説明

周波数変調機能付きクロック生成回路

【課題】良好なスペクトラム拡散効果を有し、ノイズの発生が少なく周辺回路や電子部品の誤動作を低減することができる周波数変調機能付きクロック生成回路を提供する。
【解決手段】クロック生成回路1は、帰還用分周器17を有し、周波数変調されたクロックを出力するPLL回路10と、帰還用分周器17から所定の周波数のみ取り出しPLL回路10に入力するバンドパスフィルタ20と、三角波を生成する三角波生成回路40とを有し、バンドパスフィルタ20は、サイン波生成器としても機能し、所定のタイミングでサイン波を生成して三角波と合成して帰還用分周器17の分周比を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波障害(EMI:electromagnetic interference)を効果的に防止する周波数変調機能付きクロック生成回路(SSCG:spread spectrum clock generator)に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロコンピュータ等の論理LSIに内蔵され動作クロック信号を生成するクロック生成回路として、水晶発振器の発振信号を基準クロックとしてそれを逓倍した高周波数のクロック信号を生成するPLL回路を使用したものがある。このようなPLL回路を使用したクロック生成回路を内蔵したLSIでは、クロックの高周波数化に伴って発振回路からの放射ノイズによりコンピュータ本体や、周辺回路、外部機器等の誤動作を誘発するおそれがある。このような事態への対策として、PLL回路にスペクトラム拡散機能を設けてクロック信号の周波数をわずかに変動させるSSCGと呼ばれるクロック生成用ICが提供されている。クロック信号の周波数スペクトラムのピーク値を下げるため、放射雑音を低減することができる。
【0003】
一般的なSSCG回路においては、一定の周期Tで発振周波数を変化させているため、その周波数成分によっては、多数の小ピークが生じ、特定周波数の放射ノイズのピーク値が大きくなったり、システムで使用されている他のクロック信号との配線間複合ノイズ等によりEMI(電磁干渉)ノイズが増大したりして、周辺回路や電子部品の誤動作を招くおそれがある。
【0004】
そこで、特許文献1には、良好なスペクトラム拡散効果を有しノイズの発生が少なく周辺回路や電子部品の誤動作を減少させることを目的とした半導体集積回路が開示されている。図10は、特許文献1に記載の半導体集積回路である。図10において、P1〜P3は該半導体チップに設けられた外部端子(電極パッド)であり、このうちP1,P2は水晶振動子等の振動子101が接続される端子、P3は生成されたクロックφ0が出力される端子である。
【0005】
クロック生成回路110は、振動子101が接続される端子P1,P2に結合され振動子101にバイアス電圧を与えて該振動子の固有振動数に応じた周波数で変化する発振信号を出力する発振回路111、該発振回路111の出力をM分周する固定分周回路112、該固定分周回路112の分周信号とフィードバック信号との位相差を検出する位相比較回路113、位相差に応じた電流を出力するチャージポンプ114、チャージポンプ114の出力を平滑するループフィルタ115、平滑電圧に応じた周波数で発振する電圧制御発振回路(VCO)116、VCOの出力をN分周して前記位相比較器113へフィードバックする分周回路117からなるPLL回路により構成されている。118はVCOの発振出力をバッファリングして生成クロックφ0として外部端子P4よりチップ外部へ出力するバッファである。
【0006】
このクロック生成回路110には、さらに、分周回路117で分周された信号を各々所定の値までアップダウン計数するカウンタ回路121A、121Bと、前記分周回路117の分周比Nに対して与える所定の変動量ΔNまたは−ΔNを生成する変動量付与回路122と、所定の分周比(初期値)Nに対して前記変動量付与回路122から供給される変動量ΔNまたは−ΔNを加算したものを現在の分周比として前記分周回路117へ与える加算回路123と、前記可変分周回路121Aまたは121Bの計数値を入力とし該入力の状態に応じて信号を出力する論理回路124と、分周回路117で分周された信号をカウンタ回路121Aまたは121Bのいずれに供給するか切り替えるための切替えスイッチ125と、可変分周回路121Aまたは121Bのいずれの計数値を論理回路124へ入力させるか選択するためのセレクタ126が設けられている。
【0007】
