説明

圧電デバイス

【課題】複数の圧電デバイスを同時に電子機器内部の集積回路部に容易に搭載することができ、インピーダンスの悪化を防ぐことのできる圧電デバイスを提供する。
【解決手段】一方の主面に第一の圧電振動素子搭載パッドが設けられ、他方の主面に第二の素子搭載部材用凹部空間が設けられ、この第二の素子搭載部材用凹部空間内に第二の素子搭載部材搭載パッドが設けられている第一の素子搭載部材と、第一の圧電振動素子と、第一の圧電振動素子を気密封止する第一の蓋部材と、一方の主面に第二の圧電振動素子搭載パッドが設けられ、他方の主面に第一の素子搭載部材接続端子が設けられ、この第一の素子搭載部材接続端子と第二の素子搭載部材用凹部空間内に設けられた第二の素子搭載部材搭載パッドとが接合されている第二の素子搭載部材と、第二の圧電振動素子と、第二の圧電振動素子を気密封止する第二の蓋部材と、を備えたことを特徴とする圧電デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に用いられる圧電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電デバイスは、例えば、電子機器内部の集積回路部に搭載されて、電子機器に用いられている。特に電子機器は、多機能化に伴い、複数の圧電デバイスが搭載される。また、電子機器の小型化に伴って、複数の圧電デバイスを搭載するために、圧電デバイスも小型化が進められている。
ここで、圧電デバイスは、例えば、圧電振動子、圧電発振器などがある。
電子機器が、例えば、携帯電話の場合、電話機能、インターネット機能、GPS機能、テレビ機能など様々な情報通信機能を備えている。この機能を実現するために、複数の圧電デバイスが携帯電話に用いられる。また、電子機器がテレビの場合、複数の圧電発振器や圧電振動子が用いられる。
以下、圧電デバイスの一例として、圧電振動子と圧電発振器のそれぞれについて説明する。
【0003】
図7は、従来の圧電デバイスである圧電振動子の一例を示す分解斜視図である。また、図8は、従来の圧電デバイスである圧電振動子の一例を示す断面図である。
以下、圧電デバイスの一例として、圧電振動子600について説明する。
圧電振動子600は、例えば、図7及び図8に示すように、素子搭載部材610と振動素子620と蓋部材630とから主に構成されている。
【0004】
素子搭載部材610は、図7及び図8に示すように、基板部610aと圧電振動素子用枠部610bとから主に構成されている。素子搭載部材610は、矩形形状の平板に形成されている基板部610aの一方の主面の縁部に、圧電振動素子用枠部610bが設けられて、その一方の主面に圧電振動素子用凹部空間612が形成される。
また、素子搭載部材610は、図7及び図8に示すように、この圧電振動素子用凹部空間612の底面に2つ一対の圧電振動素子搭載パッド611が設けられている。
また、素子搭載部材610は、図7及び図8に示すように、他方の主面に複数の外部接続端子617が設けられている。この外部接続端子617は、例えば、4個設けられており、素子搭載部材610の他方の主面の4隅に1個ずつ設けられている。
また、素子搭載部材610は、圧電振動素子用凹部空間612の設けられた一方の主面の縁部に、環状の蓋部材接合金属層618が設けられている。
【0005】
圧電振動素子620は、圧電材料からなる圧電片621に、2つ一対の励振電極622と2つ一対の引き出し電極623とを備えている。
圧電片621は、例えば、矩形形状の平板に形成されている。
2つ一対の励振電極622は、圧電片621の両主面に一つずつ設けられている。
2つ一対の引き出し電極623は、励振電極622から圧電片621の所定の一つの辺側へ引き出されている。
また、圧電振動素子620は、圧電振動素子用凹部空間612の底面に設けられた圧電振動素子搭載パッド611と引き出し電極623とが導電接着剤Dにより、固定されて搭載される。つまり、圧電振動素子620は、圧電振動素子用凹部空間612内側に搭載される。
【0006】
蓋部材630は、例えば、金属が用いられており、図6に示すように、矩形形状の平板に形成されている。
また、蓋部材630は、一方の主面の縁部に、素子搭載部材610の蓋部材接合金属層618と対向する位置に環状の素子搭載部材接合金属層631が設けられている。
蓋部材630は、素子搭載部材接合金属層631と素子搭載部材610に設けられた蓋部材接合金属層618とが接合されて、素子搭載部材610に搭載された圧電振動素子620を気密封止する。
【0007】
圧電振動子600は、図7及び図8に示すように、素子搭載部材610の圧電振動素子用凹部空間612の底面に設けられた2つ一対の圧電振動素子搭載パッド611に、圧電振動素子620が搭載されている。
また、圧電振動子600は、素子搭載部材610に設けられた蓋部材接合金属層618と蓋部材630に設けられた素子搭載部材接合金属層631とが接合され、圧電振動素子620が気密封止される。つまり、圧電振動子600は、圧電振動素子620が、素子搭載部材610と蓋部材630とで気密封止されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
次に、圧電デバイスの一例として、圧電発振器について説明する。
図9は、従来の圧電デバイスである圧電発振器の一例を示す断面図である。
以下、圧電デバイスを圧電発振器700として説明する。
圧電発振器700は、図9に示すように、集積回路素子740が素子搭載部材710の集積回路素子用凹部空間714の底面に搭載されている点で、圧電振動子600と異なる。
なお、圧電振動素子720は、圧電振動子600に用いられる圧電振動素子620と同様であり、圧電片721に励振電極722が設けられ、引き回し電極723により端部まで引き回された構造となっている。
また、蓋部材730も、圧電振動子600に用いられる蓋部材630と同様であり、蓋部材730の一方の主面に素子搭載部材接合層731が設けられた構造となっている。
【0009】
集積回路素子740は、圧電振動素子720の振動に基づいて発振出力を制御する発振回路の機能を備えている。
また、集積回路素子740は、後述する素子搭載部材710に設けられた集積回路素子搭載パッド713に、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて搭載される。
【0010】
素子搭載部材710は、図9に示すように、基板部710aと圧電振動素子枠部710bと集積回路素子枠部710cとから主に構成されている。
基板部710aは、例えば、矩形形状の平板に形成されている。
集積回路素子枠部710cは、その一方の主面が基板部710aの一方の主面と対向するように、基板部710aの一方の主面の縁部に設けられ、集積回路素子用凹部空間714を形成している。
圧電振動素子枠部710bは、集積回路素子枠部710cの他方の主面の縁部に設けられ、圧電振動素子用凹部空間712を形成している。
つまり、素子搭載部材710は、一方の主面に圧電振動素子用凹部空間712が形成されており、この圧電振動素子用凹部空間712の底面に、集積回路素子用凹部空間714が形成されている。
また、素子搭載部材710は、圧電振動素子用凹部空間712の底面に2つ一対の圧電振動素子搭載パッド711が設けられている。この2つ一対の圧電振動素子搭載パッド711は、例えば、圧電振動素子用凹部空間712の底面であって、一方の短辺側に沿って2個並んで設けられている。
また、素子搭載部材710は、集積回路素子用凹部空間714の底面に複数の集積回路素子搭載パッド713が設けられている。ここで、この集積回路素子搭載パッド713は、例えば、6個設けられている。この集積回路素子用凹部空間714は、集積回路素子用凹部空間714の底面であって、一方の長辺側に沿って3個、他方の長辺側に沿って3個ずつ並んで設けられている。
また、素子搭載部材710は、他方の主面に複数の外部接続端子717が形成されている。ここで、この外部接続端子717は、例えば、4個設けられており、素子搭載部材710の他方の主面の4隅に1個ずつ設けられている。
また、素子搭載部材710は、圧電振動素子用凹部空間712が設けられた一方の主面の縁部に、環状の蓋部材接合金属層718が設けられている。
【0011】
つまり、素子搭載部材710は、圧電振動素子用凹部空間712の底面に設けられた2つ一対の圧電振動素子搭載パッド711に導電性接着剤Dを介して、圧電振動素子720が搭載され、集積回路素子用凹部空間714の底面に設けられた集積回路素子搭載パッド713に導電性接着剤Dを介して、集積回路素子740が搭載されている。
また、素子搭載部材710は、蓋部材接合金属層718と素子搭載部材接合金属層731とが接合されて、蓋部材730とで、圧電振動素子720と集積回路素子740とが気密封止される(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−287423号公報
【特許文献2】特開2008−252781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、従来の圧電デバイスは、電子機器の多機能化に伴い、電子機器内部の集積回路部に搭載する電子部品の数が多くなり、圧電デバイスを搭載する面積が縮小する傾向があるため、小型化が進められている。従って、複数の圧電デバイスを搭載することができなくなる恐れがある。また、このような従来の圧電デバイスを小型化した場合は、振動素子の形状が小さくなり、インピーダンスが高くなってしまう恐れがある。
【0014】
そこで、本発明は、従来の圧電デバイスの大きさであって、複数の圧電デバイスを同時に電子機器内部の集積回路部に容易に搭載することができ、インピーダンスの悪化を防ぐことのできる圧電デバイスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
