説明

地図表示装置と地図表示方法および撮像装置

【課題】ユーザが所望する情報を容易に得られるようにランドマーク表示を最適化して地図表示を行う。
【解決手段】ST11では、地図画像の表示を行う。ST12では、地図画像上に移動経路表示を設ける。ST13では、地図画像上に撮像位置表示を設ける。ST14では、地図画像上に現在位置表示を設ける。ST15では、撮像位置を基準として所定範囲を設定する。また、移動経路や現在位置をそれぞれ基準として所定範囲を設定する。ST16では、所定範囲内よりもそれ以外の範囲で、地図画像上に設けるランドマーク表示の種類を少なくする。撮像位置や移動経路,現在位置から離れているユーザとって重要でないランドマーク表示を地図画像上に設けないようにできるので、ランドマーク表示を最適化して地図表示を行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地図表示装置と地図表示方法および撮像装置に関する。詳しくは、地図画像上の撮像位置に撮像位置表示を設け、撮像位置を基準とする第1の所定範囲内よりもそれ以外の範囲では、ランドマーク表示の種類を少なくすることで、ユーザにとって重要なランドマーク表示が数多くのランドマーク表示に埋もれてしまうことがないように、ランドマーク表示を最適化するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地図画像を表示する地図表示装置は、ナビゲーション用途に用いられることが多い。このため、地図画像と共にナビゲーション用途に重点をおいたランドマーク表示が地図画像上に設けられている。また、ナビゲーション用途に用いられる地図表示装置では、ユーザの設定によってニーズにあったランドマーク表示を選択できる機能、例えば観光施設やレストラン等を示すランドマーク表示を選択して地図画像上に表示する機能が提供されている。
【0003】
また、特許文献1のナビゲーション装置では、複数の図形情報を複数の群に分類しておき、使用者が必要とする群の情報のみを表示させることが開示されている(段落番号[0053]参照)。さらに、特許文献2の地図情報表示方法および地図情報表示装置では、車以外の用途も考慮し、車載時と非車載時で表示する情報を自動的に変更する技術が提案されている(段落番号[0039])。
【0004】
【特許文献1】特開平9−243379号公報
【特許文献2】特開2004−170266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、撮像時に撮像画像と位置情報を対応付けて記録しておくものとすれば、その後、位置情報を用いることで地図画像上に撮像位置を表示することができる。また、撮像位置表示等とランドマーク表示を地図画像上に設けるものとすれば、ランドマーク表示によって、撮像位置等の付近に何があったか等の思い出を振り返ったり、思い出への手がかりを得たりすることができる。
【0006】
ここで、ユーザにとって重要なランドマーク表示は撮像位置等の付近に表示されているものであり、撮像位置から離れた位置のランドマーク表示はあまり重要でない。しかし、従来の地図表示装置や特許文献1,2と同様にランドマーク表示を設けると、選択された種類のランドマーク表示が全て地図画像上に表示される。すなわち、地図画像上には、ユーザにとってあまり重要でないランドマーク表示も設けられることから、ユーザにとって重要なランドマーク表示が数多くのランドマーク表示に埋もれて目立たなくなってしまう可能性がある。
【0007】
そこで、この発明では、ユーザが所望する情報を容易に得られるようにランドマーク表示を最適化して地図表示を行うことができる地図表示装置と地図表示方法および撮像装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の概念は、地図画像上に撮像位置を示す撮像位置表示や複数種類のランドマーク表示例えば観光施設を示すランドマーク表示やレストランを示すランドマーク表示等を設けるものとして、撮像位置を基準とする第1の所定範囲内よりもそれ以外の範囲で地図画像上に設けるランドマーク表示の種類を減らすことで、ランドマーク表示の数を削減することにある。
