説明

地点検索装置及びプログラム

【課題】入力された全ての検索語を検索条件として候補施設名を抽出することが可能となる地点検索装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】入力された検索語の包含関係に従って検索語の検索順番を設定する。そして、複数の施設名のキーワードから構成された読み毎に、この検索順番に従って1番目の検索語から順番に、キーワードフラグが設定されていないキーワードのうちの該検索語と前方一致する先頭キーワードのキーワードフラグを設定する。その後、複数の施設名からキーワードフラグが設定されたキーワードの個数が包含関係を設定した検索語の個数と等しい読みに対応する施設名を候補施設名として抽出し、出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された検索語に基づいて地点情報を検索する地点検索装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、入力された検索語に基づいて地点情報を検索する技術に関し種々提案されている。
例えば、入力された検索文字に対して、部分一致するキーワードの絞り込みを名称用、住所用、ジャンル用の各キーワード毎に行い、この検索文字と絞り込んだ各キーワード毎に目的地候補を絞り込む。各キーワード毎に絞り込まれた目的地候補は、各検索文字に対応させて保存する。そして、各検索文字毎に保存した各目的地候補の全てに含まれる目的地候補を抽出し(論理積をとり)、目的地候補として表示するように構成されたナビゲーション装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−54133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した特許文献1に記載されたナビゲーション装置によれば、各検索文字毎に保存した各目的地候補の全てに含まれる目的地候補の論理積をとる。このため、入力された検索文字間に包含関係がある場合には、含まれる側の検索文字が無視されることとなり、入力された全ての検索文字を検索条件として目的地候補を抽出することが難しいという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、入力された全ての検索語を検索条件として候補施設名を抽出することが可能となる地点検索装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係る地点検索装置は、検索対象となる目的地を表す複数の施設名及び該施設名のキーワードから構成された読みを記憶する施設名記憶手段と、検索語を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された検索語の包含関係を設定する包含関係設定手段と、前記包含関係に従って検索語の検索順番を設定する検索順番設定手段と、前記複数の施設名の読み毎に、前記検索順番に従って1番目の検索語から順番に、キーワードフラグが設定されていない前記キーワードのうちの該検索語と前方一致する先頭キーワードのキーワードフラグを設定するキーワードフラグ設定手段と、前記複数の施設名からキーワードフラグが設定されたキーワードの個数が前記包含関係を設定した検索語の個数と等しい読みに対応する施設名を候補施設名として抽出する候補施設名抽出手段と、前記候補施設名抽出手段によって抽出された候補施設名を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る地点検索装置は、請求項1に記載の地点検索装置において、前記施設名記憶手段は、前記複数の施設名及び該施設名の読みを、各施設名の読みを構成するキーワード毎に、該キーワードと前方一致する所定文字数の分割文字列に関連付けて記憶し、前記キーワードフラグ設定手段は、前記検索順番が1番目の検索語の読みの前方から前記所定文字数を前記分割文字列として、該分割文字列に関連付けて記憶されている全施設名の読み毎に、前記検索順番に従って1番目の検索語から順番に、前記キーワードフラグが設定されていないキーワードのうちの該検索語と前方一致する先頭キーワードのキーワードフラグを設定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る地点検索装置は、請求項1又は請求項2に記載の地点検索装置において、前記包含関係設定手段は、前記入力手段によって入力された検索語の読みの文字数の多い順に包含関係を設定することを特徴とする。
【0009】
更に、請求項4に係るプログラムは、検索対象となる目的地を表す複数の施設名及び該施設名のキーワードから構成された読みを記憶する施設名記憶手段を備えたコンピュータに、検索語を入力する入力工程と、前記入力工程で入力された検索語の包含関係を設定する包含関係設定工程と、前記包含関係設定工程で設定された包含関係に従って検索語の検索順番を設定する検索順番設定工程と、前記複数の施設名の読み毎に、前記検索順番設定工程で設定された検索順番に従って1番目の検索語から順番に、キーワードフラグが設定されていないキーワードのうちの該検索語と前方一致する先頭キーワードのキーワードフラグを設定するキーワードフラグ設定工程と、前記複数の施設名からキーワードフラグが設定されたキーワードの個数が前記包含関係を設定した検索語の個数と等しい読みに対応する施設名を候補施設名として抽出する候補施設名抽出工程と、前記候補施設名抽出工程で抽出された候補施設名を出力する出力工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
前記構成を有する請求項1に係る地点検索装置では、入力された検索語の包含関係に従って検索語の検索順番を設定する。そして、複数の施設名の読み毎に、この検索順番に従って1番目の検索語から順番に、キーワードフラグが設定されていないキーワードのうちの該検索語と前方一致する先頭キーワードのキーワードフラグを設定する。その後、複数の施設名からキーワードフラグが該当状態に設定されたキーワードの個数が包含関係を設定した検索語の個数と等しい読みに対応する施設名を候補施設名として抽出し、出力する。
【0011】
これにより、複数の施設名からキーワードフラグが設定されたキーワードの個数が、包含関係を設定した検索語の個数と等しい読みに対応する施設名を候補施設名として抽出することによって、入力された全ての検索語を検索条件として候補施設名を抽出することが可能となる。
