説明

半導体集積回路及びそれを用いた電子機器

【課題】低速ディジタル回路において発生するノイズがアナログ回路に与える影響を小さくし、回路ブロック毎のレイアウト変更を容易にする。
【解決手段】半導体集積回路は、(a)第1及び第2のVCOと、第1及び第2のVCOによって生成される信号を分周する第1及び第2の分周回路と、2つの分周信号の内の一方を選択する選択回路と、選択された分周信号に基づいて制御電圧を生成する制御電圧生成回路とを含むアナログ回路ブロックと、(b)変復調回路を含む第1のディジタル回路ブロックと、(c)制御回路を含む第2のディジタル回路ブロックとを備え、アナログ回路ブロックが、基板の第1及び第2の辺に沿って配置され、第2のディジタル回路ブロックが、基板の第3及び第4の辺に沿って配置され、第1のディジタル回路ブロックが、アナログ回路ブロックと第2のディジタル回路ブロックとの間に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波信号を生成する周波数シンセサイザと受信回路及び送信回路とを内蔵し、近距離無線通信を行う無線マウス等の無線通信機器において無線通信を行うために用いられる半導体集積回路等に関する。さらに、本発明は、そのような半導体集積回路を用いて無線通信を行う電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年において、数十メートルから数センチメートルの距離の無線通信を低消費電力で行う無線通信システムが開発され、無線マウス等の無線通信機器において活用されている。このような無線通信システムを構成するハードウェアとしては、高周波及び低周波のアナログ信号を扱うアナログ回路と、比較的高速なディジタル信号処理を行う高速ディジタル回路と、比較的低速な制御動作を行う低速ディジタル回路とによって構成される半導体集積回路を用いることが主流となっている。
【0003】
アナログ回路においては、高周波信号を生成する受信用の周波数シンセサイザ及び送信用の周波数シンセサイザと、受信用の周波数シンセサイザによって生成された信号を用いて受信動作を行う受信回路と、送信用の周波数シンセサイザによって生成された信号を用いて送信動作を行う送信回路とが設けられる。
【0004】
しかしながら、従来の半導体集積回路(IC)においては、次のような問題がある。アナログ回路とディジタル回路とが同一の半導体基板上に形成されるので、アナログ回路に対して非同期で動作する低速ディジタル回路において発生するノイズが、アナログ回路の性能に影響を与える。また、無線通信に使用される周波数の変更等によってアナログ回路や高速ディジタル回路の再設計が必要となる場合に、IC全体のレイアウトを設計し直す必要がある。一方、通信プロトコルの仕様追加等により、アナログ回路や高速ディジタル回路の変更は必要なくても低速ディジタル回路の変更が必要となる場合に、IC全体のレイアウトを設計し直す必要がある。IC全体のレイアウトの再設計を行う場合には、設計時間や、評価及び品質保証の検証時間が長くなり、市場の要求に合わせて製品化を行うことが困難になる。加えて、設計から出荷までの期間が長くなることにより、製品化工程における電力消費等が増加して、環境への負荷が大きくなる。
【0005】
また、アナログ回路において、発振周波数の異なる2つの周波数シンセサイザが必要となるので、ICのサイズが大きくなる。さらに、2つの周波数シンセサイザを搭載することにより、受信用の周波数シンセサイザと受信回路との間の配線長、又は、送信用の周波数シンセサイザと送信回路との間の配線長が長くなるので、寄生抵抗及び寄生容量による高周波信号のレベル低下や発振周波数のシフト等が生じ、その結果、消費電流の増加につながる。
【0006】
関連する技術として、特許文献1には、種々の場所に配置しても差動信号の信号特性等を維持できるマクロセルが開示されている。このマクロセルは、差動信号を用いてデータ転送を行うインタフェース規格の回路を含むマクロセルであって、差動信号を構成する第1の信号用の第1のパッド及び差動信号を構成する第2の信号用の第2のパッドとに接続された送信回路を含み、送信回路が、第1のパッドに接続される信号ラインを駆動する第1の送信ドライバと、第2のパッドに接続される信号ラインを駆動する第2の送信ドライバと、第1のパッドに接続される第1のダンピング抵抗と、第2のパッドに接続される第2のダンピング抵抗とを含み、マクロセルの第1の辺から対向する第3の辺へと向かう方向を第1の方向とした場合に、第1及び第2のパッドが、第1の方向に沿った第1のラインを対称軸として線対称に配置され、第1及び第2のダンピング抵抗が、第1のラインを対称軸として線対称に配置され、送信回路の第1及び第2の送信ドライバが、第1及び第2のパッドの第1の方向側に配置されると共に第1の方向に沿った第1のラインを対称軸として線対称に配置されている。
【0007】
特許文献1によれば、第1及び第2の送信ドライバと第1及び第2のパッドとの相対的な位置関係を定めることにより、マクロセルを種々の場所に配置しても差動信号の信号特性等を維持することができる。しかしながら、特許文献1は、アナログ回路と高速ディジタル回路と低速ディジタル回路とが共存する場合に、それらの適切なレイアウトを定めるものではない。
【0008】
