説明

可変ねじり剛性を有するスタビライザバー

自走車両の横揺れを制御するスタビライザバー(D)は、左右セクション(16、18)を有し、それぞれがねじり棒(24)およびトルクアーム(26)を備える。ねじり棒は横軸線(X)に沿って位置合わせされ、車両の構成要素(B)に取り付けられており、トルクアームは、車両の懸架装置(A)の左右制御アーム(2)に連結されている。さらに、スタビライザバーは、2つのセクションのねじり棒同士の間の継手(20)と、継手に連結されたバルブ(22)とを有し、それらは全て、スタビライザバーのねじり剛性を制御するためのものである。ニュートラル位置から一方のねじり棒が他方に対して回転すると、継手内のピストン(40)が、継手から磁気粘性流体を排出する。バルブの中には制限器(98)と、制限器に、バルブ内の流体の粘性を制御するコイル(104)とがあり、これが、流体が空洞から排出される割合を決定し、それがピストンを動かすのに必要な力を、最終的にスタビライザバーのねじり剛性を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2003年12月9日出願の米国実用新案出願第10/731,662号から派生し、その優先権を主張する。
【0002】
本発明は、自走車両用の懸架装置、より詳しくは懸架装置用のスタビライザバーに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的な乗用車両は、SUV(sports utility vehicle)、バン、および軽トラックなどの類似車両と同様に、独立懸架による前輪を有する。特に高速で、そのような車両がカーブを走行する際の、それらの車体の過度の横揺れを防止するために、車両には、前輪用懸架装置の両側を連結するスタビライザバーが装備されている。そのような車両のそれぞれの側には、少なくとも1つの制御アームと、車輪用端部が取り付けられるステアリングナックルとがあり、前輪の一方がその車輪用端部に取り付けられる。スタビライザバーとは、車両の前部を横断して横方向に延びるねじり棒にすぎず、車両前部で、車両フレームまたは車両本体に取り付けられるが、自由に回転する。スタビライザバーはその両端に、複数の制御アームに取り付けられるトルクアームを有する。その結果、複数の制御アームは一体となって同じ方向に動くようになり、力をフレームに伝達する。その力が、横揺れを修正し、阻止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スタビライザバーは、特に舗装面において高速で車両がカーブを走行する際、車両の制御および配向を改善するが、車両が直線路面を走行する時は、運転を損ねる。さらに、スタビライザバーは、低速での走行を、直線でもカーブでも、スタビライザバーがない場合よりも乗り心地の悪いものにする。結局、段差に遭遇するなどによって一方の車輪が上向きに偏向されると、他方の車輪も同様に持ち上がろうとするが、それはスタビライザバーが両車輪の制御アームを連結し、逆方向の力が車両フレームに掛かるからである。これによって、車両がオフロード、または隆起のある路面を走行する時、揺れ運動、即ち「横揺防止棒のよたつき(waddle)」と呼ばれることのある現象が発生する可能性がある。したがって、様々な走行条件に即する、様々なねじり剛性を備えたスタビライザバーが求められる。一方の極端な条件とは、比較的低速の走行時、オフロードや二級道路で遭遇するもの、また舗装道路の直線部分で遭遇するものである。これらの条件では、小さなねじり剛性が必要である。他方の極端な条件とは、舗装面において高速でカーブを走行する時に遭遇するものである。これらの条件では、大きなねじり剛性が必要である。大部分のスタビライザバーは、横揺れに抵抗し、カーブでコントロールを維持するように大きな剛性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
対応する参照文字は、図面のいくつかの図全てを通じてそれに対応する部分を示す。
【0006】
次に図面を参照すると、自走車両は、フレームまたは一体型本体などの、車両の剛体構造構成要素Bに取り付けられた懸架装置Aを有する(図1)。懸架装置Aは、主車輪Cが構成要素Bに対して垂直方向に変位することができるように、左右の主車輪Cを構成要素Bに結合する。懸架装置AはスタビライザバーDを含み、これが構成要素Bの両側に取り付けられ、事実上左右の車輪Cを連結する。この構成は、車両の本体、またそれと共に構造部材Bが横揺れする時、2つの車輪Cの間に延びているスタビライザバーDが、横揺れ傾向に抵抗するというものであり、言うまでもなくバーDが充分な大きさのねじり剛性を有することを想定している。しかし一方の車輪Cが垂直方向に変位されると、バーDは他方側の車輪Cに力を伝え、バーDが同じねじり剛性を有する場合、その力が他方側の車輪Cを変位と同じ方向に押しやることになる。実際には、バーDのねじり剛性は、異なる道路条件および走行条件に適合するために変化させることができる。
