説明

地図情報表示装置及びその方法

【課題】ユーザに分かり易く表示することを可能とする地図情報表示装置及びその方法を提供する。
【解決手段】移動体向けに地図を表示する地図情報表示装置であって、地図表示部115に表示される画像に含まれる地図を複数の領域に分割するグルーピング部111と、分割された各領域について、1以上の所定数を上限とする地点を、通過予想時刻を表示する地点として選択する表示位置決定部113と、選択された地点の通過予想時刻を算出する時刻算出部114と、地図と通過予想時刻とを含む画像を表示する地図表示部115とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体向けに地図を表示する地図情報表示装置及びその方法に関し、特に、表示された地図に含まれる地点の通過予想時刻を地図とともに表示する地図情報表示装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、カーナビゲーション装置や携帯電話などのモバイル端末ナビゲーション装置などの地図表示装置において、ユーザが設定した目的地における到着時刻を表示するということが行われている。到着時刻を表示することで、ユーザは目的地に間に合うかどうかを知ることができるため、安心して移動することができる。また、到着時刻は寄り道するかどうかの判断にも利用することができる。
【0003】
しかし、目的地への距離が遠い場合や、目的地が決まってない場合、さらに、サービスエリアなど、ユーザが設定した目的地以外の場所にも立ち寄ることを考えている場合など、目的地だけではなく、別の位置の通過時刻についても表示することは目的地の到着時刻と同様に有効である。たとえ、通過時刻の表示位置が目的地とは異なったとしても通過時刻表示は有効である。表示された位置の通過時刻を元に、その位置の周辺の通過時刻をユーザが推測できるためである。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の車両用のナビゲーション装置は、ユーザが目的地を設定したとき、目的地までの走行経路上における主要交差点の通過時刻を地図上に表示する。また、表示される地図の縮尺に応じて、通過時刻を表示する位置を変更する。
【0005】
また、地図上に画像や文字を表示する際は、見易くするということが重要である。例えば、特許文献2に記載の車両用ナビゲーション装置は、地図上にランドマークを表示する際に、表示された地図上のランドマークの数を所定の数に保つことで、見易くするようにしている。
【特許文献1】特開2004−286456号公報
【特許文献2】特開平10−153449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、例えば、特許文献1に記載のナビゲーション装置では、ユーザが目的地を設定しないと、通過時刻が表示されないという問題があった。
【0007】
また、ユーザは目的地までの走行経路以外にも寄り道を検討したい場所があるかもしれない。しかし、特許文献1に記載のナビゲーション装置では、目的地へ走行経路上の通過時刻しか表示されないという問題があった。だからといって地図上の全ての主要交差点の通過時刻を表示すると、表示される通過時刻の数が多くなる、表示位置が密集することにより、ユーザにとってわかりにくくなる。特許文献2に記載の車両用ナビゲーション装置のように、通過時刻を表示される位置の数を所定の数に保ったとしても、通過時刻を表示する際には別の問題が生じる。単に数だけで制御したのでは、図62のように通過時刻表示位置が密集してしまうおそれがある。
【0008】
一般的に通過時刻表示位置の周辺の通過時刻については道路間の距離によりユーザが類推することができる。しかし、図62のように通過時刻表示位置が現在位置の北西に密集していては、北西以外の位置の通過時刻がユーザはわからず、表示が無駄である。よって図63のように、疎らに通過時刻を表示させる必要がある。
【0009】
そこで本発明では、ユーザに分かり易く表示することを可能とする地図情報表示装置及びその方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の地図情報表示装置は、移動体向けに地図を表示する地図情報表示装置であって、地図と、前記地図に含まれる地点の通過予想時刻とを含む画像を表示する表示手段と、通過予想時刻を表示する候補となる候補地点を複数取得する候補取得手段と、前記候補地点のうち前記表示手段で表示される地図領域の一部分における空間密度が所定の条件を満たす程度に高い複数の候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する選択手段と、前記選択された候補地点の通過予想時刻を算出する予想時刻算出手段と、前記地図と、前記選択された候補地点と前記通過予想時刻の組とを含む前記画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備える。
【0011】
好ましくは、前記選択手段は、前記表示手段で表示する地図領域内に、複数のグループ区域を設定し、前記取得された候補地点の中から、前記設定されたグループ区域ごとに、グループ区域に含まれる所定の上限数までの候補地点を選択してもよい。
【0012】
このように、本発明の地図情報表示装置は、表示手段に表示される地図領域を複数のグループ区域に分割し、各グループ区域に含まれる通過予想時刻の表示地点の数を所定数以下に制限する。これにより、表示手段に表示される地図領域の一部分に通過予想時刻の表示地点が密集することがなくなる。その結果、表示される地図情報の視認性が向上し、ユーザはその表示地点と実際の道路上の位置との対応を容易に理解することが可能となる。
【0013】
また、本発明の地図情報表示装置は、各グループ区域に少なくとも1つの通過予想時刻を算出する地点が含まれるように通過時刻表示地点を選択してもよい。そうすれば、ユーザは各グループ区域に分散して示される地点の通過予想時刻から、現在位置から地図上のあらゆる地点への通過予想時刻を推測することが容易になり、ユーザが移動するときの予定を随時適切に計画し、また、計画を変更することが可能となる。
【0014】
好ましくは、前記分割部は、各グループ区域の間に少なくとも所定の幅の隙間を設けるとともに、グループ区域の1つ以上が、前記移動体が現在位置している道路の前記移動体の進行方向にある部分を含むように、前記表示手段で表示する地図領域を複数のグループ区域に分割する。
【0015】
このように、分割部は各グループ区域間が一定以上離れるように分割する。これにより、例えば、隣接するグループ区域のそれぞれに含まれる最も距離の近い2つの表示地点が選択された場合であっても、一定以上は離れることとなり、通過時刻の表示地点が密集することがなくなる。従って、ユーザはその表示地点と実際の道路上の位置との対応を容易に理解することが可能となり、視認性を向上させることが可能となる。
【0016】
さらに好ましくは、さらに、地図上に表示される通過時刻以外の画像の表示領域を取得する他画像表示位置取得手段を備え、前記分割部は、前記表示手段で表示する地図領域から前記他画像表示位置取得手段で取得された領域を除いた領域を前記複数のグループ区域に分割する。
【0017】
一般に、地図情報表示装置画面においては、タッチパネル用ボタン、地図の縮尺、現在時刻、VICS文字情報など通過時刻以外の画像が表示されることが多い。このような場合に、地図を分割してグループ区域を設定するときに、他の画像の表示位置をいずれのグループ区域にも含まないように分割する。それにより、通過時刻の表示位置と他の画像の表示位置とが重なり合う事態が回避され、通過時刻や他の画像が見えにくくなることを防ぐことが可能となり、ユーザが見やすい表示画面を提供することが可能となる。
【0018】
さらに好ましくは、前記候補取得手段は、前記移動体の移動に伴って生じる予め定められた変化であるイベントの種類と、通過時刻を表示する候補となる前記イベントが発生した地点とを対応付けたイベント履歴情報を蓄積しているイベント履歴蓄積部を有し、前記選択手段は、さらに、地点が利用者の印象に残る度合いを示す印象値を前記イベント履歴情報から前記地点毎に算出する印象値算出部を有し、前記選択手段は、分割された前記各グループ区域に含まれる地点のうち、前記印象値が高い順に予め定められた数を上限とする地点を、前記通過予想時刻を表示する地点として選択する。
【0019】
このように、本発明の地図情報表示装置は印象値を算出する。これにより、ユーザの印象に強く残っている地点を優先的に通過時刻の表示地点とすることができる。ユーザの印象に残っている地点については、ユーザはその表示地点と実際の道路上の位置との対応を容易に理解することが可能となり、視認性を向上させることが可能となる。
【0020】
さらに好ましくは、前記印象値算出部は、イベントの種類毎に当該イベントが発生した地点の数であるイベント発生地点数と、前記各地点でのイベントの発生回数とを前記イベント履歴情報から集計し、前記イベント発生地点数が1であるイベントの種類毎に前記イベントの発生回数を前記地点毎に集計するイベント別印象値集計部と、前記イベント別印象値集計部により集計された前記各地点でのイベントの種類毎の前記イベントの発生回数を、前記地点毎に全てのイベントの種類について合計することにより、前記印象値を算出する合算部とを有する。
【0021】
このように、本発明の地図情報表示装置は、イベント発生地点数が1であるイベントのみを対象にして、そのイベントが発生した地点の中から表示地点を選択する。これにより、表示位置で発生したイベントの種類をユーザが他のイベントと混同することなく特定できるため、ユーザの視認性を向上させることが可能となる。
【0022】
さらに好ましくは、候補取得手段は、前記移動体の移動に伴って生じる予め定められた変化であるイベントの種類と、通過時刻を表示する候補となる前記イベントが発生した地点とを対応付けたイベント履歴情報を蓄積しているイベント履歴蓄積部を備え、前記選択手段は、さらに、イベントの種類毎に当該イベントが発生した地点の数であるイベント発生地点数を前記イベント履歴情報から集計し、前記イベント発生地点数が予め定められた閾値以下であるイベントが発生する地点を抽出する希少地点抽出部を有し、前記選択手段は、前記希少地点抽出部により抽出された地点が、前記分割部により分割された前記各グループ区域のいずれかに予め定められた数より多く含まれる場合に、当該予め定められた数より多い地点を含む領域について、前記予め定められた数の地点の組み合わせ毎に、当該組み合わせに含まれる地点間の距離の最小値を算出し、当該最小値が最も大きい組み合わせに含まれる前記予め定められた数の地点を、通過予想時刻を表示する地点として選択する。
【0023】
このように、本発明の地図情報表示装置は、希少なイベントが発生する地点を表示地点の候補とし、これら候補の中から地点間の距離が最も離れる予め定められた数の地点の組み合わせを選択する。これにより、通過時刻の表示地点間の距離を隔てることができ、表示地点の密集を回避できる。従って、ユーザはその表示地点と実際の道路上の位置との対応を容易に理解することが可能となり、視認性を向上させることが可能となる。
【0024】
さらに好ましくは、さらに、現在の移動における移動体の出発地点を検知する出発位置検知手段を備え、前記イベント履歴蓄積部は、イベントの種類と、前記イベントが発生した地点と、さらに、前記イベントが発生した移動の出発地点とを対応付けたイベント履歴情報を蓄積しており、前記印象値算出部は、前記出発位置検知手段により検知された前記出発地点と同一である前記出発地点に対応付けられた前記イベント履歴情報から、前記印象値を前記地点毎に算出する。
【0025】
このように、本発明の地図情報表示装置は、移動体の現在の出発地点と同一の出発地点であるイベント履歴から印象値を算出する。一般に、現在位置が同じであっても、往路と復路とでは印象が異なる場合がある。したがって、出発地点を考慮した印象値を算出することにより、状況に応じた適切な印象値を算出することが可能となる。
【0026】
さらに好ましくは、さらに、前記イベントの種類と、前記イベントの種類を示すアイコン画像データとが対応付けたイベント規則情報を蓄積する規則蓄積手段を備え、前記表示制御手段は、前記表示手段に表示される画像の一部分である所定区域内に、前記選択手段により選択された前記地点で発生した前記イベントの種類を示す前記アイコン画像データと、前記地点の前記通過予想時刻とを関連付けて、前記通過予想時刻の順に並べた画像を前記表示手段に表示させることにより、前記通過予想時刻が算出された前記地点と関連付けられた前記通過予想時刻を含む前記画像を前記表示手段に表示させる。
【0027】
このように、本発明の地図情報表示装置は通過時刻とともに通過時刻に対応する地点を示すアイコンを表示する。これにより、ユーザはその地点を判別することが容易になり、視認性を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の地図情報表示装置により、表示手段で表示される地図領域の一部分に通過予想時刻が密集する事態が回避されるので、ユーザは、本発明に係る地図情報表示装置の画面上に通過予想時刻が表示された地図上の位置と、実際の道路上の位置との対応を容易に理解することが可能となり、視認性を向上させることが可能となる。また、ユーザが通過時刻を推測することを容易にすることが可能となり、ユーザが移動するときの予定を随時適切に計画し、また、計画を変更することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(実施の形態)
最初に、本発明の地図情報表示装置における地図情報表示の考え方について説明する。
【0030】
通過時刻の表示位置が地図上で1箇所または数箇所に密集していると、ユーザは表示されている通過時刻がいずれの位置に対応するかを判別し難くなることや、表示上で通過時刻が重なり合うことで表示が見えなくなることがある。このような表示の視認性の問題を解決するには、通過時刻の表示位置を地図上に疎らに分散させることが必要である。
【0031】
視認性の向上のために通過時刻の表示位置数を絞り込んだとしても、適切に分散されているならば、ユーザは表示上の通過時刻から、その表示された位置の周囲の通過時刻を推測することができる。そのため、表示位置数が減少することによってユーザが不便になることはなく、むしろ、視認性の向上に伴う利点が大きい。
【0032】
そこで、通過時刻表示位置を適切に分散させるために、地図表示画面の表示位置により、イベント発生位置のグルーピングを行い、それぞれのグループについてイベント発生位置の中から通過時刻表示位置を決定する。
【0033】
また、同じ主要交差点やランドマークに通過時刻を表示したとしても、ユーザによって、その位置の印象は異なり、特に縮尺の小さい広域地図において、地図上で通過時刻を表示された位置が、実際の道路上でどの位置であるのかがユーザにとってわからないか、もしくは理解するのに時間がかかるという問題もある。特にカーナビゲーション装置の場合は、運転中など長時間の注視が認められていないため、短時間で通過時刻表示位置を理解する必要がある。
【0034】
そこで、ユーザに分かり易く通過時刻を表示するには、通過時刻表示位置の数が絞られて分散されて、さらに、通過時刻表示位置が、その地図上での位置と現実の位置との対応をユーザがとりやすい位置であることが望ましい。
【0035】
地図上での位置と現実の位置との対応がとりやすい位置とは、希少性の高いイベントの発生位置である。つまり発生する位置の数が少ないイベントの発生位置である。発生位置の少ないイベントはユーザが位置をはっきりと覚えていることが多く、地図上での位置と現実との対応がとりやすい。しかし、希少性が高いイベントの発生位置でも、ユーザがほとんど通ったことのない位置では、ユーザは地図上での位置と現実との対応がとりにくい。そこで、その位置で起こるイベントの反復性が高いことも重要である。つまり地図上での位置と現実との対応がとりやすい位置とは、希少性の高いイベントの発生位置であり、その位置において、そのイベントの起こる回数が多い位置である。このような位置を通過時刻の表示位置にするとユーザにとってわかりやすい。なお、このような位置はユーザの印象に強く残っていることが多い。
【0036】
イベントとは、ユーザの移動に伴って生じる予め定められた変化をいう。具体的には、「右折左折、停止、急加速、急減速、Uターン」といった位置や時刻で特定されるユーザの動作から検出されるものだけではなく、「トンネルや橋といった道路上の構造物の通過」、「道路の車線数の変更、国道、県道、高速道路といった道路の種類の変化」といった地図情報を用いて検出されるものもある。また、ユーザが道路を通過するときの、「ユーザから見える道路そのものや景色の変化」もイベントである。
