説明

合流退出判定装置及び合流退出判定プログラム

【課題】GPS信号が受信できない状況にある場合であっても合流又は退出の判定を適切に行なうことができる区間を拡大し、利便性を向上させる。
【解決手段】GPS信号に基づく第一自車位置情報P1と走行軌跡に基づく第二自車位置情報P2とに基づいて自車位置を特定する自車位置特定手段12と、自車位置特定手段12により特定された自車位置に基づいて、二本の道路の接続地点における合流又は退出を判定する合流退出判定手段17と、自車両がGPS信号を受信可能な感応区間を走行中には合流退出判定手段17に判定処理を実行させるとともに、不感応区間を走行中には合流退出判定手段17に判定処理を禁止させる判定制御手段20と、自車両が不感応区間を走行中であっても、第二自車位置情報P2に関する条件を含む所定の許可条件を満たす場合には、合流退出判定手段17に判定処理を実行させる特別制御手段24と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二本の道路の接続地点における合流又は退出を判定する合流退出判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、走行している道路上における自車両の状況を取得し、それぞれの状況に応じて各種の車両制御を行なう技術が提案されている。例えば下記の特許文献1には、自車位置周辺の画像情報を取得する画像情報取得手段と分岐地点に特有の区画線の画像認識を行う画像認識手段とを備え、前記特有の区画線と自車両との位置関係に基づいて、二本の道路の接続地点において自車両が一方の道路から他方の道路へ退出したか否かの退出判定を行い、当該退出判定の結果に基づいて車両を減速制御する車両用制御装置が記載されている。この特許文献1に記載された技術では、画像認識の結果に基づいて退出判定を行なうことにより、高精度かつリアルタイムな退出判定を行ない、それにより適切な減速制御を行なうことが可能とされている。
【0003】
また、下記の特許文献2には、車両制御を行なうタイミングを判定するための装置として、自車両が二本の道路の接続地点における合流又は退出を行なう可能性がある区間を予測する予測手段と、実際に自車両が合流又は退出したタイミングを判定するタイミング判定手段と、を備えた合流退出判定装置が記載されている。この特許文献2に記載された合流退出判定装置では、GPS信号に基づく第一自車位置情報と走行軌跡に基づく第二自車位置情報とに基づいて検出される自車位置と、地図データベースに記憶された道路ネットワークデータ及び地物データとに基づいて、自車両が合流又は退出を行なう可能性がある区間を予測手段が予測し、タイミング判定手段が、当該予測された区間内で実際に自車両が合流又は退出したタイミングを判定する。これにより、二本の道路の接続地点における合流又は退出のタイミングを的確に判定することが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−223431号公報
【特許文献2】特開2008−129817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術によれば、確かに高精度かつリアルタイムな退出判定を行なうことができる。しかし、画像認識手段が、常時分岐地点に特有の区画線の画像認識を行う構成とされているため、車両の走行中における処理負荷が大きくなってしまうという問題があった。一方、特許文献2に記載された技術では、予測手段が自車両が合流又は退出を行なう可能性があると判定した区間内においてのみ、タイミング判定手段が実際に自車両が合流又は退出したタイミングを判定するので、当該タイミング判定を分岐地点に特有の区画線の画像認識結果に基づいて行う構成とすることにより、必要最小限の処理負荷で高精度かつリアルタイムな退出判定を行なうことが可能となる。
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載された技術では、上述したようにGPS信号に基づく第一自車位置情報と走行軌跡に基づく第二自車位置情報とに基づいて検出される自車位置に基づいて、予測手段が機能することが前提となっている。そのため、特許文献2に記載されたような合流退出判定装置では、例えば車両がトンネル内を走行している場合等のようにGPS信号が受信できない状況にある場合には、自車位置を精度良く検出することができなくなってしまうため、従来は、合流又は退出の判定自体を一律に禁止する構成となっていた。しかしそれでは、自車位置の精度から見て合流又は退出の判定を適切に行なうことができる区間内であっても合流又は退出の判定が禁止され、それに伴って車両制御も行なわれなくなってしまうという不都合があり、利便性の面で改善の余地が残されていた。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、GPS信号が受信できない状況にある場合であっても合流又は退出の判定を適切に行なうことができる区間を拡大し、利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するための、本発明に係る合流退出判定装置の特徴構成は、複数のGPS衛星からのGPS信号に基づく第一自車位置情報と、自車両の移動距離と方位とから取得される走行軌跡に基づく第二自車位置情報と、に基づいて自車位置を特定する自車位置特定手段と、前記自車位置特定手段により特定された自車位置に基づいて、二本の道路の接続地点における合流又は退出を判定する合流退出判定手段と、自車両が前記GPS信号を受信可能な感応区間を走行中には前記合流退出判定手段に判定処理を実行させるとともに、前記GPS信号を受信不可能な不感応区間を走行中には前記合流退出判定手段に判定処理を禁止させる判定制御手段と、自車両が前記不感応区間を走行中であっても、前記第二自車位置情報に関する条件を含む所定の許可条件を満たす場合には、前記合流退出判定手段に判定処理を実行させる特別制御手段と、を備えた点にある。
【0009】
上記の特徴構成によれば、通常であれば、自車両がGPS信号を受信不可能な不感応区間を走行中には合流退出判定手段による二本の道路の接続地点における合流又は退出の判定が禁止されるところ、特別制御手段によりGPS信号とは無関係に取得される第二自車位置情報に関する条件を含む所定の許可条件が設定され、当該許可条件が満たされる場合には、特別制御手段は合流退出判定手段による合流又は退出の判定を許可する。したがって、GPS信号が受信できない状況にある場合であっても合流又は退出の判定を適切に行なうことができる区間を拡大することができる。そして、その判定結果を車両制御等の用に供することで、利便性を向上させることができる。
【0010】
ここで、交差点に対応する複数のノードと各ノード間を接続する道路に対応する複数のリンクとの接続関係により構成される道路ネットワークデータを記憶した地図情報記憶手段と、自車両が現実に走行している道路に対応するリンクへのマッチング状態を取得するマッチング状態取得手段と、前記第二自車位置情報に示される位置と現実の自車位置との間の推定誤差を取得する推定誤差取得手段と、を備え、前記特別制御手段は、前記マッチング状態と前記推定誤差とに基づいて前記許可条件を満たすか否かを判定する構成とすると好適である。
【0011】
