説明

基板搬送装置、電子デバイスの製造システムおよび電子デバイスの製造方法

【課題】 より大きな駆動源、直動ガイド能力を必要とせず、小型化が可能な基板搬送装置を提供すること。
【解決手段】 基板搬送装置は、第1駆動軸と、第1駆動軸に一端が連結されたアーム部と、基板を保持することが可能な基板保持部と、アーム部の他端と基板保持部を連結する連結部と、を有する。連結部は、アーム部に対して基板保持部を回転可能に支持する回転支持部と、回転支持部によって基板保持部が回転する回転軸の方向に、アーム部に対して基板保持部を上昇させ、または、降下移動させる移動部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板搬送装置、電子デバイスの製造システムおよび電子デバイスの製造方法に関する。特に、半導体ウエハ基板や、液晶ディスプレイ、太陽電池基板、あるいは光通信機器用基板を搬送する基板搬送装置、基板搬送装置を用いた電子デバイスの製造システムおよび電子デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図7の参照により、従来の基板搬送ロボット(例えば、特許文献1を参照)を説明する。基板搬送ロボットは、基板を保持可能な基板保持器774と、外軸790の駆動により回転可能な第1アーム772と、内軸780の回転を伝達するベルト775および所定の径のプーリ778a、778bと、第2アーム773と、を有する。第2アーム773の一端は第1アーム772により回転可能に支持されており、基板保持器774は第2アーム773の他端で回転可能に支持されている。第1アーム772の駆動と第2アーム773の駆動とを同期させて、それぞれ所定の角度だけ回転させることにより、xy平面内における基板保持器774の直動動作を実現している。
【0003】
特許文献2には、ベルトを排除して構成されたアームが提案されている。特許文献2に開示されている基板搬送ロボットのアームの場合、外軸、内軸を同期させて同一方向に回転させることにより基板搬送ロボットの向きを変えることができる。また、第1アームの駆動と第2アームの駆動とを同期させて、特許文献1と同様にそれぞれ所定の角度だけ回転させることにより、直動動作を実現している。更に、基板を載せかえるために、基板搬送ロボットの基板保持器を上下動させる上下機構を搭載している基板搬送ロボットもある。各処理室における基板処理は真空環境で行うため、基板搬送ロボットは真空チャンバとして機能する搬送室の真空環境を悪化することなく動作可能に構成されている。
【0004】
図7の基板搬送ロボットは、第1アーム772を動作させる回転駆動機構と第2アーム773を動作させる回転駆動機構とを有している(上側モータ700、下側モータ710)。真空対応の場合、ロータとステータの間に真空隔壁の機能を有するハウジング730が設けられる。ハウジング730から真空チャンバの間、外軸790の回りはベローズ795で覆われハウジング内部の気密状態が保持されている。永久磁石を有したロータ(内軸ロータ740、外軸ロータ750)は、ハウジング730に固定されているステータ(内軸ステータ745、外軸ステータ755)とそろえられて配置されている。下側モータ710により駆動される内軸780と上側モータ700により駆動される外軸790とは同軸になるように配置され、上側モータ700と下側モータ710とが上下に直列に設けられた構成になっている。また、回転位置検出用のセンサ(内軸用エンコーダ760、外軸用エンコーダ765)が設けられ、駆動軸の回転位置、回転角度を検出することが可能である。
【0005】
基板搬送ロボットはステータ(内軸ステータ745、外軸ステータ755)に供給された電力に基づいて、ロータ(内軸ロータ740、外軸ロータ750)を所定の角度、回転させる。そして、第1アーム772の駆動と第2アーム773の駆動とを同期させて、それぞれ所定の角度だけ回転させることにより、基板保持器774に載置された基板を搬送する。
【0006】
基板搬送ロボットの上下駆動部781は、上下駆動用ロータ782と、上下駆動用ステータ784と、上下駆動軸786と、ハウジング730に固定されている可動連結部材788(ナット)とを有する。回転位置検出用のセンサ(上下駆動軸用エンコーダ796)が設けられ、上下駆動軸786の回転位置、回転角度を検出することが可能である。上下駆動用ステータ784に供給された電力に基づいて、上下駆動用ロータ782を所定の角度、回転させると、上下駆動軸786が回転する。そして、上下駆動軸786の回転に応じて可動連結部材788(ナット)が上下駆動軸786に沿って上昇する方向または降下する方向に移動する。可動連結部材788(ナット)の移動は、ハウジング730を介して伝達される。これにより、上下駆動部781は上側モータ700と、下側モータ710と、内軸780と、外軸790と、第1アーム772と、第2アーム773と、基板保持器774とを全体的に上昇させ、又は降下させることができる。基板保持器774の上昇移動または降下移動は全体ハウジング799の内部に設けられている摺動部材791(直動ガイド)によりガイドされる。上下駆動部781が上下駆動軸786の回転を制御することより、基板保持器774が位置決めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10ー128692号公報
