説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】比較的低い温度で作製することができ、電荷の高い移動度を得ることができる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】酸化物半導体の微粒子を基板に吹き付けてチャネル用の半導体膜3を形成し、半導体膜3を間に挟むソース5s及びドレイン5dを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電界効果トランジスタを作製するためには、比較的高い温度での処理が必要とされる。その理由の一つとして、チャネルの材料としてシリコン及び化合物半導体が用いられていることが挙げられる。このため、基板の材料の制約等がある。
【0003】
また、薄型ディスプレイ等では、ガラス基板上に形成された薄膜トランジスタ(TFT)が用いられている。薄膜トランジスタでは、チャネルの材料として、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンが用いられている。アモルファスシリコンのチャネルを含む薄膜トランジスタは、200℃〜400℃程度と比較的低い温度で作製することができる。
【0004】
しかしながら、このチャネルにおける電荷の移動度は0.5cm2/Vs程度であり、高速動作が困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−179856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、比較的低い温度で作製することができ、電荷の高い移動度を得ることができる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
半導体装置の製造方法の一態様では、酸化物半導体の微粒子を基板に吹き付けてチャネル用の半導体膜を形成し、前記半導体膜の電位を制御するゲート電極並びに前記半導体膜を間に挟むソース電極及びドレイン電極を形成する。
【発明の効果】
【0008】
上記の半導体装置の製造方法等によれば、電荷の高い移動度を得ることができ、更に、比較的低い温度で作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図2】微粒子堆積装置の例を示す模式図である。
【図3】トランジスタの特性を示す図である。
【図4】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図5】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方向を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。なお、半導体装置の構造については、その製造方法と共に説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0012】
第1の実施形態では、先ず、図1(a)に示すように、基板1の両面に絶縁膜2が形成されて構成された基材1aを準備する。例えば、基板1は不純物が導入された導電性のシリコン基板であり、絶縁膜2は厚さが100nmのシリコン酸化膜である。このような基材1aは、酸化膜付シリコン基板とよばれることがある。次いで、硫酸及び過酸化水素水の混合液を用いて基材1aを洗浄する。その後、同じく図1(a)に示すように、基材1aのチャネルを形成する予定の領域及びその周囲に酸化物半導体の微粒子を吹き付けて酸化物半導体膜3を形成する。酸化物半導体膜3の厚さは、例えば100nm程度とする。また、酸化物半導体としては、例えば酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、又は酸化すず(SnO)等を用いる。
【0013】
ここで、酸化物半導体の微粒子の吹き付けに好適な微粒子堆積装置について説明する。図2は、微粒子堆積装置の例を示す図である。
【0014】
微粒子堆積装置の一例には、図2(a)に示すように、堆積室101及びパウダ室106が設けられている。堆積室101には、被処理材103を固定する可動式ステージ102が設けられている。更に、堆積室102にはポンプ107が繋げられている。パウダ室106内には、微粒子105が収納される。また、パウダ室106内に高圧ガスを供給する配管111、及びパウダ室106から堆積室101まで微粒子105を搬送する搬送管112が設けられている。堆積室101内では、搬送管112の先端に扁平ノズル104が設けられている。扁平ノズル104の開口部の形状は、例えば、長手方向の長さが20mm、これに直交する方向の長さが0.5mmの略矩形である。また、扁平ノズル104の開口部と被処理材103との間隔は、例えば10mm程度である。
【0015】
そして、酸化物半導体膜3の形成の際には、パウダ室106に、例えば平均直径が400nmの酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムガリウム亜鉛、又は酸化すずの微粒子105が、100g程度収納される。また、被処理材103として基材1aを用いる。ポンプ107を動作させて堆積室101内の圧力を100Pa程度にする。このような状態で、パウダ室106に高圧ガスを毎分21リットル程度の流量で供給する。高圧ガスとしては、例えば酸素ガスを用いる。高圧ガスとして窒素ガスを用いてもよく、酸素及び窒素の混合ガスを用いてもよい。この結果、パウダ室106内では、高圧ガスにより微粒子105が巻き上げられる。また、パウダ室106の圧力は50kPa程度となる。従って、巻き上げられた微粒子105が高圧ガス(キャリアガス)と共に搬送管112内を搬送され、扁平ノズル104の開口部からほぼ音速で被処理材103に向けて出射される。そして、微粒子105は慣性により被処理材103に到達するようになる。
