説明

可変バルブタイミング装置

【課題】スプールの内部にポンプ油圧が供給されるOCVに用いられる電磁アクチュエータの小型化を図る。
【解決手段】スプール16の外周面の3つの溝のうち、両側の第1、第3全周溝31、33にポンプ油圧を供給し、中央の第2全周溝32から排圧する。スプール16の内部に、第1全周溝31に導かれたポンプ油圧を第3全周溝33へ導く駆動用スプール内油路穴21を設ける。また、スプール16の内部に、スプール16の前後空間A、Bと連通するとともに第2全周溝32を介してドレンポート12に連通し、さらにカップガイド19の内部空間に連通する呼吸用スプール内油路穴22を設け、スプール16の前後空間A、Bおよびプランジャ18の前後空間B、Eの容積変動を可能にする。カップガイド19の内圧低下によって肉厚を薄く設けることができ、吸引磁力の向上により電磁アクチュエータ7を小型化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン(内燃機関)によって駆動されるカムシャフト(吸気バルブ用、排気バルブ用、吸排気兼用カムシャフトのいずれか)の進角量を、油圧を用いて可変してバルブの開閉タイミングの可変を行なう可変バルブタイミング装置(バリアブル・バルブ・タイミング:以下、VVTと称す)に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧を用いてバルブの開閉タイミングの可変を行なうVVTは、進角室と遅角室の油圧差によってカムシャフトの進角量の可変を行なう可変カムシャフトタイミング機構(バリアブル・カムシャフト・タイミング:以下、VCTと称す)と、進角室と遅角室の油圧差をコントロールする油圧回路とで構成される。
この油圧回路は、進角室へのオイルの給排と遅角室へのオイルの給排をコントロールする電磁スプール弁(オイルフロー・コントロール・バルブ:以下、OCVと称す)を搭載し、このOCVがエンジン制御装置(エンジン・コントロール・ユニット:以下、ECUと称す)によって通電制御されることで、進角室と遅角室の油圧がコントロールされて、バルブの開閉タイミングが制御される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されるOCVを、図4を参照して説明する。なお、以下の符号は、後述する[発明を実施するための形態]および[実施例]と同一機能物に同一符号を付したものである。
OCV4は、油路の切替制御を行なうスプール弁6と、このスプール弁6を駆動する電磁アクチュエータ7とを軸方向に結合したものである。このスプール弁6は、スプール16の内部に、ポンプポート11に通じて加圧されたポンプ油圧が供給される駆動用スプール内油路穴21を設けたものであり、この駆動用スプール内油路穴21の内部に供給されたポンプ油圧が、スプール16の軸方向位置に応じて進角室または遅角室へ供給可能に設けられている。
【0004】
電磁アクチュエータ7の作動時には、プランジャ18の両端の空間B、Eの容積を変動させる必要がある。しかるに、電磁アクチュエータ7は、図4に示すように、エンジン部品Z(シリンダヘッド等)の外部に露出した状態で配置される。このため(電磁アクチュエータ7からエンジン外部へのオイル漏れを防ぐため)、プランジャ18の両端の空間B、Eを外部(大気)に連通させることができない。
そこで、電磁アクチュエータ7の内部にカップガイド19を配置して電磁アクチュエータ7の内部を区画し、プランジャ18の両端の空間B、Eを上述した駆動用スプール内油路穴21に連通させることで、プランジャ18の両端の空間B、Eの容積変動を可能にしている。
【0005】
しかし、従来技術では、カップガイド19の内部に、駆動用スプール内油路穴21を介して加圧されたポンプ油圧が印加される。
このため、カップガイド19を耐圧容器にする必要があり、強度を高めるためにカップガイド19の肉厚を増大させる必要がある。ここで、カップガイド19は、内周面においてプランジャ18を摺動自在に支持するものであり、非磁性体材料で設けられる。このため、カップガイド19の肉厚が増大することで、プランジャ18の磁気吸引力の低下を招き、この磁気吸引力の低下を補うためにコイル17の発生磁力を高めようとすると、電磁アクチュエータ7の大型化を招いてしまう。
即ち、スプール16の内部に駆動用スプール内油路穴21を設けたOCV4では、電磁アクチュエータ7の大型化を招く不具合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4111135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スプールの内部にポンプ油圧が供給される駆動用スプール内油路穴を有するOCVに用いられる電磁アクチュエータの小型化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[請求項1の手段]
