説明

基板処理装置及び基板処理方法

【課題】基板上に複数の薬液や気体を供給して、基板を洗浄乾燥する基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置100において、基板が在置されるチャックを持つ基板支持機構110と、上部が開放されて、チャック周辺を囲むように配置された下部チャンバー120と、基板に対する乾燥工程が外部と隔離された状態で進行されるように下部チャンバー120の上部を開閉する上部チャンバー130と、上部チャンバー130のエッジに設置され、乾燥流体が基板に間接憤射されるように上部チャンバーの中心へ向かって、乾燥流体を憤射する間接憤射ノズル140と、を含むことを特徴とする基板処理装置100。このような構成の基板洗浄装置は、基板の乾燥効率の増大及び外部汚染の遮断そして酸化膜の防止などの効果を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に関し、より詳細には、基板上に薬液や気体を供給して、基板を洗浄乾燥する基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体製造工程では、絶縁膜及び金属物質の蒸着(Deposition)、エッチング(Etching)、感光剤(Photo−resist)の塗布(Coating)、現象(Develop)、アッシャー(Asher)除去などが数回に反復されて微細なパターン(Patterning)の配列を作ることになり、それぞれの工程で発生する異質物の除去のための工程には、純水(Deionized Water)又は、薬液(Chemical)を利用した洗浄工程(Wet Cleaning Process)を実行する。
【0003】
一般的な洗浄乾燥装置は、一枚のウェハを処理できるウェハチャック(Wafer Chuck)にウェハを固定させた後、モーターによってウェハを回転させながら、ウェハの上部から憤射ノズルを通じて薬液又は純水を流させて、ウェハの回転力によって薬液又は純水がウェハの全面に広がるようにする工程が実行されるようになっている。
【0004】
これと共に、枚葉式洗浄乾燥装置では、純水を利用したリンス処理後にNガスで乾燥する方式によって洗浄乾燥工程が実行されるようになっている。
【0005】
しかしながら、ウェハが大型になることや、ウェハ上に形成されたパターンが微細化されることによって、洗浄工程で使われた純水が完全に除去されないで未乾燥になる現象が発生している。また、ウェハが大気中に露出された状態で洗浄及び乾燥が実行されるため、外部環境に多くの影響が与えられ、乾燥不良が発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためのものであって、その目的は、迅速な基板乾燥が可能な基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、外部汚染源から基板を保護できる基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、基板乾燥工程で発生する水斑点を最小化できる基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、外部環境からの影響を最小化できる基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するために本発明の一実施の形態によれば、基板処理装置において、基板が在置されるチャックを有する基板支持機構と、上部が開放され、チャック周辺を囲むように配置された下部チャンバーと、基板に対する乾燥工程が外部と隔離された状態で進行されるように下部チャンバーの上部を開閉する上部チャンバーと、上部チャンバーのエッジに設置され、乾燥流体が基板に間接憤射されるように上部チャンバーの中心へ向かって、乾燥流体を憤射する間接憤射ノズルと、を含むことに特徴がある。
【0011】
本発明の望ましい実施の形態によれば、上部チャンバーは、中心へ集まった乾燥流体が抜け出る中央開口と、中央開口を通じて抜け出る乾燥流体が基板の中心からエッジに次第に広がりながら流れるように乾燥流体を案内する案内面と、をさらに含む。
【0012】
本発明の望ましい実施の形態によれば、案内面は、エッジに向うほど基板と近づくように下降傾斜する。
【0013】
本発明の望ましい実施の形態によれば、上部チャンバーは、基板の中心からエッジ方向に徐々に空間が狭くなるように下降傾斜する案内面と、をさらに含む。
