説明

半導体装置の製造方法

【課題】微細な配線を高アスペクト比かつ高密度で形成できる、半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】層間絶縁膜に隣り合う第1配線溝と第2配線溝を形成し、第1配線溝内に第1配線とその上の空間および第2配線溝内に第2配線とその上の空間を設け、等方性エッチングを行って、第1配線溝の幅が拡大されてなる第1マスク溝と第2配線溝の幅が拡大されてなる第2マスク溝を形成し、第1マスク溝及び第2マスク溝にマスク用絶縁材料を充填して、第1マスク溝内の第1マスク絶縁膜と第2マスク溝内の第2マスク絶縁膜を形成し、第1マスク絶縁膜及び第2マスク絶縁膜をマスクとして利用する異方性エッチングを行って、第1配線と第2配線との間を通過し上記層間絶縁膜を貫通するホールを、第1マスク絶縁膜と第2マスク絶縁膜に対して自己整合的に形成し、このホールに導電材料を充填してプラグを形成する、半導体装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の微細化の進展に伴い、素子間を接続する配線の幅も縮小している。配線幅の縮小によって配線の電気抵抗が上昇すると所定の回路動作が困難となる。そこで、配線として用いる導電膜の膜厚を増加させることによって配線抵抗の上昇を抑制できるが、その際には以下のような問題があった。
【0003】
微細化した配線を精度よく加工するには、ハードマスクを用いたエッチングが一般的に行われている。配線用の導電膜の膜厚の増加に伴い、エッチングの耐性を確保するためにハードマスクも厚膜化する必要がある。このためハードマスクそのものを精度よく加工することが困難になった。また、配線上に設けたハードマスク部分も含めて、エッチング後の配線のアスペクト比が増加したことにより、製造工程中に配線層が倒れると言う現象が発生し、製造歩留まり低下の原因となっていた。
【0004】
厚膜化した配線層を、ハードマスクを用いずに加工する方法として、層間絶縁膜に配線パターンに対応した溝を形成し、導電膜を充填するダマシン法が知られている。例えば、特許文献1には、ポリシングストッパ膜を利用した化学的機械的研磨を行って半導体基板上の層間絶縁膜にダマシン配線を形成する方法が記載されている。
【0005】
他方、配線を高密度に配置するための技術として、セルフアライン法(SAC法)が知られている。セルフアライン法によれば、例えば特許文献2に記載されているように、配線の上面および側面をエッチング保護絶縁膜で覆い、層間絶縁膜にプラグ用ホールを形成するためのドライエッチングを行うことで、容易に、配線に隣接したホールを形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−091340号公報
【特許文献2】特開2002−319551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ダマシン法を用いれば上述のエッチングによる配線形成における問題は解消できる。しかしながら、ダマシン法により形成した配線間にコンタクトプラグを配置する場合は、ダマシン配線が形成された時点で配線周囲が層間絶縁膜に覆われているため、セルフアライン法が使えないという問題があった。そのため、短絡防止の観点から、配線とコンタクトプラグとの間には十分なスペースを設ける必要があった。従って、例えばメモリセルのように複数の配線とコンタクトプラグを細密に配置する場合には、配線の占有面積が増加し、高密度化が困難となる。
【0008】
このように、微細化による配線抵抗の上昇を抑制するためにアスペクト比の大きい配線を歩留まりよく形成することと、高密度化のために配線とコンタクトプラグを近接配置することを同時に達成することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、層間絶縁膜に、第1配線溝と、該第1配線溝と隣り合う第2配線溝を形成する工程と、
前記第1配線溝内に、第1配線および該第1配線上の空間を設けるとともに、前記第2配線溝内に、第2配線および該第2配線上の空間を設ける工程と、
等方性エッチングを行って、前記第1配線溝の幅が拡大されてなる第1マスク溝を形成するとともに、前記第2配線溝の幅が拡大されてなる第2マスク溝を形成する工程と、
前記第1マスク溝および前記第2マスク溝にマスク用絶縁材料を充填して、該第1マスク溝内の第1マスク絶縁膜と、該第2マスク溝内の第2マスク絶縁膜を形成する工程と、
前記第1マスク絶縁膜および前記第2マスク絶縁膜をマスクとして利用する異方性エッチングを行って、前記第1配線と前記第2配線との間を通過し前記層間絶縁膜を貫通するホールを、前記第1マスク絶縁膜と前記第2マスク絶縁膜に対して自己整合的に形成する工程と、
前記ホールに導電材料を充填してプラグを形成する工程を含む、半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、微細な配線を高アスペクト比かつ高密度で形成できる、半導体装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】DRAM(dynamic random access memory)のメモリセル部の構造を示す平面図。
【図2】図1のA−A’線に沿った断面図。
【図3】図1及び図2に示す構造の一実施形態による製造方法を説明するための断面図。
