地図更新装置
【課題】必要なデータのみを更新することができ、地図更新に要するコストを削減することができる「地図更新装置」を提供すること。
【解決手段】更新対象データ表示手段40および縮尺設定手段41により、更新対象データを示す画像を、ユーザが既知である可能性が高いとみなされる地物とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示すること。
【解決手段】更新対象データ表示手段40および縮尺設定手段41により、更新対象データを示す画像を、ユーザが既知である可能性が高いとみなされる地物とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示すること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図更新装置に係り、特に、地図データを更新するのに好適な地図更新装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用ナビゲーション装置においては、路線(例えば、高速道路)ごとに地図データベースを更新する際に、更新データのインデックスファイルを参照して、路線における更新された部分の全域を地図上に表示することが行われていた。
【0003】
例えば、図9(a)は、地図データベースの更新前における地図更新用の画面1を、図9(b)は、地図データベースの更新後における地図確認用の画面2をそれぞれ示したものである。
【0004】
図9(a)および図9(b)の各画面1,2には、更新が行われる(あるいは行われた)路線の名称が表記された複数の路線名表示欄4と、カーソル5によって指示された1つの路線名称表示欄4に記載の路線(図9における○○自動車道)の道路形状を、その更新が行われる(あるいは行われた)部分を中心として表示する地図6とが含まれている。
【0005】
図9においては、更新後の画面2における地図6上に、○○自動車道のうちの更新が行われた部分7の全域の道路形状が追記されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−264084号公報
【特許文献2】特開2002−188926号公報
【特許文献3】特開2005−91225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、今後は、通信を介してサーバから更新データを路線ごとに選択的に取得することによって、路線ごとの地図データベースの更新が可能となることが想定される。
【0008】
このような場合には、図9に示した技術を応用して、路線における地図データベースの更新の対象となり得る更新部分の全域を予め地図上に表示して、ユーザに当該更新部分を対象とした地図データベースの更新の要否を問い合わせた上で、ユーザの判断にしたがって当該更新部分を対象とした地図データベースの更新を行うようなことも十分に想定される。
【0009】
しかしながら、このように路線における更新部分の全域のみを地図上に表示する場合には、更新部分が路線のどの区間に相当する道路であるかを判断することが困難となり、当該更新部分を対象とした地図データベースの更新の是非を容易に判断することができない場合がある。
【0010】
従って、従来は、ユーザが利用する可能性が極めて低い不要なデータを更新してしまうことによって経済的な損失を被る虞があった。
【0011】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、必要なデータのみを対象とした地図データの更新を行うことができ、地図データの更新に要するコストを削減することができる地図更新装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するため、本発明に係る地図更新装置は、地図データが記憶された地図データ記憶手段と、最新の地図データが保有されたサーバとの通信を行うための通信手段とを備え、前記通信手段による前記サーバとの通信によって、前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データを更新する地図更新を行うことが可能に形成された地図更新装置であって、前記サーバに保有された地図データにおける前記地図更新の対象となり得るデータである更新対象データを示す画像を、地図上に重畳された状態として前記地図更新の前に表示部に表示する更新対象データ表示手段と、この更新対象データ表示手段によって表示される前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と、前記更新対象データ表示手段によって表示されるユーザが既知である可能性が高いとみなされる当該地図領域内の所定の地物を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に自動的に設定する縮尺設定手段と、前記更新対象データ表示手段によって表示された前記更新対象データを示す画像を確認した上での前記更新対象データを対象とした前記地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた入力操作手段と、この入力操作手段によって前記地図更新を行う旨の入力操作が行われた場合に、前記通信手段を介して前記地図更新を行う地図更新手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
そして、このような構成によれば、更新対象データ表示手段および縮尺設定手段により、更新対象データを示す画像を、ユーザが既知である可能性が高いとみなされる所定の地物を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を、地図上における更新対象データと所定の地物との対比によって容易に判断することができる。そして、入力操作手段を用いた入力操作にしたがって、ユーザが必要と判断した更新対象データのみを対象とした地図更新を地図更新手段によって行うことができる。
【0014】
また、前記更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、前記更新対象データを示す画像が、前記路線における更新部分を示す画像とされ、前記所定の地物が、前記路線の全域とされ、前記更新対象データ表示手段が、前記路線における更新部分を示す画像を地図上に重畳された状態として表示し、前記縮尺設定手段が、前記路線における更新部分を示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記路線における更新部分を示す画像と、前記路線の全域を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記路線における更新部分を示す画像とともに前記路線の全域を示す画像を表示するように形成されていてもよい。
【0015】
そして、このような構成によれば、路線における更新部分を示す画像を、路線の全域とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、路線データを対象とした地図更新の要否を、地図上における路線データと路線の全域との対比によって容易に判断することができる。
【0016】
さらに、ユーザの現在位置を測位する測位手段を備え、前記所定の地物が、前記測位手段によって測位されたユーザの現在位置とされ、前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記ユーザの現在位置を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記ユーザの現在位置を示す画像を表示するように形成されていてもよい。
【0017】
そして、このような構成によれば、更新対象データを示す画像を、ユーザの現在位置を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を、地図上における更新対象データと現在位置との対比によって容易に判断することができる。
【0018】
さらにまた、ナビゲーションにおける目的地を設定する目的地設定手段を備え、前記所定の地物が、前記目的地設定手段によって設定された目的地とされ、前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記目的地を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記目的地を示す画像を表示するように形成されていてもよい。
【0019】
そして、このような構成によれば、更新対象データを示す画像を、ナビゲーションの目的地を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を地図上における更新対象データと目的地との対比によって容易に判断することができる。
【0020】
また、目的地までの経路を探索する経路探索手段を備え、前記所定の地物が、前記経路探索手段によって探索された経路とされ、前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記経路を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記経路を示す画像を表示するように形成されていてもよい。
【0021】
そして、このような構成によれば、更新対象データを示す画像を、目的地までの経路を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を、地図上における更新対象データと目的地までの経路との対比によって容易に判断することができる。
【0022】
さらに、ユーザが過去に利用した地点情報が記憶された地点情報記憶手段を備え、前記所定の地物が、前記地点情報記憶手段に記憶された地点情報が示す地点とされ、前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記地点情報が示す地点の画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記地点情報が示す地点の画像を表示するように形成されていてもよい。
【0023】
そして、このような構成によれば、更新対象データを示す画像を、ユーザが過去に利用した地点情報が示す地点の画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を、地図上における更新対象データと地点情報が示す地点との対比によって容易に判断することができる。
【0024】
さらにまた、前記所定の地物が、前記更新対象データが属する都道府県または市町村における代表的な地点もしくは施設とされ、前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記代表的な地点もしくは施設を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記代表的な地点もしくは施設を示す画像を表示するように形成されていてもよい。
【0025】
そして、このような構成によれば、更新対象データを示す画像を、更新対象データが属する都道府県または市町村における代表的な地点もしくは施設を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を、地図上における更新対象データと前記代表的な地点もしくは施設との対比によって容易に判断することができる。
【0026】
また、前記所定の地物が、前記更新対象データが属する地方全域とされ、前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記地方全域を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記地方全域を示す画像を表示するように形成されていてもよい。
【0027】
そして、このような構成によれば、更新対象データを示す画像を、更新対象データが属する地方全域を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を、地図上における更新対象データと前記地方全域との対比によって容易に判断することができる。
【0028】
