基板洗浄装置
【課題】基板の端面を含む周縁部に付着した付着物をブラシにより効果的に除去することができる基板洗浄装置を提供すること。
【解決手段】基板洗浄装置1は、基板Wを回転可能に保持するスピンチャック3と、スピンチャック3に保持されている基板Wを回転するモーター4と、スピンチャック3に保持されている基板Wに洗浄液を供給する洗浄液供給機構10と、洗浄時に基板Wの周縁部に接触する周縁部洗浄部21cを有するブラシ21、ブラシ21を回転させる回転機構33,34、およびブラシ21をウエハWに押しつける押しつけ機構27を有する洗浄機構20とを具備する。周縁部洗浄部21cは、径方向で洗浄力分布が形成されるように径方向に沿って状態が変化している状態変化部分52を有する。
【解決手段】基板洗浄装置1は、基板Wを回転可能に保持するスピンチャック3と、スピンチャック3に保持されている基板Wを回転するモーター4と、スピンチャック3に保持されている基板Wに洗浄液を供給する洗浄液供給機構10と、洗浄時に基板Wの周縁部に接触する周縁部洗浄部21cを有するブラシ21、ブラシ21を回転させる回転機構33,34、およびブラシ21をウエハWに押しつける押しつけ機構27を有する洗浄機構20とを具備する。周縁部洗浄部21cは、径方向で洗浄力分布が形成されるように径方向に沿って状態が変化している状態変化部分52を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の周縁部をブラシ洗浄する基板洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスやフラットパネルディスプレー(FPD)の製造プロセスにおいては、被処理基板である半導体ウエハやガラス基板に付着したパーティクルやコンタミネーション等を除去する洗浄処理が行われる。このような洗浄処理を行う装置としては、基板をスピンチャックに保持し、基板を回転させた状態でウエハの表面に洗浄液を供給してウエハの表面を洗浄する枚葉式の洗浄装置が知られている。
【0003】
このような洗浄装置の洗浄処理においては、洗浄液として用いられた酸やアルカリの薬液が洗浄処理の過程で基板周縁部に残存し、そのまま乾燥して付着物となることや、洗浄によって除去された物質が基板の周縁部に再付着することが生じる。かつては、基板の周縁部は製品として使用されないため、このような基板周縁部の付着物に対して特別な対策がとられていなかったが、デバイス等の微細化が進み、このような基板周縁部の付着物が基板搬送機構の基板支持アーム等に付着することによる悪影響が顕在化するようになってきた。このような悪影響を防止する技術として、基板の周縁部にスポンジ状のブラシを当接させて周縁部の付着物を除去する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【0004】
しかしながら、基板周縁部には、強固に付着している付着物も存在し、また、半導体ウエハでは周縁部にはベベルが形成されており、周縁部の状態が径方向で異なる結果、必要となるブラシによる洗浄力が径方向で異なることから、単にスポンジ状ブラシを当接させただけでは付着物を効果的に除去することが困難である。
【特許文献1】実開平5−79939号公報
【特許文献2】特開2007−165794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、基板の周縁部に付着した付着物をブラシにより効果的に除去することができる基板洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、基板の周縁部をブラシ洗浄する基板洗浄装置であって、基板を回転可能に保持する基板保持機構と、前記基板保持機構に保持されている基板を回転する基板回転機構と、前記基板保持機構に保持されている基板に洗浄液を供給する洗浄液供給機構と、洗浄時に基板の周縁部に接触する周縁部洗浄部を有するブラシと、前記周縁部洗浄部を基板の周縁部に押しつける押しつけ機構とを有する洗浄機構とを具備し、前記周縁部洗浄部は、径方向で洗浄力分布が形成されるように径方向に沿って状態が変化している状態変化部分を有することを特徴とする基板洗浄装置を提供する。
【0007】
上記基板洗浄装置において、前記状態変化部分は、径方向に沿って、高さ、形状、硬さ、および材質の少なくとも1つが変化している構成とすることができる。また、前記状態変化部分は、径方向に沿って複数の部分に分割されており、隣接する部分間で高さ、形状、硬さ、および材質の少なくとも1つが異なっている構成とすることができる。
【0008】
さらに、前記洗浄機構は、前記ブラシを回転させるブラシ回転機構をさらに有し、前記ブラシ回転機構により前記ブラシを回転しつつ前記押しつけ機構により前記周縁部洗浄部を基板の周縁部に押しつけて基板の周縁部を洗浄するようにすることができる。この場合に、前記周縁部洗浄部は、周方向に沿って複数のブラシ部に分割されており、隣接するブラシ部間で状態が異なっており、これら複数のブラシ部のうち少なくとも1つが前記状態変化部である構成とすることができる。
【0009】
さらにまた、前記周縁部洗浄部は、ブラシ支持部材に支持された構成することができる。
【0010】
さらに、前記ブラシは、前記周縁部洗浄部と同軸状にかつ一体的に設けられ、基板の端面に接触する端面洗浄部を有する構成とすることができる。この場合に、前記端面洗浄部は、スポンジ状樹脂からなるものとすることができる。また、この場合には、前記押しつけ機構は、前記端面洗浄部を基板端面に押しつけるように構成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板の周縁部にブラシを接触させて洗浄する際に、ブラシの周縁洗浄部を、径方向で洗浄力分布が形成されるように径方向に沿って状態が変化するようにしたので、半導体ウエハのベベルのような径方向で状態が異なるような場合であっても、付着物を効果的に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明する。図1は本発明の一実施形態に係るウエハ洗浄装置を示す概略構成図、図2はその内部の平面図である。
【0013】
このウエハ洗浄装置1はチャンバ2を有し、このチャンバ2の中には、被洗浄基板である半導体ウエハ(以下単にウエハと記す)Wを水平状態で真空吸着により吸着保持するためのスピンチャック3が設けられている。このスピンチャック3は、軸3aを介してチャンバ2の下方に設けられたモーター4により回転可能となっている。また、チャンバ2内には、スピンチャック3に保持されたウエハWを覆うようにカップ5が設けられている。カップ5の底部には、排気および排液のための排気・排液管6が、チャンバ2の下方へ延びるように設けられている。チャンバ2の側壁には、ウエハWを搬入出するための搬入出口7が設けられている。なお、軸3aとカップ5の底部およびチャンバ2の底部との間には流体シール8が設けられている。
【0014】
また、このウエハ洗浄装置1は、さらに、洗浄液を供給する洗浄液供給機構10と、ウエハWの周縁部をブラシ洗浄する洗浄機構20とを有している。
【0015】
洗浄液供給機構10は、カップ5の上方に設けられた表面側洗浄液ノズル11aとスピンチャック3に保持されたウエハWの裏面側に設けられた裏面側洗浄液ノズル11bとを有し、これら表面側洗浄液ノズル11aおよび裏面側洗浄液ノズル11bには、それぞれ表面側洗浄液供給配管13aおよび裏面側洗浄液供給配管13bが接続されている。これら表面側洗浄液供給配管13aおよび裏面側洗浄液供給配管13bの他端は共通の洗浄液供給源12に接続されている。そして、洗浄液供給源12から表面側洗浄液供給配管13aを介して表面側洗浄液ノズル11aからウエハWの表面中心付近に洗浄液が供給され、裏面側洗浄液供給配管13bを介して裏面側洗浄液ノズル11bからウエハWの裏面に洗浄液が供給される。表面側洗浄液供給配管13aおよび裏面側洗浄液供給配管13bには、それぞれバルブ14a,14bが介在されている。洗浄液としては、純水や薬液等を用いることができる。