記課題を解決するため、一方の主面に2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッドが設けられ、他方の主面に第二の素子搭載部材用凹部空間が設けられ、この前記第二の素子搭載部材用凹部空間内に複数の第二の素子搭載部材搭載パッドが設けられている第一の素子搭載部材と、前記第一の圧電振動素子搭載パッドに搭載され、第一の励振電極と第一の励振電極から引き出された引き出し電極とを備えた第一の圧電振動素子と、前記第一の圧電振動素子を気密封止する第一の蓋部材と、一方の主面に2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッドが設けられ、他方の主面に複数の第一の素子搭載部材接続端子が設けられ、この前記第一の素子搭載部材接続端子と前記第二の素子搭載部材用凹部空間内に設けられた前記第二の素子搭載部材搭載パッドとが接合されている第二の素子搭載部材と、前記第二の圧電振動素子搭載パッドに搭載され、第二の励振電極と第二の励振電極から引き出された引き出し電極とを備えた第二の圧電振動素子と、前記第二の圧電振動素子を気密封止する第二の蓋部材と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
このような圧電デバイスは、第一の素子搭載部材と第一の蓋部材とで第一の圧電振動素子が気密封止され、第二の蓋部材と第一の素子搭載部材に搭載された第二の素子搭載部材とで第二の圧電振動素子が気密封止されている。
従って、このような圧電デバイスは、従来の圧電デバイス1個分と同じ搭載面積であっても、複数の圧電デバイスの機能を備えた構造とすることができ、電子機器の搭載面積の減少に対応することができる。
このため、このような圧電デバイスは、従来の圧電デバイスのように複数個、搭載する必要がないので小型化が不要となる。よって、このような圧電デバイスは、振動素子の形状を小さくする必要がないので、インピーダンスの悪化を防ぐことができる。
【0017】
また、このような圧電デバイスは、従来の圧電デバイス1個分と同じ搭載面積であっても、複数の圧電デバイスの機能を備えているので、1回の搭載で、従来の圧電デバイスを複数個、搭載したこととなる。
従って、このような圧電デバイスは、電子機器内部の集積回路部に搭載する際に、搭載する圧電デバイスの数量を減らすことができる。また、このような圧電デバイスは、小型化されていないので、電子機器内部の集積回路部に容易に搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
【図3】本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
【図4】本発明の第三の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
【図5】本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
【図6】本発明の第五の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
【図7】従来の圧電デバイスの圧電振動子と一例を示す分解斜視図である。
【図8】従来の圧電デバイスの圧電振動子の一例を示す断面図である。
【図9】従来の圧電デバイスの圧電発振器の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、各図面において、各構成要素の状態をわかりやすくするために誇張して図示している。
【0020】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスについて説明する。なお、圧電デバイスを異なる2つの圧電振動子の機能を備えた圧電デバイスとして説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す分解斜視図である。図2は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
【0021】
本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、図1及び図2に示すように、第一の素子搭載部材110と第一の圧電振動素子120と第一の蓋部材130と第二の素子搭載部材150と第二の圧電振動素子160と第二の蓋部材170とから主に構成されている。
【0022】
第一の素子搭載部材110は、第一の基板部110aと第二の素子搭載部材枠部110dとから主に構成されている。
第一の基板部110aは、一方の主面に、第一の蓋部材接合金属層118と、2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド111(図2参照)とが設けられている。また、第一の基板部110aは、他方の主面に、第二の素子搭載部材枠部110dと第二の素子搭載部材搭載パッド115とが設けられている。
【0023】
従って、第一の素子搭載部材110は、一方の主面に、第一の蓋部材接合金属層118と、2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド111とが設けられている。
また、第一の素子搭載部材110は、第二の素子搭載部材枠部110dが第一の基板部110aの他方の主面に設けられ、その他方の主面に、第二の素子搭載部材用凹部空間116が形成されている。また、第一の素子搭載部材110は、その第二の素子搭載部材用凹部空間116の底面に第二の素子搭載パッド115が設けられている。
【0024】
第一の圧電振動素子搭載パッド111には、図2に示すように、後述する第一の圧電振動素子120が、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて搭載される。ここで、第一の圧電振動素子搭載パッド111は、例えば、第一の素子搭載部材110の一方の短辺側に沿って2個並んで設けられている。
【0025】
第二の素子搭載部材搭載パッド115には、図2に示すように、後述する第二の素子搭載部材150が、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて搭載される。従って、第二の素子搭載部材搭載パッド115は、後述する第二の素子搭載部材150の第一の素子搭載部材接続端子157の数及び配置に合わせて、設けられる。ここで、第二の素子搭載部材搭載パッド115は、例えば、第二の素子搭載部材用凹部空間116の底面に、4個設けられる。また、第二の素子搭載部材搭載パッド115は、一方の短辺側に沿って2個、他方の短辺側に沿って2個ずつ並んで、設けられている。
【0026】
外部接続端子117(117a,117b)は、複数、設けられる。ここで、外部接続端子117は、例えば、図1に示すように、8個設けられている。
所定の4つの外部接続端子117aは、第一の素子搭載部材110の他方の主面の4隅に1個ずつ設けられる。ここで、この所定の4つの外部接続端子117aを第一の外部接続端子117aとする。この第一の外部接続端子117aのうちの2つは、2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド111とそれぞれ電気的に接続されている。
所定の他の4つの外部接続端子117bは、第一の素子搭載部材110の他方の主面であって、一方の長辺側に沿って2個、他方の長辺側に沿って2個ずつ、第一の外部接続端子117aと接触しない位置に、並んで設けられている。ここで、所定の他の4つの外部接続端子117bを第二の外部接続端子117bとする。この第二の外部接続端子117bは、第二の素子搭載部材搭載パッド115とそれぞれ電気的に接続されている。
【0027】
第一の蓋部材接合金属層118は、第一の素子搭載部材110の一方の主面の縁部であって、後述する第一の蓋部材130の第一の素子搭載部材接合金属層131と対向する位置に、環状に設けられている。
また、第一の蓋部材接合金属層118は、後述する第一の蓋部材130に設けられた第一の素子搭載部材接合金属層131と接合される。第一の蓋部材接合金属層118が接合されることで、第一の素子搭載部材110と第一の蓋部材130とで、第一の圧電振動素子120が気密封止される。
【0028】
第一の圧電振動素子120は、図2に示すように、第一の圧電片121と第一の励振電極122と第一の引き出し電極123とから主に構成されている。
また、第一の圧電振動素子120は、第一の素子搭載部材110の第一の圧電振動素子搭載パッド111に、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて搭載される。
【0029】
第一の圧電片121は、例えば、図1に示すように、矩形形状の平板に形成されている。
第一の励振電極122は、2つ一対となっており、第一の圧電片121の両主面にそれぞれ1つずつ設けられている。一方の第一の励振電極122は、第一の圧電片121の一方の主面の中央部に設けられる。他方の第一の励振電極122は、第一の圧電片121の他方の主面であって、一方の第一の励振電極122と対向する位置に設けられる。
【0030】
第一の引き出し電極123は、2つ一対となっている。
また、第一の引き出し電極123は、一方の端部が所定の第一の励振電極122と接続し、他方の端部が、所定の第一の励振電極122が設けられた第一の圧電片121の主面と対向する主面であって、第一の圧電片121の一方の短辺側に位置するように設けられている。
つまり、一方の第一の引き出し電極123は、一方の端部が、第一の圧電片121の一方の主面に設けられた一方の第一の励振電極122に接続している。また、一方の第一の引き出し電極123は、他方の端部が、第一の圧電片121の他方の主面であって、第一の圧電片121の一方の短辺側に位置するように設けられている。
