説明

基板処理装置

【課題】基板の処理状況をより正確に把握できるようにする。
【解決手段】基板処理装置は、処理槽10A〜10Cを有し、基板Sを傾斜姿勢で搬送しながら各処理槽10A〜10C内で、それぞれシャワーノズル14により基板Sの表面にリンス液を供給しながら洗浄処理を施すように構成される。各処理槽10A〜10Cの内部には、基板Sの表面に沿って流下するリンス液を、当該リンス液が槽内の底部に達する前に受けてそのpHを測定するpH測定装置16が設けられており、各pH測定装置16による測定結果に基づき、各処理槽10A〜10Cにおけるリンス液の供給量がコントローラ40により制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LCD、PDP用ガラス基板および半導体基板等の基板に処理液を供給して各種処理を施す基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記のような基板処理装置として、タンクに貯溜された処理液を処理槽に送液してその内部に配置されたノズル部材から基板上に供給する一方で、使用後の処理液を処理槽から前記タンクに回収し、これによって処理液を循環させながら使用するものが知られている。この種の装置として、例えば特許文献1には、処理槽から導出される処理液の汚染(劣化)の状態を測定し、具体的には処理液のpH値を測定し、処理液の汚染度が高い処理開始直後は、導出される処理液を全て廃棄し、汚染度が一定レベル以下まで低下すると処理液を上記タンクに回収するようにしたものが記載されている。
【特許文献1】特開平11−238716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のこの種の基板処理装置では、基板に対して処理液が定量的に供給されているのが一般的である。例えば、基板を搬送しながら処理を行うものでは、処理液の供給開始および停止は、専ら搬送路等に設けられたセンサによる基板の検知に基づいて行われており、処理中は、一定流量で処理液が基板に供給されている。従って、小サイズの基板等では、必要以上に処理液が供給され、処理液が無駄に消費されているケースもある。
【0004】
近年、より経済的に基板の処理を進めるべく、処理液の無駄な消費(供給)を抑えることが求められており、特許文献1のように処理槽から導出される処理液の汚染(劣化)状態を監視して、処理液の供給量を適正化することが考えられる。つまり、処理液の劣化状態と基板の処理状況との間には在る程度相関があるため、処理液の汚染状態から基板の処理状況を推測し、これに基づき処理液の供給量を制御することが考えられる。しかし、上記文献1のように、処理槽から導出される処理液の汚染状態を監視する場合には、基板を経由しない処理液、つまり処理槽の壁面に吹き付けられて当該壁面に付着した余分な汚染成分を含む処理液も監視対象となるため、基板の処理状況を正確に把握する上で充分でない。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、第1の目的は、基板の処理状況をより正確に把握できるようにすること、第2の目的は、処理液の無駄な消費(供給)を抑えて合理的に基板の処理を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、ノズル部材により基板の表面に処理液を供給し、所定の処理を基板に施す処理槽を有する基板処理装置において、前記基板の表面から流下する処理液を、当該処理液が前記処理槽の底部に到達する前に受けて、その劣化状態に関連づけられた所定の物理量を測定する測定手段を備えているものである(請求項1)。
【0007】
このように、基板の表面から流下する処理液を、当該処理液が処理槽の底部に到達する前に直接受けて上記物理量を測定する構成によれば、基板に注がれた処理液だけが測定対象となるため、余分な汚染成分を測定対象から排除することができる。そのため、上記物理量の測定結果に基づき基板の処理状況をより正確に把握することが可能となる。
【0008】
より具体的に、処理中に前記基板を傾斜姿勢で支持する支持手段を有するものでは、前記測定手段は、前記支持手段に支持された基板の低位側の端縁の下方に配置されている(請求項2)。
【0009】
例えば、基板を傾斜姿勢で搬送しながらその表面に処理液を供給して処理を行う装置では、上記の構成に従うことで、基板の傾斜に沿って流下する処理液を良好に受けることができ、上記物理量の測定を適切に行うことが可能となる。
【0010】
また、前記測定手段は、処理液に接触して前記物理量を測定する測定部と、基板から流下する処理液を受けて前記測定部に案内する案内部とを有するものでもよい(請求項3)。
【0011】
このように、基板から流下する処理液を受けて測定部に案内する構成によれば、より確実に処理液を上記測定部に接触させて上記物理量を測定することが可能となる。
【0012】
なお、上記の基板処理装置は、前記物理量の測定結果に基づいて基板に供給する処理液の供給量を制御する供給量制御手段を有するのが好適である(請求項4)。例えば前記供給量制御手段は、前記測定結果に基づいて処理液の単位時間当たりの供給量を制御するものであるのが好適である(請求項5)。また、供給量制御手段は、前記測定結果に基づいて基板に対する処理液の供給時間を制御するもの(請求項6)、例えば基板を搬送しながら当該基板に対して処理液を供給する場合には、前記測定結果に基づいて基板の搬送速度を制御するものであるのが好適である(請求項7)。