【0007】
懸架装置Aをより詳しく考察すると、懸架装置Aは、ダブルウィッシュボーン型またはマクファーソンストラット懸架装置(McPherson strut suspension)とすることもできる。どちらも車両の両側に制御アーム2を含み、それらは、車両に対して全体が縦方向に延びる軸のまわりで旋回することができるように、構成要素Bに取り付けられる(図1)。制御アーム2はその旋回軸から横向きに延び、その外側端部には直立懸架装置4が取り付けられるが、それら2つは相互に対して旋回することができるように一緒に結合される。直立懸架装置4が車両を方向づける際、それはステアリングナックルの形態を取り、ボールソケット形軸継手などの自在旋回軸によって制御アーム2に結合される。いずれの場合も、直立懸架装置4は、主車輪Cの一方が取り付けられる車輪端部6を支持する。一般的な車輪端部6は、直立懸架装置4に取り付けられるハウジングと、主車輪Cが固定されるハブと、ハブおよび車輪Cが最低限の摩擦で直立懸架装置4上を回転することを可能にするためのハブおよびハウジングの間の軸受けとを有する。最後に懸架装置Aは、車両の両側にばね8またはねじり棒を有し、それは制御アーム2と構成要素Bの間に延びて制御アーム2が延びる先の車輪C上の車両を支持する。スタビライザバーD(図1)は、左右セクション16および18と、セクション16および18の間に位置する継手20と、継手20に連結されたバルブ22とを含む。セクション16と18とはそれぞれ、ねじり棒24およびトルクアーム26を含む。ねじり棒24は、車両に横方向に延び、共通の横軸線Xに沿って位置する。それぞれがブッシング28によって取り囲まれ、その上に締付ブラケット30が装着される。複数のブラケット30は構成要素Bにしっかりと取り付けられ、そのようにしてスタビライザバーDを構成要素Bに固定する。そのようにしても、ねじり棒24はそれぞれのブッシング28内で回転することができる。トルクアーム26は、ねじり棒24の外側端部から、軸線Xに対して大きな角度をなして延び、車両に全体として縦方向に位置する。ねじり棒24から遠隔のそれらの端部で、それらは垂直リンク32によって制御アーム2に連結され、左セクション16のトルクアーム26は、1つのリンク32によって左制御アーム2に連結され、右セクション18のトルクアーム26は、別のリンク32によって右制御アーム2に連結される。
【0008】
継手20はバルブ22と一緒に、スタビライザバーDのねじり剛性を制御する。継手20は左セクション16と右セクション18との間に位置するが、バルブ22は、これらのセクション16および18から遠隔に、おそらくは構成要素Bに位置付けてよい。これら2つは、可撓性の流体用ライン34によって連結される。
【0009】
最初に継手20を考察すると、継手20は、ハウジング36と、ハウジング36に対して相対的に回転する回転子38と、これもハウジング36内に位置するピストン40とを含むいくつかの結合部材を有し(図2)、ピストン40は、ハウジング36内でハウジング36に対して軸方向に移動するが、回転しない。さらに継手20は、全体として円筒状のローラ42の形態の複数の転動体を有し、それらは回転子38とピストン40との間に位置する。ハウジング36は、左セクション16に、そのセクション用のリンク31から遠隔の端部で堅固に取り付けられ、回転子38は、右セクション18に堅固に取り付けられる。したがって、継手20は、スタビライザバーDが構成要素Bに取り付けられた2つの締付ブラケット30の間に備わる。継手20は、2つのセクション16と18とが、一般に約20°以下の弧分までであるが、相互に回転するのを可能にし、また2つのセクション16と18とをロックすることができる。
【0010】
ハウジング36は、左セクション16のねじり棒24にしっかりと取り付けられた端壁46と、端壁46から延び、回転子38およびピストン40の両方を取り囲む軸壁48とを含む(図2)。端壁46は、スプラインソケット50を含み、これはその中心を軸線Xに沿って有し、軸壁48によって取り囲まれる容積へと通じる。軸壁48は円筒形状の滑らかな内部面52を有し、その中心も軸線Xに沿っている。ハウジング36は端部キャップ54も含み、これは軸壁48に、端壁46の反対側の端部でしっかりと取り付けられる。
【0011】