また、特許文献2には、分周器の分周比を可変とすることによって電圧制御発振器の出力信号を局部発振信号として用いる場合に、異なる発振周波数ごとに周波数シンセサイザ部のループゲイン特性が異なり、周波数シンセサイザ特性であるロックアップタイム特性やC/N特性に差が生じるという問題点を改善し、実装面積を削減し、低消費電力化を図ることができる周波数シンセサイザが開示されている。この周波数シンセサイザは、外部電圧に応じた周波数で発振する電圧制御発振器と、電圧制御発振器の出力信号を分周する第1の分周手段と、基準発振器と、基準発振器の出力信号を分周する第2の分周手段と、第1の分周手段より得られた信号と第2の分周手段より得られた信号とを位相比較して誤差信号を出力する位相比較手段と、位相比較手段の出力信号を積分して電圧制御発振器に外部電圧として与えるローパスフィルタとを備え、以下のように構成される。
【0009】
即ち、電圧制御発振器と第1の分周手段とが、複数の周波数帯に対応してそれぞれ複数設けられ、位相比較手段とローパスフィルタとが、複数の周波数帯で共通とされる。そして、周波数シンセサイザは、周波数帯の選択に対応して複数の電圧制御発振器の何れかを選択する電圧制御発振器選択手段と、周波数帯の選択に対応して複数の第1の分周手段の何れかを選択する分周手段選択手段と、電圧制御発振器、第1の分周手段、位相比較器、ローパスフィルタによる周波数シンセサイザループのゲイン特性が一定になるように、周波数シンセサイザループのゲイン制御を、複数の電圧制御発振器の選択変更と複数の第1の分周手段の選択変更に同期して行う制御手段とを備えている。また、複数の第1の分周手段は、複数の周波数帯に応じた周波数特性を備え、かつ、周波数帯に応じて異なる電力を消費する。
【0010】
さらに、特許文献3には、ロックアップタイムを短縮し、回路面積の増大を抑制したPLL周波数シンセサイザが開示されている。このPLL周波数シンセサイザは、制御電圧によって発振周波数が制御されて複数の出力信号を出力する複数の電圧制御発振器と、出力信号を選択して出力する第1のスイッチと、第1のスイッチによって選択された出力信号を分周する分周比が切換可能な分周器と、分周器によって分周された出力信号の位相と基準信号の位相との位相差を出力する位相比較器と、位相差の出力経路を切り換える第2のスイッチと、複数の電圧制御発振器に対応して設けられ、第2のスイッチによって出力経路が切り換えられた位相差を制御電圧に変換するそれぞれが時定数の切換が可能な複数のローパスフィルタと、複数の周波数の出力信号が常時出力されるように、第1のスイッチ、第2のスイッチ、及び、分周器の動作を順次切り換えると共に、電源投入後全ての周波数の出力信号が安定して出力されるようになった後に、複数のローパスフィルタのそれぞれの時定数を切り換えるコントロール回路とを有している。
【0011】
特許文献2によれば、2種類の出力信号を得るために2つの電圧制御発振器及び2つの分周器を用いる場合においても、位相比較手段及びローパスフィルタを共用することができる。また、特許文献3によれば、2種類の出力信号を得るために2つのローパスフィルタ及び2つの電圧制御発振器を用いる場合においても、分周器及び位相比較器を共用することができる。しかしながら、特許文献2においては、電圧制御発振器選択手段と分周手段選択手段との両方が設けられており、特許文献3においては、第1のスイッチと第2のスイッチとの両方が設けられているので、回路面積が増加すると共に、回路間の配線長が長くなってしまう。また、特許文献2及び特許文献3においては、回路のレイアウトに関しては、特に開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第4131234号公報(第1、4頁、図5)
【特許文献2】特許第3917592号公報(第4頁、図1)
【特許文献3】特許第4094045号公報(第4頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、上記の点に鑑み、本発明の幾つかの態様によれば、低速ディジタル回路において発生するノイズがアナログ回路に与える影響を小さくし、ICの仕様変更に伴って回路を変更する場合においても回路ブロック毎のレイアウト変更を容易にし、受信用と送信用とに2つの電圧制御発振器を搭載しても回路面積の増加や回路間の配線長の増加を抑えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以上の課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る半導体集積回路は、無線通信を行うために用いられる半導体集積回路であって、(a)制御電圧に従う周波数で発振動作を行うことによって局部発振信号を生成する第1の電圧制御発振器と、制御電圧及び変調信号に従う周波数で発振動作を行うことによって送信信号を生成する第2の電圧制御発振器と、第1の電圧制御発振器によって生成される局部発振信号を分周する第1の分周回路と、第2の電圧制御発振器によって生成される送信信号を分周する第2の分周回路と、第1の分周回路によって分周された分周信号と第2の分周回路によって分周された分周信号との内の一方を選択する選択回路と、選択回路によって選択された分周信号の位相及び/又は周波数と基準信号の位相及び/又は周波数とを比較して制御電圧を生成する制御電圧生成回路と、第1の電圧制御発振器によって生成される局部発振信号を用いて受信信号からベースバンド信号を生成する受信回路と、第2の電圧制御発振器によって生成される送信信号を増幅する送信回路とを含むアナログ回路ブロックと、(b)受信回路によって生成されたベースバンド信号を復調することにより受信データを得る復調回路と、送信データに基づいて変調信号を生成する変調回路とを含む第1のディジタル回路ブロックと、(c)少なくとも第1及び第2の分周回路を制御する制御回路を含む第2のディジタル回路ブロックとを具備し、アナログ回路ブロックが、互いに直交する半導体基板の第1の辺及び第2の辺に沿って配置され、第2のディジタル回路ブロックが、第1の辺及び第2の辺にそれぞれ対向する半導体基板の第3の辺及び第4の辺に沿って配置され、第1のディジタル回路ブロックが、アナログ回路ブロックと第2のディジタル回路ブロックとの間に配置されている。