【0037】
それぞれのイベントについて、イベントの発生位置の数を検知することで、それぞれのイベントの希少性を算出する。各イベントの発生位置の数と、各位置でのイベントの起こる回数を検知することで、ユーザの印象に強く残っている可能性が高い位置を特定することができ、通過時刻表示が効果的である位置を算出することが可能となる。
【0038】
図1は本発明の一実施の形態における地図情報表示装置の構成を示すブロック図である。図1に示す地図情報表示装置100は、時刻取得部101と、位置取得部102と、走行履歴蓄積部116と、規則蓄積部103と、地図情報蓄積部104と、発生検知部105と、イベント履歴蓄積部106と、発生数取得部107と、発生位置数取得部108と、画面区域取得部109と、表示位置選択部110と、グルーピング部111と、印象値算出部112と、表示位置決定部113と、時刻算出部114と、地図表示部115とから構成されている。以下、まず各構成要素について図を用いて説明し、後に本装置の動作
について説明する。
【0039】
時刻取得部101は、装置内の時計や、GPS(Global Positioning System)アンテナにより現在の時刻情報を取得する。例えば「2006年4月20日11時13分20秒」のように年月日時分秒を取得する。
【0040】
位置取得部102は、GPSアンテナまたはICタグ、基地局通信、画像認識等により、移動体の現在地の位置を検知する。例えば、東経「134.5.59.9」、北緯「34.5.15.6」のように移動体の経度、緯度の情報を検知する。
【0041】
このような位置取得部102は、現在の移動における移動体の出発地点を検知する出発位置検知手段の一例である。
【0042】
走行履歴蓄積部116は、位置取得部102が取得した現在位置と時刻取得部101が取得した現在時刻の履歴を走行履歴として蓄積する。例えば、図2のように1秒ごとに現在位置情報を蓄積する。例えば、図2のID「001」は時刻「9月20日7時0分0秒」に移動体が東経「134.5.28.9」、北緯「34.5.15.7」の位置にいたことを示す。
【0043】
規則蓄積部103は、走行履歴蓄積部116に蓄積された走行履歴、地図情報蓄積部104に蓄積された地図情報からイベントの発生と発生したイベントの種類を検知するためのイベント規則を蓄積する。例えば、図3のようにイベント規則が蓄積されていたとき、種類「停車」のイベントは位置が1秒以上5分以内、同じ位置に停止したときに、イベントの発生を検知し、停止位置をイベント発生位置とする。具体的には時刻t(秒)の移動体の位置をPtとすると、
【数1】

【数2】

【数3】

が成り立つ時刻n(秒)とT(秒)とが存在するとき、種類「停車」のイベントを検知し、イベント発生位置は時刻n(秒)のときの移動体の位置Pnである。
【0044】
このような規則蓄積部103は、イベントの種類と、イベントの種類を示すアイコン画像データとが対応付けたイベント規則情報を蓄積する規則蓄積手段の一例である。
【0045】
地図情報蓄積部104は、ノード位置や接続ノード、ノード間のリンクの旅行時間、車線数、道路の種類、構造物といった道路情報を蓄積する。構造物は道路上の構造物のことであり、例えば「橋」「トンネル」「料金所」「高架」といったものが存在する。例えば、図4(a)および図4(b)に示すように、ノードの位置、接続ノード、ノード間を結ぶリンクの旅行時間が蓄積されている。例えば、図4(a)は、ノードID「001」のノード位置が経度「134.3.0.9」であり、緯度が「34.6.3.6」であり、また、ノードID「001」がノードID「002」と、ID「003」と、ID「004」と、ID「005」と接続していることを示す。また、図4(b)は、リンクID「001」が始点ノードID「001」と終点ノードID「002」とを結ぶリンクであり、リンクID「001」の旅行時間は「90秒」、車線数は「片側2車線」、道路種類は「県道」、道路上の構造物は「なし」であることを示す。
【0046】
なお、旅行時間に関してはVICS(Vehicle Information and Communication System)などの外部ネットワーク媒体120から取得しても良い。外部ネットワーク媒体120から取得することで、現在の状況に最も適した最新の旅行時間を取得することができる。
【0047】
発生検知部105は、走行履歴蓄積部116が蓄積した走行履歴と、地図情報蓄積部104が取得した地図情報から、規則蓄積部103から取得したイベント規則により、イベントの発生を検知し、イベントの種類と発生位置を取得する。イベントの発生位置は、基本的にはイベントの発生を検知したときの現在位置である。例えば、図3のようにイベント規則が蓄積されていたとき、現在位置が3分の間、経度「134.3.0.9」、緯度「34.6.3.6」であり、その後現在位置が経度「134.3.0.9」、緯度「34.6.3.4」に変化したとする。このときに、3分間静止していた経度「134.3.0.9」、緯度「34.6.3.6」の位置をイベントの発生位置とし、種類「停車」のイベントを取得する。
【0048】
イベント履歴蓄積部106は、発生検知部105が検知したイベントの発生した位置と発生したイベントの種類を履歴として蓄積する。例えば、図5のようにイベント履歴が蓄積されていたとき、ID「001」は経度「134.3.0.9」緯度「34.6.3.6」の位置で種類「停車」のイベントが1回発生したことを示す。
【0049】
このようなイベント履歴蓄積部106は、移動体の移動に伴って生じる予め定められた変化であるイベントの種類と、イベントが発生した地点とを対応付けたイベント履歴情報を蓄積しているイベント履歴蓄積手段の一例である。
【0050】
発生数取得部107は、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント履歴から、全てのイベント発生位置について、各種類のイベントに対するイベント発生数を取得する。
【0051】
ここで、発生数取得部107がイベント発生数を取得する方法について、図を参照して説明する。
【0052】
まず、例えば、図6(a)のようにイベント履歴106aが蓄積されていたとき、経度「134.3.0.9」、緯度「34.6.3.6」の位置での種類「停車」のイベント発生数を計算すると、イベント履歴から、経度「134.3.0.9」、緯度「34.6.3.6」の位置で種類「停車」のイベントが発生している履歴は、ID「001」とID「004」との履歴であるため、図6(b)に示すように計2個と算出される。
【0053】
次に、図7のようにイベントが発生していた、つまりイベント履歴が蓄積されていたとする。このとき「停車」イベントに対するイベント発生数を算出する。位置001についての停車イベントのイベント発生数は、位置001で停車イベントが5回起こっているため、「5」である。
【0054】
発生位置数取得部108は、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント履歴から、各種類のイベントに対するイベント発生位置の数を取得する。
【0055】
ここで、発生位置数取得部108がイベント発生位置の数を取得する方法について、図を参照して説明する。
【0056】
まず、例えば、図8(a)のようにイベント履歴が蓄積されていたとき、種類「停車」のイベントについてイベント発生位置数を計算すると、イベント履歴から、種類「停車」のイベントが発生している履歴はID「001」、ID「003」、ID「004」であり、発生位置は経度「134.3.0.9」、緯度「34.6.3.6」の位置と、経度「134.3.0.9」、緯度「34.5.30.0」の位置の2種類であるため、図8(b)に示すようにイベント発生位置数は2個となる。
【0057】
次に、図7のようにイベントが発生していた、つまりイベント履歴が蓄積されていたときの「停車」イベントに対するイベント発生位置数を算出する。停車イベントのイベント発生位置は、位置001、位置002、位置003の計3箇所である。よって「停車」イベントのイベント発生位置数は「3」となる。
【0058】
画面区域取得部109は、位置取得部102から取得した現在位置やユーザ操作に応じて設定された縮尺から、地図表示部115で表示される地図領域を表す表示画面区域を取得する。
【0059】
例えば、現在位置が東経「134.5.59.9」、北緯「34.5.15.6」であったとき、設定された縮尺から、現在位置を中心に「±0.1.0.0」まで表示する設定になっていたとすると、東経「134.4.59.9」〜東経「134.6.59.9」、北緯「34.4.15.6」〜北緯「34.6.15.6」からなる長方形の区域を表す表示画面区域を取得する。
【0060】
表示位置選択部110は、イベント履歴蓄積部106が取得したイベント履歴、発生数取得部107が取得したイベント発生数、発生位置数取得部108が取得したイベント発生位置数、画面区域取得部109が取得した表示画面区域を用いて通過時刻表示位置をイベント発生位置の中から選択し、決定する。表示位置選択部110は、グルーピング部111、印象値算出部112、表示位置決定部113により構成される。
【0061】
グルーピング部111は、画面区域取得部109が取得した表示画面区域によって表される地図領域を複数のグループ区域に分割し、イベント履歴蓄積部106が取得したイベント履歴のイベント発生位置を、イベント発生位置が含まれるグループ区域ごとにグルーピングする。
【0062】
このとき、視認性を高くするように通過時刻表示位置同士の距離を離すために、地図領域を、各グループ区域の大きさが所定の大きさ以上となるように分割する。表示画面上で通過時刻が充分離れて表示されるように、この所定の大きさは例えば、地図領域の片辺の距離の1/10を直径とする円とする。
【0063】
具体的に例を挙げて説明する。表示画面区域によって表される地図領域が東経「134.4.59.9」〜東経「134.6.59.9」、北緯「34.4.15.6」〜北緯「34.6.15.6」であったとすると、図9のように、地図領域を経度方向に2分割、緯度方向に2分割と、均等に4つのグループ区域に分割し、分割されたグループ区域を用いてイベント発生位置のグルーピングを行う。このグルーピングにおいて一つのグループ区域の大きさは地図領域の片辺の距離の1/2を一片とする長方形となるため、地図領域の片辺の距離の1/10を直径とする円より大きい。
【0064】
図9の場合、地図領域を4つのグループ区域に分割し、グループID「001」は、東経「134.4.59.9」〜東経「134.5.59.9」、北緯「34.5.15.6」〜北緯「34.6.15.6」からなる長方形の区域、グループID「002」は、東経「134.4.59.9」〜東経「134.5.59.9」、北緯「34.4.15.6」〜北緯「34.5.15.6」からなる長方形の区域、グループID「003」は、東経「134.5.59.9」〜東経「134.6.59.9」、北緯「34.5.15.6」〜北緯「34.6.15.6」からなる長方形の区域、グループID「004」は東経「134.5.59.9」〜東経「134.6.59.9」、北緯「34.4.15.6」〜北緯「34.5.15.6」からなる長方形の区域となる。イベント発生位置に対して、その位置を含んだ区域のグループに属するとする。
【0065】
なお、グループ区域の最小の大きさである所定の大きさは、走行に少なくとも表示される通過時刻の最小単位時間以上かかる距離を直径とする円でもよい。地図表示部が図12のように「7:16(7時16分)」などと通過時刻を表示していた場合、最小単位時間は1分である。
【0066】
グループ区域の境界端から境界端までの所要時間、つまりグループ区域の最も幅の広い部分を移動体が横切るための所要時間が1分未満である場合、グループ区域内のどこに通過時刻表示位置を決定したとしても、決定地点における通過予想時刻と隣接するグループ区域内の通過時刻表示位置における通過予想時刻との間に1分未満しか差がない可能性がある。
【0067】
そのため、現在位置から同方向にある複数の地点で、同一の通過予想時刻が表示される可能性がある。この場合、同一の通過予想時刻を複数表示してもユーザに与える有用な情報はなく、視認性を悪くするだけである。
【0068】
そこで、グループ区域の最も幅の広い部分を移動体が横切るための所要時間が何れの方向にも最小単位時間以上となるようにグループ区域の大きさを決定する。つまり、所要時間が通過時刻の最小単位時間以上かかる距離を直径とする円を含むようにグループ区域の大きさを決定する。例えば、最小単位時間を1分、車の最高時速を60km/hとしたとき、境界端から境界端までの最小距離は1km(=60/60)である。つまり、グループ区域の最小の大きさは直径1kmの円である。
【0069】
このように設定されるグループ区域を用いることで、同方向にある複数の地点について表示される通過時刻が異なる場合が多く、意味のある情報をユーザに提供することができる。これは地図が詳細表示であるときなど、地図領域の片辺の距離の1/10以上では、通過時刻がほとんど変わらないときに特に有効である。
【0070】
このようなグルーピング部111は、表示される地図領域を複数のグループ区域に分割する分割部の一例である。
【0071】
印象値算出部112は、発生数取得部107が取得した各イベント発生位置に対する印象値を計算する。印象値は、発生数取得部107が取得したイベント発生数、発生位置数取得部108が取得したイベント発生位置数により算出される。具体的には、位置に対する印象値は、その位置で起こっているそれぞれの種類のイベントに対する印象値の合計である。ある位置における、あるイベントに対する印象値は、その位置におけるそのイベントのイベント発生数と、そのイベントの発生位置数から算出する。ある位置に関する印象値は、その位置でのイベントの発生数が多いほど、反復性が高いため、印象値を高くする。また、あるイベントの発生位置数が少ないほど、そのイベントの希少性が高いため、印象値を高くする。例えば、ある位置に関する印象値は、下記のような式によって表される。
【0072】
【数4】

【0073】
例えば、図10(a)および図10(b)のように全てのイベント発生位置に対してイベント発生数とイベント発生位置数が算出されていたとき、東経「134.3.0.9」北緯「34.6.3.6」の位置の印象値を算出するとする。東経「134.3.0.9」北緯「34.6.3.6」で発生するイベントの種類は「停車」と「右折・左折」であるため、それぞれのイベントについて(イベントの発生数/イベントの発生位置数)を算出し、足し合わせる。「停車」イベントの発生位置数は「2」、「右折・左折」イベントの発生位置数は「2」であり、東経「134.3.0.9」北緯「34.6.3.6」における「停車」イベントの発生数は「2」、「右折・左折」イベントの発生数は「1」であることから、図10(c)のように印象値は(2/2+1/2=)「1.5」となる。
【0074】
このような印象値算出部112は、地点が利用者の印象に残る度合いを示す印象値を前記イベント履歴情報から地点毎に算出する印象値算出手段の一例である。
【0075】
表示位置決定部113は、印象値算出部112が算出した各イベント発生位置に対する印象値と、グルーピング部111が算出した各グループの位置区域を用いて、イベント発生位置の中から、通過時刻表示位置を決定する。具体的には、各グループに含まれるイベント発生位置について、最も印象値が高いもの1つを通過時刻表示位置として決定する。
【0076】
例えば図11(a)のようにイベント発生位置に対する印象値が算出され、また、図11(b)に示すようにグループの位置区域が算出されていたとき、グループID「001」の通過時刻表示位置を算出するとする。グループID「001」の位置区域東経「134.4.59.9〜134.5.59.9」、北緯「34.5.15.6〜34.6.15.6」に含まれるイベント発生位置は、印象値「1.5」の東経「134.5.0.9」、北緯「34.6.3.6」の位置と、印象値「1」の東経「134.5.30.0」、北緯「34.6.3.6」の位置と、印象値「0.5」の東経「134.5.0.9」、北緯「34.5.30.0」の位置である。このうち最も印象値が高いのは印象値「1.5」の東経「134.5.0.9」、北緯「34.6.3.6」の位置であるため、図11(c)のように、東経「134.5.0.9」、北緯「34.6.3.6」の位置をグループID「001」の通過時刻表示位置として決定する。他のグループIDについても同様に通過時刻表示位置を決定する。