また、他方の第一の引き出し電極123は、一方の端部が、第一の圧電片121の他方の主面に設けられた他方の第一の励振電極122に接続している。また、他方の第一の引き出し電極123は、他方の端部が、第一の圧電片121の一方の主面であって、第一の圧電片121の一方の短辺側に位置するように設けられている。
【0031】
第一の圧電振動素子120は、図2に示すように、2つ一対の引き出し電極122と、第一の素子搭載部材110に設けられている2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド111とが、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて、第一の素子搭載部材110に搭載される。
従って、第一の圧電振動素子120は、2つ一対の第一の励振電極122が、導電性接着剤D及び2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド111を介して、所定の2つの第一の外部接続端子117aと電気的に接続される。
【0032】
第一の蓋部材130は、例えば、金属が用いられる。
また、第一の蓋部材130は、図1及び図2に示すように、第一の蓋部材本体部130aと第一の蓋部材壁部130bとから主に構成されている。
第一の蓋部材本体部130aは、例えば、図1に示すように、矩形形状の平板となっており、その一方の主面の縁部に第一の蓋部材壁部130bが設けられている。
第一の蓋部材壁部130bは、一方の主面の縁部に、環状の第一の素子搭載部材接合金属層131が設けられている。
第一の蓋部材130は、第一の蓋部材本体部130aの一方の主面と第一の蓋部材壁部130bの他方の主面とが対向するように、第一の蓋部材本体部130aの一方の主面に第一の蓋部材壁部130bが設けられて、第一の圧電振動素子用凹部空間132が形成される。
【0033】
従って、第一の蓋部材130は、一方の主面に第一の圧電振動素子用凹部空間132が形成されている。また、第一の蓋部材130は、一方の主面の縁部に、第一の素子搭載部材接合金属層131が設けられている。
また、第一の蓋部材130は、第一の素子搭載部材接合金属層131と第一の素子搭載部材130に設けられている第一の蓋部材接合金属層118とが接合することで、第一の圧電振動素子120を気密封止する役割を果たしている。
従って、この第一の圧素子用凹部空間132は、図2に示すように、その底面が、第一の圧電振動素子120の主面より大きい大きさとなっている。また、この第一の圧電振動素子用凹部空間132は、図2に示すように、その深さが第一の圧電振動素子搭載パッド111に搭載された第一の圧電振動素子120と接触しない深さとなっている。
【0034】
第二の素子搭載部材150は、図1に示すように、矩形形状の平板に形成されている。
また、第二の素子搭載部材150は、一方の主面に環状の第二の蓋部材接合金属層158と2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド151とが設けられている。また、第二の素子搭載部材150は、他方の主面に複数の第一の素子搭載部材接続端子157が設けられている。
【0035】
2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド151には、図2に示すように、後述する第二の圧電振動素子160が、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて搭載される。ここで、2つ一対の第2の圧電振動素子搭載パッド151は、例えば、図1に示すように、第二の素子搭載部材150の一方の主面であって、一方の短辺側に沿って2個並んで設けられている。
【0036】
複数の第一の素子搭載部材接続端子157は、第二の素子搭載部材150の他方の主面に設けられる。また、第一の素子搭載部材接続端子157は、前述した第一の素子搭載部材110に設けられた第二の素子搭載部材搭載パッド115と対向する位置に設けられる。
ここで、第一の素子搭載部材接続端子157は、例えば、4個設けられる。第一の素子搭載部材接続端子157は、第二の素子搭載部材150の他方の主面の4隅に1個ずつ設けられる。
所定の2つの第一の素子搭載部材接続端子157は、2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド151とそれぞれ電気的に接続されている。
【0037】
環状の第二の蓋部材接合金属層158は、第二の素子搭載部材150の一方の主面の縁部であって、後述する第二の蓋部材170に設けられた第二の素子搭載部材接合金属層171と対向する位置に、設けられている。
この第二の蓋部材接合金属層158は、後述する第二の蓋部材170に設けられた第二の素子搭載部材接合金属層171と接合される。第二の蓋部材接合金属層158が接合されることで、第二の素子搭載部材150と第二の蓋部材170とで、第二の圧電振動素子160が気密封止される。
【0038】
第二の素子搭載部材150は、第一の素子搭載部材110の第二の素子搭載部材搭載パッド115とこの第一の素子搭載部材接続端子157とが、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて、第一の素子搭載部材110に搭載される。従って、第二の素子搭載部材150は、前述したように所定の第二の素子搭載部材搭載パッド115が所定の第二の外部接続端子117bと電気的に接続しているので、2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド152が第二の外部接続端子117bのうちの2つと電気的に接続している。
【0039】
第二の圧電振動素子160は、第二の圧電片161と第二の励振電極162と第二の引き出し電極163とから主に構成されている。
また、第二の圧電振動素子160は、図2に示すように、第二の素子搭載部材150に設けられた第二の圧電振動素子搭載パッド151に搭載される。
【0040】
第二の圧電片161は、例えば、図1に示すように、矩形形状の平板に形成されている。
第二の励振電極162は、2つ一対となっており、第二の圧電片161の両主面にそれぞれ1つずつ設けられている。一方の第一の励振電極162は、第二の圧電片161の一方の主面の中央部に設けられる。他方の第二の励振電極162は、第二の圧電片161の他方の主面であって、一方の第二の励振電極162と対向する位置に設けられる。
【0041】
第二の引き出し電極163は、一方の端部が所定の第二の励振電極162と接続し、他方の端部が、所定の第二の励振電極162が設けられた主面と対向する主面であって、第二の圧電片161の一方の短辺側に位置するように設けられている。
つまり、一方の第二の引き出し電極163は、一方の端部が、第二の圧電片161の一方の主面に設けられた一方の第二の励振電極162に接続している。また、一方の第二の引き出し電極163は、他方の端部が、第二の圧電片161の他方の主面であって、第二の圧電片161の一方の短辺側に位置するように設けられている。
また、他方の第二の引き出し電極163は、一方の端部が、第二の圧電片161の他方の主面に設けられた他方の第二の励振電極162に接続している。また、他方の第二の引き出し電極163は、他方の端部が、第二の圧電片161の一方の主面であって、第二の圧電片161の一方の短辺側に位置するように設けられている。
【0042】
第二の圧電振動素子160は、2つ一対の第二の引き出し電極163と、第二の素子搭載部材150の2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド151とが、例えば、導電性接着剤Dにより固定され、第二の素子搭載部材150に搭載される。
従って、第二の圧電振動素子160は、2つ一対の第二の励振電極162が、所定の2つの第一の素子搭載部材接続端子157と電気的に接続となり、第二の素子搭載部材150が第一の素子搭載部材110に搭載されるので、2つ一対の第二の励振電極162が第二の外部接続端子117bのうちの2つと電気的に接続される。
【0043】
第二の蓋部材170は、例えば、金属が用いられる。
また、第二の蓋部材170は、図1及び図2に示すように、第二の蓋部材本体部170aと第二の蓋部材壁部170bとから主に構成されている。
第二の蓋部材本体部170aは、図1に示すように、矩形形状の平板に形成されている。また、第二の蓋部材170aは、一方の主面の縁部に後述する第二の蓋部材壁部170bが設けられている。
第二の蓋部材壁部170bは、一方の主面の縁部であって、第二の蓋部材接合金属層158と対向する位置に、環状の第二の素子搭載部材接合金属層171が設けられている。また、第二の蓋部材壁部170bは、その他方の主面と第二の蓋部材本体部170aの一方の主面と対向するように、第二の蓋部材本体部170aの一方の主面に設けられる。
【0044】
つまり、第二の蓋部材170は、第二の蓋部材本体部170aの一方の主面に第二の蓋部材壁部170bが設けられ、一方の主面に第二の圧電振動素子用凹部空間172が形成されている。また、第二の蓋部材170は、一方の主面の縁部に、第二の素子搭載部材接合金属層171が設けられている。
第二の蓋部材170は、第二の素子搭載部材150に設けられた第二の蓋部材接合金属層158とこの第二の素子搭載部材接合金属層171とが接合することで、第二の圧電振動素子160を気密封止する役割を果たしている。
従って、この圧電振動素子用凹部空間172は、図2に示すように、その底面が、第二の圧電振動素子160の主面より大きい大きさとなっている。また、この第二の圧電振動素子用凹部空間172は、その深さが第二の圧電振動素子搭載パッド151に搭載された第二の圧電振動素子160が接触しない深さとなっている。