さらに、前記更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされていてもよい。
【0029】
そして、このような構成によれば、ユーザが、路線データを対象とした地図更新の要否を、ユーザが既知である可能性が高い所定の地物との対比によって容易に判断することができる。
【0030】
さらにまた、前記更新対象データが、施設に関する施設データとされていてもよい。
【0031】
そして、このような構成によれば、ユーザが、施設データを対象とした地図更新の要否を、ユーザが既知である可能性が高い所定の地物との対比によって容易に判断することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、必要なデータのみを対象とした地図データの更新を簡便かつ迅速に行うことができ、地図データの更新に要するコストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明に係る地図更新装置の実施形態として、地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態について図1乃至図8を参照して説明する。
【0034】
図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置10は、大別して、現在地から目的地まで自車両を誘導するナビゲーションのための主たる処理や制御を行うナビゲーションメインユニット11と、このナビゲーションメインユニット11にそれぞれ接続されたGPSレシーバ12、地図データ記憶手段としての地図データ記憶装置14、入力操作手段としての入力操作部15、表示部としてのディスプレイ16およびスピーカ17とによって構成されている。
【0035】
GPSレシーバ12は、GPS衛星18から、軌道および時刻に関する情報(以下、GPS情報と称する)を受信し、受信されたGPS情報をナビゲーションメインユニット11に入力するようになっている。
【0036】
地図データ記憶装置14には、車載用ナビゲーション装置10の各種の基本的な機能を実行させるための地図データが記憶されており、この地図データは、例えば、地図表示機能および経路誘導機能等の実行に用いられる道路データおよび背景データと、経路探索機能の実行に用いられる経路計算データと、施設の検索機能等の実行に用いられる検索データとを有している。
【0037】
この地図データ記憶装置14は、例えば、ハードディスクドライブや書込み可能なDVDが搭載されたDVDドライブであってもよい。
【0038】
また、入力操作部15は、ユーザが、車載用ナビゲーション装置10に対する入力操作を行うことができるものであればよく、例えば、リモコン、リニアエンコーダ、ロータリエンコーダ、またはディスプレイ16のタッチパネル等であってもよい。
【0039】
ナビゲーションメインユニット11について詳述すると、このナビゲーションメインユニット11は、主制御部としてのナビCPU20を有しており、このナビCPU20は、所定の実行プログラムを実行することによって、車載用ナビゲーション装置10の機能を実現させるようになっている。
【0040】
ナビCPU20には、前述したGPSレシーバ12が接続されており、このGPSレシーバ12からのGPS情報が、ナビCPU20に入力されるようになっている。
【0041】
また、ナビCPU20には、自律航法センサ21が接続されており、この自律航法センサ21は、自車両の車速、角速度および方位等を検出し、検出結果をナビCPU20に入力するようになっている。
【0042】
さらに、ナビCPU20には、システムバス22を介して地図データ記憶装置14が接続されている。
【0043】
さらにまた、ナビCPU20には、システムバス22および画像インターフェース(I/F)23を介してディスプレイ16が接続されている。
【0044】
また、ナビCPU20には、システムバス22およびユーザインターフェース(I/F)24を介して入力操作部15が接続されている。
【0045】
さらに、ナビCPU20には、音声インターフェース(I/F)26を介してスピーカ17が接続されている。
【0046】
さらにまた、ナビCPU20には、システムバス22を介してメモリ27が接続されており、このメモリ27には、ナビCPU20の実行プログラムが記憶されている。また、メモリ27には、ナビCPU20による処理結果および地図データ記憶装置14から読み出された地図データが一時的に記憶されるようになっている。このメモリ27は、SDRAMやFlashROM等からなるものであってもよい。
【0047】
ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、測位手段としての自車位置算出部29を有しており、この自車位置算出部29は、GPSレシーバ12から入力されたGPS情報および自律航法センサ21から入力された検出結果を適宜用いることによって、ユーザの現在位置としての自車位置を算出するようになっている。なお、この自車位置の算出の際に、自車位置算出部29は、地図データ記憶装置14から地図データを読み出し、読み出された地図データを用いることによって、自車位置を地図データにおける該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。そして、自車位置算出部29は、マップマッチング処理が適正に行われた場合には、マップマッチング処理後の自車位置を最終的な算出結果とするようになっている。
【0048】
また、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとしての地図描画部30を有しており、この地図描画部30は、地図データ記憶装置14から地図データを読み出し、読み出された地図データを用いることによって、自車位置算出部29によって算出された自車位置の周辺の地図の描画データを生成するようになっている。そして、地図描画部30は、生成された地図の描画データを、画像インターフェース23を介してディスプレイ16に出力することによって、ディスプレイ16に地図を表示するようになっている。
【0049】
さらに、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとしての自車位置描画部31を有しており、この自車位置描画部31は、自車位置算出部29の算出結果に基づいて、ディスプレイ16に表示された地図上における自車位置を示す自車位置マークの描画データを生成するようになっている。そして、自車位置描画部31は、生成された自車位置マークの描画データを、画像インターフェース23を介してディスプレイ16に出力することによって、地図上に自車位置マークを重畳表示するようになっている。
【0050】
さらにまた、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとしての操作画面描画部33を有しており、この操作画面描画部33は、メニュー画面、目的地設定用の操作画面等の種々の操作画面の描画データを生成し、生成された描画データをディスプレイ16に出力することによって、操作画面を表示するようになっている。
【0051】
また、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、目的地設定手段としての目的地設定部34を有しており、この目的地設定部34は、目的地設定用の操作画面に対する入力操作部15を用いたユーザの入力操作結果に対応した目的地を設定するようになっている。
【0052】
さらに、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、経路探索手段としての経路探索部35を有しており、この経路探索部35は、目的地設定部34によって設定された目的地までの経路を探索するようになっている。
【0053】
さらにまた、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとしての経路誘導部37を有しており、この経路誘導部37は、経路探索部35によって探索された経路に沿って自車両を目的地まで経路誘導(ルート案内)するようになっている。この経路誘導は、ディスプレイ16への案内画像(交差点拡大画像等)の表示やスピーカ17からの案内音声(例えば、交差点右左折案内等)の出力によって行われるようになっている。
【0054】
これらのナビゲーションのための基本構成に加えて、さらに、本実施形態において、ナビゲーションメインユニット11は、通信手段としての通信部38を有しており、この通信部38には、システムバス22が接続されている。
【0055】
そして、車載用ナビゲーション装置10は、通信部38によって最新の地図データが保有されたサーバ(図示せず)との通信を行うことによって、地図記憶装置14に記憶された地図データを更新する地図更新を行うことができるようになっている。
【0056】
また、本実施形態において、ナビCPU20は、その機能ブロックの1として、更新対象データ表示手段としての更新対象データ描画部40を有している。この更新対象データ描画部40は、サーバに保有された地図データにおける地図更新の対象となり得るデータである更新対象データを示す画像(以下、更新対象画像と称する)を、地図上に重畳された状態として地図とともに表示するための描画データ(以下、更新対象描画データと称する)を生成するようになっている。
【0057】
そして、更新対象データ描画部40は、生成された更新対象描画データを、地図更新の前に画像インターフェース23を介してディスプレイ16に出力することによって、地図上に重畳された状態の更新対象画像を、更新対象データを対象とした地図更新の前にディスプレイ16に表示することができるようになっている。
【0058】
ここで、更新対象データとしては、路線における更新部分(例えば、増設等の変更があった部分)に関する路線データや、新たな施設に関する施設データを挙げることができる。なお、この場合における施設データは、最新POI情報であってもよい。また、施設データを示す画像は、地図上にランドマークとして表示されるものであってもよい。
【0059】
さらに、本実施形態において、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、縮尺設定手段としての縮尺設定部41を有している。この縮尺設定部41は、更新対象データ描画部40によって表示される更新対象画像およびこの更新対象画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象画像と、ユーザが既知である可能性が高いとみなされる当該地図領域内の所定の地物(以下、対比地物と称する)とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に自動的に設定するようになっている。
【0060】
そして、更新対象データ描画部40は、このように縮尺設定部41によって縮尺が設定された地図上に、更新対象画像とともに対比地物を示す画像を表示するようになっている。
【0061】
なお、対比地物は、更新対象データが路線における更新部分に関する路線データの場合には、路線の全域であってもよい。その他、対比地物は、自車位置算出部30によって算出された自車位置、目的地設定部34によって設定された目的地、経路探索部35によって探索された目的地までの経路、更新対象データが属する都道府県または市町村における代表的な地点(県庁所在地等)もしくは施設(県庁等)、または更新対象データが属する地方全域(例えば、関東地方)であってもよい。あるいは、地図データ記憶装置14またはメモリ27に、地点情報記憶手段としての機能を持たせて、これら地図データ記憶装置14またはメモリ27にユーザが過去に利用した地点情報(例えば、過去に設定した目的地や経由地、過去に算出または通過した経路、もしくは、地点登録された登録地点等)を記憶させた上で、この地点情報が示す地点を対比地物として採用するようにしてもよい。
【0062】