【0009】
この発明の地図表示装置は、地図画像を表示する地図表示装置において、撮像画像の画像信号と該画像信号を生成した撮像位置を示す位置情報を含む画像情報と地図画像上にランドマーク表示を設けるためのランドマーク情報が記録された情報記録部と、地図画像上の画像情報によって示された撮像位置に撮像位置表示を設け、地図画像上のランドマーク情報によって示された位置にランドマーク表示を設けるものとして、撮像位置を基準とする第1の所定範囲内よりもそれ以外の範囲では、地図画像上に設けるランドマーク表示の種類を少なくする表示制御部を有するものである。
【0010】
また、この発明に係る地図表示方法は、地図画像を表示する地図表示装置の地図表示方法において、撮像画像の画像信号と該画像信号を生成した撮像位置を示す位置情報を含む画像情報と、地図画像上にランドマーク表示を設けるためのランドマーク情報が記録された情報記録部から、画像情報とランドマーク情報を読み出す情報読み出しステップと、読み出された画像情報とランドマーク情報に基づいて、地図画像上の画像情報によって示された撮像位置に撮像位置表示を設け、地図画像上のランドマーク情報によって示された位置にランドマーク表示を設けるものとして、撮像位置を基準とする第1の所定範囲内よりもそれ以外の範囲では、地図画像上に設けるランドマーク表示の種類を少なくする表示制御ステップを設けたものである。
【0011】
さらに、この発明に係る撮像装置は、地図画像を表示できる撮像装置において、撮像画像の画像信号を生成する撮像部と、撮像部の位置を示す位置情報を生成する位置情報生成部と、撮像画像の画像信号を生成したときに位置情報生成部で生成された位置情報を撮像位置の位置情報として、該位置情報と撮像画像の画像信号を含む画像情報を生成して記録する情報記録処理部と、地図画像上にランドマーク表示を設けるためのランドマーク情報を記憶したランドマーク情報記憶部と、地図画像上の画像情報によって示された撮像位置に撮像位置表示を設け、地図画像上のランドマーク情報によって示された位置にランドマーク表示を設けるものとして、撮像位置を基準とする第1の所定範囲内よりもそれ以外の範囲では、地図画像上に設けるランドマーク表示の種類を少なくする表示制御部を有するものである。
【0012】
この発明においては、地図画像上の撮像位置に撮像位置表示とランドマーク表示が設けられる。ここで、撮像位置を基準とする第1の所定範囲内よりもそれ以外の範囲では、地図画像上に設けるランドマーク表示の種類が少ないものとされて、それ以外の範囲に設けられるランドマーク表示が削減される。また、地図画像上に移動経路表示が設けられて、移動経路を基準とする第2の所定範囲内よりもそれ以外の範囲では、地図画像上に設けるランドマーク表示の種類が少ないものとされる。さらに、地図画像上に現在位置表示が設けられて、現在位置を基準とする第3の所定範囲内よりもそれ以外の範囲では、地図画像上に設けるランドマーク表示の種類が少ないものとされる。さらに、所定範囲内とそれ以外の範囲おいて地図画像上に設けるランドマーク表示の種類は、ユーザ操作に応じて変更可能とされる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、撮像位置を基準とする第1の所定範囲内よりもそれ以外の範囲で地図画像上に設けるランドマーク表示の種類が少ないものとされて、ランドマーク表示の数が削減される。このため、地図画像上に数多くのランドマーク表示が設けられてユーザにとって重要なランドマーク表示が目立たなくなってしまうことを防止できるように、ランドマーク表示を最適化して地図表示を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を参照しながら、この発明の実施の一形態について説明する。図1は、この発明に係る地図表示装置を適用した撮像装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
撮像装置10の光学系ユニット11はレンズやズーム機構等で構成されており、レンズの光軸後方に配設された撮像素子121の撮像面上に光学像を結像させる。
【0016】