【0012】
また、請求項2に係る地点検索装置では、検索順番が1番目の検索語の読みの前方から所定文字数を分割文字列として、該分割文字列に関連付けて記憶された全施設名から候補施設名を検索するため、検索対象となる施設名を少なくすることができ、検索を高速で行い、応答性の低下を防止することが可能となる。
【0013】
また、複数の施設名及び該施設名の読みは、各施設名の読みを構成するキーワード毎に、該キーワードと前方一致する所定文字数の分割文字列に関連付けて記憶されている。これにより、1つの分割文字列に関連付けられた目的地を表す施設名の読みは、1個だけ記憶されるため、重複記憶される施設名を減少させて、検索対象となる全施設名の読みの削減化を図り、全施設名の読みを構成するキーワード及びキーワードフラグを展開するメモリ容量の増大を抑止することが可能となる。
【0014】
また、請求項3に係る地点検索装置では、入力手段によって入力された検索語の読みの文字数の多い順に包含関係を設定するため、各施設名の読みを構成するキーワードから検索語に対応するキーワードを確実に検索することが可能となる。
【0015】
更に、請求項4に係るプログラムでは、コンピュータは当該プログラムを読み込むことによって、入力された検索語の包含関係に従って検索語の検索順番を設定する。そして、コンピュータは複数の施設名の読み毎に、この検索順番に従って1番目の検索語から順番に、キーワードフラグが設定されていないキーワードのうちの該検索語と前方一致する先頭キーワードのキーワードフラグを設定する。その後、コンピュータは複数の施設名からキーワードフラグが設定されたキーワードの個数が包含関係を設定した検索語の個数と等しい読みに対応する施設名を候補施設名として抽出し、出力する。
【0016】
これにより、コンピュータは、複数の施設名からキーワードフラグが設定されたキーワードの個数が、包含関係を設定した検索語の個数と等しい読みに対応する施設名を候補施設名として抽出することによって、入力された全ての検索語を検索条件として候補施設名を抽出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】施設名DBに格納された施設名データテーブルの一例を示す図である。
【図3】入力された検索語に基づいて地点情報を検索してリスト表示する「地点情報表示処理」を示すフローチャートである。
【図4】図3の「候補施設名抽出処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図5】図3の「リスト表示処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図6】検索語を入力する検索語入力画面の一例を示す図である。
【図7】フラグテーブルのキーワードフラグ及び表示対象フラグを初期化した一例を示す図である。
【図8】フラグテーブルのキーワードフラグ及び表示対象フラグを設定した一例を示す図である。
【図9】抽出した施設名をリスト表示した検索結果表示画面の一例を示す図である。
【図10】他の実施例に係る施設名DBに格納された施設名データテーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る地点検索装置及びプログラムをナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
[ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)等を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、不図示の道路交通情報センタや地図情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17と、液晶ディスプレイ15の表面に装着されたタッチパネル18とから構成されている。また、ナビゲーション制御部13には自車の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。
【0020】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33等からなり、自車位置、自車の向きを表す自車方位、走行距離等を検出することが可能となっている。
【0021】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25、施設名データベース(施設名DB)27及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0022】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26が格納されている。ここで、ナビ地図情報26には、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Pointof Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0023】
尚、店舗データには、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、駅、空港、フェリー乗り場等のPOIに関する名称や住所、電話番号等に加えて、後述の検索結果表示画面71(図5参照)にリスト表示する表示優先度のデータをPOIを特定するIDとともに記憶するようにしてもよい。例えば、表示優先度は、「88」や「256」等の数値で表され、数値の大きいものほど優先度が高くなる。また、地図情報DB25の内容は、不図示の地図情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0024】
また、施設名DB27には、後述の施設名及び該施設名の読みを所定文字数(本実施例では、1文字である。)の分割文字列に関連付けて分割単位毎に記憶する施設名データテーブル51(図2参照)が格納されている。
【0025】
また、図1に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラム等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0026】
また、ROM43には、後述の50音キー62から入力された検索語に基づいて地点情報を検索してリスト表示する地点情報表示処理のプログラム(図3参照)等が記憶されている。