【特許文献2】特表平8ー506771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の基板搬送ロボットにおいて、上下移動の対象となる構成要素の全体には、上側モータ700、下側モータ710、内軸780、外軸790、第1アーム772、第2アーム773など、例えば、全体で数十Kgを超える高重量物が含まれている。このため、上下移動の対象となる構成要素の全体を上下移動させるためには、より大きな駆動力を発生させる駆動源と、振動を抑えて上下移動させるため高い剛性を有する直動ガイドが必要とされる。このことは、より大きな駆動源、より高い直動ガイド能力、そして装置の大型化が必要になるという問題につながる。
【0009】
また、上下移動の対象となる構成要素の重量を軽減する観点から各構成要素に十分な剛性を与えることは困難である。このため、上下移動の際に発生した振動が、上側モータ700と、下側モータ710と、内軸780と、外軸790とを介して、これらの構造に対して比較的剛性の低い構造を有する第1アーム772、第2アーム773、基板保持器774に伝播しやすくなる。基板保持器774が振動している状態で移載を行うと、基板の支持位置にずれが生じ、プロセス処理装置の基板ホルダ上に精度よく基板を載置することができない等の問題が生じる。プロセス処理装置と基板搬送ロボットとの間で、確実に基板の移載を行うためには、基板保持器774に伝わった振動が十分減衰するまで、基板の移載動作を停止する必要がある。しかしながら、そのためには、基板搬送ロボットのタクトタイムを遅くしなければならないという問題も生じる。
【0010】
また、真空環境で使用するためには、比較的径の大きな可動シールを必要とするが可動シールの抵抗が上下方向の駆動力に対する一種のバネ反力として作用するため、更なる大容量の駆動源が必要とされる。また可動シールには通常ベローズを用いるが、付加価値の高い製品となるため、全体としてコストアップにつながるという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を鑑み、本発明は、より大きな駆動源、直動ガイド能力を必要とせず、小型化が可能な基板搬送装置の提供を目的とする。あるいは、移載動作のタクトタイムの短縮化が可能な基板搬送装置の提供を目的とする。あるいは、装置の低コスト化が可能な基板搬送装置の提供を目的とする。
【0012】
上記の目的の少なくともいずれか一つを達成する本発明の一つの側面にかかる基板搬送装置は、第1駆動軸と、
前記第1駆動軸に一端が連結されたアーム部と、
基板を保持することが可能な基板保持部と、
前記アーム部の他端と前記基板保持部を連結する連結部と、を有する基板搬送装置であって、
前記連結部は、
前記アーム部に対して前記基板保持部を回転可能に支持する回転支持部と、
前記回転支持部によって前記基板保持部が回転する回転軸の方向に、前記アーム部に対して当該基板保持部を上昇させ、または、降下移動させる移動部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
あるいは、上記目的の少なくともいずれか一つを達成する本発明の他の側面にかかる基板搬送装置は、第1駆動軸と、
前記第1駆動軸に一端が連結され、前記第1駆動軸と連動して回転可能な第1アーム部と、
前記第1駆動軸と同軸に設けられるとともに、独立に回転可能な第2駆動軸と、
前記第1アーム部の他端に回転可能に支持され、前記第2駆動軸と連動して回転可能な第2アーム部と、
基板を保持することが可能な基板保持部と、
前記第2アーム部と前記基板保持部とを連結する連結部と、を有する基板搬送装置であって、
前記連結部は、
前記第2アーム部に対して前記基板保持部を回転可能に支持する回転支持部と、
前記回転支持部によって前記基板保持部が回転する回転軸の方向に、前記第2アーム部に対して当該基板保持部を上昇させ、または、降下移動させることが可能な移動部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、より大きな駆動源、直動ガイド能力を必要とせず、小型化が可能な基板搬送装置の提供が可能になる。
【0015】
あるいは、移載動作のタクトタイムの短縮化が可能な基板搬送装置の提供が可能になる。あるいは、装置の低コスト化が可能な基板搬送装置の提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は第1実施形態に係る基板搬送ロボットの機能構成を示すブロック図、(b)は第1実施形態に係る基板搬送ロボットのアーム部の全体的な構成を示す鳥瞰図。
【図2】第1実施形態に係る基板搬送ロボットの動作を説明する図。
【図3】(a)は第1実施形態に係る基板搬送ロボットの連結部の移動機構が上昇した状態を示す図、(b)は連結部の移動機構が降下した状態を示す図。
【図4】第2実施形態にかかる基板搬送ロボットの連結部を説明する図。
【図5】(a)は第3実施形態に係る基板搬送ロボットの機能構成を示すブロック図、(b)第3実施形態に係る基板搬送ロボットの概略構造を説明する図。
【図6】第1実施形態に係る基板搬送ロボットの移載動作を説明する図。
【図7】従来の基板搬送ロボットを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0018】
(第1実施形態)
(基板搬送装置の機能構成)
図1の参照により、本発明の第1実施形態にかかる基板搬送装置(以下、「基板搬送ロボット」ともいう。)の構成を説明する。図1(a)は、基板搬送ロボットの機能構成を示すブロック図であり、図1(b)は、基板搬送ロボットのアーム部の全体的な構成を示す鳥瞰図である。