【0045】
このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、第一の素子搭載部材110と第一の蓋部材130により、第一の圧電振動素子120が気密封止されている。また、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、2つ一対の第一の励振電極122が、第一の外部接続端子117aの所定の2つと電気的に接続している。つまり、このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、第一の素子搭載部材110と第一の圧電振動素子120と第一の蓋部材130とで圧電デバイスの機能を果たしている。
【0046】
また、このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、第二の素子搭載部材150と第二の蓋部材170により、第二の素子搭載部材160が気密封止されている。また、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、2つ一対の第二の励振電極162が、第二の外部接続端子117bの所定の2つと電気的に接続している。つまり、このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、第二の素子搭載部材150と第二の圧電振動素子160と第二の蓋部材170とで圧電デバイスの機能を果たしており、この機能を備えたまま、第一の素子搭載部材110に搭載されている。
【0047】
従って、このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、従来の圧電デバイス1個分の主面と主面と同じ大きさでありながら、第一の素子搭載部材110と第一の圧電振動素子120と第一の蓋部材130とからなる圧電デバイスの機能と、第二の素子搭載部材150と第二の圧電振動素子160と第二の蓋部材170とからなる圧電デバイスの機能を備えた構造となっているので、電子機器の搭載面積の減少に対応することができる。
このため、このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、従来の圧電デバイスのように、複数個、電子機器内部の集積基板部に搭載する必要がないため、小型化が不要となる。つまり、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、第一の圧電振動素子120及びの第二の圧電振動素子160の形状を小さくする必要がないので、インピーダンスの悪化を防ぐことができる。
【0048】
また、このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、従来の大きさのまま、複数の圧電デバイスの機能を備えているので、電子機器内部の集積回路部に搭載する際に、従来と同じ面積で、かつ、1回の搭載作業で搭載することができる。つまり、このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、電子機器内部の集積回路に容易に搭載することができる。
【0049】
また、このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、第一の圧電振動素子120が第一の素子搭載部材110と第一の蓋部材130とで気密封止された状態で、周波数安定度やインピーダンスの測定により良品判定を行うことができる。
同様に、第二の圧電振動素子160が第二の素子搭載部材150と第二の蓋部材170とで気密封止された状態で、周波数安定度やインピーダンスの測定により良品判定を行うことができる。
つまり、このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、第一の圧電振動素子120が気密封止された後の状態での良品判定と、第二の圧電振動素子160が気密封止された後での状態での良品判定を別々に行うことができる。従って、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、第二の圧電振動素子170が気密封止された後の良品の状態の第二の素子搭載部材150を、第一の圧電振動素子120が気密封止された後の良品の状態の第一の素子搭載部材110に搭載することができるので、不良を搭載することがないので、生産性を向上させることができる。
【0050】
(第二の実施形態)
次に本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイスについて説明する。なお、圧電デバイスを異なる2つの圧電振動子の機能を備えた圧電デバイスとして説明する。
図3は、本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
このような本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイス200は、図3に示すように、第一の圧電振動素子用凹部空間212が第一の素子搭載部材210に設けられている点で第一の実施形態と異なる。また、第二の圧電振動素子用凹部空間252が第二の素子搭載部材250に設けられている点も異なる。
【0051】
なお、第一の圧電振動素子220は、第一の実施形態に係る圧電デバイス100に用いられる第一の圧電振動素子120と同様であり、第一の圧電片221に第一の励振電極222が設けられ、第一の引き回し電極223により端部まで引き回された構造となっている。
【0052】
また、第二の圧電振動素子260は、第一の実施形態に係る圧電デバイス100に用いられる第二の圧電振動素子160と同様であり、第二の圧電片261に第二の励振電極262が設けられ、第二の引き回し電極263により端部まで引き回された構造となっている。
【0053】
第一の素子搭載部材210は、図3に示すように、第一の基板部210aと第一の圧電振動素子枠部210bと第二の素子搭載部材枠部210dとから主に構成されている。
第一の基板部210aは、一方の主面に第一の圧電振動素子搭載パッド211が設けられており、他方の主面に第二の素子搭載部材搭載パッド215が複数、設けられている。
第一の圧電振動素子枠部210bは、一方の主面の縁部に環状の第一の蓋部材接合金属層218が設けられている。また、第一の圧電振動素子枠部210bは、第一の基板部210aの一方の主面の縁部に設けられ、第一の素子搭載部材210の一方の主面に第一の圧電振動素子用凹部空間212を形成している。
第二の素子搭載部材枠部210dは、一方の主面に複数の外部接続端子217が設けられる。また、第二の素子搭載部材枠部210dは、第一の基板部210aの他方の主面の縁部に設けられ、第一の素子搭載部材210の他方の主面に第二の素子搭載部材用凹部空間216を形成している。
【0054】
つまり、第一の素子搭載部材210は、一方の主面に第一の圧電振動素子用凹部空間212が形成されており、その第一の圧電振動素子用凹部空間212の底面に2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド211が設けられている。また、第一の素子搭載部材210は、他方の主面に第二の素子搭載部材用凹部空間216が形成されており、その第二の素子搭載部材用凹部空間216の底面に、複数の第二の素子搭載部材搭載パッド215が設けられている。また、第一の素子搭載部材210は、一方の主面の縁部に、環状の第一の蓋部材接合金属層218が設けられている。また、第一の素子搭載部材210は、他方の主面に、複数の外部接続端子217(217a,217b)が設けられている。
【0055】
第一の圧電振動素子搭載パッド211には、図3に示すように、第一の圧電振動素子220が、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて搭載される。ここで、第一の圧電振動素子搭載パッド212は、例えば、第一の圧電振動素子用凹部空間212の底面であって、第一の素子搭載部材210の一方の短辺側に沿って、2個並んで設けられる。
【0056】
第二の素子搭載部材搭載パッド215には、図3に示すように、後述する第二の素子搭載部材250が、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて搭載される。従って、第二の素子搭載部材搭載パッド215は、後述する第二の素子搭載部材250に設けられた第一の素子搭載部材接続端子257の数及び配置に合わせて設けられる。ここで、第二の素子搭載部材搭載パッド215は、例えば、第二の素子搭載部材用凹部空間216の底面に、4個設けられる。また、第二の素子搭載部材搭載パッド215は、一方の短辺側に沿って2個、他方の短辺側に沿って2個ずつ並んで、設けられる。
【0057】
外部接続端子217は、複数、設けられる。ここで、外部接続端子217が、例えば、8個設けられる。
所定の4つの外部接続端子217aは、第一の素子搭載部材210の他方の主面の4隅に1個ずつ設けられている。ここで、この所定の4つの外部接続端子217aを第一の外部接続端子217aとする。この第一の外部接続端子217aのうちの所定の2つは、2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド211と電気的に接続されている。
【0058】
所定の他の4つの外部接続端子217bは、第一の素子搭載部材210の他方の主面であって、一方の長辺側に2個、他方の長辺側に2個ずつ、第一の外部接続端子217aと接触しない位置に、並んで設けられている。ここで、この所定の他の4つの外部接続端子217bを第二の外部接続端子217bとする。この第二の外部接続端子217bは、第二の素子搭載部材搭載パッド215とそれぞれ電気的に接続されている。