【0016】
洗浄機構20は、ウエハWの周縁部および端面を洗浄するためのブラシ21と、ブラシ21を回転可能に支持する回転支持部材22と、ブラシ21を回動させるための回動アーム25と、回動アーム25の回動軸となる回動シャフトを内蔵するシャフト部26と、回動シャフトを回転させて回動アーム25を回動させる回動機構および回動アーム25を昇降させる昇降機構を内蔵する回動・昇降部27とを有している。ブラシ21はその下方からブラシ支持部材23により支持されている。
【0017】
図3は、洗浄機構をさらに詳細に示す断面図である。回転支持部材22は、鉛直方向に延びる円筒状をなし、その下端部中央にブラシ取り付け部24が設けられている。このブラシ取り付け部24にはブラシ21の中央に鉛直方向に延びるブラシ支持軸21aが取り付けられている。ブラシ支持軸21aの下端はブラシ支持部材23の中央に固定されている。ブラシ取り付け部24に対してブラシ支持軸21aは着脱自在となっている。
【0018】
回動アーム25は水平に延びる角筒状をなし、その先端部分に回転支持部材22が回転可能に設けられている。すなわち、回転支持部材22は、回動アーム25に取り付けられた一対のベアリング31a,31bにより回転可能に支持されている。回転支持部材22の中央部にはプーリー32が外嵌されており、このプーリー32にベルト33が巻き掛けられている。このベルト33は、回動アーム25の内部空間を水平に延びている。また、回動アーム25の内部には、その底板に固定されるようにブラシ回転用モーター34が設けられており、ブラシ回転用モーター34の回転軸34aにはプーリー35が取り付けられていて、上記ベルト33はプーリー35に巻き掛けられている。したがって、モーター34を駆動させることによりベルト33を介して回転支持部材22が回転され、これにともなってブラシ21が回転される。
【0019】
回動アーム25の基端部分には、鉛直に延びる回動シャフト38が、回動アーム25内の上下に設けられた一対の固定部材39により固定されている。回動シャフト38はシャフト部26を通って回動・昇降部27まで延びている。
【0020】
回動・昇降部27は、シャフト部26の下方に連続する筐体41と、その内部に設けられた回動機構42および昇降機構45とを有している。回動機構42は、回動用モーター43を有しており、その回転軸が回動シャフト38の下端に接続されており、回動用モーター43を回転駆動することにより、回動シャフト38に固定された回動アーム25が回動するようになっている。また、昇降機構45は、回動シャフト38をベアリング47を介して回転可能に支持する支持部材46と、筐体41の底部から鉛直上方に延び、支持部材46が螺合するボールネジ48と、筐体41の底板に固定され、ボールネジ48を回転させる昇降用モーター49と、筐体41内に鉛直に設けられ、支持部材46をガイドするガイド部材50とを有している。つまり、昇降機構45はボールネジ機構によって回動シャフト38を昇降し、これにともなって回動アーム25を昇降するようになっている。そして、回動機構42により回動アーム25を回動させ、昇降機構45により回動アーム25を昇降させることにより、ブラシ21をウエハWの周縁部に所望の押しつけ力で押しつけるようになっている。すなわち、回動機構42および昇降機構45はブラシ21の押しつけ機構として機能する。
【0021】
図4は、ブラシ21を拡大して示す断面図である。ブラシ21は、円筒状をなす小径の端面洗浄部21bと、端面洗浄部21bの下方に一体的に設けられた円筒状をなす大径の周縁部洗浄部21cとを有している。すなわち、端面洗浄部21bの周面がウエハWの端面に接触してウエハWの端面が洗浄され、周縁部洗浄部21cの上面がウエハWの裏面周縁部に接触してウエハWの裏面周縁部が洗浄される。
【0022】
周縁部洗浄部21cは径方向で洗浄力分布が形成されるように径方向に沿って状態が変化している状態変化部分を有する。図4の例では、周縁部洗浄部21cの全体が、スポンジ状樹脂からなり、径方向内側にいくに従って高さが高くなるように構成された状態変化部分52であり、これにより、ウエハWの端面側にいくほど洗浄力を上昇させることができる。
【0023】
また、ブラシ21としては、図5に示すように、周縁部洗浄部21cが径方向で高さは同じであるが、内側にいくに従って硬くなる、または材質が変化するといったことでも状態変化部分52を構成することができ、これによりウエハWの端面側にいくほど洗浄力を上昇させることができる。
【0024】
さらに、ブラシ21として、周縁部洗浄部21cが径方向で形状が異なる、例えば図6に示すように、内側にいくに従って表面の突起53の数が多くなるような状態変化部分52を形成してもよく、この場合にもウエハWの端面側にいくほど洗浄力を上昇させることができる。
【0025】
また、図7に示すように、状態変化部分52は、径方向に沿って複数のブラシエリア(ここでは3個のブラシエリア54a、54b,54c)に分割し、例えばこれらの高さを異ならせてもよい。もちろん、複数のブラシエリアは他の状態、例えば形状、硬さ、材質等を異ならせてもよい。また、高さ、形状、硬さおよび材質の2つ以上を異ならせてもよい。
【0026】
さらに、図8に示すように、状態変化部分52を歯ブラシのような毛の集合体55で構成し、径方向に沿って毛の高さ(図8(a))や、毛の密度(図8(b))を異ならせてもよい。また、径方向に沿って毛の太さや毛の材質を異ならせることもできる。
【0027】
さらに、図9に示すように、周縁部洗浄部21cを周方向に沿って複数のブラシ部56に分割し、隣接するブラシ部間で状態を異ならせ、これら複数のブラシ部56のうち少なくとも1つを前記状態変化部52として機能させることもできる。例えばこの図に示すように、スポンジ状樹脂57からなるブラシ部56と歯ブラシのような毛の集合体58からなるブラシ部56とを交互に配列し、例えばスポンジ状樹脂57からなるブラシ部56の一部または全部を状態変化部52として機能させることができる。もちろん、毛の集合体58からなるブラシ部56の一部または全部を状態変化部52として機能させることもできる。
【0028】
また、図10に示すように、ブラシ部56を全てスポンジ状樹脂として、高さ、形状、硬さ、および材質のうち少なくとも1つが異なる第1樹脂57aと第2樹脂57bとを交互に配置し、例えば第1樹脂57aを配したブラシ部56の一部または全部を状態変化部52として機能させることができる。もちろん、第2樹脂57bを配したブラシ部56の一部または全部を状態変化部52として機能させることもできる。
【0029】
ブラシ21はブラシ支持部材23に接着剤で接着させることができ、図7〜10に示す例のように、ブラシ21の周縁部洗浄部21cが複数の部分に分割されている場合には、これら分割されたものをブラシ支持部材23に接着剤で直接接着するようにすることができる。ブラシ21のブラシ支持部材23への取り付け方法は、接着の他、溶着、溶接、圧入等の種々の方法を採用することができる。
【0030】
なお、ブラシ21の端面洗浄部21bは、スポンジ状樹脂で構成される。
【0031】