【0019】
基板搬送ロボット1000は、基板の載置が可能な基板保持部(以下、「基板保持器136a」)を有する。真空室外に配備された第1駆動源150(第1モータ)で発生した回転駆動力(第1駆動力)は第1駆動軸170を介して第1アーム部(以下、「第1アーム136c」)に伝達される。真空室外に配備された第2駆動源151(第2モータ)で発生した回転駆動力(第2駆動力)の回転駆動力は第2駆動軸171を介して第2アーム部(以下、「第2アーム136b」)に伝達される。第1駆動軸170は中空の円筒形状を有し、第2駆動軸171は円柱形状を有する。第1駆動軸170の内部に第2駆動軸171が配置されることにより、第1駆動軸170と第2駆動軸171とは同軸となる。
【0020】
第1駆動源150(第1モータ)のエンコーダから得られる第1検出情報と、第2駆動源151(第2モータ)のエンコーダから得られる第2検出情報と、は基板搬送ロボット1000を制御するコントローラ190に入力される。制御部として機能するコントローラ190は、入力されたに第1検出情報と第2検出情報とに基づき、第1駆動軸170の回転と第2駆動軸171の回転とを制御することが可能である。
【0021】
第1アーム136cの一端は第1駆動軸170に連結されており、第1アーム136cの他端側には回転支持機構120(回転支持部)が設けられている。第2アーム136bの一端は回転支持機構120に連結されている。回転支持機構120により、第2アーム136bは第1アーム136cに対して回転自在に支持される。
【0022】
第2アーム136bの他端側には連結部125が設けられている。基板保持器136aは連結部125に連結されており、連結部125により、基板保持器136aは第2アーム136bに対して回転自在に支持される。
【0023】
連結部125は、第2アーム136bに対して基板保持器136aを回転自在に保持する回転支持機構と、基板保持器136aを上昇または降下させることが可能な移動機構と、を有する。移動機構の具体的な構成は後に詳細に説明する。
【0024】
第3駆動源152は連結部125の移動機構を動作させる駆動力を発生し、駆動力伝達部180を介して、第3駆動源152の駆動力は連結部125の移動機構に伝達される。コントローラ190は、第1駆動源150、第2駆動源151、および第3駆動源152のそれぞれの動作を独立に制御することが可能である。
【0025】
図1(b)の鳥瞰図に示すように、基板搬送ロボット1000の第1アーム136cの一端は第1駆動軸170の回転と連動して回転可能に連結されている。第1アーム136cの他端側は、回転支持機構120(図1(a))を介して第2アーム136bの一端と連結されている。第2アーム136bの他端は連結部125(図1(a))を介して基板保持器136aと連結されている。第1駆動軸170の内部において第1駆動軸170と同軸に第2駆動軸が設けられている。第2アーム136bは第2駆動軸と連動して回転可能である。
【0026】
(基板搬送ロボットの動作)
基板搬送ロボットは、複数のプロセス処理装置に対して、基板を供給し、プロセス処理装置で処理された処理済みの基板をプロセス処理装置から回収することが可能である。基板搬送ロボットの動作を図2の参照により説明する。図2(a)に示す複数のプロセス処理装置(以下、「処理室」)1−6は、基板搬送ロボット1000を中心にして放射状に配置されている。基板搬送ロボット1000は、搬送室60の内部に配置され、ロードロック室(LL1)から搬入された基板を処理室1−6のそれぞれに搬送する。各処理室で処理された基板は、最終的にロードロック室(LL2)から排出される。
【0027】
図2(b)は基板搬送ロボットの第1アーム136cおよび第2アーム136bの内部の構造を概略的に説明する図である。第1アーム136cおよび第2アーム136bは中空の構造になっている。回転支持機構120の回転軸にはプーリ278a、278cが設けられている。連結部125の回転軸にはプーリ278bか設けられており、プーリ278bとプーリ278aとの間にはベルト275aが掛けられている。第2駆動軸171の一端には、プーリ278dが設けられており、プーリ278dとプーリ278cとの間にはベルト275bが掛けられている。第2駆動軸171の回転は、プーリ278dおよびベルト275bを介して回転支持機構120の回転軸に伝達される。そして、回転支持機構120の回転軸の回転は、プーリ278aおよびベルト275aを介して連結部125の回転軸に伝達される。各プーリの直径を任意に設定することで、各軸の回転比を調整することができる。
【0028】
基板搬送ロボット1000のコントローラ190は、図2(c)に示す状態から、第1アーム136cの回転(+α度)動作(図2(d))と、第2アーム136bの回転(−2α度)動作(図2(e))と、基板保持器136aの回転(+α度)動作(図2(f))と、を同時に行うことにより、基板保持器136aの軌道が直線的になるように制御可能である。
【0029】