回転子38は右セクション18のねじり棒24に堅固に接合され、ハウジング36内に嵌り、そこで端部キャップ54のすぐ後ろで限定された弧分を回転することができる。右セクション18用のねじり棒24は、端部キャップ54によって担持される軸受60内に嵌って、棒24と回転子38とがハウジング36内で回転するのを可能にする。回転子38が有する背面62は、端部キャップ54の内面に突き当たり、それによって回転子38のハウジング36内での軸方向位置を固定する。その反対側の端部で回転子38が有する正面64は、複数対に配置された傾斜部66を備え、各対それぞれの傾斜部66は、それらの傾斜部66の間に位置する窪み68内へと傾斜する(図3および4)。複数対の傾斜部66とそれらの間の複数の窪み68とは、軸線Xのまわりで円周上等間隔に配置される。
【0012】
ピストン40も同様にハウジング36内に嵌り、ハウジング36のスプラインソケット50内に突出するスプライン短軸70を備える(図2)。実際には、短軸70のスプライン部がソケット50のスプライン部と係合して、ピストン40がハウジング36内で回転できないように、かつその中で軸方向に移動できるようにする。ピストン40は、その周囲に弾性Oリングなどの密封材72を有し、それが、ピストン40がハウジング36内を軸方向に往復移動するにつれて、ハウジング36の軸壁48の円筒状内部面52を拭う。ピストン40は、回転子38の正面64に向けられた正面74を有し、回転子の正面64のように、複数対に配置された傾斜部76を有し(図3および4)、各対それぞれの傾斜部76が窪み78内へと傾斜する。複数対の傾斜部76、および窪み78の数は、回転子38の正面64のそれらの対応物と等しい。さらに、円周上の間隔も同じである。ピストン40の窪み78が回転子38の窪み68と位置合わせされる時、2つのセクションそれぞれのねじりアーム26は、継手20に対して同じ角度に位置する。ピストン40は背面78も有し、これはハウジング36の端壁46に向かって、かつそこから離隔されて、そのようにしてハウジング36に空洞80を形成する。空洞80は磁気粘性流体82を含み、これがさらに可撓性ライン34およびバルブ22を充填する。ハウジング36の端壁46には、空洞80に通じるポート84が取り付けられ、流体用可撓性ライン34がポート84で継手20と連結する。
【0013】
継手20の複数のローラ42は、ロータ38の複数の傾斜部66と、ピストン40の複数の傾斜部76との間に位置し(図2および4)、1つのローラ42が、ロータ38の各対の傾斜部66同士の間に、またピストン40の対応する傾斜部76同士の間に存在する。ピストン40がハウジング36の端壁46から最も離れる時、空洞80の容積は最大となり、複数のローラ42は、窪み68と78との中で中心位置になる(図2から4)。しかし回転子38が回転すると、複数のローラ42はそれぞれ、回転子38とピストン40との傾斜部66と76とに沿って回転する。これがピストン40を回転子38から押し離し、空洞80の大きさを縮小する。中心位置に戻る反対の回転方向の動きによって、空洞80はその最高容積へと拡張して戻るようになる。当然ながら、中心位置から離れるいずれの方向の回転も、空洞80の容積を縮小させ、その結果、流体82が空洞80から排出される。流体は外向きにライン34内へと流れる。
【0014】
バルブ22は、継手20から遠隔に位置するが、それが有するハウジング90は、円筒壁92と、円筒壁92の両端部で端壁94および96とを含み、端壁94および96と円筒壁92との間は流体密封されている(図2)。さらにバルブ22は、そのハウジング90内で両方の端壁94と96との間に位置する制限器98を有し、制限器98は、壁94から延びる支持棒100によって固定位置でそこに支持される。制限器98が有する円筒状周囲面102は、ハウジング90の円筒壁92の内部面から僅かに内側に設定されて、制限器98とハウジング90との間に環状の隙間が存在するようになる。制限器98は、電気コイル104を含み、これは電圧が加えられると、ハウジング90を通過する磁束を生成する。
【0015】
端壁96は、それと制限器98との間に位置する可撓性の隔壁106を担持する。隔壁106は、ハウジング90の内部を2つのチャンバ、即ち一方の小さな蓄圧チャンバ108と、他方の大きな粘性流体用チャンバ110とに分割する。蓄圧チャンバ108は、窒素などの加圧ガスを含む。大きな粘性流体用チャンバ110は、その一部を制限器98が占めるが、磁気粘性流体82を含む。この目的のために、端壁94は、流体用可撓性ライン34の他方端部に連結されるポート112を有する。
【0016】
バルブ22のコイル104は、コイル104に印加される電位と、コイルを流れる電流とを制御する制御デバイスを介して電気エネルギー源に連結される。通常、磁気粘性流体82は、極めて自由に流れる、つまりその粘度が小さい。したがってそれは、バルブのハウジング90の円筒壁92と制限器98の周囲面102との間の隙間を比較的容易に流れることになる。しかし、コイル104は電圧が加えられると磁束を生成し、これが制限器98の各端部の大きな粘性流体用チャンバ110を、また制限器98とバルブハウジング90の円筒壁98との間の隙間を通過する。磁束が存在すると、流体82は粘性を増し、したがって隙間を自由に流れ難くなり、同様に継手20の空洞80の外にも流れ難くなる。
