説明

半導体装置を形成するための方法

【課題】 半導体装置の形成のための方法が提供される。
【解決手段】 本方法は、プロセスチャンバ内の基板ホルダ上に基板を準備し、前記基板が、上部表面と側壁表面を持つ立ち上がり構造を含み;前記プロセスチャンバ内にプロセスガスを流し、前記プロセスガスが炭化水素ガス、酸素含有ガス、及び場合によりアルゴン又はヘリウムを含む。本方法はさらに、プロセスチャンバ内のプロセスガス圧力を少なくとも1トールに維持し、マイクロ波プラズマ源を用いてプロセスガスからプラズマを形成し、及び基板をプラズマに暴露して共形アモルファスカーボンフィルムを前記立ち上がり構造の表面上に堆積させることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置を製造するための方法に関し、より具体的には、立ち上がり構造(raised features)上に高共形にアモルファスカーボンフィルムを堆積するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先進装置で見られる立ち上がり構造上に共形カーボンフィルムを低温堆積させる半導体製造における新たな方法の必要性が存在する。カーボンフィルム堆積の既存の方法は、プラズマ強化化学蒸着方法(PECVD)が含まれるが、この方法は立ち上がり構造上に非共形堆積を生じるという欠点があり、ここでカーボンフィルムは主に前記立ち上がり構造の上部及び前記立ち上がり構造の間の領域に堆積され、一方で前記立ち上がり構造の側壁上にはほとんどカーボンフィルムの堆積がない。
【発明の概要】
【0003】
本発明発明は、基板上の立ち上がり構造上に高共形アモルファスカーボンフィルムを堆積させるプロセス方法を提供することを課題とする。
【0004】
本発明の実施態様は基板上の立ち上がり構造上に高共形アモルファスカーボンフィルムを堆積するための処理方法を提供する。1つの実施態様では、前記共形カーボンフィルムはパターン化されてハードマスクとして、下の材料層内又は基板内に構造をエッチングするために使用され得る。
【0005】
本発明の1つの実施態様によると、前記方法は、プロセスチャンバ内の基板ホルダ上に基板を準備し、前記基板は上部表面と側壁表面を持つ立ち上がり構造を含み、プロセスガスを前記プロセスチャンバ内に流し、前記プロセスガスが炭化水素ガス、酸素含有ガス及び場合によりアルゴン又はヘリウムを含み、前記プロセスチャンバ内のプロセスガスの圧力を1トール(Torr)以上に維持し、かつマイクロ波プラズマ源を用いて前記プロセスガスからプラズマを生成する、ことを含む。前記方法はさらに、前記基板を前記プラズマに曝露して共形アモルファスカーボンフィルムを前記立ち上がり構造の前記上部表面と側壁表面上に堆積させ、前記上部表面の前記共形アモルファスカーボンフィルムの厚さと前記側壁表面の前記共形アモルファスカーボンフィルムの厚さとの比(d(上部)/d(側壁))が2未満である、ことを含む。
【0006】
他の実施態様によると、前記方法は、プロセスチャンバ内の基板ホルダ上に基板を準備し、前記基板が上部表面と側壁表面を持つ立ち上がり構造を含み、酸素含有ガス及び場合によりアルゴン又はヘリウムの連続フロー及び炭化水素ガスのパルス上フローを含むプロセスガスを流し、プロセスチャンバ内で少なくとも1トールにプロセスガスを維持し、かつ前記基板に面するラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)を含むマイクロ波プラズマ源を用いて前記プロセスガスからプラズマを形成する、ことを含む。前記方法はさらに、前記基板を前記プラズマに暴露して、前記立ち上がり構造上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積させ、前記上部表面の前記共形アモルファスカーボンフィルムの厚さと前記側壁表面の前記共形アモルファスカーボンフィルムの厚さとの比(d(上部)/d(側壁))が2未満である、ことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】図1Aから1Cは、本発明の1つの実施態様による、基板上の立ち上がり構造上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積させること、続いてパターン化されたカーボンハードマスクを形成することを示す。
【図1B】図1Aから1Cは、本発明の1つの実施態様による、基板上の立ち上がり構造上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積させること、続いてパターン化されたカーボンハードマスクを形成することを示す。
【図1C】図1Aから1Cは、本発明の1つの実施態様による、基板上の立ち上がり構造上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積させること、続いてパターン化されたカーボンハードマスクを形成することを示す。