変動量付与回路122は、ΔNと−ΔNに対応する所定のバイナリコードを生成する回路と生成されたコードΔNまたは−ΔNのうちいずれの値を出力するか選択するスイッチもしくはセレクタとから構成されるもので、コードを生成する回路にはレジスタもしくはROM(リードオンリメモリ)を用いることもできる。論理回路124は、分周比Nに対して前記変調振幅調整回路122から出力される変動量ΔNまたは−ΔNを加算するタイミングを加算回路123へ与える信号を出力する回路として動作するもので、デコーダ回路もしくはROMあるいは入力によって出力が一義的に決まる組み合わせ回路のようなランダムロジックにより構成することができる。デコーダ回路を用いる場合には、複数の入力信号の組み合わせに対して1つだけ出力がハイレベルもしくはロウレベルになる単位デコーダを複数個用いて構成することができる。
【0008】
切替えスイッチ125は、カウンタ回路121A、121Bからのカウント終了信号CE1、CE2により制御され、カウンタ回路121Aが所定数までカウントアップして再び"0"までカウントダウンする計数動作を2回繰り返すと、分周回路117で分周された信号をカウンタ回路121Bへ供給するように切り替えられる。また、カウンタ回路121Bが所定数までカウントアップして再び"0"までカウントダウンする計数動作を2回繰り返すと、分周回路117で分周された信号をカウンタ回路121Aへ供給するように切り替えられる。
【0009】
これにより、変調周期TAと変調周期TBが2回ずつ交互に繰り返されるように動作する。さらに、このカウンタ回路121A、121Bの動作期間に応じてセレクタ126の切替えが行なわれる。一方、変動量付与回路122において変動量ΔNまたは−ΔNのいずれを出力するかの選択は、カウンタ回路121A、121Bから出力されるカウント終了信号CE1、CE2によって、毎回交互に行なわれるように構成されている。
【0010】
また、特許文献2には、PLL回路と変調器とを用いて、PLL回路における帰還用分周器の分周比を変調器の変調プロファイルを基に生成された変調データに従って変化させて周波数変調を施してスペクトラム拡散を行う際に、変調プロファイルの折り返しポイントを移動させて周波数頻度を分散させて拡散スペクトラムを再拡散させるクロック生成回路が開示されている。このクロック生成回路は、PLL回路と変調器からなり、変調器に多重変調プロファイル生成回路を設けて、変調プロファイルの折り返しポイントを移動させ、周波数頻度を分散させることにより拡散スペクトラムを再拡散させるものである。
【0011】
さらに、特許文献3には、高速動作メモリを用いる場合であっても拡散スペクトル・クロック信号を用いて、EMIを効果的に低減することができるクロック発生装置が開示されている。
【0012】
さらにまた、特許文献4には、簡単な構成で良好なスペクトラム拡散を行うことを目的としたスペクトラム拡散クロック発生回路が開示されている。このクロック発生回路は、基準クロックと生成クロックの位相差を検出する周波数位相比較器と、検出した位相差に応じて充放電信号を発生するチャージポンプと、充放電信号に応じた差信号を発生するループフィルタと、差信号を変調してスペクトラム拡散変調信号を生成するスペクトラム拡散変調回路と、スペクトラム拡散信号に応じた周波数のクロックを発生するクロック発生器とを備えるスペクトラム拡散クロック発生回路において、スペクトラム拡散変調回路は、振幅が複数の異なる振幅に変化するスペクトラム拡散変調信号を生成する。
【特許文献1】特開2006−211479号公報
【特許文献2】特開2006−197308号公報
【特許文献3】特開2006−333174号公報
【特許文献4】特開2004−208037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、SSCGのフィードバック機構に複数のカウンタを設けなければならず、回路規模が増大する。また、フィードバック機構における周波数の時間に対する変動が直線的になるため、雑音が発生する可能性がある。
【0014】
また、特許文献1乃至4の技術においては、図11の生成クロックのスペクトラム分布に示すように、低周波数側の端部又は高周波数側の端部においてピークが生じ、このため特定周波数の放射ノイズのピーク値が大きくなったり、システムで使用されている他のクロック信号との配線間複合ノイズ等によりEMI(電磁干渉)ノイズが増大したりして、周辺回路や電子部品の誤動作を招くおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る周波数変調機能付きクロック生成回路は帰還用分周器を有し、周波数変調されたクロックを出力するPLL回路と、前記帰還用分周器から所定の周波数のみ取り出し前記PLL回路に入力するバンドパスフィルタと、所定の周期を有する第1の周期波を生成する第1の波形生成回路とを有し、前記バンドパスフィルタは、所定の周期を有する第2の周期波生成器としても機能し、所定のタイミングで第2の周期波を生成して前記第1の周期波と合成して前記帰還用分周器の分周比を変動させるものである。
