周辺表示装置
【課題】自動車などの移動体において周辺の俯瞰画像を表示する場合に、オクルージョン領域の存在を考慮した表示を可能とする周辺表示装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置10は、画像データを取り込む画像取得部11と、画像データに基づいて3次元情報を計測する3次元情報計測部12と、画像データの視点位置を変更した視点位置変更画像を作成する視点位置変更画像生成部14と、3次元情報計測部12で計測された3次元情報に基づいて、視点位置変更画像上の3次元情報から障害物のある領域と推定される障害物領域を判定するとともに、その周辺で3次元情報を取得不能な領域を危険領域と判定する危険領域判定部13と、危険領域判定部13での判定結果に基づいて、視点位置変更画像上の危険領域等にマーキングを行う重畳情報画像生成部15と、視点位置変更画像を合成する視点位置変更画像合成部16とを備えている。
【解決手段】画像処理装置10は、画像データを取り込む画像取得部11と、画像データに基づいて3次元情報を計測する3次元情報計測部12と、画像データの視点位置を変更した視点位置変更画像を作成する視点位置変更画像生成部14と、3次元情報計測部12で計測された3次元情報に基づいて、視点位置変更画像上の3次元情報から障害物のある領域と推定される障害物領域を判定するとともに、その周辺で3次元情報を取得不能な領域を危険領域と判定する危険領域判定部13と、危険領域判定部13での判定結果に基づいて、視点位置変更画像上の危険領域等にマーキングを行う重畳情報画像生成部15と、視点位置変更画像を合成する視点位置変更画像合成部16とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は周辺表示装置に関し、特に、自走可能な移動体の周辺状況を俯瞰的に表示する周辺表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の撮像手段によって車両周辺の画像を個々に撮像し、それぞれの画像を視点変換して路面を投影面とする複数の俯瞰画像を作成し、当該複数の俯瞰画像を車両周辺に並べるように合成することで、自車両周辺の俯瞰画像を得る種々の技術が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、俯瞰画像上で物体検出処理を施し、検出された物体が車両だった場合は、疑似車両を俯瞰画像上に描画することで視認性の向上を図る技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、ステレオカメラで計測された3次元情報を用いて物体の高さ情報を考慮した疑似画像(高さ方向に圧縮した画像)を含んだ俯瞰画像を作成することで視認性の向上を図る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−309844号公報
【特許文献2】特開2006−333009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した何れの特許文献においても、物体の画像をより自然な画像に近づけることはできるものの、当該物体の背後の見えない領域(オクルージョン領域)に物が存在している場合でも、その前の物体しか表示されないので背後の物体を認識することができないという問題を有していた。
【0007】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、自動車などの自走可能な移動体において周辺の俯瞰画像を表示する場合に、オクルージョン領域の存在を考慮した表示を可能とする周辺表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る周辺表示装置の第1の態様は、自走可能な移動体における周辺の画像データを取得する画像取得部と、前記画像データに基づいて3次元情報を計測する3次元情報計測部と、前記画像データの視点位置を、前記移動体の上方から俯瞰する位置に変更した視点位置変更画像を作成する視点位置変更画像生成部と、前記3次元情報に基づいて、前記視点位置変更画像上の障害物のある領域と推定される障害物領域を特定するとともに、前記障害物領域の周辺で前記3次元情報を取得不能な領域を危険領域として判定する危険領域判定部と、を備え、前記危険領域判定部での判定結果を受け、前記障害物領域および前記危険領域が存在する場合には警告を与える。
【0009】
本発明に係る周辺表示装置の第2の態様は、前記画像データは、ステレオカメラによって取得され、前記画像取得部は、前記ステレオカメラで得られた2つの画像の特徴点を相互に対応付けし、その結果得られた視差から画像上の各点の3次元位置を算出することで3次元情報を取得し、前記危険領域判定部は、前記3次元情報に含まれる視差情報と、予め保持している路面の画像についての視差情報をテーブル化した視差テーブルとを比較することで、前記障害物領域を特定し、前記障害物領域の背後の、前記3次元情報を取得不能で視差を計測不可能な領域を前記危険領域として判定する。
【0010】
本発明に係る周辺表示装置の第3の態様は、前記視差テーブルは、前記路面の画像を更新することで随時更新される。
【0011】
本発明に係る周辺表示装置の第4の態様は、前記危険領域判定部が、前記3次元情報に基づいて得られる3次元空間上の計測点を路面と想定される平面にマッピングした場合に、前記計測点が疎らな領域を前記危険領域として判定し、前記危険領域の近傍であって前記計測点が密集する領域を前記障害物領域として判定する。
【0012】
本発明に係る周辺表示装置の第5の態様は、前記危険領域判定部が、予め取得した前記路面の画像についての前記計測点のマッピングの分布状態との比較により前記計測点の粗密を判定する。
【0013】
本発明に係る周辺表示装置の第6の態様は、自走可能な移動体における周辺の画像データを取得する画像取得部と、前記画像データに基づいて3次元情報を計測する3次元情報計測部と、前記画像データの視点位置を、前記移動体の上方から俯瞰する位置に変更した視点位置変更画像を作成する視点位置変更画像生成部と、前記画像データに基づいて障害物を特定するとともに、前記視点位置変更画像における前記障害物の位置に基づいて危険領域を判定する危険領域判定部と、を備え、前記危険領域判定部での判定結果を受け、前記障害物領域および前記危険領域が存在する場合には警告を与える。
【0014】
本発明に係る周辺表示装置の第7の態様は、前記危険領域判定部が、前記視点位置変更画像における前記障害物の存在する位置でのオクルージョン領域を前記障害物領域として判定する。
【0015】
本発明に係る周辺表示装置の第8の態様は、前記オクルージョン領域は、前記画像データを取得したカメラの画角と前記障害物の位置との関係に基づいて定められる。
【0016】
本発明に係る周辺表示装置の第9の態様は、前記危険領域判定部での判定結果に基づいて、前記視点位置変更画像上の前記危険領域にマーキング画像を重畳する重畳情報画像生成部を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る周辺表示装置の第1の態様によれば、自動車などの自走可能な移動体において、周辺の俯瞰画像を表示する場合に、例えばオクルージョン領域などの危険領域を判定して警告を与えることが可能となり、有効な危険回避が可能となる。
【0018】
本発明に係る周辺表示装置の第2の態様によれば、3次元情報に含まれる視差情報を用いて障害物領域を特定し、障害物領域の背後の、3次元情報を取得不能で視差を計測不可能な領域を危険領域として判定するので、比較的容易に障害物領域および危険領域の特定を行うことができる。
