説明

単層及び多層インフレートフィルム

【課題】単層及び多層インフレートフィルムを提供する。
【解決手段】本発明は、
a)5μmないし500μmの全厚、
b)単層構成又は二層ないし九層の共押出層、
c)ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、複相ポリプロピレンブロックコポリマー、又はそれらの任意の混合物からなる群から選択されたポリマーを含む少なくとも一層の層Lであって、前記ポリマーが、230℃及び2.16kgにおける0.1dg/分ないし10dg/分の、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートを有し、前記層Lは更に、前記ポリマーの質量に対して、特定の核剤0.001%ないし2%を含み、そして所望により
d)前記核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも10%向上した、EN ISO
527に基づく弾性率
を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルムに関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリプロピレン溶融物を管状異形材に押し出し、これを、吹き込まれた空気により連続的に膨張させ、且つそれにより配向し、延伸し、そして同時に冷却することにより製造されたフィルム−以後の本明細書においては、“押し出され空冷されたインフレートフィルム”と呼ぶ;前記フィルムを含む物品、前記フィルム及び前記フィルムを製造するために有用な特定の添加剤を含むマスターバッチを製造するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年までの文献における幾つかの指摘及び特許における若干の記載にも係わらず、主成分としてのポリプロピレンの経済的な用途は、押し出され、工業的生産条件下での空冷されたインフレートフィルムの生産がまだ困難なままである。数千でないにせよ数百の慣用のインフレートフィルムラインは主に、エチレンベースのポリマー用に使用されており、そして対応するポリプロピレンフィルムは、商業的重要性を獲得することが困難である。ポリプロピレンの低い溶融強度−ポリエチレンに比べて−は、経済的に好ましい条件下において適切な吐出量を持つ空冷フィルムインフレーション装置によるこのようなインフレートフィルムの生産を可能にしないと一般に信じられている。
【0003】
米国特許出願公開第A−2003/0054161号明細書は、30g/10分より大きいメルトフローを持つ高結晶性ホモポリマーポリプロピレン、核剤及びポリプロピレンを含む非配向の梱包フィルムを記載している。
米国特許出願公開第A−2003/0207137号明細書は、シール可能な多層不透明フィルムを開示している。
欧州特許出願公開第A−1118638号明細書は、可撓性のシンジオタクチックポリプロピレン組成物及び対応する成形品に関するものである。
米国特許第B−6,270,911号明細書は、プロピレン−エチレン−ブテンランダムターポリマー及びポリプロピレンベースの樹脂組成物、T−ダイ注型法により製造されたそれらのフィルム及びラミネートを記載している。
欧州特許出願公開第A−0865911号明細書は、ポリプロピレンのβ形態を含むポリプロピレンベースの樹脂を延伸することにより形成された微小空洞を含むポリプロピレンベースの樹脂のベース層、並びに該ベース層上の熱シール層を含むフィルムを開示している。
欧州特許出願公開第A−0863183号明細書は、成形品の製造用のポリプロピレン組成物に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第A−2003/0054161号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第A−2003/0207137号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第A−1118638号明細書
【特許文献4】米国特許第B−6,270,911号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第A−0865911号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第A−0863183号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の特許はポリプロピレンの幾つかの組成物、慣用のキャストフィルム、その単層及
び多層梱包材料又は釣り合いのとれた最終用途特性を開示しているけれども、前記記載は、工業的製造条件下での押し出され空冷されたインフレートフィルムの生産を可能にする、ポリプロピレンホモ−又はコポリマー或いは推奨される組成物の用途について、如何なる具体的な教示も提供しない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、工業的に重要な条件下における高吐出量を持つ空冷インフレートフィルムラインによるインフレートフィルムプロセス及びポリプロピレンからのこのようなフィルムの簡単な生産のための、ポリプロピレンの用途における弱点及び制約を克服するため、特定の核剤が成功裏に適用され得ることが、本発明により今や見出された。本発明は、ポリプロピレンの一層又はそれより多くの層を含む空冷されたフィルムを、非常に高く且つ一定の品質で、そして優れた光学的及び機械的性質を持って生産することができる方法を更に開示している。
幾つかの場合において、本発明に係る核剤の存在は、更に向上したポリマー吐出量を可能にし、総吐出量及び他の全ての条件が変更されない場合には、押出機における低いスクリュー回転速度をそれぞれ可能にすることが更に観察された。一つのより本質的な観察は、ポリマーの激しく且つ急速な結晶化プロセスを示す、集中し且つ低下したフロストラインである。必ずしも何らかの理論に結び付けられる見込みは無いけれども、より低いフロストライン高さ(ダイ出口と固化するポリマーとの間の減少した距離)は、インフレーションプロセス全体に渡る安定性及び最終的に得られた吐出フィルムの品質に決定的な影響を有すると信じられている。
【0007】
全体に渡って非常に一定した加工条件は、ブローアップ比及びドローダウン比の広範な変更を可能にする、即ち、高いバブル安定性及び高い配向性を達成することができる。本発明により生産されたフィルムは、優れた光学的及び機械的性質、高い表面光沢及びメルトフラクチャー(いわゆる、さめ肌)の不存在並びに、配合された核剤のプレートアウトブルーミングに対する恒久的な安定性により特徴付けられる。これらのフィルムの厚さ、生産中のそれらの縦及び横配向は、広い範囲に渡って変化し得る。ダウンゲージングを20μm未満にすることが可能であり、その結果、全体に渡る優れた性質は、十分に高い延伸比が適用される場合には、本発明のフィルムを、最終的に、単軸又は二軸配向されたキャストフィルム(OPP、BOPP)に匹敵させることを可能にし得る。
OPP及びBOPP技術は遥かに複雑であり、従って、慣用の空冷されたインフレートフィルム技術よりもより高価である。BOPPフィルムは、典型的には、キャストフィルムプロセスを経由し、望まれる厚さ及び最終的な性質を達成するために、その後、加熱しそして延伸することにより生産される。
全体に渡る生産プロセスの簡単さ及び経済性以外に、驚くべきことに、更に、本発明に係る核剤を含むポリプロピレンフィルムは、ロール上の移送及びテイクアップシュプールの間の向上した挙動を示すことが見出された。ワインダーにおけるそれらの一般的な取り扱い及び折り畳み挙動は、減少したしわ、平坦さ、均一且つ滑らかな層化並びにフィルム厚さ及びフィルム幅の最小の変動により特徴付けられる。
【0008】
本発明は、特に、押し出され空冷されたインフレートフィルム、好ましくは、
a)5μmないし500μmの全厚、
b)単層構成又は二層ないし九層の共押出層(coextruded layers)、
c)ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、複相ポリプロピレンブロックコポリマー、又はそれらの任意の混合物からなる群から選択されたポリマーを含む少なくとも一層の層Lであって、前記ポリマーが、230℃及び2.16kgにおける0.1dg/分ないし10dg/分の、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートを有し、前記層Lは更に、前記ポリマーの質量に対して、式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤0.001%ないし2%を含み、
前記式(IA)、(IB)及び(IC)の意味は、下記:
【化1】

[式中、
x及びyは整数2ないし6を表わし、
z及びz”は互いに独立して、整数1ないし5を表わすが、但し、z及びz”の合計は整数2ないし6を表わし、
0 は、
3個ないし25個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族ポリカルボン酸のx個のカルボキシル基の脱離により形成される残基、
7個ないし25個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂環式ポリカルボン酸のx個のカルボキシル基の脱離により形成される残基、又は
8個ないし25個の炭素原子を有する芳香族ポリカルボン酸のx個のカルボキシル基の脱離により形成される残基を表わし、
如何なる前記ポリカルボン酸も所望により、その骨核中に更なるヘテロ原子を含み、
基X1 は互いに独立して、
非置換或いは一つ又はそれより多くのヒドロキシ基、アミノ基及び/又はニトロ基により置換された炭素原子数1ないし20のアルキル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くのヒドロキシ基、アミノ基及び/又はニトロ基により置換された炭素原子数2ないし20のアルケニル基、
酸素原子又は硫黄原子により中断された炭素原子数2ないし20のアルケニル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換された炭素原子数3ないし20のシクロアルキル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換された(炭素原子数3ないし12のシクロアルキル)−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換されたビス(炭素原子数3ないし12のシクロアルキル)−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換された、5個ないし20個の炭素原子を持つ、二環式又は三環式炭化水素基、
非置換或いは、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数1ないし20のアルコキシ基、炭素原子数1ないし20のアルキルアミノ基、ジ(炭素原子数1ないし20のアルキル)アミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びニトロ基から選択された一つ又はそれより多くの基により置換されたフェニル基、
非置換或いは、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、フェニル基、炭素原子数1ないし20のアルコキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びニトロ基から選択された一つ又はそれより多くの基により置換されたフェニル−炭素原子数1ないし20のアルキル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換されたフェニルエテニル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換されたビフェニル−(炭素原子数1ないし10のアルキル)基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換されたナフチル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換されたナフチル−(炭素原子数1ないし20のアルキル)基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換されたナフトキシメチル基、
ビフェニレニル基、フルオレニル基、アントリル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換された5−又は6−員ヘテロ環式基、
一つ又はそれより多くのハロゲン原子又は疑似ハロゲン原子を含む炭素原子数1ないし20の炭化水素基、
トリ(炭素原子数1ないし10のアルキル)シリル、或いは
トリ(炭素原子数1ないし10のアルキル)シリル(炭素原子数1ないし10のアルキル)基を表わし、
0 は、
3個ないし25個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族ポリアミンのy個のアミノ基の脱離により形成される残基、
6個ないし25個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂環式ポリアミンのy個のアミノ基の脱離により形成される残基、或いは
6個ないし25個の炭素原子を有する芳香族ポリアミンのy個のアミノ基の脱離により形成される残基を表わし、
如何なる前記ポリアミンも所望により、その骨核中に更なるヘテロ原子を含み、
基Y1 は互いに独立して、X1 の定義の一つを有し、
0 は、
2個ないし25個の炭素原子を有する不飽和又は飽和脂肪族アミノカルボン酸のz’個のアミノ基及びz”個のカルボキシル基の脱離により形成される残基、
7個ないし25個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂環式アミノカルボン酸のz’個のアミノ基及びz”個のカルボキシル基の脱離により形成される残基、或いは
7個ないし25個の炭素原子を有する芳香族アミノカルボン酸のz’個のアミノ基及びz”個のカルボキシル基の脱離により形成される残基を表わし、
如何なる前記アミノカルボン酸も所望により、その骨核中に更なるヘテロ原子を含み、そして
基Z1 及び基Z2 は互いに独立して、X1 に対して与えられた定義の一つを有する。]のものである少なくとも一層の層L
を有する、透明フィルムに関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる化合物は公知であり、そして例えば
国際特許出願公開第A−02/46,300号明細書及び国際特許出願公開第A−04/072,168号明細書に記載されている公知方法と同じ方法により製造することができる。
EN ISO 527に基づく弾性率の相対的変化は下記のように計算される。

弾性率enh.=(弾性率film/弾性率ref.−1)×100%;有意差あり:

弾性率enh.:%による、弾性率の相対的改良(向上);
弾性率film:EN ISO 527に基づいて測定された、本発明フィルムの弾性率;
弾性率ref.:式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤(類)を含まない対照フィルムの弾性率。
【0010】
本明細書において言及される対照フィルムは、式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる如何なる核剤も含まないこと以外は、本発明のフィルムと同一の構成及び組成を有している。
フィルムの全体厚さは好ましくは10μmないし250μm、特に15μmないし100μmである。
フィルムは好ましくは、単層構成又は三層の共押出層を有する。
層L中に存在するポリマーの、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートは、好ましくは、230℃及び2.16kgにおいて0.3dg/分ないし5dg/分である。
層L中に存在するポリマー中の式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤の濃度は、ポリマーの質量に対して、好ましくは0.005%ないし0.5%、特に0.01%ないし0.2%である。
【0011】
本発明の透明フィルムは、特に空冷インフレートフィルムラインにより生産され、そして主成分として、核形成されたポリプロピレンをベースとする。如何なる理論にも結び付けられず、また本発明の範囲を制限すること無く、フィルムの並外れて良好な加工性は、バブル中の、即ち、押し出された溶融物のブローアップ後で且つ固化開始前の、それぞれフィルムダイ出口とフロストラインとの間の、本発明のポリプロピレンの向上した剪断粘度に関連していると信じられている。
インフレートフィルムを生産する技術は、主にポリエチレンについて述べているけれども、従来周知である。一般的な工業的インフレートフィルムラインを、本発明のフィルムを生産するために使用することができる。しかしながら、両側、即ち、インフレートフィルムバブルの外側及び内側におけるフィルムの空冷を可能にする装置を使用して、高い吐出条件下で、高品質のインフレートフィルムを生産することが好ましい。このような冷却技術は、近年まで通常の工業標準になっており、そして今日では、大部分の装置製造者により広く提供されている。
【0012】
フィルムインフレーションプロセスは、高粘度ポリマー溶融物の連続円筒を形成するための、環状ダイを通るポリマーの連続押出を含む。縦方向に溶融物を延伸すると同時に、円筒の直径を約1.5倍ないし1.6倍に膨張させるために、ダイの中心を通って空気が導入される。フィルム“バブル”の膨張及び延伸を調整することにより、フィルムの最終的な寸法及び厚さを調節することができる。続いて、環状フィルムを引き取り、ローラーで潰し、所望により裁断又は表面処理し、そして最後にテイクアップシュプールに巻き取る。従来技術の範囲内で、このようなプロセスの多数の変形があり、例えば、米国特許出願公開第A−3,959,425号明細書;米国特許出願公開第A−4,820,471号明細書(高(明細書中には“ロングストーク”と記載されている)及び低ストークフィルムインフレーションが欄1において論じられている);米国特許出願公開第A−5,284,613号明細書;ダブリュ.ディー.ハリス(W.D.Haris)他、“HMW
−HDPEフィルム樹脂の挙動及び性質に対するバブル冷却の効果(Effects of Bubble Cooling on Performance and Properties of HMW−HDPE Film Resines)”、ポリマー、ラミネート化及びコーティング会議録(Polymers,Laminations & Coatings Conference Book)、1990年、第306〜317頁;及びモーア,イー.ピー.(Moore,E.P.)、ハンザー、ニューヨーク、1996年、第330〜332頁に記載されているその内容は、参考として本明細書中に取り込まれている。用語“ストーク”は、空冷インフレートフィルムラインにおいてフィルムに形成されるポリマーバブルのネック高さを示すために使用される。
【0013】
既に記載したように、インフレーションポリオレフィンフィルムに関する大部分の文献はポリエチレンに対して使用されるプロセスを開示しているが、しかし、これらは、適切な方法により、本発明に基づいて使用される高結晶性のプロピレンベースポリマーに対して適用可能である。従来技術は、ポリプロピレンはポリエチレンと異なる速度で冷却し且つ結晶化すると認識しているので、冷却はしばしば都合良く変形されるが、しかし、これらの僅かな変形は、当業者の知識の範囲内にある。冷却技術の幾つかの変形は、商業的に利用可能なインフレートフィルムラインの製造者により実施されている。冷却パラメーターの調整はしばしば、望ましい吐出速度において、より安定なバブルを作る。
好ましくは、本発明に基づいて使用されるポリマーは、所望により、ダイ直径cm当たり少なくとも約2kg/時間(ダイ円周cm当たり0.18g/秒)、より好ましくはダイ直径cm当たり少なくとも約5kg/時間(ダイ円周cm当たり0.44g/秒)、最も好ましくはダイ直径cm当たり少なくとも約8kg/時間(ダイ円周cm当たり0.71g/秒)の速度にて、低ストークフィルム装置(低ストーク)においてインフレーションされる。
【0014】
共押出インフレートフィルムの形成は従来公知であり、そして本発明に適用可能である。従来の具体的な物品は、ハン(Han)及びシェティ(Shetty)、“多層フィルム共押出の研究III。インフレートフィルム共押出のレオロジー(Studies on Multilayer Film Coextrusion III. The Rheology of Blown Film Coextrusion)”、ポリマー工学及び科学(Polymer Engineering and Science)、2月、(1978年)、第18巻、第3頁;及びモリス(Morris)、“インフレートフィルム共押出プロセスにおける剥離強度問題(Peel Strengh Issues in the Blown Film Coextrusion Process)”、1996年、ポリマー、ラミネート化及びコーティング会議(Polymers,Laminations & Coatings Conference)、TAPPI出版、アトランタ、ジョージア州(1996年)、第571〜577頁に含まれる。
用語“共押出”は、押出物が、好ましくは冷却又は急冷前に層状構造に一体に混ざるように配列された二つ又はそれより多くのオリフィスを持つ単一ダイを通して、二種又はそれより多くの材料を押し出すプロセスに関するものである。多層フィルムを作るための共押出システムは、通常のダイアセンブリーを供給する少なくとも二つの押出機を用いる。押出機の数は、共押出フィルムを構成する異なる材料の数に依存する。それぞれの異なる材料に対して、異なる押出機が都合良く使用される。従って、二層又はそれより多くの層が同一材料から作られる場合は、より少なく使用され得るけれども、五つまでの押出機に五層が必要かもしれない。
【0015】
共押出ダイが、共押出インフレートフィルムを形成するために使用される。それらは、環状ダイリップに異なる溶融物流を供給する多数のマンドレルを有する。溶融物層を積み重ねるために、二つ又はそれより多くの押出機からの原料が用いられる場合は、得られる溶融物流はその後、フィルムダイに供給される。
本発明の共押出インフレートフィルムは、マンドレルなどを使用するヒートシーリング装置のような、従来技術における梱包機で使用されるポーチ、バッグ、コンテナーなどに形成することができる。前記材料組み合わせから作られるポーチ、バッグ及び他のコンテナーは、優れた剛性、光学的及び熱的耐性を提供し、そして更に、テレビン油などのような炭化水素類のグリース及び油及び光に対する優れたバリヤーを提供する。
本発明の共押出インフレートフィルムは、多壁バッグにおけるライナー、又は食品梱包産業において使用されるポリエチレンを用いるように積層構造物における強度層として、単独で梱包材として使用することができる。
【0016】
多層フィルムにおいて、各層は、例えば、耐候性、ヒートシール、接着、化学的耐性、バリヤー層(例えば、水又は酸素に対して)、弾性、収縮、耐久性、手触り、臭い及び臭い低減、テクスチャー、エンボス加工、装飾材、不浸透性、剛性などのような望ましい特性を都合良く付与する。層の構成は、望まれる目的を達成するために具体的に選択される。
隣接する層は、直接接着され得るか、又はそれ以外に、特に相互接着性を向上させるために、それらの間の他の層への接着性、結合性を有する。本発明の共押出多層フィルムにおける使用のためには好ましく無いけれども、従来、多数の接着剤が知られている。
剛性、堅牢性、光学特性、及び/又はヒートシール挙動が重要である本発明の一つの目的において、共押出多層フィルムは、一層の層において高結晶性のプロピレンベースポリマーを用い、そして少なくとも一層の他の層においてエチレンポリマーを用いる。エチレンポリマー層は、フィルム構造物全体の堅牢性を向上させる。高結晶性のプロピレンベースポリマーは、全体の剛性及び強度を向上させ、良好な光学的透明性を保持し、そして、上述のように、本発明の透明なコポリマー又はホモポリマーを構成し得る。
【0017】
慣用の公知の透明化剤は限られた熱安定性を有し、そして有効な比較的高い負荷1000ppm〜3000ppmにて使用しなければならない。しかし特に、大部分のポリオレフィンマトリックス、とりわけポリプロピレンとのそれらの限られた相溶性は、非常に特種なフィルム表面においては著しい揮発性を生じさせる。既にフィルムインフレーションの間のブルーミング問題及びプレートアウト問題は非常に著しいので、とりわけ、労働衛生、昇華及び冷却機部材上への析出、並びに最終フィルムの効果的美観を考慮すると、慣用の透明化剤の工業的使用は従来、実際には行なうことができない。
透明化剤とは対照的に、慣用の核剤は塩様物質であり、それは溶融しないばかりか、加工中、ホストポリマーに溶解もしない。それらは機械的性質に関して有益な効果を有し得るけれども、それらは最終フィルムの光学的性質(例えば、曇り度又は透明度)−時には更に、フィルムの不透明性又は乳状性)を損なわしめ、それ故、透明フィルムの生産のための使用を妨げる。
本発明の本質的な目的の一つは、それ故、フィルム構成の主成分としてポリプロピレンを含む透明フィルムに向かう新規な技術ルートである。式(IA)、(IB)又は(IC)から選択された核剤は、このようなフィルムにおける用途のための優れた透明化剤として振る舞うことが見出され、これは、空冷技術を用いて作動される慣用のインフレートフィルムラインにより製造することができる。
【0018】
本発明の別の実施態様は、このようなインフレートフィルムの剛性(例えば、それらの弾性率により特徴付けられる)を、それらの弾性(例えば、それらの破断点伸びにより特徴付けられる)を損なうこと無く向上させる方法を含む。それ故、本発明は、透明ポリプロピレンの望ましい利点を、非常に良好な加工性にて優れた機械的性質を持つ高度な透明フィルムに移すことを可能にする。もっぱら透明ポリプロピレンから作られた均一フィルムは、経済的に重要な工業的条件下で容易にインフレーションすることができる。このような単層フィルム又は疑似単層フィルムは、材料品質に対する如何なる品質低下も無く、フィルム生産又は続く加工の後の完全な再使用又は再生利用を可能にすることに注目すべ
きである。様々なポリマーをベースとする多層構造物(即ち、他成分系)を用いての再生利用は実施が困難である。
本発明の別の目的の一つにおいて、コア層として使用された本発明の高結晶性プロピレンベースポリマーを持つ三層フィルム構造が使用される。このコア層は、二層のエチレンポリマー表皮層の間に挟まれている。これらの表皮層は、直鎖状ポリエチレン、均質に分岐した直鎖状ポリエチレン、LDPE、LLDPE(一種又はそれより多くのα−オレフィンとのエチレンコポリマー及びターポリマーを含む)、HDPE、又はメタロセンポリエチレン(シングルサイト触媒を用いて製造されたm−PE)及びそれらの如何なるブレンドから実質的に成っていてよい。
【0019】
本発明のフィルムは、共押出フィルムの内層又は表皮層として、少なくとも一層のポリプロピレンを含む。従来、周知で且つ実施されているように、別のポリマーとの組み合わせは、フィルム及びそれらから作れた物品の特性を調整するために広く適用されている。例えば、EVOH、PVDC[例えば、サラン(Saran)(登録商標)]、ポリアミド[例えば、ナイロン(Nylon)(登録商標)]又はポリエステル[例えば、マイラー(Mylar)(登録商標)]の共押出層は、酸素、二酸化炭素又はエチレンオキシドに対するガス透過性を低減するためにしばしば使用される;エチレンモノ−又はコポリマーの共押出層(例えば、ULDPE、VLDPE、LDPE、LLDPE、MDPE、HDPE、m−PE)は、穿刺抵抗又は堅牢性を向上させ、柔らかな触感を作り出し、或いは改良されたヒートシール性又は縫製性を改良する。
これらの機能性層は、全フィルム組成物の20%のみ又は更に少なく含まれ、驚くほどに薄いものであり得る。前述のバリヤー性のようなこれらの特別な機能性は、典型的には、それらの個々の厚さよりも最終フィルム特性のためにより重要である。多くの様々なフィルム形成性ポリマーを、直接共押出によるか、又は個々の層を更に“固定”するために接着剤を使用するかの何れかで、このような多層フィルムに混合することができる。しかしながら、本発明のフィルムは好ましくは、このような接着剤無しに作られる。
先に記載した核/透明化剤に加えて、プロピレンベースポリマーと共に典型的に使用される添加剤は、本発明の高結晶性プロピレンベースポリマーに含まれてよい。本発明の組成物から作られるフィルムは都合良くは、大きな剛性、強度及び高い耐熱性を有する。
【0020】
上記開示に基づき、本発明は下記の好ましい実施態様に関するものである。
E−1)全質量に対して、ポリプロピレンホモポリマー又はコポリマー20質量%ないし100質量%を含む、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
E−2)層Lが、ポリプロピレンホモポリマー、ランダムコポリマー、交互又はセグメント化コポリマー、ブロックコポリマー或いは、ポリプロピレンと他の合成ポリマーとのブレンドを含む、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
E−3)層Lが、エチレンとのプロピレンコポリマーであって、該プロピレンコポリマーの全質量に対して、エチレン含有率0.5質量%ないし15質量%のエチレンとのプロピレンコポリマーを含む、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
E−4)ポリプロピレンホモポリマー又はコポリマーが、230℃及び2.16kgにおける0.3dg/分ないし5dg/分の、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートを有する、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
E−5)フィルム構造が、ポリプロピレン層に隣接する、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレン(LDPE、LLDPE、HDPE)或いはメタロセンポリエチレンからなる少なくとも一層の共押出層を含む、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
E−6)三層の共押出層からなり、層Lが内層であり、そして二層の層S1及びS2が外層であり、該層S1及びS2は低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレン(LDPE、LLDPE、HDPE)或いはメタロセンポリエチレン(m−PE)或いはそれらの任意の混合物少なくとも50%を含む、押し出され空冷されたイ
ンフレートフィルム。
E−7)透明ポリプロピレンからなる少なくとも一層の層において、一層又はそれより多くのポリプロピレンホモポリマー又はコポリマーがフィルムの全質量の少なくとも50質量%含まれる、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
E−8)フィルムの一方又は両方の外側に表皮層として、即ち、一層又は二層の表面層を形成するために、一層又は二層のポリプロピレンホモポリマー又はコポリマーを含み、その少なくとも一層が透明ポリプロピレンからなる、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
E−9)二層又は三層の共押出層を含み、層Lがベース層であり、そして一層又は二層の層S1及びS2が外層であり、層厚比L/(S1+S2)が20/1ないし1/2.5、好ましくは10/1ないし1/1、特に6/1ないし2.5/1である、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
E−10)一層又はそれより多くの層がエチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、マレイン酸無水物がグラフトされたポリプロピレン又はポリエチレン、アクリル酸エステルとプロピレン又はエチレンとのコポリマー、プロピレン又はエチレンとのアクリル酸コポリマー、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアミド又はポリエステルを含む、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【0021】
E−11)透明ポリプロピレンホモポリマー又はコポリマーからなる一層のコア層及び、EVOH、EVA、マレイン酸無水物がグラフトされたポリプロピレン又はポリエチレン、アクリル酸エステルとプロピレン又はエチレンとのコポリマー、プロピレン又はエチレンとのアクリル酸コポリマー、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアミド又はポリエステルを含む、一層又はそれより多くの層を、フィルムの全質量に対して50%未満含む、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
E−12)別の層の間に挟まれた一層又はそれより多くの接着層を更に含んで、全フィルム構成が完成する、押し出され空冷されたインフレートフィルム。本発明の共押出多層フィルムにおいて使用するのは好ましく無いけれども、有用な接着剤は従来公知である。
E−13)式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤(類)を含まない対照フィルムに対して少なくとも10%又は15%向上した、EN ISO 527に基づく弾性率を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルム。前記フィルム弾性率は、対照フィルムに対して、特に10%ないし200%又は15%ないし80%向上している。この向上は、横及び/又は縦方向において存在し得る。
E−14)式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも10%縦方向において向上した、EN ISO 527に基づく弾性率を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
E−15)式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも10%横方向において向上した、EN ISO 527に基づく弾性率を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
E−16)式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤(類)を含まない対照フィルムに対して少なくとも10%又は少なくとも15%低下した曇り度(ASTM D−1003)を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルム。前記曇り度は、対照フィルムに対して、特に10%ないし90%又は15%ないし70%低下している。
曇り度の前述の相対的変化は、下記のように計算される。