【0015】
また、本発明の第2の観点に係る半導体集積回路は、無線通信を行うために用いられる半導体集積回路であって、制御電圧に従う周波数で発振動作を行うことによって局部発振信号を生成する第1の電圧制御発振器と、制御電圧及び変調信号に従う周波数で発振動作を行うことによって送信信号を生成する第2の電圧制御発振器と、第1の電圧制御発振器によって生成される局部発振信号を分周する第1の分周回路と、第2の電圧制御発振器によって生成される送信信号を分周する第2の分周回路と、第1の分周回路によって分周された分周信号と第2の分周回路によって分周された分周信号との内の一方を選択する選択回路と、選択回路によって選択された分周信号の位相及び/又は周波数と基準信号の位相及び/又は周波数とを比較して制御電圧を生成する制御電圧生成回路と、第1の電圧制御発振器によって生成される局部発振信号を用いて受信信号からベースバンド信号を生成する受信回路と、第2の電圧制御発振器によって生成される送信信号を増幅する送信回路とを具備し、受信回路が、半導体基板の第1の辺に沿った第1の領域に形成され、送信回路が、第1の辺に直交する半導体基板の第2の辺に沿った第2の領域に形成され、第2の電圧制御発振器及び第2の分周回路が、第1の領域と第2の領域とに隣接する第3の領域に形成され、第1の電圧制御発振器及び第1の分周回路が、第1の領域と第3の領域とに隣接する第4の領域に形成されている。ここで、選択回路及び制御電圧生成回路が、第1の領域と第4の領域とに隣接する第5の領域に形成されていても良い。
【0016】
さらに、本発明の第3の観点に係る半導体集積回路は、無線通信を行うために用いられる半導体集積回路であって、制御電圧に従う周波数で発振動作を行うことによって局部発振信号を生成する第1の電圧制御発振器と、制御電圧及び変調信号に従う周波数で発振動作を行うことによって送信信号を生成する第2の電圧制御発振器と、第1の電圧制御発振器によって生成される局部発振信号を分周する第1の分周回路と、第2の電圧制御発振器によって生成される送信信号を分周する第2の分周回路と、第1の分周回路によって分周された分周信号と第2の分周回路によって分周された分周信号との内の一方を選択する選択回路と、選択回路によって選択された分周信号の位相及び/又は周波数と基準信号の位相及び/又は周波数とを比較して制御電圧を生成する制御電圧生成回路と、第1の電圧制御発振器によって生成される局部発振信号を用いて受信信号からベースバンド信号を生成する受信回路と、第2の電圧制御発振器によって生成される送信信号を増幅する送信回路とを具備し、受信回路及び送信回路が、半導体基板の第1の辺に沿った第1の領域及び第2の領域にそれぞれ形成され、第2の電圧制御発振器及び第2の分周回路が、第1の辺の反対側において第2の領域に隣接する第3の領域に形成され、第1の電圧制御発振器及び第1の分周回路が、第1の辺の反対側において第1の領域に隣接する第4の領域に形成されている。ここで、選択回路及び制御電圧生成回路が、第3の領域と第4の領域との間に位置する第5の領域に形成されていても良い。
加えて、本発明に係る電子機器は、上記いずれかの半導体集積回路を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1〜第3の観点によれば、1つの選択回路を用いて制御電圧生成回路を送受信で共用することにより、回路素子を削減して回路面積の増加や回路間の配線長の増加を抑えることができる。これにより、コストを削減することが可能である。
【0018】
さらに、本発明の第1の観点によれば、アナログ回路ブロックと第2のディジタル回路ブロックとの間に第1のディジタル回路ブロックが配置されるので、アナログ回路ブロックと第2のディジタル回路ブロックとの間の間隔が広がり、第2のディジタル回路ブロックにおいて発生するノイズがアナログ回路ブロックの性能に与える影響を低減することができる。また、アナログ回路ブロック及び第1のディジタル回路ブロックのレイアウトと、第2のディジタル回路ブロックのレイアウトとを、互いに独立に変更することが容易であり、ICの仕様変更に柔軟に対応することができる。例えば、無線通信プロトコルの仕様変更に対応して制御回路の規模が変更される場合にも、第2のディジタル回路ブロックのサイズを柔軟に変更することができる。
【0019】
また、本発明の第2及び第3の観点によれば、受信回路と受信系の第1の電圧制御発振器及び第1の分周回路とを近接して配置し、送信回路と送信系の第2の電圧制御発振器及び第2の分周回路とを近接して配置することにより、高周波信号の配線を短くして、寄生抵抗及び寄生容量による高周波信号のレベル低下や電圧制御発振器における発振周波数のシフトを防止することができる。これにより、ICの低消費電力化を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体集積回路の構成例を示すブロック図。
【図2】図1に示す周波数シンセサイザ及びその周辺回路の構成例を示すブロック図。
【図3】図2に示す送信系のVCOの構成例を示す回路図。
【図4】本発明の一実施形態に係る半導体集積回路のレイアウトを示す平面図。