道路ネットワークデータを構成するリンクの中で、自車両が現実に走行している道路に対応するリンクをある程度確実に特定していることは、合流退出判定手段が合流又は退出の判定を行なうに当たっての重要な前提条件の一つである。同様に、自車位置特定手段により特定される自車位置と現実の自車位置との間の誤差が所定値よりも小さい状態に保たれていることも、合流退出判定手段が合流又は退出の判定を行なうに当たっての重要な前提条件の一つである。上記の構成によれば、これらの前提条件を満たすか否かを判定するための指標となるマッチング状態及び推定誤差を取得し、これらに基づいて許可条件を満たすか否かが判定されるので、合流退出判定手段による合流又は退出の判定を許可するか否かの判定を特別制御手段に適切に行なわせることができる。
【0012】
また、前記許可条件は、前記マッチング状態取得手段により自車両が現実に走行している道路に対応するリンクが一つのリンクに特定されたマッチング状態が取得され、かつ、前記推定誤差取得手段により取得される前記推定誤差が所定の許可閾値以下である条件である構成とすると好適である。
【0013】
この構成によれば、合流退出判定手段による合流又は退出の判定を許可するか否かの基準となる許可条件を、適切に設定することができる。
【0014】
また、前記特別制御手段は、前記不感応区間内に前記合流退出判定手段による判定処理を行う地点が複数ある場合において、当該複数の地点のうち互いに隣接する二つの地点間の距離が前記推定誤差未満である場合には、当該二つの地点では前記合流退出判定手段に判定処理を禁止させる構成とすると好適である。
【0015】
推定誤差が距離の情報として取得される場合であって、当該推定誤差が互いに隣接する二つの地点間の距離以上である場合には、自車位置が二つの地点のうちいずれの地点にあるのかを一意に特定することはできない。上記の構成によれば、そのような場合には、特別制御手段は当該二つの地点では合流退出判定手段による合流又は退出の判定処理を禁止するので、合流退出判定手段が誤判定を行なうことを防止することができる。
【0016】
また、前記自車位置特定手段により特定される自車位置を補正する自車位置補正手段を備え、前記推定誤差は、前記不感応区間への進入前に最後に前記自車位置が補正された地点からの自車両の移動距離に基づいて決定される構成とすると好適である。
【0017】
自車位置補正手段により自車位置が補正された地点においては、推定誤差は最小の状態となる。また、推定誤差を取得するための基準となる第二自車位置情報は自車両の移動距離に基づいて取得されるので、当該補正がなされた地点からの自車両の移動距離が大きくなるにしたがって推定誤差は大きくなる。よって、上記の構成によれば、取得される推定誤差を高精度なものとすることができる。
【0018】
また、前記自車位置補正手段は、少なくとも、前記自車位置特定手段により特定される自車位置を、前記第一自車位置情報が有する誤差円の中心に位置するように修正することにより前記自車位置を補正する構成とすると好適である。
【0019】
この構成によれば、所定の時間間隔で受信される、第一自車位置情報の基準となるGPS信号が有する情報に基づいて自車位置を定期的に補正することができる。よって、不感応区間への進入前に、自車位置を適切に補正することができる。
【0020】
また、前記不感応区間は、前記GPS信号が完全に遮断される遮断区間と、前記遮断区間からの退出後に前記GPS信号を受信して第一自車位置情報を取得可能な状態となるまでに必要となる遅延区間と、を含む構成とすると好適である。
【0021】
この構成によれば、GPS信号が完全に遮断されることにより受信不可能となる遮断区間だけでなく、遮断区間からの退出後の所定距離の遅延区間においても、所定の許可条件を満たす場合には合流退出判定手段による合流又は退出の判定を許可することができる。なお、このような遅延区間を設けると、遮断区間から退出してから間もない位置に合流又は退出を行なうための二本の道路の接続地点がある場合に、特に有効にその効果を発揮する。
【0022】
また、前記合流退出判定手段は、自車両が二本の道路の接続地点における合流又は退出を行なう可能性がある区間を予測する予測手段と、前記予測手段により予測された前記区間で、実際に自車両が合流又は退出したタイミングを判定するタイミング判定手段と、を備えた構成とすると好適である。
【0023】
この構成によれば、予測手段が自車両が合流又は退出を行なう可能性があると判定した区間内においてのみ、タイミング判定手段が実際に自車両が合流又は退出したタイミングを判定するので、合流又は退出のタイミング判定を行なう場面を絞り込んで、合流又は退出の判定のための処理負荷を軽減することができるとともに、誤判定を抑制することができる。
【0024】
また、自車位置周辺の画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像情報に含まれる地物の画像認識を行う画像認識手段と、を備え、前記タイミング判定手段は、前記画像認識手段による画像認識結果に基づいて、実際に自車両が合流又は退出したタイミングを判定する構成とすると好適である。
【0025】
この構成によれば、画像認識の結果に基づいて合流又は退出のタイミングを判定するので、高精度かつリアルタイムなタイミング判定を行なうことができる。
【0026】
本発明に係る合流退出判定プログラムの特徴構成は、複数のGPS衛星からのGPS信号に基づいて検出される第一自車位置と、自車両の移動距離と進行方位とに基づいて検出される第二自車位置と、に基づいて自車位置を特定する自車位置特定機能と、前記自車位置特定機能により特定された自車位置に基づいて、本線道路と取付道路との接続地点における合流又は退出を判定する合流退出判定機能と、自車両が前記GPS信号を受信可能な感応区間を走行中には前記合流退出判定機能を実現させるとともに、前記GPS信号を受信不可能な不感応区間を走行中には前記合流退出判定機能を停止させる判定制御機能と、自車両が前記不感応区間を走行中であっても、所定の許可条件を満たす場合には、前記合流退出判定機能を実現可能とする特別制御機能と、をコンピュータに実現させる点にある。
【0027】
この特徴構成によれば、通常であれば、自車両がGPS信号を受信不可能な不感応区間を走行中にはによる二本の道路の接続地点における合流又は退出の判定を行なう合流退出判定機能が停止されるところ、特別制御機能によりGPS信号とは無関係に取得される第二自車位置情報に関する条件を含む所定の許可条件が設定され、当該許可条件が満たされる場合には、特別制御機能により合流退出判定機能が実現可能とされる。したがって、GPS信号が受信できない状況にある場合であっても合流又は退出の判定を適切に行なうことができる区間を拡大することができる。そして、その判定結果を車両制御等の用に供することで、利便性を向上させることができる。
【0028】
なお、この合流退出判定プログラムについても、当然ながら上述した合流退出判定装置に関してその好適な構成の例として挙げた、いくつかの付加的技術を組み込むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】地図データベースに記憶されている道路ネットワークデータの構成の例を示す図である。
【図3】自車両への撮像装置の配置構成の一例を示す図である。
【図4】分岐地点からの退出判定を説明するための説明図である。
【図5】画像情報取得部により取得された画像情報の一例を示す図である。
【図6】不感応区間の概念を説明するための説明図である。
【図7】特別制御を説明するためのである。
【図8】不感応区間内に分岐地点が複数箇所ある場合の特別制御を説明するための説明図である。