曇り度red.=(曇り度film/曇り度ref.−1)×100%;有意差あり:

曇り度red.:%による、曇り度の相対的改良(低下);
曇り度film:ASTM D−1003に基づいて測定された、本発明フィルムの曇り度;
曇り度ref.:式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤(類)を含まない対照フィルムの曇り度。
E−17)式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤(類)を含まない対照フィルムに対して少なくとも0.5%又は少なくとも1.5%向上した透明度(ASTM D−1746)を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルム。前記透明度は、対照フィルムに対して、特に0.5%ないし50%又は1.5%ないし25%向上している。
透明度の前述の相対的変化は、下記のように計算される。

透明度enh.=(透明度film/透明度ref.−1)×100%;有意差あり:

透明度enh.:%による、透明度の相対的改良(向上);
透明度film:ASTM D−1746に基づいて測定された、本発明フィルムの透明度;
透明度ref.:式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤(類)を含まない対照フィルムの透明度。
E−18)式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも10%低下した、ASTM D−1003に基づく曇り度を有し、そして 前記式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも0.5%向上した、ASTM D−1746に基づく透明度を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【0022】
E−19)一つ又はそれより多くの層に、
1)例えば、ポリオールと脂肪酸とのエステル、又は脂肪酸の塩、又はα−トコフェロールのような抗凝集剤、好ましくは0.005質量%ないし0.2質量%、特に0.01質量%ないし0.1質量%、
2)例えば、第一にフェノール系及びラクトンベースの酸化防止剤又は、第二に燐又は硫黄を含む酸化防止剤のような酸化防止剤、好ましくは0.01質量%ないし0.5質量%、
3)例えば、脂肪酸アミド、エトキシル化アミド又はエトキシル化アミン、長鎖アルコールとの硫酸−、スルホン酸−、燐酸−又はホスホン酸エステル、第四級長鎖アルキルアンモニウム化合物のような帯電防止剤、好ましくは0.1質量%ないし1.5質量%、
4)例えば、飽和、好ましくは不飽和長鎖脂肪酸のアミドをベースとする化合物、無機酸化物例えばシリカ、ゼオライト、アルモシリケートのようなスリップ剤及び粘着防止剤、好ましくは0.2質量%ないし1質量%、並びに
5)例えば、エトキシル化長鎖脂肪族又は芳香族アルコールをベースとする化合物、飽和又は不飽和長鎖脂肪酸とグリセロール、ポリグリセロール又はソルビタンとのエステルのような防曇剤、好ましくは0.5質量%ないし5質量%、並びに
6)例えば、立体障害アミン又は紫外線吸収剤又はそれらの如何なる組み合わせのような光安定剤、好ましくは0.1質量%ないし2質量%
からなる群から選択された一つ又はそれより多くの添加剤を含む、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
(“質量%”は、“個々の層を形成するポリマーの質量に対して”を意味する。)
E−20)層Lが一つ又はそれより多くの抗凝集剤を更に含む、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【0023】
個々の層(群)を形成するポリマー中に存在し得る別の添加剤のより詳細な記載を以下に例示する。これらの添加剤は、ポリマーの質量に対して0.001質量%ないし10質量%の量、ポリマー中に存在し得る。
1.酸化防止剤
1.1.アルキル化モノフェノール
例えば2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖状又は側鎖が分岐しているノニルフェノール、例えば2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物。
1.2.アルキルチオメチルフェノール
例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン
例えば2,6−ジ第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
1.4.トコフェロール
例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びこれらの混合物(ビタミンE)。
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル
例えば2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0024】
1.6.アルキリデンビスフェノール
例えば2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メルカプトフェニル)ペンタン。
1.7.O−,N−及びS−ベンジル化合物
例えば3,5,3’,5’−テトラ第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート
例えばジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物
例えば1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
1.10.トリアジン化合物
例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0025】
1.11.ベンジルホスホネート
例えばジメチル2,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステルのカルシウム塩。
1.12.アシルアミノフェノール
例えば4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
1.13.β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の下記の一価又は多価アルコールとのエステル
例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸の下記の一価又は多価アルコールとのエステル
例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、3,9−ビス[2−{3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン。
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の下記の一価又は多価アルコールとのエステル
例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0026】
1.16.3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸の下記の一価又は多価アルコールとのエステル
例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。1.17.β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド
例えばN,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド[ユニロイヤル(Uniroyal)社により供給されるナウガードXL−1(Naugard XL−1)(登録商標)]。
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
1.19.アミン酸型化防止剤
例えばN,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン;オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ第三−オクチルジフェニルアミン;4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン。
【0027】
2.紫外線吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2' −ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(3’,5’−ジ第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(3’,5’−ジ第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(3’−第三ブチル−5’−[ 2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル] −2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ
−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾ−ル, 2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾ−ル, 2−(3’−第三ブチル−5’−[ 2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル] −2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾ−ル−2−イルフェノール];2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾ−ルとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;[R−CH2 CH2 −COO−CH2 CH2 −]2 (式中、Rは3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル基を表わす。)、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾ−ル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾ−ル。
【0028】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン
例えば4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクチルオキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2' ,4' −トリヒドロキシ−及び2' −ヒドロキシ−4,4' −ジメトキシ誘導体。
2.3.置換された及び非置換の安息香酸のエステル
例えば4−第三ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ第三ブチルフェニル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ第三ブチルフェニル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
2.4.アクリルレート
例えばエチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート)。
2.5.ニッケル化合物
例えば付加的な配位子、例えばn−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンを持つか又は持たない、2,2' −チオビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば1:1又は1:2錯体;ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチル又はエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、付加的な配位子を持つか又は持たない、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0029】
2.6.立体障害性アミン
例えばビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート;1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物;N,N' −(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状又は環状縮合生成物;トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1' −(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート;N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状又は環状縮合生成物;2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物;2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物;8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン;4−ヘキサデシルオキシ−及び4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン混合物;N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物;1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合生成物[ケミカルアブストラクト登録第136504−96−6号];1,6−ジアミノヘキサンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びにN,N−ジブチルアミン及び4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合生成物[ケミカルアブストラクト登録第192268−64−7号];N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン;7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エタン、N,N’−ビスホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリ
アジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)−オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、サンデュヴォア(Sanduvor)[クラリアント(Clariant)社製;ケミカルアブストラクト登録第106917−31−1号]、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン。
【0030】
2.7.オキサミド
例えば、4,4' −ジオクチルオキシオキサニリド、2,2' −ジエトキシオキサニリド、2,2' −ジオクチルオキシ−5,5' −ジ第三ブトキサニリド、2,2' −ジドデシルオキシ−5,5' −ジ第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2' −エチルオキサニリド、N,N' −ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2' −エトキサニリド及びその2−エトキシ−2' −エチル−5,4' −ジ第三ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物並びにo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
2.8.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシロキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0031】
3.金属奪活剤
例えばN,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
4.ホスフィット及びホスホナイト
例えばトリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ第三ブチル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ第三ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ第三ブチル−フェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
下記のホスフィットがとりわけ好ましい。
トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット[イルガフォス(Irgafos)168(登録商標)、チバ スペシャルティ ケミカルズ インコーポレイテッド(Ciba Specialty Chemicals Inc.)社製]、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、次式:
【化15】