【0077】
なお、最も印象値が高いもの1つを通過時刻表示位置として決定するのではなく、印象値が高い順に予め定めた所定数の位置を通過時刻表示位置として決定しても良い。
【0078】
このような表示位置決定部113は、分割された各領域について、1以上の所定数を上限とする地点を、通過予想時刻を表示する地点として選択する選択手段の一例である。
【0079】
時刻算出部114は、時刻取得部101が取得した現在時刻、位置取得部102が取得した現在位置、地図情報蓄積部104に蓄積された道路情報、特にリンク間の旅行時間情報から、表示位置決定部113が決定した通過時刻表示位置に対して、最短の通過時刻を算出する。例えば、図4のように道路情報が蓄積されており、現在時刻が「2006年4月20日11時13分20秒」であり、現在位置が東経「134.3.0.9」北緯「34.6.3.6」であり、通過時刻表示位置が東経「134.2.20.9」北緯「34.6.3.6」であったとき、区間の最短の旅行時間を接続されたノードとリンク旅行時間から算出する。例の場合、東経「134.3.0.9」北緯「34.6.3.6」〜東経「134.2.20.9」北緯「34.6.3.6」間のリンク旅行時間が「110秒」であるため、旅行時間は「110秒」となる。このとき、通過時刻は現在時刻と旅行時間の和であるため、「2006年4月20日11時15分10秒」となる。
【0080】
このような時刻算出部114は、選択された地点の通過予想時刻を算出する予想時刻算出手段の一例である。
【0081】
地図表示部115は、画面区域取得部109が取得した画面区域について、地図情報蓄積部104に蓄積された地図情報を表示する。同時に、表示される地図上に表示位置決定部113が決定した通過時刻表示位置に対応する地図上の位置に、時刻算出部114が算出した通過時刻を表示する。例えば、図12のように、地図上に通過時刻表示位置の通過時刻を表示する。
【0082】
このような地図表示部115は、地図と、その地図に含まれる地点の通過予想時刻とを含む画像を表示する表示手段、および、地図と、通過予想時刻が算出された地点と関連付けられた通過予想時刻とを含む画像を表示手段に表示させる表示制御手段の一例である。
【0083】
以下、本実施の形態のフローチャートを、図13を用いて説明する。
時刻取得部101は、現在時刻を取得する(ステップS1301)。位置取得部102は、現在位置を取得する(ステップS1302)。走行履歴蓄積部116は、時刻取得部101が取得した現在時刻と、位置取得部102が取得した現在位置を走行履歴として蓄積する(ステップS1303)。
【0084】
発生検知部105は、走行履歴蓄積部116が蓄積する走行履歴と、地図情報蓄積部104が蓄積する地図情報と、規則蓄積部が蓄積するイベント規則から、イベント発生の検知の判定を行い、(ステップS1304)イベントの発生を検知したときには(ステップS1304のYes)、ステップS1304に進む。イベントの発生を検知しなかったときには(ステップS1304のNo)、ステップS1306に進む。イベントの発生を検知したとき、検知したイベントの種類と発生位置をイベント履歴蓄積部106に蓄積する(ステップS1305)。
【0085】
画面区域取得部109は、位置取得部102が取得した現在位置に応じて地図表示部115で表示される地図領域を表す表示画面区域を取得する(ステップS1306)。発生数取得部107は、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント履歴から、全てのイベント発生位置に対する各イベント種類のイベント発生数を取得する(ステップS1307)。
【0086】
発生位置数取得部108は、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント履歴から、全てのイベントの種類に対する、イベント発生位置の個数を算出する(ステップS1308)。印象値算出部112は、発生数取得部107から取得した全てのイベント発生位置に対する各イベントの種類に対するイベント発生数と、発生位置数取得部108から取得した全てのイベントの種類に対するイベント発生位置数から、イベント発生位置に対する印象値を算出する(ステップS1309)。
【0087】
グルーピング部111は、画面区域取得部109が取得した表示画面区域を用いて、イベント履歴に蓄積されたイベント発生位置をグルーピングする(ステップS1310)。
【0088】
表示位置決定部113は、グルーピング部111によってグループ化されたイベント発生位置の中から、各グループ中、印象値算出部112が算出した印象値が最も高い位置を通過時刻表示位置として決定する(ステップS1311)。
【0089】
時刻算出部114は、表示位置決定部が決定した通過時刻表示位置について、時刻取得部101が取得した現在時刻と位置取得部102が取得した現在位置と地図情報蓄積部が蓄積する地図情報を用いて通過時刻を算出する(ステップS1312)。
【0090】
地図表示部115は、地図情報蓄積部104に蓄積された地図情報を図示しないモニタ装置に表示する。同時に地図上の対応する通過時刻表示位置に時刻算出部114が算出した通過時刻を表示する(ステップS1313)。
【0091】
終了するか判定を行い(ステップS1314)、終了するならば、フローを終了する(ステップS1314のYes)。終了しないならば、ステップS1301に戻る(ステップS1314のNo)。
【0092】
(実施の形態の地図情報表示装置が計算機である例)
なお、実施の形態の地図情報表示装置は計算機である場合が多い。計算機上で実行するときの本実施の形態の地図情報表示装置の構成例を図14に示す。
【0093】
図14の地図情報表示装置は、入力装置8101、出力装置8105、演算・記憶装置8107により構成されている。
【0094】
入力装置8101は、時刻取得装置8102と位置取得装置8103で構成される。時刻取得装置8102は、時刻取得部101を含む。位置取得装置8103は位置取得部102を含む。
【0095】
出力装置8105は、地図表示装置8106により構成される。地図表示装置8106は地図表示部115を含む。
【0096】
演算・記憶装置8107は、演算装置であるCPU(中央演算装置)8108と記憶装置であるメモリ8110によって構成される。
【0097】
CPU8108は、その内部にもしくは外部に高速にアクセスできる記憶装置であるキャッシュメモリ8109を持つことが多い。CPU8108は、プログラムを実行することにより、発生検知部105と、発生数取得部107と、発生位置数取得部108と、画面区域取得部109と、表示位置選択部110と、グルーピング部111と、印象値算出部112と、表示位置決定部113と、時刻算出部114とを含む機能を発揮する。
【0098】
メモリ8110は、CPU8108が比較的高速にアクセスできるメインメモリ8111と記憶容量が大きい外部記憶装置、例えばハードディスク(ハードディスクドライブ)8112により構成されることが多い。メモリ8110は、イベント履歴蓄積部106と発生数取得部107と、規則蓄積部103と、地図情報蓄積部104とを含む。特に速度と容量を効率化するために、メインメモリ8111にイベント履歴蓄積部106と、発生数取得部107とを含み、ハードディスク8112に規則蓄積部103と地図情報蓄積部104とを含むとなお良い。また、本図に示すように、ハードディスク8112には、上記のCPU8108が実行するプログラムが格納されている。
【0099】
以下、本実施の形態のフローチャートを、図15を用いて説明する。
時刻取得装置8102は、現在時刻を取得する(ステップS8301)。位置取得装置8103は、現在位置を取得する(ステップS8302)。メインメモリ8111に時刻取得装置8102が取得した現在時刻と、位置取得装置8103が取得した現在位置を走行履歴として蓄積する(ステップS8303)。
【0100】
CPU8108は、メインメモリ8111に蓄積された走行履歴と、ハードディスク8112が蓄積する地図情報と、イベント規則から、イベント発生の検知の判定を行い、(ステップS8304)イベントの発生を検知したときには(ステップS8304のYes)、ステップS8305に進む。イベントの発生を検知しなかったときには(ステップS8304のNo)、ステップS8306に進む。イベントの発生を検知したとき、検知したイベントの種類と発生位置をメインメモリ8111に蓄積する(ステップS8305)。
【0101】
CPU8108は、位置取得装置8103が取得した現在位置に応じて地図表示部115で表示される地図の範囲を表す表示画面区域を取得する(ステップS8306)。
【0102】
CPU8108は、メインメモリ8111に蓄積されたイベント履歴から、全てのイベント発生位置に対する各イベント種類のイベント発生数を取得する(ステップS8307)。CPU8108は、メインメモリ8111に蓄積されたイベント履歴から、全てのイベントの種類に対する、イベント発生位置の個数を算出する(ステップS8308)。
【0103】
CPU8108は、取得した全てのイベント発生位置に対する各イベントの種類に対するイベント発生数と、取得した全てのイベントの種類に対するイベント発生位置数から、イベント発生位置に対する印象値を算出する(ステップS8309)。CPU8108は、取得した表示画面区域を用いて、イベント履歴に蓄積されたイベント発生位置をグルーピングする(ステップS8310)。CPU8108は、グループ化されたイベント発生位置の中から、各グループ中、印象値が最も高い位置を通過時刻表示位置として決定する(ステップS8311)。
【0104】
CPU8108は、決定した通過時刻表示位置について、時刻取得装置8102が取得した現在時刻と位置取得装置8103が取得した現在位置とハードディスク8112が蓄積する地図情報を用いて通過時刻を算出する(ステップS8312)。地図表示装置8106は、ハードディスク8112に蓄積された地図情報をモニタ装置に表示する。同時に地図上の対応する通過時刻表示位置に算出した通過時刻を表示する(ステップS8313)。
【0105】
終了するか判定を行い(ステップS8314)、終了するならば、フローを終了する(ステップS8314のYes)。終了しないならば、ステップS8301に戻る(ステップS8314のNo)。
【0106】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の地図情報表示装置は上記の実施の形態に限定されるものではない。以下、変形例について説明する。
【0107】
(変形例1)
なお、実施の形態では、発生検知部105は、イベント発生を検知するために、地図情報蓄積部104の地図情報を用いていた。特に地図情報と現在位置を照らし合わせ、マップとのマッチングをとることで、より精度の高い現在位置情報が得られ、小さい角度の右折・左折のイベントでも確実に検知できるというメリットがある。
【0108】
しかし、地図情報蓄積部104を用いなかったとしても、精度は落ちるが、現在位置と現在時刻から現在位置の軌跡を抽出することでイベントを検知することができる。例えば、現在位置の描く軌跡の曲がる角度が所定値以上のときに、右折・左折のイベントを検知することができる。よって、特に右折・左折イベントのみ考慮する場合は、地図情報蓄積部104の地図情報をイベント発生の検知に用いなくても良い。
【0109】
(変形例2)
なお、実施の形態では、現在位置と現在時刻から走行履歴を一旦蓄積し、走行履歴からイベントの発生を検知していた。しかし、走行履歴を蓄積しなくても検知できるイベントも存在する。
【0110】
そこで、走行履歴を蓄積せず、現在位置と現在時刻からイベントの発生を検知しても良い。例えば、道路上の構造物に対する通過イベントのみ検出する場合、履歴を蓄積せず、現在位置が構造物の位置と一致したときに、通過イベントが発生したと検知してもよい。
【0111】
(変形例3)
なお、実施の形態では、イベントの希少性を表すイベント発生位置の数と、その位置でのイベントの反復性を表すイベントの発生数により、印象値を算出していた。しかし、特に通勤に車を使っているユーザなど、いつも同じ道を通っているユーザは、どの位置についてもイベントの発生数は同頻度、もしくは充分に高く、反復性は考慮しなくてもよいと考えられる。
【0112】
よってそのようなユーザにおいて通過時刻表示位置を決定する場合は、各位置で起こるイベントの種類から希少性を算出し、通過時刻表示位置を決定してもよい。つまり、イベントの希少性を表すイベント発生位置の数のみにより通過時刻表示位置を算出しても良い。ある位置で起こっているイベントの発生位置数が少ないほど、通過時刻表示位置として選択するようにする。
【0113】
これにより、発生するイベントの種類により、ユーザにとってわかりやすい位置に通過時刻表示位置を決定することが可能になる。
【0114】
例えば、通勤中、裏道を通るなど、右折・左折が多いが、信号待ちなどによる停車が少ないユーザもいれば、右折・左折が少ないが、信号待ちなどにより停車が多いユーザもいる。
【0115】
右折・左折が多いユーザに対して「右折・左折」位置の通過時刻を表示しても、「右折・左折」位置の印象が弱いため、どの位置の通過時刻が表示されているのかがわからない。このようなユーザには「停車」位置の通過時刻を表示すると、「停車」位置は少ないため印象が強く、どの位置の通過時刻が表示されているのかがユーザにとってわかりやすい。
【0116】
しかし、「右折・左折」の少ないユーザに対しては、「停車」位置ではなく「右折・左折」位置の通過時刻を表示する方が、ユーザにとって位置がわかりやすい。
【0117】
以下本変形例の手法について説明する。
図16は、本実施の形態における地図情報表示装置の構成図である。前記実施の形態で示した構成要素には同様の符号を付与し、説明を省略する。以下、まず各構成要素について図を用いて説明し、後に本装置の動作について説明する。
【0118】
図16に示される地図情報表示装置200において、表示位置選択部7510は、イベント履歴蓄積部106が取得したイベント履歴、発生位置数取得部108が取得したイベント発生位置数、画面区域取得部109が取得した表示画面区域を用いて通過時刻表示位置をイベント発生位置の中から選択し、決定する。表示位置選択部110は、グルーピング部111、表示位置決定部7513により構成される。
【0119】
表示位置決定部7513は、発生位置数取得部108が取得したイベント発生位置数と、グルーピング部111が算出した各グループの位置区域を用いて、各グループに属するイベント発生位置の中から、通過時刻表示位置を決定する。
【0120】
具体的には、各グループに含まれるイベント発生位置について、その位置で発生するイベントの発生位置数が最も少ない位置を通過時刻表示位置として決定する。同じ位置で発生するイベントが複数ある場合には、イベント発生位置数の少ないイベントを優先する。
【0121】
例えば図17(a)のように緯度と経度とで特定されるイベント発生位置と、イベント発生位置数、および、図17(b)のようにグループの位置区域が算出されていたとき、グループID「001」の通過時刻表示位置を算出するとする。グループID「001」の位置区域東経「134.4.59.9〜134.5.59.9」、北緯「34.5.15.6〜34.6.15.6」に含まれるイベント発生位置は、イベント発生位置数「1」の東経「134.5.0.9」、北緯「34.6.3.6」の位置と、イベント発生位置数「2」の東経「134.5.30.0」、北緯「34.6.3.6」の位置と、イベント発生位置数「2」の東経「134.5.0.9」、北緯「34.5.30.0」の位置である。このうち最もイベント発生位置数が少ないのはイベント発生位置数「1」の東経「134.5.0.9」、北緯「34.6.3.6」の位置であるため、東経「134.5.0.9」、北緯「34.6.3.6」の位置をグループID「001」の通過時刻表示位置として決定する。
【0122】
他のグループIDについても同様に通過時刻表示位置を決定する。
以下、本実施例のフローチャートを、図18を用いて説明する。実施の形態で説明したフローについては説明を省略する。
【0123】