【0014】
本発明の望ましい実施の形態によれば、上部チャンバーは、間接憤射ノズルから憤射される乾燥流体を中央の開口に案内する環形空間と、をさらに含み、間接憤射ノズルは、環形空間のエッジ部に沿ってリング形状に設置される。
【0015】
本発明の望ましい実施の形態によれば、環形空間は、間接憤射ノズルから憤射される乾燥流体が上方へ傾きながら流れるように間接憤射ノズルが設置されたエッジ部が中央部より低い。
【0016】
本発明の望ましい実施の形態によれば、上部チャンバーは、間接憤射ノズルが設置された環形空間と基板との間に位置されて、間接憤射ノズルから落ちる異質物から基板を保護する突出壁と、をさらに含む。
【0017】
本発明の望ましい実施の形態によれば、上部チャンバーは、基板から飛散される水粒子及び乾燥流体が下部チャンバーの壁に向うリバウンドを防止するために基板のエッジとは、0.5cm−2cmの間隔を維持する。
【0018】
本発明の望ましい実施の形態によれば、下部チャンバーは、基板上で飛散される薬液と空気を流入及び吸入する環形の吸入ダクトが多端に配置されている。
【0019】
本発明の望ましい実施の形態によれば、チャックは、吸入ダクトの高さに従って昇降される。
【0020】
本発明の望ましい実施の形態によれば、チャックは、基板を上向きに離隔された状態で支持する支持機構を含む。
【0021】
本発明の望ましい実施の形態によれば、基板処理装置は、チャックに設置されて、基板の背面を洗浄及び乾燥するための流体を憤射するバックノズル部をさらに含む。
【0022】
本発明の望ましい実施の形態によれば、乾燥流体は、有機溶剤及び窒素ガスを含む。
【0023】
上述した目的を達成するために本発明の他の一実施の形態によれば、基板処理装置において、基板が在置されるチャックを有する基板支持機構と、内部に基板支持機構のチャックが位置され、基板に対する乾燥工程が外部と隔離された状態で進行されるように密閉空間を提供するチャンバーと、チャンバーに設置され、乾燥流体が基板表面に直接憤射されないようにチャンバーの中心へ向かって、乾燥流体を憤射する間接憤射ノズルと、を含むことに特徴がある。
【0024】
本発明の望ましい実施の形態によれば、チャンバーは、下部チャンバーと上部チャンバーとで成り立ち、上部チャンバーは、間接憤射ノズルから憤射される乾燥流体が上部チャンバーの中央へ向かうように案内する環形空間と、環形空間に沿って上部チャンバーの中央へ集まった乾燥流体が基板へ向かって抜け出す中央開口と、中央開口を通じて抜け出る乾燥流体が基板の中心からエッジに次第に広がるように乾燥流体を案内する案内面と、を含む。
【0025】
本発明の望ましい実施の形態によれば、間接憤射ノズルは、憤射方向が上部チャンバーのエッジ部から上部チャンバーの中心部へ向かう。
【0026】
本発明の望ましい実施の形態によれば、上部チャンバーは、間接憤射ノズルを通じて、上部チャンバーの中心へ憤射された乾燥流体が基板へ向かって抜け出す中央開口をさらに含む。
【0027】
上述した目的を達成するために本発明の他の一実施の形態によれば、基板処理方法において、下部チャンバーの内側に位置するチャックに基板をローディングし、チャックにローディングされた基板へ薬液を供給して、基板を薬液処理し、上部チャンバーが下部チャンバーの開放された上部を密閉した状態で上部チャンバーに設置された間接憤射ノズルから間接憤射される乾燥流体によって、基板を乾燥することを含むことに特徴がある。
【0028】
本発明の望ましい実施の形態によれば、上部チャンバーが下部チャンバーを密閉する前に上部チャンバーの内部を吹きだす乾燥流体の雰囲気で維持する。
【0029】
本発明の望ましい実施の形態によれば、基板乾燥は、乾燥流体が上部チャンバーのエッジから中心へ向かって憤射され、前記上部チャンバーの中心へ集められた乾燥流体は、中心に形成された中央開口を通じて、基板へ向かって抜け出し、中央開口を通じて抜け出る乾燥流体は、基板の中心からエッジに次第に広がりながら、基板表面を乾燥する。
【0030】
上述した目的を達成するために本発明の他の一実施の形態によれば、基板処理装置において、基板が在置されるチャックを有する基板支持機構と、上部が開放されて、チャック周辺を囲むように構成された下部チャンバーと、基板に対する乾燥工程が外部空気を遮断された密閉空間で進行されるように下部チャンバーの上部を密閉する上部チャンバーと、を含むことに特徴がある。
