説明

原稿読取装置

【課題】開閉機構等による読取画像劣化の外的要因とモータ劣化等の内的要因を区別し、読取画像の品質低下を回避するため走行体の走行状態の不良をより正確に把握する。
【解決手段】 駆動制御部23は、画像読み取り動作に影響がある速度差の閾値を持ち、読み取り動作中にエンコーダ8で測定の速度差がこの閾値以上のとき、CPU21に読取品質劣化検知信号を出力する。CPU21は読取品質劣化検知信号を受け、駆動制御部23,画像処理部20を制御し、原稿読み取り処理を中止させ、走行体をホームポジションまで帰還させる。またCPU21は給紙トレー11の開閉機構の開閉状態を開閉検知部12の信号により、原稿の読み取り動作中に給紙トレー11の開閉を確認し、結果をディスプレイ25に、文字表示の「読取失敗しました」と表示し、また「再読取しますか?」と表示させて使用者の選択を促し、I/O部27を介して入力命令を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像を読み取る原稿読取装置であって、これを具備して原稿読取装置で読み取った画像を用紙に形成するインクジェット方式や電子写真方式による作像プロセスによって画像を形成する複写機、ファクシミリ装置、プリンタ、あるいはこれらの機能を有する複合機等の装置に用いられる原稿読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像を読み取る原稿読取装置(スキャナ)の性能が高まり、これに伴いデータ量も多量となっており、この多量なデータを処理するために読み取りに多くの時間も必要となっている。
【0003】
そして、このようなスキャナでは、外的要因により振動等が加わった場合、読み取られた画像に不連続な領域が含まれるようになってしまうなど、画像品質が低下してしまう。
【0004】
スキャナに振動が発生した場合にも、不良画像を出力しないようにし、画像の読み取りを続行することによる無駄な時間の消費を未然に防ぐ発明が特許文献1に開示されている。また、外的な影響による振動等によって発生する画像歪みを解消するために、振動の検出時に読み取りの処理を中止することが特許文献2,3に開示されている。さらに、特許文献4には、モータの作動に起因する振動を含めて振動を検知すること、特許文献5には、モータの劣化により回転速度が目標速度とは異なった場合にも、その回転速度に合わせて駆動制御することが開示されている。
【特許文献1】特開2001−230905号公報
【特許文献2】特開平5−155445号公報
【特許文献3】特開平11−284801号公報
【特許文献4】特開2002−243532号公報
【特許文献5】特開平11−215875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、複合機等において給紙トレーを開閉したことによる衝撃が、これを搭載する原稿読取装置に伝達したとき、走行体を一定速度で走査させることができずに、読取画像品質が低下して、これが画像形成部を具備する複合機の場合に出力された画像が不良画像となる。
【0006】
また一方で、走行体を走査させるモータ等が何らかの原因で劣化した場合にも、走行体を所望の速度で一定に走査させることができなくなるが、これが上述のような外部要因の振動によるものなのか、あるいはモータ等の劣化などによるものなのかを判別する手段がなく、モータ等の交換などといったメンテナンスの必要性を正確に把握することができなかった。
【0007】
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、使用者の手間を煩わせることなく読取画像の品質低下を回避して、また、給紙トレーの開閉などといった読取画像劣化の外的要因を捉え、区別することにより、モータ劣化等の内的要因による走行体の走行状態不良をより正確に把握することができる原稿読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載した原稿読取装置は、プラテンガラス上に載置した原稿に沿って、光源を設けた走行体を移動させ、光源の光照射による原稿からの反射光を補足し、原稿の画像を読み取って画像情報を取得し、当該原稿読取装置を搭載した載置台とからなる原稿読取装置において、走行体の走行状態を検出する走行状態検出手段と、載置台に有する開閉機構の開閉状態を検知する開閉状態検知手段と、原稿の画像読み取り処理中に、走行状態検出手段が走行状態の異常を検出した結果、および開閉状態検知手段が開閉状態の変化を検知した結果を報知する報知手段と、各手段によって前記原稿の画像読み取り処理の制御を行う制御手段とを備えたことによって、開閉機構による外的要因または走行体により内的要因により読取画像品質の劣化が生じたことを検知し報知することができる。
【0009】