【0013】
すなわち、処理液の劣化状態と基板の処理状況との間には相関があるため、上記のように、測定手段により上記物理量を測定し、その測定結果に基づいて基板に対する処理液の供給量を制御することで基板の処理状況に見合った適量の処理液を供給することが可能となり、これによって処理液の無駄な消費を抑えることができるようになる。
【0014】
なお、基板の処理状況は、使用前後の処理液の劣化状態を比較することでより正確に把握することが可能となる。そのため、上記の装置は、前記測定手段を第1測定手段としたときに、これとは別に、基板に供給される前の処理液に関する前記物理量を測定する第2測定手段をさらに備え、前記供給量制御手段は、これら第1,第2測定手段による測定結果の差に基づき前記供給量を制御するものであるのが好適である(請求項8)。
【0015】
また、上記基板処理装置においては、前記処理槽での処理に用いた処理液であって使用後に回収された処理液を再度前記処理槽での処理に用いる処理液の循環系統と、当該循環系統内を循環する処理液のうち使用後に回収される処理液を当該循環系統から排液する排液手段と、当該循環系統内に新たな処理液を導入する新液導入手段と、前記測定手段による測定結果に基づいて前記排液手段および新液導入手段を制御することにより前記循環系統内の処理液の入替えを行う入替制御手段と、を有するものであってもよい(請求項9)。
【0016】
このような構成によれば、処理槽に対して処理液を循環させる基板処理装置において、前記物理量の測定に基づき処理液の浪費を有効に抑えることができるとともに、処理液の液質を良好に保って基板の処理の促進を図ることができる。
【0017】
また、前記処理槽として、第1処理槽とこの第1処理槽で処理を終えた基板に前記第1処理槽と同一種類の処理液を用いて基板を処理する第2処理槽とを備えるとともに、前記第2処理槽での処理に用いた処理液であって使用後に回収される処理液を前記第1処理槽での処理に用いる処理液の供給系統を有するものでは、前記第1処理槽に前記測定手段が配備され、前記制御手段は、前記測定結果に基づいて第1処理槽での基板に対する処理液の供給量および第2処理槽での基板に対する処理液の供給量の少なくとも一方を制御するように構成されるものであってもよい(請求項10)。
【0018】
このような構成によれば、処理槽同士がいわゆるカスケード接続された装置において、処理液の浪費をトータル的に抑えることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1〜3に係る発明によると、余分な汚染成分が測定対象から排除されるので、これによって基板の処理状況を正確に把握することが可能となる。請求項4〜9に係る発明によると、基板の処理状況に応じて基板に対する処理液の供給量が制御されるので、無駄な処理液の消費を抑えて、経済的に基板を処理できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の好ましい実施の形態について図面を用いて説明する。
【0021】
図1は本発明に係る基板処理装置を模式図で概略的に示している。同図に示す基板処理装置は、例えばエッチング処理(薬液処理)後の基板に対して洗浄処理を施すものである。
【0022】
同図に示すように、この基板処理装置は、第1〜第3の連続する三つの処理槽10(第1処理槽10A,第2処理槽10B,第3処理槽10C)を有している。各処理槽10A〜10Cには、それぞれ複数の搬送ローラ12が所定間隔で配備されており、基板Sがこれら搬送ローラ12により支持された状態で、図中左側から右側に向かって搬送される構成となっている。なお、各搬送ローラ12は、図2に示すように、基板Sの搬送方向と直交する方向に傾斜して設けられており、これにより基板Sを水平面に対して所定角度θだけ傾斜させた状態で搬送するようになっている。
【0023】
各処理槽10A〜10Cには、基板Sに対してその上方からリンス液(当実施形態では純水)を供給するためのシャワーノズル14(本発明に係るノズル部材に相当する)がそれぞれ配備されており、第3処理槽10Cについては、基板Sの上下両側からリンス液を供給するようにシャワーノズル14が配備されている。シャワーノズル14は、点在する複数のノズル口を有しており、各ノズル口からそれぞれ液滴状のリンス液を吐出して基板Sに吹き付ける構成となっている。
【0024】
各処理槽10A〜10Cに対するリンス液の供給系統等は次のように構成されている。
【0025】
各処理槽10A,10B,10Cにはそれぞれ、リンス液を貯溜するためのタンク20A,20B,20C(第1タンク20A,第2タンク20B,第3タンク20C)が設けられている。各タンク20A〜20Cには、それぞれポンプ23およびバルブ22aを備えた供給用配管22が設け設けられており、ポンプ23の作動により、各タンク20A〜20Cから、それぞれ対応する処理槽10A〜10Cに対してリンス液を送液し、使用後のリンス液を、各処理槽10A〜10Cにそれぞれ接続された導出管24A〜24Cを通じて導出するようになっている。また、各タンク20A〜20Cには、それぞれバルブ26aを備えたリンス液の廃液管26が設けられており、メンテナンスの際には、バルブ26aの操作により、各タンク20A〜20C内のリンス液を図外の廃液タンクに導出し得るようになっている。