【図9】判定制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】退出判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係るナビゲーション装置1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、ナビゲーション装置1の概略構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置1は、自車位置表示や経路案内等の通常のナビゲーション機能を担う以外に、二本の道路の接続地点における合流又は退出を判定する合流退出判定装置2や、合流退出判定装置2による判定結果に基づいて車両の制御を行なう車両制御装置3としても機能する。以下では、ナビゲーション装置1の用語は、合流退出判定装置2及び車両制御装置3をも包括する概念を表すものとして説明する。
【0031】
まず、ナビゲーション装置1の全体構成について説明する。図1に示すナビゲーション装置1の各機能部は、互いに共通の或いはそれぞれ独立のCPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。本実施形態においては、ナビゲーション装置1は、画像情報取得部11、自車位置特定部12、自車位置補正部13、画像認識部14、データ抽出部15、ナビゲーション用演算部16、合流退出判定部17、判定制御部20、不感応区間検出部21、マッチング状態取得部22、推定誤差取得部23、特別制御部24、及び車両制御部26を機能部として備えている。そして、これらの各機能部は、デジタル転送バス等の通信線を介して互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。ここで、各機能部がソフトウェア(プログラム)により構成される場合には、当該ソフトウェアは、演算処理装置が参照可能なRAMやROM等の記憶手段に記憶される。また、地図データベース31は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、DVD−ROMを備えたDVDドライブ、CD−ROMを備えたCDドライブ等の記録媒体(記憶手段)をハードウェア構成として備えている。以下、本実施形態に係るナビゲーション装置1の各部の構成について詳細に説明する。
【0032】
1.地図データベース
地図データベース31は、所定の区画毎に分けられた地図データが記憶されたデータベースである。地図データは、道路ネットワークデータ32及び地物データ33を含んで構成されている。図2は、地図データベース31に記憶されている道路ネットワークデータ32の構成の例を示す図である。この図に示すように、道路ネットワークデータ32は、交差点に対応する複数のノードnと各ノードn間を接続する道路に対応する複数のリンクkとの接続関係により構成されている。本実施形態においては、この地図データベース31が、本発明における「地図情報記憶手段」に相当する。各ノードnは、緯度及び経度で表現された地図上の位置(座標)の情報を有している。各リンクkは、ノードnを介して接続されている。また、各リンクkは、その属性情報として、道路種別、リンク長、道路幅等の情報を有している。ここで、道路種別情報は、例えば、有料道路(高速道路及び自動車専用道路等を含む)、市街道路、細街路、山岳路等のように、道路を複数の種別に区分した際の道路種別の情報である。なお、図2においては、一つの区画の道路ネットワークデータ32のみを図示し、他の区画の道路ネットワークデータ32は省略して示している。
【0033】
地物データ33は、道路上や道路周辺に設けられた各種の地物に関するデータである。例えば、道路の路面に設けられた道路標示(ペイント標示)、最高速度等を表す速度標示、ゼブラゾーン、道路に沿って車線を分ける区画線(実線、破線、二重線等の各種区画線を含む。)、各車線の進行方向を指定する進行方向別通行区分標示(矢印標示)等が含まれる。また、道路の周辺に設けられた標識等を含んでいても良い。このような地物データ33は、当該地物が設けられた道路に対応する、道路ネットワークデータ32のリンクkに関連付けられて記憶されている。
【0034】
2.画像情報取得部
画像情報取得部11は、撮像装置41により撮像した自車位置周辺の画像情報Gを取得する機能部である。本実施形態においては、この画像情報取得部11が、本発明における「画像情報取得手段」に相当する。ここで、撮像装置41は、撮像素子を備えた車載カメラ等であって、少なくとも自車両の周辺の道路の路面を撮像可能な位置に設けられている。このような撮像装置41としては、例えば、図3に示すような自車両の後方の路面を撮像するバックカメラを用いると好適である。画像情報取得部11は、撮像装置41により撮像した撮像情報を、フレームメモリ(不図示)などを介して所定の時間間隔で取り込む。この際の画像情報Gの取り込みの時間間隔は、例えば、10〜50ms程度とすることができる。これにより、画像情報取得部11は、撮像装置41により撮像した複数フレームの画像情報Gを連続的に取得することができる。ここで取得された画像情報Gは、画像認識部14へ出力される。
【0035】
3.自車位置特定部
自車位置特定部12は、自車両の現在位置を示す自車位置情報Pを取得する機能部である。自車位置特定部12は、複数のGPS衛星からのGPS信号に基づく第一自車位置情報と、自車両の移動距離と方位とから取得される走行軌跡に基づく第二自車位置情報と、に基づいて自車位置を特定して、自車位置情報Pを取得する。本実施形態においては、この自車位置特定部12が、本発明における「自車位置特定手段」に相当する。ここでは、自車位置特定部12は、GPS受信機42、方位センサ43、及び距離センサ44と接続されている。GPS受信機42は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信する装置である。方位センサ43は、自車両の進行方位又はその進行方位の変化を検出するセンサである。距離センサ44は、自車両の車速や移動距離を検出するセンサである。
【0036】
GPS信号は通常1秒おきに受信され、自車位置特定部12へ出力される。自車位置特定部12では、GPS受信機42で受信された複数のGPS衛星からのGPS信号を解析し、自車両の現在位置(緯度及び経度)、進行方位、移動速度等の情報を有する第一自車位置情報P1を取得することができる。このようにして取得される第一自車位置情報P1は、絶対的な位置情報となっている。ただし、ここで取得される第一自車位置情報P1は、ある程度の位置誤差を有した情報となっており、当該位置誤差に応じた所定の誤差円内に自車両が位置していることを表す情報となっている。
【0037】
方位センサ43は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリューム、車輪部に取り付ける角度センサ等により構成され、その検出結果を自車位置特定部12へ出力する。また、距離センサ44は、例えば、車両のドライブシャフトやホイール等が一定量回転する毎にパルス信号を出力する車速パルスセンサ、自車両の加速度を検知するヨー・Gセンサ及び検知された加速度を積分する回路等により構成され、その検出結果としての車速及び移動距離の情報を自車位置特定部12へ出力する。自車位置特定部12は、方位センサ43及び距離センサ44からの検出結果に基づいて自車両の移動距離と方位とから走行軌跡を解析し、自車両の現在位置(緯度及び経度)、進行方位等の情報を有する第二自車位置情報P2を取得することができる。このようにして取得される第二自車位置情報P2は、ある特定の地点を基準とする相対的な位置情報となっている。
【0038】
そして、自車位置特定部12は、絶対的な位置情報である第一自車位置情報P1と相対的な位置情報である第二自車位置情報P2とに基づいて、公知の方法により自車両の現在位置を表す自車位置を特定する演算を行い、現在位置(緯度及び経度)、進行方位、移動速度等の情報を有する自車位置情報Pを取得する。取得された自車位置情報Pは、自車位置補正部13、データ抽出部15、及び予測部18等へ出力される。