ベルト275bと連結された第2駆動軸171(内軸)を固定のまま(未回転)、第1駆動軸170(外軸)を回転させると、第1アーム136cは中心軸を中心に回転(+α角回転)する。第1アーム136cの内部で所定の歯数のプーリと接続されたベルトの働きにより、第2アーム136bは第1アーム136aの回転とは逆の方向に所定倍の角度(例えば2倍:−2α角)だけ動作する。基板保持器136aは、第1アーム136aと同一方向に同一角度(+α角)回転することができるように構成されているため、基板保持器136aを直線的に動かす直動動作が可能になる。この直動動作により、基板保持器136aに載置された基板を処理室内に搬送することができる。処理室で基板の処理が終了した後に、基板搬送ロボット1000は、直動動作により処理室から基板を回収する。そして、基板搬送ロボット1000の第1駆動軸170および第2駆動軸171を同期させて同一方向に回転させることにより、基板搬送ロボット1000の向きを変えた後、基板搬送ロボット1000は別の処理室へ基板を移載することが可能である。
【0030】
(連結部125の構成)
次に、本実施形態の特徴的な構成である連結部125の具体的な構成を図3の参照により説明する。図3(a)は連結部125の移動機構が上昇した状態を示す図であり、図3(b)は連結部125の移動機構が降下した状態を示す図である。連結部125の回転支持部として機能するプーリ278bには、ベルト275aが掛けられている。ベルト275aによりプーリ278bはz軸まわりに回転可能である。プーリ278bの回転軸中心には、連結部125の移動部として機能するエアシリンダ300が設けられている。
【0031】
エアシリンダ300は、中空のシリンダケース(以下、単に「ケース部310」)と、シャフト部(以下、「シャフト320」)と、円板形状の弁体部(以下、「弁体370」)と、を主要構成要素としている。ケース部310の内部は、弁体370によって、弁体370の下面側の第1の内部空間と、弁体370の上面側の第2の内部空間とに区画される。シャフト320の一端は、ケース部310の内部において円板形状の弁体370に連結されている。シャフト320の他端は、ケース部310の外部において部材365を介して基板保持器136aに連結されている。シャフト320の軸心とプーリ278bの回転軸中心とが一致するようにエアシリンダ300のケース部310がプーリ278bに固定されている。プーリ278bの側面に、エアシリンダ300のケース部310を固定するための凹部が形成されており、この凹部にケース部310が嵌合した状態で固定されている。
【0032】
ケース部310には、フレキシブルなチューブで構成された配管350(第1配管)および351(第2配管)が接続されている。配管350、351の引き回し方法としては、例えば、中空構造を有する第2アーム136bおよび第1アーム136cの内部をとおり、更に、円筒構造を有する第1駆動軸170の内部をとおり、基板搬送ロボット1000の外部に設けられている電磁弁およびエアー供給部と接続可能である。また、配管350、351を、第2アーム136bおよび第1アーム136c等の外壁に沿って引き回し、基板搬送ロボット1000の外部に設けられている電磁弁およびエアー供給部と接続することも可能である。
【0033】
配管350(第1配管)はエアー供給部とケース部310の第1の内部空間とを接続し、配管351(第2配管)はエアー供給部とケース部310の第2の内部空間とを接続する。本実施形態において、電磁弁およびエアー供給部は、第3駆動源152として機能する。エアーの供給用または排気用として用いられる配管350、351は駆動力伝達部180として機能する。
【0034】
コントローラ190は、電磁弁を制御して、配管350、351の双方または、配管350、351のいずれかにエアー供給部からエアー供給することが可能である。エアー供給部から供給されるエアーは、レギュレータにより所定の圧力に制御可能である。例えば、配管350、351のそれぞれにレギュレータを設け、異なる圧力値に設定することで異なる圧力のエアーを、配管350、351を介してケース部310の第1の内部空間および第2の内部空間に供給することができる。
【0035】
(シャフト320の上昇移動)
所定圧力のエアーが配管350からケース部310の第1の内部空間に供給されると、エアーの流入により弁体370の下面側が上面側のエアー圧力との差圧により押し上げられ、シャフト320は上昇移動する。差圧により弁体370を移動させる場合、シャフト320を滑らかにストロークエンドまで上昇させることができるので、振動の発生をより効果的に抑制することができる。
【0036】
コントローラ190は配管351と接続されている電磁弁を開き、弁体370の上昇に従って第2の内部空間の内部のエアーを、配管351を介して排気することも可能である。差圧により弁体370を移動させる場合に比べて、シャフト320を高速に移動させることができる。シャフト320の上昇移動により基板保持器136aが上昇する。シャフト320の上昇移動は直動レール360上を移動可能な摺動部材361(ガイドブッシュ)によりガイドされる。摺動部材361(ガイドブッシュ)は、移動対象となる基板保持器136aの負荷、例えば、1Kg程度の物を安定してガイドすることができる剛性であればよい。
【0037】
配管350、351とケース部310との接続には、回転継手を用いることが可能である。プーリ278bの回転により、プーリ278bに固定されているエアシリンダ300も回転する。回転継手を用いることにより配管350、351の接続位置を所定の位置に固定できるので、配管350、351を損傷することなく安定的にエアーを供給し、またはエアーを排気することが可能になる。
【0038】
(シャフト320の降下移動)