ブラシ21の端面洗浄部21bおよび周縁部洗浄部21cに使用されるスポンジ状の樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)を好適に用いることができる。ブラシ21に適用可能な他の樹脂としては、ポリエチレン(PE)を挙げることができる。また、周縁部洗浄部21cに用いた歯ブラシ状の毛の集合体を構成する樹脂としては、ポリプロピレン(PP)を好適に用いることができる。ブラシ支持部材23も樹脂で構成することが好ましく、ブラシ21の変形を防ぐ役割を持たせる観点から硬質樹脂、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニール(PVC)等が好ましい。
【0032】
制御部30は、図11のブロック図に示すように、コントローラ61と、ユーザーインターフェース62と、記憶部63とを有している。コントローラ61は、ウエハ洗浄装置1の各構成部、例えばモーター4、ブラシ回転用モーター34、回動用モーター43、昇降用モーター49等を制御する。また、ユーザーインターフェース62はコントローラ61に接続され、オペレータがウエハ洗浄装置1を管理するためにコマンド等の入力操作を行うキーボードや、ウエハ洗浄装置1の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなる。また、記憶部63もコントローラ61に接続され、その中にウエハ洗浄装置1の各構成部の制御対象を制御するための制御プログラムや、ウエハ洗浄装置1に所定の処理を行わせるためのプログラムすなわち処理レシピが格納されている。処理レシピは記憶部63の中の記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスクのような固定的なものであってもよいし、CDROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。そして、コントローラ61は、必要に応じて、ユーザーインターフェース62からの指示等にて任意の処理レシピを記憶部63から呼び出して実行させることで、コントローラ61の制御下で、所定の処理が行われる。
【0033】
次に、このようなウエハ洗浄装置1によりウエハWの洗浄処理を行う処理動作について説明する。
【0034】
まず、所定のブラシ21を回転支持部材22に取り付ける。そして、ブラシ21をウエハWの外側で退避させた状態でチャンバ2にウエハWを搬入し、スピンチャック3にウエハWを保持させる。ブラシ21が退避位置にあるときには、ブラシ21の乾燥防止のため、ブラシ21に対して洗浄液が供給される。この状態で、モーター4を駆動させてスピンチャック3とともにウエハWを所定の回転数で回転させ、洗浄液ノズル11から洗浄液を供給しつつ、ブラシ回転用モーター34により、ブラシ支持部材22とともにブラシ21を回転させる。
【0035】
次いで、回動機構42により回動アーム25をスピンチャック3上のウエハWに向けて回動させてブラシ21の小径部21bの外周をウエハWの端面に所定の押しつけ力により押しつけるとともに、昇降機構45により回動アーム25の高さ調節をしてブラシ21の大径部21cの上面をウエハWの裏面周縁部に所定の押しつけ力に押しつけ、ブラシ洗浄を開始する。
【0036】
この場合に、ウエハWの形状および付着物の付着状態等を考慮してブラシ21として適切なものを用いる。すなわち、ウエハWの周縁部においては、ウエハWの形状や付着状況が径方向に異なっており、ウエハWの周縁部の径方向に沿って洗浄力を調整する必要がある。そのため、周縁部洗浄部21cは径方向で洗浄力分布が形成されるように径方向に沿って状態が変化している状態変化部分を設け、ウエハW周縁部においてその径方向の洗浄力を調整する。例えば、ウエハWの周縁部には図12に示すようにベベルBが形成されており、その部分の裏面側では端面に行くに従って上昇するように傾斜しているから、ウエハWの裏面周縁部の洗浄においてその端面近傍ではブラシ21の圧力がかかりにくい。このため、周縁部洗浄部21cの径方向内側、つまりウエハWの端面側にいくに従って洗浄力が高くなるように周縁部洗浄部21cの状態を変化させることが有効である。
【0037】
図4に示す例では、周縁部洗浄部21cの全体をスポンジ状樹脂で構成し、径方向内側にいくに従って高さが高くなるようにして、全体を状態変化部分52としたので、ブラシ21の圧力がかかりにくく洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させてウエハW裏面周縁部を効果的に洗浄することができる。なお、周縁部洗浄部21cの一部が状態変化部分52であってもよい。
【0038】
図5に示す例では、周縁部洗浄部21cが径方向で高さは同じであるが、内側にいくに従って硬くなる、または材質が変化するようにして、全体を状態変化部分52としたので、同様に、洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させて効果的に洗浄を行うことができる。なお、この場合にも、周縁部洗浄部21cの一部が状態変化部分52であってもよい。
【0039】
図6に示す例では、周縁部洗浄部21cを径方向で形状が異なる、具体的には、内側にいくに従って表面の突起53の数が多くなるようにして、全体を状態変化部分52としたので、この場合にも、洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させて効果的に洗浄を行うことができる。この場合にも、周縁部洗浄部21cの一部が状態変化部分52であってもよい。
【0040】
図7の例では、周縁部洗浄部21cの径方向に沿って複数(図では3個)の3個のブラシエリア54a、54b,54cに分割し、例えばこれらの高さを異ならせて状態変化部分52を形成したので、洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させて効果的に洗浄を行うことができる。複数のブラシエリアの高さを変える他、他の状態、例えば形状、硬さ、材質等を異ならせても、さらに高さ、形状、硬さおよび材質の2つ以上を異ならせても、同様の効果を得ることができる。また、このように分割することにより、これら分割部分をブラシ支持部材23に接着すればよく、細かい加工が困難であるスポンジ状樹脂を細かく加工することなく所望の形状を得ることができる。この場合には、状態変化部分52は周縁部洗浄部21cの一部であってもよいし、周縁部洗浄部21cの全部であってもよい。
【0041】
図8の例では、歯ブラシのような毛の集合体55で状態変化部分52を構成し、径方向に沿って毛の高さ(図8(a))や、毛の密度(図8(b))を異ならせたので、具体的には(a)の場合には内側にいくほど毛の高さが高くなるようにし、(b)の場合には内側に行くほど毛の密度が高くなるようにしたので、やはり洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させて効果的に洗浄を行うことができる。この場合にも、状態変化部分52は周縁部洗浄部21cの一部であってもよいし、周縁部洗浄部21cの全部であってもよい。なお、径方向に沿って毛の太さや毛の材質を異ならせることによっても、径方向で洗浄力を異ならせることができ、効果的な洗浄を実現することができる。
【0042】
図9の例では、周縁部洗浄部21cを周方向に沿って複数のブラシ部56に分割し、隣接するブラシ部間で状態を異ならせ、これら複数のブラシ部56のうち少なくとも1つを前記状態変化部52として機能させるようにしており、具体的には、スポンジ状樹脂57からなるブラシ部56と歯ブラシのような毛の集合体58からなるブラシ部56とを交互に配列し、例えばスポンジ状樹脂57からなるブラシ部56を状態変化部52として機能させるようにしたので、状態変化部52の機能により、例えば洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させて効果的に洗浄を行うことができる。また、このように形態および材質が互いに異なるブラシ部56を周方向に交互に配置したので、ウエハWの被洗浄部分にこれらが交互に当たり、周縁部全体の洗浄力を上昇させることができる。