さらにまた、本実施形態において、操作画面描画部33は、入力操作部15とともに入力操作手段を構成するようになっている。すなわち、操作画面描画部33は、更新対象データ描画部40によって表示される地図上に、当該地図上に重畳される更新対象画像が示す更新対象データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作を可能とする操作画面(以下、更新入力操作画面と称する)を表示するための描画データを生成するようになっている。そして、操作画面描画部33は、生成された当該描画データをディスプレイ16に出力することによって、更新対象画像が重畳された地図上に、入力操作部15による入力操作が可能とされた更新入力操作画面を表示するようになっている。これにより、ユーザは、更新対象データ描画部40によって表示された更新対象画像を確認した上での更新対象データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされている。
【0063】
また、本実施形態において、ナビCPU20は、地図更新手段としての地図更新部42を有している。この地図更新部42は、更新入力操作画面に対する更新対象データを対象とした地図更新を行う旨の入力操作がなされた場合に、通信部38を介してサーバから更新対象データを受信し、受信された更新対象データを地図記憶装置14に記録することによって、更新対象データを対象とした地図更新を行うようになっている。
【0064】
したがって、本実施形態によれば、更新対象データ描画部40および縮尺設定部41により、更新対象画像を対比地物を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが更新対象データを対象とした地図更新の要否を地図上における更新対象データと対比地物との対比によって容易に判断することができる。そして、ユーザが必要と判断した更新対象データのみを対象とした地図更新を、入力操作15を用いた入力操作にしたがって地図更新部42によって行うことができる。
【0065】
次に、本実施形態の主たる作用について、具体例を示しながら説明する。
【0066】
本実施形態においては、まず、操作画面描画部33によって表示されたメニュー画面等において、ユーザが入力操作部15を用いて地図更新用の画面の表示に移行するための入力操作を行うと、更新対象データ描画部40により、通信部38を介してサーバから更新対象データのうちの更新対象描画データの生成に要する一部のデータのみが取得され、取得されたデータに基づいて、更新対象描画データが生成される。
【0067】
次いで、更新対象データ描画部40によって生成された更新対象描画データが、更新対象データ描画部40からディスプレイ16に出力されることによって、地図上に重畳された状態の更新対象画像がディスプレイ16に表示される。
【0068】
このとき、縮尺設定部41により、更新対象画像およびこの更新対象画像が重畳される地図の縮尺が、更新対象画像と対比地物を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に自動的に設定される。
【0069】
また、このとき、更新対象データ描画部40により、縮尺設定部41によって縮尺が設定された前記地図上に、更新対象画像とともに対比地物を示す画像が表示される。
【0070】
さらに、このとき、操作画面描画部33により、更新入力操作画面の描画データが生成され、生成された描画データがディスプレイ16に出力されることによって、更新対象画像が重畳された地図上に、更新入力操作画面が表示される。
【0071】
ここで、図2は、ここまでの工程によってディスプレイ16に表示される地図更新用の画面の第1の具体例を示したものであり、本具体例における地図更新用の画面45においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、路線の全域とされている。
【0072】
すなわち、図2に示すように、第1の具体例における地図更新用の画面45には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および路線の全域を示す画像48が、地図47上において更新部分を示す画像46と路線の全域を示す画像48とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図2の画面45には、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。この更新入力操作画面49において、ユーザは、「はい」のボタン49aを操作することによって、地図更新を行うことを選択することができ、「いいえ」のボタン49bを操作することによって、地図更新を行わないことを選択することができるようになっている。
【0073】
そして、このような地図更新用の画面45が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図更新の要否を、地図47上における路線データと路線の全域との対比によって容易に判断することができる。
【0074】
また、図3は、地図更新用の画面の第2の具体例を示したものであり、本具体例における画面50においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、自車位置算出部29によって算出された自車位置とされている。
【0075】
すなわち、図3に示すように、第2の具体例における地図更新用の画面50には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および自車位置マーク51が、地図47上において更新部分を示す画像46と自車位置マーク51とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図3の画面50にも、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。
【0076】
そして、このような画面50が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図更新の要否を、地図47上における路線データと自車位置との対比によって容易に判断することができる。
【0077】
さらに、図4は、地図更新用の画面の第3の具体例を示したものであり、本具体例における画面53においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、目的地設定部34によって設定された目的地とされている。
【0078】
すなわち、図4に示すように、第3の具体例における地図更新用の画面53には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および目的地を示す画像54が、地図47上において更新部分を示す画像46と目的地を示す画像54とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図4の画面53にも、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。
【0079】
そして、このような画面53が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図データの更新の要否を、地図47上における路線データと目的地との対比によって容易に判断することができる。
【0080】
さらにまた、図5は、地図更新用の画面の第4の具体例を示したものであり、本具体例における画面56においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、経路探索部35によって探索された目的地までの経路とされている。
【0081】
すなわち、図5に示すように、第4の具体例における地図更新用の画面56には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および目的地までの経路を示す画像57が、地図47上において更新部分を示す画像46と経路を示す画像57とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図5の画面56にも、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。
【0082】
そして、このような画面56が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図データの更新の要否を、地図47上における路線データと目的地までの経路との対比によって容易に判断することができる。
【0083】
また、図6は、地図更新用の画面の第5の具体例を示したものであり、本具体例における画面59においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、ユーザが過去に利用した地点情報が示す地点としての地図データ記憶装置14またはメモリ27に記憶された登録地点とされている。
【0084】
すなわち、図6に示すように、第5の具体例における地図更新用の画面59には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および登録地点(図6における○○ホテル)を示す画像60が、地図47上において更新部分を示す画像46と登録地点を示す画像60とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図6の画面59にも、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。
【0085】
そして、このような画面59が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図データの更新の要否を、地図47上における路線データと登録地点との対比によって容易に判断することができる。
【0086】
さらに、図7は、地図更新用の画面の第6の具体例を示したものであり、本具体例における画面62においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、路線データが属する都道府県の都道府県庁所在地とされている。
【0087】
すなわち、図7に示すように、第6の具体例における地図更新用の画面62には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および更新部分が属する県の県庁所在地(図7における○○市)を示す画像63が、地図47上において更新部分を示す画像46と県庁所在地を示す画像63とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図7の画面62にも、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。
【0088】
そして、このような画面62が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図データの更新の要否を、地図47上における路線データと路線データが属する県の県庁所在地との対比によって容易に判断することができる。
【0089】
さらにまた、図8は、地図更新用の画面の第7の具体例を示したものであり、本具体例における画面64においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、路線データが属する地方全域とされている。
【0090】
すなわち、図8に示すように、第7の具体例における地図更新用の画面64には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および更新部分が属する地方全域(図8における四国地方)を示す画像65が、地図47上において更新部分を示す画像46と地方全域を示す画像65とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図8の画面64にも、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。
【0091】
そして、このような画面64が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図データの更新の要否を、地図47上における路線データと路線データが属する地方全域との対比によって容易に判断することができる。
【0092】
