説明

基板処理装置、基板処理装置制御プログラム、及び半導体装置の製造方法

【課題】待機中の基板収容器内の基板に対し、基板表面へのパーティクルの付着等の問題を抑制することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板を複数収容した基板収容器を複数載置する載置台と、前記載置台に載置された基板収容器の蓋を開閉する蓋開閉部と、蓋を開けられた基板収容器内の基板の有無又は位置を確認する基板確認を行う基板確認部と、基板収容器内の基板を処理室へ搬送する基板搬送機構と、前記基板搬送機構により搬送された前記処理室内の基板に対して処理を行う基板処理部とを備えた基板処理装置において、前記載置台に載置された第1の基板収容器内の基板を対象として基板処理中に、第2の基板収容器が前記載置台に載置された場合、前記第2の基板収容器の蓋を開けて、前記第2の基板収容器内の基板に対して前記基板確認部による基板確認を行った後に、前記第2の基板収容器の蓋を閉じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハ等の基板を処理する基板処理装置、基板処理装置制御プログラム、及び半導体装置の製造方法に関し、例えば、半導体集積回路(以下、ICという。)が作り込まれる半導体基板(例えば、半導体ウェハ)に成膜等の処理を行うものであり、特に、複数の基板を収容した基板収容器を複数備え、例えば、第1の基板収容器内の基板を1枚ずつ順に処理室へ搬送して処理し、第1の基板収容器内の基板の処理が終了すると、次に、第2の基板収容器内の基板を1枚ずつ順に処理室へ搬送して処理する基板処理装置、基板処理装置制御プログラム、及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、複数の基板収容器を基板処理装置のロードポートに載置し、該載置した複数の基板収容器のうち、例えば、第1の基板収容器の蓋を開けて基板収容器内に収容したウェハの有無や位置を確認し枚数をカウントするウェハマッピングを行った後、第1の基板収容器内の基板を1枚ずつ順に処理室へ搬送して処理する。また、第1の基板収容器に対しウェハマッピングを行った後、第2の基板収容器の蓋を開けて、第2の基板収容器に対しウェハマッピングを行う。ウェハマッピングを終了した第2の基板収容器は蓋を開けた状態で待機し、第1の基板収容器内の全ての基板の処理が終了した後、第2の基板収容器内の基板の処理が開始される。
下記の特許文献1には、ロードポートに載置した複数の基板収容器から、順次、基板を取り出して処理室に搬送して処理を行う基板処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−98247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の基板処理装置においては、複数の基板収容器、例えば、第1の基板収容器の蓋を開けてウェハマッピングを行った後、第1の基板収容器内の基板処理を開始するとともに、第2の基板収容器の蓋を開けてウェハマッピングを行い、ウェハマッピング終了後も、第2の基板収容器は蓋を開けた状態で待機している。このため、待機中において第2の基板収容器内のウェハが、基板処理装置内の空気に晒され、ウェハ表面にパーティクルが付着する等の恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、本発明においては、基板収容器の蓋を開けてウェハマッピング等の処理を行った後、待機中の基板収容器の蓋を閉じ、基板収容器内の基板の処理開始に合わせて、再び基板収容器の蓋を開けるものである。
本明細書において開示される基板処理装置に関する発明のうち、代表的なものは、次のとおりである。すなわち、
基板を複数収容した基板収容器を複数載置する載置台と、
前記載置台に載置された基板収容器の蓋を開閉する蓋開閉部と、
蓋を開けられた基板収容器内の基板の有無又は位置を確認する基板確認を行う基板確認部と、
基板収容器内の基板を処理室へ搬送する基板搬送機構と、
前記基板搬送機構により搬送された前記処理室内の基板に対して処理を行う基板処理部と、
前記蓋開閉部と前記基板確認部と前記基板処理部と前記基板搬送機構を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記載置台に載置された第1の基板収容器内の基板を対象として前記基板処理部が基板処理中に、第2の基板収容器が前記載置台に載置された場合、前記第2の基板収容器の蓋を開けて、前記第2の基板収容器内の基板に対して前記基板確認部による基板確認を行い、該基板確認が終了すると、前記第2の基板収容器の蓋を閉じるよう制御する基板処理装置。
【発明の効果】
【0006】
上記のように基板処理装置を構成すると、ある基板収容器内の基板が処理されている間に、次の基板収容器が搬送されてウェハマッピング等の処理後、蓋を自動的に閉めることができるため、次の基板収容器内の基板に付着するパーティクルが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置を、上面から見た断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基板処理装置を、側面から見た断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るコントローラの説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る処理部を、側面から見た断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る基板収容器の蓋開閉動作フローチャートである。
【図6】所定の前工程を行った場合に図5の蓋開閉動作を実行する構成例における制御部の動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態に係る基板処理装置について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、基板処理装置を上面から見た図であり、図2は、基板処理装置を側面から見た図である。
本発明が適用される基板処理装置においては、ウェハなどの基板を搬送するキャリヤ(基板収容器)として、FOUP(front opening unified pod 。以下、ポッドという。)が使用される。ポッドは、例えばウェハを25枚収容でき、ウェハを出し入れする開口部を閉塞する蓋を備える。この蓋により、ポッド内の雰囲気をポッド外の雰囲気と分離し、ポッド内のウェハがポッド外の雰囲気により悪影響を受けないようにするものである。
なお、以下の説明において、前後左右は図1を基準とする。すなわち、前方向とは、第1搬送室110から見て、第2搬送室120の方向である。後方向とは、第2搬送室120から見て、第1搬送室110の方向である。左方向とは、第1搬送室110から見て、処理部150の方向である。右方向とは、第1搬送室110から見て、処理部153の方向である。
【0009】