【0031】
本発明の望ましい実施の形態によれば、基板処理装置は、上部チャンバーに設置され、乾燥流体が基板に間接憤射されるように上部チャンバーの中心へ向かって、乾燥流体を憤射する間接憤射ノズルと、をさらに含む。
【0032】
本発明の望ましい実施の形態によれば、上部チャンバーは、間接憤射ノズルから憤射された乾燥流体が抜け出る前記中央開口と、中央開口を通じて抜け出る乾燥流体が基板の中心からエッジに次第に広がりながら流れるように乾燥流体を案内する案内面と、をさらに含む。
【0033】
本発明の望ましい実施の形態によれば、上部チャンバーは、間接憤射ノズルから落ちる異質物から基板を保護する突出壁と、をさらに含む。
【0034】
本発明の望ましい実施の形態によれば、基板は、半導体ウェハ、プラズマディスプレーパネル(plasma display panel :PDP)、液晶ディスプレー(liquid crystal display :LCD)、電界発光素子(field emission display :FED)及び有機発光素子(organic light emitting device : OLED)の製造に使われる基板である。
【発明の効果】
【0035】
本発明の基板処理装置によれば、迅速な基板乾燥ができる。
【0036】
また、本発明の基板処理装置によれば、乾燥流体を基板に間接憤射させ、蒸流気流が全面的に維持できるので、乾燥流体の濃度分布を均一に維持することができる。
【0037】
また、本発明の基板処理装置によれば、間接憤射ノズルが上部に向かっているので、異質物が基板に落ちることを防止できる。
【0038】
また、本発明の基板処理装置によれば、基板乾燥の際に、外部汚染源から基板を保護することができる。
【0039】
また、本発明の基板処理装置によれば、基板乾燥工程で発生する水斑点を最小化することができる。
【0040】
また、本発明の基板処理装置によれば、基板乾燥の際に、外部環境から影響を最小化することができる。
【0041】
また、本発明の基板処理装置によれば、基板が空気と接触することを防止できる。
【0042】
さらに、本発明の基板処理装置によれば、基板乾燥のために供給される流体の濃度及び温度変化を最小することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明の実施の形態は、様々な形態に変形されることができ、本発明の範囲は、以下に詳説する実施の形態によって限定されるものと解析してはならない。本発明の実施の形態は、当業者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面での要素の形状などは、より明確な説明を強調するために誇張されたものである。
【0044】
以下、本発明の実施の形態について添付された図1乃至図6に基づいて、詳細に説明する。また、前記図面で同じ機能を実行する構成要素に対しては、同じ参照番号を併記する。
【0045】
本発明は、基板の乾燥効率を増大及び外部汚染の遮断、そして酸化膜の防止などの効果を得ることができる基板処理装置を提供する。このために本発明は、基板の乾燥工程が大気圧以下で処理されるように基板処理空間を外部と隔離できる上下分離構造のチャンバー(上部チャンバーと下部チャンバーとで構成される。)と、基板で乾燥流体を間接憤射できる上部チャンバーと、チャンバーの処理空間を減圧するための減圧機構とを持つことがその特徴である。
【0046】
図1は、本発明の実施の形態に係る基板処理装置100を概略的に示した図面である。図2は、本発明の実施の形態に係る基板処理装置100において、下部チャンバーが部分的に開放された状態を示した図面である。図3は、本発明の実施の形態に係る基板処理装置100において、下部チャンバーが全体的に開放された状態を示した図面である。
【0047】
図1乃至図3を参照すれば、基板処理装置100は、基板Wをスピニングしながら薬液洗浄、リンス、そして乾燥などの処理工程を実行する。
【0048】
基板処理装置100は、基板Wが在置されるチャック112を有する基板支持機構110と、下部チャンバー(lower chamber)120と、上部チャンバー(upper chamber)130と、薬液ノズル機構160と、減圧部170とを含む。
【0049】
基板支持機構110は、処理工程時基板Wを支持する。基板支持機構110は、チャック112と、スピンドル(spindle)114と、回転部116と、昇降部117と、バックノズル部118とを持つ。