【図5】本発明の一実施形態におけるアナログ回路ブロックのレイアウト図。
【図6】本発明の一実施形態の変形例におけるアナログ回路ブロックのレイアウト図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路の構成例を示すブロック図である。この半導体集積回路は、例えば、近距離無線通信を行う無線マウス等の無線通信機器を含む電子機器等において、無線通信を行うために用いられる。
【0022】
図1に示す半導体集積回路は、高周波及び低周波のアナログ信号を扱うアナログ回路ブロック1と、ベースバンド帯域の信号に対して比較的高速なディジタル信号処理を行う第1のディジタル回路ブロック(「高速ディジタル回路ブロック」又は「高速ロジック回路ブロック」ともいう)4と、比較的低速な制御動作を行う第2のディジタル回路ブロック(「低速ディジタル回路ブロック」又は「低速ロジック回路ブロック」ともいう)5とによって構成される。
【0023】
アナログ回路ブロック1は、受信回路10と、送信回路20と、周波数シンセサイザ30とによって構成される。受信回路10は、ローノイズアンプ(LNA)11と、ミキサー12と、分周回路13と、位相シフト回路14と、ミキサー15a及び15bと、バンドパスフィルタ(BPF)16a及び16bと、2値化回路17a及び17bとを含んでいる。また、送信回路20は、ディジタル/アナログ変換器(DAC)21と、ローパスフィルタ(LPF)22と、パワーアンプ(PA)22とを含んでいる。高速ディジタル回路ブロック4は、復調回路41と、変調回路42とを含んでいる。低速ディジタル回路ブロック5は、制御回路50を含んでいる。
【0024】
アンテナANTは、半導体集積回路の外付け部品として実現しても良いし、W−CSP(Waferlevel Chip Size Package)技術等を利用してオンチップで形成しても良い。ローノイズアンプ11は、外部から電波を受信したアンテナANTから供給される高周波の受信信号をローノイズで増幅する。ミキサー12は、周波数シンセサイザ30によって生成される局部発振信号RXを、ローノイズアンプ11によって増幅された受信信号に掛け合わせることにより、受信信号を中間周波数信号にダウンコンバートする。
【0025】
分周回路13は、周波数シンセサイザ30によって生成される局部発振信号RXを分周することにより、局部発振信号cosωtを生成する。さらに、位相シフト回路14は、局部発振信号cosωtの位相を90°だけ回転させることにより、局部発振信号sinωtを生成する。
【0026】
ミキサー15aが、分周回路13によって生成される局部発振信号cosωtを中間周波数信号に掛け合わせて、BPF16aが、ミキサー15aから出力される信号にバンドパスフィルタ処理を施すことにより、複素ベースバンド信号の実数成分を表すI信号が生成される。
【0027】
また、ミキサー15bが、位相シフト回路14によって生成される局部発振信号sinωtを中間周波数信号に掛け合わせて、BPF16bが、ミキサー15bから出力される信号にバンドパスフィルタ処理を施すことにより、複素ベースバンド信号の虚数成分を表すQ信号が生成される。
【0028】
このようにして、受信信号がダウンコンバート及び直交検波され、複素ベースバンド信号(I信号及びQ信号)が生成される。例えば、受信信号の周波数は2.4GHz周辺であり、中間周波数信号の周波数は300MHz周辺であり、ベースバンド信号の周波数は1MHz周辺である。2値化回路17a及び17bは、アナログのI信号及びQ信号を2値化することにより、ディジタルのI信号及びQ信号をそれぞれ生成する。
【0029】
復調回路41は、ディジタルのI信号及びQ信号に対してディジタル復調処理を施すことにより、受信データを得る。例えば、送信側においてディジタル変調方式としてFSK(周波数シフトキーイング)が用いられている場合には、ディジタル復調回路41は、ベースバンド信号に対してFSKの復調処理を施す。
【0030】
一方、変調回路42は、送信データに基づいて、搬送波をディジタル変調するために用いられる変調信号を生成する。例えば、ディジタル変調方式としてFSKが用いられる場合には、変調回路42は、送信データに基づいて、搬送波を周波数変調するための変調信号を生成する。DAC21は、ディジタルの変調信号をアナログの変調信号に変換し、LPF22は、アナログの変調信号にローパスフィルタ処理を施す。
【0031】
周波数シンセサイザ30は、LPF22から供給される変調信号に基づいて、送信用の搬送周波数の信号(搬送波)を変調することにより、送信信号TXを生成する。例えば、送信信号の周波数は、2.4GHz周辺である。パワーアンプ23が、周波数シンセサイザ30によって生成される送信信号TXを増幅してアンテナANTに供給することにより、アンテナANTから外部に電波が送信される。
【0032】
図2は、図1に示す周波数シンセサイザ及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、周波数シンセサイザ30は、発振回路31と、可変分周回路32と、位相周波数比較回路33と、チャージポンプ34と、ループフィルタ35と、電圧制御発振器(VCO)36a及び36bと、プリスケーラ37a及び37bと、可変分周回路38a及び38bと、セレクタ(選択回路)39とを含んでいる。
【0033】