【0019】
本発明に係る周辺表示装置の第3の態様によれば、視差テーブルは、路面の画像を更新することで随時更新するので、路面の状態が変わる場合に対応することができる。
【0020】
本発明に係る周辺表示装置の第4および題5の態様によれば、3次元上の計測点の粗密状態を判定基準として用いることで、正確な物体検出処理を必要とせずに障害物領域および危険領域を特定することができる。
【0021】
本発明に係る周辺表示装置の第6ないし第8の態様によれば、自動車などの自走可能な移動体において、周辺の俯瞰画像を表示する場合に、画像データに基づいて障害物を特定することができれば危険領域の判定は比較的容易に行うことができ、例えばオクルージョン領域などの危険領域を判定して警告を与えることが可能となり、有効な危険回避が可能となる。
【0022】
本発明に係る周辺表示装置の第9の態様によれば、危険領域の視覚化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ステレオカメラの配置例を示す図である。
【図2】本発明に係る周辺表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】対応点探索の概念を説明する図である。
【図4】ステレオカメラが、障害物のない路面を撮影する状態を模式的に示す図である。
【図5】路面の2次元画像に計測点を重ねて示した図である。
【図6】視差テーブルと障害物のない路面の計測視差との関係を示す図である。
【図7】ステレオカメラが、障害物のある路面を撮影する状態を模式的に示す図である。
【図8】視差テーブルと障害物のある路面の計測視差との関係を示す図である。
【図9】車両の上方から見た俯瞰図である。
【図10】視差と計測点の個数(度数)との関係をヒストグラムで表す図である。
【図11】視差と計測点の個数(度数)との関係をヒストグラムで表す図である。
【図12】路面上に障害物がない場合の計測点を俯瞰画像上にマッピングした図である。
【図13】路面上に障害物がある場合の計測点を俯瞰画像上にマッピングした図である。
【図14】ステレオカメラが、窪みのある路面を撮影する状態を模式的に示す図である。
【図15】路面上に窪みがある場合の計測点を俯瞰画像上にマッピングした図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施の形態>
<装置構成>
図1は、本発明に係る周辺表示装置を搭載した車両VCにおけるステレオカメラの配置例を示す図である。
【0025】
図1において、車両VCには、前方、左右および後方の画像を取得する4台のステレオカメラと、左斜め前方、左斜め後方、右斜め前方および右斜め後方の画像を取得する4台のステレオカメラとが搭載されている。
【0026】
すなわち、前方の画像を取得するステレオカメラSC1、前方に対して左側の画像を取得するステレオカメラSC2、後方の画像を取得するステレオカメラSC3および前方に対して右側の画像を取得するステレオカメラSC4と、左斜め前方の画像を取得するステレオカメラSC5、左斜め後方の画像を取得するステレオカメラSC6、右斜め後方の画像を取得するステレオカメラSC7および左斜め前方の画像を取得するステレオカメラSC8を備えている。また、図1では、ステレオカメラSC1〜SC8のそれぞれでの画角内領域を領域R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8で示し、監視範囲を実線で示している。
【0027】
また、図1では、ステレオカメラSC1〜SC8のそれぞれに含まれる2台のカメラを、例えばステレオカメラSC1についてはカメラ1a、1bとして表している。
【0028】
このようなシステムを用いることで、自車両の周辺の画像データを取得し、それを視点を変えて自車両の上方から見た俯瞰図に変更することが可能となるが、以下の説明では、ステレオカメラSC1で取得した前方画像を使用する場合を例に採って説明する。
【0029】
なお、各カメラの実際の配置位置は車種によって異なるが、例えば、ステレオカメラSC1はルームミラーの位置に配置され、ステレオカメラSC2およびSC4は、それぞれ、左右のサイドミラーの位置に配置され、ステレオカメラSC4は、リヤバンパーの位置に、ステレオカメラSC5〜SC8は、何れも車両VCの四隅のバンパーの位置などに配置される。なお、上記配置は一例であり、ステレオカメラの配置はこれに限定されるものではない。
【0030】
図2は、本発明に係る周辺表示装置100の構成を示すブロック図である。図2に示すように周辺表示装置100は、ステレオカメラSC1〜SC8と、ステレオカメラSC1〜SC8で得られた画像データの画像処理を行う画像処理装置10と、画像処理装置10から出力される処理済みの画像データを表示する表示部20とを主たる構成として備えている。
【0031】
画像処理装置10は、ステレオカメラSC1〜SC8で得られた画像データを取り込む画像取得部11と、画像取得部11で取得した画像データに基づいて3次元情報を計測する3次元情報計測部12と、画像取得部11で取得した画像データの視点位置を変更した視点位置変更画像を作成する視点位置変更画像生成部14と、3次元情報計測部12で計測された3次元情報に基づいて、視点位置変更画像上の3次元情報から障害物のある領域と推定される障害物領域を判定するとともに、その周辺で3次元情報を取得不能な領域を危険領域と判定する危険領域判定部13と、危険領域判定部13での判定結果に基づいて、視点位置変更画像上の危険領域等にマーキングを行う重畳情報画像生成部15と、各ステレオカメラSC1〜SC8のそれぞれの画角内領域R1〜R8に対応して得られた視点位置変更画像を合成して、車両VC周辺の俯瞰画像を得る視点位置変更画像合成部16とを備えている。以下、各部についての説明を行う。
【0032】
<画像取得部1>
ステレオカメラは、2台のカメラで異なる視点から同時に撮影を行うことができ、画像取得部1では、各カメラで得られた画像データを画素単位で取り込む。
【0033】
<3次元情報計測部12>
3次元情報計測部12では、ステレオカメラの、2台のカメラでそれぞれ得られた2つの画像の特徴点について相互に対応付けを行う。これは、対応点探索と呼称され、従来的な手法である。
【0034】
図3は、対応点探索の概念を説明する図であり、ステレオカメラの2台のカメラで撮像された画像の一方を基準画像Gaとし、他方を参照画像Gbとして表している。そして、参照画像Gb上での対応画素(対応点)Wbを探索するための基準画像Ga上で指定される画素をWaとして設定している。
【0035】
画素Waの座標が(x,y)で表され、画素Wbの座標が(x’,y’)で表されるならば、両画素の視差dは、x−x’で算出される。
【0036】
なお、対応点探索においては、画像間から勾配法(gradient-based method)により算出する方法や、SAD(Sum of Absolute Difference)法と呼ばれる方法が知られている。この方法は、ステレオカメラのように異なる視点から撮影した2つの画像のうち、一方の画像である基準画像上の注目点に対して、この注目点を内包するようなウィンドウを設定するとともに、他方の画像である参照画像上にも同サイズのウィンドウを複数設定し、基準画像上のウィンドウと、参照画像上の各ウィンドウ間で相関値を算出して、最も相関値が高い参照画像上のウィンドウを探索し、そのウィンドウの重心位置を注目点の対応点として求める方法である。
【0037】
また、位相限定相関法(POC法)を用いた方法もある。この方法は、基準画像上のピクセルレベルの注目点 に対応する参照画像上のピクセルレベルの対応点を算出した後に、注目点に対する対応点のサブピクセルレベルのずれ量を求めるものであり、高精度な対応付けが可能となる。