次いで、これら第1〜第7の具体例に示したような地図更新用の画面において、ユーザが、更新入力操作画面49に対して更新対象データを対象とした地図更新を行う旨の入力操作を行うと、地図更新部42が、通信部38を介してサーバから更新対象データを受信し、受信された更新対象データを地図データ記憶装置14に記録することによって、更新対象データを対象とした地図更新が行われる。
【0093】
以上説明したように、本実施形態によれば、更新対象データ描画部40および縮尺設定部41により、更新対象画像を、対比地物とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが更新対象データを対象とした地図更新の要否を地図上における更新対象データと対比地物との対比によって容易に判断することができ、ユーザが必要と判断した更新対象データのみを対象とした地図更新を行うことができる。この結果、必要なデータのみを対象とした地図更新を簡便かつ迅速に行うことができ、地図更新に要するコストを削減することができる。
【0094】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0095】
例えば、前述した第1〜第7の具体例の地図更新用の画面45,50,53,56,59,62,64は、これらのうちの1種類のみが表示されてもよく、または、複数種類の画面45,50,53,56,59,62,64が、ユーザによる選択にしたがって択一的に表示されてもよく、あるいは、複数種類の画面45,50,53,56,59,62,64が、予め設定された条件付きの優先順位にしたがって択一的に表示されてもよい。ここで、複数種類の画面45,50,53,56,59,62,64をユーザによる選択にしたがって択一的に表示する場合には、各画面45,50,53,56,59,62,64のいずれを表示するかを入力操作部15を用いて選択するための操作画面を表示するように構成すればよい。
【0096】
また、複数種類の画面45,50,53,56,59,62,64を予め設定された優先順位にしたがって択一的に表示する場合における優先順位としては、例えば、目的地までの経路が探索されている状況下においては、第2〜第4の具体例の画面50,53,56のいずれかの優先度を最も高くするようにしてもよい。また、目的地までの経路が探索されていない状況下においては、第1または第2の具体例の画面45,50のいずれかの優先度を最も高くするようにしてもよい。
【0097】
さらに、前述した実施形態においては、地図更新装置が地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置10であるが、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、例えば、地図更新装置として、パソコンを採用するようにしてもよい。この場合には、パソコンに、前述した更新対象データ描画部40、縮尺設定部41、地図更新部42、操作画面描画部33等の各機能ブロックに相当する機能を実行させるためのプログラムを搭載し、パソコンのハードディスクを、地図データが記憶された地図データ記憶装置14として機能させ、パソコンのインターネット接続機構を通信部38として機能させるようにすればよい。そして、パソコンによって更新された地図データを、パソコンからの直接的な通信あるいはリムーバブルメディア(例えば、SDメモリ)を介して車載用ナビゲーション装置に提供することによって、車載用ナビゲーション装置の地図データの更新を行うようにすればよい。このようにすれば、車載器によって地図サーバと通信を行うよりも通信費が安価になってより経済的な地図更新を行うことができる。また、通信機能を有しない車載用ナビゲーション装置にも対応することができる。
【0098】
また、本発明は、車載用ナビゲーション装置以外の機器(例えば、携帯電話)等に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る地図更新装置としての地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すブロック図
【図2】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第1の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図3】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第2の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図4】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第3の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図5】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第4の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図6】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第5の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図7】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第6の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図8】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第7の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図9】従来の車載用ナビゲーション装置における地図更新の際の表示画面であって、(a)は、地図更新用の画面を、(b)は、確認用の画面を示す図
【符号の説明】
【0100】
10 車載用ナビゲーション装置
14 地図データ記憶装置
15 入力操作部
16 ディスプレイ
33 操作画面描画部
38 通信部
40 更新対象データ描画部
41 縮尺設定部
42 更新部
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図更新装置に係り、特に、地図データを更新するのに好適な地図更新装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用ナビゲーション装置においては、路線(例えば、高速道路)ごとに地図データベースを更新する際に、更新データのインデックスファイルを参照して、路線における更新された部分の全域を地図上に表示することが行われていた。
【0003】
例えば、図9(a)は、地図データベースの更新前における地図更新用の画面1を、図9(b)は、地図データベースの更新後における地図確認用の画面2をそれぞれ示したものである。
【0004】
図9(a)および図9(b)の各画面1,2には、更新が行われる(あるいは行われた)路線の名称が表記された複数の路線名表示欄4と、カーソル5によって指示された1つの路線名称表示欄4に記載の路線(図9における○○自動車道)の道路形状を、その更新が行われる(あるいは行われた)部分を中心として表示する地図6とが含まれている。
【0005】
図9においては、更新後の画面2における地図6上に、○○自動車道のうちの更新が行われた部分7の全域の道路形状が追記されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−264084号公報
【特許文献2】特開2002−188926号公報
【特許文献3】特開2005−91225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、今後は、通信を介してサーバから更新データを路線ごとに選択的に取得することによって、路線ごとの地図データベースの更新が可能となることが想定される。
【0008】
このような場合には、図9に示した技術を応用して、路線における地図データベースの更新の対象となり得る更新部分の全域を予め地図上に表示して、ユーザに当該更新部分を対象とした地図データベースの更新の要否を問い合わせた上で、ユーザの判断にしたがって当該更新部分を対象とした地図データベースの更新を行うようなことも十分に想定される。
【0009】
しかしながら、このように路線における更新部分の全域のみを地図上に表示する場合には、更新部分が路線のどの区間に相当する道路であるかを判断することが困難となり、当該更新部分を対象とした地図データベースの更新の是非を容易に判断することができない場合がある。
【0010】
従って、従来は、ユーザが利用する可能性が極めて低い不要なデータを更新してしまうことによって経済的な損失を被る虞があった。
【0011】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、必要なデータのみを対象とした地図データの更新を行うことができ、地図データの更新に要するコストを削減することができる地図更新装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するため、本発明に係る地図更新装置は、地図データが記憶された地図データ記憶手段と、最新の地図データが保有されたサーバとの通信を行うための通信手段とを備え、前記通信手段による前記サーバとの通信によって、前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データを更新する地図更新を行うことが可能に形成された地図更新装置であって、前記サーバに保有された地図データにおける前記地図更新の対象となり得るデータである更新対象データを示す画像を、地図上に重畳された状態として前記地図更新の前に表示部に表示する更新対象データ表示手段と、この更新対象データ表示手段によって表示される前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と、前記更新対象データ表示手段によって表示されるユーザが既知である可能性が高いとみなされる当該地図領域内の所定の地物を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に自動的に設定する縮尺設定手段と、前記更新対象データ表示手段によって表示された前記更新対象データを示す画像を確認した上での前記更新対象データを対象とした前記地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた入力操作手段と、この入力操作手段によって前記地図更新を行う旨の入力操作が行われた場合に、前記通信手段を介して前記地図更新を行う地図更新手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
そして、このような構成によれば、更新対象データ表示手段および縮尺設定手段により、更新対象データを示す画像を、ユーザが既知である可能性が高いとみなされる所定の地物を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を、地図上における更新対象データと所定の地物との対比によって容易に判断することができる。そして、入力操作手段を用いた入力操作にしたがって、ユーザが必要と判断した更新対象データのみを対象とした地図更新を地図更新手段によって行うことができる。
【0014】
また、前記更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、前記更新対象データを示す画像が、前記路線における更新部分を示す画像とされ、前記所定の地物が、前記路線の全域とされ、前記更新対象データ表示手段が、前記路線における更新部分を示す画像を地図上に重畳された状態として表示し、前記縮尺設定手段が、前記路線における更新部分を示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記路線における更新部分を示す画像と、前記路線の全域を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記路線における更新部分を示す画像とともに前記路線の全域を示す画像を表示するように形成されていてもよい。