【0059】
第一の蓋部材接合金属層218は、第一の素子搭載部材210の一方の主面の縁部であって、後述する第一の蓋部材230に設けられた第一の素子搭載部材接合金属層231と対向する位置に、環状に設けられている。
また、第一の蓋部材接合金属層218は、後述する第一の蓋部材230の第一の素子搭載部材接合金属層231と接合される。第一の蓋部材接合金属層218が接合されることで、第一の素子搭載部材210と第一の蓋部材230とで、第一の圧電振動素子220が気密封止される。
【0060】
第一の蓋部材230は、例えば、金属が用いられ、矩形形状の平板に形成されている。
また、第一の蓋部材230は、一方の主面の縁部に第一の素子搭載部材接合金属層231が設けられている。
この第一の素子搭載部材接合金属層231は、前述した第一の蓋部材接合金属層218と対向する位置に設けられている。
第一の蓋部材230は、この第一の素子搭載部材接合金属層231と第一の素子搭載部材210に設けられた第一の蓋部材接合金属層218と接合することで、第一の圧電振動素子220を気密封止する役割を果たしている。
【0061】
第二の素子搭載部材250は、第二の基板部250aと第二の圧電振動素子枠部250bとで主に形成されている。
第二の基板部250aは、矩形形状の平板に形成されている。また、第二の基板部250aは、一方の主面に2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド251が設けられ、他方の主面に複数の第一の素子搭載部材接続端子257が設けられている。
第二の圧電振動素子枠部250bは、一方の主面に第二の蓋部材接合金属層258が設けられている。また、第二の圧電振動素子枠部250bは、他方の主面と第二の基板部250aの一方の主面が対向するように、第二の基板部250aの一方の主面の縁部に設けられる。第二の圧電振動素子枠部250bは、第二の基板部250aに設けられて、第二の素子搭載部材250の一方の主面に第二の圧電振動素子凹部空間252を形成する。
つまり、第二の素子搭載部材250は、一方の主面に第二の圧電振動素子用凹部空間252がけ製されている。また、第二の素子搭載部材250の一方の主面に第二の蓋部材接合金属層258が設けられ、他方の主面に複数の第一の素子搭載部材接続端子257が設けられている。
【0062】
2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド251には、図3に示すように、第二の圧電振動素子260が、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて搭載される。ここで、2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド251は、例えば、第二の素子搭載部材250の第二の圧電振動素子用凹部空間252の底面であって、一方の短辺側に沿って2個並んで設けられている。
【0063】
複数の第一の素子搭載部材接続端子257は、第二の素子搭載部材250の他方の主面に設けられる。また、第一の素子搭載部材接続端子257は、前述した第一の素子搭載部材210に設けられた第二の素子搭載部材搭載パッド215と対向する位置に設けられる。
ここで、第一の素子搭載部材接続端子257は、例えば、4個設けられる。この第一の素子搭載部材接続端子257は、第二の素子搭載部材250の他方の主面の4隅に1個ずつ設けられる。
所定の2つの第一の素子搭載部材接続端子257は、2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド251と電気的に接続される。
【0064】
環状の第二の蓋部材接合金属層258は、第二の素子搭載部材250の一方の主面の縁部であって、後述する第二の蓋部材270に設けられる第二の素子搭載部材接合金属層271と対向する位置に、設けられる。
この第二の蓋部材接合金属層258は、後述する第二の蓋部材270に設けられた第二の素子搭載部材接合金属層258と接合される。この第二の蓋部材接合金属層258と第二の素子搭載部材接合金属層258とが接合されることで、第二の素子搭載部材250と第二の蓋部材270とで第二の圧電振動素子260が気密封止される。
【0065】
第二の素子搭載部材250は、第一の素子搭載部材210に設けられた第二の素子搭載部材搭載パッド215とこの第一の素子搭載部材接続端子257とが、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて、第一の素子搭載部材210に搭載される。従って、第二の素子搭載部材250は、前述したように、所定の2つの第二の素子搭載部材搭載パッド215が所定の2つの第二の外部接続端子217bと電気的に接続しているので、2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド251が所定の2つの第二の外部接続端子217bと電気的に接続されている。
【0066】
第二の蓋部材270は、例えば、金属が用いられ、矩形形状に平板に形成される。
また、第二の蓋部材270は、一方の主面の縁部であって、第二素子搭載部材250に設けられた第二の蓋部材接合金属層258と対向する位置に、環状の第二の素子搭載部材接合金属層271が設けられる。
第二の蓋部材270は、この第二の素子搭載部材接合金属層271と第二の蓋部材接合金属層258とが接合することで、第二の圧電振動素子260を気密封止する役割を果たしている。
【0067】
このような本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイス200は、第一の素子搭載部材210と第一の蓋部材230により、第一の圧電振動素子220が気密封止されている。また、本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイス200は、第二の素子搭載部材250と第二の蓋部材270により、第二の圧電振動素子260が気密封止されている。
従って、本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイス200は、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
【0068】
(第三の実施形態)
次に本発明の第三の実施形態に係る圧電デバイスについて説明する。なお、圧電デバイスを圧電振動子及び圧電発振器の2つの圧電デバイスの機能を備えた圧電デバイスとして説明する。
図4は、本発明の第三の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
このような本発明の第三の実施形態に係る圧電デバイス300は、図4に示すように、第一の集積回路素子340が、第一の素子搭載部材310の第一の集積回路素子用凹部314の底面に搭載されている点で、第二の実施形態と異なる。
【0069】
なお、第一の圧電振動素子320は、第二の実施形態に係る圧電デバイス200に用いられる第一の圧電振動素子220と同様であり、第一の圧電片321に第一の励振電極322が設けられ、第一の引き回し電極323により端部まで引き回された構造となっている。
【0070】
また、第一の蓋部材330は、第二の実施形態に係る圧電デバイス200に用いられる第一の蓋部材230と同様であり、第一の蓋部材330の一方の主面に第一の素子搭載部材接合金属層331が設けられた構造となっている。
【0071】
また、第二の素子搭載部材350は、第二の実施形態に係る圧電デバイス200に用いられる第二の素子搭載部材250と同様であり、第二の基板部350aと第二の圧電振動素子枠部350bとから主に構成され、一方の主面に第二の振動素子用凹部空間352と第二の蓋部材接合金属層358とが設けられ、他方の主面に第一の素子搭載部材接続端子357が設けられた構造となっている。
【0072】
また、第二の圧電振動素子360は、第二の実施形態に係る圧電デバイス200に用いられる第二の圧電振動素子260と同様であり、第一の圧電片361に第一の励振電極362が設けられ、第一の引き回し電極363により端部まで引き回された構造となっている。
【0073】
また、第二の蓋部材370は、第二の実施形態に係る圧電デバイス200に用いられる第二の蓋部材270と同様であり、第二の蓋部材370の一方の主面に第一の素子搭載部材接合金属層371が設けられた構造となっている。
【0074】
第一の集積回路素子340は、第一の圧電振動素子320の振動に基づいて発振出力を制御する発振回路の機能を備えている。
また、第一の集積回路素子340は、後述する第一の素子搭載部材310に設けられた第一の集積回路素子搭載パッド313に、例えば、導電性接着剤Dにより搭載される。
【0075】
第一の素子搭載部材310は、第一の基板部310aと第一の圧電振動素子枠部310bと第一の集積回路素子枠部310cと第二の素子搭載部材枠部310dとから主に構成されている。
第一の基板部310aは、一方の主面に、複数の第一の集積回路素子搭載パッド313が設けられている。また、第一の基板部310aは、他方の主面に、複数の第二の素子搭載部材搭載パッド315が設けられている。
第一の集積回路素子枠部310cは、一方の主面に2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド311が設けられている。また、第一の集積回路素子枠部310cは、その他方の主面が第一の基板部310aの一方の主面と対向するように、第一の基板部310aの一方の主面の縁部に設けられ、第一の素子搭載部材310の一方の主面に第一の集積回路素子用凹部空間314を形成する。
