説明

半導体装置および半導体装置の製造方法

【課題】配線間の容量が低く、歩留りや信頼性が高い半導体装置を提供する。
【解決手段】ギャップ110の形成によりキャップ膜108厚が薄くなったまたは消失したとしても、ギャップ110を形成した後に、下層配線107上にキャップ膜111を選択的に成長させることにより、キャップ膜の厚さを確保することができるため、配線間の容量を十分に低減でき、かつ、歩留りや信頼性を高く維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線間の容量を低減するエアギャップ構造を備える半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路素子の微細化に伴い、素子間および素子内を結ぶ配線の間隔が狭くなってきている。このため、配線間の容量が増加し、信号の伝搬速度の低下を引き起こす課題が顕在化している。そこで、配線間にエアギャップを形成して容量を下げる方法が検討されている。以下、従来のエアギャップを形成した半導体装置の製造方法を、図16,図17を参照しながら説明する。
【0003】
図16は従来の半導体装置の製造方法におけるギャップ形成工程を説明する工程断面図、図17は従来の半導体装置の製造方法を説明する工程断面図である。
まず、図16(a)に示すように、半導体基板1の表面に層間絶縁膜2および配線間絶縁膜3を堆積した後、フォトリソグラフィーおよびドライエッチングにより、層間絶縁膜2および配線間絶縁膜3積層膜の上部に配線溝4を形成する。
【0004】
次に、図16(b)に示すように、配線間絶縁膜3の上部および配線溝4の内部にバリア膜5およびCu膜6を順次堆積後、配線溝4からはみ出したバリア膜5およびCu膜6をCMPにより除去し、下層配線7を形成する。
【0005】
次に、図16(c)に示すように、下層配線7の表面にキャップ膜8を選択的に成長させる。
次に、図16(d)に示すように、配線間絶縁膜3およびキャップ膜8の表面における所定の位置にレジストパターン9を形成する。レジストパターン9を形成する目的については後に詳しく説明する。
【0006】
次に、図16(e)に示すように、キャップ膜8およびレジストパターン9をマスクとして層間絶縁膜2および配線間絶縁膜3の一部をエッチングすることにより、下層配線7の間にギャップ10を形成する。
【0007】
次に、図17(a)に示すように、レジストパターン9を除去する。
次に、図17(b)に示すように、配線間絶縁膜3およびキャップ膜8の表面に、段差被覆性の低い条件で層間絶縁膜11を堆積する。これにより、ギャップ10の上部が層間絶縁膜11により閉じられ、下層配線7の間にエアギャップ12が形成される。
【0008】
次に、図17(c)に示すように、層間絶縁膜11の表面に配線間絶縁膜13を堆積した後、リソグラフィーおよびドライエッチングにより、層間絶縁膜11および配線間絶縁膜13の内部にビアホール14および上部に配線溝15を形成する。
【0009】
最後に、図17(d)に示すように、配線間絶縁膜13の表面、ビアホール14の内部および配線溝15の内部にバリア膜16およびCu膜17を堆積後、配線溝15からはみ出したバリア膜16およびCu膜17をCMPにより除去すると、ビア18および上層配線19が形成される。
【0010】
ここで、レジストパターン9を形成する目的について説明する。レジストパターン9を形成する理由としては、以下の2つが挙げられる。
第1の理由は、「凹凸の発生の防止」である。下層配線7の間隔が狭い場合には、層間絶縁膜11によりギャップ10の上部が完全にふさがれ、良好な形状のエアギャップ12を形成することができる。ところが、下層配線7の間隔が広い場合には、層間絶縁膜11を堆積してもギャップ10の上部が閉じずに、大きな凹凸が発生してしまう。このような凹凸が半導体装置内に形成されると、フォトリソグラフィーにおける寸法制御性が低下し、例えば、配線の幅が設計よりも広くなったり細くなったりする。この現象は、半導体装置の歩留まりや信頼性を低下させるため、下層配線7の間隔が広い場合には、その領域にレジストパターン9を形成して、ギャップ10が形成されるのを防止することが必要である。
【0011】
第2の理由は、「ビアとエアギャップの接触の防止」である。レジストパターン9を用いない場合、ビア18の周囲にもエアギャップ12が形成される。このような状況下で、下層配線7とビア18の合わせズレが発生すると、ビア18とエアギャップ12が接触する。その場合、図17(c)および図17(d)で示されている工程において、様々な物資がエアギャップ12の内部に流入することになり、半導体装置の歩留まりや信頼性を低下させる。
【0012】
これらの現象を防止するため、ビア18が形成される領域にはレジストパターン9を形成して、ギャップ10が形成される位置を調整することが必要である(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−120988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来の技術には、以下のような課題があることが、発明者により見出された。
従来の技術では、ギャップ10を形成するために、キャップ膜8およびレジストパターン9をマスクとして層間絶縁膜2および配線間絶縁膜3の一部をエッチングしている。しかしながら、キャップ膜8と層間絶縁膜2および配線間絶縁膜3の選択比は有限であるので、このエッチングの際に、キャップ膜8の薄膜化もしくは消失を避けることができない。
【0014】
キャップ膜8が薄膜化もしくは消失すると、キャップ膜8に求められる特性である、
(1)Cu膜6との密着性
(2)Cu膜6中のCu原子に対するバリア性
(3)層間絶縁膜11中のSi原子やO原子に対するバリア性
が損なわれ、半導体装置の歩留りや信頼性が低下するという課題がある。
【0015】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、配線間の容量を十分に低減でき、かつ、歩留りや信頼性が高い半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の半導体装置の製造方法は、1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、前記は配線上に第1のキャップ膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜の一部および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、前記マスクパターンを除去する工程と、前記エアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜上に第2のキャップ膜を形成する工程と、前記ギャップおよび前記第1のキャップ膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程とを有することを特徴とする。
【0017】
また、1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、前記は配線上に第1のキャップ膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜の一部および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとして用いて前記エアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜上に第2のキャップ膜を形成する工程と、前記マスクパターンを除去する工程と、前記ギャップおよび前記第1のキャップ膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程とを有することを特徴とする。
【0018】
また、1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、前記は配線上に第1のキャップ膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、前記マスクパターンを除去する工程と、前記エアギャップ形成領域の前記配線上に第2のキャップ膜を形成する工程と、前記ギャップおよび前記第1のキャップ膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程とを有することを特徴とする。
【0019】
また、1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、前記は配線上に第1のキャップ膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとして用いて前記エアギャップ形成領域の前記配線上に第2のキャップ膜を形成する工程と、前記マスクパターンを除去する工程と、前記ギャップおよび前記第1のキャップ膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程とを有することを特徴とする。
【0020】
また、1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、前記は配線上に第1のキャップ膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜上にライナー膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記ライナー膜をエッチングして除去する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜の一部および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、前記マスクパターンを除去する工程と、前記エアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜上に第2のキャップ膜を形成する工程と、前記ギャップおよび前記ライナー膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程とを有することを特徴とする。
【0021】