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17、タッチパネル18の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0027】
この操作部14は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0028】
また、液晶ディスプレイ15には、現在走行中の地図情報、後述の検索語入力画面61(図4参照)、検索した施設の名称をリスト表示する検索結果表示画面71(図5参照)、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの推奨経路、推奨経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0029】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、推奨経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」等がある。
【0030】
また、通信装置17は、地図情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、地図情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。また、通信装置17は地図情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報やサービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0031】
また、タッチパネル18は、液晶ディスプレイ15の表面部に装着された透明なパネル状のタッチスイッチであり、液晶ディスプレイ15の画面に表示されたボタンや地図上を押下することによって各種指示コマンドを入力することが可能に構成されている。尚、タッチパネル18は、液晶ディスプレイ15の画面を直接押下する光センサ液晶方式等で構成してもよい。
【0032】
ここで、施設名DB27に格納される施設名データテーブル51について図2に基づいて説明する。
図2に示すように、施設名データテーブル51は、「分割単位」と、施設名の読みを記憶する「読み」と、「施設名」とから構成されている。この「分割単位」には、施設名の読みを構成するキーワードと前方一致する平仮名が、50音順に1文字ずつ記憶されている。ここで、キーワードは、意味を成す単位で構成された読みの文字列である。
【0033】
尚、「分割単位」には、例えば「ああ」、「あい」、「あう」、・・・や、「あああ」、「ああい」、「ああう」・・・等、50音順に2文字以上ずつ記憶するようにしてもよい。また、「分割単位」の一部区間だけ、例えば、・・・「お」、「かあ」、「かい」、・・・「かん」、「き」、「く」・・等、50音順に2文字以上ずつ記憶するようにしてもよい。
【0034】
また、「読み」には、各「分割単位」に記憶される平仮名と前方一致するキーワードを含む施設名の読みが記憶されている。また、施設名の読みは、キーワード毎に区切り文字(例えば「/」である。)で区切られて記憶されている。例えば、施設名の読みが「とうきょう/ねずみー/しー」では、「とうきょう」、「ねずみー」、「しー」が、施設名の読みのキーワードとして「読み」に記憶されている。従って、施設名の読みの「とうきょう/ねずみー/しー」は、施設名データテーブル51の「分割単位」の各平仮名「し」、「と」、「ね」に対応する「読み」にそれぞれ記憶される。
【0035】
また、「施設名」には、検索対象となる目的地を表す施設名が、「読み」に記憶された施設名の読みに対応して記憶されている。例えば、施設名「東京ネズミーシー」が、施設名の読みの「とうきょう/ねずみー/しー」に対応して記憶されている。従って、施設名「東京ネズミーシー」は、施設名データテーブル51の「分割単位」の各平仮名「し」、「と」、「ね」内の「読み」の「とうきょう/ねずみー/しー」に対応する「施設名」にそれぞれ記憶される。
【0036】
これにより、施設名データテーブル51の「分割単位」間では「施設名」に記憶された施設名の重複はあるが、各「分割単位」内においては、「施設名」に記憶された施設名の重複は無く、1つの施設名だけが記憶されている。従って、施設名データテーブル51の「分割単位」間では「読み」に記憶された施設名の読みの重複はあるが、各「分割単位」内においては、「読み」に記憶された施設名の読みの重複は無く、1つの施設名の読みだけが記憶されている。
【0037】
また、例えば、施設名の読みが「のうきょう/のーむ」のように、各キーワード「のうきょう」、「のーむ」の前方1文字の読みが一致する場合には、施設名データテーブル51の「分割単位」の「の」に対応する「読み」だけに、「のうきょう/のーむ」が記憶されると共に、「分割単位」の「の」に対応する「施設名」だけに「農協ノーム」が記憶される。
【0038】
これにより、施設名の読みを構成する複数のキーワードの前方1文字目が一致する場合には、施設名データテーブル51の「分割単位」間における「読み」及び「施設名」の重複記憶を削減することが可能となり、施設データテーブル51のデータ容量の削減化を図ることができる。また、各「分割単位」毎の「読み」と「施設名」との合計データ容量を所定データ容量以下(例えば、1メガバイト〜10メガバイト以下である。)に設定することが可能となる。
【0039】
[地点情報表示処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、50音キー62から入力された検索語に基づいて地点情報を検索してリスト表示する「地点情報表示処理」について図3乃至図9に基づいて説明する。
【0040】
図3はCPU41が実行する処理であって、入力された検索語に基づいて地点情報を検索してリスト表示する「地点情報表示処理」を示すフローチャートである。尚、図3にフローチャートで示されるプログラムは、操作部14の不図示の目的地設定ボタンが押下された場合に、CPU41により実行される。
【0041】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、液晶ディスプレイ15の画面に、地点情報として目的地の住所や施設に関する名称等を検索するための検索語を入力する検索語入力画面61を表示する。