【0016】
本発明においては、バンドパスフィルタにより帰還用分周器から所定の周波数のみを取り出すと共に、第2の周期波を第1の周期波に合成して分周器を変化させることにより、クロックのスペクトラム特性をより均一なものとすることができる。さらに、バンドパスフィルタと第2の周期波生成器を共有しているので回路規模の増大を最小限に抑えることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、良好なスペクトラム拡散効果を有し、ノイズの発生が少なく周辺回路や電子部品の誤動作を低減することができる周波数変調機能付きクロック生成回路を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかる周波数変調機能付きクロック生成回路を示す図である。本実施の形態にかかる周波数変調機能付きクロック生成回路1は、特に制限されるものでないが、単結晶シリコンのような1個の半導体チップに半導体集積回路として形成されている。
【0019】
本実施の形態にかかるクロック生成回路1は、帰還用分周器17を有し、周波数変調されたクロックを出力するPLL回路10と、帰還用分周器17から所定の周波数のみ取り出しPLL回路10に入力するバンドパスフィルタ20と、所定の周期を有する第1の周期波として三角波を生成する三角波生成回路40とを有する。バンドパスフィルタ20は、所定の周期を有する第2の周期波としてサイン波を生成するサイン波生成器としても機能し、所定のタイミングでサイン波を生成して三角波と合成して帰還用分周器17の分周比を変化させる。
【0020】
PLL回路10は、発振回路11、M分周器(固定分周回路)12、位相比較器13、チャージポンプ14、ループフィルタ15、電圧制御発振回路(VCO)116、帰還用分周器(N分周器)17を有する。なお、18はVCO16の発振出力をバッファリングして生成クロックφ0として外部端子よりチップ外部へ出力するバッファである。
【0021】
発振回路11には、振動子101が接続され、該振動子の固有振動数に応じた周波数で変化する発振信号を出力する。M分周器12は、発振回路11の出力をM分周する。位相比較器13は、M分周器12の分周信号とフィードバック信号(前記発振信号に応じた帰還信号)との位相差を検出する。チャージポンプ14は、位相比較器から出力される位相差信号のパルス幅に応じたアナログ信号(電流)を出力する。ループフィルタ15は、チャージポンプ回路から出力されるアナログ信号を平滑化し、周波数制御信号を出力する。電圧制御発振回路(VCO)16は、平滑電圧(周波数制御信号)に応じた周波数の発振信号を出力する。帰還用分周器17は、VCO16の出力をN分周して位相比較器13へフィードバックする。
【0022】
図2(a)は、帰還用分周器17の入力、図2(b)は、帰還用分周器17の出力を示す図である。図3は、変調しない場合の生成クロックのスペクトラム分布を示す特性図である。図4は、変調後、すなわち帰還用分周器17の出力のスペクトラム分布を示す特性図である。図5は、バンドパスフィルタ20の出力を示す模式図である。図6は、サイン波生成器により生成されたサイン波を示す模式図、図7は、三角波生成回路40により生成された三角波を示す模式図である。
【0023】
本クロック生成回路1では、図2に示すように、1クロックのうち所定の期間は、バンドパスフィルタ20をバンドパスフィルタとして機能させ、所定の期間は、サイン波生成器として機能させる。スイッチ52は、例えば図2に示すようなタイミングでスイッチを切り替える。スイッチ52が、帰還用分周器17の出力に接続されている場合は、バンドパスフィルタ20は、サイン波生成器として機能する。生成されたサイン波は、加算器54にて三角波と合成され、帰還用分周器17の変調周期と分周比Nの切り替えが行われる。なお、セレクタ55はリセットする際に"0"を入力するものであり、レジスタ53は、加算器54の値を一旦ラッチするものである。三角波にサイン波を重畳して変調させることにより、従来生じていたピークの山の部分の小ピークをよりなだらかにすることができる。
【0024】
一方、スイッチ52がバンドパスフィルタ20の出力に接続される場合は、バンドパスフィルタ20は、図5に示すように所定の周波数成分のみを通過させるよう機能する。これにより、スペクトラム特性の一点破線Aで示す低周波数側の端部、高周波数側の端部においてピークがするどくなることがあるが、これらの部分を取り除くことができる。すなわち、図11に示すように、バンドパスフィルタの処理により、高い周波数を下げ、低い周波数を上げることができる。
【0025】
次に、各回路についてさらに詳細に説明する。図8は、N分周器の出力例を示す図である。帰還用分周器17は、加算器54の出力に応じて原クロックを1/2、1/3、1/4などにして出力する。
