説明

半導体装置の製造方法

【課題】バッチ・ロードロック装置で一度でも使用したウエハ収納容器は表面深くハロゲン・イオンがトラップされているため、洗浄しても除去困難である。その為、そのようなウエハ収納容器内に収容したままで、ウエハを比較的長期間保管等すると、ハロゲン・イオンと雰囲気中の水分が反応して、腐食性の物質を生じる結果、アルミニウム配線、電極、およびパッド等の金属部分を腐食するという問題が発生する。
【解決手段】半導体装置生産ラインにおいてバッチ・ロードロック装置で使用したウエハ収納容器は非バッチ・ロードロック装置や保管等に使用しないようにすることにより、ウエハ収納容器からのハロゲン汚染に起因する金属部分の腐食等を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置(または半導体集積回路装置)の製造方法におけるウエハの搬送技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
日本特開2006−049683号公報(特許文献1)には、搬送用期中に保管されたウエハに付着した揮発性成分の燐含有ガスが雰囲気中の水分と反応して燐酸を生じ、当該ウエハに障害を発生させる等の問題を解決する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−049683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体のウエハ・プロセスを行う半導体装置生産ラインにおいては、ハロゲン含有ガスを用いるエッチング・プロセス等が多数存在する。このようなハロゲン含有ガス関連プロセスに用いるウエハ処理装置の中には、複数のウエハをウエハ収納容器(ウエハ・カセット、ウエハ・マガジン、スミフ・ポッド、フープなど)に収納したまま真空領域に導入して処理を実行するものもある。本願では、このような装置を「バッチ・ロードロック装置」という。
【0005】
しかし、本願発明者らが検討したところによると、バッチ・ロードロック装置で一度でも使用したウエハ収納容器は表面深くハロゲン・イオンがトラップされているため、洗浄しても除去困難である。その為、そのようなウエハ収納容器内に収容したままで、ウエハを比較的長期間保管等すると、ハロゲン・イオンと雰囲気中の水分が反応して、腐食性の物質を生じる結果、アルミニウム配線、電極、およびパッド等の金属部分を腐食するという問題が発生する。
【0006】
本発明の目的は、信頼性の高い半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0009】
すなわち、本願発明はバッチ・ロードロック装置で使用したウエハ収納容器は他のタイプの装置、すなわち、「非バッチ・ロードロック装置」や保管等に使用しないようにするものである。
【発明の効果】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0011】
すなわち、半導体装置生産ラインにおいてバッチ・ロードロック装置で使用したウエハ収納容器は非バッチ・ロードロック装置や保管等に使用しないようにすることにより、ウエハ収納容器からのハロゲン汚染に起因する金属部分の腐食等を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
〔実施の形態の概要〕
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
【0013】
1.以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)複数のウエハを第1のウエハ収納容器に収容した状態で、前記第1のウエハ収納容器ごとハロゲン含有ガスを使用する第1のウエハ処理装置の第1のロードロック室内に収容して、真空引きする工程;
(b)前記工程(a)の後、前記複数のウエハを順次または一括して前記第1のウエハ処理装置の第1の反応室内で前記ハロゲン含有ガスを使用して第1の処理を実行する工程;
(c)前記複数のウエハを第2のウエハ収納容器に収容した状態で、ハロゲン含有ガスを使用するが第2のウエハ収納容器ごと第2のウエハ処理装置の第2のロードロック室内に収容することなく、前記複数のウエハを順次または一括して前記第2のウエハ処理装置の第2の反応室内で前記ハロゲン含有ガスを使用して第2の処理を実行するか、または、ハロゲン含有ガスを使用することなく、前記複数のウエハを順次または一括して前記第2のウエハ処理装置の前記第2の反応室内で前記第2の処理を実行する工程;
(d)前記工程(b)の後、前記複数のウエハを第3のウエハ収納容器または前記第2のウエハ収納容器に収容した状態で保管する工程、
