説明

半導体装置の製造方法及び半導体装置

【目的】TDDB寿命を長くすることが可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【構成】本発明の一態様の半導体装置の製造方法は、基体上に絶縁膜を形成する工程(S104)と、前記絶縁膜上に、ポアが形成されるキャップ膜を形成する工程(S106)と、前記キャップ膜と前記絶縁膜に開口部を形成する工程(S110)と、前記開口部内に導電性材料を堆積させる工程(S116)と、前記開口部内に前記導電性材料が堆積させられた後に、前記ポアの一部を残しながら一部が前記キャップ膜中に食い込むように、前記キャップ膜上に前記導電性材料の拡散を防止する拡散防止膜を形成する工程(S122)と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体装置に係り、例えば、銅(Cu)配線層の層間絶縁膜の構成およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、及び高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。特に、最近はLSIの高速性能化を達成するために、配線材料を従来のアルミ(Al)合金から低抵抗の銅(Cu)或いはCu合金(以下、まとめてCuと称する。)に代える動きが進んでいる。Cuは、Al合金配線の形成において頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難であるので、溝加工が施された絶縁膜上にCu膜を堆積し、溝内に埋め込まれた部分以外のCu膜を化学機械研磨(CMP)により除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン(damascene)法が主に採用されている。Cu膜はスパッタ法などで薄いシード層を形成した後に電解めっき法により数100nm程度の厚さの積層膜を形成することが一般的である。さらに、多層Cu配線を形成する場合は、下層配線上に絶縁膜を堆積し、所定のヴィアホール(孔)を形成して、プラグ材料となるCuを埋め込み、さらに、上層の配線へとつなげていくことになる。
【0003】
そして、最近は層間絶縁膜として比誘電率の低い低誘電率材料膜(low−k膜)を用いることが検討されている。すなわち、比誘電率kが、約4.2のシリコン酸化膜(SiO)膜から比誘電率kが2.6以下の低誘電率材料膜(low−k膜)を用いることにより、配線間の寄生容量を低減することが試みられている。特に、低誘電率化のために絶縁膜中に微細な空孔を有する、いわゆる多孔性絶縁膜を用いたプロセスが開発されている。
【0004】
そして、通常、ダマシン法を用いるLSI金属配線構造においては、低誘電率絶縁膜の上に緻密なキャップ膜層を積層する。これは、反応性イオンエッチング(RIE)法やCMP法を用いて絶縁膜を加工する際に密度が低く強度に乏しい低誘電率絶縁膜層を直接加工することが困難であるためである。そのため、緻密なキャップ膜層で低誘電率絶縁膜上を覆った状態で低誘電率絶縁膜層の加工が行われる場合が多い。
【0005】
しかしながら、加工性に優れる緻密なキャップ膜層は結果として低誘電率絶縁膜より高い比誘電率を持ち、その比誘電率の高さが多層配線構造における各配線層での低誘電率化の妨げとなるといった問題があった。そのため、各配線層において、キャップ膜層に起因する層間絶縁膜全体での比誘電率上昇を少なくとも抑制すると共に、層間絶縁膜全体でのさらなる低誘電率化を図ることが試みられている。
例えば、比誘電率が高いキャップ膜層で低誘電率絶縁膜上を覆った状態でCMP加工を行い、その後、キャップ膜層だけを除去する。これにより、キャップ膜の膜厚分だけ低誘電率絶縁膜の表面よりもCu配線が出っ張った状態となる。そして、低誘電率絶縁膜上と出っ張ったCu配線表面とを覆うように拡散防止膜をキャップ膜より薄い膜厚で形成し、残りの出っ張ったCu配線部分は、上層の低誘電率絶縁膜で覆うといった手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、Cu配線の上端部は、拡散防止膜と上層(ビアプラグ層等)の低誘電率絶縁膜との積層膜で絶縁され、Cu配線の残りの部分は、元々の低誘電率絶縁膜で絶縁され、Cu配線の上端部をキャップ膜で絶縁するよりは低誘電率化を図り得ることが期待される。しかしながら、かかる手法では、一般に比誘電率が高い拡散防止膜がCu配線間に存在するので、かかる配線層全体での層間絶縁膜の比誘電率kは、通常、元々の低誘電率絶縁膜の比誘電率kの値よりも高くなってしまう。
また、その他の手法として、例えば、比誘電率が高いキャップ膜層で低誘電率絶縁膜上を覆った状態でCMP加工を行い、その際、キャップ膜層が除去されるまで研磨を進めれば、Cu配線は、元々の低誘電率絶縁膜で側面全体が絶縁されることになり、キャップ膜層に起因する比誘電率上昇を抑制することができる。しかし、かかる手法では、層間絶縁膜上端部の比誘電率k値は低誘電率絶縁膜のk値と同等にしかならず、さらなる低誘電率化を図ることが困難である。
【0006】