【0015】
そして、このような構成によれば、路線における更新部分を示す画像を、路線の全域とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、路線データを対象とした地図更新の要否を、地図上における路線データと路線の全域との対比によって容易に判断することができる。
【0016】
さらに、ユーザの現在位置を測位する測位手段を備え、前記所定の地物が、前記測位手段によって測位されたユーザの現在位置とされ、前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記ユーザの現在位置を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記ユーザの現在位置を示す画像を表示するように形成されていてもよい。
【0017】
そして、このような構成によれば、更新対象データを示す画像を、ユーザの現在位置を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を、地図上における更新対象データと現在位置との対比によって容易に判断することができる。
【0018】
さらにまた、ナビゲーションにおける目的地を設定する目的地設定手段を備え、前記所定の地物が、前記目的地設定手段によって設定された目的地とされ、前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記目的地を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記目的地を示す画像を表示するように形成されていてもよい。
【0019】
そして、このような構成によれば、更新対象データを示す画像を、ナビゲーションの目的地を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を地図上における更新対象データと目的地との対比によって容易に判断することができる。
【0020】
また、目的地までの経路を探索する経路探索手段を備え、前記所定の地物が、前記経路探索手段によって探索された経路とされ、前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記経路を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記経路を示す画像を表示するように形成されていてもよい。
【0021】
そして、このような構成によれば、更新対象データを示す画像を、目的地までの経路を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を、地図上における更新対象データと目的地までの経路との対比によって容易に判断することができる。
【0022】
さらに、ユーザが過去に利用した地点情報が記憶された地点情報記憶手段を備え、前記所定の地物が、前記地点情報記憶手段に記憶された地点情報が示す地点とされ、前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記地点情報が示す地点の画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記地点情報が示す地点の画像を表示するように形成されていてもよい。
【0023】
そして、このような構成によれば、更新対象データを示す画像を、ユーザが過去に利用した地点情報が示す地点の画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を、地図上における更新対象データと地点情報が示す地点との対比によって容易に判断することができる。
【0024】
さらにまた、前記所定の地物が、前記更新対象データが属する都道府県または市町村における代表的な地点もしくは施設とされ、前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記代表的な地点もしくは施設を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記代表的な地点もしくは施設を示す画像を表示するように形成されていてもよい。
【0025】
そして、このような構成によれば、更新対象データを示す画像を、更新対象データが属する都道府県または市町村における代表的な地点もしくは施設を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を、地図上における更新対象データと前記代表的な地点もしくは施設との対比によって容易に判断することができる。
【0026】
また、前記所定の地物が、前記更新対象データが属する地方全域とされ、前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記地方全域を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記地方全域を示す画像を表示するように形成されていてもよい。
【0027】
そして、このような構成によれば、更新対象データを示す画像を、更新対象データが属する地方全域を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが、更新対象データを対象とした地図更新の要否を、地図上における更新対象データと前記地方全域との対比によって容易に判断することができる。
【0028】
さらに、前記更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされていてもよい。
【0029】
そして、このような構成によれば、ユーザが、路線データを対象とした地図更新の要否を、ユーザが既知である可能性が高い所定の地物との対比によって容易に判断することができる。
【0030】
さらにまた、前記更新対象データが、施設に関する施設データとされていてもよい。
【0031】
そして、このような構成によれば、ユーザが、施設データを対象とした地図更新の要否を、ユーザが既知である可能性が高い所定の地物との対比によって容易に判断することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、必要なデータのみを対象とした地図データの更新を簡便かつ迅速に行うことができ、地図データの更新に要するコストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明に係る地図更新装置の実施形態として、地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態について図1乃至図8を参照して説明する。
【0034】
図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置10は、大別して、現在地から目的地まで自車両を誘導するナビゲーションのための主たる処理や制御を行うナビゲーションメインユニット11と、このナビゲーションメインユニット11にそれぞれ接続されたGPSレシーバ12、地図データ記憶手段としての地図データ記憶装置14、入力操作手段としての入力操作部15、表示部としてのディスプレイ16およびスピーカ17とによって構成されている。
【0035】
GPSレシーバ12は、GPS衛星18から、軌道および時刻に関する情報(以下、GPS情報と称する)を受信し、受信されたGPS情報をナビゲーションメインユニット11に入力するようになっている。
【0036】
地図データ記憶装置14には、車載用ナビゲーション装置10の各種の基本的な機能を実行させるための地図データが記憶されており、この地図データは、例えば、地図表示機能および経路誘導機能等の実行に用いられる道路データおよび背景データと、経路探索機能の実行に用いられる経路計算データと、施設の検索機能等の実行に用いられる検索データとを有している。
【0037】
この地図データ記憶装置14は、例えば、ハードディスクドライブや書込み可能なDVDが搭載されたDVDドライブであってもよい。
【0038】
また、入力操作部15は、ユーザが、車載用ナビゲーション装置10に対する入力操作を行うことができるものであればよく、例えば、リモコン、リニアエンコーダ、ロータリエンコーダ、またはディスプレイ16のタッチパネル等であってもよい。
【0039】
ナビゲーションメインユニット11について詳述すると、このナビゲーションメインユニット11は、主制御部としてのナビCPU20を有しており、このナビCPU20は、所定の実行プログラムを実行することによって、車載用ナビゲーション装置10の機能を実現させるようになっている。
【0040】
ナビCPU20には、前述したGPSレシーバ12が接続されており、このGPSレシーバ12からのGPS情報が、ナビCPU20に入力されるようになっている。
【0041】
また、ナビCPU20には、自律航法センサ21が接続されており、この自律航法センサ21は、自車両の車速、角速度および方位等を検出し、検出結果をナビCPU20に入力するようになっている。
【0042】
さらに、ナビCPU20には、システムバス22を介して地図データ記憶装置14が接続されている。
【0043】
さらにまた、ナビCPU20には、システムバス22および画像インターフェース(I/F)23を介してディスプレイ16が接続されている。
【0044】
また、ナビCPU20には、システムバス22およびユーザインターフェース(I/F)24を介して入力操作部15が接続されている。
【0045】
さらに、ナビCPU20には、音声インターフェース(I/F)26を介してスピーカ17が接続されている。
【0046】
さらにまた、ナビCPU20には、システムバス22を介してメモリ27が接続されており、このメモリ27には、ナビCPU20の実行プログラムが記憶されている。また、メモリ27には、ナビCPU20による処理結果および地図データ記憶装置14から読み出された地図データが一時的に記憶されるようになっている。このメモリ27は、SDRAMやFlashROM等からなるものであってもよい。
【0047】
ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、測位手段としての自車位置算出部29を有しており、この自車位置算出部29は、GPSレシーバ12から入力されたGPS情報および自律航法センサ21から入力された検出結果を適宜用いることによって、ユーザの現在位置としての自車位置を算出するようになっている。なお、この自車位置の算出の際に、自車位置算出部29は、地図データ記憶装置14から地図データを読み出し、読み出された地図データを用いることによって、自車位置を地図データにおける該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。そして、自車位置算出部29は、マップマッチング処理が適正に行われた場合には、マップマッチング処理後の自車位置を最終的な算出結果とするようになっている。
【0048】
また、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとしての地図描画部30を有しており、この地図描画部30は、地図データ記憶装置14から地図データを読み出し、読み出された地図データを用いることによって、自車位置算出部29によって算出された自車位置の周辺の地図の描画データを生成するようになっている。そして、地図描画部30は、生成された地図の描画データを、画像インターフェース23を介してディスプレイ16に出力することによって、ディスプレイ16に地図を表示するようになっている。
【0049】
さらに、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとしての自車位置描画部31を有しており、この自車位置描画部31は、自車位置算出部29の算出結果に基づいて、ディスプレイ16に表示された地図上における自車位置を示す自車位置マークの描画データを生成するようになっている。そして、自車位置描画部31は、生成された自車位置マークの描画データを、画像インターフェース23を介してディスプレイ16に出力することによって、地図上に自車位置マークを重畳表示するようになっている。