また、請求項2,3に記載した原稿読取装置は、請求項1の原稿読取装置であって、走行状態検出手段は、走行体を移動する駆動手段の出力軸に設けた角速度を測定するエンコーダにより、走行体の位置、あるいは速度、あるいは加速度を検出すること、また、走行状態検出手段が、原稿の画像読み取り処理中に走行体の走行状態に異常を検出したとき、制御手段は、原稿の画像読み取り処理を中止し、かつ走行体を初期位置に移動することによって、走行体の駆動制御に用いられるエンコーダを用いて状態検出することで部品数を減らし、異常検出時には画像読み取り処理を中止して余計な処理時間を省略できる。
【0010】
また、請求項4,5に記載した原稿読取装置は、請求項1〜3の原稿読取装置であって、走行状態検出手段が、原稿の画像読み取り処理中に走行体の走行状態に異常を検出したとき、制御手段は、中止した原稿の画像読み取り処理を再度行うこと、または、走行状態検出手段が、原稿の画像読み取り処理中に走行体の走行状態に異常を検出したとき、制御手段は、中止した原稿の画像読み取り処理を利用者の入力手段を介した選択指示に応じて、再度行うことによって、読取画像品質の劣化を検知した場合においても、使用者が所望した原稿の読み取り処理を自動的に完了することができ、また、この原稿の読み取り処理を継続するか中止するかを選択できる。
【0011】
また、請求項6,7に記載した原稿読取装置は、請求項1〜5の原稿読取装置であって、原稿の画像読み取り処理中に、走行状態検出手段が走行状態の異常を検出し、かつ開閉状態検知手段が開閉状態の変化しないことを検知したとき、報知手段は、当該原稿読取装置を構成する部品が異常動作していることを報知すること、また、原稿の画像読み取り処理中に、走行状態検出手段が走行状態の異常を検出し、かつ開閉状態検知手段が開閉状態の変化しないことを検知した結果を計数し、計数した値が予め設定の閾値を超えたとき、報知手段は、当該原稿読取装置を構成する部品が異常動作していることを報知することによって、
原稿読取装置を構成する部品が異常動作していること、また部品が異常動作していることを精度良く報知することができる。
【0012】
また、請求項8〜10に記載した原稿読取装置は、請求項1,6,7の原稿読取装置であって、報知手段は、走行状態検出手段の異常を検出した結果および開閉状態検知手段の変化を検知した結果を文字表示によって報知すること、さらに、走行状態検出手段の異常を検出した結果および開閉状態検知手段の変化を検知した結果を警告音によって報知すること、さらに、走行状態検出手段の異常を検出した結果および開閉状態検知手段の変化を検知した結果を発光体の点滅によって報知することによって、読取画像品質の劣化を検知した場合、文字表示でより正確に、警告音でより確実に、発光体の点滅でより安価な手段により報知することができる。
【0013】
また、請求項11,12に記載した原稿読取装置は、請求項1〜10の原稿読取装置であって、原稿をプラテンガラス上の読取位置に位置決め載置し、原稿の読み取り後に排出移動する自動原稿搬送装置を備えたこと、さらに、自動原稿搬送装置は、画像を読み取る複数枚の原稿を積載する原稿載置台から原稿を1枚ずつ分離して給送する原稿分離給送手段を備えたことによって、複数枚の原稿を読取位置に搬送排出し、自動で原稿の読み取り処理を行うことができる。
【0014】
また、請求項13〜16に記載した原稿読取装置は、請求項1〜12の原稿読取装置であって、当該原稿読取装置を搭載する載置台は、原稿読取装置により読み取った原稿の画像情報に基づいて用紙へ画像形成する画像形成部を備えたこと、また、画像形成部は、原稿読取装置による原稿の画像読み取り処理中に、走行状態検出手段が走行状態の異常を検出し、用紙への画像形成の処理前の場合は、画像形成の処理を中止すること、また、画像形成部は、原稿読取装置による原稿の画像読み取り処理中に、走行状態検出手段が走行状態の異常を検出し、用紙への画像形成の処理中の場合は、画像形成の処理を完了させ、通常の排出先とは異なる排出先に排紙すること、また、当該原稿読取装置を搭載する載置台は、画像形成処理する画像形成部に複数枚の用紙を積載する用紙載置台から用紙を1枚ずつ分離して給送する記録紙分離給送手段を備えたことによって、読み取った原稿の画像情報に基づいて読取画像品質の劣化のない画像形成ができ、読取画像品質の劣化を検出時には、画像形成処理の状況に応じて処理でき、利用者を煩わせることなく異常画像が形成された可能性のある用紙を分別できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、開閉機構による開閉動作等の外的要因または走行体を駆動する駆動手段等の内的要因による読取画像品質の劣化を区別でき、生じた読取画像品質の劣化を検知して報知することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1における原稿読取装置を有する画像形成装置の構成を示す概略図である。図1に示すように、画像形成装置30は、原稿読取装置1と用紙分離搬送装置10と画像形成部40から構成される。
【0018】
