説明

塗布、現像装置、塗布、現像方法及び記憶媒体

【課題】露光装置の生産効率を落とさない塗布、現像装置を提供すること。
【解決手段】塗布膜が形成された、露光前の基板を一旦仮置きする仮置き部と、基板の搬送経路における、基板が置かれるモジュールについてメンテナンスを行うために、当該上流側の基板の搬送を停止する時間の長さを設定するための停止時間設定部と、前記仮置き部に置かれた基板の枚数が前記停止時間の長さに応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数に達したか否かを監視し、達した後に仮置き部の上流側の基板の搬送を停止するように制御信号を出力する制御部と、を備えるように塗布、現像装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板にレジストを塗布し、現像を行う塗布、現像装置、塗布、現像方法及びこの方法を実行するコンピュータプログラムを含んだ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の一つであるフォトレジスト工程においては、半導体ウエハ(以下、ウエハという)の表面にレジストを塗布し、このレジストを所定のパターンで露光した後に現像してレジストパターンを形成している。このレジストパターンの形成は、レジストなどの各種の塗布膜の形成処理及び現像処理を行う塗布、現像装置に露光処理を行う露光装置を接続したシステムにより行っている。
【0003】
ところで、塗布、現像装置においてはウエハを処理するモジュールの状態の確認や部品の交換などの各種のメンテナンスを行うことがあり、そのために塗布、現像装置の稼働を停止させる場合があった。上記のように塗布、現像装置と露光装置との間でウエハが搬送されるため、塗布、現像装置の稼働を停止させた場合には、露光装置の稼働も停止させていた。しかし、そのようにシステム全体の動作を停止することにより、半導体製品の生産効率が低下してしまう。
【0004】
特許文献1には、上記のように露光前のウエハを塗布、現像装置に設けられたバッファモジュールに溜めて、バッファモジュールの前段側で行われる処理を一旦止めてメンテナンスを行うことが記載されている。そして、メンテナンス中にバッファモジュールからはウエハを搬送して、後段側の処理を継続することが示されているが、メンテナンス中にバッファモジュール内のウエハがすべて払い出されて、後段側の処理が行えなくなるおそれがある。露光装置の運用には比較的高いコストを要するため、このように後段側の処理が行えない場合、半導体製品の生産コストが高くなってしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−277528(段落0046など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、露光装置の生産効率を落とさない塗布、現像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の塗布、現像装置は、キャリアブロックに載置されたキャリアから取り出された基板を処理ブロックにてレジスト膜を含む塗布膜を形成した後、露光装置に受け渡し、露光後の基板に対して処理ブロックにて現像処理を行い、キャリアに受け渡すように構成され、基板の処理枚数が露光装置よりも多い塗布、現像装置において、
前記塗布膜が形成された、露光前の基板を一旦仮置きする仮置き部と、
基板の搬送経路における基板が置かれるモジュールについてメンテナンスを行うために、当該上流側の基板の搬送を停止する時間の長さを設定するための停止時間設定部と、
前記仮置き部に置かれた基板の枚数が前記停止時間の長さに応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数に達したか否かを監視し、達した後に前記上流側の基板の搬送を停止するように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
「前記停止時間に応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数」とは、停止時間の間で処理できる基板の処理枚数そのものだけに限らず、停止時間の間で処理できる基板の処理枚数の例えば95%の枚数も特許請求の範囲に含まれる。例えば停止時間を30分に設定し、単位時間当たりの基板の処理枚数が30秒であった場合には、処理枚数は60枚となるが、仮置き部に57枚溜まったときに基板の搬送を停止してもよい。この場合には、57枚の基板を露光装置に搬送したときに、処理ブロックでは基板の処理を再開できないので、露光装置は、処理ブロックにおける基板の3枚分の処理時間である1分30秒だけ処理が途切れることになる。しかしながらこのような場合でも本発明の手法の効果が実質得られることから、特許請求の範囲に含まれる。即ち、基板の搬送を停止する時間を設定し、仮置き部に置かれた基板の枚数が所定の処理枚数に達したか否かを監視するように装置を構成した場合、前記「所定の処理枚数」は、業界において効果が得られると判断される限り、停止時間の間で処理できる基板の処理枚数そのものだけに限らないということである。また、ここでいう「モジュール」には基板を搬送する搬送手段も含まれる。
【0009】
前記、塗布、現像装置の具体的な態様としては例えば下記の通りである。
(a)前記制御部は、前記仮置き部に置かれた基板の枚数が前記停止時間の長さに応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数に達した後、キャリアブロック側から処理ブロックヘの基板の払い出しを停止するための制御信号を出力し、その後、前記上流側の基板の搬送を停止するように制御信号を出力するように構成されている。
(b)前記制御部は、前記上流側の基板の搬送を停止するように制御信号を出力する前に、処理ブロック内に存在する基板を前記仮置き部に退避させるように制御信号を出力する。
【0010】
(c)前記制御部は、前記仮置き部に置かれた基板の枚数が前記停止時間の長さに応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数に達した後、その時点で処理ブロック内に存在する基板が属するロットの最終基板がキャリアブロック側から処理ブロックヘ払い出された後、後続の基板の払い出しを停止すると共に、当該最終基板が処理ブロックを通過した後、前記上流側の基板の搬送を停止するように制御信号を出力するように構成されている。
(d)前記停止時間の長さに応じた枚数の露光前の基板が仮置き部に置かれるまでの待ち時間を、仮置き部に置かれている露光前の基板の枚数と、塗布、現像装置の基板の処理枚数とに基づいて演算する演算手段と、演算された前記待ち時間を表示する表示部と、を備える。
【0011】
(e)前記メンテナンスを開始するタイミングを設定するタイミング設定部を備え、前記制御部は前記タイミングの経過後に上流側の基板の搬送を停止するように制御信号を出力する。
(f)前記モジュールは、基板に塗布膜を形成するための薬液を供給するノズルと、前記ノズルに洗浄液を供給するノズル洗浄機構と、を含み、
前記制御部は、前記停止時間に前記ノズルを洗浄するために、ノズル洗浄機構から洗浄液を供給するように制御信号を出力する。
(g)前記モジュールは、基板の載置部と、基板に塗布膜を形成するための薬液を供給するノズルと、前記載置部に載置された基板を囲むカップと、前記カップ内に洗浄液を供給する洗浄機構と、を備え、前記制御部は、前記停止時間にカップを洗浄するために洗浄液を供給するように制御信号を出力する。
(h)前記モジュールにおいて基板を処理するときにはカップの外部に設けられた待機部に待機し、前記停止時間に前記カップに搬送される治具を備え、前記載置部は前記冶具を保持すると共に回転させることと、前記洗浄機構は前記治具に洗浄液を吐出し、飛散させてカップ内を洗浄する。
【0012】
(i)前記制御部は、最後に前記キャリアブロックから前記塗布、現像装置にて処理済みの基板を格納したキャリアが搬出されてから、次のキャリアが前記キャリアブロックに搬送されるまでの間に、モジュールにてメンテナンスが行われるように制御信号を出力する。
(j)前記制御部は、キャリアから基板を払い出す時刻を制御するための信号を当該制御部に送信するホストコンピュータに接続され、
前記制御部は、キャリアが前記キャリアブロックに搬入されてから、当該キャリアから前記基板を払い出す時刻までの間にモジュールにてメンテナンスが行われるように制御信号を出力する。
(k)前記処理ブロックに前段側モジュールと、基板のロットに応じて処理状態を切り替える後段側モジュールとが設けられ、
前記制御部は、先発ロットのすべての基板が前記後段側モジュールにて処理された後、且つ後発ロットの基板が前段側モジュールに搬送される前に、前記後段側モジュールの処理状態の切り替えに並行して、前記前段側モジュールにてメンテナンスを行うように制御信号を出力する。
(l)先発ロットが前段側モジュールに搬送されずに後段側モジュールに搬送されるように設定され、且つ後発ロットが前段側モジュール及び後段側モジュールに搬送されるように設定され、
前記制御部は先発ロットのすべての基板が後段側モジュールで処理された後、後発ロットの基板が後段側モジュールに搬送される前に当該後段側モジュールでメンテナンスを行うために制御信号を出力する。
【0013】
本発明の塗布、現像方法は、キャリアブロックに載置されたキャリアから取り出された基板を処理ブロックにてレジスト膜を含む塗布膜を形成した後、露光装置に受け渡し、露光後の基板に対して処理ブロックにて現像処理を行い、キャリアに受け渡すように構成され、基板の処理枚数が露光装置よりも多い塗布、現像装置を用いた塗布、現像方法において、