【0038】
そして、算出された対応点に対して、平行化、歪補正、3次元再構成の処理を行うことで3次元情報を取得する。
【0039】
<危険領域判定部13>
危険領域判定部13では、3次元情報計測部12から提供される3次元情報に基づいて、障害物領域を判定するとともに危険領域を判定するが、危険領域の判定方法には以下の2通りの方法がある。
【0040】
<危険領域の判定方法1>
3次元情報計測部12から提供される3次元情報には、ステレオカメラで撮像された画像の視差情報が含まれており、これと、予め保持している路面の画像についての視差情報をテーブル化した視差テーブルとを比較することで、まず障害物領域を特定する。以下、図4〜図9を用いて具体的に説明する。
【0041】
図4は、車両VCの進行方向(z方向)の前方を撮影するステレオカメラSC1が、路面を撮影する状態を模式的に示しており、ステレオカメラSC1の画角内領域R1において対応点探索を行う計測点M1を模式的に示している。
【0042】
図5は、路面の2次元画像に計測点M1を重ねて示した図であり、図においてx方向が路面を横断する方向であり、z方向が路面の延在する方向である。計測点M1は、図の手前側ほど多く、遠くになるほど少なくなっている。図6では、路面上に障害物は存在しておらず、視差テーブルと路面の画像についての視差情報(実際の計測視差)とが一致している状態を表している。
【0043】
図6は、視差テーブルと実際の計測視差との関係を示す図であり、路面の2次元画像における計測点M1をz方向のレベルごとに階層分けして示している。ここで、視差テーブルにおいて、最下層での視差を基準視差αとすると、次のレベルでの視差は基準視差αよりも数値aの分だけ小さくなった値(α−a)として表される。さらに、次のレベルでの視差は基準視差αよりも数値bの分だけ小さくなった値(α−b)で表され、さらに、次のレベルでの視差は基準視差αよりも数値cの分だけ小さくなった値(α−c)で表される。ここで、数値a〜cの大小関係は、数値aが最も小さく、数値cが最も大きく(c>b>a)、カメラから遠いほど視差が小さくなることを表している。
【0044】
視差テーブルは、路面上に障害物が存在しない状態で撮影した路面の画像から取得したものであるので、路面上に障害物が存在しない場合は、実際の計測視差d(i,j)と視差テーブルの視差とは一致し、最下層ではd(i,j)=α、 次のレベルではd(i,j)=α−a、さらに次のレベルではd(i,j)=α−b、さらに次のレベルではd(i,j)=α−cとなる。ここで、iは画像横方向(x方向)の指定位置を表し、jは画像縦方向(z方向)の指定位置を表す。
【0045】
図7は、路面上に障害物がある場合に、ステレオカメラSC1が、路面を撮影する状態を模式的に示しており、路面上の計測点M1と、障害物OB上の計測点M2とが模式的に示されている。
【0046】
図7に示されるように、路面上に障害物OBが存在する場合、障害物OBの表面に計測点M2が設定される一方で、障害物OBの背後の路面上には、計測点M1が設定されないこととなる。
【0047】
図8は、路面上に障害物OBが存在する場合の視差テーブルと実際の計測視差との関係を示す図であり、障害物OBは枠線で囲まれた領域として示されている。
【0048】
障害物OBが図7に示すような立方体である場合、車両VCに対面する表面に計測点M2が設定され、その表面の位置は、路面の2次元画像における各計測点レベルの何れかに存在することとなる。その表面は、図8ではα−aのレベルに存在するので、計測点M2の視差はどこの値であってもα−aとなる。
【0049】
従って、障害物OBが存在することで、実際の計測視差d(i,j)と視差テーブルの視差とが一致しない領域が現れることとなる。従って、実際の計測視差d(i,j)と視差テーブルの視差とが一致しない領域が確認された場合、各計測点の座標(i,j)から、当該領域のx方向の長さと、x方向における位置を取得し、当該x方向の長さと位置の情報を、車両VCに対面する表面が存在するレベル、ここでは視差α−aのレベルに当てはめることで障害物領域を特定する。
【0050】
障害物領域の背後には、ステレオカメラSC1の画角によって決まる、視差を計測不可能な未計測領域が存在することとなり、当該領域は障害物領域ORに隠れて見えない危険領域DRと判断する。
【0051】
図9は、車両VCの上方から見た3次元の俯瞰図の一例であり、車両VCの前方に、上述した方法で求めた障害物領域ORが示され、その背後には、障害物領域ORに隠れて見えない危険領域DRが示されている。
【0052】
図9は、図5に示された路面の2次元画像の視点変換を行って作成されるものであり、視点変換を行った結果、計測点M1は、車両VCから離れるほど間隔が広くなり、危険領域DRは台形状に広がった領域として表されている。
【0053】
このように、実際の計測視差d(i,j)と視差テーブルの視差との比較を行うことで、容易に障害物領域を特定することができ、障害物領域を特定した後は、ステレオカメラの画角によって決まる、視差を計測不可能な未計測領域を危険領域として特定することで、オクルージョン領域を考慮した表示が可能となる。
【0054】
ここで、視差テーブルは、予め路面を撮影して取得した視差値を固定値として用いても良いが、定期的(分刻み)に路面を撮影して視差値を取得し、随時更新する構成としても良い。例えば、平坦な路面と坂道とでは路面の状態が変わるので、このような場合には有効である。
【0055】
また、図5に示したように、計測点M1は、図の手前側、すなわちカメラに近いほど多く、遠くになるほど少なく、各レベルでは、同じ視差となるので、視差と計測点の個数(度数)との関係をヒストグラムにして表すと図10に示すようになる。
【0056】
すなわち、図10において、カメラから遠い位置では視差は小さく、カメラに近づくにつれて段階的に視差が大きくなるようなヒストグラムとなる。
【0057】
しかし、障害物が存在する場合、この階段状のヒストグラムが得られず、何れかの視差のみ度数が突出したり、逆に、度数が減少した形状となる。この状態を図11に示す。
【0058】
図11においては、度数が突出した部分にハッチングを付しているが、この視差を有するレベルに障害物が存在するということが判る。また、度数が突出した視差の手前、すなわち障害物が存在するレベルより遠い位置では、度数が減少しており、度数が減少している視差の範囲から、危険領域を特定することができる。
【0059】
また、3次元情報計測部12において3次元情報を得るにはカメラパラメータを使用するが、この3次元情報に基づいて得られる3次元上の計測点を路面と想定される平面にマッピングすることで、マッピング結果の計測点の粗密状態から障害物領域および危険領域を特定することができる。
【0060】
図12は、路面上に障害物がない場合の計測点M1を俯瞰画像上にマッピングした図であり、計測点の分布に粗密は見られない。
【0061】
図13は、路面上に障害物がある場合の計測点M1を俯瞰画像上にマッピングした図であり、障害物の表面上には計測点M2が存在するものの、奥行き方向、すなわちz方向では計測点が存在せず、計測点の分布に粗密が発生する。障害物の表面位置を知ることで、障害物領域を特定することができ、計測点が存在しない領域から危険領域を特定することができる。なお、障害物がある場合の計測点M1の粗密度の判定は、予め取得した路面上に障害物がない場合の計測点M1のマッピング結果と比較することで行う。
【0062】
このように、3次元上の計測点の粗密状態を判定基準として用いることで、正確な物体検出処理を必要とせずに障害物領域および危険領域を特定することができる。
【0063】