請求項1のOCVにおけるスプールの内部に、駆動用スプール内油路穴とは別に、オイルパン内の空間(エンジン内において略大気圧の空間)に油路等を介して通じる呼吸ポート(ドレンポートと独立したものでも良いし、請求項2に示すようにドレンポートと共通であっても良い)と、カップガイドの内部とを連通させる呼吸用スプール内油路穴を設ける。
このように、カップガイドの内部を、呼吸用スプール内油路穴と呼吸ポートを介してオイルパン内の空間(略大気圧の空間)に連通させることで、カップガイドの内部を低圧に保つことができる。
カップガイドの内部を低圧に保つことで、カップガイドの耐圧性を小さくすることができ、カップガイドを薄く設けることができる。
カップガイドは非磁性体材料で設けられるため、カップガイドを薄く設けることで、プランジャの磁気吸引力を高めることができる。その結果、コイルの発生磁力を小さくすることが可能になり、電磁アクチュエータの小型化を図ることができる。
即ち、スプールの内部に駆動用スプール内油路穴を設けたOCVであっても、電磁アクチュエータの小型化が可能になる。
【0009】
[請求項2の手段]
請求項2のドレンポートは呼吸ポートを兼ねるものであり、呼吸用スプール内油路穴はドレンポートと常時連通する。
【0010】
[請求項3の手段]
請求項3の駆動用スプール内油路穴と呼吸用スプール内油路穴は、ともにスプールの一端側より軸方向へ伸びて形成される。そして、駆動用スプール内油路穴の一端側がメクラ蓋によって閉塞されて、駆動用スプール内油路穴と呼吸用スプール内油路穴とが分離されるものである。
このように、スプールの一端側から2本の穴(駆動用スプール内油路穴と呼吸用スプール内油路穴)を開けて、一方の穴の端部(駆動用スプール内油路穴の端部)をメクラ蓋で閉塞することで、スプールの内部に独立した駆動用スプール内油路穴と呼吸用スプール内油路穴を設けることができる。
【0011】
[請求項4の手段]
請求項4のスプールの外周には、軸方向において独立した第1、第2、第3全周溝が設けられる。
そして、遅角状態(カムシャフトを遅角側へ駆動する状態)では、第1全周溝を介してポンプポートと遅角ポートが連通するとともに、第2全周溝を介してドレンポートと進角ポートが連通する。
また、保持状態(カムシャフトの進角量を保持する状態)では、第1全周溝と第2全周溝との間におけるスプールの外周壁面によって遅角ポートを閉鎖するとともに、第2全周溝と第3全周溝との間におけるスプールの外周壁面によって進角ポートを閉鎖する。
さらに、進角状態(カムシャフトを進角側へ駆動する状態)では、第3全周溝を介してポンプポートと進角ポートが連通するとともに、第2全周溝を介してドレンポートと遅角ポートが連通する。
【0012】
[請求項5の手段]
請求項5のVVTは、第1、第2、第3全周溝のうち、軸方向の両側に設けられる第1、第3全周溝が駆動用スプール内油路穴と常時連通する。また、第1、第2、第3全周溝のうち、軸方向の中央に設けられる第2全周溝が駆動用スプール内油路穴とは常に連通せずに、ドレンポートと常時連通する。
【0013】
[請求項6の手段]
請求項6の呼吸用スプール内油路穴は、スプールの両端に形成される空間、プランジャの駆動力をスプールに伝達するシャフトの内部を軸方向に連通するシャフト内空間、プランジャの内部を軸方向に連通するプランジャ内空間と、常時連通する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】OCVの軸方向に沿う断面図である(実施例)。
【図2】OCVの作動説明図である(実施例)。
【図3】VVTの概略図である。
【図4】OCVの軸方向に沿う断面図である(従来例)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照して[発明を実施するための形態]を説明する。
VVTは、進角室1と遅角室2の油圧差によってカムシャフトの進角量の可変を行なうVCT3と、進角室1と遅角室2の油圧制御を行なうOCV4を有する油圧回路5とを備える。
OCV4は、油路の切替えを行なうスプール弁6と、このスプール弁6を駆動する電磁アクチュエータ7とで構成される。
【0016】
スプール弁6は、オイルポンプXによって加圧されたポンプ油圧が供給されるポンプポート11、エンジンのオイルパンYの内部空間に通じるドレンポート12、進角室1に通じる進角ポート13、遅角室2に通じる遅角ポート14を有するスリーブ15と、このスリーブ15の内部において軸方向へ摺動自在に支持され、各ポートの連通状態を調整するスプール16とで構成される。
【0017】
電磁アクチュエータ7は、スプール弁6の端部(具体的には、スリーブ15の端部)に結合されるものであり、通電により磁力を発生するコイル17と、このコイル17の発生する磁力により駆動されてスプール16と一体に変位するプランジャ18と、電磁アクチュエータ7の内部を区画するとともにプランジャ18を摺動自在に支持するカップガイド19とを有する。
【0018】
スプール16の内部には、ポンプポート11から供給されるポンプ油圧を進角ポート13または遅角ポート14の少なくとも一方へ導くための駆動用スプール内油路穴21と、ドレンポート12(呼吸ポートの一例)とカップガイド19の内部空間とを連通させる呼吸用スプール内油路穴22とが設けられる。