【図4】図3A及び図3Bに示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【図5】図4A及び図4Bに示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【図6】図5A及び図5Bに示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【図7】図6A及び図6Bに示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【図8】図7A及び図7Bに示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【図9】図8A及び図8Bに示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【図10】図9A及び図9Bに示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【図11】図10A及び図10Bに示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【図12】図11A及び図11Bに示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【図13】図12A及び図12Bに示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【図14】他の実施形態による製造方法を説明するための断面図。
【図15】図14に示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【図16】図15に示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【図17】図16に示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【図18】図17に示す構造の形成工程に続く工程を説明するための断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態による半導体装置の製造方法においては、まず、酸化シリコン等からなる層間絶縁膜に、第1配線溝と、この第1配線溝と隣り合う第2配線溝を形成する。この層間絶縁膜は、これらの溝内に後に形成する第1配線および第2配線の厚みより十分に厚く形成する。この層間絶縁膜が厚すぎると、精度よく第1配線溝および第2配線溝を形成することが困難になり、また第1配線溝内および第2配線溝内への第1配線および第2配線の形成が困難になる。逆に、この層間絶縁膜が薄すぎると、後に形成する第1マスク絶縁膜および第2マスク絶縁膜の厚みを所望の厚みにすることが困難になる。この層間絶縁膜の厚みは、例えば、後に形成する第1配線および第2配線の厚みの1.2倍以上が好ましく、1.5倍以上がより好ましく、1.8倍以上がさらに好ましく、また、5倍以下が好ましく、3倍以下がより好ましく、2.5倍以下がさらに好ましい。
【0013】
次に、第1配線溝内に、第1配線およびこの第1配線上の空間を設けるとともに、第2配線溝内に、第2配線およびこの第2配線上の空間を設ける。この工程は、次のようにして行うことができる。まず、第1配線溝および第2配線溝を充填するように上記層間絶縁膜上に導電膜を形成する。その後、第1配線溝および第2配線溝の外の導電膜を除去し、さらに第1配線溝内の導電膜の上部(上記の第1配線上の空間に対応)および第2配線溝内の導電膜の上部(上記の第2配線上の空間に対応)を除去する。その際、残存させる第1配線および第2配線の厚みは、当該第1配線および第2配線の厚みに対する前述の層間絶縁膜の厚みの比率に従って、以下の範囲を満たすことが好ましい。第1配線および第2配線の厚みTと、第1配線溝および第2配線溝の深さ(層間絶縁膜の厚みに相当)Dとの比(T/D)は、1/5以上が好ましく、1/3以上がより好ましく、1/2.5以上がさらに好ましく、また、1/1.2以下が好ましく、1/1.5以下がより好ましく、1/1.8以下がさらに好ましい。
【0014】
次に、等方性エッチングを行って、第1配線溝の幅が拡大されてなる第1マスク溝を形成するとともに、第2配線溝の幅が拡大されてなる第2マスク溝を形成する。ここで、第1配線溝の幅および第2配線溝の幅とは、当該配線溝の延長方向(長手方向)に垂直な方向のサイズを意味する。
【0015】
隣り合う第1マスク溝と第2マスク溝との間隔Pは、後に形成するホールの開口サイズ(第1配線と第2配線の延長方向(長手方向)に垂直な方向に沿った開口サイズ)に対応し、すなわち、後にこのホール内に形成されるビアの径に対応する。
【0016】
このような等方性エッチングにより、第1配線溝および第2配線溝の幅が拡大するとともに、これらの溝内の深さ方向へもエッチングが進行し、当該溝内の第1配線および第2配線の上端部の側面が露出する。第1配線および第2配線の側面全体を露出させる必要はなく、当該配線の厚みに対して配線上端から厚み方向に50%以下の側面が露出していることが好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。このように配線側面の露出を抑えるようにエッチングを行うことにより、隣り合う溝間に十分なスペース(間隔P)を確保でき(すなわち所望のビア径が得られ)、また、マスク用絶縁材料の誘電率が高い場合であっても、隣り合うプラグと配線と間の寄生容量を抑えることができる。
【0017】
次に、第1マスク溝および第2マスク溝にマスク用絶縁材料を充填して、第1マスク溝内の第1マスク絶縁膜と、第2マスク溝内の第2マスク絶縁膜を形成する。このマスク用絶縁材料には、後に行う異方性エッチングに対するマスク材料、例えば窒化シリコンを用いることができる。この工程は、次のようにして行うことができる。まず、第1マスク溝および第2マスク溝を充填するように上記層間絶縁膜上にマスク用絶縁膜を形成する。その後、第1マスク溝および第2マスク溝の外のマスク用絶縁膜を除去する。
【0018】