【化16】

で表わされる化合物。
【0032】
5.ヒドロキシルアミン
例えばN,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化獣脂アミンのN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
6.ニトロン
例えばN−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素化獣脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
7.チオ相乗化合物
例えばジラウリルチオジプロピオネート、ジミストリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート又はジステアリルジスルフィド。
8.過酸化物掃去剤
例えばβ−チオジプロピオン酸エステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール又は2−メルカプトベンズイミダゾール亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
9.ポリアミド安定剤
例えば、沃化物及び/又は燐化合物と組み合わせた銅塩及び二価マンガン塩。
10.塩基性補助安定剤
例えばメラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート、カリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレート又は亜鉛ピロカテココレート。
【0033】
11.核剤
例えば無機物質、例えば滑石、金属酸化物、例えば二酸化チタン又は酸化マグネシウム、好ましくはアルカリ土類金属の燐酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;有機化合物、例えばモノ−又はポリ−カルボン酸及びその塩、例えば4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;ポリマー状化合物、例えばイオン性コポリマー(”イオノマー”)。とりわけ好ましいものは、1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチル−ジベンジリデン)ソルビトール及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
12.充填材及び強化材
例えば炭酸カルシウム、珪酸塩、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、滑石、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、黒鉛、木粉及び他の天然産品の粉末及び繊維、合成繊維。
13.その他の添加剤
例えば可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ改良剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤及び発泡剤。明確な理由により、帯電防止剤の所望の使用は、本発明において電荷貯蔵性による悪影響を避けるために、適切なレベルを保持しなけらばならない。
14.ベンゾフラノン及びインドリノン
例えば米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;ドイツ国特許出願公開第A−4316611号公報;ドイツ国特許出願公開第A−4316622号明細書;ドイツ国特許出願公開第A−4316876号明細書;欧州特許出願公開第A−0589839号明細書、欧州特許出願公開第A−0591102号明細書;欧州特許出願公開第A−1291384号明細
書に開示されたもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチル−ベンゾフラン−2−オン。
【0034】
式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤の様々な基のより詳細な説明を以下に示す。
骨核中に、3個ないし25個、好ましくは3個ないし16個、特に4個ないし12個の炭素原子及びx個のカルボキシル基及び所望により更なるヘテロ原子を含む飽和又は不飽和脂肪族ポリカルボン酸の例は、マロン酸、ジフェニルマロン酸、コハク酸、フェニルコハク酸、ジフェニルコハク酸、グルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、1,18−オクタデカン二酸、クエン酸、メタントリカルボン酸、トリカルバリル酸、プロペントリカルボン酸、ペンタントリカルボン酸、エタンテトラカルボン酸、プロパンテトラカルボン酸、ペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸(特に、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸)、ドデカンテトラカルボン酸、ペンタンペンタカルボン酸、テトラデカンヘキサカルボン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、エチレングリコールビス[β−アミノエチルエーテル]N,N,N’,N’−テトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン−N,N’,N’−トリ酢酸、1,3−ジアミノプロパン−2−オール−N,N,N’,N’−テトラ酢酸、1,2−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ニトリロトリプロピオン酸、1,6−ヘキサンジアミンテトラ酢酸、N−(2−カルボキシエチル)イミノジ酢酸などである。
【0035】
骨核中に、7個ないし25個、好ましくは8個ないし16個の炭素原子及びx個のカルボキシル基及び所望により更なるヘテロ原子を含む飽和又は不飽和脂環式ポリカルボン酸の例は、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ酢酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、5−(コハク酸)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,2]オクタ−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、シクロヘキサンヘキサカルボン酸;置換基として低級アルキル基(例えば、3−、8−、11−又は12−位におけるメチル基)を有し得る5,6,9,10−テトラカルボキシトリシクロ[6.2.2.0.スプ.(sup.)2,7]ドデカ−2,11−ジエン、1,2−シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸、6−メチル−4−シクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸、3,5,6−トリカルボキシノルボルネン−2−酢酸、チオビス(ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸)、ビシクロ[4.2.0]オクタン−3,4,7,8−テトラカルボン酸、1,1’−ビシクロプロパン−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸、1,2−ビス(2,3−ジメチル−2,3−ジカルボキシシクロブチル)エタン、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸;トリシクロ[4.2.2.0.スプ.(sup.)2,5]デカン−9−エン−3,4,7,8−テトラカルボン酸、置換基として低級アルキル基(例えば、1−、5−、6−又は7−位におけるメチル基)を有し得る3,4−ジカ
ルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸、2,3,4,5,6,7,12,13−オクタヒドロフェナントレン−3,4,5,6−テトラカルボン酸などである。
【0036】
骨核中に、8個ないし25個、好ましくは8個ないし22個、特に8個ないし17個の炭素原子及びx個のカルボキシル基及び所望により更なるヘテロ原子を含む芳香族ポリカルボン酸の例は、p−フェニレンジ酢酸、p−フェニレンジエタン酸、フタル酸、4−第三ブチルフタル酸、イソフタル酸、5−第三ブチルイソフタル酸、テレフタル酸、1,8−ナフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビナフチルジカルボン酸、ビス(3−カルボキシフェニル)メタン、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、3,3’−スルホニルジ安息香酸、4,4’−スルホニルジ安息香酸、3,3’−オキシジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、3,3’−カルボニルジ安息香酸、4,4’−カルボニルジ安息香酸、3,3’−チオジ安息香酸、4,4’−チオジ安息香酸、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジ安息香酸、4,4’−イソフタロイルジ安息香酸、4,4’−テレフタロイルジ安息香酸、ジチオサリチル酸、ベンゼントリカルボン酸例えばトリメシン酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、ジフェニルメタンテトラカルボン酸、ペリレンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、4,4’−ジナフタル酸、ベンジジン−3,3’−ジカルボキシ−N,N’−テトラ酢酸、ジフェニルプロパンテトラカルボン酸、アントラセンテトラカルボン酸、フタロシアニンテトラカルボン酸、エチレングリコール−トリメリト酸ジエステル、ベンゼンヘキサカルボン酸、グリセリン−トリメリト酸トリエステルなどである。
【0037】
前記芳香族ポリカルボン酸に含まれる好ましいヘテロ原子は窒素原子、特に1個ないし3個の窒素原子である。最も好ましいものは、ピリジン及びs−トリアジンのポリカルボン酸である。
20個までの炭素原子及び所望により一つ又はそれより多くのヒドロキシ基、アミノ基及び/又はニトロ基により置換された直鎖状又は分岐状アルキル基の例は、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、第三ブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、第三ブチルメチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、1−プロピルブチル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、ネオノニル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基又は1−アミノエチル基である。分岐状炭素原子数3ないし10のアルキル基が特に好ましい。基X1 、Y1 、Z1 及びZ2 の好ましい意味の一つは、1−位に第四級炭素原子を持つ分岐状炭素原子数3ないし10のアルキル基、特に−C(CH3 2 −H基又は−C(CH3 2 −(炭素原子数1ないし7のアルキル)基である。
【0038】
酸素原子又は硫黄原子により中断された炭素原子数2ないし20のアルキル基の例は、第三ブトキシメチル基、第三ブトキシエチル基、第三ブトキシプロピル基、第三ブトキシブチル基、(H3 C)3 C−S−CH2 −基、(H3 C)3 C−S−C2 4 −基、(H3 C)3 C−S−C3 6 −基及び(H3 C)3 C−S−C4 8 −基である。
炭素原子数1ないし8のアルコキシ基の例は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基、ヘキシロキシ基、ヘプチロキシ基及びオクチロキシ基である。メトキシ基が特に好ましい。
非置換の又は、一つ又はそれより多くのヒドロキシ基、アミノ基及び/又はニトロ基により置換された炭素原子数2ないし20のアルケニル基は、9−デセニル基、8−ヘプタデセニル基、11−ヒドロキシ−8−ヘプタデセニル基及び11−アミノ−8−ヘプタデセニル基である。
非置換の又は、一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基、例えば1個、2個、3個又は4個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基の例は、シクロプロピル基、3−メチルシクロプロピル基、2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−第三ブチルシクロヘキシル基及びシクロヘプチル基である。
非置換の又は、一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基、例えば1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された(炭素原子数3ないし12のシクロアルキル)−炭素原子数1ないし10のアルキル基の例は、シクロペンチルメチル基、2−シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、3−シクロヘキシルプロピル基、4−シクロヘキシルブチル基及び(4−メチルシクロヘキシル)メチル基である。
非置換の又は、一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基、例えば1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたビス[炭素原子数3ないし12のシクロアルキル]−炭素原子数1ないし10のアルキル基の例は、ジシクロヘキシルメチル基である。
【0039】
非置換の又は、一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基、例えば1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された、5個ないし20個の炭素原子を持つ二環式又は三環式炭化水素基の例は、次式:
【化17】

で表わされる基である。
非置換の又は、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数1ないし20のアルコキシ基、炭素原子数1ないし20のアルキルアミノ基、ジ(炭素原子数1ないし20のアルキル)アミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びニトロ基、好ましくは炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びニトロ基から選択された基一つ又はそれより多くにより置換されたフェニル基の例は、フェニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニ
ル基、2−ニトロフェニル基、3−メチル−6−ニトロフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,5−ジ第三ブチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基及び3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル基である。
非置換の又は、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、フェニル基、炭素原子数1ないし20のアルコキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びニトロ基、好ましくは炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、フェニル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基及びヒドロキシ基から選択された基一つ又はそれより多くにより置換されたフェニル−炭素原子数1ないし20のアルキル基の例は、ベンジル基、α−シクロヘキシルベンジル基、ジフェニルメチル基、1−フェニルエチル基、α−ヒドロキシベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、3−メチルベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基及び2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル基である。
【0040】
非置換の又は、一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基、例えば1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたフェニルエテニル基の例は、2−(4−メチルフェニル)エテニル基である。
非置換の又は、一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基、例えば1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたビフェニル−(炭素原子数1ないし10のアルキル)基の例は、4−ビフェニルメチル基である。
非置換の又は、一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基、例えば1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたナフチル基の例は、1−ナフチル基及び2−ナフチル基である。
非置換の又は、一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基、例えば1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたナフチル−炭素原子数1ないし20のアルキル基の例は、1−ナフチルメチル基及び2−ナフチルメチル基である。
非置換の又は、一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基、例えば1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたナフトキシメチル基の例は、1−ナフトキシメチル基である。
ビフェニレニル基、フロウレニル基又はアントリル基の例は、それぞれ、2−ビフェニレニル基、9−フロウレニル基、1−フロウレニル基又は9−アントリル基である。
非置換の又は、一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基、例えば1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された5−又は6−員ヘテロ環式基の例は、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、2−ヒドロキシピリジン−3−イル基、3−キノリニル基、4−キノリニル基、2−フリル基、3−フリル基及び1−メチル−2−ピリル基である。
一つ又はそれより多くのハロゲン原子又は疑似ハロゲン原子、例えば1個、2個、3個、4個、5個又は6個の弗素原子、塩素原子又は沃素原子を含む炭素原子数1ないし20の炭化水素基の例は、1−ブロモ−2−メチルプロピル基、ジクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、3,5−ビス[トリフルオロエチル]フェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−トリル基、2,3−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基及び2,4−ビス[トリフルオロエチル]フェニル基である。
トリ(炭素原子数1ないし10のアルキル)シリル基の例は、(H3 C)3 Si−基である。
トリ(炭素原子数1ないし10のアルキル)シリル(炭素原子数1ないし10のアルキル)基の例は、(H3 C)3 Si−(CH2 2 −基である。
【0041】
骨核中に3個ないし25個の炭素原子及びy個のアミノ基及び所望により更なるヘテロ
原子を有する飽和又は不飽和脂肪族ポリアミンの例は、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン及び1,5−ジアミノペンタンである。
骨核中に6個ないし25個、好ましくは6個ないし13個の炭素原子及びy個のアミノ基及び所望により更なるヘテロ原子を有する飽和又は不飽和脂環式ポリアミンの例は、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノシクロヘキシル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシル、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンテンジアミン、メラミン、1,3,5−トリアミノシクロヘキサン、1,2,4−トリアミノシクロヘキサン、1,2,4,5−テトラアミノシクロヘキサンなどである。
骨核中に6個ないし25個、好ましくは6個ないし17個、特に6個ないし13個の炭素原子及びy個のアミノ基及び所望により更なるヘテロ原子を有する芳香族ポリアミンの例は、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,3−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,4−ジアミノトルエン、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、4,5−ジメチル−o−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノメシチレン、2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、9,10−ジアミノフェナントレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンジ−o−トルイジン、4,4’−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4’−メチレンジ−2,6−ジエチルアニリン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビベンジル、4,4’−ジアミノスチルベン、3,4’−ジアミノ−2,2−ジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2−ジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−チオジアニリン、2,2’−ジチオジアニリン、4,4’−ジチオジアニリン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、o−トリジンスルホン、2,7−ジアミノフルオレン、3,7−ジアミノ−2−メトキシフルオレン、ビス−p−アミノフェニルアニリン、1,3−ビス(4−アミノフェニルプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン−1,2,4,5−テトラアミノベンゼン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、パラローズアニリン(Para Rosaniline)、2,4,6−トリアミノフェノール、3,3’−ジアミノベンジジン、トリス(4−アミノフェニル)メタン、2,4,6−トリアミノピリミジンなどである。
【0042】
骨核中に2個ないし25個、好ましくは2個ないし12個、特に2個ないし5個の炭素原子、z’個のアミノ基及びz”個のカルボキシル基及び所望により更なるヘテロ原子を有する飽和又は不飽和脂肪族アミノカルボン酸の例は、アミノ酢酸、α−アミノプロピオン酸、β−アミノプロピオン酸、α−アミノアクリル酸、α−アミノ酪酸、β−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、α−アミノ−α−メチル酪酸、γ−アミノ−α−メチル酪酸、α−アミノイソ酪酸、β−アミノイソ酪酸、α−アミノ−n−吉草酸、δ−アミノ−n−吉草
酸、β−アミノクロトン酸、α−アミノ−β−メチル吉草酸、α−アミノイソ吉草酸、2−アミノ−4−ペンテン酸、α−アミノ−n−カプロン酸、6−アミノカプロン酸、α−アミノイソカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、α−アミノ−n−カプリル酸、8−アミノカプリル酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、2−アミノアジピン酸、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、オルニチン、クレアチン、S−(カルボキシメチル)シスチン、アミノマロン酸などである。
骨核中に7個ないし25個、好ましくは7個ないし9個の炭素原子、z’個のアミノ基及びz”個のカルボキシル基及び所望により更なるヘテロ原子を有する飽和又は不飽和脂環式アミノカルボン酸の例は、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、2−アミノシクロヘキサンカルボン酸、3−アミノシクロヘキサンカルボン酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸、p−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、2−アミノ−2−ノルボルナンカルボン酸、3,5−ジアミノシクロヘキサンカルボン酸、1−アミノ−1,3−シクロヘキサンカルボン酸などである。
骨核中に7個ないし25個、好ましくは7個ないし15個、特に7個ないし11個の炭素原子、z’個のアミノ基及びz”個のカルボキシル基及び所望により更なるヘテロ原子を有する芳香族アミノカルボン酸の例は、α−アミノフェニル酢酸、α−アミノ−β−フェニルプロピオン酸、2−アミノ−2−フェニルプロピオン酸、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸、α−アミノ−桂皮酸、2−アミノ−4−フェニル酪酸、4−アミノ−3−フェニル酪酸、アントラニル酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2−アミノ−4−メチル安息香酸、2−アミノ−6−メチル安息香酸、3−アミノ−4−メチル安息香酸、2−アミノ−3−メチル安息香酸、2−アミノ−5−メチル安息香酸、4−アミノ−2−メチル安息香酸、4−アミノ−3−メチル安息香酸、2−アミノ−3−メトキシ安息香酸、3−アミノ−4−メトキシ安息香酸、4−アミノ−2−メトキシ安息香酸、4−アミノ−3−メトキシ安息香酸、2−アミノ−4,5−ジメトキシ安息香酸、o−アミノフェニル酢酸、m−アミノフェニル酢酸、p−アミノフェニル酢酸、4−(4−アミノフェニル)酪酸、4−アミノメチル安息香酸、4−アミノメチルフェニル酢酸、o−アミノ桂皮酸、m−アミノ桂皮酸、p−アミノ桂皮酸、p−アミノ馬尿酸、2−アミノ−1−ナフトエ酸、3−アミノ−1−ナフトエ酸、4−アミノ−1−ナフトエ酸、5−アミノ−1−ナフトエ酸、6−アミノ−1−ナフトエ酸、7−アミノ−1−ナフトエ酸、8−アミノ−1−ナフトエ酸、1−アミノ−2−ナフトエ酸、3−アミノ−2−ナフトエ酸、4−アミノ−2−ナフトエ酸、5−アミノ−2−ナフトエ酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸、7−アミノ−2−ナフトエ酸、8−アミノ−2−ナフトエ酸、3,5−ジアミノ安息香酸、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルメタンなどである。
【0043】
ハロゲン原子又は疑似ハロゲン原子の例は、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、−CN、−CNO、−OCN、−SCN及び−CNSである。
x及びyは2、3、4、5又は6、好ましくは2又は3、特に3である。
z’とz”との合計は2、3、4、5又は6、好ましくは2又は3、特に3である。
好ましいものは、式中、
x、y又はz’とz”との合計は2又は3であり、そして
x、y又はz’とz”との合計が2の場合は、X0 、Y0 及びZ0 が次式:
【化18】