原稿読取装置1には、プラテンガラス2と、光源3aおよびミラー3bを備えた第1の走行体3と、ミラー4aおよびミラー4bを備えた第2の走行体4と、レンズ5と、CCD6と、第1の走行体3と第2の走行体4とを駆動するDCサーボモータ7、およびDCサーボモータ7の出力軸の角速度を計測するエンコーダ8からなる露光走査を行う光学系が設けられている。
【0019】
用紙分離搬送装置10は、画像形成する記録紙である用紙束を積載する給紙トレー11と、給紙トレー11の開閉機構(装置に有する開閉自在なドアや引き出し等)の開閉状態を検知する開閉検知部12と、給紙トレー11内部に積載された用紙束を1枚ずつに分離して給送する用紙分離給送部13を具備している。
【0020】
画像形成部40は、像担持体41と、帯電手段42と、潜像形成手段43と、現像手段44と、転写手段45と、クリーニング手段46と、定着手段47、および排紙ローラ48を具備している。
【0021】
図2は本実施形態1に係る画像形成装置の制御回路を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成装置の制御回路は、CCD6と、画像処理部20と、制御手段のCPU21と、DCサーボモータ7と、モータドライバ22と、エンコーダ8と、駆動制御部23と、開閉検知部12と、カウンタ24と、ディスプレイ25と、光源点灯装置26と、光源3a、および利用者が指示命令を直接入力できる操作パネル等を含む外部との信号授受を行うI/O部27を有している。
【0022】
この制御回路を有する画像形成装置における通常の画像読み取り動作について、図2を参照しながら説明する。
【0023】
いま、I/O部27を介して外部から読み取り命令を受けたCPU21は、駆動制御部23を介してモータドライバ22を制御し、DCサーボモータ7を駆動する。DCサーボモータ7の回転軸上に具備されたエンコーダ8はDCサーボモータ7の出力軸の角速度を測定する。駆動制御部23において、測定した角速度と所望の角速度の速度差を計算し、速度差に応じたフィードバックをモータドライバ22にかける。同時にCCD6から出力された信号が画像処理部20に入力され、画像処理部20はCPU21の制御に従って画像処理を実施し、記録画像をI/O部27に出力する。I/O部27はCPU21の制御に従い、外部出力を行う。
【0024】
次に、給紙トレー11の開閉機構の開閉によって第1の走行体3および第2の走行体4が正常に走行できなかったときの動作を説明する。
【0025】
駆動制御部23では、画像読み取り動作に影響がある所望の速度に対する速度差の最小レベルに相当する閾値を持ち、読み取り動作中にエンコーダ8で測定した角速度と所望の角速度との速度差がこの閾値以上であれば、CPU21に読取品質劣化検知信号を出力する。CPU21は読取品質劣化検知信号を受け取ると、駆動制御部23および画像処理部20を制御して、原稿読み取りの副走査動作および画像処理を中止させ、各走行体をホームポジションまで帰還させる。
【0026】
このとき、CPU21は給紙トレー11の開閉機構の開閉状態を検知する開閉検知部12から送られる信号により、原稿の読み取り動作中に給紙トレー11の開閉機構の開閉が行われたことを確認し、この結果を報知する手段であるディスプレイ25に、例えば文字表示による「読取失敗しました」と表示させる。次に、CPU21はディスプレイ25に「再読取しますか?」と表示させる。使用者が原稿の再読み取りを行うか中止するかを選択した命令を、I/O部27を介してCPU21は受信し、入力された命令を実行する。
【0027】
なお、結果を報知する方法として、前述した文字表示の方法以外にスピーカーを設けて警告音、または「読取失敗しました」等の文字表示を音声により行っても良く、より簡易なものとして、LEDやランプ等の発光体による光の点灯,点滅等によって報知しても良い。
【0028】
次に、給紙トレー11の開閉機構の開閉がなく第1の走行体3および第2の走行体4が正常に走行できなかったときの動作を説明する。
【0029】
前述と同様に駆動制御部23はエンコーダ8で測定した角速度と所望の角速度との速度差が閾値以上であれば、CPU21に読取品質劣化検知信号を出力する。CPU21は読取品質劣化検知信号を受け取ると、駆動制御部23および画像処理部20を制御して、原稿読み取りの副走査動作および画像処理を中止させ、各走行体をホームポジションまで帰還させる。
【0030】
このとき、CPU21は給紙トレー11の開閉機構の開閉状態を検知する開閉検知部12から送られる信号により、原稿の読み取り動作中に給紙トレー11の開閉機構の開閉が行われていないことを確認する。カウンタ24により給紙トレー11の開閉機構の開閉がないときの読取品質劣化検知信号を計数するとともに、カウンタ24の読取品質劣化検知信号を連続して受けた回数をCPU21が確認し、予めCPU21に設定した閾値より大きい値であればディスプレイ25に「モータを交換して下さい」と表示させ、処理を中断する。