【0050】
チャック112は、下部チャンバー120の内側空間に配置される。チャック112は、上部に基板Wがローディング(loading)される上部面112aと、上部面112aから離隔された状態で基板Wを支持する支持ピン113aと、基板Wを固定するチャッキングピン113bとを持つ。チャッキングピン113bは、基板Wをチャック112の上部面112aから離隔された状態を支持しながら、チャッキングピン113bは、工程進行の時、基板Wのエッジ一部をチャッキングする。
【0051】
スピンドル114は、チャック112の中央下部と結合する。スピンドル130は、その内部が空いている中空き軸(hollow shaft)形態で、回転部116の回転力をチャック112に伝達する。詳細に示されなかったが、回転部116は、回転力を発生するモーターのような駆動部と、駆動部から発生した回転力をスピンドル130に伝達するベルト、チェーンと同じ動力伝達部などの通常の構成で成り立つことができる。
【0052】
昇降部117は、工程に使われる流体種類によって(又は、処理工程によって)下部チャンバー120内でチャック112の相対高さが変化するようにチャック112を上下に移動させるためのものである。昇降部117によってチャック112は、使われる流体の種類(または、処理工程)に従って、後述する第1、2、3吸入ダクト122a、122b、122cに対応される高さに移動する。詳述した例では、下部チャンバー120が固定されて、洗浄工程、リンス工程と、乾燥工程など(または、使われる流体種類)によりチャック112が上下に移動することを説明した。しかしながら、これとは、反対にチャック112が固定されて、下部チャンバー120が上下に移動することもできる。
【0053】
バックノズル部118は、基板Wの底面で洗浄及び乾燥のための流体を選択的に憤射するためのもので、バックノズル部118は、スピンドル114の中空部分(hollow section)を通る流体の移動経路の供給管118aとチャック112の上面の中心へ設置されたノズル118bを含む。ノズル118bは、供給管118aと連結して、チャック112の中央部に露出して、基板W背面に洗浄及び乾燥のための流体を憤射して、基板Wの背面洗浄及び乾燥を実行する。供給管118aは、所定の配管で構成されることができて、または、スピンドル114の内部の管形態で空いている空間で定義されることができる。ノズル118bを通じて、基板Wの背面中央部で憤射される流体は、基板Wの回転によって、基板Wのエッジで簡単に分散する。
【0054】
下部チャンバー120は、上部が開放され、そしてチャック112周辺を囲むように配置され、回転する基板W上で飛散される流体を流入及び吸入する環形の第1、2、3吸入ダクト122a、122b、122cが多端に配置されながら、強制排気が行われるように真空ライン174と連結する排気ポート124を持つ。図示しないが、下部チャンバー120には、薬液回収のための複数の排出ラインを連結する。
【0055】
図1、図4及び図5を参照すれば、上部チャンバー130は、下部チャンバー120の上部を開放或いは、閉鎖する上部カップ132と、上部カップ132に設置されて、乾燥のための流体を基板Wへの間接憤射する間接憤射ノズル140と、上部カップ132が下部チャンバー120の上部を開放或いは、閉鎖するように上部カップ132を駆動させる開閉駆動部138とを含む。
【0056】
上部カップ132は、下部チャンバー120上部を充分にカバーできる大きさで、環形空間134と、中央開口135と、案内面136と、突出壁137とを持つ。環形空間134は、間接憤射ノズル140が設置されるエッジ部134aと、エッジ部134aより高い中央部134bでなりたつ傘形状の空間で、間接憤射ノズル140から憤射される乾燥流体を中心へ案内するために傾斜した通路134cとを持つ。
【0057】
間接憤射ノズル140は、環形空間134のエッジ部134aに設置されるリング状の形態になっているし、間接憤射ノズル140は、一定の間隔毎に複数の憤射口142が形成されるのに、複数の憤射口142は、上方向で乾燥流体を憤射するように形成される。乾燥流体は、間接憤射ノズル140の複数の憤射口142を通じて、憤射された後、環形空間134に沿って環形空間の中央部134b(上部カップの中央)に向かう。
【0058】