所定圧力のエアーが配管351からケース部310の第2の内部空間に供給されると、エアーの流入により弁体370の上面側が下面側のエアー圧力との差圧により押し下げられ、シャフト320は降下移動する。この際、コントローラ190は配管350と接続されている電磁弁を開き、弁体370の降下に従って第1の内部空間の内部のエアーを、配管350を介して排気することも可能である。シャフト320の降下移動により基板保持器136aも降下する。基板保持器136aの上昇または降下移動は直動レール360上を移動可能な摺動部材361(ガイドブッシュ)によりガイドされる。摺動部材361(ガイドブッシュ)は、プーリ278bに対して上下方向のみ動作を可能にし、その他の方向への移動は拘束されている。ここで、摺動部材361としては、上下方向のみに動作を可能にし、その他の方向への移動を拘束ものならば、ガイドブッシュの例に限定するものではなく、例えば、スライドベアリングなどを用いることが可能である。
【0039】
次に、図6(a)〜(h)の参照により、処理室650から基板610を回収する際の基板搬送ロボット1000の移載動作例を説明する。図6(a)は、基板搬送ロボット1000が搬送室60内に停止している状態を示している。このとき、基板610は処理室650の内部に設けられている基板ホルダ600上に載置されている。図6(b)は、図6(a)に示す基板搬送ロボット1000をz軸方向の上方から見た状態を示している。
【0040】
図6(c)は、基板搬送ロボット1000の第1アーム136c、第2アーム136bが動作して、基板保持器136aが処理室650の内部に進入した状態を示している。この状態で、基板保持器136aは基板ホルダ600と基板610との間に位置している。図6(d)は図6(c)に示す基板搬送ロボット1000をz軸方向の上方から見た状態を示している。
【0041】
図6(e)はエアシリンダ300のシャフト320が上昇し、基板保持器136aが上昇した状態を示している。この状態で、基板610は、基板ホルダ600から基板保持器136aに載せかえられる。図6(f)は、図6(e)に示す基板搬送ロボット1000をz軸方向の上方から見た状態を示している。
【0042】
図6(g)はエアシリンダ300のシャフト320が上昇した状態で、第1アーム136c、第2アーム136bが動作して、基板保持器136aが搬送室60の内部に退行した状態を示している。基板610は基板ホルダ600から基板保持器136aに載せかえられた状態で、搬送室60側に回収される。図6(h)は図6(g)に示す基板搬送ロボット1000をz軸方向の上方から見た状態を示している。
【0043】
図6(a)〜(h)で説明した処理の流れとは逆の動作シーケンスを実行することにより、基板搬送ロボット1000は処理室650の基板ホルダ600に基板610を供給することができる。基板610の移載時に、図6(e)で示したように、基板保持器136aだけが上昇する構成としたことで、より大きな駆動源、直動ガイド能力を必要とせず、小型化が可能な基板搬送ロボットの提供が可能になる。基板保持器136aだけが上昇する構成としたことで、基板搬送ロボットの全体が上昇する場合に比べて、振動の発生を抑制することができる。振動が発生した場合でも、1Kg程度の基板保持器136aを移動させた場合の振動(振幅)は、基板搬送ロボット1000の全体を移動させた場合に生じる振動(振幅)より小さいものである。従って、基板保持器136aの振動が十分減衰するまでに要する時間は、基板搬送ロボット1000の全体を移動させた場合に生じる振動が十分減衰するまでに要する時間に比べて短くなる。このため、基板搬送ロボット1000の移載動作のタクトタイムの短縮化が可能になる。本実施形態で実現される効果は、後述の各実施形態でも同様に実現可能である。
【0044】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態にかかる基板搬送ロボット1001の構成を説明する。第1実施形態では連結部125の構成としてエアシリンダ300を用いた例を説明したが、本実施形態では、電磁石ユニット400を用いている点で第1実施形態の構成と相違している。基本的な構成は第1実施形態の構成と同様であるので重複した説明を省略し、図4の参照により第2実施形態にかかる基板搬送ロボットの連結部125の構成を説明する。連結部125の回転支持機構として機能するプーリ278bには、ベルト275aが掛けられている。ベルト275aによりプーリ278bはz軸まわりに回転可能である。プーリ278bの回転軸中心には、連結部125の移動機構として機能する電磁石ユニット400が設けられている。
【0045】
電磁石ユニット400は、中空のケース部(以下「ケース410」)と、シャフト部(以下、「シャフト420」)と、電磁コイル部(以下、「電磁コイル430」)と、磁石部(以下、「永久磁石440」)と、を有する。シャフト420はケース410の外部において、一端が基板保持器136aに連結されており、ケース410内において、他端が永久磁石440と連結されている。永久磁石440と対向してケース410内部の下面に電磁コイル430が配置されている。
【0046】
シャフト420の軸心とプーリ278bの回転軸中心とが一致するように電磁石ユニット400のケース410がプーリ278bに固定されている。
【0047】
コントローラ190は、電磁コイル430に対して、外部電源から供給される電流を制御することが可能である。電磁コイル430にはコントローラ190で制御された所定の電流を供給するための配線が接続されている。この場合、外部電源は第3駆動源152として機能し、配線は駆動力伝達部180として機能する。
【0048】