撮像部12の撮像素子121は、光電変換を行い光学像に応じたアナログ画像信号を生成してアナログ信号処理部122に供給する。アナログ信号処理部122は、撮像素子121から供給されたアナログ画像信号に対してノイズ除去やゲイン調整等のアナログ画像信号処理を行う。また、アナログ信号処理部122には、A/D変換器が設けられており、アナログ信号処理されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換して画像処理部123に供給する。
【0017】
画像処理部123は、アナログ信号処理部122から供給されたデジタル画像信号を用いて色調整や画質調整等のデジタル画像信号処理を行う。また、デジタル画像信号処理が行われた画像信号の圧縮処理や圧縮処理されている画像信号の伸長処理等を行う。圧縮方式としては、非可逆圧縮方式例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式を用いる。また、画像処理部123は、RAW方式の可逆圧縮信号または非圧縮信号を生成したり、TIFF(Tagged Image File Format)方式の非圧縮信号を生成するものとしてもよい。以下、非圧縮あるいは圧縮された画像信号を単に画像信号DGという。
【0018】
位置情報生成部13は、GPS(Global Positioning System)モジュールを用いて構成されている。GPSモジュールは、GPS電波を受信するアンテナ部、受信した電波の信号変換部、位置情報の計算部等を有するものである。このGPSモジュールは撮像部12と一体化して取り付けられており、位置情報生成部13は撮像部12(撮像部12の他部が一体に構成されているときは撮像装置10)の位置を示す位置情報PTを生成する。
【0019】
情報記憶部14は、記録媒体例えば不揮発性メモリや光ディスク,ハードディスク装置等を用いて構成されている。情報記憶部14は、画像信号DGとこの画像信号DGを生成したときの位置情報PT等を用いて構成された画像情報GF、所定時間間隔毎に位置情報生成部13で生成された位置情報PT、地図画像を表示するための地図情報、地図画像上に特徴物例えば観光施設、レストラン、コンビニエンスストア等の特徴物を示すランドマーク表示を設けるためのランドマーク情報(いわゆる関心地点「POI:Point of Interest」情報)等を記憶する。なお、ランドマーク情報は、特徴物の位置情報と地図画像上に表示する図形や文字の情報、および観光施設やレストラン等の特徴物がいずれのカテゴリに属するかを示すランドマーク表示の種類を示す情報が少なくとも関係付けられている。
【0020】
表示部15は、液晶表示素子等を用いて構成されており、撮像部12から出力された画像信号に基づいてファインダ画像を表示する。また、表示部15は、情報記憶部14に記憶されている画像信号に基づく撮像画像の表示や、情報記憶部14に記憶されている地図情報に基づく地図画像の表示を行う。また表示部15は、種々のメニュー表示等も行う。
【0021】
ROM(Read Only Memory)21には、撮像装置10を動作させるためのプログラムが記憶されている。RAM(Random Access Memory)22は、撮像装置10を動作させたときにデータの一時保管等のためのワーキングメモリである。
【0022】
制御部31には、ユーザインタフェース部32が接続されている。ユーザインタフェース部32は、シャッターボタンや撮像モードの切り換えを行う操作ダイヤル等で構成されており、ユーザ操作に応じた操作信号SSを生成して制御部31に供給する。
【0023】
制御部31は、バス35を介して各部と接続されている。制御部31は、ROM21に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、撮像装置10の動作を開始させる。また、制御部31は、ユーザインタフェース部32から供給された操作信号SSに応じて制御信号CTを生成して各部に供給することで、ユーザ操作に応じて撮像装置10を動作させる。
【0024】
