができ能動回路上のボンディングパッドの配置位置自由度を向上できる。
【0028】
更に、前記厚いパッドと能動回路との接続部は保護樹脂層で保護されているため実装後の耐環境信頼性の劣化を抑止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(第1の実施形態)
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明に係る能動回路上に配置されたボンディングパッド部の第1の実施例を示す模式的な平面図である。また、図2は図1中A−A´線で示す部分の模式的な断面図である。
【0030】
第1の実施例は、図2に示すように第1の配線2で結線された能動回路1を被覆した層間絶縁層3の上面に、能動回路1が機能するよう第1の接続孔4を介して接続された第2の配線5と、平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁6がボンディング接続領域に設ける。
【0031】
第2の配線5と衝撃吸収梁6を設けた前記能動回路1を保護膜7により被覆し、図1に示すように保護膜7上に衝撃吸収梁6を被覆しその一部が保護膜7に設けられた第2接続孔8を介して能動回路1と電気的に接続されるよう厚い電極9を設け、ワイヤ11をボンディングする際に必要な領域のみ開口した保護樹脂層10により表面を保護した構造である。
【0032】
第1の実施例において、衝撃吸収梁6を被覆する保護膜7の表面段差以上の膜厚に厚い電極9の膜厚を設定することが望ましい。
【0033】
この膜厚に設定された厚い電極9にワイヤをボンディング接続する際、図2に示すように接続部の最下面は衝撃吸収梁6を被覆する保護膜7の最上面と同じかまたは高い位置となりボンディング衝撃の主要因である超音波振動の作用面は前記保護膜7の最上面より高くなるため、ボンディング衝撃は前記厚い電極9により吸収・緩和される。
【0034】
このボンディング衝撃の吸収・緩和性とボンディング接続性を両立するために、前記厚い電極9の材質としてはアルミ,アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、またはこれらのうちの2以上のものの積層膜が望ましい。
【0035】
更に厚い電極9より下層に伝播したボンディング衝撃によって保護膜7にクラックが発生したとしても、クラックを発生させた後の過剰な衝撃は複数の開口を持つ網目状の前記衝撃吸収梁6を機械的に変形させることにより吸収される。
【0036】
これによりクラックの伸展を抑止できる。加えて、衝撃吸収梁6は前記能動回路1と電気的に絶縁されているため、保護膜7に発生したクラックを介して前記の厚い電極9と衝撃吸収梁6が電気的に短絡しても能動回路1に誤動作は発生しない。
【0037】
加えて、第1の実施形態による能動回路上ボンディングパッドの配置に関し、能動回路1の表面段差状態の依存性またボンディング接続時に印加される超音波振動の方向依存性を無くすために、前記衝撃吸収梁6の開口形状は図3に示す円形もしくは図4に示す多角形が望ましい。
【0038】
また機械的変形によるボンディング衝撃性を向上と製造過程の複雑さ低減を両立させるために、衝撃吸収梁6は前記の第2の配線5と同一材料でありアルミまたはアルミ合金を主材料とすることが望ましい。
【0039】
また層間絶縁膜3は、衝撃吸収梁6と能動回路1との絶縁性に加え平坦性を確保するためシリコン酸化膜を主体とする膜が望ましく、保護膜7はボンディング衝撃に対する耐量を高めるため層間絶縁膜3より機械強度の高いシリコン窒化膜が望ましい。前記保護樹脂層10は段差被覆性に優れ機械強度が高くかつ、耐熱性・耐湿性の高いポリイミド樹脂膜が望ましい。
【0040】
(第2の実施形態)
図5は、本発明に係る能動回路上に配置されたボンディングパッド部の第2の実施例を示す模式的な断面図である。
【0041】
第2の実施形態は、図5に示すように第1の実施例と同様に第1の配線32で結線された能動回路31を被覆した層間絶縁層33の上面に、能動回路31が機能するよう第2の配線35と、平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁36がボンディング接続領域に設ける。
【0042】
第2の配線35と衝撃吸収梁36を設けた前記能動回路31は段差を緩和する処置を施した第2の層間絶縁層37と保護膜38により被覆し、保護膜38上に前記衝撃吸収梁36を被覆しその一部が第2の接続孔39を介して能動回路31と電気的に接続されるよう厚い電極40を設け、ボンディング接続時に必要な領域のみ開口した保護樹脂層41により表面を保護する構造である。
【0043】
第2の実施例において、衝撃吸収梁36を被覆する保護膜38の表面段差以上の膜厚に厚い電極40の膜厚を設定することが望ましい。また前記第2の層間絶縁層37の段差緩和処置は、衝撃吸収梁36上厚い電極40の表面窪み部のテーパー角(図5中θと記載した角度)が45°以上になるような段差緩和処置であることが望ましい。
【0044】
この構造によれば、ワイヤをボンディング接続する際の接続部の最下面は衝撃吸収梁36を被覆する保護膜38の最上面と同じかまたは高い位置となりボンディング衝撃の主要因である超音波振動の作用面は前記保護膜38の最上面より高くなるとともに衝撃の鉛直方向成分より平面方向成分が大きくなり、厚い電極40によるボンディング衝撃の吸収・緩和がより効率的なものとなる。
【0045】
厚い電極40の材質としては、第1の実施例と同様にアルミ,アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、またはこれらのうちの2以上のものの積層膜が望ましい。
【0046】
また第2の実施例においても、第1の実施例と同様に前記厚い電極40より下層に伝播したボンディング衝撃により前記保護膜38にクラックが発生したとしても、クラックを発生させた後の過剰な衝撃は複数の開口を持つ網目状の前記衝撃吸収梁36を機械的に変形させることにより吸収され、クラックの伸展は抑止される。
【0047】
加えて衝撃吸収梁36は前記能動回路31と電気的に絶縁されているため、保護膜38および第2の層間絶縁層37に発生したクラックを介して前記の厚い電極40と衝撃吸収梁36が電気的に短絡しても能動回路31に誤動作は発生しない。
【0048】
(※以下、段落番号は提案書の番号とずれます)
また第2の実施例においても、能動回路31の表面段差状態の依存性またボンディング接続時の超音波振動の方向依存性を無くすために、前記衝撃吸収梁36の開口形状は図3に示す円形もしくは図4に示す多角形が望ましく、また機械的変形によるボンディング衝撃性を向上と製造過程の複雑さ低減を両立させるために、衝撃吸収梁36は前記の第2の配線35と同一材料でありアルミまたはアルミ合金を主材料とすることが望ましい。
【0049】
前記第2の層間絶縁膜37は段差緩和処置を実施したシリコン酸化膜を主体とする膜が望ましく、層間絶縁膜33,保護膜37および保護樹脂層41は、第1の実施例と同様に、それぞれシリコン酸化膜を主体とする膜,シリコン窒化膜,ポリイミド樹脂膜が望ましい。
【0050】
(第3の実施形態)
本発明に係る第3の実施例の能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な断面図を図6に示す。
【0051】
第3の実施例は、図6に示すように第1の実施例と同様に第1の配線52で結線された能動回路51を被覆した層間絶縁層53の上面に、能動回路51が機能するよう第1の接続孔54を介して接続された第2の配線55と平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁56を配し、保護膜57により被覆する。
【0052】
衝撃吸収梁56上方に保護膜57を介して厚いパッド電極59が設けその上面と全側面を被覆金属配線層60により被覆する。被覆金属配線層60の一部を延長した配線により第2接続孔58を介して厚いパッド電極59と前記能動回路51とを電気的に接続し、ワイヤ62をボンディングする際に必要な領域のみ開口した保護樹脂層61により表面を保護した構造である。
【0053】
第3の実施例の厚いパッド電極59において、衝撃吸収梁56を被覆する保護膜57の表面段差以上の膜厚に厚いパッド電極59の膜厚を設定することが望ましい。また厚いパッド電極59の材質としては被覆する被覆金属配線層60より機械的強度が高い材料が望ましく、アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,タングステン,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、またはこれらのうちの2以上のものの積層膜が望ましい。
【0054】
また前記被覆金属配線層60は、主たる構成材料として厚いパッド電極59の構成材料より機械的強度の低い材料でありワイヤボンディング時の接合強度を確保可能な材料が望ましく、アルミ,アルミ合金,金のいずれかかまたは、上層がアルミまたはアルミ合金いずれかであり下層がチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成された2層積層膜が望ましい。
【0055】
厚いパッド電極59と被覆金属配線層60をこれらの材料により構成することにより、ワイヤボンディング時の衝撃は主に被覆金属配線層60の変形により吸収・緩和されるとともに、過剰な衝撃の下層への伝播は機械的強度の高い厚いパッド電極59により分散されるため下層への影響を低減できる。
【0056】
また第3の実施例では、前記の厚いパッド電極59と能動回路51とは厚いパッド電極59を被覆する被覆金属配線層60の一部により第2の接続孔58を介して接続されているため接続部の配線被覆段差を低くできるため、図6に示すように保護樹脂層61による接続部の被覆が十分なものとなり接合部の高信頼性化が図れる。
【0057】
加えて層間絶縁層53, 衝撃吸収梁56および保護樹脂層61は、その機能および望ましい材料は第1の実施例または第2の実施例と同じであるためその記載を省略する。
【0058】
また保護膜57は第1の実施例に記載の保護膜7と同じかもしくは第2の実施例に記載の第2の層間絶縁層37および保護膜38と同じ膜による2層積層膜で構成されていることが望ましい。
【0059】
(第4の実施形態)
本発明に係る第4の実施例の能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な断面図を図7に示すとともに図7中のB部の詳細図を図8に示す。
【0060】
第4の実施例は、図7に示すように第1の実施例と同様に第1の配線72で結線された能動回路71を被覆した層間絶縁層73の上面に、能動回路71が機能するよう第1の接続孔74を介して接続された第2の配線75と平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁76を配し、保護膜77により被覆する。衝撃吸収梁76上に密着強化金属層79とシード電極層80を介して厚いパッド電極81を設けその上面と全側面を被覆金属配線層82により被覆する。
【0061】
厚いパッド電極81は密着強化金属層79,シード電極層80および被覆金属配線層82の一部を延長した配線により第2の接続孔78を介して能動回路71は電気的に接続され、ワイヤ84をボンディングする際に必要な領域のみ開口した保護樹脂層83により表面を保護した構造である。
【0062】
第4の実施例において、密着強化金属層79は保護膜77との密着性の高い金属薄膜が望ましく、チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかかまたはこれらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることが望ましい。
【0063】
厚いパッド電極81はシード電極層80と同一材質でありシード電極層80を形成時の種として用いるメッキ法により形成される金属膜が望ましく、材質としては電気抵抗が低く機械強度の高い銅が望ましい。またその膜厚については、第3の実施例に記載の厚いパッド電極59と同じ要件を満たすことが望ましい。
【0064】
ボンディング衝撃の吸収・緩和に対する被覆金属配線層82で被覆した厚いパッド電極81の機能は第3の実施例と同様でありその詳細は省略するが、第4の実施例においては、前記密着強化金属層79を介して保護膜77上に厚いパッド電極81を設けるため、ボンディング時の超音波衝撃によるせん断力に対する厚いパッド電極81の付着耐量が向上し信頼性の高いボンディングパッドを得ることが出来る。
【0065】
また厚いパッド電極81と前記能動回路71を接続する配線も、図8に示すように密着強化金属層79,シード電極層80および被覆金属配線層82の積層構造により構成されるため、厚いパッド電極81に対する接続性および保護膜77に対する密着性が高く、信頼性の高い接続配線を得ることができる。