【0050】
さらにまた、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとしての操作画面描画部33を有しており、この操作画面描画部33は、メニュー画面、目的地設定用の操作画面等の種々の操作画面の描画データを生成し、生成された描画データをディスプレイ16に出力することによって、操作画面を表示するようになっている。
【0051】
また、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、目的地設定手段としての目的地設定部34を有しており、この目的地設定部34は、目的地設定用の操作画面に対する入力操作部15を用いたユーザの入力操作結果に対応した目的地を設定するようになっている。
【0052】
さらに、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、経路探索手段としての経路探索部35を有しており、この経路探索部35は、目的地設定部34によって設定された目的地までの経路を探索するようになっている。
【0053】
さらにまた、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとしての経路誘導部37を有しており、この経路誘導部37は、経路探索部35によって探索された経路に沿って自車両を目的地まで経路誘導(ルート案内)するようになっている。この経路誘導は、ディスプレイ16への案内画像(交差点拡大画像等)の表示やスピーカ17からの案内音声(例えば、交差点右左折案内等)の出力によって行われるようになっている。
【0054】
これらのナビゲーションのための基本構成に加えて、さらに、本実施形態において、ナビゲーションメインユニット11は、通信手段としての通信部38を有しており、この通信部38には、システムバス22が接続されている。
【0055】
そして、車載用ナビゲーション装置10は、通信部38によって最新の地図データが保有されたサーバ(図示せず)との通信を行うことによって、地図記憶装置14に記憶された地図データを更新する地図更新を行うことができるようになっている。
【0056】
また、本実施形態において、ナビCPU20は、その機能ブロックの1として、更新対象データ表示手段としての更新対象データ描画部40を有している。この更新対象データ描画部40は、サーバに保有された地図データにおける地図更新の対象となり得るデータである更新対象データを示す画像(以下、更新対象画像と称する)を、地図上に重畳された状態として地図とともに表示するための描画データ(以下、更新対象描画データと称する)を生成するようになっている。
【0057】
そして、更新対象データ描画部40は、生成された更新対象描画データを、地図更新の前に画像インターフェース23を介してディスプレイ16に出力することによって、地図上に重畳された状態の更新対象画像を、更新対象データを対象とした地図更新の前にディスプレイ16に表示することができるようになっている。
【0058】
ここで、更新対象データとしては、路線における更新部分(例えば、増設等の変更があった部分)に関する路線データや、新たな施設に関する施設データを挙げることができる。なお、この場合における施設データは、最新POI情報であってもよい。また、施設データを示す画像は、地図上にランドマークとして表示されるものであってもよい。
【0059】
さらに、本実施形態において、ナビCPU20は、その機能ブロックの1つとして、縮尺設定手段としての縮尺設定部41を有している。この縮尺設定部41は、更新対象データ描画部40によって表示される更新対象画像およびこの更新対象画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象画像と、ユーザが既知である可能性が高いとみなされる当該地図領域内の所定の地物(以下、対比地物と称する)とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に自動的に設定するようになっている。
【0060】
そして、更新対象データ描画部40は、このように縮尺設定部41によって縮尺が設定された地図上に、更新対象画像とともに対比地物を示す画像を表示するようになっている。
【0061】
なお、対比地物は、更新対象データが路線における更新部分に関する路線データの場合には、路線の全域であってもよい。その他、対比地物は、自車位置算出部30によって算出された自車位置、目的地設定部34によって設定された目的地、経路探索部35によって探索された目的地までの経路、更新対象データが属する都道府県または市町村における代表的な地点(県庁所在地等)もしくは施設(県庁等)、または更新対象データが属する地方全域(例えば、関東地方)であってもよい。あるいは、地図データ記憶装置14またはメモリ27に、地点情報記憶手段としての機能を持たせて、これら地図データ記憶装置14またはメモリ27にユーザが過去に利用した地点情報(例えば、過去に設定した目的地や経由地、過去に算出または通過した経路、もしくは、地点登録された登録地点等)を記憶させた上で、この地点情報が示す地点を対比地物として採用するようにしてもよい。
【0062】
さらにまた、本実施形態において、操作画面描画部33は、入力操作部15とともに入力操作手段を構成するようになっている。すなわち、操作画面描画部33は、更新対象データ描画部40によって表示される地図上に、当該地図上に重畳される更新対象画像が示す更新対象データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作を可能とする操作画面(以下、更新入力操作画面と称する)を表示するための描画データを生成するようになっている。そして、操作画面描画部33は、生成された当該描画データをディスプレイ16に出力することによって、更新対象画像が重畳された地図上に、入力操作部15による入力操作が可能とされた更新入力操作画面を表示するようになっている。これにより、ユーザは、更新対象データ描画部40によって表示された更新対象画像を確認した上での更新対象データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされている。
【0063】
また、本実施形態において、ナビCPU20は、地図更新手段としての地図更新部42を有している。この地図更新部42は、更新入力操作画面に対する更新対象データを対象とした地図更新を行う旨の入力操作がなされた場合に、通信部38を介してサーバから更新対象データを受信し、受信された更新対象データを地図記憶装置14に記録することによって、更新対象データを対象とした地図更新を行うようになっている。
【0064】
したがって、本実施形態によれば、更新対象データ描画部40および縮尺設定部41により、更新対象画像を対比地物を示す画像とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが更新対象データを対象とした地図更新の要否を地図上における更新対象データと対比地物との対比によって容易に判断することができる。そして、ユーザが必要と判断した更新対象データのみを対象とした地図更新を、入力操作15を用いた入力操作にしたがって地図更新部42によって行うことができる。
【0065】
次に、本実施形態の主たる作用について、具体例を示しながら説明する。
【0066】
本実施形態においては、まず、操作画面描画部33によって表示されたメニュー画面等において、ユーザが入力操作部15を用いて地図更新用の画面の表示に移行するための入力操作を行うと、更新対象データ描画部40により、通信部38を介してサーバから更新対象データのうちの更新対象描画データの生成に要する一部のデータのみが取得され、取得されたデータに基づいて、更新対象描画データが生成される。
【0067】
次いで、更新対象データ描画部40によって生成された更新対象描画データが、更新対象データ描画部40からディスプレイ16に出力されることによって、地図上に重畳された状態の更新対象画像がディスプレイ16に表示される。
【0068】
このとき、縮尺設定部41により、更新対象画像およびこの更新対象画像が重畳される地図の縮尺が、更新対象画像と対比地物を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に自動的に設定される。
【0069】
また、このとき、更新対象データ描画部40により、縮尺設定部41によって縮尺が設定された前記地図上に、更新対象画像とともに対比地物を示す画像が表示される。
【0070】
さらに、このとき、操作画面描画部33により、更新入力操作画面の描画データが生成され、生成された描画データがディスプレイ16に出力されることによって、更新対象画像が重畳された地図上に、更新入力操作画面が表示される。
【0071】
ここで、図2は、ここまでの工程によってディスプレイ16に表示される地図更新用の画面の第1の具体例を示したものであり、本具体例における地図更新用の画面45においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、路線の全域とされている。
【0072】
すなわち、図2に示すように、第1の具体例における地図更新用の画面45には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および路線の全域を示す画像48が、地図47上において更新部分を示す画像46と路線の全域を示す画像48とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図2の画面45には、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。この更新入力操作画面49において、ユーザは、「はい」のボタン49aを操作することによって、地図更新を行うことを選択することができ、「いいえ」のボタン49bを操作することによって、地図更新を行わないことを選択することができるようになっている。
【0073】
そして、このような地図更新用の画面45が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図更新の要否を、地図47上における路線データと路線の全域との対比によって容易に判断することができる。
【0074】
また、図3は、地図更新用の画面の第2の具体例を示したものであり、本具体例における画面50においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、自車位置算出部29によって算出された自車位置とされている。
【0075】
すなわち、図3に示すように、第2の具体例における地図更新用の画面50には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および自車位置マーク51が、地図47上において更新部分を示す画像46と自車位置マーク51とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図3の画面50にも、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。
【0076】
そして、このような画面50が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図更新の要否を、地図47上における路線データと自車位置との対比によって容易に判断することができる。
【0077】
さらに、図4は、地図更新用の画面の第3の具体例を示したものであり、本具体例における画面53においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、目的地設定部34によって設定された目的地とされている。
【0078】
すなわち、図4に示すように、第3の具体例における地図更新用の画面53には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および目的地を示す画像54が、地図47上において更新部分を示す画像46と目的地を示す画像54とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図4の画面53にも、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。