発振回路31は、水晶振動子を用いて発振動作を行うことにより、所定の周波数を有する第1の基準信号を生成する。ただし、発振回路31に接続される水晶振動子は、半導体集積回路の外部に設けられる。可変分周回路32は、発振回路31によって生成された第1の基準信号を、制御回路50によって設定された分周比で分周することにより、第2の基準信号を生成する。あるいは、発振回路31又は可変分周回路32を省略して、半導体集積回路の外部から第1又は第2の基準信号を供給するようにしても良い。
【0034】
位相周波数比較回路33は、セレクタ39によって選択された分周信号の位相及び周波数と第2の基準信号の位相及び周波数とを比較し、それらの差に応じた誤差信号を出力する。あるいは、位相周波数比較回路33は、セレクタ39によって選択された分周信号の位相と第2の基準信号の位相とを比較するようにしても良い。チャージポンプ34は、位相周波数比較回路33から出力される誤差信号に基づいて、ループフィルタ35に電流を供給する。ループフィルタ35は、ローパス特性を有しており、チャージポンプ34から供給される電流を電圧に変換することにより、VCO36a及び36bを制御するための制御電圧を生成する。
【0035】
VCO36aは、ループフィルタ35から供給される制御電圧に従う周波数で発振動作を行うことにより、局部発振信号RXを生成する。プリスケーラ37aは、VCO36aによって生成される局部発振信号RXを所定の分周比で分周することにより、可変分周回路38aが分周可能な周波数の信号を生成する。可変分周回路38aは、プリスケーラ37aによって分周された信号を、制御回路50によって設定された分周比で分周することにより、例えば、500kHz程度の周波数を有する分周信号を生成する。ここで、プリスケーラ37a及び可変分周回路38aは、第1の分周回路を構成している。
【0036】
また、VCO36bは、ループフィルタ35から供給される制御電圧及びLPF22から供給される変調信号に従う周波数で発振動作を行うことにより、送信信号TXを生成する。プリスケーラ37bは、VCO36bによって生成される送信信号TXを所定の分周比で分周することにより、可変分周回路38bが分周可能な周波数の信号を生成する。可変分周回路38bは、プリスケーラ37bによって分周された信号を、制御回路50によって設定された分周比で分周することにより、例えば、500kHz程度の周波数を有する分周信号を生成する。ここで、プリスケーラ37b及び可変分周回路38bは、第2の分周回路を構成している。
【0037】
セレクタ39としては、制御回路50の制御の下で、可変分周回路38aから出力される分周信号と可変分周回路38bから出力される分周信号との内の一方を選択するスイッチ回路、又は、可変分周回路38aから出力される分周信号と可変分周回路38bから出力される分周信号との論理和を求めるOR(論理和)回路が用いられる。
【0038】
制御回路50は、受信系の回路の内で少なくとも可変分周回路38aの動作を制御する第1のイネーブル信号と、送信系の回路の内で少なくとも可変分周回路38bの動作を制御する第2のイネーブル信号とを生成する。第1又は第2のイネーブル信号が非活性化されて、可変分周回路38a又は38bが動作していないときには、その出力がローレベルとなる。
【0039】
セレクタ39としてOR回路を用いる場合には、制御回路50が第1のイネーブル信号を活性化すると共に第2のイネーブル信号を非活性化することにより、可変分周回路38aから出力される分周信号が選択され、制御回路50が第1のイネーブル信号を非活性化すると共に第2のイネーブル信号を活性化することにより、可変分周回路38bから出力される分周信号が選択される。
【0040】
このようにして、セレクタ39は、受信モードにおいて、可変分周回路38aから出力される分周信号を選択し、送信モードにおいて、可変分周回路38bから出力される分周信号を選択する。これにより、受信モードにおいては、VCO36a〜可変分周回路38aが、位相周波数比較回路33〜ループフィルタ35と共にPLL回路を構成し、送信モードにおいては、VCO36b〜可変分周回路38bが、位相周波数比較回路33〜ループフィルタ35と共にPLL回路を構成する。
【0041】
ここで、位相周波数比較回路33〜ループフィルタ35は、セレクタ39によって選択された分周信号の位相及び/又は周波数と第2の基準信号の位相及び/又は周波数とを比較して、VCO36a及び36bの発振周波数を制御するための制御電圧を生成する制御電圧生成回路に相当する。本実施形態によれば、1つのセレクタ39を用いて制御電圧生成回路を送受信で共用することにより、回路素子を削減して、回路面積の増加や回路間の配線長の増加を抑えることができる。
【0042】
周波数シンセサイザ30において、受信系の第1の分周回路における分周比をN:1に設定することにより、第1の分周回路が信号RXを1/Nに分周するので、受信モードにおいて、第2の基準信号の周波数をN倍に逓倍した信号RXが得られる。また、送信系の第2の分周回路における分周比をN:1に設定することにより、第2の分周回路が信号TXを1/Nに分周するので、送信モードにおいて、第2の基準信号の周波数をN倍に逓倍した信号TXが得られる。
【0043】
制御回路50は、受信モード及び送信モードにおいて、選択された無線通信チャンネルに従って可変分周回路32、38a及び38bの分周比を設定することにより、信号RX及びTXの周波数をそれぞれ設定する。また、制御回路50は、外部のホストコンピュータに接続され、半導体集積回路全体の制御を行う。
【0044】