【図2】図2は、本発明の1つの実施態様による、基板上の立ち上がり構造上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積する方法のダイヤグラムを示す。
【図3A】図3Aから3Bは、本発明の1つの実施態様による、基板上の立ち上がり構造上に共形カーボンフィルムを堆積する方法のガスフローダイヤグラムを示す。
【図3B】図3Aから3Bは、本発明の1つの実施態様による、基板上の立ち上がり構造上に共形カーボンフィルムを堆積する方法のガスフローダイヤグラムを示す。
【図4】図4は、O2ガスフローの関数として、カーボンフィルムの共形性(共形性)を示す。
【図5】図5は、本発明の1つの実施態様による、基板上の立ち上がり構造上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積させるためのラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)を含むプラズマプロセスシステムのダイヤグラムを示す。
【図6】図6は、図5のプラズマプロセスシステムのガス供給ユニットの平面図である。
【図7】図7は、図5のプラズマプロセスシステムのアンテナ部の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施態様は添付図面を参照して記載される。これらは本発明の例示的実施態様である。以下の記載は本開示の範囲、応用性、又は構成を限定することを意図するものではない。むしろ以下の記載は、いくつかの例示的実施態様を当業者に与えるものである。留意すべきことは、本発明の実施態様は、添付の特許請求の範囲で与えられた本発明の本質及び範囲から離れることなく異なる形で実施され得る、ということである。
【0009】
本発明の実施態様は、基板上の立ち上がり構造上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積するプロセス方法に向けられている。立ち上がり構造上にアモルファスカーボンフィルムを堆積するための従来のプラズマ堆積方法(例えばPECVD)は、その非共形な堆積特性が欠点であった。この非共形な堆積特性は、前記立ち上がり構造の上部表面上及び前記立ち上がり構造の間の領域の表面上へ優位にカーボンが堆積し、前記立ち上がり構造の側壁にはカーボン堆積は少ないという結果を与える。
【0010】
図1Aから1Cは、本発明による、基板上の立ち上がり構造上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積させ、続いてパターン化カーボンハードマスクを形成することを示し、図2は本発明による基板上の立ち上がり構造上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積する方法のフローダイヤグラム200を示す。
【0011】
202では、フィールド表面107及び上部表面105と側壁表面103を持つ立ち上がり構造106を持つ基板104を含む構造100がプロセスチャンバ内の基板ホルダ上に準備される。本発明の1つの実施態様では、前記プロセスチャンバは、図5で示されるラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)プラズマ源を含むプラズマ処理システムの1部分であり得る。基板104は、例えばシリコン(Si)を含むことができる。前記立ち上がり構造106は、例えばSiを含み、かつ当業者に知られている種々のリソグラフィ及びエッチング方法により形成され得る。いくつかの例によれば、前記立ち上がり構造106は、例えば100nm未満、50nm未満、30nm未満又は20nm未満の幅を持ち得る。いくつかの例によれば、前記立ち上がり構造106は、例えば0.5を超える、1を超える、2を超える、3を超える、5を超える、又は10を超えるアスペクト比(高さ/幅)を持ち得る。
【0012】
204で、炭化水素ガス、酸素含有ガス及び場合によりアルゴン又はヘリウムを含むプロセスガスが前記プロセスチャンバ内に流される。前記炭化水素ガスは、一般式Cを持ち、C、C又はそれらの混合物を含み得る。1つの実施態様では、前記炭化水素ガスは、炭素−炭素三重結合(C≡C)を含む分子、例えばC(1−ブチン又は2−ブチン)を含み得る。いくつかの実施態様では、前記炭素−炭素三重結合は前記プラズマ励起では開裂されず、このことが前記アモルファスカーボンフィルムへ等方的に堆積する割合を増加させると考えられている。前記酸素含有ガスは、O、HO又はOとHO両方を含み得る。一例として、前記プロセスガスは、Cガス、O及び場合によりアルゴン又はヘリウムからなるか、これらを含み得る。