前記塗布膜が形成された、露光前の基板を仮置き部に一旦仮置きする工程と、
基板の搬送経路において前記仮置き部よりも上流側における、基板が置かれるモジュールについてメンテナンスを行うために、停止時間設定部により当該上流側の基板の搬送を停止する時間の長さを設定する工程と、
前記仮置き部に置かれた基板の枚数が前記停止時間の長さに応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数に達したか否かを監視し、達した後に前記上流側の基板の搬送を停止する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
前記塗布、現像方法の具体的な態様としては、例えば下記の通りである。
(m)前記仮置き部に置かれた基板の枚数が前記停止時間の長さに応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数に達した後、キャリアブロック側から処理ブロックヘの基板の払い出しを停止する工程と、
次いで、前記上流側の基板の搬送を停止する工程と、を備える。
(n)前記上流側の基板の搬送を停止する前に、処理ブロック内に存在する基板を前記仮置き部に退避させる工程を備える。
(o)前記仮置き部に置かれた基板の枚数が前記停止時間の長さに応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数に達した後、その時点で処理ブロック内に存在する基板が属するロットの最終基板がキャリアブロック側から処理ブロックヘ払い出された後、後続の基板の払い出しを停止する工程と、
前記最終基板が処理ブロックを通過した後、前記上流側の基板の搬送を停止する工程と、を備える。
【0015】
(p)前記停止時間に、前記モジュールに設けられた基板に塗布膜を形成するための薬液を供給するノズルに洗浄液を供給して洗浄する工程を備える。
(q)前記停止時間に、前記モジュールに設けられた基板の載置部を囲むカップに洗浄液を供給して洗浄する工程を備える。
(r)前記カップを洗浄する工程は、前記停止時間にカップの外部に設けられた待機部から前記カップに冶具を搬送する工程と、前記載置部に冶具を保持し、回転させる工程と、洗浄機構から前記治具に洗浄液を吐出し、カップ内に飛散させる工程を含む。
(s)前記カップに洗浄液を供給する工程は、カップに設けられた洗浄機構により行われる。
【0016】
本発明の記憶媒体は、塗布、現像装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、上述の塗布、現像方法を実施するためのものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、仮置き部に置かれた露光前の基板の枚数がメンテナンスを行うための停止時間の長さに応じた枚数に達した後に、仮置き部の前記上流側の基板の搬送を停止する。従って、停止時間の間に露光前の基板を露光装置へ搬送し続けて露光処理を行える。従って、露光装置の生産効率の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の塗布、現像装置の平面図である。
【図2】前記塗布、現像装置の斜視図である。
【図3】前記塗布、現像装置の縦断側面図である。
【図4】インターフェイスブロックの縦断正面図である。
【図5】バッファモジュールにおける待機領域の斜視図である。
【図6】塗布、現像装置及び露光装置の搬送の概要を示した説明図である。
【図7】塗布、現像装置及び露光装置の搬送の概要を示した説明図である。
【図8】塗布、現像装置に設けられる制御部の説明図である。
【図9】前記制御部の記憶領域を示す説明図である。
【図10】前記制御部の記憶領域を示す説明図である。
【図11】制御部の記憶領域を示す説明図である。
【図12】制御部の記憶領域を示す説明図である。
【図13】塗布、現像装置で自動メンテナンスが開始されるフロー図である。
【図14】予約メンテナンスを行うフロー図である。
【図15】手動メンテナンスを行うフロー図である。
【図16】塗布、現像装置及び露光装置の搬送の概要を示した説明図である。
【図17】自動カップ洗浄に用いるディスクの斜視図である。
【図18】自動カップ洗浄時のレジスト塗布モジュールの縦断側面図である。
【図19】ウエハが搬送される様子を示した模式図である。
【図20】ウエハが搬送される様子を示した模式図である。
【図21】ウエハが搬送される様子を示した模式図である。
【図22】ウエハが搬送される様子を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る塗布、現像装置1について説明する。図1は、前記塗布、現像装置の平面図、図2は同概略斜視図、図3は同概略側面図である。この塗布、現像装置1は、キャリアブロックS1と、処理ブロックS2と、インターフェイスブロックS3と、を直線状に接続して構成されている。インターフェイスブロックS3にはさらに露光装置S4が接続されている。以降の説明ではブロックS1〜S3の配列方向を前後方向とする。
【0020】
キャリアブロックS1は、同一のロットの基板であるウエハWを複数枚含むキャリアCを塗布、現像装置1に搬入出する役割を有し、キャリアCの載置台11と、開閉部12と、開閉部12を介してキャリアCからウエハWを搬送するための搬送機構である受け渡しアーム13とを備えている。また、キャリアブロックS1は、載置台11上に棚14を備えており、キャリア搬送機構15により載置台11と棚14との間でキャリアCが受け渡される。載置台11に置かれてウエハWを払い出したキャリアCは、ウエハWが戻るまで棚14で待機することで、前記キャリアCによる載置台11の占有を防ぎ、複数のキャリアCのウエハWを続けて塗布、現像装置1に搬入することができる。
【0021】
処理ブロックS2は、ウエハWに液処理を行う第1〜第6の単位ブロックB1〜B6が下から順に積層されて構成されており、各単位ブロックBは、下層側から2つずつ、同様に構成されている。つまり、単位ブロックB1、B2が同じ構成であり、単位ブロックB3、B4が同じ構成であり、単位ブロックB3、B4が同じ構成である。
【0022】
図1に示す第1の単位ブロックB1について説明すると、キャリアブロックS1からインターフェイスブロックS3へ向かう搬送領域R1の左右には液処理ユニット20、棚ユニットU1〜U6が夫々配置され、液処理ユニット20には、反射防止膜形成モジュールBCTと、レジスト膜形成モジュールCOTとが設けられている。反射防止膜形成モジュールBCTは夫々ウエハWを処理するための2つのカップ21と、カップ21内でウエハWの裏面を支持すると共にウエハWを鉛直軸回りに回転させるスピンチャック22と、2つのカップ21で共用の薬液供給ノズル23とを備え、スピンコーティングにより反射防止膜形成用の薬液をウエハWに塗布する。また、図1では省略しているが反射防止膜形成モジュールBCTは、スピンチャック22に保持されたウエハWの裏面に溶剤を供給して、当該ウエハWの裏面を洗浄する裏面洗浄ノズル26を備えている。
【0023】
レジスト膜形成モジュールCOTは、前記薬液がレジストである他は反射防止膜形成モジュールBCTと同様に構成されている。図中20はカップ状の待機部である。待機部24では、薬液供給ノズル23を待機させると共に待機した薬液供給ノズル23に洗浄液を供給して薬液供給ノズル23を洗浄する。
【0024】
前記搬送領域R1には、ウエハWの搬送機構である搬送アームA1が設けられている。この搬送アームA1は、進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在、且つ搬送領域R1の長さ方向に移動自在に構成されており、単位ブロックB1の全てのモジュール間でウエハWの受け渡しを行うことができる。図中24はウエハWの外周を囲むフォーク部であり、ウエハWの裏面を支持する爪部25を備えている。また、前記棚ユニットU1〜U6は、搬送領域R1の長さ方向に沿って配列され、棚ユニットU1〜U5は、ウエハWの加熱処理を行う加熱モジュールが例えば2段に積層されて構成されている。棚ユニットU6は、互いに積層された周縁露光モジュールWEE1、WEE2により構成される。この周縁露光モジュールWEE1、WEE2は、光源としてランプを備え、レジスト塗布後のウエハWの周縁部を露光する。
【0025】
単位ブロックB3〜B6は、液処理ユニット20でウエハWに供給する薬液が異なること及び周縁露光モジュールの代わりに加熱モジュールが設けられることを除き、単位ブロックB1、B2と同様に構成される。単位ブロックB3、B4は、反射防止膜形成モジュールBCT及びレジスト塗布モジュールCOTの代わりに保護膜形成モジュールTCT1、TCT2を備えている。反射防止膜形成モジュールBCT、レジスト塗布モジュールCOT及び保護膜形成モジュールTCTを塗布膜形成モジュールとする。単位ブロックB5、B6は、反射防止膜形成モジュールBCT及びレジスト膜形成モジュールCOTの代わりに現像モジュールDEV1、DEV2を備える。
【0026】
保護膜形成モジュールTCT、現像モジュールDEVはウエハWに供給する薬液の違いを除いて反射防止膜形成モジュールBCTと略同様に構成されている。保護膜形成モジュールTCTは液浸露光時にウエハWの表面を保護する保護膜形成用の薬液を、現像モジュールは現像液を夫々ウエハWに供給する。なお、各単位ブロックB1〜B6の搬送アームはA1〜A6として図3に示している。
【0027】