【0026】
各処理槽10A〜10Cに設けられる上記導出管24A〜24Cのうち、第3処理槽10Cの導出管24Cは、第2処理槽10Bの第2タンク20Bに接続されており、第2処理槽10Bの導出管24Bは、第1処理槽10Aの第1タンク20Aに接続されている。また、第1処理槽10Aの導出管24Aは、図外の廃液タンクに接続されている。第3タンク20Cには、さらに新液供給管28が接続されており、当該新液供給管28に介設されるバルブ28aの操作に応じてリンス液供給源30から第3タンク20Cに新規リンス液が導入される構成となっている。つまり、この基板処理装置では、リンス液供給源30から第3タンク20Cに新規リンス液を導入しつつこのリンス液を第3処理槽10Cに送液し、第3処理槽10Cから導出される使用後のリンス液を上流側の第2タンク20Bに導入する。そして、この第2タンク20Bのリンス液を第2処理槽10Bに送液し、この第2処理槽10Bで使用されたリンス液をさらに上流側の第1タンク20Aに導入し、第1タンク20Aのリンス液を第1処理槽10Aに送液した後、第1処理槽10Aから導出されるリンス液を図外の廃液タンクに導入するようになっている。要するに、下流側の処理槽で使用されたリンス液を順次上流側に繰り上げながら上流側の処理槽で使用するようにリンス液の供給系統が構成されている、換言すれば処理槽10A〜10Cが当該供給系統を介してカスケード接続されている。
【0027】
なお、以下の説明においてタンク20A〜20Cについて「上流側」「下流側」というときには基板Sの搬送方向に対応するものとする。
【0028】
上記処理槽10A〜10Cおよびタンク20A〜20Cには、それぞれリンス液の劣化状態に関連づけられた所定の物理量を測定するための測定手段が設けられている。
【0029】
具体的には、各処理槽10A〜10Cには、基板Sの処理中、当該基板Sに沿って流下するリンス液を直接受けて、すなわち、基板Sから流下するリンス液が槽内の底部に達する前に受けてそのpH値を測定するpH測定装置16(第1pH測定装置16という)が設けられる一方、各タンク20A〜20Cに、それぞれ当該タンク20A〜20C内のリンス液のpH値を測定する第2pH測定装置36が設けられている。
【0030】
第1pH測定装置16は、図1に示すように、処理槽10A〜10C内の略中央(基板搬送方向における略中央)であって、図2に示すように、搬送ローラ12によって傾斜姿勢で支持された基板Sの低位側の端部下方に配置されている。この第1pH測定装置16は、同図に示すように、漏斗状の液受け部17(本発明に係る案内部に相当する)と、この液受け部17の下方に設けられる、計測ヘッドを備えたpH計本体18(本発明に係る測定部に相当する)とを具備しており、基板Sに沿って流下するリンス液を液受け部17で受けてpH計本体18に案内することによりリンス液のpH値を測定し、その測定結果に対応した信号を後記コントローラ40に出力するように構成されている。
【0031】
一方、第2pH測定装置36は、詳しく図示していないが、各タンク20A〜20Cの内部の所定位置に計測ヘッドを有し、この計測ヘッドにより、各タンク20A〜20C内に貯溜されるリンス液のpH値を測定して、その測定結果に対応した信号を後記コントローラ40に出力するように構成されている。
【0032】
なお、この基板処理装置は、基板Sの一連の洗浄動作を制御するコントローラ40(本発明に係る供給量制御手段に相当する)を有している。このコントローラ40は、論理演算を実行するCPU等を主な要素として構成されており、搬送ローラ12を駆動するモータ、前記ポンプ23、バルブ22a,26a,28a、およびpH測定装置16,36等は全てこのコントローラ40に電気的に接続されている。そして、前記pH測定装置16,36による測定結果に基づき前記バルブ22a等がこのコントローラ40により開閉制御される構成となっている。以下、このコントローラ40の制御に基づく基板Sの洗浄動作の一例について説明する。
【0033】
基板Sの処理を開始する準備段階として、各タンク20A〜20Cに一定量の新液(新規リンス液)が貯溜される。新液の貯溜は、新液供給管28を通じてリンス液供給源30から第3タンク20Cに新液が導入され、この新液が図外の送液管を通じて上流側のタンク20A,20Bに送液されることにより行われる。
【0034】
各タンク20A〜20Cの準備が完了すると搬送ローラ12が駆動されて基板Sの搬送が開始され、上流側から薬液処理終了後の基板Sが傾斜姿勢で搬送されてくる。そして、第1処理槽10Aの直ぐ上流側に配置される図外の基板(先端)センサにより基板Sの先端が検出されると、第1処理槽10A内のシャワーノズル14からリンス液が吐出され、基板Sに対するリンス液の供給が開始される。これにより基板Sが第1処理槽10A内に搬入されると、シャワーノズル14から基板Sの上面にリンス液が供給されて所定の洗浄処理が基板Sに施されることとなる。なお、洗浄処理中、基板Sの上面から流下するリンス液の一部は、pH測定装置16の液受け部17に流れ込むこととなり(図2参照)、これにより基板Sの処理に供された使用後のリンス液のpH値が測定される。