環形空間134の中央部134bから集まった乾燥流体は、中央開口135を通じて、処理空間aに抜け出ることになる。突出壁137は、間接憤射ノズル140から憤射される乾燥流体が流れる環形空間134と、基板Wの処理空間aとの間に位置する突出の部分であり、この突出壁137は、間接憤射ノズル140から落ちる異質物から基板Wを保護することになる。
【0059】
参考に、乾燥流体は、有機溶剤(IPA)及び窒素ガス(N)が含まれるし、有機溶剤及び窒素ガスは、30度以上90度未満の温度で加熱したものを使うことができる。
【0060】
上述した通り、本発明は、乾燥流体が基板Wへ間接憤射されることによって蒸流気流を全面的に維持することができ、基板W表面に直接憤射する従来スイングノズル方式に比べ、乾燥流体の濃度分布を均一に維持することができる。特に、間接憤射ノズル140が環形空間134のエッジ部(内側のくぼみに入った空間)134aに位置されることによって間接憤射ノズル140の複数の憤射口142から落ちる異質物が基板Wに落ちることを防止することができる。
【0061】
一方、上部カップ132の案内面136は、中央からエッジ方向に徐々に高さが低くなるように下降傾斜する構造をとっている。案内面136は、中央開口135を通じて抜け出る乾燥流体が基板Wの中心からエッジに次第に拡散されながら(広がりながら)流れるように乾燥流体を案内する。このような構造の案内面136は、基板Wの中心に比べ、エッジに向うほど乾燥流体の密度を低くなることを防止するためのものとして、上部カップ132の案内面136は、基板Wの中心よりエッジに向うほど狭くなる処理空間aを提供する。
【0062】
このように基板W上部の処理空間aは、中央からエッジに向うほど狭くなるため、基板Wの中央からエッジに流れる乾燥流体の密度は、エッジに向うほど高まることになる。また、乾燥流体は、基板Wの中心からエッジに次第に拡散されながら(広がりながら)流れるため基板W全面に均一に提供される。
【0063】
特に、流体の移動通路になる基板W上部の処理空間aは、エッジに向うほど狭くなるから、乾燥流体は、基板W中心より基板Wエッジに向うほど早く移動することになる。従って、基板W表面に残留するパーティクルの除去効率及び水分除去効率が向上することができる。
【0064】
上部チャンバー130は、下部チャンバー120と接する上部カップ132の側面に基板Wが処理される空間を密閉するようにシーリング部133が設置される。
【0065】
減圧機構170は、下部チャンバー120と上部チャンバー130との結合によって形成される密閉された処理空間aを減圧するためのものである。減圧機構170は、真空ポンプ172と、一端が真空ポンプ172に連結され、他端は、下部チャンバー120の排気ポート124に連結される真空ライン174とを持つ。
【0066】
上述した通り、本発明の基板処理装置100は、上部チャンバー130により基板Wの処理空間aが外部と隔離されるだけでなく、外部と隔離された基板Wの処理空間(密閉空間:a)が大気圧以下に減圧されることができる構造的な特徴も持つ。このような構造的な特徴によれば、基板Wの乾燥工程で外部環境による影響を最小化することができ、迅速な基板乾燥ができる。
【0067】
図示しないが、下部チャンバー120と基板支持機構110のチャック112は、相対的にまたは、個別的に昇降するように構成され、これらを昇・下降させた状態で基板Wを基板支持機構110のチャック112にローディングしたり、処理が終わった基板Wをアンローディングしたりすることができる。
【0068】
図1及び図3を参照すれば、薬液ノズル機構160は、基板Wの上面に洗浄のための流体及びリンスのための流体を憤射するためのものとして、薬液ノズル機構160は、ノズル移動部164によって下方向に直線移動し、ウェハの中心上部で下部チャンバー120の外側に回転移動するノズル162を含む。ノズル移動部164は、ノズル162が結びつく水平支持台166とこれに結びつきながら、モーター(図示しない)によって回転可能な垂直支持台168を持つ。
【0069】
これと共に、本発明の基板処理装置100は、基板Wの洗浄及び乾燥方式によって複数の憤射口の数或いは、複数の憤射口に供給される流体の種類を変更することができ、憤射口とのあいだの間隔も変更されることができる。例えば、洗浄のための流体には、脱イオン水とフッ化水素酸溶液とが混合された混合液、脱イオン水、アンモニア溶液と過酸化水溶液が混合された混合液などが使われ、乾燥のための流体には、イソプロフィルアルコール蒸気と窒素ガスの混合ガス、窒素ガスなどが使われることができる。