また、制御部31と例えば情報記憶部14で情報記録処理部を構成するものとして、制御部31は、撮像部12で生成された撮像画像の画像信号を情報記憶部14に記録するとき、位置情報生成部13で生成された位置情報を撮像位置の位置情報として、この位置情報と撮像画像の画像信号を含む画像情報GFを情報記憶部14に記録する。さらに、制御部31は、所定時間間隔毎に位置情報生成部13で生成された位置情報PTを、移動経路を示す位置情報として、情報記憶部14に記録する。
【0025】
また、制御部31は表示制御を行う。制御部31は、情報記憶部14に記憶されている地図情報を用いて、表示部15の画面上に地図画像を表示させる。また、制御部31は、情報記憶部14に記録されている画像情報や所定時間間隔毎に生成された位置情報、位置情報生成部13で生成された位置情報に基づいて、地図画像上に撮像位置や移動経路および現在位置を示す表示を設ける。さらに、制御部31は、情報記憶部14に記録されているランドマーク情報に基づいて地図画像上にランドマーク表示を設ける場合、ユーザにとって重要なランドマーク表示を容易に識別できるように表示の最適化を行う。具体的には、撮像位置を基準とした所定範囲内よりもそれ以外の範囲で、地図画像上に設けるランドマーク表示の種類を少なくする。同様に、移動経路や現在位置を基準とした所定範囲内よりもそれ以外の範囲で、地図画像上に設けるランドマーク表示の種類を少なくする。
【0026】
次に、撮像装置の動作について説明する。図2は、撮像画像の記録時の動作を示すフローチャートである。ステップST1で制御部31は、撮像画像の記録要求がなされたか否かを判別する。制御部31は、撮像画像の記録要求がなされたとき、すなわちユーザインタフェース部32のシャッターボタン(RECボタン)操作が行われたことを判別したときステップST2に進み、シャッターボタン(RECボタン)操作が行われたことを判別していないときステップST5に進む。
【0027】
ステップST2で制御部31は、記録する画像信号を決定する。ここで撮像装置が静止画像記録モードとされている場合、制御部31は、シャッターボタン操作が行われたタイミングで得られた撮像画像の画像信号を、記録する画像信号としてステップST3に進む。また、撮像装置が動画記録モードとされている場合、制御部31は、RECボタンで録画開始操作が行われてから録画終了操作が行われるまでの撮像画像の画像信号を、記録する画像信号としてステップST3に進む。
【0028】
ステップST3で制御部31は、位置情報の取得を行う。制御部31は、位置情報生成部13で生成された位置情報を取得してステップST4に進む。
【0029】
ステップST4で制御部31は、画像情報記録処理を行う。制御部31は、ステップST3で取得した撮影位置を示す位置情報とステップST2で決定された記録する画像信号を含む画像情報GFを生成して情報記憶部14に記録する。
【0030】
例えば撮像装置が静止画像記録モードとされている場合、Exif(Exchangeable Image File Format)と呼ばれているファイルフォーマットや、Exifを用いたカメラファイルシステム規格であるDCF(Design rule for Camera File system)規格で静止画像の記録を行う。Exifは、静止画像の画像信号とExifデータで1つのファイルが構成されている。Exifデータは、静止画像についての情報や撮像日時などの付加情報を示すタグを設けることができるようになされている。さらに、タグとして、GPS情報を示すための「GPS Info」を設けることができるようになされている。したがって、制御部31は、撮影位置を示す位置情報が「GPS Info」に設定されているExifフォーマットやDCF規格のファイルを生成して、画像情報GFとして情報記憶部14に記録する。
【0031】
図3は、画像情報の一部を例示したものである。上述のように、Exifでは、静止画像の画像信号とExifデータで1つのファイルが構成されており、図3では、ファイルの名称とファイルのExifデータにおけるタグで示された情報、例えば撮像日付、時間、画像ID、緯度経度を一覧表示している。
【0032】
