説明

変速機装置および無段変速機の制御方法

【課題】低車速状態のときには無段変速機がダウンシフトされるようにすると共に少なくとも無段変速機がアップシフトされるのを抑制する。
【解決手段】車速Vが閾値Vref以下に至ったときに無段変速機のベルト戻りが判定されなかったときには、車両の走行と停止とに対して入力トルクTinやオイル温度Toilに基づくデューティソレノイドのデューティDS2の設定による油圧アクチュエータを中間圧力とする制御(S180)と閉じ込み制御(S170)とを繰り返し実行する。これにより、油圧回路の流量制御弁のスプールにおける若干のクリアランスによりライン圧が油圧アクチュエータ側に滲み出ることにより油圧アクチュエータの油圧が徐々に増加して無段変速機がアップシフトしてしまうのを抑制することができると共に無段変速機をダウンシフトさせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機装置および無段変速機の制御方法に関し、詳しくは、作動流体を作動流体室に供給することによりアップシフトすると共に作動流体を作動流体室から排出することによりダウンシフトする車載用の無段変速機を有する変速機装置およびこうした無段変速機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の変速機装置としては、油圧駆動の車載用のベルト式無段変速機を備え、所定の車速以下の低車速状態ではないときには所定の回転部材の実回転数と目標回転数との偏差に基づいて無段変速機の変速比をフィードバック制御し、低車速状態のときにはフィードバック制御を禁止すると共に無段変速機の変速比が変更しないよう油圧回路を閉じ込み制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−324007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の変速機装置では、低車速状態のときには閉じ込み制御により無段変速機の変速比を変更しないようにしているが、油圧回路におけるバルブの若干の隙間からオイルが滲み出ることにより、時間の経過により無段変速機の変速比が徐々に変更される場合が生じる。こうした無段変速機の変速比の変更が例えばアップシフト側に行なわれると、運転者がアクセルペダルを踏み込んでも減速比が小さくなっていることから、小さな駆動力しか出力することができず、発進時の加速性が低下する恐れが生じる。
【0004】
本発明の変速機装置および無段変速機の制御方法は、低車速状態からの発進時に加速性が低下するのを抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の変速機装置および無段変速機の制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の変速機装置は、
作動流体を作動流体室に供給することによりアップシフトすると共に前記作動流体を前記作動流体室から排出することによりダウンシフトする車載用の無段変速機を有する変速機装置であって、
前記作動流体の前記作動流体室への供給と排出を行なう流体供給排出手段と、
所定車速以下の低車速状態のときには、前記作動流体室における作動流体の圧力が前記所定車速に至ったときの圧力より低く前記作動流体室から作動流体を完全に排出したときの圧力より高い中間圧力となるよう前記流体供給排出手段を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0007】
この本発明の変速機装置では、所定車速以下の低車速状態のときには、作動流体室における作動流体の圧力が所定車速に至ったときの圧力より低く作動流体室から作動流体を完全に排出したときの圧力より高い中間圧力となるよう作動流体の作動流体室への給排を制御する。即ち、作動流体室における作動流体の圧力を所定車速に至ったときの圧力より小さくするから、作動流体がバルブ等の若干の隙間から滲み出ることにより、作動流体室における作動流体の圧力が高くなり、無段変速機がアップシフトされるのを抑制することができる。この結果、低車速状態からの発進時に加速性が低下するのを抑制することができる。また、中間圧力によっては無段変速機をダウンシフトすることもできる。ここで、中間圧力は、その後の運転者のアクセルペダルの踏み込み時に駆動力を出力することを考慮して、所定車速に至ったときの作動流体室における作動流体の圧力の90%や80%,70%などのようにある程度の圧力とするのが好ましい。また、無段変速機としては、例えば、ベルト式の無段変速機を用いることができる。さらに、作動流体としてはオイルを用いることができる。
【0008】
こうした本発明の変速機装置において、前記制御手段は、前記低車速状態における車両が走行しているタイミングで前記作動流体が前記作動流体室から排出されることにより前記作動流体室における作動流体の圧力が減圧されるよう前記流体供給排出手段を制御する手段であるものとすることもできる。車両が走行しているタイミングで作動流体室における作動流体の圧力を減圧するのは、車両が走行しているときには無段変速機も作動しているから、無段変速機をダウンシフトするのが容易となるからである。
【0009】