また、1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、前記は配線上に第1のキャップ膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜上にライナー膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記ライナー膜をエッチングして除去する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜の一部および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとして用いて前記エアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜上に第2のキャップ膜を形成する工程と、前記マスクパターンを除去する工程と、前記ギャップおよび前記ライナー膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程とを有することを特徴とする。
【0022】
また、1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、前記第1の絶縁膜および前記配線上にライナー膜を形成する工程と、前記ライナー膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記ライナー膜をエッチングして除去する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、前記マスクパターンを除去する工程と、前記エアギャップ形成領域の前記配線上に第2のキャップ膜を形成する工程と、前記ギャップおよび前記ライナー膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程とを有することを特徴とする。
【0023】
また、1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、前記第1の絶縁膜および前記配線上にライナー膜を形成する工程と、前記ライナー膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記ライナー膜をエッチングして除去する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとして用いて前記エアギャップ形成領域の前記配線上に第2のキャップ膜を形成する工程と、前記マスクパターンを除去する工程と、前記ギャップおよび前記ライナー膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程とを有することを特徴とする。
【0024】
また、前記第1のキャップ膜および前記第2のキャップ膜の材料が同一であることを特徴とする。
また、前記第1のキャップ膜および前記第2のキャップ膜の材料が異なることを特徴とする。
【0025】
また、1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、前記第1の絶縁膜および前記配線上にライナー膜を形成する工程と、前記ライナー膜上にウェッティング膜を堆積する工程と、前記第1の絶縁膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記ライナー膜および前記ウェッティング膜をエッチングして除去する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、前記マスクパターンを除去する工程と、前記配線上に第2のキャップ膜を形成する工程と、前記ギャップおよび前記ウェッティング膜および前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程とを有することを特徴とする。
【0026】
また、前記配線を形成する工程と前記ライナー膜を形成する工程の間に、前記配線上に第1のキャップ膜を形成する工程を有することを特徴とする。
また、前記ウェッティング膜は前記ライナー膜と比較して親水性が高いことを特徴とする。
【0027】
また、前記ウェッティング膜が、SiOを主成分とする膜であることを特徴とする。
また、前記ライナー膜がSiC膜、SiCO膜、SiCN膜、SiC膜、SiN膜、SiON膜のいずれかもしくは任意のいずれかの膜の積層膜であることを特徴とする。
【0028】
また、1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上部に金属膜とバリアメタル膜から成る複数の配線を形成する工程と、前記第1の絶縁膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記バリアメタル膜および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、前記マスクパターンを除去する工程と、前記エアギャップ形成領域の前記金属膜の上部および側壁部に第2のキャップ膜を形成する工程と、前記ギャップおよび前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程とを有することを特徴とする。
【0029】
また、前記配線を形成する工程と前記マスクパターンを形成する工程の間に、前記配線上に第1のキャップ膜を形成する工程を有し、前記ギャップを形成する工程において前記マスクパターンをマスクとして前記第1のキャップ膜もエッチングすることを特徴とする。
【0030】
また、前記金属膜が銅膜もしくは銅合金膜を含むことを特徴とする。
また、前記配線が銅膜もしくは銅合金膜を含むことを特徴とする。
また、前記第1のキャップ膜および第2のキャップ膜がそれぞれCo膜、Co合金膜、Ni膜、Ni合金膜、W膜、W合金膜、Cu合金膜のいずれかであることを特徴とする。
【0031】
また、第1の絶縁膜がSiO膜、SiOC膜、SiOF膜、BCB膜、SiLK膜のいずれかであることを特徴とする。
さらに、本発明の半導体装置は、1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置であって、前記エアギャップが形成される前記配線層が、半導体基板または下層配線層上に形成される第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜の上部に形成される配線と、前記配線の表面に選択的に形成されるキャップ層と、前記第1の絶縁膜および前記配線ならびに前記キャップ層の上部に形成される第2の絶縁膜と、任意の前記配線間に形成されたエアギャップとを有し、前記エアギャップを含むエアギャップ形成領域の前記キャップ層は少なくとも第2のキャップ膜を含み、エアギャップ形成領域外のエアギャップ非形成領域の前記キャップ層は第1のキャップ膜を少なくとも含むことを特徴とする。
【0032】
また、前記エアギャップ形成領域の前記キャップ層の前記第2のキャップ膜が、前記第1のキャップ膜上に積層されることを特徴とする。
また、前記エアギャップ非形成領域の前記キャップ層の前記第1のキャップ膜上に前記第2のキャップ膜が積層されることを特徴とする。
【0033】
また、前記エアギャップ形成領域の前記キャップ層は、前記エアギャップ非形成領域の前記キャップ層よりも厚いことを特徴とする。
また、前記第1のキャップ膜と前記第2のキャップ膜とが同一の材料であることを特徴とする。
【0034】
また、前記第1のキャップ膜と前記第2のキャップ膜とが異なる材料であることを特徴とする。
また、前記エアギャップ非形成領域にライナー膜が形成されていることを特徴とする。
【0035】
また、1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置であって、前記エアギャップが形成される前記配線層が、半導体基板または下層配線層上に形成される第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜の上部に形成される配線と、前記配線の表面に選択的に形成される第2のキャップ膜と、前記配線の表面上の一部および前記第1の絶縁膜上に形成されたライナー膜と、前記ライナー膜の上に形成されたウェッティング膜と、前記ウェッティング膜および前記第2のキャップ膜の上部に形成される第2の絶縁膜と、任意の前記配線間に形成されたエアギャップとを有することを特徴とする。
【0036】
また、前記配線と前記ライナー膜の間に第3のキャップ膜が介在することを特徴とする。
また、前記ウェッティング膜は前記ライナー膜と比較して親水性が高いことを特徴とする。
【0037】
また、前記ウェッティング膜が、SiOを主成分とする膜であることを特徴とする。
また、前記ライナー膜がSiC膜、SiCO膜、SiCN膜、SiC膜、SiN膜、SiON膜のいずれかもしくは任意のいずれかの膜の積層膜であることを特徴とする。
【0038】
また、1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置であって、前記エアギャップが形成される前記配線層が、半導体基板または下層配線層上に形成される第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜の上部に形成される配線と、前記配線の表面に形成される第2のキャップ膜と、前記第1の絶縁膜および前記第2のキャップ膜の上部に形成される第2の絶縁膜と、任意の前記配線間に形成されたエアギャップとを有し、前記配線底部にはバリアメタル膜が形成されており、前記配線側壁部には前記第2のキャップ膜が形成されていることを特徴とする。
【0039】
また、前記配線が銅膜もしくは銅合金膜を含むことを特徴とする。
また、前記第1のキャップ膜および第2のキャップ膜がそれぞれCo膜、Co合金膜、Ni膜、Ni合金膜、W膜、W合金膜、Cu合金膜のいずれかであることを特徴とする。
【0040】
また、第1の絶縁膜がSiO膜、SiOC膜、SiOF膜、BCB膜、SiLK膜のいずれかであることを特徴とする。
以上により、配線間の容量を十分に低減でき、かつ、歩留りや信頼性を高くすることができる。
【発明の効果】
【0041】
以上のように、本発明における半導体装置および半導体装置の製造方法によると、ギャップの形成によりキャップ膜厚が薄くなったまたは消失したとしても、ギャップを形成した後に、少なくとも薄くなったキャップ膜上あるいは露出した配線上にキャップ膜を選択的に成長させることにより、キャップ膜の厚さを確保することができるため、配線間の容量を十分に低減でき、かつ、歩留りや信頼性を高く維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
(第1の実施例)
以下、本発明の第1の実施例について、図1,図2,図3を参照しながら説明する。図1は第1の実施例の半導体装置の製造方法におけるギャップ形成工程を説明する工程断面図、図2は第1の実施例における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図、図3は第1の実施例における第2のキャップ膜をレジストパターンを除去する前に形成する半導体装置の製造方法を説明する工程断面図である。