次に、第1マスク絶縁膜および第2マスク絶縁膜をマスクとして利用する異方性エッチングを行って、第1配線と第2配線との間を通過し上記層間絶縁膜を貫通するホールを形成する。その際、このホールは、第1マスク絶縁膜と第2マスク絶縁膜に対して自己整合的に形成される。
【0019】
次に、上記のホールに導電材料を充填してプラグを形成する。この工程は、次のようにして行うことができる。まず、上記のホールを充填するように導電膜を形成し、その後、このホールの外の導電膜を除去する。
【0020】
本実施形態の製造方法は、半導体装置が、トランジスタ及び記憶素子を含むメモリセルがマトリクス配置されたメモリセルアレイと、このトランジスタのゲートを構成するワード線と、このワード線と交差しこのトランジスタのドレインに接続するビット線を有する場合に適用でき、前記の第1の配線および第2の配線は、このビット線として形成することができる。この場合、前記のプラグの下端は半導体基板に接触するコンタクトプラグへ接続され、当該プラグの上端は前記記憶素子に接続することができる。また、前記の第1の配線および第2の配線は、このワード線として形成することができる。また、前記の記憶素子が上部電極と下部電極とこれらの電極間に設けられた容量絶縁膜とを含むキャパシタの場合、前記のコンタクトプラグの上端はこの下部電極に接続することができる。
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態について、DRAMメモリセルの製造プロセスへの適用例を挙げて説明する。
【0022】
第1の実施形態
本発明の第1の実施形態によるDRAMのメモリセルの製造方法を、図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係るDRAMのメモリセル部の平面構造を示し、ゲート電極として機能するワード線Wを平面方向に切断する面に沿った平面図である。図2は、図1のA−A’線に沿った断面図である。これらの図においては、説明を容易にするためにメモリセルの構成要素の一部を省略している。
【0024】
図1において、活性領域Kおよびビット線6は透視的に示され、符号9a、9b、9cは活性領域K上のコンタクトプラグの位置を示し、符号5bはゲート電極(ワード線W)のサイドウォールを示し、符号3は素子分離領域を示す。なお、図中の右側の活性領域上のコンタクトプラグは省略され、図中の中央部から左側のワード線W(ゲート電極)のハッチングは省略されている。
【0025】
各メモリセルは、図2に示すように、メモリセル用のMOSトランジスタTrと、このMOSトランジスタTrに複数のプラグ9、7Aを介して接続されたキャパシタ(容量部)Caを含む。
【0026】
半導体基板1は、所定濃度のP型不純物を含有するシリコン(Si)から形成されている。この半導体基板1には、素子分離領域3が形成されている。素子分離領域3は、STI(Shallow Trench Isolation)法により形成することができる。すなわち、半導体基板に溝を形成し、この溝内に酸化シリコン膜(SiO2)等の絶縁膜を埋設することで、活性領域Kを取り囲み、隣接する活性領域K間を絶縁分離する素子分離領域が得られる。本実施形態では、1つの活性領域Kに2ビットのメモリセルが配置されている。
【0027】
各活性領域Kは、図1に示すように、細長い短冊状であり、その長手方向の一方が右斜め下向きになるように(X方向に対して所定の角度をなすように)配置されている。このように配置された活性領域Kは、Y方向に沿って配列されるとともに、活性領域Kの長手方向に沿っても配列されている。結果、6F2型メモリセルのレイアウトが形成されている。
【0028】
各活性領域Kは、二つのワード線と交差するように配置され、各活性領域の両端部と中央部にはそれぞれ不純物拡散層8が形成され、MOSトランジスタTrのソース/ドレイン領域として機能する。ソース/ドレイン領域(不純物拡散層)の直上には、基板コンタクトプラグ9が符号9a、9b、9cの位置に設けられている。
【0029】
なお、活性領域Kの形状や配列方向は、図1の配置に限定されるべきものではなく、6F2型メモリセルのレイアウトが可能な範囲で変形してもよい。
【0030】
ビット線6は、図1に示すように、図中の横(X)方向に沿って折れ線形状(湾曲形状)に延設され、図中の縦(Y)方向に所定の間隔で複数配置されている。ビット線6は、活性領域Kと交差する部分と、活性領域Kの長手方向に沿って延在する部分(長手方向と平行な部分)を有し、X方向に沿って蛇行している。
【0031】
ワード線Wは、図1に示すように、図中の縦(Y)方向に沿って直線形状に延設され、図中の横(X)方向に所定の間隔で複数配置されている。ワード線Wは、活性領域Kと交差する部分においてゲート電極5として機能する。本実施形態では、MOSトランジスタTrが、溝型のゲート電極を備えている。このMOSトランジスタでは、図2に示すように、半導体基板に形成された溝内のゲート電極5と半導体基板1との間にはゲート絶縁膜5aが設けられ、溝内の側面部分にチャネルが形成される。このような溝型のゲート電極を備えたMOSトランジスタに代えて、プレーナ型のMOSトランジスタを使用することも可能である。
【0032】
図2に示すように、半導体基板1において、素子分離領域3により区画された各活性領域K内に、ソース/ドレイン領域として機能する不純物拡散層8が形成されている。活性領域K内の隣り合う不純物活性層8は、溝型のゲート電極5により離間されている。
【0033】
ゲート電極5は、多結晶シリコン膜と金属系導電膜との多層膜からなり、半導体基板1から上方へ突出するように形成されている。ゲート電極用の多結晶シリコン膜は、CVD(chemical vapor deposition)法により形成でき、その成膜時にリン等の不純物を含有させることができる。また、成膜時に不純物を含有しないように形成した多結晶シリコン膜に、N型またはP型の不純物をイオン注入法により導入してもよい。ゲート電極用の金属系導電膜には、タングステン(W)や窒化タングステン(WN)、タングステンシリサイド(WSi)等の高融点金属を用いることができる。