さらに、キャップ膜層の位置するCu配線上端部は特に同層での隣り合う配線間に生じる電界が最も集中する部分である。このような電界が集中するCu配線上端部では、Cuイオンドリフトが起こりやすい。その結果として、TDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)寿命が短くなってしまうといった問題があった。かかるCuダマシン配線におけるTDDB寿命等に関連する記載が文献に開示されている(例えば、非特許文献1,2参照)。TDDB寿命を延ばすためには、Cuイオンドリフトの抑制が望まれる。しかしながら、従来、かかる問題を十分に解決できる手法が確立されていない状況であった。
【特許文献1】特開2005−311123号公報
【非特許文献1】“TDDB Improvement in Cu Metallization Under Bias Stress”,Proceedings of International Reliability Physics Symposium 2000,P.339
【非特許文献2】“Bulk and Interfacial Leakage Current in Dielectric Degradation of Copper Damascene Interconnects”,Proceedings of Advanced Metallization Conference 2004,P.411
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一態様は、上述したような従来の問題点を克服し、低誘電率化を図ること或いはTDDB寿命を長くすることが可能な半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の半導体装置の製造方法は、基体上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に、ポアが形成されるキャップ膜を形成する工程と、前記キャップ膜と前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、前記開口部内に導電性材料を堆積させる工程と、前記開口部内に前記導電性材料が堆積させられた後に、前記ポアの一部を残しながら一部が前記キャップ膜中に食い込むように、前記キャップ膜上に前記導電性材料の拡散を防止する拡散防止膜を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の他の態様の半導体装置の製造方法は、基体上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に、ポロジェン成分を含有する材料を用いて前記ポロジェン成分を残すようにキャップ膜を形成する工程と、前記キャップ膜と前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、前記開口部内に導電性材料を堆積させる工程と、前記開口部内に前記導電性材料が堆積させられた後に、前記キャップ膜中から前記ポロジェン成分を除去して前記絶縁膜よりも低い比誘電率を有する多孔質のキャップ膜を得る工程と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様の半導体装置は、基体上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された、前記絶縁膜の比誘電率よりも低い比誘電率のキャップ膜と、前記キャップ膜と前記絶縁膜とが側面に位置するように配置された配線と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、Cuイオンドリフトを抑制することができる。よって、TDDB寿命を長くすることができる。また、本発明の他の態様によれば、低誘電率化を図るとともに、Cuイオンドリフトを抑制することができる。よって、TDDB寿命を長くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
以下、実施の形態1について、図面を用いて説明する。
図1は、実施の形態1における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。図1において、実施の形態1の半導体装置の製造方法では、エッチングストッパ膜形成工程(S102)と、low−k膜形成工程(S104)と、ポロジェン含有キャップ膜形成工程(S106)と、開口部形成工程(S110)と、バリアメタル膜形成工程(S112)と、シード膜形成工程(S114)と、めっき及びアニール工程(S116)と、研磨工程(S118)と、ポロジェン除去工程(S120)と、拡散防止膜形成工程(S122)という一連の工程を実施する。
【0013】
図2は、図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。図2では、図1のエッチングストッパ膜形成工程(S102)から開口部形成工程(S110)までを示している。
【0014】
図2(a)において、エッチングストッパ膜形成工程(S102)として、基板200上に、化学気相成長(CVD)法によってエッチングストッパ膜210を例えば20〜40nmの膜厚で形成する。エッチングストッパ膜の材料として、例えば、炭窒化シリコン(SiCN)、炭化シリコン(SiC)、或いは多孔質ではない炭酸化シリコン(denseSiCO)等が好適である。形成方法は、CVD法に限るものではなくその他の方法で成膜しても構わない。また、基板200として、例えば、直径300ミリのシリコンウェハを用いる。ここでは、コンタクトプラグ層やデバイス部分等の図示は省略している。そして、基板200上には、その他の金属配線またはヴィアプラグ等、図示しない各種の半導体素子あるいは構造を有する層が形成されていても構わない。或いは、その他の層が形成されていても構わない。