ここで、検索語入力画面61の一例について図6に基づいて説明する。図6に示すように、検索語入力画面61には、50音キー62、入力文字表示部63、検索語表示部64、修正ボタン65、戻るボタン66、次ワードボタン67、完了ボタン68が表示される。
【0042】
この入力文字表示部63には、50音キー62によって入力された入力文字が表示される。そして、次ワードボタン67が押下された場合には、入力文字表示部63に表示されている文字列が検索語として検索語表示部64に確定表示されるとともに、次の文字列を入力することが可能となる。また、修正ボタン65を押下する毎に、入力文字表示部63に表示されている文字列の最終入力文字を1文字ずつ削除することができる。
【0043】
また、戻るボタン66を押下することによって、最後の操作の前の状態に戻すことができる。更に、完了ボタン68を押下することによって、検索語文字表示部64に表示されている各文字列と入力文字表示部63に表示されている文字列を検索語として、地点情報としての施設に関する名称等を検索してリスト表示するように指示することができる。
【0044】
続いて、図3に示すように、S12において、CPU41は、50音キー62が押下されたか否か、つまり、50音キー62から検索語が入力されたか否かを判定する判定処理を実行する。そして、50音キー62が押下されたと判定した場合には(S12:YES)、CPU41は、50音キー62から入力された入力文字を入力文字表示部63に表示すると共に、入力文字表示部63に表示している文字列を検索語としてRAM42に記憶後、S13の処理に移行する。
【0045】
S13において、CPU41は、検索語文字表示部64に表示されている各文字列と入力文字表示部63に表示されている文字列を検索語として、施設名データテーブル51に記憶された施設名から目的地候補である候補施設名を抽出する後述の「候補施設名抽出処理」のサブ処理(図4参照)を実行後、再度、S12以降の処理を実行する。
【0046】
一方、50音キー62が押下されていないと判定した場合には(S12:NO)、CPU41は、S14の処理に移行する。S14において、CPU41は、次ワードボタン67が押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。そして、次ワードボタン67が押下されたと判定した場合には(S14:YES)、CPU41は、S15の処理に移行する。
【0047】
S15において、CPU41は、入力文字表示部63に表示されている文字列を検索語として検索語表示部64に確定表示すると共に、この文字列を確定検索語としてRAM42に時系列的に記憶する。また、CPU41は、入力文字表示部63に表示されている文字列をクリアして、50音キー62から新たな文字列を入力できるように設定した後、再度、S12以降の処理を実行する。
【0048】
一方、次ワードボタン67が押下されていないと判定した場合には(S14:NO)、CPU41は、S16の処理に移行する。S16において、CPU41は、完了ボタン68が押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。そして、完了ボタン68が押下されていないと判定した場合には(S16:NO)、CPU41は、S17の処理に移行する。
【0049】
S17において、CPU41は、所定時間内に(例えば、約0.5秒以内である。)修正ボタン65又は戻るボタン66が押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。そして、所定時間内に修正ボタン65が押下されたと判定した場合には、CPU41は、入力文字表示部63に表示されている文字列の最終入力文字を1文字削除した後、再度、S12以降の処理を実行する。
【0050】
また、所定時間内に戻るボタン66が押下されたと判定した場合には、CPU41は、最後の操作の前の状態に戻した後、再度、S12以降の処理を実行する。更に、所定時間内に修正ボタン65及び戻るボタン66が押下されなかったと判定した場合には、CPU41は、再度、S12以降の処理を実行する。
【0051】
一方、完了ボタン68が押下されたと判定した場合には(S16:YES)、CPU41は、S18の処理に移行する。S18において、CPU41は、上記S13で抽出された候補施設名をリスト表示する後述の「リスト表示処理」のサブ処理(図5参照)を実行後、当該処理を終了する。
【0052】
[候補施設名抽出処理]
次に、上記S13で実行する「候補施設名抽出処理」のサブ処理について図4に基づいて説明する。
図4に示すように、S111において、CPU41は、入力文字表示部63に表示されている検索語と各検索語表示部64に表示されている確定検索語とをRAM42から読み出す。
【0053】
そして、S112において、CPU41は、このRAM42から読み出した各検索語の包含関係に従って検索語の検索順を設定し、この検索順に検索語をRAM42に記憶する。例えば、CPU41は、RAM42から読み出した各検索語の文字数の多い順に検索語の検索順を設定し、この検索順に検索語をRAM42に記憶する。また、CPU41は、RAM42から読み出した各検索語の文字数が同じ場合には、時系列的に早くRAM42に記憶した順に検索語の検索順を設定し、この検索順に検索語をRAM42に記憶する。
【0054】
例えば、CPU41は、RAM42から読み出した各検索語が「とうきょう」、「とうき」、「とう」の場合には、検索語「とうきょう」の検索順を1番目に設定し、検索語「とうき」の検索順を2番目に設定し、検索語「とう」の検索順を3番目に設定する。そして、CPU41は、この検索順に各検索語「とうきょう」、「とうき」、「とう」をRAM42に記憶する。
【0055】
また、例えば、CPU41は、RAM42から読み出した各検索語が「とうき」と「とうき」の場合には、確定検索語として先にRAM42に記憶された検索語「とうき」の検索順を1番目に設定し、入力文字表示部63に表示されている検索語「とうき」の検索順を2番目に設定する。そして、CPU41は、この検索順に各検索語「とうき」、「とうき」をRAM42に記憶する。
【0056】
続いて、S113において、CPU41は、検索順の1番目に設定された検索語をRAM42から読み出し、当該検索語と前方一致する平仮名が記憶された施設名データテーブル51の「分割単位」を、候補施設名を抽出する「分割単位」として特定する。例えば、CPU41は、検索順の1番目の検索語が「とうき」の場合には、この検索語「とうき」と前方一致する平仮名「と」が記憶された施設名データテーブル51の「分割単位」を、候補施設名を抽出する「分割単位」として特定する。