【0035】
そして、基板Sがさらに搬送され、第1処理槽10A内の下流端近傍に配置される図外の基板(後端)センサにより基板Sの後端が検知されると、シャワーノズル14からのリンス液の供給が停止される。
【0036】
第1処理槽10Aを通過した基板Sは、さらに搬送ローラ12の駆動により第2処理槽10B、第3処理槽10Cへと順次搬送され、これら各処理槽10B,10Cにおいてその上面にリンス液が供給されることにより同様に洗浄処理が施される。その際、各処理槽10B,10Cにおいても、1処理槽10Aと同様に、処理中は、基板Sから流下するリンス液のpH値がpH測定装置16によって測定されることとなる。
【0037】
こうして基板Sが各処理槽10A〜10Cを通過すると、当該基板Sに対する一連の洗浄処理が終了する。説明を省略しているが、第2、第3の各処理槽10B,10Cについても、処理槽10B,10Cの直ぐ上流側に配置される基板(先端)センサ、および各処理槽10B,10C内の下流端近傍に配置される基板(後端)センサによる基板Sの検知に基づき、リンス液の供給開始および停止が制御されるようになっている。
【0038】
なお、このような基板Sの洗浄処理においては、各処理槽10A〜10Cにおける基板Sに対するリンス液の供給量が上記pH測定装置16の測定結果に基づき次のように制御される。すなわち、エッチング処理(薬液処理)後の基板Sに対して洗浄処理(リンス液として純水を用いる洗浄処理)を施す上記装置では、洗浄処理中、基板Sの洗浄に供された使用後のリンス液のpH値が処理の進行に伴い変化する。具体的には、処理開始直後はリンス液のpH値が高く、処理の進行に伴いpH値が低下する。そのため、上記コントローラ40には、基準洗浄レベルに対応したpH値(基準値という)が、処理槽10A〜10C毎に予め記憶されており、各処理槽10A〜10Cにおける測定pH値(例えば所定時間の平均値)と上記基準値との差が演算され、その結果に基づき各処理槽10A〜10Cにおける基板Sに対するリンス液の供給量が制御されるようになっている。具体的には、測定pH値が基準値に対して一定レベル以上高い場合、つまり基板Sの洗浄が充分に進行していない場合には、単位時間当たりのリンス液の供給量が所定流量だけ増加するようにバルブ22aの開度等が制御される。逆に、pHの測定値が基準値に対して一定レベル以上低い場合、つまり基板Sの洗浄が予定以上に進んでいる場合には、リンス液の単位時間当たりの供給量が所定流量だけ減少するようにバルブ22aの開度等が制御されるようになっている。このような基板Sに対するリンス液の供給量の制御は、一定のサイクルで、あるいはオペレータによる入力操作に従って実行される。なお、前記ポンプ23が、例えばインバータモータにより駆動するポンプである場合には、上記バルブ22aの開度を制御する代わりに、又は当該開度の制御と併せて、前記モータの回転数を変化させることによってシャワーノズル14へ供給されるリンス液の流量が制御される。
【0039】
他方、基板Sの洗浄処理中、各タンク20A〜20C内のリンス液のpH値は、第2pH測定装置36により測定されている。コントローラ40には、上記流量制御用の基準値とは別に、タンク20A〜20C毎に、液管理用のpH値の基準値が予め記憶されており、何れかのタンク20A〜20Cにおいて測定pH値が基準値を超えると、つまり、各タンク20A〜20C内のリンス液が一定レベル以上まで劣化すると、当該タンク20A〜20C内のリンス液の一部が廃液管26を通じて廃棄される、あるいは図外の送液管を通じて上流側のタンクに送液される一方、当該タンクに対して下流側のタンクから汚れの少ないリンス液が送液管を通じて送液され、これによってリンス液の機能回復が図られる。
【0040】
以上のように、上記実施形態の基板処理装置では、基板Sの処理状況と相関のある使用後のリンス液のpH値をpH測定装置16で測定し、その測定値から基板Sの洗浄が充分に進行していないと判断される場合(測定pH値が基準値に対して一定レベル以上高い場合)には、基板Sに対するリンス液の供給量を増量補正し、逆に、基板Sの洗浄が予定以上に進んでいると判断される場合(測定pH値が基準値に対して一定レベル以上低い場合)には、基板Sに対するリンス液の供給量を減量補正する構成となっているので、基板Sの処理状況に応じて、必要充分なリンス液を基板Sに供給しながら洗浄処理を行うことができる。従って、リンス液の無駄な消費を抑えて、経済的に基板Sを処理できるようになる。
【0041】