【0015】
図2(b)において、low−k膜形成工程(S104)として、エッチングストッパ膜210上に、多孔質の低誘電率絶縁材料を用いたlow−k膜220を例えば100nmの厚さで形成する。low−k膜220を形成することで、比誘電率kが2.4〜3.0程度の絶縁膜を得ることができる。low−k膜220は、1層分の配線層の層間絶縁膜における主たる絶縁膜となる。ここでは、一例として、CVD法を用いて比誘電率が2.5未満の低誘電率絶縁材料となる多孔質のSiOCH膜を形成する。形成方法は、CVD法に限るものではなく、例えば、溶液をスピンコートし熱処理して薄膜を形成するSOD(spin on dielectric coating)法を用いても好適である。SOD法で形成するlow−k膜220の材料としては、例えば、多孔質のメチルシルセスキオキサン(methyl silsesquioxane:MSQ)を用いることができる。また、MSQの他に、例えば、ポリメチルシロキサン、ポリシロキサン、ハイドロジェンシロセスキオキサンなどのシロキサン骨格を有する膜、ポリアリーレンエーテル、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾシクロブテンなどの有機樹脂を主成分とする膜、および多孔質シリカ膜などのポーラス膜からなる群から選択される少なくとも一種を用いて形成しても構わない。かかるlow−k膜220の材料では、比誘電率が2.5未満の低誘電率を得ることができる。SOD法では、例えば、スピナーで成膜し、このウエハをホットプレート上で窒素雰囲気中でのベークを行った後、最終的にホットプレート上で窒素雰囲気中ベーク温度よりも高温でキュアを行なうことにより形成することができる。low−k材料や形成条件などを適宜調節することにより、所定の物性値を有する多孔質の絶縁膜が得られる。
【0016】
図2(c)において、ポロジェン含有キャップ膜形成工程(S106)として、low−k膜220上に、ポロジェン成分10を含有する材料を用いてキャップ膜230を例えば20〜40nmの厚さで形成する。例えば、CVD法を用いてキャップ膜230を形成する。キャップ膜230は、膜厚が、low−k膜220よりも薄く形成される。キャップ膜230の材料としては、ポロジェン成分10を含有すると共に、水素を含む炭酸化シリコン(SiOCH)が好適である。ポロジェン成分10としては、例えば、炭素(C)と水素(H)を含有するポリマー、一例として、C1016等が好適である。
【0017】
形成方法として、例えば、メチルジエトキシシラン(Methyl−di−ethoxy−silane)、アルファターピネン(alpha−terpinene:C1016)、酸素(O)、ヘリウム(He)からなる混合ガスを図示しないチャンバ内に流入し、チャンバ内の圧力を例えば1.3×10Pa(10Torr)以下に維持した状態で、low−k膜220が成膜された基板200を例えば250℃に加熱し、チャンバ内の下部電極及び上部電極に高周波電力を供給し、プラズマを発生させる。メチルジエトキシシランは主骨格成分形成用のガスであり、アルファターピネンはポロジェン成分形成用ガスである。これにより、low−k膜220上に有機シロキサンを主骨格成分とするSiOCH膜によるキャップ膜230が形成される。このとき、混合ガスに含まれるアルファターピネンがプラズマによって重合し、有機高分子が形成される。この有機高分子がポロジェン成分10であり、SiOCH膜中に均一に取り込まれる。
【0018】
なお、主骨格成分形成用の有機シリコンガスとしては、ジメチルシラン(Di−Methyl−Silane)、トリメチルシラン(Tri−Methyl−Silane)、テトラメチルシラン(Tetra−Methyl−Silane)、ジメチルフェニルシラン(Di−Methyl−Phenyl−Silane)、トリメチルシリルアセチレン(Tri−Methyl−Silyl−Acetylene)、モノメチルジエトキシシラン(Mono−Methyl−Di−Ethoxy−Silane)、ジメチルジエトキシシラン(Di−Methyl−Di−Ethoxy−Silane)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(Tetra−Methyl−Cyclo−Tetra−Siloxane)、及びオクタメチルシクロテトラシロキサン(Octa−Methyl−Cyclo−Tetra−Siloxane)の少なくとも1つを用いることができる。
【0019】
一方、ポロジェン成分形成用ガスとしては、メタン(Methane)、エチレン(Ethylene)、プロピレン(Propylene)、アルファターピネン(Alpha−Terpinene)、ガンマターピネン(Gamma−Terpinene)、及びリモーネン(Limonene)の少なくとも1つを用いることができる。
【0020】