【0026】
図9は、スイッチ動作区間及びサイン波処理区間を示すタイミング図である。図9(a)の出力がOutputから出力されている場合であって、N=4の場合に、例えば図に示す区間T2(クロックのハイの期間)では、バンドパスフィルタ20をサイン波生成器として機能させサイン波を生成し、区間T1(クロックのロウの期間)ではバンドパスフィルタとして機能させる。本例では、スイッチ52を切り替えて、クロックの周波数を変化させ、バンドパスフィルタとして機能する区間とサイン波を生成する区間とを切り替えている。この場合、ロウの期間は、スイッチを左側に接続して回路20をバンドパスフィルタとして機能させ、ハイの期間はスイッチを右側に接続して回路20をサイン波生成器として機能させている。ここで、本例においては、所定の区間T1はバンドパスフィルタ、区間T2はサイン波生成器として機能させるものとして説明したが、最も好ましくは、三角波のピークP1、P2近傍では、バンドパスフィルタとして機能させ、それ以外の三角波の斜面においてはサイン波を形成するようにする。こうすることで、最も効率よく図11に示す高周波側のクロックを低周波側へ下げ、低周波側のクロックを高周波側へ上げることができる。
【0027】
バンドパスフィルタ20は、レジスタ21、26、28〜28、加算器22、23〜23、セレクタ24、25、27〜27を有する。加算器23〜23には、バンドパスフィルタとして機能する場合には、係数A乃至Gが入力される。加算器23、セレクタ27、レジスタ28はいくつであってもよい。セレクタ27は、前段のレジスタ26の出力、レジスタ28の出力、0、又は1を選択して出力する。レジスタ28は、セレクタ27から入力される0又は1を保持する。バンドパスフィルタ20は、発振回路11又はVCO16の出力をベースクロックとして動作する。加算器22の出力が下記数式を満たすよう、セレクタ27〜27は、適宜データを選択する。
【0028】
バンドパスフィルタ20は、サイン波を生成する場合には、
sinx=x−x^3/3!+x^5/5!−x^7/7!=Gx+Ex^3+Cx^5+Ax^7
を計算して出力する。すなわち、レジスタ26からxが入力され、加算器23にてA×xが演算される。次のサイクルで、Ax+Bが演算され、次のサイクルで(Ax+B)x+cが演算され、次のサイクルで、(Ax^2+Bx+C)x+Dが演算され、順に、
(Ax^3+Bx^2+Cx+D)x+E
(Ax^4+Bx^3+Cx^2+Dx+E)x+F
(Ax^5+Bx^4+Cx^3+Dx^2+Ex+F)x+G
(Ax^6+Bx^5+Cx^4+Dx^3+Ex^2+Fx+G)x+H
=Ax^7+Bx^6+Cx^5+Dx^4+Ex^3+Fx^2+Gx+H
ここで、サイン波生成器の場合、B=D=F=H=0であり、
sinx=Ax^7+Cx^5+Ex^3+Gx
となる。
【0029】
このバンドパスフィルタは、入力ディジタル波に対し、周波数f(Hz)を計測し、あるきまった値を有する周波数fH(Hz)よりfが高い場合に、周波数f−Δにシフトダウンしたディジタル波を出力する。また、同様に入力周波数f(Hz)を計測した結果ある決まった周波数fL(Hz)より低い周波数の場合に、同じΔを使用し、高い周波数f+Δ(Hz)にシフトアップしたディジタル波を出力する。このように、出力周波数をある幅を有する箇所(センター寄り)に移行させる動作を行う。
【0030】
三角波生成回路40は、カウンタ41、カウンタ値切り替え回路42を有する。カウンタ値切り替え回路42は、ディテクタ43〜43(lは整数)と、レジスタ44を有する。ディテクタは、各ディテクタによりカウンタ値を検出し、カウンタの出力値を調整している。ディテクタを選択するスイッチは、上位の制御部により制御される。この三角波生成回路40は、発振回路11からのクロック又はバンドパスフィルタ20の出力のいずれかをカウントすることで、三角波を生成する。
【0031】
本実施の形態においては、バンドパスフィルタにより、高周波側のクロックと低周波側のクロックを取り除くことで、スペクトラム特性をより均一なものとする。さらに、三角波にサイン波を重畳することにより、周波数の変動をより滑らかになるようにする。そして、バンドパスフィルタの機能とサイン波重畳とを時分割で切り替えることにより、スペクトラム拡散をより均一なものとすることができる。さらに、バンドパスフィルタと三角波生成器を回路20で共有することで、回路規模増大を最小限に留めることができる。