図1および図2に示されているように、基板処理装置は、第1搬送室110を備えている。第1搬送室110は、真空状態などの大気圧未満の圧力(負圧)に耐え得る構造である。第1搬送室110の筐体111は、平面視(上側から見た形)が五角形で、閉塞された箱形状に形成されている。第1搬送室110には、第1のウェハ移載機112が設置されている。第1のウェハ移載機112は、負圧下において、2枚のウェハ200を同時に移載可能である。第1のウェハ移載機112は、第1搬送室110の気密性を維持した状態で、エレベータ113によって、昇降できるように構成されている。
【0010】
第1搬送室の筐体111の5枚の側壁のうち、前側の1枚の側壁には、ロードロック室(Load Lock Chamber)131と141が、それぞれ、ゲートバルブ134、144を介して連結されている。ロードロック室131と141は、それぞれ、負圧に耐え得る構造である。ロードロック室131には、基板を一時的に載置する基板置き台132、133が設置され、ロードロック室141には、基板置き台142、143が設置されている。
【0011】
ロードロック室131およびロードロック室141の前側には、略大気圧下で用いられる第2搬送室120が、ゲートバルブ130、140を介して、連結されている。第2搬送室120には、第2のウェハ移載機122が設置されている。第2のウェハ移載機122は、2枚のウェハ200を同時に移載可能である。第2のウェハ移載機122は、第2搬送室120に設置されたエレベータ123によって昇降されるとともに、リニアアクチュエータ124によって左右方向に移動される。
主に第1のウェハ移載機112と第2のウェハ移載機122から、基板収容器内の基板を処理室へ搬送する基板搬送機構が構成される。
【0012】
図1に示されているように、第2搬送室120内の左側部分には、ノッチ合わせ装置107が設置されている。また、図2に示されているように、第2搬送室120の上部には、クリーンエアを供給するクリーンユニット106が設置されている。
【0013】
図1および図2に示されているように、第2搬送室120の筐体121には、ウェハ200を第2搬送室120に対して搬入搬出するためのウェハ搬入/搬出口104と、ウェハ搬入/搬出口104を閉塞するためのドア105と、ポッドオープナ103が設置されている。
ポッドオープナ103は、I/Oステージ(ロードポート)100に載置されたポッド101のキャップ(蓋)を開閉するキャップ開閉機構102を備えている。主にI/Oステージ100から、基板収容器を複数載置する載置台が構成される。主にキャップ開閉機構102から、載置台に載置された基板収容器の蓋を開閉する蓋開閉部が構成される。キャップ開閉機構102は、ポッド101のキャップとともに、ウェハ搬入/搬出口104を閉塞するドア105を開閉する。I/Oステージ100に載置されたポッド101のキャップ、及びドア105を開けることにより、ポッド101内のウェハ200の出し入れが可能となる。また、ポッド101は、図示しない工程内搬送装置(AGV:Automatic Guided Vehicle/OHT:Overhead Hoist Transfer)によって、I/Oステージ100に供給され、また、I/Oステージ100から排出される。
【0014】
図1に示されているように、第1搬送室110の筐体111の5枚の側壁のうち、左右及び後側に位置する4枚の側壁には、ウェハ200に所望の処理を行う第1の処理部150、第2の処理部151、第3の処理部152、第4の処理部153が、それぞれ、ゲートバルブ160、161、162、163を介して連結されている。
108は、基板処理装置を制御する制御部(コントロ−ラ)であり、キャップ開閉機構102、ノッチ合わせ装置107、第1のウェハ移載機112等、基板処理装置を構成する各構成部を制御するものである。
各処理部150、151、152、153は、同一種類の基板処理を行う処理部であっても良いし、また装置の目的に応じて、それぞれ異なる種類の基板処理を行う処理部としても良い。
本実施例においては、同一処理部として、以下に説明する。また、処理部の詳細は後述する。
【0015】
以下、前記した構成をもつ基板処理装置を使用する基板処理工程を説明する。この基板処理工程においては、基板処理装置の各構成部を、制御部108が制御するものである。
まず、未処理のウェハ25枚を収納したポッド101が、工程内搬送装置によって、基板処理装置へ搬送されて来る。図1および図2に示されているように、搬送されてきたポッド101は、I/Oステージ100の上に、工程内搬送装置から受け渡されて載置される。
I/Oステージ100上のプレートに載置されたポッド101は、クランプ(不図示)によりプレートに固定され、該ポッド101のIDがID読取装置(不図示)により読取られて認証される。その後、ポッド101を載せたプレートが、ポッド101のキャップを開閉できるドック位置へ移動する。
【0016】
ドック位置において、ポッド101のキャップ及びウェハ搬入/搬出口104を閉塞するドア105が、キャップ開閉機構102によって取り外され、ポッド101のウェハ出し入れ口104が開放される。キャップを開放されたポッド101に対し、ウェハマッピング装置(不図示)により、該ポッド101内のウェハ200の有無や枚数や位置、つまりウェハマッピング状態が調べられ確認される。ウェハマッピング装置は、ウェハ200のウェハマッピング状態を調べると、その内容を、コントローラ108へ報告する。主にウェハマッピング装置から、蓋を開けられた基板収容器内の基板の有無又は位置又は基板枚数を確認する基板確認を行う基板確認部が構成される。
【0017】
ウェハマッピング状態の調査、確認が終了すると、他のポッド101内のウェハ200が処理室で処理中の場合は、ポッド101のキャップ及びウェハ搬入/搬出口104を閉塞するドア105が、キャップ開閉機構102によって取り付けられ、ポッド101のウェハ出し入れ口104が閉塞される。ウェハマッピング状態調査終了後のポッド101のキャップ閉塞動作の詳細については、後述する。
ウェハマッピング状態調査終了後のポッド101は、処理室における処理タイミングが近づくと、ポッドオープナ103により開放される。
【0018】
ウェハ処理のためにポッド101がポッドオープナ103により開放されると、第2搬送室120に設置された第2のウェハ移載機122は、ポッド101からウェハ200を1枚ピックアップして、ノッチ合わせ装置107へ載置する。
【0019】
ノッチ合わせ装置107は、載置されたウェハ200を、水平の縦横方向(X方向、Y方向)及び円周方向に動かして、ウェハ200のノッチ位置等を調整する。
ノッチ合わせ装置107で1枚目のウェハ200の位置調整実施中に、第2のウェハ移載機122は、2枚目のウェハ200を、ポッド101からピックアップして、第2搬送室120内に搬出し、第2搬送室120内で待機する。
【0020】