【0070】
図5に示したように、乾燥工程が進行される時、上部カップ132のエッジと基板Wとの間隔は、基板Wから飛散される水粒子及び乾燥流体が下部チャンバーの壁にむかってリバウンドすることを防止するために最小0.5cm、最大2cm離隔されることが望ましい。
【0071】
以下、前記のような基板処理装置100を使って、基板Wを洗浄乾燥する工程について説明する。
【0072】
図6は、本発明の実施の形態に従う基板処理方法を示した流れ図である。
【0073】
図1乃至図6を参照すれば、工程S110において、基板Wは、下部チャンバー120の開放された上部を通じて、チャック112にローディングされる。基板Wは、複数の支持ピン113aによって支持された状態で複数のチャッキングピン113bによってチャッキングされる。基板Wは、回転部116の動作によって、チャック112と共に回転する。以後、工程S120において、回転する基板Wは、薬液ノズル機構160のノズル162を通じて、憤射される流体によって、洗浄及びリンス処理される(図3参照)。
【0074】
工程S130において、基板Wの洗浄及びリンス処理が完了されると、基板Wに対する乾燥処理が進行される。基板Wの乾燥処理は、基板W表面に水斑点が発生しないように速かにそして大気圧以下の環境で進行される。
【0075】
乾燥工程を詳しく説明すると、工程S132において、先に下部チャンバー120の上部は、上部カップ132によって密閉される。工程S134において、上部チャンバー130と下部チャンバー120によって密閉された処理空間aは、減圧機構170によって大気圧以下に減圧される。工程S136において、処理空間aが大気圧以下に減圧されると、基板Wは、間接憤射ノズル140を通じて、間接憤射される乾燥流体によって乾燥される。ここで、乾燥流体は、処理空間aが減圧されること以前(上部チャンバーが下部チャンバーを密閉させるために移動する瞬間)から間接憤射ノズル140を通じて提供することができる。一方、間接憤射ノズル140は、突出壁137によって遮断された環形空間134のエッジ部134aに位置されて、憤射口142が上方へ向かうため、憤射口142から落ちる異質物によって基板Wの汚染を防止することができる。
【0076】
乾燥流体は、間接憤射ノズル140の憤射口142を通じて、憤射された後環形空間134について環形空間の中央部134b(上部カップの中央)に集まることになる。環形空間134の中央部134bから集まった乾燥流体は、中央開口135を通じて、処理空間aに抜け出ることになる。中央開口135を通じて抜け出る乾燥流体は、回転する基板Wの中心からエッジに次第に拡散されながら(広がりながら)基板W表面を速かにそして均一に乾燥させる。
【0077】
本発明では、基板Wの上面と底面とを同時に洗浄及び乾燥することができる。基板Wの底面洗浄及び乾燥は、基板Wが回転する状態で、バックノズル部150のノズル152を通じて、基板W上部で提供される流体と同じ流体が基板Wの底面に供給されながら成り立つ。
【0078】
基板W乾燥工程が完了されると、工程S140において、下部チャンバー120の上部開放のために上部チャンバー130の上部カップ132は、図2に示された位置まで上昇された後、図3に示された位置に移動する。工程S150において、基板Wは、チャック112が停止した状態でチャック112からアンローディンデングする。
【0079】
本発明は、基板Wを液状(または、気体状態)の流体で処理するすべての設備に適用できる。このような実施の形態の中で望ましい実施の形態として半導体洗浄工程で使われる回転型洗浄装置を例をあげて説明した。本発明は、回転型エッチング装置(rotary etching apparatus)等にも使われることができる。
【0080】
以上で、本発明に従う基板処理装置の構成及び作用は、上述した説明及び図面により図示したが、例として説明したことに過ぎないし、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な変化及び変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態に従う基板処理装置を概略的に示す図面である。
【図2】本発明の実施の形態に従う基板処理装置において、下部チャンバーが部分的に開放された状態を示す図面である。
【図3】本発明の実施の形態に従う基板処理装置において、下部チャンバーが全体的に開放された状態を示す図面である。