【0039】
4.自車位置補正部
自車位置補正部13は、自車位置特定部12により特定される自車位置を補正する機能部である。本実施形態においては、この自車位置補正部13が、本発明における「自車位置補正手段」に相当する。本実施形態においては、自車位置補正部13は、少なくとも、自車位置特定部12により特定される自車位置を、第一自車位置情報P1が有する誤差円の中心に位置するように修正することにより自車位置を補正する。すなわち、ある時点において取得された第一自車位置情報P1が有する誤差円の中心を基準として第二自車位置情報P2が取得され、第二自車位置情報P2に示される自車位置が当該誤差円の領域からはみ出てしまったときに、自車位置補正部13は、自車位置情報Pが示す自車位置を、次にGPS信号を受信した時点において取得される第一自車位置情報P1が有する誤差円の中心に位置するように補正する。これにより、所定の時間間隔で受信されるGPS信号が有する情報に基づいて自車位置情報Pを定期的に補正して、常にある程度の位置精度を維持することができる。
【0040】
また、本実施形態においては、自車位置補正部13は、自車位置特定部12により特定される自車位置を、道路ネットワークデータ32のいずれかのリンクk上に位置するように修正することにより自車位置を補正する。すなわち、自車位置補正部13は、地図データベース31から抽出された自車位置周辺の道路ネットワークデータ32を取得し、それに基づいて公知のマップマッチングを行うことにより自車位置を道路ネットワークデータ32に示される道路上に合わせる補正も行う。このようなマップマッチングに基づく自車位置の補正は、正確な位置情報を有している道路ネットワークデータ32に基づいて行なわれるため、上記の所定の位置誤差を有するGPS信号のみに基づく自車位置補正に比べて、高い精度で補正直後の自車位置を特定することができる。
【0041】
また、本実施形態においては、自車位置補正部13は、自車位置特定部12により特定される自車位置を、後述する画像認識部14により道路上に設けられた特定の地物の画像認識に成功した位置とするように修正することにより自車位置を補正する。このような画像認識に基づく自車位置の補正は、正確な位置情報を有している道路ネットワークデータ32及び地物データ33に基づいて行なわれるため、上記の所定の位置誤差を有するGPS信号のみに基づく自車位置補正に比べて、高い精度で補正直後の自車位置を特定することができる。画像認識部14による画像認識処理については、次に述べる。
【0042】
5.画像認識部
画像認識部14は、画像情報取得部11で取得された画像情報Gに含まれる地物の画像認識を行う機能部である。本実施形態においては、この画像認識部14が、本発明における「画像認識手段」に相当する。ここで、画像認識の対象となる地物には、道路に沿って車線を分ける区画線(実線、破線、太破線等)、ゼブラゾーン、横断歩道、停止線、速度標示等のような、道路の路面に設けられた各種の道路標示が含まれる。画像認識部14は、対象となる地物の画像認識に際しては、画像情報Gに対して二値化処理やエッジ検出処理等を行い、当該画像情報Gに含まれている地物の輪郭情報を抽出する。その後、画像認識部14は、抽出された地物の輪郭情報と、対象となる地物の形態の特徴量とのパターンマッチングを行うことにより、画像情報Gに含まれる対象地物の画像を抽出する。画像認識部14による画像認識処理の結果は、自車位置補正部13及びタイミング判定部19に出力される。
【0043】
6.データ抽出部
データ抽出部15は、自車位置特定部12で取得された自車位置情報P等に基づいて、地図データベース31に記憶された道路ネットワークデータ32や地物データ33から必要な情報を抽出する機能部である。本実施形態においては、データ抽出部15は、自車位置情報Pに基づいて、自車両の周辺に存在し画像認識の対象となる地物に関する情報を抽出して、画像認識部14へ出力する。また、データ抽出部15は、自車位置補正部13によるマップマッチングに用いる自車位置周辺の地図ネットワークデータ32を抽出して、自車位置補正部13へ出力する。更に、データ抽出部15は、ナビゲーション用演算部16による経路案内処理等に用いるために、ナビゲーション用演算部16から要求があった領域の情報を地図データベース31に記憶された道路ネットワークデータ32及び地物データ33から抽出して、ナビゲーション用演算部16へ出力する。
【0044】
7.ナビゲーション用演算部
ナビゲーション用演算部16は、自車位置表示、出発地から目的地までの経路計算、目的地までの経路案内、目的地検索等のナビゲーション機能を実行するためにアプリケーションプログラムに従って動作する演算処理手段である。例えば、ナビゲーション用演算部16は、地図データベース31に記憶された道路ネットワークデータ32及び地物データ33から自車両周辺の必要な情報を取得して表示入力装置45に地図の画像を表示するとともに、当該地図の画像上に、自車位置情報Pに基づいて自位置マークを重ね合わせて表示する処理を行う。また、ナビゲーション用演算部16は、公知の方法により計算された出発地から目的地までの経路と自車位置情報Pとに基づいて、表示入力装置45及び音声出力装置46の一方又は双方を用いて経路案内を行う。なお、本実施形態においては、ナビゲーション用演算部16は、この他にも、リモートコントローラや表示入力装置45と一体的に設けられたタッチパネルなどのユーザインタフェース等、ナビゲーション装置1として必要な公知の各種構成に接続されている。
【0045】
8.合流退出判定部
合流退出判定部17は、自車位置特定部12により特定された自車位置に基づいて、二本の道路の接続地点における合流又は退出を判定する機能部である。本実施形態においては、この合流退出判定部17が、本発明における「合流退出判定手段」に相当する。この合流退出判定部17は、後述する判定フラグがオンの状態でのみ動作し、判定フラグがオフの状態では動作しない構成となっている。ここで、本実施形態においては、合流退出判定部17は、予測部18及びタイミング判定部19の各機能部を備えている。そして、予測部17により予測された予測区間F(図4(b)を参照)で、タイミング判定部19が動作する構成となっている。以下では、これらの各機能部の詳細について説明する。なお、以下では、「合流退出判定部17」の用語を用いる場合には、予測部18及びタイミング判定部19の各機能部を包括する概念として用いるものとする。
【0046】
8−1.予測部
予測部18は、自車両が二本の道路の接続地点における合流又は退出を行なう可能性がある区間を予測する機能部である。本実施形態においては、この予測部18が、本発明における「予測手段」に相当する。本実施形態においては、予測部18は、自車位置特定部12により特定される自車位置と、地図データベース31に記憶された道路ネットワークデータ32から抽出された情報とに基づき、自車両が、前方に存在する二本の道路の接続地点の前後の所定距離の区間(予測区間F)内に位置していることを判定することにより、合流又は退出を行なう可能性がある区間を予測する。すなわち、予測部18は、自車両が予測区間F内に位置している場合には、自車両が合流又は退出を行なう可能性があると判定する。ここで、予測区間Fを設定するための基準点は、二本の道路の接続地点に対応するノードnの位置とすることができ、例えば当該ノードnの位置を基準として進行方向後方側300〔m〕から進行方向前方側50〔m〕の区間を予測区間Fとして設定することができる。なお、予測区間Fの設定方法は単なる一例であり、これ以外にも適宜設定を変更することができる。予測部18による判定結果は、タイミング判定部19に出力される。