【0066】
加えて層間絶縁層73, 衝撃吸収梁76および保護樹脂層83は、その機能および望ましい材料は第1の実施例または第2の実施例と同じであるためその記載を省略する。
【0067】
また保護膜77は第1の実施例に記載の保護膜7と同じかもしくは、第2の実施例に記載の第2の層間絶縁層37および保護膜38と同じ膜による2層積層膜が望ましい。
【0068】
(第5の実施形態)
本発明に係る第5の実施例の能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な断面図を図9に示すとともに図9中のC部の拡大断面例を図10に示す。
【0069】
第5の実施例は、図9に示すように第1の実施例と同様に第1の配線72で結線された能動回路71を被覆した層間絶縁層73の上面に、能動回路71が機能するよう第1の接続孔74を介して接続された第2の配線75と平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁76を配し、保護膜77により被覆する。衝撃吸収梁76上に密着強化金属層79と介して厚いパッド電極81を設け、厚いパッド電極81の上面と全側面を被覆金属配線層82により被覆する。
【0070】
また厚いパッド電極81は密着強化金属層79と被覆金属配線層82との一部を延長し積層した配線,第2の接続孔78,第2の配線75および第1の接続孔74を経由して能動回路71と電気的に接続し、ワイヤ84をボンディングする際に必要な領域のみ開口した保護樹脂層83により表面を保護した構造である。
【0071】
第5の実施例においては、厚いパッド電極81は上面および全側面を被覆金属配線層82により底面を密着強化金属層79により完全に封止される。厚いパッド電極81を形成する際にシード電極層80を用いる場合においても図10に示すように厚いパッド電極81に加えシード電極層80も密着強化金属層79と被覆金属配線層82により完全に封止される。
【0072】
また第2の接続孔78を介して能動回路71と厚いパッド電極81を接続する接続配線は密着強化金属層79と被覆金属配線層82との積層により形成するため、電気抵抗またはその製造工程上の簡便さを優先させ厚いパッド電極81の構成材料として材質面で耐湿性にやや劣る材料を用いた場合においても、耐環境性を劣化させることなく信頼性の高いボンディングパッドおよび接続配線を得ることができる。
【0073】
第5の実施例による能動回路上ボンディングパッドにおいても、ボンディング接続時の衝撃に対する吸収・緩和機能およびに耐せん断性については第4の実施例と同様であり、密着強化金属層79,シード電極層80,厚いパッド電極81および被覆金属配線層82それぞれの機能および望ましい材料は第4の実施例と同じであるためその詳細は省略する。加えて、層間絶縁層73, 衝撃吸収梁76,保護膜77および保護樹脂層83についても第4の実施例と同じであるためその詳細は省略する。
【0074】
(第6の実施形態)
図11は、本発明に係る能動回路上に配置されたボンディングパッド部の第6の実施例を示す模式的な平面図である。また、図12は第6の実施例を示す模式的な平面図11のD−D´での断面図である。
【0075】
第6の実施例は、図12に示すように第1の実施例と同様に第1の配線92で結線された能動回路91を被覆した層間絶縁層93の上面に、能動回路91が機能するよう第1の接続孔94を介して接続された第2の配線95と平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁96と配し保護膜97により被覆する。
【0076】
衝撃吸収梁96の近傍にボンディングパッドと能動回路91を電気的に接続する第2の接続孔98を設けた後、衝撃吸収梁96と第2の接続孔98を被覆するよう厚いパッド電極99を設け、ワイヤ101をボンディングする際に必要な領域のみ開口した保護樹脂層100により表面を保護した構造である。
【0077】
図11および図12に示すように第6の実施例においては、厚いパッド電極91は衝撃吸収梁96の近傍に設けた第2の接続孔98を介して能動回路91と電気的に接続するため、接続配線が不要となり能動回路上ボンディングパッド構造において更に省面積効果を高めることができる。
【0078】
加えて厚いパッド電極91へワイヤ101をボンディング接続する際にはボンディングボールの接続面が衝撃吸収梁96上のみに形成されるよう第2の接続孔98を配置することにより、第1の実施例で記載したように衝撃吸収梁96によりボンディング衝撃の伝搬を抑止するフェールセーフ構造であるため、厚いパッド電極91直下の第2の接続孔98においてボンディング衝撃による接続不具合は発生しない。
【0079】
衝撃吸収梁96において、その機能は前述のように第1の実施例と同じであり望ましい材質も同じであるため、その詳細は省略する。同様に、層間絶縁層93および保護樹脂層100それぞれの機能および望ましい材料も第1の実施例と同じであるためその詳細は省略する。
【0080】
また厚いパッド電極91は、第3の実施例から第5の実施例に記載の構造および材質が望ましい。加えて保護膜97については、前述の理由により第1の実施例に記載の保護膜7と同じかもしくは第2の実施例に記載の第2の層間絶縁層37および保護膜38と同じ膜による2層積層膜で構成されていることが望ましい。
【0081】
(第7の実施形態)
図13は、本発明に係る能動回路上に配置されたボンディングパッド部の第7の実施例を示す模式的な平面図である。また、図14は第7の実施例を示す模式的な平面図13のE−E´での断面図であり、図15は図14中のF部の拡大断面例を示す。
【0082】
第7の実施例は、図13および14に示すように第1の実施例と同様に第1の配線112で結線された能動回路111を被覆した層間絶縁層113の上面に、能動回路111が機能するよう第1の接続孔114を介して接続された第2の配線115と平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁116と配し保護膜117により被覆する。衝撃吸収梁116の近傍にボンディングパッドと能動回路111を電気的に接続する第2の接続孔118を設けた後、密着強化金属層119と介して衝撃吸収梁116と第2の接続孔118を被覆するよう厚いパッド電極121を設け、厚いパッド電極121の上面と全側面を被覆金属配線層122により被覆する。
【0083】
また衝撃吸収梁116はその一部を延長し第3の接続孔127を介して最上層配線126に電気的に接続し、ワイヤ84をボンディングする際に必要な領域のみ開口した保護樹脂層124により表面を保護した構造である。
【0084】
第7の実施例は、衝撃吸収梁116は第3の接続孔127を介して最上層配線126に接続されているため、ボンディング衝撃により衝撃吸収梁116を被覆している保護膜117にクラックが発生しボンディング接続時に厚いパッド電極121と衝撃吸収梁116とが短絡した場合または実使用時の環境変化による前記クラックが経時的に伸展しパッド電極121と衝撃吸収梁116とが短絡した場合に厚いパッド電極121と衝撃吸収梁116との間の漏洩電流を計測することにより前期クラックの有無を検出することができる。
【0085】
すなわち、第7の実施例による半導体装置は、第6の実施例と同様に衝撃吸収梁116の近傍に設けた第2の接続孔118を介して厚いパッド電極121と能動回路111とを電気的に接続するため接続配線が不要となり省面積効果を高めることができることに加え、ボンディング衝撃による不良および使用環境下における経時劣化によるボンディング部の不良を検出できる自己診断機能を持つ半導体装置である。
【0086】
また厚いパッド電極121は、第5の実施例と同様に上面および全側面を被覆金属配線層122により底面を密着強化金属層119により完全に封止される。厚いパッド電極121を形成する際にシード電極層120を用いる場合においても図15に示すように厚いパッド電極121に加えシード電極層120も密着強化金属層119と被覆金属配線層122により完全に封止される。
【0087】
また最上層配線126は、密着強化金属層119と同一材質で形成された最上層配線密着層129と被覆金属配線層122と同一構造同一材質で形成された最上層配線被覆層129の積層により構成されることが望ましい。
【0088】
加えて第7の実施例も、衝撃吸収梁116を有するためボンディング衝撃の伝搬を抑止するフェールセーフ構造の半導体装置であり、構造および材質は第1の実施例と同じであり望ましい材質も同じであるため、その詳細は省略する。同様に、層間絶縁層93および保護樹脂層100それぞれの機能および望ましい材料も第1の実施例と同じであるためその詳細は省略する。
【0089】
また前述のように、密着強化金属層119, シード電極層120,厚いパッド電極121およびは、被覆金属配線層122それぞれの機能および望ましい材料も第5の実施例と同じであるためその詳細は省略する。
【0090】
加えて保護膜124については、前述の理由により第1の実施例に記載の保護膜7と同じかもしくは第2の実施例に記載の第2の層間絶縁層37および保護膜38と同じ膜による2層積層膜で構成されていることが望ましい。
【0091】
(第1の実施方法)
本発明による第1の実施例と第2の実施例の製造方法について、第1の実施例を例に図16から図20を参照しつつ第1の実施方法を説明する。
【0092】
図16に示すように、機能するよう第1の配線302で結線した能動回路301を層間絶縁膜303で被覆し第1の接続孔304を形成した後、第1の金属膜305を成膜する。この際、層間絶縁膜304は段差緩和処置を実施したシリコン酸化膜を主体とする膜が望ましく、第1の金属膜305はアルミまたはアルミ合金を主材料とすることが望ましい。
【0093】
その後、図17に示すように、マスク材を用いて第1の金属膜305を加工し第2の配線306と衝撃吸収梁307を形成する。この際、衝撃吸収梁307は複数の開口を持ちその開口形状が円形または多角形となるよう加工する。
【0094】
図18に示すように保護膜308で能動回路301を被覆した後、第2の接続孔309を形成し、保護膜308上に衝撃吸収梁307を被覆するとともに第2の接続孔309を介して能動回路301と電気的に接続されるよう厚い電極310を設ける(図19参照)。その後、図20に示すように保護樹脂層311で被覆し厚い電極310にボンディングする際に必要な領域のみ開口する。
【0095】
この際、保護膜308はシリコン窒化膜もしくは第2の実施例で記載した平坦化処理を実施したシリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を形成した積層膜が望ましく、厚い電極310は膜厚を衝撃吸収梁307上の保護膜308における表面段差以上の膜厚に設定しその材質としてアルミ,アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、またはこれらのうちの2以上のものの積層膜が望ましい。
【0096】
また保護樹脂層311は段差被覆性に優れ機械強度が高くかつ、耐熱性・耐湿性の高いポリイミド樹脂膜が望ましい。
【0097】
(第2の実施方法)
本発明による第3の実施例と第7の実施例の製造方法について、第7の実施例を例に図21から図29を参照しつつ第2の実施方法を説明する。
【0098】
機能するよう第1の配線502で結線した能動回路501を層間絶縁膜503で被覆し、第1の接続孔504を形成した後第1の金属膜505を成膜する(図21参照)。この際、層間絶縁膜504は段差緩和処置を実施したシリコン酸化膜を主体とする膜が望ましく、第1の金属膜505はアルミまたはアルミ合金を主材料とすることが望ましい。
【0099】
その後、図22に示すように、マスク材を用いて第1の金属膜505を加工し第2の配線506と衝撃吸収梁507を形成する。この際、衝撃吸収梁507は複数の開口を持ちその開口形状が円形または多角形となるよう加工する。
【0100】
図23に示すように保護膜508で能動回路501を被覆した後、第3の接続孔509を形成し密着強化膜510を形成する(図24参照)。同時にその後形成する厚いパッド電極と前記能動回路501とを電気的に接続するための接続孔を衝撃吸収梁507の近傍に形成する。
【0101】
この際、保護膜508はシリコン窒化膜もしくは第2の実施例で記載した平坦化処理を実施したシリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を形成した積層膜が望ましい。また密着強化膜510は保護膜508との密着性の高い金属薄膜が望ましくチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、またはこれらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることが望ましい。