【0034】
ゲート電極5の側面には窒化シリコン(Si34)などの絶縁膜からなるサイドウォール5bが形成され、ゲート電極5の上面には窒化シリコンなどのゲート上絶縁膜5cが形成され、ゲート電極5の突出部が保護されている。
【0035】
不純物拡散層8は、P型不純物を含有する半導体基板1に、N型不純物として例えばリンを導入することで形成されている。
【0036】
図2に示すように、不純物拡散層8と接触するように基板コンタクトプラグ9が形成されている。基板コンタクトプラグ9は、第1層間絶縁膜に設けられ、図1に示すように、符号9a、9b、9cの位置に配置されている。基板コンタクトプラグ9は、半導体基板上に形成された第1層間絶縁膜にホールを形成し、このホール内に、例えばリンを含有した多結晶シリコンを充填して形成することができる。基板コンタクトプラグ9の図中の横(X)方向の幅は、隣り合うワード線W(ゲート電極)に設けられたサイドウォール5bによって規定され、セルフアライン構造となっている。
【0037】
図2に示すように、第2層間絶縁膜4が、ゲート上絶縁膜5c、サイドウォール5b、基板コンタクトプラグ9及び第1層間絶縁膜(不図示)を覆うように形成されている。
【0038】
第2層間絶縁膜4を貫通するようにビット線コンタクトプラグ4Aが形成されている。ビット線コンタクトプラグ4Aは、図1に示される符号9aの位置に配置され、直下の基板コンタクトプラグ9と導通している。ビット線コンタクトプラグ4Aは、チタン(Ti)及び窒化チタン(TiN)の積層膜(TiN/Ti積層膜)からなるバリア膜上にタングステン(W)等を積層して形成できる。ビット線コンタクトプラグ4Aに接続するようにビット線6が形成されている。ビット線6は、窒化タングステン(WN)及びタングステン(W)からなる積層膜で形成できる。
【0039】
ビット線6を埋め込むように第3層間絶縁膜7及びマスク絶縁膜30が設けられている。マスク絶縁膜30は、第3層間絶縁膜7(例えば酸化シリコン膜)とは異なる材料(例えば窒化シリコン)で形成され、ビット線6の上端部を覆うように設けられている。
【0040】
第2層間絶縁膜4及び第3層間絶縁膜7を貫通して、基板コンタクトプラグ9に接続するように容量コンタクトプラグ7Aが形成されている。容量コンタクトプラグ7Aは、図1に示される符号9b、9cの位置の基板コンタクトプラグ9の直上に配置されている。
【0041】
第3層間絶縁膜7上には、容量コンタクトプラグ7Aと導通している容量コンタクトパッド10が配置されている。容量コンタクトパッド10は、窒化タングステン(WN)およびタングステン(W)からなる積層膜で形成することができる。
【0042】
容量コンタクトパッド10を覆うように、窒化シリコンからなる第4層間絶縁膜11が形成されている。
【0043】
第4層間絶縁膜11を貫通して、容量コンタクトパッド10と接続するようにキャパシタCaの下部電極13が形成されている。本実施形態におけるキャパシタCaは、このようなクラウン型の下部電極を有している。
【0044】
キャパシタCaは、下部電極13と上部電極15の間に容量絶縁膜(図示せず)を挟んだ構造を有し、下部電極13が容量コンタクトパッド10と導通している。容量絶縁膜としては酸化ジルコニウム(ZrO2)等の高誘電体膜を用いることができる。
【0045】
隣り合う下部電極13間には、両方の下部電極13の側壁の上端部に接するサポート膜14Sが設けられている。このサポート膜14Sを介して下部電極13が互いに支持されている。サポート膜14Sは、窒化シリコン等の絶縁膜を用いて形成することができる。サポート膜14Sによって、製造工程の途中における下部電極13の倒壊を防ぐことができる。
【0046】
DRAMのメモリセル部以外の領域(周辺回路領域等)には、記憶動作用のキャパシタは配置されず、第4層間絶縁膜11上に酸化シリコン等からなる第5層間絶縁膜(図示せず)が形成されている。
【0047】
キャパシタCa上には、第6層間絶縁膜20が形成され、この第6層間絶縁膜20上にはアルミニウム(Al)、銅(Cu)等の導電性材料からなる上層配線層21が形成され、さらに上層配線層21を覆う表面保護膜22が形成されている。
【0048】
次に、図1及び図2を用いて説明したDRAMメモリセルを製造する方法について、図3〜図13を参照してその一例を説明する。図3A〜図13Aは、メモリセル部を示す図1のA−A’線に沿った断面に対応する断面模式図であり、図3B〜図13Bは、メモリセル部を示す図1のB−B’線に沿った断面に対応する断面模式図である。
【0049】
まず、図3A及び図3Bに示すように、P型のシリコンからなる半導体基板1の主面に素子分離領域3を形成し、素子分離領域3で区画された活性領域を形成する。素子分離領域3は、STI法により形成することができる。すなわち、半導体基板に溝を形成し、この溝に酸化シリコン等の絶縁材料を充填し、結果、溝の形成領域に対応する素子分離領域が得られる。活性化領域は、図1に示すように符号Kの位置に設けられる。
【0050】
次に、図3Aに示すように、半導体基板1の主面に、MOSトランジスタTrのゲート電極用の溝2を形成する。溝2は、フォトリソグラフィ技術により半導体基板1上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして用いて異方性エッチングすることによって形成することができる。
【0051】