【図4】上部チャンバーを示す図面である。
【図5】上部チャンバーの第1ノズルらから憤射される乾燥流体の流れを示す図面である。
【図6】本発明の実施の形態に従う基板処理方法を示した流れ図である。
【符号の説明】
【0082】
100 基板処理装置
110 基板支持機構
120 下部チャンバー
130 上部チャンバー
140 間接憤射ノズル
160 薬液ノズル機構
170 減圧機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置において、
基板が在置されるチャックを有する基板支持機構と、
上部が開放され、前記チャック周辺を囲むように配置された下部チャンバーと、
前記基板に対する乾燥工程が外部と隔離された状態で進行されるように前記下部チャンバーの上部を開閉する上部チャンバーと、
前記上部チャンバーのエッジに設置され、乾燥流体が前記基板に間接憤射されるように前記上部チャンバーの中心へ向かって、乾燥流体を憤射する間接憤射ノズルと、
を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記上部チャンバーは、中心へ集まった乾燥流体が抜け出る中央開口と、
前記中央開口を通じて抜け出る乾燥流体が前記基板の中心からエッジに次第に広がりながら流れるように乾燥流体を案内する案内面と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記案内面は、エッジに向うと前記基板と近づくように下降傾斜したことを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記上部チャンバーは、前記基板の中心からエッジ方向に徐々に空間が狭くなるように下降傾斜する案内面と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記上部チャンバーは、前記間接憤射ノズルから憤射される乾燥流体を前記中央の開口に案内する環形空間と、をさらに含み、
前記間接憤射ノズルは、前記環形空間のエッジ部に沿ってリング形状に設置されることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記環形空間は、前記間接憤射ノズルから憤射される乾燥流体が上方へ傾きながら流れるように前記間接憤射ノズルが設置されたエッジ部が中央部より低いことを特徴とする請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記上部チャンバーは、前記間接憤射ノズルが設置された前記環形空間と前記基板との間に位置されて、前記間接憤射ノズルから落ちる異質物から前記基板を保護する突出壁と、
をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記上部チャンバーは、前記基板から飛散される水粒子及び乾燥流体が前記下部チャンバーの壁に向うリバウンドを防止するために基板のエッジとは、0.5cm−2cmの間隔を維持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記下部チャンバーは、前記基板上で飛散される薬液と空気を流入及び吸入する環形の吸入ダクトが多端に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記チャックは、前記吸入ダクトの高さに従って昇降されることを特徴とする請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記チャックは、基板を上向きに離隔された状態で支持する支持機構を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記基板処理装置は、前記チャックに設置されて、前記基板の背面を洗浄及び乾燥するための流体を憤射するバックノズル部と、
をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記乾燥流体は、有機溶剤及び窒素ガスを含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項14】
基板処理装置において、
基板が在置されるチャックを有する基板支持機構と、
内部に前記基板支持機構のチャックが位置され、前記基板に対する乾燥工程が外部と隔離された状態で進行されるように密閉空間を提供するチャンバーと、