ノッチ合わせ装置107により前記1枚目のウェハ200の位置調整が終了した後、第2のウェハ移載機122は、ノッチ合わせ装置107上の前記1枚目のウェハ200をピックアップする。第2のウェハ移載機122は、そのとき第2のウェハ移載機122が保持している前記2枚目のウェハ200を、ノッチあわせ装置107へ載置する。その後、前記2枚目のウェハ200に対して、ノッチ合わせが行なわれる。
【0021】
次に、ゲートバルブ130が開けられ、第2のウェハ移載機122は、前記1枚目のウェハ200を、第1のロードロック室131に搬入し、基板置き台133上に移載する。この移載作業中には、第1搬送室110側のゲートバルブ134は閉じられており、第1搬送室110内の負圧は維持されている。
【0022】
前記1枚目のウェハ200の基板置き台133への移載が完了すると、ゲートバルブ130が閉じられ、第1のロードロック室131内が、排気装置(図示せず)によって、負圧になるよう排気される。
第1のロードロック室131内の雰囲気の排気と並行して、第2のウェハ移載機122は、ノッチ合わせ装置107から前記2枚目のウェハ200をピックアップする。そして、ゲートバルブ140が開けられると、第2のウェハ移載機122は、前記2枚目のウェハ200を第2のロードロック室141に搬入し、基板置き台143に移載する。そしてゲートバルブ140が閉じられ、第2のロードロック室141内が、排気装置(図示せず)によって、負圧になるよう排気される。
【0023】
以下、第2のウェハ移載機122は、以上の動作を繰り返す。このとき、第1のロードロック室131および第2のロードロック室141が負圧状態の場合は、第2のウェハ移載機122は、第1のロードロック室131及び第2のロードロック室141へのウェハ200の搬入を実行せず、第1のロードロック室131または第2のロードロック室141の直前位置で停止して待機する。
【0024】
ロードロック室131が、予め設定された圧力値に減圧されると、ゲートバルブ134が開かれる。続いて、第1搬送室110の第1のウェハ移載機112は、基板置き台133から、前記1枚目のウェハ200をピックアップする。
【0025】
第1のウェハ移載機112が、基板置き台133から前記1枚目のウェハ200をピックアップした後、ゲートバルブ134が閉じられ、基板ロードロック室131内が大気圧に戻され、ロードロック室131に次のウェハを搬入するための準備が行われる。
それと並行して、第1の処理部150のゲートバルブ160が開かれ、ウェハ移載機112が、前記1枚目のウェハ200を、第1の処理部150に搬入する。そして第1の処理部150内に、ガス供給装置(図示せず)から処理用ガスが供給され、所望の処理が前記1枚目のウェハ200に施される。主にガス供給装置や基板置き台133や、後述するアノード電極420やカソード電極430や排気ライン410等から、処理室内の基板に対して処理を行う基板処理部が構成される。
【0026】
続いて、第2のロードロック室141が予め設定された圧力値に減圧されると、ゲートバルブ144が開かれる。続いて第1搬送室110の第1のウェハ移載機112は、基板置き台143から、前記2枚目のウェハ200をピックアップする。
第1のウェハ移載機112が、前記2枚目のウェハ200をピックアップした後、ゲートバルブ144が閉じられて、第2のロードロック室141内が大気圧に戻され、第2のロードロック室141に次のウェハを搬入するための準備が行われる。
それと並行して、第2の処理部151のゲートバルブ161が開かれ、ウェハ移載機112が、前記2枚目のウェハ200を、第2の処理部151に搬入する。そして第2の処理部151内にガス供給装置(図示せず)から処理ガスが供給され、所望の処理が前記2枚目のウェハ200に施される。
【0027】
以下、同様にして第3の処理部152、第4の処理部153に、次のウェハ200が搬入され、所望の処理が施される。
【0028】
第1の処理部150において処理が終了したら、第1のウェハ移載機112は、処理部150から搬出したウェハ200を、第1のロードロック室131へ搬入し、基板置き台132上に載置する。
このとき、第1のロードロック室131内の基板置き台133上に未処理のウェハが存在する場合、第1のウェハ移載機112は、前記未処理ウェハを、第1のロードロック室131から第1搬送室110へ搬出する。
【0029】
そして、ゲートバルブ134が閉じられ、第1のロードロック室131内で処理済みのウェハ200の冷却が開始されると同時に、第1のロードロック室131に接続された不活性ガス供給装置(図示せず)から不活性ガスが導入され、第1のロードロック室131内の圧力が大気圧に戻される。
【0030】
第1のロードロック室131において、予め設定された冷却時間が経過し、かつ第1のロードロック室131内の圧力が大気圧に戻されると、ゲートバルブ130が開かれる。続いて、第2搬送室120の第2のウェハ移載機122が、基板置き台132から処理済みのウェハ200をピックアップして第2搬送室120に搬出した後、ゲートバルブ130が閉じられる。
その後、第2のウェハ移載機122は、第2搬送室120のウェハ搬入/搬出口104を通して、処理済みのウェハ200を、ポッド101に収納する。
【0031】
前述の工程によってポッド101内の全てのウェハに所望の処理が行われ、処理済みの25枚のウェハの全てが、ポッド101へ収納されると、ポッド101のキャップとウェハ搬入/搬出口104を閉塞するドア105が、ポッドオープナ103によって閉じられる。閉じられたポッド101は、I/Oステージ100の上から次の工程へ、工程内搬送装置によって搬送される。
以上の動作が繰り返されることにより、ウェハが25枚ずつ、順次処理されていく。
【0032】
次に、コントローラ108について説明する。コントローラ108は、少なくとも上述した蓋開閉部や基板確認部や基板処理部や基板搬送機構など、基板処理装置の各構成部を制御するもので、搬送制御、プロセス制御を行う制御プログラムを実行するように構成される。図3は、図1及び図2に示す基板処理装置を制御するためのコントローラ108の構成を示すブロック図である。
図3において、コントローラ108は、蓋開閉部や基板確認部や基板搬送機構などを制御するための統括制御コントローラ13と、第1の処理部150を制御するためのプロセスチャンバコントローラPMC(1)14と、第2の処理部151を制御するためのプロセスチャンバコントローラPMC(2)15と、上記制御プログラムを含む操作部プログラムを記憶する記憶部を備えた操作部12が、LAN回路16で接続され、構成されている。
また、統括制御コントローラ13には、第1の移載機112を制御する真空ロボットコントローラ13a、第2の移載機122を制御する大気ロボットコントローラ13b、マスフローコントローラMFC13cなどが接続されている。
さらに、操作部12は、ユーザインタ−フェース(GUI)、Job制御(生産の順番制御)、Host対応(Hostのイベント/モニタ報告、Hostからの命令処理)などに使用される操作部プログラムを実行するように構成される。
【0033】
プロセスチャンバコントローラPMC(1)14には、マスフローコントローラMFC14a、APC14b、温度調節器14c、バルブI/O14dなどが接続されている。