また、本発明の変速機装置において、前記流体供給排出手段は印加される電流のデューティ比が大きくなるほど前記作動流体の前記作動流体室からの排出を促進する排出用ソレノイドバルブを有し、前記制御手段は、前記所定車速以下の低車速状態のときには、前記無段変速機に入力されるトルクが大きいほど小さくなる傾向のデューティ比をもって前記排出用ソレノイドバルブに電流が印加されるよう前記流体供給排出手段を制御する手段である、ものとすることもできる。無段変速機に入力されるトルクが大きいときには、変速して出力するトルクも大きくなり、トルク伝達に必要な作動流体室の作動流体の圧力もある程度必要となるからである。これにより、入力されるトルクを有効に変速して出力することができる。
【0010】
さらに、本発明の変速機装置において、前記流体供給排出手段は印加される電流のデューティ比が大きくなるほど前記作動流体の前記作動流体室からの排出を促進する排出用ソレノイドバルブを有し、前記制御手段は、前記所定車速以下の低車速状態のときには、前記作動流体の温度が高いほど小さくなる傾向のデューティ比をもって前記排出用ソレノイドバルブに電流が印加されるよう前記流体供給排出手段を制御する手段である、ものとすることもできる。一般に、作動流体は温度が高くなると粘性が低くなるから、作動流体の温度が高いほど小さくなる傾向のデューティ比をもって排出用ソレノイドバルブに電流を印加することにより、作動流体室の圧力が減圧されすぎないようにすることができる。これにより、より適正に作動流体室の圧力を調整することができる。
【0011】
あるいは、本発明の変速機装置において、前記制御手段は、前記低車速状態に至ったときに前記無段変速機の変速比が最大減速比と判断された場合には、前記作動流体室における作動流体の圧力に拘わらずに前記作動流体室から前記作動流体が排出されるよう前記流体供給排出手段を制御する手段とすることもできる。これにより、無段変速機を最大減速比で保持することができる。
【0012】
本発明の無段変速機の制御方法は、
作動流体を作動流体室に供給することによりアップシフトすると共に前記作動流体を前記作動流体室から排出することによりダウンシフトする車載用の無段変速機の制御方法であって、
所定車速以下の低車速状態のときには、前記作動流体室における作動流体の圧力が前記所定車速に至ったときの圧力より低く前記作動流体室から作動流体を完全に排出したときの圧力より高い中間圧力となるよう前記作動流体の前記作動流体室への給排を制御する、
ことを特徴とする。
【0013】
この本発明の無段変速機の制御方法では、所定車速以下の低車速状態のときには、作動流体室における作動流体の圧力が所定車速に至ったときの圧力より低く作動流体室から作動流体を完全に排出したときの圧力より高い中間圧力となるよう作動流体の作動流体室への給排を制御する。即ち、作動流体室における作動流体の圧力を所定車速に至ったときの圧力より小さくするから、作動流体がバルブ等の若干の隙間から滲み出ることにより、作動流体室における作動流体の圧力が高くなり、無段変速機がアップシフトされるのを抑制することができる。中間圧力によっては無段変速機をダウンシフトすることもできる。ここで、中間圧力は、その後の運転者のアクセルペダルの踏み込み時に駆動力を出力することを考慮して、所定車速に至ったときの作動流体室における作動流体の圧力の90%や80%,70%などのようにある程度の圧力とするのが好ましい。また、無段変速機としては、例えば、ベルト式の無段変速機を用いることができる。さらに、作動流体としてはオイルを用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の一実施例としての変速機装置40を搭載する自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の自動車20は、エンジン22と、このエンジン22の出力軸であるクランクシャフト24に図示しないダンパを介して取り付けられたロックアップ機構付きのトルクコンバータ30と、トルクコンバータ30の出力軸であるインプットシャフト38と駆動輪74a,74bにデファレンシャルギヤ72とギヤ機構70とを介して接続されたアウトプットシャフト68とに接続されて基本的にはインプットシャフト38側の動力を無段階に変速してアウトプットシャフト68に出力する変速機装置40と、車両全体を制御するメイン電子制御ユニット(以下、メインECUという。)80と、を備える。
【0016】
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関として構成されており、クランクシャフト24に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジション信号などのエンジン22の状態を検出する各種センサからの信号に基づいてエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという。)26により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの制御を受けている。エンジンECU26は、メインECU80と通信しており、メインECU80からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをメインECU80に出力する。