いくつかの例では、前記アルゴン又はヘリウムガスの流速は、100標準立方センチメートル/分(sccm)と500sccmの間、500sccmと1000sccmとの間、1000sccmと2000sccmとの間、2000sccmと3000sccmとの間、3000sccmと4000sccmとの間であるか、又は4000sccmよりも大きい。いくつかの例では、前記炭化水素ガスの流速は、10sccmと200sccmの間、例えば40sccmと60sccmとの間、60sccmと80sccmとの間、80sccmと100sccmとの間であるか、又は100sccmよりも大きい。いくつかの例では、前記酸素含有ガスの流速は、10sccmと100sccmの間、例えば10sccmと40sccmとの間、40sccmと100との間である。
【0013】
206で、少なくとも1トールのプロセスガスの圧力がプロセスチャンバ内で維持される。本発明の発明者は次の知見を得た。300ミリトール(mTorr)を超える、例えば1トールのプロセスガス圧力を用いることは、前記側壁表面103の底部近くのアモルファスカーボンフィルムのクラックの生成を抑制することができ、その結果前記側壁表面103上へのフィルム堆積が改善される、ということである。さらに、炭化水素ガスが炭素−炭素三重結合を含む場合(例えばC)、プロセスガスへ酸素含有ガスを添加することはプロセスチャンバ内でプラズマによる炭化水素ラジカルの形成を増加させることが予想される。プロセスチャンバ内で炭化水素ラジカルの生成の増加は、前記フィルム堆積プロセスの等方性を増加させ、それにより堆積されたアモルファスカーボンフィルムの共形性が増加すると考えられる。前記プロセスチャンバ内のプロセスガス圧力は、排気ライン及び真空ポンプへ接続された圧力制御バルブにより正確に制御され得る。いくつかの例では、前記プロセスガス圧力は、1トールと10トールとの間、1トールと5トールとの間、2トールと4トールとの間、1トールと2トールとの間、2トールと3トールとの間、4トールと5トールとの間、又は5トールを超える。
【0014】
208で、プラズマが、マイクロ波プラズマ源を用いてプロセスチャンバ内で前記プロセスガスから形成される。前記プラズマ源は、RLSAプラズマ源を含むことができ、これはプロセスチャンバ内に設けられ、1000Wと5000Wとの間、例えば1000Wと2000Wとの間、2000Wと3000Wとの間、3000W及び4000Wとの間又は4000Wと5000Wとの間でマイクロ波パワーを生成することができる。
【0015】
210で、基板104及び立ち上がり構造106は前記プラズマに曝露され、前記立ち上がり構造106の表面上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積する。図1Bは、図1Aの構造100上に堆積された共形アモルファスカーボンフィルム108を含む構造101を示す。前記共形アモルファスカーボンフィルム108は、基板104のフィールド表面107上に厚さ113、前記立ち上がり構造106の側壁表面103上に厚さ111、及び前記立ち上がり構造106の上部表面105に厚さ109を有する。いくつかの例では、厚さ109,111、113の1つ又はそれ以上が、5nmと100nmとの間、例えば5nmと10nmとの間、20nmと30nmとの間、30nmと50nmとの間又は50nmと100nmとの間であり得る。本発明の実施態様によれば、厚さ109と111との比(d(上部)/d(側壁))は2未満、1.5未満又は1.3未満、例えば約1.2であり得る。
【0016】
図1Cは、図1Bの構造101の異方性エッチングにより形成される構造102を示す。この例では、共形アモルファスカーボンフィルム108は、異方性プラズマエッチングプロセスを用いてパターン化され、前記パターン化されたアモルファスカーボンフィルム110が下の基板104内に構造をエッチングするためのハードマスクとして使用され得る。その後、前記パターン化されたアモルファスカーボンフィルム110は、よく知られたアッシングプロセスを用いて容易に除去され得る。
【0017】
図3A及び3Bは、本発明の実施態様による、基板上の立ち上がり構造上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積するためのガスフローダイヤグラムを示す。図3Aのガスフローダイヤグラムは、炭化水素ガス及び酸素含有ガスの、一定又は実質的に一定のガスフロー402と404をそれぞれ含む。図3Aには示されていないが、Ar又はHeの一定又は実質的に一定のガスフローも使用され得る。前記フォルム堆積は時間tで開始され、時間tで終了する。堆積時間の例は、約10秒と約120秒との間、例えば約10秒と約30秒との間、約30秒と約60秒との間、又は約60秒と約120秒との間であり得る。図3Bでのガスフローダイヤグラムは、酸素含有ガスの一定又は実質的に一定のガスフロー414と、炭化水素ガスの一連のパルス412a、412a、412a、...412aを含む。いくつかの例では、炭化水素ガスのパルスの数は、約10と約50との間、約50と約100との間、約100と約200との間、又は200を超える。いくつかの例では、前記パルス長さは、約0.1秒と約30秒との間、又は約1秒と約20秒との間であり得る。