なお、図1、図2では、呼吸用スプール内油路穴22に通じる呼吸ポートを、ドレンポート12と共通に設ける例を示しているが、呼吸ポートをドレンポート12とは別に設けるものであっても良い。
【0019】
このように、カップガイド19の内部が、呼吸用スプール内油路穴22とドレンポート12(呼吸ポート)を介してオイルパンYの内部空間(略大気圧の空間)に連通するため、カップガイド19の耐圧性を小さくでき、非磁性体材料よりなるカップガイド19を薄く設けることができる。
非磁性体材料よりなるカップガイド19を薄く設けることで、プランジャ18の磁気吸引力を高めることができ、電磁アクチュエータ7の小型化を図ることができる。
【実施例】
【0020】
以下において本発明が適用された具体的な一例(実施例)を図面を参照して説明する。以下の実施例は具体的な一例であって、本発明が実施例に限定されないことは言うまでもない。なお、以下の実施例において、上記[発明を実施するための形態]と同一符号は、同一機能物を示すものである。
以下の説明において、図1の左側を「前」、図1の右側を「後」と称して説明するが、この前後は実施例説明のための前後であって、実際の搭載方向とは関係がなく、限定されるものではない。
【0021】
(実施例1の具体的な構成)
VVTは、車両走行用のエンジンに搭載されるものであり、カムシャフト(吸気バルブ用、排気バルブ用、吸排気兼用カムシャフトのいずれか)に取り付けられてカムシャフトの進角量を連続的に可変することでバルブの開閉タイミングを連続的に可変可能なVCT3と、このVCT3の作動を油圧制御するOCV4を用いた油圧回路5と、OCV4を電気的に制御するECU23とから構成されている。
【0022】
VCT3は、エンジンのクランクシャフトに同期して回転駆動されるシューハウジング24と、このシューハウジング24に対して相対回転可能に設けられ、カムシャフトと一体に回転するベーンロータ25とを備えるものであり、シューハウジング24内に構成される油圧アクチュエータによってシューハウジング24に対してベーンロータ25を相対的に回転駆動して、カムシャフトを進角側あるいは遅角側へ変化させるものである。
【0023】
シューハウジング24は、エンジンのクランクシャフトにタイミングベルトやタイミングチェーン等を介して回転駆動されるスプロケットにボルト等によって結合されて、スプロケットと一体回転するものである。このシューハウジング24の内部には、図3に示すように、略扇状の凹部24aが複数(この実施例1では3つ)形成されている。なお、シューハウジング24は、図3において時計方向に回転するものであり、この回転方向が進角方向である。
一方、ベーンロータ25は、カムシャフトの端部に位置決めピン等で位置決めされて、ボルト等によってカムシャフトの端部に固定されるものであり、カムシャフトと一体に回転する。
【0024】
ベーンロータ25は、シューハウジング24の凹部24a内を進角室1と遅角室2に区画するベーン25aを備えるものであり、ベーンロータ25はシューハウジング24に対して所定角度内で回動可能に設けられている。
進角室1は、油圧によってベーン25aを進角側へ駆動するための油圧室であって、ベーン25aの反回転方向側の凹部24a内に形成されるものであり、逆に、遅角室2は油圧によってベーン25aを遅角側へ駆動するための油圧室である。なお、進角室1と遅角室2の液密性は、シール部材26等によって保たれる。
【0025】
油圧回路5は、進角室1および遅角室2のオイルを給排して、進角室1と遅角室2に油圧差を発生させてベーンロータ25をシューハウジング24に対して相対回転させるための手段であり、クランクシャフト等によって駆動されるオイルポンプXから圧送されるポンプ油圧を進角室1または遅角室2の一方に調量供給するとともに、進角室1または遅角室2の油圧を調量排圧することが可能なOCV4を備える。
【0026】
このOCV4は、スプール弁6の後端に電磁アクチュエータ7を結合した電磁スプール弁であり、図1に示すように、スプール弁6がエンジン部品Z(シリンダヘッド等)に形成されたOCV装着穴27(内周面が円筒形状を呈する穴)の内部に挿入配置されるとともに、電磁アクチュエータ7がエンジン部品Zの外部に固定配置されるものである。
【0027】
スプール弁6は、OCV装着穴27の内部に挿入配置される油路切替弁であり、エンジン部品ZにおけるOCV装着穴27の内部に挿入配置される筒状のスリーブ15、このスリーブ15内に配置される略棒状を呈するスプール16(弁体)、このスプール16を後方へ付勢するリターンスプリング28を備えている。
【0028】
スリーブ15は、略円筒形状を呈して、外周面がOCV装着穴27に対して微細なクリアランスを介して挿入配置される。また、スリーブ15の内周面は、スプール16を軸方向へ摺動自在に支持する。さらに、スリーブ15の径方向には、複数の入出力ポートが形成されている。