配線は、例えば、中空構造を有する第2アーム136bおよび第1アーム136cの内部をとおり、更に、円筒構造を有する第1駆動軸170の内部をとおり、基板搬送ロボット1000の外部に設けられている外部電源と接続されている。コントローラ190は外部電源の電流を制御して、永久磁石440と同じ極性の磁界を電磁コイル430に発生させる。電磁コイル430と永久磁石440との間に生じる反発力によりシャフト420は上昇し、シャフト420に連結されている基板保持器136aは上昇する。
【0049】
基板保持器136aを降下させる場合、永久磁石440の極性と異なる極性の磁界を電磁コイル430に発生させるようにコントローラ190は外部電源の電流を制御することが可能である。
【0050】
基板保持器136aの上昇移動および降下移動は直動レール460上を移動可能な摺動部材461によりガイドされる。摺動部材461としては、第1実施形態と同様に、例えば、ガイドブッシュやスライドベアリングなどを用いることが可能である。
【0051】
(第3実施形態)
次に、図5の参照により第3実施形態にかかる基板搬送ロボット1002の構成を説明する。第1実施形態では連結部125の構成としてエアシリンダ300を用いた例を説明したが、本実施形態では、ボールねじを用いている点で第1実施形態の構成と相違している。
【0052】
(基板搬送装置の機能構成)
図5(a)は、基板搬送ロボット1002の機能構成を示すブロック図であり、真空室外に配備された第1駆動源150で発生した回転駆動力(第1駆動力)は第1駆動軸170を介して第1アーム136cに伝達される。
【0053】
真空室外に配備された第2駆動源151で発生した回転駆動力(第2駆動力)は第2駆動軸171を介して第2アーム136bに伝達される。第1駆動軸170および第2駆動軸171は中空の円筒形状を有し、第3駆動軸172は円柱形状を有する。第1駆動軸170の内部に第2駆動軸171が配置され、第2駆動軸171の内部に第3駆動軸172が配置されることにより、第1駆動軸170と第2駆動軸171と第3駆動軸172は同軸となる。
【0054】
第1駆動源150(第1モータ)のエンコーダから得られる第1検出情報はコントローラ190に入力される。また、第2駆動源151(第2モータ)のエンコーダから得られる第2検出情報および第3駆動源552(第3モータ)のエンコーダから得られる第3検出情報もコントローラ190に入力される。コントローラ190は、入力されたに第1検出情報と第2検出情報と第3検出情報とに基づき、第1駆動軸170の回転と第2駆動軸171の回転と第3駆動軸172とを制御することが可能である。
【0055】
第1アーム136cの一端は第1駆動軸170に連結されており、第1アーム136cの他端には回転支持機構520が設けられている。第2アーム136bの一端は回転支持機構520に連結されている。回転支持機構520により、第2アーム136bは第1アーム136cに対して回転自在に支持される。
【0056】
第2アーム136bの他端には連結部525が設けられている。基板保持器136aは連結部525に連結されており、連結部525により、基板保持器136aは第2アーム136bに対して回転自在に支持される。
【0057】
連結部525は、第2アーム136bに対して基板保持器136aを回転自在に保持する回転支持機構520と、基板保持器136aを上昇または降下させることが可能な移動機構とを有する。
【0058】
第3駆動源552は連結部525の移動機構を動作させる駆動力(第3駆動力)を発生する。回転支持機構520には、駆動力(第3駆動力)を中継するための回転軸(中継回転軸)が設けられて、駆動力(第3駆動力)は、第1駆動力伝達機構160、回転軸(中継回転軸)、第2駆動力伝達機構161を介して連結部525の移動機構に伝達される。
【0059】
(連結部525の構成)
本実施形態に係る基板搬送ロボット1002の連結部525は、移動手段としてボールねじを用いて構成されている。ボールねじは構成要素として、ねじ軸510およびナット515を有する。連結部525の回転支持部として機能するプーリ278bには、ベルト275aが掛けられている。ベルト275aによりプーリ278bはz軸まわりに回転可能である。プーリ278bの回転軸中心には、連結部525の移動部として機能するボールねじのねじ軸510が設けられている。ボールねじのねじ軸510の軸心とプーリ278bの回転軸中心とは同軸となる。ボールねじのナット515(移動部材)は、ねじ軸510の回転によりねじ軸510の方向に沿って移動する。
【0060】
本実施形態では、第2駆動軸171は円筒形状を有しており、第2駆動軸171の内部に、ボールねじのねじ軸510を駆動するための第3駆動軸172が設けられている。第1駆動軸170、第2駆動軸171および第3駆動軸172は同軸である。第3駆動軸172の一端には、第3駆動源552が接続されており、他端にはプーリ580が設けられている。回転支持機構520の回転軸530(中継回転軸)には、プーリ581、582が設けられている。ボールねじのねじ軸510の一端にはプーリ583が設けられている。プーリ580とプーリ581との間にはベルト571が掛けられており、プーリ582とプーリ583との間にはベルト572が掛けられている。第3駆動軸172の回転は、プーリ580、ベルト571およびプーリ581を介して回転支持機構520の回転軸530(中継回転軸)に伝達される。回転支持機構520の回転軸530(中継回転軸)の回転は、プーリ582、ベルト572およびプーリ583を介してボールねじのねじ軸510に伝達される。