【0017】
トルクコンバータ30は、周知のロックアップクラッチ付きの流体式トルクコンバータとして構成されており、必要に応じてエンジン22のクランクシャフト24に接続されたタービンランナー32と変速機装置40のインプットシャフト38に接続されたポンプインペラ34とをロックアップクラッチ36によりロックアップする。トルクコンバータ30のロックアップクラッチ36は、後述する無段変速機用電子制御ユニット(以下、CVTECUという)60により駆動制御される油圧回路50により作動する。
【0018】
変速機装置40は、インプットシャフト38とアウトプットシャフト68とに接続されて主としてインプットシャフト38側の動力を無段階に変速してアウトプットシャフト68側に出力するベルト式の無段変速機42と、この無段変速機42を駆動するための油圧回路50と、油圧回路50を駆動制御するCVTECU60と、を備える。
【0019】
無段変速機42は、溝幅が変更可能でインプットシャフト38に接続されたプライマリープーリー43と、同じく溝幅が変更可能で駆動軸としてのアウトプットシャフト68に接続されたセカンダリープーリー45と、プライマリープーリー43およびセカンダリープーリー45の溝幅を変更するための油圧アクチュエータ44,46と、プライマリープーリー43およびセカンダリープーリー45の溝に架けられたベルト48と、を備え、油圧アクチュエータ44,46を駆動してプライマリープーリー43およびセカンダリープーリー45の溝幅を変更することにより、インプットシャフト38の動力を無段階に変速してアウトプットシャフト68に出力する。なお、プライマリープーリー43およびセカンダリープーリー45の溝幅の変更は、こうした変速比(レシオ)の変更だけでなく、無段変速機42の伝達トルク容量を調節するためのベルト48の狭圧力の制御としても行なわれる。
【0020】
油圧回路50は、プライマリープーリー43の油圧アクチュエータ44への回路としてその一例を示す図2に示すように、油量を調整するためのデューティソレノイド102,104と、プライマリープーリー43の油圧アクチュエータ44へライン圧PLを供給することによりアップシフトするための第1流量制御弁110と、油圧アクチュエータ44のオイルをドレーンに排出することによりダウンシフトするための第2流量制御弁120と、デューティソレノイド102,104のデューティを共に0%とするいわゆる閉じ込み制御を行なったとき油圧アクチュエータ44の油圧が低下しないようにするためにライン圧PLを若干減圧して油圧アクチュエータ44に供給するための減圧機構130と、を備える。なお、ライン圧PLは、エンジン22のクランクシャフト24に取り付けられて駆動する図示しないオイルポンプにより加圧されて調圧されたものが供給されている。
【0021】
第1流量制御弁110は、ライン圧PLが供給される入力ポート113とプライマリープーリー43の油圧アクチュエータ44に連通する出力ポート114との間の流路を開閉するスプール111と、入力ポート113と出力ポート114との間の流路を閉じる方向(図2中下方向)にスプール111を付勢するバネ112と、を備えており、入力ポート113や出力ポート114の他に、入力ポート113と出力ポート114との間の流路を開く方向(図2中上方向)にスプール111を移動させるためにデューティソレノイド102からのオイルを受け容れる開ポート115と、入力ポート113と出力ポート114との間の流路を閉じる方向(図2中下方向)にスプール111を移動させるためにデューティソレノイド104からのオイルを受け容れる閉ポート116と、出力ポート114に連通すると共に第2流量制御弁120と連絡する連絡ポート117と、が形成されている。こうして構成された第1流量制御弁110は、デューティソレノイド102のデューティを大きくしてデューティソレノイド102からのオイルを開ポート115に供給することにより、スプール111を図2中上方に移動させて入力ポート113と出力ポート114との間の流路を開成し、ライン圧PLを油圧アクチュエータ44に連通させる。これにより、油圧アクチュエータ44にオイルが供給され、プライマリープーリー43の溝幅が狭くなり、無段変速機42はアップシフトする。
【0022】
第2流量制御弁120は、第1流量制御弁110の連絡ポート117と連絡する連絡ポート123とドレーンに連通するドレーンポート124との間の流路を開閉するスプール121と、連絡ポート123とドレーンポート124との間の流路を閉じる方向(図2中上方向)にスプール121を付勢するバネ122と、を備えており、連絡ポート123やドレーンポート124の他に、連絡ポート123とドレーンポート124との間の流路を開く方向(図2中下方向)にスプール121を移動させるためにデューティソレノイド104からのオイルを受け容れる開ポート125と、連絡ポート123とドレーンポート124との間の流路を閉じる方向(図2中上方向)にスプール121を移動させるためにデューティソレノイド102からのオイルを受け容れる閉ポート126と、連絡ポート123とドレーンポート124との間の流路が閉じているときに連絡ポート123と連通して減圧機構130からの油圧を第1流量制御弁110側に供給して調圧する調圧ポート127と、が形成されている。こうして構成された第2流量制御弁120は、デューティソレノイド104のデューティを大きくしてデューティソレノイド104からのオイルを開ポート125に供給することにより、スプール121を図2中下方に移動させて連絡ポート123とドレーンポート124との間の流路を開成し、油圧アクチュエータ44を第1流量制御弁110の出力ポート114,連絡ポート117,第2流量制御弁120の連絡ポート123を介してドレーンポート124に連通させる。これにより、油圧アクチュエータ44のオイルは排出され、プライマリープーリー43の溝幅が広くなり、無段変速機42はダウンシフトする。