搬送領域R1のキャリアブロックS1側には、各単位ブロックBに跨った棚ユニットU7が設けられている。棚ユニットU7は、互いに積層された複数のモジュールにより構成されている。これらのモジュールとしては、各単位ブロックの高さ位置に設けられた受け渡しモジュールCPL11〜CPL13と、受け渡しモジュールCPL14と、バッファモジュールBU11と、疎水化処理モジュールADHとがある。
【0028】
説明中、CPLと記載した受け渡しモジュールは、載置したウエハWを冷却する冷却ステージを備えている。バッファモジュールは、複数枚のウエハWを格納できるように構成されている。また、疎水化処理モジュールADHは、ウエハWに処理ガスを供給し、ウエハW表面を疎水化させる。棚ユニットU7の近傍には、昇降自在且つ棚ユニットU7に対して進退自在な受け渡しアーム30が設けられ、棚ユニットU7の各モジュール間でウエハWを搬送する。
【0029】
続いて、図4も参照しながらインターフェイスブロックS3の構成について説明する。図4は、処理ブロックS2側へ向かって見たインターフェイスブロックS3の縦断正面図である。インターフェイスブロックS3は棚ユニットU8を備えており、棚ユニットU8は、受け渡しモジュールTRS0〜TRS2、受け渡しモジュールCPL1、バッファモジュール群3が互いに積層されて構成されている。
【0030】
ウエハWの仮置き部であるバッファモジュール群3は互いに積層されたバッファモジュールBU1〜BU4により構成されている。受け渡しモジュールTRS1は、第3の単位ブロックB3及び第4の単位ブロックB4の各高さ位置に設けられている。受け渡しモジュールTRS2は第5の単位ブロックB5及び第6の単位ブロックB6の各高さ位置に設けられている。受け渡しモジュールTRS1、TRS2及びバッファモジュール群3の下方側には、受け渡しモジュールTRS0及び受け渡しモジュールCPL1が設けられている。
【0031】
バッファモジュールBU1について説明する。バッファモジュールBU1は左右の側面が開口した筐体を備えており、筐体内には図5に示すように対をなす立て板36、36と各立て板36から内側方向に伸びる水平板37とが設けられている。各水平板37上はウエハWの待機領域38をなし、水平板37の表面に設けられた支持ピン39上にウエハWが支持される。一つのバッファモジュールBUに立て板36は複数設けられ、バッファモジュールBU1に待機領域38は、例えば20個設けられる、つまり、バッファモジュールBU1にはウエハWを例えば最大20枚待機させることができる。バッファモジュールBU2〜BU4もバッファモジュールBU1と同様に構成されている。
【0032】
図4に戻って棚ユニットU8を左右方向から挟むように棚ユニットU9、U10が設けられている。棚ユニットU9は、露光前にウエハWの裏面をブラシにより洗浄する裏面洗浄モジュールBSTが6基積層されて構成されている。棚ユニットU10は、露光後にウエハWの表面を洗浄する露光後洗浄モジュールPIRが4基積層されて構成されている。
【0033】
棚ユニットU8、U9間には第1のインターフェイスアーム3Aが設けられている。第1のインターフェイスアーム3Aは、昇降軸31に沿って昇降自在な基台32と、基台32上を鉛直軸回りに回転自在な回転台33と、回転台33上を進退自在なウエハ支持部34と、を備えている。棚ユニットU8、U10間には第2のインターフェイスアーム3Bが設けられており、この第2のインターフェイスアーム3Bは第1のインターフェイスアーム3Aと同様に構成されている。また、第2のインターフェイスアーム3Bの下方には、第3のインターフェイスアーム3Cが設けられており、水平移動部35により昇降軸31が左右方向に移動自在に構成されることを除き、第2のインターフェイスアーム3Bと同様に構成される。
【0034】
インターフェイスアーム3A、3Bは、基台32の高さ、回転台33の向き及びウエハ支持部34の位置により、夫々異なる信号を後述の制御部100に出力する。つまり、露光前洗浄モジュールBSTにアクセスするとき、各受け渡しモジュールTRSにアクセスするとき、露光後洗浄モジュールPIRにアクセスするとき、受け渡しモジュールCPLにアクセスするとき、バッファモジュールBUにアクセスするときで夫々異なる信号を制御部100に出力する。また、バッファモジュールBUにアクセスするときは、アクセスする待機領域38毎に異なる信号を出力する。このようにインターフェイスアーム3A、3Bから出力される信号によって、制御部100は、どのバッファモジュールBUのどの待機領域38に露光前のウエハWが待機しているか、どの待機領域38に露光後のウエハWが待機しているかを識別することができる。
【0035】
この塗布、現像装置1及び露光装置S4からなるシステムの通常時におけるウエハWの搬送経路について説明する。例えばウエハWは単位ブロックB1→B3→B5を通過する経路1と、単位ブロックB2→B4→B6とを通過する経路2とによって搬送され、各経路で同様の処理を受ける。一のキャリアCのウエハWがすべて払い出されてから、次のキャリアCからウエハWが払い出される。また、例えばウエハWは、キャリアCから払い出された順に経路1、経路2へ交互に振り分けられ、払い出されたキャリアCに戻される。以下、前記経路1の搬送について詳細に説明する。
【0036】
ウエハWは、キャリアC→受け渡しアーム13→バッファモジュールBU11→受け渡しアーム30→疎水化処理モジュールADH→搬送アームA1→反射防止膜形成モジュールBCT→搬送アームA1→加熱モジュール→搬送アームA1→レジスト塗布モジュールCOT→搬送アームA1→加熱モジュールHP→周縁露光モジュールWEE→搬送アームA1→受け渡しモジュールCPL11の順で搬送され、ウエハWの表面に反射防止膜、レジスト膜の順に下層側から塗布膜が積層される。
【0037】
その後、ウエハWは、受け渡しアーム30→受け渡しモジュールCPL12→搬送アームA3→保護膜形成モジュールTCT→搬送アームA3→加熱モジュールHP→搬送アームA3→受け渡しモジュールTRS1の順に搬送される。これによってレジスト膜の上層に保護膜が形成されると共にウエハWがインターフェイスブロックS3へと搬入される。
【0038】
前記ウエハWは、第1のインターフェイスアーム3A→露光前洗浄モジュールBST→第1のインターフェイスアーム3A→バッファモジュール群3→第2のインターフェイスアーム3B→受け渡しモジュールCPL1→第3のインターフェイスアーム3C→露光装置S4の順で搬送され、裏面洗浄処理に続いて液浸露光処理を受ける。
【0039】
露光済みのウエハWは、第3のインターフェイスアーム3C→受け渡しモジュールTRS0→第2のインターフェイスアーム3B→露光後洗浄モジュールPIR→バッファモジュール群3→第2のインターフェイスアーム3B→受け渡しモジュールTRS2の順に搬送される。その後、搬送アームA5→加熱モジュールHP→現像モジュールDEV→搬送アームA5→加熱モジュールHP→搬送アームA5→受け渡しモジュールCPL13→受け渡しアーム30→受け渡しモジュールCPL14→受け渡しアーム30→キャリアCの順に搬送される。第2の経路で搬送されるウエハWは、通過する単位ブロックが異なる他は、この第1の経路と同様にモジュール間を搬送されて処理を受ける。
【0040】
続いて、この実施の形態におけるウエハWの搬送方式の変更の概略について、ウエハWの搬送経路を矢印で示した図6、図7を用いて説明する。図6は、上記の通常時のウエハWの搬送(通常搬送)を極めて簡略化して示している。図中、キャリアCから払い出された露光前のウエハWがバッファモジュール群3に向かう搬送を往路側搬送F1、露光済みのウエハWがバッファモジュール群3からキャリアCに向かう搬送を復路側搬送F2として、夫々矢印で示している。また、バッファモジュール群3から露光装置S4を経た後にバッファモジュール群3に戻される搬送を、露光搬送F3として矢印で示している。
【0041】
この塗布、現像装置1のスループット(所定の時間におけるウエハWの処理枚数)は、露光装置S4のスループットよりも高い。従って、上記の通常搬送が続けられると、塗布、現像装置1と露光装置とのスループット差に応じた早さで露光前のウエハWがバッファモジュール群3に蓄積される。このようにバッファモジュール群3に一旦蓄積したウエハWを露光装置S4に搬入するのは、露光装置S4に連続してウエハWを搬送し、露光処理を滞りなく行うためである。なお、往路側搬送F1のスループットと復路側搬送F2のスループットとは同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。この例ではこれら各搬送F1、F2のスループットが同じであるものとする。また、キャリアCからはバッファモジュール群3の待機領域38の数を超える枚数のウエハWは払い出されないものとする。
【0042】
往路側搬送F1に用いられる処理ブロックS2のモジュールのメンテナンスを行う場合がある。この場合、キャリアCからのウエハWの払い出しが停止し、往路側搬送F1の搬送が停止する。その一方で、図7に示すように露光搬送F3及び復路側搬送F2は継続される。このときに露光装置S4の処理が途切れないように、バッファモジュール群3にメンテナンスを行うために必要な時間の長さに対応した枚数のウエハWが蓄積されたときに、往路側搬送F1が停止するように制御される。なお、モジュールとはウエハWが置かれる場所であり、ここではウエハWを搬送する搬送機構もモジュールに含まれる。
【0043】
前記メンテナンスとしては、自動メンテナンス、予約メンテナンス、手動メンテナンスがある。自動メンテナンスは、定期的に繰り返し自動で行われるメンテナンスであり、具体的には各塗布膜形成モジュールにおけるカップ21を不図示の洗浄機構が自動で洗浄する自動カップ洗浄と、各塗布膜形成モジュールの待機部24で薬液供給ノズル23を自動で洗浄する自動ノズル洗浄とがある。