なお、この方法を用いることで、路面上に突出する障害物だけでなく、路面の窪みなどの障害物も特定することができる。
【0064】
図14は、車両VCの進行方向(z方向)の前方を撮影するステレオカメラSC1が、路面を撮影する状態を模式的に示しており、ステレオカメラSC1の画角内領域R1において路面に窪みCPがある場合を模式的に示している。
【0065】
図14において、画角内領域R1では、窪みCP以外では計測点M1が存在するが、窪みCPでは、計測点M1が存在せず、窪みの一方の壁面、すなわち車両VCから見える側の壁面にのみ計測点M2が存在することとなる。
【0066】
図15は、路面上に窪みCPがある場合の計測点M1およびM2を俯瞰画像上にマッピングした図であり、窪みCPの車両VCの進行方向(z方向)の奥側の壁面には計測点M2が存在するものの、その手前側は計測点M1もM2も存在しない領域となっている。この場合、計測点M1もM2も存在しない領域によって危険領域DRが特定される。
【0067】
<危険領域の判定方法2>
以上説明した危険領域の判定方法1では、視差情報を用いて障害物を検出していたが、障害物の検出方法はこれに限定されるものではなく、従来的な方法を用いて障害物を検出しても良い。
【0068】
例えば、障害物となる可能性のある物体についてのテンプレートを予め準備しておき、ステレオカメラを構成する2つのカメラの一方で得られた2次元画像にテンプレートを当てはめ、パターンマッチングを行って、マッチングした場合には当該テンプレートに相当する物体があると判断する手法を採っても良い。
【0069】
また、2次元画像より算出された特徴量に対して、教師データを当てはめ、パターンマッチングを行って、マッチングした場合には当該教師データに相当する物体があると判断する手法を採っても良い。
【0070】
また、ステレオカメラを用いて取得した3次元情報に基づいて、実空間上の位置を算出し、道路モデルに基づいて、横方向および視差方向(距離方向)において位置的に対応する道路面の高さと比較して、前記位置が道路面より上にある場合には、その位置のデータを立体物を表すデータとして抽出することで、路面上の障害物を検出する手法を採っても良い。この方法については、特開2006−134035号公報に開示がある。
【0071】
なお、検出された障害物に対応する危険領域の判定は、視点位置変更画像生成部14において生成された視点位置変更後の俯瞰画像における障害物の位置に基づいて判定を行う。この判定では、ステレオカメラSC1の画角と障害物の位置との関係で決まるオクルージョン領域を障害物領域とすることが現実的である。この場合、図2に示す構成において、視点位置変更画像生成部14において生成された視点位置変更後の俯瞰画像データを危険領域判定部13に取り込むことになる。
【0072】
<視点位置変更画像生成部14>
視点位置変更画像生成部14では、ステレオカメラで撮影された画像を、自車両の上方から見た俯瞰画像にするための視点位置の変更(座標変換)を行う。この処理は公知の技術を用いれば良く、撮影レンズの光軸の向き、撮影レンズの特性などの撮影条件に基づいて予め作成され、ステレオカメラで撮影された画像の各点と、俯瞰画像の各点とを対応付ける変換テーブルを用いて変換を行う方法が一般的である。
【0073】
<重畳情報画像生成部15>
重畳情報画像生成部15は、視点位置変更画像生成部14で生成された俯瞰画像上の障害物領域および危険領域にマーキング画像の重畳を行う。
【0074】
これは、俯瞰画像上の対象領域にレイヤー画像を重畳して色付けを行う処理であり、運転者が車内モニターを見て判りやすいようにマーキングを行う処理である。
【0075】
なお、危険領域等にマーキングを行うのではなく、正確な3次元情報を取得でき、安全に走行できる領域にマーキングを行うようにしても良い。
【0076】
<視点位置変更画像合成部16>
視点位置変更画像合成部16では、重畳情報画像生成部15で生成されたマーキング済みの俯瞰画像を含めて、各ステレオカメラで得られた画像を視点位置変更して得られた俯瞰画像を合成して、車両VC周辺の俯瞰画像を取得する。
【0077】
<表示部20>
表示部20は車内モニターに相当し、画像処理装置10から出力される処理済みの画像データを表示するが、危険領域が多い場合は、警告音や音声ガイダンス等で、運転者の注意を喚起しやすい方法で警告を行うようにしても良い。
【0078】
<変形例>
以上説明した周辺表示装置100においては、自車両の前方画像を例に採って説明したが、ステレオカメラSC1〜SC8の何れで撮影された画像についても、障害物領域および危険領域の検出をすることは可能であり、例えば、車庫入れや、幅寄せの際には後方および側方のステレオカメラで撮影された画像について同様の処理を行えば良い。
【符号の説明】
【0079】
SC1〜SC8 ステレオカメラ
OR 障害物領域
DR 危険領域
OB 障害物
VC 車両
【技術分野】
【0001】
本発明は周辺表示装置に関し、特に、自走可能な移動体の周辺状況を俯瞰的に表示する周辺表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の撮像手段によって車両周辺の画像を個々に撮像し、それぞれの画像を視点変換して路面を投影面とする複数の俯瞰画像を作成し、当該複数の俯瞰画像を車両周辺に並べるように合成することで、自車両周辺の俯瞰画像を得る種々の技術が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、俯瞰画像上で物体検出処理を施し、検出された物体が車両だった場合は、疑似車両を俯瞰画像上に描画することで視認性の向上を図る技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、ステレオカメラで計測された3次元情報を用いて物体の高さ情報を考慮した疑似画像(高さ方向に圧縮した画像)を含んだ俯瞰画像を作成することで視認性の向上を図る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−309844号公報
【特許文献2】特開2006−333009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した何れの特許文献においても、物体の画像をより自然な画像に近づけることはできるものの、当該物体の背後の見えない領域(オクルージョン領域)に物が存在している場合でも、その前の物体しか表示されないので背後の物体を認識することができないという問題を有していた。
【0007】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、自動車などの自走可能な移動体において周辺の俯瞰画像を表示する場合に、オクルージョン領域の存在を考慮した表示を可能とする周辺表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る周辺表示装置の第1の態様は、自走可能な移動体における周辺の画像データを取得する画像取得部と、前記画像データに基づいて3次元情報を計測する3次元情報計測部と、前記画像データの視点位置を、前記移動体の上方から俯瞰する位置に変更した視点位置変更画像を作成する視点位置変更画像生成部と、前記3次元情報に基づいて、前記視点位置変更画像上の障害物のある領域と推定される障害物領域を特定するとともに、前記障害物領域の周辺で前記3次元情報を取得不能な領域を危険領域として判定する危険領域判定部と、を備え、前記危険領域判定部での判定結果を受け、前記障害物領域および前記危険領域が存在する場合には警告を与える。
【0009】