緯度経度が「**.67×**.48」(*は数字を省略していることを示している)の位置で2007年1月23日9時23分に静止画像の記録を最初に行った場合、制御部31は、ファイル「DSC0001.JPG」を生成して情報記憶部14に記録する。このファイル「DSC0001.JPG」では、Exifデータにおけるタグで、撮像日付「2007/01/23」、時間「09:23」、緯度経度「**.67×**.48」等が示される。画像IDは、撮像画像を一意に識別するための情報であり、撮像画像毎に異なる情報とされている。なお、ファイル「DSC0001.JPG」の画像IDは、例えば「1」とする。
【0033】
次に、静止画像を再度記録する場合、制御部31は、ファイル「DSC0002.JPG」を生成して情報記憶部14に記録する。このファイル「DSC0002.JPG」では、Exifデータにおけるタグで、撮像日付「2007/01/23」、時間「10:01」、画像ID「2」、緯度経度「**.60×**.41」等が示される。以下同様にして、制御部31は静止画像の記録毎に、ファイルを生成して情報記憶部14に記録する。
【0034】
撮像装置10が動画像記録モードとされている場合、制御部31は、動画像の記録に用いるフォーマットにおいて、例えばヘッダ情報に撮像位置情報を設けるものとする。さらに、制御部31は、静止画像や動画像の画像信号と別個に撮像位置情報をデータベース化して記録するものとして、静止画像や動画像の画像信号と対応する撮像位置情報を検索可能とするものとしてもよい。このように、制御部31は画像情報記録処理を行ってステップST1に戻る。
【0035】
ステップST1で撮像画像の記録要求がなされていないと判別されてステップST5に進むと、制御部31は、移動経路識別情報の記録処理を行う。制御部31は、位置情報生成部13から所定時間間隔で位置情報の取得を行い、取得した位置情報を移動経路識別情報として、あるいは取得した位置情報と時間情報を対応付けて移動経路識別情報として情報記憶部14に記録してステップST1に戻る。なお、所定時間間隔は、撮像部12の移動経路の時間解像度が所望の解像度となるように予め設定されている。あるいは、ユーザによって設定可能とされている。
【0036】
図4は、移動経路識別情報を例示したものであり、例えは5分間隔で移動経路の判別を行う場合、制御部31は、前回の位置情報の取得から5分が経過したとき、位置情報生成部13から位置情報を取得する。なお、移動経路識別情報は、位置情報だけでなく、この位置情報に時間を関係付けることで、移動経路を時間順に示すことが可能となる。このように、制御部31は移動経路識別情報の記録処理を行ってステップST1に戻る。
【0037】
なお、ステップST5で位置情報を取得する毎に移動経路識別情報の記録処理を行うものとすると、位置情報の取得時間間隔が短いとき、頻繁に情報の記録処理が行われることとなる。したがって、位置情報の取得が所定回数行われたときや情報量が所定量に達したとき、移動経路識別情報の記録処理を行うようにすれば効率よく情報を記録できる。
【0038】
次に、地図表示動作について説明する。図5は情報表示動作を示すフローチャートである。ステップST11で制御部31は、地図画像表示処理を行う。制御部31は、情報記憶部14に記録されている地図情報を読み出して、読み出した地図情報に基づき表示部15の画面上に地図画像を表示させる。ここで、制御部31は、位置情報生成部13で生成された位置情報に基づき、現在位置を基準として地図情報の読み出しを行い、現在位置が画面中央位置となるように地図画像を表示してステップST12に進む。また、制御部31は、ユーザインタフェース部32からの操作信号SSによって、表示部15に表示する地図の位置が指定されたとき、指定された位置を基準として地図情報の読み出しを行い、指定された位置が画面中央位置となるように地図画像を表示するものとしてもよい。また、位置情報生成部13で位置情報が生成されていないときやユーザ操作によって指定されていないとき、制御部31は、前回表示した地図画像を表示部15の画面上に表示するものとしてもよい。なお、以下に示す図では、現在位置を基準として地図画像を表示した場合を示している。
【0039】
ステップST12で制御部31は、移動経路表示処理を行う。制御部31は、表示部15で表示されている地図画像上の位置を示す移動経路識別情報を情報記憶部14から読み出して、この読み出した移動経路識別情報が示す地図画像上の位置に、移動経路表示を設けてステップST13に進む。例えば制御部31は、図6に示すように、読み出した移動経路識別情報が示す地図画像上の位置に、移動経路表示として□印を設けてステップST13に進む。