ここで、MFC14aは、ガスの流量を制御するためのマスフローコントローラであり、APC14bは、プロセスチャンバPM内の圧力を制御するためのオートプレッシャーコントローラである。また、温度調節器14cは、処理室としてのプロセスチャンバPM内の温度制御を行うものであり、バルブI/O14dは、ガスや排気用のバルブのON/OFFを制御するための入出力ポートである。また、PMC(2)15も、PMC(1)14と同様な構成である。尚、図示されていないが、第3の処理部152を制御するためのプロセスチャンバコントローラPMC(3)と、第4の処理部153を制御するためのプロセスチャンバコントローラPMC(4)も同様な構成で、同じようにLAN回路16に接続されている。
【0034】
操作部12は、システム制御コマンドの指示、モニタ表示、ロギングデータ、アラーム解析、及びパラメータ編集などの画面を表示する表示部18を有している。また、本実施形態において、操作部12は、後述する蓋開閉制御プログラムを実行するか否かを設定する画面を表示する。
また、操作部12には、表示部18に表示される画面を介して入力された指示データや各種レシピ(プロセスレシピ、ダミー基板用レシピ等)が格納される。また、本実施形態におけるウェハマッピングを行うプログラムや、後述する蓋開閉制御プログラムを含む操作部プログラムが、操作部12の記憶部に格納されている。
【0035】
また、統括制御コントローラ13は、システム全体の運用制御、真空ロボットコントローラ13aの制御、大気ロボットコントローラ13bの制御、MFC13cやバルブやポンプなどを制御するガス供給・排気系制御を行う。
【0036】
次に、図3に示すコントローラ108の基本的な運用例について説明する。
工程内搬送装置により搬送されてきたポッド101が、I/Oステージ100の上に載置されると、統括制御コントローラ13は、ポッド101のキャップを開放し、ウェハマッピング装置により、該ポッド101内のウェハ200のウェハマッピング状態を調べ確認する。ウェハマッピング状態調査終了後において、他のポッド101内のウェハ200が処理室で処理中の場合は、ポッド101のキャップを閉塞する。
【0037】
操作部12又は基板処理装置の上位のホストコンピュータからの、あるポッド101に対する生産指示であるコマンド指示を受けた統括制御コントローラ13は、該ポッド101のキャップを開放し、ウェハ搬送指示を大気ロボットコントローラ13bに指示する。すると、該大気ロボットコントローラ13bは、第2の移載機122を制御して、ウェハ200をポッド101からノッチ合せ装置107を介して予備室兼冷却室131,141に搬送させる。そして、統括制御コントローラ13は、ウェハ200を搬送させると予備室兼冷却室131,141の排気制御(つまり、ポンプやバルブの制御)を実施する。そして、予備室兼冷却室131,141が所定の負圧力に達したところで、真空ロボットコントローラ13aに指示してウェハ200を該当する第1の処理部150へ搬送させる。
【0038】
続いて、PMC(1)14又はPMC(2)15等に対して、ウェハ200に付加価値を与えるためのプロセスレシピの実行指示を行い、ウェハ200に所定の処理が施される。処理済のウェハ200は、第1の処理部150から予備室兼冷却室131,141へ搬送され、更に大気圧に戻された後、元のポッド101に搬送される。尚、予め搬送先に異なるポッド指定されている場合、元のポッド110ではなく、指定されたポッドに搬送してもよい。
【0039】
次に、処理部について図4を用いて説明する。図4は、本実施形態に係る処理部を側面から見た断面図である。図4には、複数の処理部150,151,152,153のうち少なくとも一つに用いられる処理装置の例として、プラズマ処理装置400が示されている。図4に示されているように、プラズマ処理装置400は処理室402を形成する真空容器404を備えている。真空容器404の側壁には、被処理基板としてのウェハ200を処理室内に搬入搬出するためのウェハ搬入搬出口406が開設されており、ウェハ搬入搬出口406はゲートバルブ408によって開閉されるように構成されている。
【0040】
真空容器404の底壁には排気ライン410の一端が接続されており、排気ライン410の他端は真空排気手段としての真空排気装置411に接続されている。排気ライン410の途中には排気コンダクタンス調整手段としての排気コンダクタンス調整弁412が介設されている。排気コンダクタンス調整弁412には排気コンダクタンス調整弁制御装置414が電気的に接続されており、排気コンダクタンス調整弁制御装置414には、処理室402内の圧力を検出する圧力センサ416が電気的に接続されている。排気コンダクタンス調整弁制御装置414は圧力センサ416からの検出結果及びコントローラ108からの指令に基づいて、排気コンダクタンス調整弁412を制御することにより、処理室402内の圧力を調整するように構成されている。
【0041】
真空容器404の処理室402内にはアノード電極(陽極)420が設置されている。アノード電極420の内部にはガス通路424が形成されており、アノード電極420の下面にはシャワー板422がガス通路424を仕切るように嵌め込まれている。シャワー板422には多数個の吹出口426がガスをシャワー状に吹き出すように開設されている。アノード電極420のガス通路424にはガス導入手段としてのガス導入ライン428が接続されており、ガス通路424にはガス導入ライン428から多種類のガスが導入されるようになっている。
【0042】
一方、真空容器404の処理室402の下部にはカソード電極(陰極)430が設置されている。カソード電極430はウェハ200を載置した状態で保持する基板載置台(サセプタ)を兼用するように構成されており、サセプタ兼用のカソード電極430には保持したウェハ200を加熱するヒータ(図示せず)が内蔵されている。
【0043】
アノード電極420とカソード電極430との間には、高周波電力供給手段としての高周波発振器432がインピーダンス整合器434を介して接続されており、高周波発振器432は前述のPMC(1)14(若しくはPMC(2)15)に相当するコントローラ418に通信線436によって接続されている。高周波発振器432はコントローラ418からの指令に応答してインピーダンス整合器434を介してアノード電極420とカソード電極430との間に高周波電圧を印加するようになっている。
【0044】
カソード電極430には自己バイアス電圧検出手段としての電圧計438が接続されており、電圧計438は検出結果を通信線440によってコントローラ418に送信するように構成されている。コントローラ418には記憶装置442、表示装置444及び入力装置446が接続されている。ここで、コントローラ418は、前述のPMC(1)14である。また、記憶装置442が別体となっている例を示しているが、例えば、コントローラ418内に組み込まれていているメモリ等を用いても良い。
【0045】