【0043】
図10の例では、同様に周縁部洗浄部21cを周方向に沿って複数のブラシ部56に分割し、ブラシ部56を全てスポンジ状樹脂として、高さ、形状、硬さ、および材質のうち少なくとも1つが異なる第1樹脂57aと第2樹脂57bとを交互に配置し、いずれか一方、例えば第1樹脂57aを配したブラシ部56を状態変化部52として機能させたので、この部分により、例えば洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させて効果的に洗浄を行うことができる。また、このように高さ、形状、硬さ、および材質のうち少なくとも1つが異なる第1樹脂57aと第2樹脂57bを周方向に交互に配置したので、ウエハWの被洗浄部分にこれらが交互に当たり、周縁部全体の洗浄力を上昇させることができる。
【0044】
上記図9、10の例のように複数のブラシ部56に分割する場合には、種々の材質および形状の小さなパーツを複数つくり、これをブラシ支持部材23に接着すればよいので作製が容易である。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、上部を端面洗浄部とし、下部を周縁部洗浄部としたブラシを用いてウエハの端面と裏面周縁部を洗浄する例を示したが、図13に示すように、上部を周縁部洗浄部21c′とし、下部を端面洗浄部21b′としたブラシ21′を用い、ウエハ端面と表面周縁部を洗浄するようにすることもできる。
【0046】
また、図14に示すように、円板状のブラシ21″を用い、(a)に示すようにその上面でウエハWの裏面周縁部を洗浄するようにしてもよく、(b)に示すようにその下面でウエハWの裏面洗浄部を洗浄するようにしてもよい。
【0047】
さらに、上記実施形態では、ウエハのベベルを効果的に洗浄できるような洗浄力分布を形成する例を示したが、これに限らず、ウエハ周縁部の径方向において要求される洗浄力分布に応じて種々の状態分布をとることができる。
【0048】
さらにまた、ブラシの形態は上記実施形態に限らず、必要に応じて他の種々の形態をとることができる。
【0049】
さらにまた、上記実施形態では、ウエハの端面および裏面周縁部を洗浄する洗浄機構のみを説明したが、ウエハの表面を洗浄する適宜の洗浄機構を有していてもよい。さらに、上記実施形態の装置に限らず、ウエハの表裏面を洗浄する洗浄装置またはウエハの裏面を洗浄する装置に本発明を適用することもできる。
【0050】
さらにまた、上記実施形態では、被処理基板として半導体ウエハを適用した場合について示したが、これに限るものではなく、例えば液晶表示装置用ガラス基板に代表されるフラットパネル表示装置用基板等、他の基板にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置を示す概略構成図。
【図2】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置の内部を示す平面図。
【図3】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構をさらに詳細に示す断面図。
【図4】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材の一例を拡大して示す断面図。
【図5】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材の他の例を拡大して示す断面図。
【図6】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材のさらに他の例を拡大して示す断面図。
【図7】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材のさらにまた他の例を拡大して示す断面図。
【図8】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材の別の例を拡大して示す断面図。
【図9】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材のさらに別の例を拡大して示す断面図。
【図10】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材のさらにまた別の例を拡大して示す断面図。
【図11】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた制御部の構成を示すブロック図。
【図12】基板として用いるウエハのベベルを拡大して示す模式図。
【図13】ブラシの他の構成例を拡大して示す断面図。
【図14】ブラシの他の構成例を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
【0052】
1;ウエハ洗浄装置(基板洗浄装置)
2;チャンバ
3;スピンチャック
4;モーター
5;カップ
6;排気・排液管
7;搬入出口
10;洗浄液供給機構
11;洗浄液ノズル
12;洗浄液供給源
20;洗浄機構
21、21′、21″;ブラシ
21a;ブラシ支持軸
21b、21b′;端面洗浄部
21c、21c′;周縁部洗浄部
22;回転支持部材
23;ブラシ支持部材
25;回動アーム
26;シャフト部
27;回動・昇降部
30;制御部
61;コントローラ
W;半導体ウエハ(基板)
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の周縁部をブラシ洗浄する基板洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスやフラットパネルディスプレー(FPD)の製造プロセスにおいては、被処理基板である半導体ウエハやガラス基板に付着したパーティクルやコンタミネーション等を除去する洗浄処理が行われる。このような洗浄処理を行う装置としては、基板をスピンチャックに保持し、基板を回転させた状態でウエハの表面に洗浄液を供給してウエハの表面を洗浄する枚葉式の洗浄装置が知られている。
【0003】
このような洗浄装置の洗浄処理においては、洗浄液として用いられた酸やアルカリの薬液が洗浄処理の過程で基板周縁部に残存し、そのまま乾燥して付着物となることや、洗浄によって除去された物質が基板の周縁部に再付着することが生じる。かつては、基板の周縁部は製品として使用されないため、このような基板周縁部の付着物に対して特別な対策がとられていなかったが、デバイス等の微細化が進み、このような基板周縁部の付着物が基板搬送機構の基板支持アーム等に付着することによる悪影響が顕在化するようになってきた。このような悪影響を防止する技術として、基板の周縁部にスポンジ状のブラシを当接させて周縁部の付着物を除去する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【0004】
しかしながら、基板周縁部には、強固に付着している付着物も存在し、また、半導体ウエハでは周縁部にはベベルが形成されており、周縁部の状態が径方向で異なる結果、必要となるブラシによる洗浄力が径方向で異なることから、単にスポンジ状ブラシを当接させただけでは付着物を効果的に除去することが困難である。
【特許文献1】実開平5−79939号公報