【0079】
そして、このような画面53が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図データの更新の要否を、地図47上における路線データと目的地との対比によって容易に判断することができる。
【0080】
さらにまた、図5は、地図更新用の画面の第4の具体例を示したものであり、本具体例における画面56においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、経路探索部35によって探索された目的地までの経路とされている。
【0081】
すなわち、図5に示すように、第4の具体例における地図更新用の画面56には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および目的地までの経路を示す画像57が、地図47上において更新部分を示す画像46と経路を示す画像57とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図5の画面56にも、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。
【0082】
そして、このような画面56が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図データの更新の要否を、地図47上における路線データと目的地までの経路との対比によって容易に判断することができる。
【0083】
また、図6は、地図更新用の画面の第5の具体例を示したものであり、本具体例における画面59においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、ユーザが過去に利用した地点情報が示す地点としての地図データ記憶装置14またはメモリ27に記憶された登録地点とされている。
【0084】
すなわち、図6に示すように、第5の具体例における地図更新用の画面59には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および登録地点(図6における○○ホテル)を示す画像60が、地図47上において更新部分を示す画像46と登録地点を示す画像60とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図6の画面59にも、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。
【0085】
そして、このような画面59が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図データの更新の要否を、地図47上における路線データと登録地点との対比によって容易に判断することができる。
【0086】
さらに、図7は、地図更新用の画面の第6の具体例を示したものであり、本具体例における画面62においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、路線データが属する都道府県の都道府県庁所在地とされている。
【0087】
すなわち、図7に示すように、第6の具体例における地図更新用の画面62には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および更新部分が属する県の県庁所在地(図7における○○市)を示す画像63が、地図47上において更新部分を示す画像46と県庁所在地を示す画像63とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図7の画面62にも、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。
【0088】
そして、このような画面62が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図データの更新の要否を、地図47上における路線データと路線データが属する県の県庁所在地との対比によって容易に判断することができる。
【0089】
さらにまた、図8は、地図更新用の画面の第7の具体例を示したものであり、本具体例における画面64においては、更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、対比地物が、路線データが属する地方全域とされている。
【0090】
すなわち、図8に示すように、第7の具体例における地図更新用の画面64には、更新対象画像としての路線における更新部分を示す画像46、この画像46が重畳された路線の周辺の地図47、および更新部分が属する地方全域(図8における四国地方)を示す画像65が、地図47上において更新部分を示す画像46と地方全域を示す画像65とを同時に確認することが可能な縮尺で表示されている。また、図8の画面64にも、路線データを対象とした地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた更新入力操作画面49が表示されている。
【0091】
そして、このような画面64が表示された場合には、ユーザは、路線データを対象とした地図データの更新の要否を、地図47上における路線データと路線データが属する地方全域との対比によって容易に判断することができる。
【0092】
次いで、これら第1〜第7の具体例に示したような地図更新用の画面において、ユーザが、更新入力操作画面49に対して更新対象データを対象とした地図更新を行う旨の入力操作を行うと、地図更新部42が、通信部38を介してサーバから更新対象データを受信し、受信された更新対象データを地図データ記憶装置14に記録することによって、更新対象データを対象とした地図更新が行われる。
【0093】
以上説明したように、本実施形態によれば、更新対象データ描画部40および縮尺設定部41により、更新対象画像を、対比地物とともに地図上において確認し得るような縮尺で地図上に表示することによって、ユーザが更新対象データを対象とした地図更新の要否を地図上における更新対象データと対比地物との対比によって容易に判断することができ、ユーザが必要と判断した更新対象データのみを対象とした地図更新を行うことができる。この結果、必要なデータのみを対象とした地図更新を簡便かつ迅速に行うことができ、地図更新に要するコストを削減することができる。
【0094】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0095】
例えば、前述した第1〜第7の具体例の地図更新用の画面45,50,53,56,59,62,64は、これらのうちの1種類のみが表示されてもよく、または、複数種類の画面45,50,53,56,59,62,64が、ユーザによる選択にしたがって択一的に表示されてもよく、あるいは、複数種類の画面45,50,53,56,59,62,64が、予め設定された条件付きの優先順位にしたがって択一的に表示されてもよい。ここで、複数種類の画面45,50,53,56,59,62,64をユーザによる選択にしたがって択一的に表示する場合には、各画面45,50,53,56,59,62,64のいずれを表示するかを入力操作部15を用いて選択するための操作画面を表示するように構成すればよい。
【0096】
また、複数種類の画面45,50,53,56,59,62,64を予め設定された優先順位にしたがって択一的に表示する場合における優先順位としては、例えば、目的地までの経路が探索されている状況下においては、第2〜第4の具体例の画面50,53,56のいずれかの優先度を最も高くするようにしてもよい。また、目的地までの経路が探索されていない状況下においては、第1または第2の具体例の画面45,50のいずれかの優先度を最も高くするようにしてもよい。
【0097】
さらに、前述した実施形態においては、地図更新装置が地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置10であるが、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、例えば、地図更新装置として、パソコンを採用するようにしてもよい。この場合には、パソコンに、前述した更新対象データ描画部40、縮尺設定部41、地図更新部42、操作画面描画部33等の各機能ブロックに相当する機能を実行させるためのプログラムを搭載し、パソコンのハードディスクを、地図データが記憶された地図データ記憶装置14として機能させ、パソコンのインターネット接続機構を通信部38として機能させるようにすればよい。そして、パソコンによって更新された地図データを、パソコンからの直接的な通信あるいはリムーバブルメディア(例えば、SDメモリ)を介して車載用ナビゲーション装置に提供することによって、車載用ナビゲーション装置の地図データの更新を行うようにすればよい。このようにすれば、車載器によって地図サーバと通信を行うよりも通信費が安価になってより経済的な地図更新を行うことができる。また、通信機能を有しない車載用ナビゲーション装置にも対応することができる。
【0098】
また、本発明は、車載用ナビゲーション装置以外の機器(例えば、携帯電話)等に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る地図更新装置としての地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すブロック図
【図2】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第1の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図3】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第2の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図4】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第3の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図5】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第4の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図6】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第5の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図7】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第6の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図8】地図更新機能を備えた車載用ナビゲーション装置の実施形態において、第7の具体例における地図更新用の画面の表示状態を示す図
【図9】従来の車載用ナビゲーション装置における地図更新の際の表示画面であって、(a)は、地図更新用の画面を、(b)は、確認用の画面を示す図
【符号の説明】
【0100】
10 車載用ナビゲーション装置
14 地図データ記憶装置
15 入力操作部
16 ディスプレイ
33 操作画面描画部
38 通信部
40 更新対象データ描画部
41 縮尺設定部
42 更新部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データが記憶された地図データ記憶手段と、
最新の地図データが保有されたサーバとの通信を行うための通信手段と
を備え、
前記通信手段による前記サーバとの通信によって、前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データを更新する地図更新を行うことが可能に形成された地図更新装置であって、