【0043】
まず、図1(a)に示すように、半導体基板101の表面に層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103を堆積した後、フォトリソグラフィーおよびドライエッチングにより、層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103の積層膜の上部に配線溝104を形成する。本実施例では、層間絶縁膜102としてSiOC膜、配線間絶縁膜103としてSiO膜を使用している。また、配線溝104は、お互いの間隔が例えば70nm以上となるように設計されている。ここで、配線間隔の上限は層間絶縁膜112の堆積方法にもよるが、概ね、最小の配線間隔の2倍程度となる。
【0044】
次に、図1(b)に示すように、配線間絶縁膜103の上面および配線溝104の内部にバリア膜105およびCu膜106を順次形成後、配線溝104からはみ出したバリア膜105およびCu膜106をCMPにより除去し、下層配線107を形成する。本実施例では、バリア膜105として、Ta膜とTaN膜をこの順番に下層から積層した膜を使用している。
【0045】
次に、図1(c)に示すように、Cu膜106の表面に第1のキャップ膜108を選択的に成長させる。本実施例では、第1のキャップ膜108として、厚さ約15nmのCoWP膜を使用している。
【0046】
次に、図1(d)に示すように、リソグラフィーにより、配線間絶縁膜103および第1のキャップ膜108の表面のエアギャップを形成しない位置であるエアギャップ非形成領域上にレジストパターン109を形成する。
【0047】
次に、図1(e)に示すように、レジストパターン109をマスクとして層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103の一部をエッチングすることにより、下層配線107間の間隔が所定の間隔以下であり、ビアが形成されない領域であるエアギャップ形成領域の下層配線107の間にギャップ110を形成する。この際、レジストパターン109で被覆されていない領域では、第1のキャップ膜108が薄膜化する。本実施例では、レジストパターン109で被覆されていない領域の第1のキャップ膜108の厚さは約5nmとなる。
【0048】
次に、図2(a)に示すように、レジストパターン109を除去した後、第1のキャップ膜108の表面に第2のキャップ膜111を選択的に成長させる。ここが本実施例の最大の特徴である。
【0049】
第2のキャップ膜111が第1のキャップ膜108と異なる材料であっても良いが、このとき用いられる第2のキャップ膜111が第1のキャップ膜108と同じ材料であれば、第1のキャップ膜108と第2のキャップ膜111の密着性を高めることができる。
【0050】
また、本実施例では、第2のキャップ膜111の厚さを約15nmに設定している。これにより、レジストパターン109で被覆されていなかった領域のキャップ膜の厚みは第1のキャップ膜108の約5nmと第2のキャップ膜111の約15nmとの合計で約20nmとなる。このため、レジストパターン109で被覆されていなかった領域においても、十分な密着性やバリア性が得られるようになるため、歩留まりや信頼性が高い半導体装置を製造することができる。
【0051】
次に、図2(b)に示すように、段差被覆性の悪いCVDにより配線間絶縁膜103、第1のキャップ膜108および第2のキャップ膜111の表面に層間絶縁膜112を堆積する。これにより、ギャップ110の上部が層間絶縁膜112により閉じられ、下層配線107の間にエアギャップ113が形成される。本実施例では、層間絶縁膜112としてSiOC膜を使用している。これにより、層間絶縁膜の容量を低減することができる。
【0052】
次に、図2(c)に示すように、層間絶縁膜112の表面に配線間絶縁膜114を堆積した後、リソグラフィーおよびドライエッチングにより、層間絶縁膜112および配線間絶縁膜114の積層膜の内部にビアホール115および配線溝116を形成する。
【0053】
本実施例では、配線間絶縁膜114としてSiO膜を使用している。
最後に、図2(d)に示すように、配線間絶縁膜114の表面、ビアホール115の内部および配線溝116の内部にバリア膜117およびCu膜118を堆積後、配線溝116からはみ出したバリア膜117およびCu膜118をCMPにより除去し、ビア119および上層配線120を形成する。
【0054】
完成した半導体装置は、
(1)配線と配線の間の一部にエアギャップが形成されている。
(2)配線の表面にはキャップ膜が選択的に堆積されている。
【0055】
という特徴を有している。
このように、ギャップ形成後に配線上に第2のキャップ膜を堆積することにより、エアギャップに隣接する配線において第1のキャップ膜が薄くなっても、第2のキャップ膜により第1のキャップ膜と第2のキャップ膜とで構成されるキャップ層の厚さを適切に設定することができるため、配線間の容量が十分に低く、かつ、歩留りや信頼性を高くすることができる。
【0056】
ここで、第1のキャップ膜108の厚さの好ましい設定方法を説明する。第1のキャップ膜108の厚さは、下層配線107の間隔の30%以下に設定することが好ましい。これは、第1のキャップ膜108の厚さを厚く設定しすぎると、配線間絶縁膜103の表面の金属汚染を核として、第1のキャップ膜108が粒状に成長するようになるためである。この現象は、下層配線107の間のショートを引き起こし、半導体装置の歩留まりや信頼性を低下させる。
【0057】
次に、第2のキャップ膜111の厚さの好ましい設定方法を説明する。第2のキャップ膜111の厚さは、第1のキャップ膜108がエッチングにより薄膜化する厚さと等しいか、それより大きく設定することが好ましい。これにより、第1のキャップ膜108と第2のキャップ膜111の合計の厚さが十分に大きくなるため、キャップ膜に求められる特性である、
(1)Cu膜106との密着性
(2)Cu膜106中のCu原子に対するバリア性
(3)層間絶縁膜112中のSi原子やO原子に対するバリア性
を確保することができ、良好な歩留りや信頼性を有する半導体装置を製造することが可能となる。
【0058】
ここで、ビアが形成されず、かつ下層配線107の間隔が狭い領域では、配線間絶縁膜103が除去されているので、配線間絶縁膜103の表面の金属汚染を核とした第1のキャップ膜108の成長は発生しない。一方、ビアが形成されず、かつ下層配線107の間隔が狭い領域では、下層配線107の間の意図せぬ導通は発生しない。このため、第2のキャップ膜111は、第1のキャップ膜108に比べて厚く堆積することが可能であり、より良好な歩留りや信頼性を確保することができる。
【0059】
なお、第1のキャップ膜108および第2のキャップ膜111としてCoWP膜を使用するが、下層配線107の表面に選択的に成長可能な膜であれば、CoWP膜の代わりに使用することができる。そのような膜としては、例えば、Co膜、Co合金膜、Ni膜、Ni合金膜、W膜、W合金膜、Cu合金膜などが挙げられる。
【0060】
また、前述のように、このとき用いられる第2のキャップ膜111を第1のキャップ膜108と異なる材料を用いてもよい。第2のキャップ膜111の材料としては、第1のキャップ膜108をシランなどのシリコン化合物に暴露した後、アンモニアなどの窒素化合物のプラズマに暴露することにより成長できるCo・W・Si・Nのアモルファス化合物などが挙げられる。このアモルファス化合物は、例えば、層間絶縁膜112を堆積する前の前処理として成長させることが可能である。これにより、第1のキャップ膜と第2のキャップ膜の組み合わせによって、キャップとしての効果を高めることができる。
【0061】
第1のキャップ膜108と第2のキャップ膜111が異なる材料であるときは第1のキャップ膜108としてCoWP膜を、第2のキャップ膜121としてCuSiN膜を使用することができるが、これを逆にしてもよい。また、下層配線107の表面に選択的に成長可能な膜であれば、CoWP膜やCuSiN膜の代わりに使用することができる。そのような膜としては、例えば、Co膜、Co合金膜、Ni膜、Ni合金膜、W膜、W合金膜、Cu合金膜などが挙げられる。
【0062】
なお、以上の説明では、レジストパターン109を除去した後に、第1のキャップ膜108の表面に第2のキャップ膜111を選択的に成長させているが、図3(a)に示すように、レジストパターン109を除去する前に、第1のキャップ膜108の表面に第2のキャップ膜111を選択的に成長させる形態も考えられる。その後、図3(b)に示すように、レジストパターン109を除去し、図2(b)〜(d)で示されているような工程を実施することにより、図3(c)のような半導体装置が完成する。
【0063】
ここでは、第1のキャップ膜108および第2のキャップ膜111の厚さを先に説明したものと同様に形成する。これにより、レジストパターン109で被覆されていなかったエアギャップ形成領域のキャップ膜の厚みは第1のキャップ膜108の約5nmと第2のキャップ膜111の約15nmとの合計で約20nm、レジストパターン109で被覆されていたエアギャップ非形成領域のキャップ膜の厚みは第1のキャップ膜108のみで約15nmとなり、キャップ膜全体の膜厚はレジストパターン109で被覆されていなかった領域の方が、レジストパターン109で被覆されていた領域よりも厚くなる。
【0064】
完成した半導体装置は、
(1)配線と配線の間の一部にエアギャップが形成されている。
(2)配線の表面にはキャップ膜が選択的に堆積されている。
【0065】
という構造的特徴を有している。さらに、本実施例では、
(3)エアギャップに隣接しないエアギャップ非形成領域のキャップ膜よりもエアギャップに隣接するキャップ膜の方が厚い。
【0066】
とすることもでき、これにより信頼性の劣化を抑制できる。
このように、ギャップ形成後に配線上に第2のキャップ膜を堆積することにより、エアギャップに隣接する配線において第1のキャップ膜が薄くなっても、第2のキャップ膜により第1のキャップ膜と第2のキャップ膜とで構成されるキャップ層の厚さを適切に設定することができるため、配線間の容量が十分に低く、かつ、歩留りや信頼性を高くすることができる。
【0067】
なお、この場合でも、第1のキャップ膜108と第2のキャップ膜111の材料は、異なる材料にしても良い。
(第2の実施例)
以下、本発明の第2の実施例について、図4,図5,図6を参照しながら説明する。なお、説明は、本実施例が第1の実施例と異なっている部分のみとし、第1の実施例と同様の部分の説明は省略する。
【0068】