図3は、図2に示す送信系のVCOの構成例を示す回路図である。送信系のVCO36bは、電源電位VDDに接続されたソースを有するPチャネルMOSトランジスタQP1及びQP2と、トランジスタQP1のドレインとトランジスタQP2のドレインとの間に接続されたインダクタL1及びL2と、制御電圧入力端子とトランジスタQP1及びQP2のドレインとの間にそれぞれ接続されたバリキャップVC1及びVC2と、変調信号入力端子とトランジスタQP1及びQP2のドレインとの間にそれぞれ接続されたバリキャップVC3及びVC4と、トランジスタQP1及びQP2のドレインにそれぞれ接続されたドレインを有するNチャネルMOSトランジスタQN1及びQN2と、トランジスタQN1及びQN2のソースと電源電位VSS(図3においてはグランド電位とする)との間に接続された定電流源CSとを含んでいる。
【0045】
トランジスタQP1のドレインは、トランジスタQP2のゲートに接続され、トランジスタQP2のドレインは、出力端子及びトランジスタQP1のゲートに接続されている。また、トランジスタQN1のドレインは、トランジスタQN2のゲートに接続され、トランジスタQN2のドレインは、出力端子及びトランジスタQN1のゲートに接続されている。ここで、インダクタL1及びL2と、バリキャップVC1及びVC2とは、発振周波数設定部を構成し、バリキャップVC3及びVC4は、変調周波数設定部を構成している。なお、インダクタL1及びL2は、1つのインダクタとして形成しても良い。
【0046】
図3に示すVCO36bは、制御電圧入力端子に印加される電圧が高いほど、高い周波数で発振し、制御電圧入力端子に印加される電圧が低いほど、低い周波数で発振する。また、VCO36bは、変調信号入力端子に供給される変調信号に従って、発振位相又は周波数を変化させる。なお、図3に示す例においては差動増幅型のVCOが用いられているが、シングル型のVCOを用いても良い。また、図1に示す受信系のVCO36aは、図3に示すVCO36bからバリキャップVC3及びVC4を除いたものとして構成することができる。
【0047】
次に、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路のレイアウトについて説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路のレイアウトを示す平面図である。図4に示すように、半導体集積回路が形成される半導体基板100は、第1の辺101〜第4の辺104を有する正方形又は長方形の形状を有している。半導体基板100の周辺部分には、ICパッケージに形成された端子との間の配線(ボンディングワイヤー等)が接続されるパッド(外部接続端子)が形成されている。例えば、半導体基板100の共用領域には、外部から電源電位VDDが供給される電源用パッドPVDD、及び、外部からグランド電位VSSが供給されるグランド用パッドPVSSが形成されている。また、アナログ回路ブロック1には、アンテナが接続されるアンテナ用パッドPANT1及びPANT2が形成されている。
【0048】
本実施形態においては、半導体集積回路に形成される複数の回路が、アナログ回路ブロック1と、高速ディジタル回路ブロック4と、低速ディジタル回路ブロック5との3つのブロックに分けられて配置される。アナログ回路ブロック1は、互いに直交する第1の辺101及び第2の辺102に沿って配置される。低速ディジタル回路ブロック5は、第1の辺101及び第2の辺102にそれぞれ対向する第3の辺103及び第4の辺104に沿って配置される。高速ディジタル回路ブロック4は、アナログ回路ブロック1と低速ディジタル回路ブロック5との間に配置される。
【0049】
このように、アナログ回路ブロック1と低速ディジタル回路ブロック5との間に高速ディジタル回路ブロック4を配置することにより、アナログ回路ブロック1と低速ディジタル回路ブロック5との間の間隔を広げることができるので、アナログ回路ブロック1に対して非同期で動作する低速ディジタル回路ブロック5において発生するノイズがアナログ回路ブロック1の性能に与える影響を低減することができる。
【0050】
さらに、アナログ回路ブロック1と高速ディジタル回路ブロック4とは、インテレクチュアル・プロパティ化されたマクロセル(IP:intellectual property)を構成している。ここで、IPとは、所定の機能を実現するための一群の回路をいう。本実施形態においては、アナログ回路ブロック1と高速ディジタル回路ブロック4とによって無線通信機能が実現されるので、それらのブロックによって構成されるIPを「無線通信IP」と呼ぶ。
【0051】
これにより、搬送周波数の変更等によって無線通信IPの再設計が必要となる場合でも、無線通信IPのレイアウトのみを変更し、低速ディジタル回路ブロック5のレイアウトを変更しないでそのまま用いることができる。一方、無線通信プロトコルの仕様変更等により、無線通信IPの変更は必要なくても低速ディジタル回路ブロック5の変更が必要となる場合には、低速ディジタル回路ブロック5のみを変更し、無線通信IPのレイアウトを変更しないでそのまま用いることができる。
【0052】
図5は、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路のアナログ回路ブロックのレイアウトを示す平面図である。図5に示すように、半導体集積回路が形成される半導体基板100は、第1の辺101及び第2の辺102を含む4辺を有する正方形又は長方形の形状を有している。半導体基板100の周辺部分には、アンテナが接続されるアンテナ用パッドPANT1及びPANT2が形成されている。
【0053】
