説明

半導体装置

【課題】半導体装置の作製工程におけるプラズマダメージの影響を低減し、しきい値電圧のばらつきの抑制された均一な表示特性の半導体装置を提供する。
【解決手段】トランジスタ上の平坦化層113と、平坦化層113の上面もしくは下面に設けられると共に平坦化層からの水分や脱ガス成分の拡散を抑制するバリア層112を備えた半導体装置であって、これら平坦化層113及びバリア層112の位置関係を工夫することにより平坦化層113に及ぶプラズマダメージを低減する上で有効なデバイス構成を用いる。また、画素電極158の構造として新規な構造との組み合わせにより、輝度の向上等の効果をも付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子(代表的にはトランジスタ)をデバイスとして用いた表示装置、
特にエレクトロルミネセンス表示装置に代表される発光装置に係る技術分野及び該表示装
置を画像表示部に備えた電子機器に係る技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、基板上にトランジスタ(特に薄膜トランジスタ)を集積化してなる液晶表示装置
やエレクトロルミネセンス(Electro Luminescence)表示装置の開発が進んでいる。これ
らの表示装置は、いずれもガラス基板上に薄膜形成技術を用いてトランジスタを作り込み
、そのトランジスタをマトリクス配列された各画素に配置し、画像表示を行う表示装置と
して機能させることを特徴とする。
【0003】
表示装置の画像表示を行う領域(以下、画素部という。)に要求される仕様は様々であ
るが、まずドット数が多くて高精細であること、各画素の有効表示領域の面積が大きく明
るい画像表示が可能なこと、そして、画素部の全域に渡って点欠陥や線欠陥を誘引するよ
うな不良がないこと、等が挙げられる。これらの仕様を満たすためには、各画素に配置さ
れるトランジスタの性能が良いことだけでなく、安定したプロセスで歩留まり良くトラン
ジスタを形成できる技術が必要である。
【0004】
また、エレクトロルミネセンス表示装置の中でも有機エレクトロルミネセンス表示装置
は、発光源となる発光素子に有機化合物を用いるため、有機化合物の劣化を抑制するため
の工夫が信頼性確保にあたって最重要課題となる。即ち、信頼性の高い表示装置を得るた
めには、作製途中におけるプロセス上の蓄積ダメージによる影響だけでなく、その蓄積ダ
メージに起因する後の経時劣化にも注意しなければならない。
【0005】
以上のような開発状況の中で、本出願人が現状において最も懸念している問題点は、エ
ッチング工程によるプラズマダメージが絶縁膜等に蓄積したことによる弊害、例えばトラ
ンジスタのしきい値電圧のばらつき及びシフト等である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前掲の問題に鑑みてなされたものであり、表示装置の作製工程におけるプラ
ズマダメージの影響を低減する上で有効なデバイス構成を提供することを課題とするもの
である。そして、プラズマダメージの影響を低減することによりトランジスタのしきい値
電圧のばらつきを抑制し、均一な表示特性(隣接間画素における輝度ばらつきや劣化の度
合いの小さい表示特性を指す。)の表示装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前掲の課題を解決する上で有効なデバイス構成として、以下の構成を含むこ
とを特徴とする表示装置である。なお、ここで発光素子とは、一対の電極(陽極及び陰極
)の間に発光体(発光層、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリア阻止層その他の発
光に必要な有機化合物もしくは無機化合物を積層してなる積層体を指す。)を設けた素子
をいう。例えば、エレクトロルミネセンス素子は、発光素子に該当する。
【0008】
(1)基板面に設けられたトランジスタ及び該トランジスタに接続された発光素子を含
む表示装置において、 前記トランジスタは、半導体で形成された活性層、該活性層に接
するゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜を介して前記活性層に対向するゲート電極、前記活性
層上方のバリア層、該バリア層上の平坦化層並びに該平坦化層上のドレイン電極を有し、
前記発光素子は、前記平坦化層上において前記ドレイン電極の上面に接して接続された
画素電極、該画素電極に接する発光体及び該発光体を介して前記画素電極に対向する対向
電極を有し、 前記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁膜及び前記バリア層に設けられた第
1開口部並びに前記平坦化層に設けられた第2開口部を介して前記活性層に接続されてい
ることを特徴とする。
【0009】
なお、本発明における平坦化層は、スパッタ法、プラズマCVD法、減圧熱CVD法も
しくはスピンコート法により形成される無機絶縁膜であっても、有機樹脂膜であっても構
わない。また、スパッタ法、プラズマCVD法、もしくは減圧熱CVD法で形成した場合
は、その表面を研磨(機械的、化学的もしくはその併用効果を有する研磨を含む。)して
用いれば良い。平坦化層により、該平坦化層上に設けられる第1の電極の表面を平坦とす
ることができ、発光素子(EL素子)のショートを防止する。また、バリア層を設けるこ
とによって、EL素子からの不純物拡散をブロックしてTFTを保護し、さらに有機絶縁
膜からの脱ガスを防ぐ。また、TFTの活性層に近い箇所にバリア層を設けることによっ
て、EL素子からの不純物拡散をブロックしてTFTを効果的に保護している。
【0010】
(2)基板面に設けられたトランジスタ及び該トランジスタに接続された発光素子を含
む表示装置において、 前記トランジスタは、半導体で形成された活性層、該活性層に接
するゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜を介して前記活性層に対向するゲート電極、前記活性
層上方の平坦化層、該平坦化層上のバリア層並びに該バリア層上のドレイン電極を有し、
前記発光素子は、前記平坦化層上において前記ドレイン電極の上面に接して接続された
画素電極、該画素電極に接する発光体及び該発光体を介して前記画素電極に対向する対向
電極を有し、 前記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁膜及び前記バリア層に設けられた第
1開口部並びに前記平坦化層に設けられた第2開口部を介して前記活性層に接続され、
前記バリア層は、前記平坦化層の上面及び該平坦化層に設けられた前記第2開口部の側面
を被覆していることを特徴とする。
【0011】
また、(2)に示す構成は、バリア層を設けることによって、第1の電極やドレイン電極
をエッチングする際、平坦化層がエッチングされるのを防いでいる。また、バリア層で平
坦化層を覆うことにより、平坦化層から発光素子への不純物拡散を防ぐ。
【0012】
(3)基板面に設けられたトランジスタ及び該トランジスタに接続された発光素子を含
む表示装置において、 前記トランジスタは、半導体で形成された活性層、該活性層に接
するゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜を介して前記活性層に対向するゲート電極、前記活性
層上方の平坦化層、該平坦化層上のバリア層並びに該バリア層上のドレイン電極を有し、
前記発光素子は、前記平坦化層上において前記ドレイン電極の上面に接して接続された
画素電極、該画素電極に接する発光体及び該発光体を介して前記画素電極に対向する対向
電極を有し、 前記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁膜、前記平坦化層及び前記バリア層
に設けられた開口部を介して前記活性層に接続され、 前記バリア層は、前記平坦化層の
上面を被覆していることを特徴とする。
【0013】
また、(3)に示す構成は、前記ゲート絶縁膜、前記平坦化層及び前記バリア層に設けら
れた開口部は、同じマスクを用いてエッチングされており、(1)や(2)に比べ、少な
いマスク数で作製することができる。
【0014】
(4)基板面に設けられたトランジスタ及び該トランジスタに接続された発光素子を含
む表示装置において、 前記トランジスタは、半導体で形成された活性層、該活性層に接
するゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜を介して前記活性層に対向するゲート電極、前記活性
層上方のバリア層、該バリア層上の平坦化層並びに該平坦化層上のドレイン電極を有し、
前記発光素子は、前記平坦化層上において前記ドレイン電極の下面に接して接続された
画素電極、該画素電極に接する発光体及び該発光体を介して前記画素電極に対向する対向
電極を有し、 前記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁膜及び前記バリア層に設けられた第
1開口部並びに前記平坦化層に設けられた第2開口部を介して前記活性層に接続されてい
ることを特徴とする。
【0015】
(5)基板面に設けられたトランジスタ及び該トランジスタに接続された発光素子を含
む表示装置において、 前記トランジスタは、半導体で形成された活性層、該活性層に接
するゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜を介して前記活性層に対向するゲート電極、前記活性
層上方の平坦化層、該平坦化層上のバリア層並びに該バリア層上のドレイン電極を有し、