【0102】
次に、図25に示すように厚い金属膜511を形成しフォトリソグラフィ技術によりマスク材512を衝撃吸収梁507と前記の能動回路501と電気的に接続するための接続孔を被覆するよう形成する。この際厚い金属膜511は、その膜厚を衝撃吸収梁507上の保護膜508の表面段差以上の膜厚となるよう設定し、その材質として電気抵抗が低く機械強度の高い銅が望ましい。
【0103】
その後マスク材512を用いて厚い金属膜511をエッチングし厚いパッド電極513を形成する。(図26参照)。この際のエッチングは能動回路501にダメージを与えない湿式エッチングが望ましい。
【0104】
次に図27に示すように、被覆金属膜514を成膜したのちフォトリソグラフィ技術により厚いパッド電極513を被覆するとともに少なくとも第3の接続孔509を介して衝撃吸収梁507と電気的に接続する配線ができるようマスク材515を形成する。この際被覆金属膜514は、上層がワイヤボンディング時の接合強度を確保可能なアルミまたはアルミ合金いずれかであり、下層が上層金属と厚いパッド電極との反応を抑止できるチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成された2層積層膜が望ましい。また厚いパッド電極513を被覆するマスク材は、平面的大きさを厚いパッド電極513の大きさより大きくなるよう設定する。
【0105】
その後マスク材515を用いて被覆金属膜514と密着強化膜510とを連続してエッチング除去し、厚いパッド電極513を封止するよう密着強化金属層516および被覆金属配線層517を形成するとともに、最上層配線を形成する最上層配線密着強化層518と最上層配線被覆層519を形成する(図28参照)。この際のエッチング除去も能動回路501にダメージを与えない湿式エッチングが望ましい。
【0106】
最後に、図29に示すように保護樹脂層520で被覆し厚いパッド電極513にボンディングする際に必要な領域のみ開口する。保護樹脂層520の材質としては、段差被覆性に優れ機械強度が高くかつ耐熱性・耐湿性の高いポリイミド樹脂膜が望ましい。
【0107】
(第3の実施方法)
本発明による第4の実施例と第7の実施例に対する別の製造方法について、第7の実施例を例に図30から図36を参照しつつ第3の実施方法を説明する。
【0108】
図30に示すように、第2の実施方法と同様な製造方法により第2の配線506と衝撃吸収梁507を形成した後能動回路501を保護膜508で被覆する。更に第2の実施方法と同様に第3の接続孔509と密着強化膜510を形成した後、密着強化膜510にシード金属層601を成膜する(図31参照)。
【0109】
次に図32に示すように、フォトリソグラフィ技術により形成したマスク材602を用いシード金属層601を電極として電気メッキ法により厚いパッド電極603を形成する。シード金属層601と厚いパッド電極603の材質としては電気抵抗が低く機械強度の高い銅が望ましく、加えて厚いパッド電極603の膜厚は衝撃吸収梁507上の保護膜508の表面段差以上の膜厚となるよう設定することが望ましい。
【0110】
マスク材602を除去した後、湿式エッチング法か厚いパッド電極603の形成時の電気メッキとは逆のバイアスを印加した電気分解かまたは両者の複合処理により厚いパッド電極603下部以外の領域のシード金属層601を除去する(図33参照)。
【0111】
その後、図34に示すように、被覆金属膜604を成膜した後フォトリソグラフィ技術により厚いパッド電極603を被覆するとともに少なくとも第3の接続孔509を介して衝撃吸収梁507と電気的に接続する配線ができるようマスク材605を形成する。
【0112】
この際被覆金属膜604は、上層がワイヤボンディング時の接合強度を確保可能なアルミまたはアルミ合金いずれかであり、下層が上層金属と厚いパッド電極との反応を抑止できるチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成された2層積層膜が望ましく前記密着強化膜510と同一構造・材料であることが望ましい。また厚いパッド電極603を被覆するマスク材は、平面的大きさを厚いパッド電極603の大きさより大きくなるよう設定する。
【0113】
次に、マスク材605を用いて被覆金属膜604と密着強化膜510とを連続してエッチング除去し、厚い電極603を封止するよう密着強化金属層605および被覆金属配線層606を形成するとともに、最上層配線を形成する最上層配線密着強化層607と最上層配線被覆層608を形成する(図35参照)。この際のエッチング除去も能動回路501にダメージを与えない湿式エッチングが望ましい。
【0114】
最後に、図36に示すように保護樹脂層609で被覆し厚いパッド電極603にボンディングする際に必要な領域のみ開口する。保護樹脂層609の材質としては、段差被覆性に優れ機械強度が高くかつ耐熱性・耐湿性の高いポリイミド樹脂膜が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の第1の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な平面図である。
【図2】図1中、A−A´線で切断した部分の模式的な断面図である。
【図3】衝撃吸収梁の開口形状を示す第1の模式的な平面図である。
【図4】衝撃吸収梁の開口形状を示す第2の模式的な平面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な断面図である。
【図8】図7中、Bで示す部分の構造の一例を示す模式的な断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な略断面図である。
【図10】図9中、Cで示す部分の構造の一例を示す模式的な断面図である。
【図11】本発明の第6の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な平面図である。
【図12】図11中、D−D´線で切断した部分の模式的な断面図である。
【図13】本発明の第7の実施形態における能動回路上に配置されたボンディングパッド部の模式的な平面図である。
【図14】図13中、E−E´線で切断した部分の模式的な断面図である。
【図15】図14中、Fで示す部分の構造の一例を示す模式的な断面図である。
【図16】本発明の第1および第2の実施例に係る第1の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その1)である。
【図17】本発明の第1および第2の実施例に係る第1の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その2)である。
【図18】本発明の第1および第2の実施例に係る第1の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その3)である。
【図19】本発明の第1および第2の実施例に係る第1の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その4)である。
【図20】本発明の第1および第2の実施例に係る第1の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その5)である。
【図21】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その1)である。
【図22】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その2)である。
【図23】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その3)である。
【図24】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その4)である。
【図25】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その5)である。
【図26】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その6)である。
【図27】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その7)である。
【図28】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その8)である。
【図29】本発明の第3および第7の実施例に係る第2の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その9)である。
【図30】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その1)である。
【図31】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その2)である。
【図32】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その3)である。
【図33】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その4)である。
【図34】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その5)である。
【図35】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その6)である。
【図36】本発明の第4および第7の実施例に係る第3の実施方法を示し、製造工程の各段階の状態を示す模式的断面図(その7)である。
【図37】第1の従来技術によるボンディングパッドの断面を示す図
【図38】第2の従来技術によるボンディングパッドの断面を示す図
【符号の説明】
【0116】
図面中、1,31,51,71,91,111,301,501は能動回路、2,32,52,72,92,112,302,502は第1の配線、3,33,53,73,93,113,303,503は層間絶縁層、4,34,54,74,94,114,304,504は第1の接続孔、5,35,55,75,95,115,306,506は第2の配線、6,36,56,76,96,116,307,507は衝撃吸収梁、7,38,57,77,97,117,308,508は保護膜、8,39,58,78,98,118,309,509は第2の接続孔、9,40,310は厚い電極、10,41,61,83,100,124,311,520,609は保護樹脂層、11,62,84,101,125,312,521,610はボンディングワイヤ、21は円形の開口部を持つ衝撃吸収梁、22は多角形の開口部を持つ衝撃吸収梁,37は第2の層間絶縁層、59,81,99,121,513,603は厚いパッド電極、60,82,122,516,606は被覆金属配線層、79,119,515,605は密着強化金属層、80,120,601はシート゛金属層、123はボンディングパット領域、126は最上層配線、127,509は第3の接続孔、128,518,607は最上層配線密着強化層、129,519,608は最上層配線被覆層、201は能動回路、202は下部金属層、203はレベル間酸化物層、204は導体、205は上部金属層、206は保護膜、207は接続孔、208はポリイミド層、209はボンディングパッド、210は導電性ワイヤ、211は樹脂形成化合物、221は半導体本体、222は第1の金属層、223は絶縁層、224は第2の金属層、225はパシベーション材料層、226は接続領域、227はワイヤボンディング領域、228はワイヤ、305,505は第1の金属膜、510は密着強化金属膜,511は厚い金属膜、512,515,602はマスク材、514,604は被覆金属膜である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記層間絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記能動回路を保護するよう形成された保護膜と、
前記保護膜の一部に設けられた第2の接続孔を介して前期第2の配線と接続され且つ前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう配置された厚い電極と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記衝撃吸収梁の段差を緩和するよう形成した第2の層間絶縁層と、