【0018】
図4は、Oガスフローの関数として、カーボンフィルムの共形性を示す。図1A及び1Bを参照して、カーボンフィルムの共形性のレベルは、d(上部)/d(側壁)で表現される。ここで共形性1.0とは、前記立ち上がり構造106の上部表面105のアモルファスカーボンフィルム108の厚さと、前記立ち上がり構造106の側壁表面103上のアモルファスカーボンフィルムの厚さが等しいことを示す。前記アモルファスカーボンフィルムは、約10nmと約20nmの間の厚さを持ち、かつ高さ及び幅が約80nmを持つ立ち上がり構造上に堆積された。前記プロセスガスは、C、O及びArからなる。前記Cのガス流速は約80sccmであり、Arのガス流速は約2500sccmであり、Oのガスフローの流速は約0sccmから約90sccmの間であった。前記立ち上がり構造上のカーボンフィルム共形性値は、Oフローが0sccmについて2を超え、Oガスフロー(30sccm)の場合には1.5を超え、中間的なOガスフロー(60sccm)の場合には約1.2であり、かつ高Oガスフロー(90sccm)の場合には2を超えた。
【0019】
図4では、低及び高Oガスフローについての高いカーボンフィルム共形性は、前記立ち上がり構造上のカーボンフィルム共形性が低いことを示す。Oガスフローがゼロか小さい場合にカーボンフィルム共形性が小さいことは、前記炭化水素ガスの酸素補助による分解が低レベルであることによると考えられる。高Oガスフローでのカーボンフィルムの共形性が小さいことは、フィルム堆積とフィルムエッチングとの競争により、アモルファスカーボンフィルムの正味の堆積速度が低くなるからと考えられる。対照的に、中間的なOガスフローは、炭化水素ガスの高レベルの分解と、低レベルのエッチングを与え顕著なカーボンフィルム共形性を与える結果となった。
【0020】
図5は、本発明の実施態様による、基板上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積するためのラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)プラズマ源を含むプラズマ処理システムの模式的ダイヤグラムを示す。図示されるように、プラズマ処理システム10は、プロセスチャンバ20(真空チャンバ)、アンテナユニット50(RLSA)及び基板ホルダ21を含む。前記プロセスチャンバ20の内部は、主に、プラズマガス供給ユニット30の下に位置するプラズマ発生領域R1及び基板ホルダ21側でプラズマ拡散領域R2に区分けされている。プラズマ発生領域R1で生成されたプラズマは、数電子ボルト(eV)の電子温度を持ち得る。前記プラズマが、前記フォルム形成プロセスが行われるプラズマ拡散領域R2へ拡散する際に、前記基板ホルダ21近くのプラズマの電子温度は約2eV未満の値に低下する。基板ホルダ21は、プロセスチャンバ20の底部上の中心に位置され、基板Wを載置するための載置ユニットとして作用する。基板ホルダ21内に、絶縁部材21a、冷却ジャケット21b及び(図示されていないが)基板温度を制御するための温度制御ユニットが設けられる。
【0021】
プロセスチャンバ20の上部は開放端である。前記プラズマガス供給ユニット30は基板ホルダ21に対抗して設けられ、プロセスチャンバ20の上部部分に(図示されていない、例えばOリングなどの)密閉部材を介して付設されている。誘電窓としても機能するプラズマガス供給ユニット30は、例えば酸化アルミニウム又は石英などの材料から作られ、その平面表面は、見かけ上ディスク形状であり、基板ホルダ21に面する。複数のガス供給孔31が、基板ホルダ21に対抗して、前記プラズマガス供給ユニット30の平坦な表面上に設けられる。前記ガス供給孔31は、プラズマガス供給ポート33とガスフローチャンネル32を介して流通する。プラズマガス供給源34及び45は、プラズマガス、例えばアルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、クリプトン(Kr)ガス又は他の不活性ガスをガス供給ポート33へ供給する。前記プラズマガスはその後均一にプラズマ生成領域R1へ複数のガス供給孔31を介して供給される。
【0022】
前記プラズマ処理システム10はさらに、プロセスガス供給ユニット40を含み、これは、前記プラズマ生成領域R1とプラズマ拡散領域R2との間で、前記プロセスチャンバの実質的に中心に設けられる。前記プロセスガス供給ユニット40は、導電性材料、例えばマグネシウム(Mg)を含むアルミニウム合金又はステンレススチールから作られる。前記プラズマガス供給ユニット30と類似して、複数のガス供給孔41が、前記プロセスガス供給ユニット40の平坦表面に設けられている。前記プロセスガス供給ユニット40の平坦表面は、基板ホルダ21に対抗し、見かけ上ディスク形状を持つ。