実施の形態と同様に、画面区域取得部109が地図表示部115で表示される地図領域を表す表示画面区域を取得した後(ステップS1306)、発生位置数取得部108は、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント履歴から、全てのイベントの種類に対する、イベント発生位置の個数を算出する(ステップS1308)。グルーピング部111は、画面区域取得部109が取得した表示画面区域を用いて、イベント履歴に蓄積されたイベント発生位置をグルーピングする(ステップS1310)。表示位置決定部113は、グルーピング部111によってグループ化されたイベント発生位置の中から、各グループ中、発生位置数取得部108が取得したイベント発生位置数が最も少ないイベントが発生する位置を通過時刻表示位置として決定する(ステップS7611)。以下実施の形態と同様である。
【0124】
なお、走行履歴からユーザがいつも同じ道を通っているかを判断し、ユーザがいつも同じ道を通っている場合のみ本実施例を実行しても良い。これにより、ほとんど通らない道の通過時刻が表示され、ユーザにとって表示位置の場所がわからなくなるのを防ぐことが出来る。具体的には、走行履歴蓄積部116に蓄積された全ての位置が所定の回数以上蓄積されていたときに、本変形例を実行する。
【0125】
(変形例4)
なお、実施の形態では、イベントの希少性を表すイベント発生位置の数と、その位置でのイベントの反復性を表すイベントの発生数により、印象値を算出していた。しかし、イベントの反復性を表すイベント発生数のみにより印象値を算出しても良い。具体的には、その位置でイベントの発生数が多いほど印象値を高くする。例えば、イベントの発生数をそのまま印象値として算出する。駐車イベントのみで通過時刻表示位置を決定するなど、希少性が一定であるイベントのみで通過時刻表示位置を決定する場合は、反復性のみで印象値を算出しても良い。
【0126】
(変形例5)
なお、実施の形態では、イベントの希少性を表すイベント発生位置の数により印象値を算出していた。しかし、全ての位置についてのイベントの発生数の総和もまた、イベントの希少性を表す。よってイベントの発生数の総和から印象値を算出しても良い。具体的には、全ての位置のイベントの発生数の総和が少ないほど印象値を高くする。例えば、イベントの発生数の総和の逆数を印象値として算出する。例えば、「トンネル通過」イベントのイベント発生数総和が10個だったときと、「橋通過」イベントのイベント発生数総和が3個だったときでは、「橋通過」イベントの方が起こっている回数が少ないため、希少性が高く、印象値が高くなる。
【0127】
なお、イベントの発生数の総和+1から印象値を算出したい位置のイベントの発生数を除去しても良い。これにより、印象値を算出したい位置のイベントの発生数が多いことによる印象値の減少を防ぐことが出来る。
【0128】
(変形例6)
なお、実施の形態では、地図上に通過時刻を表示していた。しかし、通過時刻の代わりに所要時間を表示しても良い。具体的には、時刻算出部114が、地図情報から通過時刻表示位置に対する現在位置からの所要時間を算出する。所要時間を表示することで、ある位置を通過するためにどれくらい時間が掛かるかが簡単に知ることができる。駅や会社、営業時間が存在する店、食事の場所など時刻が重要な要因を占めている場所には通過時刻を表示することが有効である。逆に、時刻が重要な要因を占めていない場所に向かう場合は、所要時間を表示することが有効である。
【0129】
(変形例7)
なお、実施の形態では、グルーピング部111は、表示の対象となる地図領域である表示画面領域を分割することにより、グループ区域を作成していた。しかし、イベント発生位置が画面内に非常に多かった場合、図19のようにグループ区域の境界線上に通過時刻表示位置が決定され、疎らにならず、無駄な通過時刻表示がされる可能性がある。そこで、図20のようにグルーピングの際、各グループの境界線の間にどのグループにも属さない隙間区域を設けても良い。もしくは、境界線の近傍に通過時刻表示位置を決定しないようにするとよい。
【0130】
これにより、通過時刻表示位置を疎らに分散させることができる。しかし、単純に隙間区域を設けたり、境界線の近傍に通過時刻を表示しないようにしたりすると、図21のようにユーザが最も通過時刻が知りたい移動体の未来の移動経路上の通過時刻が全く表示されない可能性がある。
【0131】
そこで、グループ区域の1つ以上が移動体の未来の移動経路を含むようにグループ区域を決定するとよい。具体的には、移動体は現在位置する道路をそのまま進行する可能性が高い。よって、グループ区域の1つ以上が、移動体が現在位置する道路の進行方向にある部分を含むようにグループ区域を決定する。
【0132】
このとき、できるだけ多くのイベント発生位置がグループ区域に含まれるように、言い換えれば、隙間に取り残されるイベント発生位置ができるだけ少なくなるように、グループ区域を決定することが望ましい。
【0133】
以下本変形例の手法について説明する。
図22は、本変形例における地図情報表示装置のグルーピング部1511の構成図である。グルーピング部1511以外の地図情報表示装置の構成に関しては、前記実施の形態と同様である。そのため、グルーピング部1511以外の装置の構成に関しては、ここでの説明を省略する。以下、まずグルーピング部1511が有する各構成要素について図を用いて説明し、後に本変形例の地図情報表示装置の動作について説明する。
【0134】
グルーピング部1511は、現在道路取得部1517と、道路上位置取得部1518と、グループ区域作成部1519と、グループ内位置数取得部1520と、グループ決定部1521とを有する。
【0135】
現在道路取得部1517は、走行履歴蓄積部116に蓄積された走行履歴から移動体の進行方向と現在位置を抽出する。そして、地図情報蓄積部104に蓄積された道路情報と、画面区域取得部109で取得された表示画面区域とを用いて、地図表示部115に表示される地図領域内における、現在位置する道路の進行方向にある部分の位置を取得する。
【0136】
例えば、図23のように走行履歴と道路情報が蓄積されていたとする。走行履歴と道路情報から現在位置はノードID「008」の位置を通過し、進行方向は真西、つまり、ノードID「009」の方向に進んでいる。道路の接続情報からノードID「009」の真西に接続しているノードIDは「010」なので、移動体は現在位置からノードID「009」、ノードID「010」を通過すると推測できる。
【0137】
このノードID「008」から「010」までの道路のうち、現在位置から境界点と記された画面端までの道路を、進行方向の道路として抽出する。図23の場合、現在位置東経「134.5.28.18」、北緯「34.5.15.7」から東経「134.4.59.9」、北緯「34.5.15.7」までの道路を抽出する。
【0138】
道路上位置取得部1518は、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント発生位置のうち、現在道路取得部1517が取得した道路上に存在するイベントの位置を全て抽出する。例えば、図24のようにイベント履歴中のイベント発生位置が分布していたとき、図25のように、現在道路取得部1517が取得した道路上のイベント発生位置のみ抽出する。
【0139】
グループ区域作成部1519は、画面区域取得部109が取得した表示画面区域を用いてグループ区域を作成する。例えば、図26のように、表示画面区域で表される地図領域を、中心を通る境界線で4分割することでグループ区域を作成する。ただし、それぞれのグループ区域の境界は一定値以上隙間を空けることとする。つまり、地図領域から隙間を除外した領域を4分割することでグループ区域を作成する。
【0140】
例えば、値の異なる通過時刻が表示されるように、表示される通過時刻の最小単位時間以上かかる距離だけ隙間を空ける。例えば最小単位時間を1分、車の最高時速を60km/hとしたとき、隙間の最小距離は1km(=60/60)である。
【0141】
グループ区域作成部1519は、境界線の回転移動を行い、図27や図28のように異なる複数種類のグループ区域を作成する。境界線のバリエーションは予め定めておいた所定の数だけ設ける。例えば、10度ずつ回転させて得られる8種類の境界線で分割を行って、分割ごとに異なる種類のグループ区域を作成する。
【0142】
グループ内位置数取得部1520は、道路上位置取得部1518が取得した進行方向の道路上のイベント位置とグループ区域作成部1519が作成した複数種類のグループ区域とから、それぞれの分割について、グループ区域に含まれる進行方向の道路上のイベント位置の総数を算出する。算出される総数は、例えば、図26の場合0個、図27の場合1個、図28の場合3個となる。
【0143】
グループ決定部1521は、グループ区域作成部1519が作成した複数種類のグループ区域のうちの1種類を、グループ内位置数取得部1520が取得したイベント位置数を用いて決定し、決定された種類のグループ区域に従ってイベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント位置のグルーピングを行う。
【0144】
具体的には、グループ内位置数取得部1520が取得したイベント位置数が最も多いグループ区域の種類を選択する。例えば、グループ区域作成部1519で、図26(イベント位置数0個)、図27(イベント位置数1個)、図28(イベント位置数3個)に示されるグループ区域が作成された場合、最もイベント位置数の多い図28のグループ区域を選択し、イベント位置のグルーピングに用いる。
【0145】
以下、本実施例のフローチャートを、図29を用いて説明する。図29は、本発明の変形例7における地図情報表示装置が実行するグルーピング処理の例を示すフローチャートである。本図は、図13に示す実施の形態の地図情報表示装置が実行するグルーピング処理(S1310)に代えて、本変形例に係る地図情報表示装置が実行する処理のフローチャートである。図13に示すその他の処理(S1301からS1309までと、S1311からS1314まで)は本変形例でも同様である。そのため、これら同様の処理に関するここでの説明は省略する。
【0146】
実施の形態と同様に、印象値を算出した後(ステップS1309)、現在道路取得部1517は、走行履歴蓄積部116に蓄積された走行履歴と地図情報蓄積部104に蓄積された道路情報を用いて、画面区域取得部109の表示画面区域内における、進行方向の道路の位置情報を取得する(ステップS1601)。道路上位置取得部1518は、現在道路取得部1517が取得した進行方向の道路の位置情報を用いて、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント発生位置から、進行方向の道路に存在するイベント発生位置を全て抽出する(ステップS1602)。グループ区域作成部1519は、画面区域取得部109が取得した表示画面区域を用いてグループ区域を作成する(ステップS1603)。グループ内位置数取得部1520は道路上位置取得部1518が取得したイベント位置のうちグループ区域作成部1519が作成したグループ区域内に含まれるイベント位置の総数を算出する(ステップS1604)。グループ区域作成部1519は、グループ区域の変更を所定の回数以上行ったか判定を行い(ステップS1605)、所定の回数以上行ったと判定された場合は、ステップS1607に進む(ステップS1605のYes)。所定の回数以上行ってはいないと判定された場合は、ステップS1606に進む(ステップS1605のNo)。
【0147】
グループ区域の変更を所定の回数以上行ってはいないと判定された場合(ステップS1605のNo)、グループ区域作成部1519は、グループ区域を変更し、新たにグループ区域を作成し、ステップS1604に戻る(ステップS1606)。グループ区域の変更を所定の回数以上行ったと判定された場合(ステップS1605のYes)、グループ決定部1521は、グループ区域作成部1519が作成したグループ区域の中で、グループ内位置数取得部1520が算出したイベント発生位置数が最も多いグループ区域によって、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント発生位置のグルーピングを行う(ステップS1607)。以下、本変形例の地図情報表示装置は、実施の形態と同様に、時刻表示位置決定処理(S1311)以降の処理を実行する。
【0148】
なお、地図表示装置がカーナビであり、地図表示画面がヘディングアップモード、つまり進行方向が常に地図の真上にくる状態であれば、グループ区域を複数作成する必要はない。例えば、図30のように、地図の真上をグループ区域に含むようにグルーピングを行えばよい。
【0149】
なお、グループ区域間に隙間を設ける場合、グループ区域に含まれないイベント発生位置が存在してしまう。図19のように複数の通過時刻表示位置が近くに決定されることがない場合は、隙間のないグルーピングを行うことが望ましい。そこで、実施の形態において全ての通過時刻表示位置の間の距離を算出し、距離が所定の値以下である場合のみ、本実施例を実施しても良い。これにより、全てのイベント発生位置を候補として通過時刻表示を行うことができる。
【0150】
なお、距離が所定の値以下の通過時刻表示位置の組み合わせの数が少ないときにも、隙間のないグルーピングを行うことが望ましい。具体的には、実施の形態において全ての通過時刻表示位置の間の距離を算出し、距離が所定の値以下の通過時刻表示位置の組み合わせがあるときは、組み合わせ中の二つの通過時刻表示位置の中で、より印象値の低い通過時刻表示位置を表示位置から削除した上で、再度グルーピングを行う。これを距離が所定の値以下の通過時刻表示位置の組み合わせがなくなるまで行う。これにより、グループ区域に含まれないイベント発生位置の数をさらに少なくできる。
【0151】
なお、特に、隙間のないグルーピングを行う際に、グループ区域の境界線の近傍に通過時刻を表示しない場合は、移動体が現在位置する道路の進行方向部分をグループ区域の境界線が通る距離をできるだけ短くすることが望ましい。具体的には、変形例7と同様に、現在道路取得部1517が移動体が現在位置する道路の進行方向上の部分を取得した後、グループ区域作成部1519が、移動体が現在位置する道路の進行方向上の部分と交わらないか又は所定の角度よりも深い角度で交わる境界線を用いてグループ区域を作成する。これにより、境界線が道路の進行方向にある長い区間と重なってしまい、その区間にある地点の通過時刻が表示されないという事態を防ぐことが出来る。
【0152】
(変形例8)
なお、実施の形態では、グルーピング部111は、表示画面領域を分割することにより、グループ区域を作成していた。しかし、このとき、現在位置の近くに通過時刻表示がされる可能性がある。現在位置の周囲は現在時刻とほとんど変わらない通過時刻であることがユーザにとって容易に類推されるため、無駄な情報である。よって、図31のように、現在位置の周囲をどのグループにも属さない区域として予め除外しておくことにより、現在位置の周囲に通過時刻が表示されるのを防ぐことが出来る。
【0153】
(変形例9)
なお、実施の形態では、グルーピング部111は、表示画面領域を均等に分割することにより、グループ区域を作成していた。しかし、ユーザが通過時刻を表示して欲しい位置は移動体が向かおうとしている領域である。よって、グルーピングの際に各グループ区域の大きさを、移動体が向かう可能性に従って不均一にしてもよい。例えば、図32のように移動体の進行方向上のグループ区域の大きさを小さくし、それ以外のグループの大きさを大きくする。これにより、移動体が向かおうとしている進行方向上により多くの通過時刻を表示することができる。
【0154】
この場合、各グループに含まれる表示位置の数は、各グループ区域の大きさに係わらず、例えば、印象値が最大の1つのような所定の数にしてもよい。これにより、通過時刻表示位置の過剰な集中は回避した上で、移動体が向かおうとしている進行方向上に、向かおうとする可能性の低い地域に比べて多くの通過時刻を表示することができる。
【0155】
なお、移動体の出発直後など、ユーザの目的地が決定していない場合もある。この場合、進行方向以外の領域に向かう可能性も多々存在するため、移動体が向かおうとしている進行方向上に、通過時刻を確実に表示させながらも、画面上に均等に表示されるように、通過時刻表示位置の数を割り振る必要がある。
【0156】
この場合、各グループに含まれる表示位置の数を各グループ区域の大きさに応じて変えてもよい。各グループ区域の大きさに応じて各グループに含まれる表示位置数を変える場合は、例えば、各グループ区域の大きさが広いほど表示位置数が多くなるようにしてもよい。より具体的には、最も狭い区域の表示位置数を1のように予め定め、他の区域の表示位置数を区域の大きさに比例して増やす方法や、画面全体の表示数を予め定めて、それを区域の大きさで按分する方法などがある。なお、この場合に表示位置数に生じる端数は四捨五入などにより丸めるとよい。