図4は第2の実施例の半導体装置の製造方法におけるギャップ形成工程を説明する工程断面図、図5は第2の実施例における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図、図6は第2の実施例における第2のキャップ膜をレジストパターンを除去する前に形成する半導体装置の製造方法を説明する工程断面図である。
【0069】
本実施例が第1の実施例と異なる点は、図5(a)において、第1のキャップ膜108の厚さを10nmに統一する点である。そのために、図4(e)において、下層配線107の間にギャップ110を形成する際に、レジストパターン109で被覆されていない領域であるエアギャップ形成領域の第1のキャップ膜108を消失させる。そして、図5(a)に示すように、レジストパターン109を除去した後、露出したCu膜106の表面および第1のキャップ膜108表面に第2のキャップ膜111を選択的に成長させる。ここが本実施例の最大の特徴である。
【0070】
このように、エアギャップに隣接する配線上の第1のキャップ膜を除去し、あらためて、除去されない第1のキャップ膜上および露出した配線におけるCu膜上に第2のキャップ膜を形成することにより、エアギャップに隣接する配線において第2のキャップ膜よりなるキャップ層の厚さを適切に設定することができるため、配線間の容量を十分に低減し、歩留りや信頼性を高くすることができる。
【0071】
第2のキャップ膜111が第1のキャップ膜108と異なる材料であっても良いが、このとき用いられる第2のキャップ膜111が第1のキャップ膜108と同じ材料であれば、第1のキャップ膜108と第2のキャップ膜111の密着性を高めることができる。
【0072】
また、本実施例では、第2のキャップ膜111の厚さを約15nmに設定している。これにより、レジストパターン109で被覆されていなかった領域のキャップ膜の厚みは第2のキャップ膜111のみの約15nm、レジストパターン109で被覆されていた領域のキャップ膜の厚みは第1のキャップ膜108と第2のキャップ膜111の合計で約25nmとなり、キャップ膜全体の膜厚はレジストパターン109で被覆されていた領域の方が、レジストパターン109で被覆されていなかった領域よりも厚くなる。
【0073】
完成した半導体装置は、
(1)配線と配線の間の一部にエアギャップが形成されている。
(2)配線の表面にはキャップ膜が選択的に堆積されている。
【0074】
という構造的特徴を有している。これにより、エアギャップに隣接する配線において、ギャップ形成の際に第1のエアキャップが除去されたとしても、露出した銅膜上に第2のキャップ膜を形成してキャップ膜の厚さを適切に保つことができるため、配線間の容量が十分に低く、かつ、歩留りや信頼性を高くすることができる。
【0075】
なお、本実施例では第1のキャップ膜108および第2のキャップ膜111としてCoWP膜を使用する場合について説明するが、下層配線107の表面に選択的に成長可能な膜であれば、第1のキャップ膜108および第2のキャップ膜111として使用することができる。そのような膜としては、例えば、Co膜、Co合金膜、Ni膜、Ni合金膜、W膜、W合金膜、Cu合金膜などが挙げられる。
【0076】
また、前述のように、このとき用いられる第2のキャップ膜111を第1のキャップ膜108と異なる材料を用いてもよい。第2のキャップ膜111の材料としては、第1のキャップ膜108をシランなどのシリコン化合物に暴露した後、アンモニアなどの窒素化合物のプラズマに暴露することにより成長できるCo・W・Si・Nのアモルファス化合物などが挙げられる。このアモルファス化合物は、例えば、層間絶縁膜112を堆積する前の前処理として成長させることが可能である。これにより、第1のキャップ膜と第2のキャップ膜の組み合わせによって、キャップとしての効果を高めることができる。
【0077】
第1のキャップ膜108と第2のキャップ膜111が異なる材料であるときは第1のキャップ膜108としてCoWP膜を、第2のキャップ膜121としてCuSiN膜を使用することができるが、これを逆にしてもよい。また、下層配線107の表面に選択的に成長可能な膜であれば、CoWP膜やCuSiN膜の代わりに使用することができる。そのような膜としては、例えば、Co膜、Co合金膜、Ni膜、Ni合金膜、W膜、W合金膜、Cu合金膜などが挙げられる。
【0078】
なお、以上の説明では、レジストパターン109を除去した後に、第1のキャップ膜108の表面に第2のキャップ膜111を選択的に成長させているが、図6(a)に示すように、レジストパターン109を除去する前に、第1のキャップ膜108の表面に第2のキャップ膜111を選択的に成長させる形態も考えられる。その後、図6(b)に示すように、レジストパターン109を除去し、図5(b)〜(d)で示されているような工程を実施することにより、図6(c)のような半導体装置が完成する。
【0079】
ここでは、第1のキャップ膜108および第2のキャップ膜111の厚さを先に説明したものと同様に形成する。これにより、レジストパターン109で被覆されていなかった領域のキャップ膜の厚みは第2のキャップ膜111のみで約15nm、レジストパターン109で被覆されていたエアギャップ非形成領域のキャップ膜の厚みは第1のキャップ膜108のみで約10nmとなり、キャップ膜全体の膜厚はレジストパターン109で被覆されていなかった領域の方が、レジストパターン109で被覆されていた領域よりも厚くなる。
【0080】
完成した半導体装置は、
(1)配線と配線の間の一部にエアギャップが形成されている。
(2)配線の表面にはキャップ膜が選択的に堆積されている。
【0081】
(3)キャップ膜は単層膜である。
のような構造的特徴を有している。さらに、本実施例では、
(4)エアギャップに隣接しないエアギャップ非形成領域のキャップ膜よりもエアギャップに隣接するキャップ膜の方が厚い。
【0082】
とすることもできる。
以上のように、エアギャップに隣接する配線において、ギャップ形成の際に第1のエアキャップが除去されたとしても、露出した銅膜上に第2のキャップ膜を形成してキャップ膜の厚さを適切に保つことができるため、配線間の容量が十分に低く、かつ、歩留りや信頼性を高くすることができる。
【0083】
なお、本実施形態についても第1の実施形態と同様に第1のキャップ膜108と第2のキャップ膜111の材料は、異なる材料にしても良い。
(第3の実施例)
以下、本発明の第3の実施例について、図7,図8,図9を参照しながら説明する。なお、説明は、本実施例が第1の実施例と異なっている部分のみとし、第1の実施例と同様の部分の詳細な説明は省略する。
【0084】
図7は第3の実施例の半導体装置の製造方法におけるレジスト形成工程を説明する工程断面図、図8は第3の実施例の半導体装置の製造方法におけるエアギャップ形成工程を説明する工程断面図、図9は第3の実施例における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図である。
【0085】
本実施例が第1の実施例と異なるのは、図7(d)に示すように、配線間絶縁膜103および第1のキャップ膜108の表面に、ライナー膜121を堆積する点である。
まず、図7(a)に示すように、半導体基板101の表面に層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103を堆積した後、層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103の積層層の内部に配線溝104を形成する。次に、図7(b)に示すように、配線間絶縁膜103の表面および配線溝104の内部にバリア膜105およびCu膜106を堆積後、配線溝104からはみ出したバリア膜105およびCu膜106をCMPにより除去すると、下層配線107が形成される。次に、図7(c)に示すように、Cu膜106の表面に第1のキャップ膜108を選択的に成長させる。本実施例では、第1のキャップ膜108として、厚さ15nmのCoWP膜を使用している。
【0086】
次に、図7(d)に示すように、リソグラフィーにより、配線間絶縁膜103および第1のキャップ膜108の表面に、ライナー膜121を約15nm堆積する。本実施例では、ライナー膜121として、SiCNとSiCOをこの順に堆積した膜を使用している。
【0087】
続いて、図7(e)に示すように、ライナー膜121の表面にレジストパターン109を形成する。次に、図8(a)に示すように、レジストパターン109をマスクとしてライナー膜121をエッチングする。次に、図8(b)に示すように、レジストパターン109をマスクとして層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103の一部をエッチングすることにより下層配線107の間にギャップ110を形成する。この際、レジストパターン109で被覆されていない領域では、第1のキャップ膜108が薄膜化する。本実施例では、第1のキャップ膜108の厚さは約5nmとなる。
【0088】
次に、図8(c)に示すように、ライナー膜121から露出した第1のキャップ膜108の表面に、第2のキャップ膜111を選択的に成長させる。本実施例では、第2のキャップ膜111の厚さを約10nmに設定している。これにより、レジストパターン109で被覆されていなかった領域のキャップ膜の厚みは第1のキャップ膜108の約5nmと第2のキャップ膜111の約10nmとの合計で約15nm、レジストパターン109で被覆されていた領域のキャップ膜の厚みは第1のキャップ膜108の約15nmとなり、キャップ膜全体の膜厚はレジストパターン109で被覆されていた領域とレジストパターン109で被覆されていなかった領域とで等しくなる。
【0089】
次に、図8(d)に示すように、ライナー膜121および第2のキャップ膜111の表面に層間絶縁膜112を堆積する。これにより、ギャップ110の上部が層間絶縁膜112により閉じられ、下層配線107の間にエアギャップ113が形成される。
【0090】
次に、図9(a)に示すように、層間絶縁膜112の表面に配線間絶縁膜114を堆積した後、リソグラフィーおよびドライエッチングにより、ライナー膜121、層間絶縁膜112および配線間絶縁膜114の積層層の内部に、ビアホール115および配線溝116を形成する。最後に、図9(b)に示すように、配線間絶縁膜114の表面、ビアホール115の内部および配線溝116の内部にバリア膜117およびCu膜118を堆積後、配線溝116からはみ出したバリア膜117およびCu膜118をCMPにより除去すると、ビア119および上層配線120が形成される。
【0091】
完成した半導体装置は、
(1)配線と配線の間の一部にエアギャップが形成されている。
(2)配線の表面にはキャップ膜が選択的に堆積されている。
【0092】