【特許文献2】特開2007−165794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、基板の周縁部に付着した付着物をブラシにより効果的に除去することができる基板洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、基板の周縁部をブラシ洗浄する基板洗浄装置であって、基板を回転可能に保持する基板保持機構と、前記基板保持機構に保持されている基板を回転する基板回転機構と、前記基板保持機構に保持されている基板に洗浄液を供給する洗浄液供給機構と、洗浄時に基板の周縁部に接触する周縁部洗浄部を有するブラシと、前記周縁部洗浄部を基板の周縁部に押しつける押しつけ機構とを有する洗浄機構とを具備し、前記周縁部洗浄部は、径方向で洗浄力分布が形成されるように径方向に沿って状態が変化している状態変化部分を有することを特徴とする基板洗浄装置を提供する。
【0007】
上記基板洗浄装置において、前記状態変化部分は、径方向に沿って、高さ、形状、硬さ、および材質の少なくとも1つが変化している構成とすることができる。また、前記状態変化部分は、径方向に沿って複数の部分に分割されており、隣接する部分間で高さ、形状、硬さ、および材質の少なくとも1つが異なっている構成とすることができる。
【0008】
さらに、前記洗浄機構は、前記ブラシを回転させるブラシ回転機構をさらに有し、前記ブラシ回転機構により前記ブラシを回転しつつ前記押しつけ機構により前記周縁部洗浄部を基板の周縁部に押しつけて基板の周縁部を洗浄するようにすることができる。この場合に、前記周縁部洗浄部は、周方向に沿って複数のブラシ部に分割されており、隣接するブラシ部間で状態が異なっており、これら複数のブラシ部のうち少なくとも1つが前記状態変化部である構成とすることができる。
【0009】
さらにまた、前記周縁部洗浄部は、ブラシ支持部材に支持された構成することができる。
【0010】
さらに、前記ブラシは、前記周縁部洗浄部と同軸状にかつ一体的に設けられ、基板の端面に接触する端面洗浄部を有する構成とすることができる。この場合に、前記端面洗浄部は、スポンジ状樹脂からなるものとすることができる。また、この場合には、前記押しつけ機構は、前記端面洗浄部を基板端面に押しつけるように構成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板の周縁部にブラシを接触させて洗浄する際に、ブラシの周縁洗浄部を、径方向で洗浄力分布が形成されるように径方向に沿って状態が変化するようにしたので、半導体ウエハのベベルのような径方向で状態が異なるような場合であっても、付着物を効果的に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明する。図1は本発明の一実施形態に係るウエハ洗浄装置を示す概略構成図、図2はその内部の平面図である。
【0013】
このウエハ洗浄装置1はチャンバ2を有し、このチャンバ2の中には、被洗浄基板である半導体ウエハ(以下単にウエハと記す)Wを水平状態で真空吸着により吸着保持するためのスピンチャック3が設けられている。このスピンチャック3は、軸3aを介してチャンバ2の下方に設けられたモーター4により回転可能となっている。また、チャンバ2内には、スピンチャック3に保持されたウエハWを覆うようにカップ5が設けられている。カップ5の底部には、排気および排液のための排気・排液管6が、チャンバ2の下方へ延びるように設けられている。チャンバ2の側壁には、ウエハWを搬入出するための搬入出口7が設けられている。なお、軸3aとカップ5の底部およびチャンバ2の底部との間には流体シール8が設けられている。
【0014】
また、このウエハ洗浄装置1は、さらに、洗浄液を供給する洗浄液供給機構10と、ウエハWの周縁部をブラシ洗浄する洗浄機構20とを有している。
【0015】
洗浄液供給機構10は、カップ5の上方に設けられた表面側洗浄液ノズル11aとスピンチャック3に保持されたウエハWの裏面側に設けられた裏面側洗浄液ノズル11bとを有し、これら表面側洗浄液ノズル11aおよび裏面側洗浄液ノズル11bには、それぞれ表面側洗浄液供給配管13aおよび裏面側洗浄液供給配管13bが接続されている。これら表面側洗浄液供給配管13aおよび裏面側洗浄液供給配管13bの他端は共通の洗浄液供給源12に接続されている。そして、洗浄液供給源12から表面側洗浄液供給配管13aを介して表面側洗浄液ノズル11aからウエハWの表面中心付近に洗浄液が供給され、裏面側洗浄液供給配管13bを介して裏面側洗浄液ノズル11bからウエハWの裏面に洗浄液が供給される。表面側洗浄液供給配管13aおよび裏面側洗浄液供給配管13bには、それぞれバルブ14a,14bが介在されている。洗浄液としては、純水や薬液等を用いることができる。
【0016】
洗浄機構20は、ウエハWの周縁部および端面を洗浄するためのブラシ21と、ブラシ21を回転可能に支持する回転支持部材22と、ブラシ21を回動させるための回動アーム25と、回動アーム25の回動軸となる回動シャフトを内蔵するシャフト部26と、回動シャフトを回転させて回動アーム25を回動させる回動機構および回動アーム25を昇降させる昇降機構を内蔵する回動・昇降部27とを有している。ブラシ21はその下方からブラシ支持部材23により支持されている。
【0017】
図3は、洗浄機構をさらに詳細に示す断面図である。回転支持部材22は、鉛直方向に延びる円筒状をなし、その下端部中央にブラシ取り付け部24が設けられている。このブラシ取り付け部24にはブラシ21の中央に鉛直方向に延びるブラシ支持軸21aが取り付けられている。ブラシ支持軸21aの下端はブラシ支持部材23の中央に固定されている。ブラシ取り付け部24に対してブラシ支持軸21aは着脱自在となっている。
【0018】
回動アーム25は水平に延びる角筒状をなし、その先端部分に回転支持部材22が回転可能に設けられている。すなわち、回転支持部材22は、回動アーム25に取り付けられた一対のベアリング31a,31bにより回転可能に支持されている。回転支持部材22の中央部にはプーリー32が外嵌されており、このプーリー32にベルト33が巻き掛けられている。このベルト33は、回動アーム25の内部空間を水平に延びている。また、回動アーム25の内部には、その底板に固定されるようにブラシ回転用モーター34が設けられており、ブラシ回転用モーター34の回転軸34aにはプーリー35が取り付けられていて、上記ベルト33はプーリー35に巻き掛けられている。したがって、モーター34を駆動させることによりベルト33を介して回転支持部材22が回転され、これにともなってブラシ21が回転される。
【0019】
回動アーム25の基端部分には、鉛直に延びる回動シャフト38が、回動アーム25内の上下に設けられた一対の固定部材39により固定されている。回動シャフト38はシャフト部26を通って回動・昇降部27まで延びている。
【0020】
回動・昇降部27は、シャフト部26の下方に連続する筐体41と、その内部に設けられた回動機構42および昇降機構45とを有している。回動機構42は、回動用モーター43を有しており、その回転軸が回動シャフト38の下端に接続されており、回動用モーター43を回転駆動することにより、回動シャフト38に固定された回動アーム25が回動するようになっている。また、昇降機構45は、回動シャフト38をベアリング47を介して回転可能に支持する支持部材46と、筐体41の底部から鉛直上方に延び、支持部材46が螺合するボールネジ48と、筐体41の底板に固定され、ボールネジ48を回転させる昇降用モーター49と、筐体41内に鉛直に設けられ、支持部材46をガイドするガイド部材50とを有している。つまり、昇降機構45はボールネジ機構によって回動シャフト38を昇降し、これにともなって回動アーム25を昇降するようになっている。そして、回動機構42により回動アーム25を回動させ、昇降機構45により回動アーム25を昇降させることにより、ブラシ21をウエハWの周縁部に所望の押しつけ力で押しつけるようになっている。すなわち、回動機構42および昇降機構45はブラシ21の押しつけ機構として機能する。