具体的にスリーブ15の径方向には、オイルポンプXのオイル吐出口に連通するポンプポート11、オイルパンY内にオイルを戻すドレンポート12、進角室1に連通する進角ポート13、遅角室2に連通する遅角ポート14が形成されている。
【0029】
さらに具体的に説明すると、OCV装着穴27の内部には、エンジンのオイルポンプXからポンプ油路Z1(符号、図3参照)を介してポンプ油圧が供給されるように設けられている。
スリーブ15の前端は小径に設けられており、OCV装着穴27の内部に供給されたポンプ油圧がポンプポート11に導かれるように設けられている。
【0030】
一方、スプール弁6が挿入されるエンジン部品Zには、VCT3の進角室1に通じる進角油路Z2、VCT3の遅角室2に通じる遅角油路Z3、エンジンのオイルパンYの内部空間に通じるドレン油路Z4が形成されている。
そして、スプール弁6をOCV装着穴27の内部に挿入し、電磁アクチュエータ7をエンジン部品Zに締結することで、遅角ポート14が遅角油路Z3を介して遅角室2に連通し、進角ポート13が進角油路Z2を介して進角室1に連通し、ドレンポート12がドレン油路Z4を介してオイルパンYの内部空間に連通する。
【0031】
スプール16は、略円柱形状を呈し、外周面がスリーブ15の内周面に対して微細なクリアランスを介して挿入配置されるものであり、スプール16が後方から前方へスライド変位することで、遅角状態(カムシャフトを遅角側へ駆動する状態)、保持状態(カムシャフトの進角量を保持する状態)および進角状態(カムシャフトを進角側へ駆動する状態)を達成する。
この各状態を達成する手段として、スプール16の外周には、前方より後方に向かって独立した第1、第2、第3全周溝31、32、33が設けられている。この第1、第2、第3全周溝31、32、33は、全周に亘って形成された溝であり、スプール16の外周面において軸方向に隔てられて形成されている。
【0032】
第1全周溝31は、ポンプポート11と常時連通するものであり、スプール16が後方へ移動した際に遅角ポート14と連通するように設けられている。
第2全周溝32は、ドレンポート12と常時連通するものであり、スプール16が前方へ移動した際に遅角ポート14と連通し、スプール16が後方へ移動した際に進角ポート13と連通するように設けられている。
第3全周溝33は、スプール16の内部に形成された駆動用スプール内油路穴21を介してポンプポート11と常時連通するものであり、スプール16が前方へ移動した際に進角ポート13と連通するように設けられている。
【0033】
第1全周溝31と第2全周溝32との間のスプール16の外周壁面は、スプール16の軸方向位置に応じて遅角ポート14を閉塞可能な遅角室閉塞部34(ランド部)として機能する。
第2全周溝32と第3全周溝33との間のスプール16の外周壁面は、スプール16の軸方向位置に応じて進角ポート13を閉塞可能な進角室閉塞部35(ランド部)として機能する。
【0034】
スプール16の内部には、軸方向へ伸びる独立した駆動用スプール内油路穴21と呼吸用スプール内油路穴22とが設けられている。
駆動用スプール内油路穴21と呼吸用スプール内油路穴22は、ともにスプール16の前端から後端付近まで形成された有底のドリル穴(軸方向に貫通していないドリル穴)であり、スプール16の前端より軸方向へ伸びて形成されている。
そして、駆動用スプール内油路穴21の前端がメクラ蓋36によって閉塞されることで、駆動用スプール内油路穴21と呼吸用スプール内油路穴22とが、スプール16内で区画分離されている。
このように、メクラ蓋36が駆動用スプール内油路穴21を塞ぐため、スプール16の前端のバネ室37にポンプ油圧が印加されない。この結果、スプール16の前端面にポンプ油圧が印加される不具合(ポンプ油圧がスプール16を後方へ付勢する不具合)を回避することができる。
【0035】
駆動用スプール内油路穴21は、ポンプポート11から供給されるポンプ油圧を、スプール16の内部を介して進角室1に導くための油路である。スプール16には、第1全周溝31と駆動用スプール内油路穴21を連通させる内外連通穴41と、第3全周溝33と駆動用スプール内油路穴21を連通させる内外連通穴42とが設けられている。
これにより、ポンプポート11を介して供給されたポンプ油圧は、第1全周溝31に常時供給されるとともに、駆動用スプール内油路穴21を介して第3全周溝33に常時供給され、スプール16のスライド位置に応じて進角ポート13へポンプ油圧の供給が可能に設けられている。
【0036】
一方、呼吸用スプール内油路穴22は、ドレン油路Z4を介してオイルパンYの内部空間に通じるドレンポート12(呼吸ポートを兼ねるポート)と、スプール16の前後の空間A、Bとを常時連通する油路である。
具体的に、呼吸用スプール内油路穴22の前端は、リターンスプリング28が配置されるバネ室37に連通している。また、スプール16の後端の一部が小径に設けられている。
そして、スプール16には、小径部と呼吸用スプール内油路穴22を連通させる内外連通穴43が設けられている。さらに、スプール16には、第2全周溝32と呼吸用スプール内油路穴22を連通させる内外連通穴44が設けられている。