ここで、前記第3のウエハ収納容器または前記第2のウエハ収納容器は前記工程(a)を経験したことがない。
【0014】
2.前記1項の半導体装置の製造方法において、前記第3のウエハ収納容器または前記第2のウエハ収納容器は、更に他のいずれの処理装置においても、前記第3のウエハ収納容器または前記第2のウエハ収納容器ごとハロゲン含有ガスを使用する前記他のいずれの処理装置のロードロック室内に収容されて、真空引きされたことがない。
【0015】
3.前記1または2項の半導体装置の製造方法において、前記第1、第2および第3のウエハ収納容器はウエハ・カセットである。
【0016】
4.前記1から3項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記第1のウエハ処理装置はアルミニウムを主要な成分とする膜のドライエッチング装置である。
【0017】
5.前記1から3項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記第1のウエハ処理装置はシリコン酸化膜のドライエッチング装置である。
【0018】
〔本願における記載形式・基本的用語・用法の説明〕
1.本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクションに分けて記載する場合もあるが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しを省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
【0019】
2.同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、A以外の要素を主要な構成要素のひとつとするものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。
【0020】
半導体技術において、多用される絶縁膜は、主として有機材料を主要な構成要素とする有機系絶縁膜(ポリイミド膜、BCB膜などの外、有機系モノマーと無機系モノマーの共重合体を含む)と、主として無機材料を主要な構成要素とする無機系絶縁膜に分けられる。無機系絶縁膜の内、もっとも多用されているのは、シリコン含有無機系絶縁膜である。このシリコン含有無機系絶縁膜は、酸化シリコン膜(酸化シリコン・ベース絶縁膜)と非酸化シリコン膜(一般に酸素含有量が数at%以下、通常SiCNなどで0.5at%前後またはそれ以下)に大別される。非酸化シリコン膜の代表は窒化シリコン膜(SiNまたはSi)、シリコンカーバイド(SiC)、SiCN等の非シリカ・ガラス系シリコン含有無機系絶縁膜である(なお、SiN、SiC、SiCN等と表示されているが、一般にはかなりの量の水素を含有する。また、その他の微量含有物を排除するものではない)。さらに、化学量論的な化合物等だけでなく非化学量論的な化合物等も含むことは言うまでもない。
【0021】
ここで「酸化シリコン膜」または「シリコン酸化膜」と言っても、比較的純粋な非ドープ酸化シリコン(Undoped Silicon Dioxide)だけでなく、FSG(Fluorosilicate Glass)、TEOSベース酸化シリコン(TEOS-based silicon oxide)、SiOC(Silicon Oxicarbide)またはカーボンドープ酸化シリコン(Carbon-doped Silicon oxide)またはOSG(Organosilicate glass)、PSG(Phosphorus Silicate Glass)、BPSG(Borophosphosilicate Glass)等の熱酸化膜、CVD酸化膜、無機シロキサン系のHSQ(Hydrogen Silsesquioxane)や有機シロキサン系のMSQ(Methyl Silsesquioxane)等のSOG(Spin ON Glass)、ナノ・クラスタリング・シリカ(Nano-Clustering Silica:NSC)等の塗布系酸化シリコン(塗布系シリカ・ガラス)、これらと同様な部材に空孔を導入したシリカ系Low-k絶縁膜(ポーラス系絶縁膜)、およびこれらを主要な構成要素とする他のシリコン系絶縁膜との複合膜等を含むことは言うまでもない。SiOCやSiCNで2番目以降の元素の順序は、一般に元素組成の多い順とされている。従って、酸化シリコンカーバイドSiCOはカーボンドープ酸化シリコンSiOCよりも酸素組成が少ない。
【0022】
なお、カーボンドープ酸化シリコン膜やMSQ膜は相当量の有機成分を含むが有機ポリマー系絶縁膜との対比上、無機系膜に分類される。