コントローラ418にはソフトウェアの機能として、進行波電力量及び累積自己バイアス電圧の管理機能が組み込まれている。このため、コントローラ418はプラズマ処理に関するデータとして、進行波電力値を高周波発振器432から通信線436を介して取得して、記憶装置442に格納するように構成されている。また、コントローラ418はプラズマ処理に関するデータとして、自己バイアス電圧値を電圧計438から通信線440を介して取得して、記憶装置442に格納するように構成されている。
【0046】
次に、前記構成に係るプラズマ処理装置400によるウェハ200への膜の形成方法を説明する。
膜を形成すべきウェハ200がウェハ搬入搬出口406に搬送されてくると、ゲートバルブ408が開けられ、ウェハ200がウェハ搬入搬出口406から処理室402内に搬入され、サセプタを兼用するカソード電極430の上に載置される。ウェハ200がカソード電極430に設置されて保持されると、ウェハ搬入搬出口406がゲートバルブ408によって閉じられる。処理室402内が真空排気装置411によって排気ライン410及び排気コンダクタンス調整弁412を通じて排気される。
【0047】
処理室402内が所定の圧力に維持されながら、原料ガスがガス導入ライン428からガス通路424に導入され、処理室402内にシャワー板422の吹出口426からシャワー状に吹き出される。処理室402内の圧力を一定に維持する方法としては、圧力センサ416から出力されて排気コンダクタンス調整弁制御装置414に入力される信号に基づいて、排気コンダクタンス調整弁412が制御されるフィードバック制御方法が使用される。
【0048】
処理室402内が所定の圧力に維持された状態で、コントローラ418に入力装置446から設定された電力値が高周波発振器432に通信線436を通じて設定され、高周波電力が高周波発振器432によって発生される。高周波発振器432によって発生された高周波電力は、アノード電極420にインピーダンス整合器434を通して印加される。高周波電力が印加されると、アノード電極420とカソード電極430との間にプラズマが生成される。このようにして生成されたプラズマにより、処理室402内にシャワー状に吹き出された原料ガスが分解又は活性化し、サセプタを兼ねるカソード電極430に保持されたウェハ200の上に堆積し、膜が形成される。
【0049】
次に、ウェハマッピング装置によるウェハマッピング状態調査前後のポッド101のキャップ開閉動作について、図5を用いて詳しく説明する。図5は、本実施形態に係る基板収容器の蓋、つまりポッド101のキャップの開閉動作フローチャートである。図5における開閉動作は、コントローラ108により蓋開閉制御プログラムが実行されることで実現する。
前述したように、I/Oステージ100に搬入されたポッド101は、ドック位置にて、ポッド101のキャップが、キャップ開閉機構102によって取り外され、ポッド101のウェハ出し入れ口104が開放される(ステップS1)。このとき、キャップ開放と同時に、キャップを開放されたポッド101に対し、ウェハマッピング装置により、該ポッド101内のウェハ200のウェハマッピング状態が調べられ確認される。
ウェハマッピング確認後、キャップ閉塞までの時間をカウントする閉塞タイマーをスタートさせる(ステップS2)。そして、閉塞タイマーがタイムアップするまで待つ(ステップS3)。
閉塞タイマーがタイムアップすると(ステップS3でYes)、I/Oステージ100に他のポッド101が存在するか否かを判断する(ステップS4)。
【0050】
このように、上記の閉塞タイマーを設けて、ポッド101のキャップ開放から所定時間後にキャップ閉塞する理由、つまり、ポッド101のキャップを開放してウェハマッピングを行い、ウェハマッピング終了からキャップ閉塞までの遅延時間を設ける理由は、ウェハマッピング終了後の無駄なキャップ閉塞動作を省くためである。I/Oステージ100に他のポッド101が存在しない場合は、ウェハマッピング終了後に、ホストコンピュータ等からの生産指示が発行される。そのため、ウェハマッピング終了からキャップ閉塞までの遅延時間を設けない場合は、ウェハマッピング終了後にキャップ閉塞し、次に生産指示を受信するとキャップを開放することになる。
なお、この閉塞タイマーは必ずしも設ける必要はなく、閉塞タイマー機能を使用するか否かを、操作部12から設定できるようにしてもよい。
【0051】
I/Oステージ100に他のポッド101が存在しない場合は(ステップS4でNo)、上記のウェハマッピング確認を行ったポッド101に対して、ホストコンピュータ等からの生産指示、すなわち該ポッド101内のウェハに対して処理室での処理を行う指示が発行されているか否かを判断する(ステップS11)。
【0052】
生産指示がなされている場合は(ステップS11でYes)、そのポッド101のキャップは閉塞されることなく、開放された状態を保ち、ステップS7及びステップS8へ移行し、ウェハに対する処理を開始する。具体的には、ポッド101内のウェハ200が、第2の移載機122によりノッチ合せ装置107を介して例えば予備室兼冷却室131に搬送され、第1のウェハ移載機112により例えば第1の処理部150へ搬送され処理される。
【0053】
生産指示がなされていない場合は(ステップS11でNo)、ポッド101のキャップが、キャップ開閉機構102によって一旦閉塞され(ステップS12)、生産指示がなされるまで待って(ステップS13)、ポッド101のキャップを、キャップ開閉機構102によって開放し(ステップS14)、ステップS7及びステップS8へ移行し、ウェハに対する処理を開始する。
【0054】
I/Oステージ100に他のポッド101が存在する場合は(ステップS4でYes)、該他のポッド101内のウェハを処理中であるか否かを判断し(ステップS5)、処理中でない場合は(ステップS5でNo)、上述のステップS11へ移行する。
【0055】
ここで、上述した、他のポッド101内のウェハを処理中である状態について説明する。I/Oステージ100上のポッド101内のウェハは、ホストコンピュータ等からの生産指示が発行された後、ノッチ合せ装置107を経て例えば予備室兼冷却室131に搬送され、予備室兼冷却室131から例えば第1の処理部150へ搬送され処理される。その後、処理済みのウェハは、第1の処理部150から予備室兼冷却室131へ搬送され、予備室兼冷却室131からI/Oステージ100上のポッド101内へ戻される。
上述した、他のポッド101内のウェハを処理中である状態とは、該他のポッド101に対するホストコンピュータ等からの生産指示が発行されてから、他のポッド101内の最終の未処理ウェハ(例えば、ポッド101内に25枚のウェハがある場合は、24枚が処理済みとなり、残った25枚目の未処理ウェハ)が、例えば第1の処理部150へ搬送され処理された後、I/Oステージ100上のポッド101内へ戻されるまでの状態である。この場合、他のポッド101は、前ロットであっても同じロットであってもよい。
【0056】
他のポッド101内のウェハを処理中である場合は(ステップS5でYes)、上記のウェハマッピング確認を行ったポッド101に対して、ホストコンピュータ等からの生産指示が発行されているか否かを判断する(ステップS6)。生産指示が発行されていない場合は(ステップS6でNo)、上述のステップS12へ移行し、ポッド101のキャップを一旦閉塞し、生産指示を待つ。