次に、熱酸化法により半導体基板1のシリコン表面を酸化して、溝2内を含む半導体基板表面に厚さ4nm程度の酸化シリコン膜を形成する。後述のゲート電極の形成後に溝2内に残った酸化シリコン膜がゲート絶縁膜5aとなる(図4A)。ゲート絶縁膜としては、酸化シリコンと窒化シリコンの積層膜やHigh−K膜(高誘電体膜)を使用してもよい。
【0052】
この後に、ゲート絶縁膜5a上に、モノシラン(SiH4)及びホスフィン(PH3)を原料ガスとしたCVD法により、N型の不純物が含有された多結晶シリコン膜を堆積する。その際に、ゲート電極用の溝2の内部が完全に多結晶シリコン膜で充填されるような膜厚に設定する。リン等の不純物を含まない多結晶シリコン膜を形成して、後の工程で所望の不純物をイオン注入法にて多結晶シリコン膜に導入してもよい。
【0053】
次に、上記多結晶シリコン膜上に、スパッタリング法により、タングステン、窒化タングステン、タングステンシリサイド等の高融点金属系材料を50nm程度の厚さに堆積させる。このようにして形成された金属系膜と前記の多結晶シリコン膜からなる積層膜から、後述する工程を経て所定のパターンを持つゲート電極5が得られる。
【0054】
次に、上記の金属系膜上に、モノシランとアンモニア(NH3)を原料ガスとして、平行平板型PE−CVD(plasma enhanced chemical vapor deposition)法により、窒化シリコンからなる絶縁膜5cを厚さ70nm程度に堆積する。
【0055】
次に、絶縁膜5c上に、フォトリソグラフィ技術により、ゲート電極形成用のレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして異方性エッチングを行って、絶縁膜5cをパターニングする。レジストパターンを除去した後、パターンニングされた絶縁膜5cをハードマスクとして用いて上記の金属系膜および多結晶シリコン膜をエッチングし、ゲート電極5を形成する(図4A)。ゲート電極5は、図1に示すワード線Wとして機能する。なお、図4Aにおいて、ゲート電極5を構成する金属膜と多結晶シリコン膜は同じハッチングで示し、区別しないで描いている。
【0056】
次に、図5A及び図5Bに示すように、N型不純物としてリンのイオン注入を行い、ゲート電極5で覆われていない活性領域に不純物拡散層8を形成する。
【0057】
この後に、LP−CVD(low pressure chemical vapor deposition)法により、全面に窒化シリコン膜を20〜50nm程度の厚さに堆積し、エッチバックを行うことにより、図5Aに示すようにゲート電極5の側面にサイドウォール5bを形成する。
【0058】
次に、ゲート上絶縁膜5c及びサイドウォール5bを覆うように、CVD法により酸化シリコン等の絶縁材料からなる第1層間絶縁膜25を形成し、その後に、ゲート電極5に由来する凹凸を平坦化するため、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、表面の研磨を行う。この研磨はゲート上絶縁膜5cの上面が露出した時点で停止する。
【0059】
この後に、図6A及び図6Bに示すように、基板コンタクトプラグ9を形成する。具体的には、まず、リソグラフィ技術により、図1に示す符号9a、9b、9cの位置に開口を有するレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして用いてエッチングを行い、第1層間絶縁膜を貫通するホールを形成する。これらのホールは、窒化シリコンで形成されている絶縁膜5c、5bと酸化シリコンで形成されている層間絶縁膜のエッチングレートの違いを利用したセルフアラインにより、隣り合うゲート電極5の間に形成される。この後に、CVD法にてリンを含有した多結晶シリコン膜を堆積し、次いで、CMP法にて研磨を行ってホール外の余剰の多結晶シリコン膜を除去し、結果、ホール内に充填された多結晶シリコンからなる基板コンタクトプラグ9が形成される。
【0060】
この後に、CVD法により、基板コンタクトプラグ9、ゲート上絶縁膜5c、サイドウォール5b及び第1層間絶縁膜25を覆うように、酸化シリコンからなる第2層間絶縁膜4を例えば600nm程度の厚みで形成する。その後、CMP法により、第2層間絶縁膜4の表面を、例えば300nm程度の厚みになるまで研磨して平坦化する。以上のようにして、図6A、図6Bに示す構造が得られる。
【0061】
次に、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、図1に示す符号9aの位置に、第2層間絶縁膜4を貫通するホールを形成し、基板コンタクトプラグ9の表面を露出させる。このホール内を充填するように、TiN/Ti積層膜等からなるバリア膜上にタングステン(W)を積層した導電膜を堆積し、次いで表面をCMP法にて研磨してホール外の余剰の導電膜を除去し、ビット線コンタクトプラグ4Aを形成する。
【0062】
この後に、ビット線コンタクトプラグ4Aの上面を覆うように、酸化シリコン等からなる第3層間絶縁膜7を形成する。第3層間絶縁膜7の膜厚は、後に形成するビット線6の膜厚の2倍程度となるように設定することが好ましい。
【0063】
次に、図7A、図7Bに示すように、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、第3層間絶縁膜7にビット線形成用の溝210を形成する。溝210は、図1に示したビット線6に対応する位置に形成される。溝210を形成するためのドライエッチングは、溝210とビット線コンタクトプラグ4Aが交差する部分において、ビット線コンタクトプラグ4Aの上面が露出した時点で停止する。
【0064】