【0040】
ステップST13で制御部31は、撮像位置表示処理を行う。制御部31は、表示部15で表示されている地図画像上の位置を示す画像情報を情報記憶部14から読み出して、この読み出した画像情報が示す地図画像上の位置に、撮像位置表示を設けてステップST14に進む。例えば制御部31は、図6に示すように、画像情報が示す地図画像上の位置に、撮像位置表示として●印を設けてステップST14に進む。
【0041】
ステップST14で制御部31は、現在位置表示処理を行う。制御部31は、位置情報生成部13から位置情報を読み出して、この読み出した位置情報が示す地図画像上の位置に、現在位置表示を設けてステップST15に進む。例えば制御部31は、図6に示すように、地図画像上の現在位置に、現在位置表示として★印を設けてステップST15に進む。
【0042】
ステップST15で制御部31は、所定範囲設定処理を行う。制御部31は、ステップST12で読み出した移動経路識別情報、ステップST13で読み出した画像情報、ステップST14で読み出した位置情報のそれぞれによって示された地図画像上の位置を基準とした所定範囲を設定してステップST16に進む。制御部31は、例えば画像情報に基づき地図画像上の撮像位置を基準とした第1の所定範囲、移動経路識別情報に基づき地図画像上の移動経路を基準とした第2の所定範囲、ステップST14で読み出した位置情報に基づき地図画像上の現在位置を基準とした第3の所定範囲を設定してステップST16に進む。
【0043】
ここで、制御部31は、基準とする位置から例えば数十mあるいは数百mの範囲を所定範囲とする。また、制御部31は、表示された地図画像上における基準とする位置から例えば数十画素あるいは数百画素の範囲を所定範囲としてもよい。
【0044】
図7は、第1〜第3の所定範囲を説明するための図である。例えば、制御部31は、画像情報によって示された撮像位置を基準として第1の所定範囲HA1を設定する。また、制御部31は、移動経路識別情報によって示された移動経路を基準として、第2の所定範囲HA2を設定する。さらに、制御部31は、現在位置を基準として、第3の所定範囲HA3を設定する。
【0045】
ステップST16で制御部31は、ランドマーク表示処理を行う。制御部31は、情報記憶部14に記録されているランドマーク情報に基づいて、地図画像上にランドマーク表示を設ける。ここで、制御部31は、ステップST15で設定された所定範囲内とそれ以外の範囲で、地図画像上に設けるランドマーク表示の種類を制御する。このランドマーク表示の種類の制御では、例えばランドマーク表示制御テーブルを用いる。なお、ランドマーク表示制御テーブルは、予めROM21等に記憶しておくものとしてもよく、情報記憶部14に記憶させておくものとしてもよい。
【0046】
図8は、ランドマーク表示制御テーブルを例示している。ランドマーク表示制御テーブルは、いずれの範囲でどのような種類のランドマーク表示を地図画像上に設けるか示したものである。
【0047】
例えば、思い出を振り返ったり、思い出への手がかりを得るものとした場合、観光施設はユーザにとって重要である。したがって、所定範囲内であるか否かに係らず観光施設のランドマーク表示を地図画像上に設けるものとする。また、食事をした場所等を思い出す場合、撮像位置付近や移動経路付近のレストランに関する情報はユーザにとって重要であるが、撮像位置や移動経路から離れた位置にあるレストランの情報はユーザにとって重要でない。したがって、第1〜第3の所定範囲内では、レストランのランドマーク表示を地図画像上に設けるものとする。また、買物をする場合、現在位置付近のコンビニエンスストアに関する情報はユーザにとって重要であるが、現在位置から離れた位置にあるコンビニエンスストアの情報はユーザにとって重要でない。したがって、第3の所定範囲内では、コンビニエンスストアのランドマーク表示を地図画像上に設けるものとする。さらに、思い出を振り返る場合等において、銀行に関する情報はユーザにとって重要でない。したがって、銀行のランドマーク表示は地図画像上に設けないものとする。なお、撮像装置を例えばナビゲーション装置として利用する場合、銀行のランドマーク表示を地図画像上に設けることで、銀行の位置等を確認しながら容易に目的地に辿り着くことが可能となる。