【0017】
走行条件によっては、スタビライザバーDの左右セクション16および18を相互から幾分独立して動作させて、それらの間に継手20でほとんどトルクが伝達されないようにするのが最善である。そのような条件では、小さなねじり剛性がバーDに必要となる。一方他の走行条件では、セクション16に掛けられたトルクがセクション18に移転し、またはその逆になるように、バーDに充分な大きさの剛性が必要である。バルブ22、特にバルブ22のコイル104が、バーDの剛性を制御する。
【0018】
スタビライザバーDにトルクが掛かるにつれて、回転子38はハウジング36およびピストン40に対して相対的に回転しようとし、回転する場合、複数のローラ42が窪み68と78とから外に出、回転子38とピストン40との対向する傾斜部66と76とにそれぞれ乗り上げる。これによってピストン40が回転子38から離れて押しやられ、継手20の空洞80の容積が縮小する。空洞80内の磁気粘性流体82の一部が排出され、そのようにしてバルブ22の粘性流体用チャンバ110内により多くの流体が流入する。隔壁106が、追加の流体82を収容するように収縮する。しかし隔壁106を変位させるために、チャンバ110の流体92の一部は、制限器100とバルブハウジング90の円筒壁92との間の隙間を流れなければならない。流体82が隙間を流れる容易度は、隙間域の流体82の粘度によって決まり、それはコイル104によって生成される磁束、言うまでもなくコイル104を流れる電流によって決まる。言い換えれば、バーDの剛性は、継手20のチャンバ80から流体82が排出される容易さによって決まり、それはバルブ22のコイル104の電流の大きさによって決まる。後者は、加減抵抗器などを用いて容易に手動制御され、あるいは車両の速度と、車両が走行する表面の状態を判定するための垂直加速度と、走行するカーブの程度を判定するための横加速度とを検出するセンサを含む自動装置によって容易に制御される。
【0019】
回転子38とピストン40とが、複数のローラ42が窪み68および78の中心に位置するそれらの初期位置に戻ると、空洞80は、蓄圧チャンバ108の圧縮ガスによって流体に掛かる圧力下で拡張する。
【0020】
変形形態も可能である。例えば、バルブ22の制限器98は、開口部を、隙間の代わりにその周囲に、あるいはそのような隙間に追加して含むこともできる。さらに流体82は、全てが磁気粘性である必要はない。むしろ、バルブ22の流体の一部だけが磁気粘性の特性を有していればよい。その場合は、流体82の残りの部分は、隔壁またはピストンで磁気粘性部分から分離することもできる。実際には、バルブが変化するように構築され、流体が空洞80から抜ける速度を制御する場合は、流体が粘性である必要は全くない。隔壁106に作用する加圧ガスに代えて、バルブ80のチャンバ110の磁気粘性流体は、ばね荷重ピストンによって圧力下で維持することもできる。左右セクション16および18のねじり棒24同士は、ハウジング36とその中の回転子38およびピストン40とを通過する細い棒で連結して、2つのセクション16と18とを合体させて、必要最小限の剛性をもたらすようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のスタビライザバーを備えた懸架装置の斜視図である。
【図2】スタビライザバー用の継手およびバルブの、一部切欠断面縦立面図である。
【図3】図2の線3〜3による断面図である。
【図4】図3の線4〜4による部分断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線に沿って位置合わせされた第1および第2ねじり棒と、
第1、第2、および第3結合部材を含む継手であって、前記第1結合部材が前記第1ねじり棒に堅固に連結され、前記第2結合部材が前記第2ねじり棒に堅固に連結され、前記第3結合部材が前記第1部材に対して回転可能ではないが、軸方向に移動可能であり、前記第1部材と協働して空洞を形成しており、前記空洞の容積が、前記第3部材の前記第2部材に対する軸方向位置によって変化し、前記第2または第3部材が、前記第2部材および前記第1部材に対する前記第3部材の軸方向位置を制御する複数の傾斜部を有しており、前記軸方向位置が、前記第1部材と前記第2部材との間の相対的な回転の度合いによって変化し、これによって、前記空洞の容積が、前記第1部材の前記第2部材に対する角度位置に応じて変化するところの継手と、
前記空洞内の流体と、
前記空洞に連結されて、前記第1結合部材と前記第2結合部材との間で相対的な回転が起こる際に、前記空洞から排出される流体の流量を制御するバルブと
を備える自走車両用スタビライザバー。