(3)エアギャップから離れたエアギャップ非形成領域のキャップ膜は単層膜であり、ライナー膜により被覆されている。
(4)エアギャップの近くのエアギャップ形成領域のキャップ膜は積層膜であり、ライナー膜で被覆されていない。
のような構造的特徴を有している。さらに、本実施例では、
(5)エアギャップに隣接しないエアギャップ非形成領域のキャップ膜よりもエアギャップに隣接するキャップ膜の方が厚い。
とすることもできる。
【0093】
このように、エアギャップに隣接する配線において第1のキャップ膜が薄くなったとしても、薄くなった第1のキャップ膜上に第2のキャップ膜を形成してキャップ膜の材料および厚さを適切な状態に保つため、配線間の容量が十分に低く、かつ、歩留りや信頼性を高くすることができる。さらに、エアギャップ非形成領域にのみライナー膜で被膜することにより、ビアホールを形成するエッチングの際のエッチングストッパーとして用いることができ、さらに、ライナー膜にもバリア性があるのでキャップ膜を薄くすることができる。また、ライナー膜を用いることによってキャップ膜を薄膜化している場合には、多めにキャップ膜の積み増しを行って、しっかりバリア性を確保することができる。
【0094】
なお、本実施例では、ライナー膜121としてSiCNとSiCOをこの順に堆積した膜を使用しているが、SiC、SiCO、SiCN、SiCなどのSiC系材料やSiN、SiONなどのSiN系材料膜の単層膜もしくは積層膜を代わりに用いることができる。
【0095】
また、本実施例では、第1の実施例に対して、ライナー膜121が追加されており、これに伴って、レジストパターン109により加工される膜や、ビアホール115が貫通する絶縁膜が変化している。このような変形は、第1の実施例〜第2の実施例に対しても、同様に考えられる。
【0096】
なお、以上の説明では、レジストパターン109を除去した後に、第1のキャップ膜108の表面に第2のキャップ膜111を選択的に成長させているが、図9(c)に示すように、レジストパターン109を除去する前に、第1のキャップ膜108の表面に第2のキャップ膜111を選択的に成長させる形態も考えられる。その後、レジストパターン109を除去すると、図8(c)に示されている状態と同様の状態となり、図8(d)〜図9(b)で示されているような工程を実施することにより、図9(b)のような半導体装置が完成する。ここでは、第2のキャップ膜を約15nm形成することで、レジストパターン109で被覆されていなかった領域のキャップ膜の厚みは第1のキャップ膜108の約5nmと第2のキャップ膜111の約15nmとの合計で約20nm、レジストパターン109で被覆されていた領域のキャップ膜の厚みは第1のキャップ膜108の約15nmとなり、キャップ膜全体の膜厚はレジストパターン109で被覆されていた領域の方が、レジストパターン109で被覆されていなかった領域よりも薄くなっている。
(第4の実施例)
以下、本発明の第4の実施例について、図10,図11を参照しながら説明する。なお、説明は、本実施例が第3の実施例と異なっている部分のみとし、第3の実施例と同様の部分の詳細な説明は省略する。
【0097】
図10は第4の実施例の半導体装置の製造方法におけるキャップ膜形成工程を説明する工程断面図、図11は第4の実施例における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図である。
【0098】
本実施例が第3の実施例と異なるのは、図10(c)〜(d)に示すように、下層配線107を形成した後、キャップ膜を成長させることなく、ライナー膜121を堆積することである。このように、ライナー膜の種類を適切に選択すると、キャップ膜とライナー膜の積層構造としなくても、ライナー膜だけで十分な密着性・バリア性を確保できる場合がある。そのようなライナー膜として、例えば、SiCNとSiCOをこの順番で積層した膜が挙げられる。これにより、半導体製造に要する費用を低減することができる。
【0099】
まず、図10(a)に示すように、半導体基板101の表面に層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103を堆積した後、層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103の積層層の内部に配線溝104を形成する。次に、図10(b)に示すように、配線間絶縁膜103の表面および配線溝104の内部にバリア膜105およびCu膜106を堆積後、配線溝104からはみ出したバリア膜105およびCu膜106をCMPにより除去すると、下層配線107が形成される。次に、図10(c)に示すように、配線間絶縁膜103および下層配線107の表面に、ライナー膜121を約15nm堆積する。
【0100】
続いて、図10(d)に示すように、リソグラフィーにより、ライナー膜121の表面にレジストパターン109を形成する。次に、図10(e)に示すように、レジストパターン109をマスクとしてライナー膜をエッチングし、さらに、レジストパターン109をマスクとして層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103の一部をエッチングすることにより下層配線107の間にギャップ110を形成する。
【0101】
次に、図10(f)に示すように、レジストパターン109を除去した後、ライナー膜121から露出したCu膜106の表面に、キャップ膜122を選択的に成長させる。本実施例では、キャップ膜122として、厚さ約15nmのCoWP膜を使用している。
【0102】
次に、図11(a)に示すように、ライナー膜121およびキャップ膜122の表面に層間絶縁膜112を堆積する。これにより、ギャップ110の上部が層間絶縁膜112により閉じられ、下層配線107の間にエアギャップ113が形成される。
【0103】
次に、図11(b)に示すように、層間絶縁膜112の表面に配線間絶縁膜114を堆積した後、リソグラフィーおよびドライエッチングにより、ライナー膜121、層間絶縁膜112および配線間絶縁膜114の内部に、ビアホール115および配線溝116を形成する。最後に、図11(c)に示すように、配線間絶縁膜114の表面、ビアホール115の内部および配線溝116の内部にバリア膜117およびCu膜118を堆積後、配線溝116からはみ出したバリア膜117およびCu膜118をCMPにより除去すると、ビア119および上層配線120が形成される。
【0104】
完成した半導体装置は、
(1)配線と配線の間の一部にエアギャップが形成されている。
(2)エアギャップから離れたエアギャップ非形成領域の下層配線は、キャップ膜でなくライナー膜で被覆されている。
【0105】
(3)エアギャップの近くであるエアギャップ形成領域の下層配線は、ライナー膜でなく、キャップ膜で被覆されている。
のような構造的特徴を有している。
【0106】
これにより、エアギャップに隣接する配線においてライナー膜が除去されたとしても、露出したCu膜上にキャップ膜を適切な厚さになるように形成するため、配線間の容量が十分に低く、かつ、歩留りや信頼性を高くすることができる。さらに、ビア周りをライナー膜で被膜することにより、ビアホールを形成するエッチングの際のエッチングストッパーとして用いることができ、さらに、ライナー膜にもバリア性があるのでキャップ膜を薄くすることができる。また、ライナー膜を用いることによってキャップ膜を薄膜化している場合には、多めにキャップ膜の積み増しを行って、しっかりバリア性を確保することができる。
【0107】
なお、本実施例では、ライナー膜121としてSiCNとSiCOをこの順に堆積した膜を使用しているが、SiC、SiCO、SiCN、SiCなどのSiC系材料やSiN、SiONなどのSiN系材料膜の単層膜もしくは積層膜を代わりに用いることができる。
【0108】
また、本実施例では、キャップ膜122としてCoWP膜を使用しているが、Co膜、Co合金膜、Ni膜、Ni合金膜、W膜、W合金膜、Cu合金膜など、下層配線107の表面に選択的に成長可能な膜であれば、代わりに使用することができる。
【0109】
なお、以上の説明では、レジストパターン109を除去した後に、下層配線107の表面にキャップ膜122を選択的に成長させているが、図11(d)に示すように、レジストパターン109を除去する前に、第1下層配線107の表面にキャップ膜122を選択的に成長させる形態も考えられる。その後、レジストパターン109を除去すると、図10(f)に示されている状態と同様の状態となり、図11(a)〜(c)で示されているような工程を実施することにより、図11(c)のような半導体装置が完成する。
(第5の実施例)
以下、本発明の第5の実施例について、図12、図13を参照しながら説明する。図12は第5の実施例の半導体装置の製造方法におけるキャップ膜形成工程を説明する工程断面図、図13は第5の実施例における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図である。
【0110】
本実施例が第4の実施例と異なるのは、図12(c)に示すように、ライナー膜121の表面にウェッティング膜123を堆積することである。ウェッティング膜123を堆積する理由は下記の通りである。キャップ膜122を形成するためにメッキ法を用いる場合、メッキ液と接触する絶縁膜の表面は親水性であることが望ましい。これは、絶縁膜の表面が疎水性であると、メッキ液の濡れ性が悪化し、配線上には、キャップ膜122の膜厚が薄い領域や、キャップ膜122が全く形成されない領域が発生するためである。そこで、本実施例では、疎水性のライナー膜121の表面に親水性のウェッティング膜123を堆積することにより、メッキ液の濡れ性の改善を図っている。このように、疎水性のライナー膜121表面がメッキ液と直接接触せずに、親水性のウェッティング膜123表面がメッキ液と直接接触するために、メッキ液の濡れ性の改善を図ることができる。本実施例では、ウェッティング膜123として、親水性基をライナー膜よりも相対的に多く有するSiO膜を使用している。
【0111】
まず、図12(a)に示すように、半導体基板101の表面に層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103を堆積した後、層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103の積層層の内部に配線溝104を形成する。次に、図12(b)に示すように、配線間絶縁膜103の表面および配線溝104の内部にバリア膜105およびCu膜106を堆積後、配線溝104からはみ出したバリア膜105およびCu膜106をCMPにより除去すると、下層配線107が形成される。次に、図12(c)に示すように、配線間絶縁膜103および下層配線107の表面に、ライナー膜121を約15nm、ウェッティング膜123を10nm堆積する。