前記発光素子は、前記平坦化層上において前記ドレイン電極の下面に接して接続された
画素電極、該画素電極に接する発光体及び該発光体を介して前記画素電極に対向する対向
電極を有し、 前記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁膜及び前記バリア層に設けられた第
1開口部並びに前記平坦化層に設けられた第2開口部を介して前記活性層に接続され、
前記バリア層は、前記平坦化層の上面及び該平坦化層に設けられた第1開口部の側面を被
覆していることを特徴とする。
【0016】
(6)基板面に設けられたトランジスタ及び該トランジスタに接続された発光素子を含
む表示装置において、 前記トランジスタは、半導体で形成された活性層、該活性層に接
するゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜を介して前記活性層に対向するゲート電極、前記活性
層上方の平坦化層、該平坦化層上のバリア層並びに該バリア層上のドレイン電極を有し、
前記発光素子は、前記平坦化層上において前記ドレイン電極の下面に接して接続された
画素電極、該画素電極に接する発光体及び該発光体を介して前記画素電極に対向する対向
電極を有し、 前記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁膜、前記平坦化層及び前記バリア層
に設けられた開口部を介して前記活性層に接続され、 前記バリア層は、前記平坦化層の
上面を被覆していることを特徴とする。
【0017】
また、(4)、(5)、(6)に示す構成は、画素電極の形成後にドレイン電極を形成す
る構成であり、ドレイン電極の膜厚が厚い場合に有用である。ドレイン電極後に形成する
場合には、画素電極の一部がドレイン電極と接して重なるように形成する必要があるが、
ドレイン電極の膜厚が厚い場合、画素電極に段切れなどのカバレッジ不良が生じる恐れが
ある。
【0018】
(7)基板面に設けられたトランジスタ及び該トランジスタに接続された発光素子を含
む表示装置において、 前記トランジスタは、半導体で形成された活性層、該活性層に接
するゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜を介して前記活性層に対向するゲート電極、前記活性
層上方のバリア層、該バリア層上の絶縁層、該絶縁層上のドレイン電極並びにソース電極
もしくはドレイン電極上の平坦化層を有し、 前記発光素子は、前記平坦化層上に設けら
れ、かつ、該平坦化層に設けられた開口部を介して前記ドレイン電極に接続された画素電
極、該画素電極に接する発光体及び該発光体を介して前記画素電極に対向する対向電極を
有し、 前記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁膜及び前記バリア層に設けられた第1開口
部並びに前記絶縁層に設けられた第2開口部を介して前記活性層に接続されていることを
特徴とする。
【0019】
(8)基板面に設けられたトランジスタ及び該トランジスタに接続された発光素子を含
む表示装置において、 前記トランジスタは、半導体で形成された活性層、該活性層に接
するゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜を介して前記活性層に対向するゲート電極、前記活性
層上方の絶縁層、該絶縁層上のバリア層、該バリア層上のドレイン電極並びに該ドレイン
電極上の平坦化層を有し、 前記発光素子は、前記平坦化層上に設けられ、かつ、該平坦
化層に設けられた開口部を介して前記ドレイン電極に接続された画素電極、該画素電極に
接する発光体及び該発光体を介して前記画素電極に対向する対向電極を有し、 前記ドレ
イン電極は、前記ゲート絶縁膜及び前記バリア層に設けられた第1開口部並びに前記絶縁
層に設けられた第2開口部を介して前記活性層に接続され、 前記バリア層は、前記絶縁
層の上面及び該絶縁層に設けられた第2開口部の側面を被覆していることを特徴とする。
【0020】
(9)基板面に設けられたトランジスタ及び該トランジスタに接続された発光素子を含
む表示装置において、 前記トランジスタは、半導体で形成された活性層、該活性層に接
するゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜を介して前記活性層に対向するゲート電極、前記活性
層上方の絶縁層、該絶縁層上のバリア層、該バリア層上のドレイン電極並びに該ドレイン
電極上の平坦化層を有し、 前記発光素子は、前記平坦化層上に設けられ、かつ、該平坦
化層に設けられた開口部を介して前記ドレイン電極に接続された画素電極、該画素電極に
接する発光体及び該発光体を介して前記画素電極に対向する対向電極を有し、 前記ドレ
イン電極は、前記ゲート絶縁膜、前記絶縁層及び前記バリア層に設けられた開口部を介し
て前記活性層に接続され、 前記バリア層は、前記絶縁層の上面を被覆していることを特
徴とする。
【0021】
また、(7)、(8)、(9)に示す構成は、画素電極がコンタクトホールを介してド
レイン電極に接続しており、他の配線とは平坦化層で絶縁されているので画素電極の面積
を大きくすることができる。
【0022】
なお、前記(7)〜(9)に示した構成における平坦化層の上面は、窒化シリコン膜で
覆われていても良い。特に平坦化層として有機樹脂膜を用いる場合、その上面(開口部が
ある場合はその内壁面を含む。)を窒化シリコン膜で覆うことにより、有機樹脂膜から発
生するガス(成分ガスや水分を含む。)の発光素子側への拡散を効果的に抑制することが
可能となるからである。
【0023】
また、前記画素電極の端部(少なくとも角の部分)は、樹脂膜で覆われていることが好
ましい。画素電極の端部は電界集中が起こりやすく、さらにその上に形成される膜の被覆
率が悪いため、当該端部は発光素子の形成にあたって使用しないことが好ましいからであ
る。なお、この樹脂膜は、非感光性樹脂膜であっても感光性樹脂膜であっても良いし、感
光性樹脂膜であればポジ型、ネガ型のいずれを用いても良い。
【0024】
(10)基板面に設けられたトランジスタ及び該トランジスタに接続された発光素子を
含む表示装置において、 前記トランジスタは、半導体で形成された活性層、該活性層に
接するゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜を介して前記活性層に対向するゲート電極、前記活
性層上方のバリア層、該バリア層上の平坦化層並びに該平坦化層上のドレイン電極を有し
、 前記ドレイン電極は、第1金属膜及び第2金属膜を積層した構造を含む積層電極であ
ると共に該第2金属膜の一部が除去されて前記第1金属膜が露出した部分を有し、 前記
発光素子は、前記第1金属膜が露出した部分、該第1金属膜が露出した部分に接する発光
体及び該発光体を介して前記第1金属膜が露出した部分に対向する対向電極を有し、 前
記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁膜及び前記バリア層に設けられた第1開口部並びに前
記平坦化層に設けられた第2開口部を介して前記活性層に接続されていることを特徴とす
る。
【0025】
(11)基板面に設けられたトランジスタ及び該トランジスタに接続された発光素子を
含む表示装置において、 前記トランジスタは、半導体で形成された活性層、該活性層に
接するゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜を介して前記活性層に対向するゲート電極、前記活
性層上方の平坦化層、該平坦化層上のバリア層並びに該バリア層上のドレイン電極を有し
、 前記ドレイン電極は、第1金属膜及び第2金属膜を積層した構造を含む積層電極であ
ると共に該第2金属膜の一部が除去されて前記第1金属膜が露出した部分を有し、 前記
発光素子は、前記第1金属膜が露出した部分、該第1金属膜が露出した部分に接する発光
体及び該発光体を介して前記第1金属膜が露出した部分に対向する対向電極を有し、 前
記バリア層は、前記平坦化層の上面及び該絶縁層に設けられた第1開口部の側面を被覆し
ていることを特徴とする。
【0026】
(12)基板面に設けられたトランジスタ及び該トランジスタに接続された発光素子を
含む表示装置において、 前記トランジスタは、半導体で形成された活性層、該活性層に
接するゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜を介して前記活性層に対向するゲート電極、前記活
性層上方の平坦化層、該平坦化層上のバリア層並びに該バリア層上のドレイン電極を有し
、 前記ドレイン電極は、第1金属膜及び第2金属膜を積層した構造を含む積層電極であ
ると共に該第2金属膜の一部が除去されて前記第1金属膜が露出した部分を有し、 前記
発光素子は、前記第1金属膜が露出した部分、該第1金属膜が露出した部分に接する発光
体及び該発光体を介して前記第1金属膜が露出した部分に対向する対向電極を有し、 ソ
ース電極及び前記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁膜、前記絶縁層及び前記バリア層に設
けられた開口部を介して前記活性層に接続され、 前記バリア層は、前記平坦化層の上面
を被覆していることを特徴とする。
【0027】
なお、(10)〜(12)に示した構成において、前記第2金属膜の一部が除去されて
前記第1金属膜が露出した部分における前記第2金属膜の断面と該第2金属膜の上面とが
なす角は、鈍角であると良い。即ち、当該部分は、第2金属膜をエッチングにより除去し
て形成するが、そのエッチング断面がテーパー形状となるようにエッチングすることが好
ましいという意味である。これは、発光体の内部で発生した光が発光体中を横方向に伝播