【0031】
給紙トレー11の開閉機構の開閉がなく読取品質劣化検知信号を連続して受けた回数が、予めCPU21に設定した閾値以下である場合は、ディスプレイ25に「読取失敗しました」と表示させ、次に、CPU21はディスプレイ25に「再読取しますか?」と表示させる。その後、使用者が原稿の再読み取りを行うか中止するかを選択した命令を、I/O部27を介してCPU21が受信すると入力された命令を実行する。
【0032】
図3は本実施形態1の読み取り動作の処理を示すフローチャートである。図3に基づき図1,図2を参照しながらその動作を説明する。いま、原稿読取装置1が読み取り(スキャン動作)を開始すると、DCサーボモータ7が始動し、第1,第2の走行体3,4を駆動させる。読み取り中はエンコーダ8によりDCサーボモータ7の出力軸の角速度を測定し、測定した角速度と所望の角速度を比較し制御を行う。
【0033】
このとき、ステップS1において、エンコーダ8により測定した角速度と所望の角速度の速度差が予め駆動制御部23に設定された閾値以内かどうかを判定する。閾値以内の速度差であった場合(S1のYes)、ステップS2へ進み、カウンタ24により記憶されている変数Countに「0」を格納し、スキャン動作を正常に終了する。
【0034】
ステップS1において、閾値以上の速度差が検知された場合(S1のNo)、ステップS3へ進み、スキャン中に給紙トレー11が開閉されたかどうかを開閉検知部12により検知する。スキャン中に給紙トレー11が開閉されていた場合(S3のYes)、DCサーボモータ7は所望の角速度で駆動できなかったのは給紙トレー11の開閉による振動の影響である可能性が強い。このため、ステップS7において、ディスプレイ25に「読取失敗しました」と表示させることにより、使用者に読取画像品質が劣化したことを報知する。
【0035】
次に、ステップS8に進み、使用者は再読み取りを行うかを選択できる。ステップS9において、再読み取りをしない場合(S9のNo)、スキャンは終了し、また再読み取りをする場合(S9のYes)、再びスキャンが開始され、ステップS1に戻る。
【0036】
ステップS3において、給紙トレー11が開閉していなかった場合(S3のNo)、ステップS4に進む、このときはDCサーボモータ7が所望の角速度で駆動できなかった理由は給紙トレー11の開閉による振動ではないわけであるから、第1,第2の走行体3,4を駆動する駆動系の部品、例えばDCサーボモータ7が何らかの理由で不具合を起こしている可能性がある。
【0037】
ただし、給紙トレー11以外の開閉による外的な要因、例えば使用者が画像形成装置30を揺すったなどといった理由も考えられるため、一度では判断せず、複数回同様の現象が起きたかどうかを検出する。すなわち、ステップS4において、カウンタ24に格納される変数Countを「1」増やす。
【0038】
次に、ステップS5において、変数Countが予め設定された数字「N」より大きいかどうかを比較する。本実施例では、「N=1」とするが、「N」が大きい数字であるほど、駆動系の不具合が原因であるという信頼性を高めることができる。ステップS5において変数Countが「1」以下であった場合(S5のNo)、ステップS7に進む。
【0039】
また、ステップS5において変数Countが「1」以上であった場合(S5のYes)、ステップS6に進み、「モータを交換して下さい」と表示させてスキャンを終了する。
【0040】
例えば、DCサーボモータ7が不具合を起こし、所望の角速度で駆動できない場合、ステップS5で変数Count>1になるまで2回のループを繰り返す。しかし、DCサーボモータ7が正常である場合、ループを繰り返す中で、ステップS1において速度正常と判定される可能性が高く、このときステップS2で変数Countが「0」と初期化される。
【0041】
これにより、読取画像品質の劣化を検知し、さらに、読取画像品質の劣化が、ドアあるいは引き出しの開閉から生じる振動によるものであった場合、これを報知することができる。
【0042】
(実施形態2)
図4は本発明の実施形態2における原稿読取装置を有する画像形成装置の構成を示す概略図である。図4に示すように、画像形成装置30は、原稿読取装置1と、用紙分離搬送装置10と、画像形成部40、および自動原稿搬送装置60からなる。
【0043】
原稿読取装置1には、プラテンガラス2と、スケール9と、光源3aおよびミラー3bを備えた第1の走行体3と、ミラー4aおよびミラー4bを備えた第2の走行体4と、レンズ5と、CCD6と、第1の走行体3と第2の走行体4とを駆動するDCサーボモータ7、およびDCサーボモータ7の出力軸の角速度を計測するエンコーダ8からなる露光走査を行う光学系が設けられている。
【0044】
用紙分離給装置10は、画像形成する記録紙である用紙束を積載する給紙トレー11と、給紙トレー11の開閉機構の開閉状態を検知する開閉検知部12と、給紙トレー11内部に積載された用紙束を1枚ずつに分離して給送する用紙分離給送部13を具備している。