【0044】
予約メンテナンスは、メンテナンスを行う予定日時を予めユーザが設定し、ユーザが装置を操作して行うメンテナンスである。この予約メンテナンスとして、具体的にはレジスト塗布モジュールCOTのカップ21の交換、周縁露光モジュールWEEのランプ交換、各搬送アームA1〜A4の爪部25の交換がある。
【0045】
手動メンテナンスは、ユーザが任意のタイミングで開始を指示するメンテナンスである。手動メンテナンスとしては、具体的には例えばレジスト塗布モジュールCOTの薬液供給ノズル23からレジストを吐出させ、吐出量及び吐出状態の適否をユーザが確認するメンテナンスがある。
【0046】
塗布、現像装置1に設けられる制御部100について説明する。制御部100はコンピュータからなり、図8にその構成を示している。図中41はバスであり、バス41には、各種の演算を行うCPU42、プログラム43を格納したプログラム格納部44、メモリ45、ワークメモリ46、設定部47及び表示部48が接続されている。前記プログラム43には、制御部100から塗布、現像装置1の各部に制御信号を送り、既述の各処理を行い、ウエハWの搬送を制御できるように命令(各ステップ)が組み込まれている。前記プログラム43は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)メモリーカードなどにより格納されて制御部100にインストールされ、前記プログラム格納部44に格納される。また、設定部47はキーボードやタッチパネルなどにより構成され、ユーザが、当該設定部47で設定した内容がメモリ45に記憶される。ワークメモリ46ではCPU42により、後述のように各種の演算が行われる。
【0047】
続いて、メモリ45について説明する。メモリ45には、スループット記憶領域51と、バッファ状態記憶領域52と、メンテナンス設定記憶領域53とが設けられる。スループット記憶領域51には塗布、現像装置1のスループット及び露光装置S4のスループットが記憶される。また、このスループット記憶領域51には、1時間あたりにバッファモジュール群3に溜まるウエハW枚数である蓄積レートが記憶される。この蓄積レートは、下記の式1により演算される。
[式1]蓄積レート(枚/分)=[往路側スループット(枚/時間)−露光装置S4のスループット(枚/時間)]/60
【0048】
バッファ状態記憶領域52は、バッファモジュール群3の待機領域38毎に露光前ウエハWの有無が記憶される待機状態記憶領域52aと、露光前ウエハW枚数記憶領域52bとからなる。図9は、バッファ状態記憶領域52に記憶されるデータを示している。待機状態記憶領域52aに記憶されるデータに基づいて、CPU42がバッファモジュール群3で待機する露光前ウエハWの合計枚数を演算し、露光前ウエハW枚数記憶領域52bに演算値を記憶する。
【0049】
メンテナンス設定記憶領域53は、自動メンテナンス、予約メンテナンス、手動メンテナンスについての設定が夫々記憶される設定記憶領域61、62、63を備えている。図10〜図12は、これらの設定記憶領域61〜63に記憶されるデータを示している。自動メンテナンスの設定記憶領域61では、自動カップ洗浄、自動ノズル洗浄の夫々についてBCT、COT、TCTの塗布処理モジュール毎にメンテナンスに必要な時間(メンテナンス必要時間)と、メンテナンスを行う時間間隔(メンテナンス時間間隔)と、メンテナンス必要時間に対応してバッファモジュール群3に溜める必要がある露光前ウエハ枚数(必要ウエハ枚数)と、バッファモジュール群3において必要ウエハ枚数に不足しているウエハ枚数(不足ウエハ枚数)と、バッファモジュール群3に必要ウエハ枚数が溜まるまでの予測待ち時間と、が互いに対応付けられて記憶される。
【0050】
前記メンテナンス必要時間及びメンテナンス時間間隔は、ユーザが設定した設定値である。必要ウエハ枚数は、前記メンテナンス必要時間とスループット記憶領域51に記憶される露光装置S4のスループットとを用いて、下記の式2により演算される。
[式2]必要ウエハ枚数(枚)=メンテナンス必要時間(分)×露光装置S4のスループット(枚/分)
不足ウエハ枚数は、式2で演算された必要ウエハ枚数とバッファ状態記憶領域52に記憶される露光前ウエハの合計枚数とを用いて、下記の式3により演算される。
[式3]不足ウエハ枚数(枚)=必要ウエハ枚数(枚)−露光前ウエハW合計枚数(枚)
予測待ち時間は、式3で演算された不足ウエハ枚数と、スループット記憶領域51に記憶される蓄積レートとを用いて、下記の式4により演算される。
[式4]予測待ち時間(分)=不足ウエハ枚数(枚)/蓄積レート(枚/分)
【0051】
自動メンテナンスの一つであるレジスト塗布モジュールCOTの自動カップ洗浄について、具体的に数値の例を挙げて、設定記憶領域61の各演算値が演算される工程を説明する。塗布、現像装置1のスループットが330枚/時間、露光装置S4のスループットが300枚/時間であり、メンテナンス必要時間が2分に設定されているものとする。またバッファモジュール群3の露光前ウエハWの合計枚数は4枚とする。この場合、
[式1]より蓄積レート=[330(枚/時間)−300(枚/時間)]/60=0.5枚/分である。
[式2]より、必要ウエハ枚数=2(分)×300/60(枚/分)=10枚である。[式3]より、不足ウエハ枚数=10枚−4枚=6枚である。[式4]より、予測待ち時間=6枚/0.5(枚/分)=12分である。
【0052】
続いて、予約メンテナンスの設定記憶領域62について説明する。この設定記憶領域62には、自動メンテナンスの設定記憶領域61と同様にメンテナンス毎にメンテナンス必要時間、必要ウエハ枚数、不足ウエハ枚数及び予測待ち時間が互いに対応付けられて記憶される。また、この設定記憶領域62には、各メンテナンス毎に設定されたメンテナンス開始日時が記憶される。
【0053】
予約メンテナンスの一つである周縁露光モジュールWEEのランプ交換について、前記設定記憶領域62の各演算値が演算される工程について具体的に数値の例を挙げて説明する。メンテナンス必要時間は例えば10分に設定されたものとする。バッファモジュール群3の露光前ウエハW合計枚数は、先の例と同じく4枚とする。この場合、
[式2]より、必要ウエハ枚数=10(分)×300/60(枚/分)=50枚である。[式3]より、不足ウエハ枚数=50枚−4枚=46枚である。[式4]より、予測待ち時間=46枚/0.5(枚/分)=92分である。
【0054】
手動メンテナンスの設定記憶領域63には、自動メンテナンスの設定記憶領域61と同様にメンテナンス毎にメンテナンス必要時間、必要ウエハ枚数、不足ウエハ枚数及び予測待ち時間が互いに対応付けられて記憶される。手動メンテナンスの一つであるレジスト吐出量及び吐出状態の確認作業について、前記設定記憶領域63の各演算値が演算される工程について具体的に数値の例を挙げて説明する。メンテナンス必要時間は、例えば5分に設定されたものとする。往路側スループット、露光装置S4のスループット、バッファモジュール群3の露光前ウエハW合計枚数は夫々、先の例と同じく330枚/時間、300枚/時間、4枚とする。この場合、
[式2]より、必要ウエハ枚数=5(分)×300/60(枚/分)=25枚である。[式3]より、不足ウエハ枚数=25枚−4枚=21枚である。[式4]より、予測待ち時間=21枚/0.5(枚/分)=42分である。
【0055】
図8に戻って、表示部48について説明する。表示部48は例えばディスプレイにより構成され、メモリ45に記憶されたバッファモジュール群3の露光前ウエハの合計枚数や、各メンテナンスにおけるメンテナンス必要時間、メンテナンス開始日時、蓄積レート、必要ウエハ枚数、不足ウエハ枚数及び予測待ち時間が表示される。具体的には、図10〜図12で示した表が表示部48に表示される。この表示部48の表示は、ウエハWの処理中にリアルタイムで更新される。
【0056】
ユーザは、塗布、現像装置1でウエハWの処理を開始する前に、各自動メンテナンスについてメンテナンス必要時間、メンテナンス時間間隔を設定する。また、ユーザは、各予約メンテナンスについて、メンテナンス必要時間及びメンテナンス開始日時を設定する。ユーザの設定に基づいて制御部100が蓄積レートを演算し、さらに各メンテナンス毎に必要ウエハ枚数、不足ウエハ枚数及び予測待ち時間を演算する。そして、これら設定値及び演算値が表示部48に表示される。
【0057】
上記の自動メンテナンス及び予約メンテナンスに属する各メンテナンスは、メンテナンスを行う際のウエハWの待機手法の違いにより、ブロック退避メンテナンスとモジュール退避メンテナンスとに分類される。ブロック退避メンテナンスでは、メンテナンスを行うために単位ブロックB1〜B4を搬送中のすべてのウエハWをバッファモジュール群3へと退避させる必要があるメンテナンスである。モジュール退避メンテナンスは、そのような退避を行う必要が無いメンテナンスであり、メンテナンスを行うモジュールよりも前段側のモジュール及び後段側のモジュールにウエハWが待機した状態で前記モジュールのメンテナンスが行われる。
【0058】
例えば自動メンテナンスの例として挙げた自動カップ洗浄及び自動ノズル洗浄はモジュール退避メンテナンスに該当する。予約メンテナンスの例として挙げたレジスト塗布モジュールCOTのカップ交換及び周縁露光モジュールWEEのランプ交換はモジュール退避メンテナンスに該当する。また、予約メンテナンスの例として挙げた搬送アームA1〜A4の爪部25の交換は、ブロック退避メンテナンスに該当する。