【0037】
これにより、第2全周溝32がドレンポート12と常時連通する構成の他に、スプール16の前後の空間A、Bが呼吸用スプール内油路穴22を介してドレンポート12と常時連通する構成が達成されている。
【0038】
即ち、この実施例のスプール弁6は、請求項5に記載したように、
・第1、第2、第3全周溝31、32、33のうち、軸方向の両側に設けられる第1、第3全周溝31、33は、駆動用スプール内油路穴21と常時連通し、
・第1、第2、第3全周溝31、32、33のうち、軸方向の中央に設けられる第2全周溝32は、駆動用スプール内油路穴21とは常に連通せずに、ドレンポート12と常時連通する。
【0039】
リターンスプリング28は、スプール16を後方へ向けて付勢する圧縮コイルスプリングである。スリーブ15は、前端を閉塞する閉塞壁を備えており、この閉塞壁とスプール16の前端との間にバネ室37が形成されている。リターンスプリング28は、このバネ室37に配置されるものであり、スリーブ15の閉塞壁とスプール16の間で軸方向に圧縮された状態で組付けられるものである。
【0040】
電磁アクチュエータ7は、コイル17、プランジャ18、カップガイド19、磁気吸引ステータ51、磁気受渡ステータ52、ヨーク53、ステー54およびコネクタ55を備える。
コイル17は、通電されるとプランジャ18を磁気吸引するための磁力を発生する磁力発生手段であり、樹脂製ボビンの周囲に絶縁被覆された導線(エナメル線等)を多数巻回したものである。
【0041】
プランジャ18は、コイル17の発生する磁力によりリターンスプリング28の付勢力に打ち勝ってスプール16を前方へ駆動する磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)によって形成された円柱体であり、カップガイド19の内周面において軸方向へ摺動自在に支持される。
【0042】
磁気吸引ステータ51は、プランジャ18を前方へ磁気吸引するものであり、スリーブ15とコイル17との間に挟まれて配置される円盤部51aと、この円盤部51aの磁束をプランジャ18の近傍まで導く筒状部51bとからなる磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であって、プランジャ18と筒状部51bとの軸方向間に磁気吸引ギャップ(メインギャップ)が形成される。
筒状部51bは、プランジャ18が前方へ移動した際、軸方向に交差可能に設けられている。筒状部51bの端部にはテーパが形成されており、このテーパによってプランジャ18のストローク量に対して磁気吸引力が変化しない特性に設けられている。
【0043】
磁気受渡ステータ52は、カップガイド19を介してプランジャ18の周囲と径方向の磁気の受け渡しを行なうものであり、カップガイド19を介してプランジャ18の外周を覆うとともに、コイルボビンの内周に挿入配置される円筒部52a、およびこの円筒部52aから外径方向に向かって形成され、外周縁においてヨーク53と磁気結合されるフランジ部52bからなる磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、円筒部52aとプランジャ18の径方向間に磁束受渡ギャップ(サイドギャップ)が形成される。
【0044】
ヨーク53は、コイル17の周囲を覆う円筒形状を呈した磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、前端に形成された爪部をカシメることでスリーブ15と結合される。
【0045】
カップガイド19は、電磁アクチュエータ7の内部のオイルが外部に漏れないように、電磁アクチュエータ7の内部においてオイルが導かれる部位を区画分離する手段であり、筒形カップ形状を呈する非磁性体材料(例えば、ステンレス等)によって設けられる。
カップガイド19の前端には径方向に広がるフランジ部が設けられており、このフランジ部がスリーブ15(具体的には、スリーブ15の後端に配置されたOリング56)と磁気吸引ステータ51との間に挟まれることで、カップガイド19の内外のシールが成される。
なお、スリーブ15の後部外周に配置されたOリング57は、OCV装着穴27からオイルが漏れるのを防ぐためのものである。
【0046】
ステー54は、OCV4をエンジン部品Zに結合するための手段であり、ヨーク53の前端に形成された段差部と磁気吸引ステータ51との間に挟まれて固定されている。なお、ステー54は、ヨーク53に溶接結合されるなど、他の技術で電磁アクチュエータ7に結合されるものであっても良い。
そして、上述したように、スプール弁6をバルブOCV装着穴27の内部に挿入し、電磁アクチュエータ7のステー54をエンジン部品Zに締結することで、OCV4がエンジンに組付けられる。
【0047】