本発明に係る周辺表示装置の第2の態様は、前記画像データは、ステレオカメラによって取得され、前記画像取得部は、前記ステレオカメラで得られた2つの画像の特徴点を相互に対応付けし、その結果得られた視差から画像上の各点の3次元位置を算出することで3次元情報を取得し、前記危険領域判定部は、前記3次元情報に含まれる視差情報と、予め保持している路面の画像についての視差情報をテーブル化した視差テーブルとを比較することで、前記障害物領域を特定し、前記障害物領域の背後の、前記3次元情報を取得不能で視差を計測不可能な領域を前記危険領域として判定する。
【0010】
本発明に係る周辺表示装置の第3の態様は、前記視差テーブルは、前記路面の画像を更新することで随時更新される。
【0011】
本発明に係る周辺表示装置の第4の態様は、前記危険領域判定部が、前記3次元情報に基づいて得られる3次元空間上の計測点を路面と想定される平面にマッピングした場合に、前記計測点が疎らな領域を前記危険領域として判定し、前記危険領域の近傍であって前記計測点が密集する領域を前記障害物領域として判定する。
【0012】
本発明に係る周辺表示装置の第5の態様は、前記危険領域判定部が、予め取得した前記路面の画像についての前記計測点のマッピングの分布状態との比較により前記計測点の粗密を判定する。
【0013】
本発明に係る周辺表示装置の第6の態様は、自走可能な移動体における周辺の画像データを取得する画像取得部と、前記画像データに基づいて3次元情報を計測する3次元情報計測部と、前記画像データの視点位置を、前記移動体の上方から俯瞰する位置に変更した視点位置変更画像を作成する視点位置変更画像生成部と、前記画像データに基づいて障害物を特定するとともに、前記視点位置変更画像における前記障害物の位置に基づいて危険領域を判定する危険領域判定部と、を備え、前記危険領域判定部での判定結果を受け、前記障害物領域および前記危険領域が存在する場合には警告を与える。
【0014】
本発明に係る周辺表示装置の第7の態様は、前記危険領域判定部が、前記視点位置変更画像における前記障害物の存在する位置でのオクルージョン領域を前記障害物領域として判定する。
【0015】
本発明に係る周辺表示装置の第8の態様は、前記オクルージョン領域は、前記画像データを取得したカメラの画角と前記障害物の位置との関係に基づいて定められる。
【0016】
本発明に係る周辺表示装置の第9の態様は、前記危険領域判定部での判定結果に基づいて、前記視点位置変更画像上の前記危険領域にマーキング画像を重畳する重畳情報画像生成部を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る周辺表示装置の第1の態様によれば、自動車などの自走可能な移動体において、周辺の俯瞰画像を表示する場合に、例えばオクルージョン領域などの危険領域を判定して警告を与えることが可能となり、有効な危険回避が可能となる。
【0018】
本発明に係る周辺表示装置の第2の態様によれば、3次元情報に含まれる視差情報を用いて障害物領域を特定し、障害物領域の背後の、3次元情報を取得不能で視差を計測不可能な領域を危険領域として判定するので、比較的容易に障害物領域および危険領域の特定を行うことができる。
【0019】
本発明に係る周辺表示装置の第3の態様によれば、視差テーブルは、路面の画像を更新することで随時更新するので、路面の状態が変わる場合に対応することができる。
【0020】
本発明に係る周辺表示装置の第4および題5の態様によれば、3次元上の計測点の粗密状態を判定基準として用いることで、正確な物体検出処理を必要とせずに障害物領域および危険領域を特定することができる。
【0021】
本発明に係る周辺表示装置の第6ないし第8の態様によれば、自動車などの自走可能な移動体において、周辺の俯瞰画像を表示する場合に、画像データに基づいて障害物を特定することができれば危険領域の判定は比較的容易に行うことができ、例えばオクルージョン領域などの危険領域を判定して警告を与えることが可能となり、有効な危険回避が可能となる。
【0022】
本発明に係る周辺表示装置の第9の態様によれば、危険領域の視覚化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ステレオカメラの配置例を示す図である。
【図2】本発明に係る周辺表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】対応点探索の概念を説明する図である。
【図4】ステレオカメラが、障害物のない路面を撮影する状態を模式的に示す図である。
【図5】路面の2次元画像に計測点を重ねて示した図である。
【図6】視差テーブルと障害物のない路面の計測視差との関係を示す図である。
【図7】ステレオカメラが、障害物のある路面を撮影する状態を模式的に示す図である。
【図8】視差テーブルと障害物のある路面の計測視差との関係を示す図である。
【図9】車両の上方から見た俯瞰図である。
【図10】視差と計測点の個数(度数)との関係をヒストグラムで表す図である。
【図11】視差と計測点の個数(度数)との関係をヒストグラムで表す図である。
【図12】路面上に障害物がない場合の計測点を俯瞰画像上にマッピングした図である。
【図13】路面上に障害物がある場合の計測点を俯瞰画像上にマッピングした図である。
【図14】ステレオカメラが、窪みのある路面を撮影する状態を模式的に示す図である。
【図15】路面上に窪みがある場合の計測点を俯瞰画像上にマッピングした図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施の形態>
<装置構成>
図1は、本発明に係る周辺表示装置を搭載した車両VCにおけるステレオカメラの配置例を示す図である。
【0025】
図1において、車両VCには、前方、左右および後方の画像を取得する4台のステレオカメラと、左斜め前方、左斜め後方、右斜め前方および右斜め後方の画像を取得する4台のステレオカメラとが搭載されている。
【0026】
すなわち、前方の画像を取得するステレオカメラSC1、前方に対して左側の画像を取得するステレオカメラSC2、後方の画像を取得するステレオカメラSC3および前方に対して右側の画像を取得するステレオカメラSC4と、左斜め前方の画像を取得するステレオカメラSC5、左斜め後方の画像を取得するステレオカメラSC6、右斜め後方の画像を取得するステレオカメラSC7および左斜め前方の画像を取得するステレオカメラSC8を備えている。また、図1では、ステレオカメラSC1〜SC8のそれぞれでの画角内領域を領域R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8で示し、監視範囲を実線で示している。
【0027】
また、図1では、ステレオカメラSC1〜SC8のそれぞれに含まれる2台のカメラを、例えばステレオカメラSC1についてはカメラ1a、1bとして表している。
【0028】
このようなシステムを用いることで、自車両の周辺の画像データを取得し、それを視点を変えて自車両の上方から見た俯瞰図に変更することが可能となるが、以下の説明では、ステレオカメラSC1で取得した前方画像を使用する場合を例に採って説明する。
【0029】
なお、各カメラの実際の配置位置は車種によって異なるが、例えば、ステレオカメラSC1はルームミラーの位置に配置され、ステレオカメラSC2およびSC4は、それぞれ、左右のサイドミラーの位置に配置され、ステレオカメラSC4は、リヤバンパーの位置に、ステレオカメラSC5〜SC8は、何れも車両VCの四隅のバンパーの位置などに配置される。なお、上記配置は一例であり、ステレオカメラの配置はこれに限定されるものではない。
【0030】