第一の圧電振動素子枠部310bは、一方の主面の縁部に第一の蓋部材接合金属層318が設けられる。また、第一の圧電振動素子枠部310bは、その他方の主面が第一の集積回路素子枠部310cの一方の主面と対向するように、第一の集積回路素子枠部310cの一方の主面の縁部に設けられ、第一の素子搭載部材310の一方の主面に第一の圧電振動素子用凹部空間312を形成する。
第二の素子搭載部材枠部310dは、一方の主面に複数の外部接続端子317が設けられている。また、第二の素子搭載部材枠部310dは、その他方の主面が第一の基板部310aの他方の主面と対向するように、第一の基板部310aの一方の主面の縁部に設けられ、第一の素子搭載部材310の他方の主面に第二の素子搭載部材用凹部空間316を形成する。
【0076】
従って、第一の素子搭載部材310は、一方の主面に第一の圧電振動素子用凹部空間312が形成され、この第一の圧電振動素子用凹部空間312の底面に第一の集積回路素子用凹部空間314が形成されている。また、第一の素子搭載部材310は、第一の圧電振動素子用凹部空間312の底面に2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド311が設けられ、第一の集積回路素子用凹部空間314の底面に複数の第一の集積回路素子搭載パッド313が設けられている。
また、第一の素子搭載部材310は、他方の主面に第二の素子搭載部材用凹部空間316が形成されている。また、第一の素子搭載部材310は、他方の主面に複数の外部接続端子317が設けられ、第二の素子搭載部材用凹部空間316の底面に複数の第二の素子搭載部材搭載パッド315が設けられている。
【0077】
第一の圧電振動素子搭載パッド311には、図4に示すように、第一の圧電振動素子320が搭載される。ここで、第一の圧電振動素子311は、例えば、第一の圧電振動素子用凹部空間312の底面であって、第一の圧電振動素子枠部310b内側の一方の短辺側に沿って2個並んで設けられている。
【0078】
第一の集積回路素子搭載パッド313には、図4に示すように、第一の集積回路素子340が、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて、搭載される。
また、第一の集積回路素子搭載パッド313は、図4に示すように、第一の集積回路素子用凹部空間313の底面に設けられる。ここで、第一の集積回路素子搭載パッド313は、例えば、6個設けられる。また、第一の集積回路素子搭載パッド313は、第一の集積回路素子用凹部空間314の底面であって、一方の長辺側に3個、他方の長辺側に3個ずつ並べて設けられる。
また、第一の集積回路素子搭載パッド313のうち所定の2つは、2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド311と電気的に接続されている。
【0079】
第二の素子搭載部材搭載パッド315には、図4に示すように、第二の素子搭載部材350が搭載される。つまり、第二の素子搭載部材搭載パッド315は、第二の素子搭載部材350の第一の素子搭載部材接続端子357の数及び配置に合わせて設けられる。ここで、第二の素子搭載部材搭載パッド315は、例えば、第二の素子搭載部材用凹部空間316の底面に、4個設けられる。また、第二の素子搭載部材搭載パッド315は、一方の短辺側に沿って2個、他方の短辺側に沿って2個ずつ並んで設けられる。
【0080】
外部接続端子317(317a,317b)は、第一の素子搭載部材350の他方の主面に複数、設けられる。ここで、外部接続端子317は、例えば、8個設けられる。
所定の4つの外部接続端子317aは、第一の素子搭載部材310の他方の主面の4隅に1個ずつ設けられる。ここで、この所定の4つの外部接続端子317aを第一の外部接続端子317aとする。この第一の外部接続端子317aのうち所定の2つは、所定の2つの第一の集積回路素子搭載パッド313と電気的に接続されている。
所定の他の4つの外部接続端子317bは、第一の素子搭載部材310の他方の主面であって、一方の長辺側に2個、他方の長辺側に2個ずつ、第一の外部接続端子317aと接触しない位置に、並んで設けられている。ここで、所定の他の4つの外部接続端子317bを第二の外部接続端子317bとする。この第二の外部接続端子317bは、第二の素子搭載部材搭載パッド315とそれぞれ電気的に接続される。
【0081】
第一の蓋部材接合金属層318は、第一の素子搭載部材310の一方の主面の縁部であって、第一の蓋部材330に設けられた第一の素子搭載部材接合金属層331と対向する位置に、環状に設けられている。
また、第一の蓋部材接合金属層318は、第一の蓋部材330に設けられた第一の素子搭載部材接合金属層331と接合される。第一の蓋部材接合金属層318が接合されることで、第一の素子搭載部材310と第一の蓋部材330とで、第一の圧電振動素子320と第一の集積回路素子340とが気密封止される。
【0082】
このような本発明の第三の実施形態に係る圧電デバイス300は、第一の素子搭載部材310と第一の蓋部材330により、第一の圧電振動素子320と第一の集積回路素子340が気密封止されている。また、本発明の第三の実施形態に係る圧電デバイス300は、第二の素子搭載部材350と第二の蓋部材370により、第二の圧電振動素子360が気密封止されている。
従って、本発明の第三の実施形態に係る圧電デバイス300は、第二の実施形態と同様の効果を奏する。
【0083】
(第四の実施形態)
次に本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイスについて説明する。なお、圧電デバイスを圧電振動子と圧電発振器の2つの圧電デバイスの機能を備えた圧電デバイスとして説明する。
図5は、本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
このような本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイス400は、図5に示すように、第二の集積回路素子480が第二の素子搭載部材450の第二の集積回路素子用凹部空間454の底面に搭載されている点で、第二の実施形態と異なる。
【0084】
なお、第一の素子搭載部材410は、本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイス200に用いられる第一の素子搭載部材210と同様であり、第一の基板部410aと第一の圧電振動素子枠部410bと第二の素子搭載部材枠部410dとから主に構成され、一方の主面に第一の圧電振動素子用凹部空間412と第一の蓋部材接合金属層418とが設けられ、他方の主面に第二の素子搭載部材用凹部空間416と外部接続端子417とが設けられた構造となっている。また、第一の素子搭載部材410は、第一の圧電振動素子用凹部空間412の底面に2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド411が設けられ、第二の素子搭載部材用凹部空間416の底面に第二の素子搭載部材搭載パッド415が設けられた構造となっている。
【0085】
また、第一の圧電振動素子420は、本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイス200に用いられる第一の圧電振動素子220と同様であり、第一の圧電片421に第一の励振電極422が設けられ、第一の引き回し電極423により端部まで引き回された構造となっている。
【0086】
また、第一の蓋部材430は、本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイス200に用いられる第一の蓋部材230と同様であり、第一の蓋部材430の一方の主面に第一の素子搭載部材接合金属層431が設けられた構造となっている。
また、第二の圧電振動素子460は、本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイス200に用いられる第二の圧電振動素子260と同様であり、第二の圧電片461に第二の励振電極462が設けられ、第二の引き回し電極463により端部まで引き回された構造となっている。
【0087】
また、第二の蓋部材470は、本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイス200に用いられる第二の蓋部材270と同様であり、第二の蓋部材470の一方の主面に第二の素子搭載部材接合金属層471が設けられた構造となっている。
【0088】
第二の集積回路素子480は、第二の圧電振動素子460の振動に基づいて発振出力を制御する発振回路の機能を備えている。
また、第二の集積回路素子480は、後述する第二の素子搭載部材450に設けられた第二の集積回路素子搭載パッド453に、例えば、導電性接着剤Dにより、固定されて搭載される。
【0089】
第二の素子搭載部材450は、第二の基板部450aと第二の圧電振動素子枠部450bと第二の集積回路素子枠部450cとから主に構成されている。
第二の基板部450aは、一方の主面に複数の第二の集積回路素子搭載パッド453が設けられており、他方の主面に複数の第一の素子搭載部材接続端子457が設けられている。
第二の集積回路素子枠部450cは、一方の主面に2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド451が設けられる。また、第二の集積回路素子枠部450cは、その他方の主面と第二の基板部450aの一方の主面とが対向するように、第二の基板部450aの一方の主面の縁部に設けられ、第二の集積回路素子用凹部空間454を形成する。