コネクタ55は、コイル17等を樹脂モールドする2次成形樹脂58の一部によって形成された結合手段であり、その内部には、コイル17の導線端部とそれぞれ接続されるコネクタ端子55aが配置されている。このコネクタ端子55aは、後端がコネクタ55内で露出するとともに、前端がコイルボビンに差し込まれた状態で2次成形樹脂58に樹脂モールドされている。
【0048】
OCV4には、スプール16とプランジャ18との間に、プランジャ18の駆動力をスプール16へ伝えるとともに、スプール16に与えられたリターンスプリング28の付勢力をプランジャ18へ伝えるシャフト61が設けられている。
この実施例に示すシャフト61は、非磁性体の金属板(例えば、ステンレス板等)をカップ形状に加工した中空部品であり、その内部にシャフト内空間Cが形成されている。
【0049】
シャフト61の周囲の空間Bは、スプール16の後端の空間Bであるとともに、プランジャ18の前端の空間Bであり、呼吸用スプール内油路穴22を介してドレンポート12と常時連通するものであるため、シャフト61の周囲の空間B(スプール16とプランジャ18の間の空間B)は容積変動可能に設けられている。
【0050】
一方、シャフト内空間Cは、シャフト61の後端のカップ開口を介してプランジャ18の軸心に形成されたプランジャ内空間Dと連通する。
また、シャフト内空間Cは、シャフト61の内外を連通する複数の内外連通穴62を介してシャフト61の周囲の空間B(スプール16とプランジャ18の間の空間B)に連通する。
この構成により、プランジャ18の後端の空間Eは、プランジャ内空間D、シャフト内空間C、シャフト61の周囲の空間B(スプール16とプランジャ18の間の空間B)、呼吸用スプール内油路穴22を介してドレンポート12と常時連通し、プランジャ18の後端の空間Eは容積変動可能に設けられている。
【0051】
即ち、この実施例の呼吸用スプール内油路穴22は、請求項6に記載したように、スプール16の前後の空間A、B、シャフト内空間C、プランジャ内空間Dと、常時連通するものである。
なお、シャフト61の周囲の空間B(スプール16とプランジャ18の間の空間B)は、後述する磁気吸引補助部品63によって前後に区画されるが、空間Bの前後は、シャフト61の前後に形成される複数の内外連通穴62とシャフト内空間Cを介して連通するとともに、後述する磁気吸引補助部品63の中心部に形成される貫通穴を介して連通する。即ち、空間Bの前後は、繋がっており、オイルの移動が容易になっている。
【0052】
この実施例のOCV4には、スプール16とプランジャ18との間に、プランジャ18の磁気吸引力を高める磁気吸引補助部品63が配置されている。
この磁気吸引補助部品63は、例えば磁性体の金属板(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)をカップ形状に加工したものであり、スリーブ15の後端に形成された段差とカップガイド19との間に挟まれて固定される。
この磁気吸引補助部品63の中心部には、シャフト61を挿通するための軸方向の貫通穴が形成されており、磁気吸引補助部品63とシャフト61の間には、オイルが軸方向へ移動可能なクリアランス(隙間)が形成されている。
【0053】
ECU23は、エンジンの運転状態に応じたカムシャフトの進角量(進角位相)を求め、求めた進角量が得られるようにコイル17を通電制御してVCT3におけるカムシャフトの進角量を可変制御するプログラムが設けられている。
ECU23は、デューティ比制御によりコイル17へ供給する電流量を制御するものであり、コイル17の供給電流量を制御することで、スプール16の軸方向の位置をリニアにスライド制御し、エンジン運転状態に応じた作動油圧を進角室1および遅角室2に発生させてカムシャフトの進角量を可変制御する。
【0054】
(実施例の具体的な作動)
次に、図面を参照して実施例の作動を説明する。なお、図2において実線矢印αはポンプ油圧の供給路(ポンプポート11に通じる連通路)を示すものであり、一点鎖線矢印βはドレン油圧の排圧路(ドレンポート12に通じる連通路)を示すものであり、破線矢印γは呼吸路(ドレンポート12に通じる連通路)を示すものである。
【0055】
車両の運転状態に応じてECU23がカムシャフトを遅角させる際(遅角状態を達成する際)、ECU23はコイル17への供給電流量を減少させる。すると、コイル17の発生する磁力が減少し、図2(a)に示すように、プランジャ18とともにスプール16が後方へ移動する。
これにより、第1全周溝31を介してポンプポート11と遅角ポート14が連通して遅角室2の油圧が高まるとともに、第2全周溝32を介してドレンポート12と進角ポート13が連通して進角室1の油圧が低下する。
この結果、遅角室2の油圧が増加し、逆に進角室1の油圧が減少して、ベーンロータ25がシューハウジング24に対して相対的に遅角側へ変位し、カムシャフトの進角量が遅角側へ変位する。
なお、この遅角状態では、スプール16の前後の空間A、Bおよびプランジャ18の前後の空間B、Eは、呼吸用スプール内油路穴22を介して常時ドレンポート12に連通して容積変動が可能であり、スプール16およびプランジャ18の軸方向へのスライド変位が可能になっている。