しても第2金属膜の断面がテーパー形状であれば、当該断面で反射されて効率良く取り出
すことができるからである。(10)〜(12)に示した構成は、積層電極の段差部分に
形成された前記第2金属膜の斜面で横方向の発光を反射または集光させて、ある一方向(
対向電極を通過する方向)に取り出す発光量を増加させるものである。また、そのために
は、前記発光体の膜厚は、前記第2金属膜の膜厚より薄いことが好ましい。
【0028】
また、前記画素部における前記第2金属膜の一部が除去されて前記第1金属膜が露出し
た部分以外の部分は、樹脂膜で覆われることになる。これは、この樹脂膜を用いて第2金
属膜をエッチングするため、第2金属膜の一部(除去された部分)以外の部分はすべて当
該樹脂膜で覆われているのである。ただし、樹脂膜は画素部にあれば十分であり、必ずし
も画素部以外の部分(例えば駆動回路部)に残っている必要はない。また、外部回路との
信号のやり取りを行う端子部は当然樹脂膜を除去してある必要がある。
【0029】
なお、第1金属膜としては、チタン膜、窒化チタン膜その他の発光素子の陽極として機
能しうる金属膜を用いることが好ましく、第2金属膜としては、アルミニウム膜(アルミ
ニウム合金膜及び他の元素が添加されたアルミニウム膜を含む。以下、同じ。)の如き反
射率の高い金属膜を用いることが好ましい。ここでは第1金属膜と第2金属膜との二層構
造しか例示しなかったが、さらに複数の積層構造であっても良い。
【0030】
これらの発明の構成において、バリア層として用いる窒化シリコン膜は、可能な限り緻
密な膜であることが望ましい。緻密であれば、その分だけバリア性が高まり、脱ガス成分
の拡散防止効果が高い。例えば、平坦化層として有機樹脂膜を用いる場合、そこからの成
分ガスや水分がトランジスタ側もしくは発光素子側へ拡散することを効果的に抑制するこ
とが可能となる。
【0031】
また、平坦化層としてスピンコート法により形成する無機絶縁膜(代表的には、スピン
オングラス膜)を用いる場合においても、やはり成分ガスや水分の拡散を抑制する上で非
常に効果的である。なお、SOG(スピンオングラス)膜としては、有機系SOG膜と無
機系SOG膜があるが、本発明に用いるなら、より脱ガスの少ない無機系SOG膜の方が
好ましい。無機系SOG膜としては、スピンコーティング法により形成するSiOx膜、
PSG(リンシリケートグラス)膜、BSG(ボロンシリケートグラス)膜もしくはBP
SG(ボロンリンシリケートグラス)膜が好適である。また、具体的なSOG膜の代表的
な例としては、東京応化工業株式会社のOCDシリーズが挙げられる。勿論、その他の公
知のSOG膜を用いても良い。
【発明の効果】
【0032】
本発明によるデバイス構成の表示装置とすることにより、その作製工程におけるプラ
ズマダメージの影響を低減することができ、トランジスタのしきい値電圧のばらつきを抑
制し、均一な表示特性の表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】表示装置のデバイス構成を示す上面図、回路図及び断面図。
【図2】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図3】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図4】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図5】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図6】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図7】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図8】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図9】表示装置のデバイス構成を示す上面図、回路図及び断面図。
【図10】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図11】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図12】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図13】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図14】表示装置のデバイス構成を示す上面図、回路図及び断面図。
【図15】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図16】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図17】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図18】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図19】表示装置のデバイス構成を示す上面図及び回路図。
【図20】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図21】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図22】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図23】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図24】画素電極の構成を示す透過型電子顕微鏡写真。
【図25】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図26】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図27】表示装置のデバイス構成を示す断面図。
【図28】表示装置の外観を示す上面図及び断面図。
【図29】電子機器の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔実施の形態1〕
本実施の形態は、本発明のエレクトロルミネセンス表示装置の一例である。図1におい
て、図1(A)は、エレクトロルミネセンス表示装置の一画素における上面図(ただし、
画素電極を形成したところまで。)であり、図1(B)はその回路図であり、図1(C)
、(D)はそれぞれA−A’もしくはB−B’における断面図に相当する図面である。
【0035】
図1(A)、(B)に示すように、エレクトロルミネセンス表示装置の画素部は、ゲー
ト配線151、データ配線152及び電源配線(定電圧もしくは定電流を供給する配線)
153で囲まれた複数の画素をマトリクス配置で有し、各画素にはスイッチング素子とし
て機能する薄膜トランジスタ(TFT)(以下、スイッチング用TFTという。)154
、発光素子を発光させるための電流もしくは電圧を供給する手段として機能するTFT(
以下、駆動用TFTという。)155、容量部156及び発光素子157が設けられてい
る。発光素子157は、ここでは図示されていなが、画素電極158の上方に発光体を設
けることにより形成することができる。
【0036】
なお、本実施の形態において、スイッチング用TFT154として、マルチゲート構造
のnチャネル型TFTを用い、駆動用TFT155として、pチャネル型TFTを用いて
いるが、発光装置の画素構成はこれに限定する必要はなく、公知のどのような構成に対し
ても本発明を適用できる。
【0037】
図1(C)の断面図には、nチャネル型TFT154及び容量部156が現れる。10
1は基板であり、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、シリコン基板もしくはプラス
チック基板(プラスチックフィルムを含む。)を用いることができる。また、102は窒
化酸化シリコン膜、103は酸化窒化シリコン膜であり、積層して下地膜として機能させ
る。勿論、これらの材料に限定する必要はない。さらに、酸化窒化シリコン膜103の上
には、nチャネル型TFT154の活性層が設けられ、該活性層は、ソース領域104、
ドレイン領域105、LDD領域106a〜106d及びチャネル形成領域107a、1
07bを有し、ソース領域104とドレイン領域105の間に、二つのチャネル形成領域
及び四つのLDD領域を有している。
【0038】
また、nチャネル型TFT154の活性層は、ゲート絶縁膜108に覆われ、その上に
ゲート電極109a、109b及びゲート電極110a、110bが設けられている。ゲ
ート絶縁膜108は、本実施の形態では酸化窒化シリコン膜を用いるが、比誘電率の高い
窒化アルミニウム膜等の前掲の窒化絶縁膜を用いると、素子の占有面積を小さくできるた
め、集積度の向上に有効である。
【0039】
また、ゲート電極109a及び110aとしては、窒化タンタル膜を用い、ゲート電極
109b及び110bとしては、タングステン膜を用いる。これらの金属膜は相互に選択
比が高いため、エッチング条件を選択することによりこのような構造とすることが可能で
ある。このエッチング条件については、本出願人による特開2001−313397号公
報を参照すれば良い。
【0040】
また、ゲート電極を覆う絶縁層111として窒化シリコン膜もしくは窒化酸化シリコン
膜が設けられ、その上にバリア層112として窒化シリコン膜が設けられる。この窒化シ
リコン膜は、スパッタガスとして窒素及びアルゴンを用い、かつ、ターゲットとしてシリ