特に、この装置では、上述の通り、基板Sから流下するリンス液をpH測定装置16で直接受けてそのpH値を測定するため、基板Sに対するリンス液の供給量を、実際の基板Sの処理状況に対応して正確に制御することができるという利点がある。すなわち、別の方法として、導出管24A〜24Bを通じて各処理槽10A〜10Cから導出されるリンス液のpH値を測定することも考えられるが、この場合には、基板Sに注がれることなく処理槽10A〜10Cの内底部等に落下し、当該内底部等に付着した余分な汚染成分を含んだリンス液もpH値の測定対象となる。従って、測定結果が実際の基板Sの処理状況に対応した値とならず、リンス液の供給量の制御を、基板Sの処理状況に応じて正確に行うことが困難となるが、これに対して、上記実施形態の構成によれば、実際に基板Sに注がれて処理に供されたリンス液だけがpH値の測定対象となるため測定値の信頼性が高く、従って、基板Sに対するリンス液の供給量を、実際の基板Sの処理状況に対応して正確に制御することが可能となる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態について図3を用いて説明する。
【0043】
図3は第2の実施形態に係る基板処理装置を模式図で概略的に示している。同図に示す基板処理装置は、以下の点で、第1の実施形態の基板処理装置と構成が相違しており、これ以外の構成は、基本的には第1の実施形態と共通している。従って、第1の実施形態と共通する部分については、同一符号を付して説明を省略し、相違点についてのみ詳しく説明する(この点は、後述する第3の実施形態についても同じである)。
【0044】
まず、この装置では、各処理槽10A〜10Cで使用したリンス液を、各処理槽10A〜10Cにそれぞれ対応するタンク20A〜20Cに戻すように導出管24A〜24Cが設けられている。これによって、例えば第1処理槽10Aであれば、第1タンク20Aのリンス液を第1処理槽10Aに送液して基板Sに供給しながら、使用後のリンス液を第1処理槽10Aから第1タンク20Aに回収するという具合に、第1処理槽10Aと第1タンク20Aとの間でリンス液を循環させながら基板Sの洗浄処理を行うようにリンス液の供給系統が構成されている。第2処理槽10B、第3処理槽10Cについても同様である。
【0045】
また、第3タンク20Cと第2タンク20Bとの間に、第3タンク20C内のリンス液を第2タンク20Bに送液するための、ポンプ32aを備えた第1送液管32が設けられ、さらに第2タンク20Bと第1タンク20Aとの間に、第2タンク20B内のリンス液を第1タンク20Aに送液するための、ポンプ34aを備えた第2送液管34が設けられている。これにより下流側のタンクから順次上流側のタンクに対してリンス液を送液可能な構成となっている。
【0046】
すなわち、第2の実施形態の基板処理装置では、リンス液供給源30から第3タンク20Cに新規リンス液を導入しつつ、このリンス液を、前記送液管32,34を介して上流側のタンク20A,20Bに順次送液することにより各タンク20A〜20Cにリンス液を貯溜した上で、上記のように各処理槽10A〜10Cと、それぞれ対応するタンク20A〜20Cとの間でリンス液を循環させながら基板Sの洗浄処理を行い、必要に応じて第1タンク20Aのリンス液を、廃液管26を通じて廃液しつつ、下流側のタンク20B,20Cのリンス液を、送液管32,34を通じて順次上流側に送液する構成となっている。
【0047】
この第2の実施形態の基板処理装置では、pH測定装置16,36による測定結果に基づき、前記バルブ22a等が前記コントローラ40により以下のように制御される。
【0048】
上記コントローラ40には、各処理槽10A〜10Cの基準洗浄レベルに対応したpH値として、それぞれ使用前のリンス液のpH値と使用後のリンス液のpH値との差に対する基準値、つまり第2pH測定装置36(本発明に係る第2測定手段に相当する)の測定値と第1pH測定装置16(本発明に係る第1測定手段に相当する)の測定値との差に対する基準値が記憶されている。そして、洗浄処理中は、一定のサイクルで、あるいはオペレータによる入力操作に基づいて、処理槽10A〜10C毎に、使用前、使用後のリンス液のpH値の差が演算され、その結果に基づき各処理槽10A〜10Cにおける基板Sに対するリンス液の供給量が制御される。なお、「使用前」、「使用後」とは、各処理槽10A〜10Cでのリンス液の「使用前」、「使用後」を意味する。
【0049】
例えば、第1処理槽10Aを例に説明すると、pH測定装置16により測定されるリンス液(使用後のリンス液)のpH値と、第2pH測定装置36により測定される第1タンク20A内のリンス液(使用前のリンス液)のpH値との差が演算され、その値が上記基準値に対して一定レベル以上大きい場合、つまり基板Sの洗浄が充分に進行していないと判断できる場合には、リンス液の単位時間当たりの供給量が所定流量だけ増加するようにバルブ22aの開度が制御される。逆に、上記演算値が上記基準値に対して一定レベル以上低い場合、つまり基板Sの洗浄が予定以上に進んでいると判断できる場合には、リンス液の単位時間当たりの供給量が所定流量だけ減少するようにバルブ22aの開度等が制御される。これによって、基板Sの処理状況に見合った必要充分なリンス液が基板Sに対して供給されるようになっている。なお、ここでは第1処理槽10Aの処理を例に説明したが、第2処理槽10Bおよび第3処理槽10Cでの処理についても同様である。
【0050】