【0023】
プロセスチャンバ20はさらに、排気ライン26を含み、これはプロセスチャンバ20の底部部分、前記排気ラインを圧力制御バルブ28へ接続する真空ライン27、及び真空ポンプへ接続される。前記圧力制御バルブ28は、プロセスチャンバ20内で望ましい圧力を達成するために使用され得る。
【0024】
図6には前記プロセスガス共中心の平面図が示される。図に示されるように、グリッド状のガスフローチャンネル42(これはシャワープレートとも呼ばれる)がプロセスガス供給ユニット40内に形成される。前記グリッド状フローチャンネル42は、垂直方向に形成される前記複数のガス供給孔41の上部端と流通する。前記複数のガス供給孔41の下部端部は載置テーブル21に面して開かれている。上の場合と同じように、複数のガス供給孔41は、プロセスガス供給ポート43とグリッドパターンガスフローチャンネル42を介して流通する。
【0025】
さらに、複数の開口部44が、プロセスガス供給ユニット40上に形成され、複数の開口部44が前記プロセスガス供給ユニット40を垂直方向に通過する。複数の開口部44は、プラズマガス、例えばアルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス又は他の不活性ガスを、前記載置テーブル21側で前記プラズマ拡散領域R2内に流す。図6に示されるように、複数の開口部44は、隣接するガスフローチャンネル42の間に形成される。
【0026】
プロセスガスは、例えば2つの別々のプロセスガス供給源46−47からプロセスガス供給ポート43へ供給される。プロセスガス供給源46−47は、それぞれ炭化水素ガス(例えばC)及び酸素含有ガス(例えばO)に対応する。プラズマガス、例えばArガスの流速は、約100sccmから約4000sccmの範囲であり得る。酸素含有ガス、例えばOの流速は、約10sccmから約100sccmの範囲であり得る。炭化水素ガス、例えばCの流速は、約20sccmと約200sccmとの間であり得る。プラズマガス及びプロセスガスとして使用され得るより詳細なガスのリストは図2に関連して前記されている。さらに、プロセスチャンバ圧力と基板温度を含む使用可能なプロセスパラメータのより詳細な説明は、図2に関連して前記されている。
【0027】
前記1又はそれ以上のプラズマガス、炭化水素ガス及び酸素含有ガスは、前記グリッド上ガスフローチャンネル42を通って流れ、前記複数のガス供給孔41を介して均一にプラズマ拡散領域R2内に供給される。プラズマ処理システム10はさらに、4つのバルブ(V1からV4)及び4つの流速制御装置(MFC1からMFC4)を持ち、それぞれプラズマガス、炭化水素ガス及び酸素含有ガスの供給を制御する。
【0028】
外部マイクロ波発生器55は、所定の周波数、例えば2.45GHzのシグナルを前記アンテナユニット50に同軸導波管54を介して提供する。前記同軸導波管54は、内部導体54B及び外部導体54Aを含み得る。マイクロ波生成器55からのマイクロ波エネルギーは、前記プラズマガス供給ユニット30の直下のプラズマ生成領域R1で電場を生成し、これによりプロセスチャンバ内20のプラズマガス、例えばArガス、Heガス又は他の不活性ガスを励起する。
【0029】
図7は、アンテナユニット50(RLSA)の部分断面を示す。図示されているように、前記アンテナユニット50は、平坦アンテナ本体51、ラジアルラインスロットプレート52及び前記マイクロ波シグナルの波長を短くするための誘電プレート53を含む。前記平坦アンテナ本体51は、円形状であり、端部が開放された底部表面を持つ。前記ラジアルラインスロットプレート52は、前記平坦アンテナ本体51の開放された底部端を閉じるように形成される。前記平坦アンテナ本体51及びラジアルラインスロットプレート52は、平坦な中空環形状導波管を持つ導電性材料からできている。
【0030】
複数のスロット56が、円偏波を形成するために前記ラジアルラインスロットプレート52上に設けられる。複数のスロット56は、実質的にT形状で、それらの間に僅かなギャップを有し、環状パターン又は周縁に沿って渦巻きのパターンで設けられる。スロット56a及び56bはお互いに垂直であることから、2つの直交偏向成分を持つ円偏波が平面波として前記ラジアルラインスロットプレート52から放出される。
【0031】
前記誘電プレート53は低損失誘電材料、例えば酸化アルミニウム(Al)又はシリコン窒化物(Si)から作られており、これは前記ラジアルラインスロットプレート52と前記平坦アンテナ本体51の間に設けられる。図5に示されるように、ラジアルラインスロットプレート52は、図5には示されていない密閉部材を用いてプロセスチャンバ20上に設けられ、ラジアルラインスロットプレート52がカバープレート23と接近接触する。前記カバープレート23は、プラズマガス供給ユニット30の上部表面上に設けられ、酸化アルミニウム(Al)などのマイクロ波透過性誘電材料から作られる。