前記能動回路を保護するよう前記第2の層間絶縁層上に形成された保護膜と、
前記第2の層間絶縁層と前記保護膜とを開口して形成した第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続され且つ前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう配置された厚い電極と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記第2の層間絶縁層が、シリコン酸化物を主体とする絶縁膜であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記厚い電極の膜厚が、前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記厚い電極が、アルミ,アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記層間絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記能動回路を保護するよう形成された保護膜と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう前記保護膜上に形成された厚いパッド電極と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆し且つその一部が前記保護膜に設けられた第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続された被覆金属配線層と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
前記厚いパッド電極の膜厚が、前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記厚いパッド電極が、アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,タングステン,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記被覆金属配線層が、アルミ,アルミ合金,金のいずれか,アルミまたはアルミ合金とチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項10】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記層間絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記能動回路を保護するよう形成された保護膜と、
前記保護膜との密着性を向上するための密着強化金属層と、
厚いパッド電極を形成するためのシード電極層を介して前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう前記保護膜上に形成された厚いパッド電極と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆し且つその一部が前記密着強化金属層と前記シード電極層とを介して保護膜に設けられた第2の接続孔により前記第2の配線と接続された被覆金属配線層と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記層間絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記能動回路を保護するよう形成された保護膜と、
前記保護膜との密着性を向上するための密着強化金属層を介して前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう前記保護膜上に形成された厚いパッド電極と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆し且つその一部が密着強化金属層を介して保護膜に設けられた第2の接続孔により前記第2の配線と接続された被覆金属配線層と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
前記シード電極層および前記厚いパッド電極を、前記密着強化金属層と前記被覆金属配線層により封止することを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記密着強化金属層が、チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記シード電極層の材質と前記厚いパッド電極の材質が、同一材質であることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項15】
前記厚いパッド電極の材質が銅であり、その膜厚が前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項10から請求項14のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項16】
前記被覆金属配線層が、上層がアルミまたはアルミ合金で構成され、下層がチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成した積層膜であることを特徴とする請求項10から請求項15のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項17】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記層間絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記能動回路を保護するよう形成された保護膜と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう前記保護膜上に形成され且つその一部が前記衝撃吸収梁に隣接する位置の前記保護膜に設けられた第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続された厚いパッド電極と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項18】
前記第2の接続孔が、前記厚いパッド電極の直下であり且つ、前記厚いパッド電極とワイヤとの接続面より外となるよう開口されていることを特徴とする請求項17に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記厚いパッド電極の膜厚が、前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記厚いパッド電極が、アルミ,アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項17から請求項19のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項21】
前記被覆金属配線層が、アルミ,アルミ合金,金のいずれか,アルミまたはアルミ合金とチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項17から請求項20のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項22】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記層間絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記能動回路を保護するよう形成された保護膜と、
前記保護膜との密着性を向上するための密着強化金属層と、
厚いパッド電極を形成するためのシード電極層と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう前記保護膜上に形成され且つその一部が前記衝撃吸収梁に隣接する位置の前記保護膜に設けられた第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続された厚いパッド電極と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆し被覆金属配線層と、
前記衝撃吸収梁と第3の接続孔を介して接続された最上層配線と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項23】
前記最上層配線が、前記被覆金属配線層と同一材料からなる配線か、または、最上層配線被覆層前記密着強化金属層と同一材料からなる最上層配線密着層と前記被覆金属配線層と同一材料からなる最上層配線被覆層の積層構造であることを特徴とする請求項22に記載の半導体装置。
【請求項24】
前記シード電極層および前記厚いパッド電極を、前記密着強化金属層と前記被覆金属配線層により封止することを特徴とする請求項22または請求項23に記載の半導体装置。
【請求項25】
前記密着強化金属層が、チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項22から請求項24のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項26】
前記シード電極層の材質と前記厚いパッド電極の材質が、同一材質であることを特徴とする請求項22から請求項25のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項27】
前記厚いパッド電極の材質が銅であり、その膜厚が前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項22から請求項26のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項28】
前記被覆金属配線層が、上層がアルミまたはアルミ合金で構成され、下層がチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成した積層膜であることを特徴とする請求項22から請求項27のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項29】
前記第2の接続孔が、前記厚いパッド電極の直下であり且つ、前記厚いパッド電極とワイヤとの接続面より外となるよう開口されていることを特徴とする請求項22から請求項28のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項30】
前記衝撃吸収梁の開口形状が円形であることを特徴とする請求項22から請求項29のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項31】
前記衝撃吸収梁の開口形状が多角形であることを特徴とする請求項22から請求項29のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項32】
前記衝撃吸収梁の材質が、前記第2の配線の材質と同じであることを特徴とする請求項22から請求項31のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項33】
前記衝撃吸収梁の主となる材質が、アルミまたはアルミ合金であることを特徴とする請求項1から請求項32のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項34】
前記保護膜が、シリコン窒化膜であることを特徴とする請求項1から請求項33のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項35】
前記保護樹脂層が、ポリイミド樹脂膜であることを特徴とする請求項1から請求項34のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項36】
半導体基板の表面に設けられた能動回路に、その能動回路が機能するよう第1の配線を接続する工程と、
層間絶縁層を形成する工程と、
第1の接続孔を前記層間絶縁層に形成する工程と、
第2の配線を形成する工程と、
平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成する工程と、
前記能動回路を被覆するよう保護膜を形成する工程と、
前記第2の配線と接続するため前記保護膜の一部に第2の接続孔を開口する工程と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆し且つ第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続するよう成形された厚い電極を形成する工程と、