前記チャンバーに設置され、乾燥流体が前記基板表面に直接憤射されないように前記チャンバーの中心へ向かって、乾燥流体を憤射する間接憤射ノズルと、
を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項15】
前記チャンバーは、下部チャンバーと上部チャンバーで成り立ち、前記上部チャンバーは、前記間接憤射ノズルから憤射される乾燥流体が前記上部チャンバーの中央へ向かうように案内する環形空間と、
前記環形空間に沿って前記上部チャンバーの中央へ集まった乾燥流体が前記基板へ向かって抜け出す中央開口と、
前記中央開口を通じて抜け出る乾燥流体が前記基板の中心からエッジに次第に広がるように乾燥流体を案内する案内面と、
を含むことを特徴とする請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記間接憤射ノズルは、憤射方向が前記上部チャンバーのエッジ部から前記上部チャンバーの中心部へ向かうことを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記上部チャンバーは、前記間接憤射ノズルを通じて、前記上部チャンバーの中心へ憤射された乾燥流体が前記基板へ向かって抜け出す前記中央開口と、
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項18】
基板処理方法において、
下部チャンバーの内側に位置するチャックに基板をローディングし、
前記チャックにローディングされた前記基板へ薬液を供給して、前記基板を薬液処理し、
上部チャンバーが前記下部チャンバーの開放された上部を密閉した状態で前記上部チャンバーに設置された間接憤射ノズルから間接憤射される乾燥流体によって、前記基板を乾燥することを特徴とする基板処理方法。
【請求項19】
前記上部チャンバーが前記下部チャンバーを密閉する前に前記上部チャンバーの内部を吹きだす乾燥流体の雰囲気で維持することを特徴とする請求項18に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記基板乾燥は、乾燥流体が前記上部チャンバーのエッジから中心へ向かって憤射され、前記上部チャンバーの中心へ集められた乾燥流体は、中心に形成された中央開口を通じて、前記基板へ向かって抜け出し、前記中央開口を通じて抜け出る乾燥流体は、前記基板の中心からエッジに次第に広がりながら、前記基板表面を乾燥することを特徴とする請求項18に記載の基板処理方法。
【請求項21】
基板処理装置において、
基板が在置されるチャックを有する基板支持機構と、
上部が開放されて、前記チャック周辺を囲むように構成された下部チャンバーと、
前記基板に対する乾燥工程が外部空気を遮断された密閉空間で進行されるように前記下部チャンバーの上部を密閉する上部チャンバーと、
を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項22】
前記基板処理装置は、前記上部チャンバーに設置され、乾燥流体が前記基板に間接憤射されるように前記上部チャンバーの中心へ向かって、乾燥流体を憤射する間接憤射ノズルと、
をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の基板処理装置。
【請求項23】
前記上部チャンバーは、前記間接憤射ノズルから憤射された乾燥流体が抜け出る前記中央開口と、前記中央開口を通じて抜け出る乾燥流体が基板の中心からエッジに次第に広がりながら流れるように乾燥流体を案内する案内面と、
をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の基板処理装置。
【請求項24】
前記上部チャンバーは、前記間接憤射ノズルから落ちる異質物から前記基板を保護する突出壁をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の基板処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−22010(P2008−22010A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183069(P2007−183069)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(598123150)セメス株式会社 (76)
【Fターム(参考)】