第二の圧電振動素子枠部450bは、一方の主面の縁部に第二の蓋部材接合金属層458が設けられる。また、第二の圧電振動素子枠部450bは、その他方の主面が第二の集積回路素子枠部450cの一方の主面と対向するように、第二の集積回路素子枠部450cの一方の主面の縁部に設けられ、第二の圧電振動素子用凹部空間452を形成する。
【0090】
つまり、第二の素子搭載部材450は、一方の主面に第二の圧電振動素子用凹部空間452が形成され、この第二の圧電振動素子用凹部空間452の底面に第二の集積回路素子用凹部空間454が形成されている。また、第二の素子搭載部材450は、一方の主面の縁部に第二の蓋部材接合金属層458が設けられている。また、第二の素子搭載部材450は、第二の圧電振動素子用凹部空間452の底面に2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド451が設けられ、第二の集積回路素子用凹部空間454の底面に複数の第二の集積回路素子搭載パッド453が設けられる。また、第二の素子搭載部材450は、他方の主面に複数の外部接続端子457が設けられている。
【0091】
第二の圧電振動素子搭載パッド411には、図5に示すように、第二の圧電振動素子460が、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて搭載される。ここで、第二の圧電振動素子搭載パッド411は、例えば、第二の圧電振動素子用凹部空間452の底面であって、一方の短辺側に沿って2個並んで設けられている。
【0092】
第二の集積回路素子搭載パッド453には、図5に示すように、第二の集積回路素子480が、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて搭載される。
また、第二の集積回路素子搭載パッド453は、第二の集積回路素子用凹部空間454の底面に設けられる。ここで、第二の集積回路素子搭載パッド453は、例えば、6個設けられる。また、第二の集積回路素子搭載パッド453は、第二の集積回路素子用凹部空間454の底面であって、一方の長辺側に3個、他方の長辺側に3個ずつ並べて設けられる。
また、第二の集積回路素子搭載パッド453のうち所定の2つは、2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド451と電気的に接続されている。
【0093】
第一の素子搭載部材接続端子457は、第二の素子搭載部材450の他方の主面に、複数、設けられる。ここで、第一の素子搭載部材接続端子457は、例えば、4個、第二の素子搭載部材450の他方の主面の4隅に1個ずつ設けられる。
所定の第一の素子搭載部材接続端子457は、所定の第二の集積回路素子搭載パッド453と電気的に接続される。
【0094】
第二の蓋部材接合金属層458は、第二の素子搭載部材450の一方の主面の縁部であって、第二の蓋部材450に設けられた第一の素子搭載部材接合金属層471と対向する位置に、環状に設けられる。
また、第二の蓋部材接合金属層458は、第二の蓋部材470に設けられた第二の素子搭載部材接合金属層458と接合される。第二の蓋部材接合金属層458が第二の素子搭載部材接合金属層471と接合されることで、第二の素子搭載部材450と第二の蓋部材470とで、第二の圧電振動素子460と第二の集積回路素子480とが気密封止される。
【0095】
このような本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイス400は、第一の素子搭載部材410と第一の蓋部材430により、第一の圧電振動素子420が気密封止されている。また、本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイス400は、第二の素子搭載部材450と第二の蓋部材470により、第二の圧電振動素子460及び第二の集積回路素子480が気密封止されている。
従って、本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイス400は、第二の実施形態と同様の効果を奏する。
【0096】
(第五の実施形態)
次に本発明の第五の実施形態に係る圧電デバイスについて説明する。なお、圧電デバイスを圧電発振器と圧電発振器の2つの圧電デバイスの機能を備えた圧電デバイスとして説明する。
図6は、本発明の第五の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
このような本発明の第五の実施形態に係る圧電デバイス500は、図6に示すように、第一の集積回路素子540が第一の素子搭載部材510の第一の集積回路素子用凹部空間514の底面に搭載されている点で、第四の実施形態と異なる。
【0097】
なお、第一の圧電振動素子520は、本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイス400に用いられる第一の圧電振動素子420と同様であり、第一の圧電片521に第一の励振電極522が設けられ、第一の引き回し電極523により端部まで引き回された構造となっている。
【0098】
また、第一の蓋部材530は、本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイス400に用いられる第一の蓋部材530と同様であり、第一の蓋部材530の一方の主面に第一の素子搭載部材接合金属層531が設けられた構造となっている。
【0099】
また、第二の素子搭載部材550は、本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイス400に用いられる第二の素子搭載部材450と同様であり、第二の基板部550aと第二の圧電振動素子枠部550bと第二の集積回路素子枠部550cとから主に構成され、一方の主面に第二の圧電振動素子用凹部空間512が形成され、この第二の圧電振動素子用凹部空間512の底面に第二の集積回路素子用凹部空間514が形成された構造となっている。また、第二の素子搭載部材550は、第二の圧電振動素子用凹部空間512の底面に2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッド551が設けられ、第二の集積回路素子用凹部空間514の底面に第二の集積回路素子搭載パッド513が設けられた構造となっている。また、第二の素子搭載部材550は、一方の主面の縁部に第二の蓋部材接合金属層558が設けられ、他方の主面に複数の第一の素子搭載部材接続端子557が設けられた構造となっている。
【0100】
また、第二の圧電振動素子560は、本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイス400に用いられる第二の圧電振動素子460と同様であり、第二の圧電片561に第二の励振電極562が設けられ、第二の引き回し電極563により端部まで引き回された構造となっている。
【0101】
また、第二の蓋部材570は、本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイス400に用いられる第二の蓋部材470と同様であり、第二の蓋部材570の一方の主面に第二の素子搭載部材接合金属層571が設けられた構造となっている。
また、第二の集積回路素子580は、本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイス400に用いられる第二の集積回路素子480と同様であり、第二の圧電振動素子560の振動に基づいて発振出力を制御する発振回路の機能を備えている。
【0102】
第一の集積回路素子540は、第一の圧電振動素子520の振動に基づいて発振出力を制御する発振回路の機能を備えている。
また、第一の集積回路素子540は、後述する第一の素子搭載部材510に設けられた第一の集積回路素子搭載パッド513に、例えば、導電性接着剤Dによって、固定されて搭載される。
【0103】
第一の素子搭載部材510は、第一の基板部510aと第一の圧電振動素子枠部510bと第一の集積回路素子枠部510dと第二の素子搭載部材枠部510dとから主に構成されている。
第一の基板部510aは、一方の主面に、複数の第一の集積回路素子搭載パッド513が設けられている。また、第一の基板部510aは、他方の主面に、複数の第二の素子搭載部材搭載パッド515が設けられている。
第一の集積回路素子枠部510cは、一方の主面に2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド511が設けられている。また、第一の集積回路素子枠部510cは、その他方の主面が第一の基板部510aの一方の主面と対向するように、第一の基板部510aの一方の主面の縁部に設けられ、第一の素子搭載部材510の一方の主面に第一の集積回路素子用凹部空間514を形成する。
第一の圧電振動素子枠部510bは、一方の主面の縁部に第一の蓋部材接合金属層518が設けられる。また、第一の圧電振動素子枠部510bは、その他方の主面が第一の集積回路素子枠部510cの一方の主面と対向するように、第一の集積回路素子枠部510cの一方の主面の縁部に設けられ、第一の素子搭載部材510の一方の主面に第一の圧電振動素子用凹部空間512を形成する。
第二の素子搭載部材枠部510dは、一方の主面に複数の外部接続端子517が設けられている。また、第二の素子搭載部材枠部510dは、その他方の主面が第一の基板部510aの他方の主面と対向するように、第一の基板部510aの一方の主面の縁部に設けられ、第一の素子搭載部材510の他方の主面に第二の素子搭載部材用凹部空間516を形成する。
【0104】