【0059】
以降、図13のフローチャートを参照しながら、モジュール退避メンテナンスの例としてレジスト塗布モジュールCOTで自動カップ洗浄が行われる工程について説明する。ウエハWの通常搬送及び処理が開始されると、制御部100は処理の開始時点からメンテナンス時間間隔として設定した時間が経過したか否かを判定し(ステップD1)、経過していない場合は通常搬送が続けられる。そして、前記設定時間が経過したと判定した場合は、制御部100は続けてバッファモジュール群3に必要ウエハ枚数が溜まっているか否かを判定する(ステップD2)。
【0060】
必要ウエハ枚数が溜まっていないと判定した場合は、通常搬送が続けられる。必要ウエハ枚数が溜まったと判定した場合は、メンテナンス対象のレジスト塗布モジュールCOTで処理を受けて搬出されるウエハWが、一のロットのウエハWであり、且つその次に当該レジスト塗布モジュールCOTに搬送されるウエハWが次のロットのウエハWであるか否かを判定する。つまり、前記レジスト塗布モジュールCOTにロットの切れ目がかかっているか否かを判定する(ステップD3)。前記ロットの切れ目になっていないと判定した場合は通常搬送が続けられ、前記ロットの切れ目になったと判定された場合は、キャリアCからのウエハWの払い出しが停止し、往路側搬送F1が停止する。それによって、このレジスト塗布モジュールCOTが空になり、先行ロットはこのレジスト塗布モジュールよりも前段のモジュールに、後続のロットはこのレジスト塗布モジュールCOTの後段に留まることになる(ステップD4)。そして、空になった前記レジスト塗布モジュールCOTではカップ21の洗浄が行われる(ステップD5)。
【0061】
カップ21の洗浄が行われる間、図7で説明したように露光後搬送F3及び復路側搬送F2が継続されるため、バッファモジュール群3に蓄えられた露光前ウエハWは、露光装置S4及び単位ブロックB5、B6に搬送されて処理を受け、キャリアCに戻される。カップ21の洗浄が終了し、前記往路側搬送F1が停止してから設定したメンテナンス必要時間が経過すると、キャリアCから後続のロットのウエハWの払い出しと、処理ブロックS2における往路側搬送F1とが再開され、メンテナンスを終えたレジスト塗布モジュールCOTに後続のロットのウエハWが搬入される。続けて、制御部100は、このメンテナンス終了時刻から設定したメンテナンス時間間隔が経過したか否かを判定する。つまり、上記のステップD1〜D5が繰り返し実行され、レジスト塗布モジュールCOTのカップ洗浄が周期的に繰り返し行われる。他の塗布膜形成モジュールにおいても、同様にステップD1〜D5に従ってカップ洗浄が行われる。また、自動ノズル洗浄が行われる場合も自動カップ洗浄が行われる場合と同様にステップD1〜D5に従って動作が進行する。
【0062】
モジュール退避メンテナンスのフローを説明するにあたり、自動メンテナンスである自動カップ洗浄の例について説明したが、予約メンテナンスである場合にも同様に図13のステップD1〜D4に従って処理が進行し、メンテナンス対象となるモジュールへのウエハWの搬送が停止した後、作業者がメンテナンスを行う。例えば周縁露光モジュールWEEのランプ交換を行う場合について説明すると、ステップD1ではメンテナンスを行うように設定した日時になったか否かが判定される。そして、ステップD4で周縁露光モジュールWEEへの搬送が停止した後、作業者が前記ランプの交換を行う。そして、後述のように作業者が指示すると、搬送が再開される。レジスト塗布モジュールCOTのカップ21の交換を行う場合にも同様にステップD1〜D4に従って処理が進行し、レジスト塗布モジュールCOTへのウエハWの搬送が停止する。
【0063】
続いて、ブロック退避メンテナンスの例として、搬送アームA1の爪部25の交換を行う工程について図14のフローを参照しながら自動メンテナンスのフローとの差異点を中心に説明する。塗布、現像装置1が起動し、ウエハWの通常搬送及び処理が開始されてから、制御部100はメンテナンス開始日時として設定した時間になったか否かを判定し(ステップE1)、設定時間になっていない場合は通常搬送が続けられる。そして、前記設定した時間になったと判定された場合、制御部100は続けてバッファモジュール群3に必要ウエハ枚数が溜まっているか否かを判定する(ステップE2)。
【0064】
必要ウエハ枚数が溜まっていないと判定した場合は、通常搬送が続けられる。必要ウエハ枚数が溜まったと判定した場合は、表示部48にそのように必要ウエハ枚数が溜まったことを示すサインを表示し、続いてキャリアCから払い出し中のロットのウエハWが、当該ロットの最終ウエハWであるか否かを判定する。つまり、キャリアCからの払い出しがロットの切れ目にかかっているか否かを判定する(ステップE3)。ロットの最終ウエハWではないと判定した場合はキャリアCからの払い出しを続ける。ロットの最終ウエハWであると判定した場合は、キャリアCから後続のロットのウエハWの払い出しを停止する(ステップE4)。
【0065】
そして、処理ブロックS2に払い出されたロットの最終ウエハWが処理ブロックS2を通過し、バッファモジュール群3へ搬入されると(ステップE5)、図7で示したように処理ブロックS2では往路側搬送F1が停止する(ステップE6)。この往路側搬送F1が停止している間にユーザは搬送アームA1の爪部25の交換を行う。バッファモジュール群3の露光前ウエハWが予め設定された枚数以下になる、即ちメンテナンス時間が終了に近づくと、制御部100は不図示のアラーム発生器からアラーム音を発生させる。作業者がメンテナンス作業を終え、設定部47において所定の操作を行い、通常搬送の再開を指示することで、通常搬送が再開される。往路側搬送F1が停止してからメンテナンス必要時間が経過しても、このような作業者の指示があるまで通常搬送は再開されない。搬送アームA2〜A4の爪部25の交換を行う場合もステップE1〜E6に従って処理が行われる。
【0066】
続いて、手動メンテナンスの例としてレジスト吐出量及び吐出状態の確認を行う工程について図15のフローを参照しながら説明する。塗布、現像装置1が起動し、ウエハWの通常搬送が開始されているときに、ユーザは任意のタイミングで、メンテナンス必要時間を設定し、それに基づいて必要ウエハ枚数、不足ウエハ枚数及び予測待ち時間が演算され、これらの設定値及び演算値が表示部48に表示される。そして、制御部100は必要ウエハ枚数がバッファモジュール群3に溜まっているか否かを判定する(ステップF1)。溜まっていない場合には通常搬送が継続され、溜まっている場合にはキャリアCからの払い出しが停止し、ステップF2)、処理ブロックS2における往路側搬送F1が停止する(ステップF3)。その間にユーザは、レジスト塗布モジュールCOTのレジスト吐出量及び吐出状態を確認する。往路側搬送F1の停止時点からメンテナンス必要時間が経過すると、通常搬送が再開される。
【0067】
例えばこの手動メンテナンスは、自動メンテナンス及び予約メンテナンスに優先して行われ、手動メンテナンスを行うためにメンテナンス必要時間を入力してから上記のように通常搬送が再開されるまでの間、自動メンテナンス及び予約メンテナンスを行うためにキャリアCからウエハWの払い出しの停止が起こらない。また、自動メンテナンスと、手動メンテナンスについてもいずれかを優先して行うようにしてもよい。
【0068】
この塗布、現像装置1によれば、処理ブロックB2で行われるメンテナンスに要するメンテナンス時間に対応した枚数の露光前ウエハWが、バッファモジュール群3に蓄積されたか否かを制御部100が判定し、蓄積されたと判定されたときに、キャリアCからのウエハWの払い出し及び処理ブロックS2の往路側搬送が停止する。その一方で、バッファモジュール群3から露光装置S4を経てキャリアCに戻されるウエハWの搬送が継続される。従って、露光装置S4の露光処理が停止しないため、露光装置S4の処理効率が低下することを防ぐことができる。その結果として、ウエハWのスループットの低下を防ぐことができる。また、各メンテナンスにおいて、必要ウエハ枚数が溜まるまでの待ち時間が表示部48に表示される。ユーザはこの表示を見て、いつからメンテナンスが開始されるか知ることができるので、メンテナンス中は塗布、現像装置1へのキャリアCの搬送を抑え、他の塗布、現像装置1に搬送するというキャリアCの搬送計画を予め立てることができるし、上記の手動メンテナンスを行う場合に他のメンテナンスに影響を与えない適切なときに行うことができるので、結果として製品の生産性の向上に寄与する。また、この塗布、現像装置1では各メンテナンス毎に必要ウエハ枚数が溜まると、表示部48にその旨を示すサインが表示され、ユーザの注意を確実に促すようになっている。
【0069】
また、塗布、現像装置1ではロットの最後のウエハWが処理ブロックS2を通過するか、あるいはメンテナンス対象となるモジュールを通過してからメンテナンスが行われるようになっている。これによって、同じロットのウエハWを処理する環境が異なることが防がれるので、同じロット内の製品の品質がばらつくことが抑えられる。従って、歩留りの低下を防ぐことができる。また、モジュール退避メンテナンスを行う場合には、メンテナンス対象となるモジュール以外のモジュールにウエハWが待機するので、メンテナンス終了後に速やかに処理を再開できる。従って、スループットの低下をより確実に抑えることができる。
【0070】