【0032】
図5を参照して、外部高周波パワー供給源22は電気的に前記基板ホルダ21にマッチングネットワーク25を介して接続される。前記外部高周波パワー供給源22は、所定の周波数、例えば13.56MHzのRFバイアス電力を生成し、基板Wへ引かれるイオンエネルギーを制御する。前記電力供給源22はさらに、場合によりパルス状のRFバイアス電力を与えるように構成され、前記パルス周波数は、1Hzを超えることができ、例えば2Hz,4Hz,6Hz,8Hz、10Hz,20Hz,30Hz50Hz又は50Hzを超える。例示的なRFバイアス電力は約100Wと約200Wとの間、約200Wと約300Wとの間、約300Wと約400Wとの間又は約400Wと約500Wとの間であり得る。留意すべきことは、当業者には、電力供給源22の電力レベルは処理される基板のサイズに関連するということが理解できるということである。例えば、300mmSiウェハは処理の際に200mmウェハよりも多くの電力消費を必要とする。プラズマ処理装置10はさらに、DC電圧生成器35を含みことができ、これは場合により約−5kVと約+5kVとの間のDC電圧バイアスを基板ホルダ21に供給することができる。
【0033】
共形アモルファスカーボンフィルムの形成の際に、プラズマガス、例えばArガスが、プラズマガス供給ユニット30を用いてプロセスチャンバ20内に導入され得る。一方、炭化水素ガス及び酸素含ガス及びキャリアガスとしてのArが、プロセスガス供給ユニット40を用いてプロセスチャンバ20へ導入され得る。図7に示されるように、炭化水素ガス及び酸素含有ガスはまた、プラズマガス供給ユニット30を用いてプロセスチャンバ20へ導入されることもできる。
【0034】
これまで、立ち上がり構造上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積する処理方法を提供する複数の実施態様が記載された。本発明の実施態様の前記記載は本発明を例示し説明するためのものである。開示されたこれらのものに本発明を限定することは意図されていない。本明細書及び以下の特許請求の範囲には、説明目的、図示目的のみに使用される用語を含みこれらはなんらを限定するものと解釈されてはならない。例えば、明細書(及び特許請求の範囲)で採用される用語「上」は、基板「上」のフィルムが直接基板にあること、及び直接接触していることを必要とするものではない。前記フィルムと前記基板との間に第2のフィルム又は他の構造が含まれることもあり得る。
当業者には、前記教示に照らして多くの修正、変更が可能であるということが理解されるであろう。当業者は、図に示される種々の部品について、種々の均等な組合せ、置換物を認識するであろう。従って、本発明の範囲は開示された詳細な説明に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲で限定されるものである、ということが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置を形成するための方法であり、前記方法は:
プロセスチャンバ内の基板ホルダ上に基板を準備し、前記基板が、上部表面と側壁表面を持つ立ち上がり構造を含み;
前記プロセスチャンバ内にプロセスガスを流し、前記プロセスガスが炭化水素ガス、酸素含有ガス、及び場合によりアルゴン又はヘリウムを含み;
前記プロセスチャンバ内のプロセスガス圧力を少なくとも1トールに維持し;
マイクロ波プラズマ源を用いて前記プロセスガスからプラズマを形成し;及び
前記基板を前記プラズマに曝露して前記立ち上がり構造の表面上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積させ、前記上部表面上の前記共形アモルファスカーボンフィルムの厚さと、前記側壁表面上の前記共形アモルファスカーボンフィルムの厚さとの比(d(上部)/d(側壁))が、2未満である、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、さらに、前記曝露の際に、高周波数(RF)バイアス電力を前記基板に適用する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であり、前記プロセスチャンバ内の前記プロセスガスの圧力が。