【0016】
更に、高圧ガスのパウダ室106への供給と並行して可動式ステージ102を動作させ、被処理材103を扁平ノズル104の長手方向に垂直な方向に走査する。この走査の距離がXmmの場合、微粒子105は20mm×Xmmの矩形領域に堆積することとなる。また、走査の回数が60回程度の場合、酸化物半導体膜3の厚さは100nm程度となる。このように、図2(a)の微粒子堆積装置を用いて酸化物半導体膜3を形成することができる。なお、扁平ノズル104の長手方向に水平な方向に更に被処理材103を動かすことにより、特定の領域だけでなく、基板等の被処理材103に一様に酸化物半導体膜3を形成することが可能になる。
【0017】
また、図2(b)に示す微粒子堆積装置の他の一例を用いて酸化物半導体膜3を形成してもよい。この例では、搬送管112の途中に分級器108が設けられており、その下流側に粒子サイズ測定器109が繋げられている。分級器108としては、例えばインパクタ又はバーチャルインパクタが用いられる。パウダ室106内で微粒子105が凝集していることもあり、微粒子105が凝集して構成された集合体(凝集粒子)が搬送管112内を搬送されることもある。しかし、分級器108が設けられていれば、大きな凝集粒子が堆積室101まで搬送されることが抑制される。つまり、分級器108により、堆積室101へ導かれる粒子の大きさをより厳密に制御することが可能になる。例えば、上記のように、微粒子105の平均直径が400nmの場合、分級器108におけるカットサイズが800nm程度に設定されていれば、大きな凝集粒子を効率的に除去することが可能である。また、粒子サイズ測定器109により、凝集粒子がどの程度含まれているか、及び凝集粒子がどの程度除去されたかを検知することができる。
【0018】
酸化物半導体膜3の形成後には、図1(b)に示すように、フォトリソグラフィにより、チャネルを形成する予定の領域上にレジストパターン4を形成する。次いで、図1(c)に示すように、レジストパターン4をマスクとして用いて酸化物半導体膜3をアルゴンミリング等により加工する。その後、レジストパターン4を除去する。このようにしてチャネルが形成される。
【0019】
続いて、図1(d)に示すように、酸化物半導体膜3に接するソース電極5s及びドレイン電極5dを形成する。ソース電極5s及びドレイン電極5dには、例えば、厚さが10nm程度のTi膜及びその上に形成された厚さが50nm程度のAu膜が含まれる。ソース電極5s及びドレイン電極5dは、例えばリフトオフ法により形成することができる。この場合、ソース電極5sを形成する予定の領域及びドレイン電極5dを形成する予定の領域を露出するレジストマスクを形成し、電極材料の蒸着を行い、レジストマスクをその上の電極材料と共に除去する。
【0020】
次いで、図1(e)に示すように、酸化物半導体膜3等が形成されていない側の絶縁膜2を除去して基板1の裏面を露出する。その後、基板1の裏面上にバックゲート電極5gを形成する。バックゲート電極5gの形成では、例えば、厚さが10nmのTi膜及び厚さが50nmのAu膜をこの順で堆積する。このようにして、バックゲートトランジスタが得られる。
【0021】
第1の実施形態によれば、酸化物半導体膜3を微粒子105の堆積により形成しているため、比較的低い温度でトランジスタを製造することができる。また、このようにして形成した酸化物半導体膜3における電荷の移動度は高いため、高速動作が可能である。
【0022】
また、本願発明者が第1の実施形態に倣って酸化亜鉛の酸化物半導体膜3を形成し、透過型電子顕微鏡を用いてこれを観察したところ、酸化物半導体膜3のグレインサイズが20nm〜30nm程度であり、非常に緻密であった。
【0023】
また、本願発明者は第1の実施形態に倣ってバックゲートトランジスタを製造し、その特性を測定した。この結果を図3に示す。なお、酸化物半導体膜3の材料は酸化亜鉛とした。図3(a)は、種々のゲート電圧Vgにおけるソース及びドレイン間の電圧Vdsと
ソース及びドレイン間の電流Idsとの関係を示し、図3(b)は、ドレイン電圧Vdが5Vのときのソース及びゲート間の電圧Vgsとソース及びドレイン間の電流Idsとの関係を示す。図3に示すように、良好な特性を得ることができた。
【0024】
なお、扁平ノズル104の開口部の形状は特に限定されない。例えば、長手方向の長さが30mm又は100mm等であってもよい。
【0025】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0026】
第2の実施形態では、先ず、図4(a)に示すように、基板11の一表面上に硬質絶縁膜12を形成する。基板11としては、例えばアクリル基板等のヤング率が10GPa以下のものを用いる。また、硬質絶縁膜12としては、例えば酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等のヤング率が10GPa以上のものを用いる。アクリル基板のヤング率は3GPa程度、酸化シリコン膜のヤング率は73GPa程度、酸化アルミニウム膜のヤング率は400GPa程度である。硬質絶縁膜12は、例えば室温でのスパッタリング法により形成することができる。また、硬質絶縁膜12の厚さは、例えば400nm程度とする。
【0027】
次いで、図4(b)に示すように、酸化物半導体膜3と同様に、硬質絶縁膜12のチャネルを形成する予定の領域に酸化物半導体膜13を形成する。つまり、基板11を操作させながらの微粒子の吹き付け、及びレジストパターンをマスクとして用いたアルゴンミリング等を行う。また、ソース電極5s及びドレイン電極5dと同様に、酸化物半導体膜13に接するソース電極15s及びドレイン電極15dを形成する。
【0028】