【0112】
続いて、図12(d)に示すように、リソグラフィーにより、ウェッティング膜123の表面にレジストパターン109を形成する。次に、図12(e)に示すように、レジストパターン109をマスクとしてウェッティング膜123およびライナー膜121をエッチングし、さらに、レジストパターン109をマスクとして層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103の一部をエッチングすることにより下層配線107の間にギャップ110を形成する。
【0113】
次に、図12(f)に示すように、レジストパターン109を除去した後、ライナー膜121から露出したCu膜106の表面に、キャップ膜122を選択的に成長させる。本実施例では、キャップ膜122として、厚さ約15nmのCoWP膜を使用している。
【0114】
次に、図13(a)に示すように、ライナー膜121およびキャップ膜122の表面に層間絶縁膜112を堆積する。これにより、ギャップ110の上部が層間絶縁膜112により閉じられ、下層配線107の間にエアギャップ113が形成される。
【0115】
次に、図13(b)に示すように、層間絶縁膜112の表面に配線間絶縁膜114を堆積した後、リソグラフィーおよびドライエッチングにより、ライナー膜121、層間絶縁膜112および配線間絶縁膜114の積層層の内部に、ビアホール115および配線溝116を形成する。最後に、図13(c)に示すように、配線間絶縁膜114の表面、ビアホール115の内部および配線溝116の内部にバリア膜117およびCu膜118を堆積後、配線溝116からはみ出したバリア膜117およびCu膜118をCMPにより除去すると、ビア119および上層配線120が形成される。
【0116】
このようにして完成された半導体装置は、ライナー膜の上にウェッティング層が形成されているために、配線表面に確実にキャップ膜を形成することができるという効果がある。
【0117】
なお、本実施例は、第4の実施例に対し、ライナー膜121の表面にウェッティング膜123を堆積するという改良を加えたものであるが、このような改良は、第3の実施例に対しても、同様に加えることができる。つまり、図12(c)において、下層配線107表面にライナー膜121を堆積する前に、下層配線107表面にキャップ膜を形成する構成としてもよい。こうすることで、配線表面に確実にキャップ膜を形成することができ、配線間容量が十分に低く、かつ歩留りや信頼性をさらに高めることができるという効果がある。
【0118】
なお、本実施例では、ライナー膜121としてSiCNとSiCOをこの順に堆積した膜を使用しているが、SiC、SiCO、SiCN、SiCなどのSiC系材料やSiN、SiONなどのSiN系材料膜の単層膜もしくは積層膜を代わりに用いることができる。
【0119】
また、本実施例では、キャップ膜122としてCoWP膜を使用しているが、Co膜、Co合金膜、Ni膜、Ni合金膜、W膜、W合金膜、Cu合金膜など、下層配線107の表面に選択的に成長可能な膜であれば、代わりに使用することができる。
【0120】
(第6の実施例)
以下、本発明の第6の実施例について、図14、図15を参照しながら説明する。図14は第6の実施例の半導体装置の製造方法におけるキャップ膜形成工程を説明する工程断面図、図15は第6の実施例における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図である。なお、説明は、本実施例が第2の実施例と異なっている部分のみとし、第2の実施例と同様の部分の説明は省略する。
【0121】
本実施例が第2の実施例と異なる点は、図14(e)に示すように、レジストパターン109をマスクとして層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103の一部をエッチングすることにより下層配線107の間にギャップ110を形成する際に、第1のキャップ膜108およびバリア膜105の一部も同時に削り込むことである。そして、図14(f)に示すように、レジストパターン109を除去した後、露出したCu膜106の表面および第1のキャップ膜108表面に第2のキャップ膜111を選択的に成長させる。これにより、Cu膜106がキャップ膜により被覆される割合が増加するために、下層配線107のエレクトロマイグレーション(EM)やストレスマイグレーション(SM)に対する耐性を向上させることができる。バリア膜105を第2のキャップ膜111に置き換えることによりEMやSMに対する耐性が向上する理由は下記の通りである。通常、バリア膜105はスパッタ法により堆積される。スパッタ法は指向性の高い成膜方法であるため、配線溝104の側面に堆積されたバリア膜105の膜厚は、底面に堆積されたバリア膜105の膜厚よりも薄くなる。近年の半導体装置の微細化に伴ってバリア膜105を薄膜化すると、配線溝104の側面に堆積されたバリア膜105の膜厚は極端に薄くなるために膜の連続性が低下し、Cu原子が高速で拡散する経路が発生する。そこで、このようなバリア膜105を一旦除去し、被覆性の高い第2のキャップ膜111に置き換えることにより、EMやSMに対する耐性が向上する。
【0122】
まず、図14(a)に示すように、半導体基板101の表面に層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103を堆積した後、層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103の積層層の内部に配線溝104を形成する。
【0123】
次に、図14(b)に示すように、配線間絶縁膜103の表面および配線溝104の内部にバリア膜105およびCu膜106を堆積後、配線溝104からはみ出したバリア膜105およびCu膜106をCMPにより除去すると、下層配線107が形成される。
【0124】
次に、図14(c)に示すように、Cu膜106の表面に第1のキャップ膜108を選択的に成長させる。
次に、図14(d)に示すように、リソグラフィーにより、配線間絶縁膜103および第1のキャップ膜108の表面にレジストパターン109を形成する。
【0125】
次に、図14(e)に示すように、レジストパターン109をマスクとして層間絶縁膜102および配線間絶縁膜103の一部をエッチングすることにより下層配線107の間にギャップ110を形成する。この際、第1のキャップ膜108およびバリア膜105の一部も同時に削り込むように、エッチングの条件を調整する。
【0126】
次に、図14(f)に示すように、レジストパターン109を除去した後、Cu膜106および第1のキャップ膜108の表面に、第2のキャップ膜111を選択的に成長させる。
【0127】
次に、図15(a)に示すように、配線間絶縁膜103及び第2のキャップ膜111の表面に層間絶縁膜112を堆積する。これにより、ギャップ110の上部が層間絶縁膜112により閉じられ、下層配線107の間にエアギャップ113が形成される。
【0128】
次に、図15(b)に示すように、層間絶縁膜112の表面に配線間絶縁膜114を堆積した後、リソグラフィーおよびドライエッチングにより、層間絶縁膜112および配線間絶縁膜114の積層層の内部に、ビアホール115および配線溝116を形成する。
【0129】
最後に、図15(c)に示すように、配線間絶縁膜114の表面、ビアホール115の内部および配線溝116の内部にバリア膜117およびCu膜118を堆積後、配線溝116からはみ出したバリア膜117およびCu膜118をCMPにより除去すると、ビア119および上層配線120が形成される。
【0130】
このようにして完成された半導体装置は、Cu膜106がキャップ膜により被覆される割合が増加するために、下層配線107のエレクトロマイグレーション(EM)やストレスマイグレーション(SM)に対する耐性が向上するという効果がある。
【0131】
なお、本実施形態においては、図14(f)の断面図に示す工程において、Cu膜106表面にキャップメタル膜を選択的に成長するのであれば、図14(c)の断面図に示す工程において、Cu膜106の表面に第1のキャップ膜108を選択的に成長させなくてもよい。このような形成方法であっても、下層配線107のエレクトロマイグレーション(EM)やストレスマイグレーション(SM)に対する耐性を十分に向上させることができる。ただし、図14(c)の断面図に示す工程において、Cu膜106の表面に第1のキャップ膜108を選択的に成長させた方が、させない場合に比べて、より確実に効果が期待できることは言うまでもない。
【0132】
なお、本実施例では、キャップ膜122としてCoWP膜を使用しているが、Co膜、Co合金膜、Ni膜、Ni合金膜、W膜、W合金膜、Cu合金膜など、下層配線107の表面に選択的に成長可能な膜であれば、代わりに使用することができる。
【0133】
以上、発明を実施するための最良の形態について、6つの実施例を用いて説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。例えば、以上の実施例では、シングルダマシン法で形成した配線の間にエアギャップを形成し、その上に、デュアルダマシン法によりビアおよび配線を形成しているが、デュアルダマシン法で形成した配線の間にエアギャップを形成することも可能である。また、以上の実施例では、エアギャップを形成する領域の制御のため、レジストパターンをマスクとして使用しているが、レジスト以外の材料、例えば、絶縁膜などをマスクとして使用することも可能である。以上の実施例では、配線の構成材料としてCu膜を用いているが、銅合金膜、銀膜、金膜、タングステン膜、アルミニウム膜など、電気抵抗の低い膜であれば代わりに使用することができる。また、以上の実施例では、層間絶縁膜や配線間絶縁膜としてSiO膜やSiOC膜を使用しているが、SiOF膜、BCB膜、SiLK膜など、配線間を絶縁可能な膜であれば代わりに使用することができる。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な形態に変形して適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、配線間の容量を十分に低減でき、かつ、歩留りや信頼性を高く維持することができ、配線間の容量を低減するエアギャップ構造を備える半導体装置およびその製造方法等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】第1の実施例の半導体装置の製造方法におけるギャップ形成工程を説明する工程断面図
【図2】第1の実施例における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図