【0048】
このように、基準とする位置に応じて地図画像上に設けるランドマーク表示の種類を変えて、かつ関係ない範囲では地図画像上に設けるランドマーク表示の種類を減らしてランドマーク表示の数を大幅に削減可能とする。
【0049】
また、制御部31は、ユーザインタフェース部32からの操作信号SSがランドマーク表示制御テーブルの変更操作を示しているとき、ユーザ操作に応じてテーブルの内容を変更可能とすれば、所望の位置の付近において、ユーザが選択した重要な情報を表示させることができる。例えば、現在位置付近にある銀行の情報がユーザにとって重要である場合、第3の所定範囲内に対応する銀行の設定を「非表示」から「表示」に切り換える操作をユーザが行えるようにする。このようにランドマーク表示制御テーブルを変更可能とすれば、現在位置付近である第3の所定範囲内に銀行のランドマーク表示を設けることができる。
【0050】
図9は ランドマーク表示を設けた地図画像を例示している。なお、図9の(A)は、図8に示すランドマーク表示制御テーブルを用いてランドマーク表示の制御を行ったときの画像を示している。また、図9の(B)は、従来の方法でランドマーク表示を行った場合を参考として示している。
【0051】
ランドマーク表示制御テーブルを用いてランドマーク表示の制御が行われると、図9の(A)に示すように、撮像位置を基準とする第1の所定範囲内では、観光施設を示すランドマーク表示「観」とレストランを示すランドマーク表示「レ」が設けられる。また、移動経路を基準とする第2の所定範囲内では、観光施設を示すランドマーク表示「観」とレストランを示すランドマーク表示「レ」が設けられる。また、現在位置を基準とする第3の所定範囲内では、観光施設を示すランドマーク表示「観」とレストランを示すランドマーク表示「レ」とコンビニエンスストアを示すランドマーク表示「コ」が設けられる。また、それ以外の範囲では、観光施設を示すランドマーク表示「観」が設けられる。このように、第1〜第3の所定範囲よりもそれ以外の範囲で、地図画像上に設けるランドマーク表示の種類が少ないものとされる。このため、図9の(B)に示すように多くのランドマーク表示が設けられて画面がビジーとなってしまうことがない。
【0052】
したがって、思い出を振り返る場合等において、所望の情報が得られるようにランドマーク表示を設けるようにしても、撮像位置や移動経路,現在位置から離れているユーザとって重要でないランドマーク表示は地図画像上に設けられないので、ランドマーク表示を最適化して地図表示を行うことができる。
【0053】
また、撮像位置を地図画像上に表示する機器は主にデジタルカメラなどの機器であり、一般的なナビゲーション機器に比べて処理能力が低い。しかし、ユーザにとって不必要なランドマーク表示を地図画像上に設ける処理が不要となるため、処理能力が低くても高速にランドマーク表示を設けた地図表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】撮像装置の構成を示す図である。
【図2】撮像画像の記録時の動作を示すフローチャートである。
【図3】画像情報を示す図である。
【図4】移動経路識別情報を示す図である。
【図5】情報表示動作を示すフローチャートである。
【図6】撮像位置と移動経路と現在位置を表示した表示画像を示す図である。
【図7】第1〜第3の所定範囲を説明するための図である。
【図8】ランドマーク表示制御テーブルを示す図である。
【図9】ランドマーク表示を設けた地図画像を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
10・・・撮像装置、11・・・光学系ユニット、12・・・撮像部、13・・・位置情報生成部、14・・・情報記憶部、15・・・表示部、21・・・ROM、22・・・RAM、31・・・制御部、32・・・ユーザインタフェース部、35・・・バス、121・・・撮像素子、122・・・アナログ信号処理部、123・・・画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図画像を表示する地図表示装置において、