【0047】
8−2.タイミング判定部
タイミング判定部19は、予測部18により予測された予測区間Fで、実際に自車両が合流又は退出したタイミングを判定する機能部である。本実施形態においては、このタイミング判定部19が、本発明における「タイミング判定手段」に相当する。本実施形態においては、タイミング判定部19は、画像認識部14による画像認識結果に基づいて、実際に自車両が合流又は退出したタイミングを判定する。すなわち、画像情報取得部11により取得される画像情報Gの中から、画像認識部14が所定の地物の画像認識に成功したときに、タイミング判定部19は、そのタイミングで実際に自車両が合流又は退出したと判定する。
【0048】
例えば、自車両が高速道路の本線道路と料金所又はサービスエリア(SA/PA)への取付道路との分岐地点において、本線道路から取付道路への分岐地点で本線道路から取付道路へ退出しようとしている場面を考えてみると、図4(a)に示すように、その分岐地点の手前側には太破線の区画線が設けられている。このような太破線の区画線は分岐地点に特有の区画線であるので、当該太破線の区画線を画像認識部14による画像認識の対象とすることで、本線道路から取付道路への退出のタイミングを判定することができる。すなわち、画像情報Gにおいて太破線の区画線が自車両に対して右側に認識された状態から、自車両に対して左側に認識された状態(図5を参照)へと切り替わるタイミングを判定することで、高精度かつリアルタイムなタイミング判定を行なうことができる。なお、ここでは本線道路から取付道路への分岐地点で本線道路から取付道路へ退出する場合を例として説明したが、取付道路から本線道路への合流地点で取付道路から本線道路へ合流する場合にも、画像認識部14による画像認識の対象を適切に設定することで、同様にして合流判定を行なうことができる。タイミング判定部19による判定結果は、車両制御部26に出力される。
【0049】
9.判定制御部
判定制御部20は、自車両がGPS信号を受信可能な感応区間を走行中には合流退出判定部17に判定処理を実行させるとともに、GPS信号を受信不可能な不感応区間Nを走行中には合流退出判定部17に判定処理を禁止させる機能部である。本実施形態においては、この判定制御部20が、本発明における「判定制御手段」に相当する。この判定制御部20による上記の制御は、背景技術の欄で説明した従来からある合流退出判定装置が通常行なっていた制御と同様である。すなわち、判定制御部20は、自車両が感応区間を走行中には通常通り合流退出判定部17による合流判定又は退出判定を行なうように制御し、自車両が不感応区間Nを走行中には、GPS信号が受信できないことにより第一自車位置情報P1が取得できず、結果として自車位置を精度良く検出することができなくなってしまうため、退出判定部17による合流判定又は退出判定を行なわないように制御する。なお、自車両が感応区間及び不感応区間のいずれの区間を走行しているかは、不感応区間検出部21の検出結果により判定することができる。
【0050】
図6は、不感応区間Nの概念を説明するための説明図である。この図に示すように、不感応区間Nは、GPS信号が完全に遮断される遮断区間Sと、遮断区間Sからの退出後にGPS信号を受信して第一自車位置情報P1を取得可能な状態となるまでに必要となる遅延区間Dと、を含む。遮断区間Sとしては、例えばトンネル内の区間や雪よけ用のゲート内の区間等が挙げられる。また、遮断区間S以外に遅延区間Dをも設定するのは、遮断区間Dから退出した後であっても、GPS信号を受信して第一自車位置情報P1を取得可能な状態となるまでには所定の時間が必要となるため、その時間内に走行する距離に相当する区間内でも実質的には自車両が遮断区間S内に位置するのと同視されるからである。このような遅延区間Dとしては、例えば遮断区間Sからの退出地点を基準とする、その先の所定距離の区間とすることができ、前記所定距離としては例えば150〔m〕とすることができる。なお、遅延区間Dの設定方法は単なる一例であり、これ以外にも適宜設定を変更することができる。また、遮断区間Sを退出時の車速に応じて遅延区間Dを可変に設定できる構成としても良い。さらに、遮断区間Sからの退出後に所定時間経過するまでの区間を遅延区間Dとしたり、遮断区間Sからの退出後に実際に第一自車位置情報P1を取得するまでの区間を遅延区間Dとしたりしても良い。なお、図6においては符号は付されていないが、不感応区間N以外の全区間が感応区間となる。
【0051】
図6(a)〜(e)には、不感応区間Nの様々な設定パターンを示している。図6(a)は、一つのトンネル内に道路が通っている場合に対応したパターンである。このパターンが基本となる。図6(b)は、一つのトンネル内で道路が分岐している(トンネルも分岐している、以下同様)場合に対応したパターンである。この場合、分岐後のそれぞれのトンネルについて遮断区間S及び遅延区間Dが設定され、結果として不感応区間Nも分岐した形態となる。図6(c)は、二つのトンネル間の距離が遅延区間Dを規定する所定距離よりも短い場合に対応したパターンである。この場合、二つのトンネルのそれぞれに対応する遮断区間S及び遅延区間Dが全体として一つの不感応区間Nを構成する形態となる。図6(d)及び(e)は、図6(b)及び(c)のパターンを組み合わせたものである。これらの図に示されるように、二つの遮断区間S間の距離が遅延区間Dを規定する所定距離よりも短い距離内で連続し、遮断区間S又は遅延区間D内で道路が分岐している場合には、複数の分岐を有しつつ全体として一体的な不感応区間Nが設定されることになる。
【0052】
10.マッチング状態取得部
マッチング状態取得部22は、自車両が現実に走行している道路に対応するリンクkへのマッチング状態を取得する機能部である。本実施形態においては、このマッチング状態取得部22が、本発明における「マッチング状態取得手段」に相当する。ここで、「マッチング状態」とは、道路ネットワークデータ32を構成するリンクkの中で、自車両が現実に走行している道路に対応するリンクkをどの程度特定できているかを表す指標である。本実施形態においては、マッチング状態は「レベル0」〜「レベル2」の三段階で規定される構成となっている。「レベル0」のマッチング状態とは、自車両が現実に走行している道路に対応するリンクkが見つかっていない状態、すなわち、マッチング自体ができていない状態を表す。「レベル1」のマッチング状態とは、自車両が現実に走行している道路に対応するリンクkが複数のリンクkの間で確実には特定できていない状態でマッチングしている状態を表す。「レベル2」のマッチング状態とは、自車両が現実に走行している道路に対応するリンクkが確実に一つに特定された状態でマッチングしている状態を表す。これらのマッチング状態は、自車位置補正部13がマップマッチングにより自車位置を補正する際の演算結果に基づいて取得することができる。マッチング状態取得部22により取得されたマッチング状態を表す情報は、特別制御部24へ出力される。
【0053】
11.推定誤差取得部