【図3】第1の実施例における第2のキャップ膜をレジストパターンを除去する前に形成する半導体装置の製造方法を説明する工程断面図
【図4】第2の実施例の半導体装置の製造方法におけるギャップ形成工程を説明する工程断面図
【図5】第2の実施例における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図
【図6】第2の実施例における第2のキャップ膜をレジストパターンを除去する前に形成する半導体装置の製造方法を説明する工程断面図
【図7】第3の実施例の半導体装置の製造方法におけるレジスト形成工程を説明する工程断面図
【図8】第3の実施例の半導体装置の製造方法におけるエアギャップ形成工程を説明する工程断面図
【図9】第3の実施例における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図
【図10】第4の実施例の半導体装置の製造方法におけるキャップ膜形成工程を説明する工程断面図
【図11】第4の実施例における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図
【図12】第5の実施例の半導体装置の製造方法におけるキャップ膜形成工程を説明する工程断面図
【図13】第5の実施例における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図
【図14】第6の実施例の半導体装置の製造方法におけるキャップ膜形成工程を説明する工程断面図
【図15】第6の実施例における半導体装置の製造方法を説明する工程断面図
【図16】従来の半導体装置の製造方法におけるギャップ形成工程を説明する工程断面図
【図17】従来の半導体装置の製造方法を説明する工程断面図
【符号の説明】
【0136】
1 半導体基板
2 層間絶縁膜
3 配線間絶縁膜
4 配線溝
5 バリア膜
6 Cu膜
7 下層配線
8 キャップ膜
9 レジストパターン
10 ギャップ
11 層間絶縁膜
12 エアギャップ
13 配線間絶縁膜
14 ビアホール
15 配線溝
16 バリア膜
17 Cu膜
18 ビア
19 上層配線
101 半導体基板
102 層間絶縁膜
103 配線間絶縁膜
104 配線溝
105 バリア膜
106 Cu膜
107 下層配線
108 第1のキャップ膜
109 レジストパターン
110 ギャップ
111 第2のキャップ膜
112 層間絶縁膜
113 エアギャップ
114 配線間絶縁膜
115 ビアホール
116 配線溝
117 バリア膜
118 Cu膜
119 ビア
120 上層配線
121 ライナー膜
122 キャップ膜
123 ウェッティング膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、
前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、
半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、
前記配線上に第1のキャップ膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜の一部および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、
前記マスクパターンを除去する工程と、
前記エアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜上に第2のキャップ膜を形成する工程と、
前記ギャップおよび前記第1のキャップ膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、
前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、
半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、
前記配線上に第1のキャップ膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜の一部および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとして用いて前記エアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜上に第2のキャップ膜を形成する工程と、
前記マスクパターンを除去する工程と、
前記ギャップおよび前記第1のキャップ膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、
前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、
半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、
前記配線上に第1のキャップ膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、
前記マスクパターンを除去する工程と、
前記エアギャップ形成領域の前記配線上に第2のキャップ膜を形成する工程と、
前記ギャップおよび前記第1のキャップ膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、
前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、
半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、
前記配線上に第1のキャップ膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとして用いて前記エアギャップ形成領域の前記配線上に第2のキャップ膜を形成する工程と、
前記マスクパターンを除去する工程と、
前記ギャップおよび前記第1のキャップ膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、
前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、
半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、
前記配線上に第1のキャップ膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜上にライナー膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記ライナー膜をエッチングして除去する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜の一部および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、
前記マスクパターンを除去する工程と、
前記エアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜上に第2のキャップ膜を形成する工程と、
前記ギャップおよび前記ライナー膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、
前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、
半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、
前記配線上に第1のキャップ膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜上にライナー膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜および前記第1のキャップ膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記ライナー膜をエッチングして除去する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜の一部および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとして用いて前記エアギャップ形成領域の前記第1のキャップ膜上に第2のキャップ膜を形成する工程と、
前記マスクパターンを除去する工程と、
前記ギャップおよび前記ライナー膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、
前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、
半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜および前記配線上にライナー膜を形成する工程と、
前記ライナー膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記ライナー膜をエッチングして除去する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、
前記マスクパターンを除去する工程と、
前記エアギャップ形成領域の前記配線上に第2のキャップ膜を形成する工程と、
前記ギャップおよび前記ライナー膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、
前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、
半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜および前記配線上にライナー膜を形成する工程と、
前記ライナー膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記ライナー膜をエッチングして除去する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとして用いて前記エアギャップ形成領域の前記配線上に第2のキャップ膜を形成する工程と、
前記マスクパターンを除去する工程と、
前記ギャップおよび前記ライナー膜ならびに前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1のキャップ膜および前記第2のキャップ膜の材料が同一であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1のキャップ膜および前記第2のキャップ膜の材料が異なることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、