コンを用いた高周波スパッタ法により形成されるものであり、極めて緻密な膜質とするこ
とができ、バリア層として有用である。さらに、バリア層112上には平坦化層113と
して平坦化された無機絶縁膜が設けられている。本実施の形態では、平坦化された無機絶
縁膜として、SOG(スピンオングラス)膜もしくは表面を研磨した無機絶縁膜を用いる

【0041】
このとき、ゲート絶縁膜108、絶縁層111及びバリア層112からなる積層体には
ソース領域104上及びドレイン領域105上において第1開口部が設けられ、平坦化層
113には、その内部に第1開口部が収まるように第2開口部が設けられている。このよ
うな構造は、(1)第1開口部を先に形成した後、第1開口部を一旦平坦化層で埋め、さ
らに第2開口部を形成する方法、(2)平坦化層を設けた後、第2開口部を形成し、その
後、新たにマスクを用いて第2開口部内に第1開口部を形成する方法、のいずれの方法を
選択しても良い。ただし、第1開口部の形成にはドライエッチング法を用いることが好ま
しいため、平坦化層113をプラズマに曝すことはできる限り避けた方が良く、その意味
で上記(1)の方法が好ましいと言える。
【0042】
また、データ配線152及び接続配線(ドレイン電極に相当する。)は、第1開口部及
び第2開口部を介してソース領域104もしくはドレイン領域105に接続される。接続
配線114は、駆動用TFT155のゲートに接続される配線である。これらデータ配線
152及び接続配線114は、アルミニウムや銅といった低抵抗な金属を主成分とする配
線を他の金属膜で挟んだ構造やこれらの金属の合金膜を用いれば良い。
【0043】
また、115は駆動用TFT155のソース領域であり、電源配線153が接続される
。さらに電源配線153は、駆動用TFT155のゲート配線116に絶縁層111及び
バリア層112を介して対向すると共に保持容量156aを形成している。さらに、ゲー
ト配線116は、半導体膜117にゲート絶縁膜108を介して対向すると共に保持容量
156bを形成している。この半導体膜117は、電源配線153が半導体膜118に接
続されているため、そこから電荷が供給されて電極として機能する。このように、容量部
156は、保持容量156a及び156bを並列に接続した構成となるため、非常に小さ
な面積で大容量を得られる。さらに、特に保持容量156aは、誘電体として比誘電率の
高い窒化シリコン膜を用いているため、大きな容量を確保できる。また、保持容量156
aの誘電体は、絶縁層111及びバリア層112の積層構造からなるため、ピンホールの
発生確率が極めて低く、信頼性の高い容量を形成することができる。
【0044】
前掲の第1開口部及び第2開口部を形成する場合、従来に比べてフォトリソグラフィ工
程で使用するマスク数が増加するが、そのマスク数の増加を逆に利用することにより、本
実施の形態に示すように、新たに保持容量を形成することが可能となる。この点も本発明
の特徴の一つである。この特徴は、マスク増加のデメリットを補って余りあるものであり
、結果的に産業の発達に大きく寄与するものである。例えば、高精細な画像表示を得るた
めには、表示部において各画素の面積に対する保持容量の相対的な占有面積を減らし開口
率を向上させることが必要であるが、そのためには保持容量の増加は極めて有用である。
【0045】
また、図1(D)において、119は駆動用TFT155のドレイン領域であり、ドレ
イン電極120に接続される。そして、ドレイン電極120は、画素電極158に接続さ
れて画素を構成する。本実施の形態では、画素電極158として可視光に対して透明な酸
化物導電膜(代表的には、ITO膜)を用いるが、これに限定されない。また、ドレイン
電極120の形成後に画素電極158を形成することにより画素電極158がドレイン電
極120の上面に接して接続される構成となる。
【0046】
以上の画素構成を有するエレクトロルミネセンス表示装置において、実際に発光素子1
57まで形成した例を図2に示す。図2(A)は、図1(C)に示した断面に相当する図
面であり、画素電極158上に、EL素子157を形成した状態を示している。なお、図
2の構造とした場合、画素電極158は発光素子157の陽極として機能する電極となる

【0047】
この画素電極158の端部は、図2(B)に示すように感光性有機樹脂膜121で覆わ
れ、該感光性有機樹脂膜121は各画素を縁取るように格子状に設けられるか、又は行単
位もしくは列単位でストライプ状に設けられる。いずれにしても前掲の第1開口部や第2
開口部の上に形成することにより凹部を効率良く埋めることができ、全体の平坦化を兼ね
ることもできる。なお、感光性有機樹脂膜121は、ポジ型であってもネガ型であっても
良い。また、公知のレジスト材料(クロモフォアを含む高分子材料)を用いることも可能
である。
【0048】
また、図示されていないが感光性有機樹脂膜121の上面を窒化シリコン膜で覆ってし
まえば、感光性有機樹脂膜121からの脱ガスを抑制することができる。また、画素電極
158上において、感光性有機樹脂膜121は開口部が設けられ、該開口部において、発
光体122と画素電極158が接する。発光体122は、発光層、キャリア注入層もしく
はキャリア輸送層といった薄膜を積層して構成することが一般的であるが、発光が確認さ
れているあらゆる構造及び材料を用いることができる。例えば、電子輸送層もしくはホー
ルブロッキング層としてシリコンを含む有機系材料であるSAlq(Alq3の3つの配
位子の1つをトリフェニルシラノール構造で置換したもの)を用いることも可能である。
【0049】
勿論、有機薄膜のみで構成する必要はなく、有機薄膜と無機薄膜を積層した構造として
も良いし、高分子薄膜であっても低分子薄膜であっても良い。また、成膜方法は、高分子
薄膜を用いるか低分子薄膜を用いるかによって異なるが、公知の方法で成膜すれば良い。
【0050】
また、発光体122上には、該発光体122を介して前記画素電極158に対向する対
向電極(本実施の形態では陰極)123が設けられ、さらにその上には最終的なパッシベ
ーション膜124として窒化シリコン膜が設けられている。このパッシベーション膜12
4の材料としては、前掲のバリア層112と同一材料を用いると良い。陰極124は、周
期表の1族もしくは2族に属する元素を含む金属薄膜を用いれば良いが、アルミニウムに
0.2〜1.5wt%(好ましくは0.5〜1.0wt%)のリチウムを添加した金属膜
が電荷注入性その他の点で好適である。なお、リチウムは拡散することによってTFTの
動作に害を及ぼすことが懸念されるが、本実施の形態は、バリア層112で完全に保護さ
れているため、リチウムの拡散は気にする必要がない。
【0051】
図2(A)、(B)に示した構造とした場合、EL素子から発した光は、画素電極15
8を透過して基板101側から出射される。このとき、平坦化層113は透光性であるた
め、発光素子からの発光を問題なく透過することができる。
【0052】
以上のようなデバイス構成を含むエレクトロルミネセンス表示装置は、プラズマダメー
ジの影響が低減されることによりトランジスタのしきい値電圧のばらつきが抑制され、均
一な表示特性を得ることが可能となる。
【0053】
〔実施の形態2〕
本実施の形態は、実施の形態1において平坦化層とバリア層の位置を逆にしたデバイス
構成を含む例である。その他の構成は、実施の形態1と同様であるから、実施の形態1の
説明を参照すれば良い。従って、本実施の形態では、実施の形態1と異なる点のみに着目
して説明する。
【0054】
図3(A)、(B)は、実施の形態1における図2(A)、(B)に相当する図面であ
り、一部実施の形態1と同じ符号を付してある。本実施の形態の場合、絶縁層111上に
平坦化層301が設けられ、該平坦化層301に第2開口部を形成した後、平坦化層30
1の上面及び第2開口部の側面(内壁面)を覆うようにバリア層302を形成し、さらに
第2開口部の内部においてゲート絶縁膜108、絶縁層111及びバリア層112をエッ
チングして第1開口部を形成している。
【0055】
本実施の形態の構成とした場合、平坦化層301を絶縁層111及びバリア層302で
完全に包み込むことができ、平坦化層301からの脱ガスを完全に封止することが可能で
ある。即ち、発光素子側へもトランジスタ側へも脱ガス成分が拡散することがないため、
経時劣化の抑制された信頼性の高い表示装置を得ることができる。勿論、実施の形態1と
同様に、プラズマダメージの影響が低減されることによりトランジスタのしきい値電圧の
ばらつきが抑制され、均一な表示特性を得ることが可能となる。
【0056】
〔実施の形態3〕
本実施の形態は、実施の形態1において平坦化層とバリア層の位置を逆にしたデバイス
構成を含む例である。その他の構成は、実施の形態1と同じであるから、実施の形態1の
説明を参照すれば良い。従って、本実施の形態では、実施の形態1と異なる点のみに着目
して説明する。
【0057】
図4(A)、(B)は、実施の形態1における図2(A)、(B)に相当する図面であ
り、一部実施の形態1と同じ符号を付してある。本実施の形態の場合、絶縁層111上に
平坦化層401が設けられ、該平坦化層401上にバリア層402形成した後、バリア層
402、平坦化層401、絶縁層111及びゲート絶縁膜108をエッチングして開口部
を形成している。
【0058】
本実施の形態の構成とした場合、平坦化層401からの脱ガスを抑制することが可能で
ある。即ち、発光素子側及びトランジスタ側への脱ガス成分の拡散を抑制することにより
経時劣化の抑制された信頼性の高い表示装置を得ることができる。勿論、実施の形態1と
同様に、プラズマダメージの影響が低減されることによりトランジスタのしきい値電圧の
ばらつきが抑制され、均一な表示特性を得ることが可能となる。