【0045】
画像形成部40は、像担持体41と、帯電手段42と、潜像形成手段43と、現像手段44と、転写手段45と、クリーニング手段46と、定着手段47と、排紙ローラA48a,排紙ローラB48bと、排紙トレーA49a,排紙トレーB49b、および搬送用紙を排紙トレーA49aまたは排紙トレーB49bに振り分ける切替手段50を具備している。
【0046】
また、自動原稿搬送装置60は、原稿テーブル61と、原稿分離給送部62と、搬送ベルト63、および原稿排紙トレー64を具備している。
【0047】
図5は本実施形態2に係る画像形成装置の制御回路を示すブロック線図である。図5に示すように、画像形成装置の制御回路は、CCD6と、画像処理部20と、CPU21と、DCサーボモータ7と、モータドライバ22と、エンコーダ8と、駆動制御部23と、開閉検知部12と、カウンタ24と、ディスプレイ25と、光源点灯装置26と、光源3aと、I/O部27と、画像形成部40、および自動原稿搬送装置60を有している。
【0048】
この制御回路を有する画像形成装置における自動原稿搬送装置60を用いたコピー動作について、図4を参照しながら説明する。
【0049】
自動原稿搬送装置60は、原稿テーブル61に積載された原稿束を原稿分離給送部62により1枚ずつ分離し、分離した原稿を搬送ベルト63によりプラテンガラス2上に搬送し、さらにスケール9に原稿を突き当てて位置決めを行う。
【0050】
I/O部27を介して外部から読み取り命令を受けたCPU21は、駆動制御部23を介してモータドライバ22を制御し、DCサーボモータ7を駆動する。DCサーボモータ7の回転軸上に具備されたエンコーダ8はDCサーボモータ7の出力軸の角速度を測定する。駆動制御部23において、測定した角速度と所望の角速度の速度差を計算し、速度差に応じたフィードバックをモータドライバ22にかける。同時にCCD6から出力された信号が画像処理部20に入力され、画像処理部20はCPU21の制御に従って画像処理を実施し、記録画像をI/O部27に出力する。I/O部27はCPU21の制御に従い画像形成部40に出力し、画像形成部40において記録画像を用紙に出力する。
【0051】
読み取りが終了した原稿は搬送ベルト63により原稿排紙トレー64へと搬送される。原稿テーブル61にまだ原稿が残っている場合は、前述した処理を繰り返す。
【0052】
次に、給紙トレー11の開閉機構の開閉により第1の走行体3および第2の走行体4が正常に走行できなかったときの動作を説明する。
【0053】
まず、自動原稿搬送装置60は原稿テーブル61に積載された原稿束を1枚ずつ分離し、分離した原稿を搬送ベルトによりプラテンガラス2上に搬送し、スケール9に原稿を突き当てて位置決めを行う。
【0054】
駆動制御部23では、画像読み取り動作に影響がある所望の速度に対する速度差の最小レベルに相当する閾値を持ち、読み取り動作中にエンコーダ8で測定した角速度と所望の角速度との速度差がこの該閾値以上であれば、CPU21に読取品質劣化検知信号を出力する。CPU21は読取品質劣化検知信号を受け取ると、駆動制御部23および画像処理部20を制御して、原稿読み取りの副走査動作および画像処理を中止させ、各走行体をホームポジションまで帰還させる。
【0055】
このとき、用紙への原稿を読み取った画像情報に基づく画像形成処理を開始していた場合、転写・定着の処理を完了させて、切替手段50により切り替えて排紙トレーB49bへと排出する。これにより不良画像が形成された可能性のある用紙は使用者が意識することなく分別することができる。
【0056】
さらに、CPU21は給紙トレー11の開閉機構の開閉状態を検知する開閉検知部12から送られる信号により、原稿の読み取り動作中に給紙トレー11の開閉機構の開閉が行われたことを確認し、ディスプレイ25に「読取失敗しました」と表示させる。次に、CPU21はディスプレイ25に「再読取しますか?」と表示させる。使用者が原稿の再読み取りを行うか中止するかを選択した命令を、I/O部27を介してCPU21は受信し、入力された命令を実行する。ここで、自動原稿搬送装置60は、読み取りを行っていた原稿を原稿排紙トレー64に排出することはせずに、原稿をプラテンガラス2上に載置した状態を保つ。
【0057】
そして、使用者が再読み取を行うことを選択した場合、プラテンガラス2上に載置された原稿を再び読み取る命令を指示した場合に、原稿の再読み取りを行う。
【0058】
次に、給紙トレー11の開閉機構の開閉がなく第1の走行体3および第2の走行体4が正常に走行できなかったときの動作を説明する。
【0059】
駆動制御部23は原稿の読み取り動作中にエンコーダ8で測定した角速度と所望の角速度との速度差が閾値以上であれば、CPU21に読取品質劣化検知信号を出力する。CPU21は読取品質劣化検知信号を受け取ると、駆動制御部23および画像処理部20を制御して、原稿読み取りの副走査動作および画像処理を中止させ、各走行体をホームポジションまで帰還させる。