【0057】
ここで本実施形態では、I/Oステージ100上に複数のポッド101がある場合、1つ先に処理中である他のポッド101内の最終の未処理ウェハを、コントローラ108が、I/Oステージ100上のポッド101内から、第2の移載機122に搭載したとき、つまり、コントローラ108が基板搬送機構により前記未処理ウェハを搬出したときに、ホストコンピュータ等からの生産指示が発行されるようになっている。したがって、ウェハマッピング終了後のポッド101は、処理室における処理タイミングが近づくと、ポッドオープナ103により開放される。つまり、コントローラ108は、ウェハマッピング終了後のポッド101内のウェハに対して処理が開始されるタイミングを算出し、該算出したタイミングに従い、ウェハマッピング終了後のポッド101の蓋を開けるよう制御する。
【0058】
また、上述したように、I/Oステージ100上に複数のポッド101がある場合、1つ先に処理中である他のポッド101内の最終の未処理ウェハが、I/Oステージ100上のポッド101内から、第2の移載機122に搭載されたときに、ホストコンピュータ等からの生産指示が発行されるようになっている。これにより、生産指示があった場合は、ポッド101のキャップは閉塞されることなく開放された状態を保つので、他のポッド101の処理後にポッド101のキャップを開放する場合に比べて、スループットを向上できる。
【0059】
ちなみに本実施形態では、ポッド101のキャップを開放する動作時間は約10秒であり、キャップを閉塞する動作時間は約3秒であり、先に処理中であるポッド101内の最終の未処理ウェハがI/Oステージ100上のポッド101内から搬出されてから、次に処理するポッド101内の最初の未処理ウェハがI/Oステージ100上のポッド101内から搬出開始されるまでの時間は約20秒である。
【0060】
生産指示が発行されている場合は(ステップS6でYes)、そのポッド101のキャップは閉塞されることなく開放された状態を保ち、I/Oステージ100上の他のポッド101の処理が終了するまで待って(ステップS7)、ウェハに対する処理を開始する(ステップS8)。
こうして、コントローラ108は、ウェハマッピング終了時点において、ウェハマッピング終了後のポッド101内のウェハを基板処理開始するまでの時間が所定の時間よりも短い場合は、前記ウェハマッピング終了後のポッド101の蓋を開けた状態を維持し、前記基板処理開始するまでの時間が所定の時間よりも長い場合は、前記ウェハマッピング終了後のポッド101の蓋を閉じるよう制御する。
【0061】
上述の実施形態では、基板収容器が載置台に載置された場合に、図5の動作を行う蓋開閉制御プログラムを実行することにより実現されるポッド101のキャップ開閉動作について説明したが、図5の動作を行う蓋開閉制御プログラムを実行するか否かを選択できるよう構成することもできる。この選択は、操作者による操作部からの指示に基づき行うことができ、あるいは、前工程の内容により制御部が自動的に行うこともできる。
図5の動作を行う蓋開閉制御プログラムを実行するか否かを選択できる構成の例を、図6を用いて説明する。図6は、所定の前工程を行った場合に図5の蓋開閉動作を実行する構成例における制御部の動作フローチャートである。なお、この所定の前工程の内容は、例えば、操作者により予め設定され、操作部12の記憶部に記憶できるように構成される。
【0062】
図6において、コントローラ108は、蓋開閉制御プログラムが起動されると、操作部12の記憶部に記憶された所定の前工程の内容である設定条件を読み取る(ステップS21)。次に、ウェハ200を複数収容したポッド101がI/Oステージ100に載置されると、そのポッド101には前工程の内容の情報が、例えばバーコードにより添付されているので、コントローラ108は、この前工程の内容情報を、基板処理装置に装備されたバーコードリーダを用いて読み取る(ステップS22)。
【0063】
コントローラ108は、蓋開閉制御プログラムの実行条件を満足する否かを判断し(ステップS23)、蓋開閉制御プログラムの実行条件を満足する場合、つまり、操作部12に記憶されていた設定条件と、ポッド101に添付された前工程の内容情報とが一致する場合は(ステップS23でYes)、図5の動作を行う蓋開閉制御プログラムを実行する(ステップS24)。操作部12に記憶されていた設定条件と、ポッド101に添付された前工程の内容情報とが一致しない場合は(ステップS23でNo)、図5の動作を行う蓋開閉制御プログラムを実行することなく、ポッド101の蓋を開け、図5のステップS2と同様に、ウェハマッピング装置により、該ポッド101内のウェハ200のウェハマッピング状態を調べて確認する。その後、そのポッド101は、待機状態に入り生産指示待ちとなる(ステップS25)。
【0064】
以上説明した実施形態によれば、次の(1)〜(6)の効果を奏する。
(1)I/Oステージ100上に載置された第1のポッド101内のウェハを処理中に、第2のポッド101がI/Oステージ100上に載置された場合、第2のポッド101の蓋を開けて、第2のポッド101内のウェハに対してウェハマッピングが行われた後、再度、蓋を閉じるように制御されるので、第2のポッド101の蓋が開いたままで第2のポッド101内のウェハが大気に晒されることによるウェハ表面へのパーティクルの付着やウェハ表面への汚染等を抑制できる。
(2)処理中の第1のポッド101内の最終の未処理ウェハに対して基板処理が開始されると、待機中の前記第2のポッド101の蓋を開けるように制御されるので、第2のポッド101内のウェハに対して基板処理が開始される際に、第2のポッド101の蓋が開くのを待つことがなく、スループットを向上することができる。
(3)前記第2のポッド101内のウェハに対して基板処理が開始されるタイミングを算出し、この算出したタイミングに従い、第2のポッド101の蓋を開けるように制御されるので、第2のポッド101内のウェハに対して基板処理が開始される予定のタイミング前に、第2のポッド101の蓋を確実に開けておくことができる。
(4)I/Oステージ100上に他のポッド101が存在しない状態において、ウェハマッピング後に蓋を開けたまま所定時間、当該ポッド101内のウェハに対する基板処理命令(生産指示)を待つよう構成することができるので、無駄に蓋の開閉動作を行わないようにでき、スループットを向上することができる。
(5)ウェハマッピング後に蓋を閉じる制御を行うか否かを、操作者による操作部からの指示に基づき、選択が可能な構成とすることができる。このような構成により、例えば、ウェハ表面状態に応じて、蓋開閉制御プログラムを実行するか否かを選択することができる。ウェハ表面へのパーティクル付着が問題にならないプロセスの場合や、基板処理装置内の空気に晒されることによるウェハ表面に形成された膜の性質の変化が問題にならないプロセスの場合は、図5の蓋開閉制御プログラムを実行しないよう、柔軟に対応できる。