【0059】
〔実施の形態4〕
図5(A)〜(C)に示す本実施の形態は、それぞれ実施の形態1〜3に対応したデバ
イス構成において、画素電極158の端部を覆う樹脂膜として、非感光性有機樹脂膜50
1〜503を用いた例である。その他の構成は、実施の形態1〜3と同じであるから、実
施の形態1〜3の説明を参照すれば良い。従って、本実施の形態では、実施の形態1〜3
と異なる点のみに着目して説明する。
【0060】
感光性有機樹脂膜を用いた場合、図2(B)、図3(B)及び図4(B)に示すように
上端部が丸みを帯び(曲率を有し)、発光体及び対向電極形成時の被覆率を良くする上で
有用な構成ではあるが、これに限定する必要はなく、本実施の形態に示すように非感光性
有機樹脂膜を用いても問題はない。また、画素電極158の端部を覆う樹脂膜の上端部に
丸みを帯び(曲率を有し)させた場合、前記画素電極158の表面を洗浄する際、異物(
ゴミなど)が裾部に残存することを防ぐことができる。
【0061】
なお、本実施の形態は、実施の形態1〜3の構成を一部変更したものであるが、実施の
形態1〜3の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。
【0062】
〔実施の形態5〕
図6(A)〜(C)に示す本実施の形態は、それぞれ実施の形態1〜3に対応したデバ
イス構成において、薄膜トランジスタの活性層の構成を変更した例である。その他の構成
は実施の形態1〜3と同じであるから、実施の形態1〜3の説明を参照すれば良い。従っ
て、本実施の形態では、実施の形態1〜3と異なる点のみに着目して説明する。
【0063】
図6(A)において、薄膜トランジスタの活性層は、ソース領域601、ドレイン領域
602を有し、その間に四つのLDD(ライトドープドレイン)領域と二つのチャネル形
成領域603、604を有する。四つのLDD領域は、それぞれ二つのLDD領域の組み
合わせからなり、LDD領域605a及び605b、LDD領域606a及び606b、
LDD領域607a及び607b並びにLDD領域608a及び608bが組み合わされ
てLDD領域として機能している。
【0064】
例えば、LDD領域605aはゲート電極と重なる(オーバーラップする)ように形成
され、LDD領域605bはゲート電極と重ならないように形成されている。この場合、
LDD領域605aはホットキャリア劣化の抑制に寄与し、LDD領域605bはオフ電
流(もしくはリーク電流ともいう。)の低減に寄与する。これらの特徴は公知であり、本
出願人による特開2002−57162号公報を参照すれば良い。
【0065】
なお、本実施の形態は、実施の形態1〜3の構成を一部変更したものであるが、実施の
形態1〜3の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また、実施の
形態4との組み合わせも可能である。
【0066】
〔実施の形態6〕
図7(A)〜(C)に示す本実施の形態は、それぞれ実施の形態1〜3に対応したデバ
イス構成において、薄膜トランジスタの活性層及びゲート電極の構成を変更した例である
。その他の構成は、実施の形態1〜3と同じであるから、実施の形態1〜3の説明を参照
すれば良い。従って、本実施の形態では、実施の形態1〜3と異なる点のみに着目して説
明する。なお、図7(A)〜(C)の活性層及びゲート電極の構成は同一であるから図7
(A)のみについて説明する。
【0067】
図7(A)において、薄膜トランジスタの活性層は、ソース領域701、ドレイン領域
702を有し、その間に四つのLDD(ライトドープドレイン)領域703a〜703d
と二つのチャネル形成領域704a、704bを有する。また、LDD領域703a〜7
03dは、ゲート電極705、706の形成前に形成される点に特徴がある。このような
順序で形成することにより、LDD領域とゲート電極の重なり具合をトランジスタ特性の
仕様に合わせて設計することが可能となり、回路ごとに活性層の構成を異ならせることが
可能となる。これらの特徴は公知であり、本出願人による特開2000−332257号
公報を参照すれば良い。
【0068】
なお、本実施の形態は、実施の形態1〜3の構成を一部変更したものであるが、実施の
形態1〜3の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また、実施の
形態4、5との組み合わせも可能である。
【0069】
〔実施の形態7〕
図8(A)〜(C)に示す本実施の形態は、それぞれ実施の形態1〜3に対応したデバ
イス構成において、発光素子の構成を変更した例である。その他の構成は、実施の形態1
〜3と同じであるから、実施の形態1〜3の説明を参照すれば良い。従って、本実施の形
態では、実施の形態1〜3と異なる点のみに着目して説明する。なお、図8(A)〜(C
)のデバイス構成(発光素子以外の構成)は同一であるから図8(A)のみについて説明
する。
【0070】
図8(A)において、画素電極801は陽極として機能する金属膜であり、金、白金、
チタン、窒化チタンもしくはタングステンで構成される。画素電極801の上には、実施
の形態1で説明したように、発光体122、陰極として機能する対向電極123及びパッ
シベーション膜124が設けられる。
【0071】
なお、本実施の形態では陽極として金属膜を用いた例を示しているが、陽極801の代
わりに陰極として機能する金属膜を設けることも可能である。陰極として機能する金属膜
としては、アルミニウム(周期表の1族もしくは2族に属する元素を添加したものを含む
。代表的にはアルミニウムとリチウムの合金)もしくはマグネシウムと銀の合金を用いれ
ば良い。その場合、発光体122の構成も変更する必要があり、発光体122上には陽極
として機能する透明電極を設けなければならないが、いずれも公知の構造を採用すること
ができる。
【0072】
また、本実施の形態では、画素電極が陽極であることに鑑みて駆動TFTの極性をpチ
ャネル型としているが、画素電極を陰極とする場合は、駆動TFTの極性をnチャネル型
とすることが好ましい。
【0073】
なお、本実施の形態は、実施の形態1〜3の構成を一部変更したものであるが、実施の
形態1〜3の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また、実施の
形態4〜6との組み合わせも可能である。
【0074】
〔実施の形態8〕
図9(A)〜(D)に示す本実施の形態は、実施の形態1に対応したデバイス構成にお
いて、画素電極とドレイン電極の接続構成を変更した例である。その他の構成は、実施の
形態1と同じであるから、実施の形態1の説明を参照すれば良い。従って、本実施の形態
では、実施の形態1と異なる点のみに着目して説明する。
【0075】
図9(A)に示した画素電極901は、図9(D)に示すようにドレイン電極902の
下面に接するように接続されている。即ち、平坦化層113を形成した後、画素電極90
1を形成し、その後、画素電極901の一部に重なるようにドレイン電極902を形成す
れば良い。なお、これら画素電極901及びドレイン電極902の形成順序については、
二通りの様々な方法がある。
【0076】
まず第一に、平坦化層113を形成した後、画素電極901を形成し、その後、平坦化
層113に第1開口部及び第2開口部を形成し、ドレイン電極902を形成する方法、次
に第二に、平坦化層113に第1開口部及び第2開口部を形成した後、画素電極901、
ドレイン電極902の順に形成する方法がある。これら順序は実施者が適宜選択すれば良
い。
【0077】
次に、発光素子157まで形成した場合の図9(C)、(D)に相当する断面図を図1
0(A)、(B)に示す。感光性有機樹脂膜121、発光体122、対向電極123及び
パッシベーション膜124の材料等は実施の形態1で説明した通りである。
【0078】
なお、本実施の形態は、実施の形態1の構成を一部変更したものであるが、実施の形態
1の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また、実施の形態4〜
7との組み合わせが可能である。
【0079】
〔実施の形態9〕
図11(A)、(B)に示す本実施の形態は、実施の形態2に対応したデバイス構成に
おいて、画素電極とドレイン電極の接続構成を変更した例である。その他の構成は、実施
の形態2と同じであるから、実施の形態2の説明を参照すれば良い。また、画素電極とド
レイン電極との接続関係及び形成順序に関しては、実施の形態8で説明した内容と同一で
あるので、その点については実施の形態8を参照すれば良い。
【0080】
なお、本実施の形態は、実施の形態2の構成を一部変更したものであるが、実施の形態
2の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また、実施の形態4〜
7との組み合わせが可能である。
【0081】
〔実施の形態10〕
図12(A)、(B)に示す本実施の形態は、実施の形態3に対応したデバイス構成に
おいて、画素電極とドレイン電極の接続構成を変更した例である。その他の構成は、実施
の形態3と同じであるから、実施の形態3の説明を参照すれば良い。また、画素電極とド
レイン電極との接続関係及び形成順序に関しては、実施の形態8で説明した内容と同一で
あるので、その点については実施の形態8を参照すれば良い。
【0082】
なお、本実施の形態は、実施の形態3の構成を一部変更したものであるが、実施の形態
3の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また、実施の形態4〜
7との組み合わせが可能である。
【0083】
〔実施の形態11〕
図13(A)〜(C)に示す本実施の形態は、それぞれ実施の形態8〜10に対応した