前記衝撃吸収梁上の前記厚い電極にボンディング接続できるよう必要な領域を開口した保護樹脂層により前記能動回路を被覆する工程と
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項37】
前記保護膜が、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜であることを特徴とする請求項36に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項38】
前記シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜は、シリコン酸化膜の成膜後、シリコン酸化膜の被覆形状を緩やかなテーパー形状となるよう乾式エッチング処理を実施した後、シリコン窒化膜を積層することにより形成した2層積層膜であることを特徴とする請求項37に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項39】
前記衝撃吸収梁に形成する開口の形状が、円形または多角形であることを特徴とする請求項36から請求項38のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項40】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁が同一材料から成り且つ、同一工程で加工することを同時に加工する特徴とする請求項36から請求項39のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項41】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁とが、アルミまたはアルミ合金を主たる材料とすることを特徴とする請求項36から請求項40のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項42】
前記厚い電極が、アルミ,アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,チタン,チタン化合物,チタン合金のいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項36から請求項41のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項43】
前記保護樹脂層が、ポリイミド樹脂膜であることを特徴とする請求項36から請求項42のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項44】
半導体基板の表面に設けられた能動回路に、能動回路が機能するよう第1の配線を接続する工程と、
層間絶縁層を形成する工程と、
第1の接続孔を前記層間絶縁層に形成する工程と、
第2の配線を形成する工程と、
平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成する工程と、
前記能動回路を被覆するよう保護膜を形成する工程と、
前記第2の配線と接続するため前記保護膜の一部に第2の接続孔を開口する工程と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆し且つ前記第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続するよう成形された密着強化金属層を形成する工程と、
厚いパッド電極を形成するためのシード電極層を形成する工程と、
前記衝撃吸収梁上に厚いパッド電極を形成する工程と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆し且つその一部が前記密着強化金属層と前記シード電極層を介して前記保護膜に設けられた前記第2の接続孔により第2の配線と接続されるよう成形された被覆金属配線層を形成する工程と、
前記厚いパッド電極にボンディング接続できるよう必要な領域を開口した保護樹脂層により前記能動回路を被覆する工程と
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項45】
前記保護膜が、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜であることを特徴とする請求項44に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項46】
前記シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜は、前記シリコン酸化膜の成膜後、前記シリコン酸化膜の被覆形状を緩やかなテーパー形状となるよう乾式エッチング処理を実施した後、前記シリコン窒化膜を積層した2層積層膜であることを特徴とする請求項45に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項47】
前記衝撃吸収梁に形成する開口の形状が、円形または多角形であることを特徴とする請求項44から請求項46のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項48】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁が同一材料から成りかつ、同一工程で加工することを同時に加工する特徴とする請求項44から請求項47のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項49】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁とが、アルミまたはアルミ合金を主たる材料とすることを特徴とする請求項44から請求項48のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項50】
前記密着強化金属層が、チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項44から請求項49のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項51】
前記シード電極層と前記厚いパッド電極とが、同一材質であることを特徴とする請求項44から請求項50のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項52】
前記厚いパッド電極の製法および材質が、マスク材を用いた電気メッキ法で形成された銅であることを特徴とする請求項44から請求項51のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項53】
前記厚いパッド電極の厚さが、前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項44から請求項52のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項54】
前記被覆金属配線層が、上層がアルミまたはアルミ合金で構成され、下層がチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成した積層膜であることを特徴とする請求項44から請求項53のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項55】
前記保護樹脂層が、ポリイミド樹脂膜であることを特徴とする請求項44から請求項54のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項56】
半導体基板の表面に設けられた能動回路に、その能動回路が機能するよう第1の配線を接続する工程と、
層間絶縁層を形成する工程と、
第1の接続孔を前記層間絶縁層に形成する工程と、
第2の配線を形成する工程と、
平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成する工程と、
前記能動回路を被覆するよう保護膜を形成する工程と、
前記第2の配線と接続するため第2の接続孔を前記衝撃吸収梁の近傍に開口する工程と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆し且つ前記第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続するよう成形された密着強化金属層を形成する工程と、
前記密着強化金属層を介して前記衝撃吸収梁上に厚いパッド電極を形成する工程と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆し且つその一部が前記密着強化金属層を介して前記保護膜に設けられた前記第2の接続孔により前記第2の配線と接続されるよう成形された被覆金属配線層を形成する工程と、
前記厚いパッド電極にボンディング接続できるよう必要な領域を開口した保護樹脂層により前記能動回路を被覆する工程と
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項57】
前記保護膜が、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜であることを特徴とする請求項56に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項58】
前記シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜は、前記シリコン酸化膜の成膜後、前記シリコン酸化膜の被覆形状を緩やかなテーパー形状となるよう乾式エッチング処理を実施した後、シリコン窒化膜を積層した2層積層膜であることを特徴とする請求項57に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項59】
前記衝撃吸収梁に形成する開口の形状が、円形または多角形であることを特徴とする請求項56から請求項58のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項60】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁が同一材料から成りかつ、同一工程で加工することを同時に加工する特徴とする請求項56から請求項59のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項61】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁とが、アルミまたはアルミ合金を主たる材料とすることを特徴とする請求項56から請求項60のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項62】
前記密着強化金属層が、チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項56から請求項61のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項63】
前記厚いパッド電極が、銅,ニッケルまたはタングステンであることを特徴とする請求項56から請求項62のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項64】
前記厚いパッド電極の厚さが、前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項56から請求項64のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項65】
前記被覆金属配線層が、上層がアルミまたはアルミ合金で構成され、下層がチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成した積層膜であることを特徴とする請求項56から請求項64のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項66】
前記被覆金属配線層の下層を形成する材料が、前記密着強化金属層と同一材料であることを特徴とする請求項56から請求項65のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項67】
前記保護樹脂層が、ポリイミド樹脂膜であることを特徴とする請求項56から請求項66のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項68】