すなわち、上記のように各処理槽10A〜10Cと、それぞれ対応するタンク20A〜20Cとの間でリンス液を循環させながら基板Sの洗浄処理を行う第2の実施形態の基板処理装置では、シャワーノズル14から吐出されるリンス液が経時劣化する。そのため、リンス液の経時劣化をさほど伴わない第1の実施形態のように、pH測定装置16による測定結果のみで基板Sの処理状況を正確に把握することが困難となる。そこで、第2の実施形態では、使用前、使用後のリンス液のpH値の変化に基づいて、基板Sに対するリンス液の供給量を制御する構成となっている。従って、この第2の実施形態の基板処理装置によれば、上記のように各処理槽10A〜10Cと、それぞれ対応するタンク20A〜20Cとの間でリンス液を循環させながら基板Sの洗浄処理を行う装置構成の下で、リンス液の無駄な消費を抑えて、経済的に基板Sを処理することができる、という第1の実施形態の装置と同様の効果を享受することができる。
【0051】
次に、本発明の第3の実施形態について図4を用いて説明する。
【0052】
図4は第3の実施形態に係る基板処理装置を模式図で概略的に示している。同図に示す基板処理装置は、第1,第2の各処理槽10A,10Bで使用したリンス液を、各処理槽10A,10Bにそれぞれ対応するタンク20A,20Bに戻すように導出管24A,24Bが設けられている。これによって、第1処理槽10Aであれば、第1タンク20Aのリンス液を第1処理槽10Aに送液して基板Sに供給しながら、使用後のリンス液を第1処理槽10Aから第1タンク20Aに回収するという具合に、第1処理槽10Aと第1タンク20Aとの間でリンス液を循環させながら基板Sの洗浄処理を行い得るように構成されている。第2処理槽10Bについても同様である。
【0053】
各導出管24A,24Bには、それぞれバルブ25が介設されるとともに、当該バルブ25の上流側から分岐する分岐管24A′,24B′が設けられている。第1処理槽10Aの導出管24Aから分岐する分岐管24A′は、図外の廃液タンクに接続されており、他方、第2処理槽10Bの導出管24Bから分岐する分岐管24B′は、第1タンク20Aに接続されている。すなわち、必要に応じてバルブ25が操作されることにより、第1処理槽10Aから導出される使用後のリンス液を分岐管24A′を通じて廃液タンクに導出し、また、第2処理槽10Bから導出されるリンス液を分岐管24B′を通じて第1タンク20Aに送液し得るように構成されている。この実施形態では、前記分岐管24A′,24B′およびバルブ25等が本発明に係る排液手段に相当する。
【0054】
なお、この装置では、第3処理槽10Cに対応する第3タンク20Bは設けられておらず、第3処理槽10Cに対しては、リンス液供給源30から直接供給用配管22を通じて新液が供給される構成となっている。また、第1,第2の各処理槽10A,10Bに対応する各タンク20A,20Bには、それぞれバルブ39aを備えた新液供給管39(本発明に係る新液導入手段に相当する)が接続されており、リンス液供給源30から各タンク20A,20Bに直接新液が導入可能となっている。
【0055】
すなわち、第3の実施形態の基板処理装置では、リンス液供給源30から第1タンク20Aおよび第2タンク20Bにそれぞれリンス液を貯溜した上で、各供給用配管22を通じて第1〜第3の処理槽10A〜10Cにそれぞれリンス液を送液して基板Sの洗浄処理を行い、この際、第1,第2の各処理槽10A,10Bについては、対応するタンク20A,20Bとの間でリンス液を循環させながら基板Sの洗浄処理を行い、必要に応じて第2処理槽10Bから導出されるリンス液を、導出管24B(分岐管24B′)を通じて第1タンク20Aに送液するとともに、第1処理槽10Aから導出されるリンス液を、前記導出管24A(分岐管24A′)を通じて廃液するようになっている。
【0056】
この装置では、pH測定装置16,36による測定結果に基づき、搬送ローラ12の駆動およびバルブ25,39a等が前記コントローラ40により以下のように制御される。
【0057】
すなわち、各処理槽10A〜10Cにおける第1pH測定装置16の測定pH値とその基準値との差が演算され、測定pH値が基準値に対して一定レベル以上高い場合(基板Sの洗浄が充分に進行していない場合)には、搬送ローラ12による基板Sの搬送速度が一定速度まで下げられ、これによって基板Sの洗浄時間が標準時間に対して延長され、基板Sに対するリンス液の供給量が増量される。逆に、測定pH値が基準値に対して一定レベル以上低い場合(基板Sの洗浄が予定以上に進んでいる場合)には、搬送ローラ12による基板Sの搬送速度が一定速度だけ上げられ、これによって基板Sの洗浄時間が短縮され、基板Sに対するリンス液の供給量が減量されることとなる。
【0058】
また、基板Sの洗浄処理中、第1処理槽10Aにおいて第1pH測定装置16の測定pH値がその基準値(液管理用の所定のpH値)を超えると、当該第1処理槽10Aから導出されるリンス液が、前記導出管24A(分岐管24A′)を通じて廃液される。同様に、第2処理槽10Bにおいて測定pH値がその基準値を超えると、第2処理槽10Bから導出されるリンス液が、導出管24B(分岐管24B′)を通じて第1タンク20Aに送液される。また、各タンク20A,20Bに対して新液供給管39を通じて新液が導入される。これにより各処理槽10A,10Bに対して循環されるリンス液の機能回復が図られることとなる。すなわち、この実施形態では、前記コントローラ40が本発明に係る供給量制御手段および入替制御手段に相当する。