【0060】
このとき、CPU21は給紙トレー11の開閉機構の開閉状態を検知する開閉検知部12から送られる信号により、原稿の読み取り動作中に給紙トレー11の開閉機構の開閉が行われていないことを確認する。カウンタ24により給紙トレー11の開閉機構の開閉がないときの読取品質劣化検知信号を計数するとともに、カウンタ24の読取品質劣化検知信号を連続して受けた回数をCPU21が確認し、予めCPU21に設定した閾値より大きい値であればディスプレイ25に「モータを交換して下さい」と表示させ、処理を中断する。
【0061】
給紙トレー11の開閉機構の開閉がなく読取品質劣化検知信号を連続して受けた回数が、予めCPU21に設定した閾値以下である場合は、ディスプレイ25に「読取失敗しました」と表示させ、次に、CPU21はディスプレイ25に「再読取しますか?」と表示させる。その後、使用者が原稿の再読み取りを行うか中止するかを選択した命令を、I/O部27を介してCPU21が受信すると入力された命令を実行する。
【0062】
図6は本実施形態2の自動原稿搬送装置を使用したコピー動作の処理を示すフローチャートである。図6に基づき図4,図5を参照しながらその動作を説明する。画像形成装置30において、使用者が読み取り動作を指示すると、読み取りを開始する。ステップS11において、原稿テーブル61上の原稿を搬送ベルト63によりプラテンガラス2上に搬送する。
【0063】
次に、ステップS12においてDCサーボモータ7が始動し、第1,第2の走行体3,4を駆動させ読み取りが始まる。読み取り中のエンコーダ8によるDCサーボモータ7の出力軸の角速度を測定し、測定した角速度と所望の角速度を比較し制御を行う。このとき、ステップS13において、エンコーダ8により測定した角速度と所望の角速度の速度差が予め制御部に設定された閾値以内かどうかを判定する。閾値以内の速度差であった場合(S13のYes)、画像読み取りは正常に行われており、原稿を搬送ベルト63により原稿排紙トレー64まで搬送し(ステップS14)、この原稿の記録画像を画像形成部40にて用紙に形成し、排紙トレーA49aに排出する(ステップS15)。
【0064】
次に、ステップS16へ進み、カウンタ24により記憶されている変数Countに「0」を格納する。ステップS17において、原稿テーブル61にまだ原稿が残っているか確認し、残っている場合(S17のYes)、ステップS11に戻り、再びスキャンを開始する。原稿テーブル61に原稿が残っていなければ(S17のNo)、一連のコピー動作を正常に終了する。
【0065】
ステップS13において、閾値以上の速度差が検知された場合(S13のNo)、画像読み取りが正しく行われていない可能性があり、ステップS18に進み、この原稿の記録画像の現像が始まっているかを検知する。現像がまだ始まっていない場合(S18のNo)、ステップS19において用紙への画像形成動作を中止してステップS21に進む。また、ステップS18において、現像が始まっている場合(S18のYes)、ステップS20に進む。ステップS20では、用紙への転写・定着を完了させて、排紙トレーB49bに排出し、ステップS21へと進む。
【0066】
ステップS21では、スキャン中に給紙トレー11が開閉されたかどうかを開閉検知部12により検知する。スキャン中に給紙トレー11が開閉されていた場合(S21のYes)、DCサーボモータ7は所望の角速度で駆動できなかったのは給紙トレー11の開閉による振動の影響である可能性が強い。このため、ステップS25において、ディスプレイ25に「読取失敗しました」と表示させることにより、使用者に読取画像品質が劣化したことを報知する。
【0067】
次に、ステップS26に進み、ディスプレイ25に「再読取しますか?」と表示し、使用者に再読み取りを行うか否かの選択を促す。ステップS27において、再読み取りをしない場合(S27のNo)、スキャンは終了し、再読み取りをする場合(S27のYes)、再びスキャンが開始され、ステップS12に戻る。
【0068】
また、ステップS21において、給紙トレー11が開閉していなかった場合(S21のNo)、ステップS22に進む。このときはDCサーボモータ7が所望の角速度で駆動できなかった理由は給紙トレー11の開閉による振動ではないわけであるから、第1,第2の走行体3,4を駆動する駆動系の部品、例えばDCサーボモータ7が何らかの理由で不具合を起こしている可能性がある。ただし、給紙トレー11の開閉以外の外的な要因、例えば使用者が画像形成装置30を揺すったなどといった理由も考えられるため、一度では判断せず、複数回同様の現象が起きたかどうかを検出する。すなわち、ステップS22において、カウンタ24に格納される変数Countを「1」増やす。
【0069】