半導体基板の表面に設けられた能動回路に、その能動回路が機能するよう第1の配線を接続する工程と、
層間絶縁層を形成する工程と、
第1の接続孔を層間絶縁層に形成する工程と、
第2の配線を形成する工程と、
平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成する工程と、
前記能動回路を被覆するよう保護膜を形成する工程と、
前記衝撃吸収梁に隣接する位置の前記保護膜の一部に前記第2の配線と接続するため第2の接続孔を開口する工程と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆し且つ前記第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続するよう成形された密着強化金属層を形成する工程と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう前記保護膜上に形成され且つその一部が前記保護膜に設けられた前記第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続するよう厚いパッド電極を形成する工程と、
前記厚いパッド電極下部以外のシード電極層を除去する工程と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆するよう被覆金属配線層を形成する工程と、
前記保護膜に設けられた第3の接続孔を介して前記衝撃吸収梁と接続されるよう最上層配線を形成する工程と、
前記厚いパッド電極にボンディング接続できるよう必要な領域を開口した保護樹脂層により前記能動回路を被覆する工程と
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項69】
前記保護膜が、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜であることを特徴とする請求項68に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項70】
前記シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜は、前記シリコン酸化膜の成膜後、前記シリコン酸化膜の被覆形状を緩やかなテーパー形状となるよう乾式エッチング処理を実施した後、シリコン窒化膜を積層した2層積層膜であることを特徴とする請求項69に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項71】
前記衝撃吸収梁に形成する開口の形状が、円形または多角形であることを特徴とする請求項68から請求項70のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項72】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁が同一材料から成りかつ、同一工程で加工することを同時に加工する特徴とする請求項68から請求項71のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項73】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁とが、アルミまたはアルミ合金を主たる材料とすることを特徴とする請求項68から請求項72のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項74】
前記密着強化金属層が、チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項68から請求項73のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項75】
前記シード電極層と前記厚いパッド電極とが、同一材質であることを特徴とする請求項68から請求項74のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項76】
前記厚いパッド電極の製法および材質が、マスク材を用いた電気メッキ法で形成された銅であることを特徴とする請求項68から請求項75のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項77】
前記厚いパッド電極の厚さが、前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項68から請求項76のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項78】
前記シード電極層を除去する工程が、前記厚いパッド電極の形成時とは逆の電界印加方法による電気分解処理と湿式エッチング処理とを複合した処理であることを特徴とする請求項76または請求項77に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項79】
前記被覆金属配線層が、上層がアルミまたはアルミ合金で構成され、下層がチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成した積層膜であることを特徴とする請求項68から請求項78のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項80】
前記最上層配線が、前記密着強化金属層と前記被覆金属配線層の積層構造であることを特徴とする請求項68から請求項79のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項81】
前記保護樹脂層が、ポリイミド樹脂膜であることを特徴とする請求項68から請求項79のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記層間絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記能動回路を保護するよう形成された保護膜と、
前記保護膜の一部に設けられた第2の接続孔を介して前期第2の配線と接続され且つ前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう配置された厚い電極と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記衝撃吸収梁の段差を緩和するよう形成した第2の層間絶縁層と、
前記能動回路を保護するよう前記第2の層間絶縁層上に形成された保護膜と、
前記第2の層間絶縁層と前記保護膜とを開口して形成した第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続され且つ前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう配置された厚い電極と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記第2の層間絶縁層が、シリコン酸化物を主体とする絶縁膜であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記厚い電極の膜厚が、前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記厚い電極が、アルミ,アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記層間絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記能動回路を保護するよう形成された保護膜と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう前記保護膜上に形成された厚いパッド電極と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆し且つその一部が前記保護膜に設けられた第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続された被覆金属配線層と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
前記厚いパッド電極の膜厚が、前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記厚いパッド電極が、アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,タングステン,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記被覆金属配線層が、アルミ,アルミ合金,金のいずれか,アルミまたはアルミ合金とチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項10】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記層間絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記能動回路を保護するよう形成された保護膜と、
前記保護膜との密着性を向上するための密着強化金属層と、
厚いパッド電極を形成するためのシード電極層を介して前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう前記保護膜上に形成された厚いパッド電極と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆し且つその一部が前記密着強化金属層と前記シード電極層とを介して保護膜に設けられた第2の接続孔により前記第2の配線と接続された被覆金属配線層と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記層間絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記能動回路を保護するよう形成された保護膜と、
前記保護膜との密着性を向上するための密着強化金属層を介して前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう前記保護膜上に形成された厚いパッド電極と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆し且つその一部が密着強化金属層を介して保護膜に設けられた第2の接続孔により前記第2の配線と接続された被覆金属配線層と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
前記シード電極層および前記厚いパッド電極を、前記密着強化金属層と前記被覆金属配線層により封止することを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記密着強化金属層が、チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記シード電極層の材質と前記厚いパッド電極の材質が、同一材質であることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項15】
前記厚いパッド電極の材質が銅であり、その膜厚が前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項10から請求項14のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項16】
前記被覆金属配線層が、上層がアルミまたはアルミ合金で構成され、下層がチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成した積層膜であることを特徴とする請求項10から請求項15のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項17】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記層間絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記能動回路を保護するよう形成された保護膜と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう前記保護膜上に形成され且つその一部が前記衝撃吸収梁に隣接する位置の前記保護膜に設けられた第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続された厚いパッド電極と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項18】