【0059】
以上のような第3の実施形態の装置によると、基板Sの洗浄が予定以上に進んでいる場合には、基板Sの搬送速度を一定速度だけ上げ、これにより基板Sに対するリンス液の供給量を抑え、逆に、基板Sの洗浄が充分に進行していない場合には、基板Sの搬送速度を一定速度だけ下げ、これにより基板Sに対するリンス液の供給量を増量するので、第1の実施形態と同様に、基板Sの処理状況に応じた必要充分なリンス液を基板Sに供給しながら洗浄処理を行うことができ、従って、リンス液の無駄な消費を抑えて、経済的に基板Sを処理することができる。また、このように基板Sの洗浄処理の進行度合に応じて基板Sの搬送速度を上げるので、常に一定速度で基板Sを搬送しながら洗浄処理を施す場合に比べるとスループットを向上させることが可能になるという利点もある。
【0060】
なお、以上説明した第1〜第3の実施形態に係る基板処理装置は、本発明に係る基板処理装置の好ましい実施形態の一例であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0061】
例えば、実施形態では、基板Sから流下するリンス液を液受け部17で受けながらpH計本体18に案内するようにpH測定装置16が構成されているが、勿論、液受け部17を省略し、基板Sから流下するリンス液を直接このpH計本体18で受けてpHを測定するようにしてもよい。要は、基板Sから流下するリンス液のpH値を、当該リンス液が処理槽10A〜10Cの底部に到達する前に測定できればよい。但し、上記実施形態のようなpH測定装置16を用いた場合には、リンス液が基板Sに沿って疎らに流下した場合でも確実にリンス液をpH計本体18に触れさせることが可能となるため、より確実にpH値を測定することが可能となる。
【0062】
なお、実施形態では、リンス液の劣化度合に基づき基板Sの処理状況を把握するものであって、リンス液の劣化度合を上記の通りリンス液のpH値の測定により検知しているが、勿論、リンス液の劣化度合に関連づけられる物理量であればpH値以外の物理量を検出するようにしてもよい。例えば、リンス液の比抵抗値や導電率を測定するようにしてもよい。
【0063】
また、第1の実施形態では、第1処理槽10AのpH値の測定結果に基づいて、当該第1処理槽10Aでの基板Sに対するリンス液の供給量を制御する構成となっているが、例えば第1処理槽10Aではリンス液の供給量の制御を行うことなく、あるいは第1処理槽10Aにおけるリンス液の供給量の制御と併せて、第1処理槽10AのpH値の測定結果に基づいて下流側の処理槽10B,10Cでの基板Sに対するリンス液の供給量を制御するようにしてもよい。具体的には、第1処理槽10Aにおいて、基板Sの洗浄が予定以上に進んでいると判断される場合(pHの測定値が基準値に対して一定レベル以上低い場合)には、処理槽10B,10Cでの基板Sに対するリンス液の供給量を減量補正する、あるいは処理槽10B,10Cの何れか一方の処理を省略する(つまり、リンス液を供給することなく単に通過させる)ようにしてもよい。要するに、上流側処理槽でのリンス液のpH値の測定結果に基づき、下流側処理槽のリンス液の供給量等を制御するようにしてもよい。この点は、第2、第3の実施形態についても同じである。
【0064】
また、実施形態は、基板Sを搬送しながらその上面にリンス液を供給するタイプの基板処理装置に本発明を適用した例であるが、勿論、静止させた状態で基板Sにリンス液を供給して洗浄処理を行い、終了後、基板Sを下流側に搬送するタイプの基板処理装置についても本発明は適用可能である。この場合には、基板Sから流下するリンス液のpH値をpH測定装置で測定し、この測定値が、基板Sの洗浄が完了したと認められる一定のレベルまで低下した時点でリンス液の供給を停止して基板Sを搬出するようにすればよい。これによれば、リンス液の消費量、および基板Sの停止時間を必要最小限度に抑えることができるため、経済的に、かつ効率的に基板Sの洗浄処理を行うことが可能となる。特に、第3処理槽10Cに関してこのような処理を進めるようにすれば、洗浄処理が不十分なまま基板Sが下流側に搬出されるといった不都合を未然に回避することができ、これにより洗浄処理の確実性を高めることができるという利点がある。
【0065】
また、洗浄処理の進行の度合に応じて基板Sに対するリンス液の供給量を増減するために、第1,第2の実施形態では、リンス液の単位時間当たりの供給量を制御し、また、第3の実施形態では、基板Sの搬送速度(基板Sの処理時間)を制御する構成となっているが、勿論、シャワーノズル14からのリンス液の吐出量と基板Sの搬送速度の双方を制御することにより、基板Sに対するリンス液の供給量を増減させるようにしてもよい。
【0066】
また、実施形態では、本発明の適用例として、エッチング処理後の基板Sに対して洗浄処理を施す基板処理装置について説明したが、例えばレジスト皮膜の剥離処理後の基板Sを洗浄する装置についても本発明は適用可能である。また、このように基板Sに沿ってリンス液を流下させながら洗浄処理を施すもの以外に、基板Sに沿って薬液を流下させながら薬液処理を行うものについても本発明は適用可能である。また、実施形態のように、傾斜姿勢の基板Sに処理液(リンス液)を供給しながら処理を行う以外に、水平姿勢、あるいは垂直姿勢の基板Sに処理液を供給しながら処理を施すものについても本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る基板処理装置(第1の実施形態)を示す模式図である。