推定誤差取得部23は、第二自車位置情報P2に示される位置と現実の自車位置との間の推定誤差Eを取得する機能部である。本実施形態においては、この推定誤差検出部23が、本発明における「推定誤差取得手段」に相当する。本実施形態においては、推定誤差Eは、不感応区間Nへの進入前に自車位置補正部13により最後に自車位置が補正された地点からの自車両の移動距離に基づいて決定される。自車位置補正部13により自車位置が補正された地点においては、第二自車位置情報P2に示される位置と現実の自車位置との間の誤差は小さい状態となる。また、第二自車位置情報P2は自車両の移動距離に基づいて取得されるので、当該補正がなされた地点からの自車両の移動距離が大きくなるにしたがって誤差は大きくなる。よって、不感応区間Nへの進入前に自車位置補正部13により最後に自車位置が補正された地点からの自車両の移動距離が大きくなるほど、推定誤差Eも大きくなるように設定される。このようにして推定誤差Eを決定することで、取得される推定誤差Eを高精度なものとすることができる。取得された推定誤差Eは、特別制御部24へ出力される。
【0054】
12.特別制御部
特別制御部24は、自車両が不感応区間Nを走行中であっても、第二自車位置情報P2に関する条件を含む所定の許可条件を満たす場合には、合流退出判定部17に合流又は退出に係る判定処理を実行させる機能部である。本実施形態においては、この特別制御部24が本発明における「特別制御手段」に相当する。ここで、第二自車位置情報P2に関する条件を含む所定の許可条件には、少なくとも推定誤差取得部23により取得される推定誤差Eに関する条件が含まれる。本実施形態においては、特別制御部24は、自車両が走行している道路の道路種別と、マッチング状態取得部22により取得されるマッチング状態に関する情報と、推定誤差取得部23により取得される推定誤差Eと、に基づいて許可条件を満たすか否かを判定する。
【0055】
また、本実施形態においては、特別制御部24が合流退出判定部17に合流又は退出の判定処理を実行させるか否かを判定するための判定基準となる許可条件は、自車両が走行している道路の道路種別が有料道路であり、かつ、マッチング状態が「レベル2」であり、かつ、推定誤差Eが所定の許可閾値A以下である条件とされている。なお、許可閾値Aとしては、自車位置が所定の位置誤差を有していたとしても、合流退出判定部17による合流又は退出の判定処理を許可した場合にその判定が適切に行われると考えられるような前記位置誤差の最大値が設定されると好適である。そのような許可閾値Aは、例えば40〔m〕に設定することができる。なお、許可閾値Aの設定方法は単なる一例であり、これ以外にも適宜設定を変更することができる。
【0056】
ところで、合流退出判定部17が合流又は退出の判定を行なうに当たっては、道路ネットワークデータ32を構成するリンクkの中で、自車両が現実に走行している道路に対応するリンクkをある程度確実に特定していることや、自車位置特定部12により特定される自車位置と現実の自車位置との間の誤差が所定値よりも小さい状態に保たれていることが、重要な前提条件である。本実施形態においては、許可条件として上記したような条件が設定されているので、特別制御部24は、合流退出判定部17による合流又は退出の判定を許可するか否かの判定を適切に行うことができる。そして、自車両が現実に走行している道路に対応するリンクkが確実に一つに特定された状態でマッチングしており、かつ、推定誤差Eが合流退出判定部17による合流又は退出の判定が適切に行われると考えられるような誤差範囲内にある場合には、合流退出判定部17による合流又は退出の判定処理が許可されるので、従来に比べて、合流又は退出の判定を適切に行なうことができる区間が拡大されることになる。それに伴い、その判定結果を利用して車両制御等を行なうことができる区間も拡大されるので、利便性を向上させることができる。
【0057】
ここで、図7を参照して特別制御の一連の流れについて説明する。この図においては、上から順に、推定誤差E、自車位置補正のタイミング、感応区間検知フラグの状態、特別制御フラグの状態、判定フラグの状態、を示している。なお、横軸は自車両の移動距離に対応しており、推定誤差Eについては下向きが正方向となるように縦軸が設定されている。なお、図示はされていないが、この図に示す全区間において、マッチング状態取得部22により「レベル2」のマッチング状態が取得されているものとする。
【0058】
不感応区間Nへの進入前に自車位置補正部13により最後に自車位置が補正された地点aでは、推定誤差Eは最小となる。その状態から自車両の移動距離が大きくなるにしたがって推定誤差Eは徐々に大きくなる。地点bにおいて、自車両が不感応区間Nに進入すると、感応区間検知フラグがオフとなり、通常であれば最下段に破線で示されているように、判定フラグはオフとなる。しかしながら、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、地点bから地点cまでの区間内においては推定誤差Eが許可閾値A未満であるので、特別制御部24は合流退出判定部17による合流又は退出の判定処理を許可するべく、当該区間では特別制御フラグをオンにする。その結果、地点bから地点cまでの区間では判定フラグがオンのまま維持される結果となり、上述したように、従来に比べて、合流又は退出の判定を適切に行なうことができる区間が拡大される。なお、地点cから不感応区間Nからの退出地点dまでの間の区間内では、推定誤差Eが許可閾値A以上であるので、特別制御フラグはオフとされ、その結果、通常通り判定フラグがオフにされる。地点dでは感応区間検知フラグがオンとなり、それに伴い判定フラグがオンとなる。
【0059】
ところで、図8に示すように、不感応区間N内に二本の道路の接続地点(合流退出判定部17による判定処理を行う地点)が複数(図示の例では二箇所)ある場合がある。このような場合において、当該複数の地点のうち互いに隣接する二つの地点間の距離Lが、手前側の接続地点(図示の例では、ノードn1に対応する接続地点)における推定誤差E未満である場合には、自車位置が二つの接続地点のうちいずれの接続地点に位置するのかを一意に特定することはできない。そこで、本実施形態においては、そのような場合には、たとえ不感応区間N内において許可条件が満たされている場合であっても、特別制御部24は当該二つの接続地点間の区間内では判定フラグを一時的にオフとして、合流退出判定部17による判定処理を禁止させる。これにより、合流退出判定部17が誤判定を行なうことを防止している。
【0060】
13.車両制御部
車両制御部26は、タイミング判定部19による合流又は退出のタイミングに係る判定結果に基づいて、車両を制御する機能部である。例えば、タイミング判定部19が本線道路から取付道路への退出のタイミングを判定してそのような判定結果を車両制御部26に出力した場合には、取付道路への退出後に、アクセルオフによるエンジンブレーキの効きを良くして車両を適切に減速させるべく、車両制御部26は、変速比(減速比)を大きくするように指示する制御信号を車両が備える自動変速機に対して出力する。また例えば、タイミング判定部19が取付道路から本線道路への合流のタイミングを判定してそのような判定結果を車両制御部26に出力した場合には、本線道路への合流時に、車両が出力可能なトルクを増大させて車両を適切に加速させるべく、車両制御部26は、変速比(減速比)を大きくするように指示する制御信号を車両が備える自動変速機に対して出力する。なお、上記の車両制御は一例であり、これ以外にも例えば退出時におけるブレーキアシスト等の各種の制御を行なう構成としても良い。
【0061】
14.動作処理の手順
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1において実行される動作処理(合流退出判定プログラム)の手順について説明する。図9は、本実施形態に係る判定制御処理の手順を示すフローチャートである。また、図10は、退出判定処理の処理手順を示すフローチャートである。以下に説明する各処理の手順は、上記の各機能部を構成するハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実行される。上記の各機能部がプログラムにより構成される場合には、ナビゲーション装置1が有する演算処理装置が、上記の各機能部を構成する合流退出判定プログラムを実行するコンピュータとして動作する。