【0021】
図4は、ブラシ21を拡大して示す断面図である。ブラシ21は、円筒状をなす小径の端面洗浄部21bと、端面洗浄部21bの下方に一体的に設けられた円筒状をなす大径の周縁部洗浄部21cとを有している。すなわち、端面洗浄部21bの周面がウエハWの端面に接触してウエハWの端面が洗浄され、周縁部洗浄部21cの上面がウエハWの裏面周縁部に接触してウエハWの裏面周縁部が洗浄される。
【0022】
周縁部洗浄部21cは径方向で洗浄力分布が形成されるように径方向に沿って状態が変化している状態変化部分を有する。図4の例では、周縁部洗浄部21cの全体が、スポンジ状樹脂からなり、径方向内側にいくに従って高さが高くなるように構成された状態変化部分52であり、これにより、ウエハWの端面側にいくほど洗浄力を上昇させることができる。
【0023】
また、ブラシ21としては、図5に示すように、周縁部洗浄部21cが径方向で高さは同じであるが、内側にいくに従って硬くなる、または材質が変化するといったことでも状態変化部分52を構成することができ、これによりウエハWの端面側にいくほど洗浄力を上昇させることができる。
【0024】
さらに、ブラシ21として、周縁部洗浄部21cが径方向で形状が異なる、例えば図6に示すように、内側にいくに従って表面の突起53の数が多くなるような状態変化部分52を形成してもよく、この場合にもウエハWの端面側にいくほど洗浄力を上昇させることができる。
【0025】
また、図7に示すように、状態変化部分52は、径方向に沿って複数のブラシエリア(ここでは3個のブラシエリア54a、54b,54c)に分割し、例えばこれらの高さを異ならせてもよい。もちろん、複数のブラシエリアは他の状態、例えば形状、硬さ、材質等を異ならせてもよい。また、高さ、形状、硬さおよび材質の2つ以上を異ならせてもよい。
【0026】
さらに、図8に示すように、状態変化部分52を歯ブラシのような毛の集合体55で構成し、径方向に沿って毛の高さ(図8(a))や、毛の密度(図8(b))を異ならせてもよい。また、径方向に沿って毛の太さや毛の材質を異ならせることもできる。
【0027】
さらに、図9に示すように、周縁部洗浄部21cを周方向に沿って複数のブラシ部56に分割し、隣接するブラシ部間で状態を異ならせ、これら複数のブラシ部56のうち少なくとも1つを前記状態変化部52として機能させることもできる。例えばこの図に示すように、スポンジ状樹脂57からなるブラシ部56と歯ブラシのような毛の集合体58からなるブラシ部56とを交互に配列し、例えばスポンジ状樹脂57からなるブラシ部56の一部または全部を状態変化部52として機能させることができる。もちろん、毛の集合体58からなるブラシ部56の一部または全部を状態変化部52として機能させることもできる。
【0028】
また、図10に示すように、ブラシ部56を全てスポンジ状樹脂として、高さ、形状、硬さ、および材質のうち少なくとも1つが異なる第1樹脂57aと第2樹脂57bとを交互に配置し、例えば第1樹脂57aを配したブラシ部56の一部または全部を状態変化部52として機能させることができる。もちろん、第2樹脂57bを配したブラシ部56の一部または全部を状態変化部52として機能させることもできる。
【0029】
ブラシ21はブラシ支持部材23に接着剤で接着させることができ、図7〜10に示す例のように、ブラシ21の周縁部洗浄部21cが複数の部分に分割されている場合には、これら分割されたものをブラシ支持部材23に接着剤で直接接着するようにすることができる。ブラシ21のブラシ支持部材23への取り付け方法は、接着の他、溶着、溶接、圧入等の種々の方法を採用することができる。
【0030】
なお、ブラシ21の端面洗浄部21bは、スポンジ状樹脂で構成される。
【0031】
ブラシ21の端面洗浄部21bおよび周縁部洗浄部21cに使用されるスポンジ状の樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)を好適に用いることができる。ブラシ21に適用可能な他の樹脂としては、ポリエチレン(PE)を挙げることができる。また、周縁部洗浄部21cに用いた歯ブラシ状の毛の集合体を構成する樹脂としては、ポリプロピレン(PP)を好適に用いることができる。ブラシ支持部材23も樹脂で構成することが好ましく、ブラシ21の変形を防ぐ役割を持たせる観点から硬質樹脂、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニール(PVC)等が好ましい。
【0032】
制御部30は、図11のブロック図に示すように、コントローラ61と、ユーザーインターフェース62と、記憶部63とを有している。コントローラ61は、ウエハ洗浄装置1の各構成部、例えばモーター4、ブラシ回転用モーター34、回動用モーター43、昇降用モーター49等を制御する。また、ユーザーインターフェース62はコントローラ61に接続され、オペレータがウエハ洗浄装置1を管理するためにコマンド等の入力操作を行うキーボードや、ウエハ洗浄装置1の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなる。また、記憶部63もコントローラ61に接続され、その中にウエハ洗浄装置1の各構成部の制御対象を制御するための制御プログラムや、ウエハ洗浄装置1に所定の処理を行わせるためのプログラムすなわち処理レシピが格納されている。処理レシピは記憶部63の中の記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスクのような固定的なものであってもよいし、CDROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。そして、コントローラ61は、必要に応じて、ユーザーインターフェース62からの指示等にて任意の処理レシピを記憶部63から呼び出して実行させることで、コントローラ61の制御下で、所定の処理が行われる。
【0033】
次に、このようなウエハ洗浄装置1によりウエハWの洗浄処理を行う処理動作について説明する。
【0034】
まず、所定のブラシ21を回転支持部材22に取り付ける。そして、ブラシ21をウエハWの外側で退避させた状態でチャンバ2にウエハWを搬入し、スピンチャック3にウエハWを保持させる。ブラシ21が退避位置にあるときには、ブラシ21の乾燥防止のため、ブラシ21に対して洗浄液が供給される。この状態で、モーター4を駆動させてスピンチャック3とともにウエハWを所定の回転数で回転させ、洗浄液ノズル11から洗浄液を供給しつつ、ブラシ回転用モーター34により、ブラシ支持部材22とともにブラシ21を回転させる。
【0035】
次いで、回動機構42により回動アーム25をスピンチャック3上のウエハWに向けて回動させてブラシ21の小径部21bの外周をウエハWの端面に所定の押しつけ力により押しつけるとともに、昇降機構45により回動アーム25の高さ調節をしてブラシ21の大径部21cの上面をウエハWの裏面周縁部に所定の押しつけ力に押しつけ、ブラシ洗浄を開始する。
【0036】
この場合に、ウエハWの形状および付着物の付着状態等を考慮してブラシ21として適切なものを用いる。すなわち、ウエハWの周縁部においては、ウエハWの形状や付着状況が径方向に異なっており、ウエハWの周縁部の径方向に沿って洗浄力を調整する必要がある。そのため、周縁部洗浄部21cは径方向で洗浄力分布が形成されるように径方向に沿って状態が変化している状態変化部分を設け、ウエハW周縁部においてその径方向の洗浄力を調整する。例えば、ウエハWの周縁部には図12に示すようにベベルBが形成されており、その部分の裏面側では端面に行くに従って上昇するように傾斜しているから、ウエハWの裏面周縁部の洗浄においてその端面近傍ではブラシ21の圧力がかかりにくい。このため、周縁部洗浄部21cの径方向内側、つまりウエハWの端面側にいくに従って洗浄力が高くなるように周縁部洗浄部21cの状態を変化させることが有効である。