前記第2の接続孔が、前記厚いパッド電極の直下であり且つ、前記厚いパッド電極とワイヤとの接続面より外となるよう開口されていることを特徴とする請求項17に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記厚いパッド電極の膜厚が、前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記厚いパッド電極が、アルミ,アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項17から請求項19のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項21】
前記被覆金属配線層が、アルミ,アルミ合金,金のいずれか,アルミまたはアルミ合金とチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項17から請求項20のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項22】
半導体基板の表面に設けられた能動回路と、
前記能動回路が機能するよう接続された第1の配線と、
層間絶縁層の一部に設けられた第1の接続孔を介して前記第1の配線と接続された第2の配線と、
前記層間絶縁層上に形成され平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁と、
前記能動回路を保護するよう形成された保護膜と、
前記保護膜との密着性を向上するための密着強化金属層と、
厚いパッド電極を形成するためのシード電極層と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう前記保護膜上に形成され且つその一部が前記衝撃吸収梁に隣接する位置の前記保護膜に設けられた第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続された厚いパッド電極と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆し被覆金属配線層と、
前記衝撃吸収梁と第3の接続孔を介して接続された最上層配線と、
前記能動回路を被覆し且つ前記衝撃吸収梁上にボンディング接続時に必要な領域を開口した保護樹脂層と
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項23】
前記最上層配線が、前記被覆金属配線層と同一材料からなる配線か、または、最上層配線被覆層前記密着強化金属層と同一材料からなる最上層配線密着層と前記被覆金属配線層と同一材料からなる最上層配線被覆層の積層構造であることを特徴とする請求項22に記載の半導体装置。
【請求項24】
前記シード電極層および前記厚いパッド電極を、前記密着強化金属層と前記被覆金属配線層により封止することを特徴とする請求項22または請求項23に記載の半導体装置。
【請求項25】
前記密着強化金属層が、チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項22から請求項24のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項26】
前記シード電極層の材質と前記厚いパッド電極の材質が、同一材質であることを特徴とする請求項22から請求項25のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項27】
前記厚いパッド電極の材質が銅であり、その膜厚が前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項22から請求項26のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項28】
前記被覆金属配線層が、上層がアルミまたはアルミ合金で構成され、下層がチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成した積層膜であることを特徴とする請求項22から請求項27のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項29】
前記第2の接続孔が、前記厚いパッド電極の直下であり且つ、前記厚いパッド電極とワイヤとの接続面より外となるよう開口されていることを特徴とする請求項22から請求項28のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項30】
前記衝撃吸収梁の開口形状が円形であることを特徴とする請求項22から請求項29のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項31】
前記衝撃吸収梁の開口形状が多角形であることを特徴とする請求項22から請求項29のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項32】
前記衝撃吸収梁の材質が、前記第2の配線の材質と同じであることを特徴とする請求項22から請求項31のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項33】
前記衝撃吸収梁の主となる材質が、アルミまたはアルミ合金であることを特徴とする請求項1から請求項32のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項34】
前記保護膜が、シリコン窒化膜であることを特徴とする請求項1から請求項33のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項35】
前記保護樹脂層が、ポリイミド樹脂膜であることを特徴とする請求項1から請求項34のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項36】
半導体基板の表面に設けられた能動回路に、その能動回路が機能するよう第1の配線を接続する工程と、
層間絶縁層を形成する工程と、
第1の接続孔を前記層間絶縁層に形成する工程と、
第2の配線を形成する工程と、
平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成する工程と、
前記能動回路を被覆するよう保護膜を形成する工程と、
前記第2の配線と接続するため前記保護膜の一部に第2の接続孔を開口する工程と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆し且つ第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続するよう成形された厚い電極を形成する工程と、
前記衝撃吸収梁上の前記厚い電極にボンディング接続できるよう必要な領域を開口した保護樹脂層により前記能動回路を被覆する工程と
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項37】
前記保護膜が、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜であることを特徴とする請求項36に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項38】
前記シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜は、シリコン酸化膜の成膜後、シリコン酸化膜の被覆形状を緩やかなテーパー形状となるよう乾式エッチング処理を実施した後、シリコン窒化膜を積層することにより形成した2層積層膜であることを特徴とする請求項37に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項39】
前記衝撃吸収梁に形成する開口の形状が、円形または多角形であることを特徴とする請求項36から請求項38のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項40】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁が同一材料から成り且つ、同一工程で加工することを同時に加工する特徴とする請求項36から請求項39のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項41】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁とが、アルミまたはアルミ合金を主たる材料とすることを特徴とする請求項36から請求項40のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項42】
前記厚い電極が、アルミ,アルミ合金,銅,ニッケル,クロム,チタン,チタン化合物,チタン合金のいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項36から請求項41のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項43】
前記保護樹脂層が、ポリイミド樹脂膜であることを特徴とする請求項36から請求項42のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項44】
半導体基板の表面に設けられた能動回路に、能動回路が機能するよう第1の配線を接続する工程と、
層間絶縁層を形成する工程と、
第1の接続孔を前記層間絶縁層に形成する工程と、
第2の配線を形成する工程と、
平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成する工程と、
前記能動回路を被覆するよう保護膜を形成する工程と、
前記第2の配線と接続するため前記保護膜の一部に第2の接続孔を開口する工程と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆し且つ前記第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続するよう成形された密着強化金属層を形成する工程と、
厚いパッド電極を形成するためのシード電極層を形成する工程と、
前記衝撃吸収梁上に厚いパッド電極を形成する工程と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆し且つその一部が前記密着強化金属層と前記シード電極層を介して前記保護膜に設けられた前記第2の接続孔により第2の配線と接続されるよう成形された被覆金属配線層を形成する工程と、
前記厚いパッド電極にボンディング接続できるよう必要な領域を開口した保護樹脂層により前記能動回路を被覆する工程と
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項45】
前記保護膜が、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜であることを特徴とする請求項44に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項46】
前記シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜は、前記シリコン酸化膜の成膜後、前記シリコン酸化膜の被覆形状を緩やかなテーパー形状となるよう乾式エッチング処理を実施した後、前記シリコン窒化膜を積層した2層積層膜であることを特徴とする請求項45に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項47】
前記衝撃吸収梁に形成する開口の形状が、円形または多角形であることを特徴とする請求項44から請求項46のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項48】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁が同一材料から成りかつ、同一工程で加工することを同時に加工する特徴とする請求項44から請求項47のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項49】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁とが、アルミまたはアルミ合金を主たる材料とすることを特徴とする請求項44から請求項48のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項50】