図2は、本発明に係る周辺表示装置100の構成を示すブロック図である。図2に示すように周辺表示装置100は、ステレオカメラSC1〜SC8と、ステレオカメラSC1〜SC8で得られた画像データの画像処理を行う画像処理装置10と、画像処理装置10から出力される処理済みの画像データを表示する表示部20とを主たる構成として備えている。
【0031】
画像処理装置10は、ステレオカメラSC1〜SC8で得られた画像データを取り込む画像取得部11と、画像取得部11で取得した画像データに基づいて3次元情報を計測する3次元情報計測部12と、画像取得部11で取得した画像データの視点位置を変更した視点位置変更画像を作成する視点位置変更画像生成部14と、3次元情報計測部12で計測された3次元情報に基づいて、視点位置変更画像上の3次元情報から障害物のある領域と推定される障害物領域を判定するとともに、その周辺で3次元情報を取得不能な領域を危険領域と判定する危険領域判定部13と、危険領域判定部13での判定結果に基づいて、視点位置変更画像上の危険領域等にマーキングを行う重畳情報画像生成部15と、各ステレオカメラSC1〜SC8のそれぞれの画角内領域R1〜R8に対応して得られた視点位置変更画像を合成して、車両VC周辺の俯瞰画像を得る視点位置変更画像合成部16とを備えている。以下、各部についての説明を行う。
【0032】
<画像取得部1>
ステレオカメラは、2台のカメラで異なる視点から同時に撮影を行うことができ、画像取得部1では、各カメラで得られた画像データを画素単位で取り込む。
【0033】
<3次元情報計測部12>
3次元情報計測部12では、ステレオカメラの、2台のカメラでそれぞれ得られた2つの画像の特徴点について相互に対応付けを行う。これは、対応点探索と呼称され、従来的な手法である。
【0034】
図3は、対応点探索の概念を説明する図であり、ステレオカメラの2台のカメラで撮像された画像の一方を基準画像Gaとし、他方を参照画像Gbとして表している。そして、参照画像Gb上での対応画素(対応点)Wbを探索するための基準画像Ga上で指定される画素をWaとして設定している。
【0035】
画素Waの座標が(x,y)で表され、画素Wbの座標が(x’,y’)で表されるならば、両画素の視差dは、x−x’で算出される。
【0036】
なお、対応点探索においては、画像間から勾配法(gradient-based method)により算出する方法や、SAD(Sum of Absolute Difference)法と呼ばれる方法が知られている。この方法は、ステレオカメラのように異なる視点から撮影した2つの画像のうち、一方の画像である基準画像上の注目点に対して、この注目点を内包するようなウィンドウを設定するとともに、他方の画像である参照画像上にも同サイズのウィンドウを複数設定し、基準画像上のウィンドウと、参照画像上の各ウィンドウ間で相関値を算出して、最も相関値が高い参照画像上のウィンドウを探索し、そのウィンドウの重心位置を注目点の対応点として求める方法である。
【0037】
また、位相限定相関法(POC法)を用いた方法もある。この方法は、基準画像上のピクセルレベルの注目点 に対応する参照画像上のピクセルレベルの対応点を算出した後に、注目点に対する対応点のサブピクセルレベルのずれ量を求めるものであり、高精度な対応付けが可能となる。
【0038】
そして、算出された対応点に対して、平行化、歪補正、3次元再構成の処理を行うことで3次元情報を取得する。
【0039】
<危険領域判定部13>
危険領域判定部13では、3次元情報計測部12から提供される3次元情報に基づいて、障害物領域を判定するとともに危険領域を判定するが、危険領域の判定方法には以下の2通りの方法がある。
【0040】
<危険領域の判定方法1>
3次元情報計測部12から提供される3次元情報には、ステレオカメラで撮像された画像の視差情報が含まれており、これと、予め保持している路面の画像についての視差情報をテーブル化した視差テーブルとを比較することで、まず障害物領域を特定する。以下、図4〜図9を用いて具体的に説明する。
【0041】
図4は、車両VCの進行方向(z方向)の前方を撮影するステレオカメラSC1が、路面を撮影する状態を模式的に示しており、ステレオカメラSC1の画角内領域R1において対応点探索を行う計測点M1を模式的に示している。
【0042】
図5は、路面の2次元画像に計測点M1を重ねて示した図であり、図においてx方向が路面を横断する方向であり、z方向が路面の延在する方向である。計測点M1は、図の手前側ほど多く、遠くになるほど少なくなっている。図6では、路面上に障害物は存在しておらず、視差テーブルと路面の画像についての視差情報(実際の計測視差)とが一致している状態を表している。
【0043】
図6は、視差テーブルと実際の計測視差との関係を示す図であり、路面の2次元画像における計測点M1をz方向のレベルごとに階層分けして示している。ここで、視差テーブルにおいて、最下層での視差を基準視差αとすると、次のレベルでの視差は基準視差αよりも数値aの分だけ小さくなった値(α−a)として表される。さらに、次のレベルでの視差は基準視差αよりも数値bの分だけ小さくなった値(α−b)で表され、さらに、次のレベルでの視差は基準視差αよりも数値cの分だけ小さくなった値(α−c)で表される。ここで、数値a〜cの大小関係は、数値aが最も小さく、数値cが最も大きく(c>b>a)、カメラから遠いほど視差が小さくなることを表している。
【0044】
視差テーブルは、路面上に障害物が存在しない状態で撮影した路面の画像から取得したものであるので、路面上に障害物が存在しない場合は、実際の計測視差d(i,j)と視差テーブルの視差とは一致し、最下層ではd(i,j)=α、 次のレベルではd(i,j)=α−a、さらに次のレベルではd(i,j)=α−b、さらに次のレベルではd(i,j)=α−cとなる。ここで、iは画像横方向(x方向)の指定位置を表し、jは画像縦方向(z方向)の指定位置を表す。
【0045】
図7は、路面上に障害物がある場合に、ステレオカメラSC1が、路面を撮影する状態を模式的に示しており、路面上の計測点M1と、障害物OB上の計測点M2とが模式的に示されている。
【0046】
図7に示されるように、路面上に障害物OBが存在する場合、障害物OBの表面に計測点M2が設定される一方で、障害物OBの背後の路面上には、計測点M1が設定されないこととなる。
【0047】
図8は、路面上に障害物OBが存在する場合の視差テーブルと実際の計測視差との関係を示す図であり、障害物OBは枠線で囲まれた領域として示されている。
【0048】
障害物OBが図7に示すような立方体である場合、車両VCに対面する表面に計測点M2が設定され、その表面の位置は、路面の2次元画像における各計測点レベルの何れかに存在することとなる。その表面は、図8ではα−aのレベルに存在するので、計測点M2の視差はどこの値であってもα−aとなる。
【0049】
従って、障害物OBが存在することで、実際の計測視差d(i,j)と視差テーブルの視差とが一致しない領域が現れることとなる。従って、実際の計測視差d(i,j)と視差テーブルの視差とが一致しない領域が確認された場合、各計測点の座標(i,j)から、当該領域のx方向の長さと、x方向における位置を取得し、当該x方向の長さと位置の情報を、車両VCに対面する表面が存在するレベル、ここでは視差α−aのレベルに当てはめることで障害物領域を特定する。
【0050】
障害物領域の背後には、ステレオカメラSC1の画角によって決まる、視差を計測不可能な未計測領域が存在することとなり、当該領域は障害物領域ORに隠れて見えない危険領域DRと判断する。
【0051】
図9は、車両VCの上方から見た3次元の俯瞰図の一例であり、車両VCの前方に、上述した方法で求めた障害物領域ORが示され、その背後には、障害物領域ORに隠れて見えない危険領域DRが示されている。