また、ここでは、CVD法でSiOCH膜を形成しているが、形成方法はこれに限るものではない。例えば、ポロジェン材料を含有する溶液をスピンコートし熱処理して薄膜を形成するSOD法を用いても好適である。SOD法で形成する低誘電率のキャップ膜230の材料としては、例えば、MSQを用いることができる。また、MSQの他に、例えば、ポリメチルシロキサン、ポリシロキサン、ハイドロジェンシロセスキオキサンなどのシロキサン骨格を有する膜、ポリアリーレンエーテル、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾシクロブテンなどの有機樹脂を主成分とする膜、および多孔質シリカ膜などのポーラス膜からなる群から選択される少なくとも一種を用いて形成しても構わない。SOD法では、例えば、スピナーで成膜し、このウエハをホットプレート上で窒素雰囲気中でのベークを行なうことでポロジェン成分10が均一に含有された例えば有機シロキサンを主骨格成分とするSiOCH膜のキャップ膜230を形成することができる。いずれの低誘電率絶縁膜の材料を用いても、最終的に、比誘電率kがlow−k膜220よりも低い、例えば2.0以下の低誘電率を得ることができる。
【0021】
実施の形態1では、キャップ膜230中のポロジェン成分10を膜形成後直ちには除去せずに、ここでは主骨格形成を行うに留める。例えば、low−k膜220上にCVD法或いはSOD法により膜を形成した後、200〜300℃で加熱処理を行うことで主骨格を形成することができる。かかる状態では、ポロジェン成分10が残ったままで除去されていないので膜中にポア(空孔)が形成されておらず、膜が緻密な状態となっており、そのため機械的強度もlow−k膜220のようなポーラス膜に比べて強い状態を維持することができる。
【0022】
図2(d)において、開口部形成工程(S110)として、図示しないレジストパターンをマスクとして、露出したキャップ膜230とその下層のlow−k膜220を異方性エッチング法により実質的に同じ幅で続けてエッチングすることにより、配線溝或いはヴィアホールとなる開口部150を形成する。その際、エッチングストッパ膜210をエッチングストッパとしてエッチングする。その後、エッチングストッパ膜210をエッチングして、基板200まで届くように開口部150を形成する。異方性エッチング法により除去することで、基板200の表面に対し、略垂直に開口部150を形成することができる。例えば、一例として、反応性イオンエッチング(RIE)法により開口部150を形成すればよい。エッチングの際、機械的強度の強いキャップ膜230がlow−k膜220のマスクとなるのでlow−k膜220を保護することができる。
【0023】
図3は、図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。図3では、図1のバリアメタル膜形成工程(S112)からめっき及びアニール工程(S116)までを示している。
【0024】
図3(a)において、バリアメタル膜形成工程(S112)として、エッチングにより形成された開口部150内面上及びキャップ膜230表面上に導電性材料の一例となるバリアメタル材料を用いたバリアメタル膜240を形成する。スパッタ法を用いるスパッタリング装置内でTaN膜を例えば膜厚5nm堆積し、バリアメタル膜240を形成する。バリアメタル材料の堆積方法としては、PVD法に限らず、原子層気相成長(atomic layer deposition:ALD、あるいは、atomic layer chemical vapor deposition:ALCVD)法やCVD法などを用いることができる。PVD法を用いる場合より被覆率を良くすることができる。バリアメタル膜240の材料としては、TaNの他、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)等の金属、窒化チタン(TiN)、窒化タングステン(WN)等に代表されるこれらの金属の窒化物、或いはこれらの金属を含有するその他の材料を単独でまたは積層して用いることができる。
【0025】
図3(b)において、シード膜形成工程(S114)として、スパッタ等の物理気相成長(PVD)法により、次の工程である電解めっき工程のカソード極となるCu薄膜をシード膜250としてバリアメタル膜240が形成された開口部150内壁及び基板200表面に堆積(形成)させる。
【0026】
図3(c)において、めっき及びアニール工程(S116)として、シード膜250をカソード極として、電解めっき等の電気化学成長法により導電性材料の一例となるCu膜260をシード膜250が形成された開口部150及び基板200表面に堆積させる。ここでは、例えば、膜厚200nmのCu膜260を堆積させ、堆積させた後にアニール処理を例えば250℃の温度で30分間行なう。
【0027】
図4は、図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。図4では、図1の研磨工程(S118)から拡散防止膜形成工程(S122)までを示している。
【0028】
図4(a)において、研磨工程(S118)として、CMP法によって、基板200の表面を研磨して、開口部以外に表面に堆積した配線層となるシード膜250を含むCu膜260とバリアメタル膜240を研磨除去する。その結果、図4(a)に示すように、Cu膜260の表面とキャップ膜230の表面とが同一面となるように平坦化される。以上によりCu配線を形成することができる。研磨の際、機械的強度の強いキャップ膜230がlow−k膜220上に形成されているのでlow−k膜220を保護することができる。