【0057】
そして、S114において、CPU41は、この特定した候補施設名を抽出する「分割単位」内の全施設名の「読み」及び「施設名」を施設名データテーブル51から順番に読み出して、フラグテーブル71を作成して、RAM42に記憶する。
【0058】
ここで、フラグテーブル71の一例を図7に基づいて説明する。
図7に示すように、フラグテーブル71は、「施設名」と、「キーワード/キーワードフラグ」と、「表示対象フラグ」とから構成されている。CPU41は、先ず、フラグテーブル71の「施設名」に、候補施設名を抽出する「分割単位」内の「施設名」から読み出した全施設名を順番に記憶する。
【0059】
そして、CPU41は、フラグテーブル71の「キーワード/キーワードフラグ」に、候補施設名を抽出する「分割単位」内の全施設名の「読み」を順番に読み出して、各読みを構成するキーワード毎にキーワードフラグを付加して、各施設名に対応させてキーワード順に記憶する。また、CPU41は、フラグテーブル71の「表示対象フラグ」には、目的地候補である候補施設名か否かを表す表示対象フラグを各施設名に対応させて記憶する。
【0060】
例えば、フラグテーブル71の「東京陶器教室」の「施設名」に対応する「キーワード/キーワードフラグ」には、この「東京陶器教室」の読み「とうきょう/とうき/きょうしつ」の各キーワード「とうきょう」、「とうき」、「きょうしつ」及び「ON」又は「OFF」の各キーワードフラグが、各キーワードの読み順に記憶される。また、フラグテーブル71の「東京陶器教室」の「施設名」に対応する「表示対象フラグ」には、目的地候補である候補施設名か否かを表す「ON」又は「OFF」の表示対象フラグが記憶される。
【0061】
そして、S115において、CPU41は、図7に示すように、フラグテーブル71に記憶されている全てのキーワードフラグ及び全ての表示対象フラグを「OFF」に設定して、初期化する。
【0062】
続いて、S116において、CPU41は、フラグテーブル71の「キーワード/キーワードフラグ」から1番目に記憶されている施設名に対応する各キーワード及びキーワードフラグを読み出して、RAM42に記憶する。
また、S117において、CPU41は、検索順が1番目の検索語をRAM42から読み出す。
【0063】
そして、S118において、CPU41は、上記S116で記憶した各キーワード及びキーワードフラグをRAM42から読み出し、キーワードフラグが「OFF」に設定されている各キーワードの中に、検索順が1番目の検索語と前方一致するキーワードがある場合には、当該検索語と前方一致する先頭キーワードに対応するキーワードフラグを「ON」に設定して、RAM42に、再度記憶する。
【0064】
例えば、図7に示すように、フラグテーブル71の「施設名」に1番目に記憶されている施設名が「東京陶器教室」で、検索順の1番目の検索語が「とうき」の場合には、CPU41は、先ず、フラグテーブル71の「東京陶器教室」に対応する「キーワード/キーワードフラグ」の各「とうきょう/OFF」、「とうき/OFF」、「きょうしつ/OFF」を読み出して、RAM42に記憶する。
【0065】
そして、CPU41は、各キーワード及びキーワードフラグとして「とうきょう/OFF」、「とうき/OFF」、「きょうしつ/OFF」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、各検索順が1番目の検索語「とうき」と前方一致するキーワードフラグが「OFF」の先頭キーワード「とうきょう/OFF」があるため、この先頭キーワード「とうきょう/OFF」に対応するキーワードフラグを「ON」に設定して、RAM42に再度、記憶する。つまり、CPU41は、各キーワード及びキーワードフラグとして「とうきょう/ON」、「とうき/OFF」、「きょうしつ/OFF」をRAM42に、再度、記憶する。
【0066】
その後、S119において、CPU41は、全検索語を選択したか否か、つまり、次の検索順の検索語が残っているか否かを判定する判定処理を実行する。そして、全検索語を選択していない場合、つまり、次の検索順の検索語が残っている場合には(S119:NO)、CPU41は、次の検索順の検索語について、再度、S117以降の処理を実行する。
【0067】
例えば、検索順が2番目の検索語「とうき」がある場合には、CPU41は、各キーワード及びキーワードフラグとして「とうきょう/ON」、「とうき/OFF」、「きょうしつ/OFF」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、検索順が2番目の検索語「とうき」と前方一致するキーワードフラグが「OFF」の先頭キーワード「とうき/OFF」があるため、この先頭キーワード「とうき/OFF」に対応するキーワードフラグを「ON」に設定して、RAM42に再度、記憶する。つまり、CPU41は、各キーワード及びキーワードフラグとして「とうきょう/ON」、「とうき/ON」、「きょうしつ/OFF」をRAM42に、再度、記憶する。
【0068】
一方、全検索語を選択した場合、つまり、次の検索順の検索語が残っていない場合には(S119:YES)、CPU41は、RAM42から各キーワード及びキーワードフラグを読み出す。そして、CPU41は、キーワードフラグが「ON」に設定されているキーワードがある場合には、フラグテーブル71の「キーワード/キーワードフラグ」の当該キーワードに対応するキーワードフラグを「ON」に設定した後、S120の処理に移行する。
【0069】
例えば、図8に示すように、CPU41は、各キーワード及びキーワードフラグとして「とうきょう/ON」、「とうき/ON」、「きょうしつ/OFF」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、キーワードフラグが「ON」に設定されている各キーワード「とうきょう」、「とうき」を抽出する。そして、CPU41は、フラグテーブル71の「施設名」に1番目に記憶されている施設名に対応する「キーワード/キーワードフラグ」の当該抽出した各キーワード「とうきょう」、「とうき」のキーワードフラグを「ON」に設定後、S120の処理に移行する。
【0070】