【0157】
(変形例10)
なお、実施の形態では、グルーピング部111が表示画面領域を分割することによりグループ区域を作成し、表示位置決定部113が各グループ区域に含まれる最も印象値が高い位置を選択することにより、通過時刻表示位置を決定していた。
【0158】
しかし、行いたいことは通過時刻表示位置が疎らになるようにすることである。疎らにするということは通過時刻表示位置間の距離をできるだけ大きくするということである。
【0159】
グループ区域を設定する方法では、計算量が少なく、通過時刻を表示する位置の数が多い場合でも効率的に通過時刻表示位置を選択できるという利点があるが、位置間の距離を大きくするには限界がある。特に画面内の通過時刻表示位置を選択する個数が少ない場合には、より通過時刻表示位置間の距離を大きくするように通過時刻表示位置を選択することが望ましい。
【0160】
よって、表示位置決定部113はグループ区域を設定せず、通過時刻表示位置間の距離が最も大きくなるように組み合わせを選択してもよい。具体的には、印象値が閾値以上の通過時刻表示位置を候補として選出し、通過時刻表示位置の数を固定して、全ての表示組み合わせを求める。全ての組み合わせについて通過時刻表示位置間の距離の最小値を求め、最小値が最も大きくなるような組み合わせを通過時刻表示位置として決定する。これにより、より疎らに通過時刻を表示することができる。
【0161】
以下本変形例の手法について説明する。
図33は、本変形例における地図情報表示装置の表示位置選択部1710の構成図である。表示位置選択部1710以外の装置の構成に関しては、前記実施の形態と同様である。そのため、表示位置選択部1710以外の装置の構成要素に関するここでの説明は省略し、以下、まず各構成要素について図を用いて説明し、後に本装置の動作について説明する。
【0162】
本変形例の表示位置選択部1710は、印象値算出部112と、希少位置取得部1717と、組み合わせ作成部1718と、最小距離算出部1719と、組み合わせ決定部1713とを有する。
【0163】
印象値算出部112は、実施の形態の印象値算出部112と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0164】
希少位置取得部1717は、印象値算出部112によって印象値が算出されたイベント発生位置について画面区域取得部109が取得した表示画面区域に含まれるものの中で印象値が高いイベント発生位置を抽出する。具体的には、表示画面区域に含まれるイベント発生位置の中で、印象値が高いものから順に所定の数だけイベント発生位置を抽出する。例えば、図34(a)のようにイベント発生位置に対する印象値が算出され、また、図34(b)のように表示画面区域が算出されていたとき、イベント発生位置のうち、表示画面区域内に存在するのは、9個である。このうち、所定の数、例えば、図34(c)のように6個のイベント発生位置を印象値の大きいものから順に抽出する。
【0165】
このような希少位置取得部1717は、イベントの種類毎にそのイベントが発生した地点の数であるイベント発生地点数をイベント履歴情報から集計し、イベント発生地点数が所定の閾値以下であるイベントが発生する地点を抽出する希少地点抽出手段の一例である。
【0166】
組み合わせ作成部1718は、希少位置取得部1717が抽出したすべての高印象位置について、所定の数からなる位置の組み合わせを全て作成する。例えば、図35(a)のように高印象位置が6個抽出されたとき、通過時刻を所定の数(4個)だけ表示するとしたとき、15通り(6C4)からなる高印象位置の組み合わせを作成する。図35(b)および図35(c)は15通りのうちの2つの具体例を示す。
【0167】
最小距離算出部1719は、組み合わせ作成部1718が作成した全ての高印象位置の組み合わせについて、高印象位置間の最小距離を算出する。例えば図36(a)のように高印象位置の組み合わせが作成されたとすると、全ての高印象位置について位置間の距離を算出する。図36(a)の高印象位置A東経「134.6.10.9」、北緯「34.4.30.0」、と高印象位置B東経「134.5.0.9」、北緯「34.4.30.0」の間の距離を算出すると、1kmは経度45秒であり、緯度30秒であることから、式(5)により「1.56km」となる。
【0168】
【数5】

【0169】
同様に全ての位置間に対して距離を算出し、図36(b)のように最小距離を算出する。図36(b)の場合「0.665km」となる。
【0170】
組み合わせ決定部1713は、組み合わせ作成部1718が作成した全ての高印象位置の組み合わせについて、最小距離算出部1719が算出した最小距離が最も小さい組み合わせに含まれる全ての高印象位置を、通過時刻表示位置として決定する。
【0171】
以下、本実施例のフローチャートを、図37を用いて説明する。図37は、本発明の変形例10における地図情報表示装置が実行する時刻表示位置決定処理の例を示すフローチャートである。本図は、図13に示す実施の形態の地図情報表示装置が実行するグルーピング処理(S1310)および表示位置決定処理(S1311)に代えて、本変形例に係る地図情報表示装置が実行する処理のフローチャートである。図13に示すその他の処理(S1301からS1309までと、S1312からS1314まで)は本変形例でも同様である。そのため、これら同様の処理に関するここでの説明は省略する。
【0172】
実施の形態と同様に、印象値を算出した後(ステップS1309)、希少位置取得部1717は、印象値算出部112によって印象値が算出されたイベント発生位置について画面区域取得部109が取得した表示画面区域に含まれるものの中で印象値が高いものから順に所定の数だけイベント発生位置を抽出する(ステップS1801)。
【0173】
組み合わせ作成部1718は、希少位置取得部1717が抽出したすべての高印象位置について、所定の数からなる高印象位置の組み合わせを全て作成する(ステップS1802)。
【0174】
最小距離算出部1719は、組み合わせ作成部1718が作成した全ての高印象位置の組み合わせについて、高印象位置間の最小距離を算出する(ステップS1803)。
【0175】
組み合わせ決定部1713は、組み合わせ作成部1718が作成した全ての高印象位置の組み合わせについて、最小距離算出部1719が算出した最小距離が最も大きい組み合わせに含まれる全ての高印象位置を、通過時刻表示位置として決定する(ステップS1804)。以下、本変形例の地図情報表示装置は、実施の形態と同様に、通過時刻算出処理(S1312)以降の処理を実行する。
【0176】
(変形例11)
なお、実施の形態では、地図上の算出した通過時刻の表示位置に通過時刻を表示していた。しかし、通過時刻を表示するだけでは、いくら印象がユーザにとって強くても、通過時刻が表示された位置と現実の位置との対応がすぐにはユーザにとって理解できない可能性がある。そこで、通過時刻表示位置で最も印象値の強いイベント種類のアイコンと共に通過時刻を表示してもよい。これにより、より短時間でユーザは通過時刻表示位置を理解することができる。具体的には図38のように規則蓄積部103は、イベントの種類、検出法、イベント発生位置と共にアイコンの画像データをイベント規則として蓄積する。例えば、イベントの種類「駐車」に対して図38のような駐車を表すアイコンの画像データを蓄積する。地図表示部は通過時刻表示位置において印象値に最も大きな影響を与えたイベント種類のアイコンを図39のように通過時刻表示位置に通過時刻を表示する。
【0177】
(変形例12)
なお、変形例11では、通過時刻表示位置にアイコンと共に通過時刻を表示していた。しかし、この場合、図39のように、同じ表示画面に複数の同じアイコンが表示され、ユーザにとって同じアイコンが表示された位置を混同させ、現実の位置との対応をとるのに時間がかかる可能性がある。そこで、表示画面区域において、イベント発生位置数が1つだけしかないイベント発生位置のみを通過時刻表示位置としてもよい。これにより、表示画面区域中のイベント種類を通過時刻表示位置の1個に限定でき、ユーザが表示された通過表示位置を同種のイベントの他の発生位置と混乱することを防ぐことが出来る。
【0178】
以下本変形例の手法について説明する。
図40は、本発明の変形例12における地図情報表示装置の構成を示すブロック図である。前記実施の形態で示した同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、ここでの説明を省略する。以下、まず各構成要素について図を用いて説明し、後に本装置の動作について説明する。
【0179】
本図に示す地図情報表示装置300は、時刻取得部101と、位置取得部102と、走行履歴蓄積部116と、地図情報蓄積部104と、発生検知部105と、イベント履歴蓄積部106と、発生数取得部107と、発生位置数取得部108と、画面区域取得部109と、グルーピング部111と、表示位置決定部113と、時刻算出部114と、規則蓄積部1903と、表示位置選択部1910と、印象値算出部1912と、画面内発生位置数取得部1917と、地図表示部1915とから構成されている。
【0180】
規則蓄積部1903は、イベントの種類、検出法と共にアイコンをイベント規則として蓄積する。
【0181】
規則蓄積部1903は、走行履歴蓄積部116に蓄積された走行履歴、地図情報蓄積部104に蓄積された地図情報からイベントの発生と発生したイベントの種類を検知するためのイベント規則、及びそれぞれのイベント種類に対応するアイコンを蓄積する。
【0182】
画面内発生位置数取得部1917は、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント履歴から、画面区域取得部109が取得した表示画面区域中の各種類のイベントに対するイベント発生位置の数を取得する。例えば、図41のようにイベント履歴が蓄積され、表示画面区域が取得されていたとき、種類「右折・左折」のイベントについてイベント発生位置数を計算すると、イベント履歴から、表示画面区域内で種類「右折・左折」のイベントが発生している履歴はID「007」のみで発生場所は1個であるため、イベント発生位置数は1個となる。
【0183】
印象値算出部1912は、発生数取得部107が取得した各イベント発生位置に対する印象値を計算する。また、算出した印象値に最も寄与したイベントの種類をアイコン表示イベントとして出力する。印象値は、発生数取得部107が取得したイベント発生数、発生位置数取得部108が取得したイベント発生位置数、画面内発生位置数取得部1917が取得した表示画面内のイベント発生位置数より算出される。
【0184】
具体的には、位置に対する印象値は、その位置で起こっているそれぞれの種類のイベントに対する印象値の合計である。ある位置における、あるイベントに対する印象値は、その位置におけるそのイベントのイベント発生数と、そのイベントの発生位置数から算出する。ある位置に関する印象値は、その位置でのイベントの発生数が多いほど、反復性が高いため、印象値を高くする。また、あるイベントの発生位置数が少ないほど、そのイベントの希少性が高いため、印象値を高くする。また、表示画面内のイベント発生位置数が1より大きければ、同種のイベントが表示画面内の他の位置に存在するため、印象値を0とする。ある位置に関する印象値は、次式(6)のように表される。
【0185】
【数6】

【0186】
例えば、図42(a)のように全てのイベント発生位置に対してイベント発生数が算出され、また、図42(b)のように表示画面内イベント発生位置数とイベント発生位置数とが算出されていたとき、東経「134.3.0.9」、北緯「34.6.3.6」の位置の印象値を算出するとする。東経「134.3.0.9」、北緯「34.6.3.6」で発生するイベントの種類は「停車」と「右折・左折」であるため、それぞれのイベントについて(イベントの発生数/イベントの発生位置数)を算出し、足し合わせる。しかし「停車」イベントの表示画面内イベント発生位置数は「2」であるため、印象値は0とする。「右折・左折」イベントの発生位置数は「2」であり、「右折・左折」イベントの発生数は「1」であることから、図42(c)のように印象値は(1/2=)「0.5」となる。印象値の算出に最も寄与したイベント種類は「右折・左折」であるため、「右折・左折」イベントをアイコン表示イベントとして算出する。
【0187】
地図表示部1915は、画面区域取得部109が取得した画面区域について、地図情報蓄積部104に蓄積された地図情報を表示する。同時に、表示される地図上に表示位置決定部113が決定した通過時刻表示位置に対応する地図上の位置に、時刻算出部114が算出した通過時刻を、印象値算出部1912が算出したアイコン表示イベントに対応する規則蓄積部1903に蓄積されたアイコンと共に表示する。例えば、図43のように、地図上に通過時刻表示位置の通過時刻とアイコンを表示する。
【0188】
以下、本変形例12のフローチャートを、図44を用いて説明する。図44は、本発明の変形例12における地図情報表示装置300の動作の例を示すフローチャートである。本図は、図13に示す実施の形態の地図情報表示装置が実行する処理と同様の処理には、同一の符号を付しており、実施の形態で説明したフローについてはここでの説明を省略する。
【0189】
実施の形態と同様に、イベント発生位置数を算出した後(ステップS1308)、画面内発生位置数取得部1917は、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント履歴から、画面区域取得部109が取得した表示画面区域中の各種類のイベントに対するイベント発生位置の数を取得する(ステップS2008)。
【0190】
印象値算出部1912は、発生数取得部107が取得した各イベント発生位置に対する印象値を、発生数取得部107が取得したイベント発生数と、発生位置数取得部108が取得したイベント発生位置数、画面内発生位置数取得部1917が取得した表示画面内イベント発生位置数から、計算する。また、算出された印象値に最も寄与したイベントの種類をアイコン表示イベントとして算出する(ステップS2009)。
【0191】
グルーピング部111は、画面区域取得部109が取得した表示画面区域を用いて、イベント履歴に蓄積されたイベント発生位置をグルーピングする(ステップS1310)。
【0192】
表示位置決定部113は、グルーピング部111によってグループ化されたイベント発生位置の中から、各グループ中、印象値算出部1912が算出した印象値が最も高い位置を通過時刻表示位置として決定する(ステップS1311)。
【0193】
時刻算出部114は、表示位置決定部が決定した通過時刻表示位置について、時刻取得部101が取得した現在時刻と位置取得部102が取得した現在位置と地図情報蓄積部が蓄積する地図情報を用いて通過時刻を算出する(ステップS1312)。
【0194】
地図表示部1915は、地図情報蓄積部104に蓄積された地図情報をモニタ装置に表示する。同時に地図上の対応する通過時刻表示位置に時刻算出部114が算出した通過時刻を、印象値算出部1912が算出したアイコン表示イベントに対応する規則蓄積部1903に蓄積されたアイコンと共に表示する(ステップS2013)。
【0195】
その後、終了するか判定を行い(ステップS1314)、終了するならば、フローを終了する(ステップS1314のYes)。終了しないならば、ステップS1301に戻る(ステップS1314のNo)。
【0196】
なお、地図表示部1915がアイコンと通過時刻を表示する位置は、表示位置決定部113が決定した通過時刻表示位置でなくてもよい。表示アイコンに対応するイベントは表示画面中一箇所であるため、地図上の通過時刻表示位置にアイコンを表示しなくても、通過時刻が算出された位置がアイコンから容易に類推できると考えられる。特にユーザによっては、複数の通過時刻表示の組について、地図上に疎らに通過時刻が表示されるより、画面上の一定区域内、いわばサブウインドウ内にまとめて通過時刻を表示される方が見やすいと考え、好む場合がある。そこで図45のように、サブウインドウ中に通過時刻をアイコンと共にまとめて表示することで、そのようなユーザに対してもわかりやすく通過時刻を表示できる。特に、図45のように通過時刻順にソートして表示するとユーザにとってわかりやすい。なぜならユーザが場所を認識する際、通過時刻の小さいもの、または大きなものから順に認識することが多いからである。なお、どのようなユーザにも対応するために、通過時刻をサブウインドウに表示するモードと地図上に表示するモードとユーザが切り替えられるようにしてもよい。