【0023】
CVTECU60は、詳細に図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポートや通信ポートなどを備える。CVTECU60には、インプットシャフト38に取り付けられた回転数センサ62からのインプットシャフト38の回転数Ninやアウトプットシャフト68に取り付けられた回転数センサ64からのアウトプットシャフト68の回転数Nout,油圧回路50の作動流体としてのオイルの温度を検出する温度センサ52からのオイル温度Toilなどが入力ポートを介して入力されており、CVTECU60からは、油圧回路50への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。また、CVTECU60は、メインECU80と通信しており、メインECU80からの制御信号によって無段変速機42の変速比(レシオ)を制御すると共に必要に応じて回転数センサ62からのインプットシャフト38の回転数Ninや回転数センサ64からのアウトプットシャフト68の回転数Noutなど無段変速機42の運転状態に関するデータをメインECU80に出力する。
【0024】
メインECU80は、詳細に図示しないが、CVTECU60と同様に、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポートや通信ポートなどを備える。メインECU80には、イグニッションスイッチ81からのイグニッション信号や,シフトレバー82の操作位置を検出するシフトポジションセンサ83からのシフトポジションSP,アクセルペダル84の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ85からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル86の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ87からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、メインECU80は、エンジンECU26やCVTECU60と通信しており、各種制御信号やデータのやり取りを行なっている。
【0025】
こうして構成された実施例の自動車20は、基本的には、運転者のアクセルペダル84の踏み込み量と車速Vとに基づいて走行に必要な駆動力を計算し、計算した駆動力を効率よく出力することができるエンジン22の運転ポイントを求め、その運転ポイントでエンジン22を運転するようインプットシャフト38の目標回転数Nin*を設定してインプットシャフト38の回転数Ninが目標回転数Nin*となるようCVTECU60により無段変速機42の変速比(レシオ)を変速制御すると共にエンジン22から計算した駆動力が出力されるようエンジンECU26によりエンジン22の吸入空気量や燃料噴射量などを制御することによって走行する。
【0026】
次に、実施例の変速機装置40の動作、特に車速Vが閾値Vref(例えば、2km/hや3km/hなど)以下の低車速状態のときの動作について説明する。図3は、CVTECU60により実行される油圧アクチュエータ44への油圧制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
【0027】
油圧制御ルーチンが実行されると、CVTECU60の図示しないCPUは、まず、回転数センサ62からのインプットシャフト38の回転数Ninや回転数センサ64からのアウトプットシャフト68の回転数Nout,車速V,インプットシャフト38の目標回転数Nin*,インプットシャフト38に入力される入力トルクTin,温度センサ52からのオイル温度Toilなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、車速Vは、車速センサ88により検出されたものをメインECU80から通信により入力するものとした。インプットシャフト38の目標回転数Nin*と入力トルクTinは、メインECU80により計算されたものを通信により入力するものとした。
【0028】