撮像画像の画像信号と該画像信号を生成した撮像位置を示す位置情報を含む画像情報と、前記地図画像上にランドマーク表示を設けるためのランドマーク情報が記録された情報記録部と、
前記地図画像上の前記画像情報によって示された撮像位置に撮像位置表示を設け、前記地図画像上の前記ランドマーク情報によって示された位置にランドマーク表示を設けるものとして、前記撮像位置を基準とする第1の所定範囲内よりもそれ以外の範囲では、前記地図画像上に設ける前記ランドマーク表示の種類を少なくする表示制御部を有する
ことを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
前記情報記録部は、移動経路を示す位置情報が記録されており、
前記表示制御部は、前記移動経路を示す位置情報に基づいて前記地図画像上に移動経路表示を設けて、前記移動経路を基準とする第2の所定範囲内よりもそれ以外の範囲では、前記地図画像上に設ける前記ランドマーク表示の種類を少なくする
ことを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
【請求項3】
現在位置を示す位置情報を生成する位置情報生成部を備え、
前記表示制御部は、前記位置情報生成部で生成された位置情報に基づいて前記地図画像上に現在位置を示す現在位置表示を設けて、前記現在位置を基準とする第3の所定範囲内よりもそれ以外の範囲では、前記地図画像上に設ける前記ランドマーク表示の種類を少なくする
ことを特徴とする請求項2記載の地図表示装置。
【請求項4】
ユーザ操作に応じた操作信号を生成するユーザインタフェース部を備え、
前記表示制御部は、前記所定範囲内とそれ以外の範囲おいて前記地図画像上に設ける前記ランドマーク表示の種類を、前記操作信号に基づいて変更する
ことを特徴とする請求項3記載の地図表示装置。
【請求項5】
地図画像を表示する地図表示装置の地図表示方法において、
撮像画像の画像信号と該画像信号を生成した撮像位置を示す位置情報を含む画像情報と、前記地図画像上にランドマーク表示を設けるためのランドマーク情報が記録された情報記録部から、前記画像情報と前記ランドマーク情報を読み出す情報読み出しステップと、
前記読み出された画像情報とランドマーク情報に基づいて、前記地図画像上の前記画像情報によって示された撮像位置に撮像位置表示を設け、前記地図画像上の前記ランドマーク情報によって示された位置にランドマーク表示を設けるものとして、前記撮像位置を基準とする第1の所定範囲内よりもそれ以外の範囲では、前記地図画像上に設ける前記ランドマーク表示の種類を少なくする表示制御ステップを設けた
ことを特徴とする地図表示方法。
【請求項6】
地図画像を表示できる撮像装置において、
撮像画像の画像信号を生成する撮像部と、
前記撮像部の位置を示す位置情報を生成する位置情報生成部と、
前記撮像画像の画像信号を生成したときに前記位置情報生成部で生成された位置情報を撮像位置の位置情報として、該位置情報と前記撮像画像の画像信号を含む画像情報を生成して記録する情報記録処理部と、
前記地図画像上にランドマーク表示を設けるためのランドマーク情報を記憶したランドマーク情報記憶部と、
前記地図画像上の前記画像情報によって示された撮像位置に撮像位置表示を設け、前記地図画像上の前記ランドマーク情報によって示された位置にランドマーク表示を設けるものとして、前記撮像位置を基準とする第1の所定範囲内よりもそれ以外の範囲では、前記地図画像上に設ける前記ランドマーク表示の種類を少なくする表示制御部を有する
ことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−133775(P2009−133775A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−311328(P2007−311328)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】