その後、図4(c)に示すように、酸化物半導体膜13、ソース電極15s及びドレイン電極15dを覆うゲート絶縁膜14を形成する。ゲート絶縁膜14としては、例えば、原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)法により厚さが50nm程度の酸化ハフニウム膜を形成する。また、SOG(スピン・オン・グラス)を用いて酸化シリコン膜を形成してもよい。いずれにしてもアクリル基板等の基板11が軟化及び変形しない温度条件下で酸化物半導体膜13を形成する。
【0029】
続いて、図4(d)に示すように、酸化物半導体膜13の上方でゲート絶縁膜14上にゲート電極15gを形成する。ゲート電極15gには、例えば、Ti膜及びAu膜が含まれる。ゲート電極15gは、例えばリフトオフ法により形成することができる。また、ゲート絶縁膜14に、ソース電極15sの一部を露出する開口部及びドレイン電極15dの一部を露出する開口部を形成する。このようにして、トップゲートトランジスタが得られる。
【0030】
第2の実施形態によれば、酸化物半導体膜13を酸化物半導体膜3と同様の方法によって形成しているため、比較的低い温度でトランジスタを製造することができる。また、このようにして形成した酸化物半導体膜13における電荷の移動度は高いため、高速動作が可能である。
【0031】
ヤング率が低く、軟らかい基板11上に酸化物半導体膜13を直接形成することも可能であるが、酸化物半導体膜13を直接形成すると、微粒子の衝突により基板11の表面が荒れて、酸化物半導体膜13の形成が困難になりやすい。これに対し、本実施形態では、基板11を用いているが、その上に硬質絶縁膜12を形成しているため、酸化物半導体膜13を緻密なものとすることができる。
【0032】
なお、硬質絶縁膜12の厚さは特に限定されないが、酸化物半導体膜13の形成に用いる微粒子の平均直径以上とすることが好ましい。即ち、微粒子の平均直径が400nmであれば、酸化物半導体膜13の厚さは400nm以上とすることが好ましい。
【0033】
また、基板11として他のプラスチック基板、ゴム基板、木製基板、又は紙製基板を用いてもよく、可撓性基板を用いてもよい。プラスチック基板の材料としては、塩化ビニル、ポリスチレン、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ペット、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリカーボネート、メチルペンテン樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。また、ゴム基板の材料としては、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。更に、シリコン基板等のヤング率が10GPa以上の基板を用いてもよい。
【0034】
また、第2の実施形態は、特に、基板11のヤング率が微粒子のヤング率よりも小さく、硬質絶縁膜12のヤング率が微粒子のヤング率と同程度以上の場合に効果的である。
【0035】
また、微粒子のサイズ分布が2つ以上のピークを有していてもよい。例えば、平均直径が400nmの微粒子と平均直径が400nmとは異なる微粒子との混合物がパウダ室に入れられていてもよい。平均直径が小さな微粒子は成膜速度の向上に効果的であり、平均直径が大きな微粒子は緻密な膜の形成に効果的であり、これらを適切に組み合わせることにより、相乗的な効果を得ることができる。なお、この場合には、硬質絶縁膜12の厚さは最も大きな微粒子のピークサイズ(平均直径)以上であることが好ましい。
【0036】
なお、第2の実施形態でトップゲート構造を採用しているのは、基板11が導電性を帯びておらず、バックゲート構造では酸化物半導体膜13の電位の制御が困難だからである。
【0037】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図5は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方向を示す断面図である。
【0038】
第3の実施形態では、先ず、図5(a)に示すように、絶縁性の基板21のチャネルを形成する予定の領域及びその周囲に酸化物半導体の微粒子を吹き付けて酸化物半導体膜23を形成する。酸化物半導体膜23の厚さは、例えば200nm程度とする。酸化物半導体膜23は、酸化物半導体膜3と同様の方法により形成する。従って、第1の実施形態と比較すると、走査の回数を多くする。次いで、第1の実施形態と同様にして、レジストパターンをマスクとして用いたアルゴンミリングを行う。
【0039】
その後、図5(b)に示すように、酸化物半導体膜23を化学機械研磨(CMP:chemical mechanical polishing)法により研磨する。この際に、例えば、酸化物半導体膜23の表面粗さは1nm以下とし、厚さは100nm程度とする。
【0040】
続いて、図5(c)に示すように、酸化物半導体膜23上にMgxZn1-xO(MgZnO)膜26を形成する。ここで、MgZnO膜26におけるMgの分率xは、0.05〜0.30程度とする。また、MgZnO膜26の厚さは、例えば30nm程度とする。MgZnO膜26は、例えば、ALD法、レーザアブレーション、又はスパッタリング法等により形成することができる。また、酸化物半導体膜23の形成と同様に、微粒子の吹き付けによってMgZnO膜26を形成してもよい。
【0041】
次いで、図5(d)に示すように、ソース電極5s及びドレイン電極5dと同様に、酸化物半導体膜23及びMgZnO膜26に接するソース電極25s及びドレイン電極25dを形成する。また、MgZnO膜26、ソース電極25s及びドレイン電極25dを覆うゲート絶縁膜24を形成する。更に、酸化物半導体膜23及びMgZnO膜26の上方でゲート絶縁膜24上にゲート電極25gを形成する。また、ゲート絶縁膜24に、ソース電極25sの一部を露出する開口部及びドレイン電極25dの一部を露出する開口部を形成する。このようにして、高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)が得られる。