デバイス構成において、発光素子の構成を変更した例である。その他の構成は、実施の形
態8〜10と同じであるから、実施の形態8〜10の説明を参照すれば良い。従って、本
実施の形態では、実施の形態8〜10と異なる点のみに着目して説明する。なお、図13
(A)〜(C)のデバイス構成(発光素子以外の構成)は同一であるから図13(A)の
みについて説明する。
【0084】
図13(A)において、画素電極1301は陽極として機能する金属膜であり、金、白
金、チタン、窒化チタンもしくはタングステンで構成される。画素電極1301の上には
、実施の形態1で説明したように、発光体122、陰極として機能する対向電極123及
びパッシベーション膜124が設けられる。
【0085】
なお、本実施の形態では陽極として金属膜を用いた例を示しているが、陽極1301の
代わりに陰極として機能する金属膜を設けることも可能である。陰極として機能する金属
膜としては、アルミニウム(周期表の1族もしくは2族に属する元素を添加したものを含
む。代表的にはアルミニウムとリチウムの合金)もしくはマグネシウムと銀の合金を用い
れば良い。その場合、発光体122の構成も変更する必要があり、発光体122上には陽
極として機能する透明電極を設けなければならないが、いずれも公知の構造を採用するこ
とができる。
【0086】
また、本実施の形態では、画素電極が陽極であることに鑑みて駆動TFTの極性をpチ
ャネル型としているが、画素電極を陰極とする場合は、駆動TFTの極性をnチャネル型
とすることが好ましい。
【0087】
なお、本実施の形態は、実施の形態8〜10の構成を一部変更したものであるが、実施
の形態8〜10の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また、実
施の形態4〜6、8〜10との組み合わせが可能である。
【0088】
〔実施の形態12〕
図14(A)〜(D)に示す本実施の形態は、実施の形態1に対応したデバイス構成に
おいて、画素電極とドレイン電極の接続構成を変更した例である。その他の構成は、実施
の形態1と同じであるから、実施の形態1の説明を参照すれば良い。従って、本実施の形
態では、実施の形態1と異なる点のみに着目して説明する。
【0089】
図14(A)に示すように、ドレイン電極120及び電源配線153上に平坦化層14
01を設け、その平坦化層1401上に画素電極1402を設けている。即ち、画素電極
1402は、ドレイン領域119に直接接するのではなく、ドレイン電極120を介して
電気的に接続される。このとき、絶縁層1403は無機絶縁膜であっても有機絶縁膜であ
っても良い。勿論、SOG膜等の平坦化層を絶縁層1403として用いるとより平坦性の
向上に有効である。
【0090】
次に、発光素子157まで形成した場合の図14(C)、(D)に相当する断面図を図
15(A)、(B)に示す。感光性有機樹脂膜121、発光体122、対向電極123及
びパッシベーション膜124の材料等は実施の形態1で説明した通りである。
【0091】
なお、本実施の形態は、実施の形態1の構成を一部変更したものであるが、実施の形態
1の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また、実施の形態4〜
7との組み合わせが可能である。
【0092】
〔実施の形態13〕
図16(A)、(B)に示す本実施の形態は、実施の形態2に対応したデバイス構成に
おいて、画素電極とドレイン電極の接続構成を変更した例である。その他の構成は、実施
の形態2と同じであるから、実施の形態2の説明を参照すれば良い。また、画素電極とド
レイン電極との接続関係及び形成順序に関しては、実施の形態12で説明した内容と同一
であるので、その点については実施の形態12を参照すれば良い。
【0093】
なお、本実施の形態は、実施の形態2の構成を一部変更したものであるが、実施の形態
2の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また、実施の形態4〜
7との組み合わせも可能である。
【0094】
〔実施の形態14〕
図17(A)、(B)に示す本実施の形態は、実施の形態3に対応したデバイス構成に
おいて、画素電極とドレイン電極の接続構成を変更した例である。その他の構成は、実施
の形態3と同じであるから、実施の形態3の説明を参照すれば良い。また、画素電極とド
レイン電極との接続関係及び形成順序に関しては、実施の形態12で説明した内容と同一
であるので、その点については実施の形態12を参照すれば良い。
【0095】
なお、本実施の形態は、実施の形態3の構成を一部変更したものであるが、実施の形態
3の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また、実施の形態4〜
7との組み合わせが可能である。
【0096】
〔実施の形態15〕
図18(A)〜(C)に示す本実施の形態は、それぞれ実施の形態12〜14に対応し
たデバイス構成において、発光素子の構成を変更した例である。その他の構成は、実施の
形態12〜14と同じであるから、実施の形態12〜14の説明を参照すれば良い。従っ
て、本実施の形態では、実施の形態12〜14と異なる点のみに着目して説明する。なお
、図18(A)〜(C)のデバイス構成(発光素子以外の構成)は同一であるから図18
(A)のみについて説明する。
【0097】
図18(A)において、画素電極1801は陽極として機能する金属膜であり、金、白
金、チタン、窒化チタンもしくはタングステンで構成される。画素電極1801の上には
、実施の形態1で説明したように、発光体122、陰極として機能する対向電極123及
びパッシベーション膜124が設けられる。
【0098】
なお、本実施の形態では陽極として金属膜を用いた例を示しているが、陽極1801の
代わりに陰極として機能する金属膜を設けることも可能である。陰極として機能する金属
膜としては、アルミニウム(周期表の1族もしくは2族に属する元素を添加したものを含
む。代表的にはアルミニウムとリチウムの合金)もしくはマグネシウムと銀の合金を用い
れば良い。その場合、発光体122の構成も変更する必要があり、発光体122上には陽
極として機能する透明電極を設けなければならないが、いずれも公知の構造を採用するこ
とができる。
【0099】
また、本実施の形態では、画素電極が陽極であることに鑑みて駆動TFTの極性をpチ
ャネル型としているが、画素電極を陰極とする場合は、駆動TFTの極性をnチャネル型
とすることが好ましい。
【0100】
なお、本実施の形態は、実施の形態12〜14の構成を一部変更したものであるが、実
施の形態12〜14の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また
、実施の形態4〜6、12〜14との組み合わせが可能である。
【0101】
〔実施の形態16〕
図19(A)、(B)に示す本実施の形態は、実施の形態1に対応したデバイス構成に
おいて、画素電極の構成を変更した例である。その他の構成は、実施の形態1と同じであ
るから、実施の形態1の説明を参照すれば良い。従って、本実施の形態では、実施の形態
1と異なる点のみに着目して説明する。
【0102】
まず、図19(A)に示すCAD図面は、本実施の形態の電極構造とした場合に適用し
うる画素の構成の一例である。この図19(A)に示すCAD図面を現した回路図面を図
19(B)に示す。勿論、本実施の形態は、図19(A)、(B)に示す画素構成に限定
されるものではない。本実施の形態では、画素電極として金属膜を用い、基板とは逆の方
向に向かって光を取り出す構成とするため、画素電極の下にどのような回路を形成しても
開口率(画素面積に対して実効的な表示領域の占める割合)を損ねることなく、個々の画
素の機能を多様化させることが可能である。なお、図19(A)、(B)に示す画素の構
成は、本出願人による特願2001−289983号明細書に記載されており、本出願人
の発明による新規な構成である。
【0103】
ここで、デバイス構成について図20を用いて具体的に説明する。なお、薄膜トランジ
スタの構造については、実施の形態1と同じであるので、実施の形態1の説明を参照すれ
ば良い。本実施の形態は、平坦化層113上に設けたデータ配線やドレイン電極等の構成
が実施の形態1と異なる。
【0104】
図20(A)、(B)に示すように、平坦化層113上にはチタン膜11、窒化チタン
膜12及びアルミニウム膜13が設けられ、アルミニウム膜13の一部がエッチングによ
り除去されて窒化チタン膜12が露出している。アルミニウム膜13のエッチングは、樹
脂膜14をマスクとして行うが、この樹脂膜14はそのまま実施の形態1の感光性有機樹
脂膜121と同様の役目を果たす。即ち、樹脂膜14は、窒化チタン膜12が露出した部
分以外の部分を覆って設けられている。また、窒化チタン膜12が露出した部分に接する
ように発光体15が設けられ、その上に対向電極16、パッシベーション膜17が設けら
れている。
【0105】
図20(B)において、点線で囲んだ領域10を拡大したものが図20(C)である。
図20(C)に示すように、アルミニウム膜13のエッチング断面は、30〜60°(好
ましくは45°)の角度を有するテーパー形状となっている。即ち、アルミニウム膜の断
面と該アルミニウム膜の上面とがなす角は鈍角となっている。このような構成とすること
により発光体15で発生した光は、直接取り出されるもの(直接光)と、窒化チタン膜で
反射してから取り出されるもの(反射光)と、発光体15内部を横方向に伝播した後、ア
ルミニウム膜13の断面で反射されてから取り出されるもの(反射光)の三つの要素から