で表わされる基を表わし、そして
x、y又はz’とz”との合計が3の場合は、X0 、Y0 及びZ0 が次式:
【化19】

で表わされる基を表わす、式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含むフィルムである。
【0044】
特に好ましいものは、式中、
基X1 、Y1 、Z1 及びZ2 が互いに独立して、
非置換或いは、1個、2個又は3個のヒドロキシ基、アミノ基及び/又はニトロ基により置換された炭素原子数1ないし10のアルキル基、
非置換或いは、1個、2個又は3個のヒドロキシ基、アミノ基及び/又はニトロ基により置換された炭素原子数2ないし20のアルケニル基、
酸素原子により中断された炭素原子数2ないし10のアルキル基、
非置換或いは、1個、2個、3個又は4個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、
非置換或いは、1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された(炭素原子数3ないし6のシクロアルキル)−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
非置換或いは、1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたビス[炭素原子数3ないし6のシクロアルキル]−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
次式:
【化20】

で表わされる基、
非置換或いは、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びニトロ基から選択された1個、2個又は3個の基により置換されたフェニル基、
非置換或いは、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、フェニル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基及びニトロ基から選択された1個、2個又は3個の基により置換されたフェニル−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
非置換或いは1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたフェニルエテニル基、
非置換或いは1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたビフェニル−(炭素原子数1ないし10のアルキル)基、
非置換或いは1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたナフチル基、
非置換或いは1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたナフチル−(炭素原子数1ないし10のアルキル)基、
非置換或いは1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたナフトキシメチル基、
ビフェニレニル基、フルオレニル基、アントリル基、
3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、2−ヒドロキシピリジン−3−イル基、3−キノリニル基、4−キノリニル基、2−フリル基、3−フリル基、1−メチル−2−ピリル基、
1−ブロモ−2−メチルプロピル基、ジクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、3,5−ビス[トリフルオロメチル]フェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−トリル基、2,3−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基又は2,4−ビス[トリフルオロメチル]フェニル基、
トリ(炭素原子数1ないし10のアルキル)シリル、或いは
トリ(炭素原子数1ないし10のアルキル)シリル(炭素原子数1ないし10のアルキル)基を表わす、式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含むフィルムである。
【0045】
更に好ましいものは、式中、
基X1 、Y1 、Z1 及びZ2 が互いに独立して、
分岐状炭素原子数3ないし10のアルキル基、
酸素原子により中断された炭素原子数3ないし10のアルキル基、
非置換或いは、1個、2個、3個又は4個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、
非置換或いは、1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された(炭素原子数3ないし6のシクロアルキル)−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
次式:
【化21】

で表わされる基、
非置換或いは、1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたフェニル基、
非置換或いは、炭素原子数1ないし4のアルキル基及び炭素原子数1ないし4のアルコ
キシ基から選択された1個、2個又は3個の基により置換されたフェニル−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
ビフェニル−(炭素原子数1ないし10のアルキル)基、
ナフチル−(炭素原子数1ないし10のアルキル)基、
トリ(炭素原子数1ないし10のアルキル)シリル、或いは
トリ(炭素原子数1ないし4のアルキル)シリル(炭素原子数1ないし5のアルキル)基を表わす、式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含むフィルムである。
【0046】
更に興味あるものは、式中、
xが2又は3であり、
xが2の場合は、
0 は次式:
【化22】

で表わされる基を表わし、そして
xが3の場合は、
0 は次式:
【化23】

で表わされる基を表わし、そして
基X1 は互いに独立して、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチル−シクロヘキシル基、3−メチル−シクロヘキシル基、4−メチル−シクロヘキシル基、2,3−ジメチル−シクロヘキシル基、3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル基、1−シクロヘキシル−エチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、フェニル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、クミル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基を表わす、式(IA)で表わされる核剤を含むフィルムである。
【0047】
別の興味あるものは、式中、
yが2又は3であり、
yが2の場合は、
0 は次式:
【化24】

で表わされる基を表わし、そして
yが3の場合は、
0 は次式:
【化25】

で表わされる基を表わし、そして
基Y1 は互いに独立して、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチル−シクロヘキシル基、3−メチル−シクロヘキシル基、4−メチル−シクロヘキシル基、2,3−ジメチル−シクロヘキシル基、3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル基、1−シクロヘキシル−エチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、フェニル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、クミル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基を表わす、式(IB)で表わされる核剤を含むフィルムである。
【0048】
同様に興味あるものは、式中、
z及びz”が互いに独立して1又は2であり、そして
z及びz”の合計が2の場合は、
0 は次式:
【化26】

で表わされる基を表わし、そして
z及びz”の合計が3の場合は、
0 は次式:
【化27】

で表わされる基を表わし、そして
基z及びz”は互いに独立して、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチル−シクロヘキシル基、3−メチル−シクロヘキシル基、4−メチル−シクロヘキシル基、2,3−ジメチル−シクロヘキシル基、3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル基、1−シクロヘキシル−エチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、フェニル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、クミル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基を表わす、式(IC)で表わされる核剤を含むフィルムである。
【0049】
特に興味あるものは、式中、
xが3であり、X0 が次式:
【化28】

で表わされる基を表わし、そしてX1 が第三オクチル基を表わす、式(IA)で表わされる核剤を含むフィルムである。
更に興味あるものは、式中、
yが3であり、Y0 が次式:
【化29】

で表わされる基を表わし、そしてY1 が第三オクチル基(即ち、1,1−ジメチルエチル基)を表わす、式(IB)で表わされる核剤を含むフィルムである。
【0050】
式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる化合物の具体例は、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3−メチルブチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロペンチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(1,2−ジメチルプロピルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(第三オクチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3,7−ジメチルオクチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(1,1−ジメチルプロピルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(第三ブチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルメチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(イソブチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(イソプロピルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−ブチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(1−アダマンチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(1−エチルプロピルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロブチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(n−ブチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−第三ブチルフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(ペンタフルオロフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−エチルフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,4−ジメチルフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−n−ブチルフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロヘプチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(1−シクロヘキシルエチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,4,6−トリメチルフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−メチルフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(ベンジルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロプロピルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−エトキシフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3−メチルフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(フェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−メトキシフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,3−ジメチルフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3,5−ジフルオロフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−フルオロフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロドデシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチルフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3,5−ジメチルフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3,4−ジメチルフェニルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロオクチルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,3−ジメチルシクロヘキシルアミド)、

1,3,5−トリス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[4−メチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3,4−ジメチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3,5−ジメチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[シクロペンタンカルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[1−アダマンタンカルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−メチルプロピオニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−エチルブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2.2−ジメチルブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−シクロヘキシルアセチルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3−シクロヘキシルプロピオニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[4−シクロヘキシルブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[5−シクロヘキシルバレロイルアミノ]ベンゼン、
1−イソブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、
2,2−ジメチルブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、
3,3−ジメチルブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、
1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノベンゼン、
1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−(2,2−ジメチルブチリル)アミノベンゼン、
1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−(3,3−ジメチルブチリル)アミノベンゼン、
1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノベンゼン、
1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−イソブチリルアミノベンゼン、
1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−(2,2−ジメチルブチリル)アミノベンゼン、
1,3−トリス[3−(トリメチルシリル)プロピオニルアミノ]ベンゼン、