【0056】
車両の運転状態に応じてECU23がカムシャフトの進角量を保持する際(保持状態を達成する際)、ECU23は、コイル17への供給電流量を制御して、図2(b)に示すように、第1全周溝31と第2全周溝32の間のスプール16の外周壁面(遅角室閉塞部34)が遅角ポート14を閉塞し、第2全周溝32と第3全周溝33の間のスプール16の外周壁面(進角室閉塞部35)が進角ポート13を閉塞する位置にスプール16をスライドさせる。
このように、進角ポート13と遅角ポート14が閉塞されることで、進角室1の油圧と遅角室2の油圧が一定に保たれ、カムシャフトの進角量が保持される。
なお、この保持状態でも、スプール16の前後の空間A、Bおよびプランジャ18の前後の空間B、Eは、呼吸用スプール内油路穴22を介して常時ドレンポート12に連通して容積変動が可能であり、スプール16およびプランジャ18の軸方向へのスライド変位が可能になっている。
【0057】
車両の運転状態に応じてECU23がカムシャフトを進角させる際(進角状態を達成する際)、ECU23はコイル17への供給電流量を増加させる。すると、コイル17の発生する磁力が増加し、図2(c)に示すように、プランジャ18とともにスプール16が前方へ移動する。
これにより、第3全周溝33を介してポンプポート11と進角ポート13が連通して進角室1の油圧が高まるとともに、第2全周溝32を介してドレンポート12と遅角ポート14が連通して遅角室2の油圧が低下する。
この結果、進角室1の油圧が増加し、逆に遅角室2の油圧が減少して、ベーンロータ25がシューハウジング24に対して相対的に進角側へ変位し、カムシャフトの進角量が進角側へ変位する。
なお、この進角状態でも、スプール16の前後の空間A、Bおよびプランジャ18の前後の空間B、Eは、呼吸用スプール内油路穴22を介して常時ドレンポート12に連通して容積変動が可能であり、スプール16およびプランジャ18の軸方向へのスライド変位が可能になっている。
【0058】
(実施例の効果)
この実施例におけるOCV4は、スプール16の内部に、ポンプ油圧が供給される駆動用スプール内油路穴21とは別に、呼吸用スプール内油路穴22を設けている。この呼吸用スプール内油路穴22は、オイルパンYの内部空間(略大気圧の空間)に通じるドレンポート12と、カップガイド19の内部とを連通させる油路であるため、カップガイド19の内部を低圧に保つことができる。
このように、カップガイド19の内部を低圧に保つことができるため、カップガイド19の耐圧性を小さくすることができ、カップガイド19の肉厚を薄く設けることが可能になる。
カップガイド19は非磁性体材料で設けられるため、カップガイド19を薄く設けることで、プランジャ18の磁気吸引力を高めることができる。その結果、コイル17の発生磁力を小さくすることが可能になり、電磁アクチュエータ7を小型化でき、OCV4の車両搭載性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
上記の実施例で示した電磁アクチュエータ7の構成は、具体的な一例であって、適宜他の構成よりなる電磁アクチュエータ7を用いても良い。
具体的に他の形態を示すと、磁気受渡ステータ52とヨーク53を一体に設けても良い。磁気吸引ステータ51をカップガイド19の内部に配置しても良い。中空のシャフト61ではなく中実のシャフト61を用いてシャフト61の外側に軸方向に連通する油路を設けても良い。プランジャ18の内部ではなくプランジャ18の外周に呼吸溝を形成しても良い。
【0060】
上記の実施例で示したVCT3の構成は、具体的な一例であって、適宜他の構成よりなるVCT3を用いても良い。
具体的に他の形態を示すと、凹部24aやベーン25aの数を変更しても良い。上記実施例とは逆にベーンロータ25をクランクシャフトに同期回転させ、シューハウジング24をカムシャフトと一体に回転するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0061】
1 進角室
2 遅角室
3 VCT(可変カムシャフトタイミング機構)
4 OCV
6 スプール弁
7 電磁アクチュエータ
11 ポンプポート
12 ドレンポート(呼吸ポート)
13 進角ポート
14 遅角ポート
15 スリーブ
16 スプール
17 コイル
18 プランジャ
19 カップガイド
21 駆動用スプール内油路穴
22 呼吸用スプール内油路穴
31 第1全周溝
32 第2全周溝
33 第3全周溝
34 遅角室閉塞部(第1全周溝と第2全周溝の間のスプールの外周壁面)
35 進角室閉塞部(第2全周溝と第3全周溝の間のスプールの外周壁面)
36 メクラ蓋
A スプールの前端に形成される空間
B スプールの後端に形成される空間
C シャフト内空間
D プランジャ内空間
X オイルポンプ
Y オイルパン
Z エンジン部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