S120において、CPU41は、RAM42から各キーワード及びキーワードフラグを再度、読み出す。そして、CPU41は、キーワードフラグが「ON」に設定されているキーワードの個数と、上記S111で取得した検索語の個数とが等しい場合には、フラグテーブル71の「表示対象フラグ」を「ON」に設定する。一方、CPU41は、キーワードフラグが「ON」に設定されているキーワードの個数と、上記S111で取得した検索語の個数とが異なる場合には、フラグテーブル71の「表示対象フラグ」を「ON」に設定しない、つまり、「OFF」のままにする。
【0071】
例えば、図8に示すように、各検索語が「とうき」、「とうき」の場合には、先ず、CPU41は、各キーワード及びキーワードフラグとして「とうきょう/ON」、「とうき/ON」、「きょうしつ/OFF」をRAM42から読み出す。そして、CPU41は、キーワードフラグが「ON」に設定されているキーワードの個数が「2個」であり、検索語の個数「2個」と等しいと判断して、フラグテーブル71の「施設名」に1番目に記憶されている施設名に対応する「表示対象フラグ」を「ON」に設定する。
【0072】
続いて、上記S120の処理を実行後、CPU41は、フラグテーブル71の「キーワード/キーワードフラグ」に、上記S116で読み出した各キーワード及びキーワードフラグの次の施設名に対応する各キーワード及びキーワードフラグがあるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、上記S116で読み出した各キーワード及びキーワードフラグの次の施設名に対応する各キーワード及びキーワードフラグがあると判定した場合には、CPU41は、次の施設名に対応するキーワード及びキーワードフラグについて、再度S116以降のループを実行する。
【0073】
他方、上記S116で読み出した各キーワード及びキーワードフラグの次の施設名に対応する各キーワード及びキーワードフラグがないと判定した場合には、CPU41は、フラグテーブル71に記憶されている全てのキーワードフラグ及び全ての表示対象フラグを設定したと判断して、ループを終了して当該サブ処理を終了し、メインフローチャートに戻る。
【0074】
[リスト表示処理]
次に、上記S18で実行する「リスト表示処理」のサブ処理について図5、図8及び図9に基づいて説明する。
図5に示すように、S211において、CPU41は、フラグテーブル71があるか否か、つまり、RAM42にフラグテーブル71が記憶されているか否かを判定する判定処理を実行する。そして、フラグテーブル71がRAM42に記憶されていない場合には(S211:NO)、CPU41は、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻る。
【0075】
一方、フラグテーブル71がRAM42に記憶されている場合には(S211:YES)、CPU41は、S212の処理に移行する。S212において、CPU41は、フラグテーブル71の「施設名」から表示対象フラグが「ON」に設定されている施設名を読み出し、目的地候補である候補施設名としてRAM42に順番に記憶する。
【0076】
続いて、S213において、CPU41は、RAM42から候補施設名を読み出して一覧表示すると共に、候補施設名の件数を表示後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻る。
尚、液晶ディスプレイ15には、一度に5件等、リスト順に所定個数表示される(図9参照)。尚、各施設名に表示優先度が付されている場合には、CPU41は、候補施設名を表示優先度の大きい順にソートしたリストとして一覧表示する。
【0077】
ここで、図8に示すように、検索語が「とうき」、「とうき」で、フラグテーブル71の「東京陶器教室」の施設名に対応する「表示対象フラグ」だけが「ON」に設定されている場合の候補施設名のリスト表示の一例について図9に基づいて説明する。
【0078】
図9に示すように、CPU41は、液晶ディスプレイ15に検索結果表示画面81を表示し、一番上の検索結果表示欄82に「東京陶器教室」の1件の候補施設名(地点情報)を表示する。ここで、ユーザが、検索結果表示欄82の地点情報を押下して選択すると、CPU41は、当該施設を目的地に設定して経路探索を行い、推奨経路を地図上に表示する。また、当該施設に関する施設情報(例えば、営業時間、料金等である。)を表示する。
【0079】
また、検索結果表示画面81の上部には、件数表示部83が設けられ、検索した検索対象の件数「1件」が表示される。また、各検索結果表示欄82の左側には、検索結果表示欄82の施設の名称を1件ずつスクロールダウン、スクロールアップするための前ボタン84、次ボタン85と、検索結果表示欄82の施設の名称を5件ずつスクロールダウン、スクロールアップするための各頁ボタン86、87とが表示されている。
【0080】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、検索順が1番目の検索語から順番に、フラグテーブル71の各施設名に対応する各キーワード及びキーワードフラグのうちの、キーワードフラグが「OFF」に設定されている各キーワードの中に、検索語と前方一致するキーワードがある場合には、当該検索語と前方一致する先頭キーワードに対応するキーワードフラグを「ON」に設定する。
【0081】
そして、CPU41は、全検索語についてフラグテーブル71の各キーワードフラグを設定した後、フラグテーブル71の「施設名」の各施設名についてキーワードフラグが「ON」に設定されているキーワードの個数と、検索語の個数とが等しい場合には、「表示対象フラグ」を「ON」に設定する。そして、CPU41は、フラグテーブル71の「施設名」から表示対象フラグが「ON」に設定されている施設名を読み出し、目的地候補である候補施設名として一覧表示する。
【0082】
これにより、フラグテーブル71の「施設名」の各施設名についてキーワードフラグが「ON」に設定されているキーワードの個数と、検索語の個数とが等しい場合に、「表示対象フラグ」を「ON」に設定するため、50音キー62から入力された全ての検索語を検索条件として候補施設名を確実に抽出することが可能となる。
【0083】