こうしてデータを入力すると、車速Vが閾値Vref(例えば、2km/hや3km/hなど)であるか否かを判定し(ステップS110)、車速Vが閾値Vrefより大きいときには、インプットシャフト38の目標回転数Nin*とインプットシャフト38の回転数Ninとの偏差が打ち消されるようフィードバック制御により無段変速機42のアップシフトまたはダウンシフトが行なわれ(ステップS120)、本ルーチンを終了する。このフィードバック制御については、本発明の中核をなさないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0029】
車速Vが閾値Vref以下のときには、デューティソレノイド102のデューティDS1に0%を設定してデューティソレノイド102を作動させ(ステップS130)、無段変速機42のベルト戻りの判定を行なう(ステップS140)。無段変速機42のベルト戻りの判定は、無段変速機42が最大減速比となるまでダウンシフトされた状態であるか否かの判定であり、たとえば、無段変速機42の変速比(レシオ)が最大減速比近傍の値として設定された閾値以上であると共に車速Vが閾値Vref以下に至る直前の無段変速機42の変速制御がダウンシフトであり、且つ、車速Vが閾値Vrefより小さな閾値V2以下である条件が成立したときにベルト戻りと判定することができる。こうしたベルト戻りが判定されたときには、無段変速機42は最大減速比までダウンシフトされているから、油圧アクチュエータ44の油圧を確保する必要がないと判断し、油圧アクチュエータ44のオイルを排出するためにデューティソレノイド104のデューティDS2に設定値Dset(例えば、70%や80%など)を設定してデューティソレノイド104を作動させて(ステップS150)、本ルーチンを終了する。このようにデューティソレノイド104を作動させると、デューティソレノイド104からのオイルが閉ポート126に供給されるから、第2流量制御弁120のスプール121は図2中下方に押し下げられ、連絡ポート123とドレーンポート124との間の流路が開成する。これにより、油圧アクチュエータ44のオイルは第1流量制御弁110の出力ポート114,連絡ポート117,第2流量制御弁120の連絡ポート123,ドレーンポート124を介してドレーンに排出され、無段変速機42の最大減速比での状態が安定して保持される。
【0030】
一方、無段変速機42のベルト戻りの判定でベルト戻りではない、即ち、無段変速機42は最大減速比までダウンシフトされた状態ではないと判定されると、インプットシャフト38の回転数Ninが値0であるか否かを判定し(ステップS160)、回転数Ninが値0のときには、停車中のために無段変速機42は変速できないと判断し、デューティソレノイド104のデューティDS2に0%を設定してデューティソレノイド104を作動させて(ステップS170)、本ルーチンを終了する。このとき、デューティソレノイド102およびデューティソレノイド104のデューティを共に0%として油圧アクチュエータ44の油圧を保持するいわゆる閉じ込み制御を実行することになる。
【0031】
ステップS160でインプットシャフト38の回転数Ninが値0ではないときには、入力トルクTinやオイル温度Toilに基づく値をデューティソレノイド104のデューティDS2に設定してデューティソレノイド104を作動させて(ステップS180)、本ルーチンを終了する。図4は、油圧アクチュエータ44の油圧とデューティソレノイド104のデューティDS2との関係の一例を示す。図4中、P1は車速Vが閾値Vref以下に至ったときの油圧アクチュエータ44の油圧であり、P2はデューティソレノイド104をデューティDS2で作動させたときの油圧アクチュエータ44の油圧である。実施例では、P2はP1の70%〜90%程度であり、第2流量制御弁120やデューティソレノイド104の構成にもよるが、デューティDS2は30%〜50%程度である。このように、油圧アクチュエータ44の油圧を車速Vが閾値Vref以下に至ったときの油圧より低いがある程度の油圧とするのは、デューティソレノイド102,104のデューティを共に0%とする閉じ込み制御の際に第1流量制御弁110のスプール111における若干のクリアランスによりライン圧PLが油圧アクチュエータ44側に滲み出ることにより油圧アクチュエータ44の油圧が徐々に増加して無段変速機42がアップシフトしてしまうのを抑止して無段変速機42をダウンシフトさせると共にアクセルペダル84が踏み込まれて駆動力を出力する際にベルト48の狭圧力を確保するためである。デューティソレノイド104のデューティDS2の設定は、実施例では、入力トルクTinとオイル温度Toilとデューティソレノイド104のデューティDS2との関係を予め定めてデューティ設定用マップとしてCVTECU60に記憶しておき、入力トルクTinとオイル温度Toilとが与えられるとマップから対応するデューティDS2を導出することにより行なうものとした。入力トルクTinとデューティソレノイド104のデューティDS2との関係の一例を図5に示し、オイル温度Toilとデューティソレノイド104のデューティDS2との関係の一例を図6に示す。図示するように、入力トルクTinが大きくなるほどデューティソレノイド104のデューティDS2は小さくなる傾向に、オイル温度Toilが高くなるほどデューティソレノイド104のデューティDS2は小さくなる傾向に、デューティDS2は設定されることになる。これは、入力トルクTinが大きいほどベルト48の狭圧力を確保する必要から油圧アクチュエータ44の油圧を高く保持し、オイル温度Toilが高いほど油圧アクチュエータ44からのオイルの排出が容易に行なわれてしまうことに基づく。