N−第三ブチル−3,5−ビス(3−メチルブチリルアミノ)ベンズアミド、
N−第三ブチル−3,5−ビス(ピバロイルアミノ)ベンズアミド、
N−第三オクチル−3,5−ビス(ピバロイルアミノ)ベンズアミド、
N−(3,7−ジメチルオクチル)−3,5−ビス(ピバロイルアミノ)ベンズアミド、
N−(1,1−ジメチルプロピル)−3,5−ビス(ピバロイルアミノ)ベンズアミド、
N−(第三オクチル)−3,5−ビス(イソブチリルアミノ)ベンズアミド、
N−(第三ブチル)−3,5−ビス(ピバロイルアミノ)ベンズアミド、
N−(2,3−ジメチルシクロヘキシル)−3,5−ビス(ピバロイルアミノ)ベンズアミド、
N−(第三ブチル)−3,5−ビス(シクロペンタンカルボニルアミノ)ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス(3−メチルブチルアミノ)ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス(ピバロイルアミノ)ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス(4−メチルペンタノイルアミノ)ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス(シクロペンタンカルボニルアミノ)ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス(シクロヘキサンカルボニルアミノ)ベンズアミド、
N−(3,7−ジメチルオクチル)−3,5−ビス(シクロヘキサンカルボニルアミノ)ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス(3−メチルブチリルアミノ)ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス(ピバロイルアミノ)ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス(4−メチルペンタノイルアミノ)ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス(シクロペンタンカルボニルアミノ)ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス(シクロヘキサンカルボニルアミノ)ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス(3−メチルブチリルアミノ)ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス(ピバロイルアミノ)ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス(4−メチルペンタノイルアミノ)ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス(シクロペンタンカルボニルアミノ)ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス(シクロヘキサンカルボニルアミノ)ベンズアミド、
N−イソプロピル−3,5−ビス(ピバロイルアミノ)ベンズアミド、
N−イソプロピル−3,5−ビス(イソブチルアミノ)ベンズアミド、
N−(3,7−ジメチルオクチル)−3,5−ビス(2,2−ジメチルブチリルアミノ)ベンズアミド、
N−第三ブチル−3,5−ビス(2,2−ジメチルブチリルアミノ)ベンズアミド、
N−第三オクチル−3,5−ビス(2,2−ジメチルブチリルアミノ)ベンズアミド、
5−ピバロイルアミノ−イソフタル酸N,N’−ジ第三ブチルジアミド、
5−ピバロイルアミノ−イソフタル酸N,N’−ジ第三オクチルジアミド、
5−ピバロイルアミノ−イソフタル酸N,N’−ビス(3,7−ジメチルオクチル)ジアミド、
5−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ第三ブチルジアミド、
5−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ第三オクチルジアミド、
5−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス(3,7−ジメチルオクチル)ジアミド、
5−(3−メチルブチリルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジシクロヘキシルジアミン、
5−(ピバロイルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジシクロヘキシルジアミド、
5−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジシクロヘキシルジアミド、
5−(シクロヘキシルカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジシクロヘキシルジアミド、
5−(シクロヘキシルカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス(3,7−ジメチルオクチル)ジアミド、
5−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス(2−メチルシクロヘキシル)ジアミド、
5−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス(2−メチルシクロヘキシル)ジアミド、
5−((1−メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス(2−メチルシクロヘキシル)ジアミド、
5−((2−メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス(2−メチルシクロヘキシル)ジアミドである。
【0051】
本発明の一実施態様は、
a)5μmないし500μmの全厚、
b)単層構成又は二層ないし九層の共押出層(coextruded layers)、
c)ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、複相ポリプロピレンブロックコポリマー、又はそれらの任意の混合物からなる群から選択されたポリマーを含む少なくとも一層の層Lであって、前記ポリマーが、230℃及び2.16kgにおける0.1dg/分ないし10dg/分の、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートを有する少なくとも一層の層L、
を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルムのEN ISO 527に基づく弾性率を、核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも10%向上させる方法であって、
前記ポリマーの質量に基づいて、上記において定義された式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤0.001%ないし2%を前記ポリマーに配合することからなる方法である。
【0052】
本発明の別の実施態様は、
a)5μmないし500μmの全厚、
b)単層構成又は二層ないし九層の共押出層(coextruded layers)、
c)ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、複相ポリプロピレンブロックコポリマー、又はそれらの任意の混合物からなる群から選択されたポリマーを含む少なくとも一層の層Lであって、前記ポリマーが、230℃及び2.16kgにおける0.1dg/分ないし10dg/分の、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートを有する少なくとも一層の層L、
を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルムの剛性を、その弾性を損なうことなく向上させる方法であって、
前記ポリマーの質量に基づいて、上記において定義された式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤0.001%ないし2%を前記ポリマーに配合することからなる方法である。
【0053】
本発明の他の実施態様は、
a)5μmないし500μmの全厚、
b)単層構成又は二層ないし九層の共押出層(coextruded layers)、
c)ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、複相ポリプロピレンブロックコポリマー、又はそれらの任意の混合物からなる群から選択されたポリマーを含む少なくとも一層の層Lであって、前記ポリマーが、230℃及び2.16kgにおける0.1dg/分ないし10dg/分の、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートを有する少なくとも一層の層L、
を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルムの曇り度を、その透明度を損なうことなく向上させる方法であって、
前記ポリマーの質量に基づいて、上記において定義された式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤0.001%ないし2%を前記ポリマーに配合することからなる方法である。
【0054】
本発明のまた他の実施態様は、
a)5μmないし500μmの全厚、
b)単層構成又は二層ないし九層の共押出層(coextruded layers)、
c)ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、複相ポリプロピレンブロックコポリマー、又はそれらの任意の混合物からなる群から選択されたポリマーを含む少なくとも一層の層Lであって、前記ポリマーが、230℃及び2.16kgにおける0.1dg/分ないし10dg/分の、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートを有する少なくとも一層の層L、
を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルムを、添加された核剤の昇華、揮発又はブルーミングを引き起こすことなく透明にする方法であって、
前記ポリマーの質量に基づいて、上記において定義された式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤0.001%ないし2%を前記ポリマーに配合することからなる方法である。
【0055】
本発明は、消費財ライナー、重量級買い物袋、生産袋、バッチ収納袋、ポーチ、買い物袋、商品袋、フォーム包装用袋(とりわけ、フォームが袋内に形成されているもの)、シリアルライナー、ヒートシールフィルム、ソフトペーパー上張り、多壁袋、梱包袋、結束フィルム、圧縮フィルム及びラミネートとしての使用のような、本発明のフィルムの使用を含む。
本発明のフィルムは、自立性ポーチ、重量級袋、並びにレトルト及びホットフィル用途のためのフィルムとして特に有用である。
従って、本発明の別の実施態様は、本明細書において定義された押し出され空冷されたインフレートフィルムを含む物品であって、梱包材(好ましくは、商品用、種々の種類の食品、レトルトフィルム、電子レンジで使用可能な袋又はポーチ、冷凍庫用袋);工業材(好ましくは、延伸フィルム又は粘着フィルム、或いは重量級ライナー)、衛生用又は医用素材(好ましくは、蒸気滅菌可能な袋、ポーチ、点滴又は血清コンテナー);装飾材又は実用材(好ましくは、フラワーラップ又は買い物袋);或いは農業材料(好ましくは、ゲオライナー、マルチフィルム又は温室フィルム)である物品である。
【0056】
本発明の他の実施態様は、工業用インフレートフィルムラインを用いる、請求項1において定義された押し出され空冷されたインフレートフィルムの製造方法であって、
P−I)バッチ式又は連続式において、核剤をポリマーと混合すること、
P−II)前記ポリマーの融点の少なくとも20℃、好ましくは少なくとも50℃上の温度における、得られた溶融物内の均質性を達成するための、単軸又は二軸押出機による前記混合物の溶融押出、
P−III)円形ダイの環状開口部を通して、前記溶融物を又は所望により別の押出機からの二種又はそれより多くのポリマーの溶融供給物を混和し押圧して、0.1mmないし5mm、好ましくは0.5mmないし3mm壁厚の連続円筒物を形成すること、
P−IV)ブローアップ比1.5ないし8、好ましくは2ないし5で前記円筒物をバブルに膨張させ、そして延伸比2ないし40、好ましくは4ないし20で同時に引っ張ること、及び
P−V)インフレートエアにより前記バブルを更に冷却し、そしてそれが固化した管状フィルムを形成すること、
を含む方法に関するものである。
【0057】
好ましい方法は、より具体的な工程:
P−I)核剤のスラリー、溶液又は溶融マスターバッチを、その固体又は溶融形態においてポリプロピレンバルクと連続混合することを含む、バッチ式又は連続式において、粉末状、ペレット化された又は顆粒状の核剤或いはその如何なる濃厚物又はマスターバッチを、粉末、ビーズ、ペレット又は顆粒の形態におけるポリプロピレンと、粉末又はペレット予備プレブレンドを経由して混合すること、
P−II)前記ポリマーの融点の少なくとも20℃、好ましくは少なくとも50℃上の温度、特に180℃ないし280℃の温度における、得られた溶融物内の均質性を達成するための、単軸又は二軸押出機による前記混合物の溶融押出、及びその後の供給、加熱、剪断混合、圧縮等、
P−III)直接に、又はギアポンプを経由するかの何れかにより、溶融ろ過用のスクリーンパックフィルターを通して、円形ダイの環状開口部に前記溶融物を又は所望により別の押出機からの二種又はそれより多くのポリマーの溶融供給物を混和し押圧して、0.1mmないし5mm、好ましくは0.5mmないし3mm壁厚の連続円筒物を形成すること、
P−IV)ダイの中央を通るエアインフレーションにより、ブローアップ比1.5ないし8、好ましくは2ないし5で前記円筒物をバブルに膨張させ、そして得られるフィルムの望ましい厚さ及び幅を達成するため、延伸比2ないし40、好ましくは4ないし20で同時に引っ張ること、及び
P−V)インフレートエアにより前記バブルを更に冷却し、そしてそれが固化した管状フィルムを形成し、その後連続的に引張そして平坦にし、続いて剪断、表面処理など又はテイクアップシュプールに直接巻き取ること、
を含む。
【0058】
本発明の別の実施態様は、
M−I)キャリヤー材料及び主成分としてのポリエチレン又はポリプロピレン、
M−II)成分M−I)の質量に対して、上記において定義された式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤0.1%ないし25%、及び
M−III)成分M−II)の質量に対して、質量比20/1ないし1/10における、一種又はそれより多くの抗凝集剤、及び
M−IV)成分M−I)の質量に対して、酸化防止剤、帯電防止剤、スリップ剤及び粘着防止剤、防曇剤、並びに光安定剤からなる群から選択された一種又はそれより多くの共添加剤0%ないし25%、好ましくは0.1%ないし25%、
を含むマスターバッチに関するものである。
前記核剤が1,3,5−ベンゼン−トリカルボン酸−トリス(1,1,3,3−テトラメチルブチルアミド)又は1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼンであるマスターバッチが好ましい。
下記の抗凝集剤の一種はマスターバッチ中に好ましく存在する。
グリセロール−モノステアレート、
グリセロール−ジステアレート、
グリセロール−モノラウレート、
グリセロール−ジラウレート、
グリセロール−モノパルミテート、
グリセロール−ジパルミテート、
ナトリウムステアリル−スルフェート、
ナトリウムステアリル−ホスフェート、
α−トコフェノール、
ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸亜鉛。
【実施例】
【0059】
下記の実施例により本発明をより詳細に説明する。特記しない限り、全ての部及び%は質量により与えられている。
実施例1:フィルム生産のために用いられるマスターバッチMB−1の生産
下記の粉末状成分を、高速ヘンシェル(登録商標)ミキサー内で、周囲温度にて5分間、緊密にプレブレンドした。
核剤としての1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼン525g、
第一抗凝集剤としてのグリセロールモノステアレート700g、
第二抗凝集剤としてのステアリン酸カルシウム350g、
第一酸化防止剤としてのペンタエリトリル−テトラキス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート58g、及び
第二酸化防止剤としてのトリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット。
得られた上記のプレブレンドを、その後、スクリューフィーダー[ドイツ国のブラベン
ダー(登録商標)]を経由して、顆粒状ポリプロピレンRB−501BF[市販のポリプロピレンランダムコポリマーであるボリーリス(Borealis)(登録商標)]の主フィードに添加した。両フィードをその後、高剪断条件下及び210℃−240℃−255℃の上昇するオンドプロフィール(フィード−混合−ダイ)で作動されるゼイソン(Theysohn)(登録商標)二軸押出機(30mm×44D)のホッパー内で、連続的に混合した。両材料のフィードを、添加剤レットダウン比2.5%に調整した。その後、溶融物を2×3.2mmツインダイを通して押し出してストランドを形成し、これを水冷し、乾燥し、そして最終的に、マスターバッチの顆粒形態に剪断した。
マスターバッチMB−1を、実施例3ないし8のポリプロピレンPP−1型、即ち、PP−1と定義されるMB−1キャリヤ樹脂に、核剤200ppmを添加するために使用した。
上述の成分の注意深い配合及び十分な均質化は、マスターバッチの良好な品質を保証するために欠かせない。不適切な生産は、更なる加工の間に性能の低下を生じさせ、そして例えば縞又はいわゆる“フィッシュアイ”のような深刻な問題を引き起こす。
【0060】
実施例2:フィルム生産のために用いられるマスターバッチMB−2の生産
上記のランダムコポリマーを、ポリプロピレンホモポリマーであるモプレン(Moplen)HP−522H(登録商標)[バーゼル(Basell)(登録商標)から入手可能である]に取り替えたこと以外は、実施例1に記載された方法を繰り返した。
最終マスターバッチは、分析により、核剤0.73%を含むことが確認された。このマスターバッチMB−2を、実施例3ないし8のポリプロピレンPP−2型、即ち、PP−2と定義されるMB−2キャリヤ樹脂に、核剤200ppmを添加するために使用した。
【0061】
実施例3ないし8:押し出され空冷されたインフレートフィルムの生産
これらの実施例は、空冷されたフィルムの生産のための多目的ラインとして設定された、工業的インフレートフィルムラインによるフィルムの生産に関するものである。このラインは、三層までのフィルムの生産が可能である。直径25cm(ダイ間隙2.8mm)の円形ダイは、三台の独立した単軸押出機により供給することができる:メインフィーダー90mm×25D、各サイドフィーダー60mm×25D)。押出機バレルに沿う温度は、約15℃〜20℃の勾配を達成するために段階的に上昇されている;溶融温度は、表1の“溶融温度”欄に例示されているように、押出機とダイとの間を定温±5℃に保持した。
全吐出量は230kg/時間〜250kg/時間の間で変動し、ダイ直径cm当たり9.2kg/時間〜10kg/時間の比吐出量に相当するが、しかし、一回の試行の間は一定に保持した。ポリマー溶融物の流動及び供給特性は常時観察した。結果を表1に“g/時間/rpm”で例示する。この単位は、押出機スクリューの所定回転において1時間当たり移送されるポリマー量を示す。従って、“g/時間/rpm”の値が高いほど、所定吐出量におけるエネルギーが少ないことを示し、それぞれ、押出機スクリューの分当たりの所定回転(rpm)においてより高い吐出を可能にする。
【0062】
実施例9ないし11:
三層の共押出され空冷されたインフレートフィルムは、直径80mmの環状ダイ、0.8mmの間隙、25mm×25Dのメイン押出機及び20mm×25Dのサイド押出機を備えたコリン(Colin)(登録商標)ラブスケール多層押出機を用いて生産された。
実施例9及び10aにおいて、ポリマーPP−1とMB−1との混合物が、最終プラスティック物品の各層の透明化剤の量が100ppmとなるように製造された;この混合物は、フィルム生産プロセスのための異なる押出機に供給するために使用された。
下記のポリマー(全て、商業用グレードである)が、表1及び表2に記載されたインフレートフィルムの生産のために受け取られ、使用された。 PP−1=ポリプロピレンランダムポリマー[ボリーリス(Borealis)(登録商
標)社製RB−501 BF]、メルトフローレート:230℃及び2.16kgにおいて1.9dg/分、
PP−2=ポリプロピレンホモポリマー[バーゼル(Basell)(登録商標)社製モプレン(Moplen)HP−522 H]、メルトフローレート:230℃及び2.16kgにおいて2.0dg/分、
PP−1* =PP−1ペレット97.1%及び顆粒状MB−1 2.9%からなるブレンド、
PP−2* =PP−2ペレット97.2%及び顆粒状MB−2 2.8%からなるブレンド、
PP−3* =PP−1ペレット98.6%及び顆粒状MB−1 1.4%からなるブレンド、
PE−1=メタロセンポリエチレン[エクソンモービル(ExxonMobil)(登録商標)社製エクシード1018 EB(登録商標)]、メルトフローレート:190℃及び2.16kgにおいて1.0dg/分、
PE−2=低密度ポリエチレン[バーゼル(Basell)(登録商標)社製ルポレン(Lupolen)2420 F(登録商標)]、メルトフローレート:190℃及び2.16kgにおいて0.75dg/分、
PE−3=PE−1 80%及びPE−2 20%からなるペレットブレンド。