進角室(1)と遅角室(2)の油圧差によってカムシャフトの進角量の可変を行なう可変カムシャフトタイミング機構(3)と、
加圧された油圧が供給されるポンプポート(11)、オイルパン(Y)の内部空間に通じるドレンポート(12)、前記進角室(1)に通じる進角ポート(13)、前記遅角室(2)に通じる遅角ポート(14)を有するスリーブ(15)を備えるとともに、このスリーブ(15)の内部において軸方向へ摺動自在に支持され、各ポートの連通状態を調整するスプール(16)を備えるスプール弁(6)と、
通電により磁力を発生するコイル(17)、このコイル(17)の発生する磁力により駆動されて前記スプール(16)と一体に変位するプランジャ(18)、このプランジャ(18)を内周面において摺動自在に支持して内外の空間を区画する非磁性体材料よりなるカップガイド(19)を有し、前記スプール弁(6)の端部に結合配置される電磁アクチュエータ(7)と、
を具備する可変バルブタイミング装置において、
前記スプール(16)の内部には、
前記ポンプポート(11)から供給されるポンプ油圧を、前記進角ポート(13)または前記遅角ポート(14)の少なくとも一方へ導くための駆動用スプール内油路穴(21)とは別に、
前記オイルパン(Y)の内部空間に通じる呼吸ポート(12)と前記カップガイド(19)の内部空間とを連通させる呼吸用スプール内油路穴(22)が設けられることを特徴とする可変バルブタイミング装置。
【請求項2】
請求項1に記載の可変バルブタイミング装置において、
前記ドレンポート(12)は前記呼吸ポートを兼ねており、前記呼吸用スプール内油路穴(22)と前記ドレンポート(12)が常時連通することを特徴とする可変バルブタイミング装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の可変バルブタイミング装置において、
前記スプール(16)の内部に設けられる前記駆動用スプール内油路穴(21)と前記呼吸用スプール内油路穴(22)は、ともに前記スプール(16)の一端側より軸方向へ伸びて形成され、
前記駆動用スプール内油路穴(21)の一端側は、メクラ蓋(36)によって閉塞されて、前記駆動用スプール内油路穴(21)と前記呼吸用スプール内油路穴(22)とが分離されることを特徴とする可変バルブタイミング装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の可変バルブタイミング装置において、
前記スプール(16)の外周には、軸方向において独立した第1、第2、第3全周溝(31、32、33)が設けられ、
前記スプール弁(6)によって前記カムシャフトを遅角させる遅角状態では、前記第1全周溝(31)を介して前記ポンプポート(11)と前記遅角ポート(14)が連通するとともに、前記第2全周溝(32)を介して前記ドレンポート(12)と前記進角ポート(13)が連通し、
前記スプール弁(6)によって前記カムシャフトの進角量を保持する保持状態では、前記第1全周溝(31)と前記第2全周溝(32)との間における前記スプール(16)の外周壁面によって前記遅角ポート(14)を閉鎖するとともに、前記第2全周溝(32)と前記第3全周溝(33)との間における前記スプール(16)の外周壁面によって前記進角ポート(13)を閉鎖し、
前記スプール弁(6)によって前記カムシャフトを進角させる進角状態では、前記第3全周溝(33)を介して前記ポンプポート(11)と前記進角ポート(13)が連通するとともに、前記第2全周溝(32)を介して前記ドレンポート(12)と前記遅角ポート(14)が連通することを特徴とする可変バルブタイミング装置。
【請求項5】
請求項4に記載の可変バルブタイミング装置において、
前記第1、第2、第3全周溝(31、32、33)のうち、軸方向の両側に設けられる前記第1、第3全周溝(31、33)は、前記駆動用スプール内油路穴(21)と常時連通し、
前記第1、第2、第3全周溝(31、32、33)のうち、軸方向の中央に設けられる前記第2全周溝(32)は、前記ドレンポート(12)と常時連通することを特徴とする可変バルブタイミング装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の可変バルブタイミング装置において、
前記呼吸用スプール内油路穴(22)は、前記スプール(16)の両端に形成される空間(A、B)、前記プランジャ(18)の駆動力を前記スプール(16)に伝達するシャフト(61)の内部を軸方向に連通するシャフト内空間(C)、前記プランジャ(18)の内部を軸方向に連通するプランジャ内空間(D)と、常時連通することを特徴とする可変バルブタイミング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−107677(P2012−107677A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255963(P2010−255963)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】