【0197】
(変形例13)
なお、変形例11では、通過時刻表示位置にアイコンと共に通過時刻を表示していた。しかし、装置を使い始めて間もない頃は、ユーザによってはアイコンの意味を理解していない可能性があり、通過時刻表示位置が短時間では理解できない可能性がある。そこで、アイコンの代わりに写真を使用しても良い。ユーザは基本的に視界前方の景色によって、現実の位置を記憶している場合が多い。そこで、装置に備えた前方カメラがイベント発生時の前方写真を撮り、図46のように、撮影された前方写真と共に通過時刻を表示してもよい。これにより、アイコンの意味を把握していないユーザでも、より短時間で通過時刻表示位置を理解することができる。
【0198】
なお、地図表示部115が前方写真と通過時刻を表示する位置は、表示位置決定部113が決定した通過時刻表示位置でなくてもよい。地図上の通過時刻表示位置に前方写真を表示しなくても、通過時刻が算出された位置が前方写真から容易に類推できると考えられる。例えば、図47のように、サブウインドウ中に通過時刻を前方写真と共に表示する。
【0199】
(変形例14)
なお、実施の形態では移動体が向かう場所に関わらず、通過時刻を表示しいていた。しかし実際には、移動先の通過時刻や移動経路上の位置の通過時刻を知りたいユーザもいる。よって、ユーザの移動経路を予測し、予測した移動経路上の通過時刻のみ表示してもよい。
【0200】
なお、目的地をユーザに設定させることにより、目的地までの経路上の通過時刻のみ表示してもよい。
【0201】
(変形例15)
なお、実施の形態では、移動体の出発位置や目的位置に関わらず、イベント履歴を蓄積し、蓄積されたイベント履歴をもとに通過時刻表示位置を決定していた。しかし、同じ自宅から会社への道中の同じ位置であっても、行きと帰りとで発生するイベントが異なる場合が存在する。例えば、行きでは2車線から1車線になっている位置でも帰りでは1車線から2車線になっている可能性がある。よって、行きではユーザにとって印象が強い位置であっても、帰りには印象が弱い位置である可能性がある。行き、帰りといった方向は移動体の出発位置に依存する場合が多い。そこで、移動体の出発位置を検知し、出発位置に応じてイベント履歴を蓄積する。これにより、状況に応じて適切に印象が強い位置を通過時刻表示位置として抽出することができる。
【0202】
以下本変形例の手法について説明する。
図48は、本発明の変形例15における地図情報表示装置400の構成を示すブロック図である。前記実施の形態で示した同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付与し、ここでの説明を省略する。以下、まず各構成要素について図を用いて説明し、後に本装置の動作について説明する。
【0203】
本変形例の地図情報表示装置400は、時刻取得部101と、位置取得部102と、規則蓄積部103と、走行履歴蓄積部116と、地図情報蓄積部104と、発生検知部105と、画面区域取得部109と、表示位置選択部110と、グルーピング部111と、印象値算出部112と、表示位置決定部113と、時刻算出部114と、地図表示部115と、イベント履歴蓄積部6006と、発生数取得部6007と、発生位置数取得部6008と、出発位置取得部6017とから構成されている。出発位置取得部6017は、移動体が移動を開始した出発位置を取得する。例えば、移動体が一定時間以上移動を行わなかった位置のうち最も現在時刻に近いものを出発位置とする。位置情報は、東経「134.5.59.9」、北緯「34.5.15.6」のように出発位置の経度、緯度の情報を検知する。出発位置はなお、移動体が最後に内部にいた店などの建物、ランドマークでもよい。また、移動体が車の場合、エンジンのON、OFFを検知し、最後にエンジンを掛けた位置としてもよい。また、乗車人数をカメラやセンサーで認識し、乗車人数が最後に変更された位置でも良い。
【0204】
イベント履歴蓄積部6006は、出発位置取得部6017が取得した出発位置及び発生検知部105が検知したイベントの発生した位置と発生したイベントの種類を履歴として蓄積する。例えば、図49のように出発位置毎に、イベントが発生した位置とそのイベントの種類とを対応付けたイベント履歴6006a〜6006cが蓄積される。例えば、図49に示すイベント履歴6006aは、出発位置が東経「134.3.0.9」、北緯「34.6.3.6」のときに発生したイベント発生位置とそのイベントの種類とを含み、そのイベント履歴6006aに含まれるID「03001」は、経度「134.3.0.9」、緯度「34.6.3.6」の位置で種類「停車」のイベントが1回発生したことを示す。
【0205】
発生数取得部6007は、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント履歴のうち、出発位置取得部6017が取得した出発位置に一致するイベント履歴から、全てのイベント発生位置について、各種類のイベントに対するイベント発生数を取得する。
【0206】
発生位置数取得部108は、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント履歴のうち、出発位置取得部6017が取得した出発位置に一致するイベント履歴から、各種類のイベントに対するイベント発生位置の数を取得する。例えば、図8のようにイベント履歴が蓄積されていたとき、種類「停車」のイベントについてイベント発生位置数を計算すると、イベント履歴から、種類「停車」のイベントが発生している履歴は、ID「001」とID「003」とID「004」とであり、発生位置は経度「134.3.0.9」、緯度「34.6.3.6」の位置と、経度「134.3.0.9」、緯度「34.5.30.0」の位置との2種類であるため、イベント発生位置数は2個となる。
【0207】
以下、本変形例15のフローチャートを、図50を用いて説明する。図50は、本発明の変形例15における地図情報表示装置400の動作の例を示すフローチャートである。本図は、図13に示す実施の形態の地図情報表示装置が実行する処理と同様の処理には、同一の符号を付しており、実施の形態で説明したフローについてはここでの説明を省略する。
【0208】
出発位置取得部6017は、移動体が移動を開始した出発位置を取得する(ステップS6101)。時刻取得部101は、現在時刻を取得する(ステップS1301)。位置取得部102は、現在位置を取得する(ステップS1302)。走行履歴蓄積部116は、時刻取得部101が取得した現在時刻と、位置取得部102が取得した現在位置を走行履歴として蓄積する(ステップS1303)。
【0209】
発生検知部105は、走行履歴蓄積部116が蓄積する走行履歴と、地図情報蓄積部104が蓄積する地図情報と、規則蓄積部が蓄積するイベント規則から、イベント発生の検知の判定を行い(ステップS1304)、イベントの発生を検知したときには(ステップS1304のYes)、ステップS1305に進む。イベントの発生を検知しなかったときには(ステップS1304のNo)、ステップS1306に進む。
【0210】
イベントの発生を検知したとき、出発位置取得部6017が取得した出発位置及び検知したイベントの種類と発生位置をイベント履歴蓄積部106に蓄積する(ステップS6105)。
【0211】
画面区域取得部109は、位置取得部102が取得した現在位置から地図上の表示画面区域を取得する(ステップS1306)。
【0212】
発生数取得部107は、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント履歴のうち、出発位置取得部6017が取得した出発位置が一致するイベント履歴から、全てのイベント発生位置に対する各イベント種類のイベント発生数を取得する(ステップS6107)。
【0213】
発生位置数取得部108は、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント履歴のうち、出発位置取得部6017が取得した出発位置が一致するイベント履歴から、全てのイベントの種類に対する、イベント発生位置の個数を算出する(ステップS6108)。以下、実施の形態と同様である。以下、本変形例の地図情報表示装置は、実施の形態と同様に、印象値算出処理(S1309)以降の処理を実行する。これにより、移動体の出発位置を検知し、出発位置に応じたイベント履歴から通過時刻表示位置の決定ができ、状況に応じた適切な印象が強い位置を通過時刻表示位置として抽出することができる。
【0214】
(変形例16)
なお、実施の形態では、グルーピング部111は、表示画面領域を分割することにより、グループ区域を作成していた。しかし、カーナビなどの地図情報表示装置画面においては、タッチパネル用ボタン、地図の縮尺、現在時刻、VICS文字情報といったウインドウなど通過時刻以外の画像も地図と共に表示する場合が多い。このとき、図51のように通過時刻の表示位置が他の画像の表示位置と重なっていたとき、例えば、他の画像が通過時刻より上の階層で表示する場合は、通過時刻が他の画像に隠れて見えにくくなる。他の画像は半透明の場合もあるが、いずれにせよ通過時刻が見えにくくなる。逆に他の画像が通過時刻より下の階層で表示される場合であっても、他の画像が見えにくくなってしまう。
【0215】
そこで、図52のように、グループ区域を作成するときに、他の画像の表示位置をいずれのグループ区域にも含まないように作成するとよい。
【0216】
以下本変形例の手法について説明する。
本実施例は前記実施の形態に対して新たに図53のように構成を追加することで、実現する。図53は、本発明の変形例16における地図情報表示装置の構成の一部を示すブロック図である。前記実施の形態で示した同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付与し、ここでの説明を省略する。以下、まず各構成要素について図を用いて説明し、後に本装置の動作について説明する。
【0217】
他画像表示判定部5520は、地図と通過時刻画像以外で地図上に表示される可能性のある画像が現在地図画面上に表示されているか否かを判定する。例えば、表示される可能性のある画像として、VICS文字表示ウインドウと縮尺表示ウインドウ、観光地情報表示ウインドウがあったとき、それらのうちVICS文字表示ウインドウと縮尺表示ウインドウが現在表示されていることを判定する。
【0218】
他画像表示位置蓄積部5521は、地図と通過時刻表示以外で表示される可能性のある画像全ての画面上における表示位置を蓄積する。例えばVICS文字表示ウインドウについて、地図表示装置の画面上の画素の位置、「X=30〜640、Y=0〜30」の位置に表示されるという表示位置を蓄積する。
【0219】
他画像表示位置取得部5522は、他画像表示判定部5520が表示していると判定した画像について、他画像表示位置蓄積部5521に蓄積された画面上での表示位置から地図上での表示位置を算出する。例えば、現在表示されている他画像はVICS文字表示ウインドウと縮尺表示ウインドウであったとき、それぞれの画像の地図上での表示位置を算出する。例えば、VICS文字表示ウインドウのモニタ装置画面上での表示位置が「X=30〜640、Y=0〜30」であった場合、その部分に表示される地図の地図上での位置を算出する。例えば、「X=30〜640、Y=0〜30」の表示領域に表示される地図の位置が、東経「134.5.10.0」〜東経「134.6.59.9」、北緯「34.6.0.0」〜北緯「34.6.15.6」であった場合、その位置領域を取得す
る。
【0220】
また、縮尺表示ウインドウのモニタ装置画面上での表示位置が「X=0〜640、Y=270〜300」であった場合、その部分に表示される地図領域の地図上での位置領域、東経「134.4.59.9」〜東経「134.6.59.9」、北緯「34.4.15.6」〜北緯「34.5.30.0」を算出する。
【0221】
グルーピング部5511は、画面区域取得部109が取得した画面区域について他画像表示位置取得部5522が取得した他の表示画像の表示位置領域を避けるように、イベント履歴蓄積部106に蓄積されたイベント発生位置をグルーピングする。例えば、図52のように地図の表示画面区域が東経「134.4.59.9」〜東経「134.6.59.9」、北緯「34.4.15.6」〜北緯「34.6.15.6」であり、地図表示画面中の東経「134.5.10.0」〜東経「134.6.59.9」、北緯「34.6.0.0」〜北緯「34.6.15.6」の領域及び東経「134.4.59.9」〜東経「134.6.59.9」、北緯「34.4.15.6」〜北緯「34.5.30.0」の領域が他の表示画像の表示位置であった場合、それらの領域の表示位置を避けるようにグルーピングを行う。例えば、画面を4分割した領域から他画像の表示領域を除いた部分、グループID「001」は、東経「134.4.59.9」〜東経「134.5.59.9」、北緯「34.5.15.6」〜北緯「34.6.15.6」からなる長方形の区域から、東経「134.5.10.0」〜東経「134.5.59.9」、北緯「34.6.0.0」〜北緯「34.6.15.6」からなる長方形の区域を除いた部分、グループID「002」は、東経「134.4.59.9」〜東経「134.5.59.9」、北緯「34.5.30.0」〜北緯「34.5.15.6」からなる長方形の区域、グループID「003」は、東経「134.5.59.9」〜東経「134.6.59.9」、北緯「34.5.15.6」〜北緯「34.6.0.0」からなる長方形の区域、グループID「004」は東経「134.5.59.9」〜東経「134.6.59.9」、北緯「34.5.30.0」〜北緯「34.5.15.6」からなる長方形の区域となる。イベント発生位置に対して、その位置を含んだ区域のグループに属するとする。
【0222】
以下、本変形例16のフローチャートを、図54を用いて説明する。図54は、本発明の変形例16における地図情報表示装置が実行するグルーピング処理の例を示すフローチャートである。本図は、図13に示す実施の形態の地図情報表示装置が実行するグルーピング処理(S1310)に代えて、本変形例に係る地図情報表示装置が実行する処理のフローチャートである。図13に示すその他の処理(S1301からS1309までと、S1311からS1314まで)は本変形例でも同様である。そのため、これら同様の処理に関するここでの説明は省略する。
【0223】
実施の形態と同様に、印象値算出部112がイベント発生位置に対する印象値を算出した後(ステップS1309)、他画像表示判定部5520は、地図と通過時刻画像以外で地図上に表示される可能性のある画像が現在地図画面上に表示されているか否かを判定する(ステップS5601)。
【0224】
他画像表示位置取得部5522は、他画像表示判定部5520が表示していると判定した画像について、他画像表示位置蓄積部5521に蓄積された画面上での表示位置から地図上での表示位置を算出する(ステップS5602)。
【0225】
グルーピング部5511は、グルーピング部5511は、画面区域取得部109が取得した画面区域について他画像表示位置取得部5522が取得した他の表示画像の表示位置を避けるように、複数のグループ区域を作成する(ステップS5603)。
【0226】
グルーピング部5511は、作成したグループ区域に基づいて、イベント履歴に蓄積されたイベント発生位置をグルーピングする(ステップS5604)。以下実施の形態と同様である。
【0227】
なお、実施の形態では、表示位置決定部は、イベント発生数と発生位置数から印象値を決定していた。ところで、移動体が現在向かっている場所についての印象はユーザにとって高い。また、移動体が現在向かっている場所について通過時刻を表示することは有効である。よって、通過地予測を行い、通過可能性も高い場所を印象値の高い場所としても良い。例えば、イベントとして交差点を通過するというイベントが存在したとき、出発地を同じくする過去のイベント履歴から、通過回数の最も多い交差点が最も通過可能性が高いと予測される。よって、交差点について通過回数を印象値とする。
【0228】
なお、実施の形態では、表示位置決定部は、イベント発生数と発生位置数から印象値を決定していた。ところで、移動体の目的地についての印象はユーザにとって高い。また、移動体の目的地について通過時刻を表示することは有効である。よって、目的地予測を行い、目的地となる可能性も高い場所を印象値の高い場所としても良い。例えば、イベントとして駐車するというイベントが存在したとき、出発地を同じくする過去のイベント履歴から、駐車回数の最も多い場所が最も通過可能性が高いと予測される。よって、駐車回数を印象値とする。駐車イベントは例えば車の場合、車のエンジンを一定時間以上切ったときに発生を検知する。