次に、TiN/Ti積層膜等からなるバリア膜上にタングステン(W)を積層した導電膜を堆積し、溝210の内部を導電膜で充填する。この後に、エッチバックを行って、溝210の外の余剰の導電膜を除去する。さらにエッチバックを行うことで、溝210内に第3層間絶縁膜7の膜厚の半分程度の膜厚で導電膜を残存させ、結果、残存した導電膜からなるビット線6を形成する(図8A、図8B)。エッチバックを行う際には、ドライエッチングとウェットエッチングを併用してもよい。ウェットエッチングを行う場合は、例えば、過酸化水素水(H22)を薬液として用いることで、酸化シリコンに対してタングステンを選択的に除去することが可能となる。
【0065】
次に、希釈したフッ酸(HF)を薬液として用いたウェットエッチングを行うことで、溝210の幅が拡大されたマスク用の溝210aを形成する(図9A、図9B)。このウェットエッチングは、第3層間絶縁膜7に対して等方的に進むため、溝210の幅が拡大すると共に、第3層間絶縁膜7の上面もエッチングされて膜厚が減少する。また、ビット線6の上端部の側面も露出する。図9Bにおいて、第3層間絶縁膜7の上面の凸形状部の幅Pによって、後の工程で形成する容量コンタクトプラグ7Aの幅が規定される。
【0066】
次に、拡大した溝210a内を充填するように窒化シリコン膜を形成する。次いでCMPを行い、上面を平坦化するとともに、溝210aの外の余剰の窒化シリコン膜を除去する。結果、図10A及び図10Bに示すように、溝210a内に設けられたマスク絶縁膜30が得られる。マスク絶縁膜30の材料としては、窒化シリコン以外にも、第3層間絶縁膜7の材料に対して、ドライエッチングに際に十分なエッチング選択比を確保できる材料が使用できる。
【0067】
次に、フォトリソグラフィ技術により、図1に示す符号9b、9cの位置に開口を有するレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして用いてドライエッチングを行うことで容量コンタクトホール211を形成する(図11A、図11B)。容量コンタクトホール211は、第2および第3層間絶縁膜4、7を貫通するように形成され、この容量コンタクトホールの底部に、基板コンタクトプラグ9の上面が露出する。その際に、図1のB−B’線方向に沿った領域には、図11Bに示すように、マスク絶縁膜30によって容量コンタクトホール211の幅が規定され、ビット線6に対してセルフアラインで容量コンタクトホール211が形成される。図1のA−A’線方向に沿った領域には、容量コンタクトホール211の幅を規定するためのマスク絶縁膜が配置されていないため、レジストパターン(マスク)によって容量コンタクトホール211の位置を規定する。本実施形態では、ビット線6間に配置される容量コンタクトホール211が、当該ビット線6に対してセルフアラインで形成されるため、短絡を回避して細密なパターン配置を行うことができる。
【0068】
なお、レジストパターン(マスク)は、個々の容量コンタクトホール211に対応する開口を有してもよいし、図1のY方向沿ったライン状(帯状)の開口を有していてもよい。
【0069】
次に、容量コンタクトホール211内の側面を覆うサイドウォール絶縁膜31を形成する。このサイドウォール絶縁膜31は、窒化シリコン膜または酸化シリコン膜で形成することができる。このサイドウォール絶縁膜31は、容量コンタクトプラグとビット線6との絶縁分離をより確実にすることができる。容量コンタクトプラグとビット線6との絶縁分離が確保できる限り、このサイドウォール絶縁膜31は省略してもよい。
【0070】
続いて、容量コンタクトホール211内を充填するように、TiN/Ti積層膜等からなるバリア膜上にタングステン(W)を積層した導電膜を堆積し、次いで表面をCMP法にて研磨してホール外の余剰導電膜を除去し、容量コンタクトプラグ7Aを形成する(図12)。
【0071】
次に、第3層間絶縁膜7上に、タングステンを含む積層膜を用いて容量コンタクトパッド10を形成する。容量コンタクトパッド10は、容量コンタクトプラグ7Aと導通するようにその直上に配置し、後に形成するキャパシタ下部電極の底部のサイズよりも大きいサイズにする。次いで、容量コンタクトパッド10を覆うように、LP−CVD法により、例えば窒化シリコン膜からなる第4層間絶縁膜11を、例えば60nmの厚さで堆積する(図13)。
【0072】
この後に、通常の方法によってキャパシタ等を形成し、図2に示したDRAMのメモリセルが完成する。
【0073】
本実施形態では、ビット線を層間絶縁膜に設けた溝内に充填して形成するため、配線層(ビット線)の倒れを回避でき、アスペクト比の高い配線層を歩留まり良く形成できる。これにより、微細化による配線抵抗の上昇を抑制できる。
【0074】
また、本実施形態では、上述のように形成したビット線間にセルフアラインでコンタクトプラグを形成することができる。これにより、ビット線とコンタクトプラグの短絡を回避でき、配線の微細化とともにレイアウトの細密化が容易に行える。
【0075】
また、図10Bに示すように、マスク絶縁膜30は、ビット線6の上端部(上面と側面の一部)しか覆っていない。このため、酸化シリコンに比べて誘電率の高い窒化シリコンをマスク絶縁膜30として用いた場合でも、ビット線6と容量コンタクトプラグ7A間の寄生容量の上昇を抑制できる。
【0076】
第2の実施形態
上記の第1の実施形態ではビット線間にセルフアラインで容量コンタクトプラグを形成したが、本実施形態では、ワード線間にセルフアラインで基板コンタクトプラグを形成する場合について図面を用いて説明する。図14〜図18は、図1のA−A’線に沿った断面に対応する断面模式図である。
【0077】
まず、P型シリコンからなる半導体基板1の主面に素子分離領域3を形成し、素子分離領域3で区画された活性領域Kを形成する。
【0078】