メンテナンスの種類としては上記の例に限られない。例えば予約メンテナンスの一つとして、モジュールの検査がある。これはモジュール検査用のウエハWが格納されたキャリアCをキャリアブロックS1に搬送し、当該検査用ウエハWをキャリアブロックS1及び処理ブロックS2の各搬送手段を用いて所望のモジュールに搬送し、所定の検査を行った後でキャリアCに戻す。検査用ウエハWは例えば装置1の外部の検査機構に搬送されて、モジュールの動作が検査される。また、単位ブロックB3、B4に各々2基設けられる保護膜形成モジュールTCTのうちの1基を裏面洗浄モジュールBSTとする。そして、予約メンテナンスとして当該裏面洗浄モジュールBSTのブラシの交換を行ってもよい。
【0071】
メンテナンスの開始のタイミングとしては、上記の例に限られない。例えば、ロットの最後のウエハWが処理ブロックS2を通過した後、バッファモジュール群3に搬入される前に処理ブロックS2の搬送を停止し、メンテナンスを開始してもよい。また、例えば自動メンテナンスを行う場合、メンテナンスが行われるモジュールをロットの最後のウエハWが通過した時点でメンテナンスを開始してもよい。
【0072】
塗布、現像装置1ではバッファモジュール群3にウエハWを溜める。従って、装置内のウエハW枚数が多く、また、塗布、現像装置1に搬入するキャリア数が不足すると、各モジュールへウエハWの供給ができなくなり、生産性が低下するおそれがある。従って、前記バッファモジュール群3の前記蓄積レートを考慮した上で、キャリアブロックS1に搬入するキャリアCの数を設定することになる。また、キャリアブロックS1の棚に載置できるキャリアCの数を増やすことも有効である。また、制御部100は、塗布、現像装置1の外部の搬送機構の動作を制御するコンピュータに信号を出力し、ウエハWが塗布、現像装置1に搬入され、空の状態で棚14に搬送されたキャリアCを前記搬送機構により塗布、現像装置1の外部に退避させてもよい。それによって、キャリアブロックS1におけるキャリアCの数を、当該キャリアCが載置可能な数に収めるように制御する。
【0073】
ところで、処理ブロックS2における往路側搬送経路F1のモジュールをメンテナンスする場合について説明してきたが、処理ブロックS2の復路側搬送経路F2のモジュールのメンテナンスを行う場合にも本発明が適用できる。図16は、このように復路側のメンテナンスを行う場合の搬送の概略を示しており、この図に示すように復路側搬送F2及び往路側搬送F1の両方の搬送を停止する。そして、搬送F1及びF2を停止させている間に露光搬送F3を継続する。
【0074】
予約メンテナンスであり、ブロック退避メンテナンスである搬送アームA6の爪部25の交換を行う場合の例を挙げて、通常搬送から図16のメンテナンス時の搬送への切り替わりを具体的に説明する。この説明では露光済みウエハのロットをA、Bとし、ロットBはロットAの次のロットである。上述したブロック退避メンテナンスのフローのステップE1、E2が進行し、バッファモジュール群3に必要ウエハ枚数が溜まったと判定されると、バッファモジュール群3から搬出中のロットAについては、復路側搬送F2による搬送が継続される。ロットAの最後のウエハWが搬出された後、バッファモジュール群3からの露光済みウエハWの搬出が停止する。つまり、ロットBについては、バッファモジュール群3から搬出されず、バッファモジュール群3に滞留する。
【0075】
そして、ロットAの最後のウエハWがキャリアCに戻されると、復路側搬送F2が停止する。また、往路側搬送F1は、上記のステップE3〜E6に従って停止する。この間にバッファモジュール群3では、露光前のウエハWが露光装置S4へ搬送されてその枚数が減少すると共に、露光装置S4から搬送された露光済みのウエハWが蓄積していく。復路側搬送F2の停止時点からメンテナンス設定時間が経過すると、ロットBがバッファモジュール3から搬出されると共にキャリアCからのウエハWの払い出しが行われる。つまり通常搬送が再開する。このように搬送を行う場合にも露光装置S4は露光処理を続けることができるので、上記の効果が得られる。なお、往路側搬送F1のモジュールのメンテナンスを行う場合に、同様に復路側搬送F2及び往路側搬送F1の両方を停止させてもよい。
【0076】
また、上記の自動カップ洗浄は、カップ21に備え付けられている洗浄機構をなすノズルから直接カップ21に洗浄液を供給してもよいが、洗浄用の冶具を用いてカップ21に洗浄液を供給してもよい。図17は、その洗浄用の冶具であるディスク71を示している。円板状の中心部72の外周を囲うように円形のリング部73が設けられている。図18に示すようにリング部73の周端部は上方向に突出し、リング部73の外周面74は起立している。例えば棚ユニットU1〜U6の一の棚がこのディスク71を格納する待機部として構成され、ウエハWの処理時にディスク71は当該待機部にて待機する。
【0077】
上記のレジスト塗布モジュールCOTのカップ洗浄を行う場合について説明すると、既述のフローD1〜D4が進行すると、搬送アームA1が前記棚からディスク71をレジスト塗布モジュールCOTに搬送し、ディスク71のリング部73がスピンチャック22に吸着される。スピンチャック22が回転し、ウエハWの裏面を洗浄するための裏面洗浄ノズル26から、例えばシンナーからなる溶剤がディスク71のリング部73の裏面に吐出される。図18では点線の矢印で溶剤の流れを示しており、吐出された溶剤は遠心力によりリング部73の裏面を外側に向かった後、表面張力及び粘性により前記外周面74を上り、カップ21の内周面へ飛散する。そして、飛散した溶剤はカップ21の内周面を伝わって、当該カップ21に付着したレジストを洗い流しながら下降し、不図示の排液路に流れ込んで廃液される。この洗浄作業が終了するとディスク71は前記待機部に戻され、ウエハWの通常搬送が再開される。
【0078】
他の塗布膜形成モジュールにおいても、メンテナンス時に同様にカップ21の自動洗浄が行われる。また、待機部としてはこの例に限られない。例えばバッファモジュール群3に単位ブロックB1〜B4のウエハWを全て退避させた後、キャリアCによりこのディスク71を塗布、現像装置1に搬送する。つまりキャリアCを待機部としてもよい。
【0079】
ところで、塗布、現像装置1は既述したタイミング以外のタイミングにおいても自動メンテナンスを実行することができる。このタイミングを説明するために塗布、現像装置1の構成についてさらに説明する。前記制御部100は、塗布、現像装置1が設置される工場のホストコンピュータ(上位コンピュータ)に接続されている。このホストコンピュータは、キャリアCの塗布、現像装置1への搬送を制御しており、キャリアCの搬送前に当該キャリアCの塗布、現像装置1への搬送時刻についての情報を前記制御部100に送信し、その情報が制御部100のメモリに記憶される。
【0080】
前記キャリアCは図示しない搬送機構により前記工場内を搬送されて、前記時刻にキャリアブロックS1に搬送され、キャリア搬送機構15により載置台11に載置される。後述のようにメンテナンスを行うタイミングを管理するために、前記載置台11へのキャリアCの載置時刻及び当該載置台11からのキャリアCの搬出時刻は前記メモリに記憶される。そして、前記ホストコンピュータから制御部100へ前記キャリアC内のロットの処理開始指示が送信されると、制御部100は塗布、現像装置1の各部へ所定の制御信号を出力し、載置台11に載置されたキャリアCから前記ロットが払い出されて塗布、現像装置1内で処理される。つまり、ホストコンピュータは塗布、現像装置1におけるロットの処理開始タイミングを制御している。前記ロットの処理開始指示としては、ロットの処理開始のトリガーとなる制御信号及びロットの処理を開始する予定時刻について設定するための信号のいずれであってもよい。つまり速やかにロットの処理を開始するように指示するものであってもよいし、送信後、所定の時間経過後に処理を開始するように指示するものであってもよい。
【0081】
また、図3に示す棚ユニットU7において搬送アームA1、A2がアクセスできる高さには、液処理モジュールにウエハWを搬送する前にウエハWの温度調整を行うための受け渡しモジュールCPL(CPL21、22とする)が設けられている。つまり、上記の単位ブロックB1、B2においてウエハは、疎水化処理モジュールADH→受け渡しモジュールCPL21→反射防止膜形成モジュールBCT→加熱モジュール→受け渡しモジュールCPL22→レジスト塗布モジュールCOT→加熱モジュールHPという順番で搬送される。
【0082】
互いに異なるロットA、Bで加熱モジュールHPによる加熱温度が互いに異なる場合、加熱モジュールHPにおいてはロットAを処理後に、当該モジュールHP内の熱板の温度調整が行われ、前記温度調整を終了した後に、ロットBが加熱モジュールHPに搬送される。従って、レジスト塗布後の加熱モジュールHPで前記温度調整が行われる場合、ロットBは受け渡しモジュールCPL22及びその前段側のモジュールで待機することになる。つまり、同じロット内のウエハW間で受け渡しモジュールCPL22による温度調整後、レジスト塗布及び加熱処理を行うまでの時間が揃うようになっている。そのようにロットBを待機させるために、例えば棚ユニットU7には待機用のモジュールとして複数枚のウエハWを載置可能なバッファモジュールが設けられる。
【0083】
また、ウエハWのロットによっては、反射防止膜を形成せずにレジスト膜の形成処理を行う。その場合は、単位ブロックB1、B2を前記ウエハWは、例えば疎水化処理モジュールADH→受け渡しモジュールCPL22→レジスト塗布モジュールCOT→加熱モジュールHPの順で搬送される。
【0084】