核剤の添加は、適するレットダウン比[即ち、ポリマーメインフィードに対するマスターバッチ(MB)混合物の%]において、上記の顆粒状マスターバッチMB−1及びMB−2のオンライン投与により連続的に行われた。得られたペレット混合物を定常的に加工し、そして上述の一つ又はそれより多くの押出機により剪断し、最終的に得られた均質なポリマー溶融物を環状のインフレーションダイに供給した。材料の流れを、−核剤を含むフィルムの場合−核剤の最終濃度が常に200ppmであり、そして各試験の間一定に保持されるように、定常的に制御及び調整した。フィルムの加工条件及び組成に関する更なるデータが表1に記載されている。表2に、フィルム試料から得られた試験結果を示す。
【0063】
表1に要約された記述及びデータは、下記の意味を有する。
層及び厚さは、インフレートフィルムの層の組成物及びそれらの厚さに関するものである。
溶融物温度は、押出機を出て、ダイ入口を通り、ダイ出口(ダイ間隙)に向かって変化せずに保持されている、ポリマー溶融物の温度を与える。
“g/時間/rpm”は、押出機スクリュー1回転当たり1時間以内に移送されたポリマーのグラム、即ち、ポリマーの流動特性及び供給特性の尺度を示す。
D.D.R.は、フィルムの縦ドローダウン比、即ち、ダイ間隙を通る溶融物の速度に対するフィルムの最終的な引き取り速度の比を示す。
B.U.R.は、管状フィルム“円筒”を形成するための、ダイ直径に対する引き取られた管状フィルムの直径により与えられるフィルムのブローアップ比を示す。
バブル安定性は、インフレーションプロセスの間のフィルムバブルの目視的安定性を示す;不規則性はしばしば、ダイ出口近傍における強いザワザワ音又は騒音として聞くことも可能である。
【表1】

本発明のインフレートフィルムは上記実施例3、5、7、9及び10である。実施例4、6、8及び11は、対照目的のためのみの比較フィルムを示す。フィルム構成は、表皮層又は外層としてのS1及びS2;コア又は内層としての層Lを示す層の記載により示される。疑似単層フィルムは、実施例5、6、9及び10のように、全ての層が同一組成を有する。
【0064】
表2に要約された記述及びデータは、下記の意味を有する。
試験厚さは、試験中に実際に測定されたフィルムの最終厚さを示す。
ASTM D−1003に基づき決定された曇り度は、各インフレートフィルムについて測定された;負の%として与えられた減少は、個々の対照に対する本発明の試料により達成された改善を示す。
透明度は、ASTM D−1746に基づき決定された。改善は、個々の対照に対する正の%として与えられた。
EN ISO 527に基づき決定された弾性率(縦)は、フィルムがインフレーショ
ンされたときの、縦方向又は装置方向における弾性率を示す;改善%が、個々の対照に対して与えられた。
しかしながら、弾性率(横)は、上の弾性率(縦)に準拠し、横方向又は交差装置方向において決定された弾性率を示す。
EN ISO 527に基づき決定された破断伸び(縦)は、インフレートフィルムの縦方向又は装置方向から採取された試料の破断伸びを示す;改善%が、個々の対照に対して与えられた。
しかしながら、破断伸び(横)は、上の破断伸び(縦)に準拠し、横方向又は交差装置方向において決定された破断伸びを示す。
【表2】

上の表1及び表2に与えられたデータは、本発明の説明の目的のためのみが意図されており、そして本発明の範囲又は一般的な用途の如何なる制限も意味するようには構成されていない。達成された種々の改善により自己説明的であるけれども、本発明の実施例は下記のように理解されるべきである。
実施例3ないし6は、フィルムの基本成分としてのPP−1の使用をベースとする。加工安定性、特にこのランダムコポリマーのバブル安定性は、比較例4に記載されているように、全く中程度であった。比較例6に記載されているように、メタロセン−PEベースの表皮層の更なる使用により、所定の改善が可能であった。しかし、PE−3を使用することにより、フィルム全体の剛性が非常に影響を受け、これは、装置方向又は縦方向及び交差方向又は横方向の両方における、相対的に低い弾性率値に表わされている。
本発明に係る核剤の使用により、これらの欠点は、実施例3及び実施例5に記載されて
いるように、除かれた。加工安定性、特にフィルムインフレーション中のバブル安定性は優秀になった。加えて、より高い比吐出量(g/時間/rpm)が、フィルムインフレーションプロセス全体の平滑さを更に向上させることが観察された。更に、表2に与えられた対応するフィルム特性は、達成された改善に対して自己説明的である。
測定された弾性率値は、如何なる核剤も含まない対照フィルムに比較して11%ないし22%高いことが見出された。弾性率の向上は、フィルムの弾性(破断伸び%)に影響を及ぼさないことを覚えておくことが、ここで重要である;同等の僅かに高い値が、ランダムコポリマーをベースとする本発明フィルムについて見出された。
低い曇り度及び高い透明度によりそれぞれ表わされるフィルムの美的性質も、本発明組成物(実施例3及び実施例5)により、それらの相当する対照フィルム(例4及び例6)に対して明確に改善された。それぞれ−16%、−64%の曇り度の低下、及びそれぞれ0.8%、5.2%の透明度の向上が、それぞれ実施例4、実施例6の対応する対照フィルムに対して、実施例3、実施例5によりそれぞれ達成された。実施例5に記載された、透明化されたインフレートフィルムは、特筆すべき性質を有している。疑似単層ポリプロピレンフィルムであるが、それは、光学的性質、機械的性質、加工容易性及び更に再利用性の利点を、極めて優れたバランスと共に兼ね備えている。
実施例7及び実施例8は、フィルムの基本成分としてのPP−2の使用をベースとしている。このポリプロピレンホモポリマーのみの全体に渡る加工性は、インフレートフィルムプロセスにおいてかなり乏しいことが知られている。同様に、実施例8において行われたPE−3表皮層の使用も、僅かに良好なバブル安定性をもたらしたのみであった。本発明組成物の利点は、実施例7により実現されている。これらの透明化されたポリプロピレンフィルムの優秀な加工安定性を補完しつつ、ポリプロピレンホモポリマーの使用は、維持された光学的透明性において、特に、ポリプロピレンランダムコポリマーをベースとする上述のインフレートフィルムに比較して、それらの弾性率を同様に更に向上させることが可能である。表2に与えられた幾つかの更なるフィルム特性は、達成された改善に対して自己説明的である。
実施例7に見出され得るように、コア層がPP−2* (即ち、透明化されたポリプロピレンホモポリマー)をベーストする場合に、PE−3表皮層の存在が好ましいことを覚えておくべきである。このように、フィルムの縦方向及び横方向において、最高の光学的性質及び高い弾性率を、一定に維持された弾性と組み合わせることが保証されている。
実施例9及び実施例10において、透明化剤の濃度は、先の実施例の半分に減量されている。両実施例において、透明化剤の添加は、バブル安定性についての言及に見られるように、加工安定性を著しく改善している。加工安定性に加えて、これらのフィルムの美的性質は、透明化剤が使用されなかった実施例11に比較して非常に大きく改善されている。吐出量もほぼ20%増加している。
この考慮及び選択は、この特定の場合において考慮された全ての性質の合理的なバランスを結論し得るけれども、本発明のこれら新規な原理的知見に基づいて、当業者にとって更なる改善が自明である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)5μmないし500μmの全厚、
b)単層構成又は二層ないし九層の共押出層(coextruded layers)、
c)ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、複相ポリプロピレンブロックコポリマー、又はそれらの任意の混合物からなる群から選択されたポリマーを含む少なくとも一層の層Lであって、前記ポリマーが、230℃及び2.16kgにおける0.1dg/分ないし10dg/分の、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートを有し、前記層Lは更に、前記ポリマーの質量に対して、式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤0.001%ないし2%を含み、
前記式(IA)、(IB)及び(IC)の意味は、下記:
【化1】

[式中、
x及びyは整数2ないし6を表わし、
z及びz”は互いに独立して、整数1ないし5を表わすが、但し、z及びz”の合計は整数2ないし6を表わし、
0 は、
3個ないし25個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族ポリカルボン酸のx個のカルボキシル基の脱離により形成される残基、
7個ないし25個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂環式ポリカルボン酸のx個のカルボキシル基の脱離により形成される残基、又は
8個ないし25個の炭素原子を有する芳香族ポリカルボン酸のx個のカルボキシル基の脱離により形成される残基を表わし、
如何なる前記ポリカルボン酸も所望により、その骨核中に更なるヘテロ原子を含み、
基X1 は互いに独立して、
非置換或いは一つ又はそれより多くのヒドロキシ基、アミノ基及び/又はニトロ基により置換された炭素原子数1ないし20のアルキル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くのヒドロキシ基、アミノ基及び/又はニトロ基により置換された炭素原子数2ないし20のアルケニル基、
酸素原子又は硫黄原子により中断された炭素原子数2ないし20のアルケニル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換された炭素原子数3ないし20のシクロアルキル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換された(炭素原子数3ないし12のシクロアルキル)−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換されたビス(炭素原子数3ないし12のシクロアルキル)−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換された、5個ないし20個の炭素原子を持つ、二環式又は三環式炭化水素基、
非置換或いは、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数1ないし20のアルコキシ基、炭素原子数1ないし20のアルキルアミノ基、ジ(炭素原子数1ないし20のアルキル)アミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びニトロ基から選択された一つ又はそれより多くの基により置換されたフェニル基、
非置換或いは、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、フェニル基、炭素原子数1ないし20のアルコキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びニトロ基から選択された一つ又はそれより多くの基により置換されたフェニル−炭素原子数1ないし20のアルキル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換されたフェニルエテニル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換されたビフェニル−(炭素原子数1ないし10のアルキル)基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換されたナフチル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換されたナフチル−(炭素原子数1ないし20のアルキル)基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換されたナフトキシメチル基、
ビフェニレニル基、フルオレニル基、アントリル基、
非置換或いは一つ又はそれより多くの炭素原子数1ないし20のアルキル基により置換された5−又は6−員ヘテロ環式基、
一つ又はそれより多くのハロゲン原子又は疑似ハロゲン原子を含む炭素原子数1ないし20の炭化水素基、
トリ(炭素原子数1ないし10のアルキル)シリル基、或いは
トリ(炭素原子数1ないし10のアルキル)シリル(炭素原子数1ないし10のアルキル)基を表わし、
0 は、
3個ないし25個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族ポリアミンのy個のアミノ基の脱離により形成される残基、
6個ないし25個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂環式ポリアミンのy個のアミノ基の脱離により形成される残基、或いは
6個ないし25個の炭素原子を有する芳香族ポリアミンのy個のアミノ基の脱離により形成される残基を表わし、
如何なる前記ポリアミンも所望により、その骨核中に更なるヘテロ原子を含み、
基Y1 は互いに独立して、X1 の定義の一つを有し、
0 は、
2個ないし25個の炭素原子を有する不飽和又は飽和脂肪族アミノカルボン酸のz’個のアミノ基及びz”個のカルボキシル基の脱離により形成される残基、
7個ないし25個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂環式アミノカルボン酸のz’個のアミノ基及びz”個のカルボキシル基の脱離により形成される残基、或いは
7個ないし25個の炭素原子を有する芳香族アミノカルボン酸のz’個のアミノ基及びz”個のカルボキシル基の脱離により形成される残基を表わし、
如何なる前記アミノカルボン酸も所望により、その骨核中に更なるヘテロ原子を含み、そして
基Z1 及び基Z2 は互いに独立して、X1 に対して与えられた定義の一つを有する。]のものである少なくとも一層の層L
を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項2】
d)前記式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも10%向上した、EN ISO 527に基づく弾性率
を有する、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項3】
全質量に対して、ポリプロピレンホモポリマー又はコポリマー20質量%ないし100質量%を含む、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項4】
前記層Lが、ポリプロピレンホモポリマー、ランダムコポリマー、交互又はセグメント化コポリマー、ブロックコポリマー或いは、ポリプロピレンと他の合成ポリマーとのブレンドを含む、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項5】
前記層Lが、エチレンとのプロピレンコポリマーであって、該プロピレンコポリマーの全質量に対して、エチレン含有率0.5質量%ないし15質量%のエチレンとのプロピレンコポリマーを含む、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項6】
前記ポリプロピレンホモポリマー又はコポリマーが、230℃及び2.16kgにおける0.3dg/分ないし5dg/分の、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートを有する、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項7】
フィルム構成が、ポリプロピレン層に隣接する、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレン(LDPE、LLDPE、HDPE)或いはメタロセンポリエチレンからなる少なくとも一層の共押出層を含む、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項8】
三層の共押出層を含み、前記層Lが内層であり、そして二層の層S1及びS2が外層であり、該層S1及びS2は低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレン(LDPE、LLDPE、HDPE)或いはメタロセンポリエチレン(m−PE)或いはそれらの任意の混合物少なくとも50%を含む、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項9】
一層又はそれより多くの層がエチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、マレイン酸無水物がグラフトされたポリプロピレン又はポリエチレン、アクリル酸エステルとプロピレン又はエチレンとのコポリマー、プロピレン又はエチレンとのアクリル酸コポリマー、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアミド又はポリエステルを含む、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項10】
一層又はそれより多くの接着層を更に含む、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項11】
前記式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも10%縦方向において向上した、EN ISO 527に基づく弾性率を
有する、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項12】
前記式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも10%横方向において向上した、EN ISO 527に基づく弾性率を有する、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項13】
前記式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも10%低下した、ASTM D−1003に基づく曇り度を有する、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項14】
前記式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも0.5%向上した、ASTM D−1746に基づく透明度を有する、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項15】
前記式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも10%低下した、ASTM D−1003に基づく曇り度を有し、そして
前記式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも0.5%向上した、ASTM D−1746に基づく透明度を有する、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項16】
1)抗凝集剤、
2)酸化防止剤、
3)帯電防止剤、
4)スリップ剤及び粘着防止剤、
5)防曇剤、並びに
6)光安定剤
からなる群から選択された一種又はそれより多くの添加剤を含む、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項17】
前記層Lが一種又はそれより多くの抗凝集剤を更に含む、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項18】
前記式中、
x、y又はz及びz”の合計が2又は3であり、そして
x、y又はz及びz”の合計が2の場合は、X0 、Y0 及びZ0 は次式:
【化2】