【0032】
図7は、車速Vが閾値Vref以下に至ったときに無段変速機42のベルト戻りが判定されなかったときの無段変速機42の変速比(レシオ)と車速Vとデューティソレノイド104のデューティDS2の時間変化の一例を模式的に示す説明図である。図中、変速比(レシオ)における一点鎖線は、車速Vが閾値Vref以下に至ったときに車速Vが閾値Vrefを超えるまでデューティソレノイド102,104のデューティを共に0%としたときの時間変化を示す。時間T1に至るまでは、車速Vが閾値Vrefより大きいため、CVTECU60は無段変速機42の変速制御、即ち、インプットシャフト38の回転数Ninが目標回転数Nin*になるようフィードバック制御を実行する。時間T1に至ると時間T2までは、車速Vが値0でないためにインプットシャフト38の回転数Ninは値0とはならないため、デューティソレノイド102についてはデューティDS1は0%とされるが、デューティソレノイド104については入力トルクTinやオイル温度Toilに基づくデューティDS2が設定され、無段変速機42はダウンシフトされる。このため、無段変速機42は最大減速比近傍となる。時間T2〜T3では、車速Vが値0であるためにインプットシャフト38の回転数Ninも値0となり、デューティソレノイド104のデューティDS2は0%とされ、閉じ込み制御となる。その後、時間T3〜T4や時間T5〜T6,時間T7〜T8,時間T9〜T10では、車速Vが発生することからインプットシャフト38の回転数Ninも値0とはならないため、入力トルクTinやオイル温度Toilに基づくデューティDS2が設定され、油圧アクチュエータ44の油圧が図4に示すP2(中間圧力)となるよう制御され、時間T4〜T5や時間T6〜T7,時間T8〜T9では、車速Vが値0であることからインプットシャフト38の回転数Ninも値0となり、デューティソレノイド104のデューティDS2には0%が設定され、いわゆる閉じ込み制御が行なわれる。このように、実施例では、車両の走行と停止により、入力トルクTinやオイル温度Toilに基づくデューティDS2の設定による油圧アクチュエータ44の中間圧力P2の制御と閉じ込み制御とが繰り返される。このため、閉じ込み制御だけを行なう変速比(レシオ)における一点鎖線に示すように、第1流量制御弁110のスプール111における若干のクリアランスによりライン圧PLが油圧アクチュエータ44側に滲み出ることにより油圧アクチュエータ44の油圧が徐々に増加して無段変速機42がアップシフトしてしまうことはなく、無段変速機42を最大減速比やその近傍の状態とすることができる。この結果、アクセルペダル84が踏み込まれたときに必要な駆動力を出力することができ、登坂路でも発進することができる。
【0033】
以上説明した実施例の変速機装置40によれば、車速Vが閾値Vref以下に至ったときに無段変速機42のベルト戻りが判定されなかったときには、車両の走行と停止とに対して入力トルクTinやオイル温度Toilに基づくデューティソレノイド104のデューティDS2の設定による油圧アクチュエータ44を中間圧力P2とする制御と閉じ込み制御とを繰り返すことにより、第1流量制御弁110のスプール111における若干のクリアランスによりライン圧PLが油圧アクチュエータ44側に滲み出ることにより油圧アクチュエータ44の油圧が徐々に増加して無段変速機42がアップシフトしてしまうのを抑制すると共に無段変速機42をダウンシフトさせることができる。この結果、アクセルペダル84が踏み込まれたときに必要な駆動力を出力することができ、登坂路でも発進させることができる。しかも、入力トルクTinやオイル温度Toilに基づいてデューティソレノイド104のデューティDS2を設定するから、入力トルクTinに応じたベルト48の狭圧力を確保することができると共にオイル温度Toilの変化に対応することができる。また、車両が走行しているときに油圧アクチュエータ44を中間圧力P2とする制御を実行するから、無段変速機42をダウンシフトさせることができる。
【0034】
実施例の変速機装置40では、車速Vが閾値Vref以下に至ったときに無段変速機42のベルト戻りが判定されなかったときには、車両の走行と停止とに対して油圧アクチュエータ44を中間圧力P2とする制御と閉じ込み制御とを繰り返し実行するものとしたが、車速Vが閾値Vref以下に至ったときに無段変速機42のベルト戻りが判定されなかったときには、車両の走行や停止に拘わらず、常に油圧アクチュエータ44を中間圧力P2とする制御を実行するものとしてもよい。
【0035】
実施例の変速機装置40では、車速Vが閾値Vref以下に至ったときに無段変速機42のベルト戻りが判定されなかったときには、入力トルクTinやオイル温度Toilに基づいてデューティソレノイド104のデューティDS2を設定するものとしたが、入力トルクTinだけに基づいてデューティソレノイド104のデューティDS2を設定するものとしてもよく、また、オイル温度Toilだけに基づいてデューティソレノイド104のデューティDS2を設定するものとしてもよい。あるいは、入力トルクTinやオイル温度Toilに拘わらずに、所定のデューティ値(例えば40%)をデューティソレノイド104のデューティDS2として設定するものとしても構わない。