周波数シンセサイザ30(図2参照)において、受信系のVCO36aのインダクタ及びバリキャップ(VC)と、プリスケーラ(PS)37aと、可変分周回路(DIV)38aとが、第1の高周波ブロック110を構成し、送信系のVCO36bのインダクタ及びバリキャップ(VC)と、プリスケーラ(PS)37bと、可変分周回路(DIV)38bとが、第2の高周波ブロック120を構成し、送受信において用いられるセレクタ(S)39と、位相周波数比較回路(PFD)33と、チャージポンプ(CP)34と、ループフィルタ(LF)とが、低周波ブロック130を構成する。
【0054】
本実施形態に係る半導体集積回路のレイアウトにおいては、受信回路10が、半導体基板100の第1の辺101に沿った第1の領域に形成され、送信回路20が、第1の辺101に直交する第2の辺102に沿った第2の領域に形成されている。また、第2の高周波ブロック120が、第1の領域と第2の領域とに隣接する第3の領域に形成され、第1の高周波ブロック110が、第1の領域と第3の領域とに隣接する第4の領域に形成されている。さらに、低周波ブロック130が、第1の領域と第4の領域とに隣接する第5の領域に形成されている。
【0055】
本実施形態によれば、受信回路10と受信系の第1の高周波ブロック110とを近接して配置し、送信回路20と送信系の第2の高周波ブロック120とを近接して配置することにより、高周波信号の配線を短くして、寄生抵抗及び寄生容量による高周波信号のレベル低下やVCOにおける発振周波数のシフトを防止することができる。
【0056】
また、可変分周回路38a及び38bによって分周された分周信号は、VCO36a及び36bによって生成される信号RX及びTXよりも低い周波数を有しているので、分周信号をセレクタ39に供給する配線が多少長くなったとしても、他の回路への影響を小さくすることができる。
【0057】
さらに、受信回路10、送信回路20、第1の高周波ブロック110、第2の高周波ブロック120、及び、低周波ブロック130毎にレイアウトを決定し、それらのブロックのレイアウトを組み合わせて全体の配置を決定することにより、ICの仕様変更時にもレイアウトを大幅に変更することなく設計変更を行うことができ、その性能も安定している。
【0058】
図6は、本発明の一実施形態の変形例に係る半導体集積回路のアナログ回路ブロックのレイアウトを示す平面図である。図6に示すように、半導体集積回路が形成される半導体基板100は、第1の辺101及び第2の辺102を含む4辺を有する正方形又は長方形の形状を有している。半導体基板100の周辺部分には、アンテナが接続されるアンテナ用パッドPANT1及びPANT2が形成されている。
【0059】
周波数シンセサイザ30(図2参照)において、受信系のVCO36aのインダクタ及びバリキャップ(VC)と、プリスケーラ(PS)37aと、可変分周回路(DIV)38aとが、第1の高周波ブロック110を構成し、送信系のVCO36bのインダクタ及びバリキャップ(VC)と、プリスケーラ(PS)37bと、可変分周回路(DIV)38bとが、第2の高周波ブロック120を構成し、送受信において用いられるセレクタ(S)39と、位相周波数比較回路(PFD)33と、チャージポンプ(CP)34と、ループフィルタ(LF)とが、低周波ブロック130を構成する。
【0060】
本実施形態の変形例に係る半導体集積回路のレイアウトにおいては、受信回路10及び送信回路20が、半導体基板100の第1の辺101に沿った第1の領域及び第2の領域にそれぞれ形成されている。また、第2の高周波ブロック120が、第1の辺101の反対側において第2の領域に隣接する第3の領域に形成され、第1の高周波ブロック110が、第1の辺101の反対側において第1の領域に隣接する第4の領域に形成されている。さらに、低周波ブロック130が、第3の領域と第4の領域との間に位置する第5の領域に形成されている。図6に示すレイアウトによっても、図5に示すレイアウトと同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 アナログ回路ブロック、 4 高速ディジタル回路ブロック、 5 低速ディジタル回路ブロック、 10 受信回路、 11 ローノイズアンプ(LNA)、 12、15a、15b ミキサー、 13 分周回路、 14 位相シフト回路、 16a、16b バンドパスフィルタ(BPF)、 17a、17b 2値化回路、 20 送信回路、 21 ディジタル/アナログ変換器(DAC)、 22 ローパスフィルタ(LPF)、 23 パワーアンプ(PA)、 30 周波数シンセサイザ、 31 発振回路、 32 可変分周回路、 33 位相周波数比較回路、 34 チャージポンプ、 35 ループフィルタ、 36a、36b 電圧制御発振器(VCO)、 37a、37b プリスケーラ、 38a、38b 可変分周回路、 39 セレクタ、 41 復調回路、 42 変調回路、 50 制御回路、 100 半導体基板、 101 第1の辺、 102 第2の辺、 103 第3の辺、 104 第4の辺、 110 第1の高周波ブロック、 120 第2の高周波ブロック、 130 低周波ブロック、 QP1、QP2 PチャネルMOSトランジスタ、 QN1、QN2 NチャネルMOSトランジスタ、 L1、L2 インダクタ、 VC1〜VC4 バリキャップ、 CS 定電流源、 PVDD 電源用パッド、 PVSS グランド用パッド、 PANT1、PANT2 アンテナ用パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を行うために用いられる半導体集積回路であって、