3.同様に、図形、位置、属性等に関して、好適な例示をするが、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、厳密にそれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0023】
4.さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
【0024】
5.「ウエハ」というときは、通常は半導体装置(半導体集積回路装置、電子装置も同じ)をその上に形成する単結晶シリコンウエハを指すが、エピタキシャルウエハ、絶縁基板と半導体層等の複合ウエハ等も含むことは言うまでもない。
【0025】
6.「ロードロック室」とは、一般にウエハ処理室のガス組成や真空度の制御が敏感にプロセスに影響するウエハ処理装置(ドライエッチング装置、CVD装置など)において、外気がウエハ処理室に入らないように、ウエハ処理室と外界の間に設けられた真空引き可能な予備室のことを言う。
【0026】
7.「ウエハ収納容器」とは、ウエハ・カセット、ウエハ・マガジン、スミフ・ポッド(SMIF POD)、フープ(FOUP)などのように処理または保管用にウエハを保持し、その状態で処理装置のロードポート等にセットされるものである。搬送等のためにウエハ・カセット等を収容する箱は搬送箱である。
【0027】
8.「バッチ・ロードロック装置」とは、本願では複数のウエハをウエハ収納容器に収納したまま真空領域(ロードロック室)に導入して処理を実行するものを言う。それ以外の装置を「非バッチ・ロードロック装置」という。
【0028】
〔実施の形態の詳細〕
実施の形態について更に詳述する。各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
【0029】
1.本実施の形態に使用するバッチ・ロードロック装置の説明(主に図1)
図1は本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法に使用するバッチ・ロードロック装置におけるウエハ処理の様子を説明するための模式断面図である。図1に基づいてバッチ・ロードロック装置におけるウエハ収納容器2aの動きを説明する。
【0030】
図1に示すように、複数のウエハを収容したウエハ・カセット2aは大気圧下で第1のウエハ処理装置31の外部ゲート25を通して第1のロードロック室24に導入される。導入後、外部ゲート25は閉じられ、第1のロードロック室24の真空引きが開始される。真空引きが完了すると、内部ゲート23が開いて、第1のロードロック室24と真空状態に保たれた第1の反応室21aが連結される。次に、処理対象ウエハ1がウエハ・ステージ22上に置かれ、内部ゲート23が閉じて、ハロゲン含有ガスが第1の反応室21aに導入され、第1のウエハ処理が行われる。処理完了後、ハロゲン含有ガス等の残留ガスは真空排気される。その後、内部ゲート23が開いて、真空状態で処理完了ウエハ1はウエハ・カセット2aのもとのスロットに戻される。以後、次の被処理ウエハ1に対して同様の手順が繰り返されて、すべてのウエハの処理が完了すると、内部ゲート23が閉じて、第1のロードロック室24が大気圧に戻される。その後、外部ゲート25が開き、ウエハ・カセット2aが排出される。
【0031】
2.本実施の形態における汚染メカニズムの説明(主に図2から5)
図2は本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法に使用するウエハ・カセットの断面図(図2a)および上面図(図2b)である。また、図3から5は図2のウエハ・カセット枠体A部分の拡大断面図である。これらに基づいて、カセット汚染のメカニズムを説明する。
【0032】
図2に示すように、ウエハ・カセット2は一般にフッ素樹脂その他の耐薬品性の有機ポリマーで作られており、スロット3を固定する周りの枠部からできている。図3に示すように、未使用のまたは汚染されていないウエハ・カセット2のA部分の断面は、樹脂コア層6a、樹脂表面層6b(樹脂コア層6aと一体のポリマーであるが表面にあるため外部の影響を受けやすい部分)、および通常吸着層4からなっている。
【0033】
一方、図4は未使用のまたは汚染されていないウエハ・カセット2を真空引きした場合のA部分の断面である。図4に示すように、通常吸着層4が除去されているのがわかる。この状態でハロゲン汚染されたウエハ1がウエハ・カセット2に置かれると、図5に示すように、ウエハ表面の汚染物質は気化して表面が活性化された樹脂表面層6bに吸着され、汚染吸着層5を形成し、一部は樹脂表面層6bの内部に入り込む。この汚染吸着層5は洗浄によって除去できるが、樹脂表面層6bの内部に入り込んだ汚染物質は、除去が困難である。このため、一度、汚染されたウエハ・カセット2を洗浄して使用しても、樹脂表面層6bの内部から、たとえばフッ素系イオン(ハロゲン系汚染物質)が放出され、それと空気中の水分等が反応して酸を生じ、それにより金属部分の腐食を生ずる。