で表わされる基を表わし、
x、y又はz及びz”の合計が3の場合は、X0 、Y0 及びZ0 は次式:
【化3】

で表わされる基を表わす、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項19】
前記式中、
基X1 、Y1 、Z1 及びZ2 が互いに独立して、
非置換或いは、1個、2個又は3個のヒドロキシ基、アミノ基及び/又はニトロ基により置換された炭素原子数1ないし10のアルキル基、
非置換或いは、1個、2個又は3個のヒドロキシ基、アミノ基及び/又はニトロ基により置換された炭素原子数2ないし20のアルケニル基、
酸素原子により中断された炭素原子数2ないし10のアルキル基、
非置換或いは、1個、2個、3個又は4個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、
非置換或いは、1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された(炭素原子数3ないし6のシクロアルキル)−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
非置換或いは、1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたビス[炭素原子数3ないし6のシクロアルキル]−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
次式:
【化4】

で表わされる基、
非置換或いは、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びニトロ基から選択された1個、2個又は3個の基により置換されたフェニル基、
非置換或いは、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、フェニル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基及びニトロ基から選択された1個、2個又は3個の基により置換されたフェニル−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
非置換或いは1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたフェニルエテニル基、
非置換或いは1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたビフェニル−(炭素原子数1ないし10のアルキル)基、
非置換或いは1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたナフチル基、
非置換或いは1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたナフチル−(炭素原子数1ないし10のアルキル)基、
非置換或いは1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたナフトキシメチル基、
ビフェニレニル基、フルオレニル基、アントリル基、
3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、2−ヒドロキシピリジン−3−イル基、3−キノリニル基、4−キノリニル基、2−フリル基、3−フリル基、1−メチル−2−ピリル基、
1−ブロモ−2−メチルプロピル基、ジクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、3,5−ビス[トリフルオロメチル]フェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−トリル基、2,3−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基又は2,4−ビス[トリフルオロメチル]フェニル基、
トリ(炭素原子数1ないし10のアルキル)シリル、或いは
トリ(炭素原子数1ないし10のアルキル)シリル(炭素原子数1ないし10のアルキル)基を表わす、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項20】
前記式中、
基X1 、Y1 、Z1 及びZ2 が互いに独立して、
分岐状炭素原子数3ないし10のアルキル基、
酸素原子により中断された炭素原子数3ないし10のアルキル基、
非置換或いは、1個、2個、3個又は4個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、
非置換或いは、1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された(炭素原子数3ないし6のシクロアルキル)−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
次式:
【化5】

で表わされる基、
非置換或いは、1個、2個又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたフェニル基、
非置換或いは、炭素原子数1ないし4のアルキル基及び炭素原子数1ないし4のアルコキシ基から選択された1個、2個又は3個の基により置換されたフェニル−炭素原子数1ないし10のアルキル基、
ビフェニル−(炭素原子数1ないし10のアルキル)基、
ナフチル−(炭素原子数1ないし10のアルキル)基、
トリ(炭素原子数1ないし10のアルキル)シリル、或いは
トリ(炭素原子数1ないし4のアルキル)シリル(炭素原子数1ないし5のアルキル)基を表わす、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項21】
前記核剤が式(IA)で表わされる化合物であり、
xが2又は3であり、
xが2の場合は、
0 は次式:
【化6】

で表わされる基を表わし、そして
xが3の場合は、
0 は次式:
【化7】

で表わされる基を表わし、そして
基X1 は互いに独立して、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチル−シクロヘキシル基、3−メチル−シクロヘキシル基、4−メチル−シクロヘキシル基、2,3−ジメチル−シクロヘキシル基、3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル基、1−シクロヘキシル−エチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、フェニル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、クミル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基を表わす、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項22】
前記核剤が式(IB)で表わされる化合物であり、
yが2又は3であり、
yが2の場合は、
0 は次式:
【化8】

で表わされる基を表わし、そして
yが3の場合は、
0 は次式:
【化9】

で表わされる基を表わし、そして
基Y1 は互いに独立して、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチル−シクロヘキシル基、3−メチル−シクロヘキシル基、4−メチル−シクロヘキシル基、2,3−ジメチル−シクロヘキシル基、3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル基、1−シクロヘキシル−エチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、フェニル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、クミル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基を表わす、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項23】
前記核剤が式(IC)で表わされる化合物であり、
z及びz”が互いに独立して1又は2であり、そして
z及びz”の合計が2の場合は、
0 は次式:
【化10】

で表わされる基を表わし、そして
z及びz”の合計が3の場合は、
0 は次式:
【化11】

で表わされる基を表わし、そして
基z及びz”は互いに独立して、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、3,7−ジ
メチルオクチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチル−シクロヘキシル基、3−メチル−シクロヘキシル基、4−メチル−シクロヘキシル基、2,3−ジメチル−シクロヘキシル基、3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル基、1−シクロヘキシル−エチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、フェニル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、クミル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基を表わす、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項24】
前記核剤が、式中、
xが3であり、X0 が次式:
【化12】

で表わされる基を表わし、そしてX1 が第三オクチル基を表わす、式(IA)で表わされる化合物である、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項25】
前記核剤が、式中、
yが3であり、Y0 が次式:
【化13】

で表わされる基を表わし、そしてY1 が第三オクチル基を表わす、式(IB)で表わされる化合物である、請求項1記載の押し出され空冷されたインフレートフィルム。
【請求項26】
a)5μmないし500μmの全厚、
b)単層構成又は二層ないし九層の共押出層(coextruded layers)、
c)ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、複相ポリプロピレンブロックコポリマー、又はそれらの任意の混合物からなる群から選択されたポリマーを含む少なくとも一層の層Lであって、前記ポリマーが、230℃及び2.16kgにおける0.1ないし10dg/分の、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートを有する少なくとも一層の層L、
を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルムのEN ISO 527に基づく弾性率を、核剤を含まない対照フィルムに対して少なくとも10%向上させる方法であって、
前記ポリマーの質量に対して、請求項1において定義された式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤0.001%ないし2%を前記ポリマーに配合することからなる方法。
【請求項27】
a)5μmないし500μmの全厚、
b)単層構成又は二層ないし九層の共押出層(coextruded layers)、
c)ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、複相ポリプロピレンブロックコポリマー、又はそれらの任意の混合物からなる群から選択されたポリマーを含む少なくとも一層の層Lであって、前記ポリマーが、230℃及び2.16kgにお
ける0.1dg/分ないし10dg/分の、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートを有する少なくとも一層の層L、
を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルムの剛性を、その弾性を損なうことなく向上させる方法であって、
前記ポリマーの質量に対して、請求項1において定義された式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤0.001%ないし2%を前記ポリマーに配合することからなる方法。
【請求項28】
a)5μmないし500μmの全厚、
b)単層構成又は二層ないし九層の共押出層(coextruded layers)、
c)ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、複相ポリプロピレンブロックコポリマー、又はそれらの任意の混合物からなる群から選択されたポリマーを含む少なくとも一層の層Lであって、前記ポリマーが、230℃及び2.16kgにおける0.1dg/分ないし10dg/分の、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートを有する少なくとも一層の層L、
を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルムの曇り度を、その透明度を損なうことなく向上させる方法であって、
前記ポリマーの質量に対して、請求項1において定義された式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤0.001%ないし2%を前記ポリマーに配合することからなる方法。
【請求項29】
a)5μmないし500μmの全厚、
b)単層構成又は二層ないし九層の共押出層(coextruded layers)、
c)ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、複相ポリプロピレンブロックコポリマー、又はそれらの任意の混合物からなる群から選択されたポリマーを含む少なくとも一層の層Lであって、前記ポリマーが、230℃及び2.16kgにおける0.1dg/分ないし10dg/分の、ASTM D−1238に基づくメルトフローレートを有する少なくとも一層の層L、
を有する、押し出され空冷されたインフレートフィルムを、添加された核剤の昇華、揮発又はブルーミングを引き起こすことなく透明にする方法であって、
前記ポリマーの質量に対して、請求項1において定義された式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤0.001%ないし2%を前記ポリマーに配合することからなる方法。
【請求項30】
請求項1において定義された押し出され空冷されたインフレートフィルムを含む物品であって、梱包材、工業材、衛生用又は医用素材、装飾材又は実用材、或いは農業材料である物品。
【請求項31】
工業用インフレートフィルムラインを用いる、請求項1において定義された押し出され空冷されたインフレートフィルムの製造方法であって、
I)バッチ式又は連続式において、請求項1において定義された式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤を請求項1において定義されたポリマーと混合すること、
II)前記ポリマーの融点の少なくとも20℃上の温度における、得られた溶融物内の均質性を達成するための、単軸又は二軸押出機による前記混合物の溶融押出、
III)円形ダイの環状開口部を通して、前記溶融物を又は所望により別の押出機からの二種又はそれより多くのポリマーの溶融供給物を混和し押圧して、0.1mmないし5mm壁厚の連続円筒物を形成すること、
IV)ブローアップ比1.5ないし8で前記円筒物をバブルに膨張させ、そして延伸比2ないし40で同時に引っ張ること、及び
V)前記バブルを冷却して、インフレートフィルムを形成すること、
を含む方法。
【請求項32】
M−I)キャリヤー材料としてのポリエチレン又はポリプロピレン、
M−II)成分M−I)の質量に対して、請求項1において定義された式(IA)、(IB)又は(IC)で表わされる核剤0.1%ないし25%、及び
M−III)成分M−II)の質量に対して、質量比20/1ないし1/10における、一種又はそれより多くの抗凝集剤、及び
M−IV)成分M−I)の質量に対して、酸化防止剤、帯電防止剤、スリップ剤及び粘着防止剤、防曇剤、並びに光安定剤からなる群から選択された一種又はそれより多くの共添加剤、
を含むマスターバッチ。
【請求項33】
前記核剤が1,3,5−ベンゼン−トリカルボン酸−トリス(1,1,3,3−テトラメチルブチルアミド)又は1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼンである、請求項32記載のマスターバッチ。
【請求項34】
前記抗凝集剤がグリセロール−モノステアレート、グリセロール−ジステアレート、グリセロール−モノラウレート、グリセロール−ジラウレート、グリセロール−モノパルミテート、グリセロール−ジパルミテート、ナトリウムステアリル−スルフェート、ナトリウムステアリル−ホスフェート、α−トコフェノール、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸亜鉛である、請求項32記載のマスターバッチ。

【公表番号】特表2009−537641(P2009−537641A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510371(P2009−510371)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052584
【国際公開番号】WO2007/068766
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】