【0036】
実施例の変速機装置40では、車速Vが閾値Vref以下に至ったときに無段変速機42のベルト戻りが判定されたときには、油圧アクチュエータ44のオイルを排出するためにデューティソレノイド104のデューティDS2に設定値Dset(例えば、70%や80%など)を設定するものとしたが、車速Vが閾値Vref以下に至ったときに無段変速機42のベルト戻りが判定されたときでも無段変速機42のベルト戻りが判定されなかったときと同様に車両の走行と停止とに対して入力トルクTinやオイル温度Toilに基づくデューティソレノイド104のデューティDS2の設定による油圧アクチュエータ44を中間圧力P2とする制御と閉じ込み制御とを繰り返し実行するものとしてもよい。
【0037】
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、変速機装置40が「変速機装置」に相当し、ベルト式の無段変速機42が「無段変速機」に相当し、油圧回路50のデューティソレノイド102,デューティソレノイド104,第1流量制御弁110,第2流量制御弁120が「流体供給排出手段」に相当し、車速Vが閾値Vref以下に至ったときに無段変速機42のベルト戻りが判定されなかったときには、車両の走行と停止とに対して入力トルクTinやオイル温度Toilに基づくデューティソレノイド104のデューティDS2の設定による油圧アクチュエータ44を中間圧力P2とする制御と閉じ込み制御とを繰り返し実行する図3の油圧制御ルーチンを実行するCVTECU60が「制御手段」に相当する。そして、デューティソレノイド104が「排出用ソレノイドバルブ」に相当する。ここで、「無段変速機」としては、ベルト式の無段変速機42に限定されるものではなく、他のタイプの無段変速機としても構わない。「流体供給排出手段」としては、油圧回路50のデューティソレノイド102,デューティソレノイド104,第1流量制御弁110,第2流量制御弁120に限定されるものではなく、作動流体を作動流体室に供給することによりアップシフトすると共に作動流体を作動流体室から排出することによりダウンシフトする車載用の無段変速機における作動流体の作動流体室への供給と排出を行なうことができるものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、CVTECU60に限定されるものではなく、CVTECU60とエンジンECU26とメインECU80とを一体のものとしたり、CVTECU60を複数の電子制御ユニットにより実現するものとしても構わない。また、「制御手段」としては、車速Vが閾値Vref以下に至ったときに無段変速機42のベルト戻りが判定されなかったときには、車両の走行と停止とに対して入力トルクTinやオイル温度Toilに基づくデューティソレノイド104のデューティDS2の設定による油圧アクチュエータ44を中間圧力P2とする制御と閉じ込み制御とを繰り返し実行するものに限定されるものではなく、車両の走行や停止に無関係に常に油圧アクチュエータ44を中間圧力P2とする制御を実行するものとしたり、油圧アクチュエータ44を中間圧力P2とする制御におけるデューティソレノイド104のデューティDS2の設定を入力トルクTinやオイル温度Toilに無関係に設定するものとしたり、車速Vが閾値Vref以下に至ったときに無段変速機42のベルト戻りが判定されたときでも油圧アクチュエータ44を中間圧力P2とする制御を実行するものとしたりするなど、所定車速以下の低車速状態のときには、作動流体室における作動流体の圧力が所定車速に至ったときの圧力より低く作動流体室から作動流体を完全に排出したときの圧力より高い中間圧力となるよう流体供給排出手段を制御するものであれば如何なるものとしても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0038】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、変速機装置の製造産業などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施例の変速機装置40を搭載する自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】プライマリープーリー43の油圧アクチュエータ44への油圧回路の一例を示す構成図である。
【図3】CVTECU60により実行される油圧制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図4】油圧アクチュエータ44の油圧とデューティソレノイド104のデューティDS2との関係の一例を示す説明図である。
【図5】入力トルクTinとデューティソレノイド104のデューティDS2との関係の一例を示す説明図である。
【図6】オイル温度Toilとデューティソレノイド104のデューティDS2との関係の一例を示す説明図である。