【0034】
従って、この汚染対策としては、以下のような方法が有効である。
(1)バッチ・ロードロック装置で一度でも使用したウエハ収納容器は、ウエハの保管や非バッチ・ロードロック装置に使用しない。少なくとも、ハロゲン含有ガスを使用するバッチ・ロードロック装置(「ハロゲン使用バッチ・ロードロック装置」)で一度でも使用したウエハ収納容器は、ウエハの保管や非バッチ・ロードロック装置に使用しない。
(2)バッチ・ロードロック装置で用いるウエハ収納容器(「汚染されたウエハ収納容器」)と非バッチ・ロードロック装置で使用するウエハ収納容器(「クリーンなウエハ収納容器」)を完全に分けて、ウエハ収納容器のライフ・スパンに渡って、相互に混ざらないようにする。
(3)バッチ・ロードロック装置で処理を完了したウエハは、速やかにクリーンなウエハ収納容器に入れ替える。
【0035】
3.本実施の形態におけるウエハ処理ライン内の全体の流れの説明(主に図6)
図6は本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための半導体装置生産ラインの部分レイアウト図である。図6に基づいて、本実施の形態におけるウエハ処理ライン内の全体の流れを説明する。
【0036】
図6に示すように、ハロゲン使用バッチ・ロードロック装置31でウエハが処理されたウエハ・カセット2aは搬送系32を介して、ウエハ移し変え装置33に移送され、そこでクリーンなウエハ収納容器2bに移し変えられる。その後、クリーンなウエハ収納容器2bは搬送系32を介して、非バッチ・ロードロック装置(場合によってはハロゲン含有ガスを使用しないバッチ・ロードロック装置でもよい)である第2のウエハ処理装置34に送られる。この場合は、第2のロードロック室に導入されるのはウエハ1のみであるから、第2の反応室21bで第2の処理をされても、ハロゲン系ガスを使用するしないにかかわらず汚染の恐れは少ない。ただし、ウエハ収納容器の定期的な洗浄を条件とする。その後、第2の処理がされたウエハは第2のウエハ収納容器2bまたはクリーンな第3のウエハ収納容器2cに収納された状態で、ストッカ領域35において、保管される。
【0037】
4.本実施の形態におけるクリーン・カセットの具体例の説明(主に図7)
図7は本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法において、汚染カセットからクリーン・カセットへウエハを移し変える様子を説明した模式断面図である。ウエハ・カセットを例にとれば、セクション2または3で説明した汚染されたウエハ収納容器からクリーンなウエハ収納容器へのウエハの移し変えは、図7に示すようなものである。
【0038】
図7に示すように、汚染プロセスの直後、ウエハ1はクリーンなウエハ収納容器2bに速やかに移される。
【0039】
また、汚染プロセスの直後は、汚染カセット2aは汚染された搬送容器7a(搬送容器の場合は真空引きされないので、汚染の程度は低く、洗浄で除去可能であるが、長年使用すると汚染する可能性があるので、カセット同様に隔離的な使用方法が望ましい)に入っているので、クリーンな搬送容器7bに速やかに、入れ替えられる。
【0040】
5.本実施の形態におけるクリーン・カセットの他の具体例の説明(主に図8)
図8は本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法において、汚染カセットからその他の形式のクリーン・カセットへウエハを移し変える様子を説明した模式断面図である。同様に他のタイプのウエハ・カセットを例にとれば、セクション2または3で説明した汚染されたウエハ収納容器からクリーンなウエハ収納容器へのウエハの移し変えは、図8に示すようなものである。
【0041】
図8に示すように、汚染プロセスの直後、ウエハ1はクリーンなウエハ収納容器2bに速やかに移される。
【0042】
また、汚染プロセスの直後は、汚染カセット2aは汚染された搬送容器7a(搬送容器の場合は真空引きされないので、汚染の程度は低く、洗浄で除去可能であるが、長年使用すると汚染する可能性があるので、カセット同様に隔離的な使用方法が望ましい)に入っているので、クリーンな搬送容器7bに速やかに、入れ替えられる。
【0043】
この場合は、ドライ・エアまたは窒素ガス流8を供給して、ウエハ1上の汚染をすみやかに除去している。
【0044】
6.サマリ