次に、ステップS23において、変数Countが予め設定された数字「N」より大きいかどうかを比較する。本実施形態2では、「N=1」とするが、「N」が大きい数字であるほど、駆動系の不具合が原因であるという信頼性を高めることができる。ステップS23において、変数Countが「1」以下であった場合、ステップS25に進む。
【0070】
例えば、DCサーボモータ7が不具合を起こし、所望の角速度で駆動できない場合、ステップS23で変数Count>1になるまで2回のループを繰り返す。この場合に、ステップS23において変数Count>1となるため(S23のYes)、ステップS24に進み、「モータを交換して下さい」と表示させ、スキャンを終了する。
【0071】
しかし、DCサーボモータ7が正常である場合、前述のループを繰り返す中で、ステップS13において速度正常と判定される可能性が高く、このときステップS16で変数Countは「0」と初期化される。
【0072】
本実施形態2では単独の画像形成装置による例を説明したが、例えば画像読取装置1と画像形成装置(用紙分離搬送装置10と画像形成部40から構成される)において、画像読取装置1で読み取った画像データを別の場所にある画像形成装置にネットワーク等の通信手段を介して送信し、用紙に出力するというような例においては、読み取り中に読取画像品質劣化が発生した場合に、画像形成装置において、通常と異なる排紙トレーに排出するなどといったことにも適用できる。
【0073】
読取画像品質の劣化を検知し、さらに、読取画像品質の劣化が外部要因の開閉から生じる振動によるものであった場合、また駆動モータの異常であった場合を含みこれを報知し、かつ読取画像品質劣化が生じた画像形成した用紙の排出先を変更して使用者が意識することなく分別することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る原稿読取装置は、開閉機構による開閉動作等の外的要因または走行体を駆動する駆動手段等の内的要因による読取画像品質の劣化を区別でき、また、読取画像品質の劣化が生じたことを検知して原因を報知することができ、原稿画像を読み取る原稿読取装置であって、これを具備して原稿読取装置で読み取った画像を用紙に形成するインクジェット方式や電子写真方式による作像プロセスによって画像を形成する複写機、ファクシミリ装置、プリンタ、あるいはこれらの機能を有する複合機等の装置に用いて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施形態1における原稿読取装置を有する画像形成装置の概略構成図
【図2】本実施形態1に係る画像形成装置の制御回路を示すブロック図
【図3】本実施形態1の読み取り動作の処理を示すフローチャート
【図4】本発明の実施形態2における原稿読取装置を有する画像形成装置の概略構成図
【図5】本実施形態2に係る画像形成装置の制御回路を示すブロック図
【図6】本実施形態2の読み取り動作の処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0076】
1 原稿読取装置
2 プラテンガラス
3 第1の走行体
3a 光源
3b,4a,4b ミラー
4 第2の走行体
5 レンズ
6 CCD
7 DCサーボモータ
8 エンコーダ
9 スケール
10 用紙分離搬送装置
11,11a,11b 給紙トレー
12,12a,12b 開閉検知部
13,13a,13b 用紙分離給送部
21 CPU
22 モータドライバ
23 駆動制御部
24 カウンタ
25 ディスプレイ
26 光源点灯装置
27 I/O部
30 画像形成装置
40 画像形成部
41 像担持体
42 帯電手段
43 潜像形成手段
44 現像手段
45 転写手段
46 クリーニング手段
47 定着手段
48 排紙ローラ
48a 排紙ローラA
48b 排紙ローラB
49a 排紙トレーA
49b 排紙トレーB
50 切替手段
60 自動原稿搬送装置
61 原稿テーブル
62 原稿分離給送部
63 搬送ベルト
64 原稿排紙トレー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラテンガラス上に載置した原稿に沿って、光源を設けた走行体を移動させ、前記光源の光照射による前記原稿からの反射光を補足し、前記原稿の画像を読み取って画像情報を取得し、当該原稿読取装置を搭載した載置台とからなる原稿読取装置において、
前記走行体の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記載置台に有する開閉機構の開閉状態を検知する開閉状態検知手段と、前記原稿の画像読み取り処理中に、前記走行状態検出手段が前記走行状態の異常を検出した結果、および前記開閉状態検知手段が前記開閉状態の変化を検知した結果を報知する報知手段と、前記各手段によって前記原稿の画像読み取り処理の制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