次に、半導体基板1上に、酸化シリコンからなる層間絶縁膜205を形成し、ワード線Wを形成する位置の層間絶縁膜205をエッチングして(活性領域ではさらに半導体基板1をエッチング)して、ワード線(ゲート電極)用の溝212を形成する。次いで、熱酸化を行って、活性領域における溝212の内部で露出しているシリコン面上にゲート絶縁膜5aを4nm程度の膜厚に形成する。その後、ワード線用(ゲート電極用)の導電膜を溝212内に埋め込むように形成し、エッチバックを行うことで、溝212内にのみにワード線(ゲート電極5)を形成する。以上のプロセスにより、図14に示すように、層間絶縁膜205の溝212内に、ワード線(ゲート電極5)とその上の空間とが設けられた構造が得られる。
【0079】
次に、希釈したフッ酸(HF)を薬液として用いたウェットエッチングを行うことで、溝212の幅が拡大された溝212aを形成する(図15)。このウェットエッチングは、層間絶縁膜205に対して等方的に進むため、溝212の幅が拡大すると共に、層間絶縁膜205の上面もエッチングされて膜厚が減少する。また、ゲート電極5の上端部の側面も露出する。図15において、層間絶縁膜205の上面の凸形状部の幅Pによって、後の工程で形成する基板コンタクトプラグ9の幅が規定される。
【0080】
次に、拡大した溝212a内を充填するように窒化シリコン膜を形成する。次いでCMPを行い、上面を平坦化するとともに、溝212aの外の余剰の窒化シリコン膜を除去する。結果、溝212a内に設けられたマスク絶縁膜32が得られる(図16)。マスク絶縁膜30の材料としては、窒化シリコン以外にも、層間絶縁膜205の材料に対して、ドライエッチングに際に十分なエッチング選択比を確保できる材料が使用できる。
【0081】
次に、フォトリソグラフィ技術により、図1に示す符号9a、9b、9cの位置に開口を有するレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして用いてドライエッチングを行うことで基板コンタクトホール213を形成する(図17)。基板コンタクトホール213は、層間絶縁膜205を貫通するように形成され、この基板コンタクトホールの底部に、半導体基板1の上面が露出する。その際に、図1のA−A’線方向に沿った領域には、図17に示すようにマスク絶縁膜32によって基板コンタクトホール213の幅が規定され、ゲート電極5に対してセルフアラインで基板コンタクトホール213が形成される。図1のB−B’線方向に沿った領域には、基板コンタクトホール213の幅を規定するためのマスク絶縁膜が配置されていないため、レジストパターン(マスク)によって基板コンタクトホール213の位置を規定する。本実施形態では、ワード線として機能するゲート電極5間に配置される基板コンタクトホール213が、当該ゲート電極5に対してセルフアラインで形成されるため、短絡を回避して細密なパターン配置を行うことができる。
【0082】
次に、図17に示すように、基板コンタクトホール213を介してリン等のN型不純物のイオン注入を行い、N型の不純物拡散層8を形成する。イオン注入後に熱処理を行って、不純物拡散層8を横方向に拡散させてもよい。不純物拡散層8はMOSトランジスタのソース/ドレイン電極として機能する。
【0083】
次に、基板コンタクトホール213内を充填するように、多結晶シリコン等の導電膜を堆積し、次いで表面をCMP法にて研磨してホール外の余剰導電膜を除去し、基板コンタクトプラグ9を形成する(図18)。
【0084】
この後に、通常の方法によって、ビット線、キャパシタ等を形成し、DRAMのメモリセルが完成する。
【0085】
ビット線と容量コンタクトプラグは、第1実施形態で説明した方法により形成してもよい。
【0086】
本実施形態では、ワード線を層間絶縁膜に設けた溝内に充填して形成するため、配線層(ワード線)の倒れを回避でき、アスペクト比の高い配線層を歩留まり良く形成できる。これにより、微細化による配線抵抗の上昇を抑制できる。
【0087】
また、本実施形態では、上述のように形成したワード線間にセルフアラインでコンタクトプラグを形成することができる。これにより、ワード線とコンタクトプラグの短絡を回避でき、配線の微細化とともにレイアウトの細密化が容易に行える。
【0088】
また、図18に示すように、マスク絶縁膜32は、ワード線として機能するゲート電極5の上端部(上面と側面の一部)しか覆っていない。このため、酸化シリコンに比べて誘電率の高い窒化シリコンをマスク絶縁膜32として用いた場合でも、ゲート電極5と基板コンタクトプラグ9間の寄生容量の上昇を抑制できる。
【0089】
以上に説明した実施形態はDRAMのメモリセルへの適用例であるが、DRAMのメモリセル以外にも、相変化メモリ(PRAM)や抵抗変化メモリ(RRAM)等の選択用トランジスタと記憶素子を含むメモリセルを備えた半導体装置において、ビット線を形成する際に適用可能である。DRAMの場合にはキャパシタが記憶素子として機能する。相変化メモリの場合には、例えばカルコゲナイド膜等の加熱によって抵抗値が変わる材料を電極間に挟んだ素子を記憶素子として利用できる。抵抗変化メモリの場合には、パルス状の電圧または電流の印加によって抵抗値が変化する金属酸化物を記憶素子として利用できる。
【0090】
また、本発明はメモリセルの形成のみには限定されず、半導体基板上に設けた配線間を通過する当該配線に短絡しないビアプラグが設けられた構造を形成する場合に適用できる。
【0091】
本発明の実施形態による製造方法によれば、アスペクト比の高い配線層を形成できるため、微細化を行っても配線抵抗の上昇を抑制できる。
【0092】
また、配線間にセルフアラインでビアプラグを配置することができるため、配線とビアプラグの短絡を回避しながら、レイアウトの細密化が容易に行える。
【0093】
本発明の実施形態による製造方法をDRAMのメモリセルの形成プロセスに適用した場合には、高集積度のDRAMを容易に形成できる。
【符号の説明】