【0032】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、本実施の形体においては、第1の周期波を三角波、第2の周期波をサイン波として説明したが、三角波は、所定の周期を有する波形であれば、三角波でなくてもよい。また、サイン波でなく、例えばコサイン波などでもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態にかかる周波数変調機能付きクロック生成回路を示す図である。
【図2】(a)は、帰還用分周器17の入力、(b)は、帰還用分周器17の出力を示す図である。
【図3】変調しない場合の生成クロックのスペクトラム分布を示す特性図である。
【図4】帰還用分周器17の出力のスペクトラム分布を示す特性図である。
【図5】バンドパスフィルタ20の出力を示す模式図である。
【図6】サイン波生成器により生成されたサイン波を示す模式図、
【図7】三角波生成回路40により生成された三角波を示す模式図である。
【図8】N分周器の出力例を示す図である。
【図9】スイッチ動作区間及びサイン波処理区間を示すタイミング図である。
【図10】特許文献1に記載の半導体集積回路である。
【図11】従来の生成クロックのスペクトラム分布を示す図である。1 クロック生成回路10 PLL回路11 発振回路12 M分周器13 位相比較器14 チャージポンプ15 ループフィルタ17 帰還用分周器20 バンドパスフィルタ21、26、28〜28、44、53 レジスタ22、23、54 加算器24、25、27〜27、55 セレクタ40 三角波生成回路41 カウンタ42 カウンタ値切り替え回路52 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帰還用分周器を有し、周波数変調されたクロックを出力するPLL回路と、
前記帰還用分周器から所定の周波数のみ取り出し前記PLL回路に入力するバンドパスフィルタと、
所定の周期を有する第1の周期波を生成する第1の波形生成回路とを有し、
前記バンドパスフィルタは、所定の周期を有する第2の周期波生成器としても機能し、所定のタイミングで第2の周期波を生成して前記第1の周期波と合成して前記帰還用分周器の分周比を変動させる周波数変調機能付きクロック生成回路。
【請求項2】
前記第1の周期波のピーク近傍では、前記バンドパスフィルタとして機能させ、それ以外のタイミングでは、前記第2の周期波生成器として機能させる
ことを特徴とする請求項1記載の周波数変調機能付きクロック生成回路。
【請求項3】
前記バンドパスフィルタとしての機能と前記第2の周期波生成器としての機能を所定の割合で切り替える
ことを特徴とする請求項1記載の周波数変調機能付きクロック生成回路。
【請求項4】
前記PLL回路は、
制御電圧に応じた周波数の発振信号を出力する電圧制御発振器と、
基準信号と前記発振信号に応じた帰還信号との間の位相差を表す位相差信号を出力する位相比較器と、
前記位相比較器から出力される位相差信号のパルス幅に応じたアナログ信号を出力するチャージポンプ回路と、
前記チャージポンプ回路から出力されるアナログ信号を平滑化し、周波数制御信号を出力するループフィルタと、
前記ループフィルタから出力される前記周波数制御信号に応じた発振周波数特性のクロック信号を出力する電圧制御発振器と、
前記電圧制御発信器の出力をN(Nは整数)分割して出力する前記帰還用分周器とを有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の周波数変調機能付クロック生成回路。
【請求項5】
帰還用分周器を有し、周波数変調されたクロックを出力するPLL回路と、
前記帰還用分周器から所定の周波数のみ取り出し前記PLL回路に入力するバンドパスフィルタと、
所定の周期を有する第1の周期波を生成する第1の波形生成回路と、
前記帰還用分周器の出力から所定の周期を有する第2の周期波を生成する第2の波形生成器と、
前記第1の波形と前記第2の波形と合成する加算器とを有し、
前記帰還用分周器は、前記加算器の出力に基づき分周比を変化させる周波数変調機能付きクロック生成回路。
【請求項6】
前記第1の周期波は、三角波である
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の周波数変調機能付きクロック生成回路。
【請求項7】
前記第2の周期波は、サイン波又はコサイン波である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の周波数変調機能付きクロック発生回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−290733(P2009−290733A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143181(P2008−143181)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】