【図7】車速Vが閾値Vref以下に至ったときに無段変速機42のベルト戻りが判定されなかったときの無段変速機42の変速比(レシオ)と車速Vとデューティソレノイド104のデューティDS2の時間変化の一例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0041】
20 自動車、22 エンジン、24 クランクシャフト、26 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、30 トルクコンバータ、32 タービンランナー、34 ポンプインペラ、36 ロックアップクラッチ、38 インプットシャフト、40 変速機装置、42 無段変速機、43 プライマリープーリー、44 油圧アクチュエータ、45 セカンダリープーリー、46 油圧アクチュエータ、48 ベルト、50 油圧回路、52 温度センサ、60 無段変速機用電子制御ユニット(CVTECU)、62 回転数センサ、64 回転数センサ、68 アウトプットシャフト、70 ギヤ機構、72 デファレンシャルギヤ、74a,74b 駆動輪、80 メイン電子制御ユニット(メインECU)、81 イグニッションスイッチ、82 シフトレバー、83 シフトポジションセンサ、84 アクセルペダル、85 アクセルペダルポジションセンサ、86 ブレーキペダル、87 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、102 デューティソレノイド、104 デューティソレノイド、110 第1流量制御弁、111 スプール、112 バネ、113 入力ポート、114 出力ポート、115 開ポート、116 閉ポート、117 連絡ポート、120 第2流量制御弁、121 スプール、122 バネ、123 連絡ポート、124 ドレーンポート、125 開ポート、126 閉ポート、127 調圧ポート、130 減圧機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動流体を作動流体室に供給することによりアップシフトすると共に前記作動流体を前記作動流体室から排出することによりダウンシフトする車載用の無段変速機を有する変速機装置であって、
前記作動流体の前記作動流体室への供給と排出を行なう流体供給排出手段と、
所定車速以下の低車速状態のときには、前記作動流体室における作動流体の圧力が前記所定車速に至ったときの圧力より低く前記作動流体室から作動流体を完全に排出したときの圧力より高い中間圧力となるよう前記流体供給排出手段を制御する制御手段と、
を備える変速機装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記低車速状態における車両が走行しているタイミングで前記作動流体が前記作動流体室から排出されることにより前記作動流体室における作動流体の圧力が減圧されるよう前記流体供給排出手段を制御する手段である請求項1記載の変速機装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の変速機装置であって、
前記流体供給排出手段は、印加される電流のデューティ比が大きくなるほど前記作動流体の前記作動流体室からの排出を促進する排出用ソレノイドバルブを有し、
前記制御手段は、前記低車速状態のときには、前記無段変速機に入力されるトルクが大きいほど小さくなる傾向のデューティ比をもって前記排出用ソレノイドバルブに電流が印加されるよう前記流体供給排出手段を制御する手段である、
変速機装置。
【請求項4】
請求項1または2記載の変速機装置であって、
前記流体供給排出手段は、印加される電流のデューティ比が大きくなるほど前記作動流体の前記作動流体室からの排出を促進する排出用ソレノイドバルブを有し、
前記制御手段は、前記低車速状態のときには、前記作動流体の温度が高いほど小さくなる傾向のデューティ比をもって前記排出用ソレノイドバルブに電流が印加されるよう前記流体供給排出手段を制御する手段である、
変速機装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記低車速状態に至ったときに前記無段変速機の変速比が最大減速比と判断された場合には、前記作動流体室における作動流体の圧力に拘わらずに前記作動流体室から前記作動流体が排出されるよう前記流体供給排出手段を制御する手段である請求項1ないし4いずれか記載の変速機装置。
【請求項6】
作動流体を作動流体室に供給することによりアップシフトすると共に前記作動流体を前記作動流体室から排出することによりダウンシフトする車載用の無段変速機の制御方法であって、
所定車速以下の低車速状態のときには、前記作動流体室における作動流体の圧力が前記所定車速に至ったときの圧力より低く前記作動流体室から作動流体を完全に排出したときの圧力より高い中間圧力となるよう前記作動流体の前記作動流体室への給排を制御する、
ことを特徴とする無段変速機の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−309271(P2008−309271A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158890(P2007−158890)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】