(6)ウェハマッピング後に蓋を閉じる制御を行うか否かを、前工程の内容に応じて自動的に選択が可能な構成となっているので、待機中の基板収容器内の基板に対し、前工程で基板表面に成膜した膜の性質が変化する問題を抑制できる。
(7)ウェハマッピング後に蓋を閉じる制御を行うか否かを、前工程の内容に応じて自動的に選択が可能な構成となっているので、特に図6のフローチャートによれば、操作部から設定された条件と前工程の内容とが一致した場合に、ウェハマッピング後に蓋を閉じる制御を行い、操作部から設定された条件と前工程の内容とが一致しない場合に、ウェハマッピング後に蓋を閉じる制御を行わないようにすることができる。従い、前工程の処理内容に関わらず、パーティクル低減と、スループット低下の抑制を実現できる。
【0065】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
また、本発明は、半導体製造装置だけでなく、LCD製造装置のようなガラス基板を処理する装置や、他の基板処理装置にも適用できる。基板処理の処理内容は、CVD、PVD、酸化膜、窒化膜、金属含有膜等を形成する成膜処理だけでなく、露光処理、リソグラフィ、塗布処理等であってもよい。
【0066】
本明細書には、少なくとも次の発明が含まれる。すなわち、第1の発明は、
基板を複数収容した基板収容器を複数載置する載置台と、
前記載置台に載置された基板収容器の蓋を開閉する蓋開閉部と、
蓋を開けられた基板収容器内の基板の有無又は位置を確認する基板確認を行う基板確認部と、
基板収容器内の基板を処理室へ搬送する基板搬送機構と、
前記基板搬送機構により搬送された前記処理室内の基板に対して処理を行う基板処理部と、
前記蓋開閉部と前記基板確認部と前記基板処理部と前記基板搬送機構を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記載置台に載置された第1の基板収容器内の基板を対象として前記基板処理部が基板処理中に、第2の基板収容器が前記載置台に載置された場合、前記第2の基板収容器の蓋を開けて、前記第2の基板収容器内の基板に対して前記基板確認部による基板確認を行い、該基板確認が終了すると、前記第2の基板収容器の蓋を閉じるよう制御する基板処理装置である。
【0067】
第2の発明は、前記第1の発明の基板処理装置であって、
前記制御部は、前記第1の基板収容器内の最終の未処理基板が前記基板搬送機構により搬出されると、あるいは、前記第2の基板収容器内の基板を基板処理開始するタイミングが近づくと、前記第2の基板収容器の蓋を開けるよう制御する基板処理装置である。
【0068】
第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明の基板処理装置であって、
前記制御部は、前記載置台に載置された第1の基板収容器内の基板を対象として前記基板処理部が基板処理中において、前記第2の基板収容器内の基板に対して前記基板処理が開始されるタイミングを算出し、該算出したタイミングに従い、前記第2の基板収容器の蓋を開けるよう制御する基板処理装置である。
【0069】
第4の発明は、前記第1の発明ないし第3の発明の基板処理装置であって、
前記制御部は、前記載置台に他の基板収容器が存在しない状態において、第2の基板収容器が前記載置台に載置された場合、前記第2の基板収容器の蓋を開けて、前記第2の基板収容器内の基板に対して前記基板確認部による基板確認を行い、該基板確認が終了すると、前記第2の基板収容器の蓋を閉じずに開けた状態を保つよう制御する基板処理装置である。
【0070】
第5の発明は、
基板を複数収容した基板収容器を複数載置する載置台と、
前記載置台に載置された基板収容器の蓋を開閉する蓋開閉部と、
蓋を開けられた基板収容器内の基板の有無又は位置を確認する基板確認を行う基板確認部と、
基板収容器内の基板を処理室へ搬送する基板搬送機構と、
前記基板搬送機構により搬送された前記処理室内の基板に対して処理を行う基板処理部と、
前記蓋開閉部と基板確認部と基板処理部と基板搬送機構を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記載置台に載置された第1の基板収容器内の基板を対象として前記基板処理部が基板処理中において、第2の基板収容器が前記載置台に載置された場合、前記第2の基板収容器の蓋を開けて、前記第2の基板収容器内の基板に対して前記基板確認部による基板確認を行い、該基板確認が終了したときに、前記第2の基板収容器の蓋を閉じるか否かを選択できるよう制御する基板処理装置である。
【0071】
第6の発明は、前記第5の発明の基板処理装置であって、
前記制御部は、前記載置台に載置された第1の基板収容器内の基板を対象として前記基板処理部が基板処理中において、第2の基板収容器が前記載置台に載置された場合、前記第2の基板収容器の蓋を開けて、前記第2の基板収容器内の基板に対して前記基板確認部による基板確認を行い、該基板確認が終了したときに、前記第2の基板収容器内の基板に対して当該基板処理装置の前工程で行われた処理に応じて、前記第2の基板収容器の蓋を閉じるか否かを選択するよう制御する基板処理装置である。
【0072】
第7の発明は、
基板を複数収容した基板収容器を複数載置する載置台と、
前記載置台に載置された基板収容器の蓋を開閉する蓋開閉部と、
蓋を開けられた基板収容器内の基板の有無又は位置を確認する基板確認を行う基板確認部と、
基板収容器内の基板を処理室へ搬送する基板搬送機構と、
前記基板搬送機構により搬送された前記処理室内の基板に対して処理を行う基板処理部と、
操作者からの指示を受け付ける操作部と、
前記蓋開閉部と前記基板確認部と前記基板処理部と前記基板搬送機構と前記操作部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記載置台に載置された第1の基板収容器内の基板を対象として前記基板処理部が基板処理中において、第2の基板収容器が前記載置台に載置された場合、前記第2の基板収容器の蓋を開けて、前記第2の基板収容器内の基板に対して前記基板確認部による基板確認を行い、該基板確認が終了したときに、前記第2の基板収容器の蓋を閉じるか否かを、前記操作部からの指示に基づき選択するよう制御する基板処理装置である。
【0073】
第8の発明は、
基板を複数収容した基板収容器を載置台へ載置する載置工程と、
前記載置工程後に前記載置台に載置された基板収容器の蓋を開ける第1の開放工程と、
前記第1の開放工程により蓋を開けられた基板収容器内の基板に対して基板の有無又は位置の確認を行う確認工程と、
前記確認工程後に前記基板収容器の蓋を閉じる閉塞工程と、
前記閉塞工程後に前記基板収容器の蓋を開ける第2の開放工程と、
前記第2の開放工程により蓋を開けられた基板収容器内の基板を処理室へ搬送する基板搬送工程と、
前記基板搬送工程により処理室へ搬送された基板に対して所定の処理を行う基板処理工程と、
を備える半導体装置の製造方法である。
【0074】
第9の発明は、
基板を複数収容した基板収容器を載置台へ載置する載置工程と、
前記載置工程後に前記載置台に載置された基板収容器の蓋を開ける第1の開放工程と、