【0029】
ここで、図4(a)に示す状態では、キャップ膜230中にポロジェン成分10が残ったままの状態であり、比誘電率kがlow−k膜220に比べて高い状態なので、ポロジェン成分10を次の工程で除去する。
【0030】
図4(b)において、ポロジェン除去工程(S120)として、表面が露出したキャップ膜230中からポロジェン成分10を除去する。ポロジェン成分10は、例えば電子線(EB)照射によるキュアを行って除去する。具体的には、キャップ膜230の表面が露出した基板200を図示しないチャンバ内部で例えば1.3×10Pa(10Torr)以下に維持した状態で、例えば350〜400℃に加熱する。次に、このチャンバ内部にアルゴン(Ar)ガスを流入し、チャンバ内部の圧力を一定に維持する。圧力が一定になった後、電子線170をキャップ膜230に照射する。例えば、加速エネルギーが10〜20keVの条件で電子線170を照射する。電子線照射により気泡となったポロジェン成分10を除去することで、キャップ膜230中にポア12が形成される。これにより、low−k膜220よりも低い、例えば2.0以下の比誘電率kを有する、全体に均一なポア12が散りばめられた多孔質のキャップ膜230を得ることができる。言い換えると、ポロジェン成分10を除去することで、例えば、キャップ膜230とlow−k膜220とが同じSiOCH膜であれば、キャップ膜230の密度が、low−k膜220の密度よりも小さくなる。例えば、密度が1.2〜1.4g/cmのlow−k膜220に対して、密度が1.0〜1.2g/cmのキャップ膜230を形成することができる。
【0031】
或いは、電子線照射の代わりに紫外線照射によるキュアを行ってポロジェン成分10の除去を行っても好適である。具体的には、キャップ膜230の表面が露出した基板200を図示しないチャンバ内部で例えば1.3×10Pa(10Torr)以下に維持した状態で、例えば350〜400℃に加熱する。次に、このチャンバ内部にArガスを流入し、チャンバ内部の圧力を一定に維持する。圧力が一定になった後、紫外線をキャップ膜230に照射する。ここでは、例えば200nmから300nmの波長領域を持つ紫外線をキャップ膜230に照射する。これにより、ポロジェン成分10が気泡となって除去される。これにより、low−k膜220よりも低い、例えば2.0以下の比誘電率を有する、全体に均一なポア12が散りばめられた多孔質のキャップ膜230(ポーラスSiOCH膜)を得ることができる。同様に、例えば、キャップ膜230とlow−k膜220とが同じSiOCH膜であれば、キャップ膜230の密度が、low−k膜220の密度よりも小さくなる。例えば、密度が1.2〜1.4g/cmのlow−k膜220に対して、密度が1.0〜1.2g/cmのキャップ膜230を形成することができる。
【0032】
また、キャップ膜230中からポロジェン成分10を除去する際、low−k膜220ではポロジェン成分は存在しないので、キャップ膜230中からポロジェン成分10を除去する際にlow−k膜220の膜収縮が起こらない。このように、実施の形態1では、low−k膜220、キャップ膜230をともに多孔質に形成する場合でもlow−k膜220の膜収縮のリスクを回避できる。
【0033】
図4(c)において、拡散防止膜形成工程(S122)として、CVD法を用いて、キャップ膜230のポア12の一部を残しながら、一部がキャップ膜230中に食い込むように、キャップ膜230上にCuの拡散を防止する拡散防止膜270(バリア膜)を形成する。例えば、キャップ膜230上に20〜40nmの膜厚で形成する。拡散防止膜270の材料として、例えば、炭窒化シリコン(SiCN)、炭化シリコン(SiC)、或いは多孔質ではない炭酸化シリコン(denseSiCO)等が好適である。また、形成方法は、CVD法に限るものではなくその他の方法で成膜しても構わない。拡散防止膜270は、上層のCu配線層、ヴィアプラグ層、或いは上層のCu配線とヴィアプラグを一体で形成するデュアルダマシン配線層を形成する場合に、かかる上層の層間絶縁膜に開口部を形成する際のエッチングストッパ膜としても機能する。
【0034】
図5は、実施の形態1における拡散防止膜がキャップ膜に食い込んだ状態を示す概念図である。図5に示すように、キャップ膜230には、ポロジェン10が揮発する際の通路となるガス抜き穴14やポロジェン10が含有されていた位置にポア12が形成される。すなわち、キャップ膜230の表面全体には均一にガス抜き穴14が空いている。拡散防止膜270は、その一部がキャップ膜230の表面全体に空いたガス抜き穴14やその下のポア12に食い込むように形成される。例えば、キャップ膜230の表面に空いたガス抜き穴14のサイズが2〜4nmの場合に、拡散防止膜270を形成する際のCVDガスのサイズは1nm以下となり、ガス抜き穴14に進入することができる。
【0035】