また、CPU41は、検索順の1番目に設定された検索語をRAM42から読み出し、当該検索語と前方一致する平仮名が記憶された施設名データテーブル51の「分割単位」内の全施設名の「読み」及び「施設名」を順番に読み出して、フラグテーブル71を作成する。これにより、候補施設名の検索対象となる施設名を、検索順の1番目に設定された検索語と前方一致する平仮名が記憶された施設名データテーブル51の「分割単位」内の全施設名に限定して、検索対象となる施設名を少なくすることができ、検索を高速で行い、応答性の低下を防止することが可能となる。
【0084】
また、施設名データテーブル51の「分割単位」間では「施設名」に記憶された施設名の重複はあるが、各「分割単位」内においては、「施設名」に記憶された施設名の重複は無く、1つの施設名だけが記憶されている。従って、施設名データテーブル51の「分割単位」間では「読み」に記憶された施設名の読みの重複はあるが、各「分割単位」内においては、「読み」に記憶された施設名の読みの重複は無く、1つの施設名の読みだけが記憶されている。
【0085】
これにより、フラグテーブル71の「施設名」には、目的地を表す施設名は、1個だけが記憶されるため、重複記憶される施設名及び該施設名に対応する各キーワード及びキーワードフラグを減少させて、フラグテーブル71のデータ容量の削減化を図ることが可能となる。従って、フラグテーブル71の施設名及び該施設名に対応する各キーワード及びキーワードフラグを展開するRAM42のメモリ容量の増大を抑止することが可能となる。
【0086】
また、50音キー62から検索語が入力された場合には、CPU41は、検索語文字表示部64に表示されている各文字列と入力文字表示部63に表示されている文字列を検索語として、各検索語の文字数の多い順、及び、文字数が同じ場合には時系列順に検索順を設定する。これにより、CPU41は、フラグテーブル71の各施設名に対応する各キーワード及びキーワードフラグを全検索語について確実に検索することが可能となる。
【0087】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【実施例2】
【0088】
(A)例えば、他の実施例に係るナビゲーション装置101では、上記ナビゲーション装置1とほぼ同じ構成であるが、施設名データテーブル51に替えて、図10に示す施設名データテーブル91を施設名DB27に格納するようにしてもよい。ここで、施設名データテーブル91について図10に基づいて説明する。
【0089】
図10に示すように、施設名データテーブル91は、施設名データテーブル51と同様に、「分割単位」と、施設名の読みを記憶する「読み」と、「施設名」とから構成されている。
但し、この「分割単位」には、施設名の読みを構成するキーワードと前方一致する2文字の平仮名が属する50音の2行の組み合わせに対応されて記憶されている。例えば、「分割単位」が「た行あ行」には、施設名の読みのキーワードと前方一致する2文字の各平仮名「たあ」、「たい」、「たう」、・・・・「とえ」、「とお」が属している。
【0090】
尚、「分割単位」には、例えば「あ行」、「か行」、「さ行」、・・・や、「あ行あ行あ行」、「あ行あ行か行」、「あ行あ行さ行」・・・等、50音の1行、又は3行以上の組み合わせを記憶するようにしてもよい。また、「分割単位」の一部区間だけ、例えば、・・・「あ行わ行」、「か行あ行あ行」、「か行あ行か行」、・・・「か行あ行わ行」、「か行か行」、「か行さ行」・・等、50音の3行以上の組み合わせを記憶するようにしてもよい。
【0091】
また、「読み」には、「分割単位」に属する2文字の各平仮名と前方一致するキーワードを含む施設名の読みが記憶されている。例えば、施設名の読みが「とうきょう/ねずみー/しー」は、各キーワードの前方2文字の「とう」、「ねず」、「しー」に対応する施設名データテーブル91の「分割単位」の50音の2行の各組み合わせ「た行あ行」、「な行さ行」、「さ行あ行」に対応する「読み」にそれぞれ記憶される。尚、長音「ー」の読みは、前文字の母音とする。
【0092】
また、「施設名」には、検索対象となる目的地を表す施設名が、「読み」に記憶された施設名の読みに対応して記憶されている。例えば、施設名「東京ネズミーシー」は、施設名データテーブル91の「分割単位」の「た行あ行」、「な行さ行」、「さ行あ行」内の「読み」の「とうきょう/ねずみー/しー」に対応する「施設名」にそれぞれ記憶される。
【0093】
また、例えば、施設名の読みが「のうきょう/のーむ」のように、各キーワード「のうきょう」、「のーむ」の前方2文字の読みが同じ「分割単位」の「な行あ行」に属する場合には、施設名データテーブル91の「分割単位」の「な行あ行」に対応する「読み」だけに、「のうきょう/のーむ」が記憶されると共に、「分割単位」の「な行あ行」に対応する「施設名」だけに「農協ノーム」が記憶される。
【0094】
そして、他の実施例に係るナビゲーション装置101のCPU41は、上記図4に示す「候補施設名抽出処理」のサブ処理のS113〜S114において、施設名データテーブル51に替えて、施設名データテーブル91を利用するようにしてもよい。
【0095】
具体的には、上記S113において、CPU41は、検索順の1番目に設定された検索語をRAM42から読み出し、当該検索語の前方2文字が属する50音の2行が記憶された施設名データテーブル91の「分割単位」を、候補施設名を抽出する「分割単位」として特定する。例えば、CPU41は、検索順の1番目の検索語が「とうき」の場合には、この検索語「とうき」の前方2文字「とう」が属する「た行あ行」が記憶された施設名データテーブル91の「分割単位」を、候補施設名を抽出する「分割単位」として特定する。
【0096】
そして、上記S114において、CPU41は、この特定した候補施設名を抽出する「分割単位」内の全施設名の「読み」及び「施設名」を施設名データテーブル91から順番に読み出して、フラグテーブル71を作成して、RAM42に記憶する。つまり、CPU41は、フラグテーブル71の「キーワード/キーワードフラグ」に、候補施設名を抽出する施設名データテーブル91の「分割単位」内の全施設名の「読み」を順番に読み出して、各読みを構成するキーワード毎にキーワードフラグを付加して、各施設名に対応させてキーワード順に記憶する。また、CPU41は、フラグテーブル71の「表示対象フラグ」には、目的地候補である候補施設名か否かを表す表示対象フラグを各施設名に対応させて記憶する。
【0097】