構成され、従来の構造に比べて取り出し効率の向上が期待できる。
【0106】
なお、実際に前掲の画素電極の構成を作製した際の断面TEM(透過型電子顕微鏡)写
真(図24(A))及びその模式図(図24(B))を示す。アルミニウム膜がテーパー
形状になっている点、窒化チタン膜が露出している点が確認できる。
【0107】
また、本実施の形態では、半導体からなるドレイン領域とのオーミック接触が可能とな
るように最下層をチタン膜とし、陽極として機能しうる窒化チタン膜(表面に紫外光照射
を施しておくと仕事関数が増加するため有効である。)をその上に設け、さらに光漏れを
防ぐ反射電極としてアルミニウム膜を設ける三層構造としているが、この構造に限定され
るものではなく、陽極として機能する第1金属膜(本実施の形態では窒化チタン膜に相当
する。)及び反射電極として機能する第2金属膜(本実施の形態ではアルミニウム膜に相
当する。)を設ければ足りる。
【0108】
なお、本実施の形態は、実施の形態1の構成を一部変更したものであるが、実施の形態
1の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。さらに、ITO等の酸
化物導電膜を用いることなく、データ配線等として形成する金属膜をそのまま陽極として
用いることになるので、工程数を削減することが可能である。また、実施の形態4〜6と
組み合わせたり、実施の形態15との組み合わせ(画素電極1801の代わりとして)が
可能である。
【0109】
〔実施の形態17〕
図21(A)、(B)に示す本実施の形態は、実施の形態2に対応したデバイス構成に
おいて、画素電極の構成を変更した例である。その他の構成は、実施の形態2と同じであ
るから、実施の形態2の説明を参照すれば良い。また、画素電極の構成に関しては、実施
の形態16で説明した内容と同一であるので、その点については実施の形態16を参照す
れば良い。
【0110】
なお、本実施の形態は、実施の形態2の構成を一部変更したものであるが、実施の形態
2の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また、実施の形態4〜
7、15との組み合わせが可能である。
【0111】
〔実施の形態18〕
図22(A)、(B)に示す本実施の形態は、実施の形態3に対応したデバイス構成に
おいて、画素電極の構成を変更した例である。その他の構成は、実施の形態3と同じであ
るから、実施の形態3の説明を参照すれば良い。また、画素電極の構成に関しては、実施
の形態16で説明した内容と同一であるので、その点については実施の形態16を参照す
れば良い。
【0112】
なお、本実施の形態は、実施の形態3の構成を一部変更したものであるが、実施の形態
3の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また、実施の形態4〜
7、15との組み合わせが可能である。
【0113】
〔実施の形態19〕
本実施の形態において、図23(A)に示す構成は、実施の形態16の構成の変形例で
あり、駆動用TFT21の絶縁層22を覆うようにバリア層23が設けられ、その上に電
源配線24、さらに電源配線24を覆うように平坦化層25が設けられている。絶縁層2
2の膜厚は、0.3〜1μmの範囲から選択すれば良い。そして、平坦化層25に設けら
れた第2開口部及びバリア層23より下層に設けられた各絶縁層に設けられた第1開口部
を介して画素電極と駆動用TFT21とが電気的に接続される。画素電極の構成及び発光
素子の構成については、実施の形態16の説明を参照すれば良い。
【0114】
図23(B)に示す構成は、図23(A)とは異なる位置にバリア層を設けた例であり
、平坦化層25の上面及び第2開口部の側面を覆うように設けてある点に特徴がある。こ
のような構成とすれば、平坦化層25を絶縁層22とバリア層26とで封止することがで
きるため、より脱ガスによる影響を抑制することができる。
【0115】
図23(C)に示す構成は、図23(A)と図23(B)とを組み合わせた構成に係る
ものであり、平坦化層25の下面に接するようにバリア層23を設け、上面に接するよう
にバリア層26を設けられている。このような構成とすれば、平坦化層25をバリア層2
3とバリア層26とで封止することができるため、さらに脱ガスによる影響を抑制するこ
とができる。
【0116】
なお、本実施の形態は、実施の形態16の構成を一部変更したものであるが、実施の形
態16の効果を損なうものではなく、同様の効果を得ることができる。また、実施の形態
4〜7との組み合わせが可能である。
【0117】
〔実施の形態20〕
本実施の形態は、実施の形態2に示す構成において、第1開口部の径を第2開口部の径
よりも大きくした例である。即ち、絶縁層111を形成した後、絶縁層111及びゲート
絶縁膜108をエッチングして第1開口部を形成し、その上から平坦化層301を形成す
る。さらに、平坦化層301をエッチングして第1開口部の内側に第2開口部を形成して
活性層(ソース領域104)を露出させ、第2開口部を覆うようにバリア層302を形成
した後、第2開口部の底部におけるバリア層302の一部に第3開口部を形成する。従っ
て、データ配線151は第3開口部を介してソース領域104と接続されることとなる。
【0118】
本実施の形態の構成とした場合、平坦化層301をエッチングする際にエッチャントに
対して絶縁層111及びゲート絶縁膜108が曝されない。特に、平坦化層301として
SOG膜等の無機絶縁膜を用いる場合において、絶縁層111及びゲート絶縁膜108を
エッチングしないで済むため有効な構造である。また、平坦化層301としてSOG膜を
用いる場合は、そこからの水分放出により配線材料が腐食する現象(ポイズンドビアと呼
ばれる。)の発生を防ぐことができる。
【0119】
なお、本実施の形態は、実施の形態1だけでなく実施の形態2〜11、16〜18の構
成との組み合わせが可能である。
【0120】
〔実施の形態21〕
本実施の形態は、ドレイン電極のエッチング断面の形状を実施の形態9と異ならせた場
合の例である。即ち、図26(A)、(B)に示すように、エッチング断面が逆テーパー
形状となることを特徴としている。図26(A)において、31はドレイン電極、32は
隣の画素の電源配線である。ここで、点線で囲まれた領域33の拡大図を図26(B)に
示す。
【0121】
図26(B)に示すように、発光体122に発生した光は、直接光と、陰極123で反
射された反射光と、電源配線32で反射された反射光となり、これらが観測者に認識され
る。このように光の取り出し効率を高めることが本実施の形態の効果である。
【0122】
なお、本実施の形態は、実施の形態9だけでなく、実施の形態4〜6、8、10の構成
との組み合わせが可能である。
【0123】
〔実施の形態22〕
本実施の形態は、画素電極の構成を実施の形態2と異なるものとした例である。即ち、
図27(A)に示すように、画素電極として第1金属膜(好ましくはアルミニウム膜)4
1及び第2金属膜(好ましくは窒化チタン膜)42の積層電極を形成し、その端部を覆う
ように感光性有機樹脂膜121を設け、その上に酸化物導電膜(好ましくはITO膜)4
3を設ける。そのため、最終的な発光領域は、酸化物導電膜43と発光体122とが接し
ている部分である。
【0124】
また、図27(B)に示す構成は、図27(A)における第2金属膜42を感光性有機
樹脂膜121の形成後に設け、酸化物導電膜43及び第2金属膜42を積層形成した例で
ある。この場合、最終的な発光領域は、第2金属膜42と酸化物導電膜43とが接してい
る領域となり、画素内のほぼ全域を発光領域として用いることができる。
【0125】
以上のように、本実施の形態によれば画素面積を有効に活用することが可能となり、開
口率が高く、輝度の明るい表示が可能となる。また、少ない消費電力で従来と同じ輝度が
得られるため、信頼性の高い表示装置することが可能である。
【0126】
なお、本実施の形態は、実施の形態1〜3に示したデバイス構成(画素電極形成前まで
の構成)との組み合わせが可能であり、また、実施の形態4〜6の構成との組み合わせも
可能である。
【0127】
〔実施の形態23〕
実施の形態1〜22に示した薄膜トランジスタの構成はいずれもトップゲート構造(具
体的にはプレーナ構造)であるが、各実施の形態(実施の形態6を除く。)では、ボトム
ゲート構造(具体的には逆スタガ構造)とすることも可能である。さらに、薄膜トランジ
スタに限らず、シリコンウェルを用いて形成されたMOS構造のトランジスタに適用して
も良い。
【0128】
〔実施の形態24〕
実施の形態1〜22に示した表示装置は、いずれもエレクトロルミネセンス表示装置を
例示しているが、デバイス構成自体(画素電極形成時点まで)は、液晶表示装置に適用す
る場合についても共通であり、液晶表示装置、フィールドエミッション表示装置等の表示
装置に適用しても良い。
【0129】
〔実施の形態25〕
本実施の形態では、本発明を適用しうるエレクトロルミネセンス表示装置の全体の構成
について、図28を用いて説明する。図28は、薄膜トランジスタが形成された素子基板
をシーリング材によって封止することによって形成されたエレクトロルミネセンス表示装
置の上面図であり、図28(B)は、図28(A)のB−B’における断面図、図28(
C)は、図28(A)のA−A’における断面図である。
【0130】
基板201上には、画素部(表示部)202、該画素部202を囲むように設けられた
データ線駆動回路203、ゲート線駆動回路204a、204b及び保護回路205が配
置され、これらを囲むようにしてシール材206が設けられている。画素部202の構造
については、実施の形態1〜23及びその説明を参照すれば良い。シーリング材207と