【0052】
図9は、図5に示された路面の2次元画像の視点変換を行って作成されるものであり、視点変換を行った結果、計測点M1は、車両VCから離れるほど間隔が広くなり、危険領域DRは台形状に広がった領域として表されている。
【0053】
このように、実際の計測視差d(i,j)と視差テーブルの視差との比較を行うことで、容易に障害物領域を特定することができ、障害物領域を特定した後は、ステレオカメラの画角によって決まる、視差を計測不可能な未計測領域を危険領域として特定することで、オクルージョン領域を考慮した表示が可能となる。
【0054】
ここで、視差テーブルは、予め路面を撮影して取得した視差値を固定値として用いても良いが、定期的(分刻み)に路面を撮影して視差値を取得し、随時更新する構成としても良い。例えば、平坦な路面と坂道とでは路面の状態が変わるので、このような場合には有効である。
【0055】
また、図5に示したように、計測点M1は、図の手前側、すなわちカメラに近いほど多く、遠くになるほど少なく、各レベルでは、同じ視差となるので、視差と計測点の個数(度数)との関係をヒストグラムにして表すと図10に示すようになる。
【0056】
すなわち、図10において、カメラから遠い位置では視差は小さく、カメラに近づくにつれて段階的に視差が大きくなるようなヒストグラムとなる。
【0057】
しかし、障害物が存在する場合、この階段状のヒストグラムが得られず、何れかの視差のみ度数が突出したり、逆に、度数が減少した形状となる。この状態を図11に示す。
【0058】
図11においては、度数が突出した部分にハッチングを付しているが、この視差を有するレベルに障害物が存在するということが判る。また、度数が突出した視差の手前、すなわち障害物が存在するレベルより遠い位置では、度数が減少しており、度数が減少している視差の範囲から、危険領域を特定することができる。
【0059】
また、3次元情報計測部12において3次元情報を得るにはカメラパラメータを使用するが、この3次元情報に基づいて得られる3次元上の計測点を路面と想定される平面にマッピングすることで、マッピング結果の計測点の粗密状態から障害物領域および危険領域を特定することができる。
【0060】
図12は、路面上に障害物がない場合の計測点M1を俯瞰画像上にマッピングした図であり、計測点の分布に粗密は見られない。
【0061】
図13は、路面上に障害物がある場合の計測点M1を俯瞰画像上にマッピングした図であり、障害物の表面上には計測点M2が存在するものの、奥行き方向、すなわちz方向では計測点が存在せず、計測点の分布に粗密が発生する。障害物の表面位置を知ることで、障害物領域を特定することができ、計測点が存在しない領域から危険領域を特定することができる。なお、障害物がある場合の計測点M1の粗密度の判定は、予め取得した路面上に障害物がない場合の計測点M1のマッピング結果と比較することで行う。
【0062】
このように、3次元上の計測点の粗密状態を判定基準として用いることで、正確な物体検出処理を必要とせずに障害物領域および危険領域を特定することができる。
【0063】
なお、この方法を用いることで、路面上に突出する障害物だけでなく、路面の窪みなどの障害物も特定することができる。
【0064】
図14は、車両VCの進行方向(z方向)の前方を撮影するステレオカメラSC1が、路面を撮影する状態を模式的に示しており、ステレオカメラSC1の画角内領域R1において路面に窪みCPがある場合を模式的に示している。
【0065】
図14において、画角内領域R1では、窪みCP以外では計測点M1が存在するが、窪みCPでは、計測点M1が存在せず、窪みの一方の壁面、すなわち車両VCから見える側の壁面にのみ計測点M2が存在することとなる。
【0066】
図15は、路面上に窪みCPがある場合の計測点M1およびM2を俯瞰画像上にマッピングした図であり、窪みCPの車両VCの進行方向(z方向)の奥側の壁面には計測点M2が存在するものの、その手前側は計測点M1もM2も存在しない領域となっている。この場合、計測点M1もM2も存在しない領域によって危険領域DRが特定される。
【0067】
<危険領域の判定方法2>
以上説明した危険領域の判定方法1では、視差情報を用いて障害物を検出していたが、障害物の検出方法はこれに限定されるものではなく、従来的な方法を用いて障害物を検出しても良い。
【0068】
例えば、障害物となる可能性のある物体についてのテンプレートを予め準備しておき、ステレオカメラを構成する2つのカメラの一方で得られた2次元画像にテンプレートを当てはめ、パターンマッチングを行って、マッチングした場合には当該テンプレートに相当する物体があると判断する手法を採っても良い。
【0069】
また、2次元画像より算出された特徴量に対して、教師データを当てはめ、パターンマッチングを行って、マッチングした場合には当該教師データに相当する物体があると判断する手法を採っても良い。
【0070】
また、ステレオカメラを用いて取得した3次元情報に基づいて、実空間上の位置を算出し、道路モデルに基づいて、横方向および視差方向(距離方向)において位置的に対応する道路面の高さと比較して、前記位置が道路面より上にある場合には、その位置のデータを立体物を表すデータとして抽出することで、路面上の障害物を検出する手法を採っても良い。この方法については、特開2006−134035号公報に開示がある。
【0071】
なお、検出された障害物に対応する危険領域の判定は、視点位置変更画像生成部14において生成された視点位置変更後の俯瞰画像における障害物の位置に基づいて判定を行う。この判定では、ステレオカメラSC1の画角と障害物の位置との関係で決まるオクルージョン領域を障害物領域とすることが現実的である。この場合、図2に示す構成において、視点位置変更画像生成部14において生成された視点位置変更後の俯瞰画像データを危険領域判定部13に取り込むことになる。
【0072】
<視点位置変更画像生成部14>
視点位置変更画像生成部14では、ステレオカメラで撮影された画像を、自車両の上方から見た俯瞰画像にするための視点位置の変更(座標変換)を行う。この処理は公知の技術を用いれば良く、撮影レンズの光軸の向き、撮影レンズの特性などの撮影条件に基づいて予め作成され、ステレオカメラで撮影された画像の各点と、俯瞰画像の各点とを対応付ける変換テーブルを用いて変換を行う方法が一般的である。
【0073】
<重畳情報画像生成部15>
重畳情報画像生成部15は、視点位置変更画像生成部14で生成された俯瞰画像上の障害物領域および危険領域にマーキング画像の重畳を行う。
【0074】
これは、俯瞰画像上の対象領域にレイヤー画像を重畳して色付けを行う処理であり、運転者が車内モニターを見て判りやすいようにマーキングを行う処理である。
【0075】
なお、危険領域等にマーキングを行うのではなく、正確な3次元情報を取得でき、安全に走行できる領域にマーキングを行うようにしても良い。
【0076】
<視点位置変更画像合成部16>
視点位置変更画像合成部16では、重畳情報画像生成部15で生成されたマーキング済みの俯瞰画像を含めて、各ステレオカメラで得られた画像を視点位置変更して得られた俯瞰画像を合成して、車両VC周辺の俯瞰画像を取得する。
【0077】
<表示部20>
表示部20は車内モニターに相当し、画像処理装置10から出力される処理済みの画像データを表示するが、危険領域が多い場合は、警告音や音声ガイダンス等で、運転者の注意を喚起しやすい方法で警告を行うようにしても良い。
【0078】
<変形例>