前記サーバに保有された地図データにおける前記地図更新の対象となり得るデータである更新対象データを示す画像を、地図上に重畳された状態として前記地図更新の前に表示部に表示する更新対象データ表示手段と、
この更新対象データ表示手段によって表示される前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と、前記更新対象データ表示手段によって表示されるユーザが既知である可能性が高いとみなされる当該地図領域内の所定の地物を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に自動的に設定する縮尺設定手段と、
前記更新対象データ表示手段によって表示された前記更新対象データを示す画像を確認した上での前記更新対象データを対象とした前記地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた入力操作手段と、
この入力操作手段によって前記地図更新を行う旨の入力操作が行われた場合に、前記通信手段を介して前記地図更新を行う地図更新手段と
を備えたことを特徴とする地図更新装置。
【請求項2】
前記更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、
前記更新対象データを示す画像が、前記路線における更新部分を示す画像とされ、
前記所定の地物が、前記路線の全域とされ、
前記更新対象データ表示手段が、前記路線における更新部分を示す画像を地図上に重畳された状態として表示し、
前記縮尺設定手段が、前記路線における更新部分を示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記路線における更新部分を示す画像と、前記路線の全域を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記路線における更新部分を示す画像とともに前記路線の全域を示す画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項3】
ユーザの現在位置を測位する測位手段を備え、
前記所定の地物が、前記測位手段によって測位されたユーザの現在位置とされ、
前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記ユーザの現在位置を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記ユーザの現在位置を示す画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項4】
ナビゲーションにおける目的地を設定する目的地設定手段を備え、
前記所定の地物が、前記目的地設定手段によって設定された目的地とされ、
前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記目的地を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記目的地を示す画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項5】
目的地までの経路を探索する経路探索手段を備え、
前記所定の地物が、前記経路探索手段によって探索された経路とされ、
前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記経路を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記経路を示す画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項6】
ユーザが過去に利用した地点情報が記憶された地点情報記憶手段を備え、
前記所定の地物が、前記地点情報記憶手段に記憶された地点情報が示す地点とされ、
前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記地点情報が示す地点の画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記地点情報が示す地点の画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項7】
前記所定の地物が、前記更新対象データが属する都道府県または市町村における代表的な地点もしくは施設とされ、
前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記代表的な地点もしくは施設を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記代表的な地点もしくは施設を示す画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項8】
前記所定の地物が、前記更新対象データが属する地方全域とされ、
前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記地方全域を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記地方全域を示す画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項9】
前記更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされていること
を特徴とする請求項3乃至請求項8のいずれか1項に記載の地図更新装置。
【請求項10】
前記更新対象データが、施設に関する施設データとされていること
を特徴とする請求項3乃至請求項8のいずれか1項に記載の地図更新装置。
【請求項1】
地図データが記憶された地図データ記憶手段と、
最新の地図データが保有されたサーバとの通信を行うための通信手段と
を備え、
前記通信手段による前記サーバとの通信によって、前記地図データ記憶手段に記憶された前記地図データを更新する地図更新を行うことが可能に形成された地図更新装置であって、
前記サーバに保有された地図データにおける前記地図更新の対象となり得るデータである更新対象データを示す画像を、地図上に重畳された状態として前記地図更新の前に表示部に表示する更新対象データ表示手段と、
この更新対象データ表示手段によって表示される前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と、前記更新対象データ表示手段によって表示されるユーザが既知である可能性が高いとみなされる当該地図領域内の所定の地物を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に自動的に設定する縮尺設定手段と、
前記更新対象データ表示手段によって表示された前記更新対象データを示す画像を確認した上での前記更新対象データを対象とした前記地図更新を行うか否かの入力操作が可能とされた入力操作手段と、
この入力操作手段によって前記地図更新を行う旨の入力操作が行われた場合に、前記通信手段を介して前記地図更新を行う地図更新手段と
を備えたことを特徴とする地図更新装置。
【請求項2】
前記更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされ、
前記更新対象データを示す画像が、前記路線における更新部分を示す画像とされ、
前記所定の地物が、前記路線の全域とされ、
前記更新対象データ表示手段が、前記路線における更新部分を示す画像を地図上に重畳された状態として表示し、
前記縮尺設定手段が、前記路線における更新部分を示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記路線における更新部分を示す画像と、前記路線の全域を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記路線における更新部分を示す画像とともに前記路線の全域を示す画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項3】
ユーザの現在位置を測位する測位手段を備え、
前記所定の地物が、前記測位手段によって測位されたユーザの現在位置とされ、
前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記ユーザの現在位置を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記ユーザの現在位置を示す画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項4】
ナビゲーションにおける目的地を設定する目的地設定手段を備え、
前記所定の地物が、前記目的地設定手段によって設定された目的地とされ、
前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記目的地を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記目的地を示す画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項5】
目的地までの経路を探索する経路探索手段を備え、
前記所定の地物が、前記経路探索手段によって探索された経路とされ、
前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記経路を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記経路を示す画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項6】
ユーザが過去に利用した地点情報が記憶された地点情報記憶手段を備え、
前記所定の地物が、前記地点情報記憶手段に記憶された地点情報が示す地点とされ、
前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記地点情報が示す地点の画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記地点情報が示す地点の画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項7】
前記所定の地物が、前記更新対象データが属する都道府県または市町村における代表的な地点もしくは施設とされ、
前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記代表的な地点もしくは施設を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記代表的な地点もしくは施設を示す画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項8】
前記所定の地物が、前記更新対象データが属する地方全域とされ、
前記縮尺設定手段が、前記更新対象データを示す画像およびこの画像が重畳される地図の縮尺を、前記更新対象データを示す画像と前記地方全域を示す画像とを当該地図上において同時に確認し得るような縮尺に設定し、
前記更新対象データ表示手段が、前記縮尺設定手段によって縮尺が設定された前記地図上に、前記更新対象データを示す画像とともに前記地方全域を示す画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項9】
前記更新対象データが、路線における更新部分に関する路線データとされていること
を特徴とする請求項3乃至請求項8のいずれか1項に記載の地図更新装置。
【請求項10】
前記更新対象データが、施設に関する施設データとされていること
を特徴とする請求項3乃至請求項8のいずれか1項に記載の地図更新装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2010−101831(P2010−101831A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275526(P2008−275526)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]