ここで、拡散防止膜270がキャップ膜230に食い込む食い込み領域20の深さdは、キャップ膜230の全面に均一に食い込み領域20が形成可能な深さであって、キャップ膜230の比誘電率kが主たる絶縁膜となるlow−k膜220の比誘電率kを超えない範囲とするとよい。例えば、5〜10nm食い込むように形成されると好適である。食い込み深さdは、例えば、拡散防止膜270をPE−CVD法で形成する場合、バイアス電圧等を調整することで制御することができる。或いは、例えば、拡散防止膜270をCVD法で形成する場合、使用するプロセスガスの分子量で調整しても好適である。或いは、キャップ膜230に含有させておくポロジェン成分10の量で調整してもよい。通常、ポロジェン成分10は、複数の分子が一体となってキャップ膜230中に分散している。そのため、ポロジェン成分10の量を少なくすれば形成されるポア12のサイズやガス抜き穴14のサイズも小さくなるのでガスの進入を抑制することができる。よって、食い込み深さを浅くすることができる。逆に、ポロジェン成分10の量を増やせば形成されるポア12のサイズやガス抜き穴14のサイズも大きくなるのでガスの進入を促進することができる。よって、食い込み深さを深くすることができる。或いは、キャップ膜230に含有させておくポロジェン成分10の分散率で調整してもよい。
【0036】
以上のようにして、low−k膜220より比誘電率kが低いキャップ膜230とlow−k膜220とがCu配線となるCu膜260の側面に位置するように配置された図4(c)に示すような一層分のCu配線層を形成することができる。
【0037】
図6は、実施の形態1におけるキャップ膜の比誘電率と、拡散防止膜とキャップ膜との界面での電界強度との関係をシミュレーションした結果を示す図である。図6において、縦軸は拡散防止膜270とキャップ膜230との界面での電界強度、横軸はキャップ膜230の比誘電率を示している。また、電界強度の値は二次元の電磁界シミュレータを用いた。前提として、low−k膜220の比誘電率kを2.7、拡散防止膜270の比誘電率kを3.7とし、Cu配線間の70nm幅の絶縁膜スペースに1Vの電位差を掛けた場合を示している。シミュレーションした結果、図6に示すように、キャップ膜230の比誘電率kを小さくすることで、それに応じて界面の電界強度も弱まることがわかる。
【0038】
図7は、実施の形態1におけるキャップ膜の比誘電率と、TDDB寿命との関係を示す予測図である。図7において、縦軸はTDDB寿命、横軸はキャップ膜230の比誘電率を示している。図6での評価と同様の条件では、キャップ膜230の比誘電率kが2の場合、比誘電率kが4の場合の約7倍の長寿命化を見積もることができる。理由としては、図6で示した電界強度の緩和が以下に説明するようにCuイオンのドリフト量を減らしたためと考えられる。
【0039】
図8は、実施の形態1のキャップ膜と従来のキャップ膜とにおける電界強度とCuドリフトとの関係を示す概念図である。従来のキャップ膜231は、low−k膜220の比誘電率k1よりも十分大きい比誘電率k2を有していた。かかる場合、図8(a)に示すように、Cu膜260で示す2つのCu配線間では、比誘電率が大きいキャップ膜231、特に、その上部、すなわち、Cu配線上端部において、相対的に電界30が密となり、最も電界強度が大きくなる。そのため、Cu配線上端部において、Cuイオンのドリフトが生じやすくなる。これに対し、実施の形態1のキャップ膜230は、low−k膜220の比誘電率k1よりも小さい比誘電率k2を有している。かかる場合、図8(b)に示すように、Cu膜260で示す2つのCu配線間では、電界30が分散され、Cu配線上端部において、相対的に電界30が疎となり、電界強度が小さくなる。そのため、Cu配線上端部において、Cuイオンのドリフトを抑制することができる。また、Cu配線の上端部以外は、バリアメタル膜240で側面側および底面側が覆われており、元々Cuイオンのドリフトが生じにくい。
【0040】
以上のように、キャップ膜230の比誘電率k2をlow−k膜220の比誘電率k1よりも小さくすることで、Cuイオンのドリフトを抑制することができる。その結果、TDDB寿命の長寿命化を図ることができる。
【0041】
図9は、実施の形態1における拡散防止膜の食い込みの有無によるCuドリフトの様子を比較した概念断面図である。仮に、拡散防止膜270がキャップ膜230に食い込まずに、拡散防止膜270とキャップ膜230との界面が図9(a)に示すように平面のみであった場合、2つのCu膜260による配線間において、電界強度が大きく生じればCuイオンのドリフトが生じることになる。これに対し、実施の形態1では、拡散防止膜270がキャップ膜230に食い込んでいるので、図9(b)に示すように、電界強度が大きくCuイオンがドリフトを起こす場合でも、食い込み箇所が進行の障害となり、隣のCu配線まで到達しにくくなる。このように、拡散防止膜270の一部をキャップ膜230に食い込ませて界面を平面ではなくすことでCuイオンのドリフトを抑制することができる。
【0042】
実施の形態1では、キャップ膜230の比誘電率k2をlow−k膜220の比誘電率k1よりも小さくすることに加えて、さらに、拡散防止膜270の一部をキャップ膜230に食い込ませて界面を平面ではなくすことで、Cuイオンのドリフトをより抑制することができる。
【0043】
図10は、実施の形態1におけるキャップ膜の比誘電率と、配線層一層分全体での実効的な比誘電率との関係をシミュレーションした結果を示す図である。図10において、縦軸は配線層全体での実効的な比誘電率、横軸はキャップ膜230の比誘電率を示している。実効誘電率は二次元電磁界シミュレーションにより求めた。ここでも前提として、low−k膜220の比誘電率kを2.7、拡散防止膜270の比誘電率kを3.7とし、配線部分と絶縁部分とが140nmピッチの密集配線構造の線間容量を計算して結果を求めた。その結果、図10に示すように、キャップ膜230を低誘電率化することにより、実効誘電率の低減を図ることができる。