【0229】
(変形例17)
なお、実施の形態では、表示位置選択部110は表示画面領域を分割することによりグループ区域を作成し、各グループ区域から通過時刻を表示するための地点を選択することにより、地図上に疎らに、適切に分散させて通過予想時刻を表示していた。
【0230】
しかし、ユーザの見易さを高めるために、表示画面上の決まった位置に通過時刻を表示させたい場合、画面上の通過時刻を表示させたい位置に代表地点を設定し、設定した代表地点に最も近くの印象値の高い地点に通過時刻を表示させても良い。これにより、通過時刻が表示される画面上の位置が、設計者が意図した表示位置にほぼ固定されるため、ユーザにとって見易くなる。
【0231】
以下、本変形例の手法について説明する。
図55は、本変形例における地図情報表示装置500の構成図である。前記実施の形態で示した同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、ここでの説明を省略する。以下、まず各構成要素について図を用いて説明し、後に本装置の動作について説明する。
【0232】
方向取得部8220は、走行履歴蓄積部116に蓄積された走行履歴から移動体の進行方向を取得する。例えば、現在位置と真北の方向を0度とし、真北の方向から右回りを正とする真北方向角を取得する。
【0233】
代表地点設定部8211は、画面区域取得部109が取得した表示画面区域内に、システム設計者が意図する画面上の理想的な通過時刻の表示位置を代表地点として設定する。視認性が高くなるように、代表地点同士が所定の距離以上離れるように代表地点を設定する。例えば、視認性向上のために、表示画面上で通過時刻が充分離れて表示されるように、表示画面区域の片辺の距離の1/10以上離れるように代表地点を設定する。
【0234】
変形例9のように、移動体が向かう可能性の大きい部分に通過時刻を多く表示できるように、方向取得部8220が取得した移動体の進行方向上に代表地点が密になるように代表地点を設定するとなお良い。具体的には、移動体の現在位置を中心として移動体の進行方向±45度の方向にある代表地点同士の距離を、移動体の進行方向±45度以外の方向にある代表地点間の距離に比べて小さくする。
【0235】
例えば、表示画面区域が東経「134.4.59.9」〜東経「134.6.59.9」、北緯「34.4.15.6」〜北緯「34.6.15.6」であったとすると、図56のように、表示画面区域の四隅(東経「134.4.59.9」、北緯「34.4.15.6」)、(東経「134.4.59.9」、北緯「34.6.15.6」)、(東経「134.6.59.9」、北緯「34.4.15.6」)、(東経「134.6.59.9」、北緯「34.6.15.6」)、に代表地点をとり、さらに、移動体の進行方向±45度内にさらに代表地点を設定する。
【0236】
例えば、図56のように進行方向の現在位置が東経「134.5.59.9」、北緯「34.5.15.6」、方向角が315度の場合、進行方向±45度の区域の隅である(東経「134.5.59.9」、北緯「34.6.15.6」)、(東経「134.4.59.9」、北緯「34.5.15.6」)中心である(東経「134.5.29.9」、北緯「34.5.45.6」)に代表地点を取る。このとき各代表地点間の距離は、どれも表示画面区域の片辺の距離の1/10以上である。
【0237】
表示位置決定部8213は、代表地点設定部8211が設定した代表地点ごとに、最も距離の近い通過時刻表示の候補位置を通過時刻の表示位置として決定する。通過時刻表示の候補位置とは希少位置取得部1717が抽出した印象値の高いイベント発生位置(高印象位置)である。つまり、各代表地点から各高印象位置までの距離を算出する。
【0238】
そして、各代表地点について最も距離の近い高印象位置を通過時刻表示地点として選択する。例えば、図57のように代表地点が設定され、高印象位置が抽出されていたとする。このとき図58のように、最も代表地点に対して距離の近い高印象位置が通過時刻表示位置として決定される。
【0239】
以下、本変形例のフローチャートを、図59を用いて説明する。実施の形態で説明したフローについては説明を省略する。実施の形態と同様に、印象値を算出した後(ステップS1309)、希少位置取得部1717は、印象値算出部112によって印象値が算出されたイベント発生位置について画面区域取得部109が取得した表示画面区域に含まれるものの中で印象値が高いものから順に所定の数だけイベント発生位置を抽出する(ステップS1801)。
【0240】
方向取得部8220は、走行履歴蓄積部116に蓄積された走行履歴から移動体の進行方向を取得する(ステップS8310)。代表地点設定部8211は、画面区域取得部109が取得した表示画面区域内に、方向取得部8220が取得した方向を用いて、理想的な通過時刻の表示位置を代表地点として設定する(ステップS8311)。表示位置決定部8213は、代表地点設定部8211が設定した代表地点ごとに、最も距離の近い希少位置取得部1717が取得した高印象位置を通過時刻の表示位置として決定する(ステップS8312)。以下、実施の形態と同様である。
【0241】
なお、代表地点同士の最小距離である所定の距離は、走行に少なくとも表示される通過時刻の最小単位時間以上かかる距離でもよい。つまり、地図表示部が図12のように「7:16(7時16分)」と通過時刻を表示していた場合、最小単位時間は1分である。代表地点への通過時刻が1分未満しか差がない場合、代表地点に対応する通過時刻表示地点で表示される通過時刻は同じになる可能性があるため、複数表示することでユーザに与える情報はなく、視認性を悪くするだけである。
【0242】
例えば、図60のように、代表地点Aの通過時刻が「7時16分2秒」、代表地点Bの通過時刻が「7時16分55秒」と通過時刻の差が1分未満だったとする。このとき、通過時刻表示位置A'、B'の通過時刻も代表地点の通過時刻に近くなり、例えば、通過時刻表示位置A'の通過時刻「7時16分7秒」、通過時刻表示位置B'の通過時刻が「7時16分51秒」だったとする。
【0243】
このとき、図60のように通過時刻表示位置A'に「7:16(7時16分)」、通過時刻表示位置B'に「7:16(7時16分)」と表示されるが、特に現在位置から通過時刻表示位置B'への経路の途中にA'がある場合、無駄であり、視認性を悪くするだけである。
【0244】
よって、走行に少なくとも表示される通過時刻の最小単位時間以上かかる距離、つまり代表地点間で所要時間が少なくとも最小単位時間以上かかる距離だけ離して代表地点を設けることが望ましい。例えば、最小単位時間を1分、車の最高時速を60km/hとしたとき、代表地点同士の最小距離は1km(=60/60)である。これにより、意味のある情報をユーザに提供することができる。
【0245】
これは地図が詳細表示であるときなど、代表地点同士の距離を表示画面区域の片辺の距離の1/10以上離すだけでは、通過時刻がほとんど変わらないときに特に有効である。
【0246】
なお、本変形例は、実施の形態及び他の変形例で行ったようにグループ区域を設定する代わりに代表地点を用いた例である。他の変形例に関してもグルーピング部111の代わりに、代表地点設定部8211で代表地点を設定し、表示位置決定部8213で、代表地点に最も近いイベント発生位置を通過時刻表示位置として選択することも可能である。
【0247】
(変形例18)
実施の形態及び変形例17では、それぞれグループ区域及び代表地点を用いて、通過予想時刻を地図上に疎らに、適切に分散させて表示する例について説明した。
【0248】
この他にも、通過予想時刻を表示するための候補位置のうち、既に選択された候補位置を除外して次の候補位置を選択することによって、通過予想時刻の地図上での局所的な密集を回避することが考えられる。
【0249】
以下、本変形例の手法について説明する。
図61は、本変形例における地図情報表示装置600の構成図である。前記実施の形態で示した構成要素には同一の符号を付し、ここでの説明を省略する。以下、まず各構成要素について図を用いて説明するとともに、本装置の動作を説明する。
【0250】
地図情報表示装置600の表示位置選択部8310は、実施の形態の地図情報表示装置100(図1を参照)の表示位置選択部110におけるグルーピング部111を密集判定部8311に置き換え、かつ表示位置決定部113を表示位置決定部8313に置き換えて構成される。
【0251】
表示位置選択部8310において、表示位置決定部8313は、通過予想時刻を表示するための候補位置の中から、例えば画面区域取得部109が取得した表示画面区域を用いて、表示対象となる地図領域のほぼ中央に位置する候補位置を1つ選択し、通過予想時刻の表示位置として決定する。ここで、表示位置決定部8313は、イベント履歴蓄積部106に蓄積されている全てのイベント発生位置を候補位置としてもよいし、また、印象値算出部112で前述したようにして算出される高い印象値が算出されるイベント発生位置を優先的に候補位置としてもよい。
【0252】
密集判定部8311は、表示位置決定部8313で1つ表示位置が決定されるたびに、決定された表示位置を含む所定の広さの領域内に位置する他の候補地点を空間的に密集していると判定する。ここで、所定の広さの領域とは、例えば、地図領域の片辺の距離の1/10を直径とする円であってもよく、また例えば、移動体が移動するための所要時間が通過予想時刻を表示するための最小単位時間かかる距離を直径とする円であってもよい。
【0253】
表示位置決定部8313は、まだ選択されていない候補地点の中から密集判定部8311で密集していると判定された候補地点を除外して新たな候補地点を選択する。
【0254】
地図情報表示装置600は、表示位置選択部8310で、選択された候補地点の周りに密集していると判定される他の候補地点を除外して次の候補地点を選択する処理を繰り返すことによって、通過予想時刻を地図上に疎らに、適切に分散させて表示することができる。
【0255】
(変形例19)
ここまでの説明で、グループ区域ごとまたは代表地点ごとに選択する候補地点の数を制限し、または密集していると判定される未選択の候補地点を新たな選択から除外することによって、通過予想時刻を地図上に疎らに、適切に分散させて表示できることを説明した。
【0256】
このような構成に加えて、選択された複数の候補地点の通過予想時刻を表示するための領域が表示画面上で重複するかを地図表示部115で判定し、重複すると判定された場合、前記複数の通過予想時刻のうちの1つのみを含む画像を表示画面に表示させてもよい。
【0257】
そうすることにより、一例として隣接するグループ区域にあって境界線に近接する2つの候補地点が選択された場合のように、選択された複数の候補地点の通過予想時刻の表示領域が重複する場合でも、実際に表示される通過予想時刻を1つに制限することができるので、視認性の低下を防ぐことができる。
【0258】
なお、本発明の地図情報表示装置は、以上の実施の形態および変形例で説明した地図情報表示装置が備える各機能を、矛盾しない限りにおいて、任意に組み合わせて構成される地図情報表示装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0259】
本発明に係る地図情報表示装置は、カーナビゲーション装置やGPS、地図付き携帯電話等の移動体の位置情報を取得し、地図情報を提供する装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0260】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態における地図情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、走行履歴蓄積部に蓄積された走行履歴の例を示す図である。
【図3】図3は、規則蓄積部に蓄積されたイベント規則の例を示す図である。
【図4】図4(a)、(b)は、地図情報蓄積部に蓄積された道路情報の例を示す図である。
【図5】図5は、イベント履歴蓄積部に蓄積されたイベント履歴の例を示す図である。
【図6】図6(a)、(b)は、発生数取得部がイベント発生数を算出する例を示す図である。
【図7】図7は、停車イベントに対するイベント発生数とイベント発生位置数を算出する例を示す図である。
【図8】図8(a)、(b)は、発生位置数取得部がイベント発生位置数を算出する例を示す図である。
【図9】図9は、グルーピング部がグルーピングを行う例を示す図である。
【図10】図10(a)、(b)、(c)は、印象値算出部が印象値を算出する例を示す図である。
【図11】図11(a)、(b)、(c)は、表示位置決定部が通過時刻表示位置を決定する例を示す図である。
【図12】図12は、通過時刻表示部が通過時刻を表示する例を示す図である。
【図13】図13は、本発明の一実施の形態における地図情報表示装置の動作の例を示すフローチャートである。
【図14】図14は、本発明の一実施の形態の計算機における地図情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図15】図15は、本発明の一実施の形態の計算機における地図情報表示装置の動作の例を示すフローチャートである。
【図16】図16は、本発明の変形例3における地図情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図17】図17(a)、(b)、(c)は、表示位置決定部が通過時刻表示位置を決定する例を示す図である。
【図18】図18は、本発明の変形例3における地図情報表示装置の動作の例を示すフローチャートである。
【図19】図19は、グルーピングによる表示位置決定の失敗例を示す図である。
【図20】図20は、グルーピングの際に各グループ間の隙間を設ける例を示す図である。
【図21】図21は、グルーピングの際に各グループ間に隙間を設けた際に不都合が生じる例を示す図である。
【図22】図22は、本発明の変形例7におけるグルーピング部の構成を示すブロック図である。
【図23】図23は、移動体の進行方向の道路を抽出する例を示す図である。
【図24】図24は、移動体の進行方向の道路とイベント発生位置の例を示す図である。
【図25】図25は、移動体の進行方向の道路上にあるイベント発生位置を抽出する例を示す図である。
【図26】図26は、グループ区域作成部がグループ区域を作成する例を示す図である。
【図27】図27は、グループ区域作成部がグループ区域を作成する例を示す図である。
【図28】図28は、グループ区域作成部がグループ区域を作成する例を示す図である。
【図29】図29は、本発明の変形例7における地図情報表示装置が実行するグルーピング処理の例を示すフローチャートである。
【図30】図30は、ヘディングアップモードにおけるグループ区域を作成する例を示す図である。
【図31】図31は、グルーピングの際に現在位置の周りをグループ化の対象から除去する例を示す図である。
【図32】図32は、グルーピングの際に各グループの大きさを不均一にする例を示す図である。
【図33】図33は、本発明の変形例10における表示位置選択部の構成を示すブロック図である。
【図34】図34(a)、(b)、(c)は、希少位置取得部が高印象位置を抽出する例を示す図である。
【図35】図35(a)、(b)、(c)は、組み合わせ作成部が高印象位置の組み合わせを作成する例を示す図である。
【図36】図36(a)、(b)は、最小距離算出部が最小距離を算出する例を示す図である。
【図37】図37は、本発明の変形例10における地図情報表示装置が実行する時刻表示位置決定処理の例を示すフローチャートである。
【図38】図38は、アイコンを備えたイベント規則の例を示す図である。
【図39】図39は、アイコンと共に通過時刻を表示する例を示す図である。
【図40】図40は、本発明の変形例12における地図情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図41】図41(a)、(b)、(c)は、表示画面区域内のイベント発生位置数を算出する例を示す図である。
【図42】図42(a)、(b)、(c)は、印象値算出部が印象値を算出する例を示す図である。
【図43】図43は、表示画面中1種類のアイコンと共に通過時刻を表示する例を示す図である。
【図44】図44は、本発明の変形例12における地図情報表示装置の動作の例を示すフローチャートである。