前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、
半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜の上部に複数の配線を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜および前記配線上にライナー膜を形成する工程と、
前記ライナー膜上にウェッティング膜を堆積する工程と、
前記第1の絶縁膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記ライナー膜および前記ウェッティング膜をエッチングして除去する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、
前記マスクパターンを除去する工程と、
前記配線上に第2のキャップ膜を形成する工程と、
前記ギャップおよび前記ウェッティング膜および前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記配線を形成する工程と前記ライナー膜を形成する工程の間に、前記配線上に第1のキャップ膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記ウェッティング膜は前記ライナー膜と比較して親水性が高いことを特徴とする請求項11または請求項12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記ウェッティング膜が、SiOを主成分とする膜であることを特徴とする請求項11〜請求項13のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記ライナー膜がSiC膜、SiCO膜、SiCN膜、SiC膜、SiN膜、SiON膜のいずれかもしくは任意のいずれかの膜の積層膜であることを特徴とする請求項5〜請求項14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置の製造方法であって、
前記エアギャップが形成される前記配線層を形成する際に、
半導体基板または下層配線層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜の上部に金属膜とバリアメタル膜から成る複数の配線を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜のエアギャップ非形成領域上にマスクパターンを形成する工程と、
前記マスクパターンをマスクとしてエアギャップ形成領域の前記バリアメタル膜および前記第1の絶縁膜の少なくとも一部をエッチングしてギャップを形成する工程と、
前記マスクパターンを除去する工程と、
前記エアギャップ形成領域の前記金属膜の上部および側壁部に第2のキャップ膜を形成する工程と、
前記ギャップおよび前記第2のキャップ膜の上に第2の絶縁膜を堆積して前記エアギャップ形成領域の前記ギャップから前記エアギャップを形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記配線を形成する工程と前記マスクパターンを形成する工程の間に、前記配線上に第1のキャップ膜を形成する工程を有し、前記ギャップを形成する工程において前記マスクパターンをマスクとして前記第1のキャップ膜もエッチングすることを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記金属膜が銅膜もしくは銅合金膜を含むことを特徴とする請求項16または請求項17のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記配線が銅膜もしくは銅合金膜を含むことを特徴とする請求項1〜請求項18のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1のキャップ膜および第2のキャップ膜がそれぞれCo膜、Co合金膜、Ni膜、Ni合金膜、W膜、W合金膜、Cu合金膜のいずれかであることを特徴とする請求項1〜請求項19のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
第1の絶縁膜がSiO膜、SiOC膜、SiOF膜、BCB膜、SiLK膜のいずれかであることを特徴とする請求項1〜請求項20のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項22】
1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置であって、
前記エアギャップが形成される前記配線層が、
半導体基板または下層配線層上に形成される第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の上部に形成される配線と、
前記配線の表面に選択的に形成されるキャップ層と、
前記第1の絶縁膜および前記配線ならびに前記キャップ層の上部に形成される第2の絶縁膜と、
任意の前記配線間に形成されたエアギャップと
を有し、前記エアギャップを含むエアギャップ形成領域の前記キャップ層は少なくとも第2のキャップ膜を含み、エアギャップ形成領域外のエアギャップ非形成領域の前記キャップ層は第1のキャップ膜を少なくとも含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項23】
前記エアギャップ形成領域の前記キャップ層の前記第2のキャップ膜が、前記第1のキャップ膜上に積層されることを特徴とする請求項22に記載の半導体装置。
【請求項24】
前記エアギャップ非形成領域の前記キャップ層の前記第1のキャップ膜上に前記第2のキャップ膜が積層されることを特徴とする請求項22または請求項23のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項25】
前記エアギャップ形成領域の前記キャップ層は、前記エアギャップ非形成領域の前記キャップ層よりも厚いことを特徴とする請求項22〜請求項24のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項26】
前記第1のキャップ膜と前記第2のキャップ膜とが同一の材料であることを特徴とする請求項22〜請求項25のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項27】
前記第1のキャップ膜と前記第2のキャップ膜とが異なる材料であることを特徴とする請求項22〜請求項25のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項28】
前記エアギャップ非形成領域にライナー膜が形成されていることを特徴とする請求項22〜請求項27のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項29】
1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置であって、
前記エアギャップが形成される前記配線層が、
半導体基板または下層配線層上に形成される第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の上部に形成される配線と、
前記配線の表面に選択的に形成される第2のキャップ膜と、
前記配線の表面上の一部および前記第1の絶縁膜上に形成されたライナー膜と、
前記ライナー膜の上に形成されたウェッティング膜と、
前記ウェッティング膜および前記第2のキャップ膜の上部に形成される第2の絶縁膜と、
任意の前記配線間に形成されたエアギャップと
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項30】
前記配線と前記ライナー膜の間に第3のキャップ膜が介在することを特徴とする請求項29に記載の半導体装置。
【請求項31】
前記ウェッティング膜は前記ライナー膜と比較して親水性が高いことを特徴とする請求項29または請求項30に記載の半導体装置。
【請求項32】
前記ウェッティング膜が、SiOを主成分とする膜であることを特徴とする請求項29〜請求項31のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項33】
前記ライナー膜がSiC膜、SiCO膜、SiCN膜、SiC膜、SiN膜、SiON膜のいずれかもしくは任意のいずれかの膜の積層膜であることを特徴とする請求項28〜請求項32のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項34】
1または複数層の配線層が形成され、任意の配線層領域に配線間容量を低減させるためのエアギャップを備える半導体装置であって、
前記エアギャップが形成される前記配線層が、
半導体基板または下層配線層上に形成される第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の上部に形成される配線と、
前記配線の表面に形成される第2のキャップ膜と、
前記第1の絶縁膜および前記第2のキャップ膜の上部に形成される第2の絶縁膜と、
任意の前記配線間に形成されたエアギャップと
を有し、前記配線底部にはバリアメタル膜が形成されており、前記配線側壁部には前記第2のキャップ膜が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項35】
前記配線が銅膜もしくは銅合金膜を含むことを特徴とする請求項22〜請求項34のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項36】
前記第1のキャップ膜および第2のキャップ膜がそれぞれCo膜、Co合金膜、Ni膜、Ni合金膜、W膜、W合金膜、Cu合金膜のいずれかであることを特徴とする請求項22〜請求項35のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項37】
第1の絶縁膜がSiO膜、SiOC膜、SiOF膜、BCB膜、SiLK膜のいずれかであることを特徴とする請求項22〜請求項36のいずれかに記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−16790(P2009−16790A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72707(P2008−72707)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】