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0045】
例えば、前記実施形態ではウエハ収納容器とウエハ搬送容器(カセット搬送容器)が分離したものを例にとり、詳細に説明したが、本願発明はそれらに限定されるものではなく、ウエハ収納容器とウエハ搬送容器が一体となったものにも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法に使用するバッチ・ロードロック装置におけるウエハ処理の様子を説明するための模式断面図である。
【図2】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法に使用するウエハ・カセットの断面図(図2a)および上面図(図2b)である。
【図3】図2のウエハ・カセット枠体A部分の拡大断面図(通常の場合)である。
【図4】図2のウエハ・カセット枠体A部分の拡大断面図(真空引きした状態)である。
【図5】図2のウエハ・カセット枠体A部分の拡大断面図(吸着層が深く浸透した状態)である。
【図6】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための半導体装置生産ラインの部分レイアウト図である。
【図7】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法において、汚染カセットからクリーン・カセットへウエハを移し変える様子を説明した模式断面図である。
【図8】本発明の一実施形態の半導体装置の製造方法において、汚染カセットからその他の形式のクリーン・カセットへウエハを移し変える様子を説明した模式断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 半導体ウエハ
2a 第1のウエハ収納容器
2c 第2のウエハ収納容器
2d 第3のウエハ収納容器
21a 第1の反応室
21b 第2の反応室
24 第1のロードロック室
31 第1のウエハ処理装置
34 第2のウエハ処理装置
37 第2のロードロック室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)複数のウエハを第1のウエハ収納容器に収容した状態で、前記第1のウエハ収納容器ごとハロゲン含有ガスを使用する第1のウエハ処理装置の第1のロードロック室内に収容して、真空引きする工程;
(b)前記工程(a)の後、前記複数のウエハを順次または一括して前記第1のウエハ処理装置の第1の反応室内で前記ハロゲン含有ガスを使用して第1の処理を実行する工程;
(c)前記複数のウエハを第2のウエハ収納容器に収容した状態で、ハロゲン含有ガスを使用するが第2のウエハ収納容器ごと第2のウエハ処理装置の第2のロードロック室内に収容することなく、前記複数のウエハを順次または一括して前記第2のウエハ処理装置の第2の反応室内で前記ハロゲン含有ガスを使用して第2の処理を実行するか、または、ハロゲン含有ガスを使用することなく、前記複数のウエハを順次または一括して前記第2のウエハ処理装置の前記第2の反応室内で前記第2の処理を実行する工程;
(d)前記工程(b)の後、前記複数のウエハを第3のウエハ収納容器または前記第2のウエハ収納容器に収容した状態で保管する工程、
ここで、前記第3のウエハ収納容器または前記第2のウエハ収納容器は前記工程(a)を経験したことがない。
【請求項2】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記第3のウエハ収納容器または前記第2のウエハ収納容器は、更に他のいずれの処理装置においても、前記第3のウエハ収納容器または前記第2のウエハ収納容器ごとハロゲン含有ガスを使用する前記他のいずれの処理装置のロードロック室内に収容されて、真空引きされたことがない。
【請求項3】
前記2項の半導体装置の製造方法において、前記第1、第2および第3のウエハ収納容器はウエハ・カセットである。
【請求項4】
前記3項の半導体装置の製造方法において、前記第1のウエハ処理装置はアルミニウムを主要な成分とする膜のドライエッチング装置である。
【請求項5】
前記3項の半導体装置の製造方法において、前記第1のウエハ処理装置はシリコン酸化膜のドライエッチング装置である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−123978(P2009−123978A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−297437(P2007−297437)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】