前記第1の開放工程により蓋を開けられた基板収容器内の基板に対して基板の有無又は位置の確認を行う確認工程と、
前記確認工程後に前記基板収容器の蓋を閉じる閉塞工程と、
前記閉塞工程後に前記基板収容器の蓋を開ける第2の開放工程と、
前記第2の開放工程により蓋を開けられた基板収容器内の基板を処理室へ搬送する基板搬送工程と、
を備える基板搬送方法である。
【0075】
第10の発明は、
第1の基板収容器内の基板を基板処理中に、第2の基板収容器の蓋を開けて、前記第2の基板収容器内の基板の有無又は位置を確認する基板確認を行う基板確認工程と、
前記基板確認工程終了時点において、前記第2の基板収容器内の基板を基板処理開始するまでの時間が所定の時間よりも短い場合は、前記第2の基板収容器の蓋を開けた状態を維持し、前記基板処理開始するまでの時間が所定の時間よりも長い場合は、前記第2の基板収容器の蓋を閉じる蓋開閉制御工程と、
を含む基板処理装置制御プログラムである。
【0076】
第11の発明は、
第1の基板収容器内の基板を基板処理中に、第2の基板収容器の蓋を開けて、前記第2の基板収容器内の基板の有無又は位置を確認する基板確認を行った後に、
前記第2の基板収容器の蓋を閉じる蓋閉塞工程と、
前記蓋閉塞工程の後、前記第2の基板収容器内の基板を基板処理開始するタイミングが近づくと、前記第2の基板収容器の蓋を開ける蓋開放工程と、
を含む基板収容器の蓋開閉制御プログラムである。
【0077】
第12の発明は、前記第1の発明の基板処理装置であって、
前記制御部は、前記基板確認終了時点において、前記第2の基板収容器内の基板を基板処理開始するまでの時間が所定の時間よりも短い場合は、前記第2の基板収容器の蓋を開けた状態を維持し、前記基板処理開始するまでの時間が所定の時間よりも長い場合は、前記第2の基板収容器の蓋を閉じるよう制御する基板処理装置である。
【符号の説明】
【0078】
12・・操作部、13・・統括制御コントローラ、13a・・真空ロボットコントローラ、13b・・大気ロボットコントローラ、13c・・MFC、14・・PMC(1)、14a・・MFC、14b・・APC、14c・・温度調節器、14d・・バルブI/O、15・・PMC(2)、16・・LAN、18・・表示部、100・・I/Oステージ、101・・ポッド、102・・キャップ開閉機構、103・・ポッドオープナ、104・・ウェハ搬入搬出口、105・・ドア、106・・クリーンユニット、107・・ノッチ合わせ装置、108・・制御部(コントローラ)、110・・第1搬送室、111・・第1の搬送筐体、112・・第1のウェハ移載機、113・・エレベータ、120・・第2搬送室、121・・第2搬送室筐体、122・・第2のウェハ移載機、123・・エレベータ、124・・リニアアクチュエータ、130・・ゲートバルブ、131・・ロードロック室、132・・基板置き台、133・・基板置き台、134・・ゲートバルブ、140・・ゲートバルブ、141・・ロードロック室、142・・基板置き台、143・・基板置き台、144・・ゲートバルブ、150・・第1処理部、151・・第2処理部、152・・第3処理部、153・・第4処理部、160・・ゲートバルブ、161・・ゲートバルブ、162・・ゲートバルブ、163・・ゲートバルブ、200・・ウェハ、400・・プラズマ処理装置、402・・処理室、404・・真空容器、406・・ウェハ搬入搬出口、408・・ゲートバルブ、410・・排気ライン、412・・排気コンダクタンス調整弁、414・・排気コンダクタンス調整弁制御装置、416・・圧力センサ、418・・コントローラ、420・・アノード電極、422・・シャワー板、424・・ガス通路、426・・吹出口、428・・ガス導入ライン、430・・カソード電極、432・・高周波発振器、434・・インピーダンス整合器、436・・通信線、438・・電圧計、442・・記憶装置、444・・表示装置、446・・入力装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を複数収容した基板収容器を複数載置する載置台と、
前記載置台に載置された基板収容器の蓋を開閉する蓋開閉部と、
蓋を開けられた基板収容器内の基板の有無又は位置を確認する基板確認を行う基板確認部と、
基板収容器内の基板を処理室へ搬送する基板搬送機構と、
前記基板搬送機構により搬送された前記処理室内の基板に対して処理を行う基板処理部と、
前記蓋開閉部と前記基板確認部と前記基板処理部と前記基板搬送機構を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記載置台に載置された第1の基板収容器内の基板を対象として前記基板処理部が基板処理中に、第2の基板収容器が前記載置台に載置された場合、前記第2の基板収容器の蓋を開けて、前記第2の基板収容器内の基板に対して前記基板確認部による基板確認を行い、該基板確認が終了すると、前記第2の基板収容器の蓋を閉じるよう制御する基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された基板処理装置であって、
前記制御部は、前記基板確認終了時点において、前記第2の基板収容器内の基板を基板処理開始するまでの時間が所定の時間よりも短い場合は、前記第2の基板収容器の蓋を開けた状態を維持し、前記基板処理開始するまでの時間が所定の時間よりも長い場合は、前記第2の基板収容器の蓋を閉じるよう制御する基板処理装置。
【請求項3】
基板を複数収容した基板収容器を載置台へ載置する載置工程と、
前記載置工程後に前記載置台に載置された基板収容器の蓋を開ける第1の開放工程と、
前記第1の開放工程により蓋を開けられた基板収容器内の基板に対して基板の有無又は位置の確認を行う確認工程と、
前記確認工程後に前記基板収容器の蓋を閉じる閉塞工程と、
前記閉塞工程後に前記基板収容器の蓋を開ける第2の開放工程と、
前記第2の開放工程により蓋を開けられた基板収容器内の基板を処理室へ搬送する基板搬送工程と、
前記基板搬送工程により処理室へ搬送された基板に対して処理を行う基板処理工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
【請求項4】
第1の基板収容器内の基板を基板処理中に、第2の基板収容器の蓋を開けて、前記第2の基板収容器内の基板の有無又は位置を確認する基板確認を行う基板確認工程と、
前記基板確認工程終了時点において、前記第2の基板収容器内の基板を基板処理開始するまでの時間が所定の時間よりも短い場合は、前記第2の基板収容器の蓋を開けた状態を維持し、前記基板処理開始するまでの時間が所定の時間よりも長い場合は、前記第2の基板収容器の蓋を閉じる蓋開閉制御工程と、
を含む基板処理装置制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−231117(P2012−231117A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−8958(P2012−8958)
【出願日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】