【0061】
ボールねじのねじ軸510が回転すると、回転方向に応じてボールねじのナット515が上昇移動または降下移動する。ナット515には、基板保持器136aが取り付けられており、ナット515の上昇移動または降下移動に従って、基板保持器136aが上昇移動または降下移動する。基板保持器136aがプーリ278bに対して回転しないように、プーリ278bにはリニアガイド560が取り付けられている。リニアガイド560の断面は円柱状または矩形状であり、基板保持器136aはリニアガイド560上を移動可能な摺動部材561と接することでその回転を規制することができる。
【0062】
(第4実施形態)
上記の各実施形態においては、第1アームと第2アームを有する多関節型のアーム機構を備えた基板搬送ロボットについて説明したが、アームを1つのみ備えた基板搬送ロボットに基板保持器を上下させる機構を設けてもよい。駆動軸を1つのみ備える駆動源を用い、第1アームの端部に上下機構を介して基板保持器が設けられる。この場合、基板保持器はアームに対して回転する必要がないので、連結部は基板保持器の上下機構のみを有することになる。
【0063】
基板搬送装置は、駆動源(第1駆動源)に連結された駆動軸(第1駆動軸)と、駆動軸(第1駆動軸)に一端が連結されたアーム部と、アーム部の他端側に配置された基板保持器と、アーム部の他端と基板保持器を連結する連結部と、を有する。連結部は、アーム部に対して基板保持器を回転可能に支持する回転支持機構と、回転支持機構によって基板保持器が回転する回転軸の方向に、アーム部に対して基板保持器を上昇させ、または、降下移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする。ここで、移動機構としては、例えば、ねじ軸とナットとを有するボールねじを使用することが可能である。移動機構は、回転支持機構の回転軸と同軸に設けられたねじ軸の回転により回転軸の方向に沿って移動する移動部材(ナット)を有する。
【0064】
基板搬送装置は、更に、駆動源と独立した第2駆動源に連結された第2駆動軸と、第2駆動軸の回転をねじ軸に伝達する駆動力伝達機構と、を備える。基板保持器は、ねじ軸の回転により移動する移動部材の移動に応じて、上昇、または、降下移動することを特徴とする。
【0065】
上述の各実施形態によれば、より大きな駆動源、直動ガイド能力を必要とせず、小型化が可能な基板搬送装置の提供が可能になる。
【0066】
あるいは、移載動作のタクトタイムの短縮化が可能な基板搬送装置の提供が可能になる。あるいは、装置の低コスト化が可能な基板搬送装置の提供が可能になる。
【0067】
(電子デバイスの製造システム、デバイスの製造方法)
本発明の実施形態にかかる基板搬送ロボットは、例えば、図2(a)に示すような電子デバイスの製造システムに適用可能である。処理室1−6は、基板搬送ロボット1000、1001、1002(以下、「基板搬送ロボット1000」と記載する)を中心にして放射状に配置されている(図2(a))。第1アーム136cおよび第2アーム136bの回転動作に基づいて基板保持器136aを直線的に動作させることより、基板搬送ロボット1000は各処理室に基板を搬送することが可能である。処理室で基板の処理が終了した後に、基板搬送ロボット1000は処理室から基板を排出し、次の処理を行う別の処理室に基板を移載する。一つの基板搬送ロボット1000で、複数のプロセス処理装置(処理室1−6)に対して基板の搬送を行うことが可能な構成となっている。本実施形態にかかる電子デバイスの製造システムは、上記の実施形態で説明した基板搬送ロボット1000と、基板搬送ロボット1000により搬送された基板に対してデバイス製造プロセスを実行する少なくとも一つのプロセス処理装置と、を備える。
【0068】
また、電子デバイスの製造方法は、基板搬送ロボット1000を用いて基板を搬送する搬送工程と、少なくとも一つのプロセス処理装置において、搬送工程で搬送された基板に対して、デバイス製造プロセスを実行するプロセス実行工程とを有する。電子デバイスの製造システムおよび電子デバイスの製造方法により製造される電子デバイスとしては、例えば、半導体、液晶ディスプレイ、太陽電池、あるいは光通信機器用デバイスのうち、少なくとも1つが含まれる。
【符号の説明】
【0069】
170 第1駆動軸
136c 第1アーム
171 第2駆動軸
136b 第2アーム
120 回転支持部
136a 基板保持器
125 連結部
525 連結部
552 第3駆動源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1駆動軸と、
前記第1駆動軸に一端が連結されたアーム部と、
基板を保持することが可能な基板保持部と、
前記アーム部の他端と前記基板保持部を連結する連結部と、を有する基板搬送装置であって、
前記連結部は、
前記アーム部に対して前記基板保持部を回転可能に支持する回転支持部と、
前記回転支持部によって前記基板保持部が回転する回転軸の方向に、前記アーム部に対して当該基板保持部を上昇させ、または、降下移動させる移動部と、
を備えることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項2】
第1駆動軸と、
前記第1駆動軸に一端が連結され、前記第1駆動軸と連動して回転可能な第1アーム部と、
前記第1駆動軸と同軸に設けられるとともに、独立に回転可能な第2駆動軸と、