【0044】
以上のように、実施の形態1では、キャップ膜230の比誘電率k2をlow−k膜220の比誘電率k1よりも小さくすることで、配線層全体として、従来よりもさらなる低誘電率化を図ることができる。
【0045】
実施の形態2.
実施の形態1では、ポア12やガス抜き穴14によってポーラスな状態になったキャップ膜230上に拡散防止膜270を形成することで拡散防止膜270の一部を食い込ませる構成について説明した。しかし、キャップ膜230は、ポーラス膜に限るものではない。実施の形態2では、ポーラス膜ではないキャップ膜の場合について説明する。
【0046】
図11は、実施の形態2における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。図11において、実施の形態2の半導体装置の製造方法では、ポロジェン含有キャップ膜形成工程(S106)の代わりに、低誘電率キャップ膜形成工程(S108)を加えた点と、ポロジェン除去工程(S120)が無くなった点以外は、図1と同様である。エッチングストッパ膜形成工程(S102)からlow−k膜形成工程(S104)までの各工程の内容は、実施の形態1と同様である。
【0047】
図12は、図11のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。図12では、図11の低誘電率キャップ膜形成工程(S108)から開口部形成工程(S110)までと拡散防止膜形成工程(S122)とを示している。
【0048】
図12(a)において、低誘電率キャップ膜形成工程(S108)として、low−k膜220上に、低誘電率材料を用いてキャップ膜232を例えば20〜40nmの厚さで形成する。例えば、SOD法を用いてキャップ膜232を形成する。キャップ膜232は、膜厚が、low−k膜220よりも薄く形成される。キャップ膜232の材料としては、後工程としてポロジェン除去の必要がなく、内部にポアが無くとも比誘電率がlow−k膜220よりも低い材料が用いられる。上述したSiOCH系ではなく、例えば、炭素(C)を含有するポリマー材料が好適である。例えば、フッ化炭素(CF)を含むポリマー材料がより好適である。かかる材料により、low−k膜220よりも比誘電率が低い、比誘電率kが、1.5〜2.0の低誘電率キャップ膜232を得ることができる。形成方法は、SOD法に限らず、CVD法を用いても構わない。
【0049】
図12(b)において、開口部形成工程(S110)として、図示しないレジストパターンをマスクとして、露出したキャップ膜232とその下層のlow−k膜220を異方性エッチング法により選択的にエッチングして、配線溝或いはヴィアホールとなる開口部150を形成する。その際、エッチングストッパ膜210をエッチングストッパとしてエッチングする。その後、エッチングストッパ膜210をエッチングして、基板200まで届くように開口部150を形成する。その他の内容は、実施の形態1と同様である。例えば、一例として、RIE法により開口部150を形成する場合には、バイアス電圧等を調整することで、機械的強度が弱いキャップ膜232とその下のlow−k膜220を保護すればよい。その後のバリアメタル膜形成工程(S112)から研磨工程(S118)までの各工程は、実施の形態1と同様である。研磨工程(S118)の際には、研磨荷重やスラリの調整により機械的強度が弱いキャップ膜232を保護すればよい。
【0050】
図12(c)において、拡散防止膜形成工程(S122)として、CVD法を用いて、キャップ膜232上にCuの拡散を防止する拡散防止膜270(バリア膜)を形成する。例えば、キャップ膜232上に20〜40nmの膜厚で形成する。ここでは、キャップ膜232にポアが存在しないので、拡散防止膜270がキャップ膜232中に食い込まずにキャップ膜232上に堆積することになる。その他の内容は、実施の形態1と同様である。
【0051】
以上のようにして、キャップ膜232の比誘電率k2をlow−k膜220の比誘電率k1よりも小さくした一層分の配線層を形成することができる。かかる場合でも図6〜8で説明したように、Cuイオンのドリフトを抑制することができる。その結果、TDDB寿命の長寿命化を図ることができる。また、図10で説明したように、かかるCu配線層全体でのさらなる低誘電率化を図ることができる。
【0052】
以上の説明において、上記各実施の形態における配線層の材料として、Cu以外に、Cu−Sn合金、Cu−Ti合金、Cu−Al合金等の、半導体産業で用いられるCuを主成分とする材料を用いても同様の効果が得られる。
【0053】
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、上述した例では、シングルダマシン法により一層分の配線層を形成する場合について説明したが、デュアルダマシン法により配線とヴィアプラグとを同時に形成する場合の主たる絶縁膜となるlow−k膜と配線上部側面側に位置することになるキャップ膜とについても同様に成り立つ。また、デュアルダマシン法でのキャップ膜とその上に形成される拡散防止膜とについても同様に成り立つ。