前記走行状態検出手段は、走行体を移動する駆動手段の出力軸に設けた角速度を測定するエンコーダにより、前記走行体の位置、あるいは速度、あるいは加速度を検出することを特徴とする請求項1記載の原稿読取装置。
【請求項3】
前記走行状態検出手段が、原稿の画像読み取り処理中に走行体の走行状態に異常を検出したとき、制御手段は、原稿の画像読み取り処理を中止し、かつ前記走行体を初期位置に移動することを特徴とする請求項1または2記載の原稿読取装置。
【請求項4】
前記走行状態検出手段が、原稿の画像読み取り処理中に走行体の走行状態に異常を検出したとき、制御手段は、中止した原稿の画像読み取り処理を再度行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【請求項5】
前記走行状態検出手段が、原稿の画像読み取り処理中に走行体の走行状態に異常を検出したとき、制御手段は、中止した原稿の画像読み取り処理を利用者の入力手段を介した選択指示に応じて、再度行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【請求項6】
前記原稿の画像読み取り処理中に、前記走行状態検出手段が走行状態の異常を検出し、かつ前記開閉状態検知手段が開閉状態の変化しないことを検知したとき、報知手段は、当該原稿読取装置を構成する部品が異常動作していることを報知することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【請求項7】
前記原稿の画像読み取り処理中に、前記走行状態検出手段が走行状態の異常を検出し、かつ前記開閉状態検知手段が開閉状態の変化しないことを検知した結果を計数し、前記計数した値が予め設定の閾値を超えたとき、報知手段は、当該原稿読取装置を構成する部品が異常動作していることを報知することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【請求項8】
前記報知手段は、前記走行状態検出手段の異常を検出した結果および前記開閉状態検知手段の変化を検知した結果を文字表示によって報知することを特徴とする請求項1,6または7記載の原稿読取装置。
【請求項9】
前記報知手段は、前記走行状態検出手段の異常を検出した結果および前記開閉状態検知手段の変化を検知した結果を警告音によって報知することを特徴とする請求項1,6〜8のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【請求項10】
前記報知手段は、前記走行状態検出手段の異常を検出した結果および前記開閉状態検知手段の変化を検知した結果を発光体の点滅によって報知することを特徴とする請求項1,6〜9のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【請求項11】
前記原稿をプラテンガラス上の読取位置に位置決め載置し、前記原稿の読み取り後に排出移動する自動原稿搬送装置を備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載した原稿読取装置。
【請求項12】
前記自動原稿搬送装置は、画像を読み取る複数枚の原稿を積載する原稿載置台から前記原稿を1枚ずつ分離して給送する原稿分離給送手段を備えたことを特徴とする請求項11記載の原稿読取装置。
【請求項13】
当該原稿読取装置を搭載する載置台は、前記原稿読取装置により読み取った原稿の画像情報に基づいて用紙へ画像形成する画像形成部を備えたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【請求項14】
前記画像形成部は、原稿読取装置による原稿の画像読み取り処理中に、走行状態検出手段が走行状態の異常を検出し、用紙への画像形成の処理前の場合は、前記画像形成の処理を中止することを特徴とする請求項13記載の原稿読取装置。
【請求項15】
前記画像形成部は、原稿読取装置による原稿の画像読み取り処理中に、走行状態検出手段が走行状態の異常を検出し、用紙への画像形成の処理中の場合は、前記画像形成の処理を完了させ、通常の排出先とは異なる排出先に排紙することを特徴とする特徴とする請求項13記載の原稿読取装置。
【請求項16】
当該原稿読取装置を搭載する載置台は、画像形成処理する画像形成部に複数枚の用紙を積載する用紙載置台から前記用紙を1枚ずつ分離して給送する記録紙分離給送手段を備えたことを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の原稿読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−160491(P2008−160491A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−346889(P2006−346889)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】