以上詳細に説明した通り、他の実施例に係るナビゲーション装置101では、施設名データテーブル91の各「分割単位」は、50音の2行の組み合わせから構成されるため、250通りの「分割単位」を構成することが可能となる。また、施設名データテーブル91の「分割単位」間では「施設名」に記憶された施設名の重複はあるが、各「分割単位」内においては、「施設名」に記憶された施設名の重複は無く、1つの施設名だけが記憶されている。従って、施設名データテーブル91の「分割単位」間では「読み」に記憶された施設名の読みの重複はあるが、各「分割単位」内においては、「読み」に記憶された施設名の読みの重複は無く、1つの施設名の読みだけが記憶されている。
【0098】
これにより、他の実施例に係るナビゲーション装置101では、上記ナビゲーション装置1の奏する効果に加えて、フラグテーブル71の「施設名」には、目的地を表す施設名は、1個だけが記憶されるため、重複記憶される施設名及び該施設名に対応する各キーワード及びキーワードフラグを減少させて、フラグテーブル71のデータ容量の更なる削減化を図ることが可能となる。従って、フラグテーブル71の施設名及び該施設名に対応する各キーワード及びキーワードフラグを展開するRAM42のメモリ容量の増大を確実に抑止することが可能となる。
【実施例3】
【0099】
(B)また例えば、他の実施例に係るナビゲーション装置105では、上記ナビゲーション装置1とほぼ同じ構成であるが、施設名データテーブル51に替えて、「分割単位」に分割することなく、全ての施設名及び該施設名のキーワード毎に区切り文字で区切られた読みを施設名DB27に記憶するようにしてもよい。
【0100】
そして、他の実施例に係るナビゲーション装置105のCPU41は、上記図4に示す「候補施設名抽出処理」のサブ処理のS113〜S114の処理に替えて、施設名DB27に記憶する全ての「施設名」及び施設名の「読み」の各キーワードを順番に読み出して、フラグテーブル71を作成して、RAM42に記憶するようにしてもよい。
【0101】
つまり、CPU41は、全ての施設名の読みの各キーワード毎にキーワードフラグを付加して、各施設名に対応させてキーワード順にフラグテーブル71に記憶するようにしてもよい。また、CPU41は、目的地候補である候補施設名か否かを表す表示対象フラグを全ての施設名に対応させてフラグテーブル71に記憶するようにしてもよい。
【0102】
これにより、CPU41は、フラグテーブル71の「施設名」の各施設名についてキーワードフラグが「ON」に設定されているキーワードの個数と、検索語の個数とが等しい場合に、「表示対象フラグ」を「ON」に設定することが可能となり、50音キー62から入力された全ての検索語を検索条件として候補施設名を確実に抽出することが可能となる。
【符号の説明】
【0103】
1、101、105 ナビゲーション装置
14 操作部
15 液晶ディスプレイ
18 タッチパネル
25 地図情報DB
27 施設名DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51、91 施設名データテーブル
61 検索語入力画面
62 50音キー
71 フラグテーブル
81 検索結果表示画面
82 検索結果表示欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索対象となる目的地を表す複数の施設名及び該施設名のキーワードから構成された読みを記憶する施設名記憶手段と、
検索語を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された検索語の包含関係を設定する包含関係設定手段と、
前記包含関係に従って検索語の検索順番を設定する検索順番設定手段と、
前記複数の施設名の読み毎に、前記検索順番に従って1番目の検索語から順番に、キーワードフラグが設定されていない前記キーワードのうちの該検索語と前方一致する先頭キーワードのキーワードフラグを設定するキーワードフラグ設定手段と、
前記複数の施設名からキーワードフラグが設定されたキーワードの個数が前記包含関係を設定した検索語の個数と等しい読みに対応する施設名を候補施設名として抽出する候補施設名抽出手段と、
前記候補施設名抽出手段によって抽出された候補施設名を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする地点検索装置。
【請求項2】
前記施設名記憶手段は、前記複数の施設名及び該施設名の読みを、各施設名の読みを構成するキーワード毎に、該キーワードと前方一致する所定文字数の分割文字列に関連付けて記憶し、
前記キーワードフラグ設定手段は、前記検索順番が1番目の検索語の読みの前方から前記所定文字数を前記分割文字列として、該分割文字列に関連付けて記憶されている全施設名の読み毎に、前記検索順番に従って1番目の検索語から順番に、前記キーワードフラグが設定されていないキーワードのうちの該検索語と前方一致する先頭キーワードのキーワードフラグを設定することを特徴とする請求項1に記載の地点検索装置。
【請求項3】
前記包含関係設定手段は、前記入力手段によって入力された検索語の読みの文字数の多い順に包含関係を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地点検索装置。
【請求項4】
検索対象となる目的地を表す複数の施設名及び該施設名のキーワードから構成された読みを記憶する施設名記憶手段を備えたコンピュータに、
検索語を入力する入力工程と、
前記入力工程で入力された検索語の包含関係を設定する包含関係設定工程と、
前記包含関係設定工程で設定された包含関係に従って検索語の検索順番を設定する検索順番設定工程と、
前記複数の施設名の読み毎に、前記検索順番設定工程で設定された検索順番に従って1番目の検索語から順番に、キーワードフラグが設定されていないキーワードのうちの該検索語と前方一致する先頭キーワードのキーワードフラグを設定するキーワードフラグ設定工程と、
前記複数の施設名からキーワードフラグが設定されたキーワードの個数が前記包含関係を設定した検索語の個数と等しい読みに対応する施設名を候補施設名として抽出する候補施設名抽出工程と、
前記候補施設名抽出工程で抽出された候補施設名を出力する出力工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−107751(P2011−107751A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258849(P2009−258849)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】