【0037】
図4に示す例では、周縁部洗浄部21cの全体をスポンジ状樹脂で構成し、径方向内側にいくに従って高さが高くなるようにして、全体を状態変化部分52としたので、ブラシ21の圧力がかかりにくく洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させてウエハW裏面周縁部を効果的に洗浄することができる。なお、周縁部洗浄部21cの一部が状態変化部分52であってもよい。
【0038】
図5に示す例では、周縁部洗浄部21cが径方向で高さは同じであるが、内側にいくに従って硬くなる、または材質が変化するようにして、全体を状態変化部分52としたので、同様に、洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させて効果的に洗浄を行うことができる。なお、この場合にも、周縁部洗浄部21cの一部が状態変化部分52であってもよい。
【0039】
図6に示す例では、周縁部洗浄部21cを径方向で形状が異なる、具体的には、内側にいくに従って表面の突起53の数が多くなるようにして、全体を状態変化部分52としたので、この場合にも、洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させて効果的に洗浄を行うことができる。この場合にも、周縁部洗浄部21cの一部が状態変化部分52であってもよい。
【0040】
図7の例では、周縁部洗浄部21cの径方向に沿って複数(図では3個)の3個のブラシエリア54a、54b,54cに分割し、例えばこれらの高さを異ならせて状態変化部分52を形成したので、洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させて効果的に洗浄を行うことができる。複数のブラシエリアの高さを変える他、他の状態、例えば形状、硬さ、材質等を異ならせても、さらに高さ、形状、硬さおよび材質の2つ以上を異ならせても、同様の効果を得ることができる。また、このように分割することにより、これら分割部分をブラシ支持部材23に接着すればよく、細かい加工が困難であるスポンジ状樹脂を細かく加工することなく所望の形状を得ることができる。この場合には、状態変化部分52は周縁部洗浄部21cの一部であってもよいし、周縁部洗浄部21cの全部であってもよい。
【0041】
図8の例では、歯ブラシのような毛の集合体55で状態変化部分52を構成し、径方向に沿って毛の高さ(図8(a))や、毛の密度(図8(b))を異ならせたので、具体的には(a)の場合には内側にいくほど毛の高さが高くなるようにし、(b)の場合には内側に行くほど毛の密度が高くなるようにしたので、やはり洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させて効果的に洗浄を行うことができる。この場合にも、状態変化部分52は周縁部洗浄部21cの一部であってもよいし、周縁部洗浄部21cの全部であってもよい。なお、径方向に沿って毛の太さや毛の材質を異ならせることによっても、径方向で洗浄力を異ならせることができ、効果的な洗浄を実現することができる。
【0042】
図9の例では、周縁部洗浄部21cを周方向に沿って複数のブラシ部56に分割し、隣接するブラシ部間で状態を異ならせ、これら複数のブラシ部56のうち少なくとも1つを前記状態変化部52として機能させるようにしており、具体的には、スポンジ状樹脂57からなるブラシ部56と歯ブラシのような毛の集合体58からなるブラシ部56とを交互に配列し、例えばスポンジ状樹脂57からなるブラシ部56を状態変化部52として機能させるようにしたので、状態変化部52の機能により、例えば洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させて効果的に洗浄を行うことができる。また、このように形態および材質が互いに異なるブラシ部56を周方向に交互に配置したので、ウエハWの被洗浄部分にこれらが交互に当たり、周縁部全体の洗浄力を上昇させることができる。
【0043】
図10の例では、同様に周縁部洗浄部21cを周方向に沿って複数のブラシ部56に分割し、ブラシ部56を全てスポンジ状樹脂として、高さ、形状、硬さ、および材質のうち少なくとも1つが異なる第1樹脂57aと第2樹脂57bとを交互に配置し、いずれか一方、例えば第1樹脂57aを配したブラシ部56を状態変化部52として機能させたので、この部分により、例えば洗浄しにくい状況にあるベベル部分の洗浄力を上昇させて効果的に洗浄を行うことができる。また、このように高さ、形状、硬さ、および材質のうち少なくとも1つが異なる第1樹脂57aと第2樹脂57bを周方向に交互に配置したので、ウエハWの被洗浄部分にこれらが交互に当たり、周縁部全体の洗浄力を上昇させることができる。
【0044】
上記図9、10の例のように複数のブラシ部56に分割する場合には、種々の材質および形状の小さなパーツを複数つくり、これをブラシ支持部材23に接着すればよいので作製が容易である。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、上部を端面洗浄部とし、下部を周縁部洗浄部としたブラシを用いてウエハの端面と裏面周縁部を洗浄する例を示したが、図13に示すように、上部を周縁部洗浄部21c′とし、下部を端面洗浄部21b′としたブラシ21′を用い、ウエハ端面と表面周縁部を洗浄するようにすることもできる。
【0046】
また、図14に示すように、円板状のブラシ21″を用い、(a)に示すようにその上面でウエハWの裏面周縁部を洗浄するようにしてもよく、(b)に示すようにその下面でウエハWの裏面洗浄部を洗浄するようにしてもよい。
【0047】
さらに、上記実施形態では、ウエハのベベルを効果的に洗浄できるような洗浄力分布を形成する例を示したが、これに限らず、ウエハ周縁部の径方向において要求される洗浄力分布に応じて種々の状態分布をとることができる。
【0048】
さらにまた、ブラシの形態は上記実施形態に限らず、必要に応じて他の種々の形態をとることができる。
【0049】
さらにまた、上記実施形態では、ウエハの端面および裏面周縁部を洗浄する洗浄機構のみを説明したが、ウエハの表面を洗浄する適宜の洗浄機構を有していてもよい。さらに、上記実施形態の装置に限らず、ウエハの表裏面を洗浄する洗浄装置またはウエハの裏面を洗浄する装置に本発明を適用することもできる。
【0050】
さらにまた、上記実施形態では、被処理基板として半導体ウエハを適用した場合について示したが、これに限るものではなく、例えば液晶表示装置用ガラス基板に代表されるフラットパネル表示装置用基板等、他の基板にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置を示す概略構成図。
【図2】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置の内部を示す平面図。
【図3】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構をさらに詳細に示す断面図。
【図4】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材の一例を拡大して示す断面図。
【図5】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材の他の例を拡大して示す断面図。
【図6】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材のさらに他の例を拡大して示す断面図。