【0094】
1 半導体基板
2 ゲート電極用の溝
3 素子分離領域
4 第2層間絶縁膜
4A ビット線コンタクトプラグ
5 ゲート電極(ワード線W)
5a ゲート絶縁膜
5b サイドウォール
5c ゲート上絶縁膜
6 ビット線
7 第3層間絶縁膜
7A 容量コンタクトプラグ
8 不純物拡散層
9 基板コンタクトプラグ
9a、9b、9c 基板コンタクトプラグ位置
10 容量コンタクトパッド
11 第4層間絶縁膜
13 キャパシタ下部電極
14S サポート膜
15 キャパシタ上部電極
20 第6層間絶縁膜
21 上層配線
22 表面保護膜
25 第1層間絶縁膜
30 マスク絶縁膜
31 サイドウォール絶縁膜
32 マスク絶縁膜
205 層間絶縁膜
210 ビット線用の溝
210a マスク用の溝
211 容量コンタクトホール
212 ワード線(ゲート電極)用の溝
212a マスク用の溝
213 基板コンタクトホール
W ワード線
K 活性領域
Tr トランジスタ
Ca キャパシタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
層間絶縁膜に、第1配線溝と、該第1配線溝と隣り合う第2配線溝を形成する工程と、
前記第1配線溝内に、第1配線および該第1配線上の空間を設けるとともに、前記第2配線溝内に、第2配線および該第2配線上の空間を設ける工程と、
等方性エッチングを行って、前記第1配線溝の幅が拡大されてなる第1マスク溝を形成するとともに、前記第2配線溝の幅が拡大されてなる第2マスク溝を形成する工程と、
前記第1マスク溝および前記第2マスク溝にマスク用絶縁材料を充填して、該第1マスク溝内の第1マスク絶縁膜と、該第2マスク溝内の第2マスク絶縁膜を形成する工程と、
前記第1マスク絶縁膜および前記第2マスク絶縁膜をマスクとして利用する異方性エッチングを行って、前記第1配線と前記第2配線との間を通過し前記層間絶縁膜を貫通するホールを、前記第1マスク絶縁膜と前記第2マスク絶縁膜に対して自己整合的に形成する工程と、
前記ホールに導電材料を充填してプラグを形成する工程を含む、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
層間絶縁膜に、第1配線溝と、該第1配線溝と隣り合う第2配線溝を形成する工程と、
前記第1配線溝および前記第2配線溝を充填するように前記層間絶縁膜上に第1導電膜を形成する工程と、
前記第1配線溝および前記第2配線溝の外の第1導電膜を除去し、さらに該第1配線溝内の第1導電膜の上部および該第2配線溝内の第1導電膜の上部を除去して、該第1配線溝内に第1配線と該第1配線上の空間を形成するとともに、該第2配線溝内に第2配線と該第2配線上の空間を形成する工程と、
等方性エッチングを行って、前記第1配線溝の幅が拡大されてなる第1マスク溝を形成するとともに、前記第2配線溝の幅が拡大されてなる第2マスク溝を形成する工程と、
前記第1マスク溝および前記第2マスク溝を充填するように前記層間絶縁膜上にマスク用絶縁膜を形成する工程と、
前記第1マスク溝および前記第2マスク溝の外のマスク用絶縁膜を除去し、前記第1マスク溝内の第1マスク絶縁膜と、前記第2マスク溝内の第2マスク絶縁膜を形成する工程と、
前記第1マスク絶縁膜および前記第2マスク絶縁膜をマスクとして利用する異方性エッチングを行って、前記第1配線と前記第2配線との間を通過し前記層間絶縁膜を貫通するホールを、前記第1マスク絶縁膜と前記第2マスク絶縁膜に対して自己整合的に形成する工程と、
前記ホールを充填するように第2導電膜を形成する工程と、
前記ホールの外の第2導電膜を除去して該ホール内のプラグを形成する工程を含む、半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記層間絶縁膜は酸化シリコン膜であり、前記第1マスク絶縁膜および前記第2マスク絶縁膜は窒化シリコン膜である、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記半導体装置は、トランジスタ及び記憶素子を含むメモリセルがマトリクス配置されたメモリセルアレイと、前記トランジスタのゲートを構成するワード線と、該ワード線と交差し該トランジスタのドレインに接続するビット線を有し、
前記第1の配線および前記第2の配線は、前記ビット線として形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記プラグの下端は半導体基板に接触するコンタクトプラグへ接続され、該プラグの上端は前記記憶素子に接続される、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記半導体装置は、トランジスタ及びキャパシタを含むメモリセルがマトリクス配置されたメモリセルアレイと、前記トランジスタのゲートを構成するワード線と、該ワード線と交差し該トランジスタのドレインに接続するビット線を有し、
前記第1の配線および前記第2の配線は、前記ワード線として形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記プラグは、半導体基板に接触するコンタクトプラグとして形成する、請求項6に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−54453(P2012−54453A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196690(P2010−196690)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.RRAM
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】