以上説明した周辺表示装置100においては、自車両の前方画像を例に採って説明したが、ステレオカメラSC1〜SC8の何れで撮影された画像についても、障害物領域および危険領域の検出をすることは可能であり、例えば、車庫入れや、幅寄せの際には後方および側方のステレオカメラで撮影された画像について同様の処理を行えば良い。
【符号の説明】
【0079】
SC1〜SC8 ステレオカメラ
OR 障害物領域
DR 危険領域
OB 障害物
VC 車両
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な移動体における周辺の画像データを取得する画像取得部と、
前記画像データに基づいて3次元情報を計測する3次元情報計測部と、
前記画像データの視点位置を、前記移動体の上方から俯瞰する位置に変更した視点位置変更画像を作成する視点位置変更画像生成部と、
前記3次元情報に基づいて、前記視点位置変更画像上の障害物のある領域と推定される障害物領域を特定するとともに、前記障害物領域の周辺で前記3次元情報を取得不能な領域を危険領域として判定する危険領域判定部と、を備え、
前記危険領域判定部での判定結果を受け、前記障害物領域および前記危険領域が存在する場合には警告を与える、周辺表示装置。
【請求項2】
前記画像データは、ステレオカメラによって取得され、
前記画像取得部は、
前記ステレオカメラで得られた2つの画像の特徴点を相互に対応付けし、その結果得られた視差から画像上の各点の3次元位置を算出することで3次元情報を取得し、
前記危険領域判定部は、
前記3次元情報に含まれる視差情報と、予め保持している路面の画像についての視差情報をテーブル化した視差テーブルとを比較することで、前記障害物領域を特定し、前記障害物領域の背後の、前記3次元情報を取得不能で視差を計測不可能な領域を前記危険領域として判定する、請求項1記載の周辺表示装置。
【請求項3】
前記視差テーブルは、前記路面の画像を更新することで随時更新される、請求項2記載の周辺表示装置。
【請求項4】
前記危険領域判定部は、
前記3次元情報に基づいて得られる3次元空間上の計測点を路面と想定される平面にマッピングした場合に、前記計測点が疎らな領域を前記危険領域として判定し、前記危険領域の近傍であって前記計測点が密集する領域を前記障害物領域として判定する、請求項1記載の周辺表示装置。
【請求項5】
前記危険領域判定部は、
予め取得した前記路面の画像についての前記計測点のマッピングの分布状態との比較により前記計測点の粗密を判定する、請求項4記載の周辺表示装置。
【請求項6】
自走可能な移動体における周辺の画像データを取得する画像取得部と、
前記画像データに基づいて3次元情報を計測する3次元情報計測部と、
前記画像データの視点位置を、前記移動体の上方から俯瞰する位置に変更した視点位置変更画像を作成する視点位置変更画像生成部と、
前記画像データに基づいて障害物を特定するとともに、前記視点位置変更画像における前記障害物の位置に基づいて危険領域を判定する危険領域判定部と、を備え、
前記危険領域判定部での判定結果を受け、前記障害物領域および前記危険領域が存在する場合には警告を与える、周辺表示装置。
【請求項7】
前記危険領域判定部は、
前記視点位置変更画像における前記障害物の存在する位置でのオクルージョン領域を前記障害物領域として判定する、請求項6記載の周辺表示装置。
【請求項8】
前記オクルージョン領域は、前記画像データを取得したカメラの画角と前記障害物の位置との関係に基づいて定められる、請求項7記載の周辺表示装置。
【請求項9】
前記危険領域判定部での判定結果に基づいて、前記視点位置変更画像上の前記危険領域にマーキング画像を重畳する重畳情報画像生成部を備える、請求項1または請求項6記載の周辺表示装置。
【請求項1】
自走可能な移動体における周辺の画像データを取得する画像取得部と、
前記画像データに基づいて3次元情報を計測する3次元情報計測部と、
前記画像データの視点位置を、前記移動体の上方から俯瞰する位置に変更した視点位置変更画像を作成する視点位置変更画像生成部と、
前記3次元情報に基づいて、前記視点位置変更画像上の障害物のある領域と推定される障害物領域を特定するとともに、前記障害物領域の周辺で前記3次元情報を取得不能な領域を危険領域として判定する危険領域判定部と、を備え、
前記危険領域判定部での判定結果を受け、前記障害物領域および前記危険領域が存在する場合には警告を与える、周辺表示装置。
【請求項2】
前記画像データは、ステレオカメラによって取得され、
前記画像取得部は、
前記ステレオカメラで得られた2つの画像の特徴点を相互に対応付けし、その結果得られた視差から画像上の各点の3次元位置を算出することで3次元情報を取得し、
前記危険領域判定部は、
前記3次元情報に含まれる視差情報と、予め保持している路面の画像についての視差情報をテーブル化した視差テーブルとを比較することで、前記障害物領域を特定し、前記障害物領域の背後の、前記3次元情報を取得不能で視差を計測不可能な領域を前記危険領域として判定する、請求項1記載の周辺表示装置。
【請求項3】
前記視差テーブルは、前記路面の画像を更新することで随時更新される、請求項2記載の周辺表示装置。
【請求項4】
前記危険領域判定部は、
前記3次元情報に基づいて得られる3次元空間上の計測点を路面と想定される平面にマッピングした場合に、前記計測点が疎らな領域を前記危険領域として判定し、前記危険領域の近傍であって前記計測点が密集する領域を前記障害物領域として判定する、請求項1記載の周辺表示装置。
【請求項5】
前記危険領域判定部は、
予め取得した前記路面の画像についての前記計測点のマッピングの分布状態との比較により前記計測点の粗密を判定する、請求項4記載の周辺表示装置。
【請求項6】
自走可能な移動体における周辺の画像データを取得する画像取得部と、
前記画像データに基づいて3次元情報を計測する3次元情報計測部と、
前記画像データの視点位置を、前記移動体の上方から俯瞰する位置に変更した視点位置変更画像を作成する視点位置変更画像生成部と、
前記画像データに基づいて障害物を特定するとともに、前記視点位置変更画像における前記障害物の位置に基づいて危険領域を判定する危険領域判定部と、を備え、
前記危険領域判定部での判定結果を受け、前記障害物領域および前記危険領域が存在する場合には警告を与える、周辺表示装置。
【請求項7】
前記危険領域判定部は、
前記視点位置変更画像における前記障害物の存在する位置でのオクルージョン領域を前記障害物領域として判定する、請求項6記載の周辺表示装置。
【請求項8】
前記オクルージョン領域は、前記画像データを取得したカメラの画角と前記障害物の位置との関係に基づいて定められる、請求項7記載の周辺表示装置。
【請求項9】
前記危険領域判定部での判定結果に基づいて、前記視点位置変更画像上の前記危険領域にマーキング画像を重畳する重畳情報画像生成部を備える、請求項1または請求項6記載の周辺表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
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【図5】
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【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−287029(P2010−287029A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−140114(P2009−140114)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】
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