制御電圧に従う周波数で発振動作を行うことによって局部発振信号を生成する第1の電圧制御発振器と、制御電圧及び変調信号に従う周波数で発振動作を行うことによって送信信号を生成する第2の電圧制御発振器と、前記第1の電圧制御発振器によって生成される局部発振信号を分周する第1の分周回路と、前記第2の電圧制御発振器によって生成される送信信号を分周する第2の分周回路と、前記第1の分周回路によって分周された分周信号と前記第2の分周回路によって分周された分周信号との内の一方を選択する選択回路と、前記選択回路によって選択された分周信号の位相及び/又は周波数と基準信号の位相及び/又は周波数とを比較して制御電圧を生成する制御電圧生成回路と、前記第1の電圧制御発振器によって生成される局部発振信号を用いて受信信号からベースバンド信号を生成する受信回路と、前記第2の電圧制御発振器によって生成される送信信号を増幅する送信回路とを含むアナログ回路ブロックと、
前記受信回路によって生成されたベースバンド信号を復調することにより受信データを得る復調回路と、送信データに基づいて変調信号を生成する変調回路とを含む第1のディジタル回路ブロックと、
少なくとも前記第1及び第2の分周回路を制御する制御回路を含む第2のディジタル回路ブロックと、
を具備し、前記アナログ回路ブロックが、互いに直交する半導体基板の第1の辺及び第2の辺に沿って配置され、前記第2のディジタル回路ブロックが、前記第1の辺及び前記第2の辺にそれぞれ対向する前記半導体基板の第3の辺及び第4の辺に沿って配置され、前記第1のディジタル回路ブロックが、前記アナログ回路ブロックと前記第2のディジタル回路ブロックとの間に配置されている、半導体集積回路。
【請求項2】
無線通信を行うために用いられる半導体集積回路であって、
制御電圧に従う周波数で発振動作を行うことによって局部発振信号を生成する第1の電圧制御発振器と、
制御電圧及び変調信号に従う周波数で発振動作を行うことによって送信信号を生成する第2の電圧制御発振器と、
前記第1の電圧制御発振器によって生成される局部発振信号を分周する第1の分周回路と、
前記第2の電圧制御発振器によって生成される送信信号を分周する第2の分周回路と、
前記第1の分周回路によって分周された分周信号と前記第2の分周回路によって分周された分周信号との内の一方を選択する選択回路と、
前記選択回路によって選択された分周信号の位相及び/又は周波数と基準信号の位相及び/又は周波数とを比較して制御電圧を生成する制御電圧生成回路と、
前記第1の電圧制御発振器によって生成される局部発振信号を用いて受信信号からベースバンド信号を生成する受信回路と、
前記第2の電圧制御発振器によって生成される送信信号を増幅する送信回路と、
を具備し、
前記受信回路が、半導体基板の第1の辺に沿った第1の領域に形成され、前記送信回路が、前記第1の辺に直交する半導体基板の第2の辺に沿った第2の領域に形成され、前記第2の電圧制御発振器及び前記第2の分周回路が、前記第1の領域と前記第2の領域とに隣接する第3の領域に形成され、前記第1の電圧制御発振器及び前記第1の分周回路が、前記第1の領域と前記第3の領域とに隣接する第4の領域に形成されている、半導体集積回路。
【請求項3】
前記選択回路及び前記制御電圧生成回路が、前記第1の領域と前記第4の領域とに隣接する第5の領域に形成されている、請求項2記載の半導体集積回路。
【請求項4】
無線通信を行うために用いられる半導体集積回路であって、
制御電圧に従う周波数で発振動作を行うことによって局部発振信号を生成する第1の電圧制御発振器と、
制御電圧及び変調信号に従う周波数で発振動作を行うことによって送信信号を生成する第2の電圧制御発振器と、
前記第1の電圧制御発振器によって生成される局部発振信号を分周する第1の分周回路と、
前記第2の電圧制御発振器によって生成される送信信号を分周する第2の分周回路と、
前記第1の分周回路によって分周された分周信号と前記第2の分周回路によって分周された分周信号との内の一方を選択する選択回路と、
前記選択回路によって選択された分周信号の位相及び/又は周波数と基準信号の位相及び/又は周波数とを比較して制御電圧を生成する制御電圧生成回路と、
前記第1の電圧制御発振器によって生成される局部発振信号を用いて受信信号からベースバンド信号を生成する受信回路と、
前記第2の電圧制御発振器によって生成される送信信号を増幅する送信回路と、
を具備し、
前記受信回路及び前記送信回路が、半導体基板の第1の辺に沿った第1の領域及び第2の領域にそれぞれ形成され、前記第2の電圧制御発振器及び前記第2の分周回路が、前記第1の辺の反対側において前記第2の領域に隣接する第3の領域に形成され、前記第1の電圧制御発振器及び前記第1の分周回路が、前記第1の辺の反対側において前記第1の領域に隣接する第4の領域に形成されている、半導体集積回路。
【請求項5】
前記選択回路及び前記制御電圧生成回路が、前記第3の領域と前記第4の領域との間に位置する第5の領域に形成されている、請求項4記載の半導体集積回路。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の半導体集積回路を含むことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−171956(P2011−171956A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33178(P2010−33178)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】