【0054】
さらに、層間絶縁膜の膜厚や、開口部のサイズ、形状、数などについても、半導体集積回路や各種の半導体素子において必要とされるものを適宜選択して用いることができる。
【0055】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての半導体装置及び半導体装置の製造方法は、本発明の範囲に包含される。
【0056】
また、説明の簡便化のために、半導体産業で通常用いられる手法、例えば、フォトリソグラフィプロセス、処理前後のクリーニング等は省略しているが、それらの手法が含まれ得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態1における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図2】図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図3】図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図4】図1のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【図5】実施の形態1における拡散防止膜がキャップ膜に食い込んだ状態を示す概念図である。
【図6】実施の形態1におけるキャップ膜の比誘電率と、拡散防止膜とキャップ膜との界面での電界強度との関係をシミュレーションした結果を示す図である。
【図7】実施の形態1におけるキャップ膜の比誘電率と、TDDB寿命との関係を示す予測図である。
【図8】実施の形態1のキャップ膜と従来のキャップ膜とにおける電界強度とCuドリフトとの関係を示す概念図である。
【図9】実施の形態1における拡散防止膜の食い込みの有無によるCuドリフトの様子を比較した概念断面図である。
【図10】実施の形態1におけるキャップ膜の比誘電率と、配線層一層分全体での実効的な比誘電率との関係をシミュレーションした結果を示す図である。
【図11】実施の形態2における半導体装置の製造方法の要部を表すフローチャートである。
【図12】図11のフローチャートに対応して実施される工程を表す工程断面図である。
【符号の説明】
【0058】
10 ポロジェン成分、12 ポア、14 ガス抜き穴、150 開口部、170 電子線、200 基板、220 low−k膜、230,231,232 キャップ膜、240 バリアメタル膜、260 Cu膜、270 拡散防止膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に、ポアが形成されるキャップ膜を形成する工程と、
前記キャップ膜と前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、
前記開口部内に導電性材料を堆積させる工程と、
前記開口部内に前記導電性材料が堆積させられた後に、前記ポアの一部を残しながら一部が前記キャップ膜中に食い込むように、前記キャップ膜上に前記導電性材料の拡散を防止する拡散防止膜を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記キャップ膜を形成する際に、ポロジェン成分を含有する材料を用いて、前記ポロジェン成分を残すように前記キャップ膜が形成され、
前記開口部内に前記導電性材料が堆積させられた後であって前記拡散防止膜が形成される前に、前記キャップ膜中から前記ポロジェン成分を除去する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
基体上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に、ポロジェン成分を含有する材料を用いて前記ポロジェン成分を残すようにキャップ膜を形成する工程と、
前記キャップ膜と前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、
前記開口部内に導電性材料を堆積させる工程と、
前記開口部内に前記導電性材料が堆積させられた後に、前記キャップ膜中から前記ポロジェン成分を除去して前記絶縁膜よりも低い比誘電率を有する多孔質のキャップ膜を得る工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
基体上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された、前記絶縁膜の比誘電率よりも低い比誘電率のキャップ膜と、
前記キャップ膜と前記絶縁膜とが側面に位置するように配置された配線と、
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
一部が前記キャップ膜中に食い込むように前記配線及び前記キャップ膜上に形成された前記配線の材料の拡散を防止する拡散防止膜をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−103329(P2010−103329A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273818(P2008−273818)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】