【0062】
14−1.判定制御処理の手順
まず、本実施形態に係るナビゲーション装置1による判定制御処理の手順について、図9に基づいて説明する。まず、自車位置特定部12は、第一自車位置情報P1及び第二自車位置情報P2に基づいて自車位置を特定する(ステップ#01)。次に、判定制御部20は、不感応区間検出部21の検出結果に基づき、不感応区間Nがあるか否かを判定する(ステップ#02)。不感応区間Nがないと判定された場合には(ステップ#02:No)、判定制御部20は、判定フラグをオンとして(ステップ#14)、退出判定処理を行う(ステップ#15)。退出判定処理の手順については後述する。
【0063】
一方、不感応区間Nがあると判定された場合には(ステップ#02:Yes)、特別制御部24は、地図データベース31に記憶された道路ネットワークデータ32から自車両が走行している道路の道路種別に関する情報を抽出して取得する(ステップ#03)。そして、取得された道路種別が有料道路であるか否かを判定する(ステップ#04)。道路種別が有料道路であると判定された場合には(ステップ#04:Yes)、次に特別制御部24は、マッチング状態取得部22により取得されるマッチング状態に関する情報を取得する(ステップ#05)。そして、取得されたマッチング状態が「レベル2」であるか否かを判定する(ステップ#06)。マッチング状態が「レベル2」であると判定された場合には(ステップ#06:Yes)、次に特別制御部24は、推定誤差取得部23により取得される推定誤差Eを取得する(ステップ#07)。そして、取得された推定誤差Eが許可閾値A未満であるか否かを判定する(ステップ#08)。推定誤差Eが許可閾値A未満であると判定された場合には(ステップ#08:Yes)、次に特別制御部24は、当該不感応区間N内に接続地点が複数あるか否かを判定する(ステップ#09)。接続地点が複数はない、すなわち0又は1箇所であると判定された場合には(ステップ#09:No)、特別制御部24は判定フラグをオンとする(ステップ#12)。
【0064】
一方、接続地点が複数あると判定された場合には(ステップ#09:Yes)、次に特別制御部24は、当該複数の接続地点のうち、互いに隣接する二つの地点間の距離Lを取得する(ステップ#10)。そして、推定誤差Eが、取得された二点間距離L未満であるか否かを判定する(ステップ#11)。推定誤差Eが二点間距離L未満であると判定された場合には(ステップ#11:Yes)、特別制御部24は判定フラグをオンとする(ステップ#12)。一方、推定誤差Eが二点間距離L以上であると判定された場合には(ステップ#11:No)、特別制御部24は当該二つの接続地点間の区間内では判定フラグを一時的にオフとする(ステップ#13)。なお、図9のフローチャートでは、表示を単純化するため、単に判定フラグをオフとするものとして表示している。
【0065】
また、ステップ#04において道路種別が有料道路ではないと判定された場合(ステップ#04:No)、ステップ#06においてマッチング状態が「レベル2」ではない、すなわち「レベル1」又は「レベル0」であると判定された場合(ステップ#06:No)、若しくは、ステップ#08において推定誤差Eが許可閾値A以上であると判定された場合(ステップ#08:No)には、特別制御部24は判定フラグをオフとする(ステップ#13)。以上の処理が終了すると、退出判定処理が実行される(ステップ#15)。
【0066】
14−2.退出判定処理の手順
次に、ステップ#15の退出判定処理の手順について、図10に基づいて説明する。まず、合流退出判定部17は、判定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップ#21)。次に、データ抽出部15は、自車位置情報Pに基づき、地図データベース31に記憶された道路ネットワークデータ32及び地物データ33から自車位置周辺の情報を取得する(ステップ#22)。次に、予測部18は、自車両が本線道路と接続道路の分岐地点において退出を行なう可能性があるか否かを判定する(ステップ#23)。このステップ#23は、退出を行なう可能性があると判定されるまで繰り返し行なわれ、退出を行なう可能性があると判定されると(ステップ#23:Yes)、画像認識部14は、分岐地点の前後に設けられた太破線の区画線を対象として画像認識処理を行い(ステップ#24)、当該太破線の区画線の画像認識に成功したか否かを判定する(ステップ#25)。画像認識に成功した場合には(ステップ#25:Yes)、タイミング判定部19は退出が終了したタイミングでその旨を表す情報を車両制御部26に出力して(ステップ#26)、退出判定処理を終了する。一方、画像認識に成功しなかった場合には(ステップ#25:No)、退出判定処理はそのまま終了する。なお、図示はされていないが、その後、車両の減速制御が行なわれることになる。
【0067】
〔その他の実施形態〕
【0068】
(1)上記の実施形態においては、推定誤差Eを、不感応区間Nへの進入前に自車位置補正部13により最後に自車位置が補正された地点における誤差を基準として、当該地点からの自車両の移動距離に基づいて決定する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば自車両が不感応区間Nへ進入した地点における誤差を基準として、当該地点からの自車両の移動距離に基づいて推定誤差Eを取得する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合においては、不感応区間Nへの進入地点における前記誤差は不確かなものであるので、許可閾値Aを低めに設定しておくことが好ましい。
【0069】
(2)上記の実施形態においては、特別制御部24が合流退出判定部17に合流又は退出の判定処理を実行させるか否かを判定するための判定基準となる許可条件を、自車両が走行している道路の道路種別が有料道路であり、かつ、マッチング状態が「レベル2」であり、かつ、推定誤差Eが所定の許可閾値A以下である条件とする場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、自車両が走行している道路の道路種別が有料道路であることは必ずしも必要条件ではなく、マッチング状態が「レベル2」であり、かつ、推定誤差Eが所定の許可閾値A以下である条件を許可条件とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。つまり、本発明に係る特別制御処理は、例えば制限速度が異なる二つの市街道路の合流地点又は分岐地点における合流又は退出に係る判定処理等にも好適に適用することができる。
【0070】
(3)上記の実施形態においては、不感応区間N内に二本の道路の接続地点が複数ある場合において、当該複数の地点のうち互いに隣接する二つの地点間の距離Lが、手前側の接続地点における推定誤差E未満である場合には、特別制御部24は当該二つの接続地点間の区間内では判定フラグを一時的にオフとして、合流退出判定部17による判定処理を禁止させる場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば不感応区間N内に二本の道路の接続地点が複数ある場合には、特別制御部24は、二点間距離Lと推定誤差Eとの関係によらず、当該不感応区間N内では一律に判定フラグをオフとする構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