【0042】
第3の実施形態によれば、酸化物半導体膜23を酸化物半導体膜3と同様の方法によって形成しているため、比較的低い温度でトランジスタを製造することができる。また、このようにして形成した酸化物半導体膜23における電荷の移動度は高いため、高速動作が可能である。
【0043】
なお、いずれの実施形態においても、酸化膜付シリコン基板、サファイア基板、アルミナ基板、石英基板、及びガラス基板等を基板として用いることができる。また、製造されたトランジスタは、例えば、携帯電話、無線通信又は携帯電話の基地局、サーバ、パーソナルコンピューター、自動車、人工衛星、建造物等に用いることができる。
【0044】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0045】
(付記1)
酸化物半導体の微粒子を基板に吹き付けてチャネル用の半導体膜を形成する工程と、
前記半導体膜の電位を制御するゲート電極並びに前記半導体膜を間に挟むソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0046】
(付記2)
前記酸化物半導体は、酸化亜鉛、酸化マグネシウム亜鉛、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムガリウム亜鉛、及び酸化すずからなる群から選択された少なくとも一種を含有することを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0047】
(付記3)
前記半導体膜を形成する工程の前に、前記基板上にヤング率が10GPa以上の絶縁膜を形成する工程を有することを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【0048】
(付記4)
絶縁膜の厚さを前記微粒子の平均直径以上とすることを特徴とする付記3に記載の半導体装置の製造方法。
【0049】
(付記5)
前記絶縁膜は、シリコン酸化物及びアルミニウム酸化物からなる群から選択された少なくとも一種を含有することを特徴とする付記3又は4に記載の半導体装置の製造方法。
【0050】
(付記6)
前記基板のヤング率は、10GPa以下であることを特徴とする付記3乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0051】
(付記7)
前記基板は、プラスチック基板、ゴム基板、木製基板、及び紙製基板からなる群から選択された少なくとも一種であることを特徴とする付記6に記載の半導体装置の製造方法。
【0052】
(付記8)
前記基板は、酸化膜付シリコン基板、サファイア基板、アルミナ基板、石英基板、及びガラス基板からなる群から選択された少なくとも一種であることを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0053】
(付記9)
酸化物半導体の微粒子の基板への吹き付けにより形成されたチャネル用の半導体膜と、
前記半導体膜の電位を制御するゲート電極と、
前記半導体膜を間に挟むソース電極及びドレイン電極と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【0054】
(付記10)
前記酸化物半導体は、酸化亜鉛、酸化マグネシウム亜鉛、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムガリウム亜鉛、及び酸化すずからなる群から選択された少なくとも一種を含有することを特徴とする付記9に記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0055】
1、11、21:基板
2:絶縁膜
3、13,23:酸化物半導体膜
5d、15d、25d:ドレイン電極
5g、15g、15g:ゲート電極
5s、15s、15s:ソース電極
12:硬質絶縁膜
14、24:ゲート絶縁膜
26:MgZnO

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化物半導体の微粒子を基板に吹き付けてチャネル用の半導体膜を形成する工程と、
前記半導体膜の電位を制御するゲート電極並びに前記半導体膜を間に挟むソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記酸化物半導体は、酸化亜鉛、酸化マグネシウム亜鉛、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムガリウム亜鉛、及び酸化すずからなる群から選択された少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記半導体膜を形成する工程の前に、前記基板上にヤング率が10GPa以上の絶縁膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
絶縁膜の厚さを前記微粒子の平均直径以上とすることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
酸化物半導体の微粒子の基板への吹き付けにより形成されたチャネル用の半導体膜と、
前記半導体膜の電位を制御するゲート電極と、
前記半導体膜を間に挟むソース電極及びドレイン電極と、
を有することを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−254003(P2011−254003A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127991(P2010−127991)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】