1トールと5トールとの間である、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であり、さらに、基板ホルダの温度を200℃未満に維持する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であり、プラズマの形成が、前記基板に面するラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)を含む前記マイクロ波プラズマ源により前記プロセスガスを励起することを含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であり、前記炭化水素ガスが、プラズマ励起で開裂されない炭素−炭素三重結合を含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であり、前記炭化水素ガスが、C、C、C又はそれらの組合せを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であり、前記酸素含有ガスが、O、HO又はOとHOの両方を含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であり、前記プロセスガスが、Cガス、O及び場合によりアルゴン又はヘリウムを含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であり、前記d(上部)/d(側壁)値が1.4未満である、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であり、さらに:前記共形アモルファスカーボンフィルムをエッチングしてパターン化ハードマスクを形成する、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であり、前記プロセスガスを流すことが、酸素含有ガス及び場合によりアルゴン又はヘリウムの連続フロー及び前記炭化水素のパルスフローを含む、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であり、前記プロセスガスを流すことが、前記炭化水素ガス、前記酸素含有ガス、及び場合によりアルゴン又はヘリウムを連続的にフローすることを含む、方法。
【請求項14】
半導体装置を形成するための方法であり、前記方法は:
プロセスチャンバ内の基板ホルダ上に基板を準備し、前記基板が、上部表面と側壁表面を持つ立ち上がり構造を含み;
前記プロセスチャンバ内にプロセスガスを流し、前記プロセスガスが酸素含有ガス、及び場合によりアルゴン又はヘリウムの連続フロー、及び炭化水素ガスのパルスフロー含み;
前記プロセスチャンバ内のプロセスガスの圧力を少なくとも1トールに維持し;
前記基板に面するラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)を含むマイクロ波プラズマ源を用いて前記プロセスガスからプラズマを形成し、前記炭化水素ガスが、プラズマ励起では開裂されない炭素−炭素三重結合を含み;及び
前記基板を前記プラズマに曝露して前記立ち上がり構造の表面上に共形アモルファスカーボンフィルムを堆積させ、前記上部表面上の前記共形アモルファスカーボンフィルムの厚さと、前記側壁表面上の前記共形アモルファスカーボンフィルムの厚さとの比(d(上部)/d(側壁))が、2未満である、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であり、さらに、前記曝露の際に前記基板ホルダへ高周波数(RF)バイアス電力を適用する、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であり、前記プロセスチャンバ内のプロセスガスのプロセスガス圧力が1トールと5トールとの間である、方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法であり、さらに、前記基板温度を200℃未満に維持することを含む、方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法であり、前記酸素含有ガスが、O、HO又はO及びHOの両方を含む、方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法であり、前記プロセスガスが、Cガス、O、及び場合によりアルゴン又はヘリウムを含む、方法。
【請求項20】
請求項14に記載の方法であり、前記d(上部)/d(側壁)値が1.4未満である、方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−46070(P2013−46070A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−182159(P2012−182159)
【出願日】平成24年8月21日(2012.8.21)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】