また、上記の自動ノズル洗浄処理を行う場合には、洗浄後にノズル内における薬液の乾燥を防ぐために、ノズルから空気の吸引及び図示しない貯留部に貯留されたシンナーの吸引を行うことで、ノズルの薬液の流路の先端側に前記シンナーの層及び空気の層を形成する処理も行われる。レジスト塗布モジュールCOTは、ウエハWのレシピによって夫々異なる種類のレジストを吐出する複数のノズルを備えている。従ってレジスト塗布モジュールCOTに搬送されるウエハWのロットが切り替わり、これらのロットが互いに異なるレジストを塗布するように設定されている場合は、先のロットを処理して使用済みのノズルに前記空気層及びシンナー層を形成するために自動ノズル洗浄を行う。先のロットと後続のロットの夫々に同じレジストを塗布する場合には、この自動ノズル洗浄を行わずにレジスト塗布処理を継続して行うことができる。
【0085】
続いて、モジュールのメンテナンスを行う各タイミングについて説明する。
ケース1として、キャリアブロックS1に次に塗布、現像装置1で処理するロットを格納したキャリアCが到着しておらず、当該装置1にウエハWが払い出される予定がないときが挙げられる。
つまり、前記載置台11にキャリアCが載置されない間は、塗布、現像装置1へウエハWの払い出しが行われないので、その間隔を利用して自動メンテナンスを行う。具体的には、例えば最後に装置1で処理済みのウエハWを格納したキャリアCが載置台11から搬出された時刻から予め設定された待機時間が経過しても次のキャリアCが載置台11に搬送されていない場合に、前記待機時間経過後に制御部100は各液処理モジュールへカップ洗浄及びノズル洗浄を行うように制御信号を送信し、自動メンテナンスが開始される。
【0086】
さらに、前記待機時間において、制御部100がホストコンピュータから、次のキャリアCが塗布、現像装置1に搬送される予定時刻を受信すると、この受信時刻から前記予定時刻までの時間(到着待ち時間とする)を算出する。そして制御部100は、自動メンテナンス設定記憶領域61に記憶される各メンテナンスの必要時間と、前記到着待ち時間とを比較する。そして、前記必要時間が到着待ち時間と同じかそれよりも短いメンテナンスについては実行し、必要時間が到着待ち時間よりも長いメンテナンスについては実行しないように制御信号を出力する。
【0087】
ケース2として、キャリアブロックS1に次のロットを格納したキャリアCが到着しているが、塗布、現像装置1に当該ロットが払い出される予定がないときが挙げられる。つまり、載置台11にキャリアCが載置されているが、ホストコンピュータからロットの処理を開始する指示がなされていないときである。
【0088】
具体的に、載置台11に前記キャリアCが載置された時刻から、予め設定された時間が経過するまでの間に前記ロットの開始指示がなされない場合、前記設定時間経過後に制御部100は各モジュールへ制御信号を出力し、ケース1と同様に各モジュールにおいて自動メンテナンスが開始される。また、キャリアCが載置台11に載置された後、ホストコンピュータから当該キャリアCのロットを処理するための予定時刻についてのデータを受信したときに、その受信時刻から前記予定時刻までの時間(処理前待機時間)が所定の時間よりも長い場合には、ケース1と同様に自動メンテナンスが開始されるようにしてもよい。この場合には、ケース1と同様に処理前待機時間と各メンテナンスの必要時間とを比較し、前記必要時間が処理前待機時間と同じかそれよりも短いメンテナンスについては実行し、長いメンテナンスについては実行しないように制御信号を出力してもよい。
【0089】
このようにケース1、2においては一のキャリアCのロットを処理後、後続のキャリアCのロットの処理を開始するまでの時間を利用してメンテナンスを行う。従って、塗布、現像装置1に搬入済みのウエハWの処理を中断してメンテナンスを行うことを防ぐことができ、スループットの向上を図ることができる。
【0090】
ケース3として、先のロットと次のロットとで異なる処理を行うが、メンテナンスを行うモジュールでは先のロットと次のロットとに同じ処理を行うとき、先のロットの処理後、次のロットの処理前に前記モジュールにおいてメンテナンスを行う場合を説明する。具体的には先発のロットA及び後続のロットBにレジスト塗布モジュールCOTでは同じレシピで処理を行い、加熱モジュールHPではロットABを互いに異なる温度で加熱する場合である。この場合、例えば図19に示すようにロットBの先頭のウエハWがCPL22に搬送されると、制御部100はこのロットBのCPL22の下流側への搬送を停止する。
【0091】
レジスト塗布モジュールCOTではロットAの最後のウエハWを処理し終えると、図20に示すように制御部100は、自動メンテナンスを行うように制御信号を送信する。ロットA、ロットBは同じレシピであるため、上記のようにノズル洗浄を行う必要が無いので、ここで行われる自動メンテナンスはカップ洗浄である。また、加熱モジュールでは前記ロットAを処理後、制御部100からの制御信号に基づいて熱板の温度が例えば100℃から150℃へと変更される。図21に示すように、熱板の温度変更と前記自動メンテナンスとが並行して行われ、これら温度変更及び自動メンテナンスが終了すると、ロットBのこれらレジスト塗布モジュールCOT及び加熱モジュールHPに搬送される(図22)。つまり、この例では加熱モジュールHPの温度変更を行うために後続のロットを待機させるための待機時間を利用して、レジスト塗布モジュールCOTで自動メンテナンスを行う。
【0092】
ケース4として、前のロットと次のロットのウエハの処理が異なることにより、メンテナンスを行うモジュールにウエハWが到着するまでの時間が空くとき、先のロットの処理後、次のロットの処理前に前記モジュールにおいてメンテナンスを行う。例えば先発のロットAが反射防止膜を形成せずにレジスト膜だけを形成するように設定され、後続のロットBが反射防止膜及びレジスト膜の両方を形成するように設定されている場合、レジスト塗布モジュールCOTにおいては、ロットAの最後のウエハWを処理後、ロットBの先頭のウエハWが搬送されるまでに比較的長い時間を要するので、前記ロットBのウエハWが到着するまでの間に既述の自動メンテナンスを行う。
【0093】
ケース3、4では、レジスト塗布モジュールCOTにて先発ロットの処理後、後発ロットを搬入するまでに要する時間を利用してメンテナンスを行っている。従って、当該レジスト塗布モジュールCOTにおいてメンテナンスを行うために装置内のウエハWの搬送を停止する時間を短縮したり、前記搬送を停止する頻度を少なくすることができるので、スループットの向上を図ることができる。
【0094】
ところで、上記のカップ洗浄については、既述のディスク71やノズルから洗浄液を吐出する例の他に、カップ21に洗浄機構を設け、この洗浄機構を用いて行うことができる。この洗浄機構の具体的な例を説明すると、既述の図18に示したカップ21の上部側開口部付近の内周面において、開口縁に沿ってシンナー(洗浄液)の吐出口を複数設ける。そして、各吐出口から前記内周面にシンナーを流下させて当該内周面を洗浄する。また、この内周面の洗浄前あるいは洗浄後に、当該内周面を洗浄するよりも高い吐出圧でシンナーを前記吐出口から吐出させる。それによって、図18でスピンチャック22の外側且つカップ21の内側に設けられる山型の縦断面を備える山型部と、当該山型部の外縁から下方に伸びるガイド部にシンナーを供給する。そのようにして、前記山型部及びガイド部からなる内カップ及びカップ21(外カップ)の両方について洗浄を行うことができる。
【0095】
なお、上記の各実施形態において、自動メンテナンスの実行記録を取得してもよい。例えば、制御部100のメモリ45に、モジュール毎に行われた自動メンテナンスと時刻を記憶する記憶領域を設ける。その記憶に基づいて、制御部100は自動メンテナンスを開始できるタイミングになったときに優先して行うメンテナンスを決定するようにしてもよい。優先されるメンテナンスは例えば、最後にメンテナンスを行った時刻が古い順である。具体的には例えばレジスト塗布モジュールCOT、反射防止膜形成モジュールBCTがいずれもメンテナンス可能で、前回のメンテナンス時にレジスト塗布モジュールCOTのメンテナンスを行っていたら反射防止膜形成モジュールBCTのメンテナンスが行われるようにする。また、例えばレジスト塗布モジュールCOTで自動カップ洗浄と自動ノズル洗浄とがいずれも実行可能であり、前回のメンテナンス時に自動カップ洗浄が行われていたら自動ノズル洗浄を優先して行う。このように制御を行い、特定のメンテナンスを行う間隔が開きすぎることを防いでも良い。
【符号の説明】
【0096】
W ウエハ
A1〜A6 搬送アーム
BCT 反射防止膜形成モジュール
BU バッファモジュール
COT レジスト膜形成モジュール
DEV 現像モジュール
TCT 保護膜形成モジュール
S1 キャリアブロック
S2 処理ブロック
S3 インターフェイスブロック
S4 露光装置
WEE 周縁露光モジュール
1 塗布、現像装置
100 制御部
3 バッファモジュール群
45 メモリ
47 設定部
48 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアブロックに載置されたキャリアから取り出された基板を処理ブロックにてレジスト膜を含む塗布膜を形成した後、露光装置に受け渡し、露光後の基板に対して処理ブロックにて現像処理を行い、キャリアに受け渡すように構成され、基板の処理枚数が露光装置よりも多い塗布、現像装置において、
前記塗布膜が形成された、露光前の基板を一旦仮置きする仮置き部と、
基板の搬送経路において基板が置かれるモジュールについてメンテナンスを行うために、当該上流側の基板の搬送を停止する時間の長さを設定するための停止時間設定部と、