【図2】各処理槽における基板とpH測定装置との位置関係、およびpH測定装置の構成を示す処理槽の内部側面図である。
【図3】本発明に係る基板処理装置(第2の実施形態)を示す模式図である。
【図4】本発明に係る基板処理装置(第3の実施形態)を示す模式図である。
【符号の説明】
【0068】
10A 第1処理槽
10B 第2処理槽
10C 第3処理槽
20A 第1タンク
20B 第2タンク
20C 第3タンク
12 搬送ローラ
14 シャワーノズル
16 pH測定装置
17 液受け部
18,36 pH計本体
22 供給用配管
40 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル部材により基板の表面に処理液を供給し、所定の処理を基板に施す処理槽を有する基板処理装置において、
前記基板の表面から流下する処理液を、当該処理液が前記処理槽の底部に到達する前に受けて、その劣化状態に関連づけられた所定の物理量を測定する測定手段を備えていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
処理中に前記基板を傾斜姿勢で支持する支持手段を有し、前記測定手段は、前記支持手段に支持された基板の低位側の端縁の下方に配置されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の基板処理装置において、
前記測定手段は、処理液に接触して前記物理量を測定する測定部と、基板から流下する処理液を受けて前記測定部に案内する案内部とを有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の基板処理装置において、
前記物理量の測定結果に基づいて基板に供給する処理液の供給量を制御する供給量制御手段を有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理装置において、
前記供給量制御手段は、前記測定結果に基づいて単位時間当たりの処理液の供給量を制御することを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項4に記載の基板処理装置において、
前記供給量制御手段は、前記測定結果に基づいて基板に対する処理液の供給時間を制御することを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の基板処理装置において、
基板を搬送しながら当該基板に対して処理液を供給するものであって、前記供給量制御手段は、前記測定結果に基づいて基板の搬送速度を制御することを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項4乃至7の何れか一項に記載の基板処理装置において、
前記測定手段を第1測定手段としたときに、これとは別に、基板に供給される前の処理液に関する前記物理量を測定する第2測定手段をさらに備え、前記供給量制御手段は、これら第1,第2測定手段による測定結果の差に基づき前記供給量を制御することを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の基板処理装置において、
前記処理槽での処理に用いた処理液であって使用後に回収された処理液を再度前記処理槽での処理に用いる処理液の循環系統と、当該循環系統内を循環する処理液のうち使用後に回収される処理液を当該循環系統から排液する排液手段と、当該循環系統内に新たな処理液を導入する新液導入手段と、前記測定手段による測定結果に基づいて前記排液手段および新液導入手段を制御することにより前記循環系統内の処理液の入替えを行う入替制御手段とを有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
請求項4乃至7の何れか一項に記載の基板処理装置において、
前記処理槽として、第1処理槽とこの第1処理槽で処理を終えた基板に前記第1処理槽と同一種類の処理液を用いて基板を処理する第2処理槽とを備えるとともに、前記第2処理槽での処理に用いた処理液であって使用後に回収される処理液を前記第1処理槽での処理に用いる処理液の供給系統を有し、前記第1処理槽に前記測定手段が配備され、前記供給量制御手段は、前記測定結果に基づいて第1処理槽での基板に対する処理液の供給量および第2処理槽での基板に対する処理液の供給量の少なくとも一方を制御することを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−4728(P2009−4728A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301785(P2007−301785)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】