前記第1アーム部の他端に回転可能に支持され、前記第2駆動軸と連動して回転可能な第2アーム部と、
基板を保持することが可能な基板保持部と、
前記第2アーム部と前記基板保持部とを連結する連結部と、を有する基板搬送装置であって、
前記連結部は、
前記第2アーム部に対して前記基板保持部を回転可能に支持する回転支持部と、
前記回転支持部によって前記基板保持部が回転する回転軸の方向に、前記第2アーム部に対して当該基板保持部を上昇させ、または、降下移動させることが可能な移動部と、
を備えることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項3】
前記移動部は、前記回転支持部の回転軸と同軸に設けられたねじ軸の回転により前記回転軸の方向に沿って移動する移動部材を有し、
前記基板搬送装置は、更に、
前記第1駆動軸および前記第2駆動軸と独立に回転可能な第3駆動軸と、
前記第3駆動軸の回転を前記ねじ軸に伝達する駆動力伝達部と、
を備え、
前記基板保持部は、前記ねじ軸の回転により移動する前記移動部材の移動に応じて、上昇、または、降下移動することを特徴とする請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項4】
前記移動部は、前記回転支持部の回転軸と同軸に設けられたねじ軸の回転により前記回転軸の方向に沿って移動する移動部材を有し、
前記基板搬送装置は、更に、
前記第1駆動軸と独立に回転可能な第2駆動軸と、
前記第2駆動軸の回転を前記ねじ軸に伝達する駆動力伝達部と、
を備え、
前記基板保持部は、前記ねじ軸の回転により移動する前記移動部材の移動に応じて、上昇、または、降下移動することを特徴とする請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項5】
前記移動部は、
前記回転支持部に固定された中空のケース部と、
前記回転支持部の回転軸と同軸に設けられたシャフト部と、
前記ケース部の内部において前記シャフト部の一端に連結され、前記ケース部の内部空間を第1の内部空間と第2の内部空間とに区画する円板形状の弁体部と、
所定の圧力のエアーを供給することが可能なエアー供給部と、
前記エアー供給部と前記ケース部の前記第1の内部空間とを接続する第1配管と、
前記エアー供給部と前記ケース部の前記第2の内部空間とを接続する第2配管と、
前記第1配管および前記第2配管のうち少なくともいずれか一方を介して、前記エアー供給部から前記ケース部の内部空間への前記エアーの供給を制御する制御部と、を備え、
前記シャフト部の他端は、前記ケース部の外部において前記基板保持部に連結されており、
前記制御部の制御により、前記第1配管を介して前記第1の内部空間にエアーが供給された場合、当該エアーにより前記弁体部は押し上げられることにより前記シャフト部に連結されている前記基板保持部は上昇し、
前記制御部の制御により、前記第2配管を介して前記第2の内部空間にエアーが供給された場合、当該エアーにより前記弁体部は押し下げられることにより前記シャフト部に連結されている前記基板保持部は降下することを特徴とする請求項1又は2に記載の基板搬送装置。
【請求項6】
前記移動部は、
前記回転支持部に固定された中空のケース部と、
前記回転支持部の回転軸と同軸に設けられ、前記ケースの外部において、一端が前記基板保持部に連結されたシャフト部と、
前記ケースの内部において前記シャフト部の他端に連結された磁石部と、
前記磁石部と対向して前記ケース部の内部の下面に配置された電磁コイル部と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の基板搬送装置。
【請求項7】
前記基板搬送装置は、更に、
前記電磁コイルに供給する電流を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記電流を制御して前記電磁コイル部に前記磁石部と反発するような磁界を発生させ、
前記電磁コイル部と前記磁石部との間に生じる反発力により前記シャフト部は上昇し、当該シャフト部に連結されている前記基板保持部は上昇することを特徴とする請求項6に記載の基板搬送装置。
【請求項8】
電子デバイスの製造システムであって、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の基板搬送装置と、
前記基板搬送装置により搬送された基板に対してデバイス製造プロセスを実行する少なくとも一つのプロセス処理装置と、
を備えることを特徴とする電子デバイスの製造システム。
【請求項9】
電子デバイスの製造方法であって、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の基板搬送装置を用いて基板を搬送する搬送工程と、
少なくとも一つのプロセス処理装置において、前記搬送工程で搬送された基板に対して、デバイス製造プロセスを実行するプロセス実行工程と、
を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−23315(P2012−23315A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162192(P2010−162192)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000227294)キヤノンアネルバ株式会社 (564)
【Fターム(参考)】