前記仮置き部に置かれた基板の枚数が前記停止時間の長さに応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数に達したか否かを監視し、達した後に仮置き部よりも上流側の基板の搬送を停止するように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする塗布、現像装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記仮置き部に置かれた基板の枚数が前記停止時間の長さに応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数に達した後、キャリアブロック側から処理ブロックヘの基板の払い出しを停止するための制御信号を出力し、その後、前記上流側の基板の搬送を停止するように制御信号を出力するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の塗布、現像装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記上流側の基板の搬送を停止するように制御信号を出力する前に、処理ブロック内に存在する基板を前記仮置き部に退避させるように制御信号を出力することを特徴とする請求項2記載の塗布、現像装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記仮置き部に置かれた基板の枚数が前記停止時間の長さに応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数に達した後、その時点で処理ブロック内に存在する基板が属するロットの最終基板がキャリアブロック側から処理ブロックヘ払い出された後、後続の基板の払い出しを停止すると共に、当該最終基板が処理ブロックを通過した後、前記上流側の基板の搬送を停止するように制御信号を出力するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の塗布、現像装置。
【請求項5】
前記停止時間の長さに応じた枚数の露光前の基板が仮置き部に置かれるまでの待ち時間を、仮置き部に置かれている露光前の基板の枚数と、塗布、現像装置の基板の処理枚数とに基づいて演算する演算手段と、
演算された前記待ち時間を表示する表示部と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の塗布、現像装置。
【請求項6】
前記メンテナンスを開始するタイミングを設定するタイミング設定部を備え、
前記制御部は前記タイミングの経過後に上流側の基板の搬送を停止するように制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の塗布、現像装置。
【請求項7】
前記制御部は、最後に前記キャリアブロックから前記塗布、現像装置にて処理済みの基板を格納したキャリアが搬出されてから、次のキャリアが前記キャリアブロックに搬送されるまでの間に、モジュールにてメンテナンスが行われるように制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の塗布、現像装置。
【請求項8】
前記制御部は、キャリアから基板を払い出す時刻を制御するための信号を当該制御部に送信するホストコンピュータに接続され、
前記制御部は、キャリアが前記キャリアブロックに搬入されてから、当該キャリアから前記基板を払い出す時刻までの間にモジュールにてメンテナンスが行われるように制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の塗布、現像装置。
【請求項9】
前記処理ブロックに前段側モジュールと、基板のロットに応じて処理状態を切り替える後段側モジュールとが設けられ、
前記制御部は、先発ロットのすべての基板が前記後段側モジュールにて処理された後、且つ後発ロットの基板が前段側モジュールに搬送される前に、前記後段側モジュールの処理状態の切り替えに並行して、前記前段側モジュールにてメンテナンスを行うように制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載の塗布、現像装置。
【請求項10】
先発ロットが前段側モジュールに搬送されずに後段側モジュールに搬送されるように設定され、且つ後発ロットが前段側モジュール及び後段側モジュールに搬送されるように設定され、
前記制御部は先発ロットのすべての基板が後段側モジュールで処理された後、後発ロットの基板が後段側モジュールに搬送される前に当該後段側モジュールでメンテナンスを行うために制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一つに記載の塗布、現像装置。
【請求項11】
前記モジュールは、基板に塗布膜を形成するための薬液を供給するノズルと、前記ノズルに洗浄液を供給するノズル洗浄機構と、を含み、
前記制御部は、前記停止時間に前記ノズルを洗浄するために、ノズル洗浄機構から洗浄液を供給するように制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一つに記載の塗布、現像装置。
【請求項12】
前記モジュールは、基板の載置部と、基板に塗布膜を形成するための薬液を供給するノズルと、前記載置部に載置された基板を囲むカップと、前記カップ内に洗浄液を供給する洗浄機構と、を備え、
前記制御部は、前記停止時間にカップを洗浄するために洗浄液を供給するように制御信号を出力することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一つに記載の塗布、現像装置。
【請求項13】
前記モジュールにおいて基板を処理するときにはカップの外部に設けられた待機部に待機し、前記停止時間に前記カップに搬送される治具を備え、
前記載置部は前記冶具を保持すると共に回転させることと、
前記洗浄機構は前記治具に洗浄液を吐出し、飛散させてカップ内を洗浄することを特徴とする請求項12記載の塗布、現像装置。
【請求項14】
キャリアブロックに載置されたキャリアから取り出された基板を処理ブロックにてレジスト膜を含む塗布膜を形成した後、露光装置に受け渡し、露光後の基板に対して処理ブロックにて現像処理を行い、キャリアに受け渡すように構成され、基板の処理枚数が露光装置よりも多い塗布、現像装置を用いた塗布、現像方法において、
前記塗布膜が形成された、露光前の基板を仮置き部に一旦仮置きする工程と、
基板の搬送経路において基板が置かれるモジュールについてメンテナンスを行うために、停止時間設定部により当該上流側の基板の搬送を停止する時間の長さを設定する工程と、
前記仮置き部に置かれた基板の枚数が前記停止時間の長さに応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数に達したか否かを監視し、達した後に仮置き部よりも上流側の基板の搬送を停止する工程と、を備えたことを特徴とする塗布、現像方法。
【請求項15】
前記仮置き部に置かれた基板の枚数が前記停止時間の長さに応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数に達した後、キャリアブロック側から処理ブロックヘの基板の払い出しを停止する工程と、
次いで、前記上流側の基板の搬送を停止する工程と、
を備えたことを特徴とする請求項14記載の塗布、現像方法。
【請求項16】
前記上流側の基板の搬送を停止する前に、処理ブロック内に存在する基板を前記仮置き部に退避させる工程を備えたことを特徴とする請求項14または15記載の塗布、現像方法。
【請求項17】
前記仮置き部に置かれた基板の枚数が前記停止時間の長さに応じた、前記処理ブロックによる基板の処理枚数に達した後、その時点で処理ブロック内に存在する基板が属するロットの最終基板がキャリアブロック側から処理ブロックヘ払い出された後、後続の基板の払い出しを停止する工程と、
前記最終基板が処理ブロックを通過した後、前記上流側の基板の搬送を停止する工程と、
を備えたことを特徴とする請求項14ないし16のいずれか一つに記載の塗布、現像方法。
【請求項18】
前記停止時間に、前記モジュールに設けられた基板に塗布膜を形成するための薬液を供給するノズルに洗浄液を供給して洗浄する工程を備えたことを特徴とする請求項14ないし17のいずれか一つに記載の塗布、現像方法。
【請求項19】
前記停止時間に、前記モジュールに設けられた基板の載置部を囲むカップに洗浄液を供給して洗浄する工程を備えたことを特徴とする請求項14ないし18のいずれか一つに記載の塗布、現像方法。
【請求項20】
前記カップに洗浄液を供給する工程は、カップに設けられた洗浄機構により行われることを特徴とする請求項19記載の塗布、現像方法。
【請求項21】
前記カップを洗浄する工程は、
前記停止時間にカップの外部に設けられた待機部から前記カップに冶具を搬送する工程と、
前記載置部に冶具を保持し、回転させる工程と、
洗浄機構から前記治具に洗浄液を吐出し、カップ内に飛散させる工程を含むことを特徴とする請求項20記載の塗布、現像方法。
【請求項22】
塗布、現像装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項14ないし21のいずれか一つに記載の塗布、現像方法を実施するためのものであることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−156497(P2012−156497A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−287984(P2011−287984)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】