【0071】
(4)上記の実施形態においては、タイミング判定部19が、画像認識部14による画像認識結果に基づいて、実際に自車両が合流又は退出したタイミングを判定する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えばタイミング判定部19が、自車位置特定部12により特定された自車位置情報Pと地図データベース31に記憶された道路ネットワークデータ32から抽出される自車位置周辺の情報とに基づいて、実際に自車両が合流又は退出したタイミングを判定する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
【0072】
(5)上記の実施形態においては、ナビゲーション装置1が通常備えている自車位置特定部12、自車位置補正部13、及び地図データベース31等を利用して、ナビゲーション装置1が通常のナビゲーション機能以外にも合流退出判定機能及び車両制御機能を備えている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、自車位置表示や経路案内等の通常のナビゲーション機能は、本発明においては必ずしも必要な機能ではなく、二本の道路の接続地点における合流又は退出を判定する合流退出判定装置2や、合流退出判定装置2による判定結果に基づいて車両の制御を行なう車両制御装置3にも、本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、二本の道路の接続地点における合流又は退出を判定する合流退出判定装置に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
2 合流退出判定装置
11 画像情報取得部(画像情報取得手段)
12 自車位置特定部(自車位置特定手段)
13 自車位置補正部(自車位置補正手段)
14 画像認識部(画像認識手段)
17 合流退出判定部(合流退出判定手段)
18 予測部(予測手段)
19 タイミング判定部(タイミング判定手段)
20 判定制御部(判定制御手段)
22 マッチング状態取得部(マッチング状態取得手段)
23 推定誤差取得部(推定誤差取得手段)
24 特別制御部(特別制御手段)
31 地図データベース(地図情報記憶手段)
32 道路ネットワークデータ
n ノード
k リンク
N 不感応区間
S 遮断区間
D 遅延区間
E 推定誤差
A 許可閾値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のGPS衛星からのGPS信号に基づく第一自車位置情報と、自車両の移動距離と方位とから取得される走行軌跡に基づく第二自車位置情報と、に基づいて自車位置を特定する自車位置特定手段と、
前記自車位置特定手段により特定された自車位置に基づいて、二本の道路の接続地点における合流又は退出を判定する合流退出判定手段と、
自車両が前記GPS信号を受信可能な感応区間を走行中には前記合流退出判定手段に判定処理を実行させるとともに、前記GPS信号を受信不可能な不感応区間を走行中には前記合流退出判定手段に判定処理を禁止させる判定制御手段と、
自車両が前記不感応区間を走行中であっても、前記第二自車位置情報に関する条件を含む所定の許可条件を満たす場合には、前記合流退出判定手段に判定処理を実行させる特別制御手段と、
を備えた合流退出判定装置。
【請求項2】
交差点に対応する複数のノードと各ノード間を接続する道路に対応する複数のリンクとの接続関係により構成される道路ネットワークデータを記憶した地図情報記憶手段と、
自車両が現実に走行している道路に対応するリンクへのマッチング状態を取得するマッチング状態取得手段と、
前記第二自車位置情報に示される位置と現実の自車位置との間の推定誤差を取得する推定誤差取得手段と、を備え、
前記特別制御手段は、前記マッチング状態と前記推定誤差とに基づいて前記許可条件を満たすか否かを判定する請求項1に記載の合流退出判定装置。
【請求項3】
前記許可条件は、前記マッチング状態取得手段により自車両が現実に走行している道路に対応するリンクが一つのリンクに特定されたマッチング状態が取得され、かつ、前記推定誤差取得手段により取得される前記推定誤差が所定の許可閾値以下である条件である請求項2に記載の合流退出判定装置。
【請求項4】
前記特別制御手段は、前記不感応区間内に前記合流退出判定手段による判定処理を行う地点が複数ある場合において、当該複数の地点のうち互いに隣接する二つの地点間の距離が前記推定誤差未満である場合には、当該二つの地点では前記合流退出判定手段に判定処理を禁止させる請求項2又は3に記載の合流退出判定装置。
【請求項5】
前記自車位置特定手段により特定される自車位置を補正する自車位置補正手段を備え、
前記推定誤差は、前記不感応区間への進入前に最後に前記自車位置が補正された地点からの自車両の移動距離に基づいて決定される請求項2から4のいずれか一項に記載の合流退出判定装置。
【請求項6】
前記自車位置補正手段は、少なくとも、前記自車位置特定手段により特定される自車位置を、前記第一自車位置情報が有する誤差円の中心に位置するように修正することにより前記自車位置を補正する請求項5に記載の合流退出判定装置。
【請求項7】
前記不感応区間は、前記GPS信号が完全に遮断される遮断区間と、前記遮断区間からの退出後に前記GPS信号を受信して第一自車位置情報を取得可能な状態となるまでに必要となる遅延区間と、を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の合流退出判定装置。
【請求項8】
前記合流退出判定手段は、
自車両が二本の道路の接続地点における合流又は退出を行なう可能性がある区間を予測する予測手段と、
前記予測手段により予測された前記区間で、実際に自車両が合流又は退出したタイミングを判定するタイミング判定手段と、
を備えた請求項1から7のいずれか一項に記載の合流退出判定装置。
【請求項9】
自車位置周辺の画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像情報に含まれる地物の画像認識を行う画像認識手段と、を備え、
前記タイミング判定手段は、前記画像認識手段による画像認識結果に基づいて、実際に自車両が合流又は退出したタイミングを判定する請求項8に記載の合流退出判定装置。
【請求項10】
複数のGPS衛星からのGPS信号に基づいて検出される第一自車位置と、自車両の移動距離と進行方位とに基づいて検出される第二自車位置と、に基づいて自車位置を特定する自車位置特定機能と、
前記自車位置特定機能により特定された自車位置に基づいて、本線道路と取付道路との接続地点における合流又は退出を判定する合流退出判定機能と、
自車両が前記GPS信号を受信可能な感応区間を走行中には前記合流退出判定機能を実現させるとともに、前記GPS信号を受信不可能な不感応区間を走行中には前記合流退出判定機能を停止させる判定制御機能と、
自車両が前記不感応区間を走行中であっても、所定の許可条件を満たす場合には、前記合流退出判定機能を実現可能とする特別制御機能と、
をコンピュータに実現させるための合流退出判定プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−190832(P2010−190832A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37763(P2009−37763)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】