【図45】図45は、アイコンと通過時刻を通過時刻表示位置とは別の場所に表示する例を示す図である。
【図46】図46は、前方写真を用いた通過時刻表示の例を示す図である。
【図47】図47は、前方写真と通過時刻を通過時刻表示位置とは別の場所に表示する例を示す図である。
【図48】図48は、本発明の変形例15における地図情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図49】図49は、イベント履歴蓄積部に蓄積されたイベント履歴の例を示す図である。
【図50】図50は、本発明の変形例15における地図情報表示装置の動作の例を示すフローチャートである。
【図51】図51は、他の地図上表示画像と同一の位置に通過時刻が表示される例を示す図である。
【図52】図52は、グルーピングの際に、他の地図上表示画像の表示位置を避けるようにグルーピングを行う例を示す図である。
【図53】図53は、本発明の変形例16における地図情報表示装置の構成の一部を示すブロック図である。
【図54】図54は、本発明の変形例16における地図情報表示装置の動作の例を示すフローチャートの一部である。
【図55】図55は、本発明の変形例17における地図情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図56】図56は、代表地点設定部が代表地点を設定する例を示す図である。
【図57】図57は、代表地点と高印象地点との分布の例を示す図である。
【図58】図58は、表示位置決定部が通過時刻表示位置を決定する例を示す図である。
【図59】図59は、本発明の変形例17における地図情報表示装置の動作の例を示すフローチャートである。
【図60】図60は、代表地点設定による表示位置決定の失敗例を示す図である。
【図61】図61は、本発明の変形例18における地図情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図62】図62は、地図上の通過時刻表示位置が密集している例を示す図である。
【図63】図63は、地図上の通過時刻表示位置が疎らに分散している例を示す図である。
【符号の説明】
【0261】
100,200,300,400,500,600 地図情報表示装置
101 時刻取得部
102 位置取得部
103 規則蓄積部
104 地図情報蓄積部
105 発生検知部
106 イベント履歴蓄積部
107 発生数取得部
108 発生位置数取得部
109 画面区域取得部
110 表示位置選択部
111 グルーピング部
112 印象値算出部
113 表示位置決定部
114 時刻算出部
115 地図表示部
116 走行履歴蓄積部
120 外部ネットワーク媒体
1511 グルーピング部
1517 現在道路取得部
1518 道路上位置取得部
1519 グループ区域作成部
1520 グループ内位置数取得部
1521 グループ決定部
1710 表示位置選択部
1713 組み合わせ決定部
1717 希少位置取得部
1718 組み合わせ作成部
1719 最小距離算出部
1903 規則蓄積部
1910 表示位置選択部
1912 印象値算出部
1915 地図表示部
1917 画面内発生位置数取得部
5511 グルーピング部
5520 他画像表示判定部
5521 他画像表示位置蓄積部
5522 他画像表示位置取得部
6006 イベント履歴蓄積部
6007 発生数取得部
6008 発生位置数取得部
6017 出発位置取得部
7510 表示位置選択部
7513 表示位置決定部
8101 入力装置
8102 時刻取得装置
8103 位置取得装置
8105 出力装置
8106 地図表示装置
8107 記憶装置
8108 CPU
8109 キャッシュメモリ
8110 メモリ
8111 メインメモリ
8112 ハードディスク
8211 代表地点設定部
8213 表示位置決定部
8220 方向取得部
8310 表示位置選択部
8311 密集判定部
8313 表示位置決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体向けに地図を表示する地図情報表示装置であって、
地図と、前記地図に含まれる地点の通過予想時刻とを含む画像を表示する表示手段と、
通過予想時刻を表示する候補となる候補地点を複数取得する候補取得手段と、
前記候補地点のうち前記表示手段で表示される地図領域の一部分に含まれる複数の候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する選択手段と、
前記選択された候補地点の通過予想時刻を算出する予想時刻算出手段と、
前記地図と、前記選択された候補地点と前記通過予想時刻の組とを含む前記画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と
を備え、
前記選択手段は、
前記表示手段で表示する地図領域を、各グループ区域の間に少なくとも所定の幅の隙間を設けるとともに、グループ区域の1つ以上が、前記移動体が現在位置している道路の前記移動体の進行方向にある部分を含み、かつ所定の大きさよりも大きな複数のグループ区域に分割する分割部を有し、
前記選択手段は、前記分割されたグループ区域ごとに、グループ区域の内部に位置する候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する
ことを特徴とする地図情報表示装置。
【請求項2】
移動体向けに地図を表示する地図情報表示装置であって、
地図と、前記地図に含まれる地点の通過予想時刻とを含む画像を表示する表示手段と、
通過予想時刻を表示する候補となる候補地点を複数取得する候補取得手段と、
前記候補地点のうち前記表示手段で表示される地図領域の一部分に含まれる複数の候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する選択手段と、
前記選択された候補地点の通過予想時刻を算出する予想時刻算出手段と、
前記地図と、前記選択された候補地点と前記通過予想時刻の組とを含む前記画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
地図上に表示される通過時刻以外の画像の表示領域を取得する他画像表示位置取得手段と
を備え、
前記選択手段は、
前記表示手段で表示する地図領域から前記他画像表示位置取得手段で取得された領域を除いた領域を、所定の大きさよりも大きな複数のグループ区域に分割する分割部を有し、
前記選択手段は、前記分割されたグループ区域ごとに、グループ区域の内部に位置する候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する
ことを特徴とする地図情報表示装置。
【請求項3】
移動体向けに地図を表示する地図情報表示装置であって、
地図と、前記地図に含まれる地点の通過予想時刻とを含む画像を表示する表示手段と、
通過予想時刻を表示する候補となる候補地点を複数取得する候補取得手段と、
前記候補地点のうち前記表示手段で表示される地図領域の一部分に含まれる複数の候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する選択手段と、
前記選択された候補地点の通過予想時刻を算出する予想時刻算出手段と、
前記地図と、前記選択された候補地点と前記通過予想時刻の組とを含む前記画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と
を備え、
前記選択手段は、
前記表示手段で表示する地図領域を、各グループ区域の間に少なくとも所定の幅の隙間を設けるとともに、所定の大きさよりも大きな複数のグループ区域に分割する分割部を有し、
前記選択手段は、前記分割されたグループ区域ごとに、グループ区域の内部に位置する候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する
ことを特徴とする地図情報表示装置。
【請求項4】
移動体向けに地図を表示する方法であって、
地図と、前記地図に含まれる地点の通過予想時刻とを含む画像を表示する表示ステップと、
通過予想時刻を表示する候補となる候補地点を複数取得する候補取得ステップと、
前記候補地点のうち前記表示ステップで表示される地図領域の一部分に含まれる複数の候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する選択ステップと、
前記選択された候補地点の通過予想時刻を算出する予想時刻算出ステップと、
前記地図と、前記選択された候補地点と前記通過予想時刻の組とを含む前記画像を前記表示ステップで表示させる表示制御ステップと
を含み、
前記選択ステップは、
前記表示ステップで表示する地図領域を、各グループ区域の間に少なくとも所定の幅の隙間を設けるとともに、グループ区域の1つ以上が、前記移動体が現在位置している道路の前記移動体の進行方向にある部分を含み、かつ所定の大きさよりも大きな複数のグループ区域に分割する分割サブステップを含み、
前記選択ステップにおいて、
前記分割されたグループ区域ごとに、グループ区域の内部に位置する候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する
ことを特徴とする地図情報表示方法。
【請求項5】
移動体向けに地図を表示する方法であって、
地図と、前記地図に含まれる地点の通過予想時刻とを含む画像を表示する表示ステップと、
通過予想時刻を表示する候補となる候補地点を複数取得する候補取得ステップと、
前記候補地点のうち前記表示ステップで表示される地図領域の一部分に含まれる複数の候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する選択ステップと、
前記選択された候補地点の通過予想時刻を算出する予想時刻算出ステップと、
前記地図と、前記選択された候補地点と前記通過予想時刻の組とを含む前記画像を前記表示ステップで表示させる表示制御ステップと、
地図上に表示される通過時刻以外の画像の表示領域を取得する他画像表示位置取得ステップと
を含み、
前記選択ステップは、
前記表示ステップで表示する地図領域から前記他画像表示位置取得ステップで取得された領域を除いた領域を、所定の大きさよりも大きな複数のグループ区域に分割する分割サブステップを含み、
前記選択ステップにおいて、
前記分割されたグループ区域ごとに、グループ区域の内部に位置する候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する
ことを特徴とする地図情報表示方法。
【請求項6】
移動体向けに地図を表示する方法であって、
地図と、前記地図に含まれる地点の通過予想時刻とを含む画像を表示する表示ステップと、
通過予想時刻を表示する候補となる候補地点を複数取得する候補取得ステップと、
前記候補地点のうち前記表示ステップで表示される地図領域の一部分に含まれる複数の候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する選択ステップと、
前記選択された候補地点の通過予想時刻を算出する予想時刻算出ステップと、
前記地図と、前記選択された候補地点と前記通過予想時刻の組とを含む前記画像を前記表示ステップで表示させる表示制御ステップと
を含み、
前記選択ステップは、
前記表示ステップで表示する地図領域を、各グループ区域の間に少なくとも所定の幅の隙間を設けるとともに、所定の大きさよりも大きな複数のグループ区域に分割する分割サブステップを含み、
前記選択ステップにおいて、
前記分割されたグループ区域ごとに、グループ区域の内部に位置する候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する
ことを特徴とする地図情報表示方法。
【請求項7】
移動体向けに地図を表示するためのコンピュータ実行可能なプログラムであって、
地図と、前記地図に含まれる地点の通過予想時刻とを含む画像を表示する表示ステップと、
通過予想時刻を表示する候補となる候補地点を複数取得する候補取得ステップと、
前記候補地点のうち前記表示ステップで表示される地図領域の一部分に含まれる複数の候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する選択ステップと、
前記選択された候補地点の通過予想時刻を算出する予想時刻算出ステップと、
前記地図と、前記選択された候補地点と前記通過予想時刻の組とを含む前記画像を前記表示ステップで表示させる表示制御ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記選択ステップは、
前記表示ステップで表示する地図領域を、各グループ区域の間に少なくとも所定の幅の隙間を設けるとともに、グループ区域の1つ以上が、前記移動体が現在位置している道路の前記移動体の進行方向にある部分を含み、かつ所定の大きさよりも大きな複数のグループ区域に分割する分割サブステップを含み、
前記選択ステップにおいて、
前記分割されたグループ区域ごとに、グループ区域の内部に位置する候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する
ことを特徴とする地図情報表示プログラム。
【請求項8】
移動体向けに地図を表示するためのコンピュータ実行可能なプログラムであって、
地図と、前記地図に含まれる地点の通過予想時刻とを含む画像を表示する表示ステップと、
通過予想時刻を表示する候補となる候補地点を複数取得する候補取得ステップと、
前記候補地点のうち前記表示ステップで表示される地図領域の一部分に含まれる複数の候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する選択ステップと、
前記選択された候補地点の通過予想時刻を算出する予想時刻算出ステップと、
前記地図と、前記選択された候補地点と前記通過予想時刻の組とを含む前記画像を前記表示ステップで表示させる表示制御ステップと、
地図上に表示される通過時刻以外の画像の表示領域を取得する他画像表示位置取得ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記選択ステップは、
前記表示ステップで表示する地図領域から前記他画像表示位置取得ステップで取得された領域を除いた領域を、所定の大きさよりも大きな複数のグループ区域に分割する分割サブステップを含み、
前記選択ステップにおいて、
前記分割されたグループ区域ごとに、グループ区域の内部に位置する候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する
ことを特徴とする地図情報表示プログラム。
【請求項9】
移動体向けに地図を表示するためのコンピュータ実行可能なプログラムであって、
地図と、前記地図に含まれる地点の通過予想時刻とを含む画像を表示する表示ステップと、
通過予想時刻を表示する候補となる候補地点を複数取得する候補取得ステップと、
前記候補地点のうち前記表示ステップで表示される地図領域の一部分に含まれる複数の候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する選択ステップと、
前記選択された候補地点の通過予想時刻を算出する予想時刻算出ステップと、
前記地図と、前記選択された候補地点と前記通過予想時刻の組とを含む前記画像を前記表示ステップで表示させる表示制御ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記選択ステップは、
前記表示ステップで表示する地図領域を、各グループ区域の間に少なくとも所定の幅の隙間を設けるとともに、所定の大きさよりも大きな複数のグループ区域に分割する分割サブステップを含み、
前記選択ステップにおいて、
前記分割されたグループ区域ごとに、グループ区域の内部に位置する候補地点の中から所定の上限数までの候補地点を選択する
ことを特徴とする地図情報表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【公開番号】特開2008−164624(P2008−164624A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23345(P2008−23345)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【分割の表示】特願2007−555406(P2007−555406)の分割
【原出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】