従って、第一の素子搭載部材510は、一方の主面に第一の圧電振動素子用凹部空間512が形成され、この第一の圧電振動素子用凹部空間512の底面に第一の集積回路素子用凹部空間514が形成されている。また、第一の素子搭載部材510は、第一の圧電振動素子用凹部空間512の底面に2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド511が設けられ、第一の集積回路素子用凹部空間514の底面に複数の第一の集積回路素子搭載パッド513が設けられている。
また、第一の素子搭載部材510は、他方の主面に第二の素子搭載部材用凹部空間516が形成されている。また、第一の素子搭載部材510は、他方の主面に複数の外部接続端子517が設けられ、第二の素子搭載部材用凹部空間516の底面に複数の第二の素子搭載部材搭載パッド515が設けられている。
【0105】
第一の圧電振動素子搭載パッド511には、図6に示すように、第一の圧電振動素子520が、例えば、導電性接着剤Dにより固定されて搭載される。ここで、第一の圧電振動素子520は、例えば、第一の圧電振動素子用凹部空間512の底面であって、第一の圧電振動素子枠部510b内側の一方の短辺側に沿って2個並んで設けられている。
【0106】
第一の集積回路素子搭載パッド513には、図6に示すように、第一の集積回路素子540が、例えば、導電性接着剤Dにより、固定されて搭載される。
また、第一の集積回路素子搭載パッド513は、図6に示すように、第一の集積回路素子用凹部空間512の底面に設けられる。ここで、第一の集積回路素子搭載パッド513は、例えば、6個設けられる。また、第一の集積回路素子搭載パッド513は、第一の集積回路素子用凹部空間514の底面であって、一方の長辺側に3個、他方の長辺側に3個ずつ並べて設けられる。
また、第一の集積回路素子搭載パッド513のうち所定の2つは、2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッド511と電気的に接続されている。
【0107】
第二の素子搭載部材搭載パッド515には、図6に示すように、第二の素子搭載部材550が搭載される。つまり、第二の素子搭載部材搭載パッド515は、第二の素子搭載部材550の第一の素子搭載部材接続端子557の数及び配置に合わせて設けられる。ここで、第二の素子搭載部材搭載パッド515は、例えば、第二の素子搭載部材用凹部空間516の底面に、4個設けられる。また、第二の素子搭載部材搭載パッド515は、一方の短辺側に沿って2個、他方の短辺側に沿って2個ずつ並んで設けられる。
【0108】
外部接続端子517(517a,517b)は、第一の素子搭載部材510の他方の主面に複数、設けられる。ここで、外部接続端子517は、例えば、8個設けられる。
所定の4つの外部接続端子517aは、第一の素子搭載部材510の他方の主面の4隅に1個ずつ設けられる。ここで、この所定の4つの外部接続端子517aを第一の外部接続端子517aとする。
この第一の外部接続端子517aは、例えば、第一の集積回路素子用電圧制御端子と第一の集積回路素子用電源電圧端子と第一のグラウンド端子と第一の出力端子とからなっている。
第一の外部接続端子517aは、第一の集積回路素子用電圧制御端子と第一の集積回路素子用電源電圧端子517aとが、所定の2つの第一の集積回路素子搭載パッド513と電気的に接続される。
【0109】
所定の他の4つの外部接続端子517bは、第一の素子搭載部材510の他方の主面であって、一方の長辺側に2個、他方の長辺側に2個ずつ、第一の外部接続端子517aと接触しない位置に並んで設けられている。ここで、この所定の他の4つの外部接続端子517bを第二の外部接続端子517bとする。
この第二の外部接続端子517bは、例えば、第二の集積回路素子用電圧制御端子と第二の集積回路素子用電源電圧端子と第二のグラウンド端子と第二の出力端子とからなっている。
第二の外部接続端子517bは、第二の素子搭載部材搭載パッド515とそれぞれ電気的に接続される。
【0110】
外部接続端子517は、例えば、第一のグラウンド端子と第二の出力端子が隣接し、第一の出力端子と第二のグラウンド端子とが隣接し、第一の集積回路素子用電源電圧制御端子と第二の集積回路素子用電源電圧端子とが隣接し、第一の集積回路素子用電源電圧端子と第二の集積回路素子用電源電圧制御端子とが隣接するように設けられる。
外部接続端子517は、このように、第一のグラウンド端子と第二の出力端子とが隣接し、第一の出力端子と第二のグラウンド端子とが隣接することで、ノイズの影響を抑えることが可能となる。
【0111】
第一の蓋部材接合金属層518は、第一の素子搭載部材510の一方の主面の縁部であって、第一の蓋部材530に設けられた第一の素子搭載部材接合金属層531と対向する位置に、環状に設けられている。
また、第一の蓋部材接合金属層518は、第一の蓋部材530に設けられた第一の素子搭載部材接合金属層531と接合される。第一の蓋部材接合金属層518が接合されることで、第一の素子搭載部材510と第一の蓋部材530とで、第一の圧電振動素子520と第一の集積回路素子540とが気密封止される。
【0112】
このような本発明の第五の実施形態に係る圧電デバイス500は、第一の素子搭載部材510と第一の蓋部材530により、第一の圧電振動素子520と第一の集積回路素子540が気密封止されている。また、本発明の第五の実施形態に係る圧電デバイス500は、第二の素子搭載部材550と第二の蓋部材570により、第二の圧電振動素子560及び第二の集積回路素子580が気密封止されている。
従って、本発明の第五の実施形態に係る圧電デバイス500は、第四の実施形態と同様の効果を奏する。
【0113】
なお、第一の圧電振動素子用凹部空間が第一の素子搭載部材の一方の主面又は第一の素子搭載部材の一方の主面に設けられている場合について説明したが、第一の素子搭載部材と第一の蓋部材とで第一の圧電振動素子が気密封止できる構造となるよう、第一の圧電振動素子用凹部空間が第一の蓋部材の一方の主面又は/及び第一の素子搭載部材の一方の主面に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0114】
100,200,300,400,500,600,700 圧電デバイス
110,210,310,410,510 第一の素子搭載部材
111,211,311,411,511 第一の圧電振動素子搭載パッド
132,212,312,412,512 第一の圧電振動素子用凹部空間
313,513 第一の集積回路素子搭載パッド
314,514 第一の集積回路素子用凹部空間
115,215,315,415,515 第二の素子搭載部材搭載パッド
116,216,316,416,516 第二の素子搭載部材用凹部空間
117,217,317,417,517 外部接続端子
118,218,318,418,518 第一の蓋部材接合金属層
120,220,320,420,520 第一の圧電振動素子
121,221,321,421,521 第一の圧電片
122,222,322,422,522 第一の励振電極
123,223,323,423,523 第一の引き回し電極
130,230,330,430,530 第一の蓋部材
131,231,331,431,531 第一の素子搭載部材接合金属層
340,540 第一の集積回路素子
150,250,350,450,550 第二の素子搭載部材
151,251,351,451,551 第二の圧電振動素子搭載パッド
172,252,352,452,552 第二の圧電振動素子用凹部空間
453,553 第二の集積回路素子搭載パッド
454,554 第二の集積回路素子用凹部空間
157,257,357,457,557 第一の素子搭載部材接続端子
158,258,358,458,558 第二の蓋部材接合金属層
160,260,360,460,560 第二の圧電振動素子
161,261,361,461,561 第二の圧電片
162,262,362,462,562 第二の励振電極
163,263,363,463,563 第二の引き回し電極
170,270,370,470,570 第二の蓋部材
171,271,371,471,571 第二の素子搭載部材接合金属層
480,580 第二の集積回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の主面に2つ一対の第一の圧電振動素子搭載パッドが設けられ、他方の主面に第二の素子搭載部材用凹部空間が設けられ、この前記第二の素子搭載部材用凹部空間内に複数の第二の素子搭載部材搭載パッドが設けられている第一の素子搭載部材と、
前記第一の圧電振動素子搭載パッドに搭載され、第一の励振電極と第一の励振電極から引き出された引き出し電極とを備えた第一の圧電振動素子と、
前記第一の圧電振動素子を気密封止する第一の蓋部材と、
一方の主面に2つ一対の第二の圧電振動素子搭載パッドが設けられ、他方の主面に複数の第一の素子搭載部材接続端子が設けられ、この前記第一の素子搭載部材接続端子と前記第二の素子搭載部材用凹部空間内に設けられた前記第二の素子搭載部材搭載パッドとが接合されている第二の素子搭載部材と、
前記第二の圧電振動素子搭載パッドに搭載され、第二の励振電極と第二の励振電極から引き出された引き出し電極とを備えた第二の圧電振動素子と、
前記第二の圧電振動素子を気密封止する第二の蓋部材と、
を備えたことを特徴とする圧電デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−30124(P2011−30124A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176082(P2009−176082)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000104722)京セラキンセキ株式会社 (870)
【Fターム(参考)】