しては、ガラス材、金属材(代表的にはステンレス材)、セラミックス材、プラスチック
材(プラスチックフィルムも含む)を用いることができるが、実施の形態1〜24に示し
たように絶縁膜のみで封止することも可能である。また、EL素子からの光の放射方向に
よっては、透光性材料を用いる必要がある。
【0131】
このシール材206は、データ線駆動回路203、ゲート線駆動回路204a、204
b及び保護回路205の一部に重畳させて設けても良い。そして、該シール材206を用
いてシーリング材207が設けられ、基板201、シール材206及びシーリング材20
7によって密閉空間208が形成される。シーリング材207には予め凹部の中に吸湿剤
(酸化バリウムもしくは酸化カルシウム等)209が設けられ、上記密閉空間208の内
部において、水分や酸素等を吸着して清浄な雰囲気に保ち、EL層の劣化を抑制する役割
を果たす。この凹部は目の細かいメッシュ状のカバー材210で覆われており、該カバー
材210は、空気や水分は通し、吸湿剤209は通さない。なお、密閉空間208は、窒
素もしくはアルゴン等の希ガスで充填しておけばよく、不活性であれば樹脂もしくは液体
で充填することも可能である。
【0132】
また、基板201上には、データ線駆動回路203及びゲート線駆動回路204a、2
04bに信号を伝達するための入力端子部211が設けられ、該入力端子部211へはF
PC(フレキシブルプリントサーキット)212を介してビデオ信号等のデータ信号が伝
達される。入力端子部211の断面は、図28(B)の通りであり、ゲート配線もしくは
データ配線と同時に形成された配線213の上に酸化物導電膜214を積層した構造の入
力配線とFPC212側に設けられた配線215とを、導電体216を分散させた樹脂2
17を用いて電気的に接続してある。なお、導電体216としては、球状の高分子化合物
に金もしくは銀といったメッキ処理を施したものを用いれば良い。
【0133】
また、図28(C)において、点線で囲まれた領域218の拡大図を図28(D)に示
す。保護回路205は、薄膜トランジスタ219やコンデンサ220を組み合わせて構成
すれば良く、公知の如何なる構成を用いても良い。本発明は、コンタクトホールの改善と
同時に、フォトリソ工程を増加させることなく容量形成が可能である点を特徴としており
、本実施の形態では、その特徴を活かしてコンデンサ220を形成しているのである。な
お、薄膜トランジスタ219及びコンデンサ220の構造については、実施の形態1及び
その説明を参照すれば良い。
【0134】
本実施の形態において、保護回路205は入力端子部211とデータ線駆動回路203
との間に設けられ、両者の間に突発的なパルス信号等の静電気が入った際に、該パルス信
号を外部へ逃がす役割を果たす。その際、まず瞬間的に入る高電圧の信号をコンデンサ2
20によって鈍らせ、その他の高電圧を薄膜トランジスタや薄膜ダイオードを用いて構成
した回路によって外部へと逃がすことができる。勿論、保護回路は、他の場所、例えば画
素部202とデータ線駆動回路203との間や画素部202とゲート線駆動回路204a
、204bの間などに設けても構わない。
【0135】
以上のように、本実施の形態では、本発明を実施するにあたって、入力端子部に設けら
れた静電気対策等の保護回路に用いられるコンデンサを同時形成する例を示しており、実
施の形態1〜23のいずれの構成とも組み合わせて実施することが可能である。
【0136】
〔実施の形態26〕
本発明の表示装置を表示部に用いた電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、
ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音
響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ
、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または
電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(D
VD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが
挙げられる。それらの電子機器の具体例を図29に示す。
【0137】
図29(A)はテレビであり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピ
ーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明は表示部2003に適用す
ることができる。なお、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示
用のテレビが含まれる。
【0138】
図29(B)はデジタルカメラであり、本体2101、表示部2102、受像部210
3、操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッター2106等を含む。本発明
は、表示部2102に適用することができる。
【0139】
図29(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202
、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウ
ス2206等を含む。本発明は、表示部2203に適用することができる。
【0140】
図29(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッ
チ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明は、表示部23
02に適用することができる。
【0141】
図29(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)
であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体
(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。
表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を
表示するが、本発明は表示部A、B2403、2404に適用することができる。なお、
記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。
【0142】
図29(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体
2501、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明は、表示部2502に適用
することができる。
【0143】
図29(G)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、
外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー260
7、音声入力部2608、操作キー2609等を含む。本発明は、表示部2602に適用
することができる。
【0144】
図29(H)は携帯電話であり、本体2701、筐体2702、表示部2703、音声
入力部2704、音声出力部2705、操作キー2706、外部接続ポート2707、ア
ンテナ2708等を含む。本発明は、表示部2703に適用することができる。なお、表
示部2703は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電流を抑えるこ
とができる。
【0145】
以上の様に、本発明を実施して得た表示装置は、あらゆる電子機器の表示部として用い
ても良い。なお、本実施の形態の電子機器には、実施の形態1〜25に示したいずれの構
成を有した表示装置を用いても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板面に設けられたトランジスタ及び該トランジスタに接続された発光素子を含む表示装置において、
前記トランジスタは、半導体で形成された活性層、該活性層に接するゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜を介して前記活性層に対向するゲート電極、前記活性層上方のバリア層、該バリア層上の平坦化層並びに該平坦化層上のドレイン電極を有し、
前記発光素子は、前記平坦化層上において前記ドレイン電極の上面に接して接続された画素電極、該画素電極に接する発光体及び該発光体を介して前記画素電極に対向する対向電極を有し、
前記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁膜及び前記バリア層に設けられた第1開口部並びに前記平坦化層に設けられた第2開口部を介して前記活性層に接続され、
前記第2開口部の内部に前記第1開口部があることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−230383(P2012−230383A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−111105(P2012−111105)
【出願日】平成24年5月15日(2012.5.15)
【分割の表示】特願2011−279488(P2011−279488)の分割
【原出願日】平成15年5月13日(2003.5.13)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】