【図7】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材のさらにまた他の例を拡大して示す断面図。
【図8】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材の別の例を拡大して示す断面図。
【図9】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材のさらに別の例を拡大して示す断面図。
【図10】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた洗浄機構のブラシおよびブラシ支持部材のさらにまた別の例を拡大して示す断面図。
【図11】本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置に設けられた制御部の構成を示すブロック図。
【図12】基板として用いるウエハのベベルを拡大して示す模式図。
【図13】ブラシの他の構成例を拡大して示す断面図。
【図14】ブラシの他の構成例を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
【0052】
1;ウエハ洗浄装置(基板洗浄装置)
2;チャンバ
3;スピンチャック
4;モーター
5;カップ
6;排気・排液管
7;搬入出口
10;洗浄液供給機構
11;洗浄液ノズル
12;洗浄液供給源
20;洗浄機構
21、21′、21″;ブラシ
21a;ブラシ支持軸
21b、21b′;端面洗浄部
21c、21c′;周縁部洗浄部
22;回転支持部材
23;ブラシ支持部材
25;回動アーム
26;シャフト部
27;回動・昇降部
30;制御部
61;コントローラ
W;半導体ウエハ(基板)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の周縁部をブラシ洗浄する基板洗浄装置であって、
基板を回転可能に保持する基板保持機構と、
前記基板保持機構に保持されている基板を回転する基板回転機構と、
前記基板保持機構に保持されている基板に洗浄液を供給する洗浄液供給機構と、
洗浄時に基板の周縁部に接触する周縁部洗浄部を有するブラシと、前記周縁部洗浄部を基板の周縁部に押しつける押しつけ機構とを有する洗浄機構と
を具備し、
前記周縁部洗浄部は、径方向で洗浄力分布が形成されるように径方向に沿って状態が変化している状態変化部分を有することを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項2】
前記状態変化部分は、径方向に沿って、高さ、形状、硬さ、および材質の少なくとも1つが変化していることを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項3】
前記状態変化部分は、径方向に沿って複数の部分に分割されており、隣接する部分間で高さ、形状、硬さ、および材質の少なくとも1つが異なっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄機構は、前記ブラシを回転させるブラシ回転機構をさらに有し、前記ブラシ回転機構により前記ブラシを回転しつつ前記押しつけ機構により前記周縁部洗浄部を基板の周縁部に押しつけて基板の周縁部を洗浄することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記周縁部洗浄部は、周方向に沿って複数のブラシ部に分割されており、隣接するブラシ部間で状態が異なっており、これら複数のブラシ部のうち少なくとも1つが前記状態変化部であることを特徴とする請求項4に記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
前記周縁部洗浄部は、ブラシ支持部材に支持されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板洗浄装置。
【請求項7】
前記ブラシは、前記周縁部洗浄部と同軸状にかつ一体的に設けられ、基板の端面に接触する端面洗浄部を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の基板洗浄装置。
【請求項8】
前記端面洗浄部は、スポンジ状樹脂からなることを特徴とする請求項7に記載の基板洗浄装置。
【請求項9】
前記押しつけ機構は、前記端面洗浄部を基板端面に押しつけることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の基板洗浄装置。
【請求項1】
基板の周縁部をブラシ洗浄する基板洗浄装置であって、
基板を回転可能に保持する基板保持機構と、
前記基板保持機構に保持されている基板を回転する基板回転機構と、
前記基板保持機構に保持されている基板に洗浄液を供給する洗浄液供給機構と、
洗浄時に基板の周縁部に接触する周縁部洗浄部を有するブラシと、前記周縁部洗浄部を基板の周縁部に押しつける押しつけ機構とを有する洗浄機構と
を具備し、
前記周縁部洗浄部は、径方向で洗浄力分布が形成されるように径方向に沿って状態が変化している状態変化部分を有することを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項2】
前記状態変化部分は、径方向に沿って、高さ、形状、硬さ、および材質の少なくとも1つが変化していることを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項3】
前記状態変化部分は、径方向に沿って複数の部分に分割されており、隣接する部分間で高さ、形状、硬さ、および材質の少なくとも1つが異なっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄機構は、前記ブラシを回転させるブラシ回転機構をさらに有し、前記ブラシ回転機構により前記ブラシを回転しつつ前記押しつけ機構により前記周縁部洗浄部を基板の周縁部に押しつけて基板の周縁部を洗浄することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記周縁部洗浄部は、周方向に沿って複数のブラシ部に分割されており、隣接するブラシ部間で状態が異なっており、これら複数のブラシ部のうち少なくとも1つが前記状態変化部であることを特徴とする請求項4に記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
前記周縁部洗浄部は、ブラシ支持部材に支持されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板洗浄装置。
【請求項7】
前記ブラシは、前記周縁部洗浄部と同軸状にかつ一体的に設けられ、基板の端面に接触する端面洗浄部を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の基板洗浄装置。
【請求項8】
前記端面洗浄部は、スポンジ状樹脂からなることを特徴とする請求項7に記載の基板洗浄装置。
【請求項9】
前記押しつけ機構は、前記端面洗浄部を基板端面に押しつけることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の基板洗浄装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−3739(P2010−3739A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159034(P2008−159034)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]