前記密着強化金属層が、チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項44から請求項49のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項51】
前記シード電極層と前記厚いパッド電極とが、同一材質であることを特徴とする請求項44から請求項50のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項52】
前記厚いパッド電極の製法および材質が、マスク材を用いた電気メッキ法で形成された銅であることを特徴とする請求項44から請求項51のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項53】
前記厚いパッド電極の厚さが、前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項44から請求項52のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項54】
前記被覆金属配線層が、上層がアルミまたはアルミ合金で構成され、下層がチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成した積層膜であることを特徴とする請求項44から請求項53のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項55】
前記保護樹脂層が、ポリイミド樹脂膜であることを特徴とする請求項44から請求項54のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項56】
半導体基板の表面に設けられた能動回路に、その能動回路が機能するよう第1の配線を接続する工程と、
層間絶縁層を形成する工程と、
第1の接続孔を前記層間絶縁層に形成する工程と、
第2の配線を形成する工程と、
平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成する工程と、
前記能動回路を被覆するよう保護膜を形成する工程と、
前記第2の配線と接続するため第2の接続孔を前記衝撃吸収梁の近傍に開口する工程と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆し且つ前記第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続するよう成形された密着強化金属層を形成する工程と、
前記密着強化金属層を介して前記衝撃吸収梁上に厚いパッド電極を形成する工程と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆し且つその一部が前記密着強化金属層を介して前記保護膜に設けられた前記第2の接続孔により前記第2の配線と接続されるよう成形された被覆金属配線層を形成する工程と、
前記厚いパッド電極にボンディング接続できるよう必要な領域を開口した保護樹脂層により前記能動回路を被覆する工程と
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項57】
前記保護膜が、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜であることを特徴とする請求項56に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項58】
前記シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜は、前記シリコン酸化膜の成膜後、前記シリコン酸化膜の被覆形状を緩やかなテーパー形状となるよう乾式エッチング処理を実施した後、シリコン窒化膜を積層した2層積層膜であることを特徴とする請求項57に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項59】
前記衝撃吸収梁に形成する開口の形状が、円形または多角形であることを特徴とする請求項56から請求項58のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項60】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁が同一材料から成りかつ、同一工程で加工することを同時に加工する特徴とする請求項56から請求項59のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項61】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁とが、アルミまたはアルミ合金を主たる材料とすることを特徴とする請求項56から請求項60のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項62】
前記密着強化金属層が、チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項56から請求項61のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項63】
前記厚いパッド電極が、銅,ニッケルまたはタングステンであることを特徴とする請求項56から請求項62のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項64】
前記厚いパッド電極の厚さが、前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項56から請求項64のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項65】
前記被覆金属配線層が、上層がアルミまたはアルミ合金で構成され、下層がチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成した積層膜であることを特徴とする請求項56から請求項64のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項66】
前記被覆金属配線層の下層を形成する材料が、前記密着強化金属層と同一材料であることを特徴とする請求項56から請求項65のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項67】
前記保護樹脂層が、ポリイミド樹脂膜であることを特徴とする請求項56から請求項66のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項68】
半導体基板の表面に設けられた能動回路に、その能動回路が機能するよう第1の配線を接続する工程と、
層間絶縁層を形成する工程と、
第1の接続孔を層間絶縁層に形成する工程と、
第2の配線を形成する工程と、
平面構造において複数の開口を持つ衝撃吸収梁を形成する工程と、
前記能動回路を被覆するよう保護膜を形成する工程と、
前記衝撃吸収梁に隣接する位置の前記保護膜の一部に前記第2の配線と接続するため第2の接続孔を開口する工程と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆し且つ前記第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続するよう成形された密着強化金属層を形成する工程と、
前記衝撃吸収梁上を十分に被覆するよう前記保護膜上に形成され且つその一部が前記保護膜に設けられた前記第2の接続孔を介して前記第2の配線と接続するよう厚いパッド電極を形成する工程と、
前記厚いパッド電極下部以外のシード電極層を除去する工程と、
前記厚いパッド電極の上面および全側面を被覆するよう被覆金属配線層を形成する工程と、
前記保護膜に設けられた第3の接続孔を介して前記衝撃吸収梁と接続されるよう最上層配線を形成する工程と、
前記厚いパッド電極にボンディング接続できるよう必要な領域を開口した保護樹脂層により前記能動回路を被覆する工程と
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項69】
前記保護膜が、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜であることを特徴とする請求項68に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項70】
前記シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との2層積層膜は、前記シリコン酸化膜の成膜後、前記シリコン酸化膜の被覆形状を緩やかなテーパー形状となるよう乾式エッチング処理を実施した後、シリコン窒化膜を積層した2層積層膜であることを特徴とする請求項69に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項71】
前記衝撃吸収梁に形成する開口の形状が、円形または多角形であることを特徴とする請求項68から請求項70のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項72】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁が同一材料から成りかつ、同一工程で加工することを同時に加工する特徴とする請求項68から請求項71のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項73】
前記第2の配線と前記衝撃吸収梁とが、アルミまたはアルミ合金を主たる材料とすることを特徴とする請求項68から請求項72のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項74】
前記密着強化金属層が、チタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれか、または、これらのうちの2以上のものの積層膜で構成されていることを特徴とする請求項68から請求項73のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項75】
前記シード電極層と前記厚いパッド電極とが、同一材質であることを特徴とする請求項68から請求項74のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項76】
前記厚いパッド電極の製法および材質が、マスク材を用いた電気メッキ法で形成された銅であることを特徴とする請求項68から請求項75のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項77】
前記厚いパッド電極の厚さが、前記衝撃吸収梁を被覆する前記保護膜の表面段差以上の膜厚であることを特徴とする請求項68から請求項76のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項78】
前記シード電極層を除去する工程が、前記厚いパッド電極の形成時とは逆の電界印加方法による電気分解処理と湿式エッチング処理とを複合した処理であることを特徴とする請求項76または請求項77に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項79】
前記被覆金属配線層が、上層がアルミまたはアルミ合金で構成され、下層がチタン,チタン窒化膜,チタンタングステンのいずれかで構成した積層膜であることを特徴とする請求項68から請求項78のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項80】
前記最上層配線が、前記密着強化金属層と前記被覆金属配線層の積層構造であることを特徴とする請求項68から請求項79のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項81】
前記保護樹脂層が、ポリイミド樹脂膜であることを特徴とする請求項68から請求項79のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2007−103656(P2007−103656A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291248(P2005−291248)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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