【請求項2】
前記流体は、少なくとも一部において磁気粘性を有しており、前記バルブ内に磁気粘性部分をもたらし、前記バルブは、その中の前記流体の粘性を制御する電気コイルを含む、請求項1に記載のスタビライザバー。
【請求項3】
前記バルブが制限手段を含み、前記コイルが前記制限手段において、前記流体の粘度を制御する、請求項2に記載のスタビライザバー。
【請求項4】
前記第2結合部材および第3結合部材に設けられた前記複数の傾斜部が、前記複数の傾斜部に当接する転動体によって分離されている、請求項1に記載のスタビライザバー。
【請求項5】
前記第2および第3結合部材が、前記第1結合部材内に位置している、請求項1に記載のスタビライザバー。
【請求項6】
軸線に沿って位置合わせされた第1および第2ねじり棒と、
前記第1ねじり棒に連結されて、前記第1ねじり棒と共に回転するハウジングと、
前記ハウジング内に位置し、前記第2ねじり棒に連結されて、前記第2ねじり棒と共に回転し、複数の傾斜部を有する回転子と、
前記ハウジング内に位置して、前記ハウジングに対して回転可能ではないが軸方向に移動するピストンであって、前記ハウジングと協働して空洞を形成し、前記空洞の容積が、前記ピストンの前記ハウジング内での軸方向位置によって変化し、前記ピストンが、複数の傾斜部を有しており、前記傾斜部は、前記回転子の前記複数の傾斜部に向けられており、そして、前記回転子と、前記ピストンおよびハウジングとの間の相対的な回転の結果として、前記回転子の前記複数の傾斜部と協働して、前記ハウジング内での前記ピストンの軸方向位置、および、前記空洞の大きさを決定するところのピストンと
前記ハウジングの前記空洞内の流体と、
前記空洞の容積が縮小する時、前記空洞から排出される流体の流量を制御するバルブと
を備える自走車両用スタビライザバー。
【請求項7】
前記回転子および前記ピストンの前記複数の傾斜部の間に設けられた転動体をさらに備える、請求項6に記載のスタビライザバー。
【請求項8】
前記ハウジングがスプラインソケットを有し、前記ピストンが、前記スプラインソケットの中に突出するスプライン短軸を有し、前記ピストンおよび前記ソケットのスプライン部が係合して、前記ピストンが、前記ハウジングに対して軸方向に移動可能であるが、回転は不可能である、請求項7に記載のスタビライザバー。
【請求項9】
前記流体は、少なくとも一部において粘性を有しており、前記バルブ内に流体の粘性部分がもたらされる、請求項6に記載のスタビライザバー。
【請求項10】
前記バルブにおいて、前記流体が磁気粘性を有しており、前記バルブが、制限手段と、前記制限手段において磁束を生成し、それにより、制限手段において流体の粘性を制御するコイルとを含んでいる、請求項9に記載のスタビライザバー。
【請求項11】
前記バルブが、チャンバを有するハウジングを含み、そして、前記制限手段をもたらす制限器を前記チャンバ内に有しており、前記コイルが前記制限器内に位置する、請求項10に記載のスタビライザバー。
【請求項12】
前記回転子およびピストンの前記複数の傾斜部が複数対をもって配置され、各対をなした傾斜部が、それらの傾斜部の間の窪みに向かって傾斜している、請求項9に記載のスタビライザバー。
【請求項13】
自走車両の構成要素と、前記構成要素上において、前記車両の長さ方向に延びる軸線のまわりを旋回する左右の制御アームとの組み合わせにおいて、前記第1ねじり棒が、第1トルクアームを介して一方の制御アームと連結され、前記第2ねじり棒が、第2ねじりアームを介して他方の制御アームに連結される、請求項6に記載のスタビライザバー。
【請求項14】
複数のねじり棒が、前記構成要素に取り付けられる複数の位置間に前記ハウジングおよび回転子が位置するように、複数のねじり棒が前記構成要素に取り付けられている、請求項13に記載の組み合わせ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2007−513835(P2007−513835A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543969(P2006−543969)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/041219
【国際公開番号】WO2005/056316
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(503082262)ザ ティムケン カンパニー (8)
【氏名又は名称原語表記】THE TIMKEN COMPANY
【住所又は居所原語表記】1835 Dueber Avenue,S.W.